(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
A63F5/04 612
(21)【出願番号】P 2018038359
(22)【出願日】2018-03-05
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(72)【発明者】
【氏名】那須 隆
(72)【発明者】
【氏名】山崎 好男
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-147083(JP,A)
【文献】特開2015-077440(JP,A)
【文献】特開2011-194004(JP,A)
【文献】特開2017-006587(JP,A)
【文献】特開2015-181592(JP,A)
【文献】特開2003-263309(JP,A)
【文献】特開2015-139678(JP,A)
【文献】特開2011-004946(JP,A)
【文献】特開2003-250970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04,7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の制御プログラムを記憶するROM部と、当該ROM部に記憶された制御プログラムを実行するCPU部と、乱数生成部と、を備え、
前記制御プログラムは、前記乱数生成部から取得した整数値を用いる抽選処理を含み、
前記乱数生成部は、第一の乱数生成手段と、第二の乱数生成手段と、第一の乱数生成手段における乱数周期経過判定手段と、を備え、前記CPU部が当該乱数生成部から読み出す整数値は当該第一の乱数生成手段の値であり、当該第一の乱数生成手段は、当該乱数生成部に入力された更新クロックを契機に整数値を生成し、乱数周期としてあらかじめ定められた更新クロック数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであり、当該乱数周期経過判定手段は当該第一の乱数生成手段において乱数周期が経過したと判定したときに初期値更新信号を生じるものであり、当該第一の乱数生成手段は、当該初期値更新信号を契機に、当該第二の乱数生成手段の値を初期値として新たな乱数周期を開始するよう構成されたものであって、
前記CPU部が前記乱数生成部から整数値を取得した後、前記乱数周期経過判定手段に依らず、強制的に初期値更新信号を生成することにより、次に当該CPU部が当該乱数生成部から整数値を取得するまでの間に1以上の初期値更新を行い、今回取得した整数値と次回取得する整数値とを異なる乱数周期に生成されたものとすることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
第二の乱数生成手段は、初期値更新信号を契機に整数値を生成するものであり、あらかじめ定められた初期値更新信号数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
乱数生成部は、更に第三の乱数生成手段を備え、第二の乱数生成手段において乱数周期が経過した際、第三の乱数生成手段の値を初期値として第二の乱数生成手段が新たな乱数周期を開始するものであることを特徴とする、請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項4】
ROM部の制御プログラムは、第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で乱数生成部から整数値を取得する処理を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。この内部抽選は、いわゆる乱数の値をあらかじめ定めておいた抽選値と比較し、その結果に基づいて当否判定等を行う構成が一般的である。
【0003】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記例示等のような遊技機においては好適な乱数生成が望まれており、この点について未だ改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、乱数生成を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく本発明は、遊技機の制御プログラムを記憶するROM部と、当該ROM部に記憶された制御プログラムを実行するCPU部と、乱数生成部と、を備え、前記制御プログラムは、前記乱数生成部から取得した整数値を用いる抽選処理を含み、前記乱数生成部は、第一の乱数生成手段と、第二の乱数生成手段と、第一の乱数生成手段における乱数周期経過判定手段と、を備え、前記CPU部が当該乱数生成部から読み出す整数値は当該第一の乱数生成手段の値であり、当該第一の乱数生成手段は、当該乱数生成部に入力された更新クロックを契機に整数値を生成し、乱数周期としてあらかじめ定められた更新クロック数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであり、当該乱数周期経過判定手段は当該第一の乱数生成手段において乱数周期が経過したと判定したときに初期値更新信号を生じるものであり、当該第一の乱数生成手段は、当該初期値更新信号を契機に、当該第二の乱数生成手段の値を初期値として新たな乱数周期を開始するよう構成されたものであって、前記CPU部が前記乱数生成部から整数値を取得した後、前記乱数周期経過判定手段に依らず、強制的に初期値更新信号を生成することにより、次に当該CPU部が当該乱数生成部から整数値を取得するまでの間に1以上の初期値更新を行い、今回取得した整数値と次回取得する整数値とを異なる乱数周期に生成されたものとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乱数生成を好適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態におけるスロットマシンの正面図である。
【
図2】前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。
【
図4】表示窓から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図である。
【
図5】入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。
【
図6】(a)~(i)各入賞が発生した場合の停止図柄の態様を説明するための説明図である。
【
図11】取得した乱数と乱数の周期との関係を示す説明図である。
【
図12】主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図13】主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図14】主側MPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。
【
図15】主側MPUにて実行される開始待ち処理を示すフローチャートである。
【
図16】主側MPUにて実行される抽選処理を示すフローチャートである。
【
図17】通常モード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【
図18】通常モード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【
図19】第1RTモード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【
図20】第1RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【
図21】第2RTモード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【
図22】第2RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【
図23】主側MPUにて実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。
【
図24】主側MPUにて実行される入賞判定処理を示すフローチャートである。
【
図25】主側MPUにて実行される遊技終了時の対応処理を示すフローチャートである。
【
図26】主側MPUにて実行されるART準備状態処理を示すフローチャートである。
【
図27】主側MPUにて実行されるART状態処理を示すフローチャートである。
【
図28】主側MPUにて実行されるART終了分岐処理を示すフローチャートである。
【
図29】(a)特別表示部の正面図であり、(b)特別表示部の表示内容を説明するための説明図である。
【
図30】(a),(b)画像表示装置における報知内容と特別表示部における表示内容との関係を説明するための説明図である。
【
図31】主側MPUにて実行される報知制御処理を示すフローチャートである。
【
図32】主側MPUにて実行される分岐対応の報知制御処理を示すフローチャートである。
【
図33】演出側MPUにて実行される報知用処理を示すフローチャートである。
【
図34】(a)~(d)特別表示部及び画像表示装置のそれぞれにおいて当選役との関係の報知が行われる様子を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はスロットマシン10の正面図であり、
図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
【0011】
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
【0012】
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
【0013】
前面扉12の中央部上寄りには、
図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
【0014】
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0015】
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
【0016】
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
【0017】
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
【0018】
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
【0019】
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、
図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
【0020】
メダル投入口45の下方には、
図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
【0021】
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
【0022】
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、
図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57とが設けられている。
【0023】
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
【0024】
図3には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0025】
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ1」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「リプレイ2」図柄(例えば、左リール32Lの11番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「リプレイ3」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の9種類がある。そして、
図3に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0026】
図4は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された21個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
【0027】
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のいずれかが付与される。
【0028】
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインではなく、折り曲げラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL5といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
【0029】
以下、
図5及び
図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。
図5は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図であり、
図6(a)~
図6(i)は各入賞が発生した場合の停止図柄の態様を説明するための説明図である。
【0030】
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1~第12補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞がある。
【0031】
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1補填入賞~第9補填入賞のいずれかとなる。また、メインラインML上において左から「赤7」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第10補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「BAR」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第11補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「スイカ」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第12補填入賞となる。第1補填入賞~第12補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
【0032】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。第1ベル入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
【0033】
第1ベル入賞となる場合、
図6(a)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。遊技者は、同一の図柄の組合せが一直線のライン上に停止表示されると入賞が成立したと認識し易い。この場合に、第1ベル入賞に際して同一の「ベル」図柄の組合せを停止表示させることにより、メインラインMLにおける入賞成立態様の多様化を図った構成において入賞の発生を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
【0034】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2ベル入賞となる。第2ベル入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「9」となる。
【0035】
第2ベル入賞となる場合、
図6(b)に示すように、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベル入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL5であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1ベル入賞と第2ベル入賞とを区別させることが可能となる。
【0036】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。第1スイカ入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
【0037】
第1スイカ入賞となる場合、
図6(c)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となり得る。これにより、第1スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32Lの停止タイミングによっては「スイカ」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。なお、「チェリー」図柄が上段、中段又は下段を通過するタイミングで左リール32Lを停止操作する場合には、第1スイカ入賞に際して、サブラインSL1にて「スイカ」図柄の組合せが停止表示される。
【0038】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄及び「赤7」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第2スイカ入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
【0039】
第2スイカ入賞となる場合、
図6(d)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となる。これにより、第2スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL4であり、第1スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1スイカ入賞と第2スイカ入賞とを区別させることが可能となる。
【0040】
メダル(又は仮想メダル)をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。
【0041】
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、通常リプレイ入賞となる。
【0042】
通常リプレイ入賞となる場合、
図6(e)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかとなる。これにより、通常リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
【0043】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、ベルリプレイ入賞となる。
【0044】
ベルリプレイ入賞となる場合、
図6(f)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4及び第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、遊技者にベルリプレイ入賞を第1ベル入賞及び第2ベル入賞に対して区別させることが可能となる。
【0045】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1チェリーリプレイ入賞となる。
【0046】
第1チェリーリプレイ入賞となる場合、
図6(g)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第1チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32L又は右リール32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第1チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42~44が停止操作されることにより、サブラインSL1において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。
【0047】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2チェリーリプレイ入賞となる。
【0048】
第2チェリーリプレイ入賞となる場合、
図6(h)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第2チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第2チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42~44が停止操作されることにより、サブラインSL2において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。また、第2チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1チェリーリプレイ入賞と第2チェリーリプレイ入賞とを区別させることが可能となる。
【0049】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1RTリプレイ入賞となる。ここで、第1RTリプレイ入賞となるか否かに関して、中リール32Mの停止図柄は任意であるため、例えば左リール32Lにおいて1番目の「リプレイ1」図柄がメインラインML上に停止表示されているとともに右リール32Rにおいて1番目の「リプレイ3」図柄がメインラインML上に停止表示されている状況で中リール32Mの4番目の「白7」図柄が上段に停止表示されると、「白7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されることとなってしまう。そこで、第1RTリプレイ入賞となる場合、後述するリール制御処理において、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しないように中リール32Mの停止制御が行われる。
【0050】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2RTリプレイ入賞となる。第2RTリプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
【0051】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1転落リプレイ入賞となる。第1転落リプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
【0052】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2転落リプレイ入賞となる。第2転落リプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
【0053】
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
【0054】
また、上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく遊技状態の移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の遊技状態が設定されており、これら遊技状態間の移行は遊技状態の移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各遊技状態の内容及び各遊技状態への移行条件については後に詳細に説明する。
【0055】
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、BB(ビッグボーナス)入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、BB入賞となる。BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
【0056】
BB状態とは、後述する通常モードであって非AT状態である場合(この状態を通常遊技状態ともいう)よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待枚数が高くなる遊技状態である。さらにいうと、BB状態とは、当該BB状態以外のいずれの遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。具体的には、第2ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.1)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第2ベル入賞が成立することとなる。BB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数(例えば「350」)以上となることが終了条件として設定されている。
【0057】
BB入賞となる場合、
図6(i)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「赤7」図柄となり得る。これにより、BB入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「赤7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。BB入賞に対応した役に当選した場合、その当選したゲームにおいて又はその当選したゲーム以降であってBB役に当選した状態が持ち越されたゲームにおいて、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「赤7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「赤7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42~44が停止操作されることにより、サブラインSL1において3個の「赤7」図柄が停止表示され得る。
【0058】
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
【0059】
前面扉12の上部には、
図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
【0060】
画像表示装置63は表示面を有しており、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。
【0061】
前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの下方の位置に、貯留記憶された仮想メダルの数を表示するクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示する付与数表示部66と、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した表示が行われる特別表示部67とがそれぞれ設けられている。これら表示部65~67は7セグメント表示器によって構成されており、各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。但し、これに限定されることはなく、表示部65~67の一部又は全部が、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。
【0062】
<各種制御装置>
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、
図2に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主制御基板71が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
【0063】
スロットマシン10には、主制御装置70以外にも演出制御装置80が設けられている。演出制御装置80は、前面扉12において画像表示装置63の後方に重ねて配置されている。演出制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を実行する。なお、演出制御装置80は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
【0064】
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、
図7のブロック図に基づいて説明する。
【0065】
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、制御プログラムを実行するCPU76と、当該制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、当該制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路75と、役の当否判定を行う際に用いる乱数を生成する乱数回路77と、乱数回路77から乱数データを読み出す際に乱数データを一時保持するラッチ回路78と、CPU76から乱数回路77に対して出力されたコマンドを保持するコマンドレジスタ79と、割込回路、データ入出力回路、などが内蔵されている。クロック回路75が出力する所定周波数の矩形波は、CPU76に入力されてCPU76が実行する制御プログラムの時間的な基準となり、また、乱数回路77に入力され、乱数更新タイミングの基準となる。CPU76が実行する制御プログラムと乱数回路77の動作を完全に非同期とするため、クロック回路75とは別に、独立したクロック回路を用意して、乱数回路77の更新クロックとしてもよい。なお、MPU72に対してROM73、RAM74、乱数回路77などが1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
【0066】
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられていて、ROM73の制御プログラムを実行するCPU76が当該入力ポートのデータを読み込むことができ、出力ポートへデータを出力することができる。MPU72の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a,45b、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。また、スタート検出センサ41aからの信号は、ラッチ回路78にも入力され、スタートレバー41が操作されたタイミングで乱数回路77の生成する乱数値をラッチ回路78にラッチさせることが可能である。なお、乱数値のラッチは、スタート検出センサ41aからの信号によるだけでなく、CPU76からのコマンドによって行うこともできる。具体的には、コマンドレジスタ79の所定ビットがラッチ信号としてラッチ回路78に入力されているので、CPU76が当該ビットにデータを書込むとラッチ回路78が動作して乱数回路77の生成する乱数値をラッチするのである。
【0067】
ちなみに、投入メダル検出センサ45a,45bは、メダル投入口45から投入されたメダルがホッパ装置53に誘導される場合に通過する誘導通路において当該誘導通路の通路方向に2個並設させて設けられている。つまり、投入メダル検出センサ45a,45bとして、上記誘導通路の上流側に設けられた第1投入メダル検出センサ45aと、当該第1投入メダル検出センサ45aよりも上記誘導通路の下流側に設けられた第2投入メダル検出センサ45bとを備えている。第1投入メダル検出センサ45aがON状態であって第2投入メダル検出センサ45bがOFF状態である状態となった後に、第1投入メダル検出センサ45a及び第2投入メダル検出センサ45bの両方がON状態となり、さらに第1投入メダル検出センサ45aがOFF状態であって第2投入メダル検出センサ45bがON状態である状態となることで、1枚のメダルが投入されたことがMPU72にて特定される。なお、上記一連のサイクルが終了して第1投入メダル検出センサ45a及び第2投入メダル検出センサ45bの両方がOFF状態となるよりも前に新たなメダルが第1投入メダル検出センサ45aにて検出されることがないように、上記誘導通路が形成されている。
【0068】
MPU72の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、特別表示部67及び演出制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。既に説明したとおりセレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45a,45bにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45a,45bにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
【0069】
また、MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置80にコマンドを送信するとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知させるためのコマンドを演出制御装置80に送信する場合にはその報知させる内容に対応した表示が行われるように特別表示部67の表示制御を実行する。この場合、画像表示装置63の直接的な表示制御は演出制御装置80により行われるのに対して、特別表示部67の直接的な表示制御はMPU72により行われる。つまり、相対的に複雑な表示制御の実行対象となる画像表示装置63については演出制御装置80において直接的な表示制御が実行され、相対的に簡素な表示制御の実行対象となる特別表示部67についてはMPU72において直接的な表示制御が実行される。これにより、MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、演出への注目度の向上を重視した表示と、信頼性を重視した表示との両方を行うことが可能となる。
【0070】
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
【0071】
演出制御装置80は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板81を具備している。サブ制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83、及びそのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
【0072】
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM84に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
【0073】
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU82の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、及び画像表示装置63の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれ演出側MPU82、演出側ROM83及び演出側RAM84という。
【0074】
<乱数回路77の動作>
次に、乱数回路77の動作について
図8の電気的構成図に基づき説明する。
【0075】
乱数レジスタ77aが乱数を生成するレジスタである。ここでは16ビットのレジスタとして説明するが、このビット数に限定する趣旨ではなく、システムの要請により他のビット数であってもよい。
【0076】
乱数レジスタ77aは、クロック回路71から入力される更新クロックを契機に、現在の乱数レジスタ77aの値に1を加算する。16ビットを超える桁上がりを無視するので、現在の値が65,535であれば、次の値は0になる。このように、乱数レジスタ77aの取り得る値は、0から65,535の、65,536個の整数である。一般に「乱数」とは広い概念を含むが、本説明で乱数とは、乱数レジスタ77aが生成する16ビットの整数を指すものとし、説明の趣旨に応じて、適宜乱数と称したり、整数と称したりするものとする。
【0077】
CPU76が乱数回路77の生成する乱数値を取得するとは、具体的には乱数レジスタ77aの値を取得することである。詳細には、乱数レジスタ77aの値は、ラッチ回路78に一旦ラッチされ、その後CPU76がラッチ回路78に対してリード信号を出力することで、ラッチ回路78はラッチした乱数値を内部バスに出力し、それをCPU76が読み取るのである。
【0078】
CPU76が直接乱数レジスタ77aの値を取得せず、ラッチ回路78を介在させる理由は、CPU76が乱数レジスタ77aの値を読み出している最中に、更新クロックが入力されると、乱数レジスタ77aの値が途中で変化してしまい、正常に読み込めなくなるので、これを防止するためである。また、取得する乱数値を確定するタイミングをCPU76が出力するリード信号のタイミングと独立させることにより、システム設計上の自由度を確保することができる利点もある。
【0079】
スロットマシン10の場合、スタート検出センサ41aからの信号がラッチ回路78のラッチ信号として入力されているので、スタートレバー41が操作されたタイミングで、乱数レジスタ77aの値がラッチ回路78へラッチされ、その値をCPU76が取得することになる。
【0080】
なお、ラッチ回路78へ入力されるラッチ信号は、本実施例におけるスタート検出センサ41aが出力する信号に限定されるものではない。すなわち、スタート検出センサ41と同様に、ストップ検出センサ42a~44a、投入メダル検出センサ45a、45b、クレジット投入検出センサ47a~49aは、遊技者の操作に起因して信号を出力するものであるので、これらの信号の一部、又は全ての論理和をとり、ラッチ回路78へラッチ信号として入力するようにしてもよい。基本的に、遊技状態は遊技者の操作をきっかけに遷移することが多いからである。
【0081】
このように構成した場合、例えば、クレジット投入ボタン47~49が操作されたときに乱数値がラッチされ、スタートレバー41が操作されたときに乱数値がラッチされ、各ストップボタン42~43が操作されたときに乱数値がラッチされ、それらラッチされた乱数値を遊技の進行に使用することができるのである。
【0082】
また、図示しないが、コマンドレジスタ79に含まれるいずれかのビットを上記論理加算されたラッチ信号に論理加算するように構成してもよい。そうすれば、遊技者の操作が期待されないタイミングであっても、制御プログラムに従ってCPU76がコマンドレジスタ79の対応するビットにラッチ信号を書込むことにより、乱数値をラッチすることができるのである。また、遊技者の一つの操作に対応して複数個の乱数値を取得する必要が生じても、CPU76はコマンドレジスタ79の対応するビットにラッチ信号を書込み、乱数値をラッチした後、ラッチ回路78から乱数値をリードする、という動作を繰り返すことにより、必要な個数の乱数値を取得することができるのである。
【0083】
乱数レジスタ77aは、65,536回更新を行うと、その間に0から65,535の全ての整数を1回ずつ生成する。そして、次に更新クロックが入力されると、最初の値が再び生成されることとなる。このように、乱数レジスタ77aの取り得るすべての整数を1回ずつ生成した状態を乱数が一周すると称し、その期間を乱数の周期と呼ぶ。また、乱数の周期の最初の値を初期値と呼ぶ。乱数が一周したことを判定する回路が一周判定回路77bである。
【0084】
乱数の一周は、更新回数をカウントし、それが65,536回に達したときに一周したと判定することができる。また、初期値を記憶しておき、現在の乱数値の次の値を計算して、それが記憶しておいた初期値と一致した場合に一周したと判定することができる。このように、乱数の一周を判定するにはさまざまな方法があり、ここに例示した方法には限定されない。
【0085】
一周判定回路77bが、乱数レジスタ77aの生成する乱数の一周を検知した場合、その判定信号は、OR回路77cを経て、初期値用乱数レジスタ77eに初期値更新信号として入力される。すなわち、乱数レジスタ77aが一周する毎に初期値用乱数レジスタ77eは1回更新されることとなる。そして、初期値用乱数レジスタ77eの値は、乱数レジスタ77aにセットされ、同時に一周判定回路77bは乱数レジスタ77aの生成する乱数の周期が一周することの判定を開始する。このようにして、乱数レジスタ77aが一周した後、新たな周期は初期値用乱数レジスタ77eが生成した乱数を初期値として始まるのである。
【0086】
初期値用乱数レジスタ77eも乱数レジスタ77aと同じビット幅の16ビットレジスタである。初期値更新信号を契機に、現在の値に加算値レジスタ77dの値を加算する。
【0087】
加算値レジスタ77dは、初期値用乱数レジスタ77eが一周する間は同じ値を保持する。一周判定回路77fが乱数の一周を検知すると、テーブルポインタ77hが更新される。そして、加算値テーブル77gの中からテーブルポインタ77hの指す値が、新たに加算値レジスタ77dにセットされる。加算値テーブル77gに設定されている値は、いずれも初期値用乱数レジスタ77eに対して16ビット以上の桁上がりを無視した加算を繰り返したときに、0から65,535の整数が1回ずつ出現するような性質を持つ数値である。このような性質の数値は、具体的には初期値用乱数レジスタ77eの取り得る値の種類である65,536と互いに素である数値である。例えば、1、3、5、7のような数値はこの要件を満たすので加算値テーブルに設定しておく数値として適切である。
【0088】
なお、乱数レジスタ77aは1を加算するものであるが、1という数値は、乱数レジスタ77aが生成する乱数の総数と互いに素の数値の一であるので、初期値用乱数レジスタ77eと同様に、加算値レジスタ、加算値テーブル、テーブルポインタを用意して加算値レジスタの値を加算するような構成としてもよい。その場合、乱数レジスタ77a用のテーブルポインタを更新するタイミングは、一周判定回路77bが乱数レジスタ77aの一周を判定したタイミング、一周判定回路77fが初期値用乱数レジスタ77eの一周を判定したタイミング、テーブルポインタ77hが一周をしたタイミングなど、いずれのタイミングであってもよい。
【0089】
乱数レジスタ77a、初期値用乱数レジスタ77eのいずれの場合も、乱数総数と互いに素の数値を加算する理由は、出現し得る全ての乱数値が1回ずつ出現する性質があるからである。同様に、出現し得る全ての乱数値が1回ずつ出現する性質を持つ数列として、いわゆるM系列がある。したがって、乱数レジスタ77aと初期値用乱数レジスタ77eのどちらか一方、または、両方を、いわゆるM系列の数列を生成する回路としてもよい。
【0090】
M系列の乱数回路とした場合、上述の加算値を変更することに該当するのがタップ位置の変更である。M系列では、タップ位置を変更すれば、出現する数の順番が異なる別の数列が出現するからである。
【0091】
初期値用乱数レジスタ77eの初期値更新信号は、前述したように一周判定回路77bからOR回路77cを経て入力されているところ、OR回路77cのもう一つの入力信号は、コマンドレジスタ79に接続されている。したがって、一周判定回路77bが乱数レジスタ77aの生成する乱数の一周を検知していない場合であっても、CPU76がコマンドレジスタ79の対応するビットに、初期値更新信号を書込むことにより、初期値用乱数レジスタ77eを更新し、乱数レジスタ77aに初期値用乱数レジスタ77eの値を初期値としてセットし、次の乱数周期を開始することができるのである。このことは、すなわち、乱数周期の途中で、残りの乱数周期をスキップして、次の乱数周期を開始することである。
【0092】
図9は、乱数周期のスキップを、CPU76のコマンドに依らず、ラッチ回路78へのラッチ信号によって自動的に行う場合の電気的構成図である。スタート検出センサ41aからの信号は、ラッチ回路78へラッチ信号として入力されるとともに、OR回路77cに入力されている。したがって、スタートレバー41が操作されると、そのタイミングで乱数レジスタ77aの値がラッチ回路78へラッチされ、同時に初期値用乱数レジスタ77eが更新され、乱数レジスタ77aは次の更新クロックから新しい初期値で乱数周期を開始するのである。
【0093】
また、前述したように、ラッチ信号は、遊技者の操作に起因して出力された信号に基づいて生成するよう構成してもよいので、そのような場合、遊技者の操作に起因して乱数値がラッチされ、同時に乱数レジスタ77aは、残りの乱数周期をスキップするのである。
【0094】
次に、乱数回路77が生成する乱数について
図10(a)、
図10(b)の説明図に基づき説明する。
【0095】
乱数レジスタ77aが更新する様子を示したのが
図10(a)である。いわゆるプラスワン方式と呼ばれる方式で、初期値からスタートして1を順々に加算している。そして、16ビット以上の桁上がりを無視しているので、65,535の次は0となっている。このように更新しているので、0から65,535の全ての整数値が1回ずつ出現するのは明らかである。また、加算する数が1ではなく、出現する整数の個数である65,536と互いに素である数値であっても、全ての整数値が1回ずつ出現するのは明らかである。このようにして、乱数回路77は各乱数値の出現頻度が均等になることを担保しているのである。
【0096】
乱数レジスタ77aが一周した後、次の周期を初期値用乱数レジスタ77eが生成した値から開始する様子を示したのが
図10(b)である。各段は乱数の周期を表し、それぞれ左端の初期値からスタートして右端まで順々に整数が生成される。右端の整数は、その周期で生成される最後の乱数であり、その次は初期値用乱数レジスタ77eが生成した乱数が初期値として乱数レジスタ77aにセットされる。このようにして、乱数レジスタ77aは、乱数が一周した後、次の周期を前回とは異なる初期値から開始する。これにより、各乱数値の乱数周期内の位置が前回周期と異なることとなり、いずれかの乱数値であっても、一定周期で出現することを回避し、出現する乱数値を容易に推測されないようにしている。
【0097】
一般に乱数とは、無秩序でかつ全体として出現頻度が等しい数の系列を指すが、遊技機において最も重要視されるのが一様性、すなわち、各乱数値の出現頻度が等しいという性質である。各乱数値の出現頻度が等しければ、時間の流れのなかで、いずれの乱数値であっても一様に存在していることとなる。遊技機においては、スタートレバーのように遊技者の操作に起因したタイミングで、あるいは、遊技球が始動口に入賞するという偶発的なタイミングで乱数値を取得し、その取得した乱数値に基づいて特賞等の役の当否を判定する。時間の流れのなかで、各乱数値が一様に存在していれば、そこから乱数値を取得する場合、各乱数値が取得される確率は、いずれも同一となる。したがって、特賞等の役が発生する確率を担保することができるのである。
【0098】
次に重要視される性質が、出現する各乱数値を容易に推測されるものではないことである。例えば、一定周期で特賞等の役に当選する乱数値が出現する場合、その乱数値が出現するタイミングに合わせて遊技機を操作することにより、設計した確率よりも高い確率で特賞等の役を発生させることができる場合があるので、不公正な遊技機となってしまうからである。
【0099】
乱数回路77は、各乱数周期において1回ずつ全乱数値を生成することで各乱数値の出現頻度を同一にし、一様性を担保している。また、乱数が一周する毎に初期値を変化させることで出現する各乱数値を容易に推測されるものではないことを担保している。したがって、遊技機に求められるこれら2つの要件を満たした乱数を発生させる回路である。
【0100】
<主側MPU72のメイン処理>
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72において起動されるメイン処理について
図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0101】
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。
【0102】
初期化処理が終了した後は設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されてON操作が行われているか否かを判定する(ステップS102)。ON操作が行われている場合には(ステップS102:YES)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、一部クリア処理を実行し(ステップS104)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS103:YES)、全部クリア処理を実行する(ステップS105)。つまり、主側RAM74を初期化するための操作が行われることなくスロットマシン10の設定値の変更が行われる場合には一部クリア処理が実行され、主側RAM74を初期化するための操作が行われた場合には全部クリア処理が実行される。
【0103】
一部クリア処理では主側RAM74における一部のエリアを初期化し、全部クリア処理では主側RAM74における全部のエリアを初期化する。一部クリア処理では、主側RAM74においてBB状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、BB状態における遊技媒体の合計付与数を示すデータが記憶されたエリア、AT状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、AT状態の終了条件を特定するためのデータが記憶されたエリア、及び後述する抽選モードの種類を示すデータが記憶されたエリアを除く、主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。この場合、当選役が記憶されたエリアは「0」クリアされる。全部クリア処理では、一部クリア処理において「0」クリアの実行対象外とされるエリアを含めて主側RAM74の全エリアを「0」クリアする。これにより、一部クリア処理が実行されたとしてもBB状態、AT状態及び抽選モードは電源遮断前の状態に維持され、全部クリア処理が実行された場合には電源遮断前の状態とは無関係に通常遊技状態となる。
【0104】
なお、上記構成に限定されることはなく、BB状態で電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはBB状態ではない状態となる構成としてもよく、AT状態で電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはAT状態ではない状態となる構成としてもよく、後述する第1RTモード又は第2RTモードで電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはそれらRTモードではない状態となる構成としてもよい。また、一部クリア処理が実行されたとしても、BB役に当選したことを示すデータが記憶されたエリアが「0」クリアされない構成としてもよい。
【0105】
ステップS104又はステップS105の処理を実行した後は、当選確率設定処理を実行する(ステップS106)。当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、遊技パネル20に設けられた特別表示部67に現在の設定値を表示する。特別表示部67は画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にそれに対応する報知を実行するための表示部であり、設定変更に際しての設定値の表示用として兼用される。なお、当選確率設定処理の直前において主側RAM74における設定値のデータを記憶するためのエリアは確実に初期化されているため、特別表示部67に表示される設定値は「設定1」に対応する「1」である。当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値を特別表示部67に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に当選確率設定処理を終了する。この場合、特別表示部67における設定値の表示が終了される。当選確率設定処理を実行した後は、通常処理に移行する(ステップS108)。通常処理については後に詳細に説明する。
【0106】
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS108以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。
【0107】
復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS108)。具体的には、設定値が「設定1」~「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認する(ステップS109)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS110)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
【0108】
ステップS108~ステップS110の全てにおいて肯定判定をした場合には、前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74における後述する特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS111)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS112)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU82に送信した後に(ステップS113)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS114)。
【0109】
一方、ステップS108~ステップS110のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(
図13)の実行を禁止し(ステップS115)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS116)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS117)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
【0110】
<主側MPU72のタイマ割込み処理>
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、
図13のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
【0111】
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74におけるスタックエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
【0112】
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74におけるワークエリアに保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74におけるワークエリアに保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0113】
ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、異常報知を解除するための解除操作が行われているか否かを監視し、異常報知を解除するための解除操作が行われていることを特定した場合には異常報知を解除するための異常報知解除コマンドを演出側MPU82に送信する。これにより、いずれの種類の異常報知が行われている状況であってもその異常報知が解除される。なお、キーシリンダ14に対して所定の錠操作が行われている状況においてリセットボタン56が押圧操作されることで、異常報知を解除するための解除操作が行われたことになる。
【0114】
ステップS209では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS210では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS211では、各種コマンドを演出側MPU82へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS212では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS213では、先のステップS201にて主側RAM74におけるスタックエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS214にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0115】
<主側MPU72の通常処理>
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について
図14のフローチャートに基づき説明する。
【0116】
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(ステップS301)、その後に表示クリア処理を実行する(ステップS302)。表示クリア処理では、前回のゲームで所定の表示が行われるように特別表示部67が表示制御されている場合、その所定の表示が消去されるようにする。これにより、特別表示部67は何も表示さていない消灯状態となる。
【0117】
その後、開始待ち処理を実行する(ステップS303)。
図15は開始待ち処理を示すフローチャートである。開始待ち処理では、前回のゲームでいずれかのリプレイ入賞が発生している場合(ステップS401:YES)、前回のゲームにおけるベット数と同数の遊技媒体がベットされた状態とするための自動投入処理を行う(ステップS402)。具体的には、主側RAM74におけるワークエリアに設けられたベットカウンタの値を、前回のゲームにおけるベット数に対応する値に設定する。ベットカウンタは、各ゲームにおける遊技媒体のベット数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0118】
開始待ち処理では、投入メダル検出センサ45a,45bにて既に説明したような正規の順序でメダルを検出している場合(ステップS403:YES)、主側RAM74におけるワークエリアに設けられたベットカウンタの値が最大規定数である「3」以上でなければ(ステップS404:NO)、そのベットカウンタの値を1加算し(ステップS405)、ベットカウンタの値が最大規定数である「3」以上であれば(ステップS404:YES)、主側RAM74におけるワークエリアに設けられたクレジットカウンタの値を1加算する(ステップS406)。クレジットカウンタは、貯留記憶されている仮想メダルの数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。なお、自動投入処理(ステップS402)が実行されている場合、本スロットマシン10においてはベットカウンタの値が最大規定数以上となっているため、正規の順序でメダルが検知された場合には(ステップS403:YES)、クレジットカウンタの値が1加算される。
【0119】
開始待ち処理では、いずれかのクレジット投入ボタン47~49が操作されている場合(ステップS407:YES)、その操作に対応するベット数が設定されるようにするためのクレジット投入の対応処理を実行する(ステップS408)。クレジット投入の対応処理では、第1クレジット投入ボタン47が操作されている場合にはその時点でベット可能な最大分の遊技媒体がベットされた状態となるようにし、第2クレジット投入ボタン48又は第3クレジット投入ボタン49が操作された場合にはそれに対応するベット状態となるようにする。この場合、仮想メダルがそのベットに際して使用された場合にはそのベットされた仮想メダルの数分の値が上記クレジットカウンタから減算される。また、操作されたクレジット投入ボタン47~49に対応するベット数に設定するために必要な数の仮想メダルが貯留記憶されていない場合には、貯留記憶されている仮想メダルとの関係でベット可能な最大分の遊技媒体がベットされた状態となる。なお、自動投入処理(ステップS402)が実行されている場合、クレジット投入ボタン47~49の操作は無効化される。
【0120】
開始待ち処理では、ベットカウンタの値が最大規定数以上であってクレジットカウンタの値が上限貯留数(具体的には「50」)以上である場合(ステップS409:YES)、受付禁止処理を実行する(ステップS410)。受付禁止処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を停止することでセレクタ52を受付禁止状態に設定する。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45a,45bにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。なお、既に受付禁止状態である場合にはその状態を維持させる。一方、ベットカウンタの値が最大規定数未満である場合又はクレジットカウンタの値が上限貯留数未満である場合(ステップS409:NO)、受付許可処理を実行する(ステップS411)。受付許可処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を開始することでセレクタ52を受付許可状態に設定する。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45a,45bにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。なお、既に受付許可状態である場合にはその状態を維持させる。
【0121】
開始待ち処理では、精算ボタン51が操作されている場合であって(ステップS412:YES)、自動投入処理(ステップS402)が実行されていない場合(ステップS413:NO)、ベットカウンタ及びクレジットカウンタの合計数に対応するメダルがメダル排出口58を介してメダル受け皿59に排出されるようにするためにホッパ装置53を駆動制御する(ステップS414)。これにより、内部的に貯留された遊技媒体が実際のメダルとして遊技者に払い出されることとなる。
【0122】
通常処理(
図14)の説明に戻り、ステップS303の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(本実施形態では「3」)に達しているか否かを判定し(ステップ304)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS303)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS305)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS303)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、既に説明した受付禁止処理を実行する(ステップS306)。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45a,45bにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し(ステップS307)、各リール32L,32M,32Rを今回の抽選処理(ステップS307)の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS308)。
【0123】
その後、メダル払出処理を実行する(ステップS309)。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合にはクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
【0124】
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS310)。そして、既に説明した受付許可処理を実行する(ステップS311)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45a,45bにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。
【0125】
通常処理(
図14)のステップS307にて実行される抽選処理について、
図16のフローチャートを参照しながら説明する。
【0126】
まず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS501)。本スロットマシン10では、スタート検出センサ41aからの信号は、ラッチ回路78にも入力されているので、スタートレバー41が操作されると、乱数回路77の生成する乱数値をラッチ回路78にラッチする構成となっている。乱数回路77は乱数として0~65535の整数を生成しており、CPU76は、スタートレバー41の操作を確認した後、ラッチ回路78がラッチした値を主側RAM74に格納する。なお、乱数値のラッチは、スタート検出センサ41aからの信号によるだけでなく、CPU76からのコマンドによっても行うことができるよう構成することもできる。その場合、CPU76は、スタートレバー41の操作を確認した後、ラッチ回路78にラッチコマンドを出力することで、乱数値をラッチすることができる。
【0127】
<乱数周期のスキップ>
乱数を取得した後、CPU76はコマンドレジスタ79に初期値更新信号を書き込んで、乱数回路77に乱数周期をスキップさせる(ステップS502)。ここで、乱数周期のスキップについて説明する。
【0128】
図11(a)は、従来の遊技機における取得した乱数と乱数の周期との関係を示す説明図である。91a、91b、91cはそれぞれの乱数周期の初期値である。各乱数周期内で、乱数更新クロックを契機として、等時間間隔で、いずれの乱数値も1回ずつ生成される。遊技機における乱数は、一様性を有すること、すなわち、前述したように各乱数値の出現頻度が等しいという性質が必須の要件であるところ、乱数回路77はこのようにして一様性の要件を満たしている。
【0129】
乱数値92は、スタートレバー41が操作されてラッチ回路78にラッチされた乱数値である。乱数値92は、91bを初期値とする乱数周期内で既に出現してしまった乱数値であり、残余の乱数周期93で出現することはあり得ない。つまり、残余の乱数周期93における乱数は、乱数値92との関係において、その一様性が担保されないので、役の当否を決定するような出玉に影響を与える抽選に使用することは不適切である。
【0130】
乱数値92を取得した後、その抽選結果に応じて更に抽選のための乱数を取得する必要性のある場合は、例えば、有利区間に移行するか否かの抽選や、有利区間内において指示機能(いわゆるAT機能)にかかる抽選を行う場合などがある。これらの抽選は、演出内容を選択する抽選であって直接出玉に関与する抽選ではないので、従来の遊技機においては、これらの抽選は演出制御基板81で行っていた。そのため、主制御基板において、残余の乱数周期93における乱数の一様性については注目されることはなかった。
【0131】
その後、演出内容が多様化、高度化していった結果、有利区間に係る抽選や、指示機能に係る抽選などは、演出内容によっては、結果的に出玉に影響を与える可能性が生じることとなった。そうすると、遊技機の出玉に関する性能は、主制御基板71が制御することで、適度な射幸性が保たれるので、これらの抽選は、いずれも演出制御基板81ではなく、主制御基板71が行うことが、射幸性の過剰な増加の抑制や、不正防止などの観点から望ましい。
ところが、制御プログラムの進行に従ってCPU76が乱数回路77から当該抽選に係る乱数を取得しようとすると、乱数の一様性を担保するため、残余の乱数周期93が経過するのを待って取得する必要があり、制御プログラムが複雑になったり、制御タイミング設計に制約が生じたりする問題が生じるおそれがある。
【0132】
図11(b)は、乱数回路77が乱数周期をスキップして乱数を生成する様子である。乱数92を取得した後、CPU76から初期値更新信号がコマンドレジスタ79に書き込まれるので、残余の乱数周期93をスキップし、91cを初期値とする次の乱数周期が開始される。従って、乱数92を取得し、その値によって更に乱数を取得する必要が生じた場合であっても、CPU76は、残余の乱数周期93の経過を待つことなく、すぐに乱数を取得することができるのである。
【0133】
なお、ラッチ回路78が乱数値をラッチするラッチ信号によって乱数周期をスキップさせてもよいし、また、CPU76がラッチ回路78からラッチした乱数値を読み出す際のリード信号によって乱数周期をスキップさせてもよい。その場合は、ハードウェアにより自動的に乱数周期がスキップされるので、制御プログラムが介在する必要がない。
【0134】
抽選処理(
図16)の説明に戻り、乱数周期をスキップした後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS503)。ここで、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。なお、「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にBB状態が存在している。ステップS503では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
【0135】
「設定3」である場合を例に挙げて、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。
図17は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では
図18の説明図を適宜参照する。
【0136】
通常モード用抽選テーブルには、
図17に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率を乱数回路77が生成する乱数値の最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
【0137】
具体的には、インデックス値IV=1には、第2ベル当選データと、第1補填当選データと、第5補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、
図18に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0138】
本スロットマシン10においてはストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42~44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42~44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1~第12補填入賞、第1~第2スイカ入賞及びBB入賞は、当該取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
【0139】
インデックス値IV=2には、
図17に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、
図18に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0140】
インデックス値IV=3には、
図17に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第6補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、
図18に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0141】
インデックス値IV=4には、
図17に示すように、第2ベル当選データと、第3補填当選データと、第5補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、
図18に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0142】
インデックス値IV=5には、
図17に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第3補填当選データと、第4補填当選データと、第5補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、
図18に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、インデックス値IV=1~4の場合よりも低い。
【0143】
インデックス値IV=6には、
図17に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第6補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、
図18に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、インデックス値IV=1~4の場合よりも低い。
【0144】
インデックス値IV=7には、
図17に示すように、第1スイカ当選データと、第2スイカ当選データと、第10補填当選データと、第11補填当選データと、第12補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、
図18に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第1スイカ入賞又は第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0145】
インデックス値IV=8には、
図17に示すように、ベルリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、
図18に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベルリプレイ入賞が確実に発生する。
【0146】
インデックス値IV=9には、
図17に示すように、第1チェリーリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=9で当選となった場合、
図18に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
【0147】
インデックス値IV=10には、
図17に示すように、第2チェリーリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=10で当選となった場合、
図18に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
【0148】
インデックス値IV=11には、
図17に示すように、BB当選データが設定されている。インデックス値IV=11で当選となった場合、
図18に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくBB入賞が発生し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、BB入賞が発生しない可能性がある。ここで、BB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、BB当選データは、主側RAM74のクリアが行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであってもBB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、BB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいてはBB当選データに対応するインデックス値IV値は抽選対象から除外される。これにより、BB当選データが既に記憶保持されているにも関わらずBB当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のBB当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
【0149】
インデックス値IV=12~15には、
図17に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=12で当選となった場合、
図18に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
【0150】
図17の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、インデックス値IV=3の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、インデックス値IV=5の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/12.9であり、インデックス値IV=7の際に当選となる確率は約1/66.8であり、インデックス値IV=8の際に当選となる確率は約1/122であり、インデックス値IV=9の際に当選となる確率は約1/212であり、インデックス値IV=10の際に当選となる確率は約1/423であり、インデックス値IV=11の際に当選となる確率は約1/218であり、インデックス値IV=12の際に当選となる確率、インデックス値IV=13の際に当選となる確率、インデックス値IV=14の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=15の際に当選となる確率は、それぞれ約1/28.0である。
【0151】
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=12~15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている(
図17参照)。これらインデックス値IV=12~15のいずれかに当選する確率は約1/7.0である。そして、インデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(
図16)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
【0152】
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。
図19及び
図20は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0153】
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、
図19に示すように、インデックス値IV=1~11のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(
図17)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1~7には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=11には通常モード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいてBB役に当選する確率は同一となっている。
【0154】
インデックス値IV=12以降に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、
図19に示すように、インデックス値IV=12~15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=12~15のいずれかに当選する確率は約1/10.1である。インデックス値IV=12で当選となった場合、
図20に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1RTモードにおいてインデックス値IV=12~15のいずれかで当選となり、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に、第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、抽選処理(
図16)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
【0155】
第1RTモード用抽選テーブルには、
図19に示すように、インデックス値IV=16~21の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=16~21のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
【0156】
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=16で当選となった場合、
図20に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=18で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=19で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=20で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=21で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、抽選処理(
図16)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
【0157】
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=22に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=22において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.7で当選となる。そして、このインデックス値IV=22で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
【0158】
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8~10及び12~22にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.8となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.3となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。
【0159】
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。
図21及び
図22は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0160】
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、
図21に示すように、インデックス値IV=1~11のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(
図17)及び第1RTモード用抽選テーブル(
図19)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1~7には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=11には通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいてBB役に当選する確率は同一となっている。
【0161】
インデックス値IV=12以降に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、
図21に示すように、インデックス値IV=12~17の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=12~17のいずれかに当選する確率は約1/5.5である。
【0162】
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=12で当選となった場合、
図22に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(
図16)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
【0163】
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=18に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=18において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.3で当選となる。そして、このインデックス値IV=18で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
【0164】
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8~10及び12~18にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.8となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.3となっている。つまり、第2RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。一方、第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/2.8となっている。つまり、第2RTモードはリプレイ確率が第1RTモードと同一となっている。但し、第1RTモードにおけるリプレイ確率が第2RTモードにおけるリプレイ確率と同一である構成に限定されることはなく、例えば第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよく、第2RTモードの方が第1RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよく、第1RTモードの方が第2RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよい。
【0165】
なお、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルは「設定1」~「設定6」のそれぞれに1対1で対応させて設定されており、設定値が高いほどBB役の当選確率が高くなる構成となっているが、各抽選モードにおいて設定されているリプレイ確率はいずれの設定値であっても同一又は略同一となっている。また、BB役に当選している状況であればBB役に重複して当選しないように、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであったとしてもBB役が抽選対象から除外される。また、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にもBB状態である場合に抽選処理(
図16)にて参照されるBB用抽選テーブルが記憶されている。BB用抽選テーブルにおいては、抽選対象の役として、第2ベル役、第1スイカ役の2種類のみが設定されており、第2ベル役の当選確率は約1/1.1に設定され、第1スイカ役の当選確率は約1/50に設定されている。これにより、BB状態においては単位ゲーム数あたりにおける遊技媒体の付与期待数が他の遊技状態よりも高くなる。
【0166】
抽選処理(
図16)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後(ステップS503)、インデックス値IVを「1」とし(ステップS504)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS505)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS501にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
【0167】
その後、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(ステップS506)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する(ステップS507)。当選データの取得処理では、参照対象となっている抽選テーブルにおいて今回のインデックス値IVに対して設定されている当選データの全てが主側RAM74にセットされる。当該当選データがセットされた状態は、その当選データがBB当選データ以外の当選データであれば当該当選データに対応した入賞成立の有無に関係なく今回のゲームの終了後に「0」クリアされ、BB当選データであれば入賞が成立した場合に「0」クリアされる。
【0168】
判定値DVが「65535」を超えなかった場合には(ステップS506:NO)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算し(ステップS508)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS509)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS505に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS505では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS506では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
【0169】
ステップS507の処理を実行した場合、又はステップS509にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行した後に(ステップS510)、演出内容の決定処理を実行する(ステップS511)。演出内容の決定処理では、今回のゲームにおいて上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63において実行する演出の大枠の内容を決定するための処理を実行する。当該大枠の内容として、BB状態又は後述するAT状態が発生することの期待度が徐々に低くなるように高期待度内容と中期待度内容と低期待度内容とが設定されている。演出内容の決定処理では所定ゲーム数以内にAT状態に移行するか否かという条件と、今回のゲームにおいて当選となっている役という条件との組合せに対応する抽選テーブルを利用して、演出の大枠の内容を抽選により決定する。
【0170】
BB状態及びAT状態ではない状況について具体的には、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されている状況においてBB役に当選した場合には98%の確率で高期待度内容が選択されるとともに2%の確率で中期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されている状況においてBB役に当選しなかった場合には80%の確率で高期待度内容が選択されるとともに20%の確率で中期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況においてBB役に当選した場合には70%の確率で高期待度内容が選択されるとともに各15%の確率で中期待度内容及び低期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況であってBB役に当選していない状況においてインデックス値IV=7~10のいずれかに当選している場合には30%の確率で高期待度内容が選択されるとともに各35%の確率で中期待度内容及び低期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況であってBB役に当選していない状況においてインデックス値IV=7~10のいずれにも当選していない場合には80%の確率で低期待度内容が選択されるとともに20%の確率で中期待度内容が選択される。
【0171】
演出内容の決定処理において決定された大枠の内容に対応する情報はゲーム開始コマンドに設定され、そのゲーム開始コマンドは演出側MPU82への送信対象としてセットされる(ステップS512)。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された演出の大枠の内容を演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、タイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0172】
演出側MPU82は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、後述する報知用処理(
図33)におけるその他の処理(ステップS1409)にて、今回のゲームにおける演出の大枠の内容を当該ゲーム開始コマンドから把握し、その把握した演出の大枠の内容に応じた態様で演出の細部の内容を抽選により決定する。そして、その決定した演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM83から演出側RAM84に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
【0173】
ここで、主側MPU72における演出内容の決定処理では全ての遊技状態において、インデックス値IV=1~6のいずれで当選となったとしても同一の態様で演出内容の抽選処理が実行されるとともに、インデックス値IV=12以降のいずれで当選となったとしても同一の態様で演出内容の抽選処理が実行される。そして、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行される場合を除き、インデックス値IV=1~6及びインデックス値IV=12以降のいずれかに当選している場合においてその個別のインデックス値IVを特定可能とする情報が、主側MPU72から演出側MPU82に送信されない。これにより、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行されていないにも関わらず、演出側MPU82により直接的に制御される画像表示装置63などの演出実行手段においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されてしまわないようにすることが可能となる。
【0174】
その後、報知制御処理を実行する(ステップS513)。報知制御処理では、詳細は後述するが、特別表示部67の表示制御を行うための処理を実行するとともに、特別表示部67における表示内容に対応する報知が画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行する。
【0175】
次に、通常処理(
図14)のステップS308にて実行されるリール制御処理について、
図23のフローチャートを参照しながら説明する。
【0176】
リール制御処理では、まず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS601)。回転開始処理では、前回のゲームで役の抽選処理(
図16)の結果に対応するリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回のゲームのためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74におけるワークエリアに設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理(
図13)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU72は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
【0177】
回転開始処理に続き、ステップS602では、ストップボタン42,43,44のいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS602)。いずれのストップボタン42,43,44も操作されていない場合には、ストップボタン42,43,44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42,43,44のいずれかが操作されたと判定した場合には、回転中のリールと対応するストップボタン42,43,44が操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する(ステップS603)。停止指令が発生していない場合には、ステップS602に戻り、ストップボタン42,43,44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、停止指令コマンドをセットする(ステップS604)。
【0178】
停止指令コマンドとは、いずれかのストップボタン42~44が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく演出側MPU82に送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS605~ステップS611に示す停止制御処理を行う。
【0179】
停止制御処理では、ストップボタン42~44が操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS605)。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、主側RAM74におけるワークエリアに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する(ステップS606)。
【0180】
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS606では、主側RAM74におけるワークエリアに格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」~「4」のいずれかの値を算出する。
【0181】
その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS607)。そして、今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し(ステップS608)、等しくなった場合にはリールの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS609)。その後、全リールが停止したか否かを判定する(ステップS610)。全リールが停止していない場合には、停止情報第2設定処理を行い(ステップS611)、ステップS602に戻る。
【0182】
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、抽選処理(
図16)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42~44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」~「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
【0183】
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(
図16)のステップS509にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(
図23)のステップS611にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じて停止情報を設定する。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74におけるワークエリアに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
【0184】
ステップS610にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS612にて入賞判定処理を実行した後に、入賞結果コマンドを演出側MPU82への出力対象としてセットする(ステップS613)。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
【0185】
図24は入賞判定処理を示すフローチャートである。入賞判定処理では、まず左リール32LにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、中リール32MにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、右リール32RにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、を把握する(ステップS701~ステップS703)。ここで、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対しては対応するリール32L,32M,32Rが1周したことを検出するためのインデックスセンサが設けられている。主側MPU72はインデックスセンサから非検出信号を受信している状態から検出信号を受信している状態に変更された場合にそのインデックスセンサに対応するリール32L,32M,32Rが基準位置に復帰したことを特定する。また、各リール32L,32M,32Rを回転駆動させるための駆動手段として既に説明したとおりステッピングモータが用いられているが、主側MPU72は上記基準位置に復帰したと特定してからのステッピングモータへの駆動信号の出力数(すなわちステッピングモータのステップ数)を利用して各リール32L,32M,32Rの回転位置を特定する。なお、この出力数は主側MPU72のレジスタ又は主側RAM74におけるワークエリアに記憶される。
【0186】
ステップS701~ステップS703では、それぞれのリール32L,32M,32Rについて上記基準位置に復帰したと特定してからのステッピングモータへの駆動信号の出力数を利用して回転位置を特定し、その特定した回転位置からメインラインML上に停止表示されている図柄の種類を特定する。そして、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止表示されている各図柄について、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを主側ROM73から読み出す。その後、図柄組合せの論理演算処理として、ステップS701~ステップS703にて把握した各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する(ステップS704)。
【0187】
その後、ステップS704において導出した2バイトデータがいずれかの入賞データに対応しているか否かを判定する(ステップS705)。ステップS705にて肯定判定をした場合には、その入賞データが今回のゲームの開始時に抽選処理(
図16)にて選択された当選役と対応しているか否かを判定する(ステップS706)。当選役と対応している場合(ステップS706:YES)、入賞対応処理を実行する(ステップS707)。入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であればメダル払出処理においてメダル又は仮想メダルの付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74におけるワークエリアに設けられた払出対象カウンタにセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(
図15)にて自動投入処理(ステップS402)が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
【0188】
一方、当選役と対応していない場合には(ステップS706:NO)、異常報知コマンドを演出側MPU82への出力対象としてセットする(ステップS708)。演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、不正入賞に対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。その後、ステップS709にて動作禁止処理を実行した後に、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理を禁止し、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とする。この動作禁止状態は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
【0189】
次に、通常処理(
図14)のステップS310にて実行される遊技終了時の対応処理について
図25のフローチャートを参照しながら説明する。
【0190】
遊技終了時の対応処理では、BB役の当選状態又はBB状態である場合(ステップS801:YES)、BB用処理を実行する(ステップS802)。BB用処理では、BB役に当選している状態であれば今回のゲームにおいてBB入賞が発生したか否かを判定し、BB入賞が発生しているのであれば主側RAM74におけるワークエリアに設けられたBB状態フラグに「1」をセットすることで、遊技状態をBB状態に移行させる。これにより、次回以降のゲームにおける抽選処理(
図16)ではBB用抽選テーブルが参照されることとなる。また、BB状態に移行したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてBB状態用の演出を開始させる。なお、BB状態に移行させた場合に主側RAM74からBB当選データを消去することで、BB役に当選した状態を解除する。
【0191】
BB状態におけるBB用処理では、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したか否かを判定し、遊技媒体の付与が発生している場合には主側RAM74におけるワークエリアに設けられた合計付与数カウンタに今回のゲームにおいて付与された遊技媒体の数を加算する。そして、その加算後における合計付与数カウンタの値が終了基準数に対応する値以上であるか否かを判定する。終了基準数に対応する値未満であればそのままBB用処理を終了する。終了基準数に対応する値以上であれば、主側RAM74のBB状態フラグを「0」クリアすることでBB状態を終了させる。また、BB状態が終了したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63におけるBB状態用の演出を終了させる。
【0192】
なお、BB状態が終了した場合、BB状態の開始前における抽選モードがいずれのモードであったとしても抽選モードは通常モードとなる。また、AT状態においてBB状態が開始された場合、BB状態の開始前における状態に関係なくBB状態の終了後には後述するART準備状態処理が実行される状態となる。ちなみに、AT状態においてBB状態に移行した場合には、ART状態の実行回を1回増加させるべく、後述する残ART実行カウンタの値が1加算される。
【0193】
BB役の当選状態及びBB状態のいずれでもなく(ステップS801:NO)、さらにAT状態ではない場合(ステップS803:NO)、RTモードの移行処理(ステップS804)、移行チャンス管理処理(ステップS805)及びゲーム数解除管理処理(ステップS806)を実行する。なお、BB状態及びAT状態のいずれでもない状態におけるゲームにおいて中リール32M又は右リール32Rが最初に停止された場合、左リール32Lから停止すべきことを示す報知が実行されるものの、その後のゲームにおいて利益の付与を制限するようなペナルティは付与されない。
【0194】
RTモードの移行処理では、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第2RTモードに移行させる。また、RTモードの移行処理では、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には通常モードに移行させる。
【0195】
移行チャンス管理処理(ステップS805)では、今回のゲームが通常モードであって役の抽選処理(
図16)にてインデックス値IV=7~10のいずれかにて当選となったか否かを判定する。通常モードにおいてインデックス値IV=7~10のいずれかにて当選となっている場合、AT状態への移行抽選処理を実行する。AT状態への移行抽選処理は、BB役の当選状態、BB状態及びAT状態のいずれでもない状況であって主側MPU72の抽選モードが通常モードである場合に実行される。AT状態への移行抽選処理では、インデックス値IV=7~10のそれぞれに対応したAT移行抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、ラッチ回路78により乱数回路77の乱数値をラッチするようCPU76がコマンドレジスタ79の対応するビットにラッチ信号を書き込む。前述したように、スタートレバー41が操作された際に取り込んだ乱数値を読み出した際に、乱数周期をスキップしているので、残余の乱数周期93の経過を従来のように待つことなく、乱数回路77の乱数値を取得することができる。そして、ラッチ回路にラッチされた乱数値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記AT移行抽選テーブルに対して照合する。AT移行抽選テーブルは、インデックス値IV=7で当選となった場合には5%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=8で当選となった場合には10%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=9で当選となった場合には15%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=10で当選となった場合には20%の確率でAT移行当選となるように設定されている。
【0196】
AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合、主側RAM74におけるワークエリアに設けられたAT状態カウンタに「1」をセットする。AT状態カウンタは、主側MPU72にてAT状態であるか否かを特定するとともにAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定するためのカウンタである。非AT状態である場合はAT状態カウンタの値が「0」であり、AT状態である場合にはAT状態カウンタの値が1以上である。AT状態カウンタに「1」がセットされることにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS808)を実行することとなる。
【0197】
また、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合、AT状態の実行回の抽選処理を実行する。AT状態が開始される場合、主側RAM74におけるワークエリアに設けられたARTゲーム数カウンタに1実行回の継続ゲーム数がセットされ、ARTゲーム数カウンタの値が「0」となった場合にその1実行回が終了する。AT状態の実行回の抽選処理では、その実行回の回数を抽選により決定する。AT状態の実行回の抽選処理では、実行回抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、ラッチ回路78により乱数回路77の乱数値をラッチするようCPU76がコマンドレジスタ79の対応するビットにラッチ信号を書き込む。前述したように、スタートレバー41が操作された際に取り込んだ乱数値を読み出した際に、乱数周期をスキップしているので、残余の乱数周期93の経過を従来のように待つことなく、乱数回路77の乱数値を取得することができる。そして、ラッチ回路にラッチされた乱数値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記実行回抽選テーブルに対して照合する。実行回抽選テーブルは、1回の実行回が50%の確率で選択され、2回の実行回が30%の確率で選択され、3回の実行回が15%の確率で選択され、5回の実行回が5%の確率で選択されるように設定されている。AT状態の実行回の抽選処理にて選択された実行回の値は、主側RAM74におけるワークエリアに設けられた残ART実行カウンタにセットされる。ARTゲーム数カウンタはART状態の1実行回における残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、残ART実行カウンタはART状態の残りの実行回を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0198】
なお、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合にはそのゲームでAT状態への移行が行われる構成に限定されることはなく、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合には所定の前兆ゲーム数(例えば32ゲーム)が消化された後に、AT状態への移行が行われる構成としてもよい。この場合、前兆ゲーム数の計測が行われている状況における各ゲームにおいてAT状態への移行を遊技者に期待させることが可能な演出を上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行することで遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
【0199】
ゲーム数解除管理処理(ステップS806)では、AT状態が前回終了する場合に設定された解除ゲーム数分のゲームがAT状態への新たな移行が発生することなく消化された場合にAT状態に移行させるための処理を実行する。つまり、1ゲームが終了する度に解除ゲーム数の値を1減算し、残りの解除ゲーム数の値が「0」となった場合には主側RAM74のAT状態カウンタに「1」をセットする。これにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS808)を実行することとなる。また、AT状態カウンタに「1」をセットする場合には、主側RAM74の残ART実行カウンタに「1」をセットする。
【0200】
主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上である場合、AT状態であることを意味するため、ステップS803にて肯定判定をしてステップS807に進む。ステップS807ではAT状態カウンタの値を把握し、その把握した値に対応する処理を実行する。具体的には、AT状態カウンタの値が「1」であればART準備状態処理を実行し(ステップS808)、AT状態カウンタの値が「2」であればART状態処理を実行し(ステップS809)、AT状態カウンタの値が「3」であればART終了分岐処理を実行する(ステップS810)。ステップS802の処理を実行した場合、ステップS806の処理を実行した場合、又はステップS808~ステップS810のいずれかの処理を実行した場合、ゲーム終了コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS811)。ゲーム終了コマンドは、1ゲームが終了したことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、当該コマンドはタイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。以下、ステップS808~ステップS810の各処理について説明する。
【0201】
まずART準備状態処理(ステップS808)について説明する。
【0202】
ART準備状態は、ART状態への移行可能条件が成立した場合において、ART状態に移行する前に滞在することとなる状態である。ART準備状態では、ペナルティ状態ではないことを条件として、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、ART準備状態では、通常モード用抽選テーブル(
図17)又は第1RTモード用抽選テーブル(
図19)におけるインデックス値IV=12~15のいずれか(以下、昇格対象役ともいう)で当選となった場合に第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序(以下、昇格発生用の停止順序ともいう)が報知される。ART状態への移行は、ART準備状態処理又はART終了分岐処理が実行されている状況において、第1RTモードにて昇格対象役で当選となり昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されて抽選モードが第2RTモードに移行した場合に発生する。
【0203】
図26はART準備状態処理を示すフローチャートである。ART準備状態処理では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS901)。ペナルティ事象には、昇格対象役で当選となった場合において昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかったことが含まれる。ART準備状態においては昇格対象役に当選した場合には昇格発生用の停止順序が画像表示装置63にて報知されることとなるが、当該報知が実行されているにも関わらず昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されない事象はペナルティ事象となる。
【0204】
ペナルティ事象が発生している場合(ステップS901:YES)、主側RAM74におけるワークエリアに設けられたペナルティフラグに「1」をセットする(ステップS902)。ペナルティフラグは、ART準備状態においてペナルティ事象が発生したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ペナルティフラグに「1」がセットされている場合、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となったとしてもベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。なお、ペナルティフラグはART準備状態からART状態に移行する場合に「0」クリアされる。
【0205】
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいてインデックス値IV=7~10のいずれかに当選しており(ステップS903:YES)、さらに主側RAM74のペナルティフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS904:NO)、初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する(ステップS905)。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、ART準備状態からART状態に移行した場合における当該ART状態の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せする場合にはその上乗せゲーム数を決定する。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=7~10のそれぞれに対応した初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、ラッチ回路78により乱数回路77の乱数値をラッチするようCPU76がコマンドレジスタ79の対応するビットにラッチ信号を書き込む。前述したように、スタートレバー41が操作された際に取り込んだ乱数値を読み出した際に、乱数周期をスキップしているので、残余の乱数周期93の経過を従来のように待つことなく、乱数回路77の乱数値を取得することができる。そして、ラッチ回路にラッチされた乱数値を読み出し、当該抽選用カウンタの値を上記初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルに対して照合する。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルは、IV=7→IV=8→IV=9→IV=10の順序で上乗せが発生する確率が高くなり、さらに当該順序で上乗せゲームの獲得期待ゲーム数が多くなるように設定されている。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS906:YES)、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を主側RAM74におけるワークエリアに設けられた初期上乗せカウンタに加算する(ステップS907)。初期上乗せカウンタは、ART状態に移行した場合における当該ART状態の継続ゲーム数の上乗せ分を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0206】
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS908:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS909)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(
図25)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS809)を実行することとなり、遊技状態がART準備状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74におけるワークエリアのデータ設定を行う(ステップS910)。その後、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であることを条件として(ステップS911:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値を1減算する(ステップS912)。
【0207】
ART準備状態処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する(ステップS913)。その他のRTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0208】
次に、遊技終了時の対応処理(
図25)におけるART状態処理(ステップS809)について、
図27のフローチャートを参照しながら説明する。
【0209】
ART状態処理では、今回の処理回がART準備状態又はART終了分岐状態からART状態に移行した直後の処理回であるか否かを判定することで、今回の処理回がART状態の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS1001)。ART状態の開始タイミングである場合(ステップS1001:YES)には、ARTゲーム数カウンタへのセット処理を実行する(ステップS1002)。
【0210】
ARTゲーム数カウンタへのセット処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が1以上であれば、主側RAM74の初期上乗せカウンタの値を当該ARTゲーム数カウンタの値に加算する。これにより、ART状態の途中でBB状態に移行して当該BB状態の終了後にART状態に再度移行する場合には、その実行途中であったART状態の実行回における残りの継続ゲーム数に対してART準備状態において発生した継続ゲーム数の上乗せ分が加算される。一方、ARTゲーム数カウンタへのセット処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であれば、当該ARTゲーム数カウンタに初期継続ゲーム数である「50」をセットした後に、主側RAM74の初期上乗せカウンタの値を当該ARTゲーム数カウンタの値に加算する。これにより、ART状態の1実行回が新たに開始される場合には、ART状態の1実行回における初期継続ゲーム数に対してART準備状態において発生した継続ゲーム数の上乗せ分が加算される。
【0211】
ART状態処理では、今回のゲームにおいてインデックス値IV=7~10のいずれかで当選している場合(ステップS1003:YES)、継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1004)。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、ART状態の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せする場合にはその上乗せゲーム数を決定する。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=7~10のそれぞれに対応した継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、ラッチ回路78により乱数回路77の乱数値をラッチするようCPU76がコマンドレジスタ79の対応するビットにラッチ信号を書き込む。前述したように、スタートレバー41が操作された際に取り込んだ乱数値を読み出した際に、乱数周期をスキップしているので、残余の乱数周期93の経過を従来のように待つことなく、乱数回路77の乱数値を取得することができる。そして、ラッチ回路にラッチされた乱数値を読み出し、当該抽選用カウンタの値を上記継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルに対して照合する。継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルは、IV=7→IV=8→IV=9→IV=10の順序で上乗せが発生する確率が高くなり、さらに当該順序で上乗せゲームの獲得期待ゲーム数が多くなるように設定されている。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS1005:YES)、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を主側RAM74のARTゲーム数カウンタに加算する(ステップS1006)。
【0212】
ART状態処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS1007)。そして、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS1008:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であって通常モードであるか否かを判定する(ステップS1009)。残ART実行カウンタの値が1以上である場合又は通常モードではない場合(ステップS1009:NO)、主側RAM74のAT状態カウンタに「3」をセットする(ステップS1010)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(
図25)における次回の処理回においてART終了分岐処理(ステップS810)を実行することとなり、遊技状態がART状態からART終了分岐状態に移行する。一方、残ART実行カウンタの値が「0」であって通常モードである場合(ステップS1009:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタを「0」クリアする(ステップS1011)。これにより、AT状態が終了することとなる。
【0213】
ART状態処理では、RTモードの移行処理を実行する(ステップS1012)。RTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第2RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0214】
次に、遊技終了時の対応処理(
図25)におけるART終了分岐処理(ステップS810)について説明する。
【0215】
ART終了分岐状態は、ART状態の1実行回が終了した場合に滞在する遊技状態である。ART終了分岐状態では、ペナルティ状態ではないことを条件として、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、ART終了分岐状態においては主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば最終的にART状態に復帰し、当該残ART実行カウンタの値が「0」であってもART状態に復帰し得る。ここで、ART状態の1実行回が終了した場合にART終了分岐状態に移行するため、ART終了分岐状態に移行したタイミングにおいて抽選モードが第2RTモードとなっている可能性が高い。この場合において残ART実行カウンタの値が1以上であったとしても、第2RTモードから第1RTモードへの移行を一旦発生させて、その後に第2RTモードに再度移行するのに合わせてART状態の新たな実行回が開始される。
【0216】
ART終了分岐状態であっても上記のとおりインデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合にはベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるため、遊技者にとって有利な状態となる。この場合に、残ART実行カウンタの値が1以上であったとしても、少なくとも抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行するまではART終了分岐状態に滞在することとなる。その一方、ART終了分岐状態において第2RTモードである場合、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。これにより、ART終了分岐状態においては遊技者の予測が当たり第2転落リプレイ入賞の発生を回避させれば、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。よって、遊技者自身の予測によって遊技者に有利なART終了分岐状態を継続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0217】
図28はART終了分岐処理を示すフローチャートである。ART終了分岐処理では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS1101)。ペナルティ事象には、昇格対象役(通常モード用抽選テーブル(
図17)におけるIV=12~15及び第1RTモード用抽選テーブル(
図19)におけるIV=12~15)で当選となった場合において昇格発生用の停止順序が報知されているにも関わらず、昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかったことが含まれる。また、ペナルティ事象には、第1RTモード用抽選テーブル(
図19)におけるIV=16~21のいずれかで当選となった場合において転落回避用の停止順序が報知されているにも関わらず、転落発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されたことが含まれる。
【0218】
ペナルティ事象が発生している場合(ステップS1101:YES)、主側RAM74におけるワークエリアに設けられたペナルティフラグに「1」をセットする(ステップS1102)。ペナルティフラグは、ペナルティ事象が発生したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ペナルティフラグに「1」がセットされている場合、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となったとしてもベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。なお、ペナルティフラグはART終了分岐状態が終了する場合に「0」クリアされる。
【0219】
ART終了分岐処理では、第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1103:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1104:YES)、当該残ART実行カウンタの値を1減算した後に(ステップS1105)、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1106)。一方、残ART実行カウンタの値が「0」であれば、ステップS1105の処理を実行することなく、AT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1106)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(
図25)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS809)を実行することとなり、遊技状態がART終了分岐状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74におけるワークエリアのデータ設定を行う(ステップS1107)。
【0220】
ここで、詳細は後述するように、ART終了分岐状態においては残ART実行カウンタの値が1以上である状況において第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況であれば、第1RTモードにおいて第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選することで、遊技者はART状態の新たな実行回を容易に開始させることが可能となる。一方、残ART実行カウンタの値が「0」である状況においては第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない。この場合、遊技者は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を予測して停止操作を行うこととなり、その予測した停止順序が第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序であれば第2RTリプレイ入賞が発生し、ART状態の新たな実行回が開始されることとなる。つまり、残ART実行カウンタの値が「0」であっても遊技者の予測に基づきART状態の新たな実行回を開始させることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0221】
ART終了分岐処理では、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1108:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば(ステップS1109:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1110)。これにより、AT状態が終了することとなる。また、抽選モードが通常モードとなるようにするために、主側RAM74におけるワークエリアのデータ設定を行う(ステップS1111)。
【0222】
ここで、詳細は後述するように、ART終了分岐状態においては残ART実行カウンタの値が1以上である状況において第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、第1転落リプレイ入賞の発生を回避させることが可能なリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況であれば、第1RTモードにおいて第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても、遊技者は第1転落リプレイ入賞の発生を容易に回避させることが可能となる。また、仮に、当該状況において第1転落リプレイ入賞を発生させてしまったとしても、ART終了分岐状態は継続される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況においては、遊技者の操作ミスによって第1転落リプレイ入賞を発生させてしまったとしても、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。
【0223】
一方、残ART実行カウンタの値が「0」である状況において第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない。この場合、遊技者は第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるリール32L,32M,32Rの停止順序を予測して停止操作を行うこととなり、その予測した停止順序が第1転落リプレイ入賞の発生を回避させることが可能な停止順序であれば第1転落リプレイ入賞が発生しない。これにより、ART終了分岐状態においては遊技者の予測が当たり第1転落リプレイ入賞の発生を回避させれば、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。よって、遊技者自身の予測によって遊技者に有利なART終了分岐状態を継続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0224】
ART終了分岐処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する(ステップS1112)。その他のRTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0225】
<報知制御処理>
次に、主側MPU72において抽選処理(
図16)におけるステップS513にて実行される報知制御処理について説明する。報知制御処理では、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための制御を実行するとともに、第1RTモードにおいて第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したことを報知するための制御を実行する。この場合、報知制御処理においては各種報知を画像表示装置63にて行わせるためのコマンドの設定処理を実行するとともに、当該コマンドの設定処理を実行する場合には当該コマンドにおいて指示する報知内容に対応する表示を特別表示部67にて行わせるための設定処理を実行する。報知制御処理の具体的な処理内容の説明に先立ち、特別表示部67について詳細に説明する。
【0226】
図29(a)は特別表示部67の正面図である。特別表示部67には、7個の表示用セグメント101~107が設けられている。各表示用セグメント101~107は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメント101~107のみを点灯させることができるとともに、任意の組合せの表示用セグメント101~107を点灯させることができる。上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメント101~107においてはいずれも同一の色が表示されることとなるが、これに限定されることはなく、各表示用セグメント101~107において異なる色が表示される構成としてもよく、各表示用セグメント101~107のそれぞれにおいて複数種類の色を表示することが可能な構成としてもよい。第1~第7表示用セグメント101~107はいずれも直線状の表示用セグメントであり、所謂7セグメント表示器となるように第1~第7表示用セグメント101~107が配列されている。これにより、特別表示部67において、数字の「1」~「9」及びアルファベットの「H」といったように複数種類の表示を行うことが可能である。なお、特別表示部67は上記のようなセグメント表示器である構成に限定されることはなく、複数種類の記号、数字又は文字を表示することが可能であれば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置を用いてもよい。
【0227】
本スロットマシン10では、既に説明したとおり、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となった場合にベル入賞が発生する。また、通常モード用抽選テーブル(
図17及び
図18)を利用して抽選処理(
図16)が実行される場合、インデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで第1RTリプレイ入賞が成立し、第1RTモード用抽選テーブル(
図19及び
図20)を利用して抽選処理(
図16)が実行される場合、インデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで第2RTリプレイ入賞が成立する。また、第1RTモード用抽選テーブル(
図19及び
図20)を利用して抽選処理(
図16)が実行される場合、インデックス値IV=16~21のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで通常リプレイ入賞が成立しそれ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が成立する。また、第2RTモード用抽選テーブル(
図21及び
図22)を利用して抽選処理(
図16)が実行される場合、インデックス値IV=12~17のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで通常リプレイ入賞が成立しそれ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が成立する。
【0228】
このようにリール32L,32M,32Rの停止順序に対応して入賞の成立態様が相違する構成において、画像表示装置63において報知され得るリール32L,32M,32Rの停止順序としては、第1停止が中リール32Mであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、が存在している。これら停止順序は、合計で8種類存在している。
【0229】
また、ART終了分岐状態においては、第2RTモード用抽選テーブル(
図21及び
図22)におけるインデックス値IV=12~17のいずれかで当選となった場合、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第2転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。また、ART終了分岐状態においては、第1RTモード用抽選テーブル(
図19及び
図20)におけるインデックス値IV=12~15のいずれかで当選となった場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第2RTリプレイ入賞を発生させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。また、ART終了分岐状態においては、第1RTモード用抽選テーブル(
図19及び
図20)におけるインデックス値IV=16~21のいずれかで当選となった場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。
【0230】
上記構成において、特別表示部67では当選役との関係で画像表示装置63にて報知される内容に対応させた表示が行われる。特別表示部67の表示内容について、
図29(b)を参照しながら説明する。
【0231】
特別表示部67の表示内容は、画像表示装置63における上記8種類の停止順序の報知内容に1対1で対応させて設定されているとともに、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われることに対応させて設定されている。具体的には、第1停止が中リール32Mであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「1」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「2」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「3」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「4」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「5」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「6」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「7」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「8」の数字が表示内容として設定されており、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「H」の文字が表示内容として設定されている。なお、第1停止が左リール32Lであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われ得る構成においては、特別表示部67の表示内容として当該停止順序の報知に対応する表示内容が設定されている構成としてもよい。
【0232】
上記のように特別表示部67の表示内容が設定されていることにより、画像表示装置63における異なる種類の報知内容間において特別表示部67の表示内容が重複しないこととなる。これにより、特別表示部67の表示内容を画像表示装置63における報知内容に対応付けることが可能となる。
【0233】
なお、画像表示装置63における上記各報知内容に対して特別表示部67の表示内容が1対1で対応させて設定されている構成に限定されることはなく、上記各報知内容の一部又は全部に対しては特別表示部67の複数種類の表示内容が対応させて設定されている構成としてもよい。この場合であっても、異なる種類の報知内容間において特別表示部67の表示内容が重複しないようにすることで、特別表示部67の表示内容を画像表示装置63における報知内容に対応付けることが可能となる。
【0234】
図30(a)及び
図30(b)は画像表示装置63における報知内容と特別表示部67における表示内容との関係を説明するための説明図である。
【0235】
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、
図30(a1)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1~G3が表示され、各単位表示画像G1~G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。具体的には、左リール32Lに対応する左単位表示画像G1と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G2と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G3とが表示される。そして、
図30(a1)においては第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示しているため、左単位表示画像G1には左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像G2には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G3には右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。
【0236】
画像表示装置63においては上記のようにリール32L,32M,32Rの停止順序そのものを報知する画像が表示されるのに対して、特別表示部67では
図30(a2)に示すように、上記リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する「5」の表示が行われる。つまり、画像表示装置63においてはリール32L,32M,32Rの数に対応する単位表示画像G1~G3が表示されるとともに各単位表示画像G1~G3において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われるのに対して、特別表示部67ではリール32L,32M,32Rの数とは無関係な表示が行われる。これにより、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知内容に対応する表示が行われるとしても、画像表示装置63における表示内容に遊技者を注目させることが可能となる。
【0237】
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される場合、
図30(b1)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1~G3が表示されるものの、各単位表示画像G1~G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示は行われない。具体的には、左単位表示画像G1、中単位表示画像G2及び右単位表示画像G3のそれぞれにおいて同一の画像として「?」の画像が表示される。また、各単位表示画像G1~G3とは別に、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像として「狙え!!」という文字画像G4が表示される。
【0238】
画像表示装置63においては上記のように抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が表示されるのに対して、特別表示部67では
図30(b2)に示すように、抽選モードの分岐タイミングであることに対応する「H」の表示が行われる。この「H」の表示は、リール32L,32M,32Rの停止順序には対応していない。このように画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない場合には、特別表示部67においてもリール32L,32M,32Rの停止順序を特定不可とする表示が行われるようにすることで、リール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に予測させるという遊技内容が特別表示部67の表示内容によって消失されてしまわないようにすることが可能となる。
【0239】
ここで、
図1に示すように、特別表示部67の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い範囲となっている。これにより、画像表示装置63に比べて特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。また、特別表示部67は、リール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rを挟んで画像表示装置63側とは逆側に存在している。これにより、画像表示装置63に対して特別表示部67が離間された位置に配置されることとなり、これによっても特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0240】
【0241】
報知制御処理では、インデックス値IV=1~6のいずれかで当選となった場合(ステップS1201:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上であって、主側RAM74のペナルティフラグの値が「0」であることを条件として(ステップS1202:YES、ステップS1203:NO)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1204)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73のデータとして設けられた表示対応テーブルを参照することで、今回当選となったインデックス値IVにおいてベル入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73のデータの一部を記憶するためのエリアとして設けられた表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、ベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0242】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1205)。報知実行コマンドは、今回のゲームにおいて当選役と関係する報知を実行すべきことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、停止順コマンドは、今回のゲームにおいて報知すべきリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。報知実行コマンドは1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドが送信対象としてセットされる。停止順コマンドは、画像表示装置63にて報知させる停止順序の種類に1対1で対応させて設定されており、ステップS1205ではベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1205にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0243】
報知制御処理では、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって(ステップS1206:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「1」又は「2」である場合(ステップS1207:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1208)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握し、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0244】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1209)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1RTリプレイ入賞及び第2RTリプレイ入賞のうち今回の当選役に対応する側の入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1209にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0245】
報知制御処理では第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって(ステップS1210:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「2」である場合、又はAT状態カウンタの値が「1」であって第2RTモードではない場合(ステップS1211:YES、ステップS1212:NO)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1213)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握し、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0246】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1214)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞のうち今回の当選役に対応する側の入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1214にてセットされた各種コマンドはタイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。ちなみに、この場合に送信される停止順コマンドには、ステップS1213にて選択された特別表示部67の報知内容に対応する停止順序の情報がセットされている。
【0247】
なお、AT状態カウンタの値が「1」である場合というのはART準備状態であり、ART準備状態においては第2RTモードである場合には第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序を報知しない構成とすることで、第2RTモードにおいてART準備状態が開始された場合には第1RTモードに移行させる契機を生じさせることが可能となる。ART準備状態からART状態への移行は第1RTモードから第2RTモードに移行した場合に発生するため、第2RTモードにおいてART準備状態が開始された場合には第1RTモードに一旦移行させることで、ART準備状態からART状態への移行契機を発生させる機会を担保することが可能となる。
【0248】
報知制御処理では、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「3」である場合、すなわちART終了分岐状態である場合(ステップS1215:YES)、分岐対応の報知制御処理を実行する(ステップS1216)。分岐対応の報知制御処理について
図32のフローチャートを参照しながら説明する。
【0249】
第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1301:YES)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1302)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0250】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1303)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0251】
分岐対応の報知制御処理では、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1304:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1305:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1306)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が1以上であれば第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合には第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序が報知される。したがって、第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0252】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1307)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1307にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。ちなみに、この場合に送信される停止順コマンドには、ステップS1306にて選択された特別表示部67の報知内容に対応する停止順序の情報がセットされている。
【0253】
一方、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS1304:YES、ステップS1305:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1308)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が「0」であれば第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0254】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1309)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、既に説明したとおり第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0255】
分岐対応の報知制御処理では、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1310:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1311:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1312)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が1以上であれば第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合には第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序が報知される。したがって、第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0256】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1313)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1313にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0257】
一方、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS1310:YES、ステップS1311:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1314)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が「0」であれば第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0258】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1315)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(
図13)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、既に説明したとおり第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0259】
なお、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば、当該第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容となるように特別表示部67の表示制御が実行されるとともに、当該停止順序が画像表示装置63にて報知されるように報知実行コマンド及び停止実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする。
【0260】
次に、演出側MPU82にて実行される報知用処理について
図33のフローチャートを参照しながら説明する。報知用処理は例えば4msec周期で実行される。
【0261】
主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドの両方を受信している場合(ステップS1401:YES)、停止順コマンドに対応するリール32L,32M,32Rの停止順序の画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS1402)。但し、このタイミングでは今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序の画像は画像表示装置63にて表示されない。その後、演出側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする(ステップS1403)。報知遅延期間はリール32L,32M,32Rが回転を開始して定速回転となるまでの加速期間よりも短い期間として設定されており、例えば0.5msecに設定されている。計測用カウンタにセットされた値は、報知用処理が開始される度に減算される。
【0262】
報知用処理では、主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドのうち報知実行コマンドのみを受信し、当該報知実行コマンドを受信するタイミングの前後の監視期間において停止順コマンドを受信していない場合(ステップS1404:YES)、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS1405)。但し、このタイミングでは抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像は画像表示装置63にて表示されない。その後、演出側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする(ステップS1406)。この報知遅延期間に対応する値は、ステップS1403の場合と同様である。
【0263】
報知用処理では、演出側RAM84の計測用カウンタを利用して計測している報知遅延期間が経過した場合(ステップS1407:YES)、報知開始処理を実行する(ステップS1408)。報知開始処理では、今回がステップS1403にてセットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、ステップS1402にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば
図30(a1)に示すように、今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される。一方、報知開始処理では、今回がステップS1406にてセットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、ステップS1405にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば
図30(b1)に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される。
【0264】
報知用処理では、その他の処理を実行する(ステップS1409)。その他の処理では、例えば主側MPU72からゲーム終了コマンドを受信している場合、そのゲームにおいて画像表示装置63に最終的に表示した画像の表示を終了させて、次のゲームの開始を待機する画像の表示を開始する。この場合、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知する画像が表示されている状態でゲーム終了コマンドを受信した場合には、その停止順序を報知する画像の表示を終了させる。また、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が表示されている状態でゲーム終了コマンドを受信した場合には、その画像の表示を終了させる。
【0265】
次に、
図34のタイムチャートを参照しながら、特別表示部67及び画像表示装置63のそれぞれにおいて当選役との関係の報知が行われる様子について説明する。
図34(a)はリール32L,32M,32Rの回転期間を示し、
図34(b)はリール32L,32M,32Rの加速期間を示し、
図34(c)は特別表示部67における当選役に関する報知の実行期間を示し、
図34(d)は画像表示装置63における当選役に関する報知の実行期間を示す。
【0266】
t1のタイミングで、
図34(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が開始され、
図34(b)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速期間が開始される。また、t1のタイミングで、
図34(c)に示すように主側MPU72による直接的な表示制御に基づき特別表示部67において当選役との関係の報知が開始される。
【0267】
その後、リール32L,32M,32Rの加速期間における途中のタイミングであるt2のタイミングで、
図34(d)に示すように演出側MPU82による直接的な表示制御に基づき画像表示装置63において当選役との関係の報知が開始される。つまり、当選役に関する報知が画像表示装置63だけではなく特別表示部67においても行われる構成において、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67にて当選役に関する報知が開始された後に、演出側MPU82により直接的に表示制御される画像表示装置63にて当選役に関する報知が開始される。
【0268】
その後、t3のタイミングで、
図34(b)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速期間が終了し、リール32L,32M,32Rにおいて定速回転が開始される。その後、t4のタイミングで
図34(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止される。この場合、当該t4のタイミングで、
図34(d)に示すように画像表示装置63における当選役に関する報知が終了される。その後、t5のタイミングで、
図34(c)に示すように特別表示部67における当選役に関する報知が終了される。そして、その後のt6のタイミングで
図34(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が新たに開始される。但し、当該ゲームでは当選役に関する報知は実行されない。
【0269】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせて適用してもよく、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせた構成に対して以下の別形態の構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
【0270】
(1)上記実施形態では、乱数回路77の値をCPU76が取得する場合に、ラッチ回路78を介在させる構成としたが、CPU76が直接乱数回路77をリードする構成としてもよい。例えば、CPU76が乱数レジスタ77aの値を取り込むのが乱数レジスタ77aの1更新クロック以内に完了してしまうのであれば、取込んでいる間に乱数レジスタ77aの値が途中で変化してしまい、正常に読み込めなくなる不都合は生じないからである。その場合、CPU76がスタートレバー41の操作を検出したときに、乱数回路77の乱数値を直接CPU76が読み込む構成となる。
【0271】
(2)上記実施形態では、CPU76がコマンドレジスタ79の対応するビットに、初期値更新信号を書込むことにより、乱数回路77に対して乱数周期のスキップを指示する構成、あるいは、ラッチ回路78に対するラッチ信号を契機に自動的に乱数周期のスキップを行う構成とした。これに加えて、CPU76がラッチ回路78の値を読み出すリード信号、CPU76が乱数回路77から直接乱数値を読み出す場合のリード信号を契機として乱数周期のスキップを行う構成としてもよい。
【0272】
(3)上記実施形態では、初期値用乱数レジスタ77eが一周した際、加算値を変更する構成としたが、加算値を変更するとともに、又は、加算値を変更することに代えて、初期値用乱数レジスタ77eの値を別の値に変更するように構成してもよい。変更する値は、加算値用素数テーブル77g、及び、テーブルポインタ77hと同様に、初期値用テーブルと初期値用テーブルポインタで構成してもよい。あるいは、乱数レジスタ77bに対する初期値用乱数レジスタ77eと同様に、初期値用乱数レジスタ77eに対する初期値用乱数レジスタを更に設け、初期値用乱数レジスタ77eの初期値を生成するように構成してもよい。
【0273】
(4)上記実施形態では、初期値用乱数レジスタ77eを更新する信号を初期値更新信号とする構成としたが、乱数レジスタ77aの更新クロックと同様にクロック回路75の生成する更新クロック信号であってもよい。この場合、乱数レジスタ77aと初期値用乱数レジスタ77eの乱数周期が一致してしまうので、乱数レジスタ77aの初期値が常に同じ値になってしまうおそれがある。これを避けるため、更に初期値乱数レジスタ用の初期値乱数レジスタを用意し、初期値用乱数レジスタ77eにおいて乱数周期が経過した際、そちらの初期値乱数レジスタの値を初期値として乱数周期を開始してもよい。
また、クロック回路75とは別に、それとは非同期のクロック回路を設け、そのクロック回路からのクロック信号を用いてもよい。
【0274】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0275】
<特徴A群>
特徴A1.遊技機の制御プログラムを記憶するROM部(主側ROM73)と、当該ROM部に記憶された制御プログラムを実行するCPU部(CPU76)と、乱数生成部(乱数回路77)と、を備え、
前記乱数生成部は、第一の乱数生成手段(乱数レジスタ77a)と、第二の乱数生成手段(初期値用乱数レジスタ77e)と、第一の乱数生成手段における乱数周期経過判定手段(一周判定回路77b)と、を備え、前記CPU部が当該乱数生成部から読み出す整数値は当該第一の乱数生成手段の値であり、当該第一の乱数生成手段は、当該乱数生成部に入力された更新クロックを契機に整数値を生成し、乱数周期としてあらかじめ定められた更新クロック数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであり、当該乱数周期経過判定手段は当該第一の乱数生成手段において乱数周期が経過したと判定したときに初期値更新信号を生じるものであり、当該第一の乱数生成手段は、当該初期値更新信号を契機に、当該第二の乱数生成手段の値を初期値として新たな乱数周期を開始するよう構成されたものであって、
前記CPU部が前記乱数生成部から整数値を取得した後、前記乱数周期経過判定手段に依らず、強制的に初期値更新信号を生成することにより(ステップS502において、コマンドレジスタ79に初期値更新信号を書き込んで、乱数回路77に乱数周期をスキップさせる処理)、次に当該CPU部が当該乱数生成部から整数値を取得するまでの間に1以上の初期値更新を行い、今回取得した整数値(初期値91bから開始される乱数周期から取得した乱数92)と次回取得する整数値とを異なる乱数周期(初期値91cから開始される乱数周期以降の乱数周期)に生成されたものとすることを特徴とする遊技機。
【0276】
特徴A1によれば、いかなるタイミングで乱数回路77から整数値を取得しても、それらの整数値は異なる乱数周期から取得することとなり、遊技機に必要な一様性の担保された乱数として使用することができる。
【0277】
特徴A2.第二の乱数生成手段は、初期値更新信号を契機に整数値を生成するものであり、あらかじめ定められた初期値更新信号数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであることを特徴とする、特徴A1に記載の遊技機。
【0278】
特徴A2によれば、第一の乱数生成手段の初期値についても一様性が担保されることとなる。例えば、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合、それぞれの乱数値は異なる乱数周期に生成されたものであっても、第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が考えられる。このような場合であっても、第一の乱数生成手段の初期値について、一様性が担保されるので、遊技機に必要な一様性の担保された乱数として使用することができる。
【0279】
特徴A3.乱数生成部は、更に第三の乱数生成手段を備え、第二の乱数生成手段において乱数周期が経過した際、第三の乱数生成手段の値を初期値として第二の乱数生成手段が新たな乱数周期を開始するものであることを特徴とする、特徴A1から特徴A2に記載の遊技機。
【0280】
特徴A3によれば、第二の乱数生成手段の生成する乱数についても出現する数列が単調な繰り返しになることがないので、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合のように第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が長時間連続するような場合であっても、取得する乱数値は一様性を担保しつつ、数列が単調な繰り返しになることを避けることができる。
【0281】
特徴A4.ROM部の制御プログラムは、CPU部が、第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、乱数生成部から整数値を取得する処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴A1から特徴A3に記載の遊技機。
【0282】
特徴A4によれば、従来のような、乱数生成部から整数値を取得する処理は、乱数周期よりも長い時間間隔でなければならない、とする制約がなくなるので、より好適な乱数生成をする遊技機を提供することが可能となる。
【0283】
特徴A5.ROM部の制御プログラムは、スタートレバー操作を契機に(スタート検出センサ41aからのラッチ信号)、CPU部が乱数生成部から整数値を取得し、更に、スタートレバー操作から第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、1以上の整数値を取得し、それら複数の整数値に基づいて、役の当否を決定する処理(主側MPU72の通常処理におけるステップS307の抽選処理)、および、指示機能に係る抽選を行う処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴A1から特徴A4に記載の遊技機。
【0284】
特徴A5によれば、スタートレバー操作を契機に乱数値を取得した後、乱数周期を気にすることなく、短い時間間隔で乱数値を取得し、それらの乱数値を各種抽選に使用することができるので、従来よりも、より趣向に富んだ遊技機を提供することができる。
【0285】
<特徴B群>
特徴B1.遊技機の制御プログラムを記憶するROM部(主側ROM73)と、当該ROM部に記憶された制御プログラムを実行するCPU部(CPU76)と、乱数生成部(乱数回路77)と、を備え、
前記乱数生成部は、第一の乱数生成手段(乱数レジスタ77a)と、第二の乱数生成手段(初期値用乱数レジスタ77e)と、第一の乱数生成手段における乱数周期経過判定手段(一周判定回路77b)と、を備え、前記CPU部が当該乱数生成部から読み出す整数値は当該第一の乱数生成手段の値であり、当該第一の乱数生成手段は、当該乱数生成部に入力された更新クロックを契機に整数値を生成し、乱数周期としてあらかじめ定められた更新クロック数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであり、当該乱数周期経過判定手段は当該第一の乱数生成手段において乱数周期が経過したと判定したときに初期値更新信号を生じるものであり、当該第一の乱数生成手段は、当該初期値更新信号を契機に、当該第二の乱数生成手段の値を初期値として新たな乱数周期を開始するよう構成されたものであって、
前記ROM部の制御プログラムは、前記CPU部が前記乱数生成部から整数値を取得した後、当該CPU部が初期値更新信号を生成するコマンドを出力する処理(ステップS502において、コマンドレジスタ79に初期値更新信号を書き込んで、乱数回路77に乱数周期をスキップさせる処理)を含み、次に当該CPU部が当該乱数生成部から整数値を取得するまでの間に1以上の初期値更新を行い、今回取得した整数値(初期値91bから開始される乱数周期から取得した乱数92)と次回取得する整数値とを異なる乱数周期(初期値91cから開始される乱数周期以降の乱数周期)に生成されたものとすることを特徴とする遊技機。
【0286】
特徴B1によれば、プログラムによる指示で乱数周期をスキップさせることができるので、主側MPU72に、自動的に乱数周期をスキップする機能が無くても乱数周期をスキップさせることができ、乱数周期経過を確認することなく、乱数の連続取得が可能となる。乱数値をCPU部が取得する方法は、ラッチ回路を介して取得してもよいし、乱数生成部から直接CPU部が取得してもよい。
【0287】
特徴B2.第二の乱数生成手段は、初期値更新信号を契機に整数値を生成するものであり、あらかじめ定められた初期値更新信号数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであることを特徴とする、特徴B1に記載の遊技機。
【0288】
特徴B2によれば、第一の乱数生成手段の初期値についても一様性が担保されることとなる。例えば、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合、それぞれの乱数値は異なる乱数周期に生成されたものであっても、第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が考えられる。このような場合であっても、第一の乱数生成手段の初期値について、一様性が担保されるので、遊技機に必要な一様性の担保された乱数として使用することができる。
【0289】
特徴B3.乱数生成部は、更に第三の乱数生成手段を備え、第二の乱数生成手段において乱数周期が経過した際、第三の乱数生成手段の値を初期値として第二の乱数生成手段が新たな乱数周期を開始するものであることを特徴とする、特徴B1から特徴B2に記載の遊技機。
【0290】
特徴B3によれば、第二の乱数生成手段の生成する乱数についても出現する数列が単調な繰り返しになることがないので、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合のように第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が長時間連続するような場合であっても、取得する乱数値は一様性を担保しつつ、数列が単調な繰り返しになることを避けることができる。
【0291】
特徴B4.ROM部の制御プログラムは、CPU部が、第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、乱数生成部から整数値を取得する処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴B1から特徴B3に記載の遊技機。
【0292】
特徴B4によれば、従来のような、乱数生成部から整数値を取得する処理は、乱数周期よりも長い時間間隔でなければならない、とする制約がなくなるので、より好適な乱数生成をする遊技機を提供することが可能となる。
【0293】
特徴B5.ROM部の制御プログラムは、スタートレバー操作を契機に(スタート検出センサ41aからのラッチ信号)、CPU部が乱数生成部から整数値を取得し、更に、スタートレバー操作から第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、1以上の整数値を取得し、それら複数の整数値に基づいて、役の当否を決定する処理(主側MPU72の通常処理におけるステップS307の抽選処理)、および、指示機能に係る抽選を行う処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴B1から特徴B4に記載の遊技機。
【0294】
特徴B5によれば、スタートレバー操作を契機に乱数値を取得した後、乱数周期を気にすることなく、短い時間間隔で乱数値を取得し、それらの乱数値を各種抽選に使用することができるので、従来よりも、より趣向に富んだ遊技機を提供することができる。
【0295】
<特徴C群>
特徴C1.遊技機の制御プログラムを記憶するROM部(主側ROM73)と、当該ROM部に記憶された制御プログラムを実行するCPU部(CPU76)と、乱数生成部(乱数回路77)と、を備え、
前記乱数生成部は、第一の乱数生成手段(乱数レジスタ77a)と、第二の乱数生成手段(初期値用乱数レジスタ77e)と、第一の乱数生成手段における乱数周期経過判定手段(一周判定回路77b)と、を備え、前記CPU部が当該乱数生成部から読み出す整数値は当該第一の乱数生成手段の値を一旦ラッチ回路(ラッチ回路78)に保持した値であり、当該第一の乱数生成手段は、当該乱数生成部に入力された更新クロックを契機に整数値を生成し、乱数周期としてあらかじめ定められた更新クロック数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであり、当該乱数周期経過判定手段は当該第一の乱数生成手段において乱数周期が経過したと判定したときに初期値更新信号を生じるものであり、当該第一の乱数生成手段は、当該初期値更新信号を契機に、当該第二の乱数生成手段の値を初期値として新たな乱数周期を開始するよう構成されたものであって、
前記初期値更新信号は、前記乱数周期経過判定手段の出力と、前記ラッチ回路に入力されるラッチ信号との論理和であるよう構成されており、前記第一の乱数生成手段の値が当該ラッチ回路にラッチされると当該第一の乱数生成手段は初期値更新を行い、今回ラッチした整数値と次回ラッチする整数値とを異なる乱数周期(初期値91cから開始される乱数周期以降の乱数周期)に生成されたものとすることを特徴とする遊技機。
【0296】
特徴C1によれば、ハードウェア的に乱数周期がスキップされるので、プログラムによる乱数周期のスキップ処理が不要となり、プログラムの容量が増大することを防ぐことができる。ラッチ信号を出力するのは、スタート検出センサ41a、CPU76がラッチ信号を書き込むコマンドレジスタ79のいずれであってもよい。
【0297】
特徴C2.第二の乱数生成手段は、初期値更新信号を契機に整数値を生成するものであり、あらかじめ定められた初期値更新信号数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであることを特徴とする、特徴C1に記載の遊技機。
【0298】
特徴C2によれば、第一の乱数生成手段の初期値についても一様性が担保されることとなる。例えば、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合、それぞれの乱数値は異なる乱数周期に生成されたものであっても、第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が考えられる。このような場合であっても、第一の乱数生成手段の初期値について、一様性が担保されるので、遊技機に必要な一様性の担保された乱数として使用することができる。
【0299】
特徴C3.乱数生成部は、更に第三の乱数生成手段を備え、第二の乱数生成手段において乱数周期が経過した際、第三の乱数生成手段の値を初期値として第二の乱数生成手段が新たな乱数周期を開始するものであることを特徴とする、特徴C1から特徴C2に記載の遊技機。
【0300】
特徴C3によれば、第二の乱数生成手段の生成する乱数についても出現する数列が単調な繰り返しになることがないので、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合のように第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が長時間連続するような場合であっても、取得する乱数値は一様性を担保しつつ、数列が単調な繰り返しになることを避けることができる。
【0301】
特徴C4.ROM部の制御プログラムは、CPU部が、第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、乱数生成部から整数値を取得する処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴C1から特徴C3に記載の遊技機。
【0302】
特徴C4によれば、従来のような、乱数生成部から整数値を取得する処理は、乱数周期よりも長い時間間隔でなければならない、とする制約がなくなるので、より好適な乱数生成をする遊技機を提供することが可能となる。
【0303】
特徴C5.ROM部の制御プログラムは、スタートレバー操作を契機に(スタート検出センサ41aからのラッチ信号)、CPU部が乱数生成部から整数値を取得し、更に、スタートレバー操作から第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、1以上の整数値を取得し、それら複数の整数値に基づいて、役の当否を決定する処理(主側MPU72の通常処理におけるステップS307の抽選処理)、および、指示機能に係る抽選を行う処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴C1から特徴C4に記載の遊技機。
【0304】
特徴C5によれば、スタートレバー操作を契機に乱数値を取得した後、乱数周期を気にすることなく、短い時間間隔で乱数値を取得し、それらの乱数値を各種抽選に使用することができるので、従来よりも、より趣向に富んだ遊技機を提供することができる。
【0305】
<特徴D群>
特徴D1.遊技機の制御プログラムを記憶するROM部(主側ROM73)と、当該ROM部に記憶された制御プログラムを実行するCPU部(CPU76)と、乱数生成部(乱数回路77)と、を備え、
前記乱数生成部は、第一の乱数生成手段(乱数レジスタ77a)と、第二の乱数生成手段(初期値用乱数レジスタ77e)と、第一の乱数生成手段における乱数周期経過判定手段(一周判定回路77b)と、を備え、前記CPU部が当該乱数生成部から読み出す整数値は当該第一の乱数生成手段の値を一旦ラッチ回路(ラッチ回路78)に保持した値であり、当該第一の乱数生成手段は、当該乱数生成部に入力された更新クロックを契機に整数値を生成し、乱数周期としてあらかじめ定められた更新クロック数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであり、当該乱数周期経過判定手段は当該第一の乱数生成手段において乱数周期が経過したと判定したときに初期値更新信号を生じるものであり、当該第一の乱数生成手段は、当該初期値更新信号を契機に、当該第二の乱数生成手段の値を初期値として新たな乱数周期を開始するよう構成されたものであって、
前記初期値更新信号は、前記乱数周期経過判定手段の出力と、前記CPU部から前記ラッチ回路に入力されるリード信号との論理和であるよう構成されており、当該CPU部から当該ラッチ回路の値をリードすると当該第一の乱数生成手段は初期値更新を行い、今回ラッチした整数値と次回ラッチする整数値とを異なる乱数周期(初期値91cから開始される乱数周期以降の乱数周期)に生成されたものとすることを特徴とする遊技機。
【0306】
特徴D1によれば、ラッチ回路のリード信号によってハードウェア的に乱数周期がスキップされるので、プログラムによる乱数周期のスキップ処理が不要となり、プログラムの容量が増大することを防ぐことができる。また、既にスタート済で全リールの停止待ち状態における、スタートレバーやクレジット投入ボタンのように、遊技状態によって無効な操作をされた場合であっても、プログラムがラッチ回路の乱数値をリードしなければ乱数周期はスキップされないので、無効操作に対処する処理を簡単にすることができる。
【0307】
特徴D2.第二の乱数生成手段は、初期値更新信号を契機に整数値を生成するものであり、あらかじめ定められた初期値更新信号数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであることを特徴とする、特徴D1に記載の遊技機。
【0308】
特徴D2によれば、第一の乱数生成手段の初期値についても一様性が担保されることとなる。例えば、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合、それぞれの乱数値は異なる乱数周期に生成されたものであっても、第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が考えられる。このような場合であっても、第一の乱数生成手段の初期値について、一様性が担保されるので、遊技機に必要な一様性の担保された乱数として使用することができる。
【0309】
特徴D3.乱数生成部は、更に第三の乱数生成手段を備え、第二の乱数生成手段において乱数周期が経過した際、第三の乱数生成手段の値を初期値として第二の乱数生成手段が新たな乱数周期を開始するものであることを特徴とする、特徴D1から特徴D2に記載の遊技機。
【0310】
特徴D3によれば、第二の乱数生成手段の生成する乱数についても出現する数列が単調な繰り返しになることがないので、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合のように第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が長時間連続するような場合であっても、取得する乱数値は一様性を担保しつつ、数列が単調な繰り返しになることを避けることができる。
【0311】
特徴D4.ROM部の制御プログラムは、CPU部が、第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、乱数生成部から整数値を取得する処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴D1から特徴D3に記載の遊技機。
【0312】
特徴D4によれば、従来のような、乱数生成部から整数値を取得する処理は、乱数周期よりも長い時間間隔でなければならない、とする制約がなくなるので、より好適な乱数生成をする遊技機を提供することが可能となる。
【0313】
特徴D5.ROM部の制御プログラムは、スタートレバー操作を契機に(スタート検出センサ41aからのラッチ信号)、CPU部が乱数生成部から整数値を取得し、更に、スタートレバー操作から第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、1以上の整数値を取得し、それら複数の整数値に基づいて、役の当否を決定する処理(主側MPU72の通常処理におけるステップS307の抽選処理)、および、指示機能に係る抽選を行う処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴D1から特徴D4に記載の遊技機。
【0314】
特徴D5によれば、スタートレバー操作を契機に乱数値を取得した後、乱数周期を気にすることなく、短い時間間隔で乱数値を取得し、それらの乱数値を各種抽選に使用することができるので、従来よりも、より趣向に富んだ遊技機を提供することができる。
【0315】
<特徴E群>
特徴E1.遊技機の制御プログラムを記憶するROM部(主側ROM73)と、当該ROM部に記憶された制御プログラムを実行するCPU部(CPU76)と、乱数生成部(乱数回路77)と、を備え、
前記乱数生成部は、第一の乱数生成手段(乱数レジスタ77a)と、第二の乱数生成手段(初期値用乱数レジスタ77e)と、第一の乱数生成手段における乱数周期経過判定手段(一周判定回路77b)と、を備え、前記CPU部が当該乱数生成部から読み出す整数値は当該第一の乱数生成手段の値であり、当該第一の乱数生成手段は、当該乱数生成部に入力された更新クロックを契機に整数値を生成し、乱数周期としてあらかじめ定められた更新クロック数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであり、当該乱数周期経過判定手段は当該第一の乱数生成手段において乱数周期が経過したと判定したときに初期値更新信号を生じるものであり、当該第一の乱数生成手段は、当該初期値更新信号を契機に、当該第二の乱数生成手段の値を初期値として新たな乱数周期を開始するよう構成されたものであって、
前記初期値更新信号は、前記乱数周期経過判定手段の出力と、前記CPU部から第一の乱数生成手段に入力されるリード信号との論理和であるよう構成されており、当該CPU部から当該第一の乱数生成手段の値をリードすると当該第一の乱数生成手段は初期値更新を行い、今回取得した整数値(初期値91bから開始される乱数周期から取得した乱数92)と次回取得する整数値とを異なる乱数周期(初期値91cから開始される乱数周期以降の乱数周期)に生成されたものとすることを特徴とする遊技機。
【0316】
特徴E1によれば、乱数生成部のリード信号によってハードウェア的に乱数周期がスキップされるので、プログラムによる乱数周期のスキップ処理が不要となり、プログラムの容量が増大することを防ぐことができる。また、ラッチ回路やラッチ信号が不要になるので、回路構成を簡素化させることができる。更に、どの信号を契機に乱数を取得し乱数周期をスキップするか、という遊技機仕様の変更に対しては、プログラムの変更で対処できるので、ハードウェアの共通化に貢献することができる。例えば、CPU76がストップボタン42~44の操作を検出したときに、乱数回路77の乱数値を読み込むという仕様が追加されたとしても、ハードウェアの変更は不要である。
【0317】
特徴E2.第二の乱数生成手段は、初期値更新信号を契機に整数値を生成するものであり、あらかじめ定められた初期値更新信号数の期間内に、生成し得る全ての整数値を同一回数ずつ生成するものであることを特徴とする、特徴E1に記載の遊技機。
【0318】
特徴E2によれば、第一の乱数生成手段の初期値についても一様性が担保されることとなる。例えば、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合、それぞれの乱数値は異なる乱数周期に生成されたものであっても、第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が考えられる。このような場合であっても、第一の乱数生成手段の初期値について、一様性が担保されるので、遊技機に必要な一様性の担保された乱数として使用することができる。
【0319】
特徴E3.乱数生成部は、更に第三の乱数生成手段を備え、第二の乱数生成手段において乱数周期が経過した際、第三の乱数生成手段の値を初期値として第二の乱数生成手段が新たな乱数周期を開始するものであることを特徴とする、特徴E1から特徴E2に記載の遊技機。
【0320】
特徴E3によれば、第二の乱数生成手段の生成する乱数についても出現する数列が単調な繰り返しになることがないので、初期値更新信号から間を置かず、連続して乱数値を取得する場合のように第一の乱数生成手段の初期値の出現分布の影響を受ける場合が長時間連続するような場合であっても、取得する乱数値は一様性を担保しつつ、数列が単調な繰り返しになることを避けることができる。
【0321】
特徴E4.ROM部の制御プログラムは、CPU部が、第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、乱数生成部から整数値を取得する処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴E1から特徴E3に記載の遊技機。
【0322】
特徴E4によれば、従来のような、乱数生成部から整数値を取得する処理は、乱数周期よりも長い時間間隔でなければならない、とする制約がなくなるので、より好適な乱数生成をする遊技機を提供することが可能となる。
【0323】
特徴E5.ROM部の制御プログラムは、スタートレバー操作を契機に(スタート検出センサ41aからのラッチ信号)、CPU部が乱数生成部から整数値を取得し、更に、スタートレバー操作から第一の乱数生成手段の乱数周期よりも短い時間間隔で、1以上の整数値を取得し、それら複数の整数値に基づいて、役の当否を決定する処理(主側MPU72の通常処理におけるステップS307の抽選処理)、および、指示機能に係る抽選を行う処理(主側MPU72におけるステップS905の初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理、ステップS1004の継続ゲーム数の上乗せ抽選処理)を含むことを特徴とする、特徴E1から特徴E4に記載の遊技機。
【0324】
特徴E5によれば、スタートレバー操作を契機に乱数値を取得した後、乱数周期を気にすることなく、短い時間間隔で乱数値を取得し、それらの乱数値を各種抽選に使用することができるので、従来よりも、より趣向に富んだ遊技機を提供することができる。
【符号の説明】
【0325】
10…スロットマシン、31…リールユニット、32L,32M,32R…リール、41…スタートレバー、42~44…ストップボタン、47~49…クレジット投入ボタン、63…画像表示装置、67…特別表示部、72…主側MPU、73…主側ROM、74…主側RAM、76…CPU、77…乱数回路、77a…乱数レジスタ、78…ラッチ回路、79…コマンドレジスタ、82…演出側MPU。