(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】人物検索装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/338 20190101AFI20221109BHJP
G06F 16/38 20190101ALI20221109BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20221109BHJP
【FI】
G06F16/338
G06F16/38
G06F21/62 327
(21)【出願番号】P 2018053740
(22)【出願日】2018-03-22
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】布目 光生
(72)【発明者】
【氏名】出羽 達也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 寛子
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智弘
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-259015(JP,A)
【文献】特開2003-233516(JP,A)
【文献】森井 茂夫,タレントマネジメント導入の勘所 (第2回),日経コンピュータ,日本,日経BP社,2013年01月24日,no.826,pp. 116--119
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列の入力を受け付けると、前記文字列に対応する人物情報及び
1つ以上の文書情報を表示可能な処理部であって、
前記文字列を入力したユーザの権限に応じて、前記人物情報の少なくとも一部又は前記
1つ以上の文書情報の
それぞれの少なくとも一部を伏せ
、
前記文書情報ごとに、当該文書情報の情報量に対する伏せられた情報量の割合に応じて、当該文書情報の表示と非表示とを切り替える、
前記処理部を備えた人物検索装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記権限に応じて、前記
1つ以上の文書情報の
それぞれの前記少なくとも一部又は前記人物情報の前記少なくとも一部をマスキングして表示させる請求項
1記載の人物検索装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記権限に応じて、前記
1つ以上の文書情報の
それぞれの前記少なくとも一部又は前記人物情報の前記少なくとも一部を表示させない請求項
2記載の人物検索装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記権限に応じて、前記
1つ以上の文書情報の
それぞれに含まれる数値の少なくとも一部を伏せる請求項
1~
3のいずれか1つに記載の人物検索装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記権限に応じて、前記
1つ以上の文書情報の
それぞれに含まれる用語の少なくとも一部を伏せる請求項
1~
4のいずれか1つに記載の人物検索装置。
【請求項6】
前記人物情報は、人物の氏名を含み、
前記処理部は、前記氏名が含まれていた文書情報の数を表示させる請求項1~5のいずれか1つに記載の人物検索装置。
【請求項7】
前記処理部は、
検索対象の文書情報を選択するための1つ以上のタグをさらに表示させ、
前記1つ以上のタグのいずれかが選択された場合、前記処理部は、選択された前記タグに対応する文書情報を検索する、
請求項1~6のいずれか1つに記載の人物検索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、人物検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人物情報をまとめたデータベースから人物情報を検索する人物検索装置がある。人物検索装置については、情報の機密性の低下を抑制しつつ、人物情報及び文書情報の共有化を促進できることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、情報の機密性の低下を抑制しつつ、人物情報及び文書情報の共有化を促進できる人物検索装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る人物検索装置は、処理部を含む。前記処理部は、文字列の入力を受け付けると、前記文字列に対応する人物情報を表示可能である。前記処理部は、前記文字列を入力したユーザの権限に応じて、前記人物情報の少なくとも一部を伏せる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る人物検索装置の構成を例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る人物検索装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る別の人物検索装置の構成を例示するブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る別の人物検索装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る別の人物検索装置による表示画面を例示する模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る別の人物検索装置による表示画面を例示する模式図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る別の人物検索装置による表示画面を例示する模式図である。
【
図8】第2実施形態に係る人物検索装置の構成を例示する模式図である。
【
図9】第2実施形態に係る人物検索装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図12】
図12(a)~
図12(c)は、重みの算出に用いられる情報を例示する模式図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る人物検索装置を実現するハードウェアを例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る人物検索装置の構成を例示するブロック図である。
図1に表したように、第1実施形態に係る人物検索装置110は、第1処理部10を含む。この例では、人物検索装置110は、入力部30、表示部40、記憶部51及び記憶部52をさらに含む。
【0009】
ユーザは、入力部30を用いて、検索に用いる文字列を第1処理部10に入力する。記憶部51は、ある組織に所属する複数の人物に関する複数の人物情報を記憶する。記憶部52は、各ユーザの権限に関する情報と、権限ごとの人物情報の開示範囲と、を記憶する。
【0010】
第1処理部10は、文字列の入力を受け付けると、記憶部51及び記憶部52を参照する。第1処理部10は、文字列に対応する人物情報を記憶部51から取得する。さらに、第1処理部10は、文字列を入力したユーザの権限に基づき、表示する人物情報の範囲を決定する。この結果、ユーザの権限に応じて、人物情報の少なくとも一部を伏せて、文字列に基づく検索結果を表示させる。
【0011】
例えば、ある組織内で人物に関する情報共有を促進するために、人物情報をまとめたデータベースを構築する場合がある。このようなデータベースでは、人物情報として、その人物の氏名、専門分野、所属、連絡先(電話番号やメールアドレス等)などが記憶される。例えば、ある特定の技術について詳細を知りたい場合に、このデータベースを用いて、その技術分野の専門知識を有する人物(専門家)を検索する。専門知識を有する人物が見つかった場合は、その人物に連絡し、相談したり教えてもらったりできる。
【0012】
一方で、同じ組織内でも、情報の機密性の観点から、人物情報の全てを検索結果で表示することが望ましくない場合もある。例えば、第1人物は、ある顧客から受注した、ある技術分野に関する第1製品を担当している。第2人物は、別の顧客から受注した、同じ技術分野の第2製品を担当している。第2人物が、上記技術分野について検索した際に、第1人物に関する人物情報が第2人物に対して全て表示されることは、望ましくない場合がある。例えば、第1人物について表示された専門分野から、第1人物が、第1製品に関してどのような仕事に従事しているか推測出来てしまう場合がある。
このため、情報の機密性の低下を抑制しつつ、人物情報の供給を促進できる技術の開発が望まれていた。
【0013】
そこで、本実施形態に係る人物検索装置110では、第1処理部10は、文字列が入力されると、文字列に対応する人物情報を表示する際に、ユーザの権限に応じて、人物情報の少なくとも一部を伏せる。人物情報は、例えば、人物の氏名、人物の所属、人物への連絡先、及び人物の専門分野からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
【0014】
例えば、第1権限を有する第1ユーザと、第2権限を有する第2ユーザと、がいる。第2権限は、第1権限よりも広い。この場合、第1処理部10は、第1ユーザによる第1文字列の第1入力を受け付けると、この第1文字列に対応した第1人物に関する第1情報を表示させる。第1処理部10は、第2ユーザによる第1文字列の第2入力を受け付けると、第1人物に関する第1情報及び第2情報を表示させる。すなわち、第1処理部10は、第1ユーザが検索した場合は、第1情報しか表示させない。第1処理部10は、第2ユーザが検索した場合には、第1情報に加えて第2情報を表示させる。
【0015】
又は、第1権限は、第2権限と異なっていても良い。この場合、第1処理部10は、第1入力を受け付けると、第1情報を表示させる。第1処理部10は、第2入力を受け付けると、第2情報を表示させる。すなわち、第1処理部10は、第1ユーザが検索した場合と、第2ユーザが検索した場合と、で表示させる情報を異ならせる。
【0016】
この人物検索装置110によれば、情報の機密性の低下を抑制しつつ、人物情報の共有化を促進できる。
【0017】
より望ましくは、第1処理部10は、複数の人物に関する人物情報を表示する。例えば、ある文字列を入力して人物情報が表示された場合でも、その人物が既にその組織に所属していない可能性もある。複数の人物情報が表示されることで、このような場合に、知りたい知識を有しうる別の人を探し出すことができる。
【0018】
図2は、第1実施形態に係る人物検索装置の動作を例示するフローチャートである。
第1処理部10は、例えば、
図1に表したように、受付部11及び検索部12を含む。受付部11は、文字列の入力を受け付ける(ステップS1)。検索部12は、記憶部51を参照し、文字列に基づいて、人物情報を検索する(ステップS2)。検索部12は、記憶部51から、文字列に対応する人物情報を取得する(ステップS3)。
【0019】
検索部12は、記憶部52を参照する。例えば、記憶部52は、ユーザがある組織のシステムにログインする際のログイン情報と、権限と、を対応付けて記憶している。権限は、例えば、ユーザの、階級、役職、所属、担当業務、担当顧客、専門分野、及び経歴などの少なくともいずれかに基づいて設定される。検索部12は、ユーザの権限に対応する人物情報の開示範囲を確認する(ステップS4)。検索部12は、その開示範囲に応じた人物情報を表示部40に表示させる(ステップS5)。
【0020】
図3は、第1実施形態に係る別の人物検索装置の構成を例示するブロック図である。
図3に表した人物検索装置120では、第1処理部10は、さらに記憶部53を適宜参照する。
【0021】
記憶部53は、複数の文書を記憶する。これらの文書は、例えば、組織内での情報共有を促進するために作成されたものである。記憶部53は、例えば、不適合事例、参考事例、議事録、設計仕様書などを記憶する。
【0022】
例えば、不適合事例は、ある製品について不適切な設計が存在し、問題となった場合に作成される。不適合事例は、問題と、その原因と、その対策と、を含む。参考事例は、ある製品、技術等について、効果的な設計、課題の解決策などを含む。議事録は、ある技術又は製品に関する打ち合わせ又は検討会における参加者の発言をまとめた記録である。設計使用者は、ある製品又は部品に関する設計の詳細な内容をまとめた記録である。
【0023】
人物検索装置120によれば、人物情報とともに、文書情報を検索できる。これにより、例えば、ある技術に関する知見が欲しいときに、その技術を知る可能性のある人物を調べ、且つその技術に関する文書を調べることができる。また、検索部12は、文書情報についても、人物情報と同様に、ユーザの権限に応じて、文書情報の少なくとも一部を伏せる。
従って、人物検索装置120によれば、情報の機密性の低下を抑制しつつ、人物情報及び文書情報の共有化を促進できる。
【0024】
図4は、第1実施形態に係る別の人物検索装置の動作を例示するフローチャートである。
図4に表したように、受付部11が文字列の入力を受け付けると(ステップS11)、検索部12は、記憶部51及び記憶部53を参照する。検索部12は、文字列に基づいて人物情報を検索し(ステップS12)、記憶部51から、文字列に対応する人物情報を取得する(ステップS13)。
【0025】
検索部12は、文字列に基づいて文書情報を検索し(ステップS14)、記憶部53から、文字列に対応する文書情報を取得する(ステップS15)。検索部12は、記憶部52を参照し、ユーザの権限に対応する人物情報及び文書情報の開示範囲を確認し(ステップS16)、その開示範囲に応じた人物情報及び文書情報を表示させる(ステップS17)。
【0026】
図5~
図7は、第1実施形態に係る別の人物検索装置による表示画面を例示する模式図である。
図5に表した画面80において、ユーザは、入力領域81に文字列を入力する。ユーザが、アイコン82をクリックすると、第1処理部10は、文字列の入力を受け付け、人物情報及び文書情報を検索する。
【0027】
表示領域83には、文字列に対応する人物情報が表示され、表示領域84には、文字列に対応する文書情報が表示される。
図5の例では、第1処理部10は、文字列に関する知識を有しうる人物に関する人物情報として、その人物の氏名、所属、及び電話番号を表示する。また、第1処理部10は、例えば、表示領域83中の領域83aに、その人物の氏名が含まれていた文書の数を表示させる。
【0028】
第1処理部10は、ユーザの権限に応じて、人物情報の少なくとも一部及び文書情報の少なくとも一部を伏せる。
図5の例では、人物情報の一部及び文書情報の一部がマスキングされている。
【0029】
第1処理部10は、例えば、表示領域83において、マスキングM1のように人物の氏名及び連絡先を伏せ、所属のみを表示させる。また、第1処理部10は、例えば、表示領域84において、マスキングM2のように、参照する権限を有していない文書に含まれる数字の少なくとも一部を伏せる。第1処理部10は、マスキングM3のように、文書に含まれる特定の単語や文章を伏せても良い。第1処理部10は、マスキングM4のように、文書内容を全て伏せても良い。
【0030】
人物情報の少なくとも一部及び文書情報の少なくとも一部がマスキングされて表示されることで、情報の機密性を維持できる。一方、
図5に表したように、人物の氏名及び連絡先が伏せられていても、所属が表示されることで、ユーザは、例えばその部署へ、検索した文字列に関する情報を問い合わせることができる。また、ユーザは、ある文書について、マスキングされた部分以外から、そのユーザにとって有用な情報が得られる可能性がある。ユーザが、有用な情報の存在を知ることができる可能性がある。
【0031】
図6に表したように、表示領域83には、全ての人物情報を参照できる人物についてのみ、その人物情報が表示されても良い。表示領域84には、内容の少なくとも一部が伏せられた文書が表示されなくても良い。マスキングされていない情報のみが表示されることで、ユーザが、その権限で参照できる範囲の人物情報及び文書情報を効率的に探すことができる。
【0032】
又は、第1処理部10は、ある文書について、伏せられた内容の割合に応じて、表示領域84におけるその文書の表示と非表示とを切り替えても良い。例えば、第1処理部10は、文書の情報量の所定割合以上が伏せられる場合、その文書を表示領域84に表示させない。伏せられた文書の情報量が所定割合未満の場合、その文書情報の一部を伏せて表示領域84に表示させる。この表示方法によれば、伏せられている量が比較的少ない文書のみを表示させることができ、ユーザが人物情報及び文書情報を効率的に探すことができる。
【0033】
又は、画面80において、
図5に表したようにマスキングされた文書を表示させる状態と、
図6に表したように参照できる文書だけを表示させる状態と、を切り替えるためのアイコン86が設けられても良い。
【0034】
記憶部51に記憶された文書が、所定の形式に従って作成されている場合、第1処理部10は、ユーザの権限に応じて、文書に含まれる特定の項目の少なくとも一部を伏せても良い。
【0035】
画面80には、検索する対象の文書を選択するための1つ以上のタグ87が表示されても良い。ユーザがタグ87の1つを選択すると、第1処理部10は、そのタグ87に対応する文書から、文字列に基づいて文書情報を検索する。
【0036】
ユーザは、例えば、画面80において、表示領域84に表示された文書のタイトルをクリックすることで、その文書の詳細を参照できる。第1処理部10は、文書の詳細を表示させる際に、内容の少なくとも一部を伏せても良い。又は、第1処理部10は、その文書の少なくとも一部が伏せられている場合、ユーザによる操作を無効にし、文書の詳細を表示させなくても良い。
【0037】
図7は、より広い権限を有するユーザが、
図5及び
図6と同じ文字列を検索した場合の結果を例示する。例えば
図7に表したように、第1処理部10は、表示領域83及び84において、人物情報及び文書情報を伏せずに表示する。
【0038】
図8は、第2実施形態に係る人物検索装置の構成を例示する模式図である。
図9は、第2実施形態に係る人物検索装置の動作を例示するフローチャートである。
人物検索装置210は、
図8に表したように、第2処理部20をさらに含む。第2処理部20は、検索結果でより適切な人物情報を表示させるための処理を行う。
【0039】
第1処理部10は、第3取得部13及び第4取得部14をさらに含む。第2処理部20は、第1取得部21、第2取得部22、及び算出部23を含む。また、
図8に表した例では、人物検索装置210は、記憶部54をさらに含む。
【0040】
第3取得部13は、検索部12による検索が行われた際に、検索情報(例えば、検索に用いられた文字列)を取得し、記憶部54に記憶する。第4取得部14は、検索部12による検索結果が表示された後、ユーザによる文書の参照に関するログを取得する。第4取得部14は、取得したログを記憶部54に記憶する。ログは、例えば、文書が参照されたことを示す情報及び文書内容を表示している時間の少なくともいずれかを含む。
【0041】
人物検索装置210は、例えば、
図9のフローチャートに表した動作を実行する。
図9のフローチャートの動作は、ユーザによる検索が実行されていない間に、実行される。
【0042】
第2処理部20の第1取得部21及び第2取得部22は、記憶部53(第1記憶部)から文書を取得する(ステップS21)。第1取得部21は、取得した文書から人物名を抽出する(ステップS22)。第1取得部21は、人物に関する他の情報を抽出しても良い。例えば、第1取得部21は、取得した文書から、所属及び連絡先の少なくともいずれかを抽出する。
【0043】
第2取得部22は、取得した文書から用語を抽出する(ステップS23)。用語の抽出には、例えば、固有表現抽出法が用いられる。抽出される用語は、例えば、技術用語、機器又は部品の名称などである。取得した文書に重要度又は緊急度に関する情報が含まれている場合、第2取得部22は、その属性も抽出する(ステップS24)。
【0044】
算出部23は、記憶部54(第2記憶部)から、検索履歴及びログを抽出する(ステップS25)。算出部23は、第1取得部21により抽出された人物名と、第2取得部22により抽出された用語と、を対応付けて、記憶部51(第3記憶部)に記憶する(ステップS26)。
【0045】
算出部23は、さらに、抽出された人物に関する用語を重み付けする(ステップS27)。算出部23は、付与した重みを記憶部54に記憶する(ステップS28)。例えば、第1人物の名前と、第1用語と、を含む第1文書がある。この場合、算出部23は、第1人物と第1用語を対応付ける。また、第1人物について第1用語の重み付けを行う。
【0046】
例えば、第1文書が、その文書の重要性を示す情報を含む場合、算出部23は、その情報の属性に応じて、第1人物について第1用語の重みを変化させても良い。例えば、第1文書の重要度が高ければ、第1人物について第1用語の重みをより大きくする。
第1文書の新しさを示す情報が記憶されている場合、算出部23は、第1文書が新しいほど、第1人物について第1用語の重みをより大きくする。新しさを示す情報は、例えば、第1文書の登録日、記入日、承認日、第1文書に含まれる日付などである。
算出部23は、第1文書の参照数が多いほど、第1人物の第1用語の重みを大きくしても良い。また、算出部23は、第1文書の参照数が最近の比較的短い期間に大きく増加していた場合、第1人物について第1用語の重みをより大きくしても良い。
【0047】
また、記憶部53に記憶された文書に、参照したユーザがフィードバックできる機能があっても良い。例えば、ユーザは、参照した文書が、役に立ったか、役に立たなかったか、を当該文書に対してフィードバックできる。算出部23は、第1文書が多くのユーザから役に立つと評価されているほど、第1人物について第1用語の重みをより大きくしても良い。
【0048】
算出部23は、人物名、用語、重みを対応付けて、人物情報の少なくとも一部として記憶部51へ記憶する。第2処理部20は、例えば、記憶部53に記憶された全ての文書に対して上記動作を実行する。
【0049】
また、第1用語は、例えば、第1分野に属する用語である。例えば、第1人物と、第1分野に属する複数の用語と、が対応付けられている場合、複数の用語の重みを合計することで、第1人物の第1分野についての「専門家度」が得られる。算出部23は、人物名、用語、重みに加えて、その人物の「専門家度」を対応付けて、記憶部53に記憶しても良い。
【0050】
図10及び
図11は、文書を例示する模式図である。
図10に表した文書90aには、重要性を示すランク91a、複数の人物名92a~94a、複数の用語95a~97aが含まれている。
図11に表した文書90bには、重要性を示すランク91b、複数の人物名92b~94b、複数の用語95b~97bが含まれている。算出部23は、これらの情報を文書から抽出する。
【0051】
図12(a)~
図12(c)は、重みの算出に用いられる情報を例示する模式図である。
図12(a)は、
図10に表した文書90aから、第1取得部21及び第2取得部22により取得された、人物名と用語とを例示する。
図12(b)は、第3取得部13により取得された、検索情報を例示する。
図12(c)は、算出部23から記憶部54へ記憶される情報を例示する。算出部23は、
図12(a)及び
図12(b)に表した情報を用いて、例えば
図12(c)に表したように、人物名と、用語と、重みと、を対応付けて記憶する。
【0052】
上述したように、人物検索装置210では、第2処理部20により記憶部53から文書が取得され、取得した文書に基づき、人物に関する情報(例えば人物名)と、用語と、重みと、が対応付けて人物情報として記憶部54に記憶される。このような処理が実行されることで、記憶部53に記憶された文書に基づき、人物情報が自動で更新されていく。これにより、ユーザが人物情報を更新する必要が無くなる。
また、第2処理部20は、取得した文書の様式などに依らず、上記人物情報を抽出できる。従って、人物検索装置210によれば、互いに異なる様式の複数の文書が記憶部53に記憶されている場合でも、人物情報を更新できる。
【0053】
図13は、実施形態に係る人物検索装置を実現するハードウェアを例示する模式図である。
上述した実施形態に係る人物検索装置110は、CPU(Central Processing Unit)111と、入力装置112と、出力装置113と、ROM(Read Only Memory)114と、RAM(Random Access Memory)115と、記憶装置116と、通信装置117と、バス118とを含む。人物検索装置120及び210も、例えば、
図13と同様の構成を有する。各部は、バス118により接続される。
【0054】
CPU111は、ROM114または記憶装置116に予め記憶された各種プログラムと協働して各種処理を実行し、人物検索装置110を構成する各部の動作を統括的に制御する。CPU111は、処理において、RAM115の所定領域を作業領域として用いる。CPU111は、ROM114または記憶装置116に予め記憶されたプログラムと協働して、入力装置112、出力装置113、及び通信装置117等を実現させる。
【0055】
入力装置112は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネルの少なくともいずれかを含む。入力装置112は、ユーザから入力された情報を指示信号として受け付け、その指示信号をCPU111に出力する。出力装置113は、例えばモニタである。出力装置113は、CPU111から出力された信号に基づいて、各種情報を視認可能に出力する。
【0056】
ROM114は、人物検索装置110の制御に用いられるプログラムおよび各種設定情報等を書き換え不可能に記憶する。RAM115は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶媒体である。RAM115は、CPU111の作業領域として機能する。具体的には、人物検索装置110が用いる各種変数およびパラメータ等を一時記憶するバッファ等として機能する。
【0057】
記憶装置116は、フラッシュメモリ等の半導体による記憶媒体、磁気的または光学的に記録可能な記憶媒体等の書き換え可能な記録装置である。記憶装置116は、人物検索装置110の制御に用いられるプログラムおよび各種設定情報等を記憶する。記憶装置116は、例えば、記憶部51及び52として機能する。記憶装置116は、さらに、記憶部53及び54として機能しても良い。通信装置117は、外部の機器と通信して情報の送受信を行うために用いられる。
【0058】
以上で説明した各実施形態によれば、情報の機密性の低下を抑制しつつ、人物情報及び文書情報の共有化を促進できる人物検索装置を提供できる。
【0059】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、処理部、入力部、表示部、記憶部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0060】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0061】
その他、本発明の実施の形態として上述した人物検索装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての人物検索装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0062】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10 第1処理部、 11 受付部、 12 検索部、 13 第3取得部、 14 第4取得部、 20 第2処理部、 21 第1取得部、 22 第2取得部、 23 算出部、 30 入力部、 40 表示部、 51~54 記憶部、 80 画面、 81 入力領域、 82 アイコン、 83 表示領域、 83a 領域、 84 表示領域、 86 アイコン、 87 タグ、 90a、90b 文書、 91a、91b ランク、 92a~94a、92b~94b 人物名、 95a~97a、95b~98b 用語、 110、120、210 人物検索装置、 111 CPU、 112 入力装置、 113 出力装置、 114 ROM、 115 RAM、 116 記憶装置、 117 通信装置、 118 バス、 M1~M4 マスキング、 S1~S5、S11~S17、S21~S28 ステップ