(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】付加的に製造された部品の微細構造を制御するための付加製造付加製造システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B22F 10/368 20210101AFI20221109BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20221109BHJP
B22F 10/366 20210101ALI20221109BHJP
B22F 10/85 20210101ALI20221109BHJP
B22F 12/90 20210101ALI20221109BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20221109BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20221109BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20221109BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20221109BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20221109BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20221109BHJP
【FI】
B22F10/368
B22F10/28
B22F10/366
B22F10/85
B22F12/90
B29C64/153
B29C64/268
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2021087354
(22)【出願日】2021-05-25
(62)【分割の表示】P 2019536868の分割
【原出願日】2017-12-21
【審査請求日】2021-05-25
(32)【優先日】2017-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ユアン、ラン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、ニン
【審査官】松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-502603(JP,A)
【文献】特表2013-502324(JP,A)
【文献】特開2015-196164(JP,A)
【文献】特表2014-508668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 10/368
B22F 3/105
B22F 3/16
B22F 10/25
B22F 10/366
B22F 10/85
B22F 12/90
B29C 64/153
B29C 64/268
B29C 64/393
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B33Y 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体床(111)と、
前記粉体床(111)から部品(106)の構築層(116)を形成するための少なくとも1つのエネルギービーム(114)を生成するように構成された少なくとも1つのエネルギー源(112)と、
前記少なくとも1つのエネルギー源(112)に通信可能に結合された計算装置(136)と、
を備え、
前記計算装置(136)はプロセッサ(142)及びメモリ装置(140)を備え、
前記メモリ装置(140)は、
前記部品(106)を製造するための製造計画を実行することであって、前記製造計画は前記部品(106)を製造するための複数の製造命令と前記部品(106)の製造中の前記部品(106)の一部分に対する少なくとも1つの目標温度値を含む熱計画とを含み、前記製造計画は、少なくとも1つの目標溶融プール(214)特性を含む溶融プール(214)計画をさらに含む前記実行することと、
前記製造計画の実行中に、前記部品(106)の製造中の前記部品(106)の少なくとも一部分に対応する部品(106)熱データを受信することであって、前記部品(106)熱データは、溶融プール(214)特性に対応する前記受信することと、
前記部品(106)の前記一部分内に所定の微細構造を作成するために前記部品(106)熱データを受信するのに応えて前記少なくとも1つのエネルギービーム(114)を制御することと、
前記部品(106)に対応する部品(106)モデルデータを受信することであって、前記部品(106)モデルデータは前記所定の微細構造に対応することを特徴とする前記受信することと、
前記受信された部品(106)モデルデータを予測モデルに適用することによって前記製造計画を生成することであって、前記予測モデルは、前記部品(106)の前記一部分内に前記所定の微細構造を作成するための前記複数の製造命令を生成するように構成されていることを特徴とする前記生成することと、
前記部品(106)熱データと前記少なくとも1つの目標温度値との間の偏差を特定することと、
前記偏差を低減するように構成された少なくとも1つの修正措置を生成することと、
前記少なくとも1つの修正措置を実行することと、
前記修正措置を反映するように前記溶融プール(214)計画を修正することにより、前記少なくとも1つの修正措置を含む前記製造計画の前記複数の製造命令の少なくとも1つを修正することと、
を前記計算装置(136)に実行させるように構成された命令を記憶
し、
前記予測モデルは、前記部品(106)の一部分をある温度まで上昇させること、前記上昇された温度を指定された時間にわたって維持すること、及び前記所定の微細構造の成長を促進するために一定の速度で前記一部分を冷却させること、を容易にするための前記命令を生成する、
付加製造システム(100)。
【請求項2】
前記予測モデルは、
前記所定の微細構造を形成するようにエネルギー源(112)の移動速度及びパワーの少なくとも1つを制御するための前記命令を生成するように構成されている、
請求項1に記載の付加製造システム(100)。
【請求項3】
前記部品(106)熱データを収集するように構成された少なくとも1つの熱センサ(200)をさらに備え、前記計算装置(136)は前記少なくとも1つの熱センサ(200)に通信可能に結合されており、前記命令は、前記少なくとも1つの熱センサ(200)から前記部品(106)熱データを受信することを前記計算装置(136)にさらに実行させる、請求項1に記載の付加製造システム(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの熱センサ(200)は、赤外線センサ(200)、近赤外線セン
サ(200)、及びフォトダイオードセンサ(200)のうちの少なくとも1つを備える、請求項3に記載の付加製造システム(100)。
【請求項5】
前記命令は、前記部品(106)熱データを受信するのに応えて、
前記少なくとも1つのエネルギー源(112)のパワー設定を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービーム(114)の走査方向を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービーム(114)の走査速度を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギー源(112)と前記部品(106)との間の距離を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギー源(112)をオン状態とオフ状態との間で変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービーム(114)のハッチ間隔設定を変更することと、
のうちの少なくとも1つによって前記計算装置(136)に前記少なくとも1つのエネルギービーム(114)をさらに制御させる、請求項1に記載の付加製造システム(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの目標温度値は、前記部品(106)の製造中の前記部品(106)の一部分に対応する、請求項1に記載の付加製造システム(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの目標温度値は少なくとも1つの内部目標温度値であり、前記部品(106)熱データは前記部品(106)の表面温度に対応し、前記命令は、
少なくとも1つの内部温度予測モデルを前記部品(106)熱データに適用することによって、前記部品(106)の少なくとも1つの予測内部温度値を決定することと、
前記少なくとも1つの内部目標温度値と前記少なくとも1つの予測内部温度値との間の偏差を特定することによって、前記部品(106)熱データと前記少なくとも1つの目標温度値との間の偏差を特定することと、
を前記計算装置(136)にさらに実行させる、請求項1に記載の付加製造システム(100)。
【請求項8】
前記命令は、
前記部品(106)熱データに基づいて前記溶融プール(214)の少なくとも1つの溶融プール(214)特性を判断することと、
前記少なくとも1つの溶融プール(214)特性と前記少なくとも1つの目標溶融プール(214)特性との間の偏差を特定することと、
前記偏差を低減するように構成された少なくとも1つの修正措置を生成することと、
前記少なくとも1つの修正措置を実行することと、
を前記計算装置(136)にさらに実行させる、請求項1に記載の付加製造システム(100)。
【請求項9】
前記命令は、前記少なくとも1つの修正措置を含むように前記製造計画を修正することを前記計算装置(136)にさらに実行させる、請求項8に記載の付加製造システム(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの溶融プール(214)特性及び前記少なくとも1つの目標溶融プール(214)特性の各々は、前記溶融プール(214)の長さ、前記溶融プール(214)の幅、前記溶融プール(214)の深さ、前記溶融プール(214)の容積、及び前記溶融プール(214)の温度のうちの1つである、請求項8に記載の付加製造システム(100)。
【請求項11】
前記部品(106)熱データは前記溶融プール(214)の表面温度に対応し、前記命令は、少なくとも1つの溶融プール(214)予測モデルを前記部品(106)熱データに適用することによって前記少なくとも1つの溶融プール(214)特性を判断することを、前記計算装置(136)にさらに実行させる、請求項1に記載の付加製造システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、一般に付加製造システムに関し、より具体的には、付加的に製造された部品の微細構造を動的に制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくともいくつかの付加製造システムは、部品を作成するための粉末材料の蓄積を伴う。この方法は、低コストで生産効率を向上させて、高額な材料から複雑な部品を生産することができる。直接金属レーザ溶融(DMLM)システムなど、少なくともいくつかの付加製造システムは、非限定的にレーザ装置などのエネルギー源、ビルドプレート、及び非限定的に粉末金属などの粉末材料を使用して、部品を製造する。エネルギー源によって生成されたエネルギービームは、エネルギービームが粉末材料に入射する領域内及びその周りでビルドプレート上の粉末材料を溶融するために誘導され、溶融プールをもたらす。溶融プールが冷却するにつれて、溶融プールに含まれる材料は凝固し、微細構造を成長させる。微細構造の特性は、エネルギー源のパワー、溶融プールが上昇できる温度、溶融プールの形状、及び溶融プールが冷却する速度を含む、様々なプロセスパラメータに依存する。したがって、付加製造プロセスを使用して部品を一貫して正確に製造するには、一般に、部品の微細構造の特性と相関するプロセスパラメータの制御及び監視が必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、部品を製造するための付加製造システムが提供される。付加製造システムは、粉体床と、粉体床から部品の構築層を形成するための少なくとも1つのエネルギービームを生成するように構成された少なくとも1つのエネルギー源と、少なくとも1つのエネルギー源に結合された計算装置と、を含む。計算装置は、プロセッサ及びメモリ装置を含む。メモリ装置は、部品を製造するための製造計画を実行することであって、製造計画は部品を製造するための複数の製造命令を含む、実行することと、部品の製造中に部品の少なくとも一部分に対応する部品熱データを受信することと、部品の部分内に所定の微細構造を作成するために部品熱データを受信するのに応えて少なくとも1つのエネルギービームを制御することと、を計算装置に実行させるように構成された命令を記憶する。
【0004】
別の態様では、付加製造システムを使用して部品を製造するための方法が提供される。付加製造システムは、粉体床と、粉体床から部品の構築層を形成するための少なくとも1つのエネルギービームを生成するように構成された少なくとも1つのエネルギー源と、少なくとも1つのプロセッサを含む計算装置と、を含む。方法は、部品を製造するための製造計画を実行することであって、製造計画は部品を製造するための複数の製造命令を含む、実行することと、部品の製造中に部品の少なくとも一部分に対応する部品熱データを受信することと、部品の部分内に所定の微細構造を作成するために部品熱データを受信するのに応えて少なくとも1つのエネルギービームを制御することと、を含む。
【0005】
本開示のこれら並びにその他の特徴、態様、及び利点は、図面を通じて類似の文字が類似の部分を表す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、より良く理解されるようになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】付加製造装置を含む例示的な付加製造システムの概略図である。
【
図2】(1)
図2(Fig.2)は、
図1に示される付加製造システムと共に使用され得る、例示的な熱データ収集装置の斜視図であり、(2)図
2(Fig.3)は、
図2(Fig.2)に示される例示的な構築層の拡大図である。
【
図3】
図1の付加製造システムを使用して部品を製造するための方法を示すフローチャートである。
【
図4】
図1の付加製造システムを使用して部品を製造するための代替方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
別途示されない限り、本明細書に提示される図面は、本開示の実施形態の特徴を示すように意図される。これらの特徴は、本開示の1又は複数の実施形態を備える多種多様なシステムに適用可能であると考えられる。したがって、図面は、本明細書に開示される実施形態の実践のために必要であると当業者によって知られる全ての従来の特徴を含むように意図されるものではない。
【0008】
以下の明細書及び請求項において、以下の意味を有するように定義されるいくつかの用語が参照されるだろう。
【0009】
単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の言及を含む。
【0010】
「所望により」又は「任意に」とは、後に記載される事象又は状況が起こっても起こらなくてもよいこと、並びに説明が、事象が起こる場合及び起こらない場合を含むことを、意味する。
【0011】
本明細書及び請求項を通して本明細書内で使用される近似の言い回しは、関連する基本機能に変化を生じることなく許容可能に変動し得る、任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」などの1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの事例では、近似の言い回しは、値を測定するための機器の精度に対応し得る。ここで、並びに本明細書及び請求項を通して、範囲の限定は組み合わせ及び/又は交換されてもよく、このような範囲は特定されて、文脈又は言語が別途指定しない限り、本明細書に含まれる全ての部分範囲を含む。
【0012】
本明細書で使用されるとき、用語「プロセッサ」及び「コンピュータ」並びに関連用語、たとえば「処理装置」及び「計算装置」は、当該技術分野においてコンピュータと称されるような集積回路のみに限定されず、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、及びプログラマブル回路にも広く言及し、これらの用語は本明細書において交換可能に使用される。本明細書に記載される実施形態では、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピュータ可読媒体、及びフラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体を含み得るが、これらに限定されない。あるいは、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、及び/又はデジタル多用途ディスク(DVD)もまた使用され得る。また、本明細書に記載される実施形態では、追加の入力チャネルは、マウス及びキーボードなどのオペレータインターフェースに関連するコンピュータ周辺機器であってもよいが、これらに限定されない。あるいは、たとえばスキャナを含み得るがこれに限定されないその他のコンピュータ周辺機器もまた使用され得る。さらに、例示的な実施形態では、追加の出力チャネルは、オペレータインターフェースモニタを含み得るが、これに限定されない。
【0013】
本明細書で使用されるとき、用語「非一時的コンピュータ可読媒体」は、任意の装置内のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及びサブモジュール、又はその他のデータなどの情報の短期又は長期記憶のための任意の方法又は技術において実施される任意の有形のコンピュータベースの装置を表すことを意図する。したがって、本明細書に記載される方法は、非限定的に記憶装置及び/又はメモリ装置を含む、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体内で具現化される実行可能命令として符号化されてもよい。このような命令は、プロセッサによって実行されると、本明細書に記載される方法の少なくとも一部分をプロセッサに実行させる。また、本明細書で使用されるとき、用語「非一時的コンピュータ可読媒体」は、非限定的に揮発性及び不揮発性媒体を含む非一時的コンピュータ記憶装置、並びにファームウェア、物理及び仮想ストレージ、CD-ROM、DVDなどのリムーバブル及び非リムーバブル媒体を含む全ての有形のコンピュータ可読媒体、そしてネットワーク又はインターネットなどのその他いずれかのデジタルソース、さらに未だ開発されていないデジタル手段を含むが、唯一の例外は一時的な伝播信号である。
【0014】
さらに、本明細書で使用されるとき、用語「リアルタイム」は、関連事象の発生時間、所定のデータの測定及び収集の時間、データを処理する時間、並びに事象及び環境に対するシステム応答の時間のうちの少なくとも1つを指す。本明細書に記載される実施形態では、これらの活動及び事象は、実質的に即座に行われる。
【0015】
製造プロセスの間、本明細書に記載される付加製造システムの実施形態は、製造されている部品に対応する熱データを収集し、少なくとも部分的に、収集された熱データに基づいて製造プロセスを動的に調整する。付加製造システムは、プロセッサ及びメモリ装置を有する計算装置に結合された少なくとも1つのエネルギー源を含む。メモリ装置は、実行されると部品を製造するための製造計画を計算装置に実行させる、命令を含む。製造計画の実行中、計算装置は、付加製造システムによって製造されている部品の少なくとも一部分に対応する部品熱データをリアルタイムで受信し、少なくとも部分的に部品熱データに基づいて、エネルギー源によって発射されるエネルギービームを制御する。こうすることによって、付加製造システムは、部品の部分の最終的な微細構造の制御を容易にする。このような制御は、部品の微細構造の一貫性を改善し、製造欠陥の可能性を低減することによって、製造された部品の品質を改善する。また、部品の微細構造の制御は複数の部分を有するように部品を製造することを容易にし、各部分は、その部分に所望の特性を付与するように選択された所定の微細構造を有する。このような特性は、非限定的に、強度、延性、靱性、硬度、耐食性、熱応答性、及び耐摩耗性を含み得る。
【0016】
製造計画は一般に、部品を製造するように付加製造システムを誘導するように構成された命令を含む。たとえば、製造計画は、付加製造システムの1又は複数のエネルギー源を制御するように構成された命令を含み得る。いくつかの実施形態では、計算装置は、製造されている部品の一部分の所定の微細構造に対応する部品モデルデータを含む受信部品モデルデータに基づいて製造計画を生成するように、さらに構成されている。より具体的には、計算装置は、部品の部分内に所定の微細構造を作成するための製造計画の製造命令を生成するように構成された予測モデルに、受信部品モデルデータを適用する。計算装置によって受信されて予測モデルに適用され得る追加の部品モデルデータは、非限定的に、部品又はその一部分の三次元モデルなどの幾何学的データ、及び粉体床の熱特性などの材料特性を含む。
【0017】
製造計画は、部品の製造を容易にするための、より具体的には所定の微細構造の成長のための、部品の目標熱データをさらに含み得る。たとえば、特定の実施形態では、製造計画は、製造プロセス中の部品の部分に対する目標温度値を含む熱計画を含む。目標温度値は、非限定的に、最高温度、最低温度、及び温度勾配を含む。目標温度値は、時間面をさらに組み込んでもよい。たとえば、目標温度値は、経時的な温度の変化、及び経時的に維持すべき目標温度範囲を含んでもよい。目標温度値はその後、受信した熱データに照らして付加製造システムの制御を容易にするために使用され得る。より具体的には、目標温度値を受信した熱データと比較することによって、付加製造システムを制御するためのフィードバックループが確立され得る。
【0018】
他の実施形態では、付加製造システムは、製造計画を改善及び改良するように、さらに構成されている。より具体的には、付加製造システムは、製造計画(又は熱計画などその一部)と付加製造システムによって受信された部品熱データとの間の偏差を特定し、偏差を低減するための対応する修正措置を生成する。次いで付加製造システムは、修正措置に基づいて製造計画を修正し得る。製造計画の修正は、製造計画自体を修正すること、又は製造計画を生成するために使用される予測モデルを修正することの一方又は両方を含む。こうすることによって、製造計画は、製造プロセスに影響を及ぼす要因をより良く反映するように、反復的に改善される。
【0019】
図1は、付加製造装置102を含む例示的な付加製造システム100の概略図である。例示的な実施形態では、付加製造システム100は直接金属レーザ溶融(DMLM)システムである。本明細書の実施形態はDMLMシステムを参照して説明されるが、本開示はまた、液体樹脂ベースの付加製造システム(たとえば、ステレオリソグラフィシステム)又は選択的レーザ溶融システムなど、他のタイプの付加製造システムにも適用され得る。
【0020】
付加製造装置102は、付加製造プロセス中に三次元部品106を支持するための構築プラットフォーム104と、粉体床111としても知られる構築材料110のリザーバ108と、部品106を形成する複数の重なり合った構築層116、118、及び120を形成するために粉体床111の一部分を焼結、固化、硬化、又は別途凝固させるためのエネルギービーム114を発射するエネルギー源112とを含む。明確にするために、
図1ではリザーバ108の前壁は省略されている。同様に、明確にするために
図1では粉体床111の部分は省略されている。例示的な実施形態では、三次元部品106は航空機部品であるが、付加製造システム100はいずれの三次元部品を製造するためにも使用され得る。構築プラットフォーム104は、粉体床111が凝固する平面を調整するために構築プラットフォームが垂直方向124に沿って上昇及び/又は下降し得るように、垂直アジャスタ122に結合されている。
【0021】
例示的な実施形態では、エネルギー源112はレーザである。より具体的には、エネルギー源112はファイバレーザ又はダイオードレーザである。代替実施形態では、エネルギー源112は、たとえば紫外線レーザ、光源、二酸化炭素(CO2)レーザなどのガスレーザ、又は電子ビーム発生器など、粉体床111を焼結、固化、硬化、又は別途凝固するためのいずれの適切なエネルギー源であってもよい。代替実施形態では、付加製造システム100は、付加製造システム100が本明細書に記載されるように機能できるようにする類似のパワー又は異なるパワーを有する、2つ以上のエネルギー源112を含む。さらに、例示的な実施形態では、構築材料110は金属粉末である。より具体的には、構築材料110は、およそ10~100ミクロンの範囲内の平均粒径を有するガスアトマイズ金属粉末(たとえば、コバルト、鉄、アルミニウム、チタン、及び/又はニッケル合金)である。
【0022】
付加製造装置102はまた、粉体床111及び先に形成された構築層上に構築材料110の薄層を提供するための、再塗布装置アセンブリ126としても知られる構築材料ディスペンサも含む。加えて、付加製造装置102は、部品106が見えるように配置された熱データ収集装置128を含む。熱データ収集装置128は、構築プロセスの間及び構築プロセスが完了した後の両方で、層116、118、及び120及び/又は部品106に関連する熱データを収集する。例示的な実施形態では、熱データ収集装置128は、赤外線センサ、近赤外線センサ、及びフォトダイオードセンサのうちの1つである。
【0023】
例示的な実施形態では、付加製造装置102は、粉体床111の選択部分にわたってエネルギービーム114を走査するための走査装置130を含む。例示的な実施形態では、走査装置130は、1又は複数の検流計光学スキャナ132、及び/又は1又は複数の電動ミラー、レンズ、及び/又はその他の光学装置を含む。代替実施形態では、エネルギー源112は、部品106に対するエネルギー源112の位置及び/又は向きを変更するように構成されたアクチュエータに結合されている。
【0024】
構築プラットフォーム104、再塗布装置126、熱データ収集装置128、走査装置130、及びエネルギー源112のうちの1又は複数は、コントローラ134に通信するように動作可能に結合されている。例示的な実施形態では、再塗布装置126、熱データ収集装置128、走査装置130、及びエネルギー源112の各々は、コントローラ134に動作可能に結合されている。また、例示的な実施形態では、コントローラ134は、計算装置136に通信するように動作可能に結合されている。
【0025】
動作中、付加製造システム100は、層ごとの製造プロセスによって部品106を製造する。より具体的には、部品106は、計算装置136に記憶された部品106の三次元形状の電子表示から製造される。たとえば、電子表示は、コンピュータ支援設計(CAD)又は類似の電子ファイルで生成される。代替実施形態では、電子表示は、付加製造システム100を本明細書で記載されるように動作させられる任意の電子表示である。例示的な実施形態では、部品106を表すCADファイルは、たとえば計算装置136によって、各層の複数の構築パラメータを含む層ごとのフォーマットに変換される。部品106は、付加製造システム100で使用される座標系の原点に対して所望の向きに電子的に配置される。加えて、部品106の形状は、各層の形状がその特定の層位置で部品106を通る断面の輪郭となるように、所望の厚さの二次元層のスタックに切り分けられる。構築材料110から部品106のその層を製造して部品106を構築する計画を構成するためにハッチパターンに沿って構築パラメータが適用されるように、ハッチパターンはそれぞれの各層内で生成される。それぞれの各層についてステップが繰り返される。プロセスが完了すると、全ての層を含む(1つ又は複数の)電子コンピュータ構築ファイルが生成される。
【0026】
構築ファイルが生成された後、付加製造システム100は、構築ファイルに基づいて、層ごとに部品106を製造するように付加製造システム100を誘導するように構成された製造計画を実施することによって、部品106を製造するように動作する。例示的な層ごとの製造プロセスは、最終的な部品の前駆体として既存の物品を使用するのではなく、むしろプロセスは、粉末構築材料110などの構成可能な形態の原料から部品106を製造する。たとえば、非限定的に、鋼合金粉末を使用して、鋼合金材料が付加的に製造される。付加製造システム100は、たとえば金属、セラミック、及びポリマーなど、広範な材料を使用した部品の製造を可能にする。
【0027】
本明細書で使用されるとき、用語「パラメータ」は、付加製造システム100内の、エネルギー源112のパワー出力、エネルギー源112のベクトル走査速度、エネルギー源112のラスタパワー出力、エネルギー源112のラスタ走査速度、エネルギー源112のラスタツールパス、及びエネルギー源112の輪郭パワー出力など、付加製造システム100の動作条件を定義するために使用される特性を指す。いくつかの実施形態では、パラメータは最初にユーザによって計算装置136に入力される。パラメータは、付加製造システム100の所与の動作状態を表す。一般に、ラスタ走査中、エネルギービーム114は、互いに離間した平行な実質的にまっすぐな一連のハッチ線に沿って順次走査される。ベクトル走査中、エネルギービーム114は一般に、実質的にまっすぐな一連のハッチ線又はベクトルに沿って順次走査されるが、互いに対するベクトルの向きは異なる場合がある。一般に、1つのベクトルの終点は、次のベクトルの始点と一致する。ベクトル走査は一般に部品の外輪郭を画定するために使用されるが、ラスタ走査は一般に、部品106が中実であるときに輪郭によって囲まれた空間を「埋める」ために使用される。
【0028】
付加製造システム100の動作中、再塗布装置126は構築プラットフォーム104に隣接して配置される。再塗布装置126が方向138に沿って移動すると、再塗布装置126は粉体床111を形成する構築プラットフォーム上に構築材料110の層を堆積させる。構築材料110の新しい層が堆積された後、エネルギー源112はエネルギービーム114を走査装置130に通し、これはエネルギービーム114を粉体床111の選択部分上に配向する。たとえば、走査装置130の検流計132は、部品106の層120などの新しい構築層を形成する粉体床111の選択部分上に、エネルギービーム114を配向する。次の層では、垂直アジャスタ122を通る構築プラットフォーム104は、構築材料110の別の層を堆積させて部品106の別の構築層を形成するのを容易にするために再塗布装置126が粉体床111に沿って別の経路を作成できるように、方向124に沿って下方に粉体床111を移動させる。このプロセスはその後、部品106を形成するために、たとえば層116、118、及び120など、複数の層に対して繰り返される。各構築層の間及び/又は後、熱データ収集装置128は構築層の熱データを収集する。熱データは、コントローラ134を通じて計算装置136に送信される。計算装置136は、受信した部品熱データを分析し、それに応えてエネルギービーム114を相応に制御する。
【0029】
例示的な実施形態では、構築プラットフォーム104、エネルギー源112、再塗布装置126、熱データ収集装置128、及び走査装置130は、コントローラ134によって動作可能に制御される。コントローラ134は、その動作を制御するために通常は付加製造システム100の製造元によって提供される、任意のコントローラである。コントローラ134は、計算装置136に動作可能に結合されている。代替実施形態では、コントローラ134は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリ装置を含むコンピュータシステムである。
【0030】
計算装置136は、少なくとも1つのメモリ装置140と、メモリ装置140に結合された少なくとも1つのプロセッサ142とを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ142は、非限定的に、マルチコア構成などの、1又は複数の処理ユニットを含む。例示的な実施形態では、プロセッサ142は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。あるいは、プロセッサ142は、計算装置136が本明細書に記載されるように動作することを許容する、任意のタイプのプロセッサである。いくつかの実施形態では、実行可能命令はメモリ装置140に記憶されている。計算装置136は、プロセッサ142をプログラムすることによって本明細書に記載される1又は複数の動作を実行するように構成可能である。たとえば、プロセッサ142は、1又は複数の実行可能命令として動作を符号化し、メモリ装置140内の実行可能命令を提供することによって、プログラムされる。例示的な実施形態では、メモリ装置140は、実行可能命令又はその他のデータなどの情報の記憶及び取得を可能にする、1又は複数の装置である。いくつかの実施形態では、メモリ装置140は、非限定的に、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM、スタティックRAM、固体ディスク、ハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルROM、電子的消去可能プログラマブルROM、又は不揮発性RAMメモリなどの、1又は複数のコンピュータ可読媒体を含む。上記のメモリタイプは例示に過ぎず、したがってコンピュータプログラムの記憶に使用可能なメモリのタイプに関して限定するものではない。
【0031】
例示的な実施形態では、メモリ装置140は、非限定的に、リアルタイム及び履歴構築パラメータ値、又はその他のタイプのデータを含む構築パラメータを記憶するように構成されている。例示的な実施形態では、メモリ装置140は、熱データ収集装置128によって収集された部品熱データを記憶する。代替実施形態では、メモリ装置140は、付加製造システム100が本明細書に記載されるように動作することを可能にする任意のデータをさらに記憶する。いくつかの実施形態では、プロセッサ142は、データの年齢に基づいてメモリ装置140からデータを除去又は「パージ」する。たとえば、プロセッサ142は、後の時間又は事象に関連して事前に記録及び記憶されたデータを上書きする。加えて、又は代わりに、プロセッサ142は、所定の時間間隔を超えるデータを除去する。加えて、メモリ装置140は、非限定的に、付加製造システム100によって製造された部品106の構築パラメータ及び幾何学的条件の監視及び測定を容易にするのに十分なデータ、アルゴリズム、及びコマンドを含む。
【0032】
例示的な実施形態では、メモリ装置140は、計算装置136によって実行されると部品を構築するための製造計画の実行を容易にする命令を含む。製造計画の実行中、命令は、部品に対応するリアルタイム部品熱データの受信、及び部品熱データに応答した計算装置136によるシステムパラメータのその後の制御を、さらに容易にする。たとえば、例示的な実施形態では、計算装置136は、エネルギービーム114が製造されている部品の一部分の所定の微細構造を製造するように、エネルギー源112を制御するように構成されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、計算装置136は、部品モデルデータを受信するのに応えて製造計画を生成するように、さらに構成されている。より具体的には、計算装置136は、所定の微細構造を製造するための製造命令を生成するために、部品の所定の微細構造に対応する部品モデルデータを予測モデルに適用するように構成されている。製造命令はその後、製造計画を生成するために使用される。所定の微細構造に対応する部品モデルデータに加えて、部品モデルデータは、非限定的に、幾何学的データ(部品のCADファイル又は類似の表示など)、粉体床の材料特性、並びに付加製造システム及びエネルギー源112などのその部品の特性を、さらに含み得る。
【0034】
計算装置136はまた、プロセッサ142に結合された提示インターフェース144も含む。提示インターフェース144は、熱データ収集装置128によって収集された熱データなどの情報を、ユーザに提示する。一実施形態では、提示インターフェース144は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ、又は「電子インク」ディスプレイなどのディスプレイ装置(図示せず)に結合されたディスプレイアダプタ(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、提示インターフェース144は、1又は複数のディスプレイ装置を含む。加えて、又は代わりに、提示インターフェース144は、たとえば非限定的に、オーディオアダプタ又はスピーカ(図示せず)などの、オーディオ出力装置(図示せず)を含む。
【0035】
例示的な実施形態では、計算装置136は、ユーザ入力インターフェース146を含む。例示的な実施形態では、ユーザ入力インターフェース146は、プロセッサ142に結合されており、ユーザからの入力を受け付ける。いくつかの実施形態では、ユーザ入力インターフェース146は、たとえば、非限定的に、キーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラス、非限定的にタッチパッドやタッチスクリーンなどのタッチセンシティブパネル、及び/又は非限定的にマイクロフォンなどのオーディオ入力インターフェースを含む。さらなる実施形態では、タッチスクリーンなどの単一の部品は、提示インターフェース144のディスプレイ装置及びユーザ入力インターフェース146の両方として機能する。
【0036】
通信インターフェース148は、プロセッサ142に結合されており、コントローラ134などの1又は複数の他の装置と通信するように結合され、入力チャネルとして動作しながらこのような装置に対して入力及び出力動作を行うように、構成されている。たとえば、いくつかの実施形態では、通信インターフェース148は、非限定的に、有線ネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、モバイル通信アダプタ、シリアル通信アダプタ、又はパラレル通信アダプタを含む。通信インターフェース148は、1又は複数の遠隔装置との間でデータ信号を送受信する。
【0037】
提示インターフェース144及び通信インターフェース148はいずれも、ユーザ又はプロセッサ142に情報を提供するなど、本明細書に記載される方法と共に使用するのに適した情報を提供することができる。したがって、提示インターフェース144及び通信インターフェース148は出力装置と称される。同様に、ユーザ入力インターフェース146及び通信インターフェース148は、本明細書に記載される方法と共に使用するのに適した情報を受信することができ、入力装置と称される。
【0038】
図2(Fig.2)は、付加製造システム100(
図1に示される)と共に使用され得る、例示的な熱データ収集装置128の斜視図である。図
2(Fig.3)は、
図2(Fig.2)に示される例示的な構築層201の拡大図である。熱データ収集装置128は、コントローラ134に結合され、垂直方向124で構築層201及び粉体床111より上に配置された、少なくとも1つの熱センサ200を含む。例示的な実施形態では、構築層201は、部品106(
図1に示される)を形成する構築層120(やはり
図1に示される)に結合された、次の付加層である。
【0039】
例示的な実施形態では、熱データ収集装置128は、コントローラ134によって、計算装置136からの命令に応答して、付加製造システム100(
図1に示される)内に配置可能な、単一の熱センサ200を含む。たとえば、熱センサ200は、構築層201及び粉体床111から熱データを収集するために、第1の所定位置204に配置される。加えて、熱センサ200は、構築層201及び粉体床111から熱データを収集するために、第2の所定位置208に配置可能である。代替実施形態では、熱データ収集装置128は、付加製造システム100内に配置された複数の熱センサ200を含み、その各々は複数の所定位置の間で個別に配置可能であってもよい。
【0040】
動作中、エネルギー源112からのエネルギービーム114は、部品106の一部である最新の構築層201を形成するために、粉体床111の一部分にわたって走査される。エネルギービーム114が粉体床111を横切って走査されると、エネルギービーム114は粉体床111の部分を選択的に加熱及び溶融し、構築層201の一部分を形成するために冷却する溶融プール214を形成する。このプロセスは、部品106が完全に形成されるまで、部品106の各層に対して繰り返される。
【0041】
エネルギービーム114を走査するプロセスは、非限定的に、エネルギービーム114が粉体床111を横切って進む方向、エネルギービーム114が粉体床111を横切って進む速度、エネルギービーム114のパワー、及び粉体床111を横切るエネルギービーム114の連続経路間のハッチ間隔を含む、エネルギービーム114の特性を変更することを含み得る。エネルギービーム114の特性は、一般に、コントローラ134を通じて計算装置136によって提供される命令に基づいて制御される。例示的な実施形態では、付加製造システム100は、コントローラ134を通じて計算装置136に通信可能に結合された、走査装置130及びエネルギー源112を含む。走査装置130及びエネルギー源112の各々は、エネルギービーム114を制御するための命令を受信するように構成されている。たとえば、計算装置136からの命令に応答して、走査装置130は、エネルギービーム114が粉体床111を横切る方向及び速度を変更するように構成されており、エネルギー源112は、エネルギー源112のパワー設定を変更し、及び/又はエネルギー源112をオン状態からオフ状態に切り替えるように構成されている。特定の実施形態では、エネルギー源112は付加製造システム100内で再配置可能であり、計算装置136は、付加製造システム100内でエネルギー源112を移動させるための命令を提供するように、さらに構成されている。特定の実施形態では、付加製造システム100は、2つ以上の走査装置130及び2つ以上のエネルギー源112を含み、これらの各々は、計算装置136から受信した命令に応答し得る。
【0042】
付加製造システム100の動作中、熱センサ200は、部品106の熱測定値を収集する。本開示の目的のため、熱センサ200によって収集された部品106の熱測定値は、一般に「部品熱データ」と称される。部品熱データは、全体として又は部分的に、付加製造プロセス中に取得される部品106の任意の熱測定値を含む。したがって、部品熱データは、非限定的に、構築層201などの構築層で取得された熱測定値を含む、部品106の形成の間又は後に取得された熱測定値を含む。部品熱データは、粉体床111からエネルギービーム114によって形成された溶融プールの熱測定値をさらに含む。特定の実施形態では、部品熱データは、たとえば部品106が冷却するにつれて、経時的な部品106又はそのいずれかの部分の熱特性の変化の分析を容易にするために、測定時間と相関される。
【0043】
熱データ収集装置128が部品熱データを収集すると、部品熱データは計算装置136に送信される。計算装置136は一般に、付加製造システム100を制御するためのフィードバックとして部品熱データを使用する。たとえば、部品熱データの受信に応答して、計算装置136はエネルギービーム114を制御するための命令を発行してもよい。このような命令は、非限定的に、エネルギービーム114のパワーを変更すること、エネルギービーム114の走査方向を変更すること、エネルギービーム114の走査速度を変更すること、エネルギービーム114に対応するハッチ設定を変更すること、及びエネルギー源112と部品106との間の距離を変更することを含む。
【0044】
例示的な実施形態では、メモリ装置136は、たとえば部品106に対応する製造計画など、少なくとも1つの製造計画を記憶する。特定の実施形態では、製造計画は、部品106を製造するように付加製造システムを誘導するように構成された命令を含む。たとえば、特定の実施形態では、製造計画は一般に、部品106を製造するために、垂直アジャスタ122、再塗布装置126、走査装置130、及びエネルギー源112(全て
図1に示される)のうちの1又は複数を制御するように構成された命令を含む。あるいは、製造計画は、計算装置136が部品106を製造するための命令を導き出すことができるデータを含む。たとえば、このような代替実施形態では、製造計画は、垂直アジャスタ122、再塗布装置126、走査装置130、及びエネルギー源112のうちの1又は複数が部品106の製造を容易にするための命令を計算装置136が生成することができる、部品106に対応する幾何学的データを含む。
【0045】
特定の実施形態では、製造計画は、部品106の熱計画をさらに含む。製造中に部品106が冷却するにつれて、部品106の部分は、部品106の対応する部分の特性に影響を及ぼす微細構造を成長させる。たとえば、微細構造は、非限定的に、強度、靱性、延性、硬度、耐食性、温度ベースの挙動、及び耐摩耗性を含む特性に影響を及ぼす。付加製造の文脈では、部品106などの部品の微細構造は一般に、製造プロセス中に部品の部分が受ける加熱及び冷却によって決定づけられる。したがって、熱計画は、部品106の一部分について1又は複数の目標温度値を含み、1又は複数の目標温度値は所定の微細構造を実現するための一連の製造プロセス中の、部品106の当該部分の目標温度に対応する。1又は複数の目標温度値は、非限定的に、上限温度、下限温度、温度範囲、及び経時的な温度変化を含む温度変化のうちの1又は複数を含む。動作中、プロセッサ142は、部品106の部分が熱計画に従って製造されているか否かを判断するために、熱データ収集装置128から受信した部品熱データを熱計画と比較する。たとえば、動作中、計算装置136は、熱データが熱計画に従っているか否かを判断するために、構築層201などの部品106の構築層に対応する部品熱データを熱計画と比較する。部品熱データを熱計画と比較することは、非限定的に、構築層201又はその一部分の温度が温度閾値よりも高いか低いかを判断すること、構築層201又はその一部分が温度範囲内であるか否かを判断すること、及び構築層201又はその一部分が所望の温度変化率で冷却されているか否かを判断することを含む。
【0046】
部品熱データが熱計画から逸脱する範囲で、プロセッサ142は、部品熱データと熱計画との間の偏差を特定し、偏差を補正するように構成された1又は複数の修正措置を生成し、少なくとも1つの修正措置を実行するように、構成されている。特定の実施形態では、プロセッサ142は、修正措置を反映するために、熱計画の修正を含む、製造計画を修正するように、さらに構成されている。たとえば、動作中、プロセッサ142は、構築層201の一部分が所望の微細構造を形成するのに十分な高温に到達していないと判断するかも知れない。これに応えて、プロセッサ142はエネルギー源112の出力を増加させ、製造計画に含まれるエネルギー源112のパワー設定を変更することができる。
【0047】
また、特定の実施形態では、熱計画は、部品106の内部の部分に対応する目標温度値を含む。このような実施形態では、熱データ収集装置128は、部品106の表面のみからの温度測定値の収集に限定されることがある。したがって、プロセッサ142は、熱計画の目標温度値と比較するための1又は複数の予測内部温度値を決定するように構成されている。より具体的には、プロセッサ142は、部品106に対応する内部温度予測モデルを受信した部品熱データに適用することによって、予測内部部品温度値を決定するように構成されている。
【0048】
さらに、特定の実施形態では、熱データ収集装置128によって収集された部品熱データは、部品106の製造中に作成された溶融プール214に対応する。このような実施形態では、製造計画は、少なくとも1つの目標溶融プール特性を含む溶融プール計画をさらに含み得る。溶融プール特性は、非限定的に、溶融プールの温度、長さ、幅、深さ、及び容積を含む。動作中、プロセッサ142は、少なくとも部分的に、部品熱データに基づいて溶融プール214の溶融プール特性を判断し、溶融プール特性と溶融プール計画の目標溶融プール特性との間の偏差を特定するように、構成されている。偏差を特定するのに応えて、プロセッサ142は、偏差を補正するように構成された少なくとも1つの修正措置を生成し、少なくとも1つの修正措置を実行する。特定の実施形態では、プロセッサ142は、溶融プール計画を修正することなどによって、少なくとも1つの修正措置を含むように製造計画を修正するように、さらに構成されている。
【0049】
特定の実施形態では、プロセッサ142は、1又は複数の溶融プール予測モデルを部品熱データに適用することによって溶融プール特性を判断するように構成されている。より具体的には、プロセッサ142は、溶融プール214の表面温度に対応する部品熱データを受信し、溶融プール特性を判断するために溶融プール予測モデルを部品熱データに適用するように、構成されている。
【0050】
図3は、付加製造システム100(
図1に示される)を使用して部品を製造するための方法400を示すフローチャートである。
図1及び
図3を参照すると、付加製造システム100は一般に、粉体床111と、粉体床111から部品106の構築層116、118、及び120などの構築層を形成するための少なくとも1つのエネルギービーム114を生成するように構成された少なくとも1つのエネルギー源112と、を含む。付加製造システム100は、エネルギー源112に結合された計算装置136をさらに含む。計算装置136は、少なくとも1つのプロセッサ142及びメモリ装置140を含む。
【0051】
方法400は、製造される部品の少なくとも一部分内に形成される所定の微細構造を含む部品モデルデータを受信402することを含む。部品モデルデータは、メモリ装置140から取得されてもよく、又は計算装置136に通信可能に結合されたデータ記憶装置(図示せず)から取得されてもよい。所定の微細構造に加えて、部品モデルデータは、非限定的に、製造されている部品の幾何学的データ、及び粉体床111の材料特性を、さらに含んでもよい。
【0052】
部品モデルデータはその後、製造計画を生成404するために使用される。より具体的には、部品モデルデータは、部品モデルデータと一致する部品を製造するための製造命令を生成するように構成された予測モデルに適用される。製造命令はその後、部品を製造するための製造計画に集められる。所定の微細構造を形成することに関して、予測モデルは、非限定的に、所定の微細構造を形成するようにエネルギー源112の移動速度、パワー、及びその他のパラメータを制御するための命令を生成するように構成されている。たとえば、いくつかの実施形態では、予測モデルは、部品の一部分をある温度まで上昇させること、その温度を指定された時間にわたって維持すること、及び所定の微細構造の成長を促進するために一定の速度でその部分を冷却させることを容易にするための命令を生成する。
【0053】
方法は、製造計画を実行406すること、及び製造計画の実行中に部品106の少なくとも一部分に対応する部品熱データを受信することを、さらに含む。部品熱データを受信することに応えて、プロセッサ142は、所定の微細構造を形成するようにエネルギー源112のエネルギービーム114を制御404する。エネルギービーム114を制御することは、非限定的に、エネルギー源112のパワーを変更すること、エネルギービーム114の方向を変更すること、エネルギービーム114の速度を変更すること、エネルギー源112と部品106との間の距離を変更すること、エネルギー源112をオン状態からオフ状態に変更すること、及びエネルギービーム114のハッチ間隔を変更することを含む。
【0054】
図4は、付加製造システム100(
図1に示される)を使用して部品を製造するための代替方法500を示すフローチャートである。
図1及び
図3を参照すると、付加製造システム100は一般に、粉体床111と、粉体床111から部品106の構築層116、118、及び120などの構築層を形成するための少なくとも1つのエネルギービーム114を生成するように構成された少なくとも1つのエネルギー源112と、を含む。付加製造システム100は、エネルギー源112に結合された計算装置136をさらに含む。計算装置136は、少なくとも1つのプロセッサ142を含む。
【0055】
方法500は、部品106を製造するための製造計画を開始502することを含む。製造計画は一般に、部品106を製造するように付加製造システムを誘導するように構成された命令を含む。たとえば、特定の実施形態では、製造計画は、部品106を製造するために、垂直アジャスタ122、再塗布装置126、走査装置130、及びエネルギー源112のうちの1又は複数を制御するように構成された命令を含む。他の実施形態では、製造計画は、計算装置136が部品106を製造するための命令を導き出すことができるデータを含む。たとえば、このような実施形態では、製造計画は、垂直アジャスタ122、再塗布装置126、走査装置130、及びエネルギー源112のうちの1又は複数が部品106(全て
図1に示される)を製造するための命令を計算装置136が生成することができる、部品106に対応する幾何学的データを含む。
【0056】
特定の実施形態では、製造計画は、熱計画及び/又は溶融プール計画を含む。熱計画は一般に、製造中の部品106の部分に対応する温度目標値を含む。同様に、溶融プール計画は、製造中の溶融プール214(図2(Fig.3)に示される)の目標溶融プール特性を含む。部品106の製造中に、プロセッサ142は、熱データ収集装置128などから部品106に対応する部品熱データを受信し、受信した部品熱データ又は少なくとも部分的に部品熱データから導き出されたデータと、製造計画に含まれる熱計画又は溶融プール計画を含む、製造計画との間の偏差を特定504する。このような特定は、非限定的に、1又は複数の予測熱値及び/又は予測溶融プール特性を生成するために1又は複数の予測モデルを部品熱データに適用することを含む、部品熱データの追加処理をさらに含み得る。
【0057】
偏差を特定した後、プロセッサ142は、偏差を補正するように構成された1又は複数の修正措置を生成506し、修正措置を実行508する。修正措置の実行に続いて、プロセッサ142は、修正措置を含むように製造計画を修正510する。いくつかの実施形態では、製造計画を修正することは、製造計画の命令を修正することを含む。たとえば、製造中に部品106の一部分が十分に加熱されていないとプロセッサ142が判断した場合、プロセッサ142は、エネルギー源112のパワー設定を増加させるための命令を含む修正措置を生成し得る。修正措置を実行した後、プロセッサ142は、製造計画のその後の実行中に増加したパワー設定が使用されるように、増加したパワー設定を含むように製造計画を修正する。他の実施形態では、製造計画を修正することは、製造計画を生成するために使用される予測モデルの1又は複数のパラメータを修正することを含む。たとえば、製造計画を修正することは、製造計画のその後の生成がエネルギー源112の調整されたパワー設定を含むように、エネルギー源112のパワーに関連する係数を修正することを含む。
【0058】
本明細書に記載される付加製造システムの実施形態は、制御された微細構造を有する部品の付加製造を容易にする。これを行うために、本明細書に記載される付加製造システム及び方法は、製造されている部品に対応する部品熱データを受信し、部品熱データに応答して1又は複数のエネルギービームを制御するように構成された、計算装置を含む。したがって、本明細書に記載されるシステム及び方法は、付加製造プロセス中の付加的に製造された部品の熱特性の動的な監視及び制御を容易にする。部品の熱特性を制御することによって、所定の微細構造の形成を促進するために、部品及び/又はその部分の特定の加熱及び冷却が誘導され得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される付加製造システムは、製造計画に応じて部品を製造し、少なくとも部分的に、計算装置によって受信された部品熱データに基づいて、製造計画からの偏差を動的に特定及び補正するように構成されている。計算装置は、製造中に得られた任意の修正措置を組み込むように製造計画を修正するように、さらに構成されている。
【0059】
本明細書に記載される方法及びシステムの例示的な技術的効果は、(a)付加的に製造された部品の品質及び一貫性を改善すること、(b)各々がそれぞれの部分の所望の特性のために選択された異なる微細構造を有する、複数の部分を有する部品の製造を容易にすること、(c)付加製造プロセス中の温度制御を改善すること、及び(d)製造計画を反復的に改善及び改良し、それによって引き続き製造される部品の品質及び一貫性を改善すること、を含む。
【0060】
いくつかの実施形態は、1又は複数の電子装置又は計算装置の使用を伴う。このような装置は通常、汎用中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック回路(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理(DSP)装置、及び/又は本明細書に記載される機能を実行することが可能なその他いずれかの回路又は処理装置などの、プロセッサ、処理装置、又はコントローラを含む。本明細書に記載される方法は、非限定的に記憶装置及び/又はメモリ装置を含む、コンピュータ可読媒体内で具現化される実行可能命令として符号化されてもよい。このような命令は、処理装置によって実行されると、本明細書に記載される方法の少なくとも一部分を処理装置に実行させる。上記の例は例示に過ぎず、したがってプロセッサ及び処理装置という用語の定義及び/又は意味を決して限定するように意図するものではない。
【0061】
付加製造システムの例示的な実施形態は、上記で詳細に説明されている。装置、システム、及び方法は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ方法の動作及びシステムの構成要素は、本明細書に記載される他の動作又は構成要素から独立して別個に利用され得る。たとえば、本明細書に記載されるシステム、方法、及び装置は、他の産業用途又は消費者用途を有してもよく、本明細書に記載される付加製造システムを用いる実践に限定されるものではない。むしろ、1又は複数の実施形態は、他の産業に関連して実施及び利用されてもよい。
【0062】
本開示の様々な実施形態の特定の特徴は、いくつかの図面には示されて他の図面には示されない場合があるが、これは単に便宜上のものである。本開示の原理に従って、図面の任意の特徴は、その他いずれかの図面の任意の特徴と組み合わせて参照及び/又は請求されてもよい。
【0063】
この書面による説明は、最良の形態を含む実施形態を開示するため、並びに任意の装置又はシステムを作成及び使用して任意の組み込まれた方法を実行することを含む、任意の当業者が実施形態を実践できるようにするために、例を使用している。本開示の特許性のある範囲は請求項によって定義され、当業者によって想起されるその他の例を含み得る。このようなその他の例は、それらが請求項の文言と相違ない構造要素を有する場合、又はそれらが請求項の文言とのわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合に、請求項の範囲内にあると意図される。
以上の開示から、以下の付記が提案される。
(付記1)
付加製造システムであって、
粉体床と、
前記粉体床から部品の構築層を形成するための少なくとも1つのエネルギービームを生成するように構成された少なくとも1つのエネルギー源と、
前記少なくとも1つのエネルギー源に通信可能に結合された計算装置であって、前記計算装置はプロセッサ及びメモリ装置を備え、前記メモリ装置は、
前記部品を製造するための製造計画を実行することであって、前記製造計画は前記部品を製造するための複数の製造命令を含む、実行することと、
前記製造計画の実行中に、前記部品の製造中の前記部品の少なくとも一部分に対応する部品熱データを受信することと、
前記部品の前記一部分内に所定の微細構造を作成するために前記部品熱データを受信するのに応えて前記少なくとも1つのエネルギービームを制御することと、
を前記計算装置に実行させるように構成された命令を記憶する、計算装置と、
を備える付加製造システム。
(付記2)
前記命令は、
前記部品に対応する部品モデルデータを受信することであって、前記部品モデルデータは前記所定の微細構造に対応する、受信することと、
前記受信された部品モデルデータを予測モデルに適用することによって前記製造計画を生成することであって、前記予測モデルは、前記部品の前記一部分内に前記所定の微細構造を作成するための製造命令を生成するように構成されている、生成することと、
を前記計算装置にさらに実行させる、付記1に記載の付加製造システム。
(付記3)
前記部品熱データを収集するように構成された少なくとも1つの熱センサをさらに備え、前記計算装置は前記少なくとも1つの熱センサに通信可能に結合されており、前記命令は、前記少なくとも1つの熱センサから前記部品熱データを受信することを前記計算装置にさらに実行させる、付記1に記載の付加製造システム。
(付記4)
前記少なくとも1つの熱センサは、赤外線センサ、近赤外線センサ、及びフォトダイオードセンサのうちの少なくとも1つを備える、付記3に記載の付加製造システム。
(付記5)
前記命令は、前記部品熱データを受信するのに応えて、
前記少なくとも1つのエネルギー源のパワー設定を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービームの走査方向を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービームの走査速度を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギー源と前記部品との間の距離を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギー源をオン状態とオフ状態との間で変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービームのハッチ間隔設定を変更することと、
のうちの少なくとも1つによって前記計算装置に前記少なくとも1つのエネルギービームをさらに制御させる、付記1に記載の付加製造システム。
(付記6)
前記製造計画は、前記部品の一部分に対する少なくとも1つの目標温度値を含む熱計画をさらに含み、前記少なくとも1つの目標温度値は、前記部品の製造中の前記部品の一部分に対応する、付記1に記載の付加製造システム。
(付記7)
前記命令は、
前記部品熱データと前記少なくとも1つの目標温度値との間の偏差を特定することと、
前記偏差を低減するように構成された少なくとも1つの修正措置を生成することと、
前記少なくとも1つの修正措置を実行することと、
を前記計算装置にさらに実行させる、付記6に記載の付加製造システム。
(付記8)
前記命令は、前記少なくとも1つの修正措置に基づいて前記製造計画を修正することを前記計算装置にさらに実行させる、付記7に記載の付加製造システム。
(付記9)
前記少なくとも1つの目標温度値は少なくとも1つの内部目標温度値であり、前記部品熱データは前記部品の表面温度に対応し、前記命令は、
少なくとも1つの内部温度予測モデルを前記部品熱データに適用することによって、前記部品の少なくとも1つの予測内部温度値を決定することと、
前記少なくとも1つの内部目標温度値と前記少なくとも1つの予測内部温度値との間の偏差を特定することによって、前記部品熱データと前記少なくとも1つの目標温度値との間の偏差を特定することと、
を前記計算装置にさらに実行させる、付記7に記載の付加製造システム。
(付記10)
前記部品熱データは溶融プールに対応する、付記2に記載の付加製造システム。
(付記11)
前記製造計画は、少なくとも1つの目標溶融プール特性を含む溶融プール計画をさらに含む、付記10に記載の付加製造システム。
(付記12)
前記命令は、
前記部品熱データに基づいて前記溶融プールの少なくとも1つの溶融プール特性を判断することと、
前記少なくとも1つの溶融プール特性と前記少なくとも1つの目標溶融プール特性との間の偏差を特定することと、
前記偏差を低減するように構成された少なくとも1つの修正措置を生成することと、
前記少なくとも1つの修正措置を実行することと、
を前記計算装置にさらに実行させる、付記11に記載の付加製造システム。
(付記13)
前記命令は、前記少なくとも1つの修正措置を含むように前記製造計画を修正することを前記計算装置にさらに実行させる、付記12に記載の付加製造システム。
(付記14)
前記少なくとも1つの溶融プール特性及び前記少なくとも1つの目標溶融プール特性の各々は、前記溶融プールの長さ、前記溶融プールの幅、前記溶融プールの深さ、前記溶融プールの容積、及び前記溶融プールの温度のうちの1つである、付記12に記載の付加製造システム。
(付記15)
前記部品熱データは前記溶融プールの表面温度に対応し、前記命令は、少なくとも1つの溶融プール予測モデルを前記部品熱データに適用することによって前記少なくとも1つの溶融プール特性を判断することを、前記計算装置にさらに実行させる、付記11に記載の付加製造システム。
(付記16)
付加製造システムを使用して部品を製造する方法であって、前記付加製造システムは、粉体床と、前記粉体床から部品の構築層を形成するための少なくとも1つのエネルギービームを生成するように構成された少なくとも1つのエネルギー源と、前記少なくとも1つのエネルギー源に結合された計算装置であって、前記計算装置はプロセッサ及びメモリ装置を含む、計算装置とを含み、前記方法は、
前記部品を製造するための製造計画を実行することであって、前記製造計画は前記部品を製造するための複数の製造命令を含む、実行することと、
前記製造計画の実行中に、前記部品の製造中の前記部品の少なくとも一部分に対応する部品熱データを受信することと、
前記部品の前記一部分内に所定の微細構造を作成するために前記部品熱データを受信するのに応えて前記少なくとも1つのエネルギービームを制御することと、
を備える方法。
(付記17)
前記部品に対応する部品モデルデータを受信することであって、前記部品モデルデータは前記所定の微細構造に対応する、受信することと、
前記受信された部品モデルデータを予測モデルに適用することによって前記製造計画を生成することであって、前記予測モデルは、前記部品の前記一部分内に前記所定の微細構造を作成するための製造命令を生成するように構成されている、生成することと、
をさらに備える、付記16に記載の方法。
(付記18)
前記少なくとも1つのエネルギー源を制御することは、
前記少なくとも1つのエネルギー源のパワー設定を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービームの走査方向を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービームの走査速度を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギー源と前記部品との間の距離を変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギー源をオン状態とオフ状態との間で変更することと、
前記少なくとも1つのエネルギービームのハッチ間隔設定を変更することと、
のうちの少なくとも1つを備える、付記16に記載の方法。
(付記19)
前記製造計画は熱計画をさらに含み、前記熱計画は前記部品の一部分に対する少なくとも1つの目標温度値を含み、前記少なくとも1つの目標温度値は、前記部品の製造中の前記部品の前記一部分の温度に対応し、前記方法は、
前記部品熱データと前記少なくとも1つの目標温度値との間の偏差を特定することと、
前記偏差を低減するように構成された少なくとも1つの修正措置を生成することと、
前記少なくとも1つの修正措置を実行することと、
をさらに備える、付記16に記載の方法。
(付記20)
前記部品熱データの少なくとも一部分は溶融プールに対応し、前記製造計画は、少なくとも1つの目標溶融プール特性を含む溶融プール計画をさらに含み、前記方法は、
前記部品熱データの前記一部分に基づいて前記溶融プールの少なくとも1つの溶融プール特性を判断することと、
前記少なくとも1つの溶融プール特性と前記少なくとも1つの目標溶融プール特性との間の偏差を特定することと、
前記偏差を低減するように構成された少なくとも1つの修正措置を生成することと、
前記少なくとも1つの修正措置を実行することと、
をさらに備える、付記18に記載の方法。