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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/56 20060101AFI20221109BHJP
   G11C 11/405 20060101ALI20221109BHJP
   H01L 21/8242 20060101ALI20221109BHJP
   H01L 27/108 20060101ALI20221109BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G11C11/56 250
G11C11/405
H01L27/108 321
H01L29/78 613B
H01L29/78 618B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020192366
(22)【出願日】2020-11-19
(62)【分割の表示】P 2019182982の分割
【原出願日】2015-03-13
(65)【公開番号】P2021051823
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】P 2014051497
(32)【優先日】2014-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2014069626
(32)【優先日】2014-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】熱海 知昭
(72)【発明者】
【氏名】長塚 修平
【審査官】堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-188070(JP,A)
【文献】特開2015-195074(JP,A)
【文献】特開2015-222807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/56
G11C 11/405
H01L 21/8242
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャネル形成領域及び第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、
容量素子と、
第2のチャネル形成領域及び第2のゲート電極を有する第2のトランジスタと、
第3のチャネル形成領域及び第3のゲート電極を有する第3のトランジスタと、
第1の絶縁層と、
第2の絶縁層と、を有し、
前記容量素子は、前記第1のチャネル形成領域及び前記第1のゲート電極よりも上の階層に位置し、
前記第2のチャネル形成領域及び前記第2のゲート電極は、前記容量素子よりも上の階層に位置し、
前記第3のチャネル形成領域及び前記第3のゲート電極は、前記第2のチャネル形成領域及び前記第2のゲート電極よりも上の階層に位置し、
断面視において、前記第1のゲート電極は、前記第1のチャネル形成領域と前記容量素子との間の層に位置し、
断面視において、前記第2のゲート電極は、前記第2のチャネル形成領域と前記容量素子との間の層に位置し、
断面視において、前記第3のゲート電極は、前記第3のチャネル形成領域と前記第2のチャネル形成領域との間の層に位置し、
断面視において、前記第1の絶縁層は、前記第3のチャネル形成領域と前記第2のチャネル形成領域との間の層に位置し、
断面視において、前記第2の絶縁層は、前記第3のチャネル形成領域と前記第2のチャネル形成領域との間の層に位置し、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層は接し、
前記第1の絶縁層は、前記第3のチャネル形成領域と、前記第2のチャネル形成領域との間の領域を有し、
前記第2の絶縁層は、前記第3のゲート電極の側面に接する領域を有する、半導体装置。
【請求項2】
第1のチャネル形成領域及び第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、
容量素子と、
第2のチャネル形成領域及び第2のゲート電極を有する第2のトランジスタと、
第3のチャネル形成領域及び第3のゲート電極を有する第3のトランジスタと、
第3の絶縁層と、
第4の絶縁層と、を有し、
前記容量素子は、前記第1のチャネル形成領域及び前記第1のゲート電極よりも上の階層に位置し、
前記第2のチャネル形成領域及び前記第2のゲート電極は、前記容量素子よりも上の階層に位置し、
前記第3のチャネル形成領域及び前記第3のゲート電極は、前記第2のチャネル形成領域及び前記第2のゲート電極よりも上の階層に位置し、
断面視において、前記第1のゲート電極は、前記第1のチャネル形成領域と前記容量素子との間の層に位置し、
断面視において、前記第2のゲート電極は、前記第2のチャネル形成領域と前記容量素子との間の層に位置し、
断面視において、前記第3のゲート電極は、前記第3のチャネル形成領域と前記第2のチャネル形成領域との間の層に位置し、
断面視において、前記第3の絶縁層は、前記第2のチャネル形成領域と前記第1のチャネル形成領域との間の層に位置し、
断面視において、前記第4の絶縁層は、前記第2のチャネル形成領域と前記第1のチャネル形成領域との間の層に位置し、
前記第3の絶縁層と前記第4の絶縁層は接し、
前記第3の絶縁層は、前記第2のチャネル形成領域と、前記第1のチャネル形成領域との間の領域を有し、
前記第4の絶縁層は、前記第2のゲート電極の側面に接する領域を有する、半導体装置。
【請求項3】
第1のチャネル形成領域及び第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、
容量素子と、
第2のチャネル形成領域及び第2のゲート電極を有する第2のトランジスタと、
第3のチャネル形成領域及び第3のゲート電極を有する第3のトランジスタと、
第1の絶縁層と、
第2の絶縁層と、
第3の絶縁層と、
第4の絶縁層と、を有し、
前記容量素子は、前記第1のチャネル形成領域及び前記第1のゲート電極よりも上の階層に位置し、
前記第2のチャネル形成領域及び前記第2のゲート電極は、前記容量素子よりも上の階層に位置し、
前記第3のチャネル形成領域及び前記第3のゲート電極は、前記第2のチャネル形成領域及び前記第2のゲート電極よりも上の階層に位置し、
断面視において、前記第1のゲート電極は、前記第1のチャネル形成領域と前記容量素子との間の層に位置し、
断面視において、前記第2のゲート電極は、前記第2のチャネル形成領域と前記容量素子との間の層に位置し、
断面視において、前記第3のゲート電極は、前記第3のチャネル形成領域と前記第2のチャネル形成領域との間の層に位置し、
断面視において、前記第1の絶縁層は、前記第3のチャネル形成領域と前記第2のチャネル形成領域との間の層に位置し、
断面視において、前記第2の絶縁層は、前記第3のチャネル形成領域と前記第2のチャネル形成領域との間の層に位置し、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層は接し、
前記第1の絶縁層は、前記第3のチャネル形成領域と、前記第2のチャネル形成領域との間の領域を有し、
前記第2の絶縁層は、前記第3のゲート電極の側面に接する領域を有し、
断面視において、前記第3の絶縁層は、前記第2のチャネル形成領域と前記第1のチャネル形成領域との間の層に位置し、
断面視において、前記第4の絶縁層は、前記第2のチャネル形成領域と前記第1のチャネル形成領域との間の層に位置し、
前記第3の絶縁層と前記第4の絶縁層は接し、
前記第3の絶縁層は、前記第2のチャネル形成領域と、前記第1のチャネル形成領域との間の領域を有し、
前記第4の絶縁層は、前記第2のゲート電極の側面に接する領域を有する、半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記第1のチャネル形成領域は、単結晶シリコンに設けられている、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物、方法、又は製造方法に関する。又は、本発明は、プロセス、マシン、マニ
ュファクチャ、又は組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。また、本発明の
一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法に
関する。特に、本発明の一態様は、酸化物半導体を含む半導体装置、表示装置、又は発光
装置に関する。
【0002】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指す。表示装置、電気光学装置、半導体回路および電子機器は、半導体装置を有す
る場合がある。
【背景技術】
【0003】
シリコン(Si)を半導体層に用いたトランジスタと、酸化物半導体(Oxide Se
miconductor:OS)を半導体層に用いたトランジスタと、を組み合わせてデ
ータの保持を可能にした半導体装置が注目されている(特許文献1参照)。
【0004】
近年、扱われるデータ量の増大に伴って、大きな記憶容量を有する半導体装置が求められ
ている。そうした中で、前述した特許文献1に記載の半導体装置では、多値のデータを記
憶し、該データを読み出す構成について開示している。なお、本明細書中では特に断りが
ない限り、多値のデータとはjビット(jは2以上の自然数)のデータのことを表す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-256400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、特許文献1に記載の半導体装置では、1つのトランジスタを用いて、多値データ
の書き込みを行っているが、多値データのビット数が増えると、それぞれのデータに対応
する電位と電位の差が小さくなり、データを読み出す際の電位の判定が難しくなり、誤っ
た値を読み出す可能性がある。
【0007】
本発明の一態様は、多値のデータの書き込みと読み出しを行うことのできる半導体装置を
提供すること、または、多値のデータの書き込みと読み出しを行うことのできる半導体装
置の駆動方法を提供することを課題の一とする。また、本発明の一態様は、新規な半導体
装置を提供することを課題の一とする。
【0008】
なお、複数の課題の記載は、互いの課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全て解決する必要はない。また、列記した以外の課題が、明細書
、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、これらの課題も、本発
明の一形態の課題となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、ビット線と、電源線と、第1及び第2のワード線と、第1乃至第4の
トランジスタと、第1及び第2の容量素子と、第1及び第2の保持ノードと、を有する半
導体装置である。第1の保持ノードは、第1のトランジスタを介して、第1のデータが与
えられる。第2の保持ノードは、第2のトランジスタを介して、第2のデータが与えられ
る。第3のトランジスタのゲートは第1の保持ノードに電気的に接続される。第3のトラ
ンジスタのソース及びドレインの一方は、ビット線に電気的に接続される。第3のトラン
ジスタのソース及びドレインの他方は、第4のトランジスタのソース及びドレインの一方
に電気的に接続される。第4のトランジスタのソース及びドレインの他方は、電源線に電
気的に接続される。第4のトランジスタのゲートは、第2の保持ノードに電気的に接続さ
れる。第1の容量素子の第1の端子は、第1の保持ノードに電気的に接続される。第1の
容量素子の第2の端子は、第1のワード線に電気的に接続される。第2の容量素子の第1
の端子は、第2の保持ノードに電気的に接続される。第2の容量素子の第2の端子は、第
2のワード線に電気的に接続される。第1及び第2のデータは、2値又は多値のデータか
ら成る。第1及び第2のトランジスタは半導体層に酸化物半導体を有する。
【0010】
上記態様において、第3及び第4のトランジスタは、pチャネル型トランジスタである。
【0011】
上記態様において、第3及び第4のトランジスタは、nチャネル型トランジスタである。
【0012】
本発明の一態様は、上記態様に記載の半導体装置と、表示装置、マイクロフォン、スピー
カー、操作キー、または、筐体と、を有する電子機器である。
【0013】
本明細書等において、トランジスタとは、ゲート(ゲート端子又はゲート電極)と、ドレ
インと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(
ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又は
ソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介
して電流を流すことができるものである。
【0014】
ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるため
、いずれがソース又はドレインであるかを限定することが困難である。そこで、ソースと
して機能する部分、及びドレインとして機能する部分を、ソース又はドレインと呼ばず、
ソースとドレインとの一方を第1電極と表記し、ソースとドレインとの他方を第2電極と
表記する場合がある。
【0015】
本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避
けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0016】
本明細書において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているも
のの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接
続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき
、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。
【0017】
例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)
、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介
して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は
第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接
続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続
され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現するこ
とが出来る。
【0018】
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2
の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第
1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に
接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第
1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子な
ど)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トラ
ンジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている
」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子な
ど)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トラン
ジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など
)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様
な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トラン
ジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別
して、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、こ
れらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置
、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0019】
本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を
、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各
構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に
限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0020】
本明細書において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態にある
ときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジ
スタでは、ゲートとソースの間の電位差(VGS)がしきい値電圧(Vth)よりも低い
状態、pチャネル型トランジスタでは、VGSがVthよりも高い状態をいう。例えば、
nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、VGSがVthよりも低いときのドレイン
電流を言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、VGSに依存する場合がある。従っ
て、トランジスタのオフ電流が10-21A以下である、とは、トランジスタのオフ電流
が10-21A以下となるVGSの値が存在することを言う場合がある。
【0021】
また、トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電位差(VDS)に依存する
場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、VDSの絶対値が0
.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V,2.5V,3V、3.3V、10V、1
2V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジ
スタが含まれる半導体装置等に要求される信頼性において用いられるVDS、または、当
該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVDSにおけるオフ電流、を
表す場合がある。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様により、多値のデータの書き込みと読み出しを行うことのできる半導体装
置を提供すること、または、多値のデータの書き込みと読み出しを行うことのできる半導
体装置の駆動方法を提供することが可能になる。また、本発明の一態様により、新規な半
導体装置を提供することが可能になる。
【0023】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、
図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項な
どの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】メモリセルの一例を示す回路図。
図2】メモリセルの動作の一例を示すタイミングチャート。
図3】メモリセルの動作の一例を示すタイミングチャート。
図4】メモリセルの一例を示す回路図。
図5】メモリセルの動作の一例を示すタイミングチャート。
図6】メモリセルの動作の一例を示すタイミングチャート。
図7】半導体装置の一例を示す回路ブロック図。
図8】半導体装置の一例を示す回路ブロック図。
図9】行選択ドライバの一例を示す回路ブロック図。
図10】列選択ドライバの一例を示す回路ブロック図。
図11】A/Dコンバータの一例を示す回路ブロック図。
図12】半導体装置の一例を示す断面図。
図13】トランジスタの一例を示す上面図及び断面図。
図14】トランジスタの一例を示す断面図およびバンド図。
図15】酸化物半導体の断面における高分解能TEM像および局所的なフーリエ変換像。
図16】酸化物半導体膜のナノビーム電子回折パターンを示す図、および透過電子回折測定装置の一例を示す図。
図17】電子照射による結晶部の変化を示す図。
図18】透過電子回折測定による構造解析の一例を示す図、および平面における高分解能TEM像。
図19】電子機器の一例を示す図。
図20】RFタグの一例を示す図。
図21】メモリセルの一例を示す回路図。
図22】メモリセルの一例を示す回路図。
図23】メモリセルの一例を示す回路図。
図24】半導体装置の一例を示す回路ブロック図。
図25】半導体装置の一例を示す回路ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異な
る態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及
び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、
以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0026】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場
合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模
式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズに
よる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、
若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。また、以下に説明する実施の形態
において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通し
て用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置が有する、メモリセルの回路構成お
よびその動作について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0028】
〈〈メモリセルの構成例〉〉
図1は、本発明の一態様であるメモリセル100の回路図である。
【0029】
図1に示すメモリセル100では、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トラ
ンジスタ103と、容量素子104と、トランジスタ105と、容量素子106と、ノー
ドFN1と、ノードFN2と、を有している。また、メモリセル100は、ビット線BL
、電源線SL、ワード線WLC1、ワード線WLOS1、ワード線WLC2及びワード線
WLOS2に電気的に接続されている。
【0030】
トランジスタ101のゲートは、ワード線WLOS1に電気的に接続され、トランジスタ
101のソースおよびドレインの一方は、ビット線BLに電気的に接続され、トランジス
タ101のソースおよびドレインの他方は、ノードFN1に電気的に接続され、トランジ
スタ101の第2のゲートは、信号BG1が与えられる配線に電気的に接続されている。
【0031】
トランジスタ102のゲートは、ノードFN1に電気的に接続され、トランジスタ102
のソースおよびドレインの一方は、ビット線BLに電気的に接続され、トランジスタ10
2のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ103のソース及びドレインの一方に
電気的に接続されている。
【0032】
トランジスタ103のゲートは、ノードFN2に電気的に接続され、トランジスタ103
のソースおよびドレインの他方は、電源線SLに電気的に接続されている。
【0033】
容量素子104の一方の端子は、ワード線WLC1に電気的に接続され、容量素子104
の他方の端子は、ノードFN1に電気的に接続されている。
【0034】
トランジスタ105のゲートは、ワード線WLOS2に電気的に接続され、トランジスタ
105のソースおよびドレインの一方は、ビット線BLに電気的に接続され、トランジス
タ105のソースおよびドレインの他方は、ノードFN2に電気的に接続され、トランジ
スタ105の第2のゲートは、信号BG2が与えられる配線に電気的に接続されている。
【0035】
容量素子106の一方の端子は、ワード線WLC2に電気的に接続され、容量素子106
の他方の端子は、ノードFN2に電気的に接続されている。
【0036】
ノードFN1は、2値、または多値のデータを保持する機能を有する。すなわち、ノード
FN1は、Mビット(2値、Mは1以上の自然数)のデータを保持する機能を有する。
具体的には、2ビットのデータであれば4値(2)のデータであり、4段階の電圧のい
ずれか一を有する信号である。
【0037】
同様に、ノードFN2は、2値、または多値のデータを保持する機能を有する。すなわち
、ノードFN2は、Nビット(2値、Nは1以上の自然数)のデータを保持する機能を
有する。
【0038】
上記Mビットのデータ及びNビットのデータは、ビット線に与えられる。また、上記Mビ
ットのデータは、トランジスタ101を介して、ビット線からノードFN1へ与えられる
。また、上記Nビットのデータは、トランジスタ105を介して、ビット線からノードF
N2へ与えられる。
【0039】
本明細書において、ノードFN1またはノードFN2の電位が、ビット線BLの電圧に応
じた電位となることを、メモリセルにデータを書き込む、という。また、ビット線BLの
電位が、ノードFN1またはノードFN2の電位に応じた電位となることを、メモリセル
からのデータを読み出す、という。
【0040】
ワード線WLOS1、WLOS2には、書き込み信号が与えられる。
【0041】
書き込み信号とはビット線BLの電位をノードFN1またはFN2に与えるために、トラ
ンジスタ101またはトランジスタ105を導通状態とする信号である。
【0042】
ワード線WLC1、WLC2には、読み出し信号が与えられる。
【0043】
読み出し信号は、メモリセルからデータを選択的に読み出すために、容量素子104の一
方の端子または容量素子106の一方の端子に与えられる信号である。
【0044】
トランジスタ101、105は、nチャネル型のトランジスタとして、説明を行うものと
する。また、トランジスタ102、103はpチャネル型のトランジスタとして説明を行
うものとする。
【0045】
トランジスタ101、105は、導通状態と非導通状態とを切り換えることで、データの
書き込みを制御するスイッチとしての機能を有する。また、非導通状態を保持することで
、書き込んだデータに基づく電位を保持する機能を有する。
【0046】
なお、トランジスタ101、105は、非導通状態においてソースとドレインとの間を流
れる電流(オフ電流)が低いトランジスタが用いられることが好適である。ここでは、オ
フ電流が低いとは、室温において、ソースとドレインとの間の電圧を10Vとし、チャネ
ル幅1μmあたりの規格化されたオフ電流が10×10-21A以下であることをいう。
このようにオフ電流が低いトランジスタとしては、半導体層に酸化物半導体を有するトラ
ンジスタが挙げられる。
【0047】
図1に示すメモリセル100の構成では、非導通状態を保持することで、書き込んだデー
タに基づく電位を保持している。そのため、ノードFN1、FN2での電荷の移動を伴っ
た電位の変動を抑えるスイッチとして、オフ電流が低いトランジスタが用いられることが
特に好ましい。
【0048】
トランジスタ102、103は、ノードFN1、FN2の電位に従って、ビット線BLと
電源線SLとの間に電流を流す機能を有する。
【0049】
なお、トランジスタ102、103には、閾値電圧のばらつきの小さいトランジスタが用
いられることが好ましい。ここで、閾値電圧のばらつきが小さいトランジスタとは、トラ
ンジスタが同一プロセスで作製される際に、許容される閾値電圧の差が100mV以内で
形成されうるトランジスタのことをいう。具体的には、チャネルが単結晶シリコンで形成
されているトランジスタが挙げられる。
【0050】
なお、トランジスタ101、105が有する第2のゲートは、トランジスタ101、10
5の閾値電圧を制御する機能、または、トランジスタ101、105のオン電流を向上さ
せる機能を有するが、場合によっては省略してもよい。
【0051】
〈〈タイミングチャート〉〉
次いで、メモリセル100の動作の一例を図2及び図3のタイミングチャートを用いて説
明する。
【0052】
図2及び図3に示すタイミングチャートは、メモリセル100のビット線BL、電源線S
L、ワード線WLOS1、ワード線WLC1、ノードFN1、ワード線WLOS2、ワー
ド線WLC2、ノードFN2の電位変化を示している。図2はメモリセル100にデータ
を書き込む際のタイミングチャートを表し、図3図2でメモリセル100に書き込まれ
たデータを読み出す際のタイミングチャートを表している。
【0053】
図2及び図3において、電源線SL、ワード線WLOS1、WLOS2は、高電源電位と
して電位VH1が与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位V
GNDはグラウンド電位GNDでもよい。また、電位VH1をHレベル電位、電位VGN
をLレベル電位と呼ぶ場合もある。さらに、ワード線WLOS1、WLOS2は、電位
GNDよりも低い電位-VL1が与えられることもある。電位-VL1は、負の電位(
-VL1<0V)であることが好ましい。
【0054】
図2及び図3において、ワード線WLC1、WLC2は、高電源電位として電位VH2
与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位VGNDはグラウン
ド電位GNDでもよい。また、電位VH2をHレベル電位、電位VGNDをLレベル電位
と呼ぶ場合もある。さらに、ワード線WLC1、WLC2は、電位VGNDよりも低い電
位-VL2が与えられることもある。電位-VL2は、負の電位(-VL2<0V)であ
ることが好ましい。
【0055】
〈書き込み動作〉
図2のタイミングチャートに沿って、メモリセル100の書き込み動作について説明を行
う。
【0056】
図2は期間p0乃至p3の4つの期間で構成され、期間p0は初期期間、期間p1はノー
ドFN1にデータを書き込む期間、期間p2はノードFN2にデータを書き込む期間、期
間p3は書き込まれたデータを保持する期間をそれぞれ表している。また、図2に示す時
刻T0乃至T8は、動作のタイミングを説明するために付したものである。
【0057】
まず、期間p0において、ビット線BLはVGNDに初期化され、電源線SLはVGND
を維持し、ワード線WLOS1はLレベルの電位が与えられ、ワード線WLC1はHレベ
ルの電位が与えられ、ワード線WLOS2はLレベルの電位が与えられ、ワード線WLC
2はHレベルの電位が与えられている。
【0058】
次に、時刻T0において、ワード線WLOS1の電位はLレベルからHレベルへ変化し、
ワード線WLC1の電位はHレベルからLレベルへと変化する。このとき、トランジスタ
101はオンとなり、ビット線BLとノードFN1との接続が導通状態となり、ノードF
N1は電位VGNDに初期化される。
【0059】
次に、時刻T1において、ビット線BLに電位Vが与えられ、ビット線BLと導通状態
にあるノードFN1にも電位Vが書き込まれる。
【0060】
なお、図2及び図3のタイミングチャートでハッチングパターンが施された部分は、ハッ
チングパターンが与えられた範囲の電位が与えられること、すなわち、多値のデータが与
えられることを示している。例えば、ノードFN1に4ビットのデータを書き込む場合は
、電位Vは2=16値の電位をとり得ることができる。
【0061】
次に時刻T2において、ワード線WLOS1の電位をLレベルにし、トランジスタ101
をオフにしたあと、時刻T3において、ビット線BLの電位をVGNDに初期化する。こ
のとき、ノードFN1は電気的に浮遊状態となり、電位Vを保持する。
【0062】
次に、時刻T4において、ワード線WLC1の電位をHレベルにし、容量結合によりノー
ドFN1の電位をV+VH2まで上昇させる。ノードFN1の電位を高く保つことで、
pチャネル型のトランジスタ102はオフを維持し、ビット線BLと電源線SLとの間に
流れるリーク電流を防ぐことができる。また、同時に、ワード線WLOS2の電位をLレ
ベルからHレベルへ変化させ、ワード線WLC2の電位をHレベルからLレベルへ変化さ
せる。このとき、トランジスタ105はオンになり、ノードFN2は初期化される。
【0063】
なお、ワード線WLC1の電位を、容量素子104を介して、ノードFN1に伝えるため
には、容量素子104の容量はトランジスタ101のゲート容量よりも十分大きく、且つ
、容量素子104の容量はトランジスタ102のゲート容量よりも十分大きいことが好ま
しい。本実施の形態では、説明を単純にするために、ワード線WLC1に与えた電位が、
そのままノードFN1に伝わる(例えば、ワード線WLC1に電位VH2を与えると、ノ
ードFN1の電位は電位Vから電位V+VH2に上昇する)と説明しているが、容量
素子104の容量、トランジスタ101のゲート容量、トランジスタ102のゲート容量
の大小関係によっては、ワード線WLC1に与えた電位が、そのままノードFN1に伝わ
らない場合がある。
【0064】
次に、時刻T5において、ビット線BLに電位Vが与えられ、ノードFN2に電位V
が書き込まれる。なお、電位Vは多値のデータが与えられる。例えば、ノードFN2に
4ビットのデータを書き込む場合は、電位Vは2=16値の電位をとり得ることがで
きる。
【0065】
次に、時刻T6において、ワード線WLOS2の電位をHレベルからLレベルへ変化させ
、トランジスタ105をオフにし、時刻T7でビット線BLの電位をVGNDに初期化す
る。このとき、ノードFN2は電気的に浮遊状態のため、電位Vを保持する。
【0066】
次に、時刻T8において、ワード線WLC2の電位をLレベルからHレベルにし、容量結
合によりノードFN2の電位をV+VH2へ上昇させる。ノードFN2の電位を高く保
つことで、pチャネル型のトランジスタ103がオフを維持し、ビット線BLから電源線
SLへリーク電流が流れることを防ぐ。
【0067】
なお、ワード線WLC2の電位を、容量素子106を介して、ノードFN2に伝えるため
には、容量素子106の容量はトランジスタ105のゲート容量よりも十分大きく、且つ
、容量素子106の容量はトランジスタ103のゲート容量よりも十分大きいことが好ま
しい。本実施の形態では、説明を単純にするために、ワード線WLC2に与えた電位が、
そのままノードFN2に伝わる(例えば、ワード線WLC2に電位VH2を与えると、ノ
ードFN2の電位は電位Vから電位V+VH2に上昇する)と説明しているが、容量
素子106の容量、トランジスタ105のゲート容量、トランジスタ103のゲート容量
の大小関係によっては、ワード線WLC2に与えた電位が、そのままノードFN2に伝わ
らない場合がある。
【0068】
時刻T8を経過した後の期間p3では、ノードFN1、FN2に書き込まれたデータが、
それぞれ保持されている。
【0069】
以上、図2のタイミングチャートで説明した書き込み動作により、ノードFN1、FN2
に多値のデータを書き込むことができる。
【0070】
なお、期間p1において、ワード線WLOS1に与えられる電位VH1は、電位Vにト
ランジスタ101の閾値電圧を加えた電位よりも高い電位であることが好ましい。例えば
、電位Vが3Vをとる場合、トランジスタ101の閾値電圧を1Vとすると、電位V
は4V(3V+1V)以上であることが好ましい。なぜなら、ビット線BLからノード
FN1に3Vの電位を書き込む際に、ワード線WLOS1の電位が4V未満であると、ノ
ードFN1の電位が3Vに到達する前に、トランジスタ101のゲートとソース間の電位
差(VGS)が閾値電圧以下になり、トランジスタ101がオフになり、ノードFN1に
3Vの電位を書き込むことができないためである。
【0071】
同様に、期間p2において、ワード線WLOS2に与えられる電位VH1は、電位V
トランジスタ105の閾値電圧を加えた電位よりも高い電位であることが好ましい。
【0072】
なお、本明細書におけるVGSとは、ソースを基準にしたときの、ゲートとソース間の電
位差を言う。例えば、ソースに1V、ゲートに3Vの電位が与えられている場合は、V
は2Vである。例えば、ソースに3V、ゲートに1Vの電位が与えられている場合は、
GSは-2Vである。
【0073】
〈読み出し動作〉
図3のタイミングチャートに沿って、メモリセル100に書き込まれたデータの読み出し
動作について説明を行う。
【0074】
図3は期間p3乃至p6の4つの期間で構成され、期間p3は、図2の期間p3からのデ
ータを引き続き保持する期間、期間p4はノードFN1のデータを読み出す期間、期間p
5はノードFN2のデータを読み出す期間、期間p6はデータを保持する期間をそれぞれ
表している。また、図3に示す時刻T9乃至T13は、動作のタイミングを説明するため
に付したものである。
【0075】
まず、時刻T9において、ビット線BLが電位VBLへ充電(プリチャージ)される。
【0076】
次に、時刻T10において、ビット線BLを電気的に浮遊状態にする。すなわち、ビット
線BLは、電荷の充電又は放電により、電位が変動する状態となる。この状態はビット線
BLに電位を与えるスイッチをオフにすることで実現する。
【0077】
また、時刻T10では、ワード線WLC1の電位がHレベルからLレベルへ低下し、容量
結合により、ノードFN1の電位も電位V+VH2から電位Vへ低下する。ノードF
N1の電位が低下すると、pチャネル型のトランジスタ102のVGSの絶対値は大きく
なり、トランジスタ102はオンになる。また同時に、ワード線WLC2の電位がHレベ
ルから電位-VL2へと低下し、容量結合により、ノードFN2の電位も電位V+V
から電位V-VL2へ低下する。ノードFN2の電位が低下すると、pチャネル型の
トランジスタ103のVGSの絶対値が大きくなり、トランジスタ103はオンになる。
トランジスタ102とトランジスタ103が両方ともオンになれば、ビット線BLと電源
線SLの間は導通状態になり、電流が流れ、ビット線BLは電荷を放電し、ビット線BL
の電位は低下する。
【0078】
放電によりビット線BLの電位が低下すると、トランジスタ102のVGSの絶対値と、
トランジスタ103のVGSの絶対値は、ともに低下する。どちらか一方のトランジスタ
のVGSが、そのトランジスタの閾値電圧と等しくなった時点で、放電が完了し、ビット
線BLの電位は一定の電位に収束する。期間p4では、ノードFN2の方がノードFN1
よりも低い電位が与えられているため、トランジスタ103の方がトランジスタ102よ
りも、VGSの絶対値が大きい。つまり、トランジスタ103の方がトランジスタ102
よりもチャネル抵抗が低く、オン電流が大きい。そのため、ビット線BLの放電が始まる
と、トランジスタ102のVGSの方が先に閾値電圧に到達し、トランジスタ102の方
が先にオフになる。
【0079】
トランジスタ102がオフになると、ビット線BLは一定の電位(電位V´)に収束す
る。この電位V´は、概ねノードFN1の電位から、トランジスタ102の閾値電圧を
ひいた値として得られる。つまりビット線BLの電位V´は、ノードFN1の電位の高
低を反映した形で得ることができる。この電位の違いをデータの判定に用いることで、ノ
ードFN1に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
【0080】
なお、時刻T10では、ワード線WLOS2の電位をLレベルから-VL1へ変化させて
いる。これにより、ビット線BLまたはノードFN2の電位変化により、トランジスタ1
05がオンになることを防いでいる。
【0081】
次に、時刻T11において、再びビット線BLの電位を電位VBLに復元させ、プリチャ
ージを行う。また同時に、全てのワード線の電位、ノードFN1、FN2の電位を期間p
3の状態に戻し、トランジスタ102、103をオフにする。
【0082】
次に、時刻T12において、ビット線BLを電気的に浮遊状態にする。この状態はビット
線BLに電位を与えるスイッチをオフにすることで実現する。
【0083】
また、時刻T12では、ワード線WLC1の電位がHレベルから電位-VL2へと変化し
、ワード線WLC2の電位がHレベルからLレベルへ変化する。この時に、容量結合によ
り、ノードFN1の電位は電位V+VH2から電位V-VL2へと低下し、ノードF
N2の電位は電位V+VH2から電位Vへと低下する。その結果、トランジスタ10
2、103はオンとなり、ビット線BLと電源線SLの間は導通状態になり、ビット線B
Lは電荷を放電し、ビット線BLの電位は低下する。
【0084】
期間p5では、ノードFN1の方がノードFN2よりも低い電位が与えられているため、
トランジスタ102の方がトランジスタ103よりも、VGSの絶対値が大きい。つまり
、トランジスタ102の方がトランジスタ103よりもチャネル抵抗が低く、オン電流が
大きい。そのため、ビット線BLの放電が始まると、トランジスタ103のVGSの方が
先に閾値電圧に到達し、トランジスタ103の方が先にオフになる。
【0085】
トランジスタ103がオフになると、ビット線BLは一定の電位(電位V´)に収束す
る。この電位V´は、概ねノードFN2の電位から、トランジスタ103の閾値電圧を
ひいた値として得られる。つまりビット線BLの電位V´は、ノードFN2の電位の高
低を反映した形で得ることができる。この電位の違いをデータの判定に用いることで、ノ
ードFN2に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
【0086】
なお、時刻T12では、ワード線WLOS1の電位をLレベルから-VL1へ変化させて
いる。これにより、ビット線BLまたはノードFN2の電位変化により、トランジスタ1
05がオンになることを防いでいる。
【0087】
次に、時刻T13において、ビット線BLをVGNDに初期化し、全てのワード線、ノー
ドFN1、FN2の電位を、期間p3の状態に戻し、トランジスタ102、103をオフ
にして、ノードFN1、FN2の電位を保持する。
【0088】
以上、図3のタイミングチャートで説明した読み出し動作により、ノードFN1、FN2
に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
【0089】
例えば、8ビットのデータ、すなわち256(=2)値の電位を、一つのノードに書き
込む場合を考える。その場合、1値の電位の幅を0.17Vとすると、データを保持する
ノードに与えられる電位の幅は、0.17V×256=43.52Vとなる。つまり、一
つのノードに8ビットのデータを記憶させるには、およそ45Vの電源電位をメモリセル
に与える必要があるが、この電源電位は、トランジスタの破壊を引き起こすため、現実的
な値ではない。
【0090】
一方、本実施の形態に示したメモリセル100に、8ビットのデータを書き込む場合、8
ビットのデータを、4ビットのデータと4ビットのデータの二つに分割し、一方をノード
FN1に、他方をノードFN2に記憶させることができる。そのため、16(=2)値
の電位を一つのノードが請け負うことになる。1値の電位の幅を0.17Vとすると、一
つのノードに与えられる電位の幅は、0.17V×16=2.72Vとなる。これは、メ
モリセルを駆動するのに、現実的な値である。
【0091】
以上、本発明の一態様であるメモリセル100を用いることにより、8ビットのデータを
記憶する半導体装置を提供することが可能になる。
【0092】
また、メモリセル100が記憶できるデータのビット数は8ビットに限定されず、さまざ
まなビット数のデータを記憶することができる。例えば、ノードFN1にMビット(2
値)のデータを記憶させ、ノードFN2にNビット(2値)を記憶させた場合、メモリ
セル100はM+Nビット(2M+N値)のデータを記憶することが可能になる。
【0093】
図1のメモリセル100は、図21(A)に示す回路図のように、トランジスタ101、
105の第2のゲートに、共通の信号BGを与えてもよい。
【0094】
図1のメモリセル100は、図22(A)に示す回路図で構成してもよい。図22(A)
に示す回路図は、2本のビット線BL1とビット線BL2を有する点と、トランジスタ1
01とトランジスタ105が共通のワード線WLOSに接続されている点が、図1の回路
図と異なる。また、図22(A)に示すトランジスタ101の第2のゲート及びトランジ
スタ105の第2のゲートに、図21(A)と同様に共通の信号を与えてもよい。また、
場合によっては、これら第2のゲートを省略してもよい。
【0095】
図1のメモリセル100は、図23(A)に示す回路図で構成してもよい。図23(A)
に示す回路図は、トランジスタ107、容量素子108、トランジスタ109、ノードF
N3、ワード線WLOS3、ワード線WLC3を有する点で、図1に示す回路図と異なる
。また、図23(A)に示す、トランジスタ101の第2のゲート、トランジスタ105
の第2のゲート及びトランジスタ107の第2のゲートに、図21(A)と同様に共通の
信号を与えてもよい。また、場合によっては、これら第2のゲートを省略してもよい。
【0096】
なお、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0097】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置が有する、メモリセルの回路構成お
よびその動作について、図4乃至図6を参照して説明する。
【0098】
〈メモリセルの構成例〉
図4は、本発明の一態様であるメモリセル110の回路図である。
【0099】
図4に示すメモリセル110では、トランジスタ101と、トランジスタ112と、トラ
ンジスタ113と、容量素子104と、トランジスタ105と、容量素子106と、ノー
ドFN1と、ノードFN2と、を有している。また、メモリセル110は、ビット線BL
、電源線SL、ワード線WLC1、ワード線WLOS1、ワード線WLC2及びワード線
WLOS2に電気的に接続されている。
【0100】
メモリセル110は、実施の形態1に示すメモリセル100のトランジスタ102、10
3を、nチャネル型トランジスタであるトランジスタ112、113に置きかえたもので
ある。以降、トランジスタ101、112、113、105は、nチャネル型のトランジ
スタとして説明を行う。
【0101】
トランジスタ112、113は、ノードFN1、FN2の電位に従って、ビット線BLと
電源線SLとの間に電流を流す機能を有する。
【0102】
なお、トランジスタ112、113には、閾値電圧のばらつきの小さいトランジスタが用
いられることが好ましい。ここで、閾値電圧のばらつきが小さいトランジスタとは、トラ
ンジスタが同一プロセスで作製される際に、許容される閾値電圧の差が100mV以内で
形成されうるトランジスタのことをいう。具体的には、チャネルが単結晶シリコンで形成
されているトランジスタが挙げられる。
【0103】
メモリセル110のその他の構成要素に関する詳細は、メモリセル100の記載を参照す
ればよい。
【0104】
〈タイミングチャート〉
次いで、メモリセル110の動作の一例を図5及び図6のタイミングチャートを用いて説
明する。
【0105】
図5及び図6に示すタイミングチャートは、メモリセル110のビット線BL、電源線S
L、ワード線WLOS1、ワード線WLC1、ノードFN1、ワード線WLOS2、ワー
ド線WLC2、ノードFN2の電位変化を示している。図5はメモリセル110にデータ
を書き込む際のタイミングチャートを表し、図6図5でメモリセル110に書き込まれ
たデータを読み出す際のタイミングチャートを表している。
【0106】
図5及び図6において、電源線SLは、高電源電位として電位VH0が与えられ、低電源
電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位VGNDはグラウンド電位GNDでも
よい。また、電位VH0をHレベル電位、電位VGNDをLレベル電位と呼ぶ場合もある
【0107】
図5及び図6において、ワード線WLOS1及びワード線WLOS2は、高電源電位とし
て電位VH1が与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位V
NDはグラウンド電位GNDでもよい。また、電位VH1をHレベル電位、電位VGND
をLレベル電位と呼ぶ場合もある。さらに、ワード線WLOS1及びワード線WLOS2
は、電位VGNDよりも低い電位-VL1が与えられることもある。電位-VL1は、負
の電位(-VL1<0V)であることが好ましい。
【0108】
図5及び図6において、ワード線WLC1及びワード線WLC2に、高電源電位として電
位VH2が与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位VGND
はグラウンド電位GNDでもよい。また、電位VH2をHレベル電位、電位VGNDをL
レベル電位と呼ぶ場合もある。さらに、ワード線WLC1及びワード線WLC2に、電位
GNDよりも低い電位-VL2が与えられることもある。電位-VL2は負の電位(-
L2<0V)であることが好ましい。
【0109】
〈〈書き込み動作〉〉
図5のタイミングチャートに沿って、メモリセル110の書き込み動作の一例について説
明を行う。
【0110】
図5は期間p0乃至p3の4つの期間で構成され、期間p0は初期期間、期間p1はノー
ドFN1にデータを書き込む期間、期間p2はノードFN2にデータを書き込む期間、期
間p3は書き込まれたデータを保持する期間をそれぞれ表している。また、図5に示す時
刻T0乃至T8は、動作のタイミングを説明するために付したものである。
【0111】
まず、期間p0において、ビット線BL及び電源線SLは電位VGNDに初期化され、ワ
ード線WLOS1に電位-VL1が与えられ、ワード線WLC1に電位-VL2が与えら
れ、ワード線WLOS2に電位-VL1が与えられ、ワード線WLC2に電位-VL2
与えられる。
【0112】
次に、時刻T0において、ワード線WLOS1にHレベルの電位が与えられ、ワード線W
LC1にLレベルの電位が与えられる。このとき、トランジスタ101はオンになり、ビ
ット線BLとノードFN1が導通状態となり、ノードFN1は電位VGNDに初期化され
る。
【0113】
次に、時刻T1において、ビット線BLに電位Vが与えられ、ビット線BLと導通状態
にあるノードFN1に電位Vが書き込まれる。
【0114】
なお、図5及び図6のタイミングチャートでハッチングパターンが施された部分は、ハッ
チングパターンが与えられた範囲の電位が与えられること、すなわち、多値のデータが与
えられることを表している。例えば、4ビットのデータがノードFN1に書き込まれる場
合は、電位Vは2=16値の電位をとり得ることができる。
【0115】
また、時刻T1において、トランジスタ112のオフを維持させるために、電源線SLに
Hレベルの電位が与えられる。このとき、電源線SLに与えられる電位VH0は、ビット
線BL及びノードFN1に与えられる電位Vよりも高いことが好ましい。電位VH0
前述の条件を満たすことで、トランジスタ112のVGSは0Vに保つことができる。
【0116】
次に、時刻T2において、ワード線WLOS1にLレベルの電位が与えられ、トランジス
タ101がオフになる。
【0117】
次に、時刻T3において、ビット線BL及び電源線SLは電位VGNDに初期化される。
このとき、ノードFN1は電気的に浮遊状態となり、電位Vを保持する。
【0118】
次に、時刻T4において、ワード線WLOS2にHレベルの電位が与えられ、ワード線W
LC2にLレベルの電位が与えられる。このとき、トランジスタ105はオンとなり、ビ
ット線BLとノードFN2は導通状態となり、ノードFN2は電位VGNDに初期化され
る。
【0119】
また、時刻T4において、ワード線WLC1に電位-VL2が与えられ、ノードFN1に
電位V-VL2が与えられる。ノードFN1の電位が低く保たれると、nチャネル型の
トランジスタ112は、オフを維持し、ビット線BLと電源線SLとの間に流れるリーク
電流を遮断する。このとき、トランジスタ101がオンになることを防ぐために、電位-
L1がワード線WLOS1に与えられる。
【0120】
なお、ワード線WLC1の電位が、容量素子104を介して、ノードFN1に伝わるため
には、容量素子104の容量はトランジスタ101のゲート容量よりも十分大きく、且つ
、容量素子104の容量はトランジスタ112のゲート容量よりも十分大きいことが好ま
しい。本実施の形態では、説明を単純にするために、ワード線WLC1に与えた電位が、
そのままノードFN1に伝わる(例えば、ワード線WLC1の電位が電位VGNDから電
位-VL2に変化すると、ノードFN1の電位は電位Vから電位V-VL2に変化す
る)と説明している。容量素子104の容量と、トランジスタ101のゲート容量と、ト
ランジスタ112のゲート容量との大小関係によっては、ワード線WLC1に与えられた
電位が、そのままノードFN1に伝わらない場合がある。
【0121】
次に、時刻T5において、ビット線BLに電位Vが与えられ、ノードFN2に電位V
が書き込まれる。なお、電位Vは多値のデータをとり得る。例えば、4ビットのデータ
がノードFN2に書き込まれる場合は、電位Vは2=16値の電位をとり得ることが
できる。
【0122】
また、時刻T5において、トランジスタ113のオフを維持させるために、電源線SLに
Hレベルの電位が与えられる。このときに、電源線SLに与えられる電位VH0は、ビッ
ト線BL及びノードFN1に与えられる電位Vよりも高いことが好ましい。電位VH0
が前述の条件を満たすことで、トランジスタ113のVGSは0Vに保たれる。
【0123】
次に、時刻T6において、ワード線WLOS2にLレベルの電位が与えられ、トランジス
タ105はオフになる。
【0124】
次に、時刻T7において、ビット線BL及び電源線SLは電位VGNDに初期化される。
このとき、ノードFN2は、電気的に浮遊状態のため、電位Vを保持する。
【0125】
次に、時刻T8において、ワード線WLC2に電位-VL2が与えられ、ノードFN2に
電位V-VL2が与えられる。ノードFN2の電位が低く保たれると、nチャネル型の
トランジスタ113は、オフを維持し、ビット線BLと電源線SLとの間に流れるリーク
電流を遮断する。また、ワード線WLOS2に電位-VL1が与えられ、トランジスタ1
05がオンになることを防いでいる。
【0126】
なお、ワード線WLC2の電位が、容量素子106を介して、ノードFN2に伝わるため
には、容量素子106の容量はトランジスタ105のゲート容量よりも十分大きく、且つ
、容量素子106の容量はトランジスタ113のゲート容量よりも十分大きいことが好ま
しい。本実施の形態では、説明を単純にするために、ワード線WLC2に与えた電位が、
そのままノードFN2に伝わる(例えば、ワード線WLC2の電位が電位VGNDから電
位-VL2に変化すると、ノードFN2の電位は電位Vから電位V-VL2に変化す
る)と説明しているが、容量素子106の容量と、トランジスタ105のゲート容量と、
トランジスタ113のゲート容量との大小関係によっては、ワード線WLC2に与えられ
た電位が、そのままノードFN2に伝わらない場合がある。
【0127】
時刻T8を経過した後の期間p3では、ノードFN1及びノードFN2に書き込まれたデ
ータが、それぞれ保持されている。
【0128】
以上、図5のタイミングチャートで説明した書き込み動作により、ノードFN1及びノー
ドFN2に多値のデータを書き込むことができる。
【0129】
なお、期間p1において、ワード線WLOS1に与えられる電位VH1は、電位Vにト
ランジスタ101の閾値電圧を加えた電位よりも高い電位であることが好ましい。
【0130】
同様に、期間p2において、ワード線WLOS2に与えられる電位VH1は、電位V
トランジスタ105の閾値電圧を加えた電位よりも高い電位であることが好ましい。
【0131】
〈〈読み出し動作〉〉
図6のタイミングチャートに沿って、メモリセル110に書き込まれたデータの読み出し
動作について説明を行う。
【0132】
図6は期間p3乃至p6の4つの期間で構成され、期間p3は、図5の期間p3からのデ
ータを引き続き保持する期間、期間p4はノードFN1のデータを読み出す期間、期間p
5はノードFN2のデータを読み出す期間、期間p6はデータを保持する期間をそれぞれ
表している。また、図6に示す時刻T9乃至T15は、動作のタイミングを説明するため
に付したものである。
【0133】
まず、時刻T9において、ワード線WLOS1にLレベルの電位が与えられ、ワード線W
LC1にLレベルの電位が与えられ、容量結合により、ノードFN1の電位が電位V
L2から電位Vへ引き上げられる。ノードFN1の電位が引き上げられると、nチャ
ネル型のトランジスタ112のVGSが大きくなり、トランジスタ112はオンになる。
【0134】
また、時刻T9では、ワード線WLOS2にLレベルの電位が与えられ、ワード線WLC
2にHレベルの電位が与えられ、容量結合により、ノードFN2の電位が電位V-V
から電位V+VH2へ引き上げられる。ノードFN2の電位が引き上げられると、n
チャネル型のトランジスタ113のVGSが大きくなり、トランジスタ113がオンにな
る。
【0135】
次に、時刻T10において、ビット線BLは電気的に浮遊状態になる。すなわち、ビット
線BLは、電荷の充電又は放電により、電位が変動する状態になる。この状態はビット線
BLに電位を与えるスイッチをオフにすることで実現できる。
【0136】
また、時刻T10において、電源線SLにHレベルの電位を与える。電源線SLにHレベ
ルの電位が与えられると、ビット線BLと電源線SLとの間に電位差が生じ、電源線SL
からビット線BLへ電流が流れる。ビット線BLは充電され、ビット線BLの電位は上昇
する。
【0137】
充電によりビット線BLの電位が上昇すると、トランジスタ112のVGSと、トランジ
スタ113のVGSは、ともに低下する。どちらか一方のトランジスタのVGSが、その
トランジスタの閾値電圧と等しくなった時点で、充電が完了し、ビット線BLの電位は一
定の電位に収束する。期間p4では、ノードFN1よりもノードFN2の方に高電位が与
えられているため、トランジスタ113の方がトランジスタ112よりもVGSが大きい
。つまり、トランジスタ113の方がトランジスタ112よりも、チャネル抵抗が低く、
オン電流が大きい。そのため、ビット線BLの充電が始まると、トランジスタ112のV
GSが先に閾値電圧に到達し、トランジスタ112が先にオフになる。
【0138】
トランジスタ112がオフになると、ビット線BLは一定の電位(電位V´)に収束す
る。この電位V´は、概ねノードFN1の電位から、トランジスタ112の閾値電圧を
ひいた値として得られる。つまりビット線BLの電位V´は、ノードFN1の電位の高
低を反映した形で得られる。この電位の違いをデータの判定に用いることで、ノードFN
1に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
【0139】
次に、時刻T11において、ビット線BL及び電源線SLが電位VGNDに初期化される
【0140】
次に、時刻T12において、ワード線WLC1にHレベルの電位が与えられ、容量結合に
より、ノードFN1の電位が電位Vから電位V+VH2へ引き上げられる。また同時
に、ワード線WLC2にLレベルの電位が与えられ、ノードFN2の電位は電位V+V
H2から電位Vへ引き下げられる。トランジスタ112、113は、両方ともオンにな
る。
【0141】
次に、時刻T13において、ビット線BLは電気的に浮遊状態になる。
【0142】
また同時に、時刻T13では、電源線SLにHレベルの電位が与えられる。電源線SLの
電位がHレベルになると、ビット線BLと電源線SLとの間に電位差が生じ、電源線SL
からビット線BLへ電流が流れる。ビット線BLは充電され、ビット線BLの電位は上昇
する。
【0143】
充電によりビット線BLの電位が上昇すると、トランジスタ112のVGSと、トランジ
スタ113のVGSは、ともに低下する。どちらか一方のトランジスタのVGSが、その
トランジスタの閾値電圧と等しくなった時点で、充電が完了し、ビット線BLの電位は一
定の電位に収束する。期間p5では、ノードFN2よりもノードFN1に高電位が与えら
れているため、トランジスタ112の方がトランジスタ113よりもVGSが大きい。つ
まり、トランジスタ112の方がトランジスタ113よりも、チャネル抵抗が低く、オン
電流が大きい。そのため、ビット線BLの充電が始まると、トランジスタ113のVGS
が先に閾値電圧に到達し、トランジスタ113が先にオフになる。
【0144】
トランジスタ113がオフになると、ビット線BLは一定の電位(電位V´)に収束す
る。この電位V´は、概ねノードFN2の電位から、トランジスタ113の閾値電圧を
ひいた値として得られる。つまりビット線BLの電位V´は、ノードFN2の電位の高
低を反映した形で得ることができる。この電位の違いをデータの判定に用いることで、ノ
ードFN2に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
【0145】
次に、時刻T14において、ビット線BL及び電源線SLが電位VGNDに初期化される
【0146】
次に、時刻T15において、図6の全ての配線及びノードに、期間p3と同じ電位が与え
られ、ノードFN1、FN2の電位が保持される。
【0147】
以上、図6のタイミングチャートで説明した読み出し動作により、ノードFN1、FN2
に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
【0148】
例えば、8ビットのデータ、すなわち256(=2)値の電位を、一つのノードに書き
込む場合を考える。その場合、1値の電位の幅を0.17Vとすると、データを保持する
ノードに与えられる電位の幅は、0.17V×256=43.52Vとなる。つまり、一
つのノードに8ビットのデータを記憶させるには、およそ45Vの電源電位をメモリセル
に与える必要があるが、この電源電位は、トランジスタの破壊を引き起こすため、現実的
な値ではない。
【0149】
一方、本実施の形態に示したメモリセル110に、8ビットのデータを書き込む場合、8
ビットのデータを、4ビットのデータと4ビットのデータの二つに分割し、一方をノード
FN1に、他方をノードFN2に記憶させることができる。そのため、16(=2)値
の電位を一つのノードが請け負うことになる。1値の電位の幅を0.17Vとすると、一
つのノードに与えられる電位の幅は、0.17V×16=2.72Vとなる。これは、メ
モリセルを駆動するのに、現実的な値である。
【0150】
以上、本発明の一態様であるメモリセル110を用いることにより、8ビットのデータを
記憶する半導体装置を提供することが可能になる。また、メモリセル110が記憶できる
データのビット数は8ビットに限定されず、さまざまなビット数のデータを記憶すること
ができる。例えば、ノードFN1にMビット(2値)のデータを記憶させ、ノードFN
2にNビット(2値)を記憶させた場合、メモリセル110はM+Nビット(2M+N
値)のデータを記憶することが可能になる。
【0151】
図4のメモリセル110は、図21(B)に示す回路図のように、トランジスタ101、
105の第2のゲートに、共通の信号BGを与えてもよい。
【0152】
図4のメモリセル110は、図22(B)に示す回路図で構成してもよい。図22(B)
に示す回路図は、2本のビット線BL1とビット線BL2を有する点と、トランジスタ1
01とトランジスタ105が共通のワード線WLOSに接続されている点が、図4の回路
図と異なる。また、図22(B)に示すトランジスタ101の第2のゲート及びトランジ
スタ105の第2のゲートに、図21(B)と同様に共通の信号を与えてもよい。また、
場合によっては、これら第2のゲートを省略してもよい。
【0153】
図4のメモリセル110は、図23(B)に示す回路図で構成してもよい。図23(B)
に示す回路図は、トランジスタ107、容量素子108、トランジスタ114、ノードF
N3、ワード線WLOS3、ワード線WLC3を有する点で、図4に示す回路図と異なる
。また、図23(B)に示す、トランジスタ101の第2のゲート、トランジスタ105
の第2のゲート及びトランジスタ107の第2のゲートに、図21(B)と同様に共通の
信号を与えてもよい。また、場合によっては、これら第2のゲートを省略してもよい。
【0154】
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態
において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定さ
れない。例えば、本発明の一態様として、メモリセルに適用した場合の例を示したが、本
発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明
の一態様は、メモリセルに適用しなくてもよい。例えば、本発明の一態様は、別の機能を
有する回路に適用してもよい。
【0155】
なお、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0156】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した駆動方法を行うことのできる、半導体装置の
一例について図を用いて説明する。
【0157】
〈半導体装置の構成例〉
図7は、実施の形態1で説明したメモリセル100を有する、半導体装置の構成例を示す
ブロック図である。
【0158】
図7に示す半導体装置500は、図4で説明したメモリセル100が複数設けられたメモ
リセルアレイ501、行選択ドライバ502、列選択ドライバ503、およびA/Dコン
バータ504を有する。なお半導体装置500は、m行(mは2以上の自然数)n列(n
は2以上の自然数)のマトリクス状に設けられたメモリセル100を有する。また、図7
では、(m-1)行目のメモリセル100に接続されたワード線として、ワード線WLO
S1[m-1]、ワード線WLC1[m-1]、ワード線WLOS2[m-1]、ワード
線WLC2[m-1]を示し、m行目のメモリセル100に接続されたワード線として、
ワード線WLOS1[m]、ワード線WLC1[m]、ワード線WLOS2[m]、ワー
ド線WLC2[m]を示し、(n-1)列目のメモリセル100に接続されたビット線B
L[n-1]、n列目のメモリセル100に接続されたビット線BL[n]を示し、(n
-1)列目のメモリセル100およびn列目のメモリセル100に接続された電源線SL
を示している。
【0159】
図7に示すメモリセルアレイ501は、図4で説明したメモリセル100が、マトリクス
状に設けられている。なおメモリセル100が有する各構成の説明は、図4と同様であり
図4での説明を援用するものとして説明を省略する。
【0160】
なお図7に示すメモリセルアレイ501では、隣り合うメモリセルで、電源線SLを共有
化した構成としている。この構成を採用することにより、電源線SLが占めていた分の面
積の縮小が図られる。そのため、この構成を採用する半導体装置では、単位面積あたりの
記憶容量の向上を図ることができる。
【0161】
行選択ドライバ502は、メモリセル100の各行におけるトランジスタ101及びトラ
ンジスタ105を選択的に導通状態とする機能、およびメモリセル100の各行における
ノードFN1、FN2の電位を選択的に変化させる機能、を備えた回路である。行選択ド
ライバ502を備えることで、半導体装置500は、メモリセル100へのデータの書き
込みおよび読み出しを行毎に選択して行うことができる。
【0162】
列選択ドライバ503は、メモリセル100の各列におけるノードFN1及びノードFN
2に選択的にデータを書き込む機能、ビット線BLの電位を初期化する機能、およびビッ
ト線BLを電気的に浮遊状態とする機能、を備えた回路である。具体的には、ビット線B
Lに、多値のデータに対応する電位及び電位VGNDを、スイッチを介して与える回路で
ある。列選択ドライバ503を備えることで、半導体装置500は、メモリセル100へ
のデータの書き込みおよび読み出しを列毎に選択して行うことができる。
【0163】
A/Dコンバータ504は、アナログ値であるビット線BLの電位を、デジタル値に変換
して外部に出力する機能を備えた回路である。具体的には、フラッシュ型のA/Dコンバ
ータを有する回路である。A/Dコンバータ504を備えることで、半導体装置500は
、メモリセル100より読み出されたデータに対応するビット線BLの電位を外部に出力
することができる。
【0164】
なおA/Dコンバータ504は、フラッシュ型のA/Dコンバータとして説明を行うが、
逐次比較型、マルチスロープ型、デルタシグマ型のA/Dコンバータを用いてもよい。
【0165】
図8は、図7のメモリセル100を、実施の形態2で説明したメモリセル110に置き換
えたものである。詳細は、図7の記載を参照すればよい。
【0166】
図7及び図8に示す半導体装置500は、図24に示すブロック図で構成してもよい。図
24に示すブロック図は、同じワード線に接続されたトランジスタの第2のゲートが、共
通の配線に接続されている場合である。ワード線WLOS1[m-1]に接続されたトラ
ンジスタの第2のゲートは、信号BG1[m-1]が与えられる配線に接続されている。
ワード線WLOS2[m-1]に接続されたトランジスタの第2のゲートは、信号BG2
[m-1]が与えられる配線に接続されている。ワード線WLOS1[m]に接続された
トランジスタの第2のゲートは、信号BG1[m]が与えられる配線に接続されている。
ワード線WLOS2[m]に接続されたトランジスタの第2のゲートは、信号BG2[m
]が与えられる配線に接続されている。信号BG1[m-1]と信号BG2[m-1]は
共通の信号でもよいし、異なる信号でもよい。同様に、信号BG1[m]と信号BG2[
m]は共通の信号でもよいし、異なる信号でもよい。
【0167】
図7及び図8に示す半導体装置500は、図25に示すブロック図で構成してもよい。図
25に示すブロック図は、メモリセルアレイ501に含まれる全ての第2のゲートが、共
通の配線に接続され、共通の信号BGが与えられている。
【0168】
〈行選択ドライバの構成例〉
図9は、図7及び図8で説明した行選択ドライバ502の構成例を示すブロック図である
【0169】
図9に示す行選択ドライバ502は、デコーダ517、および読み出し書き込み制御回路
518を有する。読み出し書き込み制御回路518はワード線WLOS1、WLC1、W
LOS2、WLC2に接続され、各行毎に設けられる。
【0170】
デコーダ517は、ワード線が設けられる行を選択するための信号を出力する機能を備え
た回路である。具体的には、アドレス信号Addressが入力され、該アドレス信号A
ddressに従っていずれかの行の読み出し書き込み制御回路518を選択する回路で
ある。デコーダ517を備えることで、行選択ドライバ502は、任意の行を選択して、
データの書き込み又は読み出しを行うことができる。
【0171】
読み出し書き込み制御回路518は、デコーダ517で選択されたワード線を有する行の
、書き込みワード信号を出力する機能および読み出しワード信号を選択的に出力する機能
、を備えた回路である。具体的に読み出し書き込み制御回路518は、書き込み制御信号
Write_CONTおよび読み出し制御信号Read_CONTが入力され、該信号に
従って書き込み信号又は読み出し信号を選択的に出力する回路である。読み出し書き込み
制御回路518を備えることで、行選択ドライバ502は、デコーダ517で選択された
行での、書き込みワード信号又は読み出しワード信号を選択して出力することができる。
【0172】
〈列選択ドライバの構成例〉
図10は、図7及び図8で説明した列選択ドライバ503の構成例を示すブロック図であ
る。
【0173】
図10に示す列選択ドライバ503は、デコーダ521、ラッチ回路522、D/Aコン
バータ523、スイッチ回路524、およびトランジスタ526を有する。前述の各回路
およびトランジスタは、列毎に設けられる。また各列のスイッチ回路524およびトラン
ジスタ526は、ビット線BLに接続される。
【0174】
デコーダ521は、ビット線BLが設けられる列を選択し、入力されるデータを振り分け
て出力する機能を備えた回路である。具体的には、アドレス信号Addressおよびデ
ータDataが入力され、該アドレス信号Addressに従っていずれかの列のラッチ
回路522にデータDataを出力する回路である。デコーダ521を備えることで、列
選択ドライバ503は、任意の列を選択して、データの書き込みを行うことができる。
【0175】
なおデコーダ521に入力されるデータDataは、kビットのデジタルデータである。
kビットのデジタルデータは、ビット毎に’1’又は’0’の2値のデータで表される信
号である。具体的には、2ビットのデジタルデータであれば、’00’、’01’、’1
0’、’11’で表されるデータである。
【0176】
ラッチ回路522は、入力されるデータDataを一時的に記憶する機能を備えた回路で
ある。具体的には、ラッチ信号W_LATが入力され、記憶したデータDataを、該ラ
ッチ信号W_LATに従ってD/Aコンバータ523に出力するフリップフロップ回路で
ある。ラッチ回路522を備えることで、列選択ドライバ503は、任意のタイミングで
データの書き込みを行うことができる。
【0177】
D/Aコンバータ523は、入力されるデジタル値のデータDataを、アナログ値のデ
ータVdataに変換する機能を備えた回路である。具体的にD/Aコンバータ523は
、データDataのビット数が3ビットであれば、複数の電位V0乃至V7の8段階の電
位のいずれかに変換してスイッチ回路524に出力する回路である。D/Aコンバータ5
23を備えることで、列選択ドライバ503は、メモリセル110に書き込むデータを、
多値のデータに対応する電位とすることができる。
【0178】
なおD/Aコンバータ523から出力されるデータVdataは、異なる電圧値で表され
るデータである。2ビットのデータでいえば、0.5V、1.0V、1.5V、2.0V
の4値のデータとなり、いずれかの電圧値で表されるデータということができる。
【0179】
スイッチ回路524は、入力されるデータVdataをビット線BLに与える機能、およ
びビット線BLを電気的に浮遊状態とする機能を備えた回路である。具体的には、アナロ
グスイッチとインバータを備え、スイッチ制御信号Write_SWによる制御により、
データVdataをビット線BLに与え、その後アナログスイッチをオフにすることで電
気的に浮遊状態とする回路である。スイッチ回路524を備えることで、列選択ドライバ
503は、データVdataをビット線BLに与えた後、ビット線BLを電気的に浮遊状
態に保持することができる。
【0180】
トランジスタ526は、初期化するための電位VGNDをビット線BLに与える機能、お
よびビット線BLを電気的に浮遊状態とする機能を備えた回路である。具体的には、初期
化制御信号Init_ENによる制御で電位VGNDをビット線BLに与え、その後、ビ
ット線BLを電気的に浮遊状態とするスイッチである。トランジスタ526を備えること
で、列選択ドライバ503は、電位VGNDをビット線BLに与えた後、ビット線BLを
電気的に浮遊状態に保持することができる。
【0181】
〈A/Dコンバータの構成例〉
図11は、図8で説明したA/Dコンバータ504の構成例を示すブロック図である。
【0182】
図11に示すA/Dコンバータ504は、コンパレータ531、エンコーダ532、ラッ
チ回路533、およびバッファ534を有する。前述の各回路およびトランジスタは、列
毎に設けられる。また各列のバッファ534は、データDoutを出力する。
【0183】
コンパレータ531は、ビット線BLの電位と、参照電圧Vref0乃至Vref6との
電位の高低を比較し、ビット線BLの電位が多値のデータのいずれかに応じた電位である
かを判定する機能を備えた回路である。具体的には、複数のコンパレータ531を備え、
それぞれのコンパレータ531にビット線BLの電位と、異なる参照電圧Vref0乃至
Vref6とが与えられ、ビット線BLの電位がいずれかの電位の間にあるかを判定する
回路である。コンパレータ531を備えることで、A/Dコンバータ504は、ビット線
BLの電位が、多値のデータのいずれかに対応する電位かを判定することができる。
【0184】
なお、一例として図11で示す参照電圧Vref0乃至Vref6は、多値のデータが3
ビット、すなわち8値のデータである場合に与えられる電位である。
【0185】
エンコーダ532は、コンパレータ531から出力されるビット線BLの電位を判定する
信号をもとに、多ビットのデジタル信号を生成する機能を備えた回路である。具体的には
、複数のコンパレータ531より出力されるHレベル又はLレベルの信号をもとに符号化
を行い、デジタル信号を生成する回路である。エンコーダ532を備えることで、A/D
コンバータ504は、メモリセル110から読み出されたデータをデジタル値のデータと
することができる。
【0186】
ラッチ回路533は、入力されるデジタル値のデータを一時的に記憶する機能を備えた回
路である。具体的には、ラッチ信号LATが入力され、記憶したデータを、該ラッチ信号
LATに従ってバッファ534に出力するフリップフロップ回路である。ラッチ回路53
3を備えることで、A/Dコンバータ504は、任意のタイミングでデータの出力を行う
ことができる。なおラッチ回路533は、省略することができる。
【0187】
バッファ534は、ラッチ回路533より出力されたデータを増幅して出力信号Dout
として出力する機能を備えた回路である。具体的には、インバータ回路を偶数段備えた回
路である。バッファ534を備えることで、A/Dコンバータ504は、デジタル信号に
対するノイズを低減することができる。なおバッファ534は、省略することができる。
【0188】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0189】
(実施の形態4)
本実施の形態では、メモリセル100及びメモリセル110の回路を実現可能な半導体装
置の一例について、図12を用いて説明する。
【0190】
〈半導体装置の構成例〉
図12に示す半導体装置は、基板2000と、トランジスタ101と、トランジスタ12
2と、トランジスタ123と、トランジスタ105と、容量素子104と、容量素子10
6と、絶縁膜2001と、絶縁膜2002と、絶縁膜2003と、絶縁膜2004と、絶
縁膜2005と、絶縁膜2006と、絶縁膜2007と、絶縁膜2008と、プラグ21
01と、プラグ2102と、プラグ2103と、プラグ2104と、プラグ2105と、
プラグ2106と、プラグ2107と、プラグ2108と、配線2301と、配線230
2と、配線2501と、配線2502と、導電膜2701と、導電膜2702と、を有し
ている。
【0191】
なお、図12でメモリセル100を実現する場合、以下の説明では、トランジスタ122
をトランジスタ102に置き換え、トランジスタ123をトランジスタ103に置き換え
ればよい。同様に、図12でメモリセル110を実現する場合、以下の説明では、トラン
ジスタ122をトランジスタ112に置き換え、トランジスタ123をトランジスタ11
3に置き換えればよい。
【0192】
トランジスタ122、123は、ゲート電極2205と、ゲート絶縁膜2204と、側壁
絶縁層2206と、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域2203と、
LDD(Lightly Doped Drain)領域やエクステンション領域として
機能する不純物領域2202と、チャネル形成領域2201と、を有する。
【0193】
容量素子104は、第1の電極2401と、第2の電極2402と、絶縁膜2403と、
を有する。
【0194】
容量素子106は、第1の電極2601と、第2の電極2602と、絶縁膜2603と、
を有する。
【0195】
導電膜2701は、トランジスタ101のソース電極またはドレイン電極と同一の導電膜
を加工する工程を経て形成された導電膜と、トランジスタ101の半導体層と同一の半導
体層を加工する工程を経て形成された半導体層とで構成されている。
【0196】
導電膜2702は、トランジスタ105のソース電極またはドレイン電極と同一の導電膜
を加工する工程を経て形成された導電膜と、トランジスタ105の半導体層と同一の半導
体層を加工する工程を経て形成された半導体層とで構成されている。
【0197】
なお、図12において、同じ階層に複数のプラグが存在する場合、代表する一つのみに符
号を与え、他はこの符号を併用することにする。同様に、同じ階層に複数の配線が存在す
る場合、代表する一つのみに符号を与え、他はこの符号を併用する。同様に、同じ階層に
複数の導電膜が存在する場合、代表する一つのみに符号を与え、他はこの符号を併用する
【0198】
図12には、ビット線BLと、電源線SLと、ワード線WLOS1と、ワード線WLOS
2と、ワード線WLC1と、ワード線WLC2と、にそれぞれ接続される端子が図示され
ている。
【0199】
図12に示す半導体装置は、基板2000上にトランジスタ122、123が設けられ、
トランジスタ122、123上に容量素子104が設けられ、容量素子104上にトラン
ジスタ101が設けられ、トランジスタ101上にトランジスタ105が設けられ、トラ
ンジスタ105上に容量素子106が設けられている。なお、これら素子の上下関係は、
これに限定されない。例えば、トランジスタ101上に容量素子106を設け、容量素子
106上にトランジスタ105を設けてもよい。
【0200】
基板2000としては、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導
体基板、シリコンゲルマニウムからなる化合物半導体基板や、SOI(Silicon
on Insulator)基板などを用いることができる。半導体基板を用いて形成さ
れたトランジスタは、高速動作が容易である。なお、基板2000としてp型の単結晶シ
リコン基板を用いた場合、基板2000の一部にn型を付与する不純物元素を添加してn
型のウェルを形成し、n型のウェルが形成された領域にp型のトランジスタを形成するこ
とも可能である。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)、砒素(As)等を用
いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)等を用いることが
できる。
【0201】
また、基板2000は絶縁基板又は金属基板上に半導体膜を設けたものでもよい。該金属
基板としては、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タ
ングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板などが挙げられる。該絶縁基板とし
て、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、可撓性基板、貼り合わせフィル
ム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどが挙げられる。ガラス基板の一例とし
ては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラス
などがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラ
スチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせフィルムの
一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニル
などがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ア
ラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
【0202】
なお、ある基板を用いて半導体素子を形成し、その後、別の基板に半導体素子を転置して
もよい。半導体素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、紙基板、セ
ロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、石材基板、木材基板、
布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)
若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)
、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいト
ランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱
性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
【0203】
トランジスタ122、123は、チャネルに第1の半導体材料を用いることが好ましい。
また、トランジスタ101、105は、チャネルに第2の半導体材料を用いることが好ま
しい。第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが好
ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン(歪シリ
コン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アル
ミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体など)とし、第2の
半導体材料を酸化物半導体とすることができる。半導体材料として単結晶シリコンなどを
用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジ
スタは、オフ電流が小さい。
【0204】
トランジスタ101、105の詳細については、実施の形態4で説明を行う。
【0205】
トランジスタ122、123としてシリサイド(サリサイド)を有するトランジスタや、
側壁絶縁層2206を有さないトランジスタを用いてもよい。シリサイド(サリサイド)
を有する構造であると、ソース領域およびドレイン領域がより低抵抗化でき、半導体装置
の高速化が可能である。また、低電圧で動作できるため、半導体装置の消費電力を低減す
ることが可能である。
【0206】
トランジスタ122、123は、nチャネル型のトランジスタまたはpチャネル型のトラ
ンジスタのいずれであってもよく、回路によって適切なトランジスタを用いればよい。ま
た、不純物領域2203の不純物濃度は、不純物領域2202よりも高い。ゲート電極2
205および側壁絶縁層2206をマスクとして用いて、不純物領域2203及び不純物
領域2202を自己整合的に形成することができる。
【0207】
トランジスタ122、123にシリコン系半導体材料を用いた場合、絶縁膜2001及び
絶縁膜2002は水素を含むことが好ましい。水素を含む絶縁膜をトランジスタ122、
123の上に設け、加熱処理を行うことで、これら絶縁膜中の水素により半導体膜中のダ
ングリングボンドが終端され、トランジスタ122、123の信頼性を向上させることが
できる。
【0208】
絶縁膜2001、2002としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸
化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミ
ニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよく、積層または単層で設ける。
【0209】
トランジスタ101、105に酸化物半導体を用いた場合、上述した絶縁膜2001、2
002中の水素は、酸化物半導体中にキャリアを生成する要因の一つとなるため、トラン
ジスタ101、105の信頼性を低下させる要因となる場合がある。したがって、トラン
ジスタ101、105と、トランジスタ122、123の間に、水素の拡散を防止する機
能を有する絶縁膜2003、2006を設けることは特に効果的である。絶縁膜2003
、2006により、下層に水素を閉じ込めることでトランジスタ122及びトランジスタ
123の信頼性が向上することに加え、下層から上層に水素が拡散することが抑制される
ことでトランジスタ101、105の信頼性も同時に向上させることができる。
【0210】
絶縁膜2003、2006としては、例えば酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、
酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフ
ニウム、酸化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を用いることが
できる。特に、酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物および酸素の双方に対し
て膜を透過させない遮断(ブロッキング)効果が高く好ましい。
【0211】
絶縁膜2004、2007は、絶縁膜2003、2006と同様、水や水素が拡散しにく
い材料を用いることが好ましい。また、特に酸素を透過しにくい材料を用いることが好ま
しい。酸素を透過しにくい絶縁膜で、酸化物半導体膜を覆うことで、酸化物半導体膜から
当該絶縁膜を超えて酸素が放出されることを抑制することができる。
【0212】
また、水や水素を透過しにくい絶縁膜2004、2007により、外部から酸化物半導体
にとっての不純物である水や水素が混入することを抑制でき、トランジスタ101、10
5の電気特性の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
【0213】
絶縁膜2005はトランジスタ101を保護する機能を有し、絶縁膜2008はトランジ
スタ105を保護する機能を有する。絶縁膜2005、2008には、酸化シリコン、酸
化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミ
ニウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化
ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用
いることができる。また、絶縁膜2005、2008は、上記材料の積層であってもよい
。なお、絶縁膜2005、2008は、場合によっては設けなくてもよい。
【0214】
配線2301はトランジスタ101の第2のゲート電極としての機能を有する。配線23
01は、一定の電位が供給されていてもよいし、トランジスタ101の第1のゲート電極
と同じ電位や、同じ信号が供給されていてもよい。配線2302はトランジスタ105の
第2のゲート電極としての機能を有する。配線2302は、一定の電位が供給されていて
もよいし、トランジスタ105の第1のゲート電極と同じ電位や、同じ信号が供給されて
いてもよい。なお、配線2301、2302は、場合によっては省略してもよい。
【0215】
プラグ2101乃至2108は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)
、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(
Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コ
バルト(Co)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とする
化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両
立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アル
ミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu-Mn合
金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCu
の拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
【0216】
配線2301、2302、2501、2502、容量素子104の第1の電極2401、
容量素子104の第2の電極2402、容量素子106の第1の電極2601及び容量素
子106の第2の電極2602は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo
)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル
(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、
コバルト(Co)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とす
る化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を
両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、ア
ルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu-Mn
合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがC
uの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
【0217】
容量素子104の絶縁膜2403及び容量素子106の絶縁膜2603は、誘電率の高い
絶縁膜を用いることが好ましい。例えば、これら絶縁膜には、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化
ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸
化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることがで
きる。また、絶縁膜2403及び絶縁膜2603は、上記材料の積層であってもよい。な
お、これら絶縁膜に、ランタン(La)、窒素、ジルコニウム(Zr)などを、不純物と
して含んでいてもよい。
【0218】
なお、図12において、符号及びハッチングパターンが与えられていない領域は絶縁体で
構成された領域を表している。これらの領域には、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シ
リコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化
ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一種以上含む
絶縁体を用いることができる。また、当該領域には、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、
アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂を用いるこ
ともできる。
【0219】
なお、トランジスタ122、123は、プレーナ型のトランジスタだけでなく、様々なタ
イプのトランジスタとすることができる。例えば、FIN(フィン)型、TRI-GAT
E(トライゲート)型などのトランジスタなどとすることができる。
【0220】
図4に示すメモリセル110を、図12に示す構成にすることで、メモリセル一つあたり
の占有面積を小さくできる。また、メモリセル110は多値のデータを記憶することが可
能なので、図12に示す構成にすることで、小さな面積で、高密度の情報量を記憶できる
半導体装置を提供することができる。
【0221】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0222】
(実施の形態5)
〈酸化物半導体トランジスタの構成例〉
本実施の形態では、図12に示したトランジスタ101、105に適用可能な、チャネル
に酸化物半導体層を用いたトランジスタ(以下、OS(Oxide Semicondu
ctor)トランジスタ)の一例について、図13乃至図18を用いて説明を行う。
【0223】
図13(A)乃至図13(C)は、OSトランジスタの上面図および断面図である。図1
3(A)は上面図であり、図13(A)に示す一点鎖線A1-A2方向の断面が図13
B)に相当し、図13(A)に示す一点鎖線B1-B2方向の断面が図13(C)に相当
する。なお、図13(A)乃至図13(C)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大
、縮小、または省略して図示している。また、一点鎖線A1-A2方向をチャネル長方向
、一点鎖線B1-B2方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
【0224】
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトラン
ジスタがオンのときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、ま
たはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレ
イン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジス
タにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトラン
ジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チ
ャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値また
は平均値とする。
【0225】
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオンのときに半導体の中で電流
の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における
、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタ
において、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトラン
ジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チ
ャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値また
は平均値とする。
【0226】
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネ
ル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示される
チャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、
立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図
において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる
場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に
形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合
が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よ
りも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
【0227】
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測
による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積
もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状
が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
【0228】
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる
領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャ
ネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel W
idth)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合に
は、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細
書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。な
お、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチ
ャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、
値を決定することができる。
【0229】
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求め
る場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャ
ネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
【0230】
OSトランジスタは、絶縁膜651上の絶縁膜652と、絶縁膜652上に、第1の酸化
物半導体661、第2の酸化物半導体662の順で形成された積層と、該積層の一部と電
気的に接続するソース電極671およびドレイン電極672と、該積層の一部、ソース電
極671の一部、およびドレイン電極672の一部を覆う第3の酸化物半導体663と、
該積層の一部、ソース電極671の一部、ドレイン電極672の一部、第3の酸化物半導
体663の一部と重なるゲート絶縁膜653およびゲート電極673と、ソース電極67
1およびドレイン電極672、ならびにゲート電極673上の絶縁膜654と、絶縁膜6
54上の絶縁膜655を有する。なお、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体
662および第3の酸化物半導体663をまとめて、酸化物半導体660と呼称する。
【0231】
なお、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又
は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)な
どの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部)
に設けられている。
【0232】
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(
又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)
などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部
)と、接触している。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)
の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の
酸化物半導体661)などの半導体層の少なくとも一部(又は全部)と、接触している。
【0233】
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(
又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)
などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部
)と、電気的に接続されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電
極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又
は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)と、電気的に接続さ
れている。
【0234】
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(
又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)
などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部
)に、近接して配置されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電
極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又
は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)に、近接して配置さ
れている。
【0235】
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(
又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)
などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部
)の横側に配置されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極6
72)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、
第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)の横側に配置されている
【0236】
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(
又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)
などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部
)の斜め上側に配置されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電
極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又
は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)の斜め上側に配置さ
れている。
【0237】
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(
又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)
などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部
)の上側に配置されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極6
72)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、
第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)の上側に配置されている
【0238】
なお、トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを
採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることが
ある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替
えて用いることができるものとする。
【0239】
本発明の一態様のトランジスタは、チャネル長が10nm以上1000nm以下、好まし
くはチャネル長が20nm 以上500nm以下、より好ましくはチャネル長が30nm
以上300nm以下のトップゲート型構造である。
【0240】
以下に、本実施の形態の半導体装置に含まれる構成要素について、詳細に説明する。
【0241】
〈下地絶縁膜〉
絶縁膜651及び絶縁膜652は、絶縁膜651の下からの不純物の拡散を防止する役割
を有するほか、酸化物半導体660に酸素を供給する役割を担うことができる。したがっ
て、絶縁膜651及び絶縁膜652は酸素を含む絶縁膜であることが好ましく、化学量論
組成よりも多い酸素を含む絶縁膜であることがより好ましい。例えば、TDS(Ther
mal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算
しての酸素の放出量が1.0×1019atoms/cm以上である膜とする。なお、
上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または10
0℃以上500℃以下の範囲が好ましい。また、図12のように、絶縁膜651の下に他
のデバイスが形成されている場合、絶縁膜651及び絶縁膜652は、表面が平坦になる
ようにCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等で
平坦化処理を行うことが好ましい。
【0242】
絶縁膜651及び絶縁膜652は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン
、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルなどの酸化物
絶縁膜、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムな
どの窒化物絶縁膜、またはこれらの混合材料を用いて形成することができる。
【0243】
〈酸化物半導体〉
酸化物半導体660は、代表的には、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、In-M-
Zn酸化物(Mは、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)がある
。とくに、酸化物半導体660としては、In-M-Zn酸化物を用いると好ましい。
【0244】
ただし、酸化物半導体660は、インジウムを含む酸化物に限定されない。酸化物半導体
660は、例えば、Zn酸化物、Zn-Sn酸化物、Ga酸化物、Ga-Sn酸化物であ
っても構わない。
【0245】
酸化物半導体660がスパッタリング法で作製されたIn-M-Zn酸化物の場合、In
-M-Zn酸化物を成膜するために用いるターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M
、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなターゲットの金属元素の原子数比として
、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3
:1:2が好ましい。なお、成膜される酸化物半導体660の原子数比はそれぞれ、誤差
として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス
40%の変動を含む。
【0246】
次に、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662、および第3の酸化物半導
体663の積層により構成される酸化物半導体660の機能およびその効果について、図
14(B)に示すエネルギーバンド構造図を用いて説明する。図14(A)は、図13
B)に示すOSトランジスタのチャネル部分を拡大した図で、図14(B)は、図14
A)にC1-C2の鎖線で示した部位のエネルギーバンド構造を示している。つまり、図
14(B)は、OSトランジスタのチャネル形成領域のエネルギーバンド構造を示してい
る。
【0247】
図14(B)中、Ec652、Ec661、Ec662、Ec663、Ec653は、そ
れぞれ、絶縁膜652、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662、第3の
酸化物半導体663、ゲート絶縁膜653の伝導帯下端のエネルギーを示している。
【0248】
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(「電子親和力」ともいう。)は、真
空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう。)からエネ
ルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータ(
HORIBA JOBIN YVON社 UT-300)を用いて測定できる。また、真
空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultrav
iolet Photoelectron Spectroscopy)装置(ULVA
C PHI社 VersaProbe)を用いて測定できる。
【0249】
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のスパッタリングターゲットを用いて形
成したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4
.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のスパッタリングター
ゲットを用いて形成したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.4eV、
電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:6のス
パッタリングターゲットを用いて形成したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップ
は約3.3eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn
=1:6:2のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn-Ga-Zn酸化物のエ
ネルギーギャップは約3.9eV、電子親和力は約4.3eVである。また、原子数比が
In:Ga:Zn=1:6:8のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn-Ga
-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.4eVである。
また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:10のスパッタリングターゲットを用いて
形成したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約
4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のスパッタリングタ
ーゲットを用いて形成したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.2eV
、電子親和力は約4.7eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2の
スパッタリングターゲットを用いて形成したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャッ
プは約2.8eV、電子親和力は約5.0eVである。
【0250】
絶縁膜652とゲート絶縁膜653は絶縁体であるため、Ec653とEc652は、E
c661、Ec662、およびEc663よりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)
【0251】
また、Ec661は、Ec662よりも真空準位に近い。具体的には、Ec661は、E
c662よりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15e
V以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下真空準位に
近いことが好ましい。
【0252】
また、Ec663は、Ec662よりも真空準位に近い。具体的には、Ec663は、E
c662よりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15e
V以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下真空準位に
近いことが好ましい。
【0253】
また、第1の酸化物半導体661と第2の酸化物半導体662との界面近傍、および、第
2の酸化物半導体662と第3の酸化物半導体663との界面近傍では、混合領域が形成
されるため、伝導帯下端のエネルギーは連続的に変化する。即ち、これらの界面において
、準位は存在しないか、ほとんどない。
【0254】
従って、当該エネルギーバンド構造を有する積層構造において、電子は第2の酸化物半導
体662を主として移動することになる。そのため、第1の酸化物半導体661と絶縁膜
652との界面、または、第3の酸化物半導体663とゲート絶縁膜653との界面に準
位が存在したとしても、当該準位は電子の移動にほとんど影響しない。また、第1の酸化
物半導体661と第2の酸化物半導体662との界面、および第3の酸化物半導体663
と第2の酸化物半導体662との界面に準位が存在しないか、ほとんどないため、当該領
域において電子の移動を阻害することもない。従って、上記酸化物半導体の積層構造を有
するOSトランジスタは、高い電界効果移動度を実現することができる。
【0255】
なお、図6に示すように、第1の酸化物半導体661と絶縁膜652の界面、および第3
の酸化物半導体663とゲート絶縁膜653の界面近傍には、不純物や欠陥に起因したト
ラップ準位Et600が形成され得るものの、第1の酸化物半導体661、および第3の
酸化物半導体663があることにより、第2の酸化物半導体662と当該トラップ準位と
を遠ざけることができる。
【0256】
特に、本実施の形態に例示するOSトランジスタは、チャネル幅方向において、第2の酸
化物半導体662の上面と側面が第3の酸化物半導体663と接し、第2の酸化物半導体
662の下面が第1の酸化物半導体661と接して形成されている(図13(C)参照。
)。このように、第2の酸化物半導体662を第1の酸化物半導体661と第3の酸化物
半導体663で覆う構成とすることで、上記トラップ準位の影響をさらに低減することが
できる。
【0257】
ただし、Ec661またはEc663と、Ec662とのエネルギー差が小さい場合、第
2の酸化物半導体662の電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位に達することがあ
る。トラップ準位に電子が捕獲されることで、絶縁膜の界面にマイナスの固定電荷が生じ
、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。
【0258】
従って、Ec661、およびEc663と、Ec662とのエネルギー差を、それぞれ0
.1eV以上、好ましくは0.15eV以上とすると、トランジスタのしきい値電圧の変
動が低減され、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができるため、好ましい
【0259】
また、第1の酸化物半導体661、および第3の酸化物半導体663のバンドギャップは
、第2の酸化物半導体662のバンドギャップよりも広いほうが好ましい。
【0260】
第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663には、例えば、Al、Ti、
Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHfを第2の酸化物半導体662よりも
高い原子数比で含む材料を用いることができる。具体的には、当該原子数比を1.5倍以
上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。前述の元素は酸素と強く結
合するため、酸素欠損が酸化物半導体に生じることを抑制する機能を有する。すなわち、
第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663は、第2の酸化物半導体66
2よりも酸素欠損が生じにくいということができる。
【0261】
また、第3の酸化物半導体663がInを含むと、Inがゲート絶縁膜653に拡散し、
ゲートリークを引き起こすことがある。そのため、第3の酸化物半導体663は、Inを
含まない材料を用いることが好ましい。例えば、酸化ガリウムなどが好ましい。
【0262】
なお、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662、第3の酸化物半導体66
3が、少なくともインジウム、亜鉛およびM(Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn
、La、CeまたはHf等の金属)を含むIn-M-Zn酸化物であるとき、第1の酸化
物半導体661をIn:M:Zn=x:y:z[原子数比]、第2の酸化物半導体
662をIn:M:Zn=x:y:z[原子数比]、第3の酸化物半導体663を
In:M:Zn=x:y:z[原子数比]とすると、y/xおよびy/x
がy/xよりも大きくなることが好ましい。y/xおよびy/xはy/x
よりも1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。このと
き、第2の酸化物半導体662において、yがx以上であるとトランジスタの電気特
性を安定させることができる。ただし、yがxの3倍以上になると、トランジスタの
電界効果移動度が低下してしまうため、yはxの3倍未満であることが好ましい。
【0263】
第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663のZnおよびOを除いてのI
nおよびMの原子数比率は、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50ato
mic%以上、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic
%以上とする。また、第2の酸化物半導体662のZnおよびOを除いてのInおよびM
の原子数比率は、好ましくはInが25atomic%以上、Mが75atomic%未
満、さらに好ましくはInが34atomic%以上、Mが66atomic%未満とす
る。
【0264】
第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663の厚さは、3nm以上100
nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、第2の酸化物半導体662
の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好
ましくは3nm以上50nm以下とする。また、第2の酸化物半導体662は、第1の酸
化物半導体661および第3の酸化物半導体663より厚い方が好ましい。
【0265】
なお、酸化物半導体をチャネルとするトランジスタに安定した電気特性を付与するために
は、酸化物半導体中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体を真性または実質的に真性にす
ることが有効である。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体のキャリア密度が、1×
1017/cm未満であること、好ましくは1×1015/cm未満であること、さ
らに好ましくは1×1013/cm未満であることを指す。
【0266】
また、酸化物半導体において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元
素は不純物となる。例えば、水素および窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度
を増大させてしまう。また、シリコンは酸化物半導体中で不純物準位の形成に寄与する。
当該不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。し
たがって、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662および第3の酸化物半
導体663の層中や、それぞれの界面において不純物濃度を低減させることが好ましい。
【0267】
酸化物半導体を真性または実質的に真性とするためには、SIMS(Secondary
Ion Mass Spectrometry)分析において、例えば、酸化物半導体
のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、シリコン濃度を1×1
19atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さら
に好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。また、水素濃度は、例えば、
酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、2×10
20atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好
ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018atom
s/cm以下とする。また、窒素濃度は、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、
または、酸化物半導体のある領域において、5×1019atoms/cm未満、好ま
しくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/
cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
【0268】
また、酸化物半導体が結晶を含む場合、シリコンや炭素が高濃度で含まれると、酸化物半
導体の結晶性を低下させることがある。酸化物半導体の結晶性を低下させないためには、
例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、
シリコン濃度を1×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atom
s/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする部分を有
していればよい。また、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導
体のある領域において、炭素濃度を1×1019atoms/cm未満、好ましくは5
×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm
未満とする部分を有していればよい。
【0269】
また、上述のように高純度化された酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジス
タのオフ電流は極めて小さい。例えば、ソースとドレインとの間の電圧を0.1V、5V
、または、10V程度とした場合に、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流を
数yA/μmから数zA/μmにまで低減することが可能となる。
【0270】
本実施の形態に例示するOSトランジスタは、酸化物半導体660のチャネル幅方向を電
気的に取り囲むようにゲート電極673が形成されているため、酸化物半導体660に対
しては垂直方向からのゲート電界に加えて、側面方向からのゲート電界が印加される(図
13(C)参照)。すなわち、酸化物半導体の全体的にゲート電界が印加させることとな
り、電流はチャネルとなる第2の酸化物半導体662全体に流れるようになり、さらにオ
ン電流を高められる。
【0271】
〈ゲート電極〉
ゲート電極673は、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)
、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)
、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(
Co)、ルテニウム(Ru)から選ばれた金属元素、上述した金属元素を成分とする合金
、または上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、
ゲート電極673は、一層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコ
ンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、
窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層
する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する
二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタ
ン膜を形成する三層構造、Cu-Mn合金膜の単層構造、Cu-Mn合金膜上にCu膜を
積層する二層構造、Cu-Mn合金膜上にCu膜を積層し、さらにその上にCu-Mn合
金膜を積層する三層構造等がある。特にCu-Mn合金膜は、電気抵抗が低く、且つ、酸
素を含む絶縁膜との界面に酸化マンガンを形成し、Cuの拡散を防ぐことができるため好
ましい。
【0272】
また、ゲート電極673には、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム
酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸
化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添
加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また
、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
【0273】
〈ゲート絶縁膜〉
ゲート絶縁膜653には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒
化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化
イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび
酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、ゲート絶縁膜653は
上記材料の積層であってもよい。なお、ゲート絶縁膜653に、ランタン(La)、窒素
、ジルコニウム(Zr)などを、不純物として含んでいてもよい。
【0274】
また、ゲート絶縁膜653の積層構造の一例について説明する。ゲート絶縁膜653は、
例えば、酸素、窒素、シリコン、ハフニウムなどを有する。具体的には、酸化ハフニウム
、および酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含むと好ましい。
【0275】
酸化ハフニウムは、酸化シリコンや酸化窒化シリコンと比べて比誘電率が高い。したがっ
て、等価酸化膜厚に対して物理的な膜厚を大きくできるため、等価酸化膜厚を10nm以
下または5nm以下とした場合でも、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることが
できる。即ち、オフ電流の小さいトランジスタを実現することができる。
【0276】
〈ソース電極およびドレイン電極〉
ソース電極671およびドレイン電極672は、ゲート電極673と同様の材料で作製す
ることができる。特にCu-Mn合金膜は、電気抵抗が低く、且つ、酸化物半導体660
との界面に酸化マンガンを形成し、Cuの拡散を防ぐことができるため好ましい。
【0277】
〈保護絶縁膜〉
絶縁膜654は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキングで
きる機能を有する。絶縁膜654を設けることで、酸化物半導体660からの酸素の外部
への拡散と、外部から酸化物半導体660への水素、水等の入り込みを防ぐことができる
。絶縁膜654としては、例えば、窒化物絶縁膜を用いることができる。該窒化物絶縁膜
としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム
等がある。なお、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキング効
果を有する窒化物絶縁膜の代わりに、酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化
物絶縁膜を設けてもよい。酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜と
しては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、
酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等があ
る。
【0278】
酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過さ
せない遮断効果が高いので絶縁膜654に適用するのに好ましい。したがって、酸化アル
ミニウム膜は、トランジスタの作製工程中および作製後において、トランジスタの電気特
性の変動要因となる水素、水分などの不純物の酸化物半導体660への混入防止、酸化物
半導体660を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体からの放出防止、絶縁膜6
52からの酸素の不必要な放出防止の効果を有する保護膜として用いることに適している
。また、酸化アルミニウム膜に含まれる酸素を酸化物半導体中に拡散させることもできる
【0279】
〈酸化物半導体の結晶構造〉
次に、OSトランジスタに適用可能な酸化物半導体の結晶構造について説明を行う。
【0280】
なお、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で
配置されている状態をいう。従って、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂
直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従
って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0281】
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す
【0282】
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非
単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC-OS(C Axis Aligned Crys
talline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜
、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
【0283】
まずは、CAAC-OS膜について説明する。
【0284】
CAAC-OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
【0285】
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Micro
scope)によって、CAAC-OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(
高分解能TEM像ともいう。)を観察することで、複数の結晶部を確認することができる
。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレイン
バウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC-OS膜は、
結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
【0286】
試料面と概略平行な方向から、CAAC-OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると
、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は
、CAAC-OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映し
た形状であり、CAAC-OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
【0287】
一方、試料面と概略垂直な方向から、CAAC-OS膜の平面の高分解能TEM像を観察
すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認
できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
【0288】
図15(a)は、CAAC-OS膜の断面の高分解能TEM像である。また、図15(b
)は、図15(a)をさらに拡大した断面の高分解能TEM像であり、理解を容易にする
ために原子配列を強調表示している。
【0289】
図15(c)は、図15(a)のA-O-A’間において、丸で囲んだ領域(直径約4n
m)の局所的なフーリエ変換像である。図15(c)より、各領域においてc軸配向性が
確認できる。また、A-O間とO-A’間とでは、c軸の向きが異なるため、異なるグレ
インであることが示唆される。また、A-O間では、c軸の角度が14.3°、16.6
°、26.4°のように少しずつ連続的に変化していることがわかる。同様に、O-A’
間では、c軸の角度が-18.3°、-17.6°、-15.9°と少しずつ連続的に変
化していることがわかる。
【0290】
なお、CAAC-OS膜に対し、電子回折を行うと、配向性を示すスポット(輝点)が観
測される。例えば、CAAC-OS膜の上面に対し、例えば1nm以上30nm以下の電
子線を用いる電子回折(ナノビーム電子回折ともいう。)を行うと、スポットが観測され
る(図16(A)参照。)。
【0291】
断面の高分解能TEM像および平面の高分解能TEM像より、CAAC-OS膜の結晶部
は配向性を有していることがわかる。
【0292】
なお、CAAC-OS膜に含まれるほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体
内に収まる大きさである。従って、CAAC-OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10n
m未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。ただ
し、CAAC-OS膜に含まれる複数の結晶部が連結することで、一つの大きな結晶領域
を形成する場合がある。例えば、平面の高分解能TEM像において、2500nm以上
、5μm以上または1000μm以上となる結晶領域が観察される場合がある。
【0293】
CAAC-OS膜に対し、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)装
置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC-OS膜
のout-of-plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが
現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属される
ことから、CAAC-OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概
略垂直な方向を向いていることが確認できる。
【0294】
一方、CAAC-OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin-pl
ane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは
、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸化
物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)と
して試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に
帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC-OS膜の場合は、2θを5
6°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
【0295】
以上のことから、CAAC-OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不
規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行
な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面の高分解能TEM観察で確認され
た層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
【0296】
なお、結晶部は、CAAC-OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行
った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC-OS膜の被形成面また
は上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC-OS膜の形
状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC-OS膜の被形成面
または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
【0297】
また、CAAC-OS膜中において、c軸配向した結晶部の分布が均一でなくてもよい。
例えば、CAAC-OS膜の結晶部が、CAAC-OS膜の上面近傍からの結晶成長によ
って形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりもc軸配向した結晶部
の割合が高くなることがある。また、不純物の添加されたCAAC-OS膜は、不純物が
添加された領域が変質し、部分的にc軸配向した結晶部の割合の異なる領域が形成される
こともある。
【0298】
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC-OS膜のout-of-plane法
による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れ
る場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC-OS膜中の一部に、c軸配向性
を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC-OS膜は、2θが31°近傍に
ピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
【0299】
CAAC-OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、
シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコ
ンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化
物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる
要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径
(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の
原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純
物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
【0300】
また、CAAC-OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物
半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによって
キャリア発生源となることがある。
【0301】
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または
実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜
は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、当該
酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノー
マリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真
性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜
を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。
なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時
間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く
、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる
場合がある。
【0302】
また、CAAC-OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性
の変動が小さい。
【0303】
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
【0304】
微結晶酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領
域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。微結晶酸化物半導体膜
に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大き
さであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微
結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc
-OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)
膜と呼ぶ。また、nc-OS膜は、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確
認できない場合がある。
【0305】
nc-OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上
3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OS膜は、異なる
結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。従
って、nc-OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場
合がある。例えば、nc-OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装
置を用いて構造解析を行うと、out-of-plane法による解析では、結晶面を示
すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径(
例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折(制限視野電子回折ともいう。)を行う
と、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、結
晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折
を行うと、スポットが観測される。また、nc-OS膜に対しナノビーム電子回折を行う
と、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc
-OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測
される場合がある(図16(B)参照。)。
【0306】
nc-OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。その
ため、nc-OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、
nc-OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc-O
S膜は、CAAC-OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
【0307】
次に、非晶質酸化物半導体膜について説明する。
【0308】
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶部を有さない酸化
物半導体膜である。石英のような無定形状態を有する酸化物半導体膜が一例である。
【0309】
非晶質酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において結晶部を確認することができない。
【0310】
非晶質酸化物半導体膜に対し、XRD装置を用いた構造解析を行うと、out-of-p
lane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、非晶質酸化物半
導体膜に対し、電子回折を行うと、ハローパターンが観測される。また、非晶質酸化物半
導体膜に対し、ナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測されず、ハローパターンが
観測される。
【0311】
なお、酸化物半導体膜は、nc-OS膜と非晶質酸化物半導体膜との間の物性を示す構造
を有する場合がある。そのような構造を有する酸化物半導体膜を、特に非晶質ライク酸化
物半導体(amorphous-like OS:amorphous-like Ox
ide Semiconductor)膜と呼ぶ。
【0312】
amorphous-like OS膜は、高分解能TEM像において鬆(ボイドともい
う。)が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認
することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。amor
phous-like OS膜は、TEMによる観察程度の微量な電子照射によって、結
晶化が起こり、結晶部の成長が見られる場合がある。一方、良質なnc-OS膜であれば
、TEMによる観察程度の微量な電子照射による結晶化はほとんど見られない。
【0313】
なお、amorphous-like OS膜およびnc-OS膜の結晶部の大きさの計
測は、高分解能TEM像を用いて行うことができる。例えば、InGaZnOの結晶は
層状構造を有し、In-O層の間に、Ga-Zn-O層を2層有する。InGaZnO
の結晶の単位格子は、In-O層を3層有し、またGa-Zn-O層を6層有する、計9
層がc軸方向に層状に重なった構造を有する。よって、これらの近接する層同士の間隔は
、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその
値は0.29nmと求められている。そのため、高分解能TEM像における格子縞に着目
し、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所においては、それぞれ
の格子縞がInGaZnOの結晶のa-b面に対応すると見なした。その格子縞の観察
される領域のおける最大長を、amorphous-like OS膜およびnc-OS
膜の結晶部の大きさとする。なお、結晶部の大きさは、0.8nm以上のものを選択的に
評価する。
【0314】
図17は、高分解能TEM像により、amorphous-like OS膜およびnc
-OS膜の結晶部(20箇所から40箇所)の平均の大きさの変化を調査した例である。
図17より、amorphous-like OS膜は、電子の累積照射量に応じて結晶
部が大きくなっていくことがわかる。具体的には、TEMによる観察初期においては1.
2nm程度の大きさだった結晶部が、累積照射量が4.2×10/nmにおいて
は2.6nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、良質なnc-OS膜は
、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×10/nmになるまでの範囲
で、電子の累積照射量によらず結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。
【0315】
また、図17に示す、amorphous-like OS膜およびnc-OS膜の結晶
部の大きさの変化を線形近似して、電子の累積照射量0e/nmまで外挿すると、結
晶部の平均の大きさが正の値をとることがわかる。そのため、amorphous-li
ke OS膜およびnc-OS膜の結晶部が、TEMによる観察前から存在していること
がわかる。
【0316】
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CA
AC-OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
【0317】
酸化物半導体膜が複数の構造を有する場合、ナノビーム電子回折を用いることで構造解析
が可能となる場合がある。
【0318】
図16(C)に、電子銃室10と、電子銃室10の下の光学系12と、光学系12の下の
試料室14と、試料室14の下の光学系16と、光学系16の下の観察室20と、観察室
20に設置されたカメラ18と、観察室20の下のフィルム室22と、を有する透過電子
回折測定装置を示す。カメラ18は、観察室20内部に向けて設置される。なお、フィル
ム室22を有さなくても構わない。
【0319】
また、図16(D)に、図16(C)で示した透過電子回折測定装置内部の構造を示す。
透過電子回折測定装置内部では、電子銃室10に設置された電子銃から放出された電子が
、光学系12を介して試料室14に配置された物質28に照射される。物質28を通過し
た電子は、光学系16を介して観察室20内部に設置された蛍光板32に入射する。蛍光
板32では、入射した電子の強度に応じたパターンが現れることで透過電子回折パターン
を測定することができる。
【0320】
カメラ18は、蛍光板32を向いて設置されており、蛍光板32に現れたパターンを撮影
することが可能である。カメラ18のレンズの中央、および蛍光板32の中央を通る直線
と、蛍光板32の上面と、の為す角度は、例えば、15°以上80°以下、30°以上7
5°以下、または45°以上70°以下とする。該角度が小さいほど、カメラ18で撮影
される透過電子回折パターンは歪みが大きくなる。ただし、あらかじめ該角度がわかって
いれば、得られた透過電子回折パターンの歪みを補正することも可能である。なお、カメ
ラ18をフィルム室22に設置しても構わない場合がある。例えば、カメラ18をフィル
ム室22に、電子24の入射方向と対向するように設置してもよい。この場合、蛍光板3
2の裏面から歪みの少ない透過電子回折パターンを撮影することができる。
【0321】
試料室14には、試料である物質28を固定するためのホルダが設置されている。ホルダ
は、物質28を通過する電子を透過するような構造をしている。ホルダは、例えば、物質
28をX軸、Y軸、Z軸などに移動させる機能を有していてもよい。ホルダの移動機能は
、例えば、1nm以上10nm以下、5nm以上50nm以下、10nm以上100nm
以下、50nm以上500nm以下、100nm以上1μm以下などの範囲で移動させる
精度を有すればよい。これらの範囲は、物質28の構造によって最適な範囲を設定すれば
よい。
【0322】
次に、上述した透過電子回折測定装置を用いて、物質の透過電子回折パターンを測定する
方法について説明する。
【0323】
例えば、図16(D)に示すように物質におけるナノビームである電子24の照射位置を
変化させる(スキャンする)ことで、物質の構造が変化していく様子を確認することがで
きる。このとき、物質28がCAAC-OS膜であれば、図16(A)に示したような回
折パターンが観測される。または、物質28がnc-OS膜であれば、図16(B)に示
したような回折パターンが観測される。
【0324】
ところで、物質28がCAAC-OS膜であったとしても、部分的にnc-OS膜などと
同様の回折パターンが観測される場合がある。したがって、CAAC-OS膜の良否は、
一定の範囲におけるCAAC-OS膜の回折パターンが観測される領域の割合(CAAC
化率ともいう。)で表すことができる場合がある。例えば、良質なCAAC-OS膜であ
れば、CAAC化率は、50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以
上、より好ましくは95%以上となる。なお、CAAC-OS膜と異なる回折パターンが
観測される領域の割合を非CAAC化率と表記する。
【0325】
一例として、成膜直後(as-sputteredと表記。)、または酸素を含む雰囲気
における450℃加熱処理後のCAAC-OS膜を有する各試料の上面に対し、スキャン
しながら透過電子回折パターンを取得した。ここでは、5nm/秒の速度で60秒間スキ
ャンしながら回折パターンを観測し、観測された回折パターンを0.5秒ごとに静止画に
変換することで、CAAC化率を導出した。なお、電子線としては、プローブ径が1nm
のナノビーム電子線を用いた。なお、同様の測定は6試料に対して行った。そしてCAA
C化率の算出には、6試料における平均値を用いた。
【0326】
各試料におけるCAAC化率を図18(A)に示す。成膜直後のCAAC-OS膜のCA
AC化率は75.7%(非CAAC化率は24.3%)であった。また、450℃加熱処
理後のCAAC-OS膜のCAAC化率は85.3%(非CAAC化率は14.7%)で
あった。成膜直後と比べて、450℃加熱処理後のCAAC化率が高いことがわかる。即
ち、高い温度(例えば400℃以上)における加熱処理によって、非CAAC化率が低く
なる(CAAC化率が高くなる)ことがわかる。また、500℃未満の加熱処理において
も高いCAAC化率を有するCAAC-OS膜が得られることがわかる。
【0327】
ここで、CAAC-OS膜と異なる回折パターンのほとんどはnc-OS膜と同様の回折
パターンであった。また、測定領域において非晶質酸化物半導体膜は、確認することがで
きなかった。したがって、加熱処理によって、nc-OS膜と同様の構造を有する領域が
、隣接する領域の構造の影響を受けて再配列し、CAAC化していることが示唆される。
【0328】
図18(B)および図18(C)は、成膜直後および450℃加熱処理後のCAAC-O
S膜の平面の高分解能TEM像である。図18(B)と図18(C)とを比較することに
より、450℃加熱処理後のCAAC-OS膜は、膜質がより均質であることがわかる。
即ち、高い温度における加熱処理によって、CAAC-OS膜の膜質が向上することがわ
かる。
【0329】
このような測定方法を用いれば、複数の構造を有する酸化物半導体膜の構造解析が可能と
なる場合がある。
【0330】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0331】
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備
えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc
等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いること
ができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器と
して、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ
、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプ
レイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオ
プレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ
払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図19に示
す。
【0332】
図19(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体901、筐体902、表示部903、表示部
904、マイクロフォン905、スピーカー906、操作キー907、スタイラス908
等を有する。なお、図19(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部903と表示
部904とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない
【0333】
図19(B)は携帯データ端末であり、第1筐体911、第2筐体912、第1表示部9
13、第2表示部914、接続部915、操作キー916等を有する。第1表示部913
は第1筐体911に設けられており、第2表示部914は第2筐体912に設けられてい
る。そして、第1筐体911と第2筐体912とは、接続部915により接続されており
、第1筐体911と第2筐体912の間の角度は、接続部915により変更が可能である
。第1表示部913における映像を、接続部915における第1筐体911と第2筐体9
12との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部913およ
び第2表示部914の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装
置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパ
ネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォ
トセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加すること
ができる。
【0334】
図19(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体921、表示部922、キ
ーボード923、ポインティングデバイス924等を有する。
【0335】
図19(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体931、冷蔵室用扉932、冷凍室用扉93
3等を有する。
【0336】
図19(E)はビデオカメラであり、第1筐体941、第2筐体942、表示部943、
操作キー944、レンズ945、接続部946等を有する。操作キー944およびレンズ
945は第1筐体941に設けられており、表示部943は第2筐体942に設けられて
いる。そして、第1筐体941と第2筐体942とは、接続部946により接続されてお
り、第1筐体941と第2筐体942の間の角度は、接続部946により変更が可能であ
る。表示部943における映像を、接続部946における第1筐体941と第2筐体94
2との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
【0337】
図19(F)は普通自動車であり、車体951、車輪952、ダッシュボード953、ラ
イト954等を有する。
【0338】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
【0339】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様に係るRFタグの使用例について図20を用いながら
説明する。RFタグの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名
債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図20(A)参照)、記録媒体(DVDやビデ
オテープ等、図20(B)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図20(C)参照
)、乗り物類(自転車等、図20(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植
物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、薬品や薬剤を含む医療品、または電子機器(液
晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各
物品に取り付ける荷札(図20(E)、図20(F)参照)等に設けて使用することがで
きる。
【0340】
本発明の一態様に係るRFタグ4000は、表面に貼る、または埋め込むことにより、物
品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなるパッケージであれ
ば当該有機樹脂の内部に埋め込み、各物品に固定される。本発明の一態様に係るRFタグ
4000は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザ
イン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証書
類等に本発明の一態様に係るRFタグ4000を設けることにより、認証機能を設けるこ
とができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器
類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の一
態様に係るRFタグを取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図る
ことができる。また、乗り物類であっても、本発明の一態様に係るRFタグを取り付ける
ことにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。
【0341】
以上のように、本発明の一態様に係わるRFタグを本実施の形態に挙げた各用途に用いる
ことにより、情報の書込みや読み出しを含む動作電力を低減できるため、最大通信距離を
長くとることが可能となる。また、電力が遮断された状態であっても情報を極めて長い期
間保持可能であるため、書き込みや読み出しの頻度が低い用途にも好適に用いることがで
きる。
【0342】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる
【符号の説明】
【0343】
BG1 信号
BG2 信号
BL ビット線
BL1 ビット線
BL2 ビット線
FN1 ノード
FN2 ノード
FN3 ノード
p0 期間
p1 期間
p2 期間
p3 期間
p4 期間
p5 期間
p6 期間
T0 時刻
T1 時刻
T2 時刻
T3 時刻
T4 時刻
T5 時刻
T6 時刻
T7 時刻
T8 時刻
T9 時刻
T10 時刻
T11 時刻
T12 時刻
T13 時刻
T14 時刻
T15 時刻
WLC1 ワード線
WLC2 ワード線
WLC3 ワード線
WLOS1 ワード線
WLOS2 ワード線
WLOS3 ワード線
10 電子銃室
12 光学系
14 試料室
16 光学系
18 カメラ
20 観察室
22 フィルム室
24 電子
28 物質
32 蛍光板
100 メモリセル
101 トランジスタ
102 トランジスタ
103 トランジスタ
104 容量素子
105 トランジスタ
106 容量素子
107 トランジスタ
108 容量素子
109 トランジスタ
110 メモリセル
112 トランジスタ
113 トランジスタ
114 トランジスタ
122 トランジスタ
123 トランジスタ
500 半導体装置
501 メモリセルアレイ
502 行選択ドライバ
503 列選択ドライバ
504 A/Dコンバータ
517 デコーダ
518 制御回路
521 デコーダ
522 ラッチ回路
523 D/Aコンバータ
524 スイッチ回路
526 トランジスタ
531 コンパレータ
532 エンコーダ
533 ラッチ回路
534 バッファ
651 絶縁膜
652 絶縁膜
653 ゲート絶縁膜
654 絶縁膜
655 絶縁膜
660 酸化物半導体
661 酸化物半導体
662 酸化物半導体
663 酸化物半導体
671 ソース電極
672 ドレイン電極
673 ゲート電極
901 筐体
902 筐体
903 表示部
904 表示部
905 マイクロフォン
906 スピーカー
907 操作キー
908 スタイラス
911 筐体
912 筐体
913 表示部
914 表示部
915 接続部
916 操作キー
921 筐体
922 表示部
923 キーボード
924 ポインティングデバイス
931 筐体
932 冷蔵室用扉
933 冷凍室用扉
941 筐体
942 筐体
943 表示部
944 操作キー
945 レンズ
946 接続部
951 車体
952 車輪
953 ダッシュボード
954 ライト
2000 基板
2001 絶縁膜
2002 絶縁膜
2003 絶縁膜
2004 絶縁膜
2005 絶縁膜
2006 絶縁膜
2007 絶縁膜
2008 絶縁膜
2101 プラグ
2102 プラグ
2103 プラグ
2104 プラグ
2105 プラグ
2106 プラグ
2107 プラグ
2108 プラグ
2201 チャネル形成領域
2202 不純物領域
2203 不純物領域
2204 ゲート絶縁膜
2205 ゲート電極
2206 側壁絶縁層
2301 配線
2302 配線
2401 電極
2402 電極
2403 絶縁膜
2501 配線
2502 配線
2601 電極
2602 電極
2603 絶縁膜
2701 導電膜
2702 導電膜
4000 RFタグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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