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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20221110BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20221110BHJP
   H01M 50/251 20210101ALI20221110BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20221110BHJP
   H01G 2/04 20060101ALI20221110BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20221110BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20221110BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/209
H01M50/251
H01G2/02 101E
H01G2/04
H01G11/10
H01G11/78
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018154665
(22)【出願日】2018-08-21
(65)【公開番号】P2020030915
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】西村 洋介
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-277575(JP,A)
【文献】特開2016-219109(JP,A)
【文献】特開2014-182946(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2001-0080928(KR,A)
【文献】特開2016-035906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/262
H01M 50/209
H01M 50/251
H01G 2/02
H01G 2/04
H01G 11/10
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
前記蓄電素子と第一方向において隣り合う終端部材と、を備え、
前記終端部材は、
前記第一方向と直交する面方向に沿って広がる本体と、
前記本体における前記第一方向と直交する第二方向の端部である第一端部と連接し且つ固定対象物に固定可能な固定部と、を有し、
前記本体における前記第一方向及び前記第二方向と直交する第三方向の端部である第二端部は前記第二方向に長尺な板状の部位であり、前記第二方向における固定部側の端部を含む第一部位及び前記第二方向において前記第一部位と隣接する第二部位を含み
前記第一部位は、前記第二方向に長尺な板状の部位が前記本体の一方の面側に曲げられることによって構成され、
前記第二部位は、前記第二方向に長尺な板状の部位が前記本体の他方の面側に曲げられることによって構成され、
前記第二端部において前記第一部位と前記第二部位とが繋がっているため該第一部位と該第二部位との境界部は、捻じれている、蓄電装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記本体の第一端部における前記第三方向の端部から前記第一方向に沿って前記蓄電素子の外側又は前記蓄電素子の側に延び、且つ、前記第一方向及び前記第三方向を含む面に沿った板状であり、
前記固定部における前記第三方向の前記第二端部側の端部である第三端部は、前記第一部位と連続し、且つ、該固定部における該第三端部と前記第三方向において隣接する部位に対して前記第一部位が位置する側に曲がっている、請求項1に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子と隣り合う終端部材を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、筐体の壁等に固定される電池モジュールが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この電池モジュールは、図8に示すように、一方向に配列された複数の二次電池501から構成される電池群501Aと、この電池群501Aの両側に配置されたエンドプレート510と、を有している。
【0003】
二次電池501は、例えば直方体形状のケース内に電極組立体が収容されてなるリチウムイオン二次電池である。エンドプレート510は、筐体502の壁502aにボルト503及びナット504で固定され、複数の二次電池501を二次電池501の配列方向の両側から拘束する。エンドプレート510は、L字状を呈している。エンドプレート510は、挟持部511と、この挟持部511の一端から垂直に屈曲した固定部512と、を有している。固定部512には、ボルト503の軸部503aが通る複数の挿通孔513が設けられている。固定部512には、複数のナット504が挿通孔513を覆うように溶接で固定されている。
【0004】
この電池モジュール500を筐体502に取り付けるときは、電池モジュール500を筐体502内に収容し、エンドプレート510にそれぞれ固定されたナット504を筐体502の挿通孔502bの位置に合わせる。そして、筐体502の外側からボルト503の軸部503aを筐体502の挿通孔502b及びエンドプレート510の挿通孔513に通してナット504と螺合させ、ボルト503をナット504に対して締め付ける。これにより、電池モジュール500が筐体502に固定される。
【0005】
以上の電池モジュール500では、筐体502に振動が加わると、該振動の前記配列方向成分によって二次電池501が前記配列方向に振動等することで挟持部511が電池群501Aによって押圧される。このとき、固定部512が筐体502に固定されているため、挟持部511が固定部512を支点にして倒れるようにエンドプレート510が変形しようとし、これにより、挟持部511の固定部512側において応力集中が生じ、その結果、エンドプレート510が損傷する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-142942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本実施形態は、終端部材を固定対象物に固定して使用しても該終端部材が損傷し難い蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の蓄電装置は、
蓄電素子と、
前記蓄電素子と第一方向において隣り合う終端部材と、を備え、
前記終端部材は、
前記第一方向と直交する面方向に沿って広がる本体と、
前記本体における前記第一方向と直交する第二方向の端部である第一端部と連接し且つ固定対象物に固定可能な固定部と、を有し、
前記本体における前記第一方向及び前記第二方向と直交する第三方向の端部である第二端部では、前記第二方向における固定部側の端部を含む第一部位と、前記第二方向において前記第一部位と隣接する第二部位とが、前記本体における該第二端部と前記第三方向において隣接する部位に対して互いに反対側に曲がると共に、該第一部位と該第二部位との境界部が捻じれている。
【0009】
かかる構成によれば、第二端部の第一部位と第二部位との境界部が捻じれていることでバネ性を有するため、固定部が固定対象物に固定された状態で蓄電装置に振動等が加わることで本体が蓄電素子に押圧されて固定部を支点に倒れるように終端部材が変形しようとしたときに、前記境界部が伸びる(捻じれが戻るように変形する)ことで、前記押圧に起因する応力が吸収され、これにより、終端部材の損傷が抑えられる。
【0010】
前記蓄電装置では、
前記固定部は、前記本体の第一端部における前記第三方向の端部から前記第一方向に沿って延び、且つ、前記第一方向及び前記第三方向を含む面に沿った板状であり、
前記固定部における前記第三方向の前記第二端部側の端部である第三端部は、前記第一部位と連続し、且つ、該固定部における該第三端部と前記第三方向において隣接する部位に対して前記第一部位が位置する側に曲がっていてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、本体と固定部との境界部を含む終端部材の第三方向の端部(第一部位と第三端部)が、第一部位と連続した状態で該端部と第三方向において隣接する部位に対して曲がっていることで、本体と固定部との境界部の強度を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上より、本実施形態によれば、終端部材を固定対象物に固定して使用しても該終端部材が損傷し難い蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
図2図2は、前記蓄電装置の分解斜視図である。
図3図3は、前記蓄電装置が備える終端部材の斜視図である。
図4図4は、前記終端部材をX軸方向から見た図である。
図5図5は、図3のVに示す位置の拡大斜視図である。
図6図6は、図5のVI-VI位置における断面図である。
図7図7は、図5のVII-VII位置における断面図である。
図8図8は、従来の電池モジュールの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図1図7を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0015】
蓄電装置は、図1及び図2に示すように、蓄電素子2と、蓄電素子2と所定の方向(第一方向)において隣り合う終端部材40を含み且つ蓄電素子2を保持する保持部材4と、を備える。また、蓄電装置1は、蓄電素子2と隣り合う隣接部材3と、蓄電素子2と保持部材4との間に配置されるインシュレータ5と、異なる蓄電素子2同士又は蓄電素子2と外部入出力用端子47等とを導通可能に接続するバスバ6と、を備える。本実施形態の蓄電装置1は、複数の蓄電素子2と、複数の隣接部材3と、を備え、保持部材4は、複数の蓄電素子2と複数の隣接部材3とをひとまとめに保持する。
【0016】
複数の蓄電素子2は、前記所定の方向に並ぶ。これら複数の蓄電素子2のそれぞれは、一次電池、二次電池、キャパシタ等である。本実施形態の蓄電素子2は、充放電可能な非水電解質二次電池である。より具体的には、蓄電素子2は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この蓄電素子2は、いわゆる角型のリチウムイオン二次電池である。
【0017】
複数の蓄電素子2のそれぞれは、電極体と、電極体を電解液と共に収容するケース21と、少なくとも一部がケース21の外側に露出する外部端子22と、を有する。
【0018】
ケース21は、開口を有するケース本体211と、ケース本体211の開口を塞ぐ(閉じる)板状の蓋板216と、を有する。本実施形態のケース本体211は、有底角筒状であり、ケース21は、扁平な直方体形状である。ケース本体211は、矩形板状の閉塞部212と、閉塞部212の周縁に接続される筒状の胴部(周壁)213と、を備える。胴部213は、偏平な角筒形状を有する。この胴部213は、閉塞部212の周縁における長辺から延びる一対の長壁部214と、閉塞部212の周縁における短辺から延びる一対の短壁部215とを有する。短壁部215が一対の長壁部214の対応する端部同士をそれぞれ接続することによって、扁平な角筒状の胴部213が形成される。蓋板216は、ケース本体211の開口を塞ぐ矩形板状の部材である。この蓋板216には、一対の外部端子22が配置されている。
【0019】
本実施形態の蓄電装置1では、複数の蓄電素子2は、ケース21(ケース本体211)の長壁部214同士を互いに対向させた状態で並んでいる。
【0020】
以下では、複数の蓄電素子2が並ぶ方向(第一方向)を直交座標系のX軸とし、ケース本体211の短壁部215が対向する方向(第三方向)を直交座標系のY軸とし、閉塞部212と蓋板216とが対向する方向(第二方向)を直交座標系のZ軸とする。
【0021】
隣接部材3は、X軸方向に並ぶ二つの蓄電素子2の間、又は、X軸方向の最も端の蓄電素子2と該蓄電素子2に対してX軸方向に並ぶ部材(本実施形態の例では、保持部材4に含まれる終端部材40)との間に配置される。この隣接部材3は、樹脂等の絶縁性を有する部材によって構成される。また、隣接部材3は、隣接する蓄電素子2との間に該蓄電素子2の温度調整用の流体が流通可能な流路を形成する。
【0022】
保持部材4は、複数の蓄電素子2と複数の隣接部材3との周囲を囲むことにより、これら複数の蓄電素子2及び複数の隣接部材3をひとまとめに保持する。この保持部材4は、金属等の導電性を有する部材によって構成されている。具体的に、保持部材4は、X軸方向において複数の蓄電素子2の両側に配置される一対の終端部材40と、終端部材40におけるY軸方向の端部同士を接続する接続部材44と、を有する。また、保持部材4は、終端部材40と接続部材44とを固定(連結)する固定部材45を有する。本実施形態の固定部材45は、ボルト451とナット452である。本実施形態の蓄電装置1では、一対の接続部材44が、一対の終端部材40におけるY軸方向の両側の端部同士を接続している。
【0023】
一対の終端部材40のそれぞれは、X軸方向の端に配置された蓄電素子2との間に隣接部材3を挟み込むように配置される。具体的に、各終端部材40は、図3図7にも示すように、X軸方向と直交する面(Y軸及びZ軸を含む面:Y-Z面)方向に沿って広がる本体41と、本体41におけるZ軸方向の一方側(図3における下方側)の端部である第一端部41Aと連接し且つ固定対象物に固定可能な固定部42と、を有する。
【0024】
本体41は、X軸方向から見て蓄電素子2と重なる部位である第一本体411と、Z軸方向における第一本体411の一方側の端部から延びる第二本体412と、を有する。
【0025】
第一本体411は、X軸方向から見て蓄電素子2と対応した矩形状の部位であり、X軸方向に貫通する穴4111をY軸方向の両端部に有する。この穴4111には、終端部材40と接続部材44とを固定するための固定部材45(詳しくは、ボルト451)が挿通される。本実施形態の第一本体411では、Z軸方向に間隔をあけた二つの穴4111が、Y軸方向の一方側の端部と他方側の端部とのそれぞれに配置されている。
【0026】
本実施形態の第一本体411では、蓄電素子2側の面に、終端部材40と接続部材44とを連結する固定部材45を構成するナット452が配置されている。このナット452は、第一本体411における穴4111と対応する位置に溶接されている。
【0027】
第二本体412は、矩形状の第一本体411における蓄電素子2の閉塞部212と対応する辺411aから延びる部位である。本実施形態の本体41は、Y軸方向に間隔をあけて配置される二つの第二本体412を有する。これら二つの第二本体412のそれぞれは、第一本体411のZ軸方向の一方側の端部におけるY軸方向の両端から、Z軸方向の一方側に延びる。本実施形態の二つの第二本体412のそれぞれは、Y-Z面に沿った板状である。
【0028】
以上の本体41におけるY軸方向の端部(第二端部)43は、本体41において第二端部43とY軸方向に隣接する部位(隣接部位)433に対して曲がっている。本実施形態の本体41では、Y軸方向の両側の第二端部43のそれぞれが、隣接部位433に対して曲がっている。これら二つの第二端部43のそれぞれは、該第二端部43におけるZ軸方向の一方側の端部(固定部42側の端部)を含む第一部位431と、Z軸方向において第一部位431と隣接する第二部位432とを有する。
【0029】
各第二端部43における第一部位431と第二部位432とは、隣接部位433に対して互いに反対側に曲がっている。詳しくは、第一部位431は、隣接部位433からY軸方向の外側に向けて順に、隣接部位433に対してX軸方向の外側(蓄電素子2と反対側)に向けて曲がる第一リブ部431Aと、第一リブ部431Aに対してY軸方向の外側に向けて曲がる第二リブ部431Bと、を有する(図5及び図6参照)。また、第二部位432は、隣接部位433に対してX軸方向の内側(蓄電素子2の側)に向けて曲がっている。本実施形態の第二部位432には、Z軸方向の中央部に切り欠き432Aが形成されている。この切り欠き432Aは、Z軸方向において、間隔をあけて配置される二つの穴4111の間に位置している。
【0030】
そして、第二端部43において、これら第一部位431と第二部位432とが連続し且つ隣接部位433に対して互いに反対側(X軸方向の一方側と他方側と)に曲がっているため、第一部位431と第二部位432との境界部Bは捻じれている(連続的に向きが変わっている:図3及び図5参照)。この境界部B(第一部位431と第二部位432とが隣接部位433に対して互いに反対側に曲がることで生じた第二端部43における捻じれ)は、Z軸方向における本体41の中央位置より一方側(図3における下側)、より具体的には、第二本体412に形成されている。
【0031】
本実施形態の本体41では、第一本体411のZ軸方向における一方側の端部4112と二つの第二本体412のそれぞれのY軸方向の内側の端部4121とは、X軸方向の外側に向けて曲がっている。
【0032】
固定部42は、蓄電装置1を設置面(固定対象物)に固定するのに用いられる。固定部42は、第二本体412の先端(本体41の第一端部41A)からX軸方向に沿って延び且つX-Y面(X軸とY軸とを含む面)に沿った板状の部位である。本実施形態の固定部42は、二つの第二本体412の各先端からX軸方向の外向き(蓄電素子2から離れる方向)にそれぞれ延びる。各固定部42は、Z軸方向に貫通する穴421を有する。この穴421に例えばボルトが挿通された状態で、該ボルトが設置面に設けられたネジ穴に螺入され、締め込まれることで、蓄電装置1が設置面に固定される。
【0033】
以上の固定部42におけるY軸方向の外側の端部(第三端部)422は、固定部42において第三端部422とY軸方向に隣接する部位(隣接部位)423に対して曲がっている。本実施形態の第三端部422は、第一部位431と連続し且つ隣接部位423に対して第一部位431が位置する側(本実施形態の例では、Z軸方向の他方側:図3における上側)に曲がっている。
【0034】
ここで、「隣接部位423に対して第一部位431が位置する側に第三端部422が曲がっている」とは、本体41と固定部42とをZ軸方向に沿って真っ直ぐになるように伸ばしたときに(本体41における隣接部位433のY軸方向の端縁部が延びる方向と、固定部42における隣接部位423のY軸方向の端縁部が延びる方向とを一致させたときに)、第一部位431が隣接部位433、423に対して曲がっている(第一部位431が位置している)側に第三端部422が曲がっている(位置している)ことである。
【0035】
具体的に、第三端部422は、隣接部位423からY軸方向の外側に向けて順に、隣接部位423に対してZ軸方向の他方側に向けて曲がり且つ第一部位431の第一リブ部431Aと連続する第三リブ部422Aと、第三リブ部422Aに対してY軸方向の外側に向けて曲がり且つ第一部位431の第二リブ部431Bと連続する第四リブ部422Bと、を有する(図5及び図7参照)。
【0036】
また、各固定部42におけるY軸方向の内側の端部424は、Z軸方向の他方側に向けて曲がっている。各固定部42の内側の端部424は、本体41の端部4112、4121と連続し、これら本体41の各端部4112、4121と共に終端部材40の内側リブ部41Rを構成する。
【0037】
以上のように構成される一対の終端部材40のそれぞれは、図1及び図2に示すように、X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子2の両外側において、隣接部材3に当接した状態で該隣接部材3を蓄電素子2(詳しくは、X軸方向の最も外側に配置される蓄電素子2)との間に挟み込むように配置されている。
【0038】
一対の接続部材44は、Y軸方向において複数の蓄電素子2の両側に配置される。これら一対の接続部材44のそれぞれは、複数の蓄電素子2のそれぞれの短壁部215に沿ってX軸方向に延びる接続部材本体441と、接続部材本体441のZ軸方向の他方側の端部からY軸方向に沿って延びる(複数の蓄電素子2のそれぞれの閉塞部212に沿って延びる)第一延設部442と、第一延設部442からZ軸方向の一方側に延びる第二延設部443と、を有する。また、一対の接続部材44のそれぞれは、接続部材本体441のX軸方向の端部から終端部材40におけるX軸方向の外側を向いた面に沿ってY軸方向に延びる被連結部444を有する。本実施形態の接続部材44は、X軸方向の両端部のそれぞれに、被連結部444を有する。即ち、一対の接続部材44のそれぞれは、一対の被連結部444を有する。
【0039】
一対の被連結部444のそれぞれは、接続部材44において、終端部材40(詳しくは、第一本体411)のY軸方向の端部に連結される部位である。この被連結部444は、Y-Z面に沿って広がり且つZ軸方向に長尺な板状の部位であり、Z軸方向における第二端部43の第二部位432に相当する位置に配置されている。また、被連結部444は、終端部材40のY軸方向の端部に設けられた穴4111と対応する位置(X軸方向から見て重なる位置)に、穴4441を有する。本実施形態の終端部材40では、Y軸方向の各端部にZ軸方向に間隔をあけて配置される二つの穴4111が設けられているため、各被連結部444にも、Z軸方向に間隔をあけた二つの穴4441が設けられている。
【0040】
本実施形態の蓄電装置1では、固定部材45を構成するボルト451が接続部材44の被連結部444の穴4441及び終端部材40の穴4111を挿通した状態で、終端部材40の蓄電素子2側の面に配置されたナット452と螺合し、締め込まれることで、接続部材44の被連結部444と終端部材40とが連結(固定)される。
【0041】
インシュレータ5は、絶縁性を有し、接続部材44と複数の蓄電素子2との間に配置される。このインシュレータ5は、接続部材44における少なくとも複数の蓄電素子2と対向する領域を覆う。具体的に、本実施形態のインシュレータ5は、接続部材本体441における各蓄電素子2を向いた面、第一延設部442における各蓄電素子2を向いた面、及び、第二延設部443におけるY軸方向の内側を向いた面、を少なくとも覆う。これにより、インシュレータ5は、接続部材44と、複数の蓄電素子2との間を絶縁する。
【0042】
バスバ6は、金属等の導電性を有する板状の部材である。バスバ6は、蓄電素子2の外部端子22同士、又は、蓄電素子2の外部端子22と外部入出力用端子47とを導通させる。バスバ6は、蓄電装置1において複数(蓄電素子2の数及び外部入出力用端子47の数と対応する数)設けられる。本実施形態の複数のバスバ6は、蓄電装置1に含まれる複数の蓄電素子2の全てを直列に接続する(導通させる)。
【0043】
以上の蓄電装置1によれば、第二端部43の第一部位431と第二部位432との境界部Bが捻じれていることでバネ性を有するため、固定部42が設置面(固定対象物)に固定された状態で蓄電装置1に振動等が加わることで本体41が蓄電素子2に押圧されて固定部42を支点に倒れるように終端部材40が変形しようとしたときに、境界部Bが伸びる(即ち、捻じれが戻るように変形する)ことで、前記押圧に起因する応力が吸収され、これにより、終端部材40の損傷が抑えられる。
【0044】
また、本実施形態の蓄電装置1では、固定部42の第三端部422が、本体41の第二端部43における第一部位431と連続し、且つ、固定部42の隣接部位423に対して第一部位431が位置する側に曲がっている。このように、本体41と固定部42との境界部を含む終端部材40のY軸方向の端部(第一部位431と第三端部422)が、該端部とY軸方向において隣接する部位(隣接部位433、423)に対して曲がっている(いわゆるリブ形状を構成している)ことで、本体41と固定部42との境界部(曲がっている部位)の強度を確保することができる。
【0045】
尚、本発明の蓄電装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0046】
上記実施形態の蓄電装置1では、第一部位431と第二部位432との境界部Bが捻じれている第二端部43が、Y軸方向における終端部材40の両端部にそれぞれ配置されているが、この構成に限定されない。第一部位431と第二部位432との境界部Bが捻じれている第二端部43が、Y軸方向における終端部材40の一方の端部のみに形成されていてもよい。かかる構成によっても、終端部材40の本体41が蓄電素子2によって押圧されたときに、境界部Bが伸びる(捻じれが戻るように変形する)ことで、前記押圧に起因する応力が吸収される。これにより、終端部材40の損傷が抑えられる。
【0047】
第二端部43における境界部Bの位置は限定されない。固定部42が設置面(固定対象物)に固定された状態で本体41が蓄電素子2に押されて固定部42を支点に倒れるように終端部材40が変形しようとしたときに、終端部材40の固定部42周辺で生じる応力を吸収させて該部位(固定部42周辺)での応力集中を効果的に抑えるためには、捻じれ形状の境界部Bが、第二端部43における固定部42に近い位置に配置されることが好ましい。
【0048】
しかし、捻じれ形状の境界部Bが、第二端部43においてZ軸方向のいずれかの位置に配置されていれば、境界部Bがバネ性を有しているため、振動等によって蓄電素子2等から終端部材40に力が加わったときに境界部Bの捻じれが戻るように変形することで終端部材40における境界部B周辺に生じる応力が吸収される。これにより、終端部材40の損傷が抑えられる。
【0049】
上記実施形態の蓄電装置1では、第二端部43の第一部位431と連続した状態で固定部42の第三端部422が隣接部位423に対して曲がっているが、この構成に限定されない。固定部42の第三端部422は、隣接部位423に対して曲がらない、即ち、真っ直ぐな構成であってもよい。
【0050】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、第一部位431が隣接部位433に対してX軸方向の外側に向けて曲がり、第二部位432が隣接部位433に対してX軸方向の内側に向けて曲がっているが、この構成に限定されない。第一部位431が隣接部位433に対してX軸方向の内側に向けて曲がり、第二部位432が隣接部位433に対してX軸方向の外側に向けて曲がっていてもよい。この場合、固定部42の第三端部422は、Z軸方向の一方側に曲がる。
【0051】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、第二端部43に境界部B(捻じれ形状の部位)が一つ配置されているが、複数配置されてもよい。この場合、第二端部43において、隣接部位433に対してX軸方向の外側に向けて曲がる部位(第一部位431に相当する部位)と内側に向けて曲がる部位(第二部位432に相当する部位)とが、Z軸方向において交互に三つ以上並ぶ。
【0052】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、捻じれ形状の端部(境界部B)が本体41におけるY軸方向の外側の端部(第二端部43)に配置されているが、この構成に限定されない。例えば、捻じれ形状の端部(境界部B)は、第二本体412のY軸方向の内側に配置されてもよい。即ち、捻じれ形状の端部(境界部B)は、内側リブ部41Rを構成する第二本体412の端部4121に設けられてもよい。
【0053】
上記実施形態の蓄電装置1では、終端部材40において、固定部42が本体41に対してX軸方向の外側に向けて延びているが、この構成に限定されない。固定部42は、本体41に対してX軸方向の内側に向けて延びていてもよい。
【0054】
また、固定部42は、本体41に対して直交する方向(本体41の法線方向:上記実施形態の例では、X軸方向)に延びているが、本体41に対して傾斜する方向(前記法線方向と交差する方向)等に延びていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、終端部材40の本体41において、二つの第二本体412の間に空間が形成されている、即ち、本体41の一部が切り欠かれた形状であるが、この構成に限定されない。本体41は、矩形状等のような切り欠きのない形状等であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…蓄電装置、2…蓄電素子、21…ケース、211…ケース本体、212…閉塞部、213…胴部、214…長壁部、215…短壁部、216…蓋板、22…外部端子、3…隣接部材、4…保持部材、40…終端部材、41…本体、41A…第一端部、41R…内側リブ部、411…第一本体、411a…辺、4111…穴、4112…第一本体の端部、412…第二本体、4121…第二本体の端部、42…固定部、421…穴、422…第三端部、422A…第三リブ部、422B…第四リブ部、423…第三端部の隣接部位、424…固定部の内側の端部、43…第二端部、431…第一部位、431A…第一リブ部、431B…第二リブ部、432…第二部位、433…第二端部の隣接部位、44…接続部材、441…接続部材本体、442…第一延設部、443…第二延設部、444…被連結部、4441…穴、45…固定部材、451…ボルト、452…ナット、47…外部入出力用端子、5…インシュレータ、6…バスバ、500…電池モジュール、501…二次電池、501A…電池群、502…筐体、502a…壁、502b…挿通孔、503…ボルト、503a…軸部、504…ナット、510…エンドプレート、511…挟持部、512…固定部、513…挿通孔、B…境界部
図1
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図8