(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】小型超強力ハサミ
(51)【国際特許分類】
B26B 13/26 20060101AFI20221110BHJP
B26B 13/22 20060101ALI20221110BHJP
B25F 1/02 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
B26B13/26
B26B13/22
B25F1/02
(21)【出願番号】P 2020188981
(22)【出願日】2020-11-12
(62)【分割の表示】P 2019094133の分割
【原出願日】2019-05-17
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000211569
【氏名又は名称】中松 義郎
(72)【発明者】
【氏名】中松 義郎
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-126076(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174874(JP,U)
【文献】実開昭55-130666(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0283981(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0298661(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0070500(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 13/00-13/28
B26B 17/00
B25F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テコレバーを複数段にしたハサミに於いて、アームや刃の支点で折り返しアームを2つ以上設け、各段の回転軸(回転支点)に対する力点までの距離を、作用点までの距離よりも長くしたことを特徴とする小型超強力ハサミ。
【請求項2】
請求項1のハサミに於いて、 第1段目の前記アームの回転支点から力点迄の間に、折り返しの前記支点を設けたことを特徴とする小型超強力ハサミ。
【請求項3】
請求項1~2のハサミに於いて、n段の回転支点から力点間の距離をXn、n段の回転支点から作用点間の距離をYnとすると、X1/Y1=Xn/Yn(n=2、3・・・)となすように設定した事を特徴とする小型超強力ハサミ。
【請求項4】
請求項3のハサミに於いて、力点に加える力の(X/Y)
N(Nは中心回転支点の数)倍の力が加わることを特徴とする小型超強力ハサミ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型で強力なハサミに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、本発明者の発明したテコレバーを複数段にしたハサミである(特願2013-249111)。
このような多段式ハサミによれば小さい力で強い切断力を発揮することができる。
図1 に於いて (L
1/l
1)
n倍(ただし、nは段数、L
1は力を加える側の長さ、l
1は加わる側の長さ)強力になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら本発明者の特願2013-249111多段式ハサミ(
図1)においては、段数nが増えると、取っ手から刃先までの長さ(
図1のL)が長くなり、形態が大きくなり、狭い場所で使用することが困難な場合があった。
【0004】
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであり、小さい力で強い切断力を発揮することができる多段式ハサミでありながら、小型化出来る小型超強力ハサミの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の小型超強力ハサミは、多段式ハサミの支点から折返したり回転軸を共通にしたりして解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、多段式で増力するハサミの全体形を小さく出来る事、使用時に全体長が伸びないので使用しやすい事、刃先を守れる事、使用時に安全な事。小さい力で強い切断力を発揮出来る事。小型に出来るので狭い場所でも使用することが出来る事。収納も場所もとらない事。側方でも切断出来る事。外ハサミ、内ハサミのどちらかを使える、または内外同時に使う新しい用途が拓ける事、強力ストリッパ、プライヤ、ペンチ、レンチ等としても使用出来る事、など多大な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明者が発明したテコレバーを複数段にしたハサミを示す図である。
【
図2】
図1を更に改善した発明である本発明の第1実施形態に係る小型超強力ハサミを示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る小型超強力ハサミを示す分解図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る小型超強力ハサミを示す図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る小型超強力ハサミを示す分解図である。
【
図6】本発明の第3実施形態に係る小型超強力ハサミを示す図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る小型超強力ハサミを示す分解図である。
【
図8】本発明の第4実施形態に係る小型超強力ハサミを示す図である。
【
図9】本発明の第4実施形態に係る小型超強力ハサミを示す分解図である。
【
図10】本発明の第5実施形態に係る小型超強力ハサミを示す分解図である。
【
図11】本発明の第5の実施形態に係る小型超強力ハサミを示す分解図である。
【
図12】本発明の第6実施形態に係る小型超強力ハサミを示す図である。
【
図17】本発明の第9実施形態の分解部品図である。
【
図18】本発明の第9実施形態に係る小型超強力ハサミを示す図である
【
図19】本発明の第9実施形態に係る小型超強力ハサミを示す。
【
図21】本発明の第10実施形態の部品分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の小型超強力ハサミについて、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は本出願人の発明した特願2013-249111の多段式ハサミである。
1、 2は取っ手である。取っ手1、2は、同じ大きさでも異なる大き
さでもよい。4、5は前記取っ手1、2を設けた加力アームである。3は、加力アーム4と加力アーム5とが結合される第1の中心回転支点
(回転軸)である。これら取っ手1、2の他端側は取っ手1、2により回転力が伝達される回転力伝達機構となっている。具体的には、7が取っ手1側の回転力伝達機構、8が取っ手2側の回転力伝達機構である。
9は回転力伝達機構7の先端部に設けられた回転支点、10は回転伝達機構8の先端部に設けられた回転支点である。11は回転支点9と接続される回転力伝達機構、12は回転支点10と接続される回転力伝達機構(以下、伝達機構ともいう)である。
13は伝達機構11と伝達機構12とが結合される第2の中心回転支点である。14,15はハサミの刃である。刃14は第2の中心回転支点13を介して伝達機構11の開放端側に設けられ、刃15は同じく第2の中心回転支点13を介して伝達機構12の開放端側に設けられる。このように構成されたハサミの動作を説明すれば、以下の通りである。
取っ手1,2を開閉すると、その回転力は第1の中心回転支点3を介
して伝達機構7,8に伝わる。伝達機構7,8は開閉動作を行いこの
開閉動作は回転支点9,10を介して伝達機構11,12に伝わる。
この結果、取っ手1,2が開閉動作を行うと、伝達機構11,12も開
閉動作を行う。
この開閉動作は第2の回転支点13を介して刃14,15に伝わる。
刃14,15は開閉動作を行い、強力に金属板を裁断したり、太い木の
枝を切断出来る。
【0010】
この時のハサミの切断力について説明する。
通常のハサミは、段数が1段(中心回転支点が1つ)である(図示省略)。
図1に示すように、段数が2段の場合(2個の中心回転支点3,13を備えるハサミ)の切断力は、通常のハサミの2乗になる。
すなわち、N段(中心回転支点がN個のハサミ)の切断力は、通常のハサミのN乗になる(Nは整数)。
これは、「てこ」の原理により容易に推測することができる。即ち、物を動かす時に要する力を加える時に、支点と力を加える部分間の距離を長くすれば、必要な力はこの距離に比例して大きくなる。
力を加える側の長さをX、加わる側の長さをYとすれば、レバーアクションはX/Yである。これをN段とすれば増力構造は(X/Y)
Nと強力になる。ハサミの段数を増やせば力がN乗となり、それだけ切断力を強くすることができるのが本発明者が発明した発明の基本理論である。
【0011】
本発明はこの基本理論に基づき、
図1の本発明者の発明を小型化しようとするものである。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る小型超強力ハサミについて
図1、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2は、本発明の小型超強力ハサミ第一実施例で、中心回転支点3の先にアーム7、8を介して次の回転軸9、10があり、これは折返し支点となり、アーム11、12を折返して再び前記中心回転支点3を介して刃14,15が設けられおり、ハンドルとハンドルとの間に空間(ハンドル空間という)に刃14、15を設けた形状としている。
図2を分解すると
図3に示すように、本発明第一実施例の小型超強力ハサミは、4つの部品と止めネジによって構成され、これらの部品を、中心回転支点3の部分を重ねて結合するとともに、回転支点9,10の部分を重ねて結合することで完成する。結合にはネジ等を用いる。
本発明小型超強力ハサミは、取っ手1,2(ハンドル)を閉じると、中心回転支点3を回転軸として伝達機構7,8が回転し、中心回転支点3を回転軸として伝達機構11,12が回転し、当該回転により刃14,15が内側に閉じるように回転する。
これにより、ハンドル空間にある切断対象物(布など)を、刃14,15によって〔0010〕の本発明理論により、強力に切断することができる。
【0012】
本発明小型超強力ハサミは、
図1に示す多段式ハサミにおいて、回転軸3からアーム7,8を径て回転軸9,10に至り、折り返して伝達機構11,12との中心回転支点3を再び使って刃14,15で切る構造としている。
これにより、本発明小型超強力ハサミは、回転軸である中心回転支点を1つに集約し共通化して、小型化している事が特徴である。
従って、ハサミ全体の長さを、伝達機構11,12及び刃14,15の分だけ短くすることができる。
さらに、本発明者発明の第1図の多段式ハサミの場合、取っ手1,2を開閉すると刃14,15の部分が延びるが、本発明の小型超強力ハサミではそのようなことがない。
そして第1図のハサミと同様に、小さい力で強力な切断力を発揮することができる。
図2に示す小型超強力ハサミは、2つの中心回転支点を1つに共通化しているため、小型になるので
図1の多段式ハサミと同等の切断力を発揮することができる。
したがって、本発明の小型超強力ハサミによれば、小型で強い切断力を発揮し、かつ、動作時に、はさみ全体の長さが伸びないので狭い場所での使用や狭い場所でも格納することができるし、更に刃部分14,15を1,2でプロテクトする事が出来るので安全性が増大する。
【0013】
[第2実施形態]
図4及び
図5は、本発明の第2実施形態に係る小型超強力ハサミである。
図4に示すように、第2実施形態の小型超強力ハサミは、第1実施形態の小型超強力ハサミを更にもう一段強力にしたものである。そして刃14,15の向きも外側に向く点において異なる。
第2実施形態の小型超強力ハサミは、
図5の分解図に示すように6つの部品と、止め金(ネジ)によって構成され、これらの部品を、回転支点9,10の部分を重ねて結合し、
折り返し、中心回転支点3の部分で重ねて結合し、さらに回転支点18,19の部分で重ねて結合し、ここで再度折り返し、再び中央回転支点3に戻り、刃14,15を動作させる。
第2実施形態の小型超強力ハサミは、取っ手1,2を開閉すると、中心回転支点3を回転軸としてアーム7,8が開閉し、支点9,10で折り返して結合させたアーム11,12が中央回転軸3を中心に回転し、アーム11,12の端にある支点18,19で折り返されたアーム16,17は再び中央回転軸3に戻って、刃14,15を開閉する三段式の実施例である。これを繰り返して四段五段…N段も本発明に含まれる。
これにより、刃14と刃15の間にある切断対象物を、小型であるが強力に切断することができる。また刃先14,15がアーム7,8でプロテクトされるので刃14,15が傷まず、また、刃が外へ突出していないので使用上も安全である効果がある。
【0014】
第4図の小型超強力ハサミは、3段の多段式ハサミにおける3つの中心回転支点を1つに集約して共通化したものである。
このため、切断力は3段の多段式ハサミと同じでありながら、ハサミ全体の長さを、短くすることができる。
第2実施形態の小型超強力ハサミは、3段の多段式ハサミと同等の切断力を有するため、2段の多段式ハサミと同等の切断力を有する第2図の第1実施形態よりも切断力が強く、長さは、第1実施形態の小型超強力ハサミと同等である。
また、第1実施形態と同様、取っ手1,2を閉じても、多段式ハサミのように刃14,15が外側に延びることがないので、使用時にかさばらない効果がある。
したがって、第2実施形態の小型超強力ハサミによれば、さらに強い切断力を発揮し、かつ、狭い場所でも使用することができる。
【0015】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る小型超強力ハサミについて
図6及び
図7を参照しながら説明する。
この第3実施形態は
図4、
図5の第2実施形態よりも更に使用時や保管時の安全性を高めたものである。
即ち
図4、
図5の7、8の先端部分と異なり、
図6、
図7に示す如く、7,8の先端部分を、半円形の防護突起24,25としたものである。7,8では
11,12の先端を半円形型にふくらませて、防護突起にしてもよい。刃14,15を閉じる時に両者合体して円形となり刃先が尖った状態でなく、安全に手渡しや格納が出来る効果がある。
又、ハサミを使用中も安全度が向上する。
【0016】
[第4実施形態]
図8及び
図9に示すように、第4実施形態の小型超強力ハサミは、内側の刃14,15と外側の刃20,21の両方を設けたものである。
第4実施形態の小型超強力ハサミは取っ手1,2を開閉すると中心回転支点3を中心にアーム7,8が開閉し、支点9,10で折り返してアーム11,12が中心回転する支点3を再び使用して開閉する。
折返しアーム11,12の基端に内向きの刃20,21を設け、アーム11,12の先端に逆向きに(外向きに)刃14,15を設ける(
図9の分解図参照)。
従って取っ手1,2を開閉すると外刃20,21と内刃14,15が共に開閉する。従って使用者は外ハサミ、内ハサミどちらか好きな方を使えるし、同時に両方を使う用途へも拡がる。
【0017】
〔第5実施形態〕
第5実施例の出来上がった状態は
図8と似ているが、異なるハサミを外と内の2ケ所に設けるが、部品と構成が第4実施例と異なる。
図10は本発明の第5実施形態、
図11はその部品分解図を示す。
第5実施形態の小型超強力ハサミは、取っ手1,2を開閉すると、中心回転支点3を中心にアーム7,8に設けた刃20,21が開閉し、支点9,10で折り返して中心回転支点3を中心にアーム11,12が開閉し、当該開閉により、刃14,15が中心回転支点3を中心に開閉するとともに刃20,21が内側に閉じるように回転する。アーム7,8にそれぞれ刃20,21を設けた事が第5実施例の特徴である。
これにより、刃14と刃15の間にある切断対象物を刃14,15によって切断可能と共に、刃20と刃21の間にある切断対象物を刃20,21によって切断することができる。
つまり、ハサミの手前側において切断対象物を切断すると同時又は別々にハサミの先側において切断対象物を切断することができる。
第4と第5実施形態の小型超強力ハサミは、2段の多段式ハサミにおける中心回転支点を1つに共通化したものであるため、第1実施形態の小型超強力ハサミと同様の効果に加え、ハサミの内側でも外側でも切れるという大きな効果を有する。
【0018】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態に係る小型超強力ハサミについて
図12及びその分解
図13を参照しながら説明する。
図12及び
図13に示すように、第6実施形態の小型超強力ハサミは、アーム11,12と刃22,23の角度をほぼL字状に形成することで、刃22,23を横側(図において上側)に配置する本発明実施例である。
第6実施形態の小型超強力ハサミは、取っ手1,2を開閉すると、中心回転支点3を中心にアーム7,8が開閉し、支点9,10で折り返したアーム11,12が中心回転支点3を中心に開閉し、前記アーム11,12とL型状に一体化された刃22,23が開閉する。
これにより、刃22と刃23の間にある切断対象物を刃22,23によって切断することができる。
つまり、ハサミの横側にある切断対象物を強力に切断することができるので、ケーブル切断など横方向にある切断物を強力に切断出来るなど大きな効果がある。
【0019】
〔第7実施形態〕
本発明の第7実施例を第14図に示す。
本実施例は第12図に示した第6実施例のL型刃22,23に加え、外側(図で右側)にも刃20,21を設けたものである。但し、このL型刃は第6実施例と逆重ねにした実施例だが、このL型刃を第6実施例と同じにしてもよい。取っ手1,2を開閉する事により側方(図で上方の刃22,23と前方の刃(図で右)20,21がそれぞれ開閉して対象物を切断できる。これを部品として分解すると
図15のアーム7,8に刃20,21を加えたものである。
【0020】
〔
図8実施形態〕
本発明の第8実施例を
図16、
図17に示す。一見第14図と似ているが異なるもので、
図17の如く、部品が第7実施例と異なり、図に示す如く、刃20,21をアーム11,12に設け、且つL型に刃30,31を設けたものである。取っ手1,2を開閉する事により、側方(図で上)の刃30,31と前方(図で右)の刃20,21が動作してそれぞれの位置にある対象物を切断できる。
【0021】
〔第9の実施形態〕
本発明の第9実施形態を第18図及び19図に示す。
本第9実施形態は前記迄の実施形態の前にもう一段レバー機構を入れて、更に強力にしたものである。
即ち、本実施形態第9は、
図1の一段目、即ち1,2,3,4,5,7,8,9,10,二段目11,12,13,14,15はほぼそのままの形状、但し14,15に、刃は設けず
図18の如く、14,15の先端に支点9,10を設ける。
支点9,10に折り返してアーム11,12を設け、第2の中心回転軸13を経て、その他端に支点18,19を設け、ここに再更折り返しアーム16,17がつながる。アーム16,17は中央回転軸13を中心に振揺転し、刃14,15が開閉して、物を切断する。
図19はその分解図を示す。
【0022】
〔第10実施形態〕
本発明の第10実施形態を
図20で示す。その分解図を
図21で示す。第10実施形態は第9実施形態の11,12に刃14,15を設けたものに支点9、10を設けて、それから折り返して、レバー20,21を設け、ここにL型刃22、23を設けたものである。または、本発明第9実施例の刃14,15にさらにL型刃22,23を側方(図で上方)に設けたのが本発明第10実施例である。
【0023】
〔第11実施形態〕
本発明第11実施例は第9実施例や第10実施例に於いて第1段レバー機構(1,2,3,7,8,9,10)を、2段,3段…n段とし、その先に折り返し部を設けたものが本発明の第11実施例である。
【0024】
[第12実施形態]
図22は本発明の第12実施形態を示す。
本実施形態は
図1に於いて、1,2,3,4,5以内で折返すというものである。これによりさらにコンパクト化出来る。これを
図22で説明すると、加力アーム4,5の中間にアーム中間支点30,31を設け、ここに二段目折返しアーム11、12を設け、第二回転支点13により刃14,15を開閉する。取手1,2を加力すると、回転中心3と取手の中間に、例えば4対1に30,31を配置すると、レバーアクションにより30,31は4倍の強い力が加わり刃14,15に強力が与えられる。しかも全体がアーム4,5内に収められ、コンパクトであり、又、刃14,15が内側に収められているので安全であるという大きな効果がある。
第12実施形態の分解図は
図23で示す。
【0025】
[第13実施形態]
図24は本発明の第13実施形態を示す。
これは
図22の加力アーム4,5の先に刃20,21を設けたもので、強度の異なる二つのハサミ(14,15と20,21)を一個内に設け、これを任意に選んで使用出来る効果がある。
【0026】
[第14実施形態]
本発明は前記刃14,15,20,21,22,23を刃ではなく、ストリッパやペンチやレンチとするのが、本発明第14実施形態である。
例えば本発明第20図を25図の如く本発明第14実施形態としたものである。
ここで、40,41はワイヤ被覆を除去するストリッパ、50,51はパイプ等を潰せるペンチ、60,61はボルト等を締めたりするレンチである。本発明を使用するには、先ず強力刃14,15で電線を切断し、次に電線をストリッパ40,41に挟んで電線を引いて、電線の被覆を取り去り電線を裸にして接合出来る。又、電線をパイプに入れ、パイプをペンチ50,51に挟んで末端を潰したり、ボルトをレンチ60,61に挟んで固定又は回転させたり、またはパイプを刃14,15に挟んで、切断することが出来る。
【0027】
[第15実施形態]
第15実施形態の小型超強力ハサミは、第1から第14実施形態の小型超強力ハサミの開閉を人力でなくモータやソレノイドや油圧で作動させるもので、ソレノイドコイル71と磁心70による一例を
図26(A)に示す。
図26(B)は中央回転軸3にモータ72を設けた実施例である(モータやソレノイドや油圧によるメカは公知技術であるので特に詳しくは図示しない)。
第15実施形態の小型超強力ハサミによれば、ハサミをモータやソレノイドや油圧により駆動させることができるので、人力より更に強力な切断力を発揮することができる。
例えば、厚い金属板などを切断・裁断することができる効果を発揮する。
【0028】
本発明は上記の詳細に限るものでは無く、本発明思想を含むものは本発明の範囲である。例えば、基本理論に基づいた、第1段の加力アーム側をX1、伝達機構側をY2の長さ、第n段も同様にXn,Ynとすると、X1/Y1=Xn/Yn(n=2,3・・・)となすように、テコレバーおよび折返しアームを設計可能な範囲で任意の長さに設定し、回転軸を分離させた場合も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は小型であるのに、少ない力で強力に切断できるので、従来切断されないものを切断出来る事、作業に場所をとらないので狭い場所でも作業が出来る事、小型なので収納に場所を取らない事、使用上安全であること、切断のみならず被覆除去、圧迫などの機能を持たせる事が出来る事、被覆の刃やペンチ、ストリッパなど複数の機能を一台で出来る事、など業務用ハサミ、園芸ハサミ、工業用ハサミ等の各種のハサミに適用され産業上の利用可能性大である。
【符号の説明】
【0030】
1,2 取っ手
3 中心回転支点
4, 5 加力アーム
7,8 受力アーム
9,10,18,19 伝達回転支点
11,12 2段目アーム
13 第二回転支点
14,15,20,21,22,23 刃
16,17 再再折返しアーム
24,25 防護突起
30,31 アーム中間支点
40,41 ストリッパ
50,51 ペンチ
60,61 レンチ
70 ソレノイド 磁心
71 ソレノイドコイル
72 モータ