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特許7174468ウイルス侵入されたプログラムがプログラム自身でウイルスデータを排除できるプログラム開発方法
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  • 特許-ウイルス侵入されたプログラムがプログラム自身でウイルスデータを排除できるプログラム開発方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ウイルス侵入されたプログラムがプログラム自身でウイルスデータを排除できるプログラム開発方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/56 20130101AFI20221110BHJP
【FI】
G06F21/56 330
G06F21/56 380
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022560378
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(86)【国際出願番号】 JP2022023618
【審査請求日】2022-10-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598037422
【氏名又は名称】根来 文生
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根来 文生
【審査官】行田 悦資
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/021220(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0174349(US,A1)
【文献】特開2013-164732(JP,A)
【文献】特開2003-108253(JP,A)
【文献】特表2014-501002(JP,A)
【文献】根来 文生,世界初!コンピュータウイルスを無力化するプログラム革命 (LYEE),日本,株式会社日本地域社会研究所,2014年11月03日,pp.73-77
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
プログラムに従った処理の実行時に、シナリオ関数により前記プログラムを統治させる統治プログラムであって、
前記プログラムの命令文の各々に関し生成される主語ベクトルの各々において、
第1規約において、当該主語ベクトルの正統性を判断させ、
第2規約において、左辺が仮成立データである前記命令文をセットさせるとともに第2規約のフラグである第2フラグをオンにさせ、
第3規約において、第2規約の左辺に関与する右辺の全てのデータが正統であるかを判定させ、
第4規約において、第3規約における判定において全てのデータが正統であると判定された場合に限り、第2規約の左辺のデータを第4規約の正保存領域である第4保存領域と第4規約の副保存領域である第4コピー領域の各々に保存させ、
第5規約において、第3規約における判定において少なくとも1つのデータが正統でないと判定された場合、パレット4上の主語ベクトルのうち第4保存領域にデータが保存されている主語ベクトルの総数である主語成立数に基づき、当該主語ベクトルの再起及び停止のいずれかを選択させ、
第6規約において、第5規約において再起が選択された場合、当該主語ベクトルの再起を指示させ、第6規約のフラグである第6フラグをオンにさせ、
第7規約において、第5規約において停止が選択された場合、当該主語ベクトルの停止を指示させ、第7規約のフラグである第7フラグをオンにさせ、
第1規約において、
第2フラグがオンであり、且つ、当該主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域に保存されているデータが一致する場合、当該主語ベクトルが正統であると判定した後に処理を終了させ、
第7フラグがオンの場合、当該主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域を初期化した後に処理を終了させ、
第6フラグがオンの場合、当該主語ベクトルの第4保存領域、第4コピー領域、第2フラグ、及び、第6フラグを初期化した後に処理を第2規約に進ませ、
第2フラグがオンであり、且つ、当該主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域に保存されているデータが一致しない場合、主語成立数から1を減算させ、当該主語ベクトルの第4保存領域、第4コピー領域、及び、第2フラグを初期化した後に処理を第2規約に進ませる
ための統治プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンピュータで実行されるプログラムの開発方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明者により論考されたソフトウェア構築の摂理に関する統一理論であるLYEE理論がある。LYEE理論を開示している文献として、特許文献1乃至3及び非特許文献1乃至10がある。
【0003】
また、LYEE理論に基づき本願発明者により開発されたシナリオ関数(以下、「SF」ともいう)がある。シナリオ関数を開示している文献として、特許文献4乃至9及び非特許文献11乃至14がある。
【0004】
特許文献7には、シナリオ関数を用いた、従来プログラムの潜在バグ構文を従来プログラムのソースから自動的に抽出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6532586号明細書
【文献】特許第3133343号公報
【文献】欧州特許第0947916号明細書
【文献】特許第5992079号公報
【文献】特許第6086977号公報
【文献】米国特許第10235522号明細書
【文献】特許第6917072号
【文献】特許第6719798号
【文献】国際公開第2021/124411号
【非特許文献】
【0006】
【文献】Fumio Negoro, "Lyee's Hypothetical World", "New Trends in Software Methodologies Tools and Techniques" 84 of Frontiers in Artificial Intelligence and Applications, pp. 3-22, IOS Press, September 2002
【文献】根来文生、「コンピュータウイルスを無力化するプログラム革命(LYEE)」日本地域社会研究所、2014年10月
【文献】根来文生、「LYEE理論の要約」、[online]、エムティインターナショナル株式会社、[令和2年9月1日検索]、インターネット<URL: https://mtiinc.jimdo.com/no190907/lyee理論の要約/>
【文献】Fumio Negoro, "Prinnciple of Lyee Sofutoware", "Proceeding of 2000 International Conference on Information Society in the 21st Century (IS2000)", pp.441-446, 2000
【文献】Fumio Negoro, "Intent Operationalisation for Source Code Generation", "Proceeding of World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informations (SCI2001)", Volume X IV, Computer Science and Engineering: Part II, pp.496-503, 2001
【文献】Issam A.Hamid and Fumio Negoro, "New Innovation on Software Implementation Methodology for 21st Century - What Software Science can Bring to Natural Language Processing", "Proceeding of World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informations (SCI2001)", Volume X IV, Computer Science and Engineering: Part II, pp.487-489, 2001
【文献】Fumio Negoro and Issam A.Hamid, "A Proposal for Intention Engineering", "Proceeding of International Conference on Advance in Infrastructure for Electronic Business, Science and Education on the Internet (SSGRR2001)", CD-ROM, 2001
【文献】Fumio Negoro, "The Predicate Structure to Represent the Intention for Software", "Proceeding of the ACIS 2nd International Conference on Software Engineering, Artificial Intelligence, Networking & Parallel/Distributed Computing (SNPD’01)", pp.985-992, 2001
【文献】Fumio Negoro, "A Proposal for Requirement Engineering", "Proceeding of the 5th East-European Conference on Advances in Databases and Information Systems (ADBIS2001)", Volume 2, TUTORIALS PROFESIONAL COMMUNICATIONS AND REPORTS, 2001
【文献】Fumio Negoro, "Method to Determine Software in a Deterministic Manner", "International Conference on Infotech & Info-Net (ICII2001)", 2001
【文献】根来文生、「シナリオ関数の原理模型」、[online]、エムティインターナショナル株式会社、[令和2年9月1日検索]、インターネット<URL: https://mtiinc.jimdo.com/no190907/シナリオ関数の原理模型/>
【文献】根来文生、「シナリオ関数の全景」、[online]、エムティインターナショナル株式会社、[令和2年9月1日検索]、インターネット<URL: https://mtiinc.jimdo.com/no190907/シナリオ関数の全景/>
【文献】根来文生、「日本国に於けるSFの特許出願に関する特許庁の拒絶審決に対し反論を述べた上申書(2021年1月18日)」、[online]、エムティインターナショナル株式会社、[令和3年1月28日検索]、インターネット<https://mtiinc.jimdofree.com/app/download/11620880491/シナリオ関数特許出願#上申書.pdf?t=1611881451>
【文献】根来文生、「同期についての概念」、[online]、エムティインターナショナル株式会社、[令和3年1月28日検索]、インターネット<https://mtiinc.jimdofree.com/no210128/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ウイルス侵入、サイバー攻撃に対する対策としてファイアウォールに代表されるような外壁方式を中心とする対応の為、ユーザープログラムにウイルス侵入を許すとなすすべなく情報漏洩、システム乗っ取り等が起こる。
【0008】
上記を鑑み、本願発明は、ウイルスに侵入されたプログラム自身がプログラムの実行中にウイルスを無力化する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
コンピュータに、
プログラムに従った処理の実行時に、シナリオ関数により前記プログラムを統治させる統治プログラムであって、
前記プログラムの命令文の各々に関し生成される主語ベクトルの各々において、
第1規約において、当該主語ベクトルの正統性を判断させ、
第2規約において、左辺が仮成立データである前記命令文をセットさせるとともに第2規約のフラグである第2フラグをオンにさせ、
第3規約において、第2規約の左辺に関与する右辺の全てのデータが正統であるかを判定させ、
第4規約において、第3規約における判定において全てのデータが正統であると判定された場合に限り、第2規約の左辺のデータを第4規約の正保存領域である第4保存領域と第4規約の副保存領域である第4コピー領域の各々に保存させ、
第5規約において、第3規約における判定において少なくとも1つのデータが正統でないと判定された場合、パレット4上の主語ベクトルのうち第4保存領域にデータが保存されている主語ベクトルの総数である主語成立数に基づき、当該主語ベクトルの再起及び停止のいずれかを選択させ、
第6規約において、第5規約において再起が選択された場合、当該主語ベクトルの再起を指示させ、第6規約のフラグである第6フラグをオンにさせ、
第7規約において、第5規約において停止が選択された場合、当該主語ベクトルの停止を指示させ、第7規約のフラグである第7フラグをオンにさせ、
第1規約において、
第2フラグがオンであり、且つ、当該主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域に保存されているデータが一致する場合、当該主語ベクトルが正統であると判定した後に処理を終了させ、
第7フラグがオンの場合、当該主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域を初期化した後に処理を終了させ、
第6フラグがオンの場合、当該主語ベクトルの第4保存領域、第4コピー領域、第2フラグ、及び、第6フラグを初期化した後に処理を第2規約に進ませ、
第2フラグがオンであり、且つ、当該主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域に保存されているデータが一致しない場合、主語成立数から1を減算させ、当該主語ベクトルの第4保存領域、第4コピー領域、及び、第2フラグを初期化した後に処理を第2規約に進ませる
ための統治プログラム
を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】シナリオ関数により統治されているプログラムの同期アルゴリズムの仕組みを表した図。
図2】ベクトルの構造を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
シナリオ関数は、プログラムで使用される命令文の構成を定義式で表現したものである。以下に、シナリオ関数の定義式を示す。
【0012】
SG=Φ0[Φ4{L4},{W4},T4,E41,E42]+Φ2[{R2},{L2},T2]+Φ3[{L3},T31,T32,T33]
ただし、
SG:シナリオ関数の解(主語系譜)
Φ0:同期関数
Φ4:座標関数4
Φ2:座標関数2
Φ3:座標関数3
座標関数4のパレット4:[{L4},{W4},T4,E41,E42]
座標関数2のパレット2:[{R2},{L2},T2]
座標関数3のパレット3:[{L3},T31,T32,T33]
主語ベクトル(5種):L4,W4,L2,R2,L3
制御ベクトル(7種):E41,E42,T4,T2,T31,T32,T33
である。
【0013】
この定義式の詳細に関しては、非特許文献12(「シナリオ関数の全景」)に記載されており公知であるため、その説明を省略する。
【0014】
図1は、シナリオ関数により統治されているプログラム(以下、「シナリオ関数プログラム」という)の同期アルゴリズムの仕組みを表した図である。同期関数は起動後、座標関数4、パレット4上のベクトルを実行する。座標関数はパレット上のベクトルを順次実行する。パレットの処理は、パレット上の全ベクトルのデータが成立すると終了する。E41の第4保存領域がオンの場合、同期関数はシステム終了プログラムを起動し、実行中のシナリオ関数の処理が終了する。
【0015】
なお、パレット4の時は現在、パレット2の時は過去、パレット3の時は未来に対応する。
【0016】
図2は、ベクトル(主語ベクトル又は制御ベクトル)の構造を示した図である。主語ベクトルはプログラムに含まれる命令文の各々に関し生成される。各々の主語ベクトルは7つの規約(第1規約~第7規約)で構成され、データ成立の正統性を担保する役割を果たす。
【0017】
以下のサンプルプログラムがシナリオ関数により統治される場合を例に、7つの規約の各々において実行される処理を説明する。
【0018】
(サンプルプログラム)
001 G=10
002 L1 READ F1(R,F)
003 F=R-F
004 IF F<0
005 CLOSE F1
006 B=G-F
【0019】
001行の命令文は定値文(又は定置文)であり、この命令文に関し、主語ベクトルL2がパレット2上に生成される。
002行の命令文は入力文であり、この命令文に関し、主語ベクトルR2がパレット2上に生成される。
003行の命令文は代入文(又は呼出文)であり、この命令文に関し、主語ベクトルL4がパレット4上に生成される。
004行の命令文は条件文であり、この命令文に関し、主語ベクトルL3がパレット3上に生成される。
006行の命令文は代入文(又は呼出文)であり、この命令文に関し、主語ベクトルL4がパレット4上に生成される。
【0020】
7つの規約の各々において実行される処理は以下のとおりである。なお、( )内に例として、006行の命令文に関し生成される主語ベクトルにおける値等を示す。
【0021】
第1規約:主語ベクトル(例えば、L4#B)の正統性を判断(出口2、3、4で判断)
第2規約:左辺(例えば、B)が仮成立データである命令文(例えば、B=G-F)をセット
第3規約:第2規約の左辺(例えば、B)に関与する右辺の全てのデータ(例えば、G、F)が正統であるかを判定
第4規約:第3規約における判定において全てのデータが正統であると判定された場合に限り、第2規約の左辺のデータ(B)を第4規約の保存領域である第4保存領域に保存
第5規約:第3規約における判定において少なくとも1つのデータ(例えば、G、Fの少なくとも一方)が正統でないと判定された場合、パレット4上の主語ベクトルのうち第4保存領域にデータが保存されている主語ベクトルの総数である主語成立数に基づき、この主語ベクトルの再起及び停止のいずれかを選択(すなわち、同じ座標周期における第4保存領域の成立可能性を判断)
第6規約:第5規約において再起が選択された場合(すなわち、同じ座標周期において第4保存領域の成立可能性があると判断された場合)、この主語ベクトルの再起を指示
第7規約:第5規約において停止が選択された場合(すなわち、同じ座標周期において第4保存領域の成立可能性がないと判断された場合)、当該主語ベクトルの停止を指示
【0022】
なお、第2規約にセットされる命令文は、L4(代入文、呼出文)、L2(定値文、定置文)、又は、R2(入力文)である。L3(条件文)は第3規約で定義される。また、W4(出力文)は第4規約で定義される。
【0023】
第2規約、第6規約、及び、第7規約にはフラグが設けられ、それらの規約の処理が実行されるとフラグにオンがセットされる。第2規約のフラグは第2フラグ、第6規約のフラグは第6フラグ、第7規約のフラグは第7フラグと呼ばれる。ベクトルは、これらのフラグに基づき、実行の正統性を担保している。
【0024】
そして、第1規約において、以下の処理が行われる。
第2フラグがオンであり、且つ、この主語ベクトルが正統であると判定した場合、処理を終了する。(出口2→出口1)
第7フラグがオンの場合、この主語ベクトルの第4保存領域を初期化した後に処理を終了する。(出口4→出口1)
第6フラグがオンの場合、この主語ベクトルの第4保存領域、第2フラグ、及び、第6フラグを初期化した後に処理を第2規約に進ませる。(出口3)
第2フラグがオンであり、且つ、この主語ベクトルが正統でないと判定した場合、主語成立数から1を減算させ、この主語ベクトルの第4保存領域、及び、第2フラグを初期化した後に処理を第2規約に進ませる。(出口2)
【0025】
なお、パレット4上の全ての主語ベクトルが、出口2又は出口4で終了したことが確認された場合、座標関数4から座標関数2へと処理が移動する。
【0026】
従来のシナリオ関数においては、第1規約における主語ベクトルの正統性の判断が、以下の模型で表されるプログラム(以下、「正統性判定プログラム」という)の実行により行われる。
【0027】
(VWA(L4,A)の論理結合型プログラムの模型)
001 START.
002 第2フラグの汚染観察:
0021 第2フラグの(2,3,4)桁を抽出する.
0022 第2フラグの(2,3,4)桁と対応するフラグ常数(0,0,0)をXORする.
00221 ZEROなら,第2フラグは汚染されていない、
GO TO 第6フラグの汚染観察.
00222 NOT ZEROなら,第2フラグは汚染されている、
GO TO L4,Aの初期値化.
003 第6フラグの汚染観察:
0031 第6フラグの(2,3,4)桁を抽出する.
0032 第6フラグの(2,3,4)桁と対応するフラグ常数(0,0,0)をXORする.
00321 ZEROなら,第6フラグは汚染されていない、
GO TO 第7フラグの汚染観察.
00322 NOT ZEROなら,第6フラグは汚染されている、
GO TO L4,Aの初期値化.
004 第7フラグの汚染観察:
0041 第7フラグの(2,3,4)桁を抽出する.
0042 第7フラグの(2,3,4)桁と対応するフラグ常数(0,0,0)をXOR
する.
00421 ZEROなら,第7フラグは汚染されていない、
RETURN.
00422 NOT ZEROなら,第7フラグは汚染されている、
GO TO L4,Aの初期値化.
005 L4,Aの初期値化
0051 第4領域を初期値化する.
0052 第2フラグをオフにする.
0053 第6フラグをオンにする.
0054 第7フラグをオフにする.
006 主語成立数カウンタをマイナス1にする。
007 RETURN.
【0028】
これに対し、本発明にかかるシナリオ関数においては、第4規約及び第1規約の処理が以下に述べるように変更され、上記の正統性判定プログラムは実行されない。
【0029】
(第4規約)
第3規約における判定において全てのデータが正統であると判定された場合に限り、第4規約において、第2規約の左辺のデータを第4規約の正保存領域である第4保存領域に保存するのに加えて、同じデータを第4規約の副保存領域である第4コピー領域(第4保存領域とは異なる保存領域)にも保存する。
【0030】
(第1規約)
この主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域に保存されているデータが一致する場合に限り、この主語ベクトルが正統であると判定する。
【0031】
従って、本発明にかかるシナリオ関数においては、第1規約において、以下の処理が行われる。
【0032】
第2フラグがオンであり、且つ、この主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域に保存されているデータが一致する場合、この主語ベクトルが正統であると判定した後、処理を終了する。(出口2→出口1)
第7フラグがオンの場合、この主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域を初期化した後に処理を終了する。(出口4→出口1)
第6フラグがオンの場合、この主語ベクトルの第4保存領域、第4コピー領域、第2フラグ、及び、第6フラグを初期化した後に処理を第2規約に進ませる。(出口3)
第2フラグがオンであり、且つ、この主語ベクトルの第4保存領域と第4コピー領域に保存されているデータが一致しない場合、主語成立数から1を減算させ、この主語ベクトルの第4保存領域、第4コピー領域、及び、第2フラグを初期化した後に処理を第2規約に進ませる。(出口2)
【0033】
上記のように、本発明にかかるシナリオ関数においては、正統性判定プログラム(VWA)の実行に代えて、第4保存領域に保存されているデータと、第4コピー領域に保存されているデータが全て一致するか否かを判定することによって、ウィルスによる汚染の有無が判定される。
【0034】
以下に、本発明にかかるシナリオ関数の主語ベクトルのプログラム模型をいくつか例示する。ただし、以下のプログラム模型に記載の「XXX」はコードではなく、従来のシナリオ関数において、正統性判定プログラムを呼び出す以下の2行が記述されている位置を示す。また、行頭に「※」が付されているコードが、従来のシナリオ関数にはなく、本発明にかかるシナリオ関数において追加されているコードである。また、以下のプログラム模型において実行される第1規約の処理は、上述したように、従来のシナリオ関数における第1規約の処理と異なっている。
【0035】
002 NOP.
003 CALL VWA( , ).
【0036】
(L4,Aのベクトル模型)
このベクトルの命令文例を「A=B+C+512」とする。L4,Aが統治する命令文はベクトルの叙述法により第2規約に置かれる。このL4,AにはL3,Aがいないものとする。L4,AにL3,Aがいれば本第3規約にはL3,Aの正統性判定も加えられることになる。この場合のプログラム模型を示す。
【0037】
001 START.
XXX
004 第1規約:L4,Aの正統性を用いて第2規約に進むか、RETURNかを判定。
005 第2規約。
0051 MOVE 1 TO 第2フラグ.
0052 A=B+C+512.
006 第3規約:Aの正統性(第4保存領域の正統性)の判定。
0061 L4,Bの第4保存領域は正統か.
00611 正統なら GOTO 0062.
00612 正統でなければ GOTO 第5規約.
0062 L4,Cの第4保存領域は正統か.
00621 正統なら GOTO 第4規約.
00622 正統でなければ GOTO 第5規約.
007 第4規約。
0071 MOVE 0 TO L4,Aの第6フラグ.
0072 MOVE A TO L4,Aの第4保存領域.
※0073 MOVE A TO L4,Aの第4コピー領域.
0074 ADD 1 TO 主語成立数カウンタ.
008 RETURN.
009 第5規約:L4,AのAが同じ座標周期で成立するや否やの判定。
0091 MOVE 0 TO 第6フラグ.
0092 (NS1=NS5)なら第7規約に進む.
0093 (NS1>NS5)なら第6規約に進む.
010 第6規約:L4,Aの再起要請の宣言。
0101 L4,Aの第4保存領域を初期値化.
0102 MOVE 1 TO 第6フラグ.
0103 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0104 RETURN.
011 第7規約:L4,Aの再起停止宣言。
0111 MOVE 1 TO 第7フラグ.
0112 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0113 RETURN.
【0038】
(L3,Dのベクトル模型)
このベクトルの命令文例を「IF X<Y(真)」とする。L3,Dが統治する命令文はベクトルの叙述法により第3規約に置かれる。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
XXX
004 第1規約:L3,Dの正統性を用いて第2規約に進むか、RETURNかを判定。
005 第2規約。
0051 MOVE 1 TO 第2フラグ.
0052 NOP.
006 第3規約:IF X<Yの正統性の判定。
0061 L4,Xの第4保存領域は正統か.
00611 正統なら GOTO 0062.
00612 正統でなければ GOTO 第5規約.
0062 L4,Yの第4保存領域は正統か.
00621 正統なら GOTO 0063.
00622 正統でなければ GOTO 第5規約.
0063 IF X<Yか.
00631 正統なら GOTO 第4規約.
00632 正統でなければ GOTO 第5規約.
007 第4規約。
0071 MOVE 0 TO L3,Dの第6フラグ.
0072 MOVE 1 TO L3,Dの第4保存領域.
※0073 MOVE 1 TO L3,Dの第4コピー領域.
0074 ADD 1 TO 主語成立数カウンタ.
008 RETURN.
009 第5規約:L3,DのDが同じ座標周期で成立するや否やの判定。
0091 MOVE 0 TO 第6フラグ.
0092 (NS1=NS5)なら第7規約に進む.
0093 (NS1>NS5)なら第6規約に進む.
010 第6規約:L3,Dの再起要請の宣言。
0101 L3,Dの第4保存領域を初期値化.
0102 MOVE 1 TO 第6フラグ.
0103 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0104 RETURN.
011 第7規約:L3,Dの再起停止宣言。
0111 MOVE 1 TO 第7フラグ.
0112 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0113 RETURN.
【0039】
(L2,Cのベクトル模型)
このベクトルの命令文例を「C=11」とする。「L2,C」が統治する命令文はベクトルの叙述法により第2規約に置かれる。このL2,CにはL3,Cがいないものとする。L2,CにL3,Cがいれば本第3規約にはL3,Cの正統性判定も加えられることになる。その場合には第5,6,7規約が発生することになる。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
XXX
004 第1規約:L2,Cの正統性を用いて第2規約に進むか、RETURNかを判定。
005 第2規約。
0051 MOVE 1 TO 第2フラグ.
0052 C=11.
006 第3規約:C=11のCの正統性の判定。NOP.
007 第4規約
0071 MOVE 0 TO L2,Cの第6フラグ.
0072 MOVE C TO L2,Cの第4保存領域.
※0073 MOVE C TO L2,Cの第4コピー領域.
0074 ADD 1 TO 主語成立数カウンタ.
008 RETURN.
009 第5規約:NOP.
010 第6規約:NOP.
011 第7規約:NOP.
【0040】
(W4,URIAGEのベクトル模型)
このベクトルの命令文例を「WRITE URIAGE,DB11」とする。これはURIAGEを外部記憶領域「DB11」に書く命令文である。この命令文の主語はDB11に成立する。DB11の正統性は不明である。このベクトルの役割は正統なL4,URIAGEをDB11に出力するということである。W4,URIAGEが統治する命令文はベクトルの叙述法により第4規約に置かれる。W4,URIAGEのVWA,第1、第3規約ではL4,URIAGEに置き換えて処理される。このW4,URIAGEにはL3,URIAGEがいないものとする。W4,URIAGEにL3,URIAGEがいれば本第3規約にはL3,URIAGEの正統性判定も加えられることになる。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
XXX
004 第1規約:L4,URIAGEの正統性を用いて第2規約に進むか、RETURNかを判定。
005 第2規約。
0051 MOVE 1 TO 第2フラグ.
0052 NOP.
006 第3規約:L4,URIAGEの正統性の判定。
0061 L4,URIAGEの第4保存領域は正統か.
00611 正統なら GOTO第4規約.
00612 正統でなければ GOTO 第5規約.
007 第4規約。
0071 MOVE 0 TO W4,URIAGEの第6フラグ.
0072 WRITE URIAGE,DB11.
※0073 MOVE 1 TO W4,URIAGEの第4保存領域.
0074 ADD 1 TO 主語成立数カウンタ.
008 RETURN.
009 第5規約: L4,URIAGEのURIAGEが同じ座標周期で成立するや否やの判定。
0091 MOVE 0 TO 第6フラグ.
0092 (NS1=NS5)なら第7規約に進む.
0093 (NS1>NS5)なら第6規約に進む.
010 第6規約:W4,URIAGEの再起要請の宣言。
0101 L4,URIAGE.の第4保存領域を初期値化.
0102 MOVE 1 TO 第6フラグ.
0103 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0104 RETURN.
011 第7規約:W4,URIAGEの再起停止宣言。
0111 MOVE 1 TO 第7フラグ.
0112 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0113 RETURN.
【0041】
(R2 DB11のベクトル模型)
このベクトルの命令文例を「READ DB11,集計」とずる。これは外部記憶領域「DB11」を集計に移す命令文である。この命令文の主語は集計に成立する。このベクトルの役割は正統な集計を成立させるということである。R2 DB11が統治する命令文はベクトルの叙述法により第2規約に置かれる。R2 DB11のVWA,第1、第3規約ではL4,集計に置き換えて処理される。このR2 DB11にはL3,URIAGEがいないものとする。R2 DB11にL3,DB11がいれば本第3規約にはL3,DB11の正統性判定も加えられることになる。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
XXX
004 第1規約:L4,集計の正統性を用いて第2規約に進むか、RETURNかを判定。
005 第2規約。
0051 MOVE 1 TO 第2フラグ.
0052 READ DB11,集計.
006 第3規約:L4,集計の正統性の判定。
0061 L4,集計の第4保存領域は正統か.
00611 正統なら GOTO 007.
00612 正統でなければ GOTO 第5規約.
007 第4規約。
0071 MOVE 0 TO 第6フラグ.
0072 MOVE 集計 TO READ DB11,集計の第4保存領域.
※0073 MOVE 集計 TO DB11,集計の第4コピー領域.
0074 ADD 1 TO 主語成立数カウンタ.
008 RETURN.
009 第5規約:L4,集計の集計が同じ座標周期で成立するや否やの判定。
0091 MOVE 0 TO 第6フラグ.
0092 (NS1=NS5)なら第7規約に進む.
0093 (NS1>NS5)なら第6規約に進む.
010 第6規約:READ DB11,集計の再起要請の宣言。
0101 READ DB11,集計の第4保存領域を初期値化.
0102 MOVE 1 TO 第6フラグ.
0103 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0104 RETURN.
011 第7規約:READ DB11,集計の再起停止宣言。
0111 MOVE 1 TO 第7フラグ.
0112 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0113 RETURN.
【0042】
(E41,P4プログラムの論理結合型模型)
E41,P4は本プログラムが終了状態にあることを告知する。E41,P4を分かり易くする為、論理結合型で示しているが、E41は固有のデータ領域(第4保存領域)を持っているので、実際はベクトル構造でプログラムする。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
002 主語成立数スタックからNS1を採る.
003 主語成立数スタックからNS5を採る.
004 (NS1)=(NS5)の判定.
0041 YESなら GO TO 005.
0042 NOなら GO TO 006.
005 MOVE 1 TO E41の第4保存領域.
006 RETURN.
【0043】
(E42,P4プログラムの論理結合型模型)
E42,P4は命令破壊には至らない命令汚染により、本プログラムに生じる論理矛盾の発症を告知する。E42,P4を分かり易くする為、論理結合型で示しているが、E42は固有のデータ領域(第4保存領域)を持っているので、実際はベクトル構造でプログラムする。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
002 主語成立数スタックからNS1を採る.
003 主語成立数スタックからNS5を採る.
004 (NS1)<(NS5)の判定.:本プログラムに生じる論理矛盾はこの関係で捉えることができる。
0041 YESなら GO TO 005.
0042 NOなら GO TO 006.
005 MOVE 1 TO E42の第4保存領域.
006 RETURN.
【0044】
(T4,P4プログラムの論理結合型模型)
T4,P4はその第4保存領域で座標関数4を座標関数2に切り替える条件が整ったことを告知する。T4,P4を分かり易くする為、論理結合型で示しているが、T4は固有のデータ領域(第4保存領域)を持っているので、実際はベクトル構造でプログラムする。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
002 P4の臨界判定.
0021 パレット4の第6フラグ列の作成.
0022 パレット4の第6フラグ列常数の作成.
003 パレット4の第6フラグ列と第6フラグ列常数のXOR.
0031 XORがZEROならGOTO 004.
0032 XORがNOT ZEROならGOTO 005.
004 MOVE 1 TO T4の第4保存領域.
005 RETURN.
【0045】
(T2,P2プログラムの論理結合型模型)
T2,P2はその第4保存領域で座標関数2を座標関数3に切り替える条件が整ったことを告知する。T2,P2を分かり易くする為、論理結合型で示しているが、T2は固有のデータ領域(第4保存領域)を持っているので、実際はベクトル構造でプログラムする。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
002 P2の臨界判定:
0021 パレット2の第6フラグ列の作成.
0022 パレット2の第6フラグ列常数の作成.
003 パレット2の第6フラグ列と第6フラグ列常数のXOR.
0031 XORがZEROならGOTO 004.
0032 XORがNOT ZEROならGOTO 005.
004 MOVE 1 TO T4の第4保存領域.
005 RETURN.
【0046】
(T31,P3プログラムの論理結合型模型)
「T31の第4保存領域」は座標関数3を自分の座標関数4に切り替える条件が整っていることを告知する。T31,P3を分かり易くする為、論理結合型で示しているが、T31は固有のデータ領域(第4保存領域)を持っているので、実際はベクトル構造でプログラムする。T31の第4保存領域の初期値はオンである。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
002 P3の臨界判定:
0021 パレット3の第6フラグ列の作成.
0022 パレット3の第6フラグ列常数の作成.
003 パレット3の第6フラグ列と第6フラグ列常数のXOR(第1条件).
0031 XORがZEROならGOTO 004.
0032 XORがNOT ZEROならGOTO 006.
004 主語分布表を用いて行う判定。
0041 本プログラムの全主語は本プログラムに内在するか(第2条件)
0042 YESならGOTO 005.
0043 NOならGOTO 006.
005 MOVE 1 TO T31の第4保存領域.
006 RETURN.
【0047】
(T32,P3プログラムの論理結合型模型)
「T32の第4保存領域」は座標関数3をランク構造に於ける本プログラム(1,1)の下位の本プログラム(2,1)の座標関数4に切り替える条件が整っていることを告知する。T32,P3を分かり易くする為、論理結合型で示しているが、T32は固有のデータ領域(第4保存領域)を持っているので、実際はベクトル構造でプログラムする。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
002 P3の臨界判定:
0021 パレット3の第6フラグ列の作成.
0022 パレット3の第6フラグ列常数の作成.
003 パレット3の第6フラグ列と第6フラグ列常数のXOR(第1条件).
0031 XORがZEROならGOTO 004.
0032 XORがNOT ZEROならGOTO 006.
004 主語分布表を用いて行う判定。
0041 本プログラムの主語は隣下の本プログラムにも内在するか(第2条件)
0042 YESならGOTO 005.
0043 NOならGOTO 006.
005 MOVE 1 TO T32の第4保存領域.
006 RETURN.
【0048】
(T33,P3プログラムの論理結合型模型)
「T33の第4保存領域」は座標関数3をランク構造に於ける本プログラム(1,1)の最上位の本プログラムの座標関数3に切り替える条件が整っていることを告知する。T33,P3を分かり易くする為、論理結合型で示しているが、T33は固有のデータ領域(第4保存領域)を持っているので、実際はベクトル構造でプログラムする。この場合のプログラム模型を示す。
001 START.
002 P3の臨界判定:
0021 パレット3の第6フラグ列の作成.
0022 パレット3の第6フラグ列常数の作成.
003 パレット3の第6フラグ列と第6フラグ列常数のXOR(第1条件).
0031 XORがZEROならGOTO 004.
0032 XORがNOT ZEROならGOTO 006.
004 主語分布表を用いて行う判定。
0041 本プログラムの主語は隣上の本プログラムにも内在するか(第2条件)
0042 YESならGOTO 005.
0043 NOならGOTO 006.
005 MOVE 1 TO T32の第4保存領域.
006 RETURN.
【0049】
(座標関数4プログラムの論理結合型模型)
座標関数4のログラム模型を以下に示す。
001 START.
002 パレット4の搭載順位1(i=1)のベクトルを指定.:座標周期4の始まり
003 指定された搭載順位(i)のベクトルを起動.
004 ここは起動したベクトルのRETURN点です.
005 命令破壊信号(OS)の有無判定.
0051 有りで、SEP起動.:本プログラムの実行を停止
0052 なしで、GO TO 006.
006 起動する次のベクトルを指定(i=i+1).
007 (i)はパレット4のベクトルの搭載数(N4)を超えたか.
0071 超えていれば GO TO 008.
0072 超えていなければ GO TO 003.
008 パレット4の臨界の成否判定.:T4の第4保存領域のオンオフを利用
0081 オフなら GO TO 002.
0082 オンなら GO TO 009.:座標周期4の終了
009 論理矛盾発症の有無を判定:E42の第4保存領域オンオフの利用.
0091 オンで、SLP起動.:本プログラムの実行停止処理
0092 オフで、GO TO 010.
:本プログラムには論理矛盾は起きていない
010 同期関数に戻る為に次の処理を行う
0101 パレット4の第7フラグオンのベクトルを全て初期値化する.
0102 スタック更新プログラムの起動.
011 同期関数にRETURN.
【0050】
(座標関数2プログラムの論理結合型模型)
座標関数2のログラム模型を以下に示す。
001 START.
002 パレット2の搭載順位1(i=1)のベクトルを指定.:座標周期2の始まり
003 指定された搭載順位(i)のベクトルを起動.
004 ここは起動したベクトルのRETURN点である.
005 命令破壊信号(OS)の有無判定.
0051 有りで、SEP起動.:本プログラムの実行を停止
0052 なしで、GO TO 006.
006 起動する次のベクトルを指定(i=i+1).
007 (i)はパレット2のベクトルの搭載数(N2)を超えたか.
0071 超えていれば GO TO 008.
0072 超えていなければ GO TO 003.
008 パレット2の臨界の成否判定.:T2の第4保存領域のオンオフを利用
0081 オフなら GO TO 002.
0082 オンなら GO TO 009.:座標周期2の終了
009 論理矛盾発症の有無を判定:E42の第4保存領域オンオフの利用.
0091 オンで、SLP起動.:本プログラムの実行停止処理
0092 オフで、GO TO 010.
:本プログラムには論理矛盾は起きていない
010 同期関数に戻る為に次の処理を行う
0101 パレット2の第7フラグオンのベクトルを全て初期値化する.
011 同期関数にRETURN.
【0051】
(座標関数3プログラムの論理結合型模型)
座標関数3のプログラム模型を以下に示す。
001 START.
002 パレット3の搭載順位1(i=1)のベクトルを指定.:座標周期3の始まり
003 指定された搭載順位(i)のベクトルを起動.
004 ここは起動したベクトルのRETURN点である.
005 命令破壊信号(OS)の有無判定.
0051 有りで、SEP起動.:本プログラムの実行を停止
0052 なしで、GO TO 006.
006 起動する次のベクトルを指定(i=i+1).
007 (i)はパレット2のベクトルの搭載数(N3)を超えたか.
0071 超えていれば GO TO 008.
0072 超えていなければ GO TO 003.
008 パレット3の臨界の成否判定.:T2の第4保存領域のオンオフを利用
0081 オフなら GO TO 002.
0082 オンなら GO TO 009.:座標周期5の終了
009 論理矛盾発症の有無を判定:E42の第4保存領域オンオフの利用.
0091 オンで、SLP起動.:本プログラムの実行停止処理
0092 オフで、GO TO 010.
:本プログラムには論理矛盾は起きていない
010 同期関数に戻る為に次の処理を行う
0101 パレット3の第7フラグオンのベクトルを全て初期値化する.
011 同期関数にRETURN
【0052】
(同期関数プログラムの論理結合型模型)
001 START.
002 スタック初期値化プログラム起動.
003 本プログラムの終了判定.:E41の第4保存領域のオンオフを利用
0031 オンなら、GO TO 004.:本プログラム終了処理
0032 オフなら、GO TO 005.:本プログラムの始動
004 SEP起動.:Systm Ending Program(本プログラム終了プログラム)
005 T31第4保存領域のオンオフ判定.:自分の座標関数4の起動
0051 オンなら.T31第4保存領域をオフにする.
0052 自分の座標関数4を起動.
0053 オフならGO TO 006.
006 T32第4保存領域のオンオフ判定.:最近傍下位の座標関数4を起動
0061 オンなら.T32第4保存領域をオフにする.
0062 最近傍下位の座標関数4を起動.
0063 オフなら、GO TO 007.:最近傍下位の座標関数4がなければオフ。
007 T33第4保存領域のオンオフ判定.:最上位の座標関数3の起動
0071 オンなら.T33第4保存領域をオフにする.
0072 最上位の座標関数3を起動.
0073 オフなら、GO TO 008.:最上位の座標関数3がなければオフ。
008 T4第4保存領域のオンオフ判定.:自分の座標関数2の起動
0081 オンなら.T4第4保存領域をオフにする.
0082 自分の座標関数2を起動.
0083 オフなら、GO TO 009.:自分の座標関数3の起動。
009 T2第4保存領域のオンオフ判定.:自分の座標関数3の起動
0091 オンなら.T2第4保存領域をオフにする.
0092 自分の座標関数3を起動.
0093 オフなら、GO TO 010.
010 T32第4保存領域のオンオフ判定.:隣下の座標関数4の起動
0101 オンなら.T32第4保存領域をオフにする.
0102 隣下の座標関数4を起動.
0103 オフなら、GO TO 011.
011 T33第4保存領域のオンオフ判定.:最上位の座標関数3の起動
0111 オンなら.T33第4保存領域をオフにする.
0112 最上位の座標関数3を起動.
0113 オフなら、GO TO 0052.
012 END.
【0053】
(E41,P4プログラムのベクトル型模型)
制御ベクトルの論理結合型模型を2例ベクトルに置き換える。他の制御ベクトルも置き換え方は同じである。論理結合型模型の制御ベクトルをベクトル型模型に変換する原型はL4.Aである。このベクトルの命令文はスタッツクを採ることである。スタックを採る命令文は第2規約に置かれる。E41,P4にはL3がない。次にプログラム模型を示す。
001 START.
XXX
004 第1規約:E41,P4の正統性を用いて第2規約に進むか、RETURNかを判定。
005 第2規約
0051 MOVE 1 TO 第2フラグ.
0052 主語成立数スタックからNS1を採る.
0053 主語成立数スタックからNS5を採る.
006 第3規約:(NS1)=(NS5)の判定.
0061 YESならGOTO 第4規約.
0062 NOならGOTO 第5規約.
007 第4規約。
0071 MOVE 0 TO E41,P4の第6フラグ.
0072 MOVE A TO E41,P4の第4保存領域.
※0073 MOVE A TO E41,P4の第4コピー領域.
0074 ADD 1 TO 主語成立数カウンタ.
008 RETURN.
009 第5規約:E41,P4が同じ座標周期で成立するや否やの判定。
0091 MOVE 0 TO 第6フラグ.
0092 (NS1=NS5)ならGOTO 第7規約.
0093 (NS1>NS5)ならGOTO 第6規約.
010 第6規約:E41,P4の再起要請の宣言。
0101 E41,P4の第4保存領域を初期値化.
0102 MOVE 1 TO 第6フラグ.
0103 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0104 RETURN.
011 第7規約:E41,P4の再起停止宣言。
0111 MOVE 1 TO 第7フラグ.
0112 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0113 RETURN.
【0054】
(T33,P3プログラムのベクトル型模型)
このベクトルの命令文はスタッツクを採ることである。スタッツクを採る命令文は第2規約に置かれる。T33,P3にはL3がない。次にプログラム模型を示す。
001 START.
XXX
004 第1規約:T33,P3の正統性を用いて第2規約に進むか、RETURNかを判定。
005 第2規約 T33,P3の成立判定の準備:
0051 MOVE 1 TO 第2フラグ.
0052 パレット3の第6フラグ列の作成.
0053 パレット3の第6フラグ列常数の作成.
006 第3規約:T33,P3の成立判定。
0061 P3の臨界判定。
00611 パレット3の第6フラグ列と第6フラグ列常数のXOR(第1条件).
00612 XORがZEROならGOTO 0062.
00613 XORがNOT ZEROなら第5規約.
0062 主語分布表を用いて行う判定。
00621 主語は隣上の本プログラムにも内在するか(第2条件)
00622 YESならGOTO 第4規約.
00623 NOならGOTO RETURN.
007 第4規約。
0071 MOVE 0 TO T33,P3の第6フラグ.
0072 MOVE A TO T33,P3の第4保存領域.
※0073 MOVE A TO T33,P3の第4コピー領域.
0074 ADD 1 TO 主語成立数カウンタ.
008 RETURN.
009 第5規約:P3の臨界が同じ座標周期で成立するや否やの判定。
0091 MOVE 0 TO 第6フラグ.
0092 (NS1>NS5)ならGOTO 第6規約.
0093 (NS1>NS5)でなければGOTO 第7規約.
010 第6規約:E41,P4の再起要請の宣言。
0101 T33,P3の第4保存領域を初期値化.
0102 MOVE 1 TO 第6フラグ.
0103 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0104 RETURN.
011 第7規約:T33,P3の再起停止宣言。
0111 MOVE 1 TO 第7フラグ.
0112 MOVE 0 TO 第2フラグ.
0113 RETURN.
【0055】
(スタック更新プログラムの論理結合型模型)
001 START.
002 主語成立数カウンタがゼロならスタックを初期値化:スタック初期値化プログラムを起動
003 RETURN.
004 主語成立数カウンタがゼロでなく、NS1、2,3,4ゼロなら
005 主語成立数カウンタをNS1に上書.
006 RETURN.
007 主語成立数カウンタがゼロでなく、NS2,3,4ゼロなら
008 NS1をNS2に上書.
009 主語成立数カウンタをNS1に上書.
010 RETURN.
011 主語成立数カウンタがゼロでなく、NS3,4ゼロなら
012 NS1をNS2に上書.
013 NS2をNS3に上書.
014 主語成立数カウンタをNS1に上書.
015 RETURN.
016 主語成立数カウンタがゼロでなく、NS4がゼロなら
017 NS1をNS2に上書.
018 NS2をNS3に上書.
019 NS3をNS4に上書.
020 主語成立数カウンタをNS1に上書.
021 RETURN.
022 主語成立数カウンタがゼロでなく、全NSがゼロでないなら
023 NS1をNS2に上書.
024 NS2をNS3に上書.
025 NS3をNS4に上書.
026 NS4をNS5に上書.
027 主語成立数カウンタをNS1に上書.
028 RETURN.
【0056】
(スタック初期値化プログラムの論理結合型模型)
本スタック情報を利用する主語ベクトルの第5規約(NS1>NS5)、制御ベクトルE41(NS1=NS5)、E42(NS1<NS5)の為に、本プログラムを同期周期の開始点で起動(CALL)する。次にプログラム模型を示す。
001 START.
002 NS5に1をセット.
003 NS4をゼロクリア.
004 NS3をゼロクリア.
005 NS2をゼロクリア.
006 NS1をゼロクリア.
007 主語成立数カウンタをゼロクリア.
008 RETURN.
【0057】
以上が、プログラム模型の例示である。
【0058】
[参考情報]
以下は、上述した本発明にかかるシナリオ関数の理解の助けとなる情報である。
【0059】
(シナリオ関数について)
シナリオ関数とは、実行時に最大の意味空間を主語系譜として捉えることができる唯一無二の同期型プログラムの定義構造式である。これは即ち、この唯一無二のシナリオ関数の構造式は、いかなる電算機システムの動性アルゴリズムをも捉えることをができることを意味する。実行時このシナリオ関数により創出されるアルゴリズムの全体はプログラムの完全体を成立させるのである。
【0060】
換言すれば、シナリオ関数とは実行時に最大の意味空間(SG)を自律的に創出する関係式のことである。この関係式はLYEE理論が実行事にアルゴリズムの完全体を自律的に発症させる仕組を成立させる世界初の同期型プログラムの原理的仕組である。これによりシナリオ関数の動性アルゴリズムは不完全なプログラムの未解決問題を全て自律的に解法するプログラムの革新的技術をもたらすのである。この夢のような理想プログラムは理学(科学、数学)の分野では克服できない不完全人の思考法(CPS)を反映する非同期(不連続)問題を解法する手段となる。同期型プログラムはその証明論である。
【0061】
主語ベクトルの第3規約で自動生成される名詞のツリー構造は、その構成名詞が全て正当でなければ成立しない。このツリー構造の成立原理を用いて、バグ構文問題、ウイルス問題、サイバープログラム問題を自律的に捉え且つ自律的に解法する。
【0062】
バグ構文問題、ウイルス問題、サイバープログラム問題は、非同期型プログラムでは、いかなる方法でも自律的に捉え且つ自律的に解法することは出来ない。これらの問題はシナリオ関数の動性アルゴリズムでなければ捉えることができない。且つ、その悪行の対応はシナリオ関数の動性アルゴリズムでなければ果たすことができない。
【0063】
(LYEE空間TBLとシナリオ関数)
LYEE空間TBLとは、ひとがベクトルの同期関係を捉えるために用いる同期表のことである。
【0064】
LYEE空間TBLは、(1)非同期型システムに属す全名詞を捉える能力を持ち、(2)且つ12種のベクトルの理論的知見(ベクトルの意味解析図)を会得していれば作成することが出来る。
【0065】
因みに、本発明の発明者の指導を受けながらシステム開発に参画した約150名の新人クラスで行われた20年前の名詞数180000個のシステム開発では、このベクトルの決定作業は1日独りあたり概算20個の同期化が行われている。当時この開発法はまだLYEE理論と呼ばせていた。シナリオ関数のレベルには至ってはいないが、20か月といわれていた開発期間が約10か月で終わり納品された。このシステムは当時の国策として日本の大企業では408Kと呼ばれて開発されていたシステムである。
【0066】
LYEE空間TBL(同期表)を求め、且つこの同期表からシナリオ関数を自動編集する専用プログラムを求めれば、求められたシナリオ関数が実行時創出するアルゴリズムの全体はそのシナリオ関数に完全性を自律的に成立させる。
【0067】
(ベクトルの定義規則について)
図2に示したベクトルに含まれる7つの規約の処理について、主語ベクトルL4_Aに関し、以下に補足的に説明する。
【0068】
なお、出口1、出口2に至るベクトルはリセット後でなければ再帰されることはない。
【0069】
<第1規約>
L4_Aの第4保存領域が空でなく、且つ、L4_Aの第4保存領域の値と、L4_Aの第4コピー領域の値が一致し、且つ、第2フラグがオンならば、L4_Aは正統と判定し、出口1へ(出口2→出口1)。
第4保存領域が空、且つ、第7フラグがオンならば、出口1へ(出口4→出口1)。
正統でなければ、ベクトルの内容をリセットする(ウイルスのリセット処理)。
【0070】
<第2規約>
プログラム元素(=命令文、例えばA=B+C)を定義し、第2フラグをオンにし、第3規約へ進む。
【0071】
<第3規約>
プログラム元素の変数元素の成否判定がOK(例えば、L3_Aが成立、且つ、L4_B,L4_Cが成立)ならば第4規約へ、そうでなければ第5規約へ進む。
【0072】
<第4規約>
Aの値を第4保存領域に保存し、Aの値を第4コピー領域に保存し、出口2へ。
【0073】
<第5規約>
パレット変位が必要(例えば、L3_Aが不成立)ならば第7規約へ進み、パレット変位が不要(L4_B又はL4_Cが不成立)ならば第6規約へ進む。
なお、第5規約は、スタック(=主語成立数)による未来予測法である。
【0074】
<第6規約>
継続処理の手続(再起)を行い、第6フラグをオンにし、出口3へ。
【0075】
<第7規約>
パレット変位の手続を行い(この主語ベクトルの処理は終了し)、第7フラグをオンにし、出口4へ。
【0076】
(同期関数について)
同期関数は、シナリオ関数に内在する阻害要因を、シナリオ関数がその仕組みで自律的に捉え、且つ、それを自律的に排除することを可能にする構造である。
【0077】
同期関数においては、シナリオ関数の調和関係が乱れているか否かの判定によって、シナリオ関数に内在する阻害要因が捉えられる。シナリオ関数の調和関係が乱れていれば、そのベクトルが自律的に自分の第1規約で捉えた阻害要因を初期化することで、無力化する。
【0078】
シナリオ関数が実行時に発祥させる全てのアルゴリズムはシナリオ関数に属す全ベクトルが構造的に調和する関係に於いてもたらされる。これは従来型プログラムがもたらす様なアルゴリズムとは根本的に異なる。故に、シナリオ関数に本願でいう阻害要因(即ち、バグ構文、ウイルス、サイバー問題)が内在すれば、そのことに於いて、実行時のシナリオ関数に属す全ベクトルの調和関係の仕組が乱れる。全ベクトルは処理サイクルとして作動し、それを繰り返すので、調和関係の乱れは、シナリオ関数が悪行を働くアルゴリズムに晒される以前にベクトルにより捉えられ、これを捉えたベクトルによりその阻害要因は次々とリセットされる。
【0079】
従来型プログラムが阻害要因を自分に取り込み、それを自分で無力化させることは原理的に不可能である。理由は、両方とも共に非同期型プログラムだからである。同様に、OSで阻害要因問題を解決することはできない。
【0080】
一方、本願の同期型世界では、阻害要因は同期型プログラムに属す全ベクトルのどれかが非調和となる関係をその必然的構造で捉え、且つそのベクトルが自律的にそれをリセットするのである。
【0081】
(シナリオ関数の同期作用)
シナリオ関数に属す全てのベクトルは実行時のシナリオ関数に同期化をもたらす超厳密に調和化された元素になっている。
【0082】
実行中のシナリオ関数に調和的な気配を感じるとすれば、それはシナリオ関数が、例えば、バグ構文、ウイルス、サイバー問題を排除している時である。
【0083】
例えば、シナリオ関数の同期サイクルが開始された後、ウィルスが侵入できたとする。その場合、第6規約又は第7規約を経た後、第1規約において、ウィルスは全ベクトルの効果により、実行に至ることなくリセットされる。すなわち、ウィルスは、全ベクトルの調和効果で第4規約を経て出口2に進めず、実行に至ることなく、結果的に第1規約でリセットされる。
【0084】
なお、シナリオ関数の処理サイクル数は、3種のパレット上で全ベクトルが自由勝手に山積みされることにおいて、実行時には同期関数を3種の座標関数により決定される。
【要約】
本願発明は、ウイルスに侵入されたプログラム自身がプログラムの実行中にウイルスを無力化する技術を提供する。本願発明は、コンピュータに、プログラムに従った処理の実行時に、シナリオ関数により当該プログラムを統治させる統治プログラムを提供する。本願発明にかかる統治プログラムに従い処理を行うコンピュータは、プログラムの命令文の各々に関し生成した主語ベクトルの第3規約において、第2規約でセットした命令文の右辺の全データが正統であるか否かをと判定する。そして、第3規約で正統であると判定した場合、第4規約において、第4規約の正保存領域である第4保存領域と、第4規約の副保存領域である第4コピー領域の各々に、第2規約の左辺のデータを保存する。そして、その後に実行される第1規約において、第4保存領域と第4コピー領域のデータが一致する場合、その主語ベクトルを正統と判断する。
図1
図2