(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20221110BHJP
【FI】
G06Q50/18 330
(21)【出願番号】P 2021146812
(22)【出願日】2021-09-09
【審査請求日】2021-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521392309
【氏名又は名称】エリアブライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】山田 風悟
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-015398(JP,A)
【文献】特開2002-312624(JP,A)
【文献】特開2006-215797(JP,A)
【文献】特開2008-027087(JP,A)
【文献】寺島 聡宏ほか,データジャケットとブロックチェーンによるデータを活用した異業種共創の実際,電子情報通信学会技術研究報告[online],日本,一般社団法人電子情報通信学会,2019年02月15日,第118巻,第453号,第17~21頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクトに参加する共同事業体への参加の応募を応募企業から受け付けると、前記共同事業体に参加する企業を募集する募集企業と、前記応募企業との間で、前記共同事業体を結成するために使用する情報を相互に提供するための第1契約
に係る契約書を生成して前記募集企業と前記応募企業とのそれぞれに提示し、前記募集企業と前記応募企業のそれぞれから前記第1契約の締結の承認を受け付けることにより前記第1契約を締結
し、前記第1契約を締結した後に、前記募集企業に前記応募企業に関する情報を開示するとともに、前記応募企業に前記募集企業に関する情報を開示する第1締結部と、
前記第1締結部により前記募集企業と前記第1契約を締結した複数の応募企業のうち、前記募集企業が前記共同事業体に参加させたい複数の応募企業の選択を前記募集企業から受け付けると、選択された複数の前記応募企業それぞれの間
、及び前記募集企業と選択された複数の前記応募企業それぞれとの間で前記共同事業体を結成するために使用する情報を相互に提供するための第2契約を締結するための契約書を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記契約書を選択された複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、選択された複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受けることにより前記第2契約を締結
し、前記第2契約を締結した後に、前記募集企業と、選択された複数の前記応募企業それぞれとに、前記第2契約を締結した企業に関する情報を開示する第2締結部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記第2締結部が送信した契約書に対し、所定の期間内に承認しない応募企業が存在する場合、前記募集企業から、前記第2契約を結ばせたい複数の前記応募企業の再選択を受け付け、再選択された複数の前記応募企業それぞれの間での前記第2契約を締結するための契約書を再生成し、
前記第2締結部は、前記生成部が再生成した前記契約書を、再選択された複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、選択された複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記第2締結部が送信した契約書に対し、所定の期間内に承認しない応募企業が存在する場合、前記契約書を送信した複数の前記応募企業のうち、前記承認しない応募企業を除いた複数の応募企業それぞれの間での前記第2契約を締結するための契約書を再生成し、
前記第2締結部は、前記生成部が再生成した前記契約書を、前記承認しない応募企業を除いた複数の応募企業それぞれに提示し、当該複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部は、選択された複数の前記応募企業を連名にした一通の前記契約書を生成し、
前記第2締結部は、前記生成部が生成した一通の前記契約書を選択された複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受ける、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1契約及び前記第2契約は秘密保持契約であり、
前記第1締結部は、前記募集企業及び前記応募企業それぞれを匿名にした前記第1契約に係る契約書を前記募集企業及び前記応募企業それぞれに提示し、前記募集企業と前記応募企業との間で前記第1契約が締結されると、前記募集企業及び前記応募企業それぞれに前記第1契約を締結した企業に関する企業情報を
開示し、
前記生成部は、選択された複数の前記応募企業それぞれを匿名にした前記契約書を生成し、
前記第2締結部は、前記生成部が生成した前記契約書を選択された複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、選択された複数の前記応募企業のそれぞれの間で前記第2契約が締結されると、選択された複数の前記応募企業のそれぞれに、前記第2契約を締結した企業に関する企業情報を
開示する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2契約が締結された後に、前記募集企業及び複数の前記応募企業の端末からメッセージを受信し、受信した前記メッセージを前記募集企業及び複数の前記応募企業の端末に送信するメッセージ送受信部を有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記募集企業と、選択された複数の前記応募企業とを含む複数の企業それぞれの間での前記第2契約を締結するための契約書を生成する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
プロジェクトに参加する共同事業体への参加の応募を応募企業から受け付けると、前記共同事業体に参加する企業を募集する募集企業と、前記応募企業との間で、前記共同事業体を結成するために使用する情報を相互に提供するための第1契約
に係る契約書を生成して前記募集企業と前記応募企業とのそれぞれに提示し、前記募集企業と前記応募企業のそれぞれから前記第1契約の締結の承認を受け付けることにより前記第1契約を締結
し、前記第1契約を締結した後に、前記募集企業に前記応募企業に関する情報を開示するとともに、前記応募企業に前記募集企業に関する情報を開示するステップと、
前記募集企業と前記第1契約を締結した複数の応募企業のうち、前記募集企業が前記共同事業体に参加させたい複数の応募企業の選択を前記募集企業から受け付けると、選択された複数の前記応募企業それぞれの間
、及び前記募集企業と選択された複数の前記応募企業それぞれとの間で前記共同事業体を結成するために使用する情報を相互に提供するための第2契約を締結するための契約書を生成するステップと、
生成された前記契約書を選択された複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、選択された複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受けることにより前記第2契約を締結
し、前記第2契約を締結した後に、前記募集企業と、選択された複数の前記応募企業それぞれとに、前記第2契約を締結した企業に関する情報を開示するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の企業が共同事業体を結成し、事業を進めることが行われている。共同事業体を結成するには、共同事業体に参加する企業がパートナーとなる企業を選定したり、パートナーとなる企業の参加を募集したり必要がある。特許文献1には、提携を希望する企業の相手先の企業を検索し、企業間提携を支援するシステムが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
共同事業体への参加を希望する複数の企業が選定された後、複数の企業間で事業計画等の合意を得る必要がある。複数の企業間で合意を得るまでに、秘密保持契約や基本合意契約等の各種の契約を締結する必要がある。これに対し、従来は共同事業体への参加を募集する募集企業等の代表企業が、共同事業体への参加を希望する複数の参加企業の間における各種の契約を締結させるために、複数の参加企業に連絡をしたり複数の参加企業に契約書を送付したりする必要があり、負荷がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、契約の締結にかかる負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、共同事業体に参加する企業を募集する募集企業と、前記共同事業体への参加を応募する応募企業との間で第1契約を締結する第1締結部と、前記募集企業と前記第1契約を締結した複数の前記応募企業それぞれの間での第2契約を締結するための契約書を生成する生成部と、前記生成部が生成した前記契約書を複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受けることにより前記第2契約を締結する第2締結部と、を有する。
【0007】
前記生成部は、前記第1締結部により前記募集企業と前記第1契約を締結した複数の前記応募企業のうち、前記募集企業が前記第2契約を結ばせたい複数の前記応募企業の選択を前記募集企業から受け付け、選択された複数の前記応募企業それぞれの間での前記第2契約を締結するための契約書を生成し、前記第2締結部は、前記生成部が生成した前記契約書を、選択された複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、選択された複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受けてもよい。
【0008】
前記生成部は、前記第2締結部が送信した契約書に対し、所定の期間内に承認しない応募企業が存在する場合、前記募集企業から、前記第2契約を結ばせたい複数の前記応募企業の再選択を受け付け、再選択された複数の前記応募企業それぞれの間での前記第2契約を締結するための契約書を再生成し、前記第2締結部は、前記生成部が再生成した前記契約書を、再選択された複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、選択された複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受けてもよい。
【0009】
前記生成部は、前記第2締結部が送信した契約書に対し、所定の期間内に承認しない応募企業が存在する場合、前記契約書を送信した複数の前記応募企業のうち、前記承認しない応募企業を除いた複数の応募企業それぞれの間での前記第2契約を締結するための契約書を再生成し、前記第2締結部は、前記生成部が再生成した前記契約書を、前記承認しない応募企業を除いた複数の応募企業それぞれに提示し、当該複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受けてもよい。
【0010】
前記生成部は、複数の前記応募企業を連名にした一通の前記契約書を生成し、前記第2締結部は、前記生成部が生成した一通の前記契約書を複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受けてもよい。
前記第2契約は秘密保持契約であり、前記生成部は、複数の前記応募企業それぞれを匿名にした前記契約書を生成してもよい。
【0011】
前記第2締結部は、複数の前記応募企業のそれぞれの間で前記第2契約が締結されると、前記第2契約が締結された複数の前記応募企業のそれぞれに、前記第2契約を締結した企業に関する企業情報を公開してもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記第2契約が締結された後に、前記募集企業及び複数の前記応募企業の端末からメッセージを受信し、受信した前記メッセージを前記募集企業及び複数の前記応募企業の端末に送信するメッセージ送受信部を有してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、共同事業体に参加する企業を募集する募集企業と、前記共同事業体への参加を応募する応募企業との間で第1契約を締結するステップと、前記募集企業と前記第1契約を締結した複数の前記応募企業それぞれの間での第2契約を締結するための契約書を生成するステップと、生成された前記契約書を複数の前記応募企業のそれぞれに提示し、複数の前記応募企業のそれぞれから前記第2契約の締結の承認を受けることにより前記第2契約を締結するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、契約の締結にかかる負荷を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【
図4】第1秘密保持契約に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図5】第2秘密保持契約に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報処理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数の企業端末2とを有し、複数の企業により構成される共同事業体の形成を支援するためのシステムである。共同事業体は、例えば、自治体が公募するプロジェクトに参加するために、プロジェクトへの参加を希望する複数の企業により形成されてもよいし、プロジェクトを実施する企業が複数の企業を集めることにより形成されてもよい。本実施形態では、自治体が公募するプロジェクトに参加するための共同事業体を形成する例について説明する。
【0017】
情報処理装置1は、無線LAN又はインターネット等の通信ネットワークNを介して、複数の企業端末2のそれぞれに通信可能に接続されている。情報処理装置1は、例えば、共同事業体の形成を支援する支援サービスを提供する事業者により運用される。企業端末2は、共同事業体を代表し、共同事業体に参加する企業を募集する代表企業である募集企業、及び共同事業体への参加を応募する応募企業のそれぞれにおいて使用される端末であり、例えばパーソナルコンピュータである。
【0018】
情報処理装置1は、まず、公募するプロジェクトの登録を受け付け、登録されたプロジェクトに関する情報を公開する。応募企業は、プロジェクトに関する情報を確認し、自身が代表企業となり、プロジェクトに参加するための共同事業体を形成することを検討することができる。
【0019】
情報処理装置1は、共同事業体に参加する企業を募集する募集企業の企業端末2と、当該共同事業体への参加を応募した応募企業の企業端末2との間で、契約に関する情報を送受信することにより、当該応募企業と当該募集企業との間での契約である第1契約を締結する。第1契約は、秘密保持契約であるものとするが、これに限らず、基本合意契約、コンソーシアム協定等の、共同事業体に参加する企業間において初期段階において締結する可能性がある各種契約であってもよい。本明細書において「契約を締結する」とは、複数の企業から、同じ契約書の内容を承認したことを示すデータを受信した後に、当該複数の企業に対して、複数の企業が契約書の内容を承認したことを通知する処理のことである。
【0020】
その後、情報処理装置1は、募集企業の企業端末2から、第1契約を締結した複数の応募企業のうち、契約を結ばせたい複数の応募企業の選択を受け付ける。情報処理装置1は、選択された複数の応募企業それぞれの間での契約である第2契約を締結するための契約書を生成し、選択された複数の応募企業それぞれに対応する企業端末2に送信する。第2契約は、第1契約と同じ種別の契約、すなわち、秘密保持契約であるものとして説明を進めるが、第2契約は、基本合意契約、コンソーシアム協定等の各種契約であってもよい。
【0021】
情報処理装置1は、応募企業の企業端末2を介して、契約書を受領した複数の応募企業のそれぞれから、第2契約の締結の承認を受け付けることにより、第2契約を締結する。
【0022】
このように、情報処理システムSでは、募集企業が、共同事業体への参加を希望する複数の応募企業の間における第2契約を締結させるために、複数の応募企業に連絡をしたり複数の応募企業の契約書を送付したりする必要なく、複数の応募企業間で第2契約を締結させることができるので、第2契約の締結にかかる負荷を軽減することができる。
続いて、情報処理装置1の構成について説明する。以下の説明では、第1契約及び第2契約が秘密保持契約である例を説明する。
【0023】
[情報処理装置1の構成例]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、企業情報登録部131と、プロジェクト登録部132と、プロジェクト公開部133と、マッチング部134と、第1締結部135と、メッセージ送受信部136と、生成部137と、第2締結部138と、第3締結部139とを有する。
【0024】
通信部11は、無線LAN回線やインターネット回線等の通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。
記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等である。記憶部12は、情報処理装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部12は、情報処理装置1の制御部13を、企業情報登録部131、プロジェクト登録部132、プロジェクト公開部133、マッチング部134、第1締結部135、メッセージ送受信部136、生成部137、第2締結部138、及び第3締結部139として機能させるプログラムを記憶する。
【0025】
記憶部12は、共同事業体の形成を支援する支援サービスを利用する企業の企業情報を記憶する。企業情報は、例えば、企業を識別する企業識別情報、企業名、法人形態、業種、企業の本社又は営業所の所在地、資本金、社員数、売上高、事業概要、実績、登録者の氏名、登録者の電話番号、登録者のメールアドレスを含んでいる。
【0026】
また、記憶部12は、自治体が公募するプロジェクトに関する情報であるプロジェクト情報を記憶する。プロジェクトは、例えば競争入札により参加者を決定するプロジェクトである。プロジェクト情報は、例えば、プロジェクトを識別するためのプロジェクトID、プロジェクトが実施される地域、プロジェクト名、入札締切日、募集する企業の業種、募集する企業の業種に対して募集する内容等を含んでいる。
【0027】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されている各種プログラムを実行することにより、情報処理装置1に係る機能を制御する。制御部13は、記憶部12に記憶されているプログラムを実行することにより、企業情報登録部131、プロジェクト登録部132、プロジェクト公開部133、マッチング部134、第1締結部135、メッセージ送受信部136、生成部137、第2締結部138、及び第3締結部139として機能する。
【0028】
[企業情報の登録]
まず、企業情報の登録に係る機能を説明する。企業情報登録部131は、共同事業体の形成を支援する支援サービスの利用を開始する企業の企業端末2から、企業情報の登録を受け付ける。例えば、企業情報登録部131は、企業端末2から、企業名、法人形態、業種、所在地等を含む企業情報の登録を要求する登録要求を受け付ける。企業情報登録部131は、企業情報の登録要求を受け付けると、当該企業要求を行った企業を識別するための企業IDを生成し、生成した企業IDを含む企業情報を記憶部12に記憶させる。
【0029】
[プロジェクトの登録、公開]
続いて、プロジェクトの登録、公開に係る機能を説明する。プロジェクト登録部132は、支援サービスを提供する事業者が使用する事業者端末(不図示)から、公募するプロジェクトに関する情報の登録を受け付ける。プロジェクトに関する情報には、例えば、プロジェクトが実施される地域、プロジェクトの発注者、プロジェクト名、入札締切日、募集する一以上の企業それぞれの業種、募集する企業の業種に対して希望する要件、プロジェクトの開始予定時期が含まれる。プロジェクト登録部132は、プロジェクトに関する情報を受け付けると、プロジェクトを識別するためのプロジェクトIDを生成し、当該プロジェクトIDと、受け付けたプロジェクトに関する情報とを関連付けたプロジェクト情報を記憶部12に記憶させる。
【0030】
なお、プロジェクトの登録は、支援サービスを提供する事業者が行うものとしたがこれに限らない。例えば、プロジェクト登録部132は、登録部プロジェクトを公募する自治体から、プロジェクトに関する情報の登録を受け付けてもよい。また、プロジェクト登録部132は、支援サービスを提供する事業者又は自治体から、プロジェクトに関する情報の更新を受け付けてもよい。
【0031】
プロジェクト公開部133は、企業端末2からプロジェクトの閲覧を要求する閲覧要求を受信したことに応じて、登録されたプロジェクトのプロジェクト情報を企業端末2に送信する。例えば、プロジェクト公開部133は、企業端末2から、プロジェクトの閲覧を要求する閲覧要求を受信したことに応じて、プロジェクトID、プロジェクト名、プロジェクトが実施される地域、募集する業種を含み、企業が閲覧を希望するプロジェクト情報を選択するためのプロジェクトリスト情報を企業端末2に送信する。プロジェクト公開部133は、企業端末2から、閲覧要求とともに、企業において閲覧を希望するプロジェクトを絞り込むための絞込条件を受け付け、絞込条件に合致するプロジェクト情報に対応するプロジェクトリスト情報を企業端末2に送信してもよい。
【0032】
プロジェクト公開部133は、プロジェクトリスト情報において、複数のプロジェクトのうち、一つのプロジェクトの選択を受け付ける。プロジェクト公開部133は、プロジェクトリスト情報において一つのプロジェクトの選択を受け付けると、選択されたプロジェクトに関する情報を企業端末2に送信する。
【0033】
[企業のマッチング]
続いて、共同事業体に参加する企業の募集に係る機能を説明する。募集企業は、プロジェクト公開部133が公開するプロジェクト情報を閲覧し、自身を代表企業とする共同事業体が参加するプロジェクトを決定する。募集企業は、当該共同事業体を形成するにあたり、共同事業体に参加する企業を募集する。
【0034】
マッチング部134は、例えば、募集企業の企業端末2から、共同事業体が参加を予定しているプロジェクト名又はプロジェクトIDと、募集企業の企業IDと、参加を募集する企業の業種とを含む参加募集情報を受け付け、参加募集情報を記憶部12に記憶させる。
【0035】
マッチング部134は、応募企業の企業端末2から、参加募集情報の閲覧要求を受け付けると、記憶部12に記憶されている一以上の参加募集情報を企業端末2に送信し、応募企業に対し、参加を募集中である共同事業体に関する情報を提供する。参加を募集中である共同事業体に関する情報には、プロジェクトID、プロジェクトIDに対応するプロジェクトのプロジェクト名、当該プロジェクト情報へのリンク、募集企業の企業IDに関連付けられている募集企業の企業情報が含まれる。
【0036】
ここで、募集企業の企業情報には、企業名等の募集企業を特定することができる詳細な情報が含まれず、募集企業を特定することができない情報のみが含まれる。この段階で公開される企業情報は、例えば、法人種別、共同事業体がプロジェクトに参加するときの当該プロジェクトにおける募集企業の立場(募集企業の業種)、企業が所在する地域を示す情報である。応募企業は、参加を募集中である共同事業体に関する情報を確認しながら、自身が参加を希望する共同事業体を選択することができる。
【0037】
また、マッチング部134は、募集企業の企業端末2から、企業の検索条件を受け付けることにより、共同事業体に参加させる候補となる企業の検索を受け付ける。マッチング部134は、検索条件に基づいて検索した企業の企業情報を、募集企業の企業端末2に送信する。マッチング部134は、検索された企業を特定することができる情報を募集企業の企業端末2に送信せずに、検索された企業の法人種別、業種、当該企業が所在する地域を示す情報に限定して企業情報を送信する。応募企業は、検索した企業の中から、自身が代表する共同事業体に参加させたい企業を絞り込むことができる。
【0038】
[募集企業と応募企業との間での秘密保持契約の締結]
続いて、契約の締結に係る機能を説明する。募集企業と、応募企業とは、共同事業体を結成するにあたって詳細な情報を相手側に提供する必要がある。この場合、外部に情報が漏えいすることを防止するために、募集企業と応募企業との間で秘密保持契約を締結する必要がある。
【0039】
これに対し、第1締結部135は、共同事業体に参加する企業を募集する募集企業と、共同事業体への参加を応募する応募企業との間で第1契約としての秘密保持契約を締結する。以下の説明において、募集企業と応募企業との間で締結される秘密保持契約を第1秘密保持契約という。
【0040】
例えば、第1締結部135は、応募企業の企業端末2から、募集企業が募集している共同事業体への参加応募を受け付ける。第1締結部135は、参加応募を受け付けると、第1秘密保持契約に係る応募企業向けの秘密保持契約書を示すファイルを生成する。ここで、秘密保持契約書には、募集企業の社名等、募集企業を特定できる情報が表示されず、募集企業に対応する「甲」、「募集企業A」等の情報が表示される。
【0041】
秘密保持契約書は、例えば、募集企業が予め支援サービスにおいて自身の企業情報に関連付けたファイルが示す秘密保持契約書であってもよいし、支援サービスの事業者が提供する秘密保持契約書であってもよい。秘密保持契約書には、募集企業の業種、資本金及び所在する地域のように、秘密保持契約を締結してもよいかどうかを応募企業が判断するために必要な情報が含まれていてもよい。秘密保持契約書のファイル名には、プロジェクトID、相手側の企業の業種名、ファイルが生成された日付、ファイルが同日に複数生成された場合には生成された順番を示す番号が含まれていてもよい。第1締結部135は、生成した秘密保持契約書を応募企業の企業端末2に送信し、当該企業端末2を介して、応募企業から第1秘密保持契約の締結の承認を受け付ける。
【0042】
第1締結部135は、応募企業から第1秘密保持契約の締結の承認を受け付けると、募集企業の企業端末2に、応募企業から詳細な情報の開示要求が行われていることを通知し、詳細な情報を開示するか否かの選択を受け付ける。第1締結部135は、募集企業の企業端末2において、詳細な情報を開示する選択を受け付けると、第1秘密保持契約に係る募集企業向けの秘密保持契約書を生成する。ここで、秘密保持契約書には、応募企業の社名等、応募企業を特定できる情報が表示されず、応募企業に対応する「乙」、「応募企業B」等の情報が表示される。
【0043】
秘密保持契約書には、応募企業の業種、資本金及び所在する地域のように、秘密保持契約を締結してもよいかどうかを募集企業が判断するために必要な情報が含まれていてもよい。第1締結部135は、生成した秘密保持契約書を募集企業の企業端末2に送信し、当該企業端末2を介して、募集企業から第1秘密保持契約の締結の承認を受け付ける。
【0044】
第1締結部135は、応募企業及び募集企業の双方から第1秘密保持契約の締結の承認を受け付け、募集企業と応募企業との間で第1秘密保持契約が締結されると、募集企業に対し応募企業に関する企業情報のうち、非公開であった企業情報を新たに公開するとともに、応募企業に対し募集企業に関する企業情報を公開する。新たに公開される企業情報は、例えば、企業名、資本金、社員数、売上高、事業概要、実績、登録者の氏名、登録者の電話番号、登録者のメールアドレスである。例えば、第1締結部135は、募集企業の企業端末2に対し新たに公開された応募企業の企業情報を送信し、応募企業の企業端末2に対し新たに公開された募集企業の企業情報を送信する。ここで、第1締結部135は、既に公開されている企業情報も送信するようにしてもよい。
【0045】
なお、第1締結部135は、募集企業の企業端末2から、自身が募集している共同事業体に参加させたい応募企業の選択を受け付けることにより、当該募集企業と、当該応募企業との間での第1秘密保持契約の締結に係る処理を行ってもよい。この場合、第1締結部135は、募集企業の企業端末2から、自身が募集している共同事業体に参加させたい応募企業の選択を受け付けると、募集企業向けの秘密保持契約書を生成する。第1締結部135は、募集企業の企業端末2に生成した秘密保持契約書を送信し、当該企業端末2を介して、募集企業から第1秘密保持契約の締結の承認を受け付ける。
【0046】
第1締結部135は、募集企業から第1秘密保持契約の締結の承認を受け付けると、募集企業が選択した応募企業の企業端末2に、募集企業から詳細な情報の開示要求が行われていることを通知し、詳細な情報を開示するか否かの選択を受け付ける。第1締結部135は、応募企業の企業端末2において、詳細な情報を開示する選択を受け付けると、第1秘密保持契約に係る応募企業向けの秘密保持契約書を生成する。第1締結部135は、生成した秘密保持契約書を応募企業の企業端末2に送信し、当該企業端末2を介して、応募企業から第1秘密保持契約の締結の承認を受け付ける。
【0047】
メッセージ送受信部136は、募集企業と応募企業との間で第1秘密保持契約が締結されたことを条件としてメッセージの送受信を可能とする。メッセージ送受信部136は、メッセージの送信元、送信先を、企業名等の企業を特定することができる情報とし、メッセージの送受信を行う。
【0048】
[複数の応募企業の間での秘密保持契約の締結]
募集企業が複数の応募企業と第1秘密保持契約を締結した後、複数の応募企業での情報交換、事業計画のすり合わせ等を行う必要がある。この場合、外部に情報が漏えいすることを防止するために、募集企業が第1秘密保持契約を締結した複数の応募企業の間で秘密保持契約を締結する必要がある。
【0049】
これに対し、生成部137は、募集企業と第1秘密保持契約を締結した複数の応募企業それぞれの間での第2契約としての秘密保持契約を締結するための秘密保持契約書を生成する。そして、第2締結部138は、生成部137が生成した秘密保持契約書を、募集企業と第1秘密保持契約を締結した複数の応募企業のそれぞれに提示し、複数の応募企業のそれぞれから第2秘密保持契約の締結の承認を受けることにより第2秘密保持契約を締結する。以下の説明において、募集企業と応募企業との間で締結される秘密保持契約を第2秘密保持契約という。
【0050】
具体的には、生成部137は、第1締結部135により募集企業と第1秘密保持契約を締結した複数の応募企業のうち、募集企業が第2秘密保持契約を結ばせたい複数の応募企業の選択を募集企業から受け付け、選択された複数の応募企業それぞれの間での第2秘密保持契約を締結するための秘密保持契約書を生成する。より具体的には、まず、生成部137は、募集企業の企業端末2に、第1締結部135により募集企業と第1秘密保持契約を締結した複数の応募企業の企業名を示すリストを表示させ、当該リストにおいて、募集企業が第2秘密保持契約を結ばせたい複数の応募企業の選択を受け付ける。生成部137は、複数の応募企業の選択を受け付けると、選択された複数の応募企業それぞれの間での第2秘密保持契約を締結するための秘密保持契約書を生成する。このようにすることで、募集企業は、自身が共同事業体に参加させたいと判断した複数の応募企業の間での第2秘密保持契約の締結処理を進めることができる。
【0051】
ここで、生成部137は、選択された複数の応募企業を連名にした一通の秘密保持契約書を生成する。このようにすることで、複数の応募企業に提示される秘密保持契約書の内容が共通となるため、募集企業側から複数の応募企業それぞれへの第2秘密保持契約の契約内容の説明が容易になる。
【0052】
また、生成部137は、選択された複数の応募企業それぞれを匿名にした秘密保持契約書を生成する。例えば、生成部137は、選択された複数の応募企業を示す情報を、「甲」、「乙」、「丙」や「応募企業A」、「応募企業B」、「応募企業C」とした秘密保持契約書を生成する。このようにすることで、第2秘密保持契約が締結される前に、複数の応募企業の間で、第2秘密保持契約の契約相手の応募企業が特定されてしまうことを防止することができる。
【0053】
第2締結部138は、生成部137が生成した第2秘密保持契約に係る一通の秘密保持契約書を、選択された複数の応募企業のそれぞれに提示し、選択された複数の応募企業のそれぞれから第2秘密保持契約の締結の承認を受ける。例えば、第2締結部138は、生成部137が生成した一通の秘密保持契約書を、選択された複数の応募企業のそれぞれに対応する企業端末2に送信し、企業端末2を介して、選択された複数の応募企業のそれぞれから第2秘密保持契約の締結の承認を受ける。
【0054】
第2締結部138は、複数の応募企業のそれぞれの間で第2秘密保持契約が締結されると、第2秘密保持契約が締結された複数の応募企業のそれぞれに、第2秘密保持契約を締結した企業に関する企業情報を公開する。具体的には、第2締結部138は、募集企業が選択した複数の応募企業の全てから、第2秘密保持契約の締結の承認を受け、複数の応募企業の間で第2秘密保持契約が締結されると、第2秘密保持契約が締結された複数の応募企業のそれぞれに、第2秘密保持契約を締結した企業に関する企業情報を公開する。このようにすることで、複数の応募企業のそれぞれにおいて、他の応募企業の情報を確認しながら、他の応募企業に対する要望を検討したり、共同企業体に参加し続けることを検討したりすることができる。
【0055】
また、第2締結部138は、募集企業が選択した複数の応募企業の全てから、第2秘密保持契約の締結の承認を受け、複数の応募企業の間で第2秘密保持契約が締結されると、複数の応募企業の間で第2秘密保持契約が締結されたことを示す締結完了情報を、募集企業の企業端末2に送信する。このようにすることで、募集企業は、複数の応募企業の間で第2秘密保持契約が締結されたことを把握し、複数の応募企業との間で行う作業を速やかに進めることができる。
【0056】
メッセージ送受信部136は、第2秘密保持契約が締結された後に、募集企業及び第2秘密保持契約を締結した複数の応募企業の企業端末2からメッセージを受信し、受信したメッセージを募集企業及び複数の応募企業の企業端末2に送信する。例えば、メッセージ送受信部136は、メッセージを受信すると、募集企業及び第2秘密保持契約を締結した複数の応募企業の企業端末2に、メッセージを受信したことを示す通知情報を送信する。
【0057】
メッセージ送受信部136は、募集企業及び第2秘密保持契約を締結した複数の応募企業の企業端末2から、メッセージ画面の取得要求を受信すると、受信したメッセージを含むメッセージ画面を生成し、メッセージ画面の取得要求を送信した企業端末2に、当該メッセージ画面を送信して表示させる。メッセージ送受信部136は、メッセージに対し、メッセージの送信元を示す情報として、当該メッセージを送信した企業端末2に対応する企業名を関連付けて表示させる。
【0058】
図3は、メッセージ画面の一例を示す図である。
図3に示す例では、募集企業の企業端末2にメッセージ画面が表示された例を示している。
図3に示す例では、募集企業の企業端末2から送信されたメッセージが画面の左側に表示され、応募企業の企業端末2から送信されたメッセージが画面の右側に表示されていることが確認できる。また、
図3に示す例では、それぞれのメッセージの送信者を示す情報として、企業名と担当者名とが表示されているとともに、メッセージの送信時刻が表示されていることが確認できる。このようにすることで、募集企業及び第2秘密保持契約を締結した複数の応募企業の間で円滑に情報共有を行い、共同企業体における役割分担を決定したり、事業計画を策定したりすることができる。
【0059】
ここで、メッセージ送受信部136は、募集企業から、第2秘密保持契約を締結した複数の応募企業のうち、メッセージの送受信を行いたい一以上の応募企業の選択を受け付けてもよい。そして、メッセージ送受信部136は、募集企業と、選択された一以上の応募企業との間で、メッセージを送受信できるようにしてもよい。このようにすることで、募集企業は必要に応じて、限られた応募企業との間でメッセージを送受信することができる。
【0060】
なお、秘密保持契約書を提示された複数の応募企業の中に、第2秘密保持契約の締結を承認しない応募企業が存在することがある。この場合、第2秘密保持契約の締結が行われず、募集企業及び応募企業の間で情報交換が円滑に行うことができないという問題が発生する。
【0061】
このような問題に対応するために、生成部137は、第2締結部138が送信した秘密保持契約書に対し、所定の期間内に承認しない応募企業が存在する場合、募集企業の企業端末2に、所定の期間内に承認しない応募企業が存在することを示す情報を通知してもよい。そして、生成部137は、募集企業から、第2秘密保持契約を結ばせたい複数の応募企業の再選択を受け付け、再選択された複数の応募企業それぞれの間での第2秘密保持契約を締結するための秘密保持契約書を再生成してもよい。
【0062】
そして、第2締結部138は、再生成した秘密保持契約書を、再選択された複数の応募企業のそれぞれの企業端末2に提示し、再選択された複数の応募企業のそれぞれから第2秘密保持契約の締結の承認を受けてもよい。このようにすることで、募集企業は、秘密保持契約の締結の承認を行わない応募企業の代わりとなる応募企業を新たに選定して複数の応募企業を再選択し、再選択した複数の応募企業の間で第2秘密保持契約の締結を進めることができる。
【0063】
また、生成部137は、第2締結部138が送信した秘密保持契約書に対し、所定の期間内に承認しない応募企業が存在する場合、秘密保持契約書を送信した複数の応募企業のうち、承認しない応募企業を除いた複数の応募企業それぞれの間での第2秘密保持契約を締結するための秘密保持契約書を再生成してもよい。そして、第2締結部138は、再生成した秘密保持契約書を、承認しない応募企業を除いた複数の応募企業それぞれの企業端末2に提示し、当該複数の応募企業のそれぞれから第2秘密保持契約の締結の承認を受けてもよい。この場合、第2締結部138は、承認しない応募企業が存在することにより、秘密保持契約書が再生成したことを示す情報を企業端末2に通知してもよい。
【0064】
このようにすることで、承認しない応募企業を除いた複数の応募企業の間で第2秘密保持契約を締結させて、募集企業と、承認しない応募企業を除いた複数の応募企業との間で情報共有を進めることができる。
【0065】
[基本合意書及び入札参加前協定書の締結]
募集企業及び応募企業の間で第1秘密保持契約が締結された後、又は複数の応募企業の間で第2秘密保持契約が締結された後、交渉に関する基本的な合意事項を確認するために、募集企業と応募企業との間、又は2つの応募企業の間で基本合意書に基づく契約を締結することがある。
【0066】
これに対し、第3締結部139は、募集企業又は応募企業から、基本合意書に基づく契約を締結する相手先を示す情報を含む、基本合意書に基づく契約の要求を受け付ける。第3締結部139は、基本合意書に基づく契約の要求を受け付けると、予め記憶部12に記憶されている基本合意書を、相手先の企業端末2に送信し、基本合意書に基づく契約の締結の承認を受ける。
【0067】
また、複数の応募企業の間で第2秘密保持契約が締結され、募集企業及び複数の応募企業間において事業計画の策定等を行われた後、募集企業と、複数の応募企業との間で、プロジェクトへの入札に参加する前の協定の締結が行われる。第3締結部139は、募集企業の企業端末2から、入札参加前協定書を受け付けると、当該入札前協定書を複数の応募企業のそれぞれに提示し、当該複数の応募企業のそれぞれから入札参加前協定の締結の承認を受ける。
【0068】
[動作フロー]
続いて、情報処理システムSにおける処理の流れを説明する。ここでは、第1秘密保持契約に係る処理の流れと、第2秘密保持契約に係る処理の流れを説明する。
図4は、第1秘密保持契約に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
図4に示す例は、募集企業が代表企業である共同事業体に対して応募企業が参加応募を行うときの処理の流れを示している。ここでは、募集企業の企業端末を企業端末2Aとし、応募企業の企業端末を企業端末2Bとする。
【0069】
まず、第1締結部135は、応募企業の企業端末2Bから、募集企業が代表企業である共同事業体への参加応募を要求するための参加応募要求を受け付ける(S1)。
第1締結部135は、参加応募要求を受け付けると、第1秘密保持契約に係る応募企業向けの秘密保持契約書を生成し(S2)、当該秘密保持契約書を応募企業の企業端末2Bに送信する(S3)。
【0070】
応募企業の企業端末2Bにおいて、第1秘密保持契約の締結の承認操作を受け付けると(S4のYES)、応募企業の企業端末2Bから情報処理装置1に、承認を受け付けたことを示す承認情報が送信される(S5)。
第1締結部135は、応募企業の企業端末2Bから承認情報を受信すると、募集企業の企業端末2Aに、応募企業から詳細な情報の開示要求が行われていることを示す開示要求通知情報を送信し(S6)、募集企業の詳細な情報の開示を許可するか否かの選択を受け付ける。
【0071】
募集企業の企業端末2Aにおいて、詳細な情報の開示許可を受け付けると(S7のYES)、募集企業の企業端末2Aから情報処理装置1に、開示許可を受け付けたことを示す開示許可情報が送信される(S8)。
【0072】
第1締結部135は、開示許可情報を受信すると、第1秘密保持契約に係る募集企業向けの秘密保持契約書を生成し(S9)、生成した秘密保持契約書を募集企業の企業端末2Aに送信する(S10)。
【0073】
募集企業の企業端末2Aにおいて、第1秘密保持契約の締結の承認操作を受け付けると(S11のYES)、募集企業の企業端末2Aから情報処理装置1に、承認を受け付けたことを示す承認情報が送信される(S12)。
第1締結部135は、募集企業の企業端末2Aから承認情報を受信すると、応募企業の企業情報を募集企業の企業端末2Aに送信するとともに(S13)、募集企業の企業情報を応募企業の企業端末2Bに送信する(S14)。
【0074】
図5は、第2秘密保持契約に係る処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、募集企業の企業端末を企業端末2Aとし、募集企業と第1秘密保持契約を締結した3つの応募企業の企業端末をそれぞれ企業端末2B、2C、2Dとする。
【0075】
まず、生成部137は、募集企業が選択した、第2秘密保持契約を締結させたい複数の応募企業を示す応募企業選択情報を、募集企業の企業端末2Aから受信することにより、複数の応募企業の選択を募集企業から受け付ける(S21)。ここでは、3つの企業端末2B、2C、2Dに対応する応募企業が選択されたものとする。
【0076】
生成部137は、選択された複数の応募企業それぞれの間での第2秘密保持契約を締結するための一通の秘密保持契約書を生成する(S22)。
第2締結部138は、生成部137が生成した第2秘密保持契約に係る秘密保持契約書を、選択された複数の応募企業それぞれに対応する企業端末2B、2C、2Dに送信する(S23~S25)。
【0077】
第2締結部138は、企業端末2B、2C、2Dのそれぞれから第2秘密保持契約の締結の承認を受け付ける。ここでは、企業端末2B、2C、2Dのそれぞれにおいて、第2秘密保持契約の締結の承認が行われ、企業端末2B、2C、2Dから、第2秘密保持契約の締結の承認が行われたことを示す承認情報が情報処理装置1に送信されるものとする(S26~S31)。
【0078】
第2締結部138は、複数の応募企業のそれぞれの間で第2秘密保持契約が締結されると、第2秘密保持契約が締結されたことを示す締結完了情報を募集企業の企業端末2Aに送信する(S32)。また、第2締結部138は、複数の応募企業のそれぞれの間で第2秘密保持契約が締結されると、第2秘密保持契約が締結された複数の応募企業のそれぞれに、第2秘密保持契約を締結した企業に関する企業情報を公開する(S33~S35)。
【0079】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、共同事業体に参加する企業を募集する募集企業と、共同事業体への参加を応募する応募企業との間で第1契約を締結し、募集企業と第1契約を締結した複数の応募企業それぞれの間での第2契約を締結するための契約書を生成して、当該複数の応募企業のそれぞれに提示し、複数の応募企業のそれぞれから第2契約の締結の承認を受けることにより第2契約を締結する。このようにすることで、情報処理装置1は、契約の締結にかかる負荷を軽減することができる。
【0080】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0081】
1 情報処理装置
2 企業端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 企業情報登録部
132 プロジェクト登録部
133 プロジェクト公開部
134 マッチング部
135 第1締結部
136 メッセージ送受信部
137 生成部
138 第2締結部
139 第3締結部
【要約】 (修正有)
【課題】共同事業体への参加を希望する複数の企業間において、契約の締結にかかる負荷を軽減する情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置が、無線LAN又はインターネット等の通信ネットワークを介して複数の企業端末の夫々と通信可能に接続されている情報処理システムにおいて、情報処理装置1は、共同事業体に参加する企業を募集する募集企業と、共同事業体への参加を応募する応募企業との間で第1契約を締結する第1締結部135と、募集企業と第1契約を締結した複数の応募企業夫々の間での第2契約を締結するための契約書を生成する生成部137と、生成部137が生成した契約書を複数の応募企業の夫々に提示し、複数の応募企業の夫々から第2契約の締結の承認を受けることにより第2契約を締結する第2締結部138と、を有する。
【選択図】
図2