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▶ イー インク カリフォルニア, エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】カラーディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20221109BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20221109BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20221109BHJP
【FI】
G09G3/34 C
G09G3/20 623C
G09G3/20 623D
G09G3/20 621B
G02F1/167
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021106335
(22)【出願日】2021-06-28
(62)【分割の表示】P 2019087665の分割
【原出願日】2015-11-11
(65)【公開番号】P2021167960
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】62/080,845
(32)【優先日】2014-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516101190
【氏名又は名称】イー インク カリフォルニア, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クレッグ リン
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ジェン チャン
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-145751(JP,A)
【文献】特開2013-228746(JP,A)
【文献】米国特許第08717664(US,B2)
【文献】中国特許出願公開第103680426(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G02F 1/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認側の第1の表面(13)と、非視認側の第2の表面(14)と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイを駆動するための駆動方法であって、その流体は、前記第1の表面に隣接して配置されている共通電極(11;21)と前記第2の表面に隣接して配置されているピクセル電極(12a;22)の層との間に挟まれており、前記流体は、第1のタイプの粒子(K)、第2のタイプの粒子(Y)、第3のタイプの粒子(R)、および第4のタイプの粒子(W)を含み、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
(a)前記4つのタイプの色素粒子(K、Y、R、W)は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)前記第1のタイプの粒子(K)は、高正電荷を帯び、前記第2のタイプの粒子(Y)は、高負電荷を帯び、
(c)前記第3のタイプの粒子(R)は、低正電荷を帯び、前記第4のタイプの粒子(W)は、低負電荷を帯び、
前記駆動方法は、
(i)(a)前記第1のタイプの粒子(K)を前記共通電極(11、21)に向けておよび前記第2のタイプの粒子(Y)を前記ピクセル電極(12a;22)に向けて駆動しそれによって前記視認側における前記第1のタイプの粒子(K)の色状態に向けて前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルを駆動するために、第1の期間(t4)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に第1の駆動電圧(VH1)を印加するステップと、
(i)(b)ステップ(i)(a)の後に、振動波形を印加するステップと、
(i)(c)ステップ(i)(b)の後に、第2の期間(t5)にわたって前記第1の駆動電圧(VH1)を印加するステップと
を含み、
前記駆動方法は、
(ii)ステップ(i)(c)の後に、前記第1(K)および第2(Y)のタイプの粒子を前記共通(11;21)およびピクセル(12a;22)電極の両方から分離したままで前記第4のタイプの粒子(W)を前記共通電極(11;21)に向けておよび前記第3のタイプの粒子(R)を前記ピクセル電極(12a;22)に向けて駆動しそれによって前記視認側において前記第1のタイプの粒子(K)の色状態から前記第4のタイプの粒子(W)の色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第3の期間(t6)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に第2の駆動電圧(VL2)を印加するステップであって、前記第2の駆動電圧(VL2)は、前記第1の駆動電圧(VH1)の極性と反対の極性を有し、前記第1の駆動電圧(VH1)の振幅よりも低い振幅を有する、ステップ、または、
(ii)(a)ステップ(i)(c)の後に、第4の期間(t9;t14;t21)にわたって前記第1の駆動電圧(VH1)を印加するステップと、
(ii)(b)ステップ(ii)(a)の後に、前記第1(K)および第2(Y)のタイプの粒子を前記共通(11;21)およびピクセル(12a;22)電極の両方から分離したままで前記第4のタイプの粒子(W)を前記共通電極(11;21)に向けておよび前記第3のタイプの粒子(R)を前記ピクセル電極(12a;22)に向けて駆動しそれによって前記視認側において前記第1のタイプの粒子(K)の色状態から前記第4のタイプの粒子(W)の色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第5の期間(t10;t15;t23)にわたって第3の駆動電圧(V’)を印加するステップであって、前記第3の駆動電圧(V’)は、前記第1の駆動電圧(VH1)の極性と反対の極性を有し、前記第1の駆動電圧(VH1)の振幅よりも低い振幅を有する、ステップと
をさらに含む、駆動方法。
【請求項2】
前記駆動方法は、ステップ(ii)(a)およびステップ(ii)(b)を含み、
前記第5の期間(t10;t15;t23)は、前記第4の期間(t9;t14;t21)よりも長く、ステップ(ii)(a)および(ii)(b)が繰り返される、請求項1に記載の駆動方法。
【請求項3】
(ii)(c)ステップ(ii)(b)の後に、第6の期間(t16)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に駆動電圧を印加しないことをさらに含み、
ステップ(ii)(a)~(ii)(c)が繰り返される、請求項2に記載の駆動方法。
【請求項4】
(ii)(d)ステップ(ii)(a)の後であるがステップ(ii)(b)の前に、第7(t22)の期間にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に駆動電圧を印加しないことと、
(ii)(e)ステップ(ii)(b)の後に、第8の期間(t24)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に駆動電圧を印加しないことと
をさらに含み、
ステップ(ii)(a)、(ii)(d)、(ii)(b)および(ii)(e)が繰り返される、請求項2に記載の駆動方法。
【請求項5】
前記第3の駆動電圧(V’)の振幅は、前記第1の駆動電圧(VH1)の振幅の50%未満である、請求項2、3または4に記載の駆動方法。
【請求項6】
視認側の第1の表面(13)と、非視認側の第2の表面(14)と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイを駆動するための駆動方法であって、その流体は、前記第1の表面に隣接して配置されている共通電極(11;21)と前記第2の表面に隣接して配置されているピクセル電極(12a;22)の層との間に挟まれており、前記流体は、第1のタイプの粒子(K)、第2のタイプの粒子(Y)、第3のタイプの粒子(R)、および第4のタイプの粒子(W)を含み、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
(a)前記4つのタイプの色素粒子(K、Y、R、W)は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)前記第1のタイプの粒子(K)は、高正電荷を帯び、前記第2のタイプの粒子(Y)は、高負電荷を帯び、
(c)前記第3のタイプの粒子(R)は、低正電荷を帯び、前記第4のタイプの粒子(W)は、低負電荷を帯び、
前記駆動方法は、
(i)(a)前記第2のタイプの粒子(Y)を前記共通電極(11;21)に向けておよび前記第1のタイプの粒子(K)を前記ピクセル電極(12a;22)に向けて駆動しそれによって前記視認側における前記第2のタイプの粒子(Y)の色状態に向けて前記電気泳動ディスプレイ内のピクセルを駆動するために、第1の期間(t1)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に第1の駆動電圧(VH2)を印加するステップと、
(i)(b)ステップ(i)(a)の後に、振動波形を印加するステップと、
(i)(c)ステップ(i)(b)の後に、第2の期間(t2)にわたって前記第1の駆動電圧(VH2)を印加するステップと
を含み、
前記駆動方法は、
(ii)ステップ(i)(c)の後に、前記第1(K)および第2(Y)のタイプの粒子を前記共通(11;21)およびピクセル(12a;22)電極の両方から分離したままで前記第3のタイプの粒子(R)を前記共通電極(11;21)に向けておよび前記第4のタイプの粒子(W)を前記ピクセル電極(12a;22)に向けて駆動しそれによって前記視認側において前記第2のタイプの粒子(Y)の色状態から前記第3のタイプの粒子(R)の色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第3の期間(t3)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に第2の駆動電圧(VL1)を印加するステップであって、前記第2の駆動電圧(VL1)は、前記第1の駆動電圧(VH2)の極性と反対の極性を有し、前記第1の駆動電圧(VH2)の振幅よりも低い振幅を有する、ステップ、または、
(ii)(a)ステップ(i)(c)の後に、第4の期間(t7;t11;t17)にわたって前記第1の駆動電圧(VH2)を印加するステップと、
(ii)(b)ステップ(ii)(a)の後に、前記第1(K)および第2(Y)のタイプの粒子を前記共通(11;21)およびピクセル(12a;22)電極の両方から分離したままで前記第3のタイプの粒子(R)を前記共通電極(11;21)に向けておよび前記第4のタイプの粒子(W)を前記ピクセル電極(12a;22)に向けて駆動しそれによって前記視認側において前記第2のタイプの粒子(Y)の色状態から前記第3のタイプの粒子(R)の色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第5の期間(t8;t12;t19)にわたって第3の駆動電圧(V’)を印加するステップであって、前記第3の駆動電圧(V’)は、前記第1の駆動電圧(VH2)の極性と反対の極性を有し、前記第1の駆動電圧(VH2)の振幅よりも低い振幅を有する、ステップと
をさらに含む、駆動方法。
【請求項7】
前記駆動方法は、ステップ(ii)(a)およびステップ(ii)(b)を含み、
前記第5の期間(t8;t12;t19)は、前記第4の期間(t7;t11;t17)よりも長く、ステップ(ii)(a)および(ii)(b)が繰り返される、請求項6に記載の駆動方法。
【請求項8】
(ii)(c)ステップ(ii)(b)の後に、第6の期間(t13)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に駆動電圧を印加しないことをさらに含み、
ステップ(ii)(a)~(ii)(c)が繰り返される、請求項7に記載の駆動方法。
【請求項9】
(ii)(d)ステップ(ii)(a)の後であるがステップ(ii)(b)の前に、第7の期間(t18)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に駆動電圧を印加しないことと、
(ii)(e)ステップ(ii)(b)の後に、第8の期間(t20)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に駆動電圧を印加しないことと
をさらに含み、
ステップ(ii)(a)、(ii)(d)、(ii)(b)および(ii)(e)が繰り返される、請求項7に記載の駆動方法。
【請求項10】
前記第3の駆動電圧(V’)の振幅は、前記第1の駆動電圧(VH2)の振幅の50%未満である、請求項7、8または9に記載の駆動方法。
【請求項11】
(iii)(a)ステップ(ii)(a)、(ii)(d)、(ii)(b)および(ii)(e)の繰り返しの後に、第9の期間(t25)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に第4の駆動電圧を印加するステップであって、前記第4の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧(VH2)と同一の極性を有する、ステップと、
(iii)(b)ステップ(iii)(a)の後に、前記視認側において前記第2のタイプの粒子(Y)の色状態から前記第3のタイプの粒子(R)の色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第10の期間(t26)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に前記第3の駆動電圧を印加するステップであって、前記第9の期間(t25)は、前記第10の期間(t26)よりも短い、ステップと、
(iii)(c)ステップ(iii)(b)の後に、第11の期間(t27)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に駆動電圧を印加しないステップと、
(iii)(d)ステップ(iii)(a)~(iii)(c)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項9に記載の駆動方法。
【請求項12】
前記第3の駆動電圧および前記第4の駆動電圧の両方の振幅は、前記第1の駆動電圧(VH2)の振幅の50%未満である、請求項11に記載の駆動方法。
【請求項13】
ステップ(iii)(a)~(iii)(c)は、少なくとも4回繰り返される、請求項12に記載の駆動方法。
【請求項14】
ステップ(iii)(a)~(iii)(c)は、少なくとも8回繰り返される、請求項13に記載の駆動方法。
【請求項15】
(iii)(a)ステップ(ii)(a)、(ii)(d)、(ii)(b)および(ii)(e)の繰り返しの後に、第9の期間(t28)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に第4の駆動電圧を印加するステップであって、前記第4の駆動電圧(V’)は、前記第1の駆動電圧(VH1)と同一の極性を有する、ステップと、
(iii)(b)ステップ(iii)(a)の後に、前記第1のタイプの粒子(K)の色状態から前記第4のタイプの粒子(W)の色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第10の期間(t29)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に前記第3の駆動電圧を印加するステップであって、前記第9の期間(t28)は、前記第10の期間(t29)よりも短い、ステップと、
(iii)(c)ステップ(iii)(b)の後に、第11の期間(t30)にわたって前記ピクセルの前記共通電極(11;21)と前記ピクセル電極(12a;22)との間に駆動電圧を印加しないステップと、
(iii)(d)ステップ(iii)(a)~(iii)(c)を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項4に記載の駆動方法。
【請求項16】
前記第3の駆動電圧および前記第4の駆動電圧の両方の振幅は、前記第1の駆動電圧(VH1)の振幅の50%未満である、請求項15に記載の駆動方法。
【請求項17】
ステップ(iii)(a)~(iii)(c)は、少なくとも4回繰り返される、請求項16に記載の駆動方法。
【請求項18】
ステップ(iii)(a)~(iii)(c)は、少なくとも8回繰り返される、請求項17に記載の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各ピクセルが4つの高品質色状態を表示することができる、カラーディスプレイデバイスのための駆動方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
カラーディスプレイを達成するために、多くの場合、カラーフィルタが使用される。最も一般的なアプローチは、赤、緑、および青色を表示するために、ピクセル化ディスプレイの黒/白色サブピクセルの上にカラーフィルタを追加することである。赤色が所望されるとき、表示される唯一の色が赤であるように、緑および青色サブピクセルが黒色状態に変えられる。青色が所望されるとき、表示される唯一の色が青であるように、緑および赤色サブピクセルが黒色状態に変えられる。緑色が所望されるとき、表示される唯一の色が緑であるように、赤および青色サブピクセルが黒色状態に変えられる。黒色状態が所望されるとき、3つ全てのサブピクセルが黒色状態に変えられる。白色状態が所望されるとき、3つのサブピクセルは、それぞれ、赤、緑、および青に変えられ、結果として、白色状態が視認者によって見られる。
【0003】
そのような技法の最大の不利点は、サブピクセルの各々が、所望の白色状態の約3分の1(1/3)の反射率を有するので、白色状態が極めて薄暗いことである。これを補うために、白色レベルが、赤、緑、または青色レベルを犠牲にして倍増されるように、黒色および白色状態のみを表示することができる第4のサブピクセルが追加され得る(各サブピクセルは、ピクセルの面積のわずか4分の1である)。このアプローチを用いても、白色レベルは、通常、白黒ディスプレイのレベルの実質的に半分未満であり、十分に読みやすい白黒明度およびコントラストを必要とする電子書籍リーダまたはディスプレイ等のディスプレイデバイスに対して、それを許容できない選択にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法を対象とし、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む:
(i)視認側における第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、および、
(ii)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性と、第1の駆動電圧のそれより低い振幅とを有する、ステップ。
【0005】
本発明の第2の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法を対象とし、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む:
(i)視認側における第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、
(ii)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の期間は、第1の期間より長く、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップ、および、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップ。
【0006】
本発明の第3の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法を対象とし、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む:
(i)視認側における第1のタイプまたは第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、
(ii)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の期間は、第1の期間より長く、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップ、
(iii)第3の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、および、
ステップ(i)-(iii)を繰り返すステップ。
【0007】
本発明の第4の側面は、視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法を対象とし、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む:
(i)視認側における第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、
(ii)第2の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、
(iii)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために第3の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第3の期間は、第1の期間より長く、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップ、
(iv)第4の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、および、
ステップ(i)-(iv)を繰り返すステップ。
【0008】
本発明の第4の側面はさらに、以下のステップを含み得る:
(v)第5の期間にわたって第3の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第3の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと同一の極性を有する、ステップ、
(vi)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために第6の期間にわたって第4の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第5の期間は、第6の期間より短く、第4の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有する、ステップ、
(vii)第7の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、および、
ステップ(v)-(vii)を繰り返すステップ。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイを駆動するための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
(a)前記4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)前記第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、前記第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)前記第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、前記第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
前記方法は、
(i)前記視認側における前記第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内の前記ピクセルに印加するステップと、
(ii)前記視認側における前記第1のタイプの粒子の前記色状態から前記第4のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、または前記第2のタイプの粒子の前記色状態から前記第3のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれと反対の極性と、前記第1の駆動電圧のそれより低い振幅とを有する、ステップと
を含む、方法。
(項目2)
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイを駆動するための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
(a)前記4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)前記第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、前記第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)前記第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、前記第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
前記方法は、
(i)前記視認側における前記第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内の前記ピクセルに印加するステップと、
(ii)前記視認側における前記第1のタイプの粒子の前記色状態から前記第4のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、または前記第2のタイプの粒子の前記色状態から前記第3のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の期間は、前記第1の期間より長く、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップと、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップと
を含む、方法。
(項目3)
前記第2の駆動電圧の前記振幅は、前記第1の駆動電圧の前記振幅の50%未満である、項目2に記載の方法。
(項目4)
ステップ(i)および(ii)は、少なくとも4回繰り返される、項目2に記載の方法
(項目5)
ステップ(i)および(ii)は、少なくとも8回繰り返される、項目2に記載の方法
(項目6)
ステップ(i)の前に振動波形をさらに含む、項目2に記載の方法
(項目7)
前記振動波形の後、ステップ(i)に先立って、前記ピクセルを前記第1または第2のタイプの粒子の前記色状態に駆動するステップをさらに含む、項目2に記載の方法
(項目8)
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイを駆動するための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
(a)前記4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)前記第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、前記第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)前記第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、前記第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
前記方法は、
(i)前記視認側における前記第1のタイプまたは第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内の前記ピクセルに印加するステップと、
(ii)前記視認側における前記第1のタイプの粒子の前記色状態から前記第4のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、または前記第2のタイプの粒子の前記色状態から前記第3のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第2の期間は、前記第1の期間より長く、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップと、
(iii)第3の期間にわたっていかなる駆動電圧も前記ピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)-(iii)を繰り返すステップと
を含む、方法。
(項目9)
前記第2の駆動電圧の前記振幅は、前記第1の駆動電圧の前記振幅の50%未満である、項目8に記載の方法。
(項目10)
ステップ(i)、(ii)、および(iii)は、少なくとも4回繰り返される、項目8に記載の方法。
(項目11)
ステップ(i)、(ii)、および(iii)は、少なくとも8回繰り返される、項目8に記載の方法。
(項目12)
ステップ(i)の前に振動波形をさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目13)
前記振動波形の後、ステップ(i)に先立って、前記第1または第2のタイプの粒子のフルカラー状態に駆動するステップをさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目14)
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイを駆動するための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、それらの全ては、溶媒または溶媒混合物中に分散させられており、
(a)前記4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)前記第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、前記第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)前記第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、前記第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
前記方法は、
(i)前記視認側における前記第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を前記電気泳動ディスプレイ内の前記ピクセルに印加するステップと、
(ii)第2の期間にわたっていかなる駆動電圧も前記ピクセルに印加しないステップと、
(iii)前記視認側における前記第1のタイプの粒子の前記色状態から前記第4のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、または前記第2のタイプの粒子の前記色状態から前記第3のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために第3の期間にわたって第2の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第3の期間は、前記第1の期間より長く、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、前記第2の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップと、
(iv)第4の期間にわたっていかなる駆動電圧も前記ピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)-(iv)を繰り返すステップと
を含む、方法。
(項目15)
前記第2の駆動電圧の前記振幅は、前記第1の駆動電圧の前記振幅の50%未満である、項目14に記載の方法。
(項目16)
ステップ(i)-(iv)は、少なくとも4回繰り返される、項目14に記載の方法。
(項目17)
ステップ(i)-(iv)は、少なくとも8回繰り返される、項目14に記載の方法。
(項目18)
ステップ(i)の前に振動波形をさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記振動波形の後、ステップ(i)に先立って、前記ピクセルを前記第1または第2のタイプの粒子の前記色状態に駆動するステップをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目20)
(v)第5の期間にわたって第3の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第3の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれと同一の極性を有する、ステップと、
(vi)前記視認側における前記第1のタイプの粒子の前記色状態から前記第4のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために、または前記第2のタイプの粒子の前記色状態から前記第3のタイプの粒子の前記色状態に向けて前記ピクセルを駆動するために第6の期間にわたって第4の駆動電圧を前記ピクセルに印加するステップであって、前記第5の期間は、前記第6の期間より短く、前記第4の駆動電圧は、前記第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有する、ステップと、
(vii)第7の期間にわたっていかなる駆動電圧も前記ピクセルに印加しないステップと、
ステップ(v)-(vii)を繰り返すステップと
をさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目21)
前記第3の駆動電圧および前記第4の駆動電圧の両方の振幅は、前記第1の駆動電圧の前記振幅の50%未満である、項目20に記載の方法。
(項目22)
ステップ(v)-(vii)は、少なくとも4回繰り返される、項目20に記載の方法。
(項目23)
ステップ(v)-(vii)は、少なくとも8回繰り返される、項目20に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、4つの異なる色状態を表示することが可能なディスプレイ層を描写する。
図2-1】図2-1~2-3は、本発明の実施例を図示する。
図2-2】図2-1~2-3は、本発明の実施例を図示する。
図2-3】図2-1~2-3は、本発明の実施例を図示する。
図3図3は、駆動方法に組み込まれ得る振動波形を示す。
図4図4および5は、本発明の第1の駆動方法を図示する。
図5図4および5は、本発明の第1の駆動方法を図示する。
図6図6および9は、本発明の第2の駆動方法を図示する。
図7図7、8、10、および11は、本発明の第2の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図8図7、8、10、および11は、本発明の第2の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図9図6および9は、本発明の第2の駆動方法を図示する。
図10図7、8、10、および11は、本発明の第2の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図11図7、8、10、および11は、本発明の第2の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図12図12および15は、本発明の第3の駆動方法を図示する。
図13図13、14、16、および17は、本発明の第3の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図14図13、14、16、および17は、本発明の第3の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図15図12および15は、本発明の第3の駆動方法を図示する。
図16図13、14、16、および17は、本発明の第3の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図17図13、14、16、および17は、本発明の第3の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図18図18および21は、本発明の第4の駆動方法を図示する。
図19図19、20、22、および23は、本発明の第4の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図20図19、20、22、および23は、本発明の第4の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図21図18および21は、本発明の第4の駆動方法を図示する。
図22図19、20、22、および23は、本発明の第4の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図23図19、20、22、および23は、本発明の第4の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図24図24および27は、本発明の第5の駆動方法を図示する。
図25図25、26、28、および29は、本発明の第5の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図26図25、26、28、および29は、本発明の第5の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図27図24および27は、本発明の第5の駆動方法を図示する。
図28図25、26、28、および29は、本発明の第5の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
図29図25、26、28、および29は、本発明の第5の駆動方法を利用する、駆動順序を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に関係付けられる電気泳動流体は、2対の逆荷電粒子を備えている。第1の対は、第1のタイプの正粒子および第1のタイプの負粒子から成り、第2の対は、第2のタイプの正粒子および第2のタイプの負粒子から成る。
【0011】
2対の逆荷電粒子において、一方の対は、他方の対より強い電荷を帯びる。したがって、4つのタイプの粒子はまた、高正粒子、高負粒子、低正粒子、および低負粒子と称され得る。
【0012】
図1に示される実施例として、黒色粒子(K)および黄色粒子(Y)は、第1の対の逆荷電粒子であり、この対では、黒色粒子は、高正粒子であり、黄色粒子は、高負粒子である。赤色粒子(R)および白色粒子(W)は、第2の対の逆荷電粒子であり、この対では、赤色粒子は、低正粒子であり、白色粒子は、低負粒子である。
【0013】
示されていない別の実施例では、黒色粒子は、高正粒子であり得、黄色粒子は、低正粒子であり得、白色粒子は、低負粒子であり得、赤色粒子は、高負粒子であり得る。
【0014】
加えて、4つのタイプの粒子の色状態は、意図的に混合させられ得る。例えば、黄色色素が、本質的に、多くの場合、緑色がかかった色合いを有するので、より良好な黄色状態が所望される場合、両方のタイプの粒子が同一の電荷極性を帯び、黄色粒子が赤色粒子より高く荷電している黄色粒子および赤色粒子が使用され得る。結果として、黄色状態において、黄色状態により良好な色純度を持たせるように、緑色がかかった黄色粒子と混合させられた少量の赤色粒子が存在するであろう。
【0015】
本発明の範囲は、4つのタイプの粒子が視覚的に区別可能な色である限り、任意の色の粒子を広く包含することが理解される。
【0016】
白色粒子に対して、白色粒子は、TiO、ZrO、ZnO、Al、Sb、BaSO、PbSO等の無機色素から形成され得る。
【0017】
黒色粒子に対して、黒色粒子は、CI色素黒色26または28等(例えば、マンガンフェライトブラックスピネルまたは銅クロマイトブラックスピネル)、またはカーボンブラックから形成され得る。
【0018】
非白色および非黒色の粒子は、赤、緑、青、マゼンタ、シアン、または黄色等の色と無関係である。色粒子のための色素は、CI色素PR254、PR122、PR149、PG36、PG58、PG7、PB28、PB15:3、PY83、PY138、PY150、PY155、またはPY20を含み得るが、それらに限定されない。これらは、カラーインデックスハンドブック「New Pigment Application Technology)(CMC Publishing Co,Ltd,1986)および「Printing Ink Technology」(CMC Publishing Co,Ltd,1984)で説明される一般的に使用されている有機色素である。具体的実施例は、Clariant Hostaperm Red D3G 70-EDS、Hostaperm Pink E-EDS、PV fast red D3G、Hostaperm red D3G 70、Hostaperm Blue B2G-EDS、Hostaperm Yellow H4G-EDS、Novoperm Yellow HR-70-EDS、Hostaperm Green GNX、BASF Irgazine red L3630、Cinquasia Red L 4100 HD、およびIrgazin Red L 3660 HD、Sun Chemical フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ディアリライドイエローまたはディアリライドAAOTイエローを含む。
【0019】
色粒子はまた、赤、緑、青、および黄色色素等の無機色素であり得る。実施例は、CI色素青色28、CI色素緑色50、およびCI色素黄色227を含み得るが、それらに限定されない。
【0020】
色に加えて、4つのタイプの粒子は、光学透過、反射率、発光、または、機械読み取りのために意図されたディスプレイの場合、可視範囲外の電磁波長の反射率の変化という意味の疑似カラー等の他の異なる光学特性を有し得る。
【0021】
本発明のディスプレイ流体を利用するディスプレイ層は、2つの表面、すなわち、視認側の第1の表面(13)と、第1の表面(13)の反対側の第2の表面(14)とを有する。ディスプレイ流体は、2つの表面の間に挟まれている。第1の表面(13)側に、ディスプレイ層の最上部全体を覆って広がっている透明電極層(例えば、ITO)である共通電極(11)がある。第2の表面(14)側には、複数のピクセル電極(12a)を備えている電極層(12)がある。
【0022】
ピクセル電極は、その内容が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる米国特許第7,046,228号に説明されている。薄膜トランジスタ(TFT)バックプレーンを伴うアクティブマトリクス駆動が、ピクセル電極の層に対して記述されるが、本発明の範囲は、電極が所望の機能を果たす限り、他のタイプの電極アドレッシングを包含することに留意されたい。
【0023】
図1の2本の垂直点線の間の各空間は、ピクセルを表す。示されるように、各ピクセルは、対応するピクセル電極を有する。共通電極に印加される電圧と対応するピクセル電極に印加される電圧との間の電位差によって、電場がピクセルのために生成される。
【0024】
4つのタイプの粒子が分散させられている溶媒は、透明かつ無色である。それは、好ましくは、高い粒子移動度のために、低い粘度と、約2~約30、好ましくは、約2~約15の範囲内の誘電率とを有する。好適な誘電溶媒の実施例は、アイソパー、デカヒドロナフタレン(DECALIN)、5-エチリデン-2-ノルボルネン、脂肪油、パラフィン油、シリコン流体等の炭化水素、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ドデシルベンゼン、またはアルキルナフタレン等の芳香族炭化水素、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロトルエン、ペルフルオロキシレン、ジクロロベンゾトリフルオリド、3,4,5-トリクロロベンゾトリフルオリド、クロロペンタフルオロ-ベンゼン、ジクロロノナン、またはペンタクロロベンゼン等のハロゲン化溶媒、および3M Company(St.Paul MN)からのFC-43、FC-70、またはFC-5060等のペルフルオロ化溶媒、TCI America(Portland,Oregon)からのポリ(ペルフルオロプロピレンオキシド)等のポリマーを含む低分子量ハロゲン、Halocarbon Product Corp.(River Edge,NJ)からのHalocarbon Oils等のポリ(クロロトリフルオロエチレン)、AusimontからのGaldenまたはDuPont(Delaware)からのKrytox OilsおよびGreases K-Fluid Series等のペルフルオロポリアルキルエーテル、Dow-corning(DC-200)からのポリジメチルシロキサン系シリコーン油を含む。
【0025】
一実施形態では、「低電荷」粒子によって帯びられる電荷は、「高電荷」粒子によって帯びられる電荷の約50%、好ましくは、約5%~約30%未満であり得る。別の実施形態では、「低電荷」粒子は、「高電荷」粒子によって帯びられる電荷の約75%、または約15%~約55%未満であり得る。さらなる実施形態では、示されるような電荷レベルの比較は、同一の電荷極性を有する2つのタイプの粒子に適用される。
【0026】
電荷強度は、ゼータ電位に関して測定され得る。一実施形態では、ゼータ電位は、CSPU-100信号処理ユニット、ESA EN#Attn フロースルーセル(K:127)を伴うColloidal Dynamics AcoustoSizer IIMによって決定される。サンプルで使用される溶媒の密度、溶媒の誘電率、溶媒中の音速、溶媒の粘度等(全て試験温度(25℃))の計器定数は、試験前に入力される。色素サンプルは、(通常、12個未満の炭素原子を有する炭化水素流体である)溶媒中に分散させられ、5~10重量%に希釈される。サンプルはまた、電荷制御剤対粒子の1:10の重量比を伴う、電荷制御剤(Berkshire Hathawayの子会社であるLubrizol Corporationから入手可能であるSolsperse 17000(登録商標)、「Solsperse」は登録商標である)も含む。希釈サンプルの質量が決定され、次いで、サンプルがゼータ電位の決定のためにフロースルーセルの中へ装填される。
【0027】
「高正」粒子および「高負」粒子の振幅は、同一であることも、異なることもある。同様に、「低正」粒子および「低負」粒子の振幅は、同一であることも、異なることもある。
【0028】
同一の流体において、2対の高・低電荷粒子が異なるレベルの電荷差を有し得ることも留意されたい。例えば、一方の対では、低正電荷粒子は、高正電荷粒子の電荷強度の30%である電荷強度を有し得、別の対では、低負電荷粒子は、高負電荷粒子の電荷強度の50%である電荷強度を有し得る。
【0029】
以下は、そのようなディスプレイ流体を利用するディスプレイデバイスを例証する実施例である。
【0030】
(実施例)
本実施例は、図2で実証される。高正粒子は、黒色(K)であり、高負粒子は、黄色(Y)であり、低正粒子は、赤色(R)であり、低負粒子は、白色(W)である。
【0031】
図2(a)では、高負電位差(例えば、-15V)が、十分な長さの期間にわたってピクセルに印加されると、黄色粒子(Y)が共通電極(21)側まで押され、黒色粒子(K)がピクセル電極(22a)側に引っ張られることを引き起こす電場が生成される。赤色(R)および白色(W)粒子は、より弱い電荷を帯びているので、より高く荷電した黒色および黄色粒子より遅く移動し、結果として、それらは、赤色粒子の上方に白色粒子を伴って、ピクセルの中央に留まる。この場合、黄色が視認側で見られる。
【0032】
図2(b)では、高正電位差(例えば、+15V)が、十分な長さの期間にわたってピクセルに印加される、粒子分布が図2(a)に示されるものと反対であることを引き起こす反対極性の電場が生成され、結果として、黒色が視認側で見られる。
【0033】
図2(c)では、より低正電位差(例えば、+3V)が、十分な長さの期間にわたって図2(a)のピクセルに印加される(つまり、黄色状態から駆動される)と、黄色粒子(Y)がピクセル電極(22a)に向かって移動させられることを引き起こす電場が生成される一方で、黒色粒子(K)は、共通電極(21)に向かって移動する。しかしながら、それらがピクセルの中央で接触するとき、それらは、有意に減速し、そこに留まる。なぜなら、低い駆動電圧によって生成される電場は、それらの間の強い引力を克服するために十分に強くないからである。一方で、低い駆動電圧によって生成される電場は、より弱い電荷を帯びた白色および赤色粒子を分離して、低正赤色粒子(R)を共通電極(21)側(すなわち、視認側)まで、低負白色粒子(W)をピクセル電極(22a)側まで移動させるために十分である。結果として、赤色が見られる。本図では、より弱い電荷を帯びた粒子(例えば、R)と反対極性のより強い電荷を帯びた粒子(例えば、Y)との間にも引力があることにも留意されたい。しかしながら、これらの引力は、2つのタイプのより強い電荷を帯びた粒子(KおよびY)の間の引力ほど強くはなく、したがって、それらは、低い駆動電圧によって生成される電場によって克服され得る。換言すると、反対極性のより弱い電荷を帯びた粒子とより強い電荷を帯びた粒子とは、分離されることができる。
【0034】
図2(d)では、より低い負電位差(例えば、-3V)が、十分な長さの期間にわたって図2(b)のピクセルに印加される(つまり、黒色状態から駆動される)と、黒色粒子(K)がピクセル電極(22a)に向かって移動させられることを引き起こす電場が生成される一方で、黄色粒子(Y)は、共通電極(21)に向かって移動する。黒色および黄色粒子がピクセルの中央で接触するとき、それらは、低い駆動電圧によって生成される電場がそれらの間の強い引力を克服するために十分に強くないので、有意に減速し、そこに留まる。同時に、低い駆動電圧によって生成される電場は、白色および赤色粒子を分離して、低負白色粒子(W)を共通電極側(すなわち、視認側)まで、低正赤色粒子(R)をピクセル電極側まで移動させるために十分である。結果として、白色が見られる。本図では、より弱い電荷を帯びた粒子(例えば、W)と反対極性のより強い電荷を帯びた粒子(例えば、K)との間にも引力があることにも留意されたい。しかしながら、これらの引力は、2つのタイプのより強い電荷を帯びた粒子(KおよびY)の間の引力ほど強くはなく、したがって、それらは、低い駆動電圧によって生成される電場によって克服され得る。換言すると、反対極性のより弱い電荷を帯びた粒子およびより強い電荷を帯びた粒子は、分離されることができる。
【0035】
本実施例では、黒色粒子(K)は、高正電荷を帯び、黄色粒子(Y)は、高負電荷を帯び、赤色(R)粒子は、低正電荷を帯び、白色粒子(W)は、低負電荷を帯びることが実証されるが、実践では、高正電荷または高負電荷、もしくは低正電荷または低負電荷を帯びる粒子は、任意の色であり得る。これらの変形例の全ては、本願の範囲内であることを意図している。
【0036】
図2(c)および2(d)の色状態に達するように印加される、より低い電位差は、高正粒子の色状態から低負粒子の色状態に、または逆も同様に、ピクセルを駆動するために必要とされる全駆動電位差の約5%~約50%であり得ることも留意されたい。
【0037】
上で説明されるような電気泳動流体は、ディスプレイセル内に充填される。ディスプレイセルは、その内容が参照することによって全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,930,818号に説明されるコップ状マイクロセルであり得る。ディスプレイセルはまた、それらの形状またはサイズにかかわらず、マイクロカプセル、マイクロチャネル、または均等物等の他のタイプのマイクロコンテナであり得る。これらの全ては、本願の範囲内である。
【0038】
色輝度および色純度の両方を確実にするために、1つの色状態から別の色状態に駆動することに先立って、振動波形が使用され得る。振動波形は、多くのサイクルにわたって一対の反対駆動パルスを繰り返すことから成る。例えば、振動波形は、20ミリ秒間の+15Vパルスおよび20ミリ秒間の-15Vパルスから成り得、そのような一対のパルスは、50回繰り返される。そのような振動波形の合計時間は、2000ミリ秒であろう(図3参照)。
【0039】
実践では、少なくとも10回の繰り返しがあり得る(すなわち、10対の正および負のパルス)。
【0040】
振動波形は、駆動電圧が印加される前に、光学状態(黒色、白色、赤色、または黄色)にかかわらず印加され得る。振動波形が印加された後、光学状態は、純白色、純黒色、純黄色、または純赤色ではないであろう。代わりに、色状態は、4つのタイプの色素粒子の混合からのものであろう。
【0041】
振動波形内の駆動パルスの各々は、本実施例では、完全黒色状態から完全黄色に、または逆も同様に、必要とされる駆動時間の50%を超えない(または30%、10%、もしくは5%を超えない)時間にわたって印加される。例えば、完全黒色状態から完全黄色まで、または逆も同様に、ディスプレイデバイスを駆動するために300ミリ秒かかる場合、振動波形は、それぞれ多くても150ミリ秒にわたって印加される、正および負のパルスから成り得る。実践では、パルスは、より短いことが好ましい。
【0042】
説明されるような振動波形は、本発明の駆動方法で使用され得る。
【0043】
本願の全体を通した図面の全てでは、振動波形が省略されている(すなわち、パルスの数が実際の数より少ない)ことに留意されたい。
【0044】
加えて、本願との関連で、高い駆動電圧(VH1またはVH2)は、高正粒子の色状態から高負粒子の色状態に、または逆も同様に、ピクセルを駆動するために十分である駆動電圧として定義される(図2aおよび2b参照)。説明されるようなここシナリオでは、低い駆動電圧(VL1またはVL2)は、より弱い電荷を帯びた粒子の色状態からより高く荷電した粒子の色状態にピクセルを駆動するために十分であり得る駆動電圧として定義される(図2cおよび2d参照)。
【0045】
一般に、V(例えば、VL1またはVL2)の振幅は、V(例えば、VH1またはVH2)の振幅の50%未満、もしくは好ましくは40%未満である。
【0046】
(第1の駆動方法:)
(部分A:)
図4は、黄色状態(高負)から赤色状態(低正)にピクセルを駆動する駆動方法を図示する。この方法では、高負駆動電圧(VH2、例えば、-15V)が、振動波形後に黄色状態に向かってピクセルを駆動するために、t2の期間にわたって印加される。黄色状態から、ピクセルは、t3の期間にわたって低正電圧(VL1、例えば、+5V)を印加すること(つまり、図2aから図2cにピクセルを駆動すること)によって、赤色状態に向かって駆動され得る。駆動期間t2は、VH2が印加されるときにピクセルを黄色状態に駆動するために十分な期間であり、駆動期間t3は、VL1が印加されるときにピクセルを赤色状態に駆動するために十分な期間である。駆動電圧は、好ましくは、DC平衡を確実にするように、振動波形の前にt1の期間にわたって印加される。「DC平衡」という用語は、本願の全体を通して、期間(例えば、波形全体の周期)にわたって積分されるときに、ピクセルに印加される駆動電圧が実質的にゼロであることを意味することを意図している。
【0047】
(部分B:)
図5は、黒色状態(高正)から白色状態(低負)にピクセルを駆動する駆動方法を図示する。この方法では、高正駆動電圧(VH1、例えば、+15V)が、振動波形後に黒色状態に向かってピクセルを駆動するために、t5の期間にわたって印加される。黒色状態から、ピクセルは、t6の期間にわたって低負電圧(VL2、例えば、-5V)を印加すること(つまり、図2bから図2dにピクセルを駆動すること)によって、白色状態に向かって駆動され得る。駆動期間t5は、VH1が印加されるときにピクセルを黒色状態に駆動するために十分な期間であり、駆動期間t6は、VL2が印加されるときにピクセルを白色状態に駆動するために十分な期間である。駆動電圧は、好ましくは、DC平衡を確実にするように、振動波形の前にt4の期間にわたって印加される。
【0048】
図4の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図5の波形全体は、DC平衡状態である。
【0049】
第1の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0050】
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む。
【0051】
(i)視認側における第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、および、
(ii)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性と、第1の駆動電圧のそれより低い振幅とを有する、ステップ。
【0052】
(第2の駆動方法:)
(部分A:)
本発明の第2の駆動方法が、図6に図示されている。これは、図4のt3の駆動期間に取って代わるために使用される駆動波形に関連する。
【0053】
最初のステップでは、高負駆動電圧(VH2、例えば、-15V)が、視認側に向かって黄色粒子を押すためにt7の期間にわたって印加され、その後、t8の期間にわたる正駆動電圧(+V’)が続き、それは、黄色粒子を引き下げ、視認側に向かって赤色粒子を押す。
【0054】
+V’の振幅は、V(例えば、VH1またはVH2)のものより低い。一実施形態では、+V’の振幅は、V(例えば、VH1またはVH2)の振幅の50%未満である。
【0055】
一実施形態では、t8は、t7より長い。一実施形態では、t7は、20~400ミリ秒の範囲内であり得、t8≧200ミリ秒であり得る。
【0056】
図6の波形は、少なくとも2サイクル(N≧2)、好ましくは、少なくとも4サイクル、より好ましくは、少なくとも8サイクルにわたって繰り返される。赤色は、各駆動サイクル後により強くなる。
【0057】
記述されるように、図6に示されるような駆動波形は、図4のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得る(図7参照)。換言すると、駆動順序は、振動波形、その後、t2の期間にわたって黄色状態に向かって駆動することが続き、次いで、図6の波形を印加することであり得る。
【0058】
別の実施形態では、t2の期間にわたって黄色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、図6の波形を印加する前に、振動波形が印加される(図8参照)。
【0059】
一実施形態では、図7の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図8の波形全体は、DC平衡状態である。
【0060】
(部分B:)
図9は、図5のt6の駆動期間に取って代わるために使用される駆動波形を図示する。
【0061】
最初のステップでは、高正駆動電圧(VH1、例えば、+15V)が、視認側に向かって黒色粒子を押すためにt9の期間にわたって印加され、その後に、黒色粒子を引き下げ、視認側に向かって白色粒子を押すt10の期間にわたる負駆動電圧(-V’)が続く。
【0062】
-V’の振幅は、V(例えば、VH1またはVH2)のものより低い。一実施形態では、-V’の振幅は、V(例えば、VH1またはVH2)の振幅の50%未満である。
【0063】
一実施形態では、t10は、t9より長い。一実施形態では、t9は、20~400ミリ秒の範囲内であり得、t10≧200ミリ秒であり得る。
【0064】
図9の波形は、少なくとも2サイクル(N≧2)、好ましくは、少なくとも4サイクル、より好ましくは、少なくとも8サイクルにわたって繰り返される。白色は、各駆動サイクル後により強くなる。
【0065】
記述されるように、図9に示されるような駆動波形は、図5のt6の駆動期間に取って代わるために使用され得る(図10参照)。換言すると、駆動順序は、振動波形、その後、t5の期間にわたって黒色状態に向かって駆動することが続き、次いで、図9の波形を印加することであり得る。
【0066】
別の実施形態では、t5の期間にわたって黒色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、図9の波形を印加する前に、振動波形が印加される(図11参照)。
【0067】
一実施形態では、図10の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図11の波形全体は、DC平衡状態である。
【0068】
本発明の本第2の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0069】
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む:
(i)視認側における第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、
(ii)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の期間は、第1の期間より長く、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップ、および、
ステップ(i)および(ii)を繰り返すステップ。
【0070】
一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。一実施形態では、ステップ(i)および(ii)は、少なくとも2回、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返される。一実施形態では、この方法はさらに、ステップ(i)の前に振動波形を含む。一実施形態では、この方法はさらに、振動波形の後、ステップ(i)に先立って、ピクセルを第1または第2のタイプの粒子の色状態に駆動するステップを含む。
【0071】
(第3の駆動方法:)
(部分A:)
本発明の第2の駆動方法が、図12に図示されている。それは、同様に図4のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得る図6の駆動波形の代替案に関連する。
【0072】
この代替的波形では、待ち時間t13が追加されている。待ち時間中、いかなる駆動電圧も印加されない。図12の波形全体も、少なくとも2回(N≧2)、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返される。
【0073】
図12の波形は、特に、例えば、低温において、誘電体層の抵抗が高いときに、電気泳動ディスプレイデバイス内の誘電体層の中および/または異なる材料層の間の界面において貯蔵された電荷不均衡を放出するように設計される。
【0074】
本願との関連で、「低温」という用語は、約10℃を下回る温度を指す。
【0075】
待ち時間は、おそらく、誘電体層の中に貯蔵された不要な電荷を放散し、黄色状態に向かってピクセルを駆動するための短いパルス(t11)および赤色状態に向かってピクセルを駆動するための長いパルス(t12)がより効率的であるようにすることができるであろう。結果として、この代替的駆動方法は、より高く荷電した粒子からの低く荷電した色素粒子のより良好な分離をもたらすであろう。
【0076】
期間t11およびt12は、それぞれ、図6のt7およびt8に類似する。換言すると、t12は、t11より長い。待ち時間(t13)は、誘電体層の抵抗に応じて、5~5,000ミリ秒の範囲内であり得る。
【0077】
記述されるように、図12に示されるような駆動波形はまた、図4のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得る(図13参照)。換言すると、駆動順序は、振動波形、その後、t2の期間にわたって黄色状態に向かって駆動することが続き、次いで、図12の波形を印加することであり得る。
【0078】
別の実施形態では、t2の期間にわたって黄色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、図12の波形を印加する前に、振動波形が印加される(図14参照)。
【0079】
一実施形態では、図13の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図14の波形全体は、DC平衡状態である。
【0080】
(部分B:)
図15は、同様に図5のt6の駆動期間に取って代わるために使用され得る、図9の駆動波形の代替案を図示する。
【0081】
この代替的波形では、待ち時間t16が追加されている。待ち時間中に、いかなる駆動電圧も印加されない。図15の波形全体も、少なくとも2回(N≧2)、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返される。
【0082】
図12の波形のように、図15の波形も、電気泳動ディスプレイデバイス内の誘電体層の中および/または異なる材料層の間の界面において貯蔵された電荷不均衡を放出するように設計される。上記のように、待ち時間は、おそらく、誘電体層の中に貯蔵された不要な電荷を放散し、黒色状態に向かってピクセルを駆動するための短いパルス(t14)および白色状態に向かってピクセルを駆動するための長いパルス(t15)がより効率的であるようにすることができるであろう。
【0083】
期間t14およびt15は、それぞれ、図9のt9およびt10に類似する。換言すると、t15は、t14より長い。待ち時間(t16)も、誘電体層の抵抗に応じて、5~5,000ミリ秒の範囲内であり得る。
【0084】
記述されるように、図15に示されるような駆動波形はまた、図5のt6の駆動期間に取って代わるために使用され得る(図16参照)。換言すると、駆動順序は、振動波形、その後、t5の期間にわたって黒色状態に向かって駆動することが続き、次いで、図15の波形を印加することであり得る。
【0085】
別の実施形態では、t5の期間にわたって黒色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、図15の波形を印加する前に、振動波形が印加される(図17参照)。
【0086】
一実施形態では、図16の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図17の波形全体は、DC平衡状態である。
【0087】
したがって、本発明の第3の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0088】
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む:
(i)視認側における第1のタイプまたは第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、
(ii)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第2の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第2の期間は、第1の期間より長く、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップ、
(iii)第3の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、および、
ステップ(i)-(iii)を繰り返すステップ。
【0089】
一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。一実施形態では、ステップ(i)、(ii)、および(iii)は、少なくとも2回、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返される。一実施形態では、この方法はさらに、ステップ(i)の前に振動波形を含む。一実施形態では、この方法はさらに、振動波形の後、ステップ(i)に先立って、第1または第2のタイプの粒子のフルカラー状態に駆動するステップを含む。
【0090】
本願で参照される駆動期間のうちの任意のもの長さは、温度依存性であり得ることに留意されたい。
【0091】
(第4の駆動方法:)
(部分A:)
本発明の第4の駆動方法が、図18に図示されている。これは、同様に図4のt3の駆動期間に取って代わるために使用され得る駆動波形に関連する。
【0092】
最初のステップでは、高負駆動電圧(VH2、例えば、-15V)が、t17の期間にわたってピクセルに印加され、その後、t18の待ち時間が続く。待ち時間後、正駆動電圧(+V’、例えば、VH1またはVH2の50%未満)が、t19の期間にわたってピクセルに印加され、その後、t20の第2の待ち時間が続く。図18の波形は、少なくとも2回、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返される。上で説明されるような「待ち時間」という用語は、いかなる駆動電圧も印加されない期間を指す。
【0093】
図18の波形では、第1の待ち時間t18が、非常に短い一方で、第2の待ち時間t20は、より長い。t17の期間はまた、t19の期間より短い。例えば、t17は、20~200ミリ秒の範囲内であり得、t18は、100ミリ秒未満であり得、t19は、100~200ミリ秒の範囲内であり得、t20は、1000ミリ秒未満であり得る。
【0094】
図19は、図4図18との組み合わせである。図4では、黄色状態が、t2の期間中に表示される。一般的な法則として、この期間内の黄色状態が良好であるほど、最終的に表示されるであろう赤色状態が良好になる。
【0095】
一実施形態では、t2の期間にわたって黄色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、図18の波形を印加する前に、振動波形が印加される(図20参照)。
【0096】
一実施形態では、図19の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図20の波形全体は、DC平衡状態である。
【0097】
(部分B:)
図21は、同様に図5のt6の駆動期間に取って代わるために使用され得る、駆動波形を図示する。
【0098】
最初のステップでは、高正駆動電圧(VH1、例えば、+15V)が、t21の期間にわたってピクセルに印加され、その後、t22の待ち時間が続く。待ち時間後、負駆動電圧(-V’、例えば、VH1またはVH2の50%未満)が、t23の期間にわたってピクセルに印加され、その後、t24の第2の待ち時間が続く。図21の波形も、少なくとも2回、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返され得る。
【0099】
図21の波形では、第1の待ち時間t22が、非常に短い一方で、第2の待ち時間t24は、より長い。t21の期間はまた、t23の期間より短い。例えば、t21は、20~200ミリ秒の範囲内であり得、t22は、100ミリ秒未満であり得、t23は、100~200ミリ秒の範囲内であり得、t24は、1000ミリ秒未満であり得る。
【0100】
図22は、図5図21との組み合わせである。図5では、黒色状態が、t5の期間中に表示される。一般的な法則として、この期間内の黒色状態が良好であるほど、最終的に表示されるであろう白色状態が良好になる。
【0101】
一実施形態では、t5の期間にわたって黒色状態に駆動するステップは、排除され得、この場合、図21の波形を印加する前に、振動波形が印加される(図23参照)。
【0102】
一実施形態では、図22の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図23の波形全体は、DC平衡状態である。
【0103】
本発明の第4の駆動方法は、以下のように要約され得る。
【0104】
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイを駆動するための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む:
(i)視認側における第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、
(ii)第2の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、
(iii)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために第3の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第3の期間は、第1の期間より長く、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップ、
(iv)第4の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、および、
ステップ(i)-(iv)を繰り返すステップ。
【0105】
一実施形態では、第2の駆動電圧の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。一実施形態では、ステップ(i)-(iv)は、少なくとも2回、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返される。一実施形態では、この方法はさらに、ステップ(i)の前に振動波形を含む。一実施形態では、この方法はさらに、振動波形の後、ステップ(i)に先立って、ピクセルを第1または第2のタイプの粒子の色状態に駆動するステップを含む。
【0106】
この駆動方法は、低温において特に効果的であるだけでなく、ディスプレイデバイスの製造中に引き起こされる構造変動のより良好な許容範囲をディスプレイデバイスに提供することもできる。したがって、有用性は、低温駆動に限定されない。
【0107】
(第5の駆動方法:)
(部分A:)
この駆動方法は、黄色状態(高負)から赤色状態(低正)へのピクセルの低温駆動のために特に好適である。
【0108】
図24に示されるように、低負駆動電圧(-V’)が、最初に、t25の期間にわたって印加され、その後、t26の期間にわたって低正駆動電圧(+V”)が続く。その順序が繰り返されるので、2つの駆動電圧の間にt27の待ち時間もある。そのような波形は、少なくとも2回(N’≧2)、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返され得る。
【0109】
t25の期間は、t26の期間より短い。t27の期間は、0~200ミリ秒の範囲内であり得る。
【0110】
駆動電圧V’およびV”の振幅は、V(例えば、VH1またはVH2)の振幅の50%未満であり得る。V’の振幅が、V”の振幅と同一であることも、異なることもあることにも留意されたい。
【0111】
図24の駆動波形は、図19および20の波形と併せて印加されるときに最も効果的であることも分かっている。2つの駆動波形の組み合わせは、それぞれ、図25および26に示されている。
【0112】
一実施形態では、図25の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図26の波形全体は、DC平衡状態である。
【0113】
(部分B:)
この駆動方法は、黒色状態(高正)から白色状態(低負)へのピクセルの低温駆動のために特に好適である。
【0114】
図27に示されるように、低正駆動電圧(+V’)が、最初に、t28の期間にわたって印加され、その後、t29の期間にわたって低負駆動電圧(-V”)が続く。その順序が繰り返されるので、2つの駆動電圧の間にt30の待ち時間もある。そのような波形は、少なくとも2回(N’≧2)、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返され得る。
【0115】
t28の期間は、t29の期間より短い。t30の期間は、0~200ミリ秒の範囲内であり得る。
【0116】
駆動電圧V’およびV”の振幅は、V(例えば、VH1またはVH2)の振幅の50%未満であり得る。V’の振幅が、V”の振幅と同一であることも、異なることもあることにも留意されたい。
【0117】
図27の駆動波形は、図22および23の波形と併せて印加されるときに最も効果的であることも分かっている。2つの駆動波形の組み合わせは、それぞれ、図28および29に示されている。
【0118】
一実施形態では、図28の波形全体は、DC平衡状態である。別の実施形態では、図29の波形全体は、DC平衡状態である。
【0119】
第5の駆動方法は、以下のように要約されることができる。
【0120】
視認側の第1の表面と、非視認側の第2の表面と、電気泳動流体とを備えている電気泳動ディスプレイのための駆動方法であって、その流体は、共通電極とピクセル電極の層との間に挟まれており、全てが溶媒または溶媒混合物中に分散させられる第1のタイプの粒子、第2のタイプの粒子、第3のタイプの粒子、および第4のタイプの粒子を含み、
(a)4つのタイプの色素粒子は、互いに異なる光学特性を有し、
(b)第1のタイプの粒子は、高正電荷を帯び、第2のタイプの粒子は、高負電荷を帯び、
(c)第3のタイプの粒子は、低正電荷を帯び、第4のタイプの粒子は、低負電荷を帯び、
この方法は、以下のステップを含む:
(i)視認側における第1または第2のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、第1の期間にわたって第1の駆動電圧を電気泳動ディスプレイ内のピクセルに印加するステップ、
(ii)第2の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、
(iii)第3の期間にわたって第2の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第3の期間は、第1の期間より長く、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有し、第2の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれより低い振幅を有する、ステップ、
(iv)第4の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップと、
ステップ(i)-(iv)を繰り返すステップ、
(v)第5の期間にわたって第3の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第3の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと同一の極性を有する、ステップ、
(vi)視認側における第1のタイプの粒子の色状態から第4のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために、または第2のタイプの粒子の色状態から第3のタイプの粒子の色状態に向けてピクセルを駆動するために第6の期間にわたって第4の駆動電圧をピクセルに印加するステップであって、第5の期間は、第6の期間より短く、第4の駆動電圧は、第1の駆動電圧のそれと反対の極性を有する、ステップ、
(vii)第7の期間にわたっていかなる駆動電圧もピクセルに印加しないステップ、および、
ステップ(v)-(vii)を繰り返すステップ。
【0121】
一実施形態では、第3の駆動電圧および第4の駆動電圧の両方の振幅は、第1の駆動電圧の振幅の50%未満である。一実施形態では、ステップ(v)-(vii)は、少なくとも2回、好ましくは、少なくとも4回、より好ましくは、少なくとも8回繰り返される。
【0122】
本発明は、その具体的実施形態を参照して説明されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更が行われ得、均等物が代用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。加えて、特定の状況、材料、組成物、プロセス、1つまたは複数のプロセスステップを、本発明の目的および範囲に適合させるように、多くの修正が行われ得る。全てのそのような修正は、本明細書に添付される請求項の範囲内であることを意図している。
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図2-2】
図2-3】
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