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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】自動分析装置の測定結果の補足
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
G01N35/00 A
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017222390
(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公開番号】P2018084581
(43)【公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】16200295.0
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・カラツィス
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・ドロス
(72)【発明者】
【氏名】マリアンネ・ヴィルマー
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・ジョン・デヴィッドソン
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-531008(JP,A)
【文献】特開2009-145094(JP,A)
【文献】特開2010-015564(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02602625(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断用又は検査室用自動分析装置の測定結果を補足するための、コンピュータで実装される方法であって、
コンピュータデバイス(3b~3d)において、診断用又は検査室用自動分析装置(3a)によって実施された測定の結果(11)を取得するステップであって、前記コンピュータデバイス(3b~3d)及び前記自動分析装置(3a)は、特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)の内部に設置される、ステップと、
1つ又は複数のトリガ条件(6)及びコンテキスト関連情報(7)を定義する前記測定の前記結果と関連付けられたコンテキスト関連アルゴリズムを、前記特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスから、前記コンピュータデバイス(3b~3d)において取得するステップであって、前記コンテキスト関連アルゴリズムは、前記特権的コンピュータネットワークの外部にある前記コンピュータデバイスから自動的に取得される、ステップと、
前記診断用又は検査室用自動分析装置(3a)による前記測定の結果(11)を前記コンテキスト関連アルゴリズムを使用することによって処理して、前記測定の前記結果に対するコンテキスト固有の補足を前記コンピュータデバイス(3b~3d)において生成するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
1つ又は複数のソースを選択するステップをさらに含み、前記1つ又は複数のソースのコンテキスト関連アルゴリズムが前記コンピュータデバイスにおいて取得され、
前記コンテキスト関連アルゴリズムを取得する前に、前記コンテキスト関連アルゴリズムが前記選択された1つ又は複数のソースに起因することを確認するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンテキスト関連アルゴリズムを、前記特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)とは異なる第2の特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)内に設置されたコンピュータデバイス(3b~3d)において作り出すステップであって、前記特権的コンピュータネットワークの外部にある前記コンピュータデバイスは、前記第2の特権的コンピュータネットワークの外部でもある、ステップと、
前記コンテキスト関連アルゴリズムを前記特権的コンピュータネットワークの外部にある前記コンピュータデバイス(3b~3d)に、記憶並びに他の特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)への配布のために提供するステップと
をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンテキスト関連アルゴリズムは、前記特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)とは異なる第2の特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)内に設置されたコンピュータデバイスにおいて作り出され、前記特権的コンピュータネットワークの外部にある前記コンピュータデバイスは、前記第2の特権的コンピュータネットワークの外部でもある、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記測定の前記結果に関する情報(12)を前記特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスに提供するステップ
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記測定の前記結果(11)と関連付けられた統計情報(9)を取得するステップと、
前記測定の前記結果(11)と関連付けられた前記統計情報(9)を前記コンテキスト固有の補足に追加するステップと
をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記測定の前記結果と関連付けられた前記統計情報(9)は、前記測定の前記結果の中の測定値と他の測定値との組合せの可能性、前記測定の前記結果の中の測定値と特定の診断との組合せの可能性、前記結果の中の測定値と特定の疾患進行又は臨床所見との組合せの可能性、前記測定の前記結果の中の測定値と特定のバイオメトリクスデータとの組合せの可能性に関する情報、前記結果を生じた前記測定との組合せにおいて行われた他の測定に関する統計情報のうちの1つ又は複数を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスへ提供された前記測定の前記結果に関する前記情報(12)は、前記診断用又は検査室用自動分析装置によって決定された1つ又は複数の測定値、前記診断用又は検査室用自動分析装置によって取得された1つ又は複数の画像、前記診断用又は検査室用自動分析装置の前記測定の前記結果の説明、及び前記測定の前記結果と関連付けられた追加情報のうちの1つ又は複数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記測定の前記結果に関する前記情報(12)は匿名化される、請求項5又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ又は複数のトリガ条件(6)は、前記測定の前記結果に対する1つ又は複数の尺度を定義し、任意選択で、前記1つ又は複数の尺度は、1つ又は複数の測定値に対する閾値を評価する尺度、2つ以上の測定値間の関係を決定する尺度、及び測定の結果内のパターンを定義する尺度のうちの1つ又は複数を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも前記コンピュータデバイス及び前記診断用又は検査室用自動分析装置を含む前記特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)は、ファイアウォール又は別のネットワーク保護手段によって保護される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記特権的コンピュータネットワークの外部にある前記コンピュータデバイスは、複数の異なる特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)でネットワーク化され、前記方法は、
測定の結果を前記複数の異なる特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)のそれぞれから取得するステップと、
コンテキスト関連アルゴリズムを前記複数の異なる特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)のそれぞれに提供するステップと
をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第1のコンピュータデバイス(3b~3d)及び診断用又は検査室用自動分析装置(3a)を含む特権的コンピュータネットワーク(1;1a~1c)と、
前記特権的コンピュータネットワークの外部の第2のコンピュータネットワーク(2)と
を含み、
前記特権的コンピュータネットワークは、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法のステップを行うように構成される、
コンピュータネットワーク。
【請求項14】
命令が符号化された、コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、1つ又は複数のコンピュータデバイスによって実行されるとき、前記1つ又は複数のコンピュータデバイスに、請求項1から12のいずれか一項に記載の動作を実施させる、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動分析装置の測定結果を補足するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、今日の検査室環境において重要な役割を演じる。これらの自動分析装置の測定結果は、例えば医療従事者によって、治療法の判定をするために使用される。医療従事者は通常、高度に訓練されているが、エラーは自動分析装置の測定結果を解釈するプロセスで起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのエラーは、患者にとって深刻な事態となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の一般的な態様において、自動分析装置の測定結果を補足するための、コンピュータで実装される方法は、コンピュータデバイスにおいて、自動分析装置によって実施された測定の結果を取得するステップであって、コンピュータデバイス及び自動分析装置は、特権的コンピュータネットワークの内部に設置される、ステップと、1つ又は複数のトリガ条件及びコンテキスト関連情報を定義する測定の結果と関連付けられたコンテキスト関連アルゴリズムを、特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスから、コンピュータデバイスにおいて取得するステップと、測定の結果をコンテキスト関連アルゴリズムを使用することによって処理して、測定の結果に対するコンテキスト固有の補足をコンピュータデバイスにおいて生成するステップとを含む。
【0005】
第2の一般的な態様において、コンピュータネットワークは、第1の態様による方法ステップを行うように構成される。
第1及び第2の一般的な態様の主題に関する特定の実施形態は、以下の利点のうちの1つ又は複数を実現するように実装されてよい。
【0006】
第1に、本開示の技法は、自動分析装置によって発行された測定結果を、コンテキスト固有の補足を追加することによって、より有益にすることができる。次に、これは測定結果に基づいた治療法もしくは他の判定の質を改善し、及び/又は測定結果がいくつかの例において解釈されるときに多くのエラーを低減し得る。
【0007】
第2に、本開示の技法は、いくつかの例において自動分析装置によって提供された、コンテキスト固有の補足の質を改善することができる。例えば、自動分析装置は一定のソースによってオーサリングされたアルゴリズムのみを使用して、その測定結果を補足し得る。
【0008】
第3に、本開示の技法は、いくつかの例において自動分析装置によって、より単純な手法で使用されるアルゴリズムを更新することを考慮に入れることができる。いくつかの従来技術の自動分析装置では、測定結果を補足するために使用されるアルゴリズムは、計器と共に納入される計器のソフトウェアに含まれる。しかし、このソフトウェアは定期的に更新されないことがあり、及び/又はオペレータは更新の内容に影響を及ぼさないことがある。本開示の技法は、いくつかの例において測定結果に対する補足を生成するために、具体的かつ選択されたアルゴリズムの継続的な更新プロセスを容易にすることができる。
【0009】
第4に、本開示の技法は、ソフトウェアが開発される特権的ネットワーク(例えば病院又は検査室ネットワーク)の外部に設置された他のネットワークにおける、私的なデータ(例えば患者データ)に対して開発されたソフトウェアを使用することを考慮に入れることができる。この件では、自動分析装置の測定結果を補足するために使用される知識ベースは、いくつかの例において増加される可能性がある。これは、生成された補足の有効性をさらに改善し得る。
【0010】
第5に、本開示の技法は、自動分析装置の測定結果の補足において統計データを収集すること、及び使用することを伴うことができ、これらの結果の有効性を改善することもできる。
【0011】
多くの用語が本開示において特定の意味で使用される。
本明細書で使用されるような「診断用又は検査室用自動分析装置」という用語は、検査室又は他の医療関連環境において測定結果を生成するための任意の種類の自動化又は半自動化された技術デバイスのことを指し得る。
【0012】
「診断用自動分析装置」という用語は、疾患を診断するプロセスで使用される自動分析装置を含むだけでなく、スクリーニング、健康管理区分、リスクアセスメント、モニタリング、病期、予測、予後などのための自動分析装置も含む。例えば、診断用自動分析装置は、超音波デバイス、放射線デバイス(例えば、X線デバイス、コンピュータトモグラフィデバイス、もしくはMRIデバイス)、ECGデバイスもしくはEEGデバイス、又は生体機能に関する別のモニタリングデバイスであってよい。
【0013】
「検査室用自動分析装置」は、臨床、化学、生物学、免疫学、もしくは薬学領域、又は同様のものなどにおける検査室作業で使用される任意の自動分析装置であってよい。例えば、「自動分析装置」はインビトロ診断用分析装置を含む。
【0014】
「自動分析装置」は専用の検査室又は臨床環境に必ずしも設置されない。むしろ、この用語は、臨床、化学、生物学、免疫学、又は薬学領域における、診断又は分析手順を行うためのスタンドアロン分析装置も含む。例えば、医師の診療所もしくは薬局などのポイントオブケアの状況におけるベンチトップデバイス、又は家庭用デバイスは、本開示による1つの検査室用機器であってもよい。
【0015】
本明細書で使用されるような「自動分析装置」は、1つ又は複数の分析的、事前分析的、及び事後分析的な作業セルに動作中に連結された制御ユニット又はコントローラを含んでよく、制御ユニットは作業セルを制御するように動作可能である。加えて、制御ユニットは、収集された分析データを評価及び/又は処理するように動作可能であり、分析装置のうちの任意の1つへの、及び/又は分析装置のうちの任意の1つからの試料のロード、記憶、及び/又はアンロードを制御し、分析を、又は前記分析及び同様のもののための試料、試料管、もしくは試薬を準備するために使用される分析システムのハードウェアもしくはソフトウェア動作を初期化する。
【0016】
本明細書で使用されるような「分析装置」/「分析作業セル」という用語は、試薬との生物学的試料の反応を、測定値を取得するために誘発できる任意の装置又は装置の構成要素を包含する。分析装置は、様々な化学的、生物学的、物理学的、光学的、又は他の技術的な手順を介して、試料又はその成分のパラメータ値を決定するように動作可能である。分析装置は、試料の、又は少なくとも1つの検体の前記パラメータを測定し、取得された測定値を返すように動作可能であってよい。分析装置によって返された可能な分析結果のリストは、試料中の検体の濃度、(検出レベルを上回る濃度に対応する)試料内の検体の存在を指示する計数型(はい、又は、いいえ)の結果、光学パラメータ、DNA又はRNA配列、たんぱく質又は代謝産物の質量分析から取得されたデータ、及び様々なタイプの物理的又は化学的なパラメータを、限定することなく含む。分析作業セルは、試料及び/又は試薬のピペット操作、投薬、及び混合で支援するユニットを含んでよい。分析装置は、評価分析を実施するために試薬を保持するための試薬保持ユニットを含んでよい。試薬は、例えば、個別の試薬、又は試薬のグループを入れるコンテナもしくはカセットの形式で整理され、妥当な容器、又はストレージ区画もしくはコンベアの内部の場所に配置されてよい。これは、消耗品の供給ユニットを含んでよい。分析装置は、ワークフローが一定のタイプの分析に対して最適化される、プロセス及び検出システムを含んでよい。このような分析装置の例は、臨床化学分析装置、凝固化学分析装置、免疫化学分析装置、尿分析装置、核酸分析装置であり、化学的もしくは生物学的反応の結果を検出するため、又は化学的もしくは生物学的反応の進行を監視するために使用される。
【0017】
本明細書で使用されるような「特権的(コンピュータ)ネットワーク」という用語は、コンピュータネットワークと別の外部ネットワークとの間にバリアを有する任意のコンピュータネットワークのことを言う。特権的コンピュータネットワークは、信頼できる、セキュアな内部ネットワークであり、インターネットなどの他の外部ネットワークは、セキュアでなく、信頼できないと仮定される。特権的(コンピュータ)ネットワークは、ファイアウォール又は別のネットワーク保護手段によって保護されてよい。
【0018】
例えば、特権的(コンピュータ)ネットワークは、(本明細書で「病院情報システム」及び「検査室情報システム」とも呼ばれる)病院ネットワーク又は検査室ネットワークであってよい。これらの例では、患者データ又は類似のデータは、(場合によっては認証又は他のアクセス要件を条件として)特権的(コンピュータ)ネットワークの内部のコンピュータデバイスにおいてアクセス可能でよいが、特権的(コンピュータ)ネットワークの外部のコンピュータデバイスからはアクセス可能ではない。
【0019】
それに応じて、本明細書で使用されるような「非特権的(コンピュータ)ネットワーク」という用語は、特権的コンピュータネットワークではない任意のコンピュータネットワークのことを言う。
【0020】
本明細書で使用されるような「コンピュータネットワーク」という用語は、WIFI、GSM(登録商標)、UMTS、もしくは他のワイヤレスデジタルネットワークなどの任意のタイプのワイヤレスネットワーク、又はイーサネット(登録商標)もしくは同様のものなどのケーブルベースのネットワークを包含する。特に、通信ネットワークはインターネットプロトコル(IP)を実装することができる。例えば、通信ネットワークは、ケーブルベースのネットワークとワイヤレスネットワークとの組合せを含む。
【0021】
「制御ユニット」又は「コントローラ」は、自動化又は半自動化されたシステムを、処理プロトコルに必要なステップが自動化されたシステムによって遂行される方式で制御する。これは、制御ユニットが、例えば、自動化されたシステムに一定のピペット操作ステップを遂行するように命令し、液体の生物学的試料を試薬と混合してよいこと、又は制御ユニットが、自動化されたシステムを制御し、試料の混合物をしばらくの間培養することなどを意味する。制御ユニットは、どのステップが一定の試料で実施される必要があるかに関して、データ管理ユニットから情報を受信してよい。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、データ管理ユニットと統合されることがあり、又は共通のハードウェアによって具体化されてよい。制御ユニットは、例えば、命令と共に提供されたコンピュータ可読プログラムを実行させるプログラマブルロジックコントローラとして具体化されてよく、動作をプロセス動作計画に従って実施する。制御ユニットは、例えば、以下の動作、即ち、キュベット、及び/又はピペットの先端のロード及び/又は消耗及び/又は洗浄、試料管及び試薬カセットの移動及び/又は開封、試料及び/又は試薬のピペット操作、試料及び/又は試薬の混合、ピペット操作の針又は先端の洗浄、混合パドルの洗浄、光源の制御、例えば波長の選択又は同様のもの、のうちの任意の1つ又は複数を制御するようにセットアップされてよい。特に、制御ユニットはスケジューラを含んでよく、一連のステップを事前定義されたサイクル時間内に実行する。制御ユニットは、評価分析のタイプ、緊急性、及び同様のものに従って処理されるべき試料の順番をさらに決定してよい。
【0022】
本明細書で使用されるような診断用又は検査室用自動分析装置の「測定結果」は、上記にリスト化された自動分析装置からの任意の出力であってよい。個々の自動分析装置に応じて、測定結果は、生体もしくは死体又はその一部(例えば、哺乳類の患者又は哺乳類の患者の一部)あるいは試料(例えば生物学的試料)を分析することによって取得されてよい。
【0023】
例えば、測定結果は、生体もしくは死体又はその一部あるいは試料中で測定された1つ又は複数のパラメータ値(例えば、血液試料中の特定の物質の濃度)を含んでよい。他の例では、測定結果は、生体もしくは死体又はその一部あるいは試料の1つ又は複数の画像(例えば、X線又はMRI画像)を含んでよい。
【0024】
「試料」という用語は、関心のある検体を潜在的に含有することがある原料のことを言う。試料は、血液、唾液、眼球のレンズ液(ocular lens fluid)、髄液、汗、尿、便、精液、乳液、腹水、粘膜、滑液、腹膜液(peritoneal fluid)、羊水、組織、培養細胞、又は同様のものを含む生理学的な液体などの生物学的なソースに由来してよい。生物学的試料は、血液から血漿を調製することなど、使用に先立って前処置されてよい。処置の方法は、関心のある検体を含む試料成分の遠心分離、濾過、蒸留、希釈、濃縮及び/又は分離、干渉成分の不活性化、並びに試薬の追加を伴ってよい。試料は、ソースから取得されたものとして直接使用されるか、又は試料の性質を修正するために前処置の後に使用されてよい。いくつかの実施形態では、初期状態では固体又は半固体の生物学的原料は、原料を適切な液状媒体で溶解又は懸濁することによって液状にされてよい。いくつかの例では、試料は一定の抗原又は核酸を含有する疑いがあってよい。
【0025】
「指令」という用語は、1つの検査室機器が特定のタスクを自動的又は半自動的に行う任意のリクエストを含む。例えば、指令は1つ又は複数の評価分析が1つ又は複数の生物学的試料に対して実施されることになる、リクエストであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示による、特権的コンピュータネットワークの内部及び外部のコンピュータデバイス間の情報の交換を概略的に示す図である。
図2】本開示によるネットワーク環境の概略図を示す図である。
図3】本開示の方法を示すスイムレーン図を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
自動分析装置の測定結果を補足するための方法及びシステムに関する方法及びシステムは、引き続きさらに詳細に議論される。
最初に、本開示による、測定結果を補足するための方法及びシステムは、図1及び図3に関連して議論される。引き続き、異なる追加の態様が図2及び図3に関連して議論される。
【0028】
図1は、本開示による特権的コンピュータネットワーク1(「PRIS」)の内部及び外部のコンピュータデバイス3a、3b間の情報12、10の交換を概略的に示す。図1の例では、通信は、非特権的コンピュータネットワーク2(「NOPRIS」)内のコンピュータデバイス(図1に図示せず)と行う。図1の例では、第1のコンピュータデバイス3aは、自動分析装置(例えば、インビトロ自動分析装置)であってよい。第2のコンピュータデバイス3bは、特権的コンピュータネットワーク1(「PRIS」)内のユーザ端末であってよい。例えば、ユーザ端末は、デスクトップコンピュータ又はモバイルデバイス(例えば、タブレットデバイス、ラップトップ、もしくはスマートフォン)であってよい。特権的コンピュータネットワーク1(「PRIS」)は、(本明細書で病院情報システム「HIS」又は検査室情報システム「LIS」とも呼ばれる)病院ネットワーク又は検査室ネットワークであってよい。
【0029】
特定のデバイス及びネットワークは、例証のために使用されるコンピュータデバイス及びネットワークの例にすぎないことに留意されたい。本開示の技法は、(例えば、図2に関連して下記で議論されるような)他の環境で使用されてもよい。
【0030】
図から分かるように、方法は、ユーザ端末3bにおいて、自動分析装置3aによって実施された測定の結果11(例えば、インビトロ分析装置の任意の評価分析の結果、又は上記で議論された他の測定結果のうちのいずれか)を取得すること(図3のステップ101を参照)を含む。さらなるステップにおいて(図3のステップ102を参照)、測定の結果に関する情報12は、特権的コンピュータネットワーク1の外部にある、非特権的ネットワーク2内のコンピュータデバイス(図1に図示せず)に伝送されてよい。
【0031】
しかし、他の例では、測定の結果に関する情報12は、特権的コンピュータネットワーク1の外部に提供されない。本開示の技法は、(測定の結果に関する情報を非特権的ネットワーク内のコンピュータデバイスに提供することに依存する態様に加えて)このステップなしでさらに適用されてよい。
【0032】
その他に、ユーザ端末3bは、1つ又は複数のトリガ条件6及びコンテキスト関連情報7を定義する測定の結果と関連付けられたコンテキスト関連アルゴリズムを、特権的コンピュータネットワーク1の外部にあるコンピュータデバイスから受信する(図3のステップ103を参照)。次に、ユーザ端末3b(又は特権的コンピュータネットワーク1の内部の別のコンピュータデバイス)は、測定の結果をコンテキスト関連アルゴリズムを使用することによって処理して(図3のステップ104を参照)、測定の結果11に対するコンテキスト固有の補足を、コンピュータデバイスにおいて生成する。
【0033】
本開示による、測定結果を補足するための技法の異なるステップ及び要素は、引き続きさらに詳細に議論される。
測定の結果に関する情報12が最初に議論される。図1で分かるように、測定の結果に関する情報12は、測定の結果に関する匿名化された情報4、及び一意の識別子5を含むことがある。
【0034】
測定の結果に関する匿名化された情報4は、測定結果11から患者に関する、識別する具体的な情報を取り除くこと、並びに試料に対する一意の識別子及び潜在的に他の総称的な識別子によって結果を補足することによって生成されてよい。続くセクションでは、測定結果11が患者又は患者と関連付けられた試料を分析することによって取得されたことが仮定される。しかし、本開示の技法は、分析対象が患者である状況に制限されない。他のシナリオは、例えば上記で議論される。
【0035】
言い換えると、測定結果11は、特権的コンピュータネットワーク1の外部のコンピュータデバイスに提供される前に、非特定化される。このプロセスは、測定結果11と関連付けられた患者を識別するのに適したあらゆる情報を取り除くこと、暗号化すること及び/又は難読化することを含んでよい。例えば、匿名化プロセスは、患者の名前、患者の住所、患者の連絡先データ、社会保障もしくは保険会社番号、又は患者を識別するのに適した他の情報を取り除くこと又は暗号化することを含んでよい。
【0036】
残りの匿名化された情報4は、自動分析装置によって決定された1つもしくは複数の測定値、自動分析装置によって取得された画像と自動分析装置の測定の結果の説明、又はこれらの情報のうちの1つもしくは複数に基づいて処理されたメタデータのうちの1つ又は複数を含んでよい。1つの例では、匿名化された情報4は、試料に対して遂行された1つ又は複数の評価分析(例えば、インビトロ分析装置の評価分析)の結果を含む。
【0037】
加えて、匿名化された情報4は、測定の結果11と関連付けられた追加情報を含んでよい。1つの例では、追加情報は測定の結果11と関連付けられた臨床情報を含んでよい。例えば、臨床情報は、バイオメトリクスデータ(例えば、性別、年齢、人種、身長、体重、又は患者に関する他のバイオメトリクスデータのうちの1つ又は複数)、患者の身体症状及び所見に関する情報、患者の既往歴及び進行中の治療に関する情報(例えば、過去及び進行中の治療、過去の外科的処置、処方された薬、患者に関する過去又は現行の診断情報、並びに他の関連情報のうちの1つ又は複数)を含んでよい。
【0038】
しかし、他の例では、測定の結果と関連付けられた臨床情報のうちのいくつか(又は、いくつかの例ではすべての臨床情報)は、特権的コンピュータネットワーク1を出てはならない。これらの例では、このような情報は、特権的コンピュータネットワーク1の外部のコンピュータデバイスに提供されない。加えて、又はあるいは、一定の臨床情報は、いくつかの例において患者を識別するために使用されてよい。このように、匿名化された情報4は、いくつかの例においてこのタイプの情報がなくてよい。
【0039】
1つの例では、匿名化された情報4は、任意の評価分析の結果又は自動分析装置によって取得された他の分析情報、及び患者に対する診断に関する情報(例えば、ICDコード化情報(ICD coded information))を含んでよい。
【0040】
加えて、又はあるいは、匿名化された情報4は、測定結果を生じる測定を実施した自動分析装置に関する情報(例えば、製造業者の識別情報、モデル番号、又はデバイスの一意の識別子)を含んでよい。加えて、又はあるいは、匿名化された情報4は、測定結果を生じる測定を実施した自動分析装置の状態に関する情報(例えば、自動分析装置によって使用された使い捨て用品に関する情報、又は自動分析装置によって使用された測定パラメータ)を含んでよい。
【0041】
一意の識別子5は、特権的コンピュータネットワーク1の外部のコンピュータデバイスに送信された測定の結果に関する特定の情報12を識別するのに適した任意のデータ項目であってよい。
【0042】
下記でさらに詳細に議論されるように、特権的コンピュータネットワークの外部にある(例えば、非特権的コンピュータネットワーク2内の)コンピュータデバイスは、測定の結果に関する情報12を処理してよい。その前に、後続のセクションにおいて、特権的コンピュータネットワーク1で特権的コンピュータネットワークの外部にある(例えば、非特権的コンピュータネットワーク2内の)コンピュータデバイスから受信された情報10が、さらに詳細に解説される。
【0043】
この情報10は、1つ又は複数のトリガ条件6及びコンテキスト関連情報7を定義する、測定の結果と関連付けられたコンテキスト関連アルゴリズムを含む。
コンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワーク1内のユーザ端末3aによって実行され得るコンピュータプログラムとして提供され、測定の結果11に対するコンテキスト固有の補足を生成してよい。例えば、コンテキスト関連アルゴリズムは、スタンドアロンプログラム(例えば、モバイルデバイスのためのアプリケーション、又は別のコンピュータデバイスのためのスタンドアロンプログラム)として提供されてよい。他の例では、コンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワーク内のコンピュータデバイスに既にインストールされたコンピュータプログラムへのアドオンとして提供されてよい。例えば、コンピュータプログラムは、自動分析装置の測定結果のためのプレゼンテーション又は分析ツールであることがある。コンテキスト関連アルゴリズムは、このプレゼンテーション又は分析ツールの機能性に追加されてよい(追加の詳細は、測定の結果に対する補足の生成に関連して下記で議論される)。
【0044】
いくつかの例では、コンテキスト関連アルゴリズムは、測定結果を補足するために使用され得る前に、特権的コンピュータネットワーク1内のユーザ端末3aでさらに処理される必要がある、ネットワーク上を伝送されるのに適した形式で提供されてよい。例えば、いくつかの例においてコンテキスト関連アルゴリズムをコンパイル、インストール、及び/又はセットアップすることが必要になることがある。他の例では、コンテキスト関連アルゴリズムは、実行可能なコードとして提供されてよい。
【0045】
1つ又は複数のトリガ条件6は、いくつかの例において測定の結果に対する1つ又は複数の尺度を定義してよい。いくつかの例では、1つ又は複数の尺度は、1つ又は複数の測定値に対する閾値を評価する尺度、2つ以上の測定値間の関係を決定する尺度、及び測定内のパターンを定義する尺度のうちの1つ又は複数を含む。
【0046】
例えば、トリガ条件は、試料内の検体の濃度が所定の閾値を下回るか、もしくは上回る、又は所定の濃度範囲内にあるということであってよい。他の例では、トリガ条件は、試料内の1つ又は複数の検体の存在であってよい。さらに他の例では、トリガ条件は、測定結果内の波形における(例えば、EEG又はEEC波形の)特徴の存在であってよい。さらに他の例では、トリガ条件は、測定結果の画像の特性(例えば、X線又はMRI画像における特性)の存在であってよい。
【0047】
さらに他の例では、1つ又は複数のトリガ条件6は、測定結果11に対してだけでなく、追加測定の結果(例えば、別の評価分析の測定結果である第2の検体の濃度)に対しても尺度を定義する。言い換えると、1つ又は複数のトリガ条件6は、異なるソースの、又は異なる時間における同じソースの測定結果(例えば、比較的早い時間における第1の評価分析、及び比較的遅い時間における同じタイプの第2の評価分析)の組合せに対して尺度を定義してよい。
【0048】
加えて、又はあるいは、1つ又は複数のトリガ条件6は、測定結果11と関連付けられた臨床データ及び/又は他の患者データ(例えば、上記で議論された臨床データ及び/又は患者データ)に対して尺度を定義してよい。例えば、トリガ条件6は、測定結果11、及び患者と関連付けられたバイオメトリクスデータ(又は他の患者データ)に対して尺度を定義してよい。このトリガ条件の例は、評価分析の結果に関する第1の尺度(例えば、検体Xの濃度が閾値を上回る)、及び患者データに関する第2の尺度(例えば、患者が閾値の年齢Yより上である)を含むことがある。言い換えると、トリガ条件6は、臨床データ及び/又は患者データと測定結果の組合せに対して尺度を定義してよい。
【0049】
引き続き、コンテキスト関連アルゴリズムによって定義されるコンテキスト関連情報7が、さらに詳細に議論される。コンテキスト関連情報7は、自動分析装置の測定結果の解釈に関する解説情報、着手されるべき診断ステップに関する提案(例えば、行われるべき追加測定に関する提案)、行われるべき治療ステップに関する提案、自動分析装置によって測定を実施する間に発生された潜在的エラーに関する情報、又は測定結果もしくは測定結果と関連付けられた臨床データに関連する追加情報のうちの1つ又は複数を含んでよい。
【0050】
1つの例示的な例では、測定結果11は、凝固分析装置によって決定された国際規格化率(「INR」)である。特定のコンテキスト関連アルゴリズムは、特定のINR範囲(例えば、INR>2及びINR<3)を定義するトリガ条件を含んでよく、トリガ条件と関連付けられたコンテキスト関連情報7を、文字情報「INRは、ワルファリンによる予防的経口抗凝固(preventive oral anticoagulation)に対する治療学的な範囲内にある」の形式で定義してよい。この例では、患者に対するINRを含む測定結果は、測定結果11がコンテキスト関連アルゴリズムを使用することによって処理されるときに、この文字情報で補足されることがある。この処理は引き続きさらに詳細に解説される。
【0051】
上記で論じられたように、本開示の技法は、測定の結果をコンテキスト関連アルゴリズムを使用することによって処理して、測定の結果に対するコンテキスト固有の補足を、コンピュータデバイスにおいて生成することを含む。1つ又は複数のコンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワーク1の内部のコンピュータデバイス(例えば、ユーザ端末3a)において取得されてよいことが上記で議論された(さらなる詳細は下記で議論される)。1つの例では、複数のコンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワーク1の外部のコンピュータデバイスから取得され、特権的コンピュータネットワーク1の内部での使用のために提供されてよい。
【0052】
特権的コンピュータネットワーク1のコンピュータデバイス(例えば、ユーザ端末3a、又は特権的コンピュータネットワーク1の内部に設置された別のコンピュータデバイス)は、現在、コンテキスト関連アルゴリズムを適用し、測定の結果を特権的コンピュータネットワーク1内の診断用又は検査室用自動分析装置によって処理することができる。
【0053】
これは、トリガ条件が測定の結果11によって満たされるかどうかをチェックすることを伴ってよい。上記で論じられたように、これは、測定の結果(例えば、測定の結果、又は測定の結果の特性に関する特性抽出に基づいた計算メタデータ)を処理すること(図3のステップ104を参照)を含んでよい。
【0054】
他の例では、処理することは、トリガ条件が、(例えば、同じ患者に属する、)測定の結果と関連付けられた追加測定の結果によって満たされるかどうかをチェックすることを伴ってよい。あるいは、又は加えて、処理することは、トリガ条件が、(例えば、同じ患者に属する、)測定の結果と関連付けられた臨床データ又は他の患者データによって満たされるかどうかをチェックすることを伴ってよい。さらなる例がトリガ条件6に関連して上記で議論される。
【0055】
1つ又は複数のトリガ条件6が満たされる場合、コンテキスト関連情報7は、測定の結果に対するコンテキスト固有の補足に処理される。1つの例では、これは、(上記のINRの例でのように)コンテキスト関連情報7に収められている文字情報を測定の結果に追加することを伴うことができる。しかし、コンテキスト固有の補足は、文字情報以外の追加項目又は代替項目を含んでもよい。1つの例では、コンテキスト関連の補足は、可聴式、視覚式、又は視聴覚式の警告を含んでよい。別の例では、コンテキスト関連の補足は、(例えば、測定結果又は統計データの解釈に関する)追加リソースにリンクするハイパーリンクを含んでよい。さらに他の例では、コンテキスト関連の補足は、実行がユーザによってトリガされてよいさらなるアルゴリズム(例えば、繰り返される測定、あるいはさらなる診断ステップ、又は測定結果及び/もしくは患者の追加臨床データの分析を指令すること)を含んでよい。
【0056】
1つの例では、コンテキスト固有の補足が測定の結果に対して利用可能であるという指標は、ユーザに、特権的コンピュータネットワーク1の内部のコンピュータデバイス3aにおいて、コンピュータデバイス3aのユーザインターフェース上で提示されてよい。例えば、アイコン又は他の指標が、コンピュータデバイス3aのユーザインターフェース上に表示されることがある。コンピュータデバイスのユーザインターフェースによるユーザとの対話処理(例えば、アイコンを押すこと、又はアイコン上に合わせること)に応答して、コンテキスト固有の補足は、ユーザに提示されてよい(図3のステップ105を参照)。他の例では、コンテキスト固有の補足は、関連付けられた測定結果が、(例えば、特権的コンピュータネットワーク内の自動分析装置又は別のデバイスのグラフィカルユーザインターフェース上に)提示されるときにユーザに自動的に提示されてよい。
【0057】
1つの例では、コンテキスト関連アルゴリズムを使用して測定の結果を処理することは、自動的に(すなわち、ユーザとの対話処理なしに)実施される。
以下の節では、コンテキストの具体的なアルゴリズムを取り出すための処理に関する追加の詳細が議論される。
【0058】
1つの例では、1つ又は複数のコンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワーク1の外部にあるコンピュータデバイスから自動的に取得されてよい。コンテキスト関連アルゴリズムを取得する処理は、継続的に起こってよい。例えば、コンテキスト関連アルゴリズムは、所定の地点において、所定のイベントの時間内又は発生時(例えば、自動分析装置が特定の測定を実施するとき)に取得されてよい。
【0059】
別の例では、特権的コンピュータネットワーク1の外部にある(例えば、非特権的ネットワーク2内の)コンピュータデバイスは、新しい又は更新されたコンテキスト関連アルゴリズムを求めて継続的又は定期的にチェックされてよい。次に、新しい又は更新されたコンテキスト関連アルゴリズムが、特権的コンピュータネットワーク1の外部にある(例えば、非特権的ネットワーク2内の)コンピュータデバイスにおいて利用可能である場合、このコンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワーク1の内部のコンピュータデバイスによって取り出されてよい。
【0060】
他の例では、特権的コンピュータネットワーク1の内部のユーザは、コンテキスト関連アルゴリズムが取得されることを確かめる必要があり得る。さらに他の例では、特権的コンピュータネットワーク1の内部のユーザは、特権的コンピュータネットワーク1の外部のコンピュータデバイスによって提示されたユーザインターフェースにアクセスし、取得されるべき1つ又は複数のコンテキスト関連アルゴリズムを選択し得る。
【0061】
加えて、又はあるいは、特権的コンピュータネットワーク1の内部のユーザは、そのコンテキスト関連アルゴリズムがコンピュータデバイス3aにおいて取得される1つ又は複数のソースを選択してよい。これらのケースでは、コンテキスト関連アルゴリズムが、特権的コンピュータネットワーク1の外部にある(例えば、非特権的ネットワーク2内の)コンピュータデバイスにおいて、例えば、継続的に、又は所定のトリガイベントと同時に利用可能である場合、選択された1つ又は複数のソース(例えば、コンテキスト関連アルゴリズムの特定の作成者)からのコンテキスト関連アルゴリズムは、取得されてよい。言い換えると、ユーザは、1つ又は複数のソースのコンテキスト関連アルゴリズムを予約してよい。本態様に関するさらなる解説は、図2に関連して授けられる。
【0062】
1つの例では、特権的コンピュータネットワーク1の外部にある(例えば、非特権的ネットワーク2内の)コンピュータデバイスは、1つ又は複数のトリガ条件及びコンテキスト関連情報を定義するコンテキスト関連アルゴリズムのリポジトリを含む。例えば、リポジトリ内のコンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータシステム1以外の特権的コンピュータネットワークで作り出された可能性がある。この手法では、特権的コンピュータシステム1の内部のユーザは、定期的な手法で更新され得る多くのコンテキスト関連アルゴリズムにアクセスしてよい。
【0063】
コンテキスト固有の補足は、コンテキスト関連アルゴリズムのコンテキスト関連情報から導き出された特定の情報を含んでよいことが上記で解説された。加えて、又はあるいは、コンテキスト固有の補足は、測定の結果と関連付けられた統計情報9を含んでもよい。
【0064】
1つの例では、測定の結果と関連付けられた統計情報は、測定の結果内の測定値と他の測定値との組合せの可能性に関する情報を含む。例えば、統計情報は、同じ試料の、又は同じ患者と関連付けられた2つの異なる測定結果が、所定の閾値を下回る可能性があることを指示することがある。この統計情報を測定結果の補足に追加することによって、ユーザは、異常な結果を識別できることがある。
【0065】
加えて、又はあるいは、測定の結果と関連付けられた統計情報は、測定の結果内の測定値と特定の診断との組合せの可能性に関する情報を含む。例えば、統計データは、特定の診断が所定の測定結果と互換性がないこと(例えば、診断が正しいことと、測定結果が実際は所定の閾値を下回っていることとに関する組み合わされた可能性)を指示することがある。他の例では、統計情報は、1つもしくは複数の可能性のある、及び/又は1つもしくは複数の可能性のない、特定の測定結果と互換性のある診断のリストを含むことがある。
【0066】
加えて、又はあるいは、測定の結果と関連付けられた統計情報は、結果の測定値と特定の診断又は臨床所見とのの組合せの可能性に関する情報を含んでよい。上記の例のように、データは、特定の診断又は臨床所見は、所定の測定結果、あるいは、1つもしくは複数の可能性のある、及び/又は1つもしくは複数の可能性のない、特定の測定結果と互換性のある疾患進行もしくは臨床所見のリストと互換性がないことを指示することがある。
【0067】
加えて、又はあるいは、測定の結果と関連付けられた統計情報は、測定の結果の測定値と(例えば、同じ患者の)特定のバイオメトリクスデータとの組合せの可能性に関する情報を含んでよい。上記の例のように、データは、特定の値のバイオメトリクスデータが、所定の測定結果、あるいは、1つもしくは複数の可能性のある、及び/又は1つもしくは複数の可能性のない、特定の測定結果と互換性のある範囲の値又はバイオメトリクスデータの値のリストと互換性がないことを指示することがある。
【0068】
加えて、又はあるいは、測定の結果と関連付けられた統計情報は、結果を生じた測定と組み合わせて行われた他の測定に関する統計情報を含んでよい。この例では、測定結果に対する補足は、行われるべき追加測定に関する1つ又は複数の案を含んでよい。
【0069】
加えて、又はあるいは、測定の結果と関連付けられた統計情報は、結果を生じた測定の後に行われる次の診断ステップに関する統計情報を含んでよい。この例では、測定結果に対する補足は、追加の診断ステップに関する1つ又は複数の案を含んでよい。
【0070】
上記の例で分かるように、測定結果に対する補足は、測定の結果に関連した統計情報の複数の異なる項目を含んでよい。医療従事者又は他のユーザは、自動分析装置の測定結果を解釈するのに役立つこの統計情報を発見し得る。
【0071】
上記の例では、統計情報は、測定結果に収められた、又は測定結果に関連した臨床情報に関係がある。加えて、又はあるいは、コンテキスト関連アルゴリズムと関連付けられた統計情報は、コンテキスト関連アルゴリズムに関するメタデータを含んでよい。例えば、統計情報は、特定のコンテキスト関連アルゴリズムが取得された頻度に関する情報、及び特定のコンテキスト関連アルゴリズムのソースに関連した統計情報のうちの1つ又は複数を含んでよい。この情報は、コンテキスト関連の補足に追加されてもよい。この方法では、ユーザは、統計情報の質及び/又は信憑性に関する追加情報を得ることがある。他の例では(又は加えて)、コンテキスト関連アルゴリズムに関する統計情報は、コンテキスト関連アルゴリズムのリポジトリをホスティングする、特権的コンピュータネットワークの外部のコンピュータデバイスのユーザインターフェース上に提示されてよい。
【0072】
図2に関連して、統計情報を収集するための異なる可能な処理が、さらに詳細に説明される。
先述のセクションにおいて、コンテキストの具体的なアルゴリズムを取得するために1つの特権的コンピュータネットワーク内に設置されたコンピュータデバイスの相互作用の態様は、図1に関連して議論された。引き続き、図2に関連して、複数の特権的コンピュータネットワーク内のユーザを伴う異なる技法が、コンテキストの具体的なアルゴリズム及び統計情報の生成の態様に加えて、さらに詳細に扱われる、
図2で分かるように、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、複数の特権的コンピュータネットワーク1a~1c(「PRIS#1」、「PRIS#2」、及び「PRIS#3」)でネットワーク化されてよい。複数の特権的コンピュータネットワーク1a~1cのそれぞれは、上記図1の特権的コンピュータネットワーク1に対して説明されたように構成されてよい。例えば、複数の特権的コンピュータネットワーク1a~1cのそれぞれは、病院情報システム又は検査室情報システムであってよい。複数の特権的コンピュータネットワーク1a~1cのそれぞれにおけるユーザは、コンテキスト関連アルゴリズム及び統計情報を非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスから(例えば、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスによって提供されたリポジトリから)取得することがある。
【0073】
加えて、本開示の技法は、異なる特権的コンピュータネットワーク1a~1c間のコンテンツを配布することを考慮に入れる。例えば、第1の特権的コンピュータネットワーク(例えば、PRIS#1)内のユーザは、1つ又は複数のコンテキスト関連アルゴリズムを作り出し、これらを非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスに提供してよい。同じ手法において、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、他の特権的コンピュータネットワーク(例えば、図2の例におけるPRIS#2及びPRIS#3)内の他のユーザによって生成されたコンテキスト関連アルゴリズムを収集してよい。
【0074】
このように、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスにおけるコンテキスト関連アルゴリズムのリポジトリは、異なるソースからの多数のコンテキスト関連アルゴリズムを含み得る。特権的コンピュータネットワーク1a~1cのいずれかにおけるユーザは、コンテキスト関連アルゴリズムを、個々の特権的コンピュータネットワーク1a~1c内で利用可能な臨床データ及び患者データを使用して作り出し、リポジトリにアップロードし得る。これらのコンテキスト関連アルゴリズムは、その後、他の特権的コンピュータネットワーク1a~1c(又は同じ特権的コンピュータネットワーク1a~1c)内のユーザによって取得されてよい。言い換えると、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、複数の特権的コンピュータネットワーク内のユーザによって生成されたコンテキスト関連アルゴリズムを収集してよい(図3のステップ201も参照)。
【0075】
1つの例では、コンテキスト関連アルゴリズムは、コンテキスト関連アルゴリズムのソースを識別するデジタル識別子(例えば、デジタル署名)と関連付けられてよい。この手法では、異なる特権的コンピュータネットワーク内のユーザは、コンテキスト関連アルゴリズムのソースを識別してよい。上記で解説されたように、ユーザは、取得されるべきコンテキスト関連アルゴリズムを、コンテキスト関連アルゴリズムの創作者の識別情報に(少なくとも部分的に)基づいて、選択してよい。いくつかの例では、ユーザは、コンテキスト関連アルゴリズムを1つ又は複数の特定のソースから予約してよい。
【0076】
コンテキスト関連アルゴリズムのソースを識別するデジタル識別子は、コンテキスト関連アルゴリズムの創作者である特定の個人もしくは個人のグループ、又はコンテキスト関連アルゴリズムを提供する団体もしくは機関(例えば、特定の検査室、病院、又は自動化された検査室機器の製造業者)のうちの1つ又は複数を識別してよい。
【0077】
非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスにおけるコンテキスト関連アルゴリズムのリポジトリは、コンテキスト関連アルゴリズムの継続的なアップロードを考慮に入れるように構成されてよい。この手法では、コンテキスト関連アルゴリズムのリポジトリは、継続的に補足されてよい。
【0078】
加えて、又はあるいは、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、格付けシステムをユーザに提供し、提供されたコンテキスト関連アルゴリズムの質を格付けしてよい(例えば、星格付け又はグレード)。加えて、又はあるいは、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、提供されたコンテキスト関連アルゴリズムに関するコメント又は追加情報を含むためにプラットフォームを提供してよい。リポジトリのユーザは、格付け及び/又はコメントにアクセスし、個々のコンテキスト関連アルゴリズムの質及び有効性を判断してよい。これは、特定のユーザにとって、コンテキスト関連アルゴリズムの価値を改善するのに役立つことがある。
【0079】
一般に、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、リポジトリ内のコンテキスト関連アルゴリズム及び追加情報(例えば、格付け又はコメント)にアクセスするためにインターフェースを提供してよい。1つの例では、インターフェースは、ウェブベースのインターフェースであることがある。他の例では、特権的コンピュータネットワークのコンピュータデバイスは、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイス上のリポジトリと、インターフェース(例えば、API)を介してインターフェースしてよい。いくつかの例では、リポジトリとのインターフェースは、病院もしくは検査室情報システムのソフトウェア、又は1つもしくは複数の自動化されたデバイスを制御するソフトウェアに統合されてよい。さらに他の例では、病院もしくは検査室情報システムのソフトウェア、又は1つもしくは複数の自動化されたデバイスを制御するソフトウェアは、本明細書で説明されたコンテキスト関連アルゴリズムを自動的に取得するためにリポジトリとインターフェースしてよい。
【0080】
以下のセクションでは、複数の特権的コンピュータネットワークを含むネットワークにおける(上述のような)統計データの生成が議論される。
上記で解説されたように、測定結果に関する(匿名化された)情報は、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスに、特権的ソース内の他のデバイスから提供されてよい。
【0081】
この手法では、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、異なる特権的コンピュータネットワーク1a~1c内に設置された自動分析装置の複数の測定の複数の結果に関する情報を受信してよい。加えて、非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、自動分析装置の複数の測定と関連付けられた臨床データ又は患者データを受信してよい。
【0082】
非特権的ネットワーク2内にあるコンピュータデバイスは、このデータを収集し(図3のステップ202も参照)、複数の結果に関する情報に基づいた複数の結果と関連付けられた統計情報(例えば、上記で議論された統計情報)を生成してよい(図3のステップ203も参照)。
【0083】
この統計情報は、その後、上記で同様に議論されたように、測定結果を補足するためにユーザに提供されてよい(図3のステップ204も参照)。
例えば、情報を複数のソースから収集することによって、可能性のない測定結果は識別される可能性がある。例えば、所定のテスト又は評価分析のための測定値の配布は、集約されてよい。これは、異常な測定結果を識別するのに役立つ可能性がある。
【0084】
別の例では、特定の自動分析装置に関する情報は、情報を複数のソースから収集することによって取得されてよい。これは、例えば、欠陥のあるデバイス、又はデバイス内で使用された欠陥のある原料(例えば、消耗品)を検出するのに役立つ可能性がある。
【0085】
ユーザは、コンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの外部のリポジトリから取得してよく、又はコンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの外部のリポジトリに提供してよいことが上述された。いくつかの例では、特権的コンピュータネットワークの内部のユーザは、コンテキスト関連アルゴリズムをユーザのために取得すること、コンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの内部のすべてのユーザのために取得すること、ユーザが作り出したコンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスに、記憶及び他の特権的コンピュータネットワークへの配布のために提供すること、並びに特権的コンピュータネットワーク内に記憶されたコンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスに、記憶及び他の特権的コンピュータネットワークへの配布のために提供することを含む特権のうちの1つ又は複数を有する。
【0086】
先述の詳細な説明において、自動分析装置の測定結果を補足するための方法及びシステムの複数の例が議論された。しかし、本開示の自動分析装置の測定結果を補足するための方法及びシステムは、以下の態様で設定されたように構成されてもよい。
【0087】
1.診断用又は検査室用自動分析装置の測定結果を補足するための、コンピュータで実装される方法であって、
コンピュータデバイスにおいて、診断用又は検査室用自動分析装置によって実施された測定の結果を取得するステップであって、
コンピュータデバイス及び自動分析装置は、特権的コンピュータネットワークの内部に設置される、ステップと、
1つ又は複数のトリガ条件及びコンテキスト関連情報を定義する測定の結果と関連付けられたコンテキスト関連アルゴリズムを、特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスから、コンピュータデバイスにおいて取得するステップと、
診断用又は検査室用自動分析装置による測定の結果をコンテキスト関連アルゴリズムを使用することによって処理して、測定の結果に対するコンテキスト固有の補足をコンピュータデバイスにおいて生成するステップと
を含む、方法。
【0088】
2.測定の結果をコンテキスト関連アルゴリズムを使用して処理するステップは、自動的に実施される、態様1に記載の方法。
3.コンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスから自動的に取得される、態様1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【0089】
4.そのコンテキスト関連アルゴリズムがコンピュータデバイスにおいて取得される1つ又は複数のソースを選択するステップと、
コンテキスト関連アルゴリズムを取得する前に、コンテキスト関連アルゴリズムが、選択された1つ又は複数のソースに起因することを確認するステップと
をさらに含む、態様1から3のいずれかに記載の方法。
【0090】
5.1つ又は複数のソースを選択するステップは、特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスによって提供されたインターフェースにアクセスするステップを含む、態様1から4のいずれかに記載の方法。
【0091】
6.選択された1つ又は複数のソースからのすべてのコンテキスト関連アルゴリズムは、コンピュータデバイスによって自動的に取得される、態様4又は態様5に記載の方法。
7.コンテキスト関連アルゴリズムは、コンテキスト関連アルゴリズムのソースを識別するデジタル識別子と関連付けられる、態様1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0092】
8.デジタル識別子はデジタル署名を含む、態様7に記載の方法。
9.特権的情報システムの外部にあるコンピュータデバイスは、1つ又は複数のトリガ条件及びコンテキスト関連情報を定義するコンテキスト関連アルゴリズムのリポジトリを含む、態様1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0093】
10.リポジトリ内のコンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワーク内で作り出されたものである、態様9に記載の方法。
11.コンテキスト関連アルゴリズムを、特権的コンピュータネットワークとは異なる第2の特権的コンピュータネットワーク内に設置されたコンピュータデバイスにおいて作り出すステップであって、特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスは、第2の特権的コンピュータネットワークの外部でもある、ステップと、
コンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスに、記憶及び他の特権的コンピュータネットワークへの配布のために提供するステップと
をさらに含む、態様1から10のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
12.コンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワークとは異なる第2の特権的コンピュータネットワーク内に設置されたコンピュータデバイスにおいて作り出されたものであり、特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスは、第2の特権的コンピュータネットワークの外部でもある、態様1から11のいずれか一項に記載の方法。
【0095】
13.測定の結果に対するコンテキスト固有の補足をユーザに提示するステップをさらに含む、態様1から12のいずれか一項に記載の方法。
14.測定の結果に対するコンテキスト固有の補足をユーザに提示するステップは、
コンテキスト固有の補足が測定の結果に対して利用可能であるという指標をユーザに、コンピュータデバイスのユーザインターフェース上で提示するステップと、
コンピュータデバイスのユーザインターフェースによるユーザとの対話処理に応答して、コンテキスト固有の補足を提示するステップ
を含む、態様13に記載の方法。
【0096】
15.測定の結果に関する情報を特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスに提供するステップをさらに含む、態様1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
16.測定の結果と関連付けられた統計情報を取得するステップと、
測定の結果と関連付けられた統計情報をコンテキスト固有の補足に追加するステップと
をさらに含む、態様1から15のいずれか一項に記載の方法。
【0098】
17.測定の結果と関連付けられた統計情報は、測定の結果内の測定値と他の測定値との組合せの可能性、測定の結果内の測定値と特定の診断との組合せの可能性、結果内の測定値と特定の疾患進行又は臨床所見との組合せの可能性、測定の結果内の測定値と特定のバイオメトリクスデータとの組合せの可能性に関する情報、結果を生じた測定との組合せにおいて行われた他の測定に関する統計情報のうちの1つ又は複数を含む、態様16に記載の方法。
【0099】
18.コンテキスト関連アルゴリズムと関連付けられた統計情報を取得するステップと、
コンテキスト関連アルゴリズムと関連付けられた統計情報をコンテキスト固有の補足に追加するステップと、
をさらに含む、態様1から17のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
19.コンテキスト関連アルゴリズムと関連付けられた統計情報は、コンテキスト関連アルゴリズムが取得された頻度に関する情報、及びコンテキスト関連アルゴリズムのソースに関連した統計情報のうちの1つ又は複数を含む、態様18に記載の方法。
【0101】
20.特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスにおいて、異なる特権的コンピュータネットワーク内に設置された診断用又は検査室用自動分析装置の複数の測定の複数の結果に関する情報を受信するステップと、
複数の結果と関連付けられた統計情報を複数の結果に関する情報に基づいて生成するステップと
をさらに含む、態様16から19のいずれか一項に記載の方法。
【0102】
21.測定の結果と関連付けられた統計情報をコンピュータデバイスにおいて評価するステップ、並びに測定の結果と関連付けられた可能性のある診断の指示、測定の結果と関連付けられた可能性のない診断の指示、及び測定の結果と関連付けられた頻繁に実施される次の診断ステップの指示のうちの1つ又は複数をユーザに提示すること
をさらに含む、態様16から17、又は20のいずれか一項に記載の方法。
【0103】
22.特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスへ提供された測定の結果に関する情報は、診断用又は検査室用自動分析装置によって決定された1つ又は複数の測定値、診断用又は検査室用自動分析装置によって取得された1つ又は複数の画像、診断用又は検査室用自動分析装置の測定の結果の説明、及び測定の結果と関連付けられた追加情報のうちの1つ又は複数を含む、態様1~21のいずれか一項に記載の方法。
【0104】
23.測定の結果に関する情報は匿名化される、態様1から22のいずれか一項に記載の方法。
24.1つ又は複数のトリガ条件は、測定の結果に対する1つ又は複数の尺度を定義する、態様1から23のいずれか一項に記載の方法。
【0105】
25.1つ又は複数の尺度は、1つ又は複数の測定値に対する閾値を評価する尺度、2つ以上の測定値間の関係を決定する尺度、及び測定の結果内のパターンを定義する尺度のうちの1つ又は複数を含む、態様24に記載の方法。
【0106】
26.コンテキスト関連アルゴリズムは、特権的コンピュータネットワーク内のコンピュータデバイスによって実行され得るコンピュータプログラムコード内に提供されて、測定の結果に対するコンテキスト固有の補足を生成する、態様1から25のいずれか一項に記載の方法。
【0107】
27.少なくともコンピュータデバイス及び診断用又は検査室用自動分析装置を含む特権的コンピュータネットワークは、ファイアウォール又は別のネットワーク保護手段によって保護される、態様1から26のいずれか一項に記載の方法。
【0108】
28.特権的コンピュータネットワークは、病院情報システム又は検査室情報システムである、態様1から27のいずれか一項に記載の方法。
29.測定の結果は、患者固有情報と関連付けられ、患者固有情報は、特権的コンピュータネットワークの内部からアクセスされ得るが、特権的コンピュータネットワークの外部からアクセスされ得ない、態様1から28のいずれか一項に記載の方法。
【0109】
30.診断用又は検査室用自動分析装置は、インビトロ診断分析装置、超音波分析装置、放射線デバイス、又は生体機能もしくは生体特性のモニタリングデバイスのうちの1つである、態様1から29のいずれか一項に記載の方法。
【0110】
31.特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスは、複数の異なる特権的コンピュータネットワークでネットワーク化され、方法は、
測定の結果を複数の異なる特権的コンピュータネットワークのそれぞれから取得するステップと、
コンテキスト関連アルゴリズムを複数の異なる特権的コンピュータネットワークのそれぞれに提供するステップと
をさらに含む、態様1から30のいずれか一項に記載の方法。
【0111】
32.測定の結果をコンテキスト関連アルゴリズムを使用することによって処理して、コンテキスト固有の補足を生成するステップは、測定の結果が関連付けられる患者の患者データを処理するステップを含む、態様1から31のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
33.測定の結果をコンテキスト関連アルゴリズムを使用することによって処理して、コンテキスト固有の補足を生成するステップは、測定の結果と関連付けられた1つ又は複数の他の測定の結果を処理するステップを含む、態様1から32のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
34.測定の結果に関する情報を提供するステップ、及び/又はコンテキスト関連アルゴリズムを取得するステップは、ユーザとの対話処理によってトリガされる、態様1から33のいずれかに記載の方法。
【0114】
35.コンテキスト関連アルゴリズムは、測定の結果のさらなる処理動作のために特権的コンピュータネットワーク内に記憶される、態様1から34のいずれかに記載の方法。
36.特権的コンピュータネットワークの内部のユーザは、コンテキスト関連アルゴリズムをユーザのために取得すること、コンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの内部のすべてのユーザのために取得すること、ユーザが作り出したコンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスに、記憶及び他の特権的コンピュータネットワークへの配布のために提供すること、並びに特権的コンピュータネットワーク内に記憶されたコンテキスト関連アルゴリズムを特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスに、記憶及び他の特権的コンピュータネットワークへの配布のために提供することを含む特権のうちの1つ又は複数を有する、態様1から35のいずれかに記載の方法。
【0115】
37.測定の結果に関する情報は、一意の識別子を含む、態様1から36の一項に記載の方法。
38.測定の結果に関する情報は、患者識別子を有しない、態様37に記載の方法。
【0116】
39.第1のコンピュータデバイス及び診断用又は検査室用自動分析装置を含む特権的コンピュータネットワークと、
特権的コンピュータネットワークの外部の第2のコンピュータネットワークと
を含み、
コンピュータネットワークは、態様1から38のいずれか一項に記載の方法のステップを行うように構成される、
コンピュータネットワーク。
【0117】
40.命令が符号化された、コンピュータ可読媒体であって、命令は、1つ又は複数のコンピュータデバイスによって実行されるとき、1つ又は複数のコンピュータデバイスに、態様1から38のいずれか一項に記載の動作を実施させる、コンピュータ可読媒体。
【0118】
プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書に含まれた実施形態のうちの1つ又は複数における、本発明による方法を実施するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムが、さらに開示され、提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データ担体上に記憶されてよい。このように、具体的には、本明細書で開示されたような方法ステップのうちの1つ、2つ以上、又はすべてでさえ、コンピュータ又はコンピュータネットワークを使用することによって、好ましくはコンピュータプログラムを使用することによって実施されてよい。
【0119】
プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されるとき、本明細書に含まれた実施形態のうちの1つ又は複数における本発明による方法を実施するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品がさらに開示され、提案される。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データ担体上に記憶されてよい。
【0120】
コンピュータ又はコンピュータネットワークの作業メモリ又はメインメモリの中など、コンピュータ又はコンピュータネットワークの中にロードした後、本明細書で開示された実施形態のうちの1つ又は複数による方法を実行し得る、担体上に記憶されたデータ構造を有するデータ担体が、さらに開示され、提案される。
【0121】
プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書で開示された実施形態のうちの1つ又は複数による方法を実施するために、プログラムコード手段が機械可読担体上に記憶されたコンピュータプログラム製品が、さらに開示され、提案される。本明細書で使用されるように、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムのことを言う。製品は、一般に、紙のフォーマットなどの任意のフォーマットで、又はコンピュータ可読データ担体上に存在してよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークで配布されてよい。
【0122】
本明細書で開示された実施形態のうちの1つ又は複数による方法を実施するために、コンピュータシステム又はコンピュータネットワークによって読むことができる命令を収める変調されたデータ信号が、さらに開示され、提案される。
【0123】
本発明のコンピュータで実装された態様を参照すると、本明細書で開示された実施形態のうちの1つ又は複数による方法に関する方法ステップのうちの1つもしくは複数、又は方法ステップのすべてでさえ、コンピュータ又はコンピュータネットワークを使用することによって実施されてよい。このように、一般に、データの提供及び/又は操作を含む方法ステップのいずれかは、コンピュータ又はコンピュータネットワークを使用することによって実施されてよい。一般に、これらの方法ステップは、典型的には試料及び/又は測定を実施する一定の態様を提供することなど、手作業を要する方法ステップを除き、方法ステップのいずれかを含んでよい。
【0124】
プロセッサが、本説明において説明された実施形態のうちの1つによる方法を実施するために適応される、少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータ又はコンピュータネットワークが、さらに開示され、提案される。
【0125】
データ構造がコンピュータ上で実行されている間、本説明において説明された実施形態のうちの1つによる方法を実施するために適応される、コンピュータにロード可能なデータ構造が、さらに開示され、提案される。
【0126】
データ構造がストレージ媒体上に記憶され、並びにデータ構造が、コンピュータ又はコンピュータネットワークの主記憶及び/又は作業記憶にロードされた後に、本説明において説明された実施形態のうちの1つによる方法を実施するために適応される、ストレージ媒体が、さらに開示され、提案される。
【符号の説明】
【0127】
1 特権的コンピュータネットワーク
1a 特権的コンピュータネットワーク
1b 特権的コンピュータネットワーク
1c 特権的コンピュータネットワーク
2 非特権的コンピュータネットワーク
3a コンピュータデバイス、自動分析装置、ユーザ端末、診断用又は検査室用自動分析装置
3b コンピュータデバイス、ユーザ端末
3c コンピュータデバイス
3d コンピュータデバイス
4 匿名化された情報
5 一意の識別子
6 トリガ条件
7 コンテキスト関連情報
9 統計情報
10 特権的コンピュータネットワークの外部にあるコンピュータデバイスから受信された情報
11 測定の結果、測定結果
12 測定の結果に関する情報、測定の結果に関する特定の情報
図1
図2
図3