(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】照明付き鏡
(51)【国際特許分類】
A47G 1/00 20060101AFI20221110BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20221110BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221110BHJP
【FI】
A47G1/00 D
F21V33/00 130
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021090845
(22)【出願日】2021-05-31
(62)【分割の表示】P 2018049706の分割
【原出願日】2018-03-16
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】394018409
【氏名又は名称】株式会社稲葉電機
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 博文
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 崇
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-154994(JP,A)
【文献】特開2016-071943(JP,A)
【文献】特開2012-114054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 1/00-1/02
F21V 33/00
F21Y 115/10
A45D 42/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡
(A)の背面側
に設けたLED光源
(3)からの
出射光が前記鏡
(A)の透光部
(B)から
前記鏡(A)の表面側に出射されて、
前記鏡
(A)の
表面側を照明できる照明付き鏡において、
前記鏡
(A)の裏面に鏡側治具
(5)を取り付けた鏡側(2)と、設置箇所に取り付け可能な設置側治具(6)を備えた設置側(4)を備え、前記鏡側(2)と前記設置側(4)は別々に構成されており、
前記鏡
(A)は
外周縁部側にリング状又は略リング状に設けられ
た前記透光部(B)と、前記透光部(B)の内側に設けられた内側鏡面部(18)を備えており、
前記鏡側治具
(5)は鏡側周壁(30)を備えた枠状であり、前記鏡側周壁(30)の内側に収容空間(14)があり、前記鏡(A)の前記内側鏡面部(18)の裏面に取り付けられて前記鏡(A)の前記透光部(B)を前記鏡側周壁(30)で囲って前記鏡(A)の裏面後方に突出しており、
前記設置側治具(6)は設置箇所(W)に取り付けられる取付け部(50)と、前記鏡側治具(5)の前記鏡側周壁(30)と嵌合できる設置側周壁(60)があり、前記設置側周壁(60)の内側に前記LED光源(3)を備えており、前記取付け部(50)を前記設置箇所(W)に取り付けると前記設置側周壁(60)が前記鏡側治具(5)の前記鏡側周壁(30)側に突出して前記鏡側周壁(30)と嵌合することができ、
嵌合させた前記鏡側治具(5)の前記鏡側周壁(30)と前記設置側治具(6)の前記設置側周壁(60)を連結することにより、前記設置側治具(6)の前記LED光源(3)が前記鏡側治具(5)の前記収容空間(14)内に収容配置されて、前記LED光源
(3)からの
出射光が前記収容空間
(14)内を通って、
前記鏡
(A)の
前記透光部
(B)から
前記鏡
(A)の
表面側に出射して
前記鏡
(A)の
表面側を照明できる
ようにした、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【請求項2】
請求項1記載の照明付き鏡において、
鏡側治具(5)の背面にLED光源(3)を出し入れできる開口部(40)があり、
前記鏡側治具(5)を設置側治具(6)の前面に配置して、前記鏡側治具(5)の鏡側周壁(30)と前記設置側治具(6)の設置側周壁(60)を嵌合すると、前記LED光源(3)が前記鏡側治具(5)の開口部(40)を通過して前記鏡側治具(5)の収容空間(14)内に収容配置され、
嵌合された前記鏡側治具(5)の前記鏡側周壁(30)と前記設置側治具(6)の前記設置側周壁(60)を連結固定することにより、鏡側(2)を設置側(4)の前面に取り付けることができ、前記鏡側周壁(30)と、前記設置側周壁(60)の連結固定を外すことにより、前記LED光源(3)を前記設置側治具(6)に残して前記鏡側治具(5)を前記設置側治具(6)から取り外すことができる、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の照明付き鏡において、
鏡側(2)は、内側鏡面部(18)の裏面にミラーマット(11)が貼られ、前記ミラーマット(11)の裏側に支持板(9)があり、前記支持板(9)と鏡側治具(5)との間にスペーサ(13)を入れて前記支持板(9)と前記鏡側治具(5)が取り付けられて、前記支持板(9)と前記鏡側治具(5)の間に収容空間(14)が設けられた、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明付き鏡において、
鏡側治具(5)の内面に反射材(15)があり、LED光源(3)からの出射光が、前記反射材(15)で反射されて、鏡(A)の透光部(B)から前記鏡(A)の表面側に出射されるようにした、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の照明付き鏡において、
LED光源
(3)は、多数のLEDが、
設置側治具(6)の設置側周壁(60)の内側であって鏡
(A)の透光部
(B)の内側に設けられた光源枠
(23)に沿って取り付けられたものである、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の照明付き鏡において、
少なくとも透光部(B)を囲った鏡側治具(5)の鏡側周壁(30)は、LED光源(3)からの出射光を遮光できる材料で成形されている、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【請求項7】
鏡(A)の背面側に設けたLED光源(3)からの出射光が前記鏡(A)の透光部(B)から前記鏡(A)の表面側に出射されて、前記鏡(A)の表面側を照明できる照明付き鏡において、
前記鏡(A)の裏面に鏡側治具(5)を取り付けた鏡側(2)と、設置箇所(W)
に取り付け可能な設置側治具(6)を備えた設置側(4)と、LED光源(3)を備え、前記鏡側(2)と前記設置側(4)は前記LED光源(3)を挟んで連結固定されており、
前記鏡(A)は外周縁部(20)側にリング状又は略リング状に設けられた前記透光部(B)と、前記透光部(B)の内側に設けられた内側鏡面部(18)を備えており、
前記鏡側治具(5)は鏡側周壁(30)を備えた枠状であり、前記鏡(A)の前記内側鏡面部(18)の裏面に取り付けられて前記鏡(A)の前記透光部(B)を前記鏡側周壁(30)で囲っており、且つ前記鏡(A)の裏面後方に突出しており、
前記設置側治具(6)は設置箇所(W)に取り付けられる取付け部(50)と、前記鏡側治具(5)の前記鏡側周壁(30)と嵌合できる設置側周壁(60)を備えており、
前記鏡側治具(5)の前記鏡側周壁(30)と前記設置側治具(6)の前記設置側周壁(60)が嵌合して脱着可能に連結され、連結された前記鏡側治具(5)と前記設置側治具(6)の間に形成された収容空間(14)内に前記LED光源(3)が収容配置されており、
前記LED光源(3)からの出射光が前記収容空間(14)内を通過して前記鏡(A)の前記透光部(B)から前記鏡(A)の表面側に出射して前記鏡(A)の表面側を照明できるようにした、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【請求項8】
請求項7記載の照明付き鏡において、
鏡側(2)と設置側(4)が請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の鏡側(2)と設置側(4)であり、
鏡側治具(5)の鏡側周壁(30)と設置側治具(6)の設置側周壁(60)が嵌合されて脱着可能に連結された、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【請求項9】
請求項7又は請求項8記載の照明付き鏡において、
鏡(A)の透光部(B)よりも外側の外周縁部(20)が、鏡側治具(5)の鏡側周壁(30)及び設置側治具(6)の設置側周壁(60)よりも外側に突出している、
ことを特徴とする照明付き鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鏡の背面に設けたLEDからの照明光が鏡の透光部から照射されるようにした照明付き鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
前記のような照明付き鏡は公知である(特許文献1~3)。特許文献1~3記載の照明付き鏡は、鏡の一部に透光部があり、鏡の背面に設けたLEDからの光(照明光)が透光部を通して鏡の前方に照射するようにしてある。
【0003】
特許文献1、2記載の照明付き鏡はいずれもLEDが鏡の透光部の真後ろにあるため、直進性のあるLED光が透光部から鏡の前面にビーム状に出射して眩しくなる。また、多くのLEDからの光が直接照射されて点状照射になるため、LED光の部分だけが局部的に明るくなり、透光部の明るさにむらができやすい。
【0004】
特許文献3記載の照明付き鏡は、LEDが透光部の側方にあるため眩しさが軽減され、また、LEDを透光部の真後ろに設ける場合よりも照明付き鏡を薄型化できるという利点がある。
【0005】
照明付き鏡には各種形状、サイズ、重量のものがあり、透光部の位置、形状も各種ある。一例として、
図13のように、鏡Aの左右両側寄りの箇所に透光部Bが二本平行に形成されたもの、
図14(a)のように鏡Aの外周寄りの箇所に透光部Bがリング状(角形リング状)に形成されているもの、
図14(b)のように鏡Aの外周寄りの箇所に透光部Bが略リング状(角形リング状の一部が欠けている状態)に形成されているもの、
図14(c)のように鏡Aの外周寄りの箇所に透光部Bが断続的に略リング状に形成されているもの等々がある。
【0006】
照明付き鏡は、鏡の周縁部に枠(フレーム)を取り付けて額装し、額を壁や洗面台等(以下、「設置箇所」という。)に取り付けるとか、額の背板に支持脚を取り付けてスタンド形式にするとか、額装せずに設置箇所に取り付けるなどして使用されている。
【0007】
図12のように縦長方形の鏡Aの左右両側に並行に透光部Bのある照明付き鏡の場合、鏡Aの裏面に側面視コ字形の取付け治具CをミラーマットDで貼り付けた鏡側Eと、方形枠状のフレームFにLED光源Gを取り付けた光源側Hに分離可能とし、鏡側Eの取付け治具Cを光源側HのフレームFの内側にセットし、フレームFの外側から取付け治具CにビスIをねじ込んで鏡側Eと光源側Hを連結している。
【0008】
図12のように、透光部Bが鏡Aの左右両側にある場合は、取付け治具Cを鏡Aの裏面に貼り付けても、LED光源Gからの照明光は取付け治具Cで遮光されることなく、透光部Bから出射され、照明に明るさむらが生じない。
【0009】
しかし、透光部Bが
図14(a)のようにリング状である場合、または
図14(b)(c)のように略リング状である場合は、LED光源Gからの照明光がそれら透光部Bから出射されるようにするためには、LED光源Gを透光部Bの内側にリング状又は略リング状に配置することになる。この場合、
図12のように鏡Aの裏面に取付け治具CをミラーマットDで貼り付けると、LED光源Gからの照明光が取付け治具Cで遮光されて透光部Bから出射し難くなる。取付け治具Cで遮光されないようにするためには、取付け治具Cを小さくするとか、LED光源Gを透光部Bの外側の鏡面部J(
図14(a)~(c))の背面に設けることが考えられる。しかし、取付け治具Cを小さくするとミラーマットのサイズも小さくなるため、鏡Aのサイズが大きく、重い場合は、ミラーマットDの耐荷重性が不足して鏡Aを支持できないとか支持が不安定になるといった問題がある。LED光源Gを透光部Bの外側の鏡面部Jの背面に設けると、サイズの大きなミラーマットDを使用できるため、前記問題は解消されるが、外側の鏡面部Jの幅が狭い場合は、LED光源Gと透光部Bとの距離が近くなるため、多くのLEDを設けると透光部Bから出射される照明光に明るさむらが生じるという問題がある。鏡Aの外周にフレームを取り付けて額装すると前記問題は生じないが、場合によって額装できないとか、額装したくないといったことがある。これらの場合は前記問題を解消することはできない。また、
図13のKはフレームFの内面に取り付けた背板である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2008-220493号公報
【文献】実用新案登録第3167562号公報
【文献】特開2014-203688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、透光部がリング状又は略リング状(以下、両者をまとめて「リング状」という。)である鏡であっても、重い鏡であっても、設置箇所に容易かつ確実に取り付けることができ、しかも、LED光源からの照明光が取付け治具で遮光されることなく照明むらが生じにくくなるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の照明付き鏡は、鏡の背面に設けたLED光源からの照明光が、鏡の透光部から鏡の前方に出射して鏡の前方を照明できる照明付き鏡であり、鏡を備えた鏡側とLED光源を備えた光源側があり、鏡側は鏡面部の周囲にリング状の透光部(非鏡面部)がある鏡と止め具と鏡側治具があり、止め具と鏡側治具は鏡面部裏面に固定されている。鏡側治具と止め具は鏡の鏡面部裏面にミラーマットで接着固定することができる。光源側はLED光源を備え、LED光源が壁や洗面台等の設置箇所に取り付ける光源側治具の内側にリング状に取り付けられており、前記鏡側治具と光源側治具を連結することにより鏡側と光源側が連結されて、LED光源が鏡の鏡面部の背面であって鏡面部の側方内側に配置される照明付き鏡である。鏡側治具と光源側治具は連結・分離可能に連結するのが望ましい。止め具はネジのような細いものにするのが望ましい。鏡側治具の内面に反射材を設けるのが望ましい。本発明におけるリング状とは、角形、円形、ハート形、菱形といった任意形状のリング状、それらの一部が断続している略リング状の全てを含むものである。前記光源側は壁や洗面台等の設置箇所に取り付け(設置)可能なものであるため、以下の説明及び特許請求の範囲では、光源側を「設置側」と、光源側治具を「設置側治具」と記載する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の照明付き鏡は次の効果を奏する。
(1)鏡側治具と止め具が鏡の鏡面部背面に固定されているため、鏡側治具を光源側治具(設置側治具)に取り付けても、LED光源からの照明光が鏡側治具と止め具で遮光されることなく、鏡のリング状の透光部全体から均等に出射され、照明むらができない。
(2)鏡側治具と止め具を鏡面部裏面にミラーマットで接着すれば、重い鏡でも、大きい鏡であっても確実に取り付け可能である。
(3)鏡側治具と光源側治具(設置側治具)とを連結・分離可能とすれば、両治具を分離して、光源側治具(設置側治具)を設置箇所に取り付けてから、鏡側治具を光源側治具(設置側治具)に連結できるため、設置箇所への取り付けが容易である。
(4)LEDが鏡面部の背面であって透光部の側方内側に設けられているので、LEDからの照明光が透光部に直進せず、眩しさが軽減される。
(5)鏡側治具の内面に反射材を設ければ、照明光が反射材で反射されて増光され、鏡面治具の内面全般に広がり、透光部から出射する照明光がLED光そのものよりも明るくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の照明付き鏡の一例であって、鏡側から見た斜視図。
【
図2】本発明の照明付き鏡の一例であって、鏡側と光源側(設置側)の斜視図。
【
図4】本発明の照明付き鏡の鏡側の組立図であって、支持板を止め具で鏡側治具に取り付けた状態の斜視図。
【
図5】本発明の照明付き鏡の鏡側の組立図であって、鏡側治具に取り付けた支持板にミラーマットを貼り付けた状態の斜視図。
【
図6】本発明の照明付き鏡を壁に取り付ける途中の取付け説明断面図。
【
図7】本発明の照明付き鏡を壁に取り付けた状態の断面図。
【
図8】本発明の照明付き鏡の鏡側の他例の組立説明図。
【
図9】(a)は
図8の鏡側の組立説明図、(b)は(a)の組立手順で組み立てた鏡側の背面斜視図。
【
図10】本発明の他の照明付き鏡を壁に取り付ける途中の取付け説明断面図。
【
図11】本発明の他の照明付き鏡を壁に取り付けた状態の断面図。
【
図12】従来の照明付き鏡の説明図であって、鏡側と光源側(設置側)の分解側面図。
【
図14】(a)はリング状の透光部を備えた鏡の正面図、(b)は略リング状の透光部を備えた鏡の正面図、(c)は透光部を断続リング状に備えた鏡の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
本発明の照明付き鏡の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1の照明付き鏡1は鏡Aを備えた鏡側2(
図2)と、LED光源3を備えた光源側(設置側)4(
図2)から構成される。鏡側2は箱型の鏡側治具5を、設置側4は内側開口の箱
型の光源側治具(設置側治具)6を備えており、設置側治具6は鏡側治具5よりも一回り大きなサイズの縦長角型であり、その内側に鏡側治具5を嵌め込む(嵌合する)ことができるようにしてある。嵌合してから設置側治具6の外周四方から鏡側治具5に止め具(例えば、ビス)7をねじ込むことにより、鏡側2と設置側4が連結される。
【0016】
[鏡側]
鏡側2は、縦長方形の枠状の鏡側治具5(
図3)の内側に、支持板9(
図3)が止め具(例えば、ネジ)10で固定され(
図3、
図4)、支持板9の外面(
図3、
図4の左側面)にミラーマット11が貼られ(
図5)、ミラーマット11に鏡Aが貼り付けられている。この場合、鏡側治具5と支持板9との間に筒状のスペーサ13(
図3)を入れて、鏡側治具5と支持板9との間にスペーサ13の長さ分の収容空間(光通路)14(
図6)を確保してある。ミラーマット11には汎用のミラーマットを使用することができる。汎用のミラーマットは、樹脂板、ゴム板等の弾性板の両面が接着面となっている。
【0017】
鏡Aは縦長板状であり、外周縁部
20側に透光部Bがリング状に設けられており、透光部Bの外側
(外周縁部20側)が外側鏡面部(像が写る鏡面)17、内側が内側鏡面部(像が写る鏡面)18となっている。鏡Aは円盤状、縦長楕円形といった任意形状であってもよい。透光部Bは透明、半透明、不透明のいずれであってもよく、着色されていても、着色されていなくてもよい。透光部の位置、透光部の形状、広さ等は任意に設計することができる。形状は鏡Aの形状に合わせて、例えば、円盤状、縦長楕円形、ハート形、星形、月形、波形といった図形、模様といった任意の形状、デザインとすることができる。場合によっては宣伝用の社名や漢字、アルファベット、平仮名、片仮名等(文字)や数字等とすることもできる。透光部Bは
図14(b)のような角形リングであって一部が途切れている略リング状であってもよく、
図14(c)のような断続的な円形リング状であってもよい。鏡Aは外側鏡面部17がないものであってもよい。
【0018】
鏡側治具5は金属製であり、
縦長方形の鏡側周壁30(図2~図4、図6、図8、図9)を備えた縦長枠状であ
り、鏡側周壁30の内側に開口部40(図2~図4、図6、図8、図9)がある。支持板9はアルミ板、SUS板等の板材である。
図3の実施例では軽量化の面からアルミ板を使用してある。鏡側治具5の
鏡側周壁30の内周面と支持板9(
図9(a))の内面には反射材15(
図6)が貼られている。反射材15はシート状、フィルム状、板状等であり、
図6の実施例では汎用の表面ホワイトフィルム、例えば、東レ株式会社製のルミナー(登録商標。以下同じ。)を使用してあるが、他の反射材を用いることもできる。反射材はシートを貼るのではなく、塗料を塗布(コーティング)することもできる。
【0019】
[光源側(設置側)]
設置側4(
図2)は、縦長方形の枠状の設置側治具6(
図3、図6)
を備えており、設置側治具6は平板状の取付け部50(図3、図6)の内側に開口部21
(図3)があり、その内側に背板22(
図6)があり、背板22の内側に光源枠23が取付けられており、その光源枠23の外周面にLED光源3が取り付けられている。
取付け部50の外周には縦長方形の枠状の設置側周壁60(図3、図6)がある。LED光源3には基板に多数のLEDが取り付けられたLEDモジュールを使用することができる。背板22には各種板材を使用できるが、強度、軽量化の面から汎用のアルミ複合板が使用されている。光源枠23は帯状の金属板であり、縦向きにして背板22の内面にリング状に取り付けてある。光源枠23はアルミ製をはじめとして各種材質製とすることができるが、熱伝導性に優れたものが適する。例えば、樹脂に熱伝導性に優れた炭素繊維を混合した材料でも使用可能である。LED光源3には汎用のLEDが使用されており、光源枠23の外周面全周に略一定間隔で取り付けてある。光源枠23は鏡Aのリング状の透光部Bよりも小さいリング状にしてある。汎用のアルミ複合板は二枚の薄いアルミ板間に樹脂が挟まれているのが一般的である。
【0020】
LED光源3の電源には商用電源を用いることができる。この場合、電源コード27(
図6)を設置側4の背板22の孔28(
図6)から外側に引き出しておき、電源コード27の先端のプラグをコンセントに差し込めるようにしておけばよい。
【0021】
[組み立て]
鏡側2と設置側4は
図2のように、鏡側治具5を設置側治具6の内側に嵌合し、設置側治具6の外側から鏡側治具5に止め具7をねじ込んで、両治具5、6を
図1のように連結して(組み立てて)照明付き鏡1とすることができる。組み立てることにより、LED光源3が鏡Aの透光部Bの内側に配置されて、LED光源3から出射される照明光が鏡Aの透光部Bの後ろ側方から入射するようにしてある。
【0022】
連結した鏡側治具5と設置側治具6の間から内部に水や粉塵が入りこまないように、鏡側治具5と設置側治具6の間にはゴム製或いは樹脂製のパッキンなどのシーリング材を設けておくのが好ましい。
【0023】
[壁、洗面台等への取り付け]
本発明の照明付き鏡1は壁や洗面台等(設置箇所)に取り付けたり、他の箇所に設置したりすることができる。一例として壁に取り付ける場合について説明する。
(1)
図6のように、設置側治具6を止め具(ネジ)26で設置箇所Wに取り付ける。
(2)前記取り付け後の設置側治具6の内側に鏡側治具5を嵌合し、設置側治具6の外周四方から鏡側2まで止め具(ビス)25をねじ込んで、
図7のように両治具5、6を連結し、鏡側2を設置側4に固定する。
【0024】
(実施形態2)
本発明の照明付き鏡の実施形態2を図面に基づいて説明する。実施形態2の基本的構成は実施形態1と同じであり、異なるのは
図8のように、支持板9から鏡側治具5までねじ込んだ止め具10の先端にナット16を螺合し、ナット16を締め付けて
図9(b)、
図10のように止め具10を鏡側治具5に固定することである。
【0025】
[組み立て]
この鏡側2と設置側4は
図10、
図11のように、鏡側治具5を設置側治具6の内側に嵌合し、設置側治具6の外側からビス25をねじ込んで、両治具5、6を連結して、鏡側2と設置側4を組み立てて照明付き鏡1にする。
【0026】
[取り付け]
照明付き鏡1を壁面や洗面台等の設置箇所に取り付けるには次のようにして取り付けることができる。
(1)
図10のように、設置側治具6を止め具(ネジ)26で設置箇所Wに取り付ける。
(2)
図11のように、前記取り付け後の設置側治具6の内側に鏡側治具5を嵌合し、設置側治具6の外周四方から鏡側治具5までビス25をねじ込んで、両治具5、6を連結して、
図11のように鏡側2を設置側4に固定する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の照明付き鏡は、通常の鏡と同様、洗面所、浴室、トイレ、試着室、理容室、美容室等に設置して使用することができる。可能であれば、屋外に設置することもできる。鏡Aの表面、或いはその外側近傍、或いは鏡Aを配置した室内に、人感センサを設けて、それにより、人が感知されたらLED光源が点灯するようにしておくこともできる。
【符号の説明】
【0028】
1 照明付き鏡
2 鏡側
3 LED光源
4 光源側(設置側)
5 鏡側治具
6 光源側治具(設置側治具)
7 止め具(ビス)
9 支持板
10 止め具(ネジ)
11 ミラーマット
13 スペーサ
14 収容空間(光通路)
15 反射材
16 ナット
17 (鏡の)外側鏡面部
18 (鏡の)内側鏡面部
20 (鏡の)外周縁部
21 (光源側治具の)開口部
22 背板
23 光源枠
25 止め具(ビス)
26 止め具(ネジ)
27 電源コード
28 (背板の)孔
30 鏡側周壁
40 (鏡側治具の)開口部
50 (設置側治具の)取付け部
60 設置側周壁
A 鏡
B 透光部
C 取付け治具
D ミラーマット
E 鏡側
F フレーム
G LED光源
H 光源側
I ビス
J 鏡面部
K 背板
W 設置箇所