(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】連結式の再構成可能、再構築可能、再形成可能なセルベースの宇宙システム
(51)【国際特許分類】
B64G 1/64 20060101AFI20221109BHJP
B64G 1/28 20060101ALI20221109BHJP
B64G 1/42 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B64G1/64 100
B64G1/28 500
B64G1/42
(21)【出願番号】P 2020524712
(86)(22)【出願日】2018-06-14
(86)【国際出願番号】 US2018037651
(87)【国際公開番号】W WO2019018085
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-06-11
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520025873
【氏名又は名称】ザ エアロスペース コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ヘルヴァジアン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラヘルモサ ランディー
【審査官】姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106516161(CN,A)
【文献】特開2011-240719(JP,A)
【文献】特表2015-527860(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0230250(US,A1)
【文献】特開2015-168422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/64
B64G 1/28
B64G 1/42
B64G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルであって、
複数の結合されたセルに基づいて
集合体を可能にするために、当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームと、
前記フレーム内に収容され、及び/または、前記フレームに取り付けられた複数のコンポーネントと、
を備え、
前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、ソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有しており、
前記セルは、宇宙船を有しており、
前記セルは、
前記集合体
の1つの配置形態を集約的に形成するべく
前記少なくとも1つの他のセルと
自動的に相互接続
し、
前記少なくとも1つの他のセルと自動的に接続解除
し、及び、
前記集合体の別の配置形態を集約的に形成するべく前記少なくとも1つの他のセルと相互接続するように当該セル自身
を自動的に構成し直すように構成されている
ことを特徴とするセル。
【請求項2】
前記フレームの少なくとも一部が、開放されている
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項3】
前記フレーム内または前記フレーム上に収容された回転可能なコンポーネントハウジング
を更に備え、
前記回転可能なコンポーネントハウジングは、前記フレームに回転可能に接続され、少なくとも1つの軸線回りに回転可能であり、
前記複数のコンポーネントは、前記回転可能なコンポーネントハウジング上において互いに異なる位置に配置されており、
前記回転可能なコンポーネントハウジングを回転させると、各コンポーネントが新しい向きに向けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項4】
前記フレームは、球状、ピル形状、トーラス形状、正多角形や不正多角形の多面体状、または、入れ子リングの組状、である
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項5】
前記フレームは、複数の開口面と複数の壁とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項6】
前記複数の開口面は、複数の支持体及び前記複数の壁のうちの少なくとも1つの縁部によって画定される
ことを特徴とする請求項5に記載のセル。
【請求項7】
前記フレームは、少なくとも1つの壁と少なくとも1つの支持体との間に複数のヒンジを有しており、
前記複数のヒンジは、前記フレームが少なくとも部分的に畳まれるか折り畳まれることを可能にするように構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載のセル。
【請求項8】
前記接続機構は、前記複数の壁及び前記複数の支持体上に配置された磁石または電磁石を有する
ことを特徴とする請求項6に記載のセル。
【請求項9】
前記接続機構は、複数の回転可能な機械的または電気機械的なインターロック、ボールベアリングタイプの係止機構、または、それらの任意の組み合わせ、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項10】
前記フレームは、受動的または能動的な熱伝導機構を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項11】
電気を提供するように構成された太陽電池と、
前記太陽電池に動作可能に接続され、当該セルに電力を供給するように構成された少なくとも1つのバッテリと、
隣接するセルに電力を供給し、及び、隣接するセルから電力を受け取るように構成された少なくとも1つの電源コネクタと、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項12】
セルの機能性を維持し、フライト及びミッション動作を制御するように構成されたフライトコンピュータと、
推進力を提供するように構成された複数のスラスタと、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項13】
電力、通信信号、熱、推進剤、または、それらの任意の組み合わせ、を隣接するセルに運ぶように構成された複数のコネクタを含むサービスポート
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項14】
前記複数のコンポーネントは、ブレーキ能力を有するリアクションホイールを有しており、
当該セルは、前記リアクションホイールに十分なトルクを発生させて当該セルを隣接するセルから接続解除するように構成されたフライトコンピュータを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項15】
前記複数のコンポーネントは、ブレーキ能力を有するリアクションホイールを有しており、
前記セルは、フライトコンピュータを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項16】
前記フライトコンピュータは、前記リアクションホイールに十分なトルクを発生させて当該セルを隣接するセルに制御可能に接続するように構成されている
ことを特徴とする請求項15に記載のセル。
【請求項17】
前記フライトコンピュータは、少なくとも1つの他の結合セルのフライトコンピュータ及びリアクションホイールと協働して、前記リアクションホイールに反トルクを発生させて、1つのセルが隣接するセルから接続解除している時に当該セル及び前記少なくとも1つの他の結合セルを混乱から安定化させるように構成されている
ことを特徴とする請求項15に記載のセル。
【請求項18】
当該セルは、集合体を形成するために複数の他のセルと結合されており、
前記複数のセルのうちの各セルは、フライトコンピュータと、ブレーキ能力を有するリアクションホイールと、を有しており、
前記複数のセルのフライトコンピュータは、当該結合された集合体に沿ってのホッピング、回転、及び/または、「ローリング」する運動操作を介した個々のセルの選択的移動により、各々のセルのリアクションホイールを制御して当該集合体のトポロジーまたは形状を変更するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項19】
当該セルは、1または複数の他セルと連結して集約的に集合体を形成するように構成されており、
前記集合体は、あるミッションを実施するために連結解除された複数のセグメントに分解され、その後、再グループ化されて再構築される
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項20】
セルであって、
当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームと、
前記フレームに回転可能に接続され、少なくとも1つの軸線回りに回転するように構成された、回転可能なコンポーネントハウジングと、
前記回転可能なコンポーネントハウジング上において互いに異なる位置に配置された複数のコンポーネントと、
を備え、
前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、広がっていて格納され得るソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有しており、
前記回転可能なコンポーネントハウジングを回転させると、各コンポーネントが新しい向きに向けられ、
前記セルは、宇宙船を有しており、
前記セルは、
集合体の1つの配置形態を集約的に形成するべく
前記少なくとも1つの他のセルと
自動的に相互接続
し、
前記少なくとも1つの他のセルと自動的に接続解除
し、及び、
前記集合体の別の配置形態を集約的に形成するべく前記少なくとも1つの他のセルと相互接続するように当該セル自身
を自動的に構成し直すように構成されている
ことを特徴とするセル。
【請求項21】
前記フレームの少なくとも一部が、開放されている
ことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項22】
前記フレームは、複数の開口面と複数の壁とを含む
ことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項23】
前記複数の開口面は、複数の支持体及び前記複数の壁のうちの少なくとも1つの縁部によって画定される
ことを特徴とする請求項22に記載のセル。
【請求項24】
前記フレームは、少なくとも1つの壁と少なくとも1つの支持体との間に複数のヒンジを有しており、
前記複数のヒンジは、前記フレームが少なくとも部分的に畳まれるか折り畳まれることを可能にするように構成されている
ことを特徴とする請求項22に記載のセル。
【請求項25】
前記接続機構は、前記複数の壁及び
複数の支持体上に配置された磁石を有する
ことを特徴とする請求項22に記載のセル。
【請求項26】
前記接続機構は、複数の回転可能な機械的または電気機械的なインターロック、ボールベアリングタイプの係止機構、または、それらの任意の組み合わせ、を含む
ことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項27】
前記フレームは、能動的または受動的な熱伝導機構を含む
ことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項28】
電気を提供するように構成された太陽電池と、
前記太陽電池に動作可能に接続され、当該セルに電力を供給するように構成された少なくとも1つのバッテリと、
隣接するセルに電力を供給し、及び、隣接するセルから電力を受け取るように構成された少なくとも1つの電源コネクタと、
を更に備えたことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項29】
セルの動作を維持し、フライト及びミッション動作を制御するように構成されたフライトコンピュータと、
推進力を提供するように構成された複数のスラスタと、
を更に備えたことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項30】
電力、通信信号、熱、推進剤、または、それらの任意の組み合わせ、を隣接するセルに運ぶように構成された複数のコネクタを含むサービスポート
を更に備えたことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項31】
前記複数のコンポーネントは、リアクションホイールを有しており、
当該セルは、前記リアクションホイールに十分なトルクを発生させて当該セルを隣接するセルから接続解除するように構成されたフライトコンピュータを更に備える
ことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項32】
前記複数のコンポーネントは、リアクションホイールを有しており、
前記セルは、フライトコンピュータを更に備える
ことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項33】
前記フライトコンピュータは、前記リアクションホイールに十分なトルクを発生させて当該セルを隣接するセルに制御可能に接続するように構成されている
ことを特徴とする請求項32に記載のセル。
【請求項34】
前記フライトコンピュータは、少なくとも1つの他の結合セルのフライトコンピュータ及びリアクションホイールと協働して、前記リアクションホイールに反トルクを発生させて、1つのセルが隣接するセルから接続解除している時に当該セル及び前記少なくとも1つの他の結合セルを混乱から安定化させるように構成されている
ことを特徴とする請求項32に記載のセル。
【請求項35】
当該セルは、集合体を形成するために複数の他のセルと結合されており、
前記複数のセルのうちの各セルは、フライトコンピュータと、ブレーキ能力を有するリアクションホイールと、を有しており、
前記複数のセルのフライトコンピュータは、当該結合された集合体に沿ってのホッピング、回転、及び/または、「ローリング」する運動操作を介した個々のセルの選択的移動により、各々のセルのリアクションホイールを制御して当該集合体のトポロジーまたは形状を変更するように構成されている
ことを特徴とする請求項20に記載のセル。
【請求項36】
複数のセルを備えた集合体であって、
各セルは、
当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームと、
前記フレーム内に収容され、及び/または、前記フレームに接続された複数のコンポーネントと、
当該セル
のフライト及びミッション動作、並びに、
前記集合体の少なくとも幾つかの機能、を制御するように構成されたフライトコンピュータと、
を備え、
当該セルの前記フレーム内に収容されるか前記フレームに接続された前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、広がっていて格納され得るソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有しており、
当該集合体内の前記複数のセルの前記フライトコンピュータは、当該集合体の所望のミッションを実施するべく当該複数のセルを自動的に配置するよう、当該複数のセルを制御するように構成されており、
前記複数のセルは、複数の宇宙船である
ことを特徴とする集合体。
【請求項37】
前記複数のセルのうちの各セルは、フライトコンピュータと、リアクションホイールと、を有しており、
前記複数のセルのフライトコンピュータは、
前記集合体に沿ってのホッピング、回転、及び/または、「ローリング」する運動操作を介した個々のセルの選択的移動により、各々のセルのリアクションホイールを制御して当該集合体のトポロジーまたは形状を変更するように構成されている
ことを特徴とする請求項36に記載の集合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年7月21日出願の米国特許出願第15/655,972の優先権を主張するものである。当該先願の主題は、その全体が、当該参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0002】
[技術分野]
本発明は、全体として、宇宙システムに関し、より詳細には、連結して集合体トポロジーを再構成する、及び/または、複数のペイロード(実験装置)の向きをリダイレクトする、セルベースの宇宙システムに関する。
【背景技術】
【0003】
過去60年において、宇宙システムは、複数の政府にとって戦略的に必要であり、通信及び娯楽サービス産業にとって商業的利益である、という点まで成熟してきた。より多くの工業的な用途が続くことが期待されている。現在の成功事例は、多数あり、十分に文書化されている。科学的なミッション(任務)を残しつつも、宇宙システムがより大きくなれば(例えば、より多くのトランスポンダ(中継器)、より高いパワービーム、より大きいアパーチャ等)、多くの現在及び将来の宇宙アプリケーションが強化されるであろう。もっとも、モノリシックな一体物として宇宙システムのサイズを増大することには、以下を含む様々な困難がある:(1)サイズを増大することは、より大きくより高コストな打ち上げロケットを要する。(2)より大きなモノリシックな一体物は、不正な行動にとってより大きなターゲットとなる。(3)重要なサブシステムの故障は、非常に大型で高価なユニットを不作動にし得て、さらに高価な整備ミッションを要する。
【0004】
過去20年において、小型衛星技術の開発が、緩慢ではあるが増大している。この技術は、その利点に、電子システムの小型化を活用している。キューブSats、ナノSats及びマイクロSatsの現在のバッチは、数十年前に考えられてきたものより、はるかに高能力である。更に、おそらく現代のラップトップ機器及び携帯電話において最も明らかであるように、一般消費者向け電子機器が小型化したことに伴って、これらのシステムが享受する信頼性と共に、小型であるが大量生産可能なモジュールを逐次付加することによって宇宙システム設計者が宇宙空間で宇宙構造物を組み立てる可能性を探索するよう、促されてきた。H.Helvajian「次の世代:量産可能な機能化モジュールの集合体としての衛星」小型の衛星:過去、現在及び将来、H.Helvajian、S.W.Janson編。(AIAA Press、Reston、VA)、p815(2009)参照。
【0005】
同様の傾向が、再構成可能なロボット工学(ポリモルフィックロボディクスとも呼ばれる)の分野において明らかである。幾つかの再構成可能なロボットが地上の応用について実証されてきたが、そのような実証は宇宙では未だなされていない。最近、Phoenixプログラムの下で、国防高等研究計画局(DARPA)が、アセンブリを示す手段として空間内で一連の正方形タイルを組み立てるスキーム(「サレット」と呼ばれる)を開発して実証するべく、小さなカリフォルニアの会社(NovaWurks(登録商標))に資金提供した。当該タイルは、明白なペイロードを有さないドッキング機構を示す。
【0006】
しかし、当該技術及び他の技術は、「ブロック-バイ-ブロック」ベースで宇宙システムのアセンブリを促進する能力を欠き、また、臨機応変に(on the fly)個々のブロックの機能を変更する能力を欠き、また、欠陥のあるモジュールを取り外したり交換したりする能力を欠く。従って、改善された再構成可能な宇宙システムが有益であり得る。
【発明の概要】
【0007】
本発明の特定の実施形態が実装され得て、従来の宇宙システムによって未だ完全に解決されていなかった当該技術分野の問題及びニーズに対する解決策が提供され得る。例えば、幾つかの実施形態は、相互接続(インターロック)して集合体トポロジーを再構成する、及び/または、複数のペイロードの向きをリダイレクトする、セルベースの宇宙システムに関している。幾つかの実施形態における宇宙システムアーキテクチャのタイプは、セルベースの相互接続ユニットのセットを含み得て、それは、個別に、または、一緒に集合体として動作し得て、相互接続システムのトポロジーにおける及び/またはペイロードの選択及び組合せにおけるラジカルな変化を容易化することができる。例えば、ペイロードは、特定のマークに向けて集中するように差し向けられ得る。特定の実施形態は、個別にまたは集合体で動作する相互接続ユニットのセットを含み得るが、特定のユニットは、展開するより大きな構造(例えば、折り紙スタイル)の展開ソースとして機能する。従って、このような形態の変更により、多数の宇宙ミッション(宇宙任務)がサポートされ得る。幾つかの実施形態は、展開可能な構造を含む。特定の実施形態は、格納または発射のために平坦化され得る。
【0008】
一実施形態では、セルは、複数の結合されたセルに基づいてより大きな構造のアセンブリを可能にするために、当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームを備える。セルは、また、前記フレーム内に収容され、及び/または、前記フレームに取り付けられた複数のコンポーネントを備える。前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、ソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード(例えば、スタートラッカ、ロボットアーム等)、または、それらの任意の組合せ、を有する。
【0009】
別の一実施形態では、セルは、当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームと、前記フレームに接続され少なくとも1つの軸線回りに回転するように構成された回転可能なコンポーネントハウジングと、を備える。セルは、また、前記回転可能なコンポーネントハウジング上において互いに異なる位置に配置された複数のコンポーネントを備える。前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、広がっていて格納され得るソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有する。前記回転可能なコンポーネントハウジングを回転させると、各コンポーネントが新しい向きに向けられる。
【0010】
更に別の一実施形態では、セルは、複数のレール及び/または運動制御ガイド(例えば、電磁石、レーザー光など)を有するフレームを備えている。セルは、また、前記複数のレール及び/または運動制御ガイドの各々に沿って移動するように構成された複数のトラクタを有する接続機構を備えている。前記複数のトラクタは、当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成されている。
更に別の一実施形態では、セルは、接続機構を有する少なくとも部分的に透明な外側球体と、前記外側球体内に配置された少なくとも部分的に透明な内側球体と、を備える。複数のコンポーネントが、前記内側球体内に収容されている。前記外側球体及び前記内側球体は、前記コンポーネントの向きが変更され得るようにそれらの極性の少なくとも一部が切り替えられる時に前記内側球体を回転させるように構成された、複数の電磁石を含んでいる。前記接続機構は、当該セルを少なくとも1つの他のセルと接続するように構成されており、前記外側球体の外側に位置している。
【0011】
更に別の一実施形態では、セルは、最外リングと最内リングとを有する複数の入れ子リングを備える。セルは、また、前記最内リング内に入れ子にされ、前記複数の入れ子リングのうちの少なくとも1つに接続された、電力及び制御構造を備える。前記最外リング及び前記最内リングは、前記電力及び制御構造によって制御される時にそれぞれのリングを別々に回転させるように構成された少なくとも1つのそれぞれのモータを有している。前記最外リングは、当該セルを少なくとも1つの他のセルと接続するように構成された接続機構を有している。
【0012】
更に別の一実施形態では、集合体は、複数のセルを備える。各セルは、当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームと、前記フレーム内に収容されまたは前記フレームに接続された複数のコンポーネントと、を有する。当該セルの前記フレーム内に収容されるか前記フレームに接続された前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、ソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有している。各セルは、また、当該特定のセルのフライト及びミッション動作、並びに、相互接続された当該集合体の少なくとも幾つかの機能、を制御するように構成されたフライトコンピュータを有している。当該集合体内の前記複数のセルの前記フライトコンピュータは、当該集合体の所望のミッション(任務)を実施するべく当該複数のセルを配置するよう、当該複数のセルを制御するように構成されている。
【0013】
本発明の特定の実施形態の利点が容易に理解されるように、添付の図面に示される特定の実施形態を参照することにより、簡潔に前述された本発明のより具体的な説明が行われる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、従って、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない、ということが理解されるべきであるが、本発明は、添付の図面の使用を通じて、付加的な特異性及び詳細を伴って記述及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるボックス形セルのフレームを示す斜視図である。
【0015】
【
図2A】
図2Aは、本発明の一実施形態によるセルを示す斜視図である。
【0016】
【0017】
【
図3A】
図3Aは、本発明の一実施形態による中実ピラミッド型フレームを示す斜視図である。
【0018】
【
図3B】
図3Bは、本発明の一実施形態による中実球形フレームを示す側面図である。
【0019】
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態による、x軸及びy軸上に2つのリング状レールを有する中空球状フレームを示す斜視図である。
【0020】
【
図4B】
図4Aは、本発明の一実施形態による、x軸、y軸及びz軸上に3つのリング状レールを有する中空球状フレームを示す斜視図である。
【0021】
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施形態による、レールの一部の断面図(左)及び側面図(右)である。
【0022】
【
図5B】
図5Bは、本発明の一実施形態による、レールの一部の側面図である。
【0023】
【
図6A】
図6Aは、本発明の一実施形態による、磁石トラクタの断面図(左)及び側面図(右)である。
【0024】
【
図6B】
図6Bは、本発明の一実施形態による、磁石トラクタの断面図である。
【0025】
【
図7A】
図7Aは、本発明の一実施形態による、入れ子球体フレームの側面断面図である。
【0026】
【
図7B】
図7Bは、本発明の一実施形態による、中心構造を支持する入れ子リングフレームの側面断面図である。
図7Bは、収納形態で示されている。開放形態では、それは、
図4Bに示された形態に似ている。3つの入れ子リングが中央で中心構造(
図4Bには示されていない)を支持する。
【0027】
【
図8A】
図8Aは、折り紙技術を用いて球体に変形する厚いオフセットパネルを示す。
【0028】
【
図8B】
図8Bは、折り紙構造を捻って風車を作る様子を示している。
【0029】
【
図9A】
図9Aは、本発明の一実施形態による、「ライン」に配置された6つの立方体セルのアレイ(配列)を示す。
【0030】
【
図9B】
図9Bは、本発明の一実施形態による、異なる形態に再配置された6つの立方体形状セルのアレイを示す。
【0031】
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による、球状セルのアレイを示す側面図である。
図10は、また、
図7Aまたは
図7Bと同様に、展開された入れ子球体またはリングのアレイを示している。
【0032】
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態による、セルベースの宇宙システムを展開及び再構成するためのプロセスを示すフローチャートである。
【0033】
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態による、セルの動作を制御するように構成されたコンピューティングシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の幾つかの実施形態は、ミッション(任務)をサポートするために、相互接続して形態を変更することができるセルベースの宇宙システムに関している。幾つかの実施形態では、セルは、微小電気機械システム(MEMS)慣性センサ、高トルクモーター、小型リアクションホイール、高エネルギ貯蔵バッテリ、非線形制御システム、ミニチュア磁気、直流(DC)ブラシレス「フラットモータ」、及び、マイクロプロセッサ、を含む。集合体または個々のセルの操作によって引き起こされる障害は、既存の制御システム技術によって軽減され得る。立方体形セルの場合、幾つかの実施形態では、空間に90°回転を導入するための電力コストは、約25ミリワット(mW)であり得る。
【0035】
比較的大きなサイズの宇宙システムは、それ自身が個々の宇宙船である個々の「セル」を使用して組み立てられ得るが、複数のセルの集合内において個別の動作の能力を有している。幾つかの実施形態では、セルは、磁石または電磁石を介して一緒に保持され得る。特定の実施形態では、セルは、モータまたはアクチュエータによって駆動される解放可能な機構を介して、互いに機械的に相互接続し得る。幾つかの実施形態では、幾つかのセルは、磁石を使用して相互接続してもよく、他のセルは、機械的インターロック機構を使用してもよい。後者は、より強力で、より大きな構造をサポートし得る。幾つかの実施形態では、機械的に接続されたセルが、他のセルを支持する宇宙システム内に支持構造を形成し得て、磁石だけで許容できるよりも大きな宇宙システムを構築する能力を提供する。セルベースシステムの申請者は、合成アパーチャレーダ(SAR)ミッション(例えば、X、Ku、可能性あるCバンドなど)、低地球軌道(LEO)での再構成可能な光学望遠鏡、宇宙からの惑星探査のための再構成可能なマルチセンサミッション、超大型の斜めview機能(~360度)を有するイメージング(撮像)スペースプラットフォーム、地上軌道に垂直な状況認識を高めるために現在の衛星に搭載され得るマルチセンサイメージングプラットフォーム、及び/または、セキュリティ用途向けのマルチセンサ壁の地上での適用、を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、集合体のセグメントが分離され得て、地球の大気に再び進入させられ得て(地球軌道ミッションの場合)、宇宙で生成されまたは宇宙で捕獲されたサンプルを地球に戻すことができる。幾つかの実施形態において、セルは、例えば、静止軌道(GEO)またはより遠く(例えば、宇宙ラグランジュ点)のミッションの安定性を高めるために、上部構造、トラス、または、別のプラットフォーム、に取り付けられてもよい。
【0036】
セルは、幾つかの実施形態では、多機能で(例えば、複数のペイロード、複数の使用など)大量生産可能なユニットであり得る。これは、多くの従来の宇宙システムとは異なる。従来の宇宙システムは、ユニットごとにカスタム構築されており、概ね車やバスのサイズであり得る。幾つかの実施形態では、異なるセルまたは異なるグループのセルが異なる機能を有し得る。幾つかの実施形態では、必ずしも隣接していない異なるセルまたは異なるグループのセルが単一の一体物(エンティティ)として機能し得る。
【0037】
多機能の実施形態では、他のセルに取り付けられた1または複数のセルが、ドッキングを解除せずに、特定の方向に機能的な「顔」(面)を向ける(回転させる)ことができる。これは、特定のコンポーネント(カメラ、無線周波数(RF)アンテナ、ソーラーアレイ、単一ピクセルイメージカウンタ、フォトンカウンタなど)を露出するために回転するフレーム内に支持されたコンポーネントの3次元のセットであり得る。特定の実施形態では、少なくとも1つのコンポーネントが、展開されたときにフレームから外側に延びる展開可能なコンポーネントであり得る。例えば、コンポーネントがアンテナの場合、当該アンテナはフレームから展開し得て、より良い送信/受信パフォーマンスを提供したり、ゲインを増やしたり、等することができる。展開可能なコンポーネントは、格納された形態から拡張して高解像度になる望遠鏡、または、拡張して展開してより大きな空間サービス領域を提供するソーラーパネル、であり得る。
【0038】
あるいは、幾つかの実施形態では、各面は、異なる機能を有し得て、セル自体が物理的に回転され得て、再構成可能な宇宙システム上の所望の面を向いてもよい。例えば、ある面が推進力を含み得て、別の面が通信を含み得て、別の面が太陽光発電を含み得て、別の面がカメラを含み得て、別の面が他のペイロードまたはグラスパー(把持器)などを含み得る。面の回転は、リアクションホイール(例えば、宇宙船の姿勢を決定及び変更するサブシステムに類似したもの-姿勢決定及び制御システム(ADCS))、基準として地球の磁場を使用する電磁石、単純なモータ(例えば、パンケーキまたはブラシレスフラットモータ)、それらの組み合わせ、または、本発明の範囲から逸脱することなく他の任意の適切な機構または機構の組み合わせ、を介して達成され得る。リアクションホイールの場合、セルを現在の相互接続から自由に「スナップ」するために、回転が急速に開始され得るか、回転方向が急速に反転され得るか、回転が急速に制動され得る。幾つかの実施形態では、セルは、自由飛行操縦で宇宙システムの周りでそれらを推進するために、及び、新しい位置及び/または向きで相互接続するために、現在存在するかまたは新しく発明された、1または複数のイオンスラスタまたは任意の他の適切な推進機構を有し得る。
【0039】
幾つかの実施形態では、セルの少なくとも幾つかの面は、平面技術または2D技術を使用して製造されたデバイス(たとえば、電子機器、太陽電池など)を支持するために、平面形状である。もっとも、幾つかの実施形態では、面は平坦である必要はない。面の形態(またはトポグラフィー)は、一般的に、機能に従う必要がある。例えば、通信面の場合、パッチアンテナであってもよいが、皿状であってもよいし、面から展開可能なアンテナ形状を有してもよい。逆向きの皿状は、推進面にとってより意味があり得て、軸外のスラスト成分を有するスラスタを可能にする。
【0040】
基本的に、顔のトポロジーは、その顔上にあるデバイスを作成するために使用される製造技術に従う必要がある。更に、各々の面は、幾つかの実施形態では、その面の宇宙システム機能及びそれを作るのに最も関連した製造技術、に最も適した材料から製造され得る。例えば、通信用皿の製造は、必ずしも機械加工された金属である必要はなく、プラスチック成形技術を使用したガラス/セラミック材料、薄い曲げ可能なガラス(例えば、Corning Willow(登録商標)ガラス)、低温膨張ガラス(例えば、Schott Zerodur(登録商標)ガラス)、または、細かく編まれた金属メッシュを支持する3D印刷ネット構造、から製造され得る。結果的に、各面は、異なる形状を有し得て、異なる材料から製造され得る。
【0041】
複数の面は、それらがその回りに回転するコア構造に取り付けられ得る。コアの構造は、セルの最終的な形状を定義し得る。セルは、角柱形状を有し得るが、この形状は立方体である必要はない。もっとも、セルの能力は、立方体の形状を用いて説明する方が簡単である。ここでは、それに対する参照が、図示と概念化を容易にするために、しばしばなされる。角柱型のセルは、望ましい場合があることに留意されたい。なぜなら、それらは、推進剤と同様、バッテリを含み得て、バッテリ容量が体積的に目盛れるからである。コア構造の設計及び形状は、面の取り付け点として機能して回転を可能にするだけでなく、面間で(必要な場合)及び幾つかの実施形態では他の取り付けモジュールに対して電力、燃料、制御信号が転送される「導管」でもあるため、重要であり得る。もっとも、特定の実施形態において、セルは、固定接続を介して、互いに通信、燃料、熱、電力等を交換しなくてもよい。
【0042】
結果として、セルは、「アクティブ」(例えば、物質の交換や通信の実行が可能で、集合体に対しての自身の加算または減算も可能)、「パッシブ」(例えば、物質の交換や通信の実行は可能であるが、集合体に対しての自身の加算または減算は不可)、または、「ブロッキング」(例えば、アイソレータとして機能したり、全ての転送をブロックする等)、であり得る。セルのタイプ及び機能(例えば、アクティブ、パッシブ、ブロッキング)は、ソフトウェア制御及び/またはハードウェア制御によって決定され得る。更に、幾つかの実施形態では、これらの機能は、時間枠(タイムフレーム)を有し得る。
【0043】
幾つかの実施形態は、相互接続されたセル宇宙システムのモジュール間で、電力、データ及び推進剤を共有するためのスキームを採用する。重要なソースを転送する能力を共有または持つことにより、宇宙システムが「点欠陥」の障害に対して、はるかに回復力のあるものになり得る。もっとも、この利点は、コア構造の設計にも負担を与える。例えば、シンプルな3×3のルービックキューブ体は、6つの方位基点に触れる3Dクロスの形状を形成するよう溶接された3つのパイプに似たコア構造またはヨークを持つ。このような構造への取り付けは、2つの軸回りの回転を可能にする。一部の実施形態のセルは、各「面」が全体として回転することを意図されているため、1つの軸回りでのみ回転する。もっとも、おそらく3×3以上のルービックキューブ体と同様に、2以上の軸回りの回転が可能とされ得る。
【0044】
例として、立方体のセルが、以下の段落で説明される。面A、B、C,Dは、1つの軸回りに回転し得る(x軸として任意にラベル付けされる)。y軸及びz軸としてラベル付けされる他の2つの軸は、回転もするが、A-D面への電気及び他のリソースの導管としても機能する。面E及び面Fは、この実施形態では互いに平行で、ABCD回転面に平行である。この実施形態では、面ABCDが全体として動く間、面E及び面Fは、x軸スパー(桁)に取り付けられている回転可能な中心を除いて固定されている。この回転可能なジョイント及びその取り付けは、幾つかの実施形態のユニークな要素である。回転可能なスパー(つまり、x軸)は、次の機能を果たす:(a)特定の面をある基点に揃える。(b)面E及び面Fの一部を回転させ、共有サービスユーティリティラインを結合セルに揃える。(c)逆回転トルク力を提供し、それにより、相互接続されたセルの本体に回転姿勢の変化を引き起こすことなく、単一のセル内での回転を可能にする。
【0045】
この実施形態のジョイントは、中心穴を有し、ステータまたはモータハウジングが周上に配置される直接駆動回転可能シャフトを含む。この技術は、真空で動作可能な精密回転ステージの開発で日常的に使用されている。一部の実施形態では、これらの回転ステージモータのうちの3つが(様々なレベルの精度で)必要であり得る-全てが共線態様で積層され、非回転取り付け点に接続される。組み合わせ回転ステージは、また、クリア/オープン面を有して回転セルを収容するフレームモジュールにボルト固定され得る。例えば、10×10×10cmの立方体形状のセルは、寸法がll×ll×llcmの立方体形状のフレームを有し得る。当該フレームは、取り付け可能な面(つまり、面E及び面F)において面ごとに、複数の電磁駆動のクイックリリースピン(例えば、宇宙で使用されるBall-Lok(登録商標))を有し得る。当該ピンは、セルを集合体(例えば、セルアレイ)に係止するのに役立ち得る。フレームは、そこから回転(すなわち、面、サービスラインコネクタ)運動が実行される基準構造として機能し得る。幾つかの実施形態では、フレームは、比較的少数のバッテリを含み得て、各面の縁部に太陽電池を含み得る。太陽電池で駆動されるバッテリは、回転ステージを駆動し得る。
【0046】
前述の3つの回転ステージのうち、外側のステージ(フレームモジュールに最も近い)は、サービスラインコネクタ(たとえば、電力、燃料、コマンド及び制御等)を回転して隣接するセルのサービスコネクタと揃えるように設計され得る。この機能により、接続された集合体内の単一のセルが、異なる面が特定の方向を指すようになることを許容する。第1ステージに取り付けられた第2回転ステージは、x軸スパーを回転させるように設計され得る(すなわち、面の回転)。第3回転ステージは、第1及び第2ステージの運動中に逆トルクを提供するために主に使用される、高トルクの高速運動ステージであり得る。説明された組み合わせにより、集合体から分離する必要なく、単一のセルが4つの面(ABCD)の1つをx軸回りに回転させることができる。x軸のスパーに収容されたサービスラインは、各方向に180度移動するように設計された柔軟なコネクタ上に構築され得る。この技術は、自動化された多軸モーション産業で利用可能であり、「ケーブル管理システム」と呼ばれている。
【0047】
セルベースのシステムを構築する様々な態様が可能である。例えば、一実施形態では、そのようなシステムは、以下のように構築され得る。
(1)1U(1ユニット)のCubeSat(キューブSat)(10×10×10cm)を取って、回転軸を定義する。特定のスペースが特定のシステム機能(例えば、通信、推進力、動力など)を有するように、当該回転軸(ABCD)の周りに各面を配置する。
(2)1UのCubeSatに使用される全てのコマンド及び制御システムカードを含める。
(3)回転スパーにボルト固定されるであろう面E及び面Fから、2次サービスライン(電力、燃料、コマンド及び制御、通信など)を延ばす。他のセルと同一線上に結合されていないセルにサービスを提供するために、ABCD面の1つにおいて、別のセットの2次サービスライン(例えば、電力、燃料、コマンド及び制御、通信など)も確立され得る。2次サービスラインは、必要に応じて、電子スイッチとバルブを介してセルを隔離する。
(4)管を面E及び面Fの中心に取り付けて、サービスラインを保持し、支持スパーとしても使用する。
(5)逆回転安定トルクを提供する回転ステージを、面Eまたは面Fの管の端に取り付ける。これを面Fとして定義する。
(6)管の他方の端面(つまり、面E)に、x軸のスパーを移動する(つまり、面ABCDを回転させる)回転ステージを取り付ける。
(7)サービスラインコネクタを移動して方向付ける回転ステージを、面Eに取り付けられた回転ステージに接続する。
(8)バッテリを含む11×11×11cm以上の立方体フレーム構造を構築する(フレームの足場の内側及び近傍に取り付けられる)。より大きな立方体フレームは、1UのCubeSatを当該立方体フレーム内に挿入できるように、片側に「納屋の大扉」タイプの開口を有し得る。
(9)1UのCubeSatをフレーム内に取り付け、E面とF面の管端に取り付けられた回転ステージの固定アタッチメントにフレームを最終的に接続する。
(10)フレーム上の太陽電池を、回転モータの駆動に使用されるバッテリ及び制御システムに取り付けて接続する。結果として得られるシステムは、例として立方体(キューブ)形状を使用しているため、立方体内の立方体として現れて、前述の機能性を有するはずである。外部の立方体の製造に使用される材料の選択は、結合されるであろうセルの数と強度及び剛性上の要求とに依存するが、それは、金属、複合材料、及び一部の用途では高強度プラスチック、から作られ得る。フレームは、3D製造技術を使用して製造され得る。これは、クイックリリースピン等のための「納屋の大扉」タイプのジョイント及びホルダを含み得る。
【0048】
前述の説明では、任意の軸(例えば、x軸)回りに回転する方法に関して、一実施形態が提示及び説明されている。もっとも、一軸回りのあらゆる回転は、結合されたセル(つまり、衛星システム)の外側フレームまたは全体の集合体が空間内で回転しないためには、反対の回転すなわち逆回転の操作によって同時に打ち消される必要がある。逆回転の操作(第1回転操作と同じ軸回り)は、例えば、別の隣接するセル内で与えられ得る。もっとも、最初の回転を引き起こしたセルで逆回転が開始されることが、より効率的であり得る(つまり、全体的な動揺(disturbance)がより少ない)。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態による、ボックス形セルのフレーム100を示す斜視図である。この実施形態では、フレーム100は、その6つの側面のうち4つが開いており、フレーム100内のコンポーネント(
図2参照)が4つの開いた面のいずれかに回転することを許容している。このアーキテクチャは、フレーム100で定義される容積のほとんどが内部コンポーネントの収容に使用されることを許容する。フレーム100は、本発明の範囲から逸脱することなく、炭素繊維、炭化ケイ素、金属、合金、それらの組み合わせ等、宇宙での動作に適した任意の材料から構築され得る。更に、フレーム100は、平面製造技術を使用して製造され得て、その後に、折り紙/切り紙の技術を使用して(この実施形態のように)立方体に折り畳まれ得る。
【0050】
フレーム100は、2つの中実の壁110と、当該壁110の各内側角部に位置する4つの支持体120と、を含んでいる。この実施形態では、ヒンジ130が、支持体120を、壁110に接続しており、内部ペイロードが許容する場合、フレーム100は展開前に容積を減らすべく少なくとも部分的に畳まれ(collapsed)得て、ロケット(打ち上げビークル)内に詰め込まれ得る。部分的に畳まれたフレームは、折り紙スタイルを展開する複雑な非立方体のフレーム形状を生じる可能性がより高い。確かに、与えられたセルの目的が構造的支持を提供することだけであれば(つまり、内部立方体がない場合)、フレーム100は、モータまたはアクチュエータ(図示せず)を介して、ボックス形態への軌道上で完全に畳まれ得て且つ展開され得る。あるいは、幾つかの実施形態では、フレームは剛性であってもよく、支持体120は壁110に物理的に取り付けられていてもよく、あるいは、壁110と一体に構築されていてもよい。
【0051】
壁110及び支持体120は、それぞれ磁石140を含む。この実施形態では、2つの(永久または電磁)磁石140が、壁110の面の外向き面の縁部の各々に配置され、2つの磁石140が、その外向きの薄い側方面上に含まれている。同様に、2つの磁石140が、支持体120の外側に面する各側に配置されている。異なる面上の磁石は、異なる極性を有し得て、他のセルのフレームとの相互接続が可能である。例えば、一方の壁の外向き面の磁石140は、N極を有し、他方の壁の外向き面の磁石140は、S極を有し得る。これは、反対の極性を持つ外側の面が相互接続することを許容する。この実施形態では、壁110は、それぞれ、より強力な接続を促進し得る電磁石150をも含む。
【0052】
ある時点で、セル同士を保持するのに、磁気が十分ではなくなる場合がある。この問題に対処するために、この実施形態では、フレーム100は、アクチュエータによって駆動され、そこから延びるラッチを含む、回転可能な機械的ロック160を更に含む。ここでは、機械的ロック160は、フレーム100の片側にのみ配置されている。別のセルと確実に相互接続するために、セルは、機械的ロック160が互いに反対になる(対向する)ように配置される。その後、セルは、それぞれのラッチを閉じて、それらを共に固定する。幾つかの実施形態における機械的ロックは、任意の適切なロック機構であり得て、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の数だけ任意の適切な場所で使用され得る。例えば、幾つかの実施形態では、セルが4つの縁部に沿って固定され得るように、機械的ロックが壁110の両側に存在し得る。
【0053】
機械的ラッチの代わりに、より確実な相互接続をもたらす別のアプローチは、現在の宇宙システムで使用されているボールベアリングタイプのロックメカニズム(Ball-Lock(登録商標))の実装である。このコンセプトは、スプリング負荷式の雄雌相互接続機構を実装している。ボールベアリングロックを有するスプリング負荷式ピン170が、フレーム100の縁部近くに配置され、隣接するセルの浅い窪み内に挿入される。同様に、他のセルのスプリング負荷式ピンが、フレーム100の浅い窪み172内に挿入される。
【0054】
各セルは、雄と雌の両方のタイプのレセプタクルを有し得て、任意の面で隣接するセルと相互接続可能である。このタイプの相互接続機構は、修正バージョン(例えば、宝石やインデント)とともに、例えば宇宙システムが多数のセル(例えば100個)を含む時、より確実な相互接続を提供するだけでなく、隣接するセルの相対的なアライメントがより正確である必要がある時(例えば、複数の光学イメージングセンサがあって光学波長の精度に合わせてアライメントされる必要がある光学ミッションの場合)、特定の宇宙システムミッションにより正確なアライメントを提供し得る。
【0055】
セルの結合は、セル間のインタフェースが機械的剛性を提供するだけでなく、効率的な熱伝達のための導管としても機能することを要求する場合がある。例えば、結合されたセルのN×Nアレイが存在する幾つかの実施形態では、中央の囲まれたセルは、生成された熱を、放射冷却用の外部空間とより良好な「接触」を有するセル及び/または面に、廃棄または伝達する必要がある。熱伝導のタイプは、アレイのサイズと主なミッションとに依存する。例えば、合成開口レーダ(SAR)ミッションは、典型的には、レーダジェネレータの結果として、かなりの熱を生成する。一方、光学センシングミッション(たとえば、気象衛星)は、典型的には、より少ない熱のみを生成する。
【0056】
熱シミュレーションによって、2つの効率的な熱伝導面(例えば、金属)間の受動的な熱伝達が、太陽への露出が少ないほとんどの低熱ミッション及び/または軌道に十分であることが示されている。これらのミッションでは、熱インタフェースは、接合面がしっかり接触している(つまり、エアギャップがない)こと、または、インタフェースで高熱伝導率の材料を使用すること、を要求し得る。各セルが大量の熱を生成するミッション、または、集合体が太陽を連続的に見る軌道(例えば、太陽同期、夜明け/夕暮れ軌道)にあるミッションでは、
図1に示されたようなフレームは、より複雑であり得て、アクティブな冷却技術が利用されることを可能にするべく、わずかにより厚い壁を有し得る。これらの技術は、高温領域から低温領域に熱を伝達する相変化材料を伴うフレーム内に機械加工されまたは配置されたマイクロヒートパイプ、または、熱伝達流体とポンプを伴うより洗練された技術、または、カーボンナノチューブなどの高熱伝導性材料、を含み得る。
【0057】
図2Aは、本発明の一実施形態によるセル200を示す斜視図である。セル200は、フレーム210及び回転可能なコンポーネントハウジング220を含んでいる。
図1のフレーム100に類似して、フレーム210は、2つの壁212(左壁の面が見えず、右壁の面が見えるように、示されている)を含んでいる。ここでは、壁212は、互いに異なるものとして図示されているが、幾つかの実施形態では、壁212は、
図1と同様に、同一であってもよい。これは、セルをより柔軟にし得て、相互接続することをより容易にし得る。
【0058】
壁212は、支持体214によって接続されている。2つの磁石216が、壁212の面の外向き面の縁部の各々に配置され、2つの磁石216が、その外向きの薄い側方面上に含まれている。同様に、2つの磁石216が、支持体214の外側に面する各側に配置されている。
【0059】
コンポーネントハウジング220は、この実施形態において球形として示される本体222を含み(ただし、他の実施形態においては任意の適切な形状が使用され得る)、当該本体222は、支持体224を介して壁212に接続されている。本体222は、支持体224回りに回転する。様々なコンポーネント226が本体222上に配置されている。これらは、本発明の範囲から逸脱することなく、カメラ、RFアンテナ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、新規なセンサ、光源、分光計、リアクションホイール、ADCS、処理回路(例えば、プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、アクセラレータ(例えば、グラフィカル処理装置(GPU)など))、または、任意の他のコンポーネント、または、コンポーネントの組み合わせ、を含む任意の好適なコンポーネントであり得る。幾つかの実施形態では、1または複数のコンポーネントが展開可能であってよい。例えば、アンテナは、伸長及び短縮され得るし、ソーラーアレイは、展開及び撤退され得る。
【0060】
前記の通り、この実施形態では、本体222は、支持体224回りを回転する。ここでは、単軸回転が示されているが、幾つかの実施形態では、多軸回転が提供される。本体の各コンポーネント226は、4つの開放面のうちの1つの方向を向くように方向付けられ得るが、回転軸回りの任意の方向付けが達成され得る。例えば、現在時点で本体222の上部にあるコンポーネント226が開放する前面に向かって外向きに面することが望まれるなら、本体222は、図面に対して下方向に90°回転し得る。
【0061】
この実施形態では、セル200は、様々な他の有用な宇宙船の特徴も含む。例えば、セル200は、太陽電池230及びバッテリ240(この実施形態では互いに反対側に配置されている-これは重量バランスの目的で有益であり得る)を介して、太陽エネルギを受け取って貯蔵することができる。別のセルが右壁212と相互接続する場合、電力は、電力コネクタ232を介して、当該セルに供給され得るか、または当該セルから受け取られ得る。また、右壁212は、隣接するセルとの接続を容易にするために電磁石234を含む。セル200はまた、フライト及びミッション動作を制御するためのフライトコンピュータ250と、推進力を供給するための推進剤タンク及びバルブを含むスラスタ260と、を含んでいる。
【0062】
スラスタの位置は、ユーティリティに依存する。ここで、スラスタ260は、セル200の左上及び右下に互いに反対側に配置されて、前述の回転/逆回転操作を実行する。セルを特定の場所に誘導するためにスラスタが使用される場合、推力ベクトルは乗物の重心(不図示)を通過する必要がある。もっとも、スラスタがセルユニットの廃棄に使用される場合(GEOの場合はより高い軌道に、LEOの場合はより低い軌道に)、スラスタは、
図2Aに示すように配置され得る。
【0063】
幾つかの実施形態では、セルの寿命末期プロセスが実施される。例えば、セルに障害が発生した場合、衛星システムは、障害が発生したユニットをセル集合体から切り離すプロセスを開始し得る。故障したセルは、簡単に離れることが許容され得て、その後、高Ispの小型ロケットが点火され得て、LEOの場合は地球に向かって(その後燃焼)、GEOの場合は衛星廃棄軌道(スーパーGEO)に向かって、故障したセルが推進される。その後、集合体は、そのトポロジーを再構成し得て、欠落しているセルのスペースを充填し得て、縁部から別の新しいセルが追加され得る。
【0064】
図2Bは、
図2Aの左壁212の面を示す側面図である。それは、本発明の一実施形態による、
図2Aでは見えない面である。この実施形態では、左壁212は、右壁212とは異なっている。もっとも、前述の通り、幾つかの実施形態では、少なくとも2つの壁が同一であってもよい。左壁212は、それ自体の電力コネクタと同様、電磁石218を含む。従って、他のセルが、どの壁と相互接続するかに関係なく、セル200に電力を供給し、及び/または、セル200から電力を受けることができる。磁石216が全ての側面に設けられているため、セル200は、任意の面で他のセルと相互接続し得る。
【0065】
左壁212は、更に、電源コネクタ242及びサービスポート244を含む。サービスポート244は、隣接するセル間で「配管」として機能し得て、セル間で電力、信号線、熱などを運ぶよう機能し得る、様々なコネクタ245を含む。本発明の範囲から逸脱することなく、任意の適切な電流、熱、及び/または材料が、隣接するセル間で伝達され得る。
【0066】
給電線(不図示)が、電源コネクタ242及びコネクタ245に接続している。このような給電線は、セルハウジング内の様々なバルブ及び制御カードにも接続可能である。本発明の幾つかの実施形態は、セル間の通信の2つのモード、すなわちプライマリモードと冗長システムモード、を想定している。プライマリモードは、ワイヤレスのセル間通信(例えば、802.11標準ファミリ通信)を介したものであり得る。しかしながら、コネクタ244を介したハードワイヤ信号相互接続(すなわち、有線通信)のために、システムに冗長性が組み込まれ得る。デュアルCOMMシステムは、宇宙船の形態変更(例えばトポロジー)中にセルの制御が必要とされるため、一部の実施形態で有益である。ここで、セルは、分離され、他のセル上にホップして、再取り付けされる必要があり得る。この場合、プライマリワイヤレススキームを介して、制御が完全に実行され得る。
【0067】
幾つかの実施形態では、自由飛行操縦に影響を与えるべく、化学推進剤が使用され得る。推進剤の質量損失で測定されるコストは、LEOでの操縦の場合には比較的高いが、GEOでの操縦の場合には比較的低い。結果として、幾つかの実施形態は、リアクションホイール、トルクロッド及び/または電磁石を使用して、宇宙船のトポロジーを変更する操作に影響を及ぼすアプローチを使用する。
【0068】
立方体形状のフレームが
図1及び
図2Aに示されているが、規則的であろうと不規則であろうと、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の所望のフレーム形状が使用され得る。例えば、セルは、ピラミッド形状、球状、円筒形状、ピル形状、トーラス形状、入れ子リングの組、多面体状、等であり得る。例えば、ピラミッド構造300及び球状構造310が、
図3A及び
図3Bにそれぞれ示されている。面は、形状に依存して、平坦であっても、湾曲していても、またはその両方であってもよい。また、幾つかの実施形態では、少なくとも幾つかのセルが、少なくとも幾つかの他のセルとは異なる形状を有していてもよい。各面(面がある場合)は、中実でも、開放していても、または、部分的に開放していてよい。
【0069】
幾つかの実施形態では、折り紙/切り紙技術を用いることにより、他の関節形状が可能である。これらの実施形態では、(打ち上げ中の高密度パッキングのため)収納された形状と、軌道内に置かれた時の開放形状または部分的開放形状と、が存在し得る。これらのフレーム形状は、フレーム内に含まれるペイロード/センサの組み合わせと、各々の固有の物理的要件と、に基づいて選択され得る。
【0070】
図1、
図2A及び
図2Bは、立方体フレーム形状に基づく一実施形態を示している。他の角柱形状(ピラミッド状、正十二面体状など)が、
図1、
図2A及び
図2Bに示されたのと同じ一般的なロジックに従い得る。球状が、(サイズに依存して)より柔軟性を高めることができる、より汎用性の高いフレーム形状であり得る。
図4A乃至
図7は、球状フレームに基づく実施形態を示している。
【0071】
図4Aは、本発明の一実施形態による、それぞれx軸及びy軸上に2つのリング状レール410、420を有する中空球状フレーム400を示す斜視図である。電動式の磁気トラクタ440が、レール410、420の外側を動き回り、レール410、420がそれぞれのリングに沿って回転されることを許容し得る態様で、フレーム400が他のフレームと接続することを可能にする。もっとも、複数のトラクタが他のフレームに接続されたコネクタである場合、そのような動きは、他の接続されたフレームの位置/方向も変更し得る。本発明の範囲から逸脱することなく、任意の数のトラクタ440が使用され得る。
【0072】
この実施形態では、レール、モーション(運動)ガイド、及び、トラクタ、の各用語は、以下を意味する。レールは、例えば金属レールとして、物理的な形態で具体例化され得る移動経路を定義する。モーションガイドは、例えば電磁石を使用して経路を定義し、トラクタが当該経路に沿って移動できるようにする。トラクタは、レール経路に従って、レールに連結されている、及び/または、レールに沿って移動する、あるいは、モーションガイドに沿って移動する、可動ユニットとして定義される。トラクタは、物理的に取り付けられる必要はなく、磁気的にホバリングしていてよい。更に、重力のない宇宙では、トラクタは、例えば光経路レール(例えばレーザビーム)上を移動するように設計され得るため、レールは物理的な実体(エンティティ)である必要がない。提案された概念(発明)を概念的に理解するために、物理的に取り付けられている物理的なレール及びトラクタが、さらに詳細に説明される。
【0073】
また、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の形状または任意の形状の組合せの任意の数のリングまたはレールが使用され得る。例えば、
図4Bは、それぞれx軸、y軸、及びz軸上に3つのリング状レール410、420、430を有する中空球状フレーム400を示している。もっとも、レールは、任意の軸に沿って配置され得るし、不規則な形状であってもよい。例えば
図2Aに示されたコンポーネントのように、コンポーネントは、1または複数のレールに接続され得る。例えば、回転可能なコンポーネントハウジングが、コンポーネントが任意の所望の軸に沿って回転することを可能にし得る。
【0074】
図5Aは、本発明の一実施形態による、レール500の一部の断面図(左)及び側面図(右)を示す。この実施形態では、レール500は、より狭い本体部502と、より広いトラクタ保持部504と、を有している。導電性金属ワイヤなどの導体506が、
図6Aのトラクタ600のようなトラクタに、電力及びデジタルコマンドを提供する。トラクタは、トラクタ保持部504によって所定の位置に保持される。次に、トラクタは、本発明の範囲から逸脱することなく、ホイール、磁石、または任意の他の適切な機構を用いて、レール500の周りを移動し得る。
【0075】
幾つかの実施形態では、レールは、1または複数のトラクタのギアと係合するための歯を含み得る。そのようなレール510が
図5Bに示されている。
図5Aのレール500と同様、レール510は、より狭い本体部512と、より広いトラクタ保持部514と、導体516と、を有している。もっとも、レール510は、
図6のトラクタ610のような1または複数のトラクタによって係合される歯518をも含んでいる。
【0076】
レール510はまた、トラクタがレールに沿って移動することを可能にする力を提供することによって、「歯」518の役割を本質的に果たす、連続するが接続していない一連の電磁気で特徴付けられ得る。この概念は、ブラシレスモータで使用されている電磁技術に従う。電磁的アプローチにより、精密なトラクタの動きが、マイクロメートルの範囲、場合によってはナノメートルの範囲、において正確であることが可能となる。
【0077】
図6Aは、本発明の一実施形態による、磁気トラクタ600の断面図(左)及び側面図(右)を示す。トラクタ600は、レールの保持部上の適所に当該トラクタ600を保持する保持部材601を含んでいる。トラクタ600は、他のフレーム及び/またはトラクタの磁石と係合し得る磁石602も含んでいる。トラクタ600は、レールのトラクタ保持部に接触するホイール604も含んでいる。ホイール604は、それぞれのシャフト607を介して、ブラシレス電気モータ606によって駆動される。電気接点608が、レールの1または複数のワイヤに接触している。
【0078】
同様に、トラクタとレールの接続は、業界で実証済みのダイレクトドライブリニアモータ(DDLM)に従うことができる。DDLMは、平らに配置されて駆動負荷に直接結合されるモータであり、ボール/リードねじ、ラックとピニオン、ベルト/プーリー、及び、ギアボックスの必要性を排除する。幾つかの実施形態では、
図4Bのレール410、420、430などのレールが、DDLMとして構成されたトラクタに結合され得る。
【0079】
この実施形態では、トラクタ600は、当該トラクタ600の動作を制御する回路609を含んでいる。例えば、回路609は、本発明の範囲から逸脱することなく、マイクロコントローラ、トランシーバ、または、任意の他の適切な回路を含み得るが、これに限定されない。特定の実施形態では、制御回路は存在せず、ブラシレス電気モータ606を駆動するためにレールの導体に電力を供給することによって、ブラシレス電気モータ606が制御され得る。
【0080】
図6Bは、本発明の一実施形態による、磁気トラクタ610の断面図を示す。
図6Aの磁気トラクタ600に類似して、トラクタ610は、保持部材611、磁石612及び電気接点618を含む。もっとも、この実施形態では、モータ616がレールの導体により直接駆動され、ギア614を介してレールの歯と係合する。モータ616はギア614を回転させ、トラクタ610をレールに沿って移動させる。さらに、DDLM概念が使用される場合、
図6Bのトラクタ610は、ギア614またはモータ616を含む必要がないであろう。幾つかの実施形態では、トラクタ610への電力は、レールを介して、または、幾つかのリングの中心に位置する低出力レーザビーム(例えば、
図4B参照)を介して、供給され得る。レーザビーム光は、高速移動ミラー(例えば、ガルバノメータ)を介して方向付けられ、トラクタ上に位置する電力変換器(光から電気へ-不図示)に光を当てる。
【0081】
図7Aは、本発明の一実施形態による、入れ子球体フレーム700の側面断面図である。入れ子球体フレーム700は、その周りの様々な位置に磁石712、714が配置された外側球体710を含んでいる。磁石712は、外側球体710の内側に配置され、磁石714は、外側球体710の外側に配置されて、他のセルへの取り付けを容易にするように構成されている。入れ子球体フレーム700は、その周りの様々な位置に磁石722が配置された内側球体720をも含む。
【0082】
内側球体720の磁石722は、外側球体710の磁石712によって引き付けられるか、反発される。例えば、幾つかの実施形態では、磁石712は、固定希土類金属磁石であり得て、磁石722は、電磁石であり得て、磁石722の極性は変更され得る。電磁石722の1または複数の電流を遮断または変更することにより、内側球体720、外側球体710、またはその両方が、必要に応じて回転させられ得る。
図2Aのものと同様に、幾つかの実施形態では、結果的に、内部コンポーネントが、所望の向きに回転され得る。幾つかの実施形態では、外側球体710及び/または内側球体720は、完全にまたは部分的に透明であり得る。例えば、球体710、720は、強化ガラス、アクリル、または他の任意の適切な材料から構成され得て、光が内部コンポーネントに到達し得て、及び/または、伝送(透過)が内部コンポーネントから送出され得る。幾つかの実施形態では、入れ子球体は、入れ子ホバーマン拡張球体の組であり得て、打ち上げ中に部分的に畳まれて、軌道に到達すると拡張する。
【0083】
幾つかの実施形態では、セルは、切り紙と概念的に類似の態様で、完全にまたは部分的に折り畳まれ得る(すなわち、パターン化された平坦な形状の折り畳み)。そのようなセルは、宇宙に到達すると、開放し得る/別の形状をとり得る。そのようなセルは、部分的な折り畳みをも実行し得て、その場でセルの面を変更することもできる。本明細書で説明されるように、完全に折り畳むとは、打ち上げ時にセルが折り畳まれることを意味するが、展開後に必ずしも完全に展開されるとは限らない。例えば、セルは、部分的な位置に保持され得て、その構造を維持し得る。
【0084】
部分的に展開されているが、協調して更に展開できる、幾つかの結合セルを考える。
このアプローチでは、様々な折り畳みファセットが、特定の方向を向いており、多感覚のデータ取得を許容している。構造が更に少し展開されると、他のファセットがターゲットに対する指向性を有し、他の種類の感覚測定を許容する。集合体は、膨張/収縮を受けている時、ホバーマン球体(等速性構造である)に幾らか類似し得る。
【0085】
図7Bは、本発明の一実施形態による、入れ子リングフレーム730の収納形態を示す側面断面図である。この実施形態では、3つの入れ子リング-外側リング740、中間リング750及び内側リング760-が入れ子リングフレーム730内に含まれている。もっとも、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の数の入れ子リング(例えば、2つのリング、10個のリング、等)が使用され得る。本明細書で使用されるとき、「リング」とは、任意のリングまたはフープ状構造であり得て、当該リングは、互いに入れ子になっている限り、完全な球体である必要はない(例えば、楕円体、不規則体等)。実際、異なるリングが、互いから異なる形状を有し得る。
【0086】
外側リング740は、この実施形態では「フレームリング」と呼ばれ、フレーム接続機能を有するトラクタ742を含んでいる(すなわち、トラクタ742が接続機構を提供している)。トラクタ742は、例えば、物理式、電磁式または光誘導式の軌道に沿って、リング740上を電動制御下で移動し得る。トラクタ742は、電力、データなどを、リング740から、フレーム及びフレーム接続構造を有する別のセルに渡すことができる。この実施形態では、外側リング740は、モータ744を介してシャフト780の周りを360度回転することができる。
【0087】
外側リング740内に入れ子にされているのは、それ自身のモータ754を使用してシャフト780の周りを回転可能な中間リング750である。中間リング750内には、モータ764を介してシャフト780の周りを回転できる内側リング760が入れ子になっている。この実施形態では、単一のシャフト780に取り付けられたモータ744、754、764が示されているが、他の実施形態においてはそうである必要はない。例えば、シャフト780は、図示のようにモータ744、754を接続し得るが、電力及び制御構造770に接続されシャフト780に対して90度で出る別のシャフト(不図示)が、内側リング760に接続されてもよい。これは、内側リング760が第2の回転軸回りに回転することを許容する。
【0088】
中間リング750及び内側リング760は、また、中間リング750及び内側リング760に沿って所望の位置に移動するそれぞれのトラクタ752、762を有する。
中央には、センサ(すなわち、ペイロード)を実行してトラクタ742、752、762を動かすための、バッテリ、処理及び制御回路、電力制御部、及び、補助装置を含む、電力及び制御構造770がある。トラクタ752、762は、幾つかの実施形態では、レール(すなわち、リング750または760)から電力を捕捉するセンサまたはペイロードを含み得て、幾つかの実施形態では、レールに沿ってまたは無線で中央電力及び制御構造770にデータを送信可能である。電力及びデータは、
図5A及び
図5Bに示されるものと同様に、導体を介して提供され得る。シャフト780はまた、リング740、750、760と電力及び制御構造770との間で電力及びデータを提供する導体(不図示)を含み得る。電力及び制御構造は、例えば
図2Bに示されるものと同様のコンポーネントを収容し得る。
【0089】
図7Bの実施形態は、格納時または打ち上げ中の平坦形態を示している。軌道に到着すると、リング740、750、760は、格納された平坦面から任意の所望の角度にまで回転し得て、一方、リング740及びトラクタ742は、別のセルとの相互接続を可能にするべく回転/移動し得る。他の実施形態と同様に、様々なセルが一緒に結合され得て、所望の構造を有するセルの集合体を形成し得る。
【0090】
図8Aは、折り紙技術を使用して球体に変形する厚いオフセットパネル800を図示している。理解されるように、複数のパネルが、左上の画像の不規則な初期形状から右上の画像の球形に移行する。この画像の出典は、M.R.モルガン及びR.L.ラングによる「オフセットパネル技術を使用した厚い折り紙の製品応用の開発に向けて」Mech.Sc.7、69頁~77頁(2016)である。当該文献は、当該参照により本明細書に組み込まれ、更なる詳細を提供する。
図8Bは、折り紙構造810を捩って風車を作ることを図示している。この画像の出典は、エドウィンA.ペラザ-ヘルナンデス、ダレンJ.ハートル、リチャードJ.マラクJr、及び、ディミトリスC.ラゴーダによる「折り紙に触発されたアクティブ構造:合成とレビュー」Smart Materials and Structures DOI:10.1088/0964-1726/23/9/094001(2014年8月)である。当該文献も、当該参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
そのような折り畳み応用は、宇宙船にも想定されるが、その設計及び用途は新規なものである。折り畳み可能な折り紙に触発された構造が開放し始める時、「面」が指す(向く)方向が移動する。そして、様々な部分的に開放された状態において、選択された数の面が特定の方向を指す(向く)。また、構造が更に開放されると、これらの面は異なる方向を指し(向き)、また、他の面が「視界内に入る(見えるようになる)」。
【0092】
本発明の実施形態では、様々な形態が可能である。立方体形状が、本明細書において、概念を容易に説明するために使用されているが、実施形態は立方体形態に限定されない。例えば、
図9Aは、「ライン」内に配置された6つの立方体セル910のアレイ900を図示している。ここで、暗い影付きのセルは、現在外側を向いている面が上を向くように、回転する(つまり、当該セルの全体が回転可能である)。残りのセルは固定されたままである。
【0093】
より複雑な再配置も可能である。例えば、
図9Bは、N×Nアレイからラインに変形するセル910のアレイ900を図示している。個々のセル910が、他のセル面に隣接するように回転する。このようにして、最初に2つのセルの3行に配置されたアレイ900は、トポロジーを変更して、6つのセルの1行を形成する。トポロジーの変化は、完全な分離と自由飛行操作によっては影響されず、本実施形態では運動量の推進を提供するリアクションホイールを使用して(場合によっては急ブレーキを伴って)磁気的/電磁気的「ヒンジ」回りに回転することで影響される。
【0094】
図10は、本発明の一実施形態による、球形セル1010のアレイ1000を示す側面図である。この実施形態では、セル1010は、
図7Aまたは
図7Bに示されたものと設計が類似していてよい。隣接する他のセルの磁石と整列するように、セル内の磁石が回転され得る。このようにして、セルは、互いに「転がり」得て、分子(例えばポリマー)に似た形状を取る。また、
図10は、
図7Bに示された実施形態との可能な相互接続を示している。そこでは、セルがトラクタ(各リングフレーム構造に1つ)によって接続されている。
図10は、集合体が角柱ではない形態またはトポロジーを有し得ることを示している。
【0095】
幾つかの実施形態では、セルは、ミッションなしで、または、不完全なミッションで、宇宙内に展開され得る。セルは、その後に、軌道上で、所望のミッションを実行するべく、あるいは現在のミッションを変更するべく、プログラムされ得る。さらに、微小重力環境では、地球上で可能であるよりも、かなり大きくて異なる構造が構築され得る。
【0096】
幾つかの実施形態において、セルは「駆動」され得て、軌道内に既に配置されている大きなトラス構造物(例えば、長さ1km)に結合させられ得る。そのような実施形態では、セルは、機械的支持とユーティリティ(例えば、電力、信号、通信、推進剤伝達、熱伝達など)との両方のためにトラスを使用するべくトラスに取り付けられ得る。トラスへの接続は、セル間の接続に似ていてよい。幾つかの実施形態において、セルは、打ち上げ中に、トラスの部分(一部)を運び、他のセルと接続する時、大きなバックボーントラスが形成される。これは、成長するシステム「有機的組織体」のための機械的支持体及びユーティリティとして機能する。
【0097】
図11は、本発明の一実施形態による、セルベースの宇宙システムを展開して再構成するプロセスを示すフローチャート1100である。このプロセスは、工程1110でセルを展開することから始まる。例えば、セルは、宇宙へと打ち上げられ、配送船やディスペンサによって展開され得るか、軌道内に載置され得る。そこでは、それら自身の推進能力が、(スタートラッカを介しての)姿勢制御と結合され(協働して)、それらを合流場所へと推進する。セルは、特定の構造を形成するべく結合する。その後、工程1120で、最初のミッションがセルに伝送される。セルは、工程1130で、ミッションを受信し、それに従って自身を構成する。例えば、セルが通信アレイの形成を担当付けされる場合、当該セルは平面形態に自身を方向付け得て、同じ方向を向くように通信面を方向付け得る(または各セル内の通信機器を回転させ得る)。
【0098】
工程1140で、新しいミッションがセルに伝送される。その後、工程1150で、セルは、新しいミッションを受信し、それに従って自身を構成する。このプロセスは、セルを部分的に結合解除/ホップ/回転させて任意の所望のミッションを実行するために、所望の頻度で繰り返され得る。
【0099】
図12は、本発明の一実施形態による、セルの動作を制御するように構成されたコンピューティングシステムを図示するブロック図である。コンピューティングシステム1200は、情報を通信するためのバス1205または他の通信メカニズム(例えば、実際の物理的なハードウェアではない「ローカルクラウド」)、及び、情報を処理するためにバス1205に結合されたプロセッサ1210、を含んでいる。幾つかの実施形態では、通信は、無線、ハードワイヤード、または、レーザー遠隔測定を介した大規模な衛星構造向け、であり得る。プロセッサ1210は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはそれらの任意の組み合わせ、を含む、あらゆるタイプの汎用または特定用途向けプロセッサであり得る。プロセッサ1210は、複数の処理コアを有し得て、少なくとも幾つかのコアは特定の機能を実行するように構成され得る。幾つかの実施形態では、マルチパラレル処理が利用され得る。コンピューティングシステム1200は、プロセッサ1210によって実行される情報及び命令を格納するためのメモリ1215を更に含んでいる。メモリ1215は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、キャッシュ、磁気または光ディスクなどの静的ストレージ、または、任意の他のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体、またはそれらの組み合わせ、の任意の組み合わせ、で構成され得る。メモリ1215は、セル上、地上(すなわち地球上)、インターネットクラウド内、または、それらの任意の組み合わせ、に配置され得る。加えて、コンピューティングシステム1200は、通信ネットワークへのアクセスを無線で提供するために、トランシーバ及びアンテナなどの通信デバイス1220を含んでいる。
【0100】
セル集合体のためのソフトウェアアーキテクチャが分配され得て、モバイルソフトウェアを呼び出し得る。これは、制御を提供してシステムを形態変更に適応可能にするだけでなく、サイバー攻撃から保護する(例えば、セルの損失と交換、「悪役」または無能なセルの隔離、など)。幾つかの実施形態で集合体全体に対して想定される制御スキームは、特定の衛星機能のための制御(例えば、姿勢制御、熱制御、通信制御、画像データ取得及び分析、データダウンリンクなど)が与えられるセルの必要数(必ずしも結合されなくてよい)で動作し得る。必要数は、動的にリーダーを選出し得る。リーダーのグループは、重要な衛星機能を制御し、コンセンサスによって衛星ミッションを実施する。
【0101】
非一時的なコンピュータ可読媒体は、プロセッサ1210によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得て、揮発性及び不揮発性媒体の両方、取り外し可能及び取り外し不能媒体の両方、及び、通信媒体、を含み得る。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または、搬送波または他のトランスポートメカニズムなどの変調データ信号内の他のデータ、を含み得て、また、任意の情報配信媒体を含む。
【0102】
メモリ1215は、プロセッサ1210によって実行される時に機能性を提供するソフトウェアモジュールを格納する。当該モジュールは、コンピューティングシステム1200用のオペレーティングシステム1225を含む。当該モジュールは、更に、本明細書で説明されるアプローチまたはその派生物のいずれかを使用することによりセルの動作を促進するように構成されたセル制御モジュール1230を含む。コンピューティングシステム1200は、追加機能を含む1または複数の追加機能モジュール1235を含み得る。
【0103】
当業者は、「システム」が、組み込みコンピューティングシステム、コンピュータ、サーバー、または、任意の他の適切なコンピューティングデバイス、または、デバイスの組み合わせ、として具現化され得ることを、理解するであろう。前述の機能を「システム」によって実行される対象として示したことは、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の多くの実施形態の一例を提供することを意図するものである。実際、本明細書で開示される方法、システム及び装置は、クラウドコンピューティングシステムを含むコンピューティング技術と整合性のある局所的及び分散的な形態で実装され得る。
【0104】
本明細書で説明されたシステムの特徴の一部は、実装の独立性をより強調するために、モジュールとして提示されている、ということが留意されるべきである。例えば、モジュールは、カスタム式の超大規模集積(VLSI)回路またはゲートアレイ、ロジックチップ、トランジスタまたは他の個別部品などの既製の半導体、を含むハードウェア回路として、実装され得る。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス、グラフィックス処理ユニットなどの、プログラマブルハードウェアデバイスで実装されてもよい。
【0105】
モジュールは、また、様々なタイプのプロセッサによる実行のために、ソフトウェアで少なくとも部分的に実装され得る。実行可能コードの識別される単位は、例えば、オブジェクト、プロシージャまたは関数として編成され得る、コンピュータ命令の1または複数の物理的または論理的ブロックを含み得る。それにもかかわらず、識別されたモジュールの実行可能ファイルは、物理的に一緒に配置される必要はなく、異なる場所に格納された異なる命令を含み得るが、それらは、論理的に結合されると、モジュールを構成して、モジュールの指定された目的を達成する。更に、モジュールは、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュデバイス、RAM、テープ、または、データを格納するために使用される任意の他のそのような媒体、であり得るコンピュータ可読媒体に格納され得る。メモリは、セル上、地上(つまり地球上)、インターネットクラウド内、または、それらの任意の組み合わせ、に配置され得る。
【0106】
実際、実行可能コードのモジュールは、単一の命令または多数の命令であり得て、幾つかの異なるコードセグメントに亘って、異なるプログラム間で、及び、幾つかのメモリデバイスに亘って、分配(分散)され得る。同様に、動作データが、ここではモジュール内で特定及び説明され得て、任意の適切な形式で具現化され得て、任意の適切なタイプのデータ構造内で編成され得る。動作データは、単一のデータセットとして収集され得て、あるいは、異なるストレージデバイスを含む異なる場所に分配され得て、少なくとも部分的に、システムまたはネットワーク上の電子信号としてのみ存在し得る。
【0107】
図11で実行されるプロセスステップは、本発明の実施形態に従って、少なくとも
図11に示されたプロセスを実行するためのプロセッサ用の命令を符号化したコンピュータプログラムによって実行され得る。コンピュータプログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体上で具現化され得る。コンピュータ可読媒体は、ハードディスクドライブ、フラッシュデバイス、RAM、テープ、または、データを格納するために使用される任意の他のそのような媒体、であり得るが、これらに限定されない。メモリは、セル上、地上(つまり地球上)、インターネットクラウド内、または、それらの任意の組み合わせ、に配置され得る。コンピュータプログラムは、プロセッサを制御して
図11に示されたプロセスを実行するための符号化された命令を含み得る。これは、コンピュータ可読媒体上に保存されてもよい。
【0108】
コンピュータプログラムは、ハードウェア、ソフトウェア、または、ハイブリッド実装、で実装され得る。コンピュータプログラムは、互いに動作可能に通信するモジュールで構成され得て、情報または命令を表示装置に渡すように設計される。コンピュータプログラムは、汎用コンピュータまたはASICで動作するように構成され得る。
【0109】
全体的に説明され図面に図示された通り、本発明の様々な実施形態の構成要素は、多種多様な異なる形態で配置及び設計され得る、ということが容易に理解されよう。従って、添付の図面に示されるように、本発明のシステム、装置、方法、及び、コンピュータプログラム、の実施形態の詳細な説明は、特許が請求される本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の選択された実施形態の単なる代表例に過ぎない。
【0110】
本明細書を通して説明される本発明の特徴、構造または特性は、1または複数の実施形態において、任意の適切な態様で組み合わせられ得る。例えば、本明細書を通して「特定の実施形態」、「幾つかの実施形態」または類似の用語への言及は、当該実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。従って、本明細書を通して「特定の実施形態において」、「幾つかの実施形態において」、「他の実施形態において」または類似の文言の出現は、必ずしも全て同じ実施形態のグループに言及するとは限らず、記載された特徴、構造または特性は、1または複数の実施形態において任意の適切な態様で組み合わせられ得る。
【0111】
本明細書を通して、特徴、利点または類似の用語の参照は、本発明で実現され得る全ての特徴及び利点が、本発明の任意の単一の実施形態において存在すべきであるとは意味していない、ということが留意されるべきである。むしろ、特徴及び利点に言及する文言は、一実施形態に関連して説明された特定の特徴、利点または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれる、ということを意味すると理解される。従って、本明細書を通して、特徴、利点または同様の文言の議論は、必ずしもそうではないが、同一の実施形態に言及する場合がある。
【0112】
本明細書を通して、特徴、利点または類似の用語の参照は、本発明で実現され得る全ての特徴及び利点が、本発明の任意の単一の実施形態において存在すべきであるとは意味していない、ということが留意されるべきである。むしろ、特徴及び利点に言及する文言は、一実施形態に関連して説明された特定の特徴、利点または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれる、ということを意味すると理解される。従って、本明細書を通して、特徴、利点または同様の文言の議論は、必ずしもそうではないが、同一の実施形態に言及する場合がある。
【0113】
更に、本発明の記載された特徴、利点及び特性は、1または複数の実施形態において任意の適切な態様で組み合わせられ得る。当業者は、特定の実施形態の特定の特徴または利点のうちの1または複数がなくても、本発明が実施され得る、ということを認識するであろう。他の例では、本発明の全ての実施形態に存在しない可能性がある追加の特徴及び利点が、特定の実施形態において認識され得る。
【0114】
当業者は、前述の本発明が、異なる順序の工程で、及び/または、開示されたものとは異なる形態のハードウェア要素で、実施され得る、ということを容易に理解するであろう。従って、本発明はこれらの好ましい実施形態に基づいて説明されたが、本発明の精神及び範囲内に留まりながら、特定の修正、変形及び代替構成が明らかであることは、当業者には自明であろう。従って、本発明の境界を決定するために、添付の特許請求の範囲が参照されるべきである。
なお、出願時の請求項は以下の通りである。
<請求項1>
セルであって、
複数の結合されたセルに基づいてより大きな構造のアセンブリを可能にするために、当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームと、
前記フレーム内に収容され、及び/または、前記フレームに取り付けられた複数のコンポーネントと、
を備え、
前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、ソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有している
ことを特徴とするセル。
<請求項2>
前記フレームの少なくとも一部が、開放されている
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項3>
前記フレーム内または前記フレーム上に収容された回転可能なコンポーネントハウジング
を更に備え、
前記回転可能なコンポーネントハウジングは、前記フレームに回転可能に接続され、少なくとも1つの軸線回りに回転可能であり、
前記複数のコンポーネントは、前記回転可能なコンポーネントハウジング上において互いに異なる位置に配置されており、
前記回転可能なコンポーネントハウジングを回転させると、各コンポーネントが新しい向きに向けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項4>
前記フレームは、球状、ピル形状、トーラス形状、正多角形や不正多角形の多面体状、または、入れ子リングの組状、である
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項5>
前記フレームは、複数の開口面と複数の壁とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項6>
前記複数の開口面は、複数の支持体及び前記複数の壁のうちの少なくとも1つの縁部によって画定される
ことを特徴とする請求項5に記載のセル。
<請求項7>
前記フレームは、少なくとも1つの壁と少なくとも1つの支持体との間に複数のヒンジを有しており、
前記複数のヒンジは、前記フレームが少なくとも部分的に畳まれるか折り畳まれることを可能にするように構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載のセル。
<請求項8>
前記接続機構は、前記複数の壁及び前記複数の支持体上に配置された磁石または電磁石を有する
ことを特徴とする請求項6に記載のセル。
<請求項9>
前記接続機構は、複数の回転可能な機械的または電気機械的なインターロック、ボールベアリングタイプの係止機構、または、それらの任意の組み合わせ、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項10>
前記フレームは、受動的または能動的な熱伝導機構を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項11>
電気を提供するように構成された太陽電池と、
前記太陽電池に動作可能に接続され、当該セルに電力を供給するように構成された少なくとも1つのバッテリと、
隣接するセルに電力を供給し、及び、隣接するセルから電力を受け取るように構成された少なくとも1つの電源コネクタと、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項12>
セルの機能性を維持し、フライト及びミッション動作を制御するように構成されたフライトコンピュータと、
推進力を提供するように構成された複数のスラスタと、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項13>
電力、通信信号、熱、推進剤、または、それらの任意の組み合わせ、を隣接するセルに運ぶように構成された複数のコネクタを含むサービスポート
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項14>
前記複数のコンポーネントは、ブレーキ能力を有するリアクションホイールを有しており、
当該セルは、前記リアクションホイールに十分なトルクを発生させて当該セルを隣接するセルから接続解除するように構成されたフライトコンピュータを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項15>
前記複数のコンポーネントは、ブレーキ能力を有するリアクションホイールを有しており、
前記セルは、フライトコンピュータを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項16>
前記フライトコンピュータは、前記リアクションホイールに十分なトルクを発生させて当該セルを隣接するセルに制御可能に接続するように構成されている
ことを特徴とする請求項15に記載のセル。
<請求項17>
前記フライトコンピュータは、少なくとも1つの他の結合セルのフライトコンピュータ及びリアクションホイールと協働して、前記リアクションホイールに反トルクを発生させて、1つのセルが隣接するセルから接続解除している時に当該セル及び前記少なくとも1つの他の結合セルを混乱から安定化させるように構成されている
ことを特徴とする請求項15に記載のセル。
<請求項18>
当該セルは、集合体を形成するために複数の他のセルと結合されており、
前記複数のセルのうちの各セルは、フライトコンピュータと、ブレーキ能力を有するリアクションホイールと、を有しており、
前記複数のセルのフライトコンピュータは、当該結合された集合体に沿ってのホッピング、回転、及び/または、「ローリング」する運動操作を介した個々のセルの選択的移動により、各々のセルのリアクションホイールを制御して当該集合体のトポロジーまたは形状を変更するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項19>
前記フレームは、複数のレールを有しており、
前記接続機構は、前記複数のレールの各々に沿って移動するように構成された複数のトラクタを有している
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項20>
前記フレームは、少なくとも部分的に透明な外側球体と、前記外側球体内に配置された少なくとも部分的に透明な内側球体と、を有しており、
前記複数のコンポーネントは、前記内側球体内に収容されており、
前記外側球体及び前記内側球体は、前記コンポーネントの向きが変更され得るようにそれらの極性の少なくとも一部が切り替えられる時に前記内側球体を回転させるように構成された、複数の電磁石を含み、
前記接続機構は、前記外側球体の外側に位置している
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項21>
当該セルは、1または複数の他セルと連結して集約的に集合体を形成するように構成されており、
前記集合体は、様々なミッションを実施するセル配置のために、再構成可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項22>
当該セルは、1または複数の他セルと連結して集約的に集合体を形成するように構成されており、
前記集合体は、あるミッションを実施するために連結解除された複数のセグメントに分解され、その後、再グループ化されて再構築される
ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
<請求項23>
セルであって、
当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームと、
前記フレームに回転可能に接続され、少なくとも1つの軸線回りに回転するように構成された、回転可能なコンポーネントハウジングと、
前記回転可能なコンポーネントハウジング上において互いに異なる位置に配置された複数のコンポーネントと、
を備え、
前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、広がっていて格納され得るソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有しており、
前記回転可能なコンポーネントハウジングを回転させると、各コンポーネントが新しい向きに向けられる
ことを特徴とするセル。
<請求項24>
前記フレームの少なくとも一部が、開放されている
ことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項25>
前記フレームは、複数の開口面と複数の壁とを含む
ことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項26>
前記複数の開口面は、複数の支持体及び前記複数の壁のうちの少なくとも1つの縁部によって画定される
ことを特徴とする請求項25に記載のセル。
<請求項27>
前記フレームは、少なくとも1つの壁と少なくとも1つの支持体との間に複数のヒンジを有しており、
前記複数のヒンジは、前記フレームが少なくとも部分的に畳まれるか折り畳まれることを可能にするように構成されている
ことを特徴とする請求項25に記載のセル。
<請求項28>
前記接続機構は、前記複数の壁及び前記複数の支持体上に配置された磁石を有する
ことを特徴とする請求項25に記載のセル。
<請求項29>
前記接続機構は、複数の回転可能な機械的または電気機械的なインターロック、ボールベアリングタイプの係止機構、または、それらの任意の組み合わせ、を含む
ことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項30>
前記フレームは、能動的または受動的な熱伝導機構を含む
ことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項31>
電気を提供するように構成された太陽電池と、
前記太陽電池に動作可能に接続され、当該セルに電力を供給するように構成された少なくとも1つのバッテリと、
隣接するセルに電力を供給し、及び、隣接するセルから電力を受け取るように構成された少なくとも1つの電源コネクタと、
を更に備えたことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項32>
セルの動作を維持し、フライト及びミッション動作を制御するように構成されたフライトコンピュータと、
推進力を提供するように構成された複数のスラスタと、
を更に備えたことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項33>
電力、通信信号、熱、推進剤、または、それらの任意の組み合わせ、を隣接するセルに運ぶように構成された複数のコネクタを含むサービスポート
を更に備えたことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項34>
前記複数のコンポーネントは、リアクションホイールを有しており、
当該セルは、前記リアクションホイールに十分なトルクを発生させて当該セルを隣接するセルから接続解除するように構成されたフライトコンピュータを更に備える
ことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項35>
前記複数のコンポーネントは、リアクションホイールを有しており、
前記セルは、フライトコンピュータを更に備える
ことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項36>
前記フライトコンピュータは、前記リアクションホイールに十分なトルクを発生させて当該セルを隣接するセルに制御可能に接続するように構成されている
ことを特徴とする請求項35に記載のセル。
<請求項37>
前記フライトコンピュータは、少なくとも1つの他の結合セルのフライトコンピュータ及びリアクションホイールと協働して、前記リアクションホイールに反トルクを発生させて、1つのセルが隣接するセルから接続解除している時に当該セル及び前記少なくとも1つの他の結合セルを混乱から安定化させるように構成されている
ことを特徴とする請求項35に記載のセル。
<請求項38>
当該セルは、集合体を形成するために複数の他のセルと結合されており、
前記複数のセルのうちの各セルは、フライトコンピュータと、ブレーキ能力を有するリアクションホイールと、を有しており、
前記複数のセルのフライトコンピュータは、当該結合された集合体に沿ってのホッピング、回転、及び/または、「ローリング」する運動操作を介した個々のセルの選択的移動により、各々のセルのリアクションホイールを制御して当該集合体のトポロジーまたは形状を変更するように構成されている
ことを特徴とする請求項23に記載のセル。
<請求項39>
セルであって、
フレームが、複数のレール及び/または運動制御ガイドを有しており、
接続機構が、前記複数のレール及び/または運動制御ガイドの各々に沿って移動するように構成された複数のトラクタを有しており、
前記複数のトラクタは、当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成されている
ことを特徴とするセル。
<請求項40>
前記複数のレールは、積み込みのため、及び、打ち上げ中、平坦な形状に畳まれるように構成されている
ことを特徴とする請求項39に記載のセル。
<請求項41>
前記フレーム内に収容された複数のコンポーネント
を更に備え、
前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、ソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有している
ことを特徴とする請求項39に記載のセル。
<請求項42>
前記フレームに回転可能に接続され、少なくとも1つの軸線回りに回転可能である、回転可能なコンポーネントハウジング
を更に備え、
前記回転可能なコンポーネントハウジングを回転させると、各コンポーネントが新しい向きに向けられる
ことを特徴とする請求項41に記載のセル。
<請求項43>
接続機構を有する少なくとも部分的に透明な外側球体と、
前記外側球体内に配置された少なくとも部分的に透明な内側球体と、
を備え、
複数のコンポーネントが、前記内側球体内に収容されており、
前記外側球体及び前記内側球体は、前記コンポーネントの向きが変更され得るようにそれらの極性の少なくとも一部が切り替えられる時に前記内側球体を回転させるように構成された、複数の電磁石を含み、
前記接続機構は、当該セルを少なくとも1つの他のセルと接続するように構成されており、前記外側球体の外側に位置している
ことを特徴とするセル。
<請求項44>
前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、広がっていて格納され得るソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有している
ことを特徴とする請求項43に記載のセル。
<請求項45>
最外リングと最内リングとを有する複数の入れ子リングと、
前記最内リング内に入れ子にされ、前記複数の入れ子リングのうちの少なくとも1つに接続された、電力及び制御構造と、
を備え、
前記最外リング及び前記最内リングは、前記電力及び制御構造によって制御される時にそれぞれのリングを別々に回転させるように構成された少なくとも1つのそれぞれのモータを有しており、
前記最外リングは、当該セルを少なくとも1つの他のセルと接続するように構成された接続機構を有している
ことを特徴とするセル。
<請求項46>
前記複数の入れ子リングに動作可能に接続されたシャフト
を更に備え、
前記最外リング及び前記最内リングの前記少なくとも1つのモータは、それぞれのリングを前記シャフトの回りに回転させるように構成されている
ことを特徴とする請求項45に記載のセル。
<請求項47>
前記複数のリングのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのコンポーネントを含む少なくとも1つのトラクタを有しており、
前記少なくとも1つのコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、広がっていて格納され得るソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有している
ことを特徴とする請求項45に記載のセル。
<請求項48>
前記接続機構は、複数のトラクタを有している
ことを特徴とする請求項45に記載のセル。
<請求項49>
前記複数のトラクタは、接続されたセルと電力及びデータを交換するように構成されている
ことを特徴とする請求項48に記載のセル。
<請求項50>
前記複数の入れ子リングは、積み込み時、または、打ち上げ中、平坦面内に回転されるように構成されている
ことを特徴とする請求項45に記載のセル。
<請求項51>
複数のセルを備えた集合体であって、
各セルは、
当該セルと少なくとも1つの他のセルとの接続を容易にするように構成された接続機構を含むフレームと、
前記フレーム内に収容され、及び/または、前記フレームに接続された複数のコンポーネントと、
当該特定のセルのフライト及びミッション動作、並びに、相互接続された当該集合体の少なくとも幾つかの機能、を制御するように構成されたフライトコンピュータと、
を備え、
当該セルの前記フレーム内に収容されるか前記フレームに接続された前記複数のコンポーネントは、カメラ、延在するセンサ、光源、無線周波数アンテナ、レーザー遠隔測定トランシーバ、トランシーバ、温度計、放射線検出器、分光計、リアクションホイール、姿勢決定及び制御システム(ADCS)、処理回路、広がっていて格納され得るソーラーアレイ、単一ピクセル画像カウンタ、光子カウンタ、ペイロード、または、それらの任意の組合せ、を有しており、
当該集合体内の前記複数のセルの前記フライトコンピュータは、当該集合体の所望のミッションを実施するべく当該複数のセルを配置するよう、当該複数のセルを制御するように構成されている
ことを特徴とする集合体。
<請求項52>
前記複数のセルのうちの各セルは、フライトコンピュータと、リアクションホイールと、を有しており、
前記複数のセルのフライトコンピュータは、当該結合された集合体に沿ってのホッピング、回転、及び/または、「ローリング」する運動操作を介した個々のセルの選択的移動により、各々のセルのリアクションホイールを制御して当該集合体のトポロジーまたは形状を変更するように構成されている
ことを特徴とする請求項51に記載の集合体。