(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】チップ、回路基板及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20221109BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20221109BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
H05K3/34 501D
H01L23/12 Q
H01L21/82 P
(21)【出願番号】P 2021044590
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】202010653933.6
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 金富
(72)【発明者】
【氏名】▲華▼ ▲雲▼▲軍▼
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-127202(JP,A)
【文献】特開2009-54969(JP,A)
【文献】特開2000-269271(JP,A)
【文献】特開平10-335796(JP,A)
【文献】特開2000-31631(JP,A)
【文献】特開2005-26312(JP,A)
【文献】特開2006-210851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0001508(US,A1)
【文献】米国特許第6429390(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0054589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00―3/46
H01L 21/60
H01L 21/82
H01L 23/12―23/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ基板と、前記チップ基板上に設けられた複数のパッドとを含み、
複数の前記パッドは前記チップ基板上にアレイで設けられ、少なくとも1つの前記パッドは多角形パッドであ
り、
前記多角形パッドは第1のパッド及び第2のパッドを含み、前記第1のパッドの直線辺の数は前記第2のパッドの直線辺の数よりも多く、
前記チップ基板は中心領域及びエッジ領域を含み、前記第1のパッドは前記エッジ領域
に設けられ、前記第2のパッドは前記中心領域に設けられる
ことを特徴とするチップ。
【請求項2】
前記多角形パッドは、四角形パッド、五角形パッド、六角形パッド、及び八角形パッドのうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のチップ。
【請求項3】
前記多角形パッドは四角形パッドであり、
前記四角形パッドの少なくとも1つの辺は前記チップ基板のエッジに平行又は垂直であり、及び/又は、前記四角形パッドの少なくとも1つの辺は前記チップ基板のエッジと第1の所定の傾斜角をなし、前記第1の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である
ことを特徴とする請求項2に記載のチップ。
【請求項4】
前記第1の所定の傾斜角は45°である
ことを特徴とする請求項3に記載のチップ。
【請求項5】
前記四角形パッドは正方形パッドであり、前記正方形パッドの辺の長さは0.18mmである
ことを特徴とする請求項3に記載のチップ。
【請求項6】
少なくとも一部のパッドのアレイ方向は前記チップ基板のエッジに平行であり、
及び/又は、少なくとも一部の前記パッドのアレイ方向は前記チップ基板のエッジと第2の所定の傾斜角をなし、前記第2の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のチップ。
【請求項7】
前記第2の所定の傾斜角は45°である
ことを特徴とする請求項6に記載のチップ。
【請求項8】
前記エッジ領域は前記チップ基板のエッジに隣接して設けられ、前記エッジ領域は前記中心領域を取り囲む
ことを特徴とする請求項
1に記載のチップ。
【請求項9】
前記第1のパッドは五角形パッドであり、前記第2のパッドは四角形パッドであり、前記五角形パッドは、前記チップ基板のエッジに隣接して平行する少なくとも1つの第1の辺を含み、前記四角形パッドは、前記チップ基板のエッジと第3の所定の傾斜角をなす少なくとも1つの第2の辺を含み、前記第3の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である
ことを特徴とする請求項
1に記載のチップ。
【請求項10】
前記第3の所定の傾斜角は45°である
ことを特徴とする請求項
9に記載のチップ。
【請求項11】
前記第1のパッドのアレイ方向は前記チップ基板のエッジに平行であり、前記第2のパッドのアレイ方向は前記チップ基板のエッジと第4の所定の傾斜角をなし、前記第4の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である
ことを特徴とする請求項
1に記載のチップ。
【請求項12】
前記第4の所定の傾斜角は45°である
ことを特徴とする請求項
11に記載のチップ。
【請求項13】
前記第1のパッドと前記第2のパッドの面積は同じである
ことを特徴とする請求項
1に記載のチップ。
【請求項14】
隣接する前記パッドの中心間の距離は0.3mmである
ことを特徴とする請求項1に記載のチップ。
【請求項15】
PCB基板と、前記PCB基板上に設けられた複数のパッドとを含み、
複数の前記パッドは前記PCB基板上にアレイで設けられ、少なくとも1つの前記パッドは多角形パッドであ
り、
前記多角形パッドは第1のパッド及び第2のパッドを含み、前記第1のパッドの直線辺の数は前記第2のパッドの直線辺の数よりも多く、
前記チップ基板は中心領域及びエッジ領域を含み、前記第1のパッドは前記エッジ領域
に設けられ、前記第2のパッドは前記中心領域に設けられる
ことを特徴とする回路基板。
【請求項16】
前記多角形パッドは、四角形パッド、五角形パッド、六角形パッド、及び八角形パッドのうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項
15に記載の回路基板。
【請求項17】
前記多角形パッドは四角形パッドであり、
前記四角形パッドの少なくとも1つの辺は前記PCB基板のエッジに平行又は垂直であり、及び/又は、前記四角形パッドの少なくとも1つの辺は前記PCB基板のエッジと第5の所定の傾斜角をなし、前記第5の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である
ことを特徴とする請求項
16に記載の回路基板。
【請求項18】
前記第5の所定の傾斜角は45°である
ことを特徴とする請求項
17に記載の回路基板。
【請求項19】
前記四角形パッドは正方形パッドであり、前記正方形パッドの辺の長さは0.2mmである
ことを特徴とする請求項
17に記載の回路基板。
【請求項20】
パッドの少なくとも一部のアレイ方向は、前記PCB基板のエッジに平行であり、
及び/又は、前記パッドの少なくとも一部のアレイ方向は前記PCB基板のエッジと第6の所定の傾斜角をなし、前記第6の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である
ことを特徴とする請求項
15に記載の回路基板。
【請求項21】
前記第6の所定の傾斜角は45°である
ことを特徴とする請求項
20に記載の回路基板。
【請求項22】
前記エッジ領域は前記PCB基板のエッジに隣接して設けられ、前記エッジ領域は前記中心領域を取り囲む
ことを特徴とする請求項
15に記載の回路基板。
【請求項23】
前記第3のパッドは五角形パッドであり、前記第4のパッドは四角形パッドであり、前記五角形パッドは、前記PCB基板のエッジに隣接して平行する少なくとも1つの第1の辺を含み、前記四角形パッドは、前記PCB基板のエッジと第7の所定の傾斜角をなす少なくとも1つの第2の辺を含み、前記第7の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である
ことを特徴とする請求項
15に記載の回路基板。
【請求項24】
前記第7の所定の傾斜角は45°である
ことを特徴とする請求項
23に記載の回路基板。
【請求項25】
前記第3のパッドのアレイ方向は前記PCB基板のエッジに平行であり、前記第4のパッドのアレイ方向は前記PCB基板のエッジと第8の所定の傾斜角をなし、前記第8の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である
ことを特徴とする請求項
15に記載の回路基板。
【請求項26】
前記第8の所定の傾斜角は45°である
ことを特徴とする請求項
25に記載の回路基板。
【請求項27】
前記第3のパッドと前記第4のパッドの面積は同じである
ことを特徴とする請求項
15に記載の回路基板。
【請求項28】
隣接する前記パッドの中心間の距離は0.3mmである
ことを特徴とする請求項
15に記載の回路基板。
【請求項29】
請求項1~
14のいずれか1項に記載のチップと、
請求項
15~
28のいずれか1項に記載の回路基板と、を含む
ことを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が2020106539336であって、出願日が2020年7月8日である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願の内容のすべてを本願に援用する。
【0002】
本発明は、電子技術の分野に関し、特にチップ、回路基板及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、例えば携帯電話等の電子デバイスの内部には、通常様々な機能を実現するためのチップが搭載されており、チップ上の電子部品及び制御回路は、パッド及びパッド上にはんだ付けされたはんだボールによりパッケージングされる。しかしながら、チップ機能が徐々に充実するにつれ、単位サイズあたりのチップパッケージ回路がますます複雑になっており、チップの全体的なサイズが大きくなり、チップ及び電子デバイスの全体的な軽さと薄さに影響を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、パッドの強度及びはんだボールのはんだ付け強度を保証することを前提として、チップ及び電子デバイスの軽さと薄さを改善するためのチップ、回路基板及び電子デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、チップが提供され、前記チップは、チップ基板と、前記チップ基板上に設けられた複数のパッドとを含み、
複数の前記パッドは前記チップ基板上にアレイで設けられ、少なくとも1つの前記パッドは多角形パッドである。
【0006】
選択的に、前記多角形パッドは、四角形パッド、五角形パッド、六角形パッド、及び八角形パッドのうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
選択的に、前記多角形パッドは四角形パッドであり、
前記四角形パッドの少なくとも1つの辺は前記チップ基板のエッジに平行又は垂直であり、及び/又は、前記四角形パッドの少なくとも1つの辺は前記チップ基板のエッジと第1の所定の傾斜角をなし、前記第1の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である。
【0008】
選択的に、前記第1の所定の傾斜角は45°である。
【0009】
選択的に、前記四角形パッドは正方形パッドであり、前記正方形パッドの辺の長さは0.18mmである。
【0010】
選択的に、パッドの少なくとも一部のアレイ方向は前記チップ基板のエッジに平行であり、
及び/又は、前記パッドの少なくとも一部のアレイ方向は前記チップ基板のエッジと第2の所定の傾斜角をなし、前記第2の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である。
【0011】
選択的に、前記第2の所定の傾斜角は45°である。
【0012】
選択的に、前記多角形パッドは第1のパッド及び第2のパッドを含み、
前記チップ基板は中心領域及びエッジ領域を含み、前記第1のパッドは前記エッジ領域に設けられ、前記第2のパッドは前記中心領域に設けられる。
【0013】
選択的に、前記エッジ領域は前記チップ基板のエッジに隣接して設けられ、前記エッジ領域は前記中心領域を取り囲む。
【0014】
選択的に、前記第1のパッドは五角形パッドであり、前記第2のパッドは四角形パッドであり、前記五角形パッドは、前記チップ基板のエッジに隣接して平行する少なくとも1つの第1の辺を含み、前記四角形パッドは、前記チップ基板のエッジと第3の所定の傾斜角をなす少なくとも1つの第2の辺を含み、前記第3の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である。
【0015】
選択的に、前記第3の所定の傾斜角は45°である。
【0016】
選択的に、前記第1のパッドのアレイ方向は前記チップ基板のエッジに平行であり、前記第2のパッドのアレイ方向は前記チップ基板のエッジと第4の所定の傾斜角をなし、前記第4の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である。
【0017】
選択的に、前記第4の所定の傾斜角は45°である。
【0018】
選択的に、前記第1のパッドと前記第2のパッドの面積は同じである。
【0019】
選択的に、隣接する前記パッドの中心間の距離は0.3mmである。
【0020】
本発明の第2の態様によれば、回路基板が提供され、前記回路基板は、PCB基板と、前記PCB基板上に設けられた複数のパッドを含み、
【0021】
複数の前記パッドは前記PCB基板上にアレイで設けられ、少なくとも1つの前記パッドは多角形パッドである。
【0022】
選択的に、前記多角形パッドは、四角形パッド、五角形パッド、六角形パッド、及び八角形パッドのうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
選択的に、前記多角形パッドは四角形パッドであり、
前記四角形パッドの少なくとも1つの辺は前記PCB基板のエッジに平行又は垂直であり、及び/又は、前記四角形パッドの少なくとも1つの辺は前記PCB基板のエッジと第5の所定の傾斜角をなし、前記第5の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である。
【0024】
選択的に、前記第5の所定の傾斜角は45°である。
【0025】
選択的に、前記四角形パッドは正方形パッドであり、前記正方形パッドの辺の長さは0.2mmである。
【0026】
選択的に、パッドの少なくとも一部のアレイ方向は、前記PCB基板のエッジに平行であり、
及び/又は、前記パッドの少なくとも一部のアレイ方向は前記PCB基板のエッジと第6の所定の傾斜角をなし、前記第2の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である。
【0027】
選択的に、前記第6の所定の傾斜角は45°である。
【0028】
選択的に、前記多角形パッドは第3のパッド及び第4のパッドを含み、
前記PCB基板は中心領域及びエッジ領域を含み、前記第3のパッドは前記エッジ領域に設けられ、前記第4のパッドは前記中心領域に設けられる。
【0029】
選択的に、前記エッジ領域は前記チップ基板のエッジに隣接して設けられ、前記エッジ領域は前記中心領域を取り囲む。
【0030】
選択的に、前記第3のパッドは五角形パッドであり、前記第4のパッドは四角形パッドであり、前記五角形パッドは、前記PCB基板のエッジに隣接して平行する少なくとも1つの第1の辺を含み、前記四角形パッドは、前記PCB基板のエッジと第7の所定の傾斜角をなす少なくとも1つの第2の辺を含み、前記第7の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である。
【0031】
選択的に、前記第7の所定の傾斜角は45°である。
【0032】
選択的に、前記第3のパッドのアレイ方向は前記PCB基板のエッジに平行であり、前記第4のパッドのアレイ方向は前記PCB基板のエッジと第8の所定の傾斜角をなし、前記第8の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下である。
選択的に、前記第8の所定の傾斜角は45°である。
【0033】
選択的に、前記第3のパッドと前記第4のパッドの面積は同じである。
【0034】
選択的に、隣接する前記パッドの中心間の距離は0.3mmである。
【0035】
本発明の第3の態様によれば、電子デバイスが提供され、前記電子デバイスは、前記チップ及び前記回路基板を含む。
【発明の効果】
【0036】
本発明に提供された技術案によれば、以下のような技術効果が奏される。
【0037】
本発明によれば、チップ上のパッドは多角形パッドとして設けられ、パッドの形状の変化は、隣接するパッド間の間隔を短くするのに役立ち、したがって、チップのサイズを小さくすることができる。さらに、多角形パッドアレイの直線辺は、パッドが応力に抵抗する能力を強化し、パッド自体の構造的強度、及びパッドとはんだボール間のはんだ付け強度を高め、試験及び使用中の衝突、落下等によるパッド及びはんだボールの破壊を防止し、チップ、回路基板及び電子デバイスの軽さと薄さが改善される。
【0038】
なお、前記一般的な記載及び後述の詳細な記載は、単なる例示的で解釈的な記載であり、本発明を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
ここの図面は、明細書に組み入れて本明細書の一部分を構成し、本発明に該当する実施例を例示するとともに、明細書とともに本発明の原理を解釈する。
【0040】
【
図1】本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けした後のチップの部分的な立体構造概略図である。
【
図2】本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けする前のチップの平面構造概略
図1である。
【
図3】本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けする前のチップの平面構造概略
図2である。
【
図4】本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けする前のチップの平面構造概略
図3である。
【
図5】本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けした後の回路基板の部分的な立体構造概略図である。
【
図6】本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けする前の回路基板の平面構造概略
図1である。
【
図7】本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けする前の回路基板の平面構造概略
図2である。
【
図8】本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けする前の回路基板の平面構造概略
図3である。
【
図9】本発明の一例示的な実施例における電子デバイスの断面構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、例示的な実施例を詳しく説明し、その例示を図面に示す。以下の記載が図面に関わる場合、特に別の説明がない限り、異なる図面における同一符号は、同じ又は類似する要素を示す。以下の例示的な実施例に記載の実施例は、本発明と一致するすべての実施例を代表するものではない。即ち、それらは、特許請求の範囲に記載の本発明のある側面に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0042】
関連技術では、例えば携帯電話等の電子デバイスの内部には、通常様々な機能を実現するためのチップが搭載されており、チップ上の電子部品及び制御回路は、パッド及びパッド上にはんだ付けされたはんだボールによりパッケージングされる。しかしながら、関連技術におけるチップ上の隣接するパッドの中心間の距離は、0.8mm、0.5mm、0.4mm、及び0.35mmを含み、すべて0.35mm以上である。
【0043】
チップ機能が徐々に充実するにつれ、単位サイズあたりのチップパッケージ回路がますます複雑になっており、チップの全体的なサイズが大きくなり、チップ及び電子デバイスの全体的な軽さと薄さに影響を与えている。さらに、チップの内部ウェハパッケージングはバッチで7nmに改善されており、チップと組み立てられる回路基板の内部配線によりmSAPパッケージングが開かれ、業界チェーン全体でチップとPCB間のパッドパッケージングプロセスリンクがボトルネックになっている。
【0044】
図1は、本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けした後のチップの部分的な立体構造概略図であり、
図2は、本発明の一例示的な実施例においてはんだボールをはんだ付けする前のチップの平面構造概略
図1である。
図1及び
図2に示すように、本発明は、チップ1を提供し、チップ1は、チップ基板11と、チップ基板11上に設けられた複数のパッド12とを含む。複数のパッド12チップ基板11上にアレイで設けられ、少なくとも1つのパッド12は多角形パッドである。
【0045】
チップ1上のパッド12は多角形パッドとして設けられ、パッド12の形状の変化は、隣接するパッド12間の間隔を短くするのに役立ち、したがって、チップ1のサイズを小さくすることができる。さらに、多角形パッドアレイの直線辺は、パッド12が応力に抵抗する能力を強化し、パッド12自体の構造的強度を高める。各パッド上にはんだボール13がはんだ付けされてもよく、上記の構造配置はまた、パッド12とはんだボール13間のはんだ付け強度を高め、試験及び使用中の衝突、落下等によるパッド12及びはんだボール13の破壊を防止し、チップ1の軽さと薄さが改善される。
【0046】
幾つかの実施例では、上記の構造配置によって、隣接するパッド12の中心間の距離dを0.3mmに設定することができる。上記のチップ1上のパッド12は多角形パッドであり、パッド12の形状を変化することにより、隣接するパッド12間の距離dが0.3mmに短縮され、したがって、チップ1のサイズが縮小される。ここで、パッド12が多角形パッドである場合、多角形パッドのエッジは直線辺であり、直線辺は良好な応力緩衝の効果を有する。パッド12が十分な耐応力強度に達し、隣接するパッド12間にはんだ繋ぎ等の短絡の問題が発生しないことを保証する条件下で、多角形パッドの面積は円形パッドの面積に比べて減らすことができるが、隣接するパッド12のエッジ間の距離は変わらず、例えば、隣接するパッド12のエッジ間の距離は0.12mmであり、多角形パッドを使用したチップ1の全体的なサイズが縮小される。
【0047】
なお、上記の複数のパッド12には、少なくとも1つの多角形パッド及び幾つかの他の形状のパッド構造が含まれてもよい。又は、上記の複数のパッド12は、すべて多角形パッドである。チップ1上のパッド12は、チップ1が衝撃等を受けたときの変形によって発生する法線ひずみ力に耐えるため、パッド12は多角形構造として設計されており、パッド12が外力に耐える領域は、円弧の頂点から多角形パッドのエッジまで変化し、外力に耐える多角形エッジのはんだの全長が辺の長さに占める割合が33%から60%に増加する。グリフィス破壊基準によると、静的条件下で脆性破壊が発生するために必要な条件は、破壊領域により放出されるエネルギーが亀裂面積を形成するために必要なエネルギーに等しいことである。即ち、外部ひずみ力により生成されるエネルギーが亀裂を生成する場合、外部ひずみ力により生成されるエネルギーは、亀裂面積を形成するために必要なエネルギーよりも大きくなければならない。また、形成された亀裂面積を1つの長方形で近似計算すると、亀裂深さが同じである場合、亀裂が長いほど亀裂面積が大きくなり、亀裂が発生する表面の幅が広いほど亀裂長さが短くなり、亀裂深さが同じである場合は、亀裂面積が小さくなることが分かる。即ち、亀裂が発生する可能性のある表面の幅を大きくすると、この表面に作用する応力を効果的に分解することができ、同じ変形力を加えた条件下で、チップ1の外面のはんだ接合部の幅が広いほど、発生する亀裂の深さが浅くなるため、チップ1の外面が広いパッド12であるほど、チップ1の外側の法線ひずみ力に耐える能力が強くなり、したがって、多角形パッドアレイの直線辺は、パッド12が応力に抵抗する能力を強化する。
【0048】
上記の実施例では、多角形パッドは、四角形パッド、五角形パッド、六角形パッド、及び八角形パッドのうちの少なくとも1つを含んでもよい。頂点位置での応力集中による多角形パッドの破壊等の破損を回避するために、上記の多角形パッドの各頂点位置に円弧形又は線形面取りを設けて、面取りを含む多角形パッド構造を形成することができる。幾つかの実施例では、パッド12の少なくとも一部のアレイ方向はチップ基板のエッジ111に平行であり、及び/又は、パッド12の少なくとも一部のアレイ方向はチップ基板のエッジ111と第2の所定の傾斜角をなし、第2の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下であってもよい。一実施例では、パッド12のアレイ方向によって様々な方向の応力に対して良い緩衝効果を形成するために、第2の所定の傾斜角は45°であってもよい。
【0049】
幾つかの実施例では、多角形パッドは四角形パッドであってもよく、例えば、
図2に示すように、多角形パッドは正方形パッドであり、正方形パッドの辺はチップ基板のエッジ111に平行又は垂直であり、正方形パッドのアレイ方向はチップ基板のエッジ111に平行である。アレイの正方形パッドは単純な構造を有し、正方形パッドの4つの辺がチップ基板のエッジ111に平行又は垂直である場合、チップ1の外側の法線ひずみ力に抵抗する能力が強化される。
【0050】
別の実施例では、四角形パッドの少なくとも1つの辺はチップ基板のエッジ111と第1の所定の傾斜角をなし、第1の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下であってもよい。
図3に示すように、多角形パッドは正方形パッドであり、正方形パッドの辺は前記チップ基板のエッジ111と45°の傾斜角をなし、正方形パッドのアレイ方向はチップ基板のエッジ111と45°の傾斜角をなす。アレイの正方形パッドは単純な構造を有し、正方形パッドの4つの辺がチップ基板のエッジ111と45°の傾斜角をなす場合、チップ1の外側の法線ひずみ力に耐える力を得るだけでなく、上記の法線ひずみ力と一定の角度をなすひずみ力に耐える力も得ることができ、ひずみ力に抵抗するパッド12の総合的な能力を改善させる。さらに、正方形パッドのアレイ方向がチップ基板のエッジ111と45°の傾斜角をなす場合、特定のアレイ方向に沿って設けられた各正方形パッドの対応する辺は一直線上にあり、同一直線上にある各辺は均一な応力抵抗方向を形成し、パッド12が応力に抵抗する能力を高める。
【0051】
なお、上記の四角形パッドは正方形パッドであってもよく、正方形パッドの辺の長さは0.18mmであってもよいし、0.16mm~0.2mmの間の任意の値であってもよく、本発明はこれに対して限定をしない。隣接するパッド間の構造的干渉や短絡のリスクを回避するために、隣接する正方形パッドの隣接する辺の間の距離を0.12mmに維持することができる。パッド12の加工工程では、パッド12の加工をスチールメッシュ及びSMT印刷技術で実現する必要があり、既存のプロセススチールメッシュはFGとナノコンポジット材料でできており、スチールメッシュの厚さは0.08mmであり、はんだペースト5#粉末を印刷に使用してパッド12を形成する。上記のスチールメッシュ開口部の幅対厚さの比は1.5より大きく、面積比は0.54より大きくする必要がある。ここで、上記の幅対厚さの比は、スチールメッシュ開口部の最も狭い部分とスチールメッシュの厚さの比であってもよく、スチールメッシュ開口部の最も狭い部分は0.12mm以上である。上記の面積比は、スチールメッシュ開口部の側壁面積とスチールメッシュ開口部の底面の比であってもよい。データ検証の結果、上記の方法で加工された辺の長さが0.18mmの正方形パッドは、はんだが落ちる高さ、はんだが落ちる面積及びはんだが落ちる体積等のはんだが落ちる成形効果の面で生産需要を満たす。
【0052】
同じチップ1サイズの2つのチップ1パッド12の面積に応じて、単位面積あたりのはんだボール13が耐えるチップ1の重量の割合を計算し、例えば、同じサイズの10mm×10mmのチップ1の場合、第1のチップ1上の2つの隣接するパッド12の中心間の距離は0.3mmであり、0.3mm Pitchで表され、第2のチップ1上の2つの隣接するパッド12の中心間の距離は0.35mmであり、0.35mm Pitchで表される。はんだボール13の成形に及ぼす熱応力変形の影響は、主に単位面積あたりのはんだボール13が耐えるチップ1の重量とチップ1自体のパッケージ材料に依存し、下記の表のデータによると、第1のチップ1はんだボール13が耐える重量は、第2のチップ1はんだボール13が耐える重量よりも軽い。
【0053】
【0054】
さらに、正方形パッドの隅のはんだの量が不十分であるため、エレクトロマイグレーションされた銀金属の原子量をサポートできず、はんだ付け後、パッド12の外側にフラックスの層が巻き付けられ、エレクトロマイグレーションを効果的に回避することができ、さらにエレクトロマイグレーションによって引き起こされる短絡のリスクを回避することができる。ここで、上記のフラックスは、はんだペーストに付属するFLUS材料である。
【0055】
さらに別の実施例では、多角形パッドは第1のパッド121及び第2のパッド122を含み、第1のパッド121の直線辺の数は第2のパッド122の直線辺の数よりも多い。チップ基板11は中心領域113及びエッジ領域112を含み、第1のパッド121はエッジ領域112に設けられ、第2のパッド122は前記中心領域113に設けられる。チップ基板11の異なる領域の応力に抵抗するために異なるタイプの多角形を使用することは、パッド12の全体的な強度を改善するのに役立つ。チップ1が衝撃を受けると、チップ基板11のエッジ領域112の応力はチップ基板のエッジ111から来るので、チップ基板のエッジ111からの応力は、チップ基板11の中心領域113に作用する応力よりも複雑であり、したがって、第1のパッド121の直線辺の数が第2のパッド122の直線辺の数よりも多いと、エッジ領域112における応力に抵抗する効果を強化するのに役立つ。
【0056】
上記の実施例では、エッジ領域112はチップ基板のエッジ111に隣接して設けられてもよく、エッジ領域112は中心領域113を取り囲んでもよい。
【0057】
第1のパッド121は五角形パッドであってもよく、第2のパッド122は四角形パッドであってもよく、五角形パッドは、チップ基板のエッジ111に隣接して平行する少なくとも1つの第1の辺1211を含み、四角形パッドは、チップ基板のエッジ111と第3の所定の傾斜角をなす少なくとも1つの第2の辺1221を含み、第3の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下であってもよい。一実施例では、四角形パッドの設定角度によって、中心領域113に位置するパッド12の応力緩衝効果を改善するために、第3の所定の傾斜角は45°であってもよい。
【0058】
例えば、
図4に示すように、五角形パッドの第1の辺1211は、第1の辺1211に隣接するチップ基板のエッジ111に平行であり、五角形パッドの第3の辺1212及び第5の辺1213はこのチップ基板のエッジ111に垂直であり、五角形パッドの第7の辺1214及び第9の辺1215はこのチップ基板のエッジ111と45°の傾斜角をなす。四角形パッドは正方形パッドであり、五角形パッドの各辺及び正方形パッドの各辺によって、チップ基板11の中心領域113及びエッジ領域112に作用する応力に抵抗するために、正方形パッドのすべての辺は、このチップ基板のエッジ111と45°の傾斜角をなす。
【0059】
例えば、
図4に示すように、第1のパッド121のアレイ方向は、チップ基板11のエッジ領域112に分散されるように、チップ基板のエッジ111に平行であってもよい。第2のパッド122のアレイ方向は、チップ基板11の中心領域113に分散されるように、チップ基板のエッジ111と第4の所定の傾斜角をなす。第4の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下であってもよい。幾つかの実施例では、第2のパッド122のアレイ方向によって様々な方向の応力に対して良い緩衝効果を形成するために、上記の第4の所定の傾斜角は45°であってもよい。又は、上記の第1のパッド121及び第2のパッド122はまた、他の方向に沿って対応する位置に配列されてもよく、本発明はこれに対して限定をしない。第1のパッド121は、1列、2列又はそれ以上の列のアレイ効果を形成するために、チップ基板11を1回り、2回り又はそれ以上取り囲んでもよい。
【0060】
なお、上記の四角形パッドは正方形パッドであってもよいし、菱形パッド又は他の四角形パッドであってもよく、本発明はこれに対して限定をしない。さらに、はんだボール13に同じ量のはんだ付けが実施されることを保証し、第1のパッド121及び/又は第2のパッド122の構造、形状の改善によって引き起こされるはんだ付けプロセスへの干渉と影響を回避するために、第1のパッド121と第2のパッド122の面積は同じであってもよい。又は、他の実施例では、第1のパッドは、三角形パッド、四角形パッド、六角形パッド等の他の多角形パッドのうちの1つ又は複数であってもよく、第2のパッドは、三角形パッド、五角形パッド、六角形パッド等の他の多角形パッドのうちの1つ又は複数であってもよく、本発明はこれに対して限定をしない。
【0061】
本発明は、回路基板をさらに提供し、
図5及び
図6に示すように、回路基板2は、PCB基板21と、PCB基板21上に設けられた複数のパッド22とを含む。複数のパッド22アレイはPCB基板21上に設けられ、パッド22は多角形パッドである。
【0062】
回路基板2上のパッド22は多角形パッドとして設けられ、パッド22の形状の変化は、隣接するパッド22間の間隔を短くするのに役立ち、したがって、回路基板2のサイズを小さくすることができる。さらに、多角形パッドアレイの直線辺は、パッド22が応力に抵抗する能力を強化し、パッド22自体の構造的強度を高める。各パッド上にはんだボール23がはんだ付けされてもよく、上記の構造配置はまた、パッド22とはんだボール23間のはんだ付け強度を高め、試験及び使用中の衝突、落下等によるパッド22及びはんだボール23の破壊を防止し、回路基板2の軽さと薄さが改善される。
【0063】
幾つかの実施例では、上記の構造配置によって、隣接するパッド22の中心間の距離dを0.3mmに設定することができる。上記の回路基板2上のパッド22は多角形パッドであり、パッド22の形状を変化することにより、隣接するパッド22間の距離dが0.3mmに短縮され、したがって、回路基板2のサイズが縮小される。ここで、パッド22が多角形パッドである場合、多角形パッドのエッジは直線辺であり、直線辺は良好な応力緩衝の効果を有する。パッド22が十分な耐応力強度に達し、隣接するパッド22間にはんだ繋ぎ等の短絡の問題が発生しないことを保証する条件下で、多角形パッドの面積は円形パッドの面積に比べて減らすことができるが、隣接するパッド22のエッジ間の距離は変わらず、例えば、隣接するパッド22のエッジ間の距離は0.12mmであり、多角形パッドを使用した回路基板2の全体的なサイズが縮小される。
【0064】
なお、上記の複数のパッド22には、少なくとも1つの多角形パッド及び幾つかの他の形状のパッド構造が含まれてもよい。又は、上記の複数のパッド22は、すべて多角形パッドである。回路基板2上のパッド22は、回路基板2が衝撃等を受けたときの変形によって発生する法線ひずみ力に耐えるため、パッド22は多角形構造として設計されており、パッド22が外力に耐える領域は、円弧の頂点から多角形パッドのエッジまで変化し、外力に耐える多角形エッジのはんだの全長が辺の長さに占める割合が33%から60%に増加する。グリフィス破壊基準によると、静的条件下で脆性破壊が発生するために必要な条件は、破壊領域により放出されるエネルギーが亀裂面積を形成するために必要なエネルギーに等しいことである。即ち、外部ひずみ力により生成されるエネルギーが亀裂を生成する場合、外部ひずみ力により生成されるエネルギーは、亀裂面積を形成するために必要なエネルギーよりも大きくなければならない。また、形成された亀裂面積を1つの長方形で近似計算すると、亀裂深さが同じである場合、亀裂が長いほど亀裂面積が大きくなり、亀裂が発生する表面の幅が広いほど亀裂長さが短くなり、亀裂深さが同じである場合は、亀裂面積が小さくなることが分かる。即ち、亀裂が発生する可能性のある表面の幅を大きくすると、この表面に作用する応力を効果的に分解することができ、同じ変形力を加えた条件下で、回路基板2の外面のはんだ接合部の幅が広いほど、発生する亀裂の深さが浅くなるため、回路基板2の外面が広いパッド22であるほど、回路基板2の外側の法線ひずみ力に耐える能力が強くなり、したがって、多角形パッドアレイの直線辺は、パッド22が応力に抵抗する能力を強化する。
【0065】
上記の実施例では、多角形パッドは、四角形パッド、五角形パッド、六角形パッド、及び八角形パッドのうちの少なくとも1つを含んでもよい。幾つかの実施例では、パッド22の少なくとも一部のアレイ方向はPCB基板のエッジ211に平行であり、及び/又は、パッド22の少なくとも一部のアレイ方向はPCB基板のエッジ211と第6の所定の傾斜角をなし、第6の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下であってもよい。一実施例では、パッド22のアレイ方向によって様々な方向の応力に対して良い緩衝効果を形成するために、第6の所定の傾斜角は45°であってもよい。
【0066】
幾つかの実施例では、多角形パッドは四角形パッドであってもよく、例えば、
図6に示すように、多角形パッドは正方形パッドであり、正方形パッドの辺はPCB基板のエッジ211に平行又は垂直であり、正方形パッドのアレイ方向はPCB基板のエッジ211に平行である。アレイの正方形パッドは単純な構造を有し、正方形パッドの4つの辺がPCB基板のエッジ211に平行又は垂直である場合、回路基板2の外側の法線ひずみ力に抵抗する能力が強化される。
【0067】
別の実施例では、四角形パッドの少なくとも1つの辺はPCB基板のエッジ211と第5の所定の傾斜角をなし、第5の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下であってもよい。
図7に示すように、多角形パッドは正方形パッドであり、正方形パッドの辺は前記PCB基板のエッジ211と45°の傾斜角をなし、正方形パッドのアレイ方向はPCB基板のエッジ211と45°の傾斜角をなす。アレイの正方形パッドは単純な構造を有し、正方形パッドの4つの辺がPCB基板のエッジ211と45°の傾斜角をなす場合、回路基板2の外側の法線ひずみ力に耐える力を得るだけでなく、上記の法線ひずみ力と一定の角度をなすひずみ力に耐える力も得ることができ、ひずみ力に抵抗するパッド22の総合的な能力を改善させる。さらに、正方形パッドのアレイ方向がPCB基板のエッジ211と45°の傾斜角をなす場合、特定のアレイ方向に沿って設けられた各正方形パッドの対応する辺は一直線上にあり、同一直線上にある各辺は均一な応力抵抗方向を形成し、応力に抵抗するパッド22の能力を高める。
【0068】
なお、上記の四角形パッドは正方形パッドであってもよく、チップ1上の正方形パッドの辺の長さが0.18mmである場合、上記の回路基板2上の正方形パッドの辺の長さは0.2mmであってもよく、隣接するパッド間の構造的干渉や短絡のリスクを回避するために、回路基板2上の隣接する正方形パッドの隣接する辺の間の距離を0.12mmに維持することができる。はんだ付けプロセスの実現を容易にするために、チップ1上の正方形パッドの辺の長さが0.16mm~0.2mmの範囲内で変化する場合、回路基板2上の正方形パッドのサイズを0.16mm~0.22mmの範囲内で対応調整することができ、回路基板2上のパッドのサイズは、チップ1上のパッドのサイズと同じか、それよりわずかに大きくすることができる。パッド22の加工工程では、パッド22の加工をスチールメッシュ及びSMT印刷技術で実現する必要があり、既存のプロセススチールメッシュはFGとナノコンポジット材料でできており、スチールメッシュの厚さは0.08mmであり、はんだペースト5#粉末を印刷に使用してパッド22を形成する。上記のスチールメッシュ開口部の幅対厚さの比は1.5より大きく、面積比は0.54より大きくする必要がある。ここで、上記の幅対厚さの比は、スチールメッシュ開口部の最も狭い部分とスチールメッシュの厚さの比であってもよく、スチールメッシュ開口部の最も狭い部分は0.12mm以上である。上記の面積比は、スチールメッシュ開口部の側壁面積とスチールメッシュ開口部の底面の比であってもよい。データ検証の結果、上記の方法で加工された辺の長さが0.2mmの正方形パッドは、はんだが落ちる高さ、はんだが落ちる面積及びはんだが落ちる体積等のはんだが落ちる成形効果の面で生産需要を満たす。
【0069】
さらに、正方形パッドの隅のはんだの量が不十分であるため、エレクトロマイグレーションされた銀金属の原子量をサポートできず、はんだ付け後、パッド22の外側にフラックスの層が巻き付けられ、エレクトロマイグレーションを効果的に回避することができ、さらにエレクトロマイグレーションによって引き起こされる短絡のリスクを回避することができる。ここで、上記のフラックスは、はんだペーストに付属するFLUS材料である。
【0070】
チップが回路基板2にはんだ付けされていない場合、チップ上の正方形パッドのサイズは0.18mm×0.18mm、対角公差は±7%であってもく、チップ正方形パッド上の単一パッド22はんだボール23の直径は0.215mm(±5%)、単一パッド22はんだボール23の高さは0.15mm(±5%)、単一パッド22はんだボール23の体積は0.0041mm3(±10%)である。チップが回路基板2にはんだ付けされた後、チップ上の正方形パッドのサイズは0.18mm×0.18mm、対角公差は±7%であってもよく、真ん中の最も広い領域のはんだボール23の直径は0.225mm(±10%)、回路基板2パッド22のサイズは0.20mm×0.20mm(±10%)、回路基板2パッド22の銅舗装サイズは0.26mm×0.26mm(±5%)、はんだボール23の高さは0.14mm(+10%、-15%)、はんだボール23の体積は0.0052mm3(±10%)である。
【0071】
さらに別の実施例では、多角形パッドは第3のパッド221及び第4のパッド222を含み、第3のパッド221の直線辺の数は第4のパッド222の直線辺の数よりも多い。PCB基板21は中心領域213及びエッジ領域212を含み、第3のパッド221はエッジ領域212に設けられ、第4のパッド222は前記中心領域213に設けられる。PCB基板21の異なる領域の応力に抵抗するために異なるタイプの多角形を使用することは、パッド22の全体的な強度を改善するのに役立つ。回路基板2が衝撃を受けると、PCB基板21のエッジ領域212の応力はPCB基板のエッジ211から来るので、PCB基板のエッジ211からの応力は、PCB基板21の中心領域213に作用する応力よりも複雑であり、したがって、第3のパッド221の直線辺の数が第4のパッド222の直線辺の数よりも多いと、エッジ領域212における応力に抵抗する効果を強化するのに役立つ。
【0072】
上記の実施例では、エッジ領域212はPCB基板のエッジ211に隣接して設けられてもよく、エッジ領域212は中心領域213を取り囲んでもよい。
【0073】
第3のパッド221は五角形パッドであってもよく、第4のパッド222は四角形パッドであってもよく、五角形パッドは、PCB基板のエッジ211に隣接して平行する少なくとも1つの第1の辺2211を含み、四角形パッドは、PCB基板のエッジ211と第7の所定の傾斜角をなす少なくとも1つの第2の辺2221を含み、第7の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下であってもよい。一実施例では、四角形パッドの設定角度によって、中心領域213に位置するパッド22の応力緩衝効果を改善するために、第7の所定の傾斜角は45°であってもよい。
【0074】
例えば、
図8に示すように、五角形パッドの第1の辺2211は、第1の辺2211に隣接するPCB基板のエッジ211に平行であり、五角形パッドの第3の辺2212及び第5の辺2213はこのPCB基板のエッジ211に垂直であり、五角形パッドの第7の辺2214及び第9の辺2215はこのPCB基板のエッジ211と45°の傾斜角をなす。四角形パッドは正方形パッドであり、五角形パッドの各辺及び正方形パッドの各辺によって、PCB基板21の中心領域213及びエッジ領域212に作用する応力に抵抗するために、正方形パッドのすべての辺は、このPCB基板のエッジ211と45°の傾斜角をなす。
【0075】
例えば、
図8に示すように、第3のパッド221のアレイ方向は、PCB基板21のエッジ領域212に分散されるように、PCB基板のエッジ211に平行であってもよい。第4のパッド222のアレイ方向は、PCB基板21の中心領域213に分散されるように、PCB基板のエッジ211と第8の所定の傾斜角をなす。第8の所定の傾斜角は30°以上且つ60°以下であってもよい。幾つかの実施例では、第4のパッド222のアレイ方向によって様々な方向の応力に対して良い緩衝効果を形成するために、上記の第8の所定の傾斜角は45°であってもよい。又は、上記の第3のパッド221及び第4のパッド222はまた、他の方向に沿って対応する位置に配列されてもよく、本発明はこれに対して限定をしない。第3のパッド221は、1列、2列又はそれ以上の列のアレイ効果を形成するために、PCB基板21を1周、2周又はそれ以上取り囲んでもよい。
【0076】
なお、上記の四角形パッドは正方形パッドであってもよいし、菱形パッド又は他の四角形パッドであってもよく、本発明はこれに対して限定をしない。さらに、はんだボール23に同じ量のはんだ付けが実施されることを保証し、第3のパッド221及び/又は第4のパッド222の構造、形状の改善によって引き起こされるはんだ付けプロセスへの干渉と影響を回避するために、第3のパッド221と第4のパッド222の面積は同じであってもよい。又は、他の実施例では、第3のパッドは、三角形パッド、四角形パッド、六角形パッド等の他の多角形パッドのうちの1つ又は複数であってもよく、第4のパッドは、三角形パッド、五角形パッド、六角形パッド等の他の多角形パッドのうちの1つ又は複数であってもよく、本発明はこれに対して限定をしない。
【0077】
本発明は、電子デバイスをさらに提供し、
図9に示すように、電子デバイス3は上記のチップ1及び上記の回路基板2を含む。チップ1の多角形パッドは、はんだボールはんだ付けによって、回路基板2の多角形パッドとの1対1の対応する導電性接続を実現することができる。チップ1の多角形パッドに第1のパッド121及び第2のパッド122が含まれ、回路基板2の多角形パッドに第3のパッド221及び第4のパッド222が含まれる場合、チップの第1のパッド121及び回路基板2の第3のパッド221は、はんだボールはんだ付けによって導電性接続を実現することができ、チップ1の第2のパッド122及び回路基板2の第4のパッド222は、はんだボールはんだ付けによって導電性接続を実現することができる。
【0078】
本発明によれば、チップ1又は回路基板2上のパッドは多角形パッドとして設けられ、パッドの形状を変化することにより、隣接するパッド間の距離dが0.3mmに短縮され、したがって、チップ1及び回路基板2のサイズが縮小される。さらに、多角形パッドアレイの直線辺は、パッド22が応力に抵抗する能力を強化し、パッド自体の構造的強度、及びパッドとはんだボール間のはんだ付け強度を高め、試験及び使用中の衝突、落下等によるパッド及びはんだボールの破壊を防止し、構造の信頼性を向上させ、ディスペンスによってチップ1と回路基板2を固定するコストを削減し、チップ1、回路基板2及び電子デバイス3の全体的なコストも削減し、チップ1、回路基板2及び電子デバイス3の軽さと薄さが改善される。
【0079】
なお、上記の電子デバイス3は、携帯電話、タブレットPC、車載端末又は医療端末等であってもよく、本発明はこれに対して限定をしない。
【0080】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された技術案に対する実施を介して、本発明の他の実施形態を容易に取得することができる。本発明は、本発明に対する任意の変形、用途、又は適応的な変化を含み、このような変形、用途、又は適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開示していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0081】
本発明は、上記で記述され、図面で図示した特定の構成に限定されず、その範囲を離脱しない状況で、様々な修正及び変更を実施してもよい。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。