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特許7174455遺産相続手続きに必要な書類が収納されている相続用ファイルの使用方法
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  • 特許-遺産相続手続きに必要な書類が収納されている相続用ファイルの使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】遺産相続手続きに必要な書類が収納されている相続用ファイルの使用方法
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20221110BHJP
   B42F 7/06 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
B42F7/00 B
B42F7/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021166029
(22)【出願日】2021-10-08
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】521337517
【氏名又は名称】株式会社TAKT-JAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】100193046
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 正彦
(72)【発明者】
【氏名】田代 貴祥
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3206705(JP,U)
【文献】登録実用新案第3230628(JP,U)
【文献】特開2005-178343(JP,A)
【文献】特許第4678621(JP,B2)
【文献】特許第5202773(JP,B1)
【文献】登録実用新案第3226536(JP,U)
【文献】重要事項一覧ファイル(エンディングノート):私の場合,2021年06月05日,https://nyancoco.com/ednote/
【文献】こんなに役立つカード類のコピー あなたの財産の「手掛かり」を残そう,2021年09月17日,https://www.asahi.com/relife/article/14439192
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-15/00、15/04-19/00
B42F 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺産相続手続きに必要な書類が収納されている相続用ファイルの使用方法であって、前記ファイルは表表紙、裏表紙、及び書類を収納可能な複数のページから構成され、前記複数のページには、少なくとも戸籍証明等請求書、住民票の写し等請求書、印鑑登録証明書交付申請書、及び残高証明依頼書(相続用)が収納されており、相続が必要となった時に、収納されている前記書類を使用して、相続手続きを進めることを特徴とする相続用ファイルの使用方法
【請求項2】
前記表表紙又は前記裏表紙の少なくとも一方には、小物を収容可能な複数のポケット部が備えられており、前記複数のページまたは前記ポケット部の少なくとも一方には相続に関する事項を相談可能な士業の事務所に係る情報が収納されていることを特徴とする請求項1に記載の相続用ファイルの使用方法
【請求項3】
前記相続用ファイルは遺言書を作成するためのマニュアル本である遺言セットとともに箱に納められ、前記箱がゴムバンドにて固定されて、特に被相続人用に保管されることを特徴とする請求項1または2に記載の相続用ファイルの使用方法
【請求項4】
前記複数のページには、(不動産用)登記事項証明書・登記簿謄本交付申請書及び固定資産証明申請書のうち少なくとも一つ以上がさらに収納されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の相続用ファイルの使用方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遺産相続時の手続に必要となる書類を網羅的に一つのファイルとしてまとめてある相続用ファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
遺産を相続するにあたって、従来以下のような悩みが多かった。すなわち、被相続人にしかわからないことが多いため、資産等の状況がどうなっているのかわからない。あらゆる資産が別々に管理されていることが多いため、全てを把握するまでに膨大な時間と手間がかかる。遺言状がないため、資産の分配でもめ事が行われる。資産を受け継ぐのが良いのか悪いのか判断が難しい。相続人がおらず、資産を世の中の役に立てたいが方法がわからない。相続の手続が複雑でどのように進めてよいかわからない。
【0003】
特許文献1には、自分史部とエンディング部と物入れ部とを同時にファイルしたライフノートが記載されている。また、特許文献2には遺言書並びにその他の遺言情報が入った遺言ノートが、特許文献3には遺言を記載する区画、遺言を瑕疵なく記載するためのマニュアルを記載した区画を備えたエンディングノートが記載されている。
【0004】
しかしながら、これらの文献の発明によっても、相続時の手続に必要な書類が予め用意されているとは言えず、どのような手続きが必要かを相続が必要な事態になってから調べて慌てて準備することとなり、迅速に手続きを進めることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-173854号
【文献】特許第4678621号
【文献】特開2016-199027号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、被相続人が亡くなった時に、全てがわかりやすく資産等を相続人にしっかりと継承し、迅速に相続の手続がすすめられるように、相続手続きに必要となる書類が網羅的に予め用意された相続用ファイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遺産相続手続きに必要な書類が収納されている相続用ファイルの使用方法は、前記ファイルは表表紙、裏表紙、及び書類を収納可能な複数のページから構成され、前記複数のページには、少なくとも戸籍証明等請求書、住民票の写し等請求書、印鑑登録証明書交付申請書、及び残高証明依頼書(相続用)が収納されており、相続が必要となった時に、収納されている前記書類を使用して、相続手続きを進めることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遺産相続手続きに必要な書類が収納されている相続用ファイルは、前記表表紙又は前記裏表紙の少なくとも一方には、小物を収容可能な複数のポケット部が備えられており、前記複数のページまたは前記ポケット部の少なくとも一方には相続に関する事項を相談可能な士業の事務所に係る情報が収納されていることを特徴とする。
【0009】
本発明は、相続手続きに必須な書類を網羅的に予め収納した相続用ファイルの使用方法である。このファイルを提供された被相続人または相続人は、収納されている書類により相続に必要な手続きを具体的にイメージして知ることができ、予め必要書類を用意することもできるし、相続が必要となった時に速やかに手続きを進めることもできる。被相続人の思い出も次世代に継承をするため、大事な想い出も実務的な書類もすべて一つにファイリングをしたキットからなる相続用ファイルとすることもできる。
【0010】
相続に関する事項を相談可能な士業には、司法書士、弁護士、税理士などがある。これらの士業事務所の情報がファイルページまたはポケット部に収納されていることにより、士業事務所との連携が簡単にしかも必要な時に即座にとれるため、更に強固なファイリングが完成する。
【0011】
被相続人に特化したキットとしては、遺言書作成法のマニュアル本である遺言セットと相続用ファイルを一緒にして箱に収容し、さらにゴムバンドで固定して保管するようにする。これにてばらばらにならず、まとめて保管することができる。
【0012】
相続用ファイルにはすべての被相続人及び相続人のために必須とは言えなくても、多くの被相続人及び相続人にとって必要となる可能性の高い書類は多々存在する。例えば(不動産用)登記事項証明書・登記簿謄本交付申請書や固定資産証明申請書は相続の多くの場合に必要となるので、相続用ファイルの複数ページに収納しておけば、手続きを迅速に開始するために役立つ。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被相続人が亡くなった時に、相続に必要な手続きを迅速に進めることができる。司法書士事務所の情報が予めファイルに収められているので、必要な時に即座に司法書士事務所と連絡を取ることができ、相続手続きをさらに遅滞なく確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】遺産相続手続きに必要な書類が収納されている相続用ファイルを示す斜視図である。
図2】戸籍証明等請求書のページを示す図である。
図3】住民票の写し等請求書のぺージを示す図である。
図4】印鑑登録証明書交付申請書のページを示す図である。
図5】残高証明依頼書(相続用)のページを示す図である。
図6】相談可能な士業の事務所の情報リストのページを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は遺産相続手続きに必要な書類が収納されている相続用ファイル1を示す斜視図である。相続用ファイル1は、表表紙2、裏表紙3,書類を収納可能な複数のページ5から構成されている。表表紙2,裏表紙3はビニール加工の空押しで作成、製本されている。複数のページ5は書類の紛失を避けて厳重に管理するためルーズリーフではなく、表表紙2と裏表紙3の間に固定されている。各種書類を収納するのに十分な枚数、例えば30ページからなる。複数のページ5には、少なくとも戸籍証明等請求書6、住民票の写し等請求書7、及び印鑑登録証明書交付申請書8、及び残高証明依頼書(相続用)9が収納されている。相続人はこれらの書類を見ることにより、相続に必要な手続きを把握することができる。
【0016】
戸籍証明等請求書6は図2に示すように、戸籍、除籍、原戸籍などの証明を請求する書類である。被相続人または相続人の属する自治体の書式であることが望ましいが、書式は全国どこでもほぼ同様であるので、属する自治体の書式と異なる請求書であっても、相続用ファイル1に収納されている戸籍証明等請求書7を見れば、戸籍、除籍、原戸籍などを請求する手続きを予めわかりやすく理解でき、自治体窓口等での手続きをスムーズに進めることができる。
【0017】
住民票の写し等請求書7は図3に示すように、住民票や除票を請求するための書類である。こちらも被相続人または相続人の属する自治体の書式であることが望ましいが、異なる自治体の書式であっても、一見するだけで請求手続きを容易に理解できるので、自治体窓口等でのスムーズな手続きのために有用である。
【0018】
印鑑登録証明書交付申請書8は図4に示したように、相続人の印鑑登録証明書の交付を申請するための書類である。申請時に持参すべきものなどが詳細に記載されているから、申請先の自治体名が相続人の属する自治体と異なっても、事前に準備をして間違いなく自治体窓口で手続きするために有用である。
【0019】
残高証明依頼書(相続用)9は図5に示すように、銀行等の金融機関に被相続人口座の円預金、外貨預金、投資信託等の残高証明を依頼する書類である。被相続人口座の銀行等の書式であることが望ましいが、他の銀行等でも書式は同様であり、添付すべき書類(通例として被相続人と相続人の戸籍謄本等、相続人の印鑑証明書)について記載されているので、銀行窓口等で依頼手続きをスムーズに間違いなく進めるために有用である。
以上の戸籍証明等請求書6、住民票の写し等請求書7、及び印鑑登録証明書交付申請書8、及び残高証明依頼書(相続用)9はすべて相続のために自治体や銀行の窓口等での手続きのための必須の書類であり、相続用ファイル1に収納されていることにより、窓口での迅速かつ確実な手続きに寄与する。
【0020】
表表紙2又は裏表紙3の少なくとも一方には、小物を収容可能な複数のポケット部4が備えられている。
【0021】
複数のページ5またはポケット部4の少なくとも一方には相続に関する事項を相談可能な士業の事務所に係る情報が収納されていると好適である。相続に関する事項を相談可能な士業には、司法書士、弁護士、税理士などがある。一例として、図6に示すように、複数のページ5に被相続人の居住する都道府県の司法書士事務所のリストを収納しておく。弁護士事務所のリスト及び税理士事務所のリストも同様に収納しておくと良い。士業事務所の情報を閲覧できるウェブサイトの情報をカードに記載してポケット部4に収納しておくことでも良い。また、士業事務所の名刺をポケット部4に入れておくこともできる。相続に関する相談が必要になった時に士業事務所に連絡することにより、速やかに士業と連携して相続の準備をすることができる。
【0022】
裏表紙3には折り畳み可能な蓋部10が連結されており、蓋部10を折りたたんでファイルを閉じると、ファイルが固定されるようになっている。これにて相続用ファイル1から書類が逸失することを防いで、相続用ファイル1を安定した状態で保管することができる。
被相続人に特化したキットとしては、遺言書作成法のマニュアル本である遺言セットと相続用ファイル1を一緒にして箱に収容し、さらにゴムバンドで固定して本棚等に保管するようにすると良い。遺言セットには遺言書を作成するステップ毎の説明、遺言書作成ガイダンス、財産の特定の仕方、遺言の法律豆知識、遺言書文例集など、遺言書を作るために必要な情報が分かりやすく記載されている。
相続人用にも、相続用ファイルを箱に収容しておくのは有用である。
【0023】
(不動産用)登記事項証明書・登記簿謄本交付申請書はすべての相続に必要とは限らないが、多くの相続人にとっては必要となるので、相続用ファイル1の複数ページ5に収納されているのが好ましい。予め手続き内容を知っておくことで、法務局での交付申請手続きをスムーズに行うことができる。
【0024】
固定資産証明申請書も多くの場合相続に必要となるので、相続用ファイル1の複数ページ5に収納されていると良い。被相続人の属する自治体に申請を行って、価格証明書や固定資産税課税証明書を入手することができる。
【0025】
相続用ファイル1を購入した被相続人は、複数ページ5にエンディングノートを追加して収納しておくことができる。エンディングノートには、被相続人の履歴、想い出、大切なもの、写真、伝えたいことなどが記載または貼付されている。被相続人の大事な想い出も実務的な書類もすべて一つにファイリングをして次世代に継承するための相続用ファイルとなる。
【0026】
被相続人は、他に財産目録、生命保険証書またはそのコピー、所有する車の車検証のコピー、ゴルフ場会員権証又はそのコピー、貴金属などの評価額がわかる書類など、相続のために有用な書類を適宜複数ページに収納しておくことができる。また、預金通帳またはそのコピーなどをポケット部4に収納しておくこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明による相続用ファイルには、被相続人から相続人に相続するために必要となる手続き書類が具体的にわかりやすい形で収納されているので、迅速に相続の手続きを開始することができ、産業上の利用価値は非常に高い。
【符号の説明】
【0028】
1 相続用ファイル
2 表表紙
3 裏表紙
4 ポケット部
5 複数のページ
6 戸籍証明等請求書
7 住民票の写し等請求書
8 印鑑登録証明書交付申請書
9 残高証明依頼書(相続用)
10 蓋部
【要約】
【課題】被相続人が亡くなった時に、全てがわかりやすく資産等を相続人にしっかりと継承し、託すことができるように、相続手続きに必要となる書類が網羅的に予め用意された相続用ファイルを提供することを目的とする。
【解決手段】相続用ファイルは、表表紙、裏表紙、及び書類を収納可能な複数のページから構成され、前記複数のページには、少なくとも戸籍証明等請求書、住民票の写し等請求書、印鑑登録証明書交付申請書、及び残高証明依頼書(相続用)が収納されていて、遺産相続手続きに必要な書類を備えている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6