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特許7174103ポリマー構成要素の改良された耐摩耗性のための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ポリマー構成要素の改良された耐摩耗性のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20221109BHJP
   B65G 15/30 20060101ALI20221109BHJP
   C08K 3/40 20060101ALI20221109BHJP
   C08K 5/29 20060101ALI20221109BHJP
   C08K 7/20 20060101ALI20221109BHJP
   D01F 1/10 20060101ALI20221109BHJP
   D04H 13/00 20060101ALI20221109BHJP
   F16G 1/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
C08L101/00
B65G15/30
C08K3/40
C08K5/29
C08K7/20
D01F1/10
D04H13/00
F16G1/00
【請求項の数】 56
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021077862
(22)【出願日】2021-04-30
(62)【分割の表示】P 2018512628の分割
【原出願日】2016-05-18
(65)【公開番号】P2021113335
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】62/237,300
(32)【優先日】2015-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597098947
【氏名又は名称】オルバニー インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(72)【発明者】
【氏名】ドゥルーブ アガーワル
(72)【発明者】
【氏名】ルイス ジェイ ジャンドリス
【審査官】横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-130999(JP,A)
【文献】特開平09-040836(JP,A)
【文献】特開平04-323229(JP,A)
【文献】特開昭62-250292(JP,A)
【文献】特開平07-157921(JP,A)
【文献】特開平10-168661(JP,A)
【文献】特公昭41-017009(JP,B1)
【文献】米国特許第04851503(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
B65G 15/30-15/58
C08K 3/00-13/08
D01F 1/00-6/96
D04H 1/00-13/02
F16G 1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのポリマー樹脂、及び、
少なくとも1つのシリカガラスビーズ、
を含む樹脂構成要素組成物であって
前記少なくとも1つのシリカガラスビーズの平均粒子サイズ直径が0.01~10ミクロンであり、
前記組成物の1.34~4質量%は複数の前記少なくとも1つのシリカガラスビーズが占める、樹脂構成要素組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシリカガラスビーズは金属酸化物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシリカガラスビーズはA-ガラスビーズ及びE-ガラスビーズから選ばれる、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の4質量%~98質量%は前記少なくとも1つのポリマー樹脂が占める、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物の0.5質量%~5質量%はシロキサン含有添加剤が占める、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記複数のシリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が0.1~10ミクロンである、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記複数のシリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が1~10ミクロンである、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つのポリマー樹脂はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6; PA6,6; PA6,12; PA6,10; PA4,6; PA10; PA11; PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)及びポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、少なくとも1つのポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つのポリマー樹脂はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる、少なくとも1つのポリエステルを含む、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
前記シロキサン含有添加剤はポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む、請求項5記載の組成物。
【請求項11】
前記複数のシリカガラスビーズは実質的に丸い又は球状である、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は少なくとも2つのポリマー樹脂を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6; PA6,6; PA6,12; PA6,10; PA4,6; PA10; PA11; PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)及びポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、2つ以上のポリマーを含む、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つのポリマー樹脂はポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物はA-ガラスビーズを含む、請求項3記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物はE-ガラスビーズを含む、請求項3記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物はA-ガラスビーズ及びE-ガラスビーズの両方を含む、請求項3記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物はシロキサン含有添加剤ポリジメチルシロキサン(PDMS)をさらに含む、請求項3記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は前記組成物の20質量%~98質量%の量で前記少なくとも1つのポリマー樹脂を含む、請求項4記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物は少なくとも2つのポリマー樹脂を含む、請求項4記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物の20質量%~98質量%は前記少なくとも2つのポリマー樹脂が占める、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物の1質量%~5質量%はシロキサン含有添加剤が占める、請求項5記載の組成物。
【請求項23】
前記少なくとも1つのポリマー樹脂はポリエチレンテレフタレート(PET)であり、前記複数のシリカガラスビーズはA-ガラスビーズである、請求項1記載の組成物。
【請求項24】
前記少なくとも1つのポリマー樹脂はポリエチレンテレフタレート(PET)であり、前記複数のシリカガラスビーズはE-ガラスビーズである、請求項1記載の組成物。
【請求項25】
前記少なくとも1つのポリマー樹脂はポリエチレンテレフタレート(PET)であり、前記複数のシリカガラスビーズはA-ガラスビーズ及びE-ガラスビーズの両方である、請求項1記載の組成物。
【請求項26】
(a)前記組成物の89質量%はPETであり、
(b)前記組成物の6質量%はPBTであり、
(c)前記組成物の2質量%はシロキサン含有添加剤であり、
(d)前記組成物の1質量%はカルボジイミドであり、そして
(e)前記組成物の2質量%は複数の前記少なくとも1つのシリカガラスビーズである、
請求項19記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物は安定剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び顔料からなる群より選ばれる1つ以上の添加剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項28】
モノフィラメントヤーン表面上で測定される水接触角は74度より大きい、請求項1又は5記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
【請求項29】
モノフィラメントヤーンは円形又は非円形断面を有する、請求項1又は5記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
【請求項30】
モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まないで製造された前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも5%改善されている、請求項1又は5記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
【請求項31】
モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まないで製造された前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも10%改善されている、請求項1又は5記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
【請求項32】
モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まないで製造された前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも15%改善されている、請求項1又は5記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
【請求項33】
モノフィラメントヤーンの耐摩耗性は純粋なポリマー樹脂モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも20%改善されている、請求項1又は5記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
【請求項34】
少なくとも1つのポリマー樹脂、シリカガラスビーズを含む樹脂構成要素組成物の製造方法であって、前記シリカガラスビーズを前記少なくとも1つのポリマー樹脂に添加し、次いで押出又は紡糸することを含み、
前記シリカガラスビーズの平均粒子サイズ直径が0.01~10ミクロンであり、
前記組成物の1.34~4質量%は複数の前記シリカガラスビーズが占める、樹脂構成要素組成物の製造方法。
【請求項35】
シロキサン含有添加剤をさらに含み、シロキサン含有添加剤及び前記シリカガラスビーズを前記少なくとも1つのポリマー樹脂に添加し、次いで押出又は紡糸する、請求項34記載の樹脂構成要素組成物の製造方法。
【請求項36】
ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6、PA6,6、PA6,12、PA6,10、PA4,6、PA10、PA11、PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、1つ以上のポリマーを含む、請求項34記載の組成物の製造方法。
【請求項37】
ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる、2つ以上のポリマーを含む、請求項36記載の組成物の製造方法。
【請求項38】
少なくとも2つのポリマー樹脂を含み、前記シリカガラスビーズを前記少なくとも2つのポリマー樹脂に添加し、次いで押出又は紡糸する、請求項36記載の組成物の製造方法。
【請求項39】
シロキサン含有添加剤をさらに含み、前記シロキサン含有添加剤及び前記シリカガラスビーズを前記少なくとも2つのポリマー樹脂に添加し、次いで押出又は紡糸する、請求項38記載の樹脂構成要素組成物の製造方法。
【請求項40】
ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6、PA6,6、PA6,12、PA6,10、PA4,6、PA10、PA11、PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、2つ以上のポリマーを含む、請求項39記載の組成物の製造方法。
【請求項41】
ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる、2つ以上のポリマーを含む、請求項40記載の組成物の製造方法。
【請求項42】
前記組成物は安定剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び顔料からなる群より選ばれる1つ以上の添加剤を含む、請求項34記載の組成物の製造方法。
【請求項43】
前記組成物は繊維、ヤーン、リング、フィルム、ホイル、テープ、メッシュ、スパイラルリンクコイル及びネッティングからなる群より選ばれる構成要素に押出又は紡糸され、又は、構造化堆積物又はコーティングである、請求項34記載の組成物の製造方法。
【請求項44】
構成要素は請求項1又は5記載の組成物を含む、工業用布帛の構成要素。
【請求項45】
前記構成要素はヤーン、繊維、フィルム、ホイル、テープ、ネッティング、メッシュ、リング、スパイラルリンクコイル、構造化堆積物及びコーティングからなる群より選ばれる、請求項44記載の構成要素。
【請求項46】
前記工業用布帛はペーパーマシンクロシング(PMC)形成布、プレス布及びドライヤ布、プロセスベルト、印象用布帛、スルーエアドライヤ(TAD)布帛、エネルギー効率的技術進歩的乾燥(eTAD)布帛及び先進ティシューモールド成形システム(ATMOS)マシン布帛からなる群より選ばれる、請求項44記載の構成要素。
【請求項47】
工業用布帛は、スラッジフィルタ及び他の湿式ろ過プロセスにおいて使用される、空気吹き付け、メルトブロー、スパンボンド及び水流交絡布帛などの方法による不織布の製造に使用される工作布、スリーブ及びベルト;コンベヤベルト;コルゲータベルトからなる群より選ばれる、請求項44記載の構成要素。
【請求項48】
前記工業用布帛は、スパイラルコイルリンク、そのピントル及びスタッファーヤーン;テキスタイル仕上げプロセスに使用される布帛及びベルト;建築製品を製造するために使用されるベルト及び布帛;タンナリーベルト及びタンナリースリーブからなる群より選ばれる、請求項44記載の構成要素。
【請求項49】
前記構成要素は、機械方向(MD)及び機械横断方向(CD)でヤーンから織られた布帛、MD又はCDヤーン配列の不織布層、スパイラルリンクから作られた布帛又はスパイラルリンク自体、メッシュ、ネッティング、リング、ホイル、フィルム及び他の押出要素からなる群より選ばれる、請求項44記載の構成要素。
【請求項50】
請求項1又は5記載の組成物を含むメッシュ、ネッティング、リング、フィルム、繊維又はペーパーマシンクロシング。
【請求項51】
前記繊維は工業用布帛のバット部分に使用するのに適している、請求項50記載の繊維。
【請求項52】
請求項1又は5記載の組成物を含む、リールベルト、スルーエアドライヤ(TAD)、エネルギー効率的技術進歩的乾燥(eTAD)、先進ティシューモールド成形システム(ATMOS)、ダブルニップシックナー(DNT)、ペーパーマシンクロシング(PMC)形成、プレス及びドライヤ布、プロセスベルト、印象用布帛、ベルトフィルタ、パルプワッシャーカバー又は建築製品を製造するためのベルト。
【請求項53】
請求項1又は5記載の組成物を含む、工作布、空気吹き付け、スパンボンド、メルトスパン又は水流交絡布。
【請求項54】
請求項1又は5記載の組成物を含む、コルゲータベルト。
【請求項55】
請求項1又は5記載の組成物を含む、プレス布又はコルゲータベルト布のバット部分。
【請求項56】
請求項1又は5記載の組成物を含むスタッファーヤーン又はピントル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
本出願及び本明細書に記載の開示は、一般に、シリカ粒子を含むポリマー組成物に関して議論し、それに関する。より詳細には、本発明は、ポリマー樹脂をシリカ粒子添加剤と混合することにより作られる、工業用布帛及びベルトに使用するための構成要素の製造に使用される、該構成要素を含む工業用布帛又はベルトの耐摩耗性を改良するためのポリマー樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
開示の背景
工業用布帛又はベルトは、形成布、プレス布、ドライヤ布又はプロセスベルト(例えば、シュープレスベルト、転写ベルト、カレンダーベルト)、リールベルト、印象布帛として使用される構造、ティシュー及びタオルの製造に使用されるスルーエアドライヤ(「TAD」)布帛(「ペーパーマシンクロシング」又は「PMC」としても知られている)などの連続ループの形態のエンドレス構造である。他の工業用布帛としては、メルトブロー、スパンボンド、水流交絡又は空気吹き付けなどのプロセスによって不織布製造に使用される段ボール箱ボード、布帛及びベルト及びスリーブを製造するためのコルゲータベルト、スラッジフィルタ又は他の湿式ろ過プロセスで使用される布帛、又は、防縮加工などの繊維仕上げプロセスで使用される布帛、獣皮なめしに使用されるベルト、及び、食品加工に使用されるような他のコンベヤベルトが挙げられる。
【0003】
ここでの議論は一般的な製紙プロセスに関するものであるが、本開示の適用はそれに限定されるものと考えられない。
【0004】
製紙プロセスの間に、ペーパーマシンの形成セクション内の移動形成布上に繊維状スラリー、すなわちセルロース繊維の水性分散液を堆積させることにより、セルロース繊維ウェブが形成される。 大量の水がスラリーから形成布を通って排出され、形成布の表面にセルロース繊維ウェブが残る。
【0005】
新しく形成されたセルロース繊維ウェブは、形成セクションから一連のプレスニップを含むプレスセクションに進む。セルロース繊維ウェブは、プレス布によって支持されたプレスニップを通過するか、又は、よくある場合として、2つのこのようなプレス布の間を通過する。プレスニップでは、セルロース繊維ウェブは圧縮力を受け、そこから水を搾り出し、ウェブ中でセルロース繊維を互いに接着させて、セルロース繊維ウェブを紙シートにする。水はプレス布によって受け取られ、理想的には紙シートに戻らない。
【0006】
紙シートは最終的にドライヤセクションに進み、該ドライヤセクションは内部がスチームにより加熱される少なくとも1つの一連の回転可能な乾燥ドラム又はシリンダーを含む。新たに形成された紙シートは、紙シートをドラムの表面に密に保持するドライヤ布によって、各一連のドラムの周囲で蛇行経路内にて順次案内される。加熱されたドラムは、紙シートの残りの水分を蒸発によって所望のレベルに低下させる。
【0007】
形成布、プレス布及びドライヤ布はすべて、ペーパーマシン上で無限ループの形態をとり、コンベアの様式で機能することは理解されるべきである。紙製造はかなりの速度で進行する連続法であることがさらに理解されるべきである。すなわち、繊維スラリーは形成セクションにて形成布上に連続的に堆積され、一方、新しく製造された紙シートはドライヤセクションから出た後にロール上に連続的に巻き取られる。
【0008】
ティシュー又はタオルの製造において、形成布及びプレス布は、上記の紙製造と同じ機能を提供する。印象用布帛又はTAD布帛などの他の布帛、ならびにリールベルトも存在することができる。
【0009】
上述した布帛の重要な部分を形成する基布は多くの異なる形態をとる。例えば、これらは、エンドレス織又は平織のいずれかで織られ、その後、機械方向(「MD」)ヤーン及び機械横断方向(「CD」)ヤーンの1つ又は複数の層を使用して織物継ぎ目を含むエンドレス形状にされてよい。さらに、織物基布は、一方の基布を別の基布によって形成されたエンドレスループ内に配置し、ステープルファイバーバットを両方の基布を通してニードリングしてそれらを互いに結合するなど、当業者に知られている様々な手段によって一緒に接合又はラミネートすることによって、ラミネート化されうる。
【0010】
これらの布帛を形成するMD/CDヤーン、及び、存在する場合には、バット繊維の形成に様々なポリマー材料を使用することができる。この目的のために使用することができるポリマー樹脂の一例はポリエステルである。これらの布帛は過酷な環境に暴露されるので、これらのヤーン及び繊維を形成するために使用される材料は良好な耐摩耗性を示すことが不可欠である。ヤーン又は繊維に使用される純粋な(100%)材料、例えば、形成布ヤーンとしてのポリエステルは優れた要求ヤーン弾性率を有するが、耐摩耗性が比較的低い。これらの欠点を改良する試みがなされているが、要求されるレベルの改良は示されていない。
【0011】
ホイル又はフィルムなどの他の構造的構成要素は、上記の使用のための構造中の層として使用することができる。このようなフィルムは、限定するわけではないが、ポリエステル又はポリウレタンなどのポリマーを含む。
【0012】
最後に、シュープレスベルト、カレンダーベルト、転写ベルト、特定のティッシュー/タオル印象用布帛及びいくつかの工作布帛を製造するために使用されるようなコーティングもまた、汚染防止性又は容易な汚染物質除去性がというこの要件を有する。コーティングは、ポリウレタン又は他のポリマーを含むことができる。
【0013】
様々な量の無機化合物及び/又は無機フィラーを含む製品が知られている。例えば、米国特許第6,323,271号明細書は、表面摩擦係数を低減するために飲料容器に使用されるシリカビーズを含有するポリエステル樹脂に関する。米国特許第5,278,221号明細書、同第5,278,205号明細書、同第5,137,939号明細書及び同第5,132,356号明細書は、同様に、フィルムの動的摩擦係数を低減するためにガラス球を含有するポリエステルのフィルム、及び、フィルムの静摩擦係数を改良するためのヒュームドシリカの添加に関する。米国特許第3,230,184号明細書は繊維材料及びシリケート系ガラスの中空離散球を含有する成形用PET樹脂に関する。さらに、欧州特許第648,802号明細書は、沈降シリカ粒子及び焼成クレーを含有するポリエステルポリマーを含むポリエステルフィルムに関する。英国特許第954024A号明細書は、直径20ミクロン未満のある種のシリカ粒子を含む、改良されたポリエステルフィラメントの製造を開示している。米国特許第3,486,266号明細書は、微視的なガラスビーズが分散された可塑化ポリ塩化ビニルを含むシースコア材料を開示しているようである。米国特許第5,207,959号明細書は、溶融ポリマー中に混合された5~15nmの粒度を有するヒュームドシリカを開示している。さらに、米国特許第5,132,356号明細書は、小ガラス球及びヒュームドシリカを含有するポリエステルフィルムに関する。この開示では、ポリエステルフィルムは、2~3ミクロンの平均粒度及び99.9%が約8ミクロン未満である粒度分布を有するガラス球を含有する。米国特許第6,544,644号明細書は耐摩耗性スパン製品に関し、樹脂中に分散された0.05~20wt%のナノ粒子を含有するスレッド、繊維又はフィラメントを開示している。米国特許第6,838,173号明細書は、ポリエステル繊維及びポリエステル組成物の製造方法に関する。その開示において、ポリエステル繊維は、平均粒子直径が0.01~10ミクロンであるシリカ系無機粒子(1~20wt%)を含む。米国特許第8,691,906号明細書は、脂肪族-芳香族ポリエステル、加水分解安定剤、及び、ケイ素、アルミニウム及び/又はチタンの酸化物の球状粒子で、平均粒子直径が100nm以下である球状粒子を含む、モノフィラメント繊維の製造方法を開示している。米国特許第8,383,716号明細書はポリエステル及びその中のシリカナノ粒子から作られたポリエステルナノ複合材であって、該ナノ粒子の表面は3-[(プロピレンオキシカルボニルアミド)プロピル]-トリアルキルオキシシランによって修飾されている、ポリエステルナノ複合材に関する。最後に、米国特許第8,883,917号明細書は、低摩擦係数を有するナイロンポリマー、及び、ポリアミドマトリックス中に実質的に均一に分散された粒状シリカを含む、ポリアミド系組成物の製造方法を開示している。
【0014】
布帛構造がペーパーマシンクロシングとして使用されるときに、構成要素(例えば、織物構造中のモノフィラメント)は、一般に、織物に摩耗及び引裂を引き起こす有害な摩擦環境に暴露される。したがって、耐摩耗性を示す構成要素が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
開示の要旨
本開示の目的は、改良された耐摩耗特性を有する工業用布帛に使用するための構成要素を形成するために使用されるポリマー組成物を作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示は少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカ粒子を含む組成物に関する。組成物は、繊維、ヤーン、フィルム、ホイル、ネッティング、メッシュ、構造化堆積物、及び、リング及びスパイラルコイルなどの他の押出又はスパン要素に押出又は紡糸することができる。組成物は、多層織布中のバインダヤーンとしての使用を含む、ペーパーマシンクロシング(PMC)又は工作布などの工業用布帛の摩擦表面として使用することができる。特定のミクロンサイズのシリカ粒子を押出又は紡糸プロセス中にポリマー溶融物に添加すると、改良された耐摩耗性を有する構成要素を生じることが分かった。
【0017】
「構成要素」としては、繊維、フィラメント、ヤーン、フィルム、ホイル、テープ、ネッティング(メッシュ)、リング、スパイラルリンクコイル又は他の押出又はスパン要素、所望のパターンの構造化堆積物、又は、コーティング(堆積物又はコーティングは表面上で連続的であることができ、又は、所望のパターン(例えば、矩形)で不連続であることができ、又は、サイドバイサイドの連続的又は不連続的なMD又はCDストリップが挙げられ、ここで、隣接するストリップの縁は互いに接触しておらず、例えば、隣接するストリップ間に「スペース」が存在する。ストリップはまた、MDに対してある角度をなすことができ、湾曲、ジグザグ又は正弦波の形状であってよい。特定の実施形態では、本開示の利点は、構成要素の耐摩耗特性を改良することである。
【0018】
本開示の目的は、純粋な100%ポリマー樹脂又は樹脂及び添加剤の他の組み合わせの構成要素と比較して改良された耐摩耗性を示す、繊維、フィラメント、フィルム、ホイル、テープ、ネッティング、メッシュ、リング又は他の押出又はスパン要素、所望のパターンの構造化堆積物又はコーティングの製造に適した、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカ粒子を含む構成要素組成物を提供することである。
【0019】
本開示の他の目的は、改良された耐摩耗性を有する工業用布帛又はベルトを提供することであり、ここで、該布帛又はベルトは、少なくとも1種のポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリエステルのコポリマー又はブレンド、又は、ポリアミド、例えばPA6; PA 6,6; PA 6,12; PA 6,10; PA 4,6; PA 10; PA 11; PA 12又はMXD6、又は、芳香族ポリアミド(ポリアラミド)、又は、ポリアミドのコポリマー又はブレンド、又は、ポリフェニルスルフィド(PPS)又はそのブレンド、又は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はそのブレンド、又は、ポリエーテルケトン(PEK)又はそのブレンド、又は、ポリウレタン又はそのブレンドを含む構成要素を使用して製造される。「そのブレンド」は、本開示で使用されるときに、指定の樹脂が別の樹脂とブレンドすることができ、例えば、ポリエステルがウレタンとブレンドすることができ、又は、2種のポリエステル又は2種のポリアミドが一緒にブレンドすることができることを意味する。
【0020】
本開示によるポリマー組成物は、繊維及びフィラメントヤーンなどの構成要素の製造に適している。より具体的には、ポリマー樹脂組成物は、少なくとも1種のポリマー樹脂、少なくとも1種のシリカ粒子、及び、場合により、工業用布帛及びその製造方法に使用することができる他の添加剤のブレンドから作られる、ヤーン、繊維、フィルム、ホイル、テープ、ネッティング、メッシュ、リング又は他の押出又はスパン要素、所望のパターンの構造化堆積物、又は、コーティングの製造に適する。
【0021】
特定の実施形態では、上記の特性を示す上記構成要素の製造に適した組成物は、少なくとも1種のシリカ粒子を少なくとも1種のポリマー樹脂とブレンドし、そして押出することによって得られる。
【0022】
本開示に記載されるように、本発明は、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含む樹脂構成要素組成物に関する。特定の実施形態では、シリカガラスビーズは金属酸化物を含む。さらなる実施形態では、シリカガラスビーズは、A-ガラスビーズ及びEガラスビーズから選択される。いくつかの実施形態では、組成物は、約1wt%~約4wt%のシリカガラスビーズを含む。いくつかの実施形態では、シリカガラスビーズは、平均粒子サイズ直径が0.01~10ミクロンである。特定の実施形態では、シリカガラスビーズは、平均粒子サイズ直径が0.1~10ミクロンである。他の実施形態では、シリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が1~10ミクロンである。
【0023】
いくつかの実施形態では、組成物は約4質量%~約98質量%のポリマー樹脂を含む。特定の実施形態では、組成物は約1質量%~約4質量%のシリカガラスビーズをさらに含む。さらなる実施形態では、組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む。特定の実施形態では、シロキサン含有添加剤はポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。特定の実施形態では、前記組成物の約1質量%~約5質量%はシロキサン含有添加剤が占める。いくつかの実施形態では、シリカガラスビーズは実質的に円形又は球形である。いくつかの実施形態では、シリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が0.01~10ミクロンである。特定の実施形態では、シリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が0.1~10ミクロンである。他の実施形態では、シリカガラスビーズは、平均粒子サイズ直径が1~10ミクロンである。
【0024】
いくつかの実施形態では、組成物のポリマー樹脂はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6; PA6,6; PA6,12; PA6,10; PA4,6; PA10; PA11; PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)及びポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS/RYTON(登録商標))、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーを含む。特定の実施形態では、ポリマー樹脂はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリエステルを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも2種のポリマー樹脂を含む。さらなる実施形態では、組成物はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6; PA6,6; PA6,12; PA6,10; PA4,6; PA10; PA11; PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)及びポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS/RYTON(登録商標))、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる2種以上のポリマーを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、組成物のポリマー樹脂はPETを含む。
【0027】
特定の実施形態では、組成物はA-ガラスビーズを含む。他の実施形態では、組成物はE-ガラスビーズを含む。さらに他の実施形態では、組成物はAガラスビーズとEガラスビーズとの両方を含む。特定の実施形態では、組成物はシロキサン含有添加剤PDMSをさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、組成物は約4質量%~約98質量%のポリマー樹脂を含む。特定の実施形態では、組成物は前記組成物の約20質量%~約98質量%の量で1種のポリマー樹脂を含む。特定の実施形態では、組成物は少なくとも2種のポリマー樹脂を含む。さらなる実施形態では、組成物の約20質量%~約98質量%は2種以上のポリマー樹脂が占める。
【0029】
いくつかの実施形態では、組成物は約4質量%~約98質量%のポリマー樹脂及び約1質量%~約4質量%のシリカガラスビーズを含む。特定の実施形態では、組成物の約20質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占める。さらなる実施形態では、組成物の約20質量%~約98質量%は2種以上のポリマー樹脂が占める。
【0030】
いくつかの実施形態では、組成物は約4質量%~約98質量%のポリマー樹脂及び約1質量%~約4質量%のシリカガラスビーズを含み、少なくとも1種のポリマー樹脂はPETであり、シリカガラスビーズはA-ガラスビーズである。他の実施形態では、少なくとも1種のポリマー樹脂はPETであり、シリカガラスビーズはE-ガラスビーズである。さらに他の実施形態では、少なくとも1種のポリマー樹脂はPETであり、シリカガラスビーズはA-ガラスビーズ及びE-ガラスビーズの両方である。
【0031】
特定の実施形態では、組成物は(a)89質量%のPET、(b)6質量%のPBT、(c)2質量%のシロキサン添加剤、(d)1質量%のカルボジイミド及び(e)2質量%のシリカガラスビーズを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、安定剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び顔料からなる群より選ばれる1種以上の添加剤を含む。
【0033】
本発明はさらに、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含む樹脂構成要素組成物を含むモノフィラメントヤーンに関し、ここで、組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占め、そして組成物の約1質量%~約4質量はシリカガラスビーズが占め、場合により、樹脂構成要素組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む。特定の実施形態では、モノフィラメントヤーン表面上の水接触角は74度より大きい。いくつかの実施形態では、モノフィラメントヤーンは、円形又は非円形断面を有する。特定の実施形態では、モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まないモノフィラメントヤーンと比較して少なくとも5%改良されている。いくつかの実施形態では、モノフィラメントヤーンの耐摩耗性は、シリカガラスビーズを含まないモノフィラメントヤーンと比較して少なくとも10%改良されている。他の実施形態では、モノフィラメントヤーンの耐摩耗性は、シリカガラスビーズを含まないモノフィラメントヤーンと比較して少なくとも15%改良されている。さらに他の実施形態では、モノフィラメントヤーンの耐摩耗性は、純粋なポリマー樹脂モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも20%改良されている。
【0034】
いくつかの実施形態では、本発明は、ポリマー樹脂、シリカガラスビーズを含む樹脂構成要素組成物の製造方法に関し、前記シリカガラスビーズを前記ポリマー樹脂に同時に添加し、次いで押出又は紡糸する。他の実施形態では、樹脂構成要素組成物の製造方法はシロキサン添加剤をさらに含み、ここで、シロキサン添加剤及びシリカガラスビーズをポリマー樹脂に同時に添加し、次いで押出又は紡糸する。
【0035】
いくつかの実施形態では、組成物の製造方法は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6、PA6,6、PA6,12、PA6,10、PA4,6、PA10、PA11、PA12、MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS/RYTON(登録商標))、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる1種以上のポリマーを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、組成物の製造方法は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる2種以上のポリマーを含む。他の実施形態では、組成物の製造方法は2種以上のポリマー樹脂を含み、シリカガラスビーズを同時にポリマー樹脂に添加し、次いで、押出又は紡糸する。さらなる実施形態では、樹脂構成要素組成物の製造方法はさらにシリコーン添加剤を含み、シロキサン添加剤及びシリカガラスビーズをポリマー樹脂に同時に添加し、次いで押出又は紡糸する。いくつかの実施形態では、組成物の製造方法はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6、PA6,6、PA6,12、PA6,10、PA4,6、PA10、PA11、PA12、MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS/RYTON(登録商標))、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる2種以上のポリマーを含む。さらなる実施形態では、方法は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる2種以上のポリマーを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、本発明は、ポリマー樹脂、シリカガラスビーズを含む樹脂構成要素組成物の製造方法に関し、前記シリカガラスビーズを前記ポリマー樹脂に同時に添加し、次いで押出又は紡糸し、組成物は、安定剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び顔料からなる群より選ばれる1種以上の添加剤を含む。他の実施形態では、組成物を、繊維、ヤーン、リング、フィルム、ホイル、テープ、メッシュ、スパイラルリンクコイル及びネッティングからなる群より選ばれる構成要素に押出又は紡糸し、又は、組成物は構造化堆積物又はコーティングである。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明は少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含む樹脂構成要素組成物を含む、工業用布帛の構成要素に関し、ここで、組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占め、組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占め、場合により、樹脂構成要素組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む。特定の実施形態では、構成要素はヤーン、繊維、フィルム、ホイル、テープ、ネッティング、メッシュ、リング、スパイラルリンクコイル、構造化堆積物及びコーティングからなる群より選ばれる。特定の実施形態では、工業用布帛は、PMC形成布、プレス布及びドライヤ布、プロセスベルト、印象用布帛、TAD布帛、eTAD布帛及びATMOSマシン布帛からなる群より選ばれる。いくつかの実施形態では、工業用布帛は、スラッジフィルタ及び他の湿式ろ過プロセスに使用される、空気吹き付け、メルトブローング、スパンボンド及び水流交絡布帛などのプロセスによって不織布の製造に使用される工作布、スリーブ及びベルト、コンベヤベルト及びコルゲータベルトからなる群より選ばれる。いくつかの実施形態では、工業用布帛は、スパイラルコイルリンク、それらのピントル及びスタッファーヤーン、テキスタイル仕上げプロセスで使用される布帛及びベルト、建築製品を製造するために使用されるベルト及び布帛、タンナリーベルト及びタンナリースリーブからなる群より選ばれる。いくつかの実施形態では、布帛構成要素は、MD及びCDのヤーンから織られた布帛、MD又はCDヤーン配列の不織布層、スパイラルリンクから作製された布帛、又は、スパイラルリンク自体、メッシュ、ネッティング、リング、ホイル、フィルム及び他の押出要素からなる群より選ばれる。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含む樹脂構成要素組成物を含むメッシュ、ネッティング、リング、フィルム、繊維又はペーパーマシンクロシングに関し、組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占め、組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占め、場合により、樹脂構成要素組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む。特定の実施形態では、繊維は工業用布帛のバット部分に使用するのに適している。
【0040】
さらに他の実施形態では、本発明は、リールベルト、TAD、eTAD、ATMOS、DNT、PMC形成、プレス及びドライヤ布、プロセスベルト、印象用布帛、ベルトフィルタ、パルプワッシャーカバー又は建築製品を製造するためのベルトであって、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含み、組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占め、組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占め、場合により、樹脂構成要素組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む、樹脂構成要素組成物を含むものに関する。
【0041】
いくつかの実施形態では、本発明は、工作布、空気吹き付け、スパンボンド、メルトスパン又は水流交絡布帛であって、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含み、組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占め、組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占め、場合により、樹脂構成要素組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む、樹脂構成要素組成物を含むものに関する。
【0042】
他の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含み、組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占め、組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占め、場合により、樹脂構成要素組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む、樹脂構成要素組成物を含む、コルゲータベルトに関する。
【0043】
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含み、組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占め、組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占め、場合により、樹脂構成要素組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む、樹脂構成要素組成物を含む、プレス布又はコルゲータベルト布のバット部分に関する。
【0044】
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1種のポリマー樹脂及び少なくとも1種のシリカガラスビーズを含み、組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占め、組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占め、場合により、樹脂構成要素組成物は約0.5質量%~約5質量%のシロキサン含有添加剤を含む、樹脂構成要素組成物を含む、スタッファーヤーン又はピントルに関する。
【0045】
本開示における用語「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」は、「含む(including)」及び「含む(includes)」を意味することができ、米国特許法における用語「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」に対して一般に与えられている意味を有することができる。用語「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「から本質的になる(consists essentially of)」は、特許請求の範囲に使用される場合に、米国特許法に帰される意味を有する。本開示の他の態様は以下の開示に記載されているか、又は、以下の開示から明らかであり(そして開示の範囲内にある)。
【0046】
図面の簡単な説明
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】100%PET、3%シリカ、2%シリカ又は1%シリカ(それぞれシリカA-ガラスビーズを含む)を含む同PET、PA6対照及びPET対照を含む様々なモノフィラメントの切り込み深さ(mm)を比較するグラフである。
図2図2はシリカE-ガラスビーズが埋め込まれた本発明のモノフィラメントのSEM断面画像を示す。
図3図3は、本発明の0.85mmのAIX-1391(シリカE-ガラスビーズを含む)対0.85mmのHRS310ポリエステル(本開示で使用するHRは「耐加水分解性」を意味する)の2つのモノフィラメントの応力対歪みプロットを示す。
図4図4は、本発明の0.50mmのAIX-1390(シリカA-ガラスビーズを含む)対0.50mmのS-70の応力対歪みプロットを示す。
図5図5は、2%シリカA-ガラスビーズを含む本発明の0.85mm PETを含む本発明のヤーン対0.85mm HR PET対照の加水分解試験の結果を示す。
図6図6は1.34%シリカE-ガラスビーズ、2.0%E-ガラスビーズ、2.0%シリカA-ガラスビーズ及び1.34%シリカA-ガラスビーズをそれぞれ含むPETヤーンを含む同一直径の標準ヤーンを含む本発明のモノフィラメントヤーン及びHR PET対照ヤーンの加水分解試験の結果を示すグラフである。
図7図7は、1.34%シリカE-ガラスビーズ及び2%シリカE-ガラスビーズをそれぞれ含むPETを含むヤーン、及び、100%PET及び100%PA6対照ヤーンのモノフィラメントヤーン耐摩耗性を示すグラフであり、すべて同一の直径である。
図8図8は、S-67(ポリアミド/ポリウレタンコポリマー)、PA6、1.5%シロキサンを含有する同PET、NB3850-17-4 3.0%シロキサンを含有する97%高IV(固有粘度)PET、NB3850-17-3 2.0%シロキサンを含有する98.0%高IV PET、NB3850-17-1 1.35%シリカE-ガラスビーズ及び1.35%シロキサンを含有する97.3%高IV PET、2.0%シロキサンを含有するPA6、及び、NB3850-17-2 2.0%シリカE-ガラスビーズ及び2.0%シロキサンを含有する96.0%高IV PETを含む、同一直径のヤーンと比較したPET標準モノフィラメントヤーンの摩擦係数の%差異を示すグラフである。
図9図9は、100%PETモノフィラメント上の水の接触角測定値を61~63度として示す画像及び10%PBTXXX062813C1(耐摩耗性PETモノフィラメントを含有するPBT中のシリカA-ガラスビーズ)上の接触角測定値を74.7度として示す画像を示す。
図10図10は、本発明の耐摩耗性モノフィラメントを用いて製造された布帛(「Hi Life PET fabric」)対様々な標準モノフィラメントを用いて製造された布帛の耐摩耗性結果を示すチャートである。これらのサンプルは全て、布帛に織られた0.25mmのPETポリマーヤーン及びPA6対照を含んでいた。
図11図11は、通常の標準的な0.85mm PET対本発明の耐摩耗性PETであるHi-Life PETの質量及びキャリパ(厚さ)の損失パーセントを示すチャートである。これらのサンプルは、それぞれ0.85mmのヤーンを用いてスパイラルリンクとして製造したスパイラルリンク布帛であった。
図12図12は、PET基準材料(HCR280)、2.0%シリカA-ガラスビーズを含むPET(AIX-1384)、HYTREL(登録商標)基準材料(AIX-1382)及び2.0%シリカA-ガラスビーズを含むHYTREL(登録商標)(AIX-1383)を含むモノフィラメントヤーンを含む、同一の織り方、ヤーンサイズ、メッシュ及びヤーン計数を有する4つの異なる布帛を破壊する(引き裂く)ために必要な時間(分)を示すチャートである。モノフィラメントはすべて0.50mmの円形断面であった。HYTREL(登録商標)はCOPE(コポリエステルエラストマー)である。
図13図13は、組成物S1618 0.50mm S70 PET及び100%PA6の交互のモノフィラメントCD(横断方向)シュートヤーン(画像にわたる)で織った布帛を示す1時間の外的摩耗後の画像である。
図14図14は、2時間後の図13の布帛の摩耗を示す画像である。
図15図15は、図13のものと同一の織布を示す画像であるが、S70 PETモノフィラメントを、組成物S1618 0.50mmのAIX-1390(Aガラスビーズを含む本発明のヤーン組成物)及びPA6のモノフィラメントで置き換えたものであり、1時間の外的摩耗後の画像である。
図16図16は、2時間の外的摩耗後の図15の布帛を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
開示の詳細な説明
本開示は、1種以上の材料をポリマー樹脂に相乗的に組み合わせ、それにより、樹脂を含む構成要素の特性(例えば、破断強度、伸びなど)を少なくとも維持し、1種以上の添加材料の組み合わせは構成要素の耐摩耗特性を増加させる正の相乗効果をもたらす。一般に、添加材料はシリカ粒子を含む。より具体的には、添加材料はシリカガラスビーズを含む。少なくとも1種のシリカガラスビーズ添加剤をポリマー樹脂と組み合わせることによって見られる相乗効果は、構成要素が、例えば工業用布帛中に存在する場合に本開示の驚くべき予想外の結果が生じることである。
【0049】
前述の工業用布帛及びベルトにおいて、本開示の構成要素は、織物構造、MD又はCDヤーン配列のための押出ヤーンを製造するために使用でき、又は、スパイラルコイルリンク、コイルをリンクするために使用されるピン又はピントルの製造に使用されるヤーンを製造するために使用でき(例えば、米国特許第4,567,077号明細書を参照されたい)、メッシュ又はネッティングを製造するために使用でき(例えば、Johnsonら、米国特許第4,427,734号明細書を参照されたい)、リングを製造するために使用でき(例えば、Hansenら、米国特許第6,918,998号明細書を参照されたい)、又は他の押出要素を製造するために使用でき(例えば、Hansenら、米国特許第6,630,223号明細書を参照されたい)、例えば、米国特許第8,388,812号;同第8,728,280号;同第8,764,943号;及び同第8,394,239号明細書に教示されるようなフィルム又はホイルを製造するために使用でき、機械の継ぎ合わせ可能な布帛の端部に一緒に結合するためにピン又はピンレットで使用されるヤーンを製造するために使用でき、プレス布帛又はコルゲータベルトのバット部分などの構造に使用するための繊維を製造するために使用でき、ベルト又は布帛の表面上に制御された構造化堆積物を形成するために使用でき、又は、ベルト又はスリーブの一方又は両方の表面(例えば、シート接触表面又は機械接触表面)をコーティング(及び/又は含浸)するために使用できる。
【0050】
この構成要素は、PMC(形成布、プレス布、ドライヤ布、シュープレスベルト又は転写ベルト)、リールベルト、TAD布帛、印象用布帛、エネルギー効率的な技術進歩的乾燥(「eTAD」))布帛、先進ティシューモールド成形システム(「ATMOS」)布帛、又は、工作布、例えば、ダブルニップシックナー(「DNT」)布帛、ベルトフィルタ、パルプワッシャー、不織布(例えば、空気吹き付け、スパンボンド、メルトスパン、水流交絡)の製造のためのベルト/布帛/スリーブ、建築製品を製造するためのベルト(例えば、配向ストランドボード(OSB))、コルゲータベルト、テキスタイル仕上げベルト(例えば、防縮加工ベルト)及びタンナリーベルト又はスリーブなどの構造中で使用できる。
【0051】
いくつかの実施形態では、本開示は、押出、紡糸、堆積又はコーティングプロセスの間又はその前に、少なくとも1種のポリマーを少なくとも1種のシリカガラスビーズ添加剤とブレンドすることによって、構成要素の耐摩耗性などを改善する。本発明の発明者は、ペーパーマシンクロシングに使用される構成要素など、工業用布帛用途でのポリエステルなどのポリマー樹脂を含む構成要素に対する、これらのシリカガラスビーズ添加剤の相乗効果を発見した。構成要素の他の所望の特性を少なくとも維持しながら、改善された耐摩耗性が必要であるから、本開示の1つの態様は、工業用布帛のためのヤーンに使用するための、少なくとも1種のシリカガラスビーズ添加剤を含む、ポリエステル樹脂などの少なくとも1種のポリマーから製造されたモノフィラメントの製造である。
【0052】
特定の実施形態では、本開示は、モノフィラメントヤーン組成物を製造するために組み合わされた、ポリエステル樹脂などの少なくとも1種のポリマー及び少なくとも1種のシリカガラスビーズ添加剤を含む、優れた耐摩耗特性を有するヤーン又は繊維に関する。本開示はさらに、フィラメント、フィルム、ホイル、テープ、ネッティング、メッシュ、リング、スパイラルリンクコイル又は他の押出又はスパン要素、所望のパターンの構造化堆積物、又は、コーティング(堆積物又はコーティングは表面上で連続であっても、又は、所望のパターン(例えば、矩形)で不連続であっても、又は、隣接するストリップの縁が互いに接触していない、例えば、隣接するストリップの間に「スペース」がある、サイドバイサイドの連続又は不連続MD又はCDストリップ)であって、このポリマー樹脂及びシリカガラスビーズ組成物を用いて製造されたものに関する。ストリップはまた、MDに対して角度をなしていてもよく、及び/又は、湾曲していても、ジグザグになっていても、又は、正弦波の形状であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示は、同時に、1種以上のシリカガラスビーズ添加剤を1種以上のポリマー材料と組み合わせ、次いで、そのすべてを押出し又は紡糸することを含む。混合物には、安定剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び/又は顔料などの追加の添加剤が存在しうる。次いで、ポリマー材料混合物を、繊維、ヤーン、リング、フィルム、ホイル、メッシュ、ネッティング又は他の要素に押出又は紡糸する。本発明の材料組成物はまた、構造化堆積物又はコーティング(堆積物又はコーティングは表面上で連続的であっても、又は、所望のパターン(例えば、矩形)で不連続であっても、又は、隣接するストリップの縁が互いに接触していない、例えば隣接するストリップの間に「スペース」が存在する、サイドバイサイドの連続又は不連続のMD又はCDストリップ)として、工業用布帛又はベルトの構成要素として使用することができる。ストリップはまた、MDに対して角度をなしていてよく、及び/又は、湾曲していても、ジグザグになっていても、又は、正弦波の形状であってもよい。ストリップの幅は、0.1mmまで狭くすることができ、又は、数mmまで広くすることができる(MDストリップの場合はCDで測定、CDストリップの場合はMDで測定)。
【0054】
構造化堆積物は、液滴堆積(例えば、米国特許第7,005,044号明細書を参照されたい)、押出、ロータリースクリーン印刷などの技術によって生成することができる。
【0055】
例えば、工業用布帛は、段ボール箱ボードを製造する機械に使用されるコルゲータベルトであることができる。織物構造であることができるベルトの表面、シート及び/又は機械接触面上でバット繊維で縫い付けられた織物構造、又は、シート接触面上に本発明の樹脂組成物の複数のMDストリップを堆積させたスパイラルリンク構造である。ストリップは、MDであっても、MDに対して角度をなしていても、又はCDであってもよい。ストリップは、MDに対してある角度をなしていてもよく、湾曲されていても、ジグザグであっても、又は、正弦波の形状であってもよい。隣接するストリップ縁は互いに接触していないが、ベルトを通る空気及び水蒸気透過性を可能にする空間がある。
【0056】
改良された耐摩耗性材料の使用は堆積物をより耐久性にさせ、したがってベルトの機能性(機械を通って段ボールボードを引っ張ることを助ける)がより長く続く。
【0057】
工業用布帛はまた、転写ベルトであってもよい。そのようなベルトが優れた制御シート剥離性を示し、表面が汚染物質を含まないようにすることが重要である。これらの特性を達成するために、転写ベルトが両面でコーティングされる(時に含浸されることもある)。コーティングを両側に別々に塗布することができ、又は、一方の側から塗布して、構造に含浸させることができ、又は、その両方を組み合わせることができる。機械接触面は、典型的に、ハイドロプレーニングを防止し、したがって、不安定性又は不十分なガイド性を示さないように十分な粗さを有するべきである。粗さは、例えば、溝加工によって達成することができる。特定の実施形態では、ポリウレタンは好ましいコーティング樹脂である。ベルトの機能、特にシート剥離性は、コーティングが持続する限りにおいてのみ持続し、その耐久性(耐摩耗性)は、コーティング中にポリウレタン及びシリカガラスビーズ含有材料を含む組成物を利用して改善されうる。
【0058】
シリカガラスビーズ添加剤は、1種以上のポリエステル(例えば、PET、PBT、PEN、PCTAなど)、ポリアミド(例えば、PA 6; PA 6,6; PA 6,12; PA 6,10; PA 4,6; PA 10; PA 11; PA 12 又はNOMEX(登録商標)などのポリアラミド誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及び/又はポリエーテルケトン(PEK)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS又はRYTON(登録商標))又はポリウレタンなどの任意の適切なポリマーと混合されうる。シリカガラスビーズ添加剤はまた、2種以上のポリエステル(例えば、PET、PBT、PEN、PCTAなど)、ポリアミド(例えば、PA 6; PA 6,6; PA 6,12; PA 6,10; PA 4,6; PA 10; PA 11; PA 12又はNOMEX(登録商標)などのポリアラミド誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及び/又はポリエーテルケトン(PEK)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS又はRYTON(登録商標))、ポリウレタン、任意のコポリマー(例えば、HYTREL(登録商標))、及び、それとの任意の組み合わせ又はブレンド(例えば、PET/ポリウレタン、PET/ポリシロキサンなど)などの2種以上の適切なポリマーと混合されうる。限定するわけではないが、ポリシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、PDMS誘導体、ポリジフェニルシロキサン、環状ポリシロキサン、アミノアルキルポリシロキサンなど)を含む他の添加剤をシリカガラスビーズと混合することができる。
【0059】
次いで、ポリマー組成物は、PMC(形成布、プレス布、ドライヤ布、シュープレスベルト又は転写ベルト)、リールベルト、TAD布帛、印象用布帛、eTAD布帛及びATMOS布帛、及び、工作布、例えば、DNT布帛、ベルトフィルタ、パルプワッシャー、不織布(例えば、空気吹き付け、スパンボンド、メルトスパン、水流交絡)の製造のためのベルト/布帛/スリーブ、建築製品を製造するためのベルト(例えば、配向ストランドボード(OSB)、コルゲータベルト、テキスタイル仕上げベルト(例えば、防縮加工ベルト)及びタンナリーベルト又はスリーブ)などの工業用布帛構造の構成要素として使用することができる。
【0060】
本開示は、1つの実施形態によれば、(1)限定するわけではないが、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)又はポリエステルのコポリマー及びブレンドを含む群から選ばれるポリエステル、及び、(2)限定するわけではないが、例えば、E-ガラスシリカビーズ及びA-ガラスシリカビーズを含む群から選ばれるシリカ粒子添加剤のブレンドを含む構成要素である。構成要素組成物は、場合により、他の添加剤及び構成要素を含有する。
【0061】
場合により、カルボジイミド(例えば、Stabaxol(登録商標)1LF、PX-100又はPX-200)などの安定剤、フィラー、引張変性剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び/又は顔料又は他の添加剤は使用されうる。樹脂構成要素組成物がモノフィラメントヤーンを製造するために使用される実施形態では、モノフィラメントヤーン組成物は、典型的には、前述の工業用布帛に使用される全てのヤーンタイプに適している。
【0062】
本開示に開示されたモノフィラメントとして、ペーパーマシンクロシング及び工作布などの工業用布帛の製造における経糸及び/又は横糸として、スパイラルリンクを製造するためのモノフィラメントとして、機械縫い付け布帛の両方でのピントル又はピンとして、布帛及びスパイラルリンクベルトにおけるスタッファーヤーンとして(円形又は多角形断面)、いくつかの多層織布におけるバインダヤーンとして、そしてMD又はCDヤーン配列におけるヤーンとして使用することができる。フィラメントとして、それは更に処理され、そしてこれらの布帛のいくつかのベース構造に取り付けることができるバット材料に使用される繊維に切断されてもよい。
【0063】
特定の実施形態では、ポリエステル及びシリカガラスビーズ含有材料の混合物は、改善された耐摩耗性を有するモノフィラメント又は繊維を提供する。上記の開示された組成物はまた、本開示の他の実施形態による他の前述の構成要素のいずれかを製造するために使用され得る。これらとしては、繊維、フィラメントヤーン、フィルム、ホイル、テープ、ネッティング(メッシュ)、リング、スパイラルリンクコイル又は他の押出もしくはスパン要素、所望のパターンの構造化堆積物又はコーティング(堆積物又はコーティングは表面上で連続であっても、又は、所望のパターン(例えば、矩形)で不連続的であっても、又は、サイドバイサイドの連続又は不連続MD又はCDストリップ、又は、MD又はCDに対して角度をなした連続又は不連続ストリップが挙げられ、及び/又は、これらのストリップは湾曲していても、ジグザグであっても、又は、正弦波形状であってもよく、隣接するストリップの縁は互いに接触せず、例えば、隣接するストリップの間に「スペース」が存在する。
【0064】
ポリエステルがPETである本発明の組成物の実施形態では、PETモノフィラメントの水接触角試験により、押出プロセス中又はその前にPET樹脂にシリカガラスビーズを添加すると、100%(同PETの)モノフィラメント(接触角はわずか61~63度)と比較して、水接触角が高くなること(74.7度)を示した。典型的には、本モノフィラメント組成物の水接触角は74度より大きい。特定の実施形態では、シリカガラスビーズ添加剤の使用は2通りに機能する:(1)耐摩耗性を改善し(所望の結果)、(2)疎水性を増加させる。
【0065】
いくつかの実施形態では、安定剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び/又は顔料などの追加の添加剤が混合物中に存在しうる。次いで、ポリマー材料混合物は、繊維、ヤーン、リング、フィルム、ホイル、メッシュ、ネッティング又は他の形態に押出又は紡糸される。本発明の材料組成物はまた、構造化堆積物又はコーティング(堆積物又はコーティングは表面上で連続であっても、又は、所望のパターン(例えば、矩形)で不連続であっても、又は、隣接ストリップの縁が互いに接触していない、例えば、隣接するストリップの間に「スペース」がある、サイドバイサイドの連続又は不連続MD又はCDストリップであってもよい)として、工業用布帛又はベルトの構成要素として使用することができる。
【0066】
実施形態では、構成要素中のシリカガラスビーズの総含有量は、典型的には少なくとも約1%、又は、少なくとも1.34%、又は、少なくとも2%、又は、少なくとも3%、又は、少なくとも4%であり、又は、4%を超える。
【0067】
実施形態では、シリカガラスビーズは、典型的には、平均粒子サイズ直径が10ミクロン未満である。
【0068】
特定の実施形態では、シリカガラスビーズは、平均粒子サイズ直径が0.01~10ミクロンである。さらなる実施形態では、シリカガラスビーズは、平均粒子サイズ直径が0.1~10ミクロンである。さらなる実施形態では、シリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が1~10ミクロンである。
【0069】
シリカガラスビーズはシリカを含むガラスビーズである。場合により、シリカガラスビーズは、金属、金属酸化物又は他の金属誘導体も含む。 A-ガラス(「アルカリ-石灰」の「A」)はアルカリ金属酸化物含有分(約2.0%超)を有するシリカガラスである。 E-ガラス(電気用途のイニシャル「E」)は、実質的にアルカリ金属を含まない(約2.0%未満)シリカガラスである。他のタイプのシリカガラスビーズとしては、限定するわけではないが、C-ガラス、R-ガラス、S-ガラス及びM-ガラスが挙げられる。Matinlinna, J.P., Glass Fibers in Fiber-Reinforced Composites, Handbook of Oral Biomaterials 264(2014)を参照されたい。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物に使用されるシリカガラスビーズは、A-ガラスビーズ及びE-ガラスビーズのいずれか又は両方である。さらに、他のタイプのシリカガラスビーズを添加してもよい。他の実施形態では、シリカガラスビーズは、A-ガラスシリカビーズ及びE-ガラスシリカビーズの両方である。さらに他の実施形態では、シリカガラスビーズはA-ガラスビーズのみである。さらに他の実施形態では、シリカガラスビーズはEガラスビーズのみである。
【0071】
さらなる実施形態では、シリカガラスビーズはポリマーキャリア中に埋め込まれる。特定の実施形態では、シリカガラスビーズはPBTキャリア中に埋め込まれる。
【0072】
別の実施形態では、ポリマー樹脂とシリカガラスビーズとの組み合わせを、1種以上のポリシロキサンなどの任意の適切なシロキサンと混合することができる。
【0073】
特定の実施形態では、ポリマー樹脂とシリカガラスビーズの組み合わせを適切なフルオロポリマーと混合することができる。
【0074】
さらなる実施形態では、上述の材料の組み合わせを、限定するわけではないが、モノフィラメント、フィルム、ホイル、メッシュ、ネッティング、シートなどを含む、様々な形態に押出又は紡糸される。
【0075】
別の実施形態では、ポリマー樹脂は、任意のポリエステル、任意のポリアミド、PEEK、PEK、PPS、ポリウレタン及び/又はそれらのブレンド(例えば、PET/PBTブレンド及びPET/PUブレンド)であることができる。
【0076】
別の実施形態では、シリカガラスビーズは実質的に球形である。
【0077】
いくつかの実施形態では、組成物は20%~98%のポリマー樹脂を含む。
【0078】
別の実施形態では、組成物は1%~5%のシロキサンを含む。
【0079】
さらに別の実施形態では、組成物は1%~4%のシリカガラスビーズを含む。
【0080】
特定の実施形態では、組成物は、
(1)2%のシリカガラスビーズ、
(2)2%のシロキサン、
(3)6%のPBT、
(4)1%のカルボジイミド、及び、
(5)89%のPET
を含む。
【0081】
別の実施形態では、モノフィラメントヤーンは円形断面を有する。さらに別の実施形態では、モノフィラメントヤーンは非円形断面を有する。
【0082】
別の実施形態では、モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まない前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも5%改善される。さらなる実施形態では、モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まない前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも10%改善される。さらなる実施形態では、モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まない前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも15%改善される。さらに別の実施形態では、モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まない前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも20%改善される。
【0083】
本開示による組成物は、PMC、スラッジフィルタ又は他の湿式ろ過プロセスで使用される工作布、食品加工又は鉱業などの工業用途のためのコンベヤベルトなどの工業用プロセスベルトのためのベース支持構造、コルゲータベルト、スパイラルリンクベルトのためのスパイラルコイルリンク、それらのピントル又はスタッファーヤーン、又は、テキスタイル仕上げプロセスに使用される布帛の製造に使用することができる他のすべての構成要素及びその製造方法にも適している。ヤーンを含む任意の上記の構造は製織されても又は製織されなくてもよく、スパイラルコイルリンク構造及びMD/CDヤーン配列を含む。さらに、モノフィラメントヤーン組成物は、スパイラルリンク布帛(スタッファー)及び全てのシーム(例えば、ピンシーム、スパイラルなど)の両方のためのスタッファー及びピントルとして使用されうる。
【0084】
本開示のために、AIX-1390はA-ガラスシリカ粒子及びPETで作製された耐摩耗性モノフィラメントヤーンであり、AIX-1391はE-ガラスシリカ粒子及びPETで作製された耐摩耗性モノフィラメントヤーンであり、AIX-1394はE-ガラスシリカ粒子及びPETで作製された耐摩耗性モノフィラメントヤーンであり、AIX-1395はA-ガラスシリカ粒子及びポリアミドで作製された耐摩耗性モノフィラメントヤーンである。
【0085】
本開示は、ここで、以下の非限定的な実施例によって説明される。
【表1】

【0086】
PETモノフィラメントサンプルは、0%、1%、2%及び3%のミクロンサイズのA-ガラスシリカ粒子を含有する0.20mm直径で製造された。各サンプルのモノフィラメントの物理的特性及び耐摩耗性は下記の通りである。
【0087】
【表2】

【0088】
【表3】

【0089】
【表4】

【0090】
【表5】
【0091】
形成布サンプルの摩耗試験
3つの形成布サンプルを摩耗試験に供した。サンプルを、試行1 J5076 S-32 PET 2200029、試行2 J5076 PET /シリカA-ガラスビーズ3850-37.25 2200029、試行3 J5076 S32/AIX-1368、PA6(ポリアミド)2210932 30378896-20(交互のポリエステル及びポリアミド)として示した。1つのQ13(J5076と同じであるが、最終布帛に「Q13」コードを有する)形成布の標準スタイルも基準として試験した。PETは、コード「J5076」のヤーンタイプである。試行1モノフィラメントは、本発明のモノフィラメントと同じ日に対照として製造し、同じ押出機で製造した。試行1モノフィラメントはシリカガラスビーズ添加剤を含まなかった。試行2モノフィラメントサンプルJ5076 PET/シリカ3850-37.25 2200029は、2%のA-ガラスビーズ及び2%のシロキサンを含んだ。試行3モノフィラメントはシリカガラスビーズ添加剤を含まなかった。
【0092】
試験方法
形成布摩耗試験機で2枚の各サンプルを試験した。1つのQ13形成布標準スタイルも、試験サンプルと比較するために実施した。この試験機では、形成布サンプルを、セラミックコーティングを有する回転ロール上に巻き付け、機械方向に8kN/mで張力下に負荷をかける。1.0%(250g)のフィラーを含む水をサンプル上に噴霧する。破壊/引裂による布帛の破損までの実行時間を測定した。使用したフィラーは、SjohastenFFと呼ばれる炭酸カルシウム(チョーク、GCC)であった。
【0093】
【表6】
【0094】
各試験をサンプルが裂けるまで行い、次いで、フィラー溶液を交換した。各サンプルの2つの片で行った。試行2は本開示の一実施形態による本発明の布帛である。試行1は対照サンプルであり、試行3は他の2つの試行と同じサイズのポリアミドから作られている。これらの試行で使用されるシリカはA-ガラスであった。試行2サンプルJ5076 PET/シリカ3850-37.25 2200029を、0.95 IV PET樹脂(90%)及びFoster Corp.のA-ガラスビーズ/シロキサン添加剤(PBTXXX62813C1)(10%)のブレンドを使用してモノフィラメントに加工した。
【0095】
モノフィラメント押出プロセスの間に、Foster CorporationからのPBT /シリカ/シロキサン濃厚物(PBTXXX62813C1)をポリマー溶融物に添加することにより、ミクロンサイズのシリカ(<10ミクロン)(A-ガラス)ビーズ及びシロキサンをPET樹脂に添加した。
【0096】
この試験から、1%、2%又は3%のミクロンサイズのA-ガラスビーズをPETモノフィラメントに配合するときに、他のモノフィラメントの物理的特性は有意に変化しないようである。表1を参照されたい。2及び3%レベルのA-ガラスビーズを含む本発明のPETモノフィラメントを含む布帛の耐摩耗性は、100%PETモノフィラメントを含む布帛と比較して約20%改善される。図1を参照されたい。これは、ポリエステルモノフィラメントの高いCD寸法安定性(引張)及び低い湿分吸収特性を犠牲にすることなく、布帛耐摩耗性を有意に向上させ、耐摩耗性をポリアミドCDモノフィラメントで織られた布帛に近づける。しかし、0.85mmのPET/A-ガラスモノフィラメントの耐加水分解性試験は、ペーパーマシンのドライヤセクションにおける使用には不十分な耐加水分解性を示す。図5を参照されたい。
【0097】
押出プロセスの前又はその間にFoster CorporationからのPBT/シリカ濃厚物(PBTXGB022113A1)をポリマー溶融物に添加することにより、ミクロンサイズ(<10ミクロン)のシリカ(A-ガラス)ビーズをPETモノフィラメントに添加した。
【0098】
Foster Corporationからの異なるシリカ濃厚物のさらなる試験は、PETモノフィラメントにおける「Eガラス」と呼ばれる特定のタイプのシリカの使用が、適切な耐加水分解性と共に改善されたモノフィラメント摩耗性を示し、耐加水分解性が必要とされない布帛用途(例えば、ペーパーマシンの形成セクション)又は耐加水分解性が必要とされる用途(例えば、ペーパーマシンのドライヤセクション)で、「E-ガラス」ビーズを装填したPETモノフィラメントを使用することを可能にすることを示した。「A-ガラス」ビーズは、耐加水分解性が必要とされない用途に使用することもできる。図6を参照されたい。
【0099】
耐摩耗性を改善すると共に、機械部品上の摩擦特性を改善すること(静止要素を越える布の引きずりを低減し、次いで駆動負荷を低減する)に加えて、シリカガラスビーズ及び高分子量シロキサンを有するポリマーブレンドを作製した。シロキサンを添加することにより、モノフィラメントヤーンの摩擦特性も改善された。添加剤化合物中に添加されたシロキサンは、WackerのGenioplast Pellet "S"であったが、他の高分子量シロキサンを添加することもできる。
【0100】
A又はE-ガラスビーズの形態のシリカ及びシロキサンを有するマスターバッチの組成は、
(1)シリカ(A又はE-ガラス):1~30%、
(2)高分子量シロキサン:0~4%、及び
(3)ポリブチレンテレフタレート樹脂:20~98%
である。(注、次いで、押出中にマスターバッチをPET樹脂に添加する)
【0101】
これらのシリカガラスビーズは円形又は球形でありうる。この種のマスターバッチ濃厚物はすべての熱可塑性樹脂とともに使用することができ、熱可塑性樹脂としては、限定するわけではないが、例えば、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12など)、ポリエステル(PBT、PET、PEN、PTIなど)、THERMX(登録商標)、HYTREL(登録商標)、ARNITEL(登録商標)などのコポリエステル、及びPPS、PEEK、ポリウレタンなどの高融解温度ポリマーなどが挙げられる。
【0102】
これらの種類のモノフィラメント(又は他の構成要素形態)は、より良好な改善された耐摩耗性が必要とされるあらゆる用途に使用することができる。これにより、工業用布帛及びベルトの摩耗が低減され、寿命及び性能が改善される。摩擦/摩耗試験では、キャリパー(厚さ)及び質量の損失の両方において、布帛の寿命の少なくとも30~40%の改善が示された。図7及び11を参照されたい。
【0103】
シリカ装填製品の加水分解試験は、高温スチームに曝されるPETモノフィラメントにおける使用を実行可能とするために、特定のタイプのシリカガラスビーズが好ましいことを示した。加水分解試験結果は、加水分解を防止するための添加剤及び摩擦係数を低減するためのシロキサン添加剤と共に、1.34%及び2.0%装填量の異なるタイプのシリカビーズ(E-ガラス又はA-ガラス)をそれぞれ装填したモノフィラメントにより報告される。図5、6及び8を参照されたい。
【0104】
この結果は、A-ガラスビーズが装填されたPETモノフィラメント(3850-50-3及び4)はモノフィラメントの耐加水分解性に正の影響を及ぼさないことを再度示している。サンプル3850-50-1及び2はE-ガラスビーズが装填されている。サンプル3850-50-1及び2(E-ガラスビーズ)の耐加水分解性は製紙機のドライヤセクションなどの高温スチーム環境での使用に適したPET対照モノフィラメントと同等であることが示されている。
【0105】
サンプル組成:
・3850-50-1:0.72 IV(固有粘度)PET中1.34%E-ガラス/2%シロキサン/1.25%カルボジイミド
・3850-50-2:0.72 IV PET中2%E-ガラス/2%シロキサン/1.25%カルボジイミド
・3850-50-3:0.72 IV PET中2%A-ガラス/2%シロキサン/1.25%カルボジイミド
・3850-50-4:0.72 IV PET中1.34%のA-ガラス/2%シロキサン/1.25%カルボジイミド
【0106】
E-ガラスタイプのシリカを装填したPETモノフィラメントのモノフィラメント耐摩耗性は、100%PET対照モノフィラメントのEinlehner耐摩耗性より良好であることがわかった。例えば、図1,7及び8を参照されたい。
【0107】
E-ガラスビーズを含むモノフィラメントヤーンのSEM画像(紙面図及び断面図を示す)はモノフィラメントヤーン内のE-ガラスビーズの分布を示す。図2を参照されたい。
【0108】
本発明の0.85mmのAIX-1391(E-ガラスビーズを含む)対0.85mmのHRS310ポリエステル(HR =耐加水分解性)の2つのモノフィラメントの応力対歪みプロットは、これら2つのモノフィラメントが同様の応力/歪み特性を有することを示す。図3を参照されたい。
【0109】
本発明の0.50mmのAIX-1390(A-ガラスビーズを含む)モノフィラメント対標準0.50mm のS-70モノフィラメントの応力対歪みプロットは、これら2つのモノフィラメントは非常に類似した引張特性を有することをも示している。図4を参照されたい。
【0110】
通常の標準0.85mmPETモノフィラメントの質量及びキャリパ(厚さ)の%損失は、本発明の耐摩耗性PETであるHi-Life PETモノフィラメントよりも高かった(悪かった)。図11を参照されたい。
【0111】
2.0%A-ガラスビーズを含むヤーン(AIX-1384)で作製されたPET布帛を破壊するために、PET基準材料(HCR 280)、HYTREL(登録商標)基準材料(AIX-1382)及び2.0%A-ガラスビーズを含むHYTREL(登録商標)(AIX-1383)より多くの時間がかかった。しかしながら、本発明のHYTREL(登録商標)材料組成物は、標準HYTREL(登録商標)より良好であったことにも留意されたい。図12を参照されたい。モノフィラメントは、0.50mmの円形断面であった。
【0112】
組成S1618 0.50mmS70PET及び100%PA6の交互のモノフィラメントヤーン(画像にわたる)で織られた布帛を示す画像は、1時間の外的摩擦後に耐摩耗性を示す。図13を参照されたい。
【0113】
図13中の布帛の摩耗を示す画像は、2時間の外的摩擦後に耐摩耗性を示す。図14を参照されたい。
【0114】
図13のように織られた布帛であるが、S70 PETモノフィラメントを組成S1618 0.50mmAIX-1390(A-ガラスビーズを含む本発明のヤーン組成物)のモノフィラメントに置き換えたものを示す画像は、1時間の外的摩擦後に耐摩耗性を示す。図15を参照されたい。
【0115】
図15の布を示す画像は、2時間の外的摩擦後に耐摩耗性を示す。図16を参照されたい。
【0116】
したがって、この材料組成物の主な特徴は、
1.非常に良い耐摩耗性である。本発明のモノフィラメントを含む試験された実際の布帛は、耐摩耗性の少なくとも20%の改善を示した。
2.樹脂構成要素の他の物理的特性に及ぼす影響を最小にする。
3. E-ガラスビーズは樹脂構成要素の耐加水分解性に正の影響を与える。
【0117】
本開示の特定の実施形態について議論してきたが、上記の明細書は例示的なものであり、限定的なものではない。当業者であれば、本開示に対して多くの変更及び修飾を行うことができ、そのような変更及び修飾は、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく行うことができることを理解するであろう。本開示の全範囲は、特許請求の範囲、その均等物の全範囲及び明細書ならびにそのような変形例を参照して決定されるべきである。
【0118】
同様に、本発明の技術的特徴は特定の実施形態に関してのみ記載されているかもしれないが、当業者であれば、いくつかの実施形態の特徴を他の実施形態の特徴と組み合わせることができ、特定の実施形態に関して記載された特徴の特定の組み合わせを、他の実施形態に関して記載された他の特徴又は他の特徴の特定の組み合わせと組み合わせることもできることが理解されるであろう。
【0119】
本出願に引用又は記載された各特許、特許出願及び刊行物は、各個別の特許、特許出願又は刊行物が具体的かつ個別に参照により組み込まれていることが示されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は以下の態様も包含する。
[1] 少なくとも1種のポリマー樹脂、及び、
少なくとも1種のシリカガラスビーズ、
を含む、樹脂構成要素組成物。
[2] 前記シリカガラスビーズは金属酸化物を含む、上記態様1記載の組成物。
[3] 前記シリカガラスビーズはA-ガラスビーズ及びE-ガラスビーズから選ばれる、上記態様2記載の組成物。
[4] 前記組成物の約4質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占める、上記態様1記載の組成物。
[5] 前記組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占める、上記態様1記載の組成物。
[6] 前記組成物の約1質量%~約4質量%はシリカガラスビーズが占める、上記態様4記載の組成物。
[7] 前記組成物の約0.5質量%~約5質量%はシロキサン含有添加剤が占める、上記態様6記載の組成物。
[8] 前記シリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が0.01~10ミクロンである、上記態様5又は6記載の組成物。
[9] 前記シリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が0.1~10ミクロンである、上記態様8記載の組成物。
[10] 前記シリカガラスビーズは平均粒子サイズ直径が1~10ミクロンである、上記態様9記載の組成物。
[11] 前記ポリマー樹脂はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6; PA6,6; PA6,12; PA6,10; PA4,6; PA10; PA11; PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)及びポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS/RYTON(登録商標))、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、少なくとも1種のポリマーを含む、上記態様1記載の組成物。
[12] 前記ポリマー樹脂はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる、少なくとも1種のポリエステルを含む、上記態様11記載の組成物。
[13] 前記シロキサン含有添加剤はポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む、上記態様7記載の組成物。
[14] 前記シリカガラスビーズは実質的に丸い又は球状である、上記態様8記載の組成物。
[15] 前記組成物は少なくとも2種のポリマー樹脂を含む、上記態様1記載の組成物。
[16] 前記組成物はポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6; PA6,6; PA6,12; PA6,10; PA4,6; PA10; PA11; PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)及びポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS/RYTON(登録商標))、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、2種以上のポリマーを含む、上記態様15記載の組成物。
[17] 前記ポリマー樹脂はPETを含む、上記態様1記載の組成物。
[18] 前記組成物はA-ガラスビーズを含む、上記態様3記載の組成物。
[19] 前記組成物はE-ガラスビーズを含む、上記態様3記載の組成物。
[20] 前記組成物はA-ガラスビーズ及びE-ガラスビーズの両方を含む、上記態様3記載の組成物。
[21] 前記組成物はシロキサン含有添加剤PDMSをさらに含む、上記態様3記載の組成物。
[22] 前記組成物は前記組成物の約20質量%~約98質量%の量で1種のポリマー樹脂を含む、上記態様4記載の組成物。
[23] 前記組成物は少なくとも2種のポリマー樹脂を含む、上記態様4記載の組成物。
[24] 前記組成物の約20質量%~約98質量%は2種以上のポリマー樹脂が占める、上記態様23記載の組成物。
[25] 前記組成物の約1質量%~約5質量%はシロキサン含有添加剤が占める、上記態様7記載の組成物。
[26] 前記組成物の約20質量%~約98質量%はポリマー樹脂が占める、上記態様6記載の組成物。
[27] 前記組成物の約20質量%~約98質量%は2種以上のポリマー樹脂が占める、上記態様26記載の組成物。
[28] 前記少なくとも1種のポリマー樹脂はPETであり、前記シリカガラスビーズはA-ガラスビーズである、上記態様6記載の組成物。
[29] 前記少なくとも1種のポリマー樹脂はPETであり、前記シリカガラスビーズはE-ガラスビーズである、上記態様6記載の組成物。
[30] 前記少なくとも1種のポリマー樹脂はPETであり、前記シリカガラスビーズはA-ガラスビーズ及びE-ガラスビーズの両方である、上記態様6記載の組成物。
[31] (a)前記組成物の89質量%はPETであり、
(b)前記組成物の6質量%はPBTであり、
(c)前記組成物の2質量%はシロキサン添加剤であり、
(d)前記組成物の1質量%はカルボジイミドであり、そして
(e)前記組成物の2質量%はシリカガラスビーズである、
上記態様26記載の組成物。
[32] 前記組成物は安定剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び顔料からなる群より選ばれる1種以上の添加剤を含む、上記態様1記載の組成物。
[33] モノフィラメントヤーン表面上で測定される水接触角は74度より大きい、上記態様6又は7記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
[34] モノフィラメントヤーンは円形又は非円形断面を有する、上記態様6又は7記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
[35] モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まないで製造された前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも5%改善されている、上記態様6又は7記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
[36] モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まないで製造された前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも10%改善されている、上記態様6又は7記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
[37] モノフィラメントヤーンの耐摩耗性はシリカガラスビーズを含まないで製造された前記モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも15%改善されている、上記態様6又は7記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
[38] モノフィラメントヤーンの耐摩耗性は純粋なポリマー樹脂モノフィラメントヤーンと比較して少なくとも20%改善されている、上記態様6又は7記載の組成物を含む、モノフィラメントヤーン。
[39] ポリマー樹脂、シリカガラスビーズを含む樹脂構成要素組成物の製造方法であって、前記シリカガラスビーズを前記ポリマー樹脂に同時に添加し、次いで押出又は紡糸することを含む、樹脂構成要素組成物の製造方法。
[40] シロキサン添加剤をさらに含み、シロキサン添加剤及び前記シリカガラスビーズを前記ポリマー樹脂に同時に添加し、次いで押出又は紡糸する、上記態様39記載の樹脂構成要素組成物の製造方法。
[41] ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6、PA6,6、PA6,12、PA6,10、PA4,6、PA10、PA11、PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS/RYTON(登録商標))、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、1種以上のポリマーを含む、上記態様39記載の組成物の製造方法。
[42] ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる、2種以上のポリマーを含む、上記態様41記載の組成物の製造方法。
[43] 少なくとも2種のポリマー樹脂を含み、前記シリカガラスビーズを前記ポリマー樹脂に同時に添加し、次いで押出又は紡糸する、上記態様41記載の組成物の製造方法。
[44] シリコーン添加剤をさらに含み、シロキサン添加剤及び前記シリカガラスビーズを前記ポリマー樹脂に同時に添加し、次いで押出又は紡糸する、上記態様43記載の樹脂構成要素組成物の製造方法。
[45] ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA6、PA6,6、PA6,12、PA6,10、PA4,6、PA10、PA11、PA12; MXD6及びそれらの芳香族誘導体)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)(PPS/RYTON(登録商標))、ポリウレタン、ポリシロキサン及びそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、2種以上のポリマーを含む、上記態様44記載の組成物の製造方法。
[46] ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)、ポリ(シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)酸(PCTA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる、2種以上のポリマーを含む、上記態様45記載の組成物の製造方法。
[47] 前記組成物は安定剤、相溶化剤、耐加水分解又は耐酸化添加剤、染料及び顔料からなる群より選ばれる1種以上の添加剤を含む、上記態様39記載の組成物の製造方法。
[48] 前記組成物は繊維、ヤーン、リング、フィルム、ホイル、テープ、メッシュ、スパイラルリンクコイル及びネッティングからなる群より選ばれる構成要素に押出又は紡糸され、又は、構造化堆積物又はコーティングである、上記態様39記載の組成物の製造方法。
[49] 前記構成要素は上記態様6又は7記載の組成物を含む、工業用布帛の構成要素。
[50] 前記構成要素はヤーン、繊維、フィルム、ホイル、テープ、ネッティング、メッシュ、リング、スパイラルリンクコイル、構造化堆積物及びコーティングからなる群より選ばれる、上記態様49記載の構成要素。
[51] 前記工業用布帛はPMC形成布、プレス布及びドライヤ布、プロセスベルト、印象用布帛、TAD布帛、eTAD布帛及びATMOSマシン布帛からなる群より選ばれる、上記態様49記載の構成要素。
[52] 工業用布帛は、スラッジフィルタ及び他の湿式ろ過プロセスにおいて使用される、空気吹き付け、メルトブロー、スパンボンド及び水流交絡布帛などの方法による不織布の製造に使用される工作布、スリーブ及びベルト;コンベヤベルト;コルゲータベルトからなる群より選ばれる、上記態様49記載の構成要素。
[53] 前記工業用布帛は、スパイラルコイルリンク、そのピントル及びスタッファーヤーン;テキスタイル仕上げプロセスに使用される布帛及びベルト;建築製品を製造するために使用されるベルト及び布帛;タンナリーベルト及びタンナリースリーブからなる群より選ばれる、上記態様49記載の構成要素。
[54] 前記布帛構成要素は、MD及びCDでヤーンから織られた布帛、MD又はCDヤーン配列の不織布層、スパイラルリンクから作られた布帛又はスパイラルリンク自体、メッシュ、ネッティング、リング、ホイル、フィルム及び他の押出要素からなる群より選ばれる、上記態様49記載の工業用布帛。
[55] 上記態様6又は7記載の組成物を含むメッシュ、ネッティング、リング、フィルム、繊維又はペーパーマシンクロシング。
[56] 前記繊維は工業用布帛のバット部分に使用するのに適している、上記態様55記載の繊維。
[57] 上記態様6又は7記載の組成物を含む、リールベルト、TAD、eTAD、ATMOS、DNT、PMC形成、プレス及びドライヤ布、プロセスベルト、印象用布帛、ベルトフィルタ、パルプワッシャーカバー又は建築製品を製造するためのベルト。
[58] 上記態様6又は7記載の組成物を含む、工作布、空気吹き付け、スパンボンド、メルトスパン又は水流交絡布。
[59] 上記態様6又は7記載の組成物を含む、コルゲータベルト。
[60] 上記態様6又は7記載の組成物を含む、プレス布又はコルゲータベルト布のバット部分。
[61] 上記態様6又は7記載の構成要素を含むスタッファーヤーン又はピントル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16