(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】血管系における塞栓物質をフィルタリングするための装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/01 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
A61F2/01
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021013580
(22)【出願日】2021-01-29
(62)【分割の表示】P 2018566543の分割
【原出願日】2018-02-06
【審査請求日】2021-01-29
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513066616
【氏名又は名称】キーストーン ハート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アシュケナジ、アミット
(72)【発明者】
【氏名】ミコブスキー シャメシュ、テゼーラ
(72)【発明者】
【氏名】ポノマレンコ、ヴァレンティン
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0302909(US,A1)
【文献】特表2017-501840(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0243881(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の大動脈弓への経血管デリバリーのための塞栓防止装置であって、前記大動脈弓の側枝血管を塞栓物質から保護するために、前記装置は、
支持フレームと、
フィルタ部材と
を含み、
前記支持フレームは、展開状態にあるときに、前記支持フレームと前記大動脈弓の壁との間に径方向の力を与えるように構成され、前記支持フレームは、
近位部および遠位部を有し、前記近位部に接続点を備え、
前記フィルタ部材は、前記支持フレームに取り付けられ、前記塞栓物質が、前記大動脈弓の前記側枝血管への血液の流入とともに通過することを防止するように構成され
、
パッチまたはステッカーが、前記支持フレームの前記近位部および/または遠位部に配置される、装置。
【請求項2】
ワイヤまたはチューブが、前記支持フレームおよび前記フィルタ部材の下方であって、前記支持フレームの遠位端に向かう、長手方向に配置され、
接続機構が、前記接続点と前記ワイヤまたはチューブとを接続するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記フィルタ部材は、
織込メッシュである、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記フィルタ部材は、
ポリマーから作製される、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記支持フレームは、完全な輪である、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記支持フレームの
前記遠位部
および/または
前記近位部
の少なくとも一方は、バネ部である、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記支持フレームは、
バネワイヤから作製される、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前
記遠位部
および/または
前記近位部の
少なくとも一方の前記バネ部は、前記支持フレームの近位端または遠位端におけるような、前記少なくとも遠位部または近位部の前記バネ部のそれぞれの略中央部に配置され、前記バネ部の力を増加させるように構成される、ループのような、少なくとも1つのバネ要素を含む、請求項
6記載の装置。
【請求項9】
前記フィルタ部材は、ドーム形状である、請求項1~
8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記ドーム形状の前記フィルタ部材は、3次元形状を有する、請求項
9記載の装置。
【請求項11】
前記支持フレームは、ワイヤから形成されているか、または、レーザーカットされている、請求項1~
10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記ワイヤまたはチューブは、経血管デリバリーユニットの一部である、請求項
2記載の装置。
【請求項13】
前記ワイヤまたはチューブは、前記接続点との接続の後に、屈曲されている、請求項
2記載の装置。
【請求項14】
前記ワイヤまたはチューブは、遠位端において、非外傷性である拡張先端部を有する、請求項
2記載の装置。
【請求項15】
前記ワイヤまたはチューブは、前記支持フレームの前記遠位端よりさらに拡張する、請求項
2記載の装置。
【請求項16】
前記接続機構は、前記支持フレームが前記接続点で回転することが可能であるように構成される、請求項
2記載の装置。
【請求項17】
前記支持フレームは、径方向において回転することが防止されている、請求項
16記載の装置。
【請求項18】
前記接続機構は、レーザーカットされたチューブから形成されている、請求項
2記載の装置。
【請求項19】
前記接続機構の近位部分は、前記ワイヤまたはチューブに対してスライドするように構成される、中空の筒体を備える、請求項
18記載の装置。
【請求項20】
前記接続機構の遠位部分は、それ自体の上方に折り返され、その間に前記接続点と接続される間隙を提供する、前記接続機構の一部によって形成される、請求項
18または
19記載の装置。
【請求項21】
前記支持フレームは、予め負荷を掛けられたバネとして構成され、1つの機関として機能し、折り畳まれるか、または収縮される支持フレームを折り畳まれた状態から展開された状態に展開するように構成される、請求項1~
20のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、大動脈内の装置、および、塞栓が、例えば、脳に繋がる動脈のような、大動脈から分岐する動脈に入ることを防止するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塞栓などの粒子は、例えば、血流中で、粒子状物質の存在の結果として形成され得る。粒子状物質は、例えば、心臓内で発生する凝血塊に起因し得る。微粒子は、異物であり得るが、生体組織由来でもあり得る。例えば、アテローム性動脈硬化、または、脂肪質および石灰質の沈着物による血管の硬化は、粒子状塞栓を形成させ得る。さらに、血小板、フィブリン、赤血球、および、活性化された凝固因子が、血管の表面に付着して凝塊を形成し得るので、凝塊は、アテロームの管腔表面上に形成し得る。
【0003】
凝血塊または血栓は、動けない(immobilized)被験者の静脈において、具体的には、寝たきり、または、他の動けない患者の脚部において、形成され得る。そして、これらの凝塊は、血流中で、肺の動脈に移動する可能性があり得て、肺動脈塞栓と呼ばれる、一般的であり、しばしば命にかかわる(often-deadly)病気につながる。塞栓を形成する、これらの血栓の形成およびその後の移動は、心臓または動脈系の他の部分において発生し得て、血液供給の急激な減少、それゆえ虚血の原因となる。虚血による損傷は、しばしば、腎臓、網膜、腸、心臓、四肢、脳、もしくは、他の器官などの器官の組織の壊死、または死にさえもつながる。
【0004】
塞栓は、典型的には、本来、粒子状であるので、これらが生体的な組織への損傷の原因となる前に、このような粒子を血流から除去し、または迂回させる試みにおいて、様々な種類のフィルタが、提案されてきた。
【0005】
様々な医療的な処置は、血管または周囲の組織を乱し得る。これが発生する際に、塞栓などの有害な可能性のある微粒子が、血流中に放出され得る。これらの微粒子は、例えば、これらが脳への血流を制限する場合には、損傷を与え得る。微粒子が血管構造の特定の領域に流れ込むことを遮断するか、または迂回させる装置が提案されてきたが、特定の医療的な処置の間または後に、血流中への有害な可能性のある微粒子の放出に関連するリスクを排除し得ない。
【0006】
血管の微粒子を遮断するか、または迂回させるための改善された装置は、開発中であるが、各血管内の処置は、特有のリスクを呈する。
【0007】
経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation;TAVI)などの血管内の装置および処理は、より進歩しており、改善された使用容易性、血管内安定性、および塞栓防止をこれらの装置に提供する特徴に対する新たなニーズがある。
【0008】
このような装置および処置の改善の可能性のある分野は、脈動性の血流を伴う装置の「ウインドセーリング(windsailing)」、その使用中における装置の周辺部での流体および/または粒子状物質の漏れ、使用中における患者内での確実な位置決め、および/または回収可能性などを含んでいる。
【0009】
したがって、改善された血管内の装置、システム、および/または方法は、有利であり、特により一層の柔軟性、高い費用対効果、および/または、患者への安全性を可能にすることが、有利である。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本開示の実施例は、好ましくは、大動脈弓の側枝血管を塞栓物質から保護するための、患者の大動脈弓への経血管デリバリーのための折り畳み可能な塞栓保護装置を提供するための、添付の特許請求の範囲に記載の装置、システム、または方法を提供することによる、単独または任意の組合せなどで、上述で特定された当該技術における1つまたは複数の欠陥、不利な点、または、問題を緩和、軽減、または、除去することを追求するものである。
【0011】
本開示のいくつかの態様では、大動脈弓の側枝血管を塞栓物質から保護するための、患者の大動脈弓への経血管デリバリーのための塞栓防止装置が記載される。装置は、その中に、支持フレームの少なくとも遠位または近位部が、支持フレームと展開状態にある場合に、支持フレームと大動脈弓の壁との間に径方向の力を与えるために構成されたバネ部である支持フレームを含む。装置は、さらに、支持フレームに取り付けられ、塞栓物質が、大動脈弓の側枝血管への血液の流入とともに通過することを防止するために構成されたフィルタ部材を含む。
【0012】
塞栓防止装置のさらなる実施例は、本明細書および従属請求項により開示される。
【0013】
本明細書で用いられる際の「含む(comprises/comprising)」の用語は、言明された特徴、完全体(integers)、ステップ、または要素の存在を特定するために採用されているが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、要素、または、これらの群の存在を除外するものではないことが、強調されるべきである。
【0014】
本開示の実施例が可能にする、これらの、および他の態様、特徴および利点は、本開示の実施例の以下の説明、添付図面になされる言及から明白であり、かつ、明瞭になる。添付図面における概略図は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】経血管デリバリー(transvascular delivery)のための塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図1B】経血管デリバリーのための塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図2A】経血管デリバリーのための塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図2B】経血管デリバリーのための塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図3A】経血管デリバリーのための組立式の塞栓防止装置の実施例を示している。
【
図3B】経血管デリバリーのための組立式の塞栓防止装置の実施例を示している。
【
図3C】経血管デリバリーのための組立式の塞栓防止装置の実施例を示している。
【
図3D】経血管デリバリーのための組立式の塞栓防止装置の実施例を示している。
【
図4】拡張され、または、拡大されたフィルタ部材を有する経血管デリバリーのための塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図5】バネ効果を改善するためのバネ部の追加実施例を示している。
【
図6】バネ効果を改善するためのバネ部の追加実施例を示している。
【
図7A】装置をデリバリーユニットに接続する実施例を示している。
【
図7B】装置をデリバリーユニットに接続する実施例を示している。
【
図8A】ワイヤまたはチューブを含むデリバリーシステムに接続された塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図8B】ワイヤまたはチューブを含むデリバリーシステムに接続された塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図8C】ワイヤまたはチューブを含むデリバリーシステムに接続された塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図8D】ワイヤまたはチューブを含むデリバリーシステムに接続された塞栓防止装置の一実施例を示している。
【
図9A】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【
図9B】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【
図9C】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【
図10A】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【
図10B】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【
図10C】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【
図11A】ストッパー部材の一実施例を示している。
【
図11B】ストッパー部材の一実施例を示している。
【
図12A】大動脈弓に位置決めされた塞栓防止装置の実施例を示している。
【
図12B】大動脈弓に位置決めされた塞栓防止装置の実施例を示している。
【
図12C】大動脈弓に位置決めされた塞栓防止装置の実施例を示している。
【
図13A】ドーム形状のフィルタ部材の一実施例を示している。
【
図13B】ドーム形状のフィルタ部材の一実施例を示している。
【
図13C】ドーム形状のフィルタ部材の一実施例を示している。
【
図13D】ドーム形状のフィルタ部材の一実施例を示している。
【
図13E】ドーム形状のフィルタ部材の一実施例を示している。
【
図14A】塞栓防止器具の遠位および/または近位端で用いられ得るステッカーまたはパッチの一実施例を示している。
【
図14B】塞栓防止器具の遠位および/または近位端で用いられ得るステッカーまたはパッチの一実施例を示している。
【
図14C】塞栓防止器具の遠位および/または近位端で用いられ得るステッカーまたはパッチの一実施例を示している。
【
図15A】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【
図15B】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【
図15C】装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の開示は、塞栓物質から大動脈弓の側枝血管を保護するための、患者の大動脈弓への経血管デリバリーのための折り畳み可能な塞栓防止装置などの、塞栓防止装置に適用可能な本開示の実施例に焦点を当てている。
【0017】
図1Aは、塞栓防止装置1000を示している。塞栓防止装置は、血管デリバリーユニット内に配置されるために、伸縮可能(crimpable)であるなど、折り畳み可能である。防止装置1000は、支持フレーム10と、支持フレーム10に取り付けられたフィルタ部材11とを含んでいる。いくつかの実施例では、支持フレームは、フィルタ部材11の周辺を完全に囲む完全な輪であり得る。いくつかの実施例では、フィルタ部材11は、支持フレーム10により画定される周囲の外側に(部分的に、または、全体的に)拡張され得ることで、
図4に示されるような、襟部(collar)またはリムを形成している。襟部またはリムは、血管壁の粗いテクスチャとの並置を改善し得る。いくつかの実施例では、襟部またはリムは、フィルタ部材11とは異なる材料から作製され得る。
【0018】
防止装置1000は、支持フレーム10またはフィルタ部材11のいずれかに接続点をさらに含み得る。接続点は、塞栓防止装置1000を経血管デリバリーユニットと接続するために用いられる。好ましくは、接続点は、塞栓防止装置1000の近位部で、中心から外れて配置されている。いくつかの実施例では、接続点は、フィルタメンブレン11および支持フレーム10から間隔を空けたステム上に配置され得る。
【0019】
大動脈内で防止装置1000を位置決めするために、本開示の装置1000は、例えば
図1Bに示されるような、経血管デリバリーユニットに取り付けられて、デリバリーされ得る。経血管デリバリーユニットは、例えばカテーテルまたはシースであり得て、防止装置1001は、当該技術において公知の方法による経血管デリバリーユニットに、またはコネクタ機構20により、取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、経血管デリバリーユニットは、ワイヤ、ロッド、またはチューブ、例えば、テザー、デリバリーワイヤ、またはプッシュワイヤなどの、コネクタ機構20を含み得る。コネクタ機構20は、接続点に接続され得る。いくつかの実施例では、コネクタ機構20は、塞栓防止装置1001に恒久的に接続され得る。これにより、塞栓防止装置1001は、同じコネクタ機構を用いて、デリバリーされ、および取り出され得る。さらに、コネクタ機構20は、医療的な処置中に、塞栓防止装置1001を固定するために用いられ得る。いくつかの実施例では、コネクタ機構20は、塞栓防止装置1001に取り外し可能に接続され得る。
【0020】
支持フレーム10の遠位端および/または近位端は、バネ部12、13から作製され得る。各バネ部12、13は、機関(engine)として機能する、予め負荷を掛けられたバネであり、折り畳まれ、または収縮された塞栓防止装置1000を折り畳まれた状態から展開された状態に迅速に展開し、または開放するように、および支持フレーム10が展開された状態にある場合に、支持フレーム10と大動脈弓の壁との間に径方向の力を与えるように構成されている。バネ部22、23は、開放バネに予め形作られた機関である。バネ部22、23は、塞栓防止装置よりも幅広の半径を有し得る。異なる半径の開口は、異なる力を与え得る。
【0021】
バネ部は、装置1000、および装置と大動脈の壁との間のシーリングの固定を改善し得る大動脈弓との改善された並置を提供し得て、パラフレーム漏れ(paraframe leakage)を減らし得る。バネ部からの力はまた、径方向の力が加えられた際の支持フレーム10の歪みを回避し得る。バネ部12、13からの力はまた、
図12A~12Cにおける実施例に示されるように、ほぼ中間血管の直径に塞栓防止装置1000を位置決めする傾向がある。したがって、改善された自己位置決め、および整列特性を有する塞栓防止装置を提供する。
【0022】
バネ部12、13により与えられる力はまた、ウインドセーリングを減らし得て、ほとんどの場合、なくなる。
【0023】
バネ部12、13は、好ましくはバネ部を形成し、およびバネ特性を与えるために、熱処理される。バネ部は、いくつかの実施例では、開放バネとして形成され、装置が組み立てられる前の防止装置よりも幅広である。
【0024】
バネ部13を近位に配置することにより、改善されたランディング区域の被覆率となる。ランディング区域は、すべてのガイドワイヤが大動脈弓に当たる区域であり、
図12Cにおける符号80を参照されたい。ランディング区域の改善された被覆率およびシーリングは、例えば、ガイドワイヤを防止装置1000の下方に導くことにより、(大動脈弓を通じて)防止装置1000を上方での(に沿った)装置の通過を防止するのに役立ち得る。
【0025】
各バネ部12、13は、浅いU字形状などの屈曲形状を有しているか、または湾曲している。遠位端または近位端のいずれかにおいて、支持フレーム10が1つのバネ部12、13のみを有している実施例において、支持フレーム10の残余は、深いU字形状を有している。この深いU字形状、バネ部12、13と同様のバネ特性を有していない。遠位端および近位端の両方において、支持フレーム10がバネ部12、13を有している実施例において、支持フレームは、バネ部12、13の間に形成された直線中央部18、19を有し得る。直線中心部18、19を用いる場合、これらは、装置が組立てられる前には、実質的に直線状である。装置が組立てられた後に、直線中心部18、19は、支持フレームにおけるバネ部から力により、例えば
図2などのように、膨張するか、または湾曲部を取得し得る。
【0026】
いくつかの実施例では、支持フレーム10は、2つの部分から作製され得て、第1部分は、浅いU字形状に予め形作られ得る遠位バネ部12であり得る。第2部分は、近位バネ部13および側部18、19であり得て、第1部分より深いU字に予め形作られ得る。
【0027】
代替的および/または付加的に、いくつかの例では、支持フレーム10は、2つの部分から作製さえ得て、第1部分は、浅いU字形状に予め形作られ得る遠位バネ部12であり得る。第2部分は、近位バネ部13および(バネ要素となり得る可能性のあるものから離間した)直線ワイヤであり得る側部18、19であり得て、遠位バネ部12に取り付けられる際に、より深いU字形状に形作られる。
【0028】
代替的に、支持フレーム10は、2つの部分からなり得て、第1部分は、浅いU字形状を有し得る近位バネ部13であり得る。第2部分は、遠位バネ部12、および第1部分より深いU字形状に形作られ得る側部18、19であり得る。いくつかの実施例では、直線中央部は、塞栓防止装置の長手方向において、バネ機関として機能し得る。
【0029】
付加的および/または代替的に、いくつかの実施例では、バネ部12、13は、バネ部を形成するために熱処理されるが、支持フレーム10の残余は、熱処理されない。これは、それが血管壁の粗いテクスチャとより良好に適合するので、防止装置1000の大動脈弓壁との並置をさらに改善し得る柔軟性を支持フレーム10に与える。
【0030】
さらに、部位間の接合部などの部位間の遷移部において、力が存在し得る全ての部位を熱処理することにより、大動脈弓の壁に適合され得る。また、ワイヤが熱処理された単一ワイヤから作製される場合、異なる部位を接合するためのコネクタが少なくなり、大動脈弓の壁への部位間の遷移部からの力も改善され得る。
【0031】
バネ部12、13のみを熱処理し、その他の部位をしないことの利点は、バネ部からの力が比較的より強くなるということである。
【0032】
力をさらに改善するために、例えば、支持フレーム10の遠位端において、遠位バネ部12が支持フレームの残余よりも厚肉で、近位で弱くなり得るように、いくつかの部位は、他より厚肉に作製され得る。これはまた、例えば、デリバリーのために、カテーテル内腔に、または、塞栓防止装置を展開する際に、そのような内腔を改善されて存在させるために、支持フレーム10を収縮させることをより簡単にし得る。
【0033】
代替的に、いくつかの実施例では、遠位および近位バネ部の両方が、支持フレームの残より厚肉に作製され得る。これは、近位および遠位端の両方におけるバネの力を改善する。厚肉のバネ部は、支持フレームを開放し得て、薄肉部が、血管壁とより適合する。
【0034】
代替的に、いくつかの実施例では、遠位バネ部12は、近位バネ部13よりも厚肉に作製され得る。付加的に、いくつかの実施例では、中位部18、19は、近位部と同じ厚さに作製され得る。いくつかの実施例では、中位部18、19は、遠位部12と同じ厚さに作製され得る。
【0035】
代替的に、いくつかの実施例では、バネ部および中央部は、厚肉の部位間であり薄肉に作製され得る結合部または遷移部の部位よりも、厚肉に作製され得る。これは、全支持フレームが剛質となる問題を回避すると同時に、全方向に強い力を与える。全支持フレームが剛質となることは、バネ部を閉鎖させ得て、蛇行性の生体構造(tortuous anatomies)を塞栓防止装置で効率的に覆えない。
【0036】
異なる部位の異なる厚さまたは断面を利用することにより、支持フレームは、異なる部位において異なる力を備える構造を有して得られる。付加的および/または代替的に、少なくとも1つの遠位または近位バネ部12、13は、バネ要素14、15を含み得る。バネ要素14、15は、いくつかの実施例では、遠位または近位バネ部12、13のそれぞれの略中央に配置される、ループまたは螺旋、小さいバネまたは他の任意のバネであり得る。バネ要素14、15は、支持フレーム10により大動脈弓の壁に加えられる力を増加させるために、用いられる。
【0037】
上述されたように、バネ部12、13は、支持フレーム10により大動脈弓の壁に加えられる力を増大させるために用いられ、改善された自己安定化効果(self-stabilizing effect)を提供するだけでなく、折り畳み可能な塞栓防止装置と大動脈弓の壁との間のシーリング効果を改善し得る。付加的に、バネ部12、13の使用は、大動脈弓における装置の位置決めおよび自己整列を改善し得る。
【0038】
付加的および/または代替的に、いくつかの実施例では、コネクタ機構20は、支持フレーム10に取り付けられ得て、例えば、近位ループ15を介してコネクタ要素を取り付けることにより、支持フレームとコネクタ機構20との間の接合部において、防止装置が径方向ではなく軸方向に回転することを可能にする。
【0039】
バネ要素、特に近位バネ要素14は、いくつかの実施形態では、装置を長手方向に伸長することにより塞栓防止装置の折り畳み性を改善するために、収縮要素として機能し得る。これにより、塞栓防止装置1000が、小さい直径を有するシース内に収縮されることを可能にしている。
【0040】
バネ要素14、15は、いくつかの実施例では、例えばバネ要素14、15がループである際に、(支持フレームにより画定される周囲/フットプリントに対して)外向きに突出して形成されるか、
図1に示されるように、(支持フレームにより画定される周囲/フットプリントに対して)内向きに突出して形成されるかのいずれかであり得る。1つまたは複数のバネ要素14を内向きに突出して配置するか、または、1つまたは複数のバネ要素14を内向きに形成することは、フィルタ部材11の支持フレーム10への取り付けを改善させる。また、内向きに突出するように配置される1つまたは複数のバネ要素14、15を有することは、支持フレーム10から突出するか、または、支持フレーム10を拡張するものがないので、支持フレーム10と大動脈弓の壁との間の接触を改善させる(大動脈壁の血管組織への円滑な並置、さらには、本明細書で説明される襟部により改善可能である)。
【0041】
支持フレーム10は、バネワイヤなどのワイヤから作製されるか、または、チューブ、リボン、シート、またはフラットワイヤなどからレーザーカットされ得る。支持フレーム10は、単一のワイヤからなり得る。いくつかの実施例では、支持フレーム10は、単撚りワイヤ(twisted single wire)から作製され得る。代替的に、いくつかの実施例では、支持フレーム10は、撚り、編組み、または編込みがなされた少なくとも2本のワイヤから作製され得る。
【0042】
支持フレーム10は、いくつかの実施形態では、非接合リング(joint free ring)から作製され得る。他の実施形態では、支持フレーム10は、少なくとも1つの接合部17を有するリングから形成され得る。接合部17は、例えば、はんだ付け、溶接、圧着のような固定であり得る。
【0043】
支持フレーム10は、長尺形状、実質的に楕円形、横長形、卵形、または円錐スロット形状に形作られ得る。代替的に、円形または長方計などの他の形状が、用いられ得る。大動脈の生体構造は、固体間で変化し得るので、本開示の大動脈内装置の実施例は、様々な大動脈の生体構造に適合するように、形作られ得る。
【0044】
長尺または横長形状の支持フレーム10の一実施例は、
図1Aに示されるような、スロット形状の支持フレーム10であり得る。円錐スロット形状の支持フレーム10を有する折り畳み可能な塞栓防止装置1002は、
図2Aに示されている。楕円形状の支持フレーム10を有する折り畳み可能な塞栓防止装置1003は、
図2Bに示されている。
【0045】
折り畳み可能な装置の寸法は、様々な患者群(例えば、子供と大人)、または具体的な大動脈の生体構造に適応するように、予め寸法化され、および予め形成され得る。支持フレーム10は、いくつかの実施例では、実質的に平面状であり得る。いくつかの実施例では、支持フレーム10は、大動脈弓の直径より約50%大きい折り畳み可能な塞栓防止装置1000が、その内部に設置され得る被験者の大動脈の弦の断面よりも約50%大きいなど、使用中に、それが内部に位置決めされるように構成される大動脈弓の直径よりも大きい幅を有し得る。付加的に、いくつかの実施例では、支持フレーム10は、弓の開口よりも長いより20%長い腕頭動脈の開口より遠位の被検者の上行大静脈の上壁と、左鎖骨下動脈の開口より近位の被検者の下行大静脈の上壁との間の概略的な間隔より20%長いなど、大動脈弓の開口よりも長くなり得る。
【0046】
前述において画定されるように、約50%幅広など支持フレーム10を弓の直径よりも幅広で、かつ、約20%長いなど大動脈弓の開口より長く、支持フレーム10を作製することにより、概略、中間血管の直径に位置決めされる装置の自己位置決めが改善され得るので、大動脈弓壁との並置を改善し得る。これは、塞栓防止装置の展開をより容易にし、また、壁に対するシーリングを改善する。それはまた、脳に血液を供給している、腕頭動脈(innominate(brachiocephalic)artery)、左総頸動脈、左鎖骨下動脈の3方の血管の全ての被覆率を改善し得る。
【0047】
支持フレーム10は、例えば、ニチノールまたは金属、超弾性または形状記憶合金材料、展性化容易材料(readily malleable material)、またはナイロンなどのポリマーから、全体的または部分的に、作製され得る。金属は、例えばタンタルまたは白金を含み得る。
【0048】
フィルタ部材は、典型的には、約50μmから約5mmの間(例えば、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、750μm、1mm、2mm、3mm、4mm、または、5mm)の寸法を有する大動脈における粒子(例えば、塞栓)が、脳に血液を供給している血管(例えば、頭動脈、左総頸動脈、または、左鎖骨下動脈)中を通過することを防止する。したがって、フィルタの孔の1つまたは複数の横方向寸法は、約50μmと約5mmの間(例えば、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、750μm、1mm、2mm、3mm、4mm、または、5mm)であり得る。フィルタは、例えば、ポリマー、ナイロン、ニチノール、または金属、またはこれらの組合せから作製される、複数本の繊維(plurality of fibers)から作製されるメッシュであり得る。繊維は、厚さ約20~50μmであり得る。代替的に、フィルタは、有孔フィルムであり得る。有孔フィルムである際には、有孔フィルムに形成された孔は、変化のある、または変化のない形状の孔(例えば、直線孔または偏菱形孔)を含み得て、フィルムに亘って変化のある、または一定の密度を有し、および/または、一定の、または変化のある寸法を有し得る。フィルタの孔の寸法は、孔の寸法よりも大きい粒子(例えば、塞栓)を透過させない一方、血球(例えば、赤血球(red blood cells, erythrocytes)、白血球(white blood cells, leukocytes)、および/または血小板(platelets, thrombocytes)および血漿の通過を可能にする。本開示のフィルタのメッシュによりフィルタリングされる塞栓は、典型的には、1つまたは複数の次元において、フィルタのメッシュの開口よりも大きい粒子である。
【0049】
いくつかの実施例では、フィルタ部材またはメッシュは、織込繊維から構成され得て、支持フレームに張り付けられることで、その編糸の方位が支持フレームに対して直角ではない角度である。例えば、いくつかの実施例では、メッシュが支持フレームに張り付けられ得ることで、メッシュの織り(縦糸および横糸)または織りが、支持フレームの基部または側部からの角度で、例えば、45°であり得る。いくつかの実施例では、メッシュの織り(縦糸および横糸)は、支持フレームの基部または側部からの角度で、例えば、35~55°などであり、30~60°であり得る。支持フレームに対して直角でない角度で設置される場合には、このような織りが支持フレームに対して直角である場合よりも、メッシュは、より大きな柔軟性をもって、伸び、展開し、または縮み得る。このように、塞栓防止装置の折り畳み性および伸縮性は、有利に改善される。
【0050】
様々なカテーテルまたはシースは、本開示の一部として用いられ得る。血管構造を通して医療的な機器を案内するために構成される、当該技術において公知である任意のカテーテルまたはシースが用いられ得る(例えば、米国特許第5,026,366号明細書に記載されるような、ステント設置カテーテル、アブレーション・カテーテル、または、経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation;TAVI)、または、経皮的大動脈弁置換術(percutaneous aortic valve replacement;PAVR)の処置のために用いられるもの)。付加的および/または代替的に、装置は、6Fサイズ、または、より小さいもの(例えば、1F、2F、3F、4F、5F、または、6F)であり得て、装置の様々な要素の進行を追尾することを容易にするために、放射線不透過性材料を含み得る、ピッグテイル・カテーテルを含み得る。本開示の一部として用いられ得る他のカテーテルは、塞栓症のリスクに関連する処置において用いられる任意のカテーテルを含んでおり、処置の一部として、血管内フィルタを含むことにより、有益である。
【0051】
フィルタ部材11は、実質的に平坦またはドーム形状であり得る。フィルタ部材11のドーム形状は、いくつかの実施例では、概略、支持フレーム10の寸法であり得る。代替的に、いくつかの実施例では、フィルタ部材11は、遠位または近位端で、ドーム形状であり得る。ドーム形状のフィルタメンブレン11は、塞栓防止装置1000の下方の空間を改善し得る。それはまた、より大きいフィルタ領域のため、フィルタリングを改善し得る。
【0052】
本開示の装置は、放射線不透過性要素を含み得る。このような放射線不透過性要素は、装置に張り付けられ、または装置中に含まれ得る。例えば、フレーム、フィルタ、またはカテーテルの部分は、OFTワイヤから構成され得る。このようなワイヤは、例えば、タンタル、および/またはプラチナのコアと、例えば、ニチノールの外側材料とを含み得る。
【0053】
図1Bは、
図1Aに示されるような、本明細書による折り畳み可能な塞栓防止装置100のシステム1001を示している。塞栓防止装置100は、経血管デリバリーユニットと接続されている。経血管デリバリーユニットは、ここでは、ワイヤまたはテザーである、接続機構20を有して示されている。接続機構20は、生体適合性金属から作製され得て、塞栓防止装置100の支持フレームに取り付けられている。フレーム接続機構20は、ここでは、支持フレームのバネ要素に直接的に接続されるように示されている。この取り付けは、ループ、ラッチによって、またはクランプを用いてなされ得る。この取り付けは、シースから装置を押し出すために、充分強く柔軟性がある必要がある。さらに、
図1Bは、塞栓防止装置100を作業ゾーンにデリバリーするために用いられる、塞栓防止装置100をデリバリーするために用いられるチューブまたはシース21を示している。
【0054】
図3Aは、防止装置の支持フレームを製造する1つの方法を示している。
図3Aは、本明細書における、バネワイヤなどの1本のワイヤ1100を示しており、支持フレームの異なる部位を形成するために、熱処理されている。110および111は、ワイヤの2つの端部が接合される際に、遠位および近位のバネ部を形成するバネ部である。バネ部は、予め負荷を掛けられて、直線状に形作られている。したがって、これらは、最終的な装置の幅より大きい開口を有する開放バネである。ワイヤの2つの端部が接合される際に、直線部101は第2直線中央部を提供し、直線部100および102は、1つの直線中央部100を提供する。いくつかの実施例では、直線部は、直線状となるように、熱処理される。代替的に、いくつの実施例では、直線部は、熱処理されない。
【0055】
図3Bは、バネワイヤなどの1本のワイヤ1101から、防止装置の支持フレームを製造する代替的な方法を示している。この実施例では、ワイヤ1101は、支持フレームの異なる部位を形成するために、熱処理されている。130および131は、ワイヤの2つの端部が接合される際に、遠位バネ部および近位バネ部を形成するバネ部である。バネ部は、予め負荷を掛けられて、曲線状に形作られている。バネ部の開口は、ここでは、最終的な装置の幅より大きい。ワイヤの2つの端部が接合される際に、直線部121は第2直線中央部を提供し、直線部120および122は、1つの直線中央部を提供する。いくつかの実施例では、直線部は、直線状となるように熱処理される。代替的に、いくつの実施例では、直線部は、熱処理されない。
【0056】
図3Cは、1本のワイヤ1102から、防止装置の支持フレームを製造する代替的な方法を示している。ワイヤ1102は、複数のテーパ部を有する切削されたワイヤである。図では、3つの薄肉部および2つの厚肉部151、152がある。ワイヤ1102の2つの端部が接合される際に、3つの厚肉部140、141、142は、2つのバネ部を形成するが、薄肉部は、2つの直線中央部に形成され得る。
【0057】
付加的および/または代替的に、いくつかの実施例では、2つのバネ部を形成する3つの厚肉部140、141、142は、バネ要素を有し得る。いくつかの実施例では、2つのバネ部を形成する3つの厚肉部140、141、142は、
図3Bに示されるように、曲線状であり得る。
【0058】
付加的および/または代替的に、いくつかの実施例では、ワイヤ1102は、バネ部のために用いられる部位と同様に、直線中央部のために用いられるために、厚肉テーパ部を含み得る。複数の厚肉テーパ部の間には、異なるバネ部と直線中央部との間の接合部または遷移部を形成する、薄肉部がある。
【0059】
薄肉部の間に厚肉テーパ部を有するワイヤ1102は、1本のワイヤ1102が、異なる部位で異なる力を有する支持フレームとなるように構成されることを可能にし得る。
【0060】
さらに、
図3のような、1本の切削された単一ワイヤ1102を有する代わりに、各部位が、ただ1つの厚肉テーパ部、および、その両側方に薄肉部を備える研削された単一ワイヤから形成され得る。これらの部位は、
図3Dに示されるように、その後、接合され得る。
【0061】
図3Dは、塞栓防止装置1004を示しており、支持フレームは、4つの別個の部位から作製され、機関として機能する。複数の部位は、遠位バネ部22、近位バネ部23、および2つの中央直線部24a、24bを含んでいる。フィルタ部材11は、支持フレームに取り付けられている。
【0062】
遠位および近位バネ部22、23のそれぞれは、バネ要素14、15を有し得る。バネ部22、23は、予め形作られた開放バネである、機関であり、いくつかの実施例では、浅いU字形状を有している。いくつかの他の実施例では、バネ部は、支持フレームが組立てられる前には直線状である。バネ部23、23は、塞栓防止装置より広い半径を有し得る。異なる半径の開口は、異なる力を与え得る。
【0063】
バネ部22、23の間には、直線中央部24a、24bが配置されている。いくつかの実施例では、バネ部22、23は熱処理され、直線中央部24a、24bは熱処理されない。
【0064】
いくつかの実施例では、近位バネ部23および遠位バネ部22は、例えば、異なる量の力を与えることで、異なり得る。遠位バネ部22は、装置1004の固定、および、装置と大動脈壁とのシーリングを改善し得る、大動脈弓壁との改善された並置を提供し得て、パラフレーム漏れを減らし得る。近位バネ部23は、塞栓防止装置のランディング区域を覆っている。ランディング区域は、大腿部で大動脈弓に導入される際に、各ガイドワイヤが、大動脈弓の内管に当たる区域である。したがって、塞栓防止装置と大動脈弓の壁との間のより良好な並置が、利点として得られる。
【0065】
近位端の位置決めのため、強い力は、装置の遠位端ほど、重要ではない。異なる力は、近位バネ部23より厚肉の遠位バネ部22を作製することにより、提供され得る。遠位部22でのバネ要素14はまた、近位バネ部23でのバネ要素15より強い力を与えるように構成され得る。
【0066】
いくつかの実施例では、バネ部22、23の1つのみが、バネ要素14、15を含んでいる。バネ要素14、15はまた、装置の収縮を改善するために用いられ得る。さらに、遠位バネ部22より薄い材料から作製される近位バネ部23を有することはまた、力が近位部23ではより弱くなるので、装置の収縮を改善し得る。
【0067】
図4は、フィルタ要素11が支持フレーム10の外側に拡張し得ることで、襟部またはリム25を形成する折り畳み可能な塞栓防止装置を示している。襟部またはリム25は、血管壁の粗いテクスチャとの並置を改善し得る。そのため、具体的には、脈動性の流れが、大動脈弓の内側の血管組織に対して、襟部またはリムを押すので、周囲のシーリングは、改善され得る。いくつかの実施例では、襟部またはリムは、PTFEまたは繊維、例えばダクロン(登録商標)などの、フィルタ部材11とは異なる材料から作製され得る。襟部は、付加的または代替的に、フィルタを有さない1枚のシート状材料、例えばフィルムなどのフィルタでない構成を有し得る。
【0068】
図5および6は、装置1006遠位バネ部におけるバネ要素14の2つの実施例を示している。同じ種類のバネ要素が、近位バネ部において用いられ得る。
【0069】
いくつかの実施例では、異なるバネ要素が、遠位端および近位端において用いられる。
【0070】
当該技術における当業者は、大動脈弓の壁に対するバネ部の力を改善する同じ効果を達成するために、本明細書において示されるもの以外のバネ要素が用いられ得ることを、容易に認識する。
【0071】
図5は、遠位バネ部を形作るために用いられた材料26から作製されたループ27である、バネ要素14を示しており、ここでは、これは、バネワイヤなどのワイヤとして、示されている。
【0072】
図6は、クランプ29a、29bにより遠位バネ部における間隙に取り付けられたバネ28であるバネ要素14を示している。このように、フレームの断面は、
図6において収縮されているような、中間バネを有することにより、フレームの断面において保持され得る。
【0073】
図7Aおよび7Bは、ワイヤ、ロッド、またはチューブ、例えばテザー、デリバリーワイヤ、またはプッシュワイヤなどのコネクタ機構に、装置1007を接続する2つの実施例を示している。
【0074】
図7Aは、接続点30が、支持フレームの近位バネ部に配置されていることを示している。ここでは、コネクタ機構20は、支持フレームの周りに撚られた撚りワイヤである。いくつかの実施例では、コネクタ機構は、予め設定された角度でロックされている。いくつかの他の実施例では、コネクタ機構20が作製されることで、防止装置は、接続点で、軸方向に回転し得る。いくつかの実施例では、装置は、径方向に回転することを防止されている。いくつかの実施例では、接続は、防止装置を所定の角度で固定するために、作製され得る。
【0075】
図7Bは、接続点30が、支持フレームの近位バネ部に配置されていることを示している。ここでは、コネクタ機構20は、近位バネ部においてループに接続された単一ワイヤ32である。いくつかの実施例では、コネクタ機構20が作製されることで、防止装置は、接続点で、軸方向に回転し得る。いくつかの実施例では、装置は、径方向に回転することを防止されている。いくつかの実施例では、接続は、防止装置を所定の角度で固定するために形成され得る。
【0076】
図8A~8Dは、先導チューブ(leading tube)またはシャフトチューブ35などの、ワイヤ、リボン、またはチューブの上方に配置された、塞栓防止装置1008の一実施例を示している。先導チューブまたはシャフトチューブ35などの、ワイヤ、リボン、またはチューブは、塞栓防止装置1008をデリバリーするために用いられる。ワイヤ、リボン、またはチューブは、一般的に用いられるカテーテル用に用いられるプラスチック、または、ニチノールのような形状記憶合金などの金属のいずれかから、作製され得る。
【0077】
図8Aにおいて、撚りワイヤ36は、コネクタ機構として用いられる。撚りワイヤ36は、バネ要素15に接続された遠位端で、ループ33に形作られており、ここでは、接続点としても機能している。撚りワイヤ36は、少なくともトーンリング34a、34bを用いる、ワイヤ、リボン、またはチューブ35に取り付けられている。
【0078】
ワイヤ36は、ニチノールなどの形状記憶合金から作製され得る。ワイヤ36は、治具上で撚られて、熱処理されたワイヤであるので、柔軟なコネクタ機構に形成され得る。ワイヤ36は、
図8A~8Dに見られるように、ワイヤチューブ屈曲部37に垂直に、塞栓防止装置1008を配置し得る。いくつかの実施例では、装置は、例えば大動脈弓内での展開中に、接続点で、軸方向に回転し得る。いくつかの実施例では、装置は、径方向に回転することを防止されている。オーバ・ザ・ワイヤ配置は、専用の屈曲チューブまたはワイヤ37により、フィルタ部材または支持フレームを上方に押すか、または押し込むことにより、フィルタ部材を支持するのに役立つ。この配置はまた、屈曲チューブまたはワイヤ37により、同じように上方に押すか、または押し込むことにより、塞栓防止装置1008を保持するのに役立つ。この配置はまた、大動脈弓における塞栓防止装置1008の位置決めを改善し得る。
【0079】
図9A~9Cは、塞栓防止装置1009をデリバリーするために用いられる、ワイヤまたはチューブ35の上方に配置されるように接続された、塞栓防止装置1009のさらなる実施例を示している。
【0080】
示された実施例では、接続機構41は、レーザーカットされたチューブから作製されている。接続機構41の遠位端は、接続機構41を塞栓防止装置1009に取り付けるために用いられるループまたは孔38として、カットされている。接続機構41は、フレームまたはループとして形作られたバネ部15のいずれかに取り付けられ得る。接続機構41の遠位端は、
図9Bに見られるように、2つの分岐部を有するように形作られ得て、各分岐部は、ループまたは孔を有している。
【0081】
接続機構41の近位端は、コネクタ39として形成され、接続機構41をワイヤまたはチューブ35に接続するために用いられている。接続機構41をワイヤまたはチューブ35に固定するために、ストッパー40が用いられている。ストッパー40の一例は、
図11Aおよび11Bに示されている。
【0082】
いくつかの実施例では、ストッパー40は、接続機構41を必要とされる位置で、より良好に固定するために、ワイヤまたはチューブ35に溶接されている。
【0083】
いくつかの実施例では、装置は、例えば、大動脈弓内での展開中に、接続点で、軸方向に回転し得る。いくつかの実施例では、装置は、径方向に回転することを防止されている。
【0084】
図10A~10Cは、塞栓防止装置1010をデリバリーするために用いられる、ワイヤまたはチューブ35の上方に配置されるように接続された、塞栓防止装置1010のさらなる実施例を示している。
【0085】
示された実施例では、接続機構42は、レーザーカットされたチューブから作製されている。接続機構42の遠位端は、それに溶接されたリング43を有している。リング43は、接続機構42を塞栓防止装置1010に取り付けるために用いられている。接続機構42は、フレームまたはループとして形作られたバネ部15のいずれかに取り付けられ得る。
【0086】
接続機構42の近位端は、コネクタ44として形成され、接続機構42をワイヤまたはチューブ35に接続するために用いられている。接続機構42をワイヤまたはチューブ35に固定するために、ストッパー40が用いられている。ストッパー40の一例は、
図11Aおよび11Bに示されている。
【0087】
いくつかの実施例では、ストッパー40は、必要とされる位置で、接続機構42をより良好に固定するために、ワイヤまたはチューブ35に溶接されている。いくつかの実施例では、装置は、例えば大動脈弓内での展開中に、接続点で、軸方向に回転し得る。いくつかの実施例では、装置は、径方向に回転することを防止されている。
【0088】
図12Aは、大動脈弓内に配置された防止装置1012を示している。装置は、処置中には、カテーテルまたはシース60によりデリバリーされて、保持されている。示された実施例では、防止装置1012は、大動脈弓の3方向の分岐部を覆っている。
【0089】
図12Bおよび12Cは、大動脈弓内に配置された防止装置1013を示している。装置は、接続機構71により、ワイヤまたはリボンまたはチューブ72と接続されている。装置は、カテーテルまたはシース70によりデリバリーされる。
【0090】
ワイヤまたはリボンまたはチューブ72は、拡張先端部73を有している。拡張先端部73は、非外傷性の先端部であり得る。
【0091】
図12Bおよび12Cは、ワイヤまたはリボンまたはチューブ72の屈曲部が、フィルタ部材または支持部材を上方に押すか、または、押し込むことにより、フィルタ部材を支持するのに役立つことを示している。この配置はまた、屈曲チューブまたはワイヤ72による、同じ上方への押し、または、押し進めにより、塞栓防止装置1013を保持するのに役立つ。
図12Cは、ランディング区域80を示している。
【0092】
いくつかの実施例では、ワイヤまたはリボンまたはチューブ72は、予め屈曲されたもの(pre-bend)であり得る。予め屈曲されたものは、大動脈弓の生体構造の曲面に基づいて、計算され得る。この利点は、塞栓防止装置が大動脈弓内に配置される際に、挿入中、または、処置中に、塞栓防止装置が裏返るのを防止し得ることである。
【0093】
図13A~13Eは、ドーム形状のフィルタ要素1011を作製する方法を示している。ドーム形状のフィルタ要素1011は、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのポリマーから作製された織込メッシュ50から作製され得る。ドーム形状のフィルタ要素1011は、開口または楔51a~51dをメッシュ材料50に刻むことにより、形成され得て、例えば、
図13Aにおける4つの楔を参照されたい。
【0094】
ドーム形状は、その後、各開口または楔51a~51dの端部を接着させることにより、形作られる。接着、熱溶接、超音波溶接などにより、
図13Bに示されるように、シーム52a~52dが得られる。
【0095】
熱成形(heat forming)は、ドーム形状のフィルタ部材1011が、平坦な2次元のメッシュ層から3次元形状を得ることを可能にする。3次元のドーム形状は、
図13C~13Eに示されている。いくつかの実施例では、2次元のドーム形状は、シームレスである。そのため、いくつかの実施形態では、3次元のドーム形状は、
図13C~13Eに示されるように、しわ(cease)なしで形成されている。
【0096】
いくつかの実施例では、ドーム形状などの3次元構造は、フレームに取り付けられて、フレームが拘束されない際に、略平坦に見える。大動脈弓などによってフレームが拘束される際、メッシュは、形成されていた3次元構造に戻る。
【0097】
図14A~14Cは、塞栓防止装置1016の遠位および/または近位端に配置されたステッカーまたはパッチ1014、1015の一実施例を示している。ステッカーまたはパッチ1014、1015は、好ましくはポリウレタンなどの弾性材料から作製され得る。ステッカーまたはパッチ1014、1015は、固体であるか、またはメッシュとして作製されるなど、多孔質であるかのいずれかであり得る。ステッカーまたはパッチ1014、1015は、ダイヤモンドのような形状を有するなど、矩形形状または斜方形状のように形作られ得る。
【0098】
図14Aおよび14Bにおいて、遠位パッチ1015および近位パッチ1014は、斜方形状として、寸法に形成されているが、中央に切欠きを有して、腰部102を形成している。フレーム103の周囲を包むか、または伸ばす材料がより少なく、そこに取り付けられるので、腰部102、104は、ステッカーまたはパッチ1014、1015を塞栓防止装置1016に取り付けることをさらに容易にしている。フレームの湾曲のため、パッチまたはステッカー1014、1015は、円滑にフレーム103の周囲を包むか、または伸ばされずに、フレーム102に取り付けられ得て、フレーム103におけるステッカーまたはパッチ1014、1015において、しわを発生させ得る。これは、
図14Aおよび14Bに示されるような腰部102、104を有することにより、防止され得る。
【0099】
代替的に、いくつかの実施例では、ステッカーまたはパッチ1014、1015は、三角形状であり得る。三角形状の場合、ステッカーまたはパッチ1014、1015は、フレーム103の周囲を包まないが、その代わりに、これらは、塞栓防止装置1016のフィルタの一方側のみに取り付けられる。
【0100】
近位パッチ1014は、
図14Aに示されるように、中央部104に切欠きを有しており、本明細書において上述されたように、接続機構101が、塞栓防止装置1016をワイヤ、リボンまたはチューブに接続するために用いられることを可能にしている。
【0101】
ステッカーまたはパッチ1014、1015は、塞栓防止装置1016のフィルタメッシュに接着されている。ステッカーまたはパッチ1014、1015は、接着剤または接着層を用いて、塞栓防止装置に接着され得る。ステッカーまたはパッチ1014、1015はまた、熱を用いて取り付けられ得る。いくつかの実施例では、ステッカーまたはパッチ1014、1015を塞栓防止装置1016に取り付けるために、接着剤または接着層の両方が、熱とともに用いられる。
【0102】
ステッカーまたはパッチ1014、1015は、収縮される際に、塞栓防止装置1016により大きな力を与え得る。ステッカーまたはパッチは、そうでなければ血栓が形成され得る血液から構造の一部を覆う。
【0103】
ステッカーまたはパッチ1014、1015はまた、遠位および/または近位端において、塞栓防止装置1016のメッシュをフレーム103に取り付けるために、用いられ得る。これは、遠位および/または近位端バネ部が、ループまたは螺旋などのバネ要素を有する場合に、利点を有し得る。メッシュをバネ要素に接着することを回避し、これに代えて、これらの点で、メッシュの遠位端近位端をフレームに取り付けるために、ステッカーまたはパッチ1014、1015を用いることにより、バネ要素は、これらがメッシュにより、または接着剤により、制限されないので、より効果的であり得る。これは、フレームおよびバネ要素を覆って伸ばされる腰部102、104において、接着剤などの任意の接着手段を有さないことにより、達成され得る。
【0104】
図15A~15Cは、装置をデリバリーユニットに接続する、さらなる実施例を示している。
図15A~15Cに示される実施例は、
図8~11に関して説明された実施例と同様である。
図15Aに示されるコネクタ機構111は、遠位端部112および近位端部110を有している。遠位端部は、塞栓防止装置のフレームに接続されるように、設計されており、近位端部は、塞栓防止装置の下を通るワイヤ、チューブまたはリボンに接続されるように、設計されており、例えば、
図8Bおよび12Bおよび12Cを参照されたい。コネクタ機構111の近位端部110は、中空の円筒体を形成しており、これが確実にロックされるまで、ワイヤ、チューブ、リボン114(図では、ワイヤ、チューブまたはリボンのごく一部のみが示されている)に対して、外嵌され得る。
【0105】
このロックは、コネクタ機構111の近位端部の第1ロック部材113が、ワイヤ、チューブまたはリボンの第2ロック部材115と係合することによって、なされ得る。第1ロック部材113は、中空の円筒体内で曲げられて、ワイヤの孔または窓115と係合する、レッチであり得る。孔または窓は、レッチと同じ幅を有し得て、レッチが孔または窓と係合した後の、ワイヤ、チューブまたはリボンの周囲でのコネクタ機構111の回転を防止している。
【0106】
代替的に、ワイヤ、チューブまたはリボンの第2ロック要素115は、外側に曲げられることで、コネクタ機構111の近位端部110の第1ロック要素113と係合し得る、孔または窓であるレッチであり得る。再度記載するが、孔または窓は、塞栓防止装置の回転を回避するために、レッチと同じ幅を有し得る。
【0107】
接続機構の遠位端部112は、コネクタ機構111の一部をそれ自体の上に折り返し、その間にワイヤなどの塞栓防止器具のフレームがスライドされ得る間隙118を提供することによって形成される。遠位端部112の遠位端は、より広い間隙117を有し得る。より広い間隙117は、塞栓防止装置のフレームの直径と同様の直径を有するように構成され得る。
【0108】
この配置は、塞栓防止装置に力を加える際に、フレームとコネクタ機構111との間の接合部において、径方向ではなく軸方向に回転可能性を与える一方、フレームが、遠位端部112において、堅固に配置されることを可能にしている。
【0109】
間隙118、117において、フレームをロックし、これが滑って外れることを防止するために、ロックリング116が、遠位端部112の折り返し部に対して、外嵌されている。ロックリング116は、ロックリング116に貫通する孔よりも幅広である折り返し部の部位119を有することにより、ロックされている。折り返し部の幅広部は、ロックリング116が外嵌される際に収縮され、その後に、ロックリング116が、滑って外れることを防止するように膨張する。折り返し部の幅広部の柔軟性を高め、これにより、これが、より容易に収縮かつ膨張することを可能にするために、スリット119が、少なくとも幅広部の中央に配置され得る。
【0110】
図15Aに示される接続機構111は、安定性および柔軟性を与え、かつ、回転せずに、ある一定の自由な角度を可能にするように、設計されており、塞栓防止装置が意図された位置に配置されると同時に、ワイヤ、チューブまたはリボンが正しい位置に留まることを可能にしている。
【0111】
本開示のいくつかの実施例が、本明細書において説明され、かつ、図示されてきたが、当該技術における当業者は、その機能を実施し、および/または、その結果、および/または、本明細書において説明された1つまたは複数の利点を得るために、様々な他の手段、および/または、構造容易に想起し、変形例および/または変更例のそれぞれは、本開示の範囲内であるとみなされる。より一般的には、当該技術における当業者は、本明細書において説明された、全てのパラメータ、寸法、材料、および/または、構成は例示的なものであって、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または、構成は、具体的な用途、または、本開示の教示が用いられる用途に依ることを、容易に認識する。また、ハードウェアにより方法を実行する、上述したものとは異なる方法、ステップは、本開示の範囲内で、提供され得る。本開示の異なる特徴およびステップは、説明されたもの以外の他の組合せにおいて、組合せられ得る。本開示の範囲は、添付された特許請求の範囲によってのみ、限定される。