(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20221110BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20221110BHJP
F25D 17/06 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
F25D23/02 305Z
F25D23/00 A
F25D23/00 307
F25D17/06 302
(21)【出願番号】P 2019011052
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 洋平
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215019(JP,A)
【文献】特開2017-133810(JP,A)
【文献】特開平05-317127(JP,A)
【文献】実開平06-079294(JP,U)
【文献】特開2003-279237(JP,A)
【文献】特開2014-214922(JP,A)
【文献】特開平08-226747(JP,A)
【文献】特開平09-014818(JP,A)
【文献】特開2002-048464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に開口され、カートの一部を収容することが可能な収容室を有する箱状の貯蔵庫本体と、
前記貯蔵庫本体の底壁部の前端部に設けられ、前記カートの前記一部を前方から挿入することが可能な開口部を構成する開口部構成部材であって、当該開口部構成部材における前記開口部の開口縁部によって前記カートを後方から受けることで前記カートが後方に変位することを規制する開口部構成部材と、
前記収容室を開閉可能な扉と、
前記扉の裏面に設けられたシール部材と、
前記カートの前記一部が前記開口部に挿入されていない状態において前記開口部を塞ぐカバー部材と、を備え
る貯蔵庫であって、
前記カバー部材は、
前記シール部材に対して後方から当接する第1壁部と、
前記第1壁部に対して後方に配され、前記開口部に嵌合される第2壁部と、を備え、
前記開口部構成部材は、
当該貯蔵庫の左右方向に沿って延びる第1延設部と、
前記第1延設部の前記左右方向の両端から上方に立ち上がる一対の第2延設部と、
前記第2延設部における前面に設けられた本体側シール部材と、を備え、
前記本体側シール部材は、前記開口部の前記開口縁部の一部を構成するものとされ、
前記カバー部材は、前記第1壁部の上端から後方に延び、後端において前記第2壁部の上端と接続される第3壁部を備え、
前記第3壁部は、一対の前記本体側シール部材の双方を上方から覆う形で配されている貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯蔵庫として、カートが収容されるものが知られている(下記特許文献1)。特許文献1には、カートの一部(基盤)が前方から進入可能な開口部を構成する開口部構成部材(カート受け)を備え、開口部構成部材における開口部の開口縁部(パッキン)によってカートの支持板を後方から受けることでカートが後方に変位することを規制する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成では、カートが庫内に収容されている状態では、カートによって開口部が塞がれる。一方、カートが庫内に配されていない状態では、開口部を通じて庫内の空気が外部に漏れる事態が懸念される。このため、カートが庫内に配されていない状態で庫内の空気が庫外に漏れる事態を抑制することが求められている。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、カートが庫内に配されていない状態で庫内の空気が庫外に漏れる事態を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の貯蔵庫は、前方に開口され、カートの一部を収容することが可能な収容室を有する箱状の貯蔵庫本体と、前記貯蔵庫本体の底壁部の前端部に設けられ、前記カートの前記一部を前方から挿入することが可能な開口部を構成する開口部構成部材であって、当該開口部構成部材における前記開口部の開口縁部によって前記カートを後方から受けることで前記カートが後方に変位することを規制する開口部構成部材と、前記収容室を開閉可能な扉と、前記扉の裏面に設けられたシール部材と、前記カートの前記一部が前記開口部に挿入されていない状態において前記開口部を塞ぐカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記シール部材に対して後方から当接する第1壁部と、前記第1壁部に対して後方に配され、前記開口部に嵌合される第2壁部と、を備えることに特徴を有する。
【0007】
カートが収容室(庫内)に収容されていないカート未収容状態において、カバー部材の第2壁部によって開口部が塞がれるため、開口部を通じて収容室の空気が庫外に漏れる事態を抑制できる。また、カバー部材は、扉側のシール部材と当接する第1壁部を備えることから、扉とカバー部材の隙間を通じて収容室の空気が庫外に漏れる事態を抑制できる。また、カバー部材において開口部を塞ぐ壁部(第2壁部)が第1壁部より後方(庫内側)に配されている。庫内と庫外の温度差がある場合、カバー部材の表面で結露が生じる事態が懸念される。第2壁部は相対的に庫内側にあるため、第2壁部において、結露が生じた場合には、結露水は庫内に落下し易い。つまり、第2壁部を設ける代わりに第1壁部の位置に「開口部を塞ぐ壁部」を設ける構成と比べて、結露水が庫外(前方)に落下する事態を抑制できる。
【0008】
また、前記開口部構成部材は、当該貯蔵庫の左右方向に沿って延びる第1延設部と、前記第1延設部の前記左右方向の両端から上方に立ち上がる一対の第2延設部と、前記第2延設部における前面に設けられた本体側シール部材と、を備え、前記本体側シール部材は、前記開口部の前記開口縁部の一部を構成するものとされ、前記カバー部材は、前記第1壁部の上端から後方に延び、後端において前記第2壁部の上端と接続される第3壁部を備え、前記第3壁部は、一対の前記本体側シール部材の双方を上方から覆う形で配されている。本体側シール部材によってカートを後方から受けることで、カートと開口部構成部材との間に隙間が生じる事態を抑制できる。また、上壁部によって、本体側シール部材を上方から覆うことで、意匠性を高くすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カートが庫内に配されていない状態で庫内の空気が庫外に漏れる事態を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る急速冷却庫を示す正面図
【
図3】収容室を開放した状態の急速冷却庫を示す正面図
【
図4】受け部構成部材付近を示す断面図(カート収容状態、
図1のIV-IV線で切断した図に対応)
【
図5】収容室を開放した状態の急速冷却庫を示す正面図(カート未収容状態)
【
図7】庫内を正面側から視た図(冷却ユニットの内部構造を示す断面図)
【
図8】急速冷却庫を横パッキン12Hに対応する箇所で切断した断面図(カート収容状態、
図4のVIII-VIII線で切断した図に対応)
【
図9】
図8において右側の延設部30付近を拡大した拡大図
【
図10】カバー部材を開口部構成部材に取り付けた状態の急速冷却庫を示す斜視図
【
図12】カバー部材を示す断面図(
図11のXII-XII線で切断した図に対応)
【
図13】カバー部材を示す断面図(
図12のXIII-XIII線で切断した図に対応)
【
図14】
図13において右側の延設部30付近を拡大した拡大図
【
図15】カバー部材を示す断面図(
図12のXV-XV線で切断した図に対応)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態1を
図1から
図15によって説明する。本実施形態では、貯蔵庫として、カートインタイプの急速冷却庫10(ブラストチラー)を例示する。急速冷却庫10は、
図1及び
図2に示すように、縦長の冷却庫本体11(貯蔵庫本体)と、扉12と、カート13と、を備える。冷却庫本体11は断熱箱体であり、前方に開口された箱状をなしている。冷却庫本体11の下面には、4つの脚部14が設けられている。冷却庫本体11は、4つの脚部14を介して、床面14Aに支持されており、冷却庫本体11の下面11Aと床面14Aとの間には隙間が設けられている。なお、以下の説明では、扉12側を前側、扉12とは反対側を後側として説明する。また、正面視(急速冷却庫10を前側から視た状態)における左右方向(
図1の左右方向)が急速冷却庫10の左右方向である。
【0012】
冷却庫本体11の内部である庫内は、
図5に示すように、被冷却物である食品が収容される収容室15と冷却ユニット16が設置される設置室17に分かれている。収容室15は、庫内の右側の領域であり、設置室17は、庫内の左側の領域である。収容室15は、前方に開口されており、扉12によって開閉可能な構成となっている。扉12は、右側の側端部において、冷却庫本体11に対してヒンジ12Aを介して回動可能に取り付けられている。なお、設置室17は、扉12の左側に配された扉17Aによって開閉可能となっている。また、
図1に示すように、扉12及び扉17Aは、ロック機構52によって閉状態で保持される構成となっている。なお、ロック機構52はレバー53を備え、レバー53を操作することで、ロック機構52による扉12及び扉17Aのロックを解除することが可能となっている。
【0013】
カート13は、
図2に示すように、キャスタ18を備えた方形枠状の台車部19と、カート本体部20と、カート本体部20と台車部19とを接続する接続部21と、を備える。接続部21は、台車部19の前端部から上方に立ち上がる一対の柱体22,22と、一対の柱体22,22の後面に設けられた板部23と、を備える。カート本体部20は、板部23の後面から後方に延びる基盤24と、基盤24上に設けられた縦長の門型をなす前後一対のフレーム25,25と、一対のフレーム25,25間に亘って複数段に設けられたトレイ受け26と、を備える。トレイ受け26には、
図3に示すように、トレイ26Aが載置され、そのトレイ26Aには被冷却物である食品が載置される。
【0014】
台車部19は、床面14A上を移動可能であり、基盤24は、
図2に示すように、台車部19の上方に配されている。そして、台車部19と基盤24との間には、冷却庫本体11の底壁部27を後方から挿入することが可能な隙間S1が設けられている。収容室15(庫内)には、カート本体部20(カートの一部)を前方から挿入することが可能となっている。
図4に示すように、カート本体部20を収容室15に収容した状態(カート収容状態)では、台車部19は、底壁部27の下方に配置されている。
【0015】
また、
図2に示すように、底壁部27の前端部(収容室15の開口側の端部)には、上方に開口された略U字状(浅いチャンネル形状)をなす開口部構成部材28が設けられている。開口部構成部材28は、
図5及び
図6に示すように、左右方向に沿って延びるブロック状の延設部29(第1延設部)と、延設部29の左右方向の両端から上方に立ち上がるブロック状の一対の延設部30,30(一対の第2延設部)と、延設部29の前面に設けられた横長のパッキン31と、延設部30の前面に設けられた縦長のパッキン32(本体側シール部材)と、を備える。一対の延設部30,30の間には、カート本体部20(より詳しくは基盤24)を前方から収容室15に挿入することが可能な開口部33が設けられている。つまり、開口部構成部材28は、開口部33を構成する部材である。延設部29及び延設部30は、例えば合成樹脂製のブロックによって構成されているがこれに限定されない。
【0016】
パッキン31,32,32は開口部33の開口縁部を構成するものとされる。カート収容状態では、
図4に示すように、パッキン31,32,32の前面がカート13の板部23に当接する。つまり、パッキン31,32,32は、カート13の板部23を後方から受けることでカート13が後方に変位することを規制するカート受け部であり、開口部構成部材28はカート受け部を構成する受け部構成部材である。なお、カート収容状態では、開口部33が板部23によって前方から塞がれる構成となっている。
【0017】
また、
図5に示すように、扉12の裏面における周縁部の4辺には、方形の枠状をなす扉パッキン12Dが設けられている。扉パッキン12Dは、左右一対の縦パッキン12E,12Fと、上下一対の横パッキン12G,12Hと、を備える。扉12が閉じた状態では、揺動開閉の基端側の縦パッキン12Eが、収容室15の前面開口の右側縁に当接され、上側の横パッキン12Gが、収容室15の前面開口の上縁に当接される。また、扉12が閉じた状態では、扉12の自由端側の縦パッキン12Fは、扉17Aの自由端側に設けられたピラー17D(
図3参照)の手前側の面に対して当接可能となっている。
【0018】
下側の横パッキン12Hは、
図4に示すように、扉12の裏面に設けられたシート部材12Bを介して、板部23の上端部に前方から押し付けられている。なお、横パッキン12Hの内部には磁石12Jが収容されており、磁石12Jによって金属製の板部23に対して横パッキン12Hを吸着させることで横パッキン12H、シート部材12B、板部23を密着させることが可能となっている。
【0019】
なお、扉12の裏面において開口部構成部材28と対向する箇所には、凹部51が形成されている。凹部51を設けることで、カート13の柱体22と扉12とが干渉する事態を避けることができる。また、シート部材12Bは、扉12の裏面から垂れ下がる形で設けられており、シリコンシート等の柔軟性を有する部材とされる。このため、
図4に示すカート収容状態では、シート部材12Bは、カート13の柱体22の形状に倣って変形することができる。
【0020】
図8及び
図9に示すように、カート13の板部23は一対のパッキン32,32の双方に前方(
図8では下側)から当接する構成となっている。なお、パッキン32は、
図9に示すように、延設部30に形成された凹部30Aに嵌合されている。また、シート部材12Bは、
図8に示すように、板部23及び一対の延設部30,30の各前面に前方から当接する構成となっている。横パッキン12Hは、左右方向の長さがシート部材12Bの左右方向の長さよりも大きい構成となっている。このように、本実施形態では、横パッキン12H及びシート部材12Bによって、扉12と板部23との間の隙間が塞がれている。言い換えると、横パッキン12H及びシート部材12Bは、扉12の裏面に設けられたシール部材を構成するものとされる。
【0021】
図7に示すように、設置室17には、冷却ユニット16が設置されている。冷却ユニット16は、2基の冷却器35(蒸発器)と3基の庫内ファン36とをケーシング37内に収めてユニット化したものである。冷却器35は、収容室15(庫内)を冷却するためのもので、庫内ファン36に対して左側に配されている。冷却器35は、冷媒配管を介して、外部に設けられた図示しない冷凍装置(圧縮機及び凝縮器)と循環接続されることで冷凍サイクルを構成するものとされる。なお、冷凍装置を構成する各機器(圧縮機、凝縮器、凝縮器ファン等)は、例えば冷却庫本体11の上方に設けられた機械室38に配されていてもよい。
【0022】
収容室15を冷却する冷却運転において、冷凍装置と庫内ファン36とが運転されると、収容室15の空気がケーシング37内に吸引され、冷却器35を通過する際に冷やされることで冷気となり、ケーシング37から左側に吹き出された冷気が設置室17を構成する左側の壁部17Bに当たった後、ケーシング37を回り込むようにして収容室15に送り込まれる。このような空気の循環が連続的に行われることで収容室15が冷却される。また、冷却器35の右側面には、ヒータ39が設けられている。ヒータ39は、庫内を乾燥させる乾燥運転を行う際等に用いられる。このような乾燥運転は、例えば庫内の洗浄を行った後に実行される。
【0023】
上述したように、本実施形態では、扉パッキン12Dによって、扉12と冷却庫本体11との間の隙間が塞がれることで、収容室15の冷気が庫外に漏れる事態が抑制されている。カート収容状態では、扉パッキン12Dのうち横パッキン12Hがカート13の板部23との隙間を埋める構成となっている。しかしながら、予冷運転を行う場合には、カート13を冷却庫本体11に装着せずに収容室15を冷却する場合があり、このようなカート未収用状態(カート本体部20が開口部33に挿入されていない状態)では、開口部33を塞ぐための板部23が存在しないことになる。このため、本実施形態の急速冷却庫10は、
図10に示すように、カート未収用状態において、板部23の代わりに開口部33を塞ぐカバー部材60を備える。次にカバー部材60の構成について説明する。
【0024】
カバー部材60は、
図11に示すように、前側に配される前壁部61(第1壁部)と、前壁部61に対して後方に配される後壁部62(第2壁部)と、前壁部61の上端から後方に延び、後端において後壁部62の上端と接続される上壁部63(第3壁部)と、上壁部63の上面に設けられた取手部64と、を備える。前壁部61の前面は、
図12に示すように、シート部材12Bに対して後方から当接する構成となっている。言い換えると、前壁部61の前面には、シート部材12Bを介して横パッキン12Hが押し当てられている。前壁部61は、左右方向に長い板状をなし、
図13及び
図14に示すように、前壁部61の後面(
図13、
図14では上側の面)は、左右一対のパッキン32,32の双方に当接する構成となっている。つまり、本実施形態では、庫外側から、横パッキン12H、シート部材12B、前壁部61、パッキン32、後壁部62の順番で配されている。
【0025】
後壁部62は、左右方向に長い板状をなし、
図13及び
図15に示すように、一対の延設部30,30の間に配されている。つまり、後壁部62は、開口部33に嵌合されている。これにより、開口部33は、後壁部62によって塞がれている。上壁部63は、
図10に示すように、左右方向の長さが一対のパッキン32,32に跨る長さで設定されている。これにより、上壁部63の長手方向における一端部は、左側のパッキン32(ひいてはパッキン32が嵌合されている凹部30A、
図6参照)を上方から覆う形で配されており、上壁部63の長手方向における他端部は、右側のパッキン32を上方から覆う形で配されている。
【0026】
なお、予冷運転等が終了した後、カート13を収容室15に収容する際には、作業者は、カバー部材60を開口部構成部材28から取り外すことで開口部33を開放する。カバー部材60は、取手部64を備えることから、作業者は、取手部64を把持することで容易にカバー部材60を開口部構成部材28から取り外すことができる。
【0027】
次に本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、カート13が収容室15(庫内)に収容されていないカート未収容状態において、カバー部材60の後壁部62によって開口部33が塞がれるため、開口部33を通じて収容室15の空気(冷却運転時の冷気や乾燥運転時の蒸気)が庫外に漏れる事態を抑制できる。また、カバー部材60は、扉側のシート部材12Bと当接する前壁部61を備えることから、扉12とカバー部材60の隙間を通じて収容室15の空気が庫外に漏れる事態を抑制できる。また、カバー部材60において開口部33を塞ぐ壁部(後壁部62)が前壁部61より後方(庫内側)に配されている。
【0028】
庫内と庫外の温度差がある場合、カバー部材60の表面で結露が生じる事態が懸念される。後壁部62は前壁部61に対して相対的に庫内側にあるため、後壁部62において、結露が生じた場合には、結露水は庫内(延設部29上)に落下し易い。つまり、後壁部62を設ける代わりに、前壁部61の位置に「開口部33を塞ぐ壁部」を設ける構成と比べて、結露水が庫外(前方)に落下する事態を抑制できる。
【0029】
また、パッキン32によってカート13(板部23)を後方から受けることで、カート13と開口部構成部材28との間に隙間が生じる事態を抑制できる。また、上壁部63によって、パッキン32を上方から覆うことで、意匠性を高くすることができる。
【0030】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、貯蔵庫として急速冷却庫を例示したが、これに限定されない。本発明は、カートを備える貯蔵庫に対して適用することができる。
(2)上記構成において、シート部材12Bを備えておらず、横パッキン12Hが板部23(又は前壁部61)に直接的に当接していてもよい。つまり、扉12の裏面に設けられたシール部材が横パッキン12Hのみによって構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0031】
10…急速冷却庫(貯蔵庫)、11…冷却庫本体(貯蔵庫本体)、12…扉、12B…シート部材(シール部材)、12H…横パッキン(シール部材)、13…カート、15…収容室、20…カート本体部(カートの一部)、27…底壁部(貯蔵庫本体の底壁部)、28…開口部構成部材、29…延設部(第1延設部)、30…延設部(第2延設部)、31…パッキン(開口部の開口縁部)、32…パッキン(本体側シール部材、開口部の開口縁部)、33…開口部、61…前壁部(第1壁部)、62…後壁部(第2壁部)、63…上壁部(第3壁部)