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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】太陽電池用ペースト組成物
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20221109BHJP
   H01L 31/068 20120101ALI20221109BHJP
   C03C 8/18 20060101ALI20221109BHJP
   H01B 1/16 20060101ALI20221109BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
H01L31/04 264
H01L31/06 300
C03C8/18
H01B1/16 A
H01B1/22 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019509193
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2018009621
(87)【国際公開番号】W WO2018180441
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】P 2017061532
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】399054321
【氏名又は名称】東洋アルミニウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダムリン マルワン
(72)【発明者】
【氏名】中原 正博
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 紹太
(72)【発明者】
【氏名】森下 直哉
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-143499(JP,A)
【文献】特開平09-003563(JP,A)
【文献】特開平05-017845(JP,A)
【文献】特開平04-182057(JP,A)
【文献】国際公開第2016/047564(WO,A1)
【文献】特開2008-294209(JP,A)
【文献】特表2016-533635(JP,A)
【文献】特開2015-050349(JP,A)
【文献】特開2015-191971(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0108500(US,A1)
【文献】特開2010-241650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04-31/078
H01L 51/42-51/48
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を設けたパッシベーション膜を有する結晶系太陽電池セルに対してp層を形成する用途に用いる、ガラス粉末、有機ビヒクル及び導電性材料を含有する太陽電池用ペースト組成物であって、
(1)前記開口部は直径が100μm以下であり、前記開口部の総面積の割合は前記結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%であり、
(2)前記導電性材料は、アルミニウム粉末と、シリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末とを含有し、前記シリコンの初晶の最大長径のサイズが5μm以下である、
ことを特徴とする太陽電池用ペースト組成物。
【請求項2】
前記アルミニウム粉末100質量部に対して、前記アルミニウム-シリコン合金粉末40~700質量部、前記ガラス粉末0.1~15質量部、及び前記有機ビヒクル20~45質量部を含有する、請求項1に記載の太陽電池用ペースト組成物。
【請求項3】
前記開口部の直径が20~100μmである、請求項1又は2に記載の太陽電池用ペースト組成物。
【請求項4】
開口部を設けたパッシベーション膜を有する結晶系太陽電池セルに対して、前記開口部を被覆するように、ガラス粉末、有機ビヒクル及び導電性材料を含有する太陽電池用ペースト組成物を塗布することにより塗膜を形成する工程1、並びに、
前記塗膜を700~900℃で焼成する工程2、
を有する、結晶系太陽電池セルの裏面電極の形成方法であって、
(1)前記開口部は直径が100μm以下であり、前記開口部の総面積の割合は前記結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%であり、
(2)前記導電性材料は、アルミニウム粉末と、シリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末とを含有し、前記シリコンの初晶の最大長径のサイズが5μm以下である、
ことを特徴とする裏面電極の形成方法。
【請求項5】
前記アルミニウム粉末100質量部に対して、前記アルミニウム-シリコン合金粉末40~700質量部、前記ガラス粉末0.1~15質量部、及び前記有機ビヒクル20~45質量部を含有する、請求項4に記載の裏面電極の形成方法。
【請求項6】
前記開口部の直径が20~100μmである、請求項4又は5に記載の裏面電極の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池用ペースト組成物に関し、特にレーザー照射などを用いて開口部を設けたパッシベーション膜を有する結晶系太陽電池セルに対してp層を形成することを目的とした太陽電池用ペースト組成物に関する。より具体的には、開口部の直径が100μm以下であり、開口部の総面積が結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%である結晶系太陽電池セルに対して適用する太陽電池用ペースト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、結晶系太陽電池セルの変換効率(発電効率)、信頼性等を向上させることを目的として、種々の研究開発が行われている。その一つとして、セル裏面に窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等からなるパッシベーション膜を有するPERC(Passivated emitter and rear cell)型高変換効率セルが注目されている。
【0003】
PERC型高変換効率セルは、例えばアルミニウムを主成分とする電極層を備えた構造を有する。この電極層(特に裏面電極層)は、例えばアルミニウムを主体とするペースト組成物を、パッシベーション膜の開口部を被覆するようにパターン形状に塗布し、必要に応じて乾燥後、焼成することにより形成される。例えば、特許文献1には、アルミニウム粉末と、アルミニウム-シリコン合金粉末と、シリコン粉末と、ガラス粉末と、有機ビヒクルとを含むペースト組成物が開示されている。そして、電極層の構成を適切に設計することで、PERC型高変換効率セルの変換効率を高められることが知られている。
【0004】
また、近年ではPERC型高変換効率セルの変換効率を更に高める方法として、パッシベーション膜の開口部の面積を小さくし、パッシベーション膜の面積を増やすことにより、電子とホールとの再結合を抑制することが検討されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-143499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のペースト組成物を用いて電極層を形成した場合に、特に開口部の直径が100μm以下であり、開口部の総面積が結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%である結晶系太陽電池セルに対しては変換効率の向上に未だ改善の余地がある。また、電極層界面にボイドと称される空隙が生じる場合がある他、静的機械荷重試験後の変換効率の低下率が3%以上になるという問題がある。電極層界面にボイドが生じた場合には、抵抗を増加させるとともに結晶系太陽電池セルの長期信頼性の低下の原因となり得る。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、パッシベーション膜の開口部の直径が100μm以下であり、開口部の総面積が結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%である結晶系太陽電池セルに対して適用した場合でも優れた変換効率が達成できるとともに、焼成後の電極層界面でのボイドの発生を抑制し、更に静的機械荷重試験後の変換効率の低下率を抑制できる太陽電池用ペースト組成物を提供することを目的とする。また、当該太陽電池用ペースト組成物を用いた裏面電極の形成方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の導電性材料を含むペースト組成物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記の太陽電池用ペースト組成物に関する。
1.開口部を設けたパッシベーション膜を有する結晶系太陽電池セルに対してp層を形成する用途に用いる、ガラス粉末、有機ビヒクル及び導電性材料を含有する太陽電池用ペースト組成物であって、
(1)前記開口部は直径が100μm以下であり、前記開口部の総面積の割合は前記結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%であり、
(2)前記導電性材料は、アルミニウム粉末と、シリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末とを含有し、前記シリコンの初晶の最大長径のサイズが5μm以下である、
ことを特徴とする太陽電池用ペースト組成物。
2.前記アルミニウム粉末100質量部に対して、前記アルミニウム-シリコン合金粉末40~700質量部、前記ガラス粉末0.1~15質量部、及び前記有機ビヒクル20~45質量部を含有する、上記項1に記載の太陽電池用ペースト組成物。
3.前記開口部の直径が20~100μmである、上記項1又は2に記載の太陽電池用ペースト組成物。
4.開口部を設けたパッシベーション膜を有する結晶系太陽電池セルに対して、前記開口部を被覆するように、ガラス粉末、有機ビヒクル及び導電性材料を含有する太陽電池用ペースト組成物を塗布することにより塗膜を形成する工程1、並びに、
前記塗膜を700~900℃で焼成する工程2、
を有する、結晶系太陽電池セルの裏面電極の形成方法であって、
(1)前記開口部は直径が100μm以下であり、前記開口部の総面積の割合は前記結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%であり、
(2)前記導電性材料は、アルミニウム粉末と、シリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末とを含有し、前記シリコンの初晶の最大長径のサイズが5μm以下である、
ことを特徴とする裏面電極の形成方法。
5.前記アルミニウム粉末100質量部に対して、前記アルミニウム-シリコン合金粉末40~700質量部、前記ガラス粉末0.1~15質量部、及び前記有機ビヒクル20~45質量部を含有する、上記項4に記載の裏面電極の形成方法。
6.前記開口部の直径が20~100μmである、上記項4又は5に記載の裏面電極の形成方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の太陽電池用ペースト組成物は、結晶系太陽電池セル(特にPERC型高変換効率セル)の中でもパッシベーション膜の開口部の直径が100μm以下であり、開口部の総面積が結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%である結晶系太陽電池セルに対して適用した場合でも優れた変換効率が達成できるとともに、焼成後の電極層界面でのボイドの発生を抑制し、更に静的機械荷重試験後の変換効率の低下率を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】PERC型太陽電池セルの断面構造の一例を示す模式図であり、(a)はその実施形態の一例を示し、(b)はその実施形態の他例を示す。
図2】実施例及び比較例において作製された電極構造の断面の模式図である。
図3】アルミニウム粉末、及びアルミニウム-シリコン合金粉末の表面を電子顕微鏡により観察した観察像を示す図である。詳細には、(a)はシリコン含有量が20原子%のアルミニウム-シリコン合金粉末、(b)はアルミニウム粉末、(c)はシリコン含有量が15原子%のアルミニウム-シリコン合金粉末の観察像である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の太陽電池用ペースト組成物について詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」で示される範囲は、特に説明する場合を除き「以上、以下」を意味する。
【0013】
本発明の太陽電池用ペースト組成物は、例えば、結晶系太陽電池セルの電極を形成するために使用することができる。結晶系太陽電池セルとしては特に限定されないが、例えば、PERC(Passivated emitter and rear cell)型高変換効率セル(以下、「PERC型太陽電池セル」という。)が挙げられる。本発明の太陽電池用ペースト組成物は、例えば、PERC型太陽電池セルの裏面電極を形成するために使用することができる。以下、本発明のペースト組成物を、単に「ペースト組成物」とも記載する。
【0014】
最初に、PERC型太陽電池セルの構造の一例を説明する。
【0015】
1.PERC型太陽電池セル
図1(a)、(b)は、PERC型太陽電池セルの一般的な断面構造の模式図である。PERC型太陽電池セルは、シリコン半導体基板1、n型不純物層2、反射防止膜(パッシベーション膜)3、グリッド電極4、電極層(裏面電極層)5、合金層6、p層7を構成要素として備えることができる。
【0016】
シリコン半導体基板1は特に限定されず、例えば、厚みが180~250μmのp型シリコン基板が用いられる。
【0017】
n型不純物層2は、シリコン半導体基板1の受光面側に設けられる。n型不純物層2の厚みは、例えば、0.3~0.6μmである。
【0018】
反射防止膜3及びグリッド電極4は、n型不純物層2の表面に設けられる。反射防止膜3は、例えば、窒化シリコン膜で形成されパッシベーション膜とも称される。反射防止膜3は、いわゆるパッシベーション膜として作用することで、シリコン半導体基板1の表面での電子の再結合を抑制でき、結果として、発生したキャリアの再結合率を減らすことを可能にする。これにより、PERC型太陽電池セルの変換効率が高められる。
【0019】
反射防止膜(パッシベーション膜)3は、シリコン半導体基板1の裏面側、つまり、前記受光面と逆側の面にも設けられる。また、この裏面側の反射防止膜(パッシベーション膜)3を貫通し、かつ、シリコン半導体基板1の裏面の一部を削るように形成されたコンタクト孔(本発明での開口部)が、シリコン半導体基板1の裏面側に形成されている。
【0020】
電極層5は、前記コンタクト孔を通じてシリコン半導体基板1に接触するように形成されている。電極層5は、本発明のペースト組成物によって形成される部材であり、所定のパターン形状に形成される。図1(a)の形態のように、電極層5は、PERC型太陽電池セルの裏面全体を覆うように形成されていてもよいし、又は図1(b)の形態のようにコンタクト孔及びその近傍を覆うように形成されていてもよい。電極層5の主成分はアルミニウムであるので、電極層5はアルミニウム電極層である。
【0021】
電極層5は、例えば、ペースト組成物を所定のパターン形状に塗布し、焼成することで形成される。塗布方法は特に限定されず、例えば、スクリーン印刷等の公知の方法が挙げられる。ペースト組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させた後、例えば、アルミニウムの融点(約660℃)を超える温度にて短時間焼成することで、電極層5が形成される。
【0022】
本発明では、焼成温度はアルミニウムの融点(約660℃)を超える温度であればよいが、700~900℃程度が好ましく、780~900℃程度がより好ましい。焼成時間は所望の電極層5が形成される範囲で焼成温度に応じて適宜設定することができる。
【0023】
このように焼成すると、ペースト組成物に含まれるアルミニウムが、シリコン半導体基板1の内部に拡散する。これにより、電極層5とシリコン半導体基板1との間に、アルミニウム-シリコン(Al-Si)合金層(合金層6)が形成され、これと同時に、アルミニウム原子の拡散によって、不純物層としてのp層7が形成される。
【0024】
層7は、電子の再結合を防止し、生成キャリアの収集効率を向上させる効果、いわゆるBSF(Back Surface Field)効果をもたらすことができる。
【0025】
前記電極層5と合金層6とで形成される電極が、図1に示す裏面電極8である。従って、裏面電極8は、ペースト組成物を用いて形成され、例えば、裏面側の反射防止膜(パッシベーション膜)3に設けたコンタクト孔9(開口部)を被覆するように塗工し、必要に応じて乾燥後、焼成することによって裏面電極8を形成できる。
【0026】
ここで、本発明のペースト組成物を用いて裏面電極8を形成することにより、パッシベーション膜の開口部の直径が100μm以下(好ましくは20~100μm)であり、開口部の総面積が結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%(特に2~4%、更には2.5~3.5%)である結晶系太陽電池セルに対して適用した場合でも優れた変換効率が達成できるとともに、焼成後の電極層界面でのボイドの発生を抑制し、更に静的機械荷重試験後の変換効率の低下率を抑制できる。
【0027】
2.ペースト組成物
本発明のペースト組成物は、開口部を設けたパッシベーション膜を有する結晶系太陽電池セルに対してp層を形成する用途に用いる、ガラス粉末、有機ビヒクル及び導電性材料を含有する太陽電池用ペースト組成物であって、
(1)前記開口部は直径が100μm以下であり、前記開口部の総面積は前記結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%であり、
(2)前記導電性材料は、アルミニウム粉末と、長径が5μm以下のシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末とを含有する、
ことを特徴とする。
【0028】
前述したように、ペースト組成物を使用することで、PERC型太陽電池セル等の太陽電池セルの裏面電極を形成することができる。つまり、本発明のペースト組成物は、シリコン基板上に形成されたパッシベーション膜に設けた開口部(コンタクト孔)を通じてシリコン基板に電気的に接触する太陽電池用裏面電極を形成するために用いることができる。そして、本発明のペースト組成物によれば、結晶系太陽電池セル(特にPERC型太陽電池セル)の中でもパッシベーション膜の開口部の直径が100μm以下であり、開口部の総面積が結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%である結晶系太陽電池セルに対して適用した場合でも優れた変換効率が達成できるとともに、焼成後の電極層界面でのボイドの発生を抑制し、更に静的機械荷重試験後の変換効率の低下率を抑制できる。
【0029】
ペースト組成物は、ガラス粉末、有機ビヒクル及び導電性材料(金属粒子)を構成成分として含む。そして、ペースト組成物が導電性材料(金属粒子)を含むことで、ペースト組成物の塗膜が焼成されて形成される焼結体は、シリコン基板と電気的に接続する導電性が発揮される。
(導電性材料)
本発明において、導電性材料は、アルミニウム粉末と、長径が5μm以下のシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末とを含有する。
【0030】
上記アルミニウム粉末は合金が形成されていないアルミニウムをいうが、不可避不純物及び原料由来の微量の添加元素の存在は排除しない。
【0031】
本発明で用いるアルミニウム-シリコン合金粉末は、アルミニウムとシリコンとの合金粉末を示すが、アルミニウム及びシリコン中の不可避不純物及び原料由来の微量の添加元素の存在は排除しない。本発明では、当該アルミニウム-シリコン合金におけるシリコン含有量は12~30原子%が好ましく、17~25原子%がより好ましい。このようなアルミニウム-シリコン合金粉末を導電性材料に含有することにより、ペースト組成物の塗膜を焼成する際にペースト組成物中のアルミニウムとシリコン基板中のシリコンとの過剰な反応を抑制し、電極層界面(詳細には電極層とシリコン基板との界面)でのボイドの発生を抑制することができる。
【0032】
本発明で用いるアルミニウム-シリコン合金粉末は、長径が5μm以下(即ち、0μm超過5μm以下)のシリコンの初晶を有することを特徴とする。このようなアルミニウム-シリコン合金粉末を導電性材料に含有することにより、電極層の抵抗を低くし、優れた変換効率を達成できるとともに、静的機械荷重試験後の変換効率の低下率を抑制することができる。初晶の長径は5μm以下であればよいが、その中でも1~5μmが好ましく、2~5μmがより好ましい。
【0033】
アルミニウム-シリコン合金粉末の初晶の有無及び初晶の形状は、アルミニウム-シリコン合金粉末の断面を光学顕微鏡により観察することにより特定することができる。
【0034】
アルミニウム粉末、及びアルミニウム-シリコン合金粉末の一例の光学顕微鏡による観察像が図3に示されている。(a)で示されるシリコン含有量が20原子%のアルミニウム-シリコン合金粉末の断面の観察像にはシリコンの初晶が不定形の灰色点として確認できる。これに対して、(b)で示されるアルミニウム粉末(シリコンは含まない)及び(c)で示されるシリコン含有量が15原子%のアルミニウム-シリコン合金粉末の断面の観察像にはシリコンの初晶は確認できない。
【0035】
長径が5μm以下の初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末を得る方法としては限定的ではないが、例えば、シリコン含有量が12原子%以上、好ましくは12~30原子%のアルミニウム-シリコン合金の溶湯に0.05原子%以上のリン(P)を添加してアトマイズする方法、又は当該溶湯を103K/s以上の速度で急冷しながらアトマイズする方法が挙げられる。急冷法であれば、初晶の長径を5μm以下とするために急冷速度を103K/s以上としてアトマイズすることが好ましい。その他、例えば、アルミニウム-シリコン合金粉末をヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスでアトマイズする方法も挙げられる。
【0036】
アルミニウム粉末に対するアルミニウム-シリコン合金粉末の含有量は限定されないが、アルミニウム粉末100質量部に対してアルミニウム-シリコン合金粉末の含有量は40~700質量部が好ましく、40~250質量部がより好ましい。
【0037】
導電性材料(アルミニウム粉末、及びアルミニウム-シリコン合金粉末)の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円状、不定形状、鱗片状、繊維状等のいずれでもよい。導電性材料の形状が球状であれば、ペースト組成物により形成される電極層5において、導電性材料の充填性が増大して電気抵抗を効果的に低下させることができる。
【0038】
また、導電性材料の形状が球状である場合、ペースト組成物により形成される電極層5において、シリコン半導体基板1と導電性材料との接点が増えるので、良好なBSF層を形成しやすい。球状の場合には、レーザー回折法により測定される平均粒子径が1~10μmの範囲であることが好ましい。
【0039】
なお、本発明の効果が阻害されない範囲で、必要に応じてアルミニウム粉末、及びアルミニウム-シリコン合金粉末以外の他の金属粒子を含有することは許容される。これらの導電性材料は、いずれもガスアトマイズ法などの公知の方法で製造することができる。
(ガラス粉末)
ガラス粉末は、導電性材料とシリコンとの反応、及び、導電性材料自身の焼結を助ける作用があるとされている。
【0040】
ガラス粉末としては特に限定されず、例えば、太陽電池セルの電極層を形成するために使用されているペースト組成物に含まれる公知のガラス成分とすることができる。ガラス粉末の具体例としては、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、バナジウム(V)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、スズ(Sn)、リン(P)及び亜鉛(Zn)からなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。また、鉛を含むガラス粉末、又は、ビスマス系、バナジウム系、スズ-リン系、ホウケイ酸亜鉛系、アルカリホウケイ酸系等の無鉛のガラス粉末を用いることができる。特に人体への影響を考慮すると、無鉛のガラス粉末を用いることが望ましい。
【0041】
具体的にガラス粉末は、B、Bi、ZnO、SiO、Al、BaO、CaO、SrO、V、Sb、WO、P及びTeOからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含むことができる。例えば、ガラス粉末において、B成分とBi成分とのモル比(B/Bi)が0.8以上4.0以下であるガラスフリットと、V成分とBaO成分とのモル比(V/BaO)が1.0以上2.5以下であるガラスフリットとを組み合わせてもよい。
【0042】
ガラス粉末の軟化点は、例えば、750℃以下とすることができる。ガラス粉末に含まれる粒子の平均粒子径は、例えば、1~3μmとすることができる。
【0043】
ペースト組成物中に含まれるガラス粉末の含有量は、例えば、導電性材料100質量部に対して、0.5~40質量部であることが好ましく、特にアルミニウム粉末100質量部に対して、0.1~15質量部であることが好ましい。この場合、シリコン半導体基板1および反射防止膜3(パッシベーション膜)との密着性が良好となり、また、電気抵抗も増大しにくい。
(有機ビヒクル)
有機ビヒクルとしては、溶剤に、必要に応じて各種添加剤及び樹脂を溶解した材料を使用できる。又は、溶剤を含まず、樹脂そのものを有機ビヒクルとして使用してもよい。
【0044】
溶剤は、公知の種類が使用可能であり、具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
【0045】
各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、腐食抑制剤、消泡剤、増粘剤、タックファイヤー、カップリング剤、静電付与剤、重合禁止剤、チキソトロピー剤、沈降防止剤等を使用することができる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコールエステル化合物、ポリエチレングリコールエーテル化合物、ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物、ソルビタンアルキルエステル化合物、脂肪族多価カルボン酸化合物、燐酸エステル化合物、ポリエステル酸のアマイドアミン塩、酸化ポリエチレン系化合物、脂肪酸アマイドワックス等を使用することができる。
【0046】
樹脂としては公知の種類が使用可能であり、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニールブチラール、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物、シアネート化合物等の熱硬化樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ4フッ化エチレン、シリコン樹脂等の二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0047】
有機ビヒクルに含まれる樹脂、溶剤、各種添加剤の割合は任意に調整することができ、例えば、公知の有機ビヒクルと同様の成分比とすることができる。
【0048】
有機ビヒクルの含有比率は特に限定されないが、例えば、良好な印刷性を有するという観点から、導電性材料100質量部に対して、10~500質量部であることが好ましく、20~45質量部であることが特に好ましい。また、特にアルミニウム粉末100質量部に対して、10~500質量部であることが好ましく、20~45質量部であることが好ましい。
【0049】
本発明のペースト組成物は、例えば、太陽電池セルの電極層(特には図1で示されるようなPERC型太陽電池セルの裏面電極8)を形成するための使用として適している。よって、本発明のペースト組成物は、太陽電池裏面電極形成剤としても使用され得る。
【0050】
3.裏面電極の形成方法
本発明の結晶系太陽電池セルの裏面電極(図1の裏面電極8)の形成方法は、
開口部を設けたパッシベーション膜を有する結晶系太陽電池セルに対して、前記開口部を被覆するように、ガラス粉末、有機ビヒクル及び導電性材料を含有する太陽電池用ペースト組成物を塗布することにより塗膜を形成する工程1、並びに、
前記塗膜を700~900℃で焼成する工程2、を有し、
(1)前記開口部は直径が100μm以下であり、前記開口部の総面積は前記結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%であり、
(2)前記導電性材料は、アルミニウム粉末と、長径が5μm以下のシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末とを含有する、
ことを特徴とする。
【0051】
結晶系太陽電池セル及び太陽電池用ペースト組成物については、基本的には前述の通りであるが、パッシベーション膜に設けた開口部の直径は100μm以下の中でも、20~100μmであることが好ましい。開口部は、通常、レーザー照射などで形成できる。
【0052】
本発明の裏面電極の形成方法は、工程1において、開口部を設けたパッシベーション膜を有する結晶系太陽電池セルに対して、前記開口部を被覆するように、太陽電池用ペースト組成物を塗布することにより塗膜を形成する。
【0053】
ペースト組成物の塗膜を形成する際は、スクリーン印刷などの公知の塗工方法を用いて行うことができる。塗膜の厚さは、焼成後の裏面電極の厚さに応じて設定できるが、パッシベーション膜の平面部(開口部以外)を基準として5~40μm程度が好ましい。
【0054】
工程1により塗膜を形成後は、工程2において、塗膜を700~900℃で焼成する。焼成温度は700~900℃でよいが、780~900℃程度が好ましい。
【0055】
焼成により、ペースト組成物に含まれるアルミニウムが、シリコン半導体基板1の内部に拡散し、電極層5とシリコン半導体基板1との間にアルミニウム-シリコン(Al-Si)合金層(合金層6)が形成され、これと同時に、アルミニウム原子の拡散によって、不純物層としてのp層7が形成される。
【実施例
【0056】
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
【0057】
実施例1
(ペースト組成物の調製)
ガスアトマイズ法により生成したアルミニウム粉末と、同じくガスアトマイズ法により生成した長径が2.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニム-シリコン合金粉末を、40質量%:60質量%となるように調整した導電性材料100質量部と、B-Bi-SrO-BaO-Sb=40/40/10/5/5(mol%)のガラス粉末1.5質量部を、エチルセルロースをブチルジグリコールに溶解した樹脂液35質量部に、既知の分散装置(ディスパー)を用いてペースト化した。
【0058】
なお、長径が2.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末は、シリコン含有量が20原子%のアルミニウム-シリコン合金の溶湯に0.01%のP(リン)を添加してアトマイズすることで調製した。
(太陽電池セルである焼成基板の作製)
評価用の太陽電池セルである焼成基板を次のように作製した。
【0059】
まず、図2の(A)に示すように、まず、厚みが160μmのシリコン半導体基板1(抵抗値3Ω・cm。裏面側にパッシベーション膜を含む。)を準備した。そして、図2の(B)に示すように、レーザー発振器として波長が532nmのYAGレーザーを用いて、開口部の総面積がセル全体の3.1%となるように500μm間隔で直径50μmのコンタクト孔9を形成した
【0060】
なお、図2では、パッシベーション膜は図示しておらずシリコン半導体基板1に含まれるものとして取り扱い、パッシベーション膜はシリコン半導体基板1の裏面側に30nmの酸化アルミニウム層と100nmの窒化ケイ素層との積層体として含まれている。
【0061】
次に、図2の(C)に示すように、裏面全体(コンタクト孔9が形成されている側の面)を覆うように、上記で得たペースト組成物10を、シリコン半導体基板1の表面上に、スクリーン印刷機を用いて、1.0~1.1g/pcになるように印刷した。次いで、図示はしていないが、受光面に公知の技術で調製したAgペーストを印刷した。
【0062】
その後、800℃に設定した赤外ベルト炉を用いて焼成した。この焼成により、図2の(D)に示すように、電極層5を形成し、また、この焼成の際にアルミニウムがシリコン半導体基板1の内部に拡散することにより、電極層5とシリコン半導体基板1との間にAl-Siの合金層6が形成されると同時に、アルミニウム原子の拡散による不純物層としてp層(BSF層)7が形成された。これにより、評価用の焼成基板を製作した。
(太陽電池セルの評価)
得られた太陽電池セルの評価においては、ワコム電創のソーラーシュミレータ:WXS-156S-10、I-V測定装置:IV15040-10を用いて、I-V測定を実施した。Effが21.5%以上で合格とした。
(ボイド「Void」の評価)
ボイドの評価については、焼成基板の断面を光学顕微鏡(200倍)で観察し、シリコン半導体基板1と電極層5との界面におけるボイドの有無を評価した。ボイドが確認されなかったものを合格(○)、ボイドが確認されたものを不合格(×)と評価した。
(静的機械荷重試験後の変換効率の低下率)
静的機械荷重試験後の変換効率の低下率は、IEC61215に従い特定した。具体的には、2400Paの静荷重を水平に設置したモジュールの表面及び裏面に1時間行い、これを3サイクル繰り返し、その後ソーラーシュミレータを用いて変換効率の測定を行い、試験前後での低下率を計算した。なお、モジュールは、ガラス及びバックシートの間に封止材を挟持し、封止材中に太陽電池セルを直列に配列することで作製した。
【0063】
各評価結果を下記表1に示す。
【0064】
実施例2
開口部の総面積がセル全体の3.1%となるように300μm間隔で直径30μmのコンタクト孔9を形成したセルを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
【0065】
実施例3
開口部の総面積がセル全体の3.1%となるように700μm間隔で直径70μmのコンタクト孔を形成したセルを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
【0066】
実施例4
ガスアトマイズ法により生成したアルミニウム粉末と、同じくガスアトマイズ法により生成した長径が4.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末を、30質量%:70質量%となるように調整した以外は実施例1と同様にしてペースト組成物を調製し、評価を行った。
【0067】
なお、長径が4.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末は、シリコン含有量が23原子%のアルミニウム-シリコン合金の溶湯に、103K/Secの冷却速度でアトマイズすることで調製した。
【0068】
実施例5
ガスアトマイズ法により生成したアルミニウム粉末と、同じくガスアトマイズ法により生成した長径が5.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末を、50質量%:50質量%となるように調整した以外は実施例1と同様にしてペースト組成物を調製し、評価を行った。
【0069】
なお、長径が5.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末は、シリコン含有量が25原子%のアルミニウム-シリコン合金の溶湯を用いてHeガスでアトマイズすることで調製した。
【0070】
比較例1
ガスアトマイズ法により生成したアルミニウム粉末のみを用いた以外は、実施例1と同様にしてペーストを作成し、評価を行った。つまり、比較例1ではシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末は用いていない。
【0071】
比較例2
ガスアトマイズ法により生成したアルミニウム粉末と、同じくガスアトマイズ法により生成した長径が7.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末を、50質量%:50質量%となるように調整した以外は実施例1と同様にしてペーストを作成し、評価を行った。
【0072】
なお、長径が7.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末は、シリコン含有量が35原子%のアルミニウム-シリコン合金の溶湯に0.005%のP(リン)を添加してアトマイズすることで調製した。
【0073】
比較例3
ガスアトマイズ法により生成したアルミニウム粉末と、同じくガスアトマイズ法により生成した長径が10.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末を、50質量%:50質量%となるように調整した以外は実施例1と同様にしてペーストを作成し、評価を行った。
【0074】
なお、長径が10.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニム-シリコン合金粉末は、シリコン含有量が40原子%のアルミニウム-シリコン合金の溶湯をアトマイズすることで調製した。
【0075】
比較例4
ガスアトマイズ法により生成したアルミニウム粉末と、同じくガスアトマイズ法により生成した長径が6.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニウム-シリコン合金粉末を、50質量%:50質量%となるように調整した以外は実施例1と同様にしてペーストを作成し、評価を行った。
【0076】
なお、長径が6.0μmのシリコンの初晶を有するアルミニム-シリコン合金粉末は、シリコン含有量が35原子%のアルミニウム-シリコン合金の溶湯をアトマイズすることで調製した。
【0077】
比較例5
開口部の総面積がセル全体の3.1%となるように1100μm間隔で直径110μmのコンタクト孔9を形成したセルを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
【0078】
比較例6
開口部の総面積がセル全体の0.4%となるように1400μm等間隔で直径50μmのコンタクト孔9を形成したセルを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
【0079】
比較例7
開口部の総面積がセル全体の6.1%となるように360μm等間隔で直径50μmのコンタクト孔9を形成したセルを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
【0080】
【表1】
【0081】
表1結果から明らかな通り、本発明所定の導電性材料を用いることにより、パッシベーション膜の開口部の直径が100μm以下であり、開口部の総面積が結晶系太陽電池セルの面積の0.5~5%である結晶系太陽電池セルに対して適用した場合でも優れた変換効率が達成できる(Effが22.0%以上)とともに、焼成後の電極層界面でのボイドの発生を抑制し、更に静的機械荷重試験後の変換効率の低下率を抑制(低下率3%未満)できることが分かる。
【符号の説明】
【0082】
1:シリコン半導体基板
2:n型不純物層
3:反射防止膜(パッシベーション膜)
4:グリッド電極
5:電極層
6:合金層
7:p
8:裏面電極
9:コンタクト孔(開口部)
10:ペースト組成物
図1
図2
図3