(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】作業情報分析装置および作業情報分析方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20221110BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20221110BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q10/06 332
(21)【出願番号】P 2019050141
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2021-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100086391
【氏名又は名称】香山 秀幸
(74)【代理人】
【識別番号】100110799
【氏名又は名称】丸山 温道
(74)【代理人】
【識別番号】100206704
【氏名又は名称】西尾 明洋
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-139720(JP,A)
【文献】特開2018-077795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して
、農作業機械により異なる期間に行われた
種類の異なる複数の農作業の各々に関する作業情報が、その
農作業が行われた作業エリアに関連付けられて記憶されている作業情報記憶部と、
前記作業情報に含まれている複数の情報のうちから、所望の情報を、前記各
農作業の作業名をソートするためのパラメータとして、選択させるための選択部と、
前記選択部によって選択されたパラメータに基づいて、前記各
農作業の作業名をソートして表示するための表示制御部とを含
み、
前記複数の農作業が、耕起作業から刈取作業までの一連の種類が異なる農作業である、作業情報分析装置。
【請求項2】
前記作業情報には、
農作業が行われた時刻に関する作業時刻情報が含まれており、
前記表示制御部は、前記選択部によって選択されたパラメータが作業時刻情報である場合には、前記各
農作業の作業名を、作業時刻の順番にソートして表示するように構成されている、請求項1に記載の作業情報分析装置。
【請求項3】
前記作業情報には、
農作業に要したコストが含まれており、
前記表示制御部は、前記選択部によって選択されたパラメータがコストである場合には、前記各
農作業の作業名を、コストの順番にソートして表示するように構成されている、請求項1または2に記載の作業情報分析装置。
【請求項4】
コンピュータが、少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して
、農作業機械により異なる期間に行われた
種類の異なる複数の農作業の各々に関する作業情報を、その
農作業が行われた作業エリアに関連付けて記憶部に記憶
する第1ステップと、
前記作業情報に含まれている複数の情報のうちから、所望の情報を、前記各
農作業の作業名をソートするためのパラメータとし
て選択させる
ためのパラメータ選択画面を、コンピュータが表示部に表示する第2ステップと、
コンピュータが、前記
パラメータ選択画面に基づいて選択されたパラメータに基づいて、前記各
農作業の作業名をソートして
前記表示部に表示する第3ステップとを含
み、
前記複数の農作業が、耕起作業から刈取作業までの一連の種類が異なる農作業である、作業情報分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業情報分析装置および作業情報分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所望の作物の作付けを行う際に、複数の圃場の中から対象作物の栽培に適した条件の圃場を複数個選択することが可能となる作付支援方法が開示されている。具体的には、予め複数の圃場のそれぞれに関して、地形、日照、土性、排水能力、耕耘難度、コスト、収穫実績等を圃場毎の圃場データとして記憶しておく。次に、各圃場の圃場データに基づいて、作付けを希望する作物の栽培に適しているか否かを点数で評価し、この評価点順に圃場をリスト表示する。そして、希望する収量を得るための複数の圃場の組み合わせを、評価点に基づいて選択する。この際、特定のパラメータを用いて、圃場の表示順序を並び替えることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の作付支援方法では、互いに位置が異なる複数の圃場を、所望の作物の作付けに適した順にリスト表示する際に、特定のパラメータを用いて圃場の表示順序を並び替えることが可能である。しかし、特許文献1に記載の作付支援方法は、少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して異なる期間に行われた各作業間で、作業情報を分析するものではない。
【0005】
この発明の目的は、少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して異なる期間に行われた各作業間で、作業情報を分析しやすくなる作業情報分析装置および作業情報分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一実施形態は、少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して異なる期間に行われた各作業に関する作業情報が、その作業が行われた作業エリアに関連付けられて記憶されている作業情報記憶部と、前記作業情報に含まれている複数の情報のうちから、所望の情報を、前記各作業の作業名をソートするためのパラメータとして、選択させるための選択部と、前記選択部によって選択されたパラメータに基づいて、前記各作業の作業名をソートして表示するための表示制御部とを含む、作業情報分析装置を提供する。
【0007】
この構成では、少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して異なる期間に行われた各作業間で、作業情報を分析しやすくなる。
この発明の一実施形態では、前記作業情報には、作業が行われた時刻に関する作業時刻情報が含まれており、前記表示制御部は、前記選択部によって選択されたパラメータが作業時刻情報である場合には、前記各作業の作業名を、作業時刻の順番にソートして表示するように構成されている。
【0008】
この発明の一実施形態では、前記作業情報には、作業に要したコストが含まれており、前記表示制御部は、前記選択部によって選択されたパラメータがコストである場合には、前記各作業の作業名を、コストの順番にソートして表示するように構成されている。
この発明の一実施形態は、少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して異なる期間に行われた各作業に関する作業情報を、その作業が行われた作業エリアに関連付けて記憶部に記憶しておく第1ステップと、前記作業情報に含まれている複数の情報のうちから、所望の情報を、前記各作業の作業名をソートするためのパラメータとして、選択させる第2ステップと、前記第2ステップによって選択されたパラメータに基づいて、前記各作業の作業名をソートして表示部に表示する第3ステップとを含む、作業情報分析方法を提供する。
【0009】
この方法では、少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して異なる期間に行われた各作業間で、作業情報を分析しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係る作業情報表示システムの構成を示す模式図である。
【
図2A】
図2Aは、圃場Xに対して、耕起作業が行われた作業エリアAを模式的に示す平面図である。
【
図2B】
図2Bは、圃場Xに対して、整地作業が行われた作業エリアBを模式的に示す平面図である。
【
図2C】
図2Cは、圃場Xに対して、基肥施肥作業が行われた作業エリアCを模式的に示す平面図である。
【
図2D】
図2Dは、圃場Xに対して、植付作業が行われた作業エリアDを模式的に示す平面図である。
【
図2E】
図2Eは、圃場Xに対して、防除作業が行われた作業エリアEを模式的に示す平面図である。
【
図2F】
図2Fは、圃場Xに対して、刈取作業が行われた作業エリアFを模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、圃場Xおよび各作業エリアA~Fの位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図4A】
図4Aは、圃場Yに対して、基肥施肥作業が行われた作業エリアGを模式的に示す平面図である。
【
図4B】
図4Bは、圃場Yに対して、植付作業が行われた作業エリアHを模式的に示す平面図である。
【
図4C】
図4Cは、圃場Yに対して、追肥作業が行われた作業エリアIを模式的に示す平面図である。
【
図4D】
図4Dは、圃場Yに対して、刈取作業が行われた作業エリアJを模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、圃場Yおよび各作業エリアG~Jの位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図6】
図6は、作業情報管理テーブルの内容の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、作業エリア表示画面の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、パラメータ選択画面の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、ソート結果表示画面の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、ソート結果表示画面の他の例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、ソート結果表示画面のさらに他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る作業情報分析装置が適用された作業情報表示システム1の構成を示す模式図である。
作業情報表示システム1は、1または複数の圃場を所有するユーザが使用するユーザ端末2と、作業情報分析装置としての管理サーバ3とを含む。管理サーバ3は、ユーザが所有する圃場の作業情報の管理、分析等を行う。ユーザ端末2は、インターネット4を介して、管理サーバ3に接続されている。
【0012】
この実施形態では、ユーザは、第1圃場(以下、「圃場X」という。)と、第2圃場(以下、「圃場Y」という。)とを所有しているものとする。
図2A~
図2Fに示すように、圃場Xに対して、異なる期間に複数種類の作業が行われたものとする。この実施形態では、作業は農作業である。
図2Aに示すように、ある期間T1において、作業エリアAに対して、例えば第1トラクタを用いて耕起作業が行われたものとする。
【0013】
図2Bに示すように、期間T2よりも遅い期間T3において、作業エリアBに対して、例えば第1トラクタを用いて整地作業が行われたものとする。
図2Cに示すように、期間T3よりも遅い期間T4において、作業エリアCに対して、第1トラクタを用いて基肥施肥作業が行われたものとする。
図2Dに示すように、期間T4よりも遅い期間T5において、作業エリアDに対して、例えば田植え機を用いて、植付作業が行われたものとする。
【0014】
図2Eに示すように、期間T5よりも遅い期間T6において、作業エリアEに対して、例えば第2トラクタを用いて、防除作業が行われたものとする。
図2Fに示すように、期間T6よりも遅い期間T7において、作業エリアFに対して、例えばコンバインを用いて、刈取作業が行われたものとする。
図3に示すように、作業エリアA~Fは、少なくとも一部のエリアが重複している。
【0015】
図4A~
図4Dに示すように、圃場Yに対して、異なる期間に複数種類の作業が行われたものとする。
図4Aに示すように、ある期間T8において、作業エリアGに対して、例えば第1トラクタを用いて基肥施肥作業が行われたものとする。
図4Bに示すように、期間T8よりも遅い期間T9において、作業エリアHに対して、例えば田植え機を用いて、植付作業が行われたものとする。
【0016】
図4Cに示すように、期間T9よりも遅い期間T10において、作業エリアIに対して、第2トラクタを用いて追肥作業が行われたものとする。
図4Dに示すように、期間T10よりも遅い期間T11において、作業エリアJに対して、例えばコンバインを用いて、刈取作業が行われたものとする。
図5に示すように、作業エリアG~Jは、少なくとも一部のエリアが重複している。
【0017】
図1に戻り、ユーザ端末2は、パーソナルコンピュータ(PC)からなり、制御装置(PC本体)21と、ディスプレイ22と、マウス、キーホード等の操作機器23とを含む。制御装置21は、CPU、メモリ、ハードディスク等を含む。ハードディスクには、OS(オペレーションプログラム)の他、ウェブページを閲覧するためのブラウザ(browser)等のプログラム、その他必要なデータが格納される。
【0018】
管理サーバ3は、圃場X,Yの作業情報を管理したり、圃場X,Yの作業情報を分析したり、圃場X,Yの作業情報またはその分析結果を圃場の所有者(以下、ユーザという)に閲覧させたりする。
管理サーバ3は、パーソナルコンピュータ(PC)からなり、制御装置(PC本体)31と、ディスプレイ32と、マウス、キーホード等の操作機器33とを含む。制御装置31は、CPU41、メモリ42、ハードディスク43等を含む。
【0019】
ハードディスク43内には、作業情報を管理したり、分析したりするための情報管理・分析プログラム43Aの他、作業情報管理テーブル43B等が格納されている。
図6は、作業情報管理テーブル43Bの内容の一例を示す模式図である。
作業情報管理テーブル43Bには、作業毎(作業期間毎)に、エリア名、作業名、機械名、開始時刻、終了時刻、ポリゴン、面積、実施コストおよび軌跡が記憶される。これらの情報のうち、作業名、機械名、開始時刻、終了時刻、ポリゴン、面積、実施コストおよび軌跡が作業情報である。ここでは、説明の便宜上、圃場Xおよび圃場Yに関する1年間分の作業情報が記憶されているものとする。
【0020】
「エリア名」は、当該作業エリアを特定するめの名称(ID)であり、作業が行われた作業エリア毎に付与される。ここでは、
図2A~
図2Fに示される作業エリアA~Fの名称を、それぞれエリアA、エリアB、エリアC、エリアD、エリアEおよびエリアFとして示している。また、
図4A~
図4Dに示される作業エリアG~Jの名称を、それぞれエリアG、エリアH、エリアIおよびエリアJとして示している。
【0021】
「作業名」は、耕起作業、整地作業、基肥施肥作業、植付作業、防除作業、刈取作業等の作業の名称である。以下において、耕起作業、整地作業、基肥施肥作業、植付作業、防除作業および刈取作業を、それぞれ簡略化して、「耕起」、「整地」、「基肥」、「植付」、「防除」および「刈取」で表す場合がある。「機械名」は、この実施形態では、作業に使用された作業車両の型番である。
【0022】
「開始時刻」は、作業の開始時刻である。「終了時刻」は、作業の終了時刻である。「開始時刻」は、作業が行われた時刻に関する作業時刻情報の一例である。
「ポリゴン」は、作業エリアを多角形で表すための情報であり、例えば、作業エリアの輪郭上の複数の特徴点の情報からなる。
「面積」は、作業エリアの面積である。
【0023】
「実施コスト」は、作業に要した1アール当たりの費用[円/a]である。
「軌跡」は、作業時に測位衛星を利用して測位された作業車両の位置情報の集合である。位置情報は、緯度、経度および高度の情報と、それらが測定された時刻の情報とからなる。
ユーザは、ユーザ端末2を操作して、管理サーバ3が提供するホームページを開き、ログイン操作を行うことにより、自己専用のウェブページを取得することができる。そして、ユーザは、自己専用のウェブページ上で、圃場X,Yに対して行われた作業エリアに関するエリア情報、圃場X,Yに対して行われた作業の作業情報等の閲覧を行うことができる。
【0024】
また、この実施形態では、ユーザは、自己専用のウェブページ上で、圃場Xまたは圃場Yに対して行われた各作業の作業名をソートするためのパラメータを、選択することが可能となっている。ユーザによって、圃場Xまたは圃場Yに対して行われた各作業の作業名をソートするためのパラメータが選択されると、管理サーバ3によって、当該圃場に対して行われた各作業の作業名がソートされ、ソート結果を表す画像がユーザ端末2に提供される。これにより、ユーザ端末2のディスプレイ22にソート結果が表示される。
【0025】
図1に戻り、管理サーバ3のCPU41は、機能処理部として、ウェブページ生成部41Aを含む。ウェブページ生成部41Aは、汎用のウェブページ(web page)や、ユーザ専用のウェブページを生成してユーザ端末2に提供する。ウェブページ生成部41Aは、本発明の「パラメータ選択部」および「表示制御部」の一例である。
図7は、ウェブページ生成部41Aによって生成されたユーザ専用のウェブページに基づいて、ユーザ端末2のディスプレイ22に表示された作業エリア表示画面60の一例を示す模式図である。
【0026】
作業エリア表示画面60は、圃場X、作業エリアA~F、圃場Yおよび作業エリアG~Jが地図上に重畳された画像からなる作業エリア画像61と、作業エリア画像61の一側外方に縦に並んで配置された6つのカラーバー62A~62Fと、作業エリア画像61の一側外方に縦に並んで配置された4つのカラーバー62G~62Jとを含む。
作業エリア画像61内の各作業エリアA~Jには、異なる色が半透明色で塗られている。カラーバー62A~62Jは、それぞれ、対応する作業エリアA~Jに塗られた色を表示している。カラーバー62A~62Jには、対応するエリア名が表示されている。
【0027】
ユーザは、圃場Xに対して行われた各作業の作業名を、所望のパラメータに基づいてソートして表示させたい場合には、圃場X側の作業エリアA~Fのいずれかを選択(例えば、ダブルクリック)する。一方、圃場Yに対して行われた各作業の作業名を、所望のパラメータに基づいてソートして表示させたい場合には、圃場Y側の作業エリアG~Jのいずれかを選択(例えば、ダブルクリック)する。
【0028】
ここでは、作業エリアA~Fのうちの一つである作業エリアEが選択されたとする。管理サーバ3は、ユーザによって、作業エリアEが選択されると、作業エリアEと作業エリアEと一部が重なっている作業エリアA~D,Fとからなる作業エリアA~Fを、同一圃場(この例では圃場X)に対応した作業エリアとして認識する。
そして、管理サーバ3は、圃場Xに対応した作業エリアA~Fに対して行われた各作業の作業名をソートするためのパラメータを、ユーザに選択させるためのウェブページを生成して、ユーザ端末2に提供する。これにより、ユーザ端末2のディスプレイ22には、
図8に示すようなパラメータ選択画面70が表示される。
【0029】
パラメータ選択画面70は、作業エリアA~Fを主として含む作業エリア画像71と、作業エリアA~Fに対応するカラーバー62A~62Fと、パラメータ選択部72とを含んでいる。パラメータ選択部72は、作業時刻の文字が表示された作業時刻ボタン72Aと、コストの文字が表示されたコストボタン72Bとを含んでいる。
ユーザは、作業時刻に基づいて作業名をソートしたい場合には、作業時刻ボタン72Aを押し(例えばダブルクリック)、実施コストに基づいて作業名をソートしたい場合には、コストボタン72Bを押す。
【0030】
作業時刻ボタン72Aが押された場合には、管理サーバ3は、作業エリアA~Fの作業名を作業時刻(時間)に基づいてソートし、ソート結果を含むウェブページを生成して、ユーザ端末2に提供する。これにより、ユーザ端末2のディスプレイ22には、
図9に示すようなに、ソート結果表示画面81が表示される。
図9に示されるソート結果表示画面81には、1月から12月までの各月の名称が、左から右に向かって、時間の早い順(昇順)に並んで表示されている。隣接する2つの月名称の境界には、縦線からなる区切り線が表示されている。そして、作業エリアA~Fに対して行われた作業名が、その作業時刻(開始時刻)の順番(昇順)に並べられて表示されている。
【0031】
各作業名は、矩形枠で囲まれており、各矩形枠内には、当該作業が行われた作業エリアに割り当てられた色が半透明色で塗られている。また、各矩形枠は、対応する作業が行われた時期(開始時刻)を示す黒丸に引出し線を介して接続されている。
図9の例では、「耕起」、「整地」、「基肥」、「植付」、「防除」および「刈取」の文字が、左からその順番で表示されている。そして、「耕起」、「整地」、「基肥」および「植付」が行われた時期を示す黒丸が、4月の時間領域内に、左からその順番で表示されている。また、「防除」が行われた時期を示す黒丸が、6月の時間領域内の左端寄りに表示されている。さらに、「刈取」が行われた時期を示す黒丸が、9月の時間領域内の左端寄りに表示されている。
【0032】
このようなソート結果表示画面81から、ユーザは、圃場Xに対して行われた各作業の時期を容易に認識できるようになる。
図8のパラメータ選択画面70において、コストボタン72Bが押された場合には、管理サーバ3は、作業エリアA~Fの作業名を実施コストに基づいてソートし、ソート結果を含むウェブページを生成して、ユーザ端末2に提供する。これにより、ユーザ端末2のディスプレイ22には、
図10に示すようなソート結果表示画面82が表示される。
【0033】
図10に示されるソート結果表示画面82には、右側に行くほど実施コストが高くなるように、横軸に実施コストがとられている。また、10[円/a]の間隔で縦線が表示されている。そして、作業エリアA~Fに対して行われた作業名が、実施コストの低いものから順番(昇順)に並べられて表示されている。
各作業名は、矩形枠で囲まれており、各矩形枠内には、当該作業が行われた作業エリアに割り当てられた色が半透明色で塗られている。また、各矩形枠は、対応する作業の実施コストを示す黒丸に引出し線を介して接続されている。
【0034】
図10の例では、「耕起」、「整地」、「基肥」、「防除」、「植付」および「刈取」の文字が左から順番に並んで表示されている。そして、「耕起」、「整地」、「基肥」、「防除」、「植付」および「刈取」の実施コストを示す黒丸が、当該実施コストに対応する位置に表示されている。
このようなソート結果表示画面82から、ユーザは、圃場Xに対して行われた各作業の実施コストを容易に認識することができるようになる。
【0035】
作業エリア表示画面60(
図7参照)において、作業エリアG~Jのいずれかが選択された場合には、前述した動作と同様な動作により、圃場Yに対して行われた各作業の作業名が作業時期に基づいてソートされたソート結果や、圃場Yに対して行われた各作業の作業名が実施コストに基づいてソートされたソート結果を、ユーザ端末2に表示させることができる。
【0036】
前述の実施形態によれば、少なくとも一部が重なる複数の作業エリアに対して異なる期間に行われた各作業間で、作業情報を分析しやすくなる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、前述の実施形態では、作業情報管理テーブル43Bに記憶された作業情報は1年分であったが、作業情報管理テーブル43Bに1年分よりも多くの作業情報が記憶されていてもよい。
【0037】
例えば、圃場Xに対してP年度、Q年度およびR年度の3年分の作業情報が記憶されているとする。そして、作業エリア表示画面60(
図7参照)において作業エリアA~Fのうちのいずれかが選択され、パラメータ選択画面70(
図8参照)において、作業時刻ボタン72Aが選択されたとする。
この場合には、例えば、
図11に示すようなソート結果表示画面83がユーザ端末2に表示される。つまり、P年度、Q年度およびR年度それぞれに対するソート結果が、縦方向に並んで表示される。このようなソート結果表示画面83から、ユーザは、P年度、Q年度およびR年度での各作業時期を容易に比較することができるようになる。
【0038】
図9、
図10および
図11に示されるようなソーソ結果表示画面81,82,83において、機械名、作業開始時刻等の作業情報を各作業名に関連して、表示してもよい。例えば、作業名が表示される各矩形枠内に、作業名の他、機械名、作業開始時刻等の作業情報を表示してもよい。
また、各作業名に対して異なる色を割り当てておき、各矩形枠内に作業名を表示せずに、当該作業名に割り当てられている色を塗るようにしてよい。
【0039】
また、前述の実施形態では、ユーザ端末2は、パーソナルコンピュータ(PC)から構成されているが、ユーザ端末2は、スマートフォンから構成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、圃場の管理や、圃場の分析や、圃場の作業情報または分析結果の提供を行う機能を、ユーザ端末2にインターネット4を介して接続された管理サーバ3が有している。しかし、管理サーバ3が有している前記機能を、ユーザ端末2に、インターネット4を介さずに有線または無線通信可能なコンピュータに、持たせるようにしてもよい。
【0040】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 作業情報表示システム
2 ユーザ端末
3 管理サーバ
4 インターネット
21 制御装置
22 ディスプレイ
23 操作機器
31 制御装置
32 ディスプレイ
33 操作機器
41 CPU
41A ウェブページ生成部
42 メモリ
43 ハードディスク
43A 情報管理・分析プログラム
43B 作業情報管理テーブル
60 作業エリア表示画面
70 パラメータ選択画面
72 パラメータ選択部
72A 作業時刻ボタン
72B コストボタン
81~83 ソート結果表示画面
A~J 作業エリア
X,Y 圃場