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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】操作支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20221109BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20221109BHJP
   G06F 3/0362 20130101ALI20221109BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/03 400F
G06F3/0362 461
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018248628
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020109547
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊彦
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-177647(JP,A)
【文献】国際公開第2018/109833(WO,A1)
【文献】特開2007-305413(JP,A)
【文献】実開昭57-140424(JP,U)
【文献】特開2008-272907(JP,A)
【文献】特開2016-205031(JP,A)
【文献】国際公開第2015/174092(WO,A1)
【文献】特開平08-315683(JP,A)
【文献】特開平09-007450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0252979(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/03
G06F 3/0362
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量の変化を検出する座標入力装置への入力操作を支援する操作支援装置であって、
前記座標入力装置の上に置かれる主軸支持部材と、
前記主軸支持部材の径方向外側に張り出して、一面の周方向に複数の第1磁石が配置され、前記主軸支持部材と固定された支持板と、
前記支持板と、前記主軸支持部材とを覆う操作部材と、
前記操作部材と連結され、前記支持板の前記座標入力装置側にある第1回転板と、
前記第1回転板から前記座標入力装置に向けて突出する導電性の第1部材と、を備え、
前記第1回転板の一面の周方向には、前記第1磁石と上下に重畳する位置で前記第1磁石に対して引力を生じる複数の第2磁石が配置されている、操作支援装置。
【請求項2】
前記第1磁石と前記第2磁石との間には、前記支持板がある、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項3】
前記第1回転板は、透磁率が炭素鋼より小さい導電材料である、請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項4】
前記第1回転板と、前記操作部材とを連結する連結部材を備え、
前記第1回転板と、前記操作部材と、前記連結部材は、導電性部材である、請求項1から3のいずれか1項に記載の操作支援装置。
【請求項5】
前記第1回転板と前記支持板とが接しているときの前記主軸支持部材と前記操作部材との間の距離は、前記第1回転板と前記支持板とが離れているときの前記主軸支持部材と前記操作部材との間の距離よりも大きい、請求項1から4のいずれか1項に記載の操作支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電容量式座標入力装置の入力操作を支援する操作支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、静電容量の変化又は接触領域の変化を検出するタッチパネル上に置かれ、タッチパネルからの入力操作を支援する操作支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6342105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている操作支援装置では、押し込み状態に応じて、クッション部材とタッチパネルとの対向領域の面積が変化することで、静電容量の検出値を得ている。しかしながら、操作者が操作支援装置を回転したという実感を得られにくい。
【0005】
本発明の目的は、回転に応じたタクティルフィードバックが伝達される操作支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る操作支援装置は、静電容量の変化を検出する座標入力装置への入力操作を支援する操作支援装置であって、前記座標入力装置の上に置かれる主軸支持部材と、前記主軸支持部材の径方向外側に張り出して、一面の周方向に複数の第1磁石が配置され、前記主軸支持部材と固定された支持板と、前記支持板と、前記主軸支持部材とを覆う操作部材と、前記操作部材と連結され、前記支持板の前記座標入力装置側にある第1回転板と、前記第1回転板から前記座標入力装置に向けて突出する導電性の第1部材と、を備え、前記第1回転板の一面の周方向には、前記第1磁石と上下に重畳する位置で前記第1磁石に対して引力を生じる複数の第2磁石が配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係る入力システムの構成を説明するための説明図である。
図2図2は、本実施形態の操作支援装置の裏面を示す平面図である。
図3図3は、図2のIII-III’線の断面において、操作部材が押し下げられていない状態を説明するための断面図である。
図4図4は、図2のIV-IV’線の断面において、操作部材が押し下げられていない状態を説明するための断面図である。
図5図5は、図2のV-V’線の断面において、操作部材が押し下げられていない状態を説明するための断面図である。
図6図6は、支持板の平面を示す平面図である。
図7図7は、第1回転板を示す平面図である。
図8図8は、図2のIII-III’線の断面において、操作部材が押し下げられた状態を説明するための断面図である。
図9図9は、図2のIV-IV’線の断面において、操作部材が押し下げられた状態を説明するための断面図である。
図10図10は、図2のV-V’線の断面において、操作部材が押し下げられた状態を説明するための断面図である。
図11A図11Aは、操作部材が押し下げられていない状態において、第1回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。
図11B図11Bは、操作部材が押し下げられている状態において、第1回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。
図11C図11Cは、操作部材が押し下げられていない状態において、第2回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。
図11D図11Dは、操作部材が押し下げられている状態において、第2回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。
図11E図11Eは、操作部材が押し下げられていない状態において、第3回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。
図11F図11Fは、操作部材が押し下げられている状態において、第3回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。
図12図12は、本実施形態の変形例を示す断面図である。
図13図13は、本実施形態の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(入力システム)
図1は、本実施形態に係る入力システムの構成を説明するための説明図である。図1に示すように、入力システム100は、表示装置D1と、制御装置101と、座標入力装置TPと、操作支援装置である操作ノブ1と、を備えている。ここで、表示装置D1の平面の一方向がDx方向とされ、Dx方向と直交する方向がDy方向とされている。
【0010】
表示装置D1において、例えば、表示領域MS、表示領域LS、表示領域RSがある。表示装置D1には、ポインタPMが表示されている。
【0011】
制御装置101は、いわゆるコンピュータであり、CPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ROM(Read Only Memory)104、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disc Drive)などの内部記憶装置105と、を備えている。座標入力装置TPは、制御装置101の入力部として、制御装置101に接続されている。
【0012】
ROM104には、BIOS(Basic Input Output System)などのプログラムが記憶されている。
【0013】
RAM103は、プログラム及びデータの記録及び読み出しができるメインメモリであり、作業エリアを提供すると共に、表示装置D1、及び座標入力装置TPを制御するための複数のプログラムが格納されている。
【0014】
CPU102は、RAM103に格納されたプログラムを読み出して実行し、演算結果を内部記憶装置105などに出力する。
【0015】
CPU102において、グラフィクスの表示に必要な演算処理が行われた画像が、表示装置D1で表示される。CPU102において、グラフィクスの表示に必要な演算処理が行われた画像が、座標入力装置TPで表示させることもできる。制御装置101は、座標入力装置TPからの信号の捕捉と、演算処理専用のタッチパネルコントローラと、表示装置D1へのグラフィックスの表示に必要な演算処理を行うコンピュータで構成することもできる。
【0016】
座標入力装置TPは、例えば、表示機能と、座標入力機能とを備えるいわゆるタッチパネルである。座標入力装置TPは、XY面内において、画像を表示するとともに、静電容量の変化を座標入力として受け付けることができる。
【0017】
操作ノブ1は、座標入力装置TPの操作支援装置である。操作ノブ1のXY平面の座標は、座標入力装置TPで検出される。また、操作ノブ1の回転操作Rは、座標入力装置TPで検出される。そして、操作ノブ1の押し下げ操作PPは、座標入力装置TPで検出される。
【0018】
入力システム100において、例えば、操作ノブ1の回転操作Rにより、ポインタPMが、表示領域MS、表示領域LS、表示領域RSのいずれかに移動する。操作ノブ1に押し下げ操作PPが加えられると、押し下げ操作PPが加えられたときにポインタPMが重なる、例えば表示領域MSが選択され、以後の処理の対象領域となる。
【0019】
(操作支援装置)
操作ノブ1は、中空円筒形状をしており、操作者の掌に収まる大きさである。操作ノブ1の中空部分はなくてもよく、操作ノブ1の中空部分を押し下げ操作PP用ボタンとして用いてもよい。
【0020】
図2は、本実施形態の操作支援装置の裏面を示す平面図である。図3は、図2のIII-III’線の断面において、操作部材が押し下げられていない状態を説明するための断面図である。図4は、図2のIV-IV’線の断面において、操作部材が押し下げられていない状態を説明するための断面図である。図5は、図2のV-V’線の断面において、操作部材が押し下げられていない状態を説明するための断面図である。図6は、支持板の平面を示す平面図である。図7は、第1回転板を示す平面図である。
【0021】
図2に示すように、操作ノブ1は、主軸支持部材2と、支持板4と、第1回転板5と、第2回転板6と、3つの第1部材53と、3つの第2部材63とを備えている。第1部材53は、例えば、主軸支持部材2の中心軸Axの周りに、それぞれ120°毎に配置されている。第2部材63は、例えば、中心軸Axの周りに、それぞれ120°毎に配置されている。
【0022】
図3に示すように、主軸支持部材2と、操作部材3と、支持板4とは、接着剤や固定ピンなどで固定され、一体となっている。主軸支持部材2は、中空円筒の部材である。主軸支持部材2は、座標入力装置TPの上面TPFに載置される。例えば、主軸支持部材2は、絶縁性の樹脂で形成されている。これにより、座標入力装置TPの上面TPFに載置されていても、座標入力装置TPは、主軸支持部材2を検出しない。主軸支持部材2は、下方の端部で、座標入力装置TPと接している。
【0023】
操作部材3は、主軸支持部材2、支持板4を覆う円環状の上面板と、第1回転板5を径方向の外側から覆う側面部とを有する。
【0024】
図2図3及び図6に示すように、支持板4は、絶縁性の樹脂で形成された円環状の板状部材である。支持板4の上面には、第1磁石8が埋め込まれている。第1磁石8は、周方向に並んで配置されている。第1磁石8は、小型成型が可能で、加工精度が高く、広温度範囲で使用可能な部材であり、例えば、ネオジム磁石である。
【0025】
図2及び図7に示すように、第1回転板5は、円環状の板状部材である。図4図5及び図7に示すように、第1回転板5の上面には、第2磁石9が埋め込まれている。第2磁石9は、小型成型が可能で、加工精度が高く、広温度範囲で使用可能な部材であり、例えば、ネオジム磁石である。第2磁石9は、周方向に並んで配置されている。第1磁石8と、第2磁石9とが、上下に重畳する位置になったとき、異なる極性が向かい合う。これにより、第1磁石8と第2磁石9とが引き合うので、支持板4と第1回転板5との間には、引力が作用する。操作部材3が押し下げられていない状態においては、支持板4と第1回転板5とが接している。
【0026】
第1磁石8と第2磁石9との間には、支持板4があるので、支持板4の厚みにより、第1磁石8と第2磁石9とが引き合う引力を調整することができる。更に、第1磁石8と第2磁石9のサイズ並びに装着個数の設定により、引力を調整することもできる。
【0027】
第1回転板5は、透磁率が炭素鋼より小さい導電材料である。本実施形態では、第1回転板5は、銅亜鉛合金で形成されている。第1回転板5は、透磁率が炭素鋼以上の材料であると、第1磁石8と第2磁石9との間の引力を阻害する磁路が形成されてしまい、操作ノブ1の回転操作Rに伴うタクティルフィードバックが消失してしまう可能性がある。第1回転板5は、絶縁材料であってもよいが、導電性の材料であると、座標入力装置TPにおいて、第1部材53の感度を高くすることができる。
【0028】
図2に示すように、第2回転板6は、第1回転板5の径方向内側に配置され、円環状の板状部材である。第2回転板6は、絶縁材料であってもよいが、導電性の材料であると、座標入力装置TPにおいて、第2部材63の感度を高くすることができる。
【0029】
図2に示すように、連結部材7は、周方向に複数設けられ、中心軸Axに向かって延びる柱状部材である。例えば、連結部材7は、金属製の雄ねじである。図2及び図3に示すように、連結部材7は、操作部材3の側面部と、第1回転板5とを貫通することで、操作部材3の側面部と、第1回転板5とを連結している。第1回転板5の径方向内側から突出した連結部材7の先端部は、第2回転板6の下面に設けられた溝6Gに挿入されている。これにより、連結部材7は、操作ノブ1の回転操作Rに応じて、第1回転板5と、第2回転板6とを連結する。
【0030】
図4に示すように、第1部材53は、第1回転板5の座標入力装置TP側に取り付けられている。第1部材53は、第1回転板5から座標入力装置TPに向けて突出している。第1部材53は、座標入力装置TPの検出感度に影響を与えない円柱状のシャフト部51と、座標入力装置TPの検出感度に適したサイズの円盤状の端部52とを有する。第1部材53は、導電性の部材であり、例えば、銅亜鉛合金で形成されている。
【0031】
図5に示すように、第2部材63は、第2回転板6の座標入力装置TP側に取り付けられている。第2部材63は、第2回転板6から座標入力装置TPに向けて突出している。第2部材63は、座標入力装置TPの検出感度に影響を与えない円柱状のシャフト部61と、座標入力装置TPの検出感度に適したサイズの円盤状の端部62とを有する。第2部材63は、導電性の部材であり、例えば、銅亜鉛合金で形成されている。
【0032】
第1回転板5と、操作部材3と、連結部材7とは、導電性部材であると、第1部材53が、連結部材7、第1回転板5、及び操作部材3を介して、操作者と導通しやすくなり、第1部材53の接触を座標入力装置TPが検出しやすくなる。
【0033】
図2に示すように、第1部材53は、中心軸Axの周りに、第2部材63から60°ずれた位置に配置されている。第1部材53は、第2部材63と中心軸Axの周りの周方向に同じ位置で配置してもよい。本実施形態では、主軸支持部材2の中心軸Axと、各第2部材63を結んだ線上を除いた位置に、第1部材53がある。第1部材53は、第2部材63と中心軸Axの周りの周方向に異なる位置に配置することにより、端部52、端部62の大きさを大きくしても干渉せずに、配置することができる。
【0034】
図4及び図5に示すように、操作部材3が押し下げられていない状態においては、第2部材63の端部62は、第1部材53の端部52よりも座標入力装置TPに近い。操作部材3が押し下げられていない状態において、第1部材53の端部52と、座標入力装置TPとの間には、空隙が生じている。支持板4と第1回転板5とが接する状態において、座標入力装置TPは、第1部材53の端部52を検知しない感度設定としている。
【0035】
図8は、図2のIII-III’線の断面において、操作部材が押し下げられた状態を説明するための断面図である。図9は、図2のIV-IV’線の断面において、操作部材が押し下げられた状態を説明するための断面図である。図10は、図2のV-V’線の断面において、操作部材が押し下げられた状態を説明するための断面図である。操作部材3が押し下げられた状態では、図8に示すように、支持板4と第1回転板5とが離れる。
【0036】
言い替えると、第1回転板5と支持板4とが接しているときの主軸支持部材2と操作部材3との間の距離は、第1回転板5と支持板4とが離れているときの主軸支持部材2と操作部材3との間の距離よりも大きい。
【0037】
支持板4と第1回転板5とが離れても、連結部材7の先端部は、第2回転板6の下面に設けられた溝6Gに挿入されている。これにより、操作部材3が押し下げられた状態で、操作部材3が回動しても、操作部材3の回動と第1回転板5及び第2回転板6が連動して回動する。
【0038】
図9及び図10に示すように、操作部材3が押し下げられていない状態から操作部材3が押し下げられている状態になると、第1部材53の端部52と座標入力装置TPとの距離と、第2部材63の端部62と座標入力装置TPとの距離との差が小さくなる。これにより、座標入力装置TPが第2部材63の端部62を検知していれば、第1部材53の端部52も検知される。本実施形態では、操作部材3が押し下げられている状態において、第1部材53の端部52と、座標入力装置TPとが接している。
【0039】
上述したように、第1磁石8と第2磁石9とが引き合うので、支持板4と第1回転板5との間には、引力が作用する。そこで、操作ノブ1の押し下げ操作PPが解除されると、支持板4に第1回転板5が吸着して、図3から図5に示す操作部材3が押し下げられていない状態に戻る。
【0040】
操作ノブ1は、以下のような操作支援ができる。図11Aは、操作部材が押し下げられていない状態において、第1回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。図11Bは、操作部材が押し下げられている状態において、第1回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。
【0041】
例えば、図11Aに示すように、操作部材3が押し下げられていない状態では、座標入力装置TPには、3つの第2部材63が検知される。3つの第2部材63の各座標から、制御装置101は、中心軸Axの座標が演算できる。例えば、操作ノブ1の座標が中心軸Axの座標とすることで、制御装置101は、操作ノブ1のXY平面内の位置を取得できる。
【0042】
操作ノブ1は、静電容量の変化を検出する座標入力装置TPへの入力操作を支援する操作支援装置である。操作ノブ1は、座標入力装置TPの上に置かれる主軸支持部材2と、操作部材3と、支持板4と、第1回転板5と、第2回転板6と、第1部材53と、第2部材63とを備える。支持板4は、主軸支持部材2の径方向外側に張り出して、一面の周方向に複数の第1磁石8が配置され、主軸支持部材2と固定されている。操作部材3は、支持板4と、主軸支持部材2とを覆う。第1回転板5は、第1回転板5の一面の周方向には、第1磁石8と上下に重畳する位置で第1磁石8に対して引力を生じる複数の第2磁石9が配置され、かつ支持板4の座標入力装置TP側にある。第2回転板6は、第1回転板5の径方向内側に配置され、支持板4の座標入力装置TP側にある。第1部材53は、第1回転板5から座標入力装置TPに向けて突出する導電性の部材である。第2部材63は、第2回転板6から座標入力装置TPに向けて突出する導電性の部材である。
【0043】
図1に示すように、操作ノブ1の押し下げ操作PPがあると、上述したように、操作部材3に連動して、第1部材53の端部52と座標入力装置TPとの距離と、第2部材63の端部62と座標入力装置TPとの距離との差が小さくなる。これにより、座標入力装置TPには、3つの第2部材63と、3つの第1部材53とが検知される。
【0044】
なお、制御装置101は、操作部材3が傾いて押し下げられると、1つ又は2つの第1部材53が検知されるので、操作ノブ1の押し下げ操作PPとは認識しない。制御装置101は、操作部材3が押し下げられ、3つの第1部材53が検知されると、操作ノブ1の押し下げ操作PPがあったとして、操作ノブ1の押し下げ操作PPに割り付けられた処理を実行するようにすれば、誤操作での処理実行を抑制することができる。
【0045】
図11Aに示すように、中心軸Axから各第2部材63がある方向が方位A、方位B、方位Cとする。図11Cは、操作部材が押し下げられていない状態において、第2回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。図11Aに示す第1回転角度から図11Cに示す第2回転角度へ操作ノブ1が左周りに回転した場合、制御装置101は、図11Aの中心軸Axから方位Aの方向と、図11Cの中心軸Axから方位Aの方向との角度差を演算することにより、操作ノブ1の回転角度を取得することができる。なお、方位Aについて説明したが、方位Aに基づく演算は、方位B又は方位Cに基づく演算に置き換えることができる。
【0046】
また、操作ノブ1において、第1回転板5の一面の周方向には、第1磁石8と上下に重畳する位置で第1磁石8に対して引力を生じる複数の第2磁石9が配置されている。
【0047】
これにより、操作ノブ1の回転操作Rがなければ、第1磁石8と第2磁石9との引力により、第1回転板5と支持板4との相対的な回転位置は保持される。操作ノブ1の回転操作Rにより、主軸支持部材2に対して、操作部材3が回動する。第1磁石8と上下に重畳する位置で第1磁石8に対して引力を生じる第2磁石9は、移動して、次の隣接する第1磁石8に対して引力を生じ、操作ノブ1の操作者に対し、操作ノブ1の回転操作Rに伴うタクティルフィードバックが伝達される。つまり、操作ノブ1の回転操作Rに伴って、いわゆるクリック感と呼ばれる感触が操作ノブ1の操作者に伝達される。
【0048】
図11Dは、操作部材が押し下げられている状態において、第2回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。図11Dに示すように、3つの第2部材63と、3つの第1部材53とが座標入力装置TPに検知された場合、図11Aの中心軸Axから方位Aの方向と、図11Dの中心軸Axから方位Aの方向との角度差を演算することにより、操作ノブ1の回転角度を取得するようにしてもよい。
【0049】
座標入力装置TPは、操作ノブ1が右周りに回転した場合も検知できる。図11Eは、操作部材が押し下げられていない状態において、第3回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。図11Aに示す第1回転角度から図11Eに示す第3回転角度へ操作ノブ1が右周りに回転した場合、制御装置101は、図11Aの中心軸Axから方位Aの方向と、図11Dの中心軸Axから方位Aの方向との角度差を演算することにより、操作ノブ1の回転角度を取得することができる。なお、方位Aについて説明したが、方位Aに基づく演算は、方位B又は方位Cに基づく演算に置き換えることができる。
【0050】
図11Fは、操作部材が押し下げられている状態において、第3回転角度を示す複数の部材位置を示す平面図である。図11Fに示すように、3つの第2部材63と、3つの第1部材53とが座標入力装置TPに検知された場合、図11Aの中心軸Axから方位Aの方向と、図11Fの中心軸Axから方位Aの方向との角度差を演算することにより、操作ノブ1の回転角度を取得するようにしてもよい。
【0051】
(変形例)
図12は、本実施形態の変形例を示す断面図である。図13は、本実施形態の変形例を示す断面図である。上述した本実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0052】
図12及び図13に示すように、本実施形態の変形例の操作ノブは、第2回転板6、3つの第2部材63を備えていない。3つの第1部材53の端部52は、座標入力装置TPの上面TPFに載置される。
【0053】
本実施形態の変形例の操作ノブは、操作部材3が押し下げられない。本実施形態の変形例の操作ノブは、静電容量の変化を検出する座標入力装置TPへの入力操作を支援する操作支援装置である。本実施形態の変形例の操作ノブは、座標入力装置TPの上に置かれる主軸支持部材2と、操作部材3と、支持板4と、第1回転板5と、第1部材53と、を備える。支持板4は、主軸支持部材2の径方向外側に張り出して、一面の周方向に複数の第1磁石8が配置され、主軸支持部材2と固定されている。操作部材3は、支持板4と、主軸支持部材2とを覆う。第1回転板5は、第1回転板5の一面の周方向には、第1磁石8と上下に重畳する位置で第1磁石8に対して引力を生じる複数の第2磁石9が配置され、かつ支持板4の座標入力装置TP側にある。第1部材53は、第1回転板5から座標入力装置TPに向けて突出する導電性の部材である。
【0054】
これにより、操作ノブ1の回転操作Rがなければ、第1磁石8と第2磁石9との引力により、第1回転板5と支持板4との相対的な回転位置は保持される。操作ノブ1の回転操作Rにより、主軸支持部材2に対して、操作部材3が回動する。第1磁石8と上下に重畳する位置で第1磁石8に対して引力を生じる第2磁石9は、移動して、次の隣接する第1磁石8に対して引力を生じ、操作ノブ1の操作者に対し、操作ノブ1の回転操作Rに伴うタクティルフィードバックが伝達される。つまり、操作ノブ1の回転操作Rに伴って、いわゆるクリック感と呼ばれる振動が操作ノブ1の操作者に伝達される。
【0055】
以上、好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0056】
例えば、方向Xと方向Yとで規定される平面は、座標入力装置TPの上面TPFであるが、座標入力装置TPの上面TPFは、湾曲していてもよい。また、座標入力装置TPは、タッチパネルとしたが、表示機能のないタッチパッドでもよい。
【0057】
また、第1回転板、第2回転板の収縮、反発作用に磁石を用いたが、ゴム、ばね等の部材を代用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 操作ノブ
2 主軸支持部材
3 操作部材
4 支持板
5 第1回転板
6 第2回転板
6G 溝
7 連結部材
8 第1磁石
9 第2磁石
51 シャフト部
52 端部
53 第1部材
61 シャフト部
62 端部
63 第2部材
100 入力システム
101 制御装置
Ax 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12
図13