(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】道路脇設置物と走行車両との接近度合を運転者に知らせることが可能な路面設備及びその方法
(51)【国際特許分類】
E01F 9/553 20160101AFI20221110BHJP
E01F 9/529 20160101ALI20221110BHJP
【FI】
E01F9/553
E01F9/529
(21)【出願番号】P 2019000907
(22)【出願日】2019-01-08
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】519006805
【氏名又は名称】今井 雄輝
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】今井 雄輝
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-307500(JP,A)
【文献】登録実用新案第3156648(JP,U)
【文献】特開平03-212504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/553
E01F 9/529
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱や標識などの道路脇設置物から道路長方向及び道路幅方向へ一定の距離をあけて設ける凸部体(11)と、
前記凸部体から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける複数の凸部体を包含する凸部体群(12)と、
前記凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける1又は複数の凸部体群と、
を少なくとも備え、
前記各々の凸部体群を構成する凸部体の個数について、前記道路脇設置物から離れて設ける凸部体群ほど多く、
前記各々の凸部体群を構成する各々の凸部体の配列について、道路長方向に対して直線状に整列しかつ道路幅方向に対して直線状に整列している路面設備。
【請求項2】
前記道路脇設置物から道路長方向及び道路幅方向へ一定の距離をあけて設ける第1凸部体(11)と、
前記第1凸部体から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第2凸部体群(12)と、
前記第2凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第3凸部体群(13)と、
前記第3凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第4凸部体群(14)と、
前記第4凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第5凸部体群(15)と、
前記第5凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第6凸部体群(16)と、
を少なくとも備え、
前記第2凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける2個のドーム形状凸部体を包含し、
前記第3凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける3個のドーム形状凸部体を包含し、
前記第4凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける4個のドーム形状凸部体を包含し、
前記第5凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける5個のドーム形状凸部体を包含し、
前記第6凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける6個のドーム形状凸部体を包含し、
かつ前記第2凸部体群を構成する各凸部体から前記第6凸部体群を構成する各凸部体の道路長方向に対する配列について、直線状に整列している請求項1の路面設備。
【請求項3】
さらに、前記第6凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて、凸部体及び複数の凸部体群で構成する1組又は複数組の凸部体組を設けた請求項2の路面設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、道路脇に設けられた電柱や標識など(以下、「道路脇設置物」という。)と走行車両との接近度合(距離)を運転者に知らせることが可能な路面設備及び道路脇設置物と走行車両との接近度合を運転者に知らせる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路脇設置物が存在する道路を車両で走行していると、当該道路脇設置物の手前で急激な減速をしたり、あるいは当該道路の対向車線まではみ出して走行する車両を見かけることがある。
【0003】
急激な減速をした車両の後続を走行する車両は、ブレーキを踏む等、当該車両との追突を回避するための行動を余儀なくされ、その結果として走行の流れが悪くなったり、渋滞が発生したりすることがある。
【0004】
また、当該道路の対向車線まではみ出して走行した場合は、対向車線側を走行する車両がブレーキを踏む等、当該車両との接触を回避するための行動を余儀なくされ、その結果として走行の流れが悪くなったり、渋滞が発生したりすることがある。
【0005】
ところで、本願の路面設備に比較的近似すると考える路面設備として、上を通過する車両に振動を与えて運転手の注意を喚起する道路標示が存在する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した様に、道路脇設置物の影響で、走行車線又は対向車線の走行の流れが悪くなったり、渋滞が発生することがある。
【0008】
上述した特許文献1の道路標示は、所定形状の標示材片が、道路の車両進行方向および該車両進行方向と交差する幅方向に交互に間隔を開けて多数配置されると共に、車両進行方向の前後に隣り合う標示材片の間の隙間が前記幅方向に並ぶように前記標示材片が配置されることによって、前記標示部の幅方向に沿って直線状の隙間が形成されるため、車両に連続的な振動を与え、運転手に通常と異なる路面状態を感じさせることにより、車両の速度を抑制する効果を期待するものであるため、走行の流れが悪くなることや渋滞を抑制又は回避させることはできないものと考える。
【0009】
そこで、道路脇設置物の影響で、走行の流れが悪くなる交通事情に対する緩和策を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、上述の課題を解決するために、電柱や標識などの道路脇設置物から道路長方向及び道路幅方向へ一定の距離をあけて設ける凸部体と、前記凸部体から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける複数の凸部体を包含する凸部体群と、前記凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける1又は複数の凸部体群と、を少なくとも備え、前記各々の凸部体群を構成する凸部体の個数について、前記道路脇設置物から離れて設ける凸部体群ほど多く、前記各々の凸部体群を構成する各々の凸部体の配列について、道路長方向に対して直線状に整列しかつ道路幅方向に対して直線状に整列している路面設備を提供する。
【0011】
また、本願発明は、上述の課題を解決するために、前記道路脇設置物から道路長方向及び道路幅方向へ一定の距離をあけて設ける第1凸部体と、前記第1凸部体から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第2凸部体群と、前記第2凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第3凸部体群と、前記第3凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第4凸部体群と、前記第4凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第5凸部体群と、前記第5凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて設ける所定の第6凸部体群と、を少なくとも備え、前記第2凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける2個のドーム形状凸部体を包含し、前記第3凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける3個のドーム形状凸部体を包含し、前記第4凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける4個のドーム形状凸部体を包含し、前記第5凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける5個のドーム形状凸部体を包含し、前記第6凸部体群を構成する凸部体について、道路幅方向に対して直線状に整列して設ける6個のドーム形状凸部体を包含し、かつ前記第2凸部体群を構成する各凸部体から前記第6凸部体群を構成する各凸部体の道路長方向に対する配列について、直線状に整列している前述の路面設備を提供する。
【0012】
また、本願発明は、上述の課題を解決するために、さらに、前記第6凸部体群から道路長方向へ一定の距離をあけて、凸部体及び複数の凸部体群で構成する1組又は複数組の凸部体組を設けた前述の路面設備を提供する。
【0013】
また、本願発明は、上述の課題を解決するために、前述の路面設備を設けた道路を走行する場合であって、前記凸部体群又は前記第n凸部体群を構成するいずれかの前記凸部体を走行車両のタイヤが最初に踏む工程と、その後継続して当該凸部体以外の凸部体を踏む又は当該凸部体以外のいずれの凸部体も踏まない工程と、により、前記凸部体を踏んだ個数を振動により前記走行車両の運転手に伝達しそれによって前記道路脇設置物と前記走行車両との接近度合を知らせる方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本願の路面設備は、所定の凸部体及び凸部体群を少なくとも備え、各々の前記凸部体群を構成する凸部体の個数を前記道路脇設置物から離れて設ける凸部体群ほど多くし、道路長方向に対して直線状に整列しかつ道路幅方向に対して直線状に整列しているため、走行車両の運転手は、凸部体を踏んだ個数(回数)を振動により知ることができる。これにより、道路脇設置物と走行車両との接近度合を知ることができる。
【0015】
本願の路面設備は、所定のドーム形状凸部体及び6の凸部体群を少なくとも備え、各々の前記6の凸部体群を構成する各々の凸部体の個数を前記道路脇設置物から離れて設ける凸部体群ほど多くし(隣接する凸部体群よりも1ずつ多くしている。)、道路長方向に対して直線状に整列しかつ道路幅方向に対して直線状に整列しているため、走行車両の運転手は、凸部体を踏んだ個数(回数)を1回から6回の間の振動回数により知ることができる。これにより、道路脇設置物と走行車両との接近度合を詳細に(6段階で)知ることができる。
【0016】
また、凸部体をドーム形状としているため、車両のタイヤ、自転車及び歩行者に繰り返し踏まれた場合であっても破損し難く、さらには、自転車及び歩行者が接触した際に、転倒し難い形状であると考える。
【0017】
また、本願の路面設備は、複数組の凸部体組を設けているため、道路脇設置物からより離れた位置(道路長方向)から凸部体を踏んだ個数(回数)を振動により知ることができる。
【0018】
本願の道路脇設置物と走行車両との接近度合を運転者に知らせる方法は、前述の路面設備を設けた道路を走行する場合であって、凸部体を走行車両のタイヤが最初に踏む工程と、その後継続して当該凸部体以外の凸部体を踏む又は当該凸部体以外のいずれの凸部体も踏まない工程と、により、凸部体を踏んだ個数(回数)を振動により知らせることができる。これにより、道路脇設置物と走行車両との接近度合を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は路面設備の1つの実施例を示す図である。
【
図2】
図2は路面設備の一部を拡大した平面図である。
【
図3】
図3は路面設備の一部を拡大した断面図である。
【
図4】
図4は路面設備を設けた道路を車両が走行する初期作動を示す図である。
【
図5】
図5は路面設備を設けた道路を車両が走行する途中作動を示す図である。
【
図6】
図6は2組の路面設備を設けた道路を車両が走行する初期作動を示す図である。
【
図7】
図7は2組の路面設備を設けた道路を車両が走行する中途作動を示す図である。
【
図8】
図8は2組の路面設備を設けた道路を車両が走行する終期作動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
対向する相互通行道路(比較的狭い1車線道路がより有効であると考える。)に本願の路面設備を設ける。
【実施例1】
【0021】
まずは、路面設備の構成について、
図1から
図3に従い説明する。
【0022】
実施例1の路面設備は、路面から突出し、電柱(30)から道路長方向及び道路幅方向へ一定の距離(L1)をあけて設ける所定の第1凸部体(11)と、前記第1凸部体と隣接し前記第1凸部体から道路長方向へ一定の距離(L2)をあけて設ける複数の凸部体を包含する所定の第2凸部体群(12)と、前記第2凸部体群からさらに道路長方向へ一定の距離(L3)をあけて設ける複数の凸部体を包含する所定の第3凸部体群(13)と、前記第3凸部体群からさらに道路長方向へ一定の距離をあけて設ける複数の凸部体を包含する所定の第4凸部体群(14)と、前記第4凸部体群からさらに道路長方向へ一定の距離をあけて設ける複数の凸部体を包含する所定の第5凸部体群(15)と、前記第5凸部体群からさらに道路長方向へ一定の距離をあけて設ける複数の凸部体を包含する所定の第6凸部体群(16)とを少なくとも備える(
図1)。
【0023】
前述した電柱(30)から前記第1凸部体(11)までの距離(L1)は、1.5メートルとしている(
図1)。
【0024】
前記第1凸部体(11)から隣接する前記第2凸部体群(12)までの距離(L2)及び前記第2凸部体群から隣接する前記第3凸部体群(13)までの距離(L3)は、いずれも1.5メートルとしている(
図1)。
【0025】
なお、前記第3凸部体群(13)から前記第4凸部体群(14)、前記第4凸部体群から前記第5凸部体群(15)、前記第5凸部体群から前記第6凸部体群(16)の距離も1.5メートルとしているため、前記電柱(30)から最も遠い前記第6凸部体群までの距離は9メートルである。
【0026】
前述した様に各々の凸部体群(12、13、14、15、16)は、複数の凸部体で構成する。具体的には道路長方向において前記電柱(30)から最も遠い位置に設ける第6凸部体群(16)は、道路幅方向において最も前記電柱側に設ける第6イ凸部体(161)と、前記第6イ凸部体に隣接する第6ロ凸部体(162)と、前記第6ロ凸部体に隣接する第6ハ凸部体(163)と、前記第6ハ凸部体に隣接する第6ニ凸部体(164)と、前記第6ニ凸部体に隣接する第6ホ凸部体(165)と、前記第6ホ凸部体に隣接する第6ヘ凸部体(166)とで構成する(
図2および
図3)。
【0027】
なお、前記第6凸部体群(16)と走行方向において隣接する第5凸部体群(15)は、前記電柱(30)側に設ける第5イ凸部体と、前記第5イ凸部体に隣接する第5ロ凸部体と、前記第5ロ凸部体に隣接する第5ハ凸部体と、前記第5ハ凸部体に隣接する第5ニ凸部体と、前記第5ニ凸部体に隣接する第5ホ凸部体とで構成する。また、前記第5凸部体群と走行方向において隣接する第4凸部体群(14)は、前記電柱側に設ける第4イ凸部体と、前記第4イ凸部体に隣接する第4ロ凸部体と、前記第4ロ凸部体に隣接する第4ハ凸部体と、前記第4ハ凸部体と隣接する第4ニ凸部体とで構成する。また、前記第4凸部体群と走行方向において隣接する第3凸部体群(13)は、前記電柱側に設ける第3イ凸部体と、前記第3イ凸部体に隣接する第3ロ凸部体と、前記第3ロ凸部体と隣接する第3ハ凸部体とで構成する。また、前記第3凸部体群と走行方向において隣接する第2凸部体群(12)は、前記電柱側に設ける第2イ凸部体と、前記第2イ凸部体に隣接する第2ロ凸部体とで構成する(
図1)。
【0028】
前記第n凸部体群を構成する第nイ凸部体から第nへ凸部体は、道路幅方向に対して直線状に整列させて配列する。
【0029】
前記第1凸部体(11)について、道路幅方向に対しては1個のみであるため本願書類においては第1凸状体群とは呼ばずに、第1凸部体又は第1イ凸部体あるいは単なる凸部体(11)と呼んでいる。
【0030】
前記各々の第nイ凸部体(11、121、131、141、151、161)の大きさおよび形態について、直径100ミリメートルのドーム形状としている(
図3)。
【0031】
また、前記各々の第nロ凸部体(122、132、142、152、162)の大きさおよび形態について、直径80ミリメートルのドーム形状としている(
図3)。
【0032】
また、前記各々の第nハ凸部体(133、143、153、163)の大きさおよび形態について、直径60ミリメートルのドーム形状としている(
図3)。
【0033】
また、前記各々の第nニ凸部体(144、154、164)の大きさおよび形態について、直径50ミリメートルのドーム形状としている(
図3)。
【0034】
また、前記各々の第nホ凸部体(155、165)の大きさおよび形態について、直径40ミリメートルのドーム形状としている(
図3)。
【0035】
また、前記第nヘ凸部体(166)の大きさおよび形態について、直径30ミリメートルのドーム形状としている(
図3)。
【0036】
前述した様に凸部体のドーム形状直径(大きさ)を道路幅方向に対して前記電柱(30)側に近づくほど大きくしている。これは、道路幅方向に対して前記電柱(30)側に近づくほど振動が大きくなることを意図したものであり、運転者へより強い注意喚起を感じてもらうことを意図している。
【0037】
あわせて、道路幅方向に対して前記電柱(30)側から離れるほどより小さくしているのは、振動による運転者への注意喚起負担が軽減(本願の様な路面設備を設けていない道路であれば、運転者はいっさい振動を感じることなく走行ができるため。)するようにも配慮している。
【0038】
前記各々の第nイ凸部体(11、121、131、141、151、161)は、道路長方向に対して直線状に整列させて配列する。
【0039】
前記電柱(30)の道路側の端面から前記各々の第nイ凸部体(11、121、131、141、151、161)までの距離について、200ミリメートルとしている。
【0040】
前記各々の第nイ凸部体(11、121、131、141、151、161)の中心から前記各々の第nロ凸部体(122、132、142、152、162)の中心までの距離、前記各々の第nロ凸部体の中心から前記各々の第nハ凸部体(133、143、153、163)の中心までの距離、前記各々の第nハ凸部体の中心から前記各々の第nニ凸部体(144、154、164)の中心までの距離、前記各々の第nニ凸部体の中心から前記各々の第nホ凸部体(155、165)の中心までの距離、前記各々の第nホ凸部体の中心から前記第nヘ凸部体(166)の中心までの距離(間隔)について、いずれも100ミリメートルとしている。
【0041】
前述した様な凸部体(11)及び所定の凸部体群(12、13、14、15、16)を1組として、走行方向に複数組を設けることも許容し得る。
【0042】
本願で使用する「道路脇」という用語について、車両の走行の流れに影響を与え得る電柱や標識などが設けられる位置を指すものであるため、車両の走行の流れに影響を与え得る位置であれば当該道路外、当該道路外と当該道路との境界及び当該道路上のいずれも含まれる。
【0043】
次に、路面設備を設けた道路を時速32.4キロメートルで走行したときの作動イメージについて、
図4及び
図5に従い説明する。
【0044】
走行車両(50)は、
図4で示すように、右方向から左方向に向かって走行し、左前輪タイヤが第6凸部体群(16)の道路幅方向において電柱(30)側から数えて4番目の第6ニ凸部体(164)を踏む(
図4の状態)。
【0045】
前記車両(50)は継続走行しその後、第5ニ凸部体(154)、第4ニ凸部体(144)と順に踏むが、第3凸部体群(13)の奥側(走行方向の視点では右側)を通過するため、第3ハ凸部体(133)を踏まずに走行することになる(
図5の状態)。
【0046】
同様に、前記走行車両の左前輪タイヤは第2凸部体群(12)および第1凸部体(11)を踏まずに走行し、前記電柱(30)に到達する。運転者には前記第6凸部体群(16)、前記第5凸部体群(15)及び前記第4凸部体群(14)の3回の凸部体を踏んだ振動が伝わるため、道路幅方向において前記電柱側から数えて4番目の位置(つまり、電柱から500ミリメートルの位置)を走行していることを知らせることができる。
【0047】
次に、2組の路面設備を設けた道路を時速32.4キロメートルで走行したときの作動イメージについて、
図6から
図8に従い説明する。
【0048】
走行車両(50)は、
図6で示すように、右方向から左方向に向かって走行し、左前輪タイヤが電柱(30)から最も離れた位置に設けた2組目の第6凸部体群(26)の前記電柱側から数えて4番目の第6ニ凸部体(264)を踏む(
図6の状態)。
【0049】
前記車両(50)は継続走行しその後、2組目の第5凸部体群(25)の第5ニ凸部体(254)、第4凸部体群(24)の第4ニ凸部体(244)と順に踏むが、第3凸部体群(23)の奥側(走行方向の視点では右側)を通過するため、第3ハ凸部体(233)を踏まずに走行することになる(
図7の状態)。
【0050】
同様に、前記走行車両の左前輪タイヤは2組目の第2凸部体群(22)および第1凸部体群あるいは第1イ凸部体(21)を踏まずに走行する。走行車両の運転者には前記第6凸部体群(26)、前記第5凸部体群(25)及び前記第4凸部体群(24)の3回の凸部体を踏んだ振動が伝わるため、道路幅方向において前記電柱側から数えて4番目の位置(つまり、電柱から500ミリメートルの位置:記載するか否かを要検討。)を走行していることを知らせることができる。
【0051】
前述の走行位置を知った運転者は、さらに前記電柱方向に車両を寄せるべく左方向にハンドルを一定程度回す。
【0052】
前述のハンドルの操作により、前記走行車両(50)は手前側(走行方向の視点では左側)に移動し、1組目の第6凸部体群(16)の第6イ凸部体(161)を踏む(
図8の状態)。
【0053】
前記車両(50)は継続走行しその後、1組目の第5イ凸部体(151)、第4イ凸部体(141)、第3イ凸部体(131)、第2イ凸部体(121)、第1イ凸部体(11)を順番に踏みながら走行し、前記電柱(30)を通過する。走行車両の運転者には6回の凸部体を踏んだ振動が伝わるため、道路幅方向において前記電柱側から数えて1番目の位置(つまり、電柱から200ミリメートルの位置:記載するか否かを要検討。)を走行していることを知らせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本願発明は、渋滞の発生や走行の流れが悪くなることを抑制可能な優れた路面設備等であるので、産業上の利用性可能性を有する。
【符号の説明】
【0055】
10 路面設備
11 第1凸部体、第1イ凸部体又は凸部体
12 第2凸部体群
121 第2イ凸部体
122 第2ロ凸部体
13 第3凸部体群
131 第3イ凸部体
132 第3ロ凸部体
133 第3ハ凸部体
14 第4凸部体群
141 第4イ凸部体
142 第4ロ凸部体
143 第4ハ凸部体
144 第4ニ凸部体
15 第5凸部体群
151 第5イ凸部体
152 第5ロ凸部体
153 第5ハ凸部体
154 第5ニ凸部体
155 第5ホ凸部体
16 第6凸部体群
161 第6イ凸部体
162 第6ロ凸部体
163 第6ハ凸部体
164 第6ニ凸部体
165 第6ホ凸部体
166 第6ヘ凸部体
21 第1イ凸部体、第1イ凸部体又は凸部体
22 第2凸部体群
221 第2イ凸部体
222 第2ロ凸部体
23 第3凸部体群
231 第3イ凸部体
232 第3ロ凸部体
233 第3ハ凸部体
24 第4凸部体群
241 第4イ凸部体
242 第4ロ凸部体
243 第4ハ凸部体
244 第4ニ凸部体
25 第5凸部体群
251 第5イ凸部体
252 第5ロ凸部体
253 第5ハ凸部体
254 第5ニ凸部体
255 第5ホ凸部体
26 第6凸部体群
261 第6イ凸部体
262 第6ロ凸部体
263 第6ハ凸部体
264 第6ニ凸部体
265 第6ホ凸部体
266 第6ヘ凸部体
30 電柱
40 道路
50 走行車両