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特許7173812管理システム、管理方法、管理プログラム、利用者端末および管理者端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法、管理プログラム、利用者端末および管理者端末
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20221109BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018182394
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020052803
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】古川 潤
(72)【発明者】
【氏名】蟻川 洋祐
【審査官】佐伯 憲太郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第6345870(JP,B1)
【文献】特開2018-124967(JP,A)
【文献】特開2005-275994(JP,A)
【文献】特開2014-215722(JP,A)
【文献】特開2004-355327(JP,A)
【文献】特開2007-004662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活動中の人の健康状態を通信ネットワーク経由で管理する管理システムであって、
前記管理システムの利用者が携帯する利用者端末と、
前記利用者を管理する管理者が操作する管理者端末と、を備え、
前記利用者端末は、前記利用者に対する問診内容を出力する問診処理と、前記出力に対して入力された回答を前記通信ネットワークへ送信する送信処理とを、前記活動の期間において設定された複数のタイミングで実行し、
前記管理者端末は、前記利用者の中から前記回答に基づいて前記管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に表示する表示処理を実行し、
前記利用者端末は、前記問診処理を実行する際、予め作成された複数の問診内容の中から抽出される、前記問診処理を実行するタイミングにおいて問診すべき問診内容を出力し、
前記抽出においては、作業時間帯の途中に行われる問診の項目数が作業時間帯以外の問診より少なくなるように行われる、
管理システム。
【請求項2】
前記利用者端末は、前記問診処理を実行する際、予め作成された複数の問診内容の中から抽出される、前記問診処理を実行するタイミングにおいて問診すべき問診内容を出力する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記利用者端末は、前記送信処理を実行する際、該利用者端末を携帯する人が装着する温湿度のセンサによって得られた環境情報を前記回答と共に前記通信ネットワークへ送信し、
前記管理者端末は、前記表示処理を実行する際、前記利用者のうち前記回答および前記環境情報に基づいて前記管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に表示する、
請求項1または2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記利用者端末は、
前記問診処理を実行する際、前記利用者に対する問診内容を画面に出力し、
前記送信処理を実行する際、前記出力に対して前記画面へのタッチ操作で入力された前記回答を前記通信ネットワークへ送信する、
請求項1から3の何れか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
活動中の人の健康状態を通信ネットワーク経由で管理する管理方法であって、
管理システムの利用者が携帯する利用者端末において、前記利用者に対する問診内容を出力する問診処理と、前記出力に対して入力された回答を通信ネットワークへ送信する送信処理とを、前記活動の期間において設定された複数のタイミングで実行し、
前記利用者を管理する管理者が操作する管理者端末において、前記利用者の中から前記回答に基づいて前記管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に表示する表示処理を実行し、
前記利用者端末は、前記問診処理を実行する際、予め作成された複数の問診内容の中から抽出される、前記問診処理を実行するタイミングにおいて問診すべき問診内容を出力し、
前記抽出においては、作業時間帯の途中に行われる問診の項目数が作業時間帯以外の問診より少なくなるように行われる、
管理方法。
【請求項6】
活動中の人の健康状態を通信ネットワーク経由で管理する管理プログラムであって、
管理システムの利用者が携帯する利用者端末においては、前記利用者に対する問診内容を出力する問診処理と、前記出力に対して入力された回答を通信ネットワークへ送信する送信処理とを、前記活動の期間において設定された複数のタイミングで実行させ、
前記利用者を管理する管理者が操作する管理者端末においては、前記利用者の中から前記回答に基づいて前記管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に表示する表示処理を実行させ
前記利用者端末には、前記問診処理を実行する際、予め作成された複数の問診内容の中から抽出される、前記問診処理を実行するタイミングにおいて問診すべき問診内容を出力させ、
前記抽出においては、作業時間帯の途中に行われる問診の項目数が作業時間帯以外の問診より少なくなるように行われる、
管理プログラム。
【請求項7】
活動中の人が携帯する利用者端末であって、
管理システムの利用者に対する問診内容を出力する問診処理と、前記出力に対して入力された回答を通信ネットワークへ送信する送信処理とを、前記活動の期間において設定された複数のタイミングで実行し、
前記問診処理を実行する際は、予め作成された複数の問診内容の中から抽出される、前記問診処理を実行するタイミングにおいて問診すべき問診内容を出力し、
前記抽出においては、作業時間帯の途中に行われる問診の項目数が作業時間帯以外の問診より少なくなるように行われる、
利用者端末。
【請求項8】
活動中の人を管理する管理者が操作する管理者端末であって、
管理システムの利用者が携帯する利用者端末において、前記活動の期間において設定された複数のタイミングで実行される、前記利用者に対する問診内容を出力する問診処理と、前記出力に対して入力された回答を通信ネットワークへ送信する送信処理とによって取得される前記回答に基づいて、前記利用者の中から前記管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に表示する表示処理を実行し、
前記利用者端末では、前記問診処理を実行する際、予め作成された複数の問診内容の中から抽出される、前記問診処理を実行するタイミングにおいて問診すべき問診内容を出力し、
前記抽出においては、作業時間帯の途中に行われる問診の項目数が作業時間帯以外の問診より少なくなるように行われる、
管理者端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、管理方法、管理プログラム、利用者端末および管理者端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術の発展に伴い、作業員の健康状態を技術的に管理する試みが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-120600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人の健康状態は、各種の活動に影響を与える。例えば、工事現場で作業している作業員の健康状態が優れない場合、作業員が事故を起こす可能性が高まる。また、学校の遠足といった屋外での行事に参加している参加者の健康状態が優れない場合、行事の進行に支障を来す可能性が高まる。
【0005】
そこで、上記の特許文献1で提案されているように、人の生命活動の維持に大きく関わる気温や湿度といった人を取り巻く熱的環境の情報を利用し、人の健康状態を管理することが考えられる。しかし、人の健康状態は、人を取り巻く環境の温度や湿度といった熱的要因の他、睡眠量や疲労の蓄積量といった熱的要因以外の各種要因によっても左右される。よって、気温や湿度といった人が居る環境の熱的条件を測定するセンサ、或いは、心拍等の生体情報を測定するセンサといった技術的手段の利用のみに留まると、人の健康状態を適切に把握することは難しい。
【0006】
よって、例えば、人に対する問診というセンサに頼らない手段で人の健康状態を把握することが考えられる。ところが、問診を行った後に健康状態の不良を感じたり、或いは、健康状態が悪化したりすることがあるため、活動開始前の問診だけでは、各種の活動を行う人の健康状態を適切に管理することは難しい。
【0007】
そこで、本願は、活動中の人の健康状態を適切に管理可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明では、利用者に対する問診を複数のタイミングで行い、回答に基づいて管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に管理者端末で表示することにした。
【0009】
詳細には、本発明は、活動中の人の健康状態を通信ネットワーク経由で管理する管理システムであって、管理システムの利用者が携帯する利用者端末と、利用者を管理する管理者が操作する管理者端末と、を備え、利用者端末は、利用者に対する問診内容を出力する問診処理と、出力に対して入力された回答を通信ネットワークへ送信する送信処理とを、活動の期間において設定された複数のタイミングで実行し、管理者端末は、利用者の中から回答に基づいて管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に表示する表示処理を実行する。
【0010】
上記の管理システムによれば、活動の期間において設定された複数のタイミングで利用者に対する問診が行われる。そして、管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報が、利用者端末への連絡用に表示されるため、管理者は要確認者に対する健康状態の確認を容易に行うことができる。よって、活動開始後に健康状態の不良や悪化を感じた利用者がそのまま活動を続行することにより、健康状態の更なる悪化を来す可能性が可及的に抑制され、利用者の健康状態を適切に管理することが可能となる。
【0011】
なお、利用者端末は、問診処理を実行する際、予め作成された複数の問診内容の中から抽出される、問診処理を実行するタイミングにおいて問診すべき問診内容を出力するものであってもよい。このような管理システムであれば、活動中の問診の項目数を調整することができるため、活動中における回答が活動の支障となることを抑制することができる。
【0012】
また、利用者端末は、送信処理を実行する際、該利用者端末を携帯する人が装着する温湿度のセンサによって得られた環境情報を回答と共に通信ネットワークへ送信し、管理者端末は、表示処理を実行する際、利用者のうち回答および環境情報に基づいて管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に表示するものであってもよい。このような管理システムであれば、利用者が居る箇所の環境に応じた内容の問診を行うことが可能となる。
【0013】
また、利用者端末は、問診処理を実行する際、利用者に対する問診内容を画面に出力し、送信処理を実行する際、出力に対して画面へのタッチ操作で入力された回答を通信ネットワークへ送信するものであってもよい。このような管理システムであれば、問診に対する回答を利用者が容易におこなうことができる。
【0014】
また、本発明は、上記の管理システムを方法またはプログラムの側面から捉えることもできる。
【0015】
また、本発明は、活動中の人が携帯する利用者端末であって、管理システムの利用者に対する問診内容を出力する問診処理と、出力に対して入力された回答を通信ネットワークへ送信する送信処理とを、活動の期間において設定された複数のタイミングで実行するものであってもよい。
【0016】
また、本発明は、活動中の人を管理する管理者が操作する管理者端末であって、管理システムの利用者が携帯する利用者端末において、活動の期間において設定された複数のタイミングで実行される、利用者に対する問診内容を出力する問診処理と、出力に対して入力された回答を通信ネットワークへ送信する送信処理とによって取得される回答に基づいて、利用者の中から管理者に確認させるべきと自動判定された要確認者の情報を、該要確認者が携帯する利用者端末への連絡用に表示する表示処理を実行するものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
上記の管理システム、管理方法、管理プログラム、利用者端末および管理者端末であれば、活動中の人の健康状態を適切に管理可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態に係る管理システムのシステム構成を示した図である。
図2図2は、管理システムの各機器で実現される処理フローの一例を示した図である。
図3図3は、管理システムで実現される処理内容の一例を示した図である。
図4図4は、利用者端末に表示される画面の一例を示した第1の図である。
図5図5は、問診内容の情報に関するテーブルの一例を示した図である。
図6図6は、利用者端末に表示される画面の一例を示した第2の図である。
図7図7は、管理者端末に表示される画面の一例を示した第1の図である。
図8図8は、利用者端末に表示される画面の一例を示した第3の図である。
図9図9は、待ち受け画面に表示されるメッセージの一例を示した図である。
図10図10は、利用者端末が腕時計型の携帯端末である場合に表示される画面の一例を示した図である。
図11図11は、腕時計型の携帯端末の待ち受け画面に表示されるメッセージの一例を示した図である。
図12図12は、利用者が装着する温湿度のセンサの一例を示した図である。
図13図13は、手首のスマートウォッチに温湿度センサを装着した状態を示した図である。
図14図14は、手首に温湿度センサが装着された状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態を例示するものであり、本発明の技術的範囲を以下の形態に限定するものではない。
【0020】
図1は、実施形態に係る管理システムのシステム構成を示した図である。管理システム1は、利用者端末2と管理者端末3と管理サーバ4とによって形成されるシステムである。利用者端末2と管理者端末3は、通信ネットワーク5経由で管理サーバ4と通信可能な無線通信端末であり、通信ネットワーク5を形成する全国各地の無線基地局に無線接続される。利用者端末2と管理者端末3は、何れも、CPU(Central Processing Unit)や
メモリ、タッチパネル等の入出力インターフェース、通信モジュール、スピーカー、マイクロフォン、バッテリ等を備えるコンピュータ端末であり、メモリに格納されたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、入出力インターフェースを通じた各種入出力を実現する。管理サーバ4は、CPUやメモリ、通信モジュール等を備えるサーバであり、メモリに格納されたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、各種の情報処理を実現する。利用者端末2が利用者6に携帯され、管理者端末3が管理者7に携帯されるのに対し、管理サーバ4は、管理システム1を運営するサービス会社、或いは、データセンター等の遠隔地に設置される。管理サーバ4は、管理システム1を実現するために専用に用意されたサーバであってもよいし、或いは、複数のコンピュータの協働によって実現されるサーバであってもよい。
【0021】
利用者端末2では、メモリに格納されたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、問診処理部21や送信処理部22等の各種機能部が実現される。問診処理部21は、例えば、利用者6に対する問診内容を出力する処理を司る。また、送信処理部22は、例えば、利用者6によって入力された回答を通信ネットワーク5へ送信する処理を司る。また、利用者端末2には、その他の処理を担う機能部として、例えば、利用者端末2を携帯する利用者6が装着する温湿度のセンサによって取得される温湿度の情報(本願でいう「環境情報」の一例である)の処理や、利用者端末2を携帯する利用者6が腕に装着する腕時計型の携帯端末と近距離無線通信でデータを送受する処理を担う機能部等が実現される。
【0022】
管理者端末3では、メモリに格納されたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、表示処理部31等の各種機能部が実現される。表示処理部31は、例えば、複数人居る利用者6の中から上記の回答に基づいて管理者7が確認すべきと自動判定された要確認者の情報を、当該要確認者が携帯する管理者端末3への通話連絡用の発信ボタンの形態で一覧表示する処理を司る。
【0023】
管理サーバ4では、メモリに格納されたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、判定処理部41等の各種機能部が実現される。判定処理部41は、例えば、複数人居る利用者6の中から管理者7に確認させるべき要確認者を上記の回答に基づいて自動判定する処理を司る。
【0024】
利用者端末2と管理者端末3と管理サーバ4では、上記機能部が実現することにより、例えば、以下のような処理フローが実現される。
【0025】
図2は、管理システム1の各機器で実現される処理フローの一例を示した図である。図2(A)では利用者端末2で実現される処理フローの一例が示され、図2(B)では管理者端末3で実現される処理フローの一例が示され、図2(C)では管理サーバ4で実現される処理フローの一例が示されている。
【0026】
例えば、利用者端末2では、利用者6が行う作業(本願でいう「活動」の一例である)の期間で複数設定されたタイミングの何れかが到来したか否かの判定が行われる(S101)。そして、当該判定において肯定判定が下されると、利用者端末2の画面にチェックシートを表示する処理(本願でいう「問診処理」の一例である)が行われる(S102)。そして、当該チェックシートに対する回答の入力操作が利用者6によって行われると、当該回答を通信ネットワーク5へ送信する処理(本願でいう「送信処理」の一例である)が行われる(S103)。通信ネットワーク5へ送信された回答のデータは、管理サーバ4へ送られる。
【0027】
また、例えば、管理者端末3では、管理サーバ4において行われる上記回答の処理の結果を管理サーバ4から受信したか否かの判定が行われる(S201)。そして、当該判定において肯定判定が下されると、管理サーバ4における処理の結果、複数人居る利用者6の中から管理者7に確認させるべきと判定された要確認者のリストを管理者端末3の画面に表示する処理(本願でいう「表示処理」の一例である)が行われる(S202)。
【0028】
また、例えば、管理サーバ4では、利用者端末2において送信される回答を利用者端末2から受信したか否かの判定が行われる(S301)。そして、当該判定において肯定判定が下されると、当該回答を分析する処理が行われる(S302)。そして、利用者6の状態を管理者7に確認させるべきか否かの判定処理が所定の条件に従って行われ、処理結果を管理者端末3へ通知する処理が行われる(S303)。
【0029】
管理システム1を形成する利用者端末2と管理者端末3と管理サーバ4の各々が上記の処理フローを実行することにより、管理システム1では、利用者端末2と管理者端末3と管理サーバ4の協働による以下のような処理内容が実現される。図3は、管理システム1で実現される処理内容の一例を示した図である。以下、利用者端末2と管理者端末3と管理サーバ4が上記各処理フローを実行することによって管理システム1で実現される処理内容について、図3に示す符号S10~S40を引用しながら説明する。
【0030】
利用者端末2において作業開始操作(S10)が行われると、作業終了操作(S40)が行われるまでの間、上述したステップS101からステップS103までの一連の処理が繰り返し実行される。作業開始操作は、例えば、以下のようにして行われる。
【0031】
図4は、利用者端末2に表示される画面の一例を示した第1の図である。利用者端末2においてコンピュータプログラムが実行され、利用者端末2に対して管理システム1用に提供されているアプリケーションの起動が完了すると、利用者端末2の画面には、例えば、図4(A)に示されるような画面D1が表示される。画面D1には、利用者6に装着さ
れているセンサの情報を基にして算出される暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)の表示欄D11や、利用者6の体表温の表示欄D12、利用者6が居る箇所の外気温の表示欄D13、湿度の表示欄D14が表示される。また、画面D1には、作業状況の表示欄D15、作業状況の変更操作を行うボタンD16、温湿度のデータを時系列で表したグラフD17、表示する画面の切り換え操作を受け付けるナビゲーションバーD18が表示される。このような画面D1において、ボタンD16をタッチする操作が行われると、図4(B)に示されるようにボタンD16がスライドした後、図4(C)に示されるように業務開始のメッセージD19が表示される。そして、メッセージD19に下部に表示されている「閉じる」ボタンをタッチする操作が行われると、画面D1は、図4(D)に示されるように、メッセージD19が画面から消去され、作業状況の表示欄D15の記載が「作業終了」から「作業中」へと切り替わる。
【0032】
画面D1の表示欄D15の記載が「作業中」となっている間、利用者端末2では、管理システム1の機能として行われる利用者6に対する様々な通知が画面表示される。管理システム1の機能として行われる利用者6に対する様々な通知としては、例えば、朝礼時や作業中や昼食後に入力すべきチェックシートへの入力を促す通知や、利用者6に対し注意を促す通知等が挙げられる。
【0033】
利用者6は、このような通知等を受けることにより、図4(D)に示される画面D1のナビゲーションバーD18にあるチェックシートのボタンD18Bをタッチする操作を行う。ボタンD18Bをタッチする操作が行われると、利用者端末2では、利用者端末2のメモリに格納されている問診内容の情報の読み出しが行われ、読み出した情報に基づいて作成されるチェックシートの表示が行われる。
【0034】
図5は、問診内容の情報に関するテーブルの一例を示した図である。利用者端末2の画面に表示するチェックシートは、例えば、図5に示されるように、表示すべきタイミングの条件や、問診内容のテキストデータ、回答の選択肢を表した回答項目に関する情報を示したテーブルの情報に基づいて作成される。例えば、朝礼時のチェックシートであれば、条件に「朝礼時」と設定されている行の問診内容と回答項目の情報が読み出され、チェックシートに並ぶ形で一覧表示される。
【0035】
図5に示すテーブルを見ると判るように、作業中の項目数は朝礼時や昼食後よりも少ない。これは、作業中における回答が作業の支障となることの抑制を図ったものである。また、図5の示すテーブルを見ると判るように、問診内容は無駄の無いように設定されており、例えば、朝礼時の回答を終えた後、当日中に改めて回答を求める必要のない問診内容が作業中や昼食後にチェックシートへ表示されないように設定されている。
【0036】
また、図5に示すテーブルを見ると判るように、問診を行う条件の一例として、問診を行うタイミングが規定されている。このタイミングは、工事現場等で健康状態の確認が行われる一般的なタイミングである朝礼時の他、作業中や昼食後といった複数のタイミングで設定されている。これは、問診を行った後に健康状態の不良を感じたり、或いは、健康状態が悪化したりする利用者6が現れることがあるため、活動開始前の問診のみならず、活動中の利用者6の健康状態を適切に管理するためである。
【0037】
また、図5に示すテーブルを見ると判るように、問診を行う条件として、例えば、WGBTに連動したものも規定されている。WGBTに連動した条件を設定することにより、利用者6が居る箇所の温湿度に応じた問診内容をチェックシートへ表示させることも可能となる。
【0038】
なお、問診を行う条件は、WGBTに連動したものに限定されない。問診を行う条件は
、利用者6の年齢や性別、嗜好、定期健康診断の結果、生活習慣といった、利用者6の健康に関わる情報に連動させることが可能である。例えば、利用者6の嗜好に関わる情報と連動させることにより、飲酒の習慣が無い利用者6に対して、飲酒の多寡に関する問診が行われないようにすることが可能である。また、例えば、利用者6の疾患に関わる情報と連動させることにより、定期健康診断で特定の疾患が疑われている利用者6に対して、当該疾患で発症する症状の有無に関する問診が行われるようにすることが可能である。また、例えば、利用者6の性別に関わる情報と連動させることにより、特定の性別の利用者6に対して、当該性別に特有の症状の有無に関する問診が行われるようにすることが可能である。また、例えば、利用者6の年齢に関わる情報と連動させることにより、若年層が陥りやすい熱中症の症状の有無に関する問診が行われるようにすることが可能である。
【0039】
図6は、利用者端末2に表示される画面の一例を示した第2の図である。画面D1のナビゲーションバーD18にあるチェックシートのボタンD18Bをタッチする操作が行われると、利用者端末2の画面には、例えば、図6(A)に示されるようなチェックシートの画面D2が表示される。画面D2には、朝礼前に入力すべきチェックシートを読み出すボタンD21、作業中に入力すべきチェックシートを読み出すボタンD22、昼食後に入力すべきチェックシートを読み出すボタンD23が表示される。そして、例えば、ボタンD21をタッチする操作が行われると、D2には、図5に示したテーブルの情報に基づいて作成される問診項目の表示D24、及び、選択肢の形態で表示される回答用のボタンD25が各行に並ぶチェックシートが表示される。また、画面D2には、回答内容を送信するための報告ボタンD26が表示される。ここで、例えば、図6(B)に示されるように各ボタンD25をタッチする操作(S11)が行われ、更に、報告ボタンD26をタッチする操作(S12)が行われると、画面D2には、図6(C)または図6(D)に示されるように送信完了のメッセージD27が表示される。そして、メッセージD27に下部に表示されている「閉じる」ボタンをタッチする操作が行われると、メッセージD27が画面から消去される。
【0040】
図6(C)に示す画面は、回答内容を分析した結果、利用者6の健康状態に異常が無いと判定される場合に表示される画面の一例であり、例えば、作業中に注意すべき事項を表示している。一方、図6(D)に示す画面は、回答内容を分析した結果、利用者6の健康状態に異常が有ると判定される場合に表示される画面の一例であり、例えば、管理者7への速やかな連絡を促すメッセージを表示している。このような判定は、利用者端末2の内部処理で簡易的に行われてもよいし、或いは、管理サーバ4で行われてもよい。
【0041】
報告ボタンD26をタッチする操作が行われると、回答内容が利用者端末2から管理サーバ4へ送られ、当該回答内容の処理が管理サーバ4において行われる(S13)。そして、回答内容の分析により、複数人居る各利用者6について、管理者7に確認させるべき要確認者か否かの自動判定が行われる。そして、管理者端末3に対する処理結果の通知が行われる(S14)。
【0042】
管理サーバ4から処理結果の通知を受けた管理者端末3では、要確認者のリストを表示する処理が行われる(S15)。図7は、管理者端末3に表示される画面の一例を示した第1の図である。管理者端末3に表示される画面は、利用者端末2に表示される画面と基本的に同様であるが、画面D1のナビゲーションバーD18にあるボタンが一部異なっている。すなわち、管理者端末3では、図7(A)に示されるように、利用者端末2のナビゲーションバーD18には設けられていない管理画面のボタンD18Dが表示される。そして、ボタンD18Dをタッチする操作が行われると、管理者端末3の画面には、例えば、図7(B)に示されるような管理画面D3が表示される。管理画面D3には、管理サーバ4によって要確認者と自動判定された利用者6の氏名と連絡先電話番号、及び、回答内容が各行に一覧表示される。管理画面D3に表示されている要確認者の表示は、当該要確
認者が携帯する利用者端末2への通話連絡用の発信ボタンとなっている。よって、管理画面D3において要確認者として表示されている行をタッチする操作が行われると、当該要確認者に対し電話を発信するか否かの確認を促すメッセージD32が表示される。メッセージD32の下部に表示されている「発信」ボタンをタッチする操作が行われれば、管理者端末3に対し電話を発呼する処理が開始される(S16)。また、メッセージD32の下部に表示されている「キャンセル」ボタンをタッチする操作が行われれば、管理画面D3からメッセージD32が消去される。そして、要確認者が利用者端末2の着信(S17)に応答することにより、要確認者に対する確認を終えた管理者7が、管理画面D3に表示されている要確認者の行を左へスライドする操作を行うと、管理画面D3には、当該要確認者を管理画面D3の要確認者のリストから削除するためのボタンD33が表示される。
【0043】
上述したステップS11からS17までの一連の処理内容は、図3の符号S21からS27までに示されるように、利用者6の作業中にも同様に実行される。また、上述したステップS11からS17までの一連の処理内容は、図3の符号S31からS37までに示されるように、利用者6の作業中にも同様に実行される。そして、図3の符号S21からS27までに示される処理内容の場合には、チェックシートの画面D2には、図5に示した問診内容の情報に関するテーブルの中から、条件に「作業中」と設定されている行の問診内容と回答項目の情報が読み出され、チェックシートに並ぶ形で一覧表示される。また、図3の符号S31からS37までに示される処理内容の場合には、チェックシートの画面D2には、図5に示した問診内容の情報に関するテーブルの中から、条件に「昼食後」と設定されている行の問診内容と回答項目の情報が読み出され、チェックシートに並ぶ形で一覧表示される。
【0044】
図8は、利用者端末2に表示される画面の一例を示した第3の図である。作業を終えた利用者6が図8(A)に示される画面D1のボタンD16をタッチする操作を行うと、図8(B)に示されるようにボタンD16がスライドした後、図8(C)に示されるように業務終了のメッセージD19が表示される。そして、メッセージD19の下部に表示されている「閉じる」ボタンをタッチする操作が行われると、画面D1は、図8(D)に示されるように、メッセージD19が画面から消去され、作業状況の表示欄D15の記載が「作業中」から「作業終了」へと切り替わる。
【0045】
図9は、待ち受け画面に表示されるメッセージの一例を示した図である。図9(A)には利用者端末2の待ち受け画面に表示されるメッセージの一例が示され、図9(B)には管理者端末3の待ち受け画面に表示されるメッセージの一例が示されている。利用者端末2のアプリケーションで作業状況が「作業中」に設定されている間、利用者端末2の待ち受け画面には、例えば、図9(A)に示されるような種々のメッセージD41が表示される。メッセージD41の内容としては、例えば、水分や塩分の補給を促すものや、チェックシートへの入力を促すものといった、利用者6自身に関するものが挙げられる。また、管理者端末3のアプリケーションで作業状況が「作業中」に設定されている間、管理者端末3の待ち受け画面には、例えば、図9(B)に示されるような種々のメッセージD51が表示される。メッセージD51の内容としては、例えば、水分や塩分の補給を促すものや、チェックシートへの入力を促すものといった利用者6自身に関するものの他、体調不良等の要確認者を検出したことを知らせるものといった利用者6に関するものが挙げられる。
【0046】
上記実施形態の管理システム1によれば、朝礼時のみならず、作業中や昼食後にも利用者6に対する問診が行われる。よって、朝礼を行った後に健康状態の不良や悪化を感じた利用者6がそのまま作業を続行することにより、健康状態の更なる悪化を来す可能性を可及的に抑制することができる。したがって、上記実施形態の管理システム1によれば、利
用者6の健康状態を適切に管理可能である。
【0047】
なお、上記実施形態では、主に工事現場で作業している作業員を管理システム1の利用者6としていたが、上記の管理システム1は、例えば、学校の遠足といった屋外での行事に参加している参加者を管理システム1の利用者6としてもよいし、或いは、体験型のアトラクションやスポーツを楽しめる遊戯施設の来場者、外出を基本とする営業社員、病院に入院している入院患者、その他、管理者による健康状態の把握が望ましいあらゆる非管理者を管理システム1の利用者6としてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、スマートフォンのような携帯端末が利用者端末2として想定されていたが、上記の管理システム1は、例えば、腕時計型のウェアラブル端末(「スマートウォッチ」とも呼ばれる)や、眼鏡型のウェアラブル端末(「スマートグラス」とも呼ばれる)等の電子機器が、利用者端末2や管理者端末3の機能の全てまたは一部を担ってもよい。ウェアラブル端末であれば、利用者6や管理者7が行う指差確認の動作を内蔵の加速度センサで検知することができるため、利用者6や管理者7が指差確認を適正に行っているか否かを自動判定する機能を付加することが可能となる。
【0049】
また、上記実施形態では、画面表示されるチェックシートを操作して回答する形態を採っていたが、例えば、電子的に再生される音声案内の問診に対して音声で回答する形態を採ってもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、作業状況の変更操作を行うボタンD16を操作する形態を採っていたが、例えば、作業場所への入退場を電子的に管理する機器と連動して作業状況の変更が行われるようにしてもよい。また、利用者端末2や管理者端末3には、予定作業を知らせるリマインダー機能や、利用者6同士や利用者6と管理者7との間で情報共有を行う機能が設けられていてもよい。
【0051】
図10は、利用者端末2が腕時計型の携帯端末である場合に表示される画面の一例を示した図である。腕時計型の携帯端末は、スマートフォンのような携帯端末に比べると画面が小さいため、情報の表示量を抑制する必要がある。そこで、利用者端末2が腕時計型の携帯端末である場合には、例えば、図10(A)に示される画面W1のように、暑さ指数の表示欄W11や、注意を促すメッセージW12、利用者6の体表面の表示欄W13、利用者6が居る箇所の外気温の表示欄W14、湿度の表示欄W15が表示されるものの、表示面積を多く使うグラフ等の表示は省かれる。また、腕時計型の携帯端末は画面が小さいため、画面をスライドさせることにより、図10(B)に示される画面W1のように、表示が隠れて一部または全部が見えなくなっていた表示やボタン類、例えば、朝礼前に入力すべきチェックシートを読み出すボタンW16や、作業中に入力すべきチェックシートを読み出すボタンW17、昼食後に入力すべきチェックシートを読み出すボタンW18が現れる。そして、例えば、チェクシートを読み出すW16~18の何れかのボタンをタッチする操作が行われると、図10(C)に示されるよう画面W2のように、上記実施形態では一覧表示されていた問診項目の表示W21が、回答用のボタンW22,23と共に1項目ずつ表示される。そして、全ての問診項目の回答を終えると回答内容の送信が行われ、画面W2には、図10(D)または図10(E)に示されるように送信完了のメッセージW31が表示される。そして、メッセージW31の下部に表示されている「完了」のボタンW32をタッチする操作が行われると、メッセージW31が画面から消去される。
【0052】
図10は、腕時計型の携帯端末の待ち受け画面に表示されるメッセージの一例を示した図である。図10(A)には利用者端末2が腕時計型の携帯端末である場合に待ち受け画面で表示されるメッセージの一例が示され、図10(B)には管理者端末3が腕時計型の携帯端末である場合に待ち受け画面で表示されるメッセージの一例が示されている。利用
者端末2のアプリケーションで作業状況が「作業中」に設定されている間、利用者端末2が腕時計型の携帯端末である場合に表示される待ち受け画面W4には、例えば、図11(A)に示されるような種々のメッセージW41,42が表示される。また、管理者端末3のアプリケーションで作業状況が「作業中」に設定されている間、管理者端末3が腕時計型の携帯端末である場合に表示される待ち受け画面W5には、例えば、図11(B)に示されるような種々のメッセージW51が表示される。腕時計型の携帯端末は、利用者6や管理者7が視認しやすい腕に装着される。よって、スマートフォンのように衣類のポケットや鞄等へ収容される携帯端末に比べると、画面に表示されたメッセージを利用者6や管理者7が直ちに視認することができる。したがって、管理システム1から通知される様々なメッセージの認知が遅れることを防止することができる。
【0053】
なお、上記実施形態では、要確認者の情報が通話連絡用の発信ボタンの形態で表示されていたが、管理者端末3は、要確認者の情報を電子メール等の非通話連絡用の送信ボタンの形態で表示するものであってもよいし、或いは、要確認者の情報を、操作ボタンを伴わない形態で表示するものであってもよい。また、管理者端末3は、過去に要確認者となった者の履歴を表示するものであってもよい。このような履歴の表示は、通話連絡用の発信ボタンの形態、非通話連絡用の送信ボタンの形態、或いは、操作ボタンを伴わない形態で表示可能である。
【0054】
ところで、近年、ウェアラブル端末等の携帯端末が普及の一途を辿っている。ウェアラブル端末には、心拍数や血液の分析を光学的に行うセンサ等により、利用者の生体情報を取得する機能が備わっているものがある。しかし、既製のウェアラブル端末を利用した新たなアプリケーションを開発する場合、通常、センサで取得できる情報は当該ウェアラブル端末に備わっているセンサの情報に限られる。よって、当該ウェアラブル端末等にセンサを外付けすることが考えられるが、外付けのセンサの姿勢が不安定な場合、測定値の精度が低下する。
【0055】
そこで、本願では、利用者端末2を携帯する利用者6が装着する温湿度のセンサとして、例えば、以下のような形態を提案する。図12は、利用者6が装着する温湿度のセンサの一例を示した図である。図12(A)では温湿度センサ8の内側部分が斜視図で示され、図12(B)では温湿度センサ8の外側部分が斜視図で示されている。温湿度センサ8は、利用者6の手首を取り巻くバンドに装着可能なセンサであり、バンドを挿通可能な挿通孔81Hを有するセンサ部81と、センサ部81からバンドの外面に沿うように形成される支持部82とを備える。センサ部81には、バンドが手首に取り付けられた状態において手首に対向する面に体表面温度センサ81Uが配置され、挿通孔81Hを挟んで体表面温度センサ81Uの反対側に位置する外側部分に温湿度センサ81Sが配置されている。体表面温度センサ81Uは、バンドが手首に取り付けられた状態において手首に対向する面に配置されているため、手首の体表面温度を測定することができる。また、温湿度センサ81Sは、センサ部81の外側部分に配置されているため、周辺の温湿度を測定することができる。また、温湿度センサ8には、体表面温度センサ81Uや温湿度センサ81Sの他、CPUやメモリ、通信モジュール、バッテリが内蔵されており、体表面温度センサ81Uや温湿度センサ81Sの測定データを近距離無線通信で利用者端末2に送信可能である。よって、温湿度センサ8には、内蔵されているバッテリを充電するための端子83が設けられている。
【0056】
図13は、手首のスマートウォッチに温湿度センサ8を装着した状態を示した図である。図13(A)ではスマートウォッチ9の正面側から見た様子が図示され、図13(B)ではスマートウォッチ9の左側から見た様子が図示されている。温湿度センサ8には挿通孔81Hが設けられているため、スマートウォッチ9のバンド92を挿通孔81Hに挿通することができる。よって、温湿度センサ8はスマートウォッチ9のバンド92を使って
手首10に装着することができる。そして、図13(B)を見ると判るように、温湿度センサ8には、センサ部81からバンド92の外面に沿うように形成される支持部82が設けられているため、手首10に対するセンサ部81の姿勢が保持される。
【0057】
図14は、手首に温湿度センサ8が装着された状態を示した図である。温湿度センサ8には、センサ部81からバンド92の外面に沿うように形成される支持部82が設けられているため、手首10に対するセンサ部81の姿勢が安定する。このため、センサ部81に内蔵されている体表面温度センサ81Uの手首10に対する方向の変動が抑制され、手首10の表面における体表面温度センサ81Uの測定点の位置変動が抑制される。よって、手首10に対する温湿度センサ8の姿勢が不安定なことに起因する体表面温度センサ81Uの測定値の精度の低下が可及的に抑制される。
【0058】
温湿度センサ8は、例えば、以下のように特定することが可能である。
(付記1)
利用者の手首を取り巻くバンドに装着されるセンサであって、
前記バンドを挿通可能な挿通孔が設けられており、前記手首に対向する面に体表面温度を測定する第1のセンサが配置され、前記挿通孔を挟んで前記第1のセンサの反対側に位置する外側部分に前記周辺の温熱環境を測定する第2のセンサが配置されたセンサ部と、
前記外側部分から前記バンドの外面に沿うように形成されており、前記手首に対する前記センサ部の姿勢を保持する支持部と、を備える、
センサ。
(付記2)
前記支持部には、前記第1のセンサと前記第2のセンサを駆動するバッテリーが内蔵されている、
付記2に記載のセンサ。
【符号の説明】
【0059】
1・・管理システム
2・・利用者端末
3・・管理者端末
4・・管理サーバ
5・・通信ネットワーク
6・・利用者
7・・管理者
8・・温湿度センサ
9・・スマートウォッチ
10・・手首
21・・問診処理部
22・・送信処理部
31・・表示処理部
41・・判定処理部
81・・センサ部
81H・・挿通孔
81U・・体表面温度センサ
81S・・温湿度センサ
82・・支持部
83・・端子
91・・ウォッチ本体
92・・バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14