(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20120101AFI20221109BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
(21)【出願番号】P 2018217358
(22)【出願日】2018-11-20
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高岡 真人
(72)【発明者】
【氏名】草野 慶人
(72)【発明者】
【氏名】河野 修也
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-290929(JP,A)
【文献】特開2015-064705(JP,A)
【文献】特開2003-091695(JP,A)
【文献】特開2016-170774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部および記憶部を備える仕訳作成装置であって、
前記記憶部には、
取引先に提供する業務であって当該業務に対する報酬を前記取引先に対して請求するものまたは前記業務の提供に際して発生する費用であって当該費用の支払を前記取引先に対して請求するものを識別するための請求内容識別データであって前記業務に対する報酬を前記取引先に対して債権として請求する場合のものである債権型請求内容識別データと、前記業務または前記費用についての仕訳の貸方に設定される貸方勘定科目と、を含む請求内容マスタと、
事業の内容を表す事業内容識別データおよび前記仕訳の借方に設定される借方勘定科目であって前記債権に関するものである債権型借方勘定科目の組合せを複数含む事業内容マスタと、
が格納されており、
前記制御部は、
前記請求内容マスタから、指定された請求内容識別データと紐付く貸方勘定科目を取得する貸方取得手段と、
前記事業内容マスタから、指定された事業内容識別データと紐付く借方勘定科目を取得する借方取得手段と、
前記借方取得手段で取得した前記借方勘定科目と前記貸方取得手段で取得した前記貸方勘定科目とを含む前記仕訳を作成する仕訳作成手段と、
を備えること、
を特徴とする仕訳作成装置。
【請求項2】
前記請求内容マスタは、前記請求内容識別データであって前記業務の提供に際して発生した費用を立替した際に前記取引先に対して当該立替分を請求する場合のものである立替型請求内容識別データと、前記貸方勘定科目と、を含み、
前記事業内容マスタは、前記事業内容識別データおよび前記借方勘定科目であって前記立替に関するものである立替型借方勘定科目の組合せを複数含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の仕訳作成装置。
【請求項3】
前記請求内容マスタは、前記請求内容識別データであって前記業務に対する報酬を前記業務の提供前に前記取引先から前受する場合のものである前受型請求内容識別データと、前記貸方勘定科目と、を含み、
前記事業内容マスタは、前記事業内容識別データおよび前記借方勘定科目であって前記前受に関するものである前受型借方勘定科目の組合せを複数含むこと、
を特徴とする請求項
2に記載の仕訳作成装置。
【請求項4】
前記事業内容マスタは、同一の前記事業内容識別データに紐付く情報として、前記債権型借方勘定科目、前記立替型借方勘定科目および前記前受型借方勘定科目を含み、
前記借方取得手段は、
前記指定された請求内容識別データが前記債権型請求内容識別データまたは前記前受型請求内容識別データに該当するかを判定し、
前記該当しないと判定した場合、前記立替型借方勘定科目を取得し、
前記該当すると判定した場合、前記取引先からの入金日が存在し、かつ、前記入金日が前記仕訳の計上日より若いという条件に該当するかを判定し、
前記条件に該当すると判定した場合、前記前受型借方勘定科目を取得し、
前記条件に該当しないと判定した場合、前記債権型借方勘定科目を取得すること、
を特徴とする請求項3に記載の仕訳作成装置。
【請求項5】
制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される仕訳作成方法であって、
前記記憶部には、
取引先に提供する業務であって当該業務に対する報酬を前記取引先に対して請求するものまたは前記業務の提供に際して発生する費用であって当該費用の支払を前記取引先に対して請求するものを識別するための請求内容識別データであって前記業務に対する報酬を前記取引先に対して債権として請求する場合のものである債権型請求内容識別データと、前記業務または前記費用についての仕訳の貸方に設定される貸方勘定科目と、を含む請求内容マスタと、
事業の内容を表す事業内容識別データおよび前記仕訳の借方に設定される借方勘定科目であって前記債権に関するものである債権型借方勘定科目の組合せを複数含む事業内容マスタと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
前記請求内容マスタから、指定された請求内容識別データと紐付く貸方勘定科目を取得する貸方取得ステップと、
前記事業内容マスタから、指定された事業内容識別データと紐付く借方勘定科目を取得する借方取得ステップと、
前記借方取得ステップで取得した前記借方勘定科目と前記貸方取得ステップで取得した前記貸方勘定科目とを含む前記仕訳を作成する仕訳作成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする仕訳作成方法。
【請求項6】
制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための仕訳作成プログラムであって、
前記記憶部には、
取引先に提供する業務であって当該業務に対する報酬を前記取引先に対して請求するものまたは前記業務の提供に際して発生する費用であって当該費用の支払を前記取引先に対して請求するものを識別するための請求内容識別データであって前記業務に対する報酬を前記取引先に対して債権として請求する場合のものである債権型請求内容識別データと、前記業務または前記費用についての仕訳の貸方に設定される貸方勘定科目と、を含む請求内容マスタと、
事業の内容を表す事業内容識別データおよび前記仕訳の借方に設定される借方勘定科目であって前記債権に関するものである債権型借方勘定科目の組合せを複数含む事業内容マスタと、
が格納されており、
前記制御部に実行させるための、
前記請求内容マスタから、指定された請求内容識別データと紐付く貸方勘定科目を取得する貸方取得ステップと、
前記事業内容マスタから、指定された事業内容識別データと紐付く借方勘定科目を取得する借方取得ステップと、
前記借方取得ステップで取得した前記借方勘定科目と前記貸方取得ステップで取得した前記貸方勘定科目とを含む前記仕訳を作成する仕訳作成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする仕訳作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のサービスのそれぞれに関連付けてリソース情報が記憶されていることが開示されている(特許文献1の0027段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、複数のサービス(事業)の管理を行う分野においては、従来、以下のような問題があった。
【0005】
複数事業を営む企業の場合、事業別に債権勘定科目を分けて管理することが多い。例えば、ある企業が提供する事業が、輸送事業、倉庫事業および付帯事業の3事業である場合に、当該ある企業が取引先に対して人材派遣を行ったとする。この場合、従来においては、仕訳作成の際に、業務(事業)と会計の両方に精通した企業内のオペレーターが、前記人材派遣は前記付帯事業に該当するため、前記付帯事業に対応する債権勘定科目を入力する必要があった。
【0006】
しかしながら、このような従来の方法では、オペレーターの会計リテラシーや業務知識に対する依存が大きいために、これらを持ち合わせていないオペレーターが仕訳作成を行うことは困難であり、また、仮に仕訳作成をできるにしても、前記付帯事業に対応する債権勘定科目をその都度判断して入力するのは多大な時間と労力を要するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、企業等が複数事業を営む場合においても、各事業に対応する債権勘定科目を自動で取得することにより、仕訳作成を行うことができる仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る仕訳作成装置は、制御部および記憶部を備える仕訳作成装置であって、前記記憶部には、取引先に提供する業務であって当該業務に対する報酬を前記取引先に対して請求するものまたは前記業務の提供に際して発生する費用であって当該費用の支払を前記取引先に対して請求するものを識別するための請求内容識別データであって前記業務に対する報酬を前記取引先に対して債権として請求する場合のものである債権型請求内容識別データと、前記業務または前記費用についての仕訳の貸方に設定される貸方勘定科目と、を含む請求内容マスタと、事業の内容を表す事業内容識別データおよび前記仕訳の借方に設定される借方勘定科目であって前記債権に関するものである債権型借方勘定科目の組合せを複数含む事業内容マスタと、が格納されており、前記制御部は、前記請求内容マスタから、指定された請求内容識別データと紐付く貸方勘定科目を取得する貸方取得手段と、前記事業内容マスタから、指定された事業内容識別データと紐付く借方勘定科目を取得する借方取得手段と、前記借方取得手段で取得した前記借方勘定科目と前記貸方取得手段で取得した前記貸方勘定科目とを含む前記仕訳を作成する仕訳作成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る仕訳作成装置は、前記請求内容マスタが、前記請求内容識別データであって前記業務の提供に際して発生した費用を立替した際に前記取引先に対して当該立替分を請求する場合のものである立替型請求内容識別データと、前記貸方勘定科目と、を含み、前記事業内容マスタが、前記事業内容識別データおよび前記借方勘定科目であって前記立替に関するものである立替型借方勘定科目の組合せを複数含むこと、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る仕訳作成装置は、前記請求内容マスタが、前記請求内容識別データであって前記業務に対する報酬を前記業務の提供前に前記取引先から前受する場合のものである前受型請求内容識別データと、前記貸方勘定科目と、を含み、前記事業内容マスタが、前記事業内容識別データおよび前記借方勘定科目であって前記前受に関するものである前受型借方勘定科目の組合せを複数含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る仕訳作成装置は、前記事業内容マスタが、同一の前記事業内容識別データに紐付く情報として、前記債権型借方勘定科目、前記立替型借方勘定科目および前記前受型借方勘定科目を含み、前記借方取得手段が、前記指定された請求内容識別データが前記債権型請求内容識別データまたは前記前受型請求内容識別データに該当するかを判定し、前記該当しないと判定した場合、前記立替型借方勘定科目を取得し、前記該当すると判定した場合、前記取引先からの入金日が存在し、かつ、前記入金日が前記仕訳の計上日より若いという条件に該当するかを判定し、前記条件に該当すると判定した場合、前記前受型借方勘定科目を取得し、前記条件に該当しないと判定した場合、前記債権型借方勘定科目を取得すること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る仕訳作成方法は、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される仕訳作成方法であって、前記記憶部には、取引先に提供する業務であって当該業務に対する報酬を前記取引先に対して請求するものまたは前記業務の提供に際して発生する費用であって当該費用の支払を前記取引先に対して請求するものを識別するための請求内容識別データであって前記業務に対する報酬を前記取引先に対して債権として請求する場合のものである債権型請求内容識別データと、前記業務または前記費用についての仕訳の貸方に設定される貸方勘定科目と、を含む請求内容マスタと、事業の内容を表す事業内容識別データおよび前記仕訳の借方に設定される借方勘定科目であって前記債権に関するものである債権型借方勘定科目の組合せを複数含む事業内容マスタと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記請求内容マスタから、指定された請求内容識別データと紐付く貸方勘定科目を取得する貸方取得ステップと、前記事業内容マスタから、指定された事業内容識別データと紐付く借方勘定科目を取得する借方取得ステップと、前記借方取得ステップで取得した前記借方勘定科目と前記貸方取得ステップで取得した前記貸方勘定科目とを含む前記仕訳を作成する仕訳作成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る仕訳作成プログラムは、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための仕訳作成プログラムであって、前記記憶部には、取引先に提供する業務であって当該業務に対する報酬を前記取引先に対して請求するものまたは前記業務の提供に際して発生する費用であって当該費用の支払を前記取引先に対して請求するものを識別するための請求内容識別データであって前記業務に対する報酬を前記取引先に対して債権として請求する場合のものである債権型請求内容識別データと、前記業務または前記費用についての仕訳の貸方に設定される貸方勘定科目と、を含む請求内容マスタと、事業の内容を表す事業内容識別データおよび前記仕訳の借方に設定される借方勘定科目であって前記債権に関するものである債権型借方勘定科目の組合せを複数含む事業内容マスタと、が格納されており、前記制御部に実行させるための、前記請求内容マスタから、指定された請求内容識別データと紐付く貸方勘定科目を取得する貸方取得ステップと、前記事業内容マスタから、指定された事業内容識別データと紐付く借方勘定科目を取得する借方取得ステップと、前記借方取得ステップで取得した前記借方勘定科目と前記貸方取得ステップで取得した前記貸方勘定科目とを含む前記仕訳を作成する仕訳作成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、企業等が複数事業を営む場合においても、各事業に対応する債権勘定科目を自動で取得することにより、仕訳作成を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、仕訳作成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、請求項目マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、作業形態マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、パターン1(債権のみ)の仕訳作成の場合における、請求項目の入力および取得される貸方勘定科目の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、パターン1(債権のみ)の仕訳作成の場合における、計上日等の入力の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、パターン1(債権のみ)の仕訳作成の場合における、作業形態の入力および取得される借方勘定科目の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、パターン1(債権のみ)の仕訳作成の場合において、作成される請求データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、パターン1(債権のみ)の仕訳作成の場合において、作成される仕訳の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、パターン2(立替あり)の仕訳作成の場合における、請求項目の入力および取得される貸方勘定科目の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、パターン2(立替あり)の仕訳作成の場合における、計上日等の入力の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、パターン2(立替あり)の仕訳作成の場合における、作業形態の入力および取得される借方勘定科目の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、パターン2(立替あり)の仕訳作成の場合において、作成される請求データの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、パターン2(立替あり)の仕訳作成の場合において、作成される仕訳の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、パターン3(前受あり)の仕訳作成の場合における、請求項目の入力および取得される貸方勘定科目の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、パターン3(前受あり)の仕訳作成の場合における、計上日等の入力の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、パターン3(前受あり)の仕訳作成の場合における、作業形態の入力および取得される借方勘定科目の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、パターン3(前受あり)の仕訳作成の場合において、作成される請求データの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、パターン3(前受あり)の仕訳作成の場合において、作成される仕訳の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、作業形態マスタから借方勘定科目を取得する処理のフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、仕訳作成装置、仕訳作成方法および仕訳作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
企業が複数事業を営む場合、役務・サービス別に債権勘定科目を分けて管理することが多い。特に、物流業界においては、事業別債権管理を行うために、役務単位で債権科目を分けて管理することが一般的である。この場合、従来においては、業務と財務会計の両方に精通したオペレーターが、役務・サービスの情報を登録するタイミングで、業務に基づいた債権科目を入力する必要あった。ここで、例えば物流業務においては、輸送事業や倉庫事業といった異なる役務・サービスごとに債権管理を適切に行い、オペレーターの会計リテラシーや業務知識に依存せず、経営の見える化を行うために厳密な事業ごとの債権管理の把握が求められていた。
【0018】
そこで、本実施形態においては、例えば、同一取引先に対して異なる請求が生じ事業別の債権管理を行うことが難しい物流業界において、事業別債権管理を行うことができるようにした。具体的には、本実施形態においては、例えば、以下の2つのことが可能となった。
【0019】
一つ目に、例えば、同じ取引先で異なる役務・サービス単位で収支を把握するために、債権勘定科目を分けて管理することが可能となった。言い換えると、複数事業を営む企業が、作業形態に応じて債権計上を行うことが可能となった。例えば、債権科目を予め登録しておけば、作業形態「総合物流(輸送事業+倉庫事業)」、請求項目「陸送輸送」といったトランザクションデータに基づいて、自動で事業内の債権内訳を把握できる。
【0020】
二つ目に、例えば、提供する役務・サービスが財務会計上、どの債権科目で取り扱うべきなのかを判断するオペレーションを自動化した。言い換えると、会計が分からないオペレーターでも、事業別債権管理をできるようになった。例えば、作業形態「総合物流(輸送事業+倉庫事業)」、請求項目「陸送輸送」としてマスタに予め登録しておけば、当該マスタを参照して、陸送/倉庫事業の中でも陸送売上および倉庫費用として把握することができる。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る仕訳作成装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、仕訳作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
仕訳作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、仕訳作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
仕訳作成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。仕訳作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、仕訳作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、仕訳作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0027】
記憶部106は、例えば、請求内容マスタとしての請求項目マスタ106aと、事業内容マスタとしての作業形態マスタ106bと、請求データ106cと、を備えている。
【0028】
請求項目マスタ106aは、
図2に示すように、例えば、取引先に提供する業務であって当該業務に対する報酬を前記取引先に対して請求するものまたは前記業務の提供に際して発生する費用であって当該費用の支払を前記取引先に対して請求するものを識別するための請求内容識別データ(請求項目CDおよび請求項目名)と、前記業務または前記費用についての仕訳の貸方に設定される貸方勘定科目(勘定科目)と、前記請求内容識別データの性質を表す区分(請求立替区分)と、等を含む。前記請求内容識別データとしては、例えば、以下の3種類が存在する。
【0029】
まず、前記業務に対する報酬を前記取引先に対して債権として請求する場合の前記請求内容識別データである債権型請求内容識別データである。
図2の例では、「請求項目CD:4100、請求項目名:輸送料金」および「請求項目CD:4600、請求項目名:派遣料」が、前記債権型請求内容識別データに相当する。また、
図2に示すように、前記債権型請求内容識別データに対応する前記請求立替区分は、「請求」である。
【0030】
次に、前記業務の提供に際して発生した費用を立替した際に前記取引先に対して当該立替分を請求する場合の前記請求内容識別データである立替型請求内容識別データである。
図2の例では、「請求項目CD:4200、請求項目名:高速代」および「請求項目CD:4500、請求項目名:水道光熱費」が、前記立替型請求内容識別データに相当する。また、
図2に示すように、前記立替型請求内容識別データに対応する前記請求立替区分は、「立替」である。
【0031】
最後に、前記業務に対する報酬を前記業務の提供前に前記取引先から前受する場合の前記請求内容識別データである前受型請求内容識別データである。
図2の例では、「請求項目CD:4300、請求項目名:倉庫保管料」および「請求項目CD:4400、請求項目名:倉庫荷役料」が、前記前受型請求内容識別データに相当する。また、
図2に示すように、前記前受型請求内容識別データに対応する前記請求立替区分は、「請求」である。
【0032】
ここで、例えば物流業界等においては、一つの作業形態(事業)に対して、複数の請求(荷物を運んだ料金としての陸送売上の請求や倉庫の保管料としての倉庫売上等の請求)が発生することがあるため、請求項目マスタ106aにおいては、実作業単位である請求項目で勘定科目を設定する。こうすることで、異なる取引先に対して同一の作業を行う場合においても、マスタの用意が最小限で済む。
【0033】
作業形態マスタ106bは、
図3に示すように、例えば、事業の内容を表す事業内容識別データ(作業形態CDおよび作業形態名)、前記仕訳の借方に設定される借方勘定科目(勘定科目)ならびに当該借方勘定科目に対応する債権科目の組合せを複数含む。簡潔にいうと、作業形態マスタ106bは、少なくとも2つの作業形態(=複数事業)を管理するマスタである。
【0034】
前記借方勘定科目には、前記債権に関する前記借方勘定科目である債権型借方勘定科目、前記立替に関する前記借方勘定科目である立替型借方勘定科目および前記前受に関する前記借方勘定科目である前受型借方勘定科目の三種類が存在する。
図3に(A)で示す行の勘定科目が前記債権型借方勘定科目であり、
図3に(B)で示す行の勘定科目が前記立替型借方勘定科目であり、
図3に(C)で示す行の勘定科目が前記前受型借方勘定科目である。
【0035】
ここで、
図3には、前記三種類の借方勘定科目すべてを含む作業形態マスタ106bを示しているが、作業形態マスタ106bは、最低限、前記債権型借方勘定科目を含めばよい。前記借方勘定科目として前記債権型借方勘定科目のみを含む場合の作業形態マスタ106bは、例えば、以下のとおりとなる。
作業形態CD 作業形態名 債権科目 勘定科目
2000 輸送事業 営業債権勘定科目 営業未収金(自動車)
2200 倉庫事業 営業債権勘定科目 営業未収金(倉庫)
2400 付帯事業 営業債権勘定科目 営業未収金(付帯)
上記のように、作業形態マスタ106bが複数(2つ以上の)事業について前記債権型借方勘定科目を管理することで、オペレーターが業務と財務会計の両方の知識を持ち合わせている者ではなくとも、作業形態として輸送事業を指定すれば「営業未収金(自動車)」を自動取得して仕訳作成できるし、作業形態として倉庫事業を指定すれば「営業未収金(倉庫)」を自動取得して仕訳作成できるし、作業形態として付帯事業を指定すれば「営業未収金(付帯)」を自動取得して仕訳作成できる。
【0036】
このように、作業形態マスタ106bにおいては、例えば、以下のような設定が可能である。
・ユーザが収支管理したい作業形態(≒事業)において、営業債権/立替/前受収益/前受費用単位で勘定科目を設定することができる。
・前記輸送事業と前記倉庫事業の二つの事業を同一の事業として管理したい場合には、当該二つの事業を1つの作業形態と管理することもできる。
・複数の債権科目を持たせることもできる。
・業務上発生し得ない債権がある場合には、勘定科目を未入力に設定することも可能である。
・作業形態に対して、勘定科目を設定できる。
・一つの作業形態に対して、債権の管理単位である「営業債権/立替/前受収益/前受費用勘定科目」に対して勘定科目を設定できる。
【0037】
請求データ106cは、
図7に示すように、例えば、伝票NOと、同一の伝票NO内における行番号と、前記仕訳の計上日と、前記事業内容識別データ(作業形態CD)と、前記請求内容識別データ(請求項目CD)と、前記取引先に対する請求金額と、等を含む。
【0038】
制御部102は、仕訳作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0039】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記請求内容マスタから、指定された請求内容識別データと紐付く貸方勘定科目を取得する貸方取得手段としての貸方取得部102aと、(2)前記事業内容マスタから、指定された事業内容識別データと紐付く借方勘定科目を取得する借方取得手段としての借方取得部102bと、(3)前記借方取得手段で取得した前記借方勘定科目と前記貸方取得手段で取得した前記貸方勘定科目とを含む前記仕訳を作成する仕訳作成手段としての仕訳作成部102cと、を備えている。
【0040】
貸方取得部102aは、請求項目と貸方勘定科目とを含む請求項目マスタ106aから、指定された請求項目と紐付く貸方勘定科目を取得する。
【0041】
借方取得部102bは、作業形態および借方勘定科目の組合せを複数含む作業形態マスタ106bから、指定された作業形態と紐付く借方勘定科目を取得する。
【0042】
ここで、作業形態マスタ106bは、同一の前記事業内容識別データ(作業形態)に紐付く情報として、前記債権型借方勘定科目、前記立替型借方勘定科目および前記前受型借方勘定科目を含んでもよい。具体的には、
図3に示す作業形態マスタ106bにおいては、作業形態「輸送事業」に紐付く借方勘定科目として、「営業未収金(自動車)」、「立替未収金」、「営業未収金」および「前受収益」が存在する。この場合、作業形態「輸送事業」との紐付きのみでは、借方勘定科目を一意に特定することができない。そこで、この場合、借方取得部102bは、
図19のフローチャートに沿って、以下で説明するように、作業形態マスタ106bから1つの借方勘定科目を特定して取得する。
【0043】
まず、借方取得部102bは、前記指定された請求項目の請求立替区分が、請求に該当するかを判定する(
図19のステップS1)。前記該当しないと判定した場合(
図19のステップS1:No)、借方取得部102bは、立替債権勘定科目に対応する借方勘定科目「立替未収金」を取得する。これに対して、前記該当すると判定した場合(
図19のステップS1:Yes)、借方取得部102bは、入金日が有り、かつ、入金日<計上日という条件に該当するかを判定する(
図19のステップS2)。
【0044】
前記条件に該当すると判定した場合(
図19のステップS2:Yes)、借方取得部102bは、前受収益債権勘定科目に対応する借方勘定科目「営業未収金」および前受収益勘定科目に対応する借方勘定科目「前受収益」を取得する。これに対して、前記条件に該当しないと判定した場合(
図19のステップS2:No)、借方取得部102bは、営業債権勘定科目に対応する借方勘定科目「営業未収金(自動車)」を取得する。
【0045】
仕訳作成部102cは、借方取得部102bで取得した前記借方勘定科目と貸方取得部102aで取得した前記貸方勘定科目とを含む前記仕訳を作成する。
【0046】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理(受注管理入力から財務会計システムへの仕訳連携までの流れ)の具体例について説明する。本項目においては、パターン1(債権のみ)、パターン2(立替あり)およびパターン3(前受あり)の各パターンの仕訳作成について、それぞれ項目立てて説明する。
【0047】
なお、本項目[3.処理の具体例]においては、請求項目マスタ106aの内容は
図2に示すとおりであり、作業形態マスタ106bの内容は
図3に示すとおりであるという前提で、説明を進める。
【0048】
[3-1.パターン1(債権のみ)の仕訳作成]
本項目では、「派遣料」が取引先に対する請求内容である場合の仕訳作成について詳細に説明する。
【0049】
(1)貸方勘定科目の取得
まず、貸方取得部102aは、
図4に示すように、請求項目マスタ106aから、オペレーターにより入力された請求項目CD:4600および請求項目名:派遣料と紐付く情報として、貸方勘定科目「付帯売上」および請求立替区分「請求」を取得する。
【0050】
(2)計上日等の入力
次に、オペレーターによって、
図5に示すように、請求項目CD:4600、計上日:2018/7/20および請求金額:1000が入力される。
【0051】
(3)借方勘定科目の取得
次に、借方取得部102bは、
図6に示すように、オペレーターにより入力された作業形態CD:2400および作業形態名:付帯事業と紐付く借方勘定科目を取得する。ここで、(1)で取得した請求立替区分「請求」は、
図19のフローチャートを参照すると、ステップS1の「請求立替区分=請求?」に対してYesであるため、ステップS2へ進む。そして、ステップS2「入金日=有りAND入金日<計上日」については、入金日は未入力であるため、Noとなり、「営業債権勘定科目を出力」することとなる。以上より、
図6に戻り、借方取得部102bは、作業形態CD:2400および作業形態名:付帯事業と紐付き、かつ、営業債権勘定科目に対応する借方勘定科目「営業未収金(付帯)」を取得する。
【0052】
このように、作業形態マスタ106bから取得される借方勘定科目は、(1)および(2)で入力される情報によって決定する。本例では、(1)で取得した請求立替区分:請求であり、かつ、入金が事前にないため、作業形態マスタ106bから取得される借方勘定科目は、営業債権勘定科目に対応する「営業未収金(付帯)」となる。
【0053】
(4)請求データの作成
次に、(1)で入力された請求項目CD:4600と、(2)で入力された請求項目CD:4600、計上日:2018/7/20および請求金額:1000と、(3)で入力された作業形態CD:2400と、に基づいて、
図7に示す請求データ106cが作成される。
【0054】
(5)仕訳の作成
最後に、仕訳作成部102cは、
図8に示すように、(3)において借方取得部102bで取得した借方勘定科目「営業未収金(付帯)」と、(1)において貸方取得部102aで取得した貸方勘定科目「付帯売上」と、を含む仕訳を作成する。
【0055】
[3-2.パターン2(立替あり)の仕訳作成]
本項目では、「輸送料金」および「高速代」が取引先に対する請求内容である場合の仕訳作成の例を
図9~
図13に示しているが、「輸送料金」についての仕訳は[3-1]で説明した方法と同様の方法により作成可能であるため説明を省略し、本項目では、「高速代」についての仕訳作成についてのみ詳細に説明する。
【0056】
(1)貸方勘定科目の取得
まず、貸方取得部102aは、
図9に示すように、請求項目マスタ106aから、オペレーターにより入力された請求項目CD:4200および請求項目名:高速代と紐付く情報として、貸方勘定科目「立替金」および請求立替区分「立替」を取得する。
【0057】
(2)計上日等の入力
次に、オペレーターによって、
図10に示すように、請求項目CD:4200、計上日:2018/7/20および請求金額:500が入力される。
【0058】
(3)借方勘定科目の取得
次に、借方取得部102bは、
図11に示すように、オペレーターにより入力された作業形態CD:2000および作業形態名:輸送事業と紐付く借方勘定科目を取得する。ここで、(1)で取得した請求立替区分「立替」は、
図19のフローチャートを参照すると、ステップS1の「請求立替区分=請求?」に対してNoであるため、「立替債権勘定科目を出力」することとなる。以上より、
図11に戻り、借方取得部102bは、作業形態CD:2000および作業形態名:輸送事業と紐付き、かつ、立替債権勘定科目に対応する借方勘定科目「立替未収金」を取得する。
【0059】
このように、作業形態マスタ106bから取得される借方勘定科目は、(1)および(2)で入力される情報によって決定する。本例では、(1)で取得した請求立替区分:立替であり、かつ、入金が事前にないため、作業形態マスタ106bから取得される借方勘定科目は、立替債権勘定科目に対応する「立替未収金」となる。
【0060】
(4)請求データの作成
次に、(1)で入力された請求項目CD:4200と、(2)で入力された請求項目CD:4200、計上日:2018/7/20および請求金額:500と、(3)で入力された作業形態CD:2000と、に基づいて、
図12に行番号2で示す請求データ106cが作成される。
【0061】
(5)仕訳の作成
最後に、仕訳作成部102cは、
図13に示すように、(3)において借方取得部102bで取得した借方勘定科目「立替未収金」と、(1)において貸方取得部102aで取得した貸方勘定科目「立替金」と、を含む仕訳を作成する。
【0062】
[3-3.パターン3(前受あり)の仕訳作成]
本項目では、「倉庫保管料」が取引先に対する請求内容である場合の仕訳作成について詳細に説明する。
【0063】
(1)入金情報の登録
まず、以下に示すように、入金情報がオペレーターによって登録される。
取引先名:○○物流
入金額:800,000円
入金日:2018/5/20
【0064】
(2)貸方勘定科目の取得
次に、貸方取得部102aは、
図14に示すように、請求項目マスタ106aから、オペレーターにより入力された請求項目CD:4300および請求項目名:倉庫保管料と紐付く情報として、貸方勘定科目「倉庫売上」および請求立替区分「請求」を取得する。
【0065】
(3)計上日等の入力
次に、オペレーターによって、
図15に示すように、請求項目CD:4300、計上日:2018/7/20および請求金額:2000が入力される。
【0066】
(4)借方勘定科目の取得
次に、借方取得部102bは、
図16に示すように、オペレーターにより入力された作業形態CD:2200および作業形態名:倉庫事業と紐付く借方勘定科目を取得する。ここで、(2)で取得した請求立替区分「請求」は、
図19のフローチャートを参照すると、ステップS1の「請求立替区分=請求?」に対してYesであるため、ステップS2へ進む。そして、ステップS2の「入金日=有りAND入金日<計上日」については、入金日2018/5/20<計上日2018/7/20が成り立つため、Yesとなり、「前受収益債権勘定科目および前受収益勘定科目を出力」することとなる。以上より、
図16に戻り、借方取得部102bは、作業形態CD:2200および作業形態名:倉庫事業と紐付き、かつ、前受収益債権勘定科目に対応する借方勘定科目「営業未収金」と、作業形態CD:2200および作業形態名:倉庫事業と紐付き、かつ、前受収益勘定科目に対応する借方勘定科目「前受収益」と、を取得する。
【0067】
このように、作業形態マスタ106bから取得される借方勘定科目は、(2)および(3)で入力される情報によって決定する。本例では、(2)で取得した請求立替区分:請求であり、かつ、入金が事前にあり、入金日2018/5/20<計上日2018/7/20が成り立つため、作業形態マスタ106bから取得される勘定科目は、前受収益債権勘定科目に対応する「営業未収金」および前受収益勘定科目に対応する「前受収益」となる。
【0068】
(5)請求データの作成
次に、(2)で入力された請求項目CD:4300と、(3)で入力された請求項目CD:4300、計上日:2018/7/20および請求金額:2000と、(4)で入力された作業形態CD:2200と、に基づいて、
図17に示す請求データ106cが作成される。
【0069】
(6)仕訳の作成
最後に、仕訳作成部102cは、
図18下部の仕訳(計上日7/20の仕訳)に示すように、(4)において借方取得部102bで取得した借方勘定科目「前受収益」と、(2)において貸方取得部102aで取得した貸方勘定科目「倉庫売上」と、を含む仕訳を作成する。
【0070】
なお、仕訳作成部102cは、
図18下部(計上日7/20の仕訳)の計上仕訳に対応する
図18上部の入金仕訳(入金日5/20の仕訳)を作成してもよい。当該入金仕訳は、
図18上部に示すように、借方勘定科目として、「CASH」を含み、貸方勘定科目として、
図18下部の前記計上仕訳の借方に設定されている勘定科目「前受収益」を含む。
【0071】
[4.本実施形態のまとめ]
以上、本実施形態に係る仕訳作成装置100によれば、企業等が複数事業を営む場合においても、各事業に対応する債権勘定科目を自動で取得することにより、仕訳作成を行うことができる。これにより、例えば、企業内のオペレーターの会計リテラシーや業務知識に依存せず、事業ごとの債権管理の把握を厳密に行い、この結果、経営の見える化を行うことが可能となる。
【0072】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0073】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0074】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0075】
また、仕訳作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0076】
例えば、仕訳作成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて仕訳作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0077】
また、このコンピュータプログラムは、仕訳作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0078】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0079】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0080】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0081】
また、仕訳作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、仕訳作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0082】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、あらゆる業種および業界において有用であるが、例えば、複合的に業種および業界をまたぐ事業を行う企業等において有用であり、特に、物流業界においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0084】
100 仕訳作成装置
102 制御部
102a 貸方取得部
102b 借方取得部
102c 仕訳作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 請求項目マスタ
106b 作業形態マスタ
106c 請求データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク