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▶ フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

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  • 特許-スクリーン製作方法 図1
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  • 特許-スクリーン製作方法 図3a
  • 特許-スクリーン製作方法 図3b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】スクリーン製作方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 39/00 20060101AFI20221109BHJP
   B07B 1/12 20060101ALI20221109BHJP
   B07B 1/18 20060101ALI20221109BHJP
   B07B 1/46 20060101ALI20221109BHJP
   B03B 5/00 20060101ALI20221109BHJP
   B01D 39/00 20060101ALI20221109BHJP
   B21F 31/00 20060101ALI20221109BHJP
   D21D 5/16 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B21D39/00 Z
B07B1/12 Z
B07B1/18
B07B1/46 A
B03B5/00 Z
B01D39/00 B
B21F31/00 Z
D21D5/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020532659
(86)(22)【出願日】2018-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018078317
(87)【国際公開番号】W WO2019115061
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】102017129752.9
(32)【優先日】2017-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506408818
【氏名又は名称】フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D-89522 Heidenheim, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴェアナー ブレットシュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】インゴ カウアー
(72)【発明者】
【氏名】メラニー シェードラー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ブアガー
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-224489(JP,A)
【文献】特開平08-181259(JP,A)
【文献】特開平09-321186(JP,A)
【文献】国際公開第2015/180955(WO,A1)
【文献】特開昭61-119793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 39/00
B21F 31/00 - 33/02
D21D 5/16
B07B 1/12 - 1/18
B07B 1/46
B03B 5/00
B01D 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の成形ロッド(1)を有する円筒形スクリーン装置を製作する方法であって、前記スクリーン装置では、円筒軸線(2)に対して垂直に延在するリング状の、互いに離間して位置する複数のロッド保持体(3)の外面に、縁部側で開かれた凹部(4)が設けられており、前記凹部(4)の形状は、前記成形ロッド(1)のロッド脚部に実質的に相補的に相当しており、前記ロッド脚部よりも僅かに大きく、前記成形ロッド(1)は、互いに平行かつ前記円筒軸線(2)に対して平行に、前記凹部(4)内に装着される、方法において、
前記成形ロッド(1)を、半径方向外側から前記成形ロッド(1)に作用する力を介して、形状接続が形成されるまで前記凹部(4)内へと押圧をし、
半径方向の前記押圧を半径方向外側から前記成形ロッド(1)に作用する複数のポンチ(5)を介して行い、前記複数のポンチ(5)は前記ロッド保持体(3)の全周にわたって分配配置されている ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ロッド保持体(3)の前記凹部(4)内における前記成形ロッド(1)の位置固定を、専ら、前記成形ロッド(1)の半径方向の押圧時に生じるクランプによって行う、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記成形ロッド(1)の前記半径方向の押圧の間、前記ロッド保持体(3)の内面には、支持力または曲げ力を加えない、請求項または2記載の方法。
【請求項4】
前記ポンチ(5)は等間隔で、前記ロッド保持体(3)の全周にわたって分配配置されている、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記ポンチ(5)はそれぞれ複数の成形ロッド(1)に作用する、請求項1からのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記ポンチ(5)は半径方向可動にガイドされている、請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記ポンチ(5)は、前記円筒軸線(2)に対して軸方向で位置固定されている、請求項記載の方法。
【請求項8】
前記ポンチ(5)の、前記成形ロッド(1)の方向に面したプレス面は、凹状に形成されている、請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
各ポンチ(5)の前記プレス面は、前記円筒軸線(2)に対して垂直方向で、1つの円区分によって形成されており、前記円区分の半径は、完成した前記スクリーン装置の外径に相当する、請求項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の成形ロッドを有する円筒形スクリーン装置を製作する方法であって、このスクリーン装置では、円筒軸線に対して垂直に延在するリング状の、互いに離間して位置する複数のロッド保持体の外面に、縁部側で開かれた凹部が設けられており、凹部の形状は、成形ロッドのロッド脚部に実質的に相補的に相当しており、ロッド脚部よりも僅かに大きく、成形ロッドは、互いに平行かつ円筒軸線に対して平行に、凹部内に装着される、方法に関する。
【0002】
このような形式の方法により製作可能な円筒形スクリーン装置の使用の公知の例は、製紙産業の圧力選別機で行われるような繊維材料懸濁液の選別である。この場合、懸濁液に含まれる繊維はスクリーンを通過すべきであり、一方、望ましくない固形成分はギャップで退けられ、スクリーン装置から再び排出される。開口は、実質的に細長い形状を有していることにより、すなわちスリットまたはギャップであることにより、繊維状の粒子は、立方体のものよりも、これら両タイプが同程度のサイズであったとしても、容易に通過する。したがって、このような形式の選別技術によっては、繊維材料懸濁液からの繊維状ではない汚染物質の極めて良好な分離作用が可能となる。
【0003】
異なる繊維成分の分離のための使用、いわゆる繊維分類のための使用も考えられる。しかしながら、スクリーン面全体におけるスリット形状の高い精度が前提である。
【0004】
このようなスクリーンバスケットを製作するための可能な方法は、独国特許出願公開第4435538号明細書に示されており、この方法では、成形ロッドが、ロッドのための凹部を備えたC字型の保持リングの塑性変形により挟み込まれる。このためには、このような製作方法に特に適した成形ロッドが使用される。この方法により、製作コストを大幅に下げることができる。この方法は、ロッドが保持リングの外縁に装着されるスクリーンバスケットで使用される。外部から内部へと懸濁液がスリットを通過すべきである場合に(インワード運転モード)、ロッドのこのような配置が選択される。成形ロッドの固定のためには、この場合、保持リングの曲率半径は拡大される。
【0005】
この場合、スクリーン開口の寸法は、極めて僅かな誤差で維持されるのが重要である。スクリーン開口の詰まりを防止するために多くの場合、僅かな間隔を置いてスクリーン面の近くを通過し、油圧パルスを発生させるスクレーパが必要である。したがって、圧力選別機で使用するためのスクリーン装置は、極めて精密に製作されなければならず、高い負荷に耐えなければならない。
【0006】
本発明の課題は、インワード型(zentripetalen)スクリーン装置のできるだけ改善された強度と向上した耐用期間のもとで製造の手間を減じることである。
【0007】
この課題は、本発明によれば、成形ロッドを、半径方向外側から成形ロッドに作用するプレス力を介して、形状接続が形成されるまで凹部内へと押圧することにより解決された。
【0008】
ロッド保持体は、既にリングとして存在しており、通常一体に形成されているので、製造は極めて簡単である。正確な円筒形状のほかに、これにより凹部において、ひいてはスクリーン開口においても、高い精度が得られる。
【0009】
ロッド保持体の凹部の方向に成形ロッドを押圧することにより、成形ロッドと凹部との間の遊びの空間が減じられ、これにより最終的には両部材が相互にクランプされる。クランプに加え、このような塑性変形では、硬度も強化される。
【0010】
多くの場合、ロッド保持体の凹部内における成形ロッドの位置固定を、専ら、成形ロッドの半径方向の押圧時に生じるクランプによって行えば十分であり得る。これが十分ではない場合には、ロッド保持体の成形ロッドは、その凹部内で、溶接、接着等によって固定されなければならない。
【0011】
力の導入が外部からのみ行われる場合には、成形ロッドの半径方向の押圧の間、ロッド保持体の内面には、支持力または曲げ力は加えられず、これにより負荷を受けない。
【0012】
成形ロッドの半径方向の押圧を、半径方向外側から成形ロッドに作用する複数のポンチを介して行うならば、特に簡単に製作が行われる。
【0013】
これらのポンチは、好適には等間隔で、ロッド保持体の全周にわたって分配配置されているのが望ましい。さらに、ポンチの、成形ロッドの方向に面したプレス面は凹状に形成されているのが望ましく、この場合、このプレス面は、好適には円筒軸線に対して垂直方向で、円区分によって形成されており、この円区分の半径は、完成した円筒形スクリーン装置の外径に相当する。これにより、プレス中、ロッド保持体の半径方向外面に力を一層均一に分散させることができる。
【0014】
ポンチがそれぞれ複数の成形ロッドに作用するならば、装置はさらに簡単になる。
【0015】
正確なガイドのために、ポンチは少なくとも半径方向の押圧の間に、半径方向で可動にガイドされるのが望ましく、かつ/または円筒軸線に対して軸方向で位置固定されるのが望ましい。
【0016】
以下に、実施例につき本発明をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】円筒形のスクリーンバスケットを示す概略図である。
図2図1のスクリーンバスケットの概略的な横断面図である。
図3a】半径方向の押圧前の成形ロッド1を含む凹部4を示す図である。
図3b】半径方向の押圧後の成形ロッド1を含む凹部4を示す図である。
【0018】
ロッド保持体3は、一体的なリングとして、例えばレーザー切断によって製作される。これは、スクリーンバスケットの高い形状精度のための基礎である。
【0019】
ロッド保持体3は外面に、均一に分配配置された複数の凹部4を成形ロッド1のために有している。これらの凹部4は、図3aに示したように、十分な遊びを提供するので、成形ロッド1を軸方向でこの凹部を通して問題なく挿入することができる。
【0020】
その結果、円筒軸線2に対して平行に延在する複数の成形ロッド1から成る予備製作されたスクリーンバスケットが形成され、これらの成形ロッド1は、軸方向で互いに離間されて配置された、円筒軸線2に対して垂直に延在する複数のロッド保持体3を介して保持されている。
【0021】
スクリーンバスケットのスクリーン開口は、隣接して位置する複数の成形ロッド1のスリットによって形成される。実際に、このようなスリットは、しばしば0.05~2mmの幅を有している。
【0022】
凹部4内で成形ロッド1を位置固定するために、成形ロッドは、半径方向内側に向かってロッド保持体3内へと押される。このために、図2に示した相応の製作装置では、予備組付けされたスクリーンバスケットの外側に、複数のポンチ5が、特にロッド保持体3に対して均一に分配配置されていて、この場合特にスクリーンバスケットの円筒軸線2に向けられている。
【0023】
この場合、隣接するロッド保持体3の軸方向で互いに隣接して配置されたポンチ5は、1つの共通のポンチ5として形成されてもよい。
【0024】
成形ロッド1とロッド保持体3との間の形状接続を形成するために、ポンチ5を介して成形ロッド1に押圧力が伝達される。これは、全周にわたって、できるだけ均一に行われなければならず、この場合、各ポンチ5はそれぞれ、隣接する複数の成形ロッド1に作用する。このために、成形ロッド1の方向に向いた、全てのポンチ5のプレス面は、それぞれ円区分によって形成されていて、これら円区分の半径は、プレス工程後のスクリーン装置の外径に相当する。プレス工程前の、成形ロッド1によって形成されるスクリーン装置の外径は、プレス工程後の外径よりも僅かに大きいので、プレス工程開始時には、成形ロッド1とプレス面との間には、ポンチ5の中央部分に僅かな遊びが生じている。この遊びは、プレスの開始時、およびこれに伴う僅かなプレス力のもとでは許容されるものであり、プレスが進行するにつれ減少する。
【0025】
これは、スクリーンバスケットの予備組付け(図3a)の際の成形ロッド1導入のための比較的大きな遊びから出発して、凹部4を狭めることに到り、補完的な形状により、成形ロッド1を堅固にクランプすることとなる(図3b)。
【0026】
このような変形は、極めて穏やかかつ均等に行われるので、ロッド保持体3に過度の負荷がかからない。成形ロッド1の付加的な固定は、通常、省くことができる。
【0027】
成形ロッド1を押圧負荷する間、ポンチ5はガイド溝内で軸方向および半径方向でガイドされる。
図1
図2
図3a
図3b