(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】非腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率を導き出す方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/483 20060101AFI20221110BHJP
G01N 33/68 20060101ALI20221110BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20221110BHJP
C12Q 1/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G01N33/483 C
G01N33/68
G01N21/64 F
C12Q1/00 C
(21)【出願番号】P 2021071719
(22)【出願日】2021-04-21
(62)【分割の表示】P 2018521285の分割
【原出願日】2016-10-21
【審査請求日】2021-05-20
(32)【優先日】2015-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518138860
【氏名又は名称】ノバルティス・エイジー
【氏名又は名称原語表記】Novartis AG
【住所又は居所原語表記】Lichtstrasse 35, 4056 Basel, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ダカパガリ・ナビーン
(72)【発明者】
【氏名】トラン・タイ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ジュ・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ボルドー・ジェニファー
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/102919(WO,A2)
【文献】米国特許第06671624(US,B1)
【文献】特表2016-524150(JP,A)
【文献】国際公開第2015/088930(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0252876(US,A1)
【文献】Christopher B. Moeder,Quantitative, Fluorescence-Based In Situ Assessment of Protein Expression,Methods in Molecular Biology, Tumor Biomarker Discovery,2009年,Vol.520,Page.163-175
【文献】Joan How,Macrophage expression of tartrate-resistant acid phosphatase as a prognostic indicator in colon cancer,Histochem cell Biol.,2014年,Vol.142,Page.195-204
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/483
G01N 33/68
G01N 21/64
C12Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視野に存在するすべての非腫瘍細胞についてバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)前記視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、
細胞マスカを用いて前記第1の蛍光信号を
細胞の大きさに対応するピクセル数ずつ拡張して、前記視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)
検出された腫瘍バイオマーカーを
、腫瘍マスカを用いて処理して、前記視野に存在するすべての
腫瘍領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)前記視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、前記第2のマスクを前記第1のマスクから減じる工程と、
(iv)
検出された目的のバイオマーカーを
、バイオマーカーマスカを用いて処理して、前記視野に存在するすべての
バイオマーカー陽性細胞の領域を表す蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり前記目的のバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、前記第3および第4のマスクを重ね合わせる工程と、
(vi)前記第5のマスクの総面積を前記第3のマスクの総面積で割ることにより、前記目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、PD-L1
を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、PD-L2
を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、PD-1
を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、HLA-DR
を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、CD8
を含むである、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記非腫瘍細胞は、骨髄系細胞を含む、方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法において
、
前記総面積はピクセルで測定される、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において
、
前記ピクセルは0.5μm幅である、方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2015年10月23日出願の米国仮特許出願第62/245,853号、および2016年2月29日出願の米国仮特許出願第62/301,035号の優先日の利益を主張し、これらの仮特許出願のいずれも、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔背景〕
本発明は、概して、癌治療の分野に関する。
【0003】
〔概要〕
一態様では、視野に存在するすべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が本明細書で開示され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)オプションとして、目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはりサブセットバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)オプションとして、やはり目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第4のマスクの総面積を第1のマスクの総面積で割ることによって、サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)オプションとして、
(a)サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または、
(b)目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーを発現する、
視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)オプションとして、第6のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることによって、(a)サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または(b)目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーを発現する、すべての細胞の第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、を含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、列挙されたすべてのオプション工程が実施される。いくつかの実施形態では、この方法は、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)やはり目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第1および第7のマスクを組み合わせる工程と、
(xi)サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第4および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第2のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、この方法は、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)視野内でサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第2のマスクを第1のマスクから減じる工程と、
(xi)視野内で目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第7および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第8のマスクの総面積で割ることにより、目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、この方法は、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)第6および第7のマスクを、
(a)視野内でサブセットバイオマーカー、目的の第1のバイオマーカー、および目的の第2のバイオマーカーを発現するか、
(b)視野内で目的の第2のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または、
(c)視野内で目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現する、
すべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、組み合わせる工程と、
(xii)第8のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、目的の第1のバイオマーカーもしくは目的の第2のバイオマーカー、またはそれらの組み合わせ、ならびにサブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCから選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーは、PD-1、TIM-3、およびTCRから選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーは、目的の第1のバイオマーカーとは異なり、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーは、目的の第1のバイオマーカーとは異なり、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、非腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、T細胞を含む。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD3を発現する。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD8を発現する。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD4を発現する。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、骨髄系細胞を含む。さらなる実施形態では、骨髄系細胞は、骨髄由来のサプレッサー細胞である。さらなる実施形態では、骨髄系細胞は、腫瘍関連マクロファージである。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、非腫瘍細胞においてのみ発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、T細胞において発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、CD3を含む。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーはCD19を含む。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、骨髄系細胞において発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、骨髄由来のサプレッサー細胞において発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、腫瘍関連マクロファージにおいて発現される。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、Ki67を含み、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、CD8陽性細胞を含む。いくつかの実施形態では、総面積は、ピクセルで測定される。
【0008】
別の態様では、視野に存在するすべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が本明細書で開示され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を、完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)オプションとして、目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはりサブセットバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)オプションとして、やはり目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第1のサブセットを表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第4のマスクの総面積を第1のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)オプションとして、サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第1のサブセットを表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)オプションとして、第6のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、列挙されたすべてのオプション工程が実行される。いくつかの実施形態では、この方法は、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)やはり目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第1および第7のマスクを組み合わせる工程と、
(xi)サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第4および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第2のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、この方法は、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)視野内でサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第2のマスクを第1のマスクから減じる工程と、
(xi)視野内で目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第7および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第8のマスクの総面積で割ることにより、目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCから選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーは、PD-1、TIM-3、およびTCRから選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーは、目的の第1のバイオマーカーとは異なり、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、非腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、T細胞を含む。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD3を発現する。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD8を発現する。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD4を発現する。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、非腫瘍細胞においてのみ発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、T細胞において発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、CD3を含む。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、CD19を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、Ki67を含み、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、CD8陽性細胞を含む。いくつかの実施形態では、総面積はピクセルで測定される。
【0012】
別の態様では、癌と診断され、免疫療法を受けている患者の進行を監視する方法が本明細書で開示され、この方法は、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、少なくとも2つのサンプルそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、この変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、減少は、免疫療法の有益な有効性(positive effectiveness)を示す。いくつかの実施形態では、この変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、増大は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む。
【0014】
別の態様では、癌と診断され、免疫療法を受けている患者の進行を監視する方法が本明細書で開示され、この方法は、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、少なくとも2つのサンプルのそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、減少は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、増大は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む。
【0016】
別の態様では、視野に存在するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が本明細書で開示され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)腫瘍バイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)視野内のすべての腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(iv)目的のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり目的のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第3および第4のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第5のマスクの総面積を第3のマスクの総面積で割ることにより、目的のバイオマーカーを発現するすべての腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、視野は、非腫瘍細胞をさらに含む。いくつかの実施形態では、非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む。いくつかの実施形態では、総面積は、ピクセルで測定される。
【0018】
別の態様では、視野に存在するすべての非腫瘍細胞についてバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が本明細書で開示され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)腫瘍バイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、第2のマスクを第1のマスクから減じる工程と、
(iv)目的のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり目的のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第3および第4のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第5のマスクの総面積を第3のマスクの総面積で割ることにより、目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む。いくつかの実施形態では、非腫瘍細胞は、骨髄系細胞を含む。
【0020】
〔詳細な説明〕
さまざまな実施形態を以下で説明する。特定の実施形態は、網羅的な説明、または、本明細書で論じられるさらに広い態様への制限のつもりではないことに注意されたい。特定の実施形態と共に論じられた1つの態様は、必ずしもその実施形態に制限されず、任意の他の実施形態で実行され得る。
【0021】
本明細書で使用される、「約」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変化するであろう。当業者に明確でない用語が使用されている場合、それが使用されている文脈を考えて、「約」は、特定の用語の±10%までを意味する。
【0022】
要素を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」、「an」、「the」、および類似の指示物の使用は、本明細書で特に指示のない限り、または、文脈により明確に否定されない限り、単数および複数の両方をカバーすることが理解される。本明細書における値の範囲の詳述は、単に、本明細書で特に指示のない限り、その範囲に含まれる別個の値それぞれに個別に言及する簡略な方法として役立つことを意図したものであり、別個の値はそれぞれ、個別に本明細書に列挙されたかのように明細書に組み込まれる。本明細書に記載するすべての方法は、本明細書で特に指示のない限り、または、文脈により明確に否定されない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書に提供される、ありとあらゆる実施例、または例示的な言語(例えば、「~など」)の使用は、単に実施形態をよりよく際立たせることが意図されており、特に明記しない限り特許請求の範囲に制限を課すものではない。明細書中のいかなる言語も、特許請求されていない要素を本質的なものとして示していると理解すべきではない。
【0023】
用語「治療する」または「治療」は、統計的に有意な程度まで、もしくは当業者にとって検出可能な程度まで、疾患に関連する健康状態、症状、もしくはパラメータを改善するか、または疾患の進行を防ぐのに有効な量、方法、またはモードで、療法を施すことを指す。有効な量、方法、またはモードは、被験者によって変化し得、患者に合わせることが可能である。
【0024】
腫瘍は、それらの免疫構造(immune contexture)に基づいて、「高温(hot)」(炎症)または「低温(cold)」(非炎症)として分類され得る(
図32を参照)。高温腫瘍を有する患者は、特定の免疫療法に反応し、低温腫瘍を有する患者よりも長く生存する可能性があると予測され得るが、どのバイオマーカーが反応および生存と相関しているかに関しては、これまで当業者には不明確であった。
【0025】
この問題に取り組むため、本明細書に記載する方法のいくつかの実施形態は、免疫枯渇バイオマーカー(例えば、PD-1およびPD-L1)の発現を介して1つ以上の免疫療法に反応する癌患者と、免疫抑制を引き起こすことが知られている細胞型(例えば、CD11b、HLA-DR、IDO-1、ARG1)またはMHCクラスIの発現がない、大いに増殖する腫瘍細胞(例えば、Ki67+、B2M-)の存在により反応しない癌患者(すなわち、無反応者)の特定を助ける。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法は、特定の免疫抑制または活性化のサインに基づく複合免疫組織化学アッセイ(例えば、複合FIHCアッセイ)を使用することを含む。特定の免疫抑制または活性化のサインに基づく複合FIHCアッセイの非限定的な例を、以下の表に示す。
【表1】
【0026】
一態様では、癌患者から採取した組織サンプルの視野に存在する、すべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が本明細書で提供される。
【0027】
いくつかの実施形態では、サンプルは、特異的バイオマーカーに親和性を有する複数の蛍光タグを用いて染色され得る。染色されたサンプルのデジタル画像を得ることができ、この画像は、蛍光タグの場所に基づいてさらに分析され得る。全画像分析(whole-image analysis)ではなく、視野が、目的の第1のバイオマーカーを発現する細胞の数に基づいて、優先順位を付けられ得る。次に、所定の数の視野が、蛍光信号についてさらに分析され得る。いくつかの実施形態では、4つの異なるタイプの蛍光タグを使用すると、目的の第1のバイオマーカーに対応する蛍光信号の画像、および目的の第2のバイオマーカーに対応する蛍光信号の画像、ならびにすべての細胞により発現されるバイオマーカーに対応する蛍光信号の画像、およびサブセットバイオマーカー(例えば、腫瘍細胞により発現されるバイオマーカー)に対応する蛍光信号の画像が生成される。さらなる実施形態では、蛍光信号の画像は、画像内の細胞に対応する蛍光信号の1つ以上のマスクを生成するように操作される。いくつかの実施形態では、蛍光信号の1つ以上のマスクは、画像内のすべての細胞のマスク、画像内のサブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞(例えば、すべての腫瘍細胞)のマスク、画像内のサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞(例えば、すべての非腫瘍細胞)のマスク、画像内の目的の第1のバイオマーカーを発現するすべての細胞のマスク、ならびに画像内の目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞のマスク、からなる群から選択された1つ以上を含む。これらのマスクの面積は、所望通りにPBPの値を引き出すために使用され得る。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値が導き出される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第1のサブセットのPBPの値が導き出される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第2のサブセットのPBPの値が導き出される。いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しない、すべての細胞の第2のサブセットのPBPの値が導き出される。
【0028】
したがって、いくつかの実施形態では、視野に存在するすべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が、本明細書で提供され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を、完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)オプションとして、目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはりサブセットバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)オプションとして、やはり目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第4のマスクの総面積を第1のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)オプションとして、
(a)サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または、
(b)目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーを発現する、
視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)オプションとして、第6のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることによって、(a)サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または(b)目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーを発現する、すべての細胞の第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、
を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、オプション工程は実施されない。いくつかの実施形態では、総面積はピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第4のマスクの総面積および第1のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第6のマスクの総面積および第4のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第1のマスクの総面積、第4のマスクの総面積、および第6のマスクの総面積は、それぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、ピクセルは0.5μm幅である。
【0030】
いくつかの実施形態では、視野に存在するすべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が、本明細書で提供され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を、完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)オプションとして、目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはりサブセットバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)オプションとして、やはり目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第4のマスクの総面積を第1のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)オプションとして、サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)オプションとして、第6のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、オプション工程は実施されない。いくつかの実施形態では、総面積はピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第4のマスクの総面積および第1のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第6のマスクの総面積および第4のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第1のマスクの総面積、第4のマスクの総面積、および第6のマスクの総面積は、それぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、ピクセルは0.5μm幅である。
【0032】
いくつかの実施形態では、視野に存在するすべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が、本明細書で提供され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を、完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはりサブセットバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)やはり目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第1のサブセットを表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第4のマスクの総面積を第1のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第1のサブセットを表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)第6のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、総面積はピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第4のマスクの総面積および第1のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第6のマスクの総面積および第4のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第1のマスクの総面積、第4のマスクの総面積、および第6のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、ピクセルは0.5μm幅である。
【0034】
いくつかの実施形態では、この方法は、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)やはり目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第1および第7のマスクを組み合わせる工程と、
(xi)サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第4および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第2のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、総面積はピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第9のマスクの総面積および第4のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、ピクセルは0.5μm幅である。
【0036】
いくつかの実施形態では、この方法は、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)視野内でサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第2のマスクを第1のマスクから減じる工程と、
(xi)視野内で目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第7および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第8のマスクの総面積で割ることにより、目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、この方法は、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)第6および第7のマスクを、
(a)視野内でサブセットバイオマーカー、目的の第1のバイオマーカー、および目的の第2のバイオマーカーを発現するか、
(b)視野内で目的の第2のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または、
(c)視野内で目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現する、
すべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、組み合わせる工程と、
(xii)第8のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、目的の第1のバイオマーカーもしくは目的の第2のバイオマーカー、またはそれらの組み合わせ、ならびにサブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上の目的の追加のバイオマーカー(例えば、目的の第3のバイオマーカー)に関して、工程(ix)、(x)、(xii)と類似した工程の追加サイクルをさらに含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、総面積はピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第9のマスクの総面積および第8のマスクの総面積はそれぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、ピクセルは0.5μm幅である。
【0040】
いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセット、および細胞の非サブセットは、腫瘍細胞および非腫瘍細胞にそれぞれ対応するか、または非腫瘍細胞および腫瘍細胞にそれぞれ対応する。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセット、および細胞の非サブセットは、生存細胞および非生存細胞にそれぞれ対応するか、または非生存細胞および生存細胞にそれぞれ対応する。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセットは、生存細胞のサブセットであり、細胞の非サブセットは、生存細胞のサブセットに含まれない生存細胞からなる。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセット、および細胞の非サブセットは、T細胞および非T細胞にそれぞれ対応するか、または非T細胞およびT細胞にそれぞれ対応する。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセット、および細胞の非サブセットは、骨髄系細胞および非骨髄系細胞にそれぞれ対応するか、または、非骨髄系細胞および骨髄系細胞にそれぞれ対応する。
【0041】
いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは非腫瘍細胞を含む。いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、非腫瘍細胞および腫瘍細胞を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、視野内のすべての細胞の第1のサブセットはT細胞を含む。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD3を発現する。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD8を発現する。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD4を発現する。
【0043】
いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、ICOS、CD28、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、およびGITRLからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーはPD-L1を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーは、PD-1、TIM-3、およびTCRから選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーは、PD-1を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーは、互いに異なり、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーは、互いに異なり、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、ICOS、CD28、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含み、目的の第2のバイオマーカーは、PD-1、TIM-3、およびTCRから選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1を含み、目的の第2のバイオマーカーは、PD-1を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1を含み、目的の第2のバイオマーカーは、CD80を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CTLA-4を含み、目的の第2のバイオマーカーは、CD80を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、PD-L2を含み、目的の第2のバイオマーカーは、PD-1を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CTLA-4を含み、目的の第2のバイオマーカーは、CD86を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、LAG-3を含み、目的の第2のバイオマーカーは、HLA-DRを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、TIM-3を含み、目的の第2のバイオマーカーは、ガレクチン9を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、41BBを含み、目的の第2のバイオマーカーは、4.1BBLを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、OX40を含み、目的の第2のバイオマーカーは、OX40Lを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CD40を含み、目的の第2のバイオマーカーは、CD40Lを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、ICOSを含み、目的の第2のバイオマーカーは、ICOSLを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、GITRを含み、目的の第2のバイオマーカーは、GITRLを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、HLA-DRを含み、目的の第2のバイオマーカーは、TCRを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CD25を含み、目的の第2のバイオマーカーは、FoxP3を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CD4を含み、目的の第2のバイオマーカーは、CD8を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CD3を含み、目的の第2のバイオマーカーは、PD-1を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CD56を含み、目的の第2のバイオマーカーは、CD16を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、HLA-DRを含み、目的の第2のバイオマーカーは、IDO-1を含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、CD33を含み、目的の第2のバイオマーカーは、ARG1を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、非腫瘍細胞においてのみ発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、T細胞において発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、CD3を含む。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーはCD19を含む。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、CD45を含む。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、骨髄系細胞において発現される。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーは、CD11bを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは、Ki67を含み、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、CD8陽性細胞を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、蛍光信号は、それぞれが異なるバイオマーカーに特異的である4つの蛍光タグに由来する。さらなる実施形態では、第1の蛍光タグが、目的の第1のバイオマーカーと関連付けられ、第2の蛍光タグが、目的の第2のバイオマーカーと関連付けられ、第3の蛍光タグが、目的の第3のバイオマーカーと関連付けられ、第4の蛍光タグが、目的の第4のバイオマーカーと関連付けられる。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは腫瘍および非腫瘍マーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第2のバイオマーカーは、非腫瘍マーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第1のバイオマーカーは腫瘍および非腫瘍マーカーを含み、目的の第2のバイオマーカーは非腫瘍マーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的の第3のバイオマーカーは、すべての細胞によって発現される。いくつかの実施形態では、目的の第4のバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される。いくつかの実施形態では、目的の第3のバイオマーカーは、すべての細胞によって発現され、目的の第4のバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される。いくつかの実施形態では、目的の第4のバイオマーカーは、サブセットバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、目的の第3のバイオマーカーは、すべての細胞によって発現され、目的の第4のバイオマーカーは、サブセットバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、1つ以上の蛍光タグは、特異的バイオマーカーに対する結合親和性を有する抗体または別の抗体に結合されたフルオロフォアを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の蛍光タグは、特異的バイオマーカーに対する親和性を備えたフルオロフォアである。
【0050】
フルオロフォアの例としては、フルオレセイン、6-FAM、ローダミン、Texas Red、California Red、iFluor594、テトラメチルローダミン、カルボキシローダミン、カルボキシローダミン6F、カルボキシロドール(carboxyrhodol)、カルボキシローダミン110、カスケードブルー、カスケードイエロー、クマリン、Cy2(登録商標)、Cy3(登録商標)、Cy3.5(登録商標)、Cy5(登録商標)、Cy5.5(登録商標)、Cy7(登録商標)、Cy-クロム、DyLight(登録商標)350、DyLight(登録商標)405、DyLight(登録商標)488、DyLight(登録商標)549、DyLight(登録商標)594、DyLight(登録商標)633、DyLight(登録商標)649、DyLight(登録商標)680、DyLight(登録商標)750、DyLight(登録商標)800、フィコエリトリン、PerCP(ペリジニンクロロフィルaタンパク質)、PerCP-Cy5.5、JOE(6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン)、NED、ROX(5-(および-6-)-カルボキシ-X-ローダミン)、HEX、ルシファーイエロー、マリーナブルー、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、Alexa Fluor(登録商標)350、Alex Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸、BODIPY(登録商標)FL、BODIPY(登録商標)FL-Br2、BODIPY(登録商標)530/550、BODIPY(登録商標)558/568、BODIPY(登録商標)630/650、BODIPY(登録商標)650/665、BODIPY(登録商標)R6G、BODIPY(登録商標)TMR、BODIPY(登録商標)TR、OPAL(商標)520、OPAL(商標)540、OPAL(商標)570、OPAL(商標)620、OPAL(商標)650、OPAL(商標)690、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに制限されない。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、DAPI、Cy(登録商標)2、Cy(登録商標)3、Cy(登録商標)3,5、Cy(登録商標)5、Cy(登録商標)7、FITC、TRITC、488色素、555色素、594色素、Texas Red、およびクマリンからなる群から選択される。488色素の例は、Alexa Fluor(登録商標)488、OPAL(商標)520、DyLight(登録商標)488、およびCF(商標)488Aを含むがこれらに制限されない。555色素の例は、Alexa Fluor(登録商標)555を含むがこれに制限されない。594色素の例は、Alexa Fluor(登録商標)594を含むがこれに制限されない。
【0051】
本明細書で使用される、「視野」は、組織サンプルのホールスライドデジタル画像の一部を指す。いくつかの実施形態では、ホールスライド画像は、2~200の所定の視野を有する。いくつかの実施形態では、ホールスライド画像は、10~200所定の視野を有する。いくつかの実施形態では、ホールスライド画像は30~200の所定の視野を有する。いくつかの実施形態では、ホールスライド画像は10~150の所定の視野を有する。いくつかの実施形態では、ホールスライド画像は10~100の所定の視野を有する。いくつかの実施形態では、ホールスライド画像は10~50の所定の視野を有する。いくつかの実施形態では、ホールスライド画像は10~40の所定の視野を有する。いくつかの実施形態では、ホールスライド画像は、10,15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100の所定の視野を、これらのうちの増分を含めて、有する。
【0052】
本明細書に開示する方法では、癌患者は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトではない。さらなる実施形態では、哺乳動物は、マウス、ラット、モルモット、犬、猫、または馬である。
【0053】
本明細書に開示する方法では、腫瘍組織は癌患者から採取される。癌の種類としては、以下の部位の癌が含まれるが、これらに制限されない:循環系、例えば、心臓(肉腫[血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫]、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫)、中隔膜および肋膜、および他の胸腔内器官、血管腫瘍および腫瘍関連の血管組織;気道、例えば、鼻腔および中耳、副鼻腔、喉頭、気管、気管支および肺、例えば小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、気管支原性癌(扁平細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞癌(細気管支癌)、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸系、例えば、食道(扁平細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、腹(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、胃、膵臓(管状腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路、例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および/または尿道(扁平細胞癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓、例えば、肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管細胞癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、膵内分泌腫瘍(褐色細胞腫、インスリノーマ、血管作動性腸ペプチド腫瘍、膵島腫瘍およびグルカゴノーマなど);骨、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨症)、良性脊索腫(benign chondroma)、軟骨芽細胞腫、軟骨筋繊維腫、類骨腫および巨細胞腫瘍;神経系、例えば、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、頭蓋癌(skull cancer)(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳癌(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形神経膠芽腫(glioblastoma multiform)、乏突起神経膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);生殖器系、例えば、婦人科、子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、腫瘍前(pre-tumor)子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌腫(unclassified carcinoma)]、顆粒膜莢膜細胞腫(granulosa-thecal cell tumors)、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平細胞癌、ブドウ状横紋筋肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌)および女性生殖器に関連する他の部位;胎盤、陰茎、前立腺、精巣、および男性生殖器に関連する他の部位;血液系(hematologic system)、例えば、血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];口腔、例えば、唇、舌、歯茎、口腔底部、口蓋、および口の他の部分、耳下腺、および唾液腺の他の部分、扁桃、中咽頭、上咽頭、梨状陥凹、下咽頭、および唇、口腔、咽頭の他の部位;皮膚、例えば、悪性黒色腫、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平細胞癌、カポジ肉腫、異形成性母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、および蟹足腫;副腎:神経芽細胞腫;結合組織および軟組織、後腹膜および腹膜、目、眼内黒色腫、および付属器、胸、頭または/および首、肛門領域、甲状腺、副甲状腺、副腎および他の内分泌腺および関連構造を含む他の組織、リンパ節の続発性および詳細不明の悪性新生物、呼吸器系および消化器系の続発性悪性新生物、他の部位の続発性悪性新生物、またはこれらの1つ以上の組み合わせ。
【0054】
免疫療法の例は、モノクローナル抗体(例えば、アレムツズマブもしくはトラスツズマブ)、結合モノクローナル抗体(例えば、イブリツモマブチウキセタン、ブレンツキシマブベドチン(brentuximab vendotin)、もしくはトラスツズマブエムタンシン(ado-trastuzumab emtansine))、二重特異性モノクローナル抗体(ブリナツモマブ)、免疫チェックポイント阻害薬(例えば、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、もしくはデュルバルマブ)、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、およびイミキモド、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに制限されない。いくつかの実施形態では、免疫療法は免疫チェックポイント療法を含む。
【0055】
別の態様では、視野に存在するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が、本明細書で提供され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)腫瘍バイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)視野内のすべての腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(iv)目的のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり目的のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第3および第4のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第5のマスクの総面積を第3のマスクの総面積で割ることにより、目的のバイオマーカーを発現するすべての腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、総面積は、ピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第5のマスクの総面積および第3のマスクの総面積は、それぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、ピクセルは0.5μm幅である。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーはガレクチン9を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーはMHCを含む。いくつかの実施形態では、視野は、非腫瘍細胞をさらに含む。いくつかの実施形態では、非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む。
【0057】
別の態様では、視野に存在するすべての非腫瘍細胞についてバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法が、本明細書で提供され、この方法は、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)腫瘍バイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、第2のマスクを第1のマスクから減じる工程と、
(iv)目的のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり目的のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第3および第4のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第5のマスクの総面積を第3のマスクの総面積で割ることにより、目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、総面積はピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、第5のマスクの総面積および第3のマスクの総面積は、それぞれピクセルで測定される。いくつかの実施形態では、ピクセルは0.5μm幅である。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、およびCD28からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーはPD-1を含む。いくつかの実施形態では、非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む。
【0059】
別の態様では、癌と診断され、免疫療法を受けている患者の進行を監視する方法が本明細書で開示され、この方法は、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、少なくとも2つのサンプルそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、この変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、減少は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、この変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、増大は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、ICOS、CD28、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、CD86、PD-1、TIM-3、およびTCRからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、ICOS、CD28、PD-1、TIM-3、およびTCRからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-1を含む。
【0061】
別の態様では、癌と診断され、免疫療法を受けている患者の進行を監視する方法が本明細書で開示され、この方法は、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、少なくとも2つのサンプルのそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、減少は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、増大は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、ガレクチン9を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、MHCを含む。いくつかの実施形態では、免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む。
【0063】
別の態様では、癌と診断され、免疫療法を受けている患者の免疫細胞改変を監視する方法が、本明細書で開示され、この方法は、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、少なくとも2つのサンプルのそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、減少は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、増大は、免疫療法の有益な有効性を示す。いくつかの実施形態では、免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、ICOS、CD28、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、CD86、PD-1、TIM-3、およびTCRからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、ICOS、CD28、PD-1、TIM-3、およびTCRからなる群から選択されたバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-L1を含む。いくつかの実施形態では、目的のバイオマーカーは、PD-1を含む。
【0065】
別の態様では、癌治療を必要とする患者において癌を治療する方法が、本明細書で開示され、この方法は、(i)本明細書に記載の方法に従って、視野に存在するすべての腫瘍細胞またはすべての非腫瘍細胞の第1のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す工程と、(ii)第1のPBPの値を記録する工程と、(iii)免疫療法の少なくとも第1の用量を患者に投与する工程と、(iv)少なくとも第1の用量の投与後に、本明細書に記載の方法に従って、視野に存在するすべての腫瘍細胞またはすべての非腫瘍細胞の第2のPBPの値を導き出す工程と、(v)第2のPBPの値を記録する工程と、(vi)第1のPBPの値と第2のPBPの値との間での変化を計算する工程と、(vii)患者に投与される免疫療法の次の用量を調節する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、次の用量を調節する工程は、免疫療法の用量を増やす工程、免疫療法の用量を減らす工程、免疫療法の投与間の間隔を増やす工程、免疫療法の投与間の間隔を減らす工程、免疫療法を別の免疫療法と置き換える工程、免疫療法を非免疫療法と置き換える工程、および免疫療法を終わらせる工程、からなる群から選択された1つ以上の行動を含む。
【0066】
別の態様では、癌治療を必要とする患者において癌を治療する方法が、本明細書で開示され、この方法は、(i)本明細書に記載の方法に従って、視野に存在するすべての腫瘍細胞またはすべての非腫瘍細胞について第1のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す工程と、(ii)第1のPBPの値を記録する工程と、(iii)投与計画の一部として、免疫療法の少なくとも第1の用量を患者に投与する工程と、(iv)少なくとも第1の用量の投与後に、本明細書に記載の方法に従って、視野に存在するすべての腫瘍細胞またはすべての非腫瘍細胞について第2のPBPの値を導き出す工程と、(v)第2のPBPの値を記録する工程と、(vi)第1のPBPの値と第2のPBPの値との間での変化を計算する工程と、(vii)投与計画を変更せずに免疫療法の次の用量を投与する工程と、を含む。
【0067】
図11は、バイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法の1つの実施形態の工程を描いたフローチャートである。工程1101では、画像データが得られ、工程1102では、さまざまなタイプの蛍光信号に特異的なデータが異なるチャネルへと分割されるように、画像データが分離される。工程1103では、第1のチャネルからのデータを用いて、すべての細胞のマスクを生成する。工程1104では、第2のチャネルからのデータを用いて、サブセットバイオマーカーを発現する視野内の領域のマスクを生成し、例えば、このサブセットのマスクは、視野に存在する腫瘍領域のマスクであってよい。工程1105では、すべての細胞のマスクおよびサブセットのマスク(例えば、腫瘍領域のマスク)が組み合わせられて、すべてのサブセット細胞のマスクを生成する。
【0068】
いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセットおよび細胞の非サブセットは、腫瘍細胞および非腫瘍細胞にそれぞれ対応するか、または非腫瘍細胞および腫瘍細胞にそれぞれ対応する。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセット、および細胞の非サブセットは、生存細胞および非生存細胞にそれぞれ対応するか、または非生存細胞および生存細胞にそれぞれ対応する。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセットは、生存細胞のサブセットであり、細胞の非サブセットは、生存細胞のサブセットに含まれない生存細胞からなる。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセット、および細胞の非サブセットは、T細胞および非T細胞にそれぞれ対応するか、または非T細胞およびT細胞にそれぞれ対応する。いくつかの実施形態では、サブセットバイオマーカーにより特定された細胞のサブセット、および細胞の非サブセットは、骨髄系細胞および非骨髄系細胞にそれぞれ対応するか、または、非骨髄系細胞および骨髄系細胞にそれぞれ対応する。
【0069】
特定の実施形態では、すべての細胞のマスクとサブセットのマスクとを組み合わせることで、すべての腫瘍細胞および/またはすべての非腫瘍細胞を特定することができる。このプロセスは、選択されたタイプの目的の細胞のみで、例えば、腫瘍細胞のみまたは非腫瘍細胞のみで、実行され得る。このプロセスは、これら両方の分析を対象とすることもできる。工程1106では、第3のチャネルからのデータを用いて、(特定の目的のバイオマーカーに対して結合する親和性を有する蛍光タグの存在を表す蛍光信号に基づいて)バイオマーカーに対して陽性であるすべての細胞のマスクを生成する。工程1107および1108では、工程1106で生成されたバイオマーカーマスクが、工程1105で生成されたサブセット細胞のマスクと組み合わせられる。工程1107は、バイオマーカーマスクをサブセット細胞のマスクと第1の方法で組み合わせて、バイオマーカーに対して陽性であるすべてのサブセット細胞のマスクを生成する。工程1108は、バイオマーカーマスクをサブセット細胞のマスクと第2の方法で組み合わせて、バイオマーカーに対して陽性でないサブセット細胞のマスクを生成する。工程1107および1108のうちの一方または両方を、方法のさまざまな実施形態に従って実行することができる。工程1109/1110では、目的のサブセット細胞(例えば、工程1107でマスクによって特定されたバイオマーカーに対して陽性であるサブセット細胞または工程1108でマスクによって特定されたバイオマーカーに対して陽性でないサブセット細胞)の面積を、すべてのサブセット細胞の総面積で割ることによって、PBPスコアを計算する。工程1109および1110のうちの一方または両方を、方法のさまざまな実施形態に従って実行することができる。
【0070】
図12は、バイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法の第2の実施形態の工程を描いたフローチャートである。工程1201では、画像データが得られ、工程1202では、さまざまなタイプの蛍光信号に特異的なデータが異なるチャネルへと分割されるように、画像データが分離される。工程1203では、第1のチャネルからのデータが用いられ、すべての細胞のマスクを生成する。工程1204では、第2のチャネルからのデータが用いられ、(特定の目的のバイオマーカーに対して結合する親和性を有する蛍光タグの存在を表す蛍光信号に基づいて)バイオマーカーに対して陽性であるすべての細胞のマスクを生成する。工程1205では、(工程1204で生成されたマスクにより特定された)バイオマーカーに対して陽性である細胞の面積を、(工程1203からの)目的のすべての細胞の総面積で割ることにより、PBPスコアを計算する。
図12のプロセスは、
図11で描かれた方法と別々に行われても、同時に行われてもよい。言い換えれば、PBPスコアは、すべての細胞、すべての腫瘍細胞、およびすべての非腫瘍細胞、またはそれらの任意の組み合わせについて計算され得、
図11および
図12の方法を組み合わせることができる。
【0071】
本明細書に開示される方法では、デジタル画像の操作は、例示的な実施形態によると、
図13のブロック図に示されるコントローラなどのコントローラを含む、コンピューターシステムにより実行され得る。コントローラ200は、通信インターフェース202および処理回路204を含むことが示されている。通信インターフェース202は、さまざまなシステム、デバイス、またはネットワークとデータ通信を行うために有線または無線インターフェース(例えば、ジャック、アンテナ、送信機、受信機、トランシーバー、ワイヤ端子など)を含み得る。例えば、通信インターフェース202は、イーサネットに基づく通信ネットワークを介してデータを送受信するためのイーサネットカードおよびポート、ならびに/または無線通信ネットワークを介して通信するためのWiFiトランシーバーを含み得る。通信インターフェース202は、ローカルエリア・ネットワークまたは広域ネットワーク(例えば、インターネット、建造物のWAN(building WAN)など)を介して通信するように構成され得、さまざまな通信プロトコル(例えば、BACnet、IP、LONなど)を使用し得る。
【0072】
通信インターフェース202は、コントローラ200とさまざまな外部システムもしくはデバイス(例えば、撮像デバイス102)との間の電子データ通信を促進するように構成されたネットワークインターフェースであってよい。例えば、コントローラ200は、撮像デバイス102から選択された視野の撮像データを受信して、データを分析し、空間的近接スコア(SPS)を計算することができる。
【0073】
さらに
図13を参照すると、処理回路204は、プロセッサ206およびメモリ208を含むことが示されている。プロセッサ206は、汎用もしくは特定用途プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、処理構成要素群、または他の適切な処理構成要素であってよい。プロセッサ506は、メモリ508に記憶されるかまたは他のコンピュータ可読媒体(例えば、CDROM、ネットワーク記憶装置、リモートサーバーなど)から受信された、コンピュータコードまたは命令を実行するように構成され得る。
【0074】
メモリ208は、本開示に記載されるさまざまなプロセスを完了し、かつ/または容易にするためにデータおよび/またはコンピュータコードを記憶するための1つ以上のデバイス(例えば、メモリ装置、メモリデバイス、記憶デバイスなど)を含み得る。メモリ208は、ソフトウェアオブジェクトおよび/もしくはコンピュータ命令を記憶するための、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードドライブ記憶装置、一時記憶装置、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、光学メモリ、または、任意の他の適切なメモリを含み得る。メモリ208は、データベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、またはさまざまな活動を支持するための任意の他のタイプの情報構造および本開示に記載される情報構造を含み得る。メモリ508は、処理回路204を介してプロセッサ206に通信可能に接続され得、本明細書に記載する1つ以上のプロセスを(例えば、プロセッサ206によって)実行するためのコンピュータコードを含み得る。
【0075】
さらに
図13を参照すると、コントローラ200は、撮像デバイス102から入力を受信することが示されている。撮像デバイスは、撮像データをすべて取得し、それを説明するすべてのメタデータと共に、その撮像データを記録する。撮像デバイスは次に、データをシリアライズして、コントローラ200により読み取られ得るストリームにする。このデータストリームは、ファイルシステム、RDBM、または直接TCP/IP通信など、任意のバイナリデータストリームタイプに適応し得る。データストリームの使用のため、コントローラ200は、スペクトルアンミキサ(spectral unmixer)210を含むことが示されている。スペクトルアンミキサ210は、撮像デバイス102から画像データを受信することができ、これに対してスペクトルアンミキシングを行って、さまざまな波長を示す画像を、波長のバンドごとに個々の別個のチャネルへと分離する。例えば、画像データは、組織サンプル中の目的の細胞またはタンパク質を特定するのに使用されるさまざまなフルオロフォアそれぞれについて別々のチャネルへと「分離され」得る。フルオロフォアは、ほんの一例として、DAPI、Cy(登録商標)2、Cy(登録商標)3、Cy(登録商標)3,5、Cy(登録商標)5、FITC、TRITC、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)594、およびTexas Redからなる群のうちの1つ以上であってよい。一実施例では、チャネルのうちの1つが、画像内の核を特定するために、461nmの波長(DAPIの最大発光波長)を囲む所定のバンドに該当する画像データを含み得る。他のチャネルは、異なるフルオロフォアを用いて組織サンプルの種々の部分を特定するために異なる波長の画像データを含み得る。
【0076】
コントローラ200はまた、さまざまなマスカ(maskers)、例えば細胞マスカ212、サブセット領域マスカ216、およびバイオマーカーマスカ222、を含むことが示されている。コントローラ200に含まれ得るこれらのマスカまたは他のマスカは、他の実施形態では、スペクトルアンミキサ210から分離信号(unmixed signal)を受信し、組織サンプル中のある目的の特徴を特定するのに使用されるフルオロフォアに応じて、目的の特定の細胞または領域のマスクを作るために使用される。マスクを作るために、マスカ(細胞マスカ212、サブセット領域マスカ216、およびバイオマーカーマスカ222など)は、視野内の各ピクセルの強度に関連する画像データを受信する。ピクセル強度は、サンプルが発する蛍光の量に正比例し、この蛍光の量は、(特定のバイオマーカーを特定するためにフルオロフォアを使用する場合)サンプル中のタンパク質バイオマーカーの量に正比例する。絶対閾値が、画像ピクセルに存在する値に基づいて設定され得る。閾値以上であるピクセルはすべて、1.0、または「オン」にマッピングされ、他のピクセルはすべて、0.0、または「オフ」にマッピングされる。このように、バイナリマスクは、視野内の目的の細胞または組織部分を特定するように作られる。他の実施形態では、マスクは、下限を用いて作られ、下限以上の強度を有するすべてのピクセルは、マスクのためのピクセル値として許容および使用される。強度が下限を下回る場合、ピクセル値は0.0、または「オフ」に設定される。
【0077】
図14に示すマスキングのための例としてのフローダイヤグラムでは、DAPIおよび488色素のチャネル(または、核および腫瘍領域をそれぞれ特定するための他のフルオロフォア)が下限プロトコルを使用する(工程1410、1412、1420、1422)が、Cy5チャネル(または、目的のバイオマーカーを特定するための他のフルオロフォア)は、閾値プロトコルを使用して(工程1430)、マスク出力を提供することが示されている。下限プロトコルに関連して、下限を決定するためのヒストグラム工程もある。具体的には、ヒストグラム閾値(工程1412、1422)は、入力画像の閾値を作り出すが、閾値化が生じる時点を決定するスライディングスケール(sliding scale)を用いる。入力は、現在の画像およびユーザが定める閾値パーセンテージである。ユーザが定める閾値パーセンテージは、閾値レベルが設定されるべき全強度のパーセントを決定するのに使用される。最初に、各ピクセルの強度が合計されて全強度になる。閾値パーセンテージに、この全強度を掛け合わせて、切り捨て合計(cut-off sum)を得る。最後に、全ピクセルを強度によって(ヒストグラムで)グループ分けし、それらの強度を、切り捨て合計が達成されるまで、最も低いものから最も高いものまで(ビン単位で)合計する。プロセスで現れる最後の最も高いピクセル強度が、現在の画像の閾値である。その値より高い強度を有するピクセルはすべて、それらの強度が最大に設定されているが、他のものはすべて、最小に設定される。
【0078】
図14で工程1414、1416、1424、1426、1428、1432、1434、1436として識別される工程は、細胞マスカ212(工程1414、1416)、サブセット領域マスカ216(工程1424、1426、1428)、バイオマーカーマスカ222(工程1432、1434、1436)などの初期マスカで行われる中間工程を表す。これらの工程は以下のとおり定められる。
【0079】
拡張は、画像中の最も明るい領域の面積を増やす。2つの入力が拡張に必要である。第1の入力は、絶対的な現在の画像であり、第2の入力は、拡張させる反復の回数である。バイナリ画像のみが第1の入力に使用されることが想定される。この処置は、連続的な画像に対して効果があるが、出力は、有効な拡張とはならない。拡張プロセスは、最初に、画像中の最大ピクセル強度を見つけることにより始まる。続いて、画像中の各ピクセルが1回調査される。調査中のピクセルが最大強度に等しい強度を有する場合、そのピクセルは、反復半径(iterations radius)を有し、元のピクセル上に中心を置く円として出力画像に描かれる。その円内の全ピクセルは、最大強度に等しい強度を有する。すべての他のピクセルは、修正なしに、出力画像へコピーされる。
【0080】
穴埋め処置は、画像の「空の」領域を最大強度のピクセルで埋める。これらの空の領域は、最小強度を有し、かつピクセル面積(サイズ)がユーザにより特定された、領域である。現在の画像およびサイズは、必要とされる2つの入力である。拡張と同様に、この処置は、バイナリ画像にのみ適用されるものとする。
【0081】
侵食は、拡張と同じように画像を処理する。すべての機能性は、第1の工程で画像中の最小強度を決定し、その最低強度に適合するピクセルのみが変更され、見つかった最小強度ピクセルをブルーミングするのに使用される円が、最低強度値で埋められることを除き、拡張と同じである。拡張と同じように、この処置は、バイナリ画像にのみ適用されるものとする。
【0082】
オブジェクト除去。2つの入力:現在の画像およびオブジェクトサイズ、が求められる。オブジェクト除去は、穴埋め処置とは反対である。入力されたオブジェクトサイズより小さい面積を埋める最大強度のピクセルのみを含むあらゆる領域が、最小強度に設定され、よって「除去される」。この処置は、バイナリ画像にのみ適用されるものであり、連続した画像への適用は、予想外の結果を生じ得る。
【0083】
工程1418、1429、1438での出力は、それぞれ、結果として得られる細胞のマスク、サブセットのマスク(または、この特定の実施例では、腫瘍領域のマスク)、およびバイオマーカーの細胞のマスクである。
図14は、PBPスコアの関連領域情報を得るための、これらの結果として得られるマスクの組み合わせをさらに描いている。これらの組み合わせは、
図13に描かれる、コントローラ200の組み合わせマスカを参照して、以下でさらに説明する。
【0084】
コントローラ200は、サブセット細胞マスカ218、非サブセット細胞マスカ220、組み合わせマスカ230などの組み合わせマスカを含むことが示されている。いくつかの実施形態では、マスカ218により特定されたサブセット細胞およびマスカ220により特定された非サブセット細胞は、それぞれ腫瘍細胞および非腫瘍細胞である。サブセット細胞マスカは、
図14の工程1452に示すように、And操作を行い、(画像中のすべての細胞を表す)細胞マスカ212の出力を、サブセット領域マスカ216の出力と組み合わせる。したがって、サブセット細胞マスカは、画像中のすべてのサブセット細胞のマスクを生成する。この同じ組み合わせは、
図14の工程1454に示すように非サブセット細胞マスカ220によって行われるOut操作を用いて、サンプル画像中のすべての非サブセット細胞のマスクを生成する。
【0085】
組み合わせマスカ230は、2つの入力マスクを組み合わせるように構成される。
図14に描かれたように、組み合わせマスカ230は、バイオマーカーマスクを、(サブセット細胞マスカ218からの)サブセット細胞のマスクもしくは(非サブセット細胞マスカ220からの)非サブセット細胞のマスクのうちの一方、または、バイオマーカーマスク+サブセットのマスクおよびバイオマーカーマスク+非サブセットのマスクの両方、と組み合わせる。点線は、細胞のマスクのうちの一方または両方が、組み合わせマスカ230においてバイオマーカーマスクと組み合わせられ得ることを表す。組み合わせマスカ230の結果は、バイオマーカーに対して陽性であるすべてのサブセット細胞および/またはバイオマーカーに対して陽性であるすべての非サブセット細胞を表すマスクである。組み合わせマスカ230は、マスクを交互に組み合わせることができ、組み合わせマスカ230の結果は、バイオマーカーに対して陽性ではない(バイオマーカー陰性)サブセット細胞を表すマスクである。目的の細胞がサブセット、例えば腫瘍もしくは非腫瘍に特に関連せず、むしろすべての細胞に関連する場合、バイオマーカー陽性のマスクは、任意の追加のマスクとは組み合わせられず、修正することなく組み合わせマスカ230を通過する。
【0086】
バイオマーカー陽性率スコア(PBP)を計算するため、選択されたサブセット細胞(例えば、すべての腫瘍もしくは非腫瘍)のバイオマーカー陽性マスクまたはバイオマーカー陰性マスク(この場合、スコアはバイオマーカー陰性を表す)の面積が、面積評価器232においてピクセルで決定される。(バイオマーカーに対して陽性または陰性である)選択された細胞すべての総面積は、面積評価器232においてピクセルで決定される。面積評価器232において終端する点線は、総面積の入力が、別々に計算される、すべての細胞のマスク、サブセット細胞のマスク、および非サブセット細胞のマスクのうちの1つ以上であってよいことを示す。バイオマーカー陽性率スコアは、陽性計算器236において決定される。一実施形態では、BPBスコアは、面積評価器232からの選択された細胞のバイオマーカー陽性マスクの面積を、面積評価器232からのすべての選択された細胞のマスクの面積で割り、100を掛け合わせることによって、計算される。一実施形態では、相互作用計算器236により実行される方程式は以下のとおりであり:
【数1】
式中、A
Pは、選択されたタイプのサブセット細胞(例えば、すべての腫瘍または非腫瘍)のバイオマーカー陽性面積であり、A
Aは、選択された細胞型(すべての腫瘍、非腫瘍)のすべての細胞の総面積である。同様に、A
Nは、前述の方程式のA
Pに取って代わり、A
Nは、選択されたタイプの細胞(例えば、すべての腫瘍または非腫瘍)のバイオマーカー陰性面積であり、そのタイプのサブセット細胞のバイオマーカー陰性率を表すスコアを決定する。
【0087】
And処置は、バイナリのAnd操作をモデルにしているが、著しく異なっている。Andは、現在の画像、およびユーザが選択した結果を受け入れる。この出力は、2つの入力画像からの適合するピクセルの正規化された強度の掛け算を実行することで作られた画像である。場合によっては、画像の強度データは、既に正規化されている。したがって、And処置は、単に2つの画像のピクセルごとの掛け算である。Outに必要な2つの入力は、現在の画像およびユーザが選択した結果である。Outは、式A*(1-B/Bmax)に従って第1の画像から第2の画像を除去し、式中、Aは現在の画像であり、Bは、除去されるユーザが選択した画像であり、BmaxはBの最大強度である。BをBmaxで割ることによりBを正規化することに留意されたい。
【0088】
〔実施例〕
実施例1.ヒト患者からの黒色腫組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
サンプル調製。ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルから、ろうを取り除いた。次にスライドは、蒸留水中でインキュベートする前に、一連のキシレンからアルコールまでの洗浄を通じて再水和された。次に、熱によって誘導された抗原回復が、高温高圧条件を用いて実行され、冷却され、トリス緩衝食塩水へと移された。次に染色が行われ、以下の工程が実行された。まず、内在性ペルオキシダーゼが遮断され、続いて、タンパク質遮断溶液でインキュベートして、非特異的抗体染色を低減した。次に、スライドを、マウス抗PD1一次抗体で染色した。その後、スライドは、抗マウスHRP二次抗体でインキュベートする前に洗浄した。スライドを洗浄し、その後、PD-1染色が、TSA+Cy(登録商標)3.5(Perkin Elmer)を用いて検出された。次に、残留HRPが、新鮮な100mMのベンズヒドラジドと50mMの過酸化水素の2回の洗浄を用いて、冷却された。スライドは、ウサギ抗PD-L1一次抗体での染色前に再び洗浄された。スライドを洗浄し、次に、488色素で直接標識されたマウス抗S100を加えた抗ウサギHRP二次抗体と4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)との混合物でインキュベートした。スライドを洗浄し、次に、TSA-Cy(登録商標)5(Perkin Elmer)を用いてPD-L1染色を検出した。スライドは、封入剤と共にカバーガラスをかける(cover-slipped)前に最後に洗浄し、室温で一晩乾燥させた。抗体および検出試薬の概要を
図1に示す。
【0089】
サンプル撮像および分析。次に、蛍光画像を、Vectraソフトウェアバージョン2.0.8を用いるVectra 2 Intelligent Slide Analysis System(Perkin Elmer)を使用して、取得した。まず、スライドのモノクローム撮像を、DAPIを使用して4xの倍率で行った。(inFormを用いて開発した)自動化アルゴリズムを使用して、組織を収容するスライドの領域を特定した。
【0090】
組織を収容していると特定されたスライドの領域を、4xの倍率でDAPI(青色)、FITC(緑色)、Cy(登録商標)5(赤色)に関連付けられたチャネルついて撮像し、RGB画像を生成した。これらの4xの倍率の画像は、視野セレクター104において(inFormを用いて開発した)自動化濃縮アルゴリズムを用いて処理し、最も高いCy(登録商標)5発現に従って可能な20xの倍率の視野を特定およびランク付けした。
【0091】
上位40の視野を、DAPI、FITC、Texas Red、Cy(登録商標)5の波長にわたって20xの倍率で撮像した。原画像を、受容性について再調査し、焦点が外れた、腫瘍細胞がない、非常に壊死性であった、または、予測された抗体局在と関連のない高いレベルの蛍光信号(すなわち背景染色)を含んだ、画像は、分析前に拒絶された。受容された画像は、AQUAduct(Perkin Elmer)を用いて処理し、各フルオロフォアは、スペクトルアンミキサ210によって、個々のチャネルへとスペクトルが分離されて、別ファイルとして保存された。
【0092】
処理されたファイルを、AQUAnalysis(商標)を用いて、またはAQUAserve(商標)を用いる完全自動化プロセスを通じて、さらに分析した。詳細は以下のとおりであった。
【0093】
各DAPI画像は、細胞マスカ212によって処理し、その画像内にあるすべての細胞核を特定し(
図2a)、その後、3ピクセルだけ拡張して、完全な細胞の適切なサイズを表した。この結果として得られたマスクは、その画像内のすべての細胞を表した(
図2b)。
【0094】
488色素で検出されたS100(黒色腫用の腫瘍細胞マーカー)(
図3a)を、腫瘍マスカ216によって処理し、その画像内のすべての腫瘍領域のバイナリマスクを作成した(
図3b)。このマスクと、すべての細胞のマスクとの重なりが、腫瘍細胞の新しいマスクを作成した(
図3c)。
【0095】
同様に、すべての核のマスクと組み合わせた腫瘍細胞マーカーがないことで、すべての非腫瘍細胞の新しいマスクを作成し(
図3d)、これは非腫瘍細胞マスカ220を用いて行った。
【0096】
各Cy(登録商標)5画像(
図4a)は、バイオマーカーマスカ222によって処理し、PD-L1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した(
図4b)。組み合わせマスカ230を用いて、すべての腫瘍細胞のマスクとすべてのPD-L1陽性細胞のマスクを重ねることにより、すべてのPD-L1陽性腫瘍細胞の新しいマスクを作成した(
図4c)。同様に、組み合わせマスカ230を用いて、すべての非腫瘍細胞のマスクとすべてのPD-L1陽性細胞のマスクを重ねることにより、すべてのPD-L1陽性非腫瘍細胞の新しいマスクを作成した(
図4d)。
【0097】
各Cy(登録商標)3.5画像(
図5a)は、すべての非腫瘍細胞のマスクと重ねられて、PD-1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した(
図5b)。
【0098】
PD-L1を発現するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)は、陽性計算器236を用いて、ピクセルで測定され面積評価器232により決定された、すべてのPD-L1陽性腫瘍細胞のマスクの総面積(
図4c)を、ピクセルで測定され面積評価器232により決定された、すべての腫瘍細胞のマスクの総面積(
図3c)で割ることによって、導き出した。PD-L1を発現するすべての細胞のPBPの代表的な値を
図6aに示す(データは、発現の増加に従って分類されている)。
【0099】
PD-1を発現するすべての非腫瘍細胞のPBPは、ピクセルで測定された、すべてのPD-1陽性非腫瘍細胞のマスクの総面積(
図5b)を、ピクセルで測定された、すべての非腫瘍細胞のマスクの総面積(
図3d)で割ることによって、導き出した。PD-1を発現するすべての非腫瘍細胞のPBPの代表的な値を
図6bに示す(データは、発現の増加に従って分類されている)。
【0100】
図7および
図8は、PD-L1陽性細胞(赤色)、PD-L陽性細胞(黄色)、腫瘍細胞(S100、緑色)、およびすべての細胞(DAPI、青色)を示す、上に置かれたマスクの代表的な実施例を示す。免疫療法への陽性反応者では、
図7のマスクは、PD-L1陽性細胞(赤色)、PD-1陽性細胞(黄色)、およびすべての腫瘍細胞(緑色)の存在を容易に示す。対照的に、免疫療法への陰性反応者では、
図8のマスクは、腫瘍細胞(S100、緑色)およびすべての細胞(DAPI、青色)の存在を示すが、PD-L1陽性細胞(赤色)またはPD-1陽性細胞(黄色)は皆無かそれに近い。
【0101】
実施例2.ヒト患者からの非小細胞肺癌(NSCLC)組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
488色素で直接標識されたマウス抗S100を、上皮腫瘍サンプルのために488色素で直接標識されたマウス抗パンサイトケラチンと置き換えて、実施例1と同じような処置を行った。PD-1およびPD-L1のPBP値を
図9に示す。これらの患者のサブセットは、免疫抑制に似た、高いレベルの受容体リガンド相互作用を示した。
【0102】
実施例3.分析技術の比較
対照標本を生成するため、PD-L1の先に開発された発現を備える(Karpas 299)か、または発現のない(Ramos RA#1)リンパ腫細胞株を、製造業者の説明書に従って培養した。次に細胞を計数し、2つの細胞株をさまざまなパーセンテージで混合し、PD-L1発現が0~100%の範囲である一連のFFPE細胞株ペレットブロックを生成した。次に、これらの細胞株混合物から、また、正常な扁桃腺組織切除部からのコア(600μm)を使用して、組織マイクロアレイ(TMA)を作成した。次に、このTMAの一部を染色し、撮像し、各コアに、AQUAnalysis(商標)を用いてPD-L1陽性率のスコアを付け(すべての工程は、実施例1で説明したとおりである)、結果を、
図10のY軸に示す。ここで、各点は、単一のコア(単一の視野)を表す。
【0103】
あるいは、以下のとおり比較用の細胞計数に基づくソフトウェアを用いて、同じ画像を、PD-L1発現率について定量化した。DAPIを使用して、まず、各細胞核を特定し、次に、特定された細胞核を囲む、形態学的な細胞質を作成した。細胞の細胞質においてPD-L1発現を有する細胞を特定するために、強度閾値が確立された。次に、この閾値を越えて特定された細胞の総数を、画像中の細胞の総数で割って、各コアにおけるPD-L1陽性細胞の割合を決定し、その結果を、
図10のX軸上に示した。全体的に、2つの細胞計数方法間には、高レベルの一致があった(R2=0.86、勾配1.1);しかしながら、
図10にA、B、Cとして標識される3つの顕著な外れ値があり、ここでは、AQUA(登録商標)スコア付けによって決定されたPD-L1陽性率は、細胞計数方法のものよりも著しく高かった。点AおよびBは、100%の細胞がKarpas299であった細胞株のコアであり、よって、AQUA(登録商標)スコア付けによって決定された値は、予想されたものにはるかに近く、細胞計数方法は、細胞の細胞質をPD-L1陽性と特定することができなかった。同様に、点Cでは、細胞混合物は、理論上の40%のKarpas299細胞を含み、AQUA(登録商標)スコア付けによって決定された値は、やはり、細胞計数方法よりも、予測されたものにはるかに近かった。これらの結果は、本明細書に開示する方法が、細胞計数に基づくソフトウェアよりも優れていることを証明した。
【0104】
実施例4.PD-L1を発現する細胞およびCD80を発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-1の染色および分析を、CD80の染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0105】
実施例5.CTLA-4を発現する細胞およびCD80を発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
サンプル調製。ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルから、ろうを取り除き、これを再水和し、抗原回復を、高温条件で行った。次に、染色を行い、以下の工程を実施した。まず、組織をRNAScope(登録商標)(Advanced Cell Diagnostics)を用いて、約1kbのCTLA-4 mRNAにわたる20対のハイブリダイゼーションプローブを使用するCTLA-4発現検出にかけた。in situハイブリダイゼーションを、TSA-Cy(登録商標)3で可視化した。スライドを洗浄し、次に残留HRPを、新鮮な100mMのベンズヒドラジドと50mMの過酸化水素での2回洗浄を用いて冷却した。スライドは、マウス抗CD80一次抗体で染色する前に再び洗浄した。スライドを洗浄し、次に、抗マウスHRP二次抗体でインキュベートした。スライドを洗浄し、次にCD80染色を、TSA-Cy(登録商標)5(Perkin Elmer)を用いて検出した。その後、残留HRPを、新鮮な100mMのベンズヒドラジドと50mMの過酸化水素での2回洗浄を用いて冷却した。スライドは、ウサギ抗CD3一次抗体で染色する前に再び洗浄した。スライドを洗浄し、次に、抗ウサギHRP二次抗体と4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)の混合物でインキュベートした。スライドを洗浄し、次に、CD3染色を、TSA-AlexaFluor488(登録商標)(Life Technologies)を用いて検出した。スライドを、封入剤と共にカバーガラスをかける前に最後に洗浄し、室温で一晩乾燥させた。
【0106】
DAPI、FITC、Cy(登録商標)3、およびCy(登録商標)5の波長にわたり撮像する、実施例1と同様の撮像および分析処置を実行した。CTLA-4およびCD80の発現を用いて、20xの画像を得るための濃縮アルゴリズムを確立した。分析を行い、転移性黒色腫の患者から採取した腫瘍サンプル中の、CD3陽性T細胞におけるCTLA-4の広まりおよびCD80発現を調べた。結果を
図31aおよび
図31bに示す。
【0107】
実施例6.PD-L2を発現する細胞およびPD-1を発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1の染色および分析を、PD-L2の染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0108】
実施例7.CTLA-4を発現する細胞およびCD86を発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、CTLA-4およびCD86の染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0109】
実施例8.LAG-3を発現する細胞およびHLA-DRを発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、LAG-3およびHLA-DRの染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0110】
実施例9.TIM-3を発現する細胞およびガレクチン9を発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、TIM-3およびガレクチン9の染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0111】
実施例10.41BBを発現する細胞および4.1BBLを発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、41BBおよび4.1BBLの染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0112】
実施例11.OX40を発現する細胞およびOX40Lを発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、OX40およびOX40Lの染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0113】
実施例12.CD40を発現する細胞およびCD40Lを発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、CD40およびCD40Lの染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0114】
実施例13.ICOSを発現する細胞およびICOSLを発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、ICOSおよびICOSLの染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0115】
実施例14.GITRを発現する細胞およびGITRLを発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、GITRおよびGITRLの染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0116】
実施例15.HLA-DRを発現する細胞およびTCRを発現する細胞を有する組織サンプルのサンプル調製、撮像、および撮像の分析
PD-L1およびPD-1の染色および分析を、HLA-DRおよびTCRの染色および分析に置き換えて、実施例1と同様の処置を行う。
【0117】
実施例16.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者からの組織サンプルのサンプル調製、撮像、ならびにCD3およびPD-1の分析
サンプル調製。DLBCL患者からのホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプル(n=43)から、ろうを取り除いた。次にスライドは、蒸留水中でインキュベートする前に、一連のキシレンからアルコールまでの洗浄を通じて再水和した。次に、熱によって誘導された抗原回復が、高温高圧条件を用いて実行され、冷却され、トリス緩衝食塩水へと移された。次に染色が行われ、以下の工程が実行された。まず、内在性ペルオキシダーゼが遮断され、続いて、タンパク質遮断溶液でインキュベートして、非特異的抗体染色を低減した。次に、スライドが、マウス抗PD1一次抗体で染色された。その後、スライドは、抗マウスHRP二次抗体でインキュベートする前に洗浄された。スライドを洗浄し、その後、PD-1染色が、TSA+Cy(登録商標)3(Perkin Elmer)を用いて検出された。次に、一次および二次抗体試薬を、マイクロ波によって除去した。スライドは、ウサギ抗CD-3一次抗体での染色前に再び洗浄された。スライドを洗浄し、次に、抗ウサギHRP二次抗体と4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)との混合物でインキュベートした。スライドを洗浄し、次に、TSA-Cy(登録商標)5(Perkin Elmer)を用いてCD3染色を検出した。スライドは、封入剤と共にカバーガラスをかける前に最後に洗浄し、室温で一晩乾燥させた。抗体および検出試薬の概要を
図15に示す。
【0118】
サンプル撮像および分析。次に、蛍光画像を、Vectraソフトウェアバージョン2.0.8を用いるVectra 2 Intelligent Slide Analysis System(Perkin Elmer)を使用して、取得した。まず、スライドのモノクローム撮像を、DAPIを使用して4xの倍率で行った。(inFormを用いて開発した)自動化アルゴリズムを使用して、組織を収容するスライドの領域を特定した。
【0119】
組織を収容していると特定されたスライドの領域を、4xの倍率でDAPI(青色)、Cy(登録商標)3(緑色)、およびCy(登録商標)5(赤色)に関連付けられたチャネルついて撮像し、RGB画像を生成した。これらの4xの倍率の画像は、視野セレクター104において(inFormを用いて開発した)自動化濃縮アルゴリズムを用いて処理し、最も高いCy(登録商標)3発現に従って可能な20xの倍率の視野を特定およびランク付けした。
【0120】
上位40の視野を、DAPI、Cy(登録商標)3、およびCy(登録商標)5の波長にわたって20xの倍率で撮像した。原画像を、受容性について再調査し、焦点が外れた、腫瘍細胞がない、非常に壊死性であった、または、予測された抗体局在と関連のない高いレベルの蛍光信号(すなわち背景染色)を含んだ、画像は、分析前に拒絶された。受容された画像は、AQUAduct(Perkin Elmer)を用いて処理し、各フルオロフォアは、スペクトルアンミキサ210によって、個々のチャネルへとスペクトルが分離されて、別ファイルとして保存された。
【0121】
処理されたファイルは、AQUAnalysis(商標)を用いて、またはAQUAserve(商標)を用いる完全自動化プロセスを通じて、さらに分析した。詳細は以下のとおりであった。
【0122】
各DAPI画像は、細胞マスカ212によって処理し、その画像内にあるすべての細胞核を特定し(
図16a)、その後、2ピクセルだけ拡張して、完全な細胞の適切なサイズを表した。この結果として得られたマスクは、その画像内のすべての細胞を表した(
図16b)。
【0123】
各Cy(登録商標)5画像(
図17a)を、バイオマーカーマスカ222で処理し、PD-1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した(
図17b)。
【0124】
各Cy(登録商標)3画像(
図18a)を、バイオマーカーマスカ222で処理し、CD3陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した(
図18b)。
【0125】
PD-1陽性およびCD3陽性のすべての細胞のバイナリマスクを組み合わせて、PD-1およびCD3に対して二重陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した(
図19)。
【0126】
PD-1を発現するすべてのCD3細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)は、陽性計算器236を用いて、ピクセルで測定され面積評価器232により決定された、すべてのPD-1陽性細胞のマスクの総面積(
図17b)を、ピクセルで測定され面積評価器232により決定された、すべてのCD3陽性細胞のマスクの総面積(
図18b)で割ることによって、導き出した。消耗したT細胞(CD3+/PD1+)の特異的分布(Differential distribution)が、一次部位(低レベル)対二次部位(高レベル)で観察された。結果を
図20aおよび
図20bに示す。
【0127】
実施例17.プラットフォーム比較
実施例1および16と類似した処置の精度を、フローサイトメトリーで比較して確認した。(FoxP3およびCD25の発現に基づく)調節性T細胞の出現率(frequencies)を、IL-2、TGF β、およびCD28で刺激された全血において、5日間、CD3でコーティングしたプレート上で確認した。
【表2】
【0128】
実施例18.複数の腫瘍の適応症におけるCD25/FoxP3 T細胞の評価
実施例16と同様の処置を、NSCLC、胃、および黒色腫組織上でのCD25およびFoxP3の定量的評価のため、AlexaFluor488二次抗体で検出され、DAPI、FITC、Cy(登録商標)3、およびCy(登録商標)5の波長にわたって撮像される、抗S100または抗サイトケラチン抗体のいずれかを有する腫瘍細胞の追加的特定と共に、行った。組織を、CD25およびFoxP3を認識する抗体で染色し、非腫瘍部位におけるそれらの発現を、発現率として計算した。CD25/FoxP3+T細胞の広まりは、アーカイブの肺、胃、および黒色腫組織標本では、1%~10%の範囲であった。結果を
図21および
図22に示す。
【0129】
実施例19.複数の腫瘍の適応症におけるCD4/CD8 T細胞の評価
実施例16と同様の処置を、NSCLC、胃、および黒色腫組織に対するCD4およびCD8の定量的評価のため、AlexaFluor488二次抗体で検出され、DAPI、FITC、Cy(登録商標)3、およびCy(登録商標)5の波長にわたって撮像される、抗S100または抗サイトケラチン抗体のいずれかを有する腫瘍細胞の追加的特定と共に、行った。組織を、CD4およびCD8を認識する抗体で染色し、非腫瘍部位におけるそれらの発現を、発現率として計算した。広範な発現(10%~50%)が、腫瘍標本の一連の切片中でCD4+およびCD8+T細胞について観察された。結果を
図23aおよび
図23bに示す。
【0130】
実施例20.転移性黒色腫または非小細胞肺癌と診断された患者由来の腫瘍サンプル中の骨髄由来のサプレッサー細胞(MDSC)様細胞の評価
骨髄系細胞に特徴的な表現型マーカー(例えば、CD11b、CD33、およびHLA-DR)およびこれらの細胞に抑制機能を与える生化学マーカー(例えば、ARG1およびIDO-1)を発現するMDSC様細胞を特定するため、サンプルを、CD11b、HLA-DR、およびIDO、またはCD11b、CD33、およびARG1のいずれかで染色した。
【0131】
CD11b、HLA-DR、およびIDO-1の差次的発現を利用して、転移性黒色腫患者からの腫瘍生検におけるTAM(腫瘍関連マクロファージ)として知られる抑制骨髄系細胞のサブセットの存在を調べた。癌免疫療法への反応の予測に関連し得る代表的なサブ表現型を、
図24a、
図24b、
図25a、および
図25bに示す。
【0132】
CD11b、CD33、およびARG-1、またはCD11b、HLA-DR、およびIDO-1の差次的発現を利用して、進行性肺癌(NSCLC)患者からの腫瘍標本におけるMDSC様細胞およびTAMの存在を調べた。癌免疫療法への反応の予測に関連し得る代表的なサブ表現型を、
図26a、
図26b、および
図27に示す。
【0133】
サンプル調製。ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルから、ろうを取り除いた。次にスライドは、蒸留水中でインキュベートする前に、一連のキシレンからアルコールまでの洗浄を通じて再水和した。次に、熱によって誘導された抗原回復が、高温高圧条件を用いて実行され、冷却され、トリス緩衝食塩水へと移された。次に染色が行われ、以下の工程が実行された。まず、内在性ペルオキシダーゼが遮断され、続いて、タンパク質遮断溶液でインキュベートして、非特異的抗体染色を低減した。次に、スライドが、ウサギ抗IDO-1またはマウス抗CD33一次抗体のいずれかで染色された。その後、スライドは、抗ウサギまたは抗マウスHRP二次抗体でインキュベートする前に洗浄された。スライドを洗浄し、その後、抗IDO-1または抗CD33染色が、TSA+Cy(登録商標)5(Perkin Elmer)を用いて検出された。次に、残留HRPが、新鮮な100mMのベンズヒドラジドと50mMの過酸化水素の2回の洗浄を用いて、冷却された。スライドは、マウス抗HLA-DRまたはウサギ抗ARG1一次抗体での染色前に再び洗浄された。スライドを洗浄し、次に、抗マウスまたは抗ウサギHRP二次抗体でインキュベートした。スライドを洗浄し、次にTSA-Cy(登録商標)3(Perkin Elmer)を用いて、抗HLA-DRまたは抗ARG1染色を検出した。一次および二次抗体試薬を、マイクロ波によって除去した。スライドは、ウサギ抗CD11b抗体での染色前に再び洗浄された。スライドを洗浄し、次に、抗ウサギHRP二次抗体と4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)との混合物でインキュベートした。スライドを洗浄し、次に、TSA-AlexaFluor488(Life Technologies)を用いて抗CD11b染色を検出した。スライドは、封入剤と共にカバーガラスをかける前に最後に洗浄し、室温で一晩乾燥させた。
【0134】
実施例16と同様の処置を、DAPI、FITC、Cy(登録商標)3、およびCy(登録商標)5の波長にわたってサンプル撮像および分析に使用した。4xの倍率の画像は、視野セレクター104において(inFormを用いて開発した)自動化濃縮アルゴリズムを用いて処理し、最も高いCy(登録商標)3およびCy(登録商標)5の発現に従って可能な20xの倍率の視野を特定およびランク付けした。
【0135】
各DAPI画像は、細胞マスカ212によって処理し、その画像内にあるすべての細胞核を特定し、その後、拡張して、完全な細胞の適切なサイズを表した。この結果として得られたマスクは、その画像内のすべての細胞を表した。
【0136】
各AlexaFluor488(登録商標)画像を、バイオマーカーマスカ222で処理し、CD11b陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した。
【0137】
各Cy(登録商標)3画像を、バイオマーカーマスカ222で処理し、HLA-DRまたはCD33陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した。
【0138】
各Cy(登録商標)5画像を、バイオマーカーマスカ222で処理し、IDO-1またはARG1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した。
【0139】
CD11b陽性およびHLA-DR陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを組み合わせて、CD11bおよびHLA-DRに対して二重陽性であるか、またはCD11b陽性でHLA-DR陰性である、すべての細胞のバイナリマスクを作成した。
【0140】
HLA-DRの発現がないすべてのCD11b細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)は、陽性計算器236を用いて、ピクセルで測定され面積評価器232により決定された、すべてのCD11b陽性、HLA-DR陰性細胞のマスクの総面積を、ピクセルで測定され面積評価器232により決定された、すべてのCD11b陽性細胞のマスクの総面積で割ることによって、導き出した。転移性黒色腫と診断された患者から得た腫瘍サンプルについては、結果を
図24aに示す。
【0141】
CD11b陽性、IDO陽性、およびHLA-DR陽性のすべての細胞のバイナリマスクを組み合わせて、CD11b陽性、HLA-DR陰性、およびIDO-1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した。
【0142】
IDO-1を発現するが、HLA-DRの発現がないすべてのCD11b細胞のPBPは、ピクセルで測定された、すべてのCD11b陽性、HLA-DR陰性、IDO-1陽性細胞のマスクの総面積を、ピクセルで測定された、すべてのCD11b陽性細胞のマスクの総面積で割ることによって、導き出した。結果は、転移性黒色腫と診断された患者から入手した腫瘍サンプルについては、
図24bに、非小細胞肺癌と診断された患者については、
図27に示す。
【0143】
HLA-DR陽性およびIDO-1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを組み合わせて、HLA-DRおよびIDO-1に対して二重陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した。
【0144】
IDO-1を発現するすべてのHLA-DR細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)は、陽性計算器236を用いて、ピクセルで測定され面積評価器232により決定された、すべてのIDO-1陽性、HLA-DR陽性細胞のマスクの総面積を、ピクセルで測定され面積評価器232により決定された、すべてのHLA-DR陽性細胞のマスクの総面積で割ることによって、導き出した。結果は、転移性黒色腫と診断された患者から入手した腫瘍サンプルについて、
図25aに示す。
【0145】
CD11b陽性、IDO陽性、およびHLA-DR陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを組み合わせて、CD11b陽性、HLA-DR陽性、およびIDO-1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した。
【0146】
IDO-1およびHLA-DRを発現するすべてのCD11b細胞のPBPは、ピクセルで測定された、すべてのCD11b陽性、HLA-DR陽性、IDO-1陽性細胞のマスクの総面積を、ピクセルで測定された、すべてのCD11b陽性細胞のマスクの総面積で割ることによって、導き出した。結果は、転移性黒色腫と診断された患者から入手した腫瘍サンプルについては
図25bに、非小細胞肺癌と診断された患者から入手した腫瘍サンプルについては
図26bに、示す。
【0147】
CD11b陽性、CD33陽性、およびARG1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを組み合わせて、CD11b陽性、CD33陽性、およびARG1陽性であるすべての細胞のバイナリマスクを作成した。
【0148】
CD33およびARG1を発現するすべてのCD11b細胞のPBPは、ピクセルで測定された、すべてのCD11b陽性、CD33陽性、ARG1陽性細胞のマスクの総面積を、ピクセルで測定された、すべてのCD11b陽性細胞のマスクの総面積で割ることによって、導き出した。結果は、非小細胞肺癌と診断された患者から入手した腫瘍サンプルについては
図26aに示す。
【0149】
実施例21.転移性黒色腫と診断された患者からの腫瘍サンプルにおける活性化T細胞の評価
DAPI、CD3、CD8、およびKi67の組み合わせで各サンプルを染色し、活性化T細胞の部分母集団を特定するために、実施例20と同様の処置を行った。CD8+Ki67+の広まりを、転移性黒色腫と診断された患者から入手した腫瘍生検において調べた(
図28)。
【0150】
実施例22.転移性黒色腫と診断された患者からの腫瘍サンプルにおけるマクロファージの広まりの評価
実施例16と同様の処置を、黒色腫組織上でのCD163およびCD68の定量的評価のため、AlexaFluor488二次抗体で検出され、DAPI、FITC、Cy(登録商標)3、およびCy(登録商標)5の波長にわたって撮像される、抗S100抗体を有する腫瘍細胞の追加的特定と共に、行った。組織を、CD163およびCD68を認識する抗体で染色し、非腫瘍部位におけるそれらの発現を、単一のPBP発現または二重のPBP発現として計算した。結果を
図29a、
図29b、および
図29cに示す。
【0151】
実施例23.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)および神経内分泌腫瘍(NET)と診断された患者からの腫瘍サンプルにおけるT細胞抑制の広まりの評価
実施例1と同様の処置を行って、DLBCLおよびNET腫瘍標本を、TSA+Cy(登録商標)3.5で検出される、マウス抗LAG-3一次抗体、抗マウスHRP二次で染色し、残りのHRPを100mMのベンズヒドラジドと50mMの過酸化水素で冷却した。これに続いて、スライドを、TSA-Cy(登録商標)5で検出される、ウサギ抗TIM-3一次抗体、抗ウサギHRP二次で染色した。次に、一次および二次抗体を、マイクロ波により除去した。次に、組織を、Opal(商標)520で検出される、ウサギ抗CD3一次抗体、抗ウサギHRP二次と4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)で染色した。撮像は、DAPI、FITC、Texas Red、およびCy(登録商標)5の波長にわたって、実施例1と同じように行った。分析を、実施例1と同じように行い、それぞれLAG-3およびTIM-3陽性であったT細胞のPBPの広まりを決定した。結果を
図30aおよび
図30bに示す。
【0152】
段落A.視野に存在する、すべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)オプションとして、目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはりサブセットバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)オプションとして、やはり目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第1のサブセットを表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第4のマスクの総面積を第1のマスクの総面積で割ることによって、サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)オプションとして、サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第1のサブセットを表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)オプションとして、第6のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることによって、サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、
を含む、方法。
【0153】
段落B.段落Aの方法において、
列挙されたすべてのオプション工程が実施される、方法。
【0154】
段落C.段落Aまたは段落Bの方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)やはり目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野にあるすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第1および第7のマスクを組み合わせる工程と、
(xi)サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第4および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第2のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
【0155】
段落D.段落Aまたは段落Bの方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)視野内でサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第2のマスクを第1のマスクから減じる工程と、
(xi)視野内で目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第7および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第8のマスクの総面積で割ることにより、目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
【0156】
段落E.段落A~Dのいずれかの方法において、
目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0157】
段落F.段落A~Dのいずれかの方法において、
目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCから選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0158】
段落G.段落Dの方法において、
目的の第2のバイオマーカーは、PD-1、TIM-3、およびTCRから選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0159】
段落H.段落Dの方法において、
目的の第2のバイオマーカーは、目的の第1のバイオマーカーとは異なり、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0160】
段落I.段落A~Eのいずれかの方法において、
視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、腫瘍細胞を含む、方法。
【0161】
段落J.段落A~Dのいずれかの方法において、
視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、非腫瘍細胞を含む、方法。
【0162】
段落K.段落Jの方法において、
視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、T細胞を含む、方法。
【0163】
段落L.段落Kの方法において、
T細胞は、CD3を発現する、方法。
【0164】
段落M.段落Kの方法において、
T細胞は、CD8を発現する、方法。
【0165】
段落N.段落Kの方法において、
T細胞は、CD4を発現する、方法。
【0166】
段落O.段落A~Dのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される、方法。
【0167】
段落P.段落A~Dのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、非腫瘍細胞においてのみ発現される、方法。
【0168】
段落Q.段落A~Dのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、T細胞において発現される、方法。
【0169】
段落R.段落A~Dのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、CD3を含む、方法。
【0170】
段落S.段落A~Dのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、CD19を含む、方法。
【0171】
段落T.段落Bの方法において、
目的の第1のバイオマーカーは、Ki67を含み、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、CD8陽性細胞を含む、方法。
【0172】
段落U.段落A~Tのいずれかの方法において、
総面積は、ピクセルで測定される、方法。
【0173】
段落V.癌と診断され、免疫療法を受けている患者の進行を監視する方法において、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、少なくとも2つのサンプルそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む、方法。
【0174】
段落W.段落Vの方法において、
変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、減少は、免疫療法の有益な有効性を示す、方法。
【0175】
段落X.段落Vの方法において、
変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、増大は、免疫療法の有益な有効性を示す、方法。
【0176】
段落Y.段落V~Xのいずれかの方法において、
免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む、方法。
【0177】
段落Z.癌と診断され、免疫療法を受けている患者の進行を監視する方法において、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、少なくとも2つのサンプルのそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む、方法。
【0178】
段落AA.段落Zの方法において、
変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、減少は、免疫療法の有益な有効性を示す、方法。
【0179】
段落AB.段落Zの方法において、
変化は、少なくとも第1のPBPの値と少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、増大は、免疫療法の有益な有効性を示す、方法。
【0180】
段落AC.段落Z~ABのいずれかの方法において、
免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む、方法。
【0181】
段落AD.視野に存在するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)腫瘍バイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)視野内のすべての腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(iv)目的のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり目的のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第3および第4のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第5のマスクの総面積を第3のマスクの総面積で割ることにより、目的のバイオマーカーを発現するすべての腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む、方法。
【0182】
段落AE.段落ADの方法において、
目的のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCからなる群から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0183】
段落AF.段落ADの方法において、
視野は、非腫瘍細胞をさらに含む、方法。
【0184】
段落AG.段落AFの方法において、
非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む、方法。
【0185】
段落AH.段落AD~AGのいずれかの方法において、
総面積は、ピクセルで測定される、方法。
【0186】
段落AI.視野に存在するすべての非腫瘍細胞についてバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)腫瘍バイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、第2のマスクを第1のマスクから減じる工程と、
(iv)目的のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり目的のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第3および第4のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第5のマスクの総面積を第3のマスクの総面積で割ることにより、目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む、方法。
【0187】
段落AJ.段落AIの方法において、
目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0188】
段落AK.段落AIの方法において、
目的のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0189】
段落AL.段落AIの方法において、
非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む、方法。
【0190】
段落AM.段落AIの方法において、
非腫瘍細胞は、骨髄系細胞を含む、方法。
【0191】
段落AN.視野に存在するすべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)オプションとして、目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはりサブセットバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)オプションとして、やはり目的の第1のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)第4のマスクの総面積を第1のマスクの総面積で割ることによって、サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)オプションとして、
(a)サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または、
(b)目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーを発現する、
視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)オプションとして、第6のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることによって、(a)サブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または(b)目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーを発現する、すべての細胞の第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、を含む、方法。
【0192】
段落AO.段落ANの方法において、
列挙されたすべてのオプション工程が実施される、方法。
【0193】
段落AP.段落ANまたは段落AOの方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)やはり目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野にあるすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第1および第7のマスクを組み合わせる工程と、
(xi)サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野内のすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第4および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、サブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞の第2のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
【0194】
段落AQ.段落ANまたは段落AOの方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)視野内でサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、第2のマスクを第1のマスクから減じる工程と、
(xi)視野内で目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、第7および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)第9のマスクの総面積を第8のマスクの総面積で割ることにより、目的の第2のバイオマーカーを発現するがサブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
【0195】
段落AR.段落ANの方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)第6および第7のマスクを、
(a)視野内でサブセットバイオマーカー、目的の第1のバイオマーカー、および目的の第2のバイオマーカーを発現するか、
(b)視野内で目的の第2のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーおよび目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または、
(c)視野内で目的の第1のバイオマーカーの非存在下でサブセットバイオマーカーおよび目的の第2のバイオマーカーを発現する、
すべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、組み合わせる工程と、
(xii)第8のマスクの総面積を第4のマスクの総面積で割ることにより、目的の第1のバイオマーカーもしくは目的の第2のバイオマーカー、またはそれらの組み合わせ、ならびにサブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
【0196】
段落AS.段落AN~ARのいずれかの方法において、
目的の第1のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0197】
段落AT.段落AN~AQのいずれかの方法において、
目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCから選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0198】
段落AU.段落AQの方法において、
目的の第2のバイオマーカーは、PD-1、TIM-3、およびTCRから選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0199】
段落AV.段落AQの方法において、
目的の第2のバイオマーカーは、目的の第1のバイオマーカーとは異なり、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0200】
段落AW.段落AN~ARのいずれかの方法において、
視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、腫瘍細胞を含む、方法。
【0201】
段落AX.段落AN~ARのいずれかの方法において、
視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、非腫瘍細胞を含む、方法。
【0202】
段落AY.段落AXの方法において、
視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、T細胞を含む、方法。
【0203】
段落AZ.段落AYの方法において、
T細胞は、CD3を発現する、方法。
【0204】
段落BA.段落AYの方法において、
T細胞は、CD8を発現する、方法。
【0205】
段落BB.段落AYの方法において、
T細胞は、CD4を発現する、方法。
【0206】
段落BC.段落AXの方法において、
視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、骨髄系細胞を含む、方法。
【0207】
段落BD.段落BCの方法において、
骨髄系細胞は、骨髄由来のサプレッサー細胞である、方法。
【0208】
段落BE.段落BCの方法において、
骨髄系細胞は、腫瘍関連マクロファージである、方法。
【0209】
段落BF.段落AN~ARのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される、方法。
【0210】
段落BG.段落AN~ARのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、非腫瘍細胞においてのみ発現される、方法。
【0211】
段落BH.段落AN~ARのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、T細胞において発現される、方法。
【0212】
段落BI.段落AN~ARのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、CD3を含む、方法。
【0213】
段落BJ.段落AN~ARのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、CD19を含む、方法。
【0214】
段落BK.段落AN~ARのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、骨髄系細胞において発現される、方法。
【0215】
段落BL.段落AN~ARのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、骨髄由来のサプレッサー細胞において発現される、方法。
【0216】
段落BM.段落AN~ARのいずれかの方法において、
サブセットバイオマーカーは、腫瘍関連マクロファージにおいて発現される、方法。
【0217】
段落BN.段落AOの方法において、
目的の第1のバイオマーカーは、Ki67を含み、視野内のすべての細胞の第1のサブセットは、CD8陽性細胞を含む、方法。
【0218】
段落BO.段落AN~BNのいずれかの方法において、
総面積は、ピクセルで測定される、方法。
【0219】
特定の実施形態を例示および説明してきたが、以下の特許請求の範囲に定められるようなさらに広範な態様におけるテクノロジーから逸脱せずに、当技術分野の通常の知識に従って変更および改変が行われ得ることを理解されたい。
【0220】
本明細書で例示的に説明された実施形態は、本明細書に具体的に開示されていない、任意の1つ以上の要素、制限がない場合も適切に実施され得る。よって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などの用語は、制限なしに広く読み取るべきである。さらに、本明細書で使用する用語および表現は、制限する用語ではなく説明の用語として使用されており、このような用語および表現の使用において、図示および説明した特徴またはその一部の任意の等価物を排除する意図はなく、さまざまな改変が、特許請求されたテクノロジーの範囲内で可能であることが認識される。さらに、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙された要素、および特許請求されたテクノロジーの基本的かつ新規な特徴に実質的に影響しない追加要素を含むことが理解される。「からなる」という語句は、特定されていないいかなる要素も排除する。
【0221】
本開示は、本出願に記載された特定の実施形態の点で限定されない。当業者には明らかであるように、多くの改変および変形が、その趣旨および範囲を逸脱せずに、行われ得る。本明細書で列挙されたものに加えて、本開示の範囲内で機能的に等価な方法および組成が、前記の説明から当業者には明らかであろう。このような改変および変形は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。本開示は、特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に、特許請求の範囲の条件によってのみ制限されるものである。本開示は特定の方法、試薬、化合物組成または生物学的システムに限定されず、これらが当然変化し得ることが理解される。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、制限することを意図していないことも理解される。
【0222】
さらに、開示の特徴または態様がマーカッシュ群の観点から記載されている場合、当業者は、本開示がこれによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの観点でも説明されていることを認識するであろう。
【0223】
当業者には理解されるように、ありとあらゆる目的で、特に、書面での説明を提供する点で、本明細書に開示されるすべての範囲は、ありとあらゆる可能な下位範囲およびその下位範囲の組み合わせも含む。列挙された範囲は、その同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分かれることを十分に説明し、かつ可能にするものとして容易に認識され得る。非限定的な実施例として、本明細書で論じた各範囲は、下3分の1、真ん中の3分の1、上3分の1などに容易に分かれ得る。やはり当業者には理解されるように、「最大で」、「少なくとも」、「超」、「未満」などのすべての語は、列挙された数を含み、続いて前述したような下位範囲に分かれ得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は個々の構成要素それぞれを含む。
【0224】
本明細書で言及したすべての刊行物、特許出願、発行特許、および他の文献は、個別の刊行物、特許出願、発行特許、または他の文献それぞれが、参照により全体として組み込まれることが具体的かつ個別に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれるテキストに含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲において排除される。
【0225】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に記載する。
【0226】
〔実施の態様〕
(1) 視野に存在する、すべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、前記第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、前記視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)オプションとして、目的の第1のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはり前記サブセットバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、前記第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)オプションとして、やはり前記目的の第1のバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての細胞の第1のサブセットを表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、前記第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)前記第4のマスクの総面積を前記第1のマスクの総面積で割ることによって、前記サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)オプションとして、前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第1のバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての細胞の前記第1のサブセットを表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、前記第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)オプションとして、前記第6のマスクの総面積を前記第4のマスクの総面積で割ることによって、前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第1のバイオマーカーを発現するすべての細胞の前記第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、
を含む、方法。
(2) 実施態様1に記載の方法において、
列挙されたすべてのオプション工程が実施される、方法。
(3) 実施態様1に記載の方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)やはり前記目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野にあるすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、前記第1および第7のマスクを組み合わせる工程と、
(xi)前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての細胞の前記第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、前記第4および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)前記第9のマスクの総面積を前記第4のマスクの総面積で割ることにより、前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞の前記第2のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
(4) 実施態様1に記載の方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)前記視野内で前記サブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、前記第2のマスクを前記第1のマスクから減じる工程と、
(xi)前記視野内で前記目的の第2のバイオマーカーを発現するが前記サブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、前記第7および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)前記第9のマスクの総面積を前記第8のマスクの総面積で割ることにより、前記目的の第2のバイオマーカーを発現するが前記サブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
(5) 実施態様1に記載の方法において、
前記目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0227】
(6) 実施態様1に記載の方法において、
前記目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCから選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(7) 実施態様4に記載の方法において、
前記目的の第2のバイオマーカーは、PD-1、TIM-3、およびTCRから選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(8) 実施態様4に記載の方法において、
前記目的の第2のバイオマーカーは、前記目的の第1のバイオマーカーとは異なり、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(9) 実施態様1に記載の方法において、
前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、腫瘍細胞を含む、方法。
(10) 実施態様1に記載の方法において、
前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、非腫瘍細胞を含む、方法。
【0228】
(11) 実施態様10に記載の方法において、
前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、T細胞を含む、方法。
(12) 実施態様11に記載の方法において、
前記T細胞は、CD3を発現する、方法。
(13) 実施態様11に記載の方法において、
前記T細胞は、CD8を発現する、方法。
(14) 実施態様11に記載の方法において、
前記T細胞は、CD4を発現する、方法。
(15) 実施態様1に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される、方法。
【0229】
(16) 実施態様1に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、非腫瘍細胞においてのみ発現される、方法。
(17) 実施態様1に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、T細胞において発現される、方法。
(18) 実施態様1に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、CD3を含む、方法。
(19) 実施態様1に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、CD19を含む、方法。
(20) 実施態様2に記載の方法において、
前記目的の第1のバイオマーカーは、Ki67を含み、前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、CD8陽性細胞を含む、方法。
【0230】
(21) 実施態様1に記載の方法において、
前記総面積は、ピクセルで測定される、方法。
(22) 癌と診断され、免疫療法を受けている患者の進行を監視する方法において、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、前記少なくとも2つのサンプルそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)前記少なくとも第1のPBPの値および前記少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、前記少なくとも第1のPBPの値と前記少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、前記免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む、方法。
(23) 実施態様22に記載の方法において、
前記変化は、前記少なくとも第1のPBPの値と前記少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、前記減少は、前記免疫療法の有益な有効性を示す、方法。
(24) 実施態様22に記載の方法において、
前記変化は、前記少なくとも第1のPBPの値と前記少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、前記増大は、前記免疫療法の有益な有効性を示す、方法。
(25) 実施態様22に記載の方法において、
前記免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む、方法。
【0231】
(26) 癌と診断され、免疫療法を受けている患者の進行を監視する方法において、
(i)1回は免疫療法の開始前、1回は免疫療法の開始後の、少なくとも2つの時点にわたって癌患者から採取された腫瘍組織を含む少なくとも2つのサンプルを用いて、前記少なくとも2つのサンプルのそれぞれについて目的のバイオマーカーを発現するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出して、少なくとも第1のPBPの値および少なくとも第2のPBPの値を得る工程と、
(ii)前記少なくとも第1のPBPの値および前記少なくとも第2のPBPの値を記録する工程であって、前記少なくとも第1のPBPの値と前記少なくとも第2のPBPの値との間での変化は、前記免疫療法の有効性を示す、工程と、を含む、方法。
(27) 実施態様26に記載の方法において、
前記変化は、前記少なくとも第1のPBPの値と前記少なくとも第2のPBPの値との間での減少であり、前記減少は、前記免疫療法の有益な有効性を示す、方法。
(28) 実施態様26に記載の方法において、
前記変化は、前記少なくとも第1のPBPの値と前記少なくとも第2のPBPの値との間での増大であり、前記増大は、前記免疫療法の有益な有効性を示す、方法。
(29) 実施態様26に記載の方法において、
前記免疫療法は、免疫チェックポイント療法を含む、方法。
(30) 視野に存在するすべての腫瘍細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、前記第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、前記視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)腫瘍バイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)前記視野内のすべての腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、前記第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(iv)目的のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり前記目的のバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、前記第3および第4のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)前記第5のマスクの総面積を前記第3のマスクの総面積で割ることにより、前記目的のバイオマーカーを発現するすべての腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む、方法。
【0232】
(31) 実施態様30に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCからなる群から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(32) 実施態様30に記載の方法において、
前記視野は、非腫瘍細胞をさらに含む、方法。
(33) 実施態様32に記載の方法において、
前記非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む、方法。
(34) 実施態様30に記載の方法において、
前記総面積は、ピクセルで測定される、方法。
(35) 視野に存在するすべての非腫瘍細胞についてバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、前記第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、前記視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)腫瘍バイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)前記視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第3のマスクを提供するように、前記第2のマスクを前記第1のマスクから減じる工程と、
(iv)目的のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す蛍光信号の第4のマスクを構築する工程と、
(v)やはり前記目的のバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての非腫瘍細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、前記第3および第4のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)前記第5のマスクの総面積を前記第3のマスクの総面積で割ることにより、前記目的のバイオマーカーを発現するすべての非腫瘍細胞のPBPの値を導き出す工程と、を含む、方法。
【0233】
(36) 実施態様35に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(37) 実施態様35に記載の方法において、
前記目的のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86からなる群から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(38) 実施態様35に記載の方法において、
前記非腫瘍細胞は、免疫細胞および間質細胞を含む、方法。
(39) 実施態様35に記載の方法において、
前記非腫瘍細胞は、骨髄系細胞を含む、方法。
(40) 視野に存在するすべての細胞、またはオプションとして、その1つ以上のサブセットのバイオマーカー陽性率(PBP)の値を導き出す方法において、
(i)視野に存在するすべての細胞の核を表す第1の蛍光信号の画像を生成し、前記第1の蛍光信号を完全な細胞の核の直径まで拡張して、前記視野に存在するすべての細胞の第1のマスクを構築する工程と、
(ii)サブセットバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第2の蛍光信号の第2のマスクを構築する工程と、
(iii)オプションとして、目的の第1のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第3の蛍光信号の第3のマスクを構築する工程と、
(iv)やはり前記サブセットバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第4のマスクを提供するように、前記第1および第2のマスクを組み合わせる工程と、
(v)オプションとして、やはり前記目的の第1のバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第5のマスクを提供するように、前記第1および第3のマスクを組み合わせる工程と、
(vi)前記第4のマスクの総面積を前記第1のマスクの総面積で割ることによって、前記サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、
(vii)オプションとして、
(a)前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または、
(b)前記目的の第1のバイオマーカーの非存在下で前記サブセットバイオマーカーを発現する、
前記視野内のすべての細胞を表す蛍光信号を含む第6のマスクを提供するように、前記第4および第5のマスクを組み合わせる工程と、
(viii)オプションとして、前記第6のマスクの総面積を前記第4のマスクの総面積で割ることによって、(a)前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または(b)前記目的の第1のバイオマーカーの非存在下で前記サブセットバイオマーカーを発現する、すべての細胞の前記第1のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、を含む、方法。
【0234】
(41) 実施態様40に記載の方法において、
列挙されたすべてのオプション工程が実施される、方法。
(42) 実施態様40に記載の方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)やはり前記目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野にあるすべての細胞の第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、前記第1および第7のマスクを組み合わせる工程と、
(xi)前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野内のすべての細胞の前記第2のサブセットを表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、前記第4および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)前記第9のマスクの総面積を前記第4のマスクの総面積で割ることにより、前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第2のバイオマーカーを発現するすべての細胞の前記第2のサブセットのPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
(43) 実施態様40に記載の方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)前記視野内で前記サブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、前記第2のマスクを前記第1のマスクから減じる工程と、
(xi)前記視野内で前記目的の第2のバイオマーカーを発現するが前記サブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞を表す蛍光信号を含む第9のマスクを提供するように、前記第7および第8のマスクを組み合わせる工程と、
(xii)前記第9のマスクの総面積を前記第8のマスクの総面積で割ることにより、前記目的の第2のバイオマーカーを発現するが前記サブセットバイオマーカーを発現しないすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
(44) 実施態様40に記載の方法において、
(ix)目的の第2のバイオマーカーを発現する、前記視野に存在するすべての領域を表す第4の蛍光信号の第7のマスクを構築する工程と、
(x)前記第6および第7のマスクを、
(a)前記視野内で前記サブセットバイオマーカー、前記目的の第1のバイオマーカー、および前記目的の第2のバイオマーカーを発現するか、
(b)前記視野内で前記目的の第2のバイオマーカーの非存在下で前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第1のバイオマーカーを発現するか、または、
(c)前記視野内で前記目的の第1のバイオマーカーの非存在下で前記サブセットバイオマーカーおよび前記目的の第2のバイオマーカーを発現する、
すべての細胞を表す蛍光信号を含む第8のマスクを提供するように、組み合わせる工程と、
(xii)前記第8のマスクの総面積を前記第4のマスクの総面積で割ることにより、前記目的の第1のバイオマーカーもしくは前記目的の第2のバイオマーカー、またはそれらの組み合わせ、ならびに前記サブセットバイオマーカーを発現するすべての細胞のPBPの値を導き出す工程と、をさらに含む、方法。
(45) 実施態様40に記載の方法において、
前記目的の第1のバイオマーカーは、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
【0235】
(46) 実施態様40に記載の方法において、
前記目的の第1のバイオマーカーは、PD-L1、ガレクチン9、およびMHCから選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(47) 実施態様43に記載の方法において、
前記目的の第2のバイオマーカーは、PD-1、TIM-3、およびTCRから選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(48) 実施態様43に記載の方法において、
前記目的の第2のバイオマーカーは、前記目的の第1のバイオマーカーとは異なり、CD11b、CD33、HLA-DR、IDO-1、ARG1、グランザイムB、B2M、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、HLA-DR、ガレクチン9、CD80、CD86、4.1BBL、ICOSL、CD40、OX40L、IDO-1、GITRL、PD-1、TIM3、LAG3、41BB、OX40、CTLA-4、CD40L、CD28、GITR、ICOS、CD28、CD3、CD4、CD8、FoxP3、CD25、CD16、CD56、CD68、CD163、CD80、およびCD86から選択されたバイオマーカーを含む、方法。
(49) 実施態様40に記載の方法において、
前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、腫瘍細胞を含む、方法。
(50) 実施態様40に記載の方法において、
前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、非腫瘍細胞を含む、方法。
【0236】
(51) 実施態様50に記載の方法において、
前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、T細胞を含む、方法。
(52) 実施態様51に記載の方法において、
前記T細胞は、CD3を発現する、方法。
(53) 実施態様51に記載の方法において、
前記T細胞は、CD8を発現する、方法。
(54) 実施態様51に記載の方法において、
前記T細胞は、CD4を発現する、方法。
(55) 実施態様50に記載の方法において、
前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、骨髄系細胞を含む、方法。
【0237】
(56) 実施態様55に記載の方法において、
前記骨髄系細胞は、骨髄由来のサプレッサー細胞である、方法。
(57) 実施態様55に記載の方法において、
前記骨髄系細胞は、腫瘍関連マクロファージである、方法。
(58) 実施態様40に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、腫瘍細胞においてのみ発現される、方法。
(59) 実施態様40に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、非腫瘍細胞においてのみ発現される、方法。
(60) 実施態様40に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、T細胞において発現される、方法。
【0238】
(61) 実施態様40に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、CD3を含む、方法。
(62) 実施態様40に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、CD19を含む、方法。
(63) 実施態様40に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、骨髄系細胞において発現される、方法。
(64) 実施態様40に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、骨髄由来のサプレッサー細胞において発現される、方法。
(65) 実施態様40に記載の方法において、
前記サブセットバイオマーカーは、腫瘍関連マクロファージにおいて発現される、方法。
【0239】
(66) 実施態様41に記載の方法において、
前記目的の第1のバイオマーカーは、Ki67を含み、前記視野内のすべての前記細胞の前記第1のサブセットは、CD8陽性細胞を含む、方法。
(67) 実施態様40に記載の方法において、
前記総面積は、ピクセルで測定される、方法。
【図面の簡単な説明】
【0240】
【
図1】撮像および分析のための組織サンプルの調製に使用される抗体および検出試薬の概要の非限定的な実施例を示す。
【
図2a】画像内でDAPIにより検出されたすべての核の非限定的な実施例を示す。
【
図2b】
図2aの画像内のすべての細胞の拡張されたバイナリマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図3a】488色素で検出されたS100の画像の非限定的な実施例を示す。
【
図3b】
図3aの画像内のすべての腫瘍領域のバイナリマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図3c】
図3aの画像内のすべての腫瘍細胞のマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図3d】
図3aの画像内のすべての非腫瘍細胞のマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図4a】Cy(登録商標)5で検出されたPD-L1の画像の非限定的な実施例を示す。
【
図4b】
図4aの画像内のすべてのPD-L1陽性細胞のバイナリマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図4c】
図4aの画像内のすべてのPD-L1陽性腫瘍細胞のマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図4d】
図4aの画像内のすべてのPD-L1陽性非腫瘍細胞のマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図5a】Cy(登録商標)3.5で検出されたPD-1の画像の非限定的な実施例を示す。
【
図5b】
図5aの画像内のすべてのPD-1陽性非腫瘍細胞のバイナリマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図6a】増大するPD-L1発現で分類された、21人の黒色腫患者からの組織サンプル中のPD-L1を発現するすべての細胞のバイオマーカー陽性率(PBP)の値の非限定的な実施例を示す。
【
図6b】増大するPD-1発現で分類された、同じ21人の黒色腫患者からの組織サンプル中のPD-1を発現するすべての非腫瘍細胞のPBPの値の非限定的な実施例を示す。
【
図7】免疫療法に対する陽性反応者のPD-L1陽性細胞(赤色)、PD-1陽性細胞(黄色)、すべての腫瘍細胞(緑色)、およびすべての細胞(青色)に対応する蛍光信号のマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図8】免疫療法に対する陰性反応者のPD-L1陽性細胞(赤色)、PD-1陽性細胞(黄色)、すべての腫瘍細胞(緑色)、およびすべての細胞(青色)に対応する蛍光信号のマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図9】38人の非小細胞肺癌患者のPD-L1およびPD-1のバイオマーカー陽性率(PBP)の値を示す。
【
図10】自動細胞計数方法と本明細書に記載する方法とにより確認されるような、PD-L1陽性率の比較を示す。
【
図11】例示的な実施形態による、バイオマーカー陽性値を導き出すプロセスのフローチャートである。
【
図12】第2の例示的な実施形態による、バイオマーカー陽性値を導き出すプロセスのフローチャートである。
【
図13】例示的な実施形態による、バイオマーカー陽性値を導き出すように構成されたコントローラのブロック図である。
【
図14】例示的な実施形態による、バイオマーカー陽性値を導き出すのに使用される画像処理工程のフローダイヤグラムである。
【
図15】撮像および分析のための組織サンプルの調製において使用される抗体および検出試薬の概要の別の非限定的な実施例を示す。
【
図16a】画像内でDAPIにより検出されたすべての核の非限定的な実施例の非限定的な実施例を示す。
【
図16b】
図16aの画像内のすべての細胞の拡張されたバイナリマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図17a】Cy(登録商標)5で検出されたPD-1の画像の非限定的な実施例を示す。
【
図17b】
図17aの画像内のすべてのPD-1陽性細胞のバイナリマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図18a】Cy(登録商標)3で検出されたCD3の画像の非限定的な実施例を示す。
【
図18b】
図18aの画像内のすべてのCD3陽性細胞のバイナリマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図19】PD-1およびCD3に対して二重陽性であるすべての細胞のバイナリマスクの非限定的な実施例を示す。
【
図20a】DLBCL患者からの組織サンプル(n=43)中のCD3+T細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図20b】DLBCL患者からの組織サンプル(n=43)中のCD3+/PD1+T細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図21a】NSCLC、胃、および黒色腫組織におけるCD25の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図21b】NSCLC、胃、および黒色腫組織におけるFoxP3の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図22】NSCLC、胃、および黒色腫組織内のCD25+/FoxP3+T細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図23a】NSCLC、胃、および黒色腫組織におけるCD4の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図23b】NSCLC、胃、および黒色腫組織におけるCD8の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図24a】転移性黒色腫組織におけるCD11b+/HLA-DR-表現型の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図24b】転移性黒色腫組織におけるCD11b+/IDO-1+/HLA-DR-表現型の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図25a】転移性黒色腫組織におけるIDO-1+/HLA-DR+表現型の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図25b】転移性黒色腫組織におけるCD11b+/IDO-1+/HLA-DR+表現型の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図26a】NSCLC組織におけるCD11b+/CD33+/ARG1+表現型の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図26b】NSCLC組織におけるCD11b+/HLA-DR+/IDO-1+表現型の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図27】NSCLC組織におけるCD11b+/HLA-DR-/IDO-1+表現型の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図28】転移性黒色腫組織におけるCD8+Ki67+T細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図29a】転移性黒色腫組織におけるCD163+細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図29b】転移性黒色腫組織におけるCD68+細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図29c】転移性黒色腫組織におけるCD163+CD68+細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図30a】DLBCLおよびNET組織におけるLAG-3陽性T細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図30b】DLBCLおよびNET組織におけるTIM-3陽性T細胞の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図31a】黒色腫組織におけるT細胞中のCTLA-4の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図31b】黒色腫組織におけるCD80の定量的評価の非限定的な実施例を示す。
【
図32】免疫構造に基づいた代表的な腫瘍分類を示す。