IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社インサイトの特許一覧

特許7174458購買支援方法、その装置及びそのプログラム
<>
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図1
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図2
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図3
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図4
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図5
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図6
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図7
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図8
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図9
  • 特許-購買支援方法、その装置及びそのプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】購買支援方法、その装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221110BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221110BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
G06Q30/02 320
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021204243
(22)【出願日】2021-12-16
【審査請求日】2021-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521551320
【氏名又は名称】株式会社インサイト
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】氏家 範昌
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 厚吉
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特許第6913224(JP,B1)
【文献】特開2021-149802(JP,A)
【文献】特開2019-102053(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3229500(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04W 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の顧客端末装置の位置情報と店舗の位置情報とを基に、前記顧客が前記店舗に入店したか否かを判断し、当該顧客の入店履歴情報を生成する第1の工程と、
ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、
前記顧客が入った店舗が販売している商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客が購入した商品・サービスが、前記顧客が入った店舗で販売されているかをサービス管理装置が判断する第3の工程と、
店舗関係者端末装置と顧客端末装置との間で近距離通信が行われた接触履歴があり、前記顧客が購入した商品・サービスが当該顧客が入った店舗で販売されていると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、当該顧客が入店した店舗と、前記接触履歴に係る前記店舗関係者端末装置に対応する関係者とを関連付けた関連付け情報を前記サービス管理装置が生成する第4の工程と、
前記サービス管理装置が前記第4の工程で生成した関連付け情報を前記店舗に関係する装置又は前記ウェブサイトに関係する装置に送信する第5の工程と
を有する購買支援方法。
【請求項2】
前記第1の工程は、顧客端末装置又はサービス管理装置が実行し、
前記第2の工程は、前記サービス管理装置が実行する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項3】
前記第4の工程は、
前記店舗関係者端末装置と前記顧客端末装置との間の近距離通信の時間及び回数の少なくとも一つをさらに関連付けた前記関連付け情報を生成する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項4】
前記顧客の前記店舗への入店日時と、当該顧客が前記商品又はサービスの購入日時とを基に、前記顧客の購入と店舗訪問との貢献度を前記サービス管理装置が評価する第6の工程をさらに有する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項5】
前記顧客端末装置と前記店舗関係者端末装置との間でメッセージ送受信を行う第7の工程をさらに有する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項6】
前記第7の工程のメッセージ送受信の履歴を基に、前記店舗関係者端末装置に対応する店舗関係者の前記顧客による購入への貢献度を前記サービス管理装置が評価する第8の工程をさらに有する
請求項5に記載の購買支援方法。
【請求項7】
前記ウェブサイトでの商品・サービスの販売事業者が複数ある場合に、顧客が店舗に入店した後にウェブサイトで商品・サービスを購入した情報を、複数の販売事業者毎に管理して提供する処理を前記サービス管理装置が実行する第9の工程をさらに有する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項8】
前記関連付け情報には、前記顧客の前記店舗への入店時刻及び出店時刻、前記関係者との接触開始時刻及び終了時刻、前記ウエブサイトでの前記顧客の前記商品又はサービスの購入時刻を示す情報が含まれる
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項9】
顧客の顧客端末装置の位置情報と店舗の位置情報とを基に、前記顧客が前記店舗に入店したか否かを判断し、当該顧客の入店履歴情報を生成する第1の工程と、
ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、
前記顧客が入った店舗が販売している商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客が購入した商品・サービスが、前記顧客が入った店舗で販売されているかを判断する第3の工程と、
店舗関係者端末装置と顧客端末装置との間で近距離通信が行われた接触履歴があり、前記顧客が購入した商品・サービスが当該顧客が入った店舗で販売されていると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、当該顧客が入店した店舗と、前記接触履歴に係る前記店舗関係者端末装置に対応する関係者とを関連付けた関連付け情報を生成する第4の工程と、
前記第4の工程で生成した関連付け情報を前記店舗に関係する装置又は前記ウェブサイトに関係する装置に送信する第5の工程と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
前記第4の工程は、
前記店舗関係者端末装置と前記顧客端末装置との間の近距離通信の時間及び回数の少なくとも一つをさらに関連付けた前記関連付け情報を生成する
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
顧客の顧客端末装置の位置情報と店舗の位置情報とを基に、前記顧客が前記店舗に入店したか否かを判断し、当該顧客の入店履歴情報を生成する第1の工程と、
ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、
前記顧客が入った店舗が販売している商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客が購入した商品・サービスが、前記顧客が入った店舗で販売されているかを判断する第3の工程と、
店舗関係者端末装置と顧客端末装置との間で近距離通信が行われた接触履歴があり、前記顧客が購入した商品・サービスが当該顧客が入った店舗で販売されていると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、当該顧客が入店した店舗と、前記接触履歴に係る前記店舗関係者端末装置に対応する関係者とを関連付けた関連付け情報を生成する第4の工程と、
前記第4の工程で生成した関連付け情報を前記店舗に関係する装置又は前記ウェブサイトに関係する装置に送信する第5の工程と
を実行するサービス管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の商品・サービスの購入を促進する購買支援方法、その装置及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
小売り流通業において近年増えてきているショールーミングといった顧客行動、すなわち、店舗で実物の商品の確認を行った後に、ECサイトで当該商品を購入することが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、店舗としては、接客をしても、自らの当該店舗で商品が購入されないと、販売スタッフの意欲が低下するとともに、店舗の売り上げが棄損してしまう。
このような状況では、店舗数が減り、結果として顧客の商品購入意欲が低下する可能性があるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、店舗とオンランショップの双方にメリットがある購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することにある。
また、本発明は、店舗スタッフに接客のインセンティブを与えることができる購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、顧客の顧客端末装置の位置情報と店舗の位置情報とを基に、前記顧客が前記店舗に入店したか否かを判断し、当該顧客の入店履歴情報を生成する第1の工程と、ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、前記顧客が入った店舗が販売している商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客が購入した商品・サービスが、前記顧客が入った店舗で販売されているかをサービス管理装置が判断する第3の工程と、店舗関係者端末装置と顧客端末装置との間で近距離通信が行われた接触履歴があり、前記顧客が購入した商品・サービスが当該顧客が入った店舗で販売されていると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、当該顧客が入店した店舗と、前記接触履歴に係る前記店舗関係者端末装置に対応する関係者とを関連付けた関連付け情報を前記サービス管理装置が生成する第4の工程と、前記サービス管理装置が前記第4の工程で生成した関連付け情報を前記店舗に関係する装置又は前記ウェブサイトに関係する装置に送信する第5の工程とを有する購買支援方法である。
【0006】
好適には、前記第1の工程は、顧客端末装置又はサービス管理装置が実行し、前記第2の工程は、前記サービス管理装置が実行する。
【0007】
好適には、前記第4の工程は、前記店舗関係者端末装置と前記顧客端末装置との間の近距離通信の時間及び回数の少なくとも一つをさらに関連付けた前記関連付け情報を生成する。
【0008】
好適には、前記顧客の前記店舗への入店日時と、当該顧客が前記商品又はサービスの購入日時とを基に、前記顧客の購入と店舗訪問との貢献度を前記サービス管理装置が評価する第6の工程をさらに有する。

【0009】
好適には、前記顧客端末装置と前記店舗関係者端末装置との間でメッセージ送受信を行う第7の工程をさらに有する。
【0010】
好適には、前記第7の工程のメッセージ送受信の履歴を基に、前記店舗関係者端末装置に対応する店舗関係者の前記顧客による購入への貢献度を前記サービス管理装置が評価する第8の工程をさらに有する。
【0011】
好適には、前記ウェブサイトでの商品・サービスの販売事業者が複数ある場合に、顧客が店舗に入店した後にウェブサイトで商品・サービスを購入した情報を、複数の販売事業者毎に管理して提供する処理を前記サービス管理装置が実行する第9の工程をさらに有する。
【0012】
好適には、前記関連付け情報には、前記顧客の前記店舗への入店時刻及び出店時刻、前記関係者との接触開始時刻及び終了時刻、前記ウエブサイトでの前記顧客の前記商品又はサービスの購入時刻を示す情報が含まれる。
【0013】
本発明は、顧客の顧客端末装置の位置情報と店舗の位置情報とを基に、前記顧客が前記店舗に入店したか否かを判断し、当該顧客の入店履歴情報を生成する第1の工程と、
ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、前記顧客が入った店舗が販売している商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客が購入した商品・サービスが、前記顧客が入った店舗で販売されているかを判断する第3の工程と、店舗関係者端末装置と顧客端末装置との間で近距離通信が行われた接触履歴があり、前記顧客が購入した商品・サービスが当該顧客が入った店舗で販売されていると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、当該顧客が入店した店舗と、前記接触履歴に係る前記店舗関係者端末装置に対応する関係者とを関連付けた関連付け情報を生成する第4の工程と、前記第4の工程で生成した関連付け情報を前記店舗に関係する装置又は前記ウェブサイトに関係する装置に送信する第5の工程とをコンピュータに実行させるプログラムである。
【0014】
好適には、前記第4の工程は、前記店舗関係者端末装置と前記顧客端末装置との間の近距離通信の時間及び回数の少なくとも一つをさらに関連付けた前記関連付け情報を生成する。
【0015】
本発明は、顧客の顧客端末装置の位置情報と店舗の位置情報とを基に、前記顧客が前記店舗に入店したか否かを判断し、当該顧客の入店履歴情報を生成する第1の工程と、ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、前記顧客が入った店舗が販売している商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客が購入した商品・サービスが、前記顧客が入った店舗で販売されているかを判断する第3の工程と、店舗関係者端末装置と顧客端末装置との間で近距離通信が行われた接触履歴があり、前記顧客が購入した商品・サービスが当該顧客が入った店舗で販売されていると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、当該顧客が入店した店舗と、前記接触履歴に係る前記店舗関係者端末装置に対応する関係者とを関連付けた関連付け情報を生成する第4の工程と、前記第4の工程で生成した関連付け情報を前記店舗に関係する装置又は前記ウェブサイトに関係する装置に送信する第5の工程とを実行するサービス管理装置である。

【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、店舗とオンランショップの双方にメリットがある購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することができる。
本発明によれば、店舗スタッフに接客のインセンティブを与えることができる購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る商品販売支援システムの全体構成図である。
図2図2は、図1に示す顧客端末装置の機能ブロック図である。
図3図3は、顧客端末装置の処理部が行う顧客が店舗に入ったか否かを判断する処理を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、図1に示すサービス管理装置の機能ブロック図である。
図5図5は、図1に示すサービス管理装置の処理を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、図5の処理でサービス管理装置が生成した関連付け情報に係る処理を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係る商品販売支援システムの全体構成図である。
図8図8は、図7に示す顧客端末装置が行う接触情報生成処理を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、本発明の第2実施形態に係る商品販売支援システムのサービス管理装置の関連付け情報の生成処理を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、サービス管理装置23のメッセージ機能を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る商品販売支援システムについて説明する。
<第1実施形態>
本実施形態では、店舗に入った顧客が、その後、当該店舗で販売している商品・サービスをECサイトで購入した場合に、当該顧客と店舗と商品・サービスとを関連付けた関連付け情報を生成する。
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態に係る商品販売支援システム1の全体構成図である。
図1に示すように、商品販売支援システム1は、例えば、顧客端末装置21、サービス管理装置23、ネット販売装置25、店舗装置27を用いてサービス処理を行う。
店舗11、購入者端末装置21、店舗装置27、ネット販売装置25の数は任意である。
【0020】
ユーザ端末装置21は、商品の購入を行うユーザが使用するスマートフォン等の通信装置である。
サービス管理装置23は、商品販売支援システム1のサービス処理を統括的に管理するサービス事業者が使用する装置である。
【0021】
ネット販売装置25は、ネット販売業者が使用する装置である。
ネット販売装置25は、様々な商品を掲載しており、顧客がアクセスして商品を購入できる。
【0022】
店舗装置27は、店舗11を管理する事業者が使用する装置である。
【0023】
以下、商品販売支援システム1のサービス処理の概要を説明する。
顧客はショッピングをするために、顧客端末装置21を保持しながら移動し、店舗11に入る。
顧客端末装置21又はサービス管理装置23は、顧客端末装置21のGPS機能を利用して、顧客端末装置21の位置情報を取得し、当該顧客の位置情報と、予め保持している店舗11の位置情報から、当該購買者が店舗11に入店したか否かを判断する。そして、入力したと判断すると、当該顧客の入店履歴情報を生成して記憶する。
【0024】
顧客が店舗11を出て自宅等で顧客端末装置21を用いてネット販売装置25にアクセスを行って商品を購入すると、ネット販売装置25からサービス管理装置23に購入履歴情報が提供される。
サービス管理装置23は、当該顧客の入店履歴情報と取得した前記購入履歴とを基に、当該顧客がネット販売装置25で購入した商品と、当該顧客が入店した顧客端末装置21とを関連付けた関連付け情報を生成する。
【0025】
[顧客端末装置21]
図2は、図1に示す顧客端末装置21の機能ブロック図である。
図2に示すように、顧客端末装置21は、例えば、ディスプレイ51,カメラ53,操作部55,通信部57,近距離通信部59,GPS通信部61,メモリ63及び処理部65を有する。
【0026】
ディスプレイ51は、処理部65からの信号に基づいた画像を表示する。
カメラ53は、撮像対象を撮像する。
操作部55は、タッチパネル、キーボードやマウス等の操作手段である。
通信部57は、顧客端末装置21、ネット販売装置25及び店舗装置27と通信を行う。
【0027】
近距離通信部59は、ブルートゥース(登録商標)通信を行う。近距離通信部59は、ブルートゥース以外でもよく、近距離通信の距離は例えば30cm~2mである。
GPS通信部61は、GPS衛星13からGPS信号を受信する。
メモリ63は、処理部65が実行するプログラムPRG1を記憶する。
処理部65は、メモリ63に記憶されたプログラムPRG1を実行して、本実施形態で規定する顧客端末装置21の処理を行う。
プログラムPRG1は、顧客向けアプリ及びサービス管理事業者向けアプリをインストールしたものである。
【0028】
図3は、顧客端末装置21の処理部65が行う顧客が店舗に入ったか否かを判断する処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST1:
処理部65は、GPS通信部61がGPS衛星13から受けたGPS信号を基に顧客の位置情報を生成する。
【0029】
ステップST2:
処理部65は、ステップST1で生成した位置情報と、サービス管理装置23から取得してメモリ63に予め記憶した店舗位置情報とを基に、予め登録した店舗内に顧客が入ったかを判断する。
【0030】
ステップST3:
処理部65は、ステップST2で顧客が店舗に入ったと判断すると当該顧客の入店履歴情報を生成する。
【0031】
処理部65は、顧客による操作部55の操作に応じて、ネット販売装置25にアクセスをし、商品の購入処理を行う。
処理部65は、商品の購入履歴情報を、通信部57を介してサービス管理装置23に送信する。
【0032】
処理部65は、顧客ID、店舗IDをメモリ63に記憶する。
処理部65は、事前に登録された店舗に入店した場合にその情報をサービス管理装置23に記録する。
処理部65は、既存の外部アプリ(例えば、店舗運営会社が発行するアプリ)から起動され、独立して動作する場合もあれば、外部アプリのライブラリとして実行される場合もある。
【0033】
処理部65は、複数のスマホアプリからの呼び出しされた場合はそれぞれが別アプリ(オブジェクト)として動作する。同一顧客が複数の(事業者アプリ)をインストールしている可能性があるためである。
処理部65は、インスタグラムなどSNS連携機能を有する。
【0034】
顧客端末装置21は、複数のネット販売会社のネット販売装置25から商品・サービスを購入してもよい。顧客端末装置21は、それぞれのネット販売装置25が提供するネットショップのアプリをインストールしていてもよい。これにより複数の事業者横断の統計分析が可能となる。
【0035】
[サービス管理装置23]
図4は、図1に示すサービス管理装置23の機能ブロック図である。
図4に示すように、サービス管理装置23は、例えば、通信部71,メモリ73及び処理部75を有する。
【0036】
通信部71は、顧客端末装置21、ネット販売装置25及び店舗装置27と通信を行う。
【0037】
メモリ73は、処理部75が実行するプログラムPRG2を記憶する。
処理部75は、メモリ73に記憶されたプログラムPRG2を実行して、本実施形態で規定するサービス管理装置23の処理を行う。
【0038】
サービス管理装置23は、定期的に、店舗装置27から当該店舗で販売している商品・サービスについての店舗販売情報を取得し、メモリ73に記憶する。
【0039】
図5は、図1に示すサービス管理装置23の処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST11:
顧客が顧客端末装置21を操作してネット販売装置25にアクセスをして商品・サービスを購入すると、当該顧客情報、購入した商品・サービスの情報等を、サービス管理装置23が顧客端末装置21又はネット販売装置25から取得し、メモリ73に記憶する。
【0040】
ステップST12:
処理部75は、ステップST11で取得した顧客が購入した商品・サービスが、予めメモリ73に記憶した店舗販売情報を基に、顧客が入った店舗で販売されているたか否かを判断する。
【0041】
ステップST13:
処理部75は、ステップST12で店舗で販売されていると判断するとステップST14に進み、そうでないと処理を終了する。
【0042】
ステップST14:
処理部75は、当該顧客の商品購入と、当該店舗とを関連付けた関連付け情報を生成し、これをメモリ73に記憶する。このとき、当該顧客の商品購入として、顧客の店舗への入店時刻、出店時刻、商品購入日時等の情報が関連付けられる。
【0043】
当該関連付け情報は、様々な用途に使用される。
例えば、サービス管理装置23は、当該関連付け情報をネット販売装置25及び店舗装置27の少なくとも一方に送信し、ネット販売装置25を運営するネット販売会社が、店舗運営会社に紹介料等を支払うようにしてもよい。
【0044】
サービス管理装置23とネット販売装置25とで顧客情報を共有していてもよい。
【0045】
図6は、図5の処理でサービス管理装置23が生成した関連付け情報に係る処理を説明するためのフローチャートである。
図6に示すように、処理部75は、図5の処理で生成した関連付け情報の送信条件を満たすと(ステップST21)、当該関連付け情報をネット販売装置25に送信する(ステップST22)。
当該送信は実行しなくてもよい。
【0046】
ネット販売装置25は、サービス管理装置23から受信した関連付け情報を基に、店舗運営会社への紹介料等の支払額を決定する。
【0047】
サービス管理装置23は、店舗運営会社及びその店舗についての各種属性登録、顧客登録、店員登録など、いわゆるマスター管理を行う。顧客向けアプリが管理する顧客IDはECサイト上での顧客IDと共通、もしくは紐づけが必要であるため、そのマージ作業に必要なシステム連携情報や操作を行う。
【0048】
サービス管理装置23は、ネット販売装置25(ECサイト)で管理する顧客情報を受け取り、顧客向けアプリが保持する顧客IDと同期することができる。
【0049】
サービス管理装置23は、店舗(小売り流通事業者)の情報を登録、変更、削除する。
サービス管理装置23は、店舗の位置情報を登録、変更、削除することができる。店舗は固有名称、IDなどを保持するが、いずれかの事業者に所属する。
【0050】
サービス管理装置23は、顧客IDの表示、利用停止などを設定する。
また、サービス管理装置23は、店舗毎の売上情報を検索、表示する。
【0051】
サービス管理装置23は、顧客が入った店舗のクーポンを発行してもよい。当該クーポンは、提携しているネット販売装置25で使えるようにいしてもよい。
【0052】
商品販売支援システム1によれば、OMO( Online Merges (with) Offline)を促進することができる。
商品販売支援システム1によれば、小売り流通業において近年増えてきているショールーミングといった顧客行動、すなわち、店舗で実物の商品の確認を行った後に、ネット販売装置25(ECサイト)で当該商品を購入するといった行動をしても、当該商品の販売に貢献した店舗を特定でき、当該店舗に紹介料等のインセンティブを提供することができる。
【0053】
その結果、店舗や店員はショールーミングによる店舗売上の棄損を恐れることなく接客することができ、モチベーション向上につながり、結果的に店舗・EC合わせた全体の売上に貢献することとなる。また、店舗店員の反対というECサイト導入の障壁を軽減することができ、DX化の流れに取り残されるリスクを回避することも可能になる。
【0054】
また、商品販売支援システム1によれば、店舗と顧客とのつながりをデータベース化することができるという副次的効果もあり、店舗から顧客へのオンラインでの直接的なアプローチなども可能となり、売上増加に寄与することができる。
【0055】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態の機能に加えて、店舗の店舗スタッフとの近距離通信の結果を基に、顧客の商品・サービスの購入と店舗スタッフとを関連付けた関連付け情報を生成する。
【0056】
図7は、本発明の第2実施形態に係る商品販売支援システム101の全体構成図である。
図7に示すように、商品販売支援システム101は、例えば、顧客端末装置21、サービス管理装置23、ネット販売装置25、店舗装置27及びスタッフ端末装置85を用いてサービス処理を行う。
顧客端末装置21、ネット販売装置25、店舗装置27及びスタッフ端末装置85の数は任意である。
【0057】
顧客端末装置21、サービス管理装置23、ネット販売装置25、店舗装置27は第1実施形態で説明した機能に以下に記載する機能を備えている。
【0058】
[スタッフ端末装置85]
スタッフ端末装置85は、店舗の販売スタッフが接客時に携帯し、接客時等に顧客端末装置21との間で近距離通信を行う。
また、スタッフ端末装置85は、購入促進フォローのための購入者端末装置21とメッセージ通信をしてもよい。
【0059】
[顧客端末装置21]
顧客端末装置21の図2に示す処理部65は、第1実施形態で記載した機能に加えて以下の機能を有する。
図8は、図7に示す顧客端末装置21が行う接触情報生成処理を説明するためのフローチャートである。
【0060】
顧客端末装置21は、店舗に入店して店舗内で販売スタッフに接客されると、スタッフ端末装置85と近距離通信を行い(ステップST31)、当該近距離通信に関する接触情報を生成する(ステップST32)。
当該接触情報は、例えば、スタッフ端末装置85のID情報、接触日時、接触時間等の情報である。
顧客端末装置21は、当該接触情報をネット販売装置25に送信する(ステップST33)。
【0061】
なお、上述した接触情報の生成はスタッフ端末装置85で行ってもよいし、顧客端末装置21びスタッフ端末装置85の双方で行ってもよい。
【0062】
処理部65は、インスタグラムなどSNS連携機能を有する。
処理部65は、販売スタッフのスタッフ端末装置85とメッセージのやり取りができる。販売スタッフのアバターやプロフィールを見ることができる。
処理部65は、当該メッセージの送受信の履歴情報であるメッセージ履歴情報をサービス管理装置23に送信する。
【0063】
[サービス管理装置23]
サービス管理装置23は、第1実施形態の機能に加えて、以下の機能を有している。
図9は、本発明の第2実施形態に係る商品販売支援システムのサービス管理装置23の関連付け情報の生成処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST11~ST13は、第1実施形態と同じである。
【0064】
ステップST44:
サービス管理装置23の処理部75は、顧客端末装置21又はスタッフ端末装置85から受信した接触情報を基に、顧客が入った店舗で、当該店舗にいる販売スタッフのスタッフ端末装置85と当該顧客の顧客端末装置21とが近距離通信(接触)をしたか否かを判断する。
【0065】
ステップST45:
処理部75は、ステップST44で近距離通信をしたと判断するとステップST46に進み、そうでないと処理を終了する。
【0066】
ステップST46:
処理部75は、当該顧客と、当該顧客の商品購入と、当該店舗と、当該販売スタッフとを関連付けた関連付け情報を生成し、これをメモリ73に記憶する。
当該関連付け情報には、顧客の店舗への入店時刻、出店時刻、販売スタッフとの接触開始時刻及び終了時刻、商品・サービスの購入時刻等がの情報が含まれる。
【0067】
処理部75は、購入者端末装置21とスタッフ端末装置85との間でメッセージの送受信をする機能を提供する。
図10は、サービス管理装置23のメッセージ機能を説明するためのフローチャートである。
処理部75は、購入者端末装置21とスタッフ端末装置85とお間でメッセージ送信があると(ステップST51)、そのメッセージ送受信の時間や回数をメッセージ履歴として記憶する(ステップST52)。
【0068】
処理部75は、メッセージ送受信した顧客が商品・サービスをネット販売装置25で購入した場合に、それに係るメッセージ履歴を当該販売スタッフの評価、インセンティブに反映させる。
処理部75は、顧客端末装置21とスタッフ端末装置85との間のメッセージ送受信の履歴を基に、販売スタッフが当該顧客の商品・サービス購入への貢献度を示す評価情報を生成する。具体的には、メッセージ回数や、メッセージ送受信時刻等を基に評価情報を生成する。
【0069】
処理部75は、ネット販売装置25からの要求に対し、顧客端末装置21とスタッフ端末装置85とが一定時間以上近接していた場合、その店員ID等の情報を店舗装置27又はネット販売装置25に送信する。この時、近接していた時期も考慮することができる。また、当該店員の売上実績候補として記録してもよい。
【0070】
処理部75は、近接店員への評価、チップなどを受け取り、記録するようにしてもよい。
【0071】
処理部75は、ネット販売装置25で管理する顧客情報を受け取り、アプリが保持する顧客IDと同期させるようにしてもよい。
【0072】
また、処理部75は、近接を判断するための情報を管理することができる。近接の距離、時間などを事業者毎、店舗毎に変更することができる。また、有効近接時期期間の設定をすることができる。
【0073】
また、処理部75は、顧客IDの表示、利用停止などを設定することができる。
処理部75は、店舗店員毎の売上情報を検索、表示することができる。
処理部75は、店舗店員の登録、変更、削除機能。アバターの登録もできる。
【0074】
以上説明したように、第2実施形態の商品販売支援システム101によれば、小売り流通業において近年増えてきているショールーミングといった顧客行動、すなわち、店舗で実物の商品の確認を行ったり、店員から商品説明をうけたりした上でネット販売装置25(ECサイト)から当該商品を購入するといった行動をしても、当該商品の販売に貢献した販売スタッフが誰であるかを明確化することを可能にするアプリである。
【0075】
第2実施形態の商品販売支援システム101によれば、顧客が購入者端末装置21を用いてネット販売装置25で商品・サービスを購入した場合に、店舗で当該顧客に接客した販売スタッフと当該購入とを関連付けることができ、何等かの評価や報酬等を当該販売スタッフにフィードバックすることができる。これにより、店舗での販売スタッフの販売意欲を高めることができる。
【0076】
また、店員と顧客とのつながりをデータベース化することができるという副次的効果もあり、店員から顧客へのオンラインでの直接的なアプローチなども可能となり、売上増加に寄与することができる。
【0077】
本実施形態は、以下のサービスを提供することが可能である。
・小売り流通事業者に顧客行動データ取得プラットフォームとして提供し、使用料を得る。
既存ECサイトやアプリとの連携部分はアダプターの開発が必要となるため、個別案件として対応する。
新規にECを立ち上げたり、アプリを開発する事業者には開発用モジュールを提供する。ECサイトやアプリの請負開発。
・EC事業者の拡張サービスとして提供する。
【0078】
また、サービス管理会社は、自社でECサイトを運用する、自社でECパッケージを開発、販売する、蓄積された消費者の行動データを分析しマーケティングデータとして販売する等の事業を行うことができる。
【0079】
また、複数事業者のアプリを入れいている顧客を端末IDで紐づけることができるため、事業者横断の統計分析が可能となる。
【0080】
また、商品販売支援システム101は以下のサービスを行うことができる。
・接客業全般の接客評価ツールとしての活用。例えば販売スタッフにチップを送ることができるアプリを提供する。
・人どおしの近距離接触データを統計データとして政治や行政に活用する。
・相手が物の場合にも応用可能。物理的な広告の効果測定など。
【0081】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0082】
上述した実施形態では、1つの店舗11を例示したが、店舗は複数でもよい。
また、購入者端末装置21も複数である。
また、上述した実施形態のサービスは、クラウドでの提供を前提とするが、オンプレミスでの提供も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、購買支援システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
1,101…商品販売支援システム
11…店舗
21…購入者端末装置
51…ディスプレイ
53…カメラ
55…操作部
57…通信部
59…近距離通信部
61…GPS通信部
63…メモリ
23…サービス管理装置
71…通信部
73…メモリ
75…処理部
25…ネット販売装置
27…店舗装置
85…スタッフ端末装置


【要約】
【課題】店舗とオンランショップの双方にメリットがある購買支援方法を提供する。
【解決手段】 顧客の顧客端末装置の位置情報と店舗の位置情報とを基に、前記顧客が前記店舗に入店したか否かを判断し、当該顧客の入店履歴情報を生成する第1の工程と、前記顧客のウェブサイトでの商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、前記第1の工程で生成した前記入店履歴情報と前記第2の工程で取得した前記購入履歴情報とを基に、当該顧客と、前記顧客が購入した前記商品又はサービスと、当該顧客が入店した当該商品又はサービスが販売されている店舗とを関連付けた関連付け情報をサービス管理装置が生成する第3の工程とを行う。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10