(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】インデックスされる駆動システム
(51)【国際特許分類】
A61C 17/26 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
A61C17/26
(21)【出願番号】P 2019522874
(86)(22)【出願日】2017-10-30
(86)【国際出願番号】 EP2017077711
(87)【国際公開番号】W WO2018083048
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-01
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IE
(73)【特許権者】
【識別番号】315010950
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン コンシューマー ヘルスケア(ユーケー) アイピー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダイアモンド,デヴィッド
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-523239(JP,A)
【文献】特開平07-303522(JP,A)
【文献】特開2015-096197(JP,A)
【文献】独国特許発明第03922889(DE,C2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動歯ブラシ用の駆動システムであって、
インナーシャフトがアウターシャフトを越えて延びている同心インナー及びアウター回転可能シャフトと、
前記インナーシャフト
のまわりに配置され、前記インナーシャフトの縦方向に相互に変位可能なキャリッジ
を備えるインデックスアセンブリと、
前記インナーシャフトから前記キャリッジまで駆動力を伝達するように選択的に操作可能な第1のカップリングと、
を備え、
前記駆動システムは、前記キャリッジの一方向への直線変位を前記キャリッジの第1の制限された角変位に変換させ、かつ、前記キャリッジの前記第1の方向とは反対の第2の方向への直線変位を前記キャリッジの制限された第2の角変位に変換させるための一対の前記コンバータを有する駆動システム。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動システムであって、
少なくとも第1のコンバータは、カムとフォロワとを備える駆動システム。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動システムであって、
前記カムは、前記シャフトに対して相対的に固定され、前記フォロワは、前記キャリッジに設けられる駆動システム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の駆動システムであって、
前記カムは、前記シャフトと同心のヘリカルカム表面を画定する駆動システム。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の駆動システムであって、
前記フォロワは、前記キャリッジの端部から縦方向に延びている駆動システム。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の駆動システムであって、
前記フォロワは、直径方向に対向する一対のフォロワ要素を有する駆動システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の駆動システムであって、
前記コンバータの1つは、前記キャリッジの前記対向する端部のそれぞれから縦方向に延びる駆動システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項
7のいずれか1項に記載の駆動システムであって、
前記駆動システムは、前記キャリッジの前記直線変位を生じさせるように操作可能なアクチュエータを備える駆動システム。
【請求項9】
請求項
8に記載の駆動システムであって、
前記アクチュエータは、前記キャリッジを囲む輪帯状チャネルで受けられる分岐したヨークを有する駆動システム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項
9のいずれか1項に記載の駆動システムであって、
前記第1のカップリングは、前記キャリッジの直線変位に応じて選択的に操作可能である駆動システム。
【請求項11】
請求項
10に記載の駆動システムであって、
前記第1のカップリングは、前記インナーシャフト上
の第1のタブと、前記キャリッジ上
の対応する第2のタブとを備える駆動システム。
【請求項12】
請求項1乃至請求項
11のいずれか1項に記載の駆動システムであって、
前記第2のカップリングは、
前記キャリッジと前記アウターシャフトとの間に設けられるキー及びキー溝を有し、前記キャリッジ
から前記第2のシャフトまで駆動力を伝達するために設けられる駆動システム。
【請求項13】
電動歯ブラシであって、
請求項1乃至請求項
12のいずれか1項に記載の駆動システムを備える電動歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の同心円状に配置された駆動シャフトに様々な駆動モードを選択的に付与するためのインデックスされる駆動システムに関連し、例えば、歯ブラシのヘッドに様々なブラッシング動作を付与するために電動歯ブラシ等で使用されてもよい。
【背景技術】
【0002】
当技術分野において、様々な用途向けの電動又は動力機械化されたツールが周知されている。特に、電動歯ブラシ等(しかしこれに限らない)の電気ブラシを参照すると、従来の電動歯ブラシの大半は、歯、舌、歯茎及び口のその他の部位をブラッシングするために、機械的駆動によってブラッシング動作を適用するので、結果として、歯を洗浄するために必要な手動の力が減少する一方、都合よく手動で再現できないかもしれないブラッシング動作を提供することにもなる。これに加えて、既知の歯ブラシは、双方向、複数方向又は散乱ブラッシング動作を提供し、これらの様々に定義されるブラッシング動作でブラシのヘッドを駆動するために使用される1以上のシャフトを使用することが知られている。しかしながら、機械化歯ブラシによって生まれるブラッシング動作の方向は、機械化歯ブラシが接触する口又は歯の部位に限らず、一般的に同じである。しかしながら、歯、歯茎及び舌の全ての部位を洗浄するには、この単一の不可変動作は一般的には効果的又は効率的ではない。
【0003】
出願人の先の欧州特許EP2142138号は、改善された電動歯ブラシを開示している。改善された電動歯ブラシは、チャネルを通って上向きに延び、特に、ヘッドの中心を通る第1軸回りにヘッドが回転する第1動作及び実質的に第1軸に垂直な第2軸回りにブラシヘッドが回転する第2動作である、第1及び第2の独立したブラッシング動作を、ヘッドに付与するように構成されているモータ及び駆動手段の形態の電気駆動手段に加えて、互いに分離した2つの実質的に半球状のセクションを有する実質的に球状のブラシヘッドを組み込んでいる。このようにして、洗浄されている口の部位に応じて選択できる多数の改善したブラッシング動作が実現されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、このような機械化ツール、特に、モータから機械化ツールのヘッド等の駆動されるコンポーネントへの駆動力の付与をより正確に制御できる、電動歯ブラシのための改善された駆動システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、インナーシャフトがアウターシャフトを越えて延びている同心インナー及びアウター回転可能シャフトと、前記インナーシャフトの前記延びている部分のまわりに配置され、前記インナーシャフトの縦方向に相互に変位可能なキャリッジと、前記キャリッジの直線変位を前記キャリッジの制限された角変位と変換させるための少なくとも第1のコンバータとを備えるインデックスアセンブリと、前記インナーシャフトから前記キャリッジまで駆動力を伝達するように選択的に操作可能な第1のカップリングと、前記キャリッジから前記第2シャフトまで駆動力を伝達するように選択的に操作可能な第2のカップリングと、を備える駆動システムが提供されている。
【0006】
好適には、前記少なくとも第1のコンバータは、カムとフォロワとを備える。
【0007】
好適には、前記カムは、前記シャフトに対して相対的に固定され、前記フォロワは、前記キャリッジに設けられる。
【0008】
好適には、前記カムは、前記シャフトと同心のヘリカルカム表面を画定する。
【0009】
好適には、前記フォロワは、前記キャリッジの端部から縦方向に延びている。
【0010】
好適には、前記フォロワは、直径方向に対向する一対のフォロワ要素を有する。
【0011】
好適には、前記インデックス機構は、前記キャリッジの一方向への直線変位を前記キャリッジの第1の制限された角変位に、前記キャリッジの前記第1の方向とは反対の第2の方向への直線変位を前記キャリッジの制限された第2の角変位に変換させるための一対の前記コンバータを有する。
【0012】
好適には、前記コンバータの1つは、前記キャリッジの前記対向する端部のそれぞれから縦方向に延びる駆動システム。
【0013】
好適には、前記駆動システムは、前記キャリッジの前記直線変位を生じさせるように操作可能なアクチュエータを備える。
【0014】
好適には、前記アクチュエータは、前記キャリッジを囲む輪帯状チャネルで受けられる分岐したヨークを有する。
【0015】
好適には、前記第1のカップリングは、前記キャリッジの直線変位に応じて選択的に操作可能である。
【0016】
好適には、前記第1のカップリングは、前記インナーシャフト上に第1のタブと、前記キャリッジ上に対応する第2のタブとを備える。
【0017】
好適には、前記第2のカップリングは、前記キャリッジの直線変位に応じて選択的に操作可能である。
【0018】
好適には、前記第2のカップリングは、前記キャリッジと前記アウターシャフトとの間に設けられるキー及びキー溝を備える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、これより添付図面を参照して説明されている。
【
図1】動作の第1モードにおける、本発明の実施形態による駆動システムが組み込まれた電動歯ブラシの模式的な側立面図を示す。
【
図2】動作の第2モードにおける、駆動システム付きの
図1に示される電動歯ブラシを示す。
【
図3】動作の第3モードにおける、駆動システム付きの
図1の電動歯ブラシを示す。
【
図4】動作の第4モードにおける、駆動システム付きの
図1の電動歯ブラシを示す。
【
図5】インデックスアセンブリが非係合位置にある、
図1乃至
図4に示される駆動システム部分の拡大図を示す。
【
図6】インデックスアセンブリが部分的に係合位置にある、
図5の配置を示す。
【
図7】係合位置にある、
図5及び
図6のインデックスアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照すると、電動歯ブラシTに組み込まれて示される駆動システム10が示されているが、以下に説明されるように、同期的に又は独立的に回転してもよい、一対の同心駆動シャフトから付与される様々な駆動モードで、他の機械化ツールにおいても駆動システム10が使用され得るということが、以下の説明から理解されるであろう。
【0021】
示される実施形態において、駆動システム10は、電動歯ブラシTのハウジング又はボディB内部に完全に収容されることとなる。電動歯ブラシTの小部分が図示されている。説明されているように、ボディBは、使用の際、駆動システム10の仕組みを完全に包み込むことが理解されるであろう。これに加えて、また、殆どの従来の電動歯ブラシがそうであるように、ボディBは、歯ブラシT、ボディBの一端から突出し添付図面では
図1乃至
図4においてボディBの右側にあるヘッドHのハンドルとして機能することが想定される。ボディBは、例えば、1以上のバッテリ(図示省略)を収容し、歯ブラシTの旋回等を制御するために、示されるよりもさらに左側に延びてもよい。電気モータMが示され、電気モータMは、以下に説明されているように、ヘッドHに駆動力を伝達するために使用の際に動作可能である。
【0022】
駆動システム10はこのように、一対の同心駆動シャフト、すなわちモータMにより直接的に駆動されるインナーシャフト12及びインナーシャフト12のまわりにスリーブを効果的に形成する同心アウターシャフト14を備える。アウターシャフト14は、インナーシャフト12の全長をカバーせず、インナーシャフト12の一部は、モータMからカバーされていない。インナーシャフト12とアウターシャフト14とは、モータMの遠位位置からヘッドHまで重なり、ヘッドHのリング形状サポートSがアウターシャフト14と一体的に形成され、以下に説明されているようにアウターシャフト14と共に回転する。インナーシャフト12は、リング形状サポートSの内部に突出するように、アウターシャフト14を越えて短い距離だけ延びていることが好ましい。ここで、例えば、ベベルギヤ(図示省略)等が、インナーシャフト12を介してモータMからヘッドHまで駆動力を伝達するためにインナーシャフト12の自由端に取り付けられてもよい。
【0023】
動作の1つのモードにおいて、アウターシャフト14は、インナーシャフト12に対して動かなくされる一方、インナーシャフト12は、インナーシャフト12の縦軸に実質的に垂直に延びている軸回りにヘッドHの2つの半球状セクション(図示省略)の回転を生じさせるため、モータMによって駆動される。動作のこのモードにおいて、アウターシャフト14と、その結果として、サポートSとは、ヘッドHの2つの半球状セクションがその上で回転する間、動かないままであり、サポートSは、原則的に、2つの半球状セクションがその上で回転するブッシングを形成する。動作の第2モードにおいて、インナーシャフト12及びアウターシャフト14は、互いに同期的に駆動され、このモードにおいては、ヘッドHの一対の半球状セクションは、サポートSに対して動かないままではあるが、アウターシャフト14も回転しているのでサポートSが回転し、これによって、インナーシャフト12の縦軸に同軸である軸回りにヘッドHの回転を生じさせる。両方の場合において、ヘッドHの回転方向は、以下に説明するように、逆向きにされてもよく、このことによって、ブラッシングされている口の特定位置に合うようにヘッドHの回転方向が選択されることを可能にし、すなわち例えば、歯ブラシの向きが逆向きにされる際に、口の一方側からもう片方側へ回転方向を逆向きにすることを可能とする。
【0024】
動作の第1モードにおいて、サポートSは動かないようにされ、インナーシャフト12のみが回転する。しかしながら、例えば、垂直下向き方向に歯茎をブラッシングする等のブラッシング動作を最も効果的に実施するために、動作のこのモードにおけるヘッドHの回転軸が、好適な向きを取るように、特定の向きで保持されるサポートSと共にアウターシャフト14が動かないようにされることが望ましい。よって、駆動システム10の要求事項は、アウターシャフト14及びサポートSの位置を、別名で「インデックスすること」として知られ、動作のモードが動作の第1モードに第2モードから戻される際に、この所定の向きにアウターシャフト14が位置することを確保できるようにすることである。
【0025】
そのため、駆動システム10は、上記インデックスすることを生じさせるために操作可能であり、インデックスアセンブリ16を備える。インデックスアセンブリ16は、インナーシャフト12及びアウターシャフト14が同期的に回転する動作の第2モードを生じさせるインナーシャフト12からアウターシャフト14へ駆動力の伝達を生じさせることに加えて、以下に説明されるように少なくとも1つの所定の向きにアウターシャフト14をインデックスすることを生じさせるために操作可能である。インデックスアセンブリ16は、キャリッジ18を備える。キャリッジ18は、本実施形態で示されるものは中空円筒形態であり、インナーシャフト12の露出部分回りに同心円状に取り付けられ、インデックスアセンブリ16の部分を形成する第1ガイド20と第2ガイド22との間で、インナーシャフト12上で縦方向に変位可能でもありながら、インナーシャフト12から独立的又はインナーシャフト12と同期的の両方で回転できる。示される実施形態では、第1及び第2ガイド20、22は、歯ブラシTのボディBに固定され、第1及び第2ガイド20、22をそれぞれ通るインナー及びアウターシャフト12、14用のサポートとして機能する。このように、円筒キャリッジ18は、これら第1及び第2ガイド20、22間に捕らえられ、第1及び第2ガイド20、22に独立的に接触するために、インナーシャフト12に沿って、縦方向に変位してもよい。キャリッジ18のこの縦方向の変位を生じさせるために任意の適切な手段が提供されてもよく、示される実施形態では、分岐したレバー24が、キャリッジ18の外側に形成された輪帯状チャネル26回りに係合され、ボディB内に捕らえられたキャリッジ18の直線変位を生じさせるために、ヘッドHに向かって又はヘッドHから離れるようにレバー24を手動で押すことができる歯ブラシTのユーザによってアクセス可能となるように、レバー24は、使用の際、ボディBを通って突出する。
【0026】
特に、
図5乃至
図7を参照し、インデックスアセンブリ16は、キャリッジ18の直線変位をキャリッジ18の制限された角変位に変換するための第1のコンバータをさらに備え、第1のコンバータは、第1ガイド20と、第1ガイド20に隣接するキャリッジ18の自由端に形成される第1フォロワ28とを備える。
図5乃至
図7において、明示目的のために、第1フォロワ28は、キャリッジ18の残りの部分から分離されて示されている。第1フォロワ28は、それぞれ、その自由端で回転自在ホイール32を組み込む、直径方向に対向する一対のフォロワ要素30を備える。ホイール32は、フォロワ要素30からなくすことも可能又は例えば、フォロワ要素30の自由端のソケットに収容される自由に動くボール等、その他の機能的代替手段と交換することも可能である。第1ガイド20は、カム34の頂点38の実質的に垂直向きから頂点38の遠位の実質的に水平な向きへ進むらせん状経路をそれぞれ画定する鏡面の一対の対向及び分岐するカム表面36を有する第1カム34を備える。
【0027】
そのため、キャリッジ18の角度方向にかかわらず、第1ガイド20に向かうキャリッジ18の直線変位は、フォロワ要素30の一方又はもう片方がカム表面36の1つに接触する結果となることが理解されるであろう。さらに、第1ガイド20に向かうキャリッジ18の直線変位は、フォロワ要素30のホイール32がヘリカルカム表面36に沿ってカム表面36の水平端部に向かって転がるにつれ、キャリッジ18の角変位を生じ始める。この時点で、2つのフォロワ要素30は、2つのカム表面36の水平部に対して係合し、これにより、キャリッジ18が回転を受けることを防ぐよう機能すると同時に、キャリッジ18が、以下において第1インデックス位置と呼ばれる所定の角度方向にあることを確保する。この位置において、インナーシャフト12は、キャリッジ18内で未だ自由に回転できる。そのため、第1ガイド20に対するキャリッジ18の直線変位は、キャリッジ18の同時回転変位を生じさせるが、この回転変位は、キャリッジをフォロワ要素30が水平配向になるまで回転させることに限られる。
【0028】
同様に、キャリッジ18は、第2ガイド22に向かって直線的に変位し、第2ガイド22と接触してもよく、キャリッジ18は、また、その自由端に回転自在ホイール32がそれぞれ好適に設けられている一対のフォロワ要素30を備える第2フォロワ40を備える。しかしながら、第2フォロワ40は、第2インデックス配向を提供するため、第2ガイド22に対して係合した時に、第1配向と90度位相がずれた第2配向にキャリッジ18をインデックスさせることができるように、第1フォロワ28の配向と90度位相がずれている。これら第1及び第2インデックス配向は、
図1及び
図4にそれぞれ示されている。第1インデックス配向では、サポートSが実質的に垂直な配向に位置する一方、第2インデックス配向では、サポートSが実質的に水平な配向に位置する、換言すれば、互いに対し90度の位置にあることがわかる。
【0029】
駆動力がインナーシャフト12からキャリッジ18に選択的に伝送されることを可能にするために、駆動システム10は、キャリッジ18の内部にあたるインナーシャフト12の位置から放射状に外側に向かって突出する第1のタブ42と、キャリッジ18の内壁から放射状に内側に向かって突出する対応する第2のタブ44とを備える第1のカップリングを備える。第1のタブ42は、キャリッジ18が第1ガイド20又は第2ガイド22に対してインデックスされる時以外に第2のタブ44と重なる。このように、
図1乃至
図4を参照すると、第1及び第2のタブ42、44は、
図1及び
図4では重ならないが、
図2及び
図3では重なる。
図2では、インナーシャフト12は第1の方向に駆動され、
図3では、反対方向に駆動される。第1及び第2のタブ42、44は重なると、インナーシャフト12からキャリッジ18に駆動力が伝達されるようになり、それによりキャリッジ18が同期的に駆動される。キャリッジ18からアウターシャフト14にこの駆動力を伝達するために、アウターシャフト14はキャリッジ18の内部に延びるように寸法が決められ、これによって、キャリッジ18とキャリッジ18の全ての線形位置において重なる。駆動システム10は、キャリッジ18の線形位置にかかわらず、キャリッジ18とアウターシャフト14とを回転的に接続するように操作可能な第2のカップリングを備える。第2のカップリングは、アウターシャフト14に縦方向に形成されたキー溝46と、キャリッジ18の内部に固定され、キー溝46に摺動して受け入れられる対応キー48とを備える。
【0030】
このように、キャリッジ18が第1及び第2ガイド20、22間で直線的に変位する間、キー溝46及びキー48は係合したままで、従って、アウターシャフト14の角度方向はキャリッジ18の角度方向と同期する。そのため、キャリッジ18の角度位置をインデックスすることによる結果として、アウターシャフト14及び一体化されたサポートSの角度方向を、
図1及び
図4に示されるように生じさせることができることが理解されるであろう。これらの位置において、第1及び第2のタブ42、44は非係合であり、従って、インナーシャフト12からキャリッジ18を介してアウターシャフト14に駆動力が伝達されない。結果として、サポートSは、第1又は第2インデックス位置のいずれかにインデックスされ、第1駆動モード、すなわち歯ブラシTのヘッドHのブラッシングモードに作用するためにインナーシャフト12のみが駆動される間、この位置に保持される。
【0031】
そして、もしキャリッジ18が、第1又は第2ガイド20、22のいずれかと見当がずれて変位すると、第1及び第2のタブ42、44が係合し、従って、インナーシャフト12からキャリッジ18へ、アウターシャフト14へのキー溝46及びキー48を介して、駆動力の伝達を生じさせる。このように、インナーシャフト12及びアウターシャフト14の両方が互いに、
図2に示されるような第1の方向か、又はモータMを逆転することにより
図3に示されるような第2の反対方向に駆動されるかのいずれかで同期的に駆動される。このモータMの方向の逆転は、ユーザによる手動スイッチングを通して又は例えば、駆動システム10又は歯ブラシTの一部を形成し、歯ブラシTの向きを検知するために及びモータMの方向の自動スイッチングを生じさせるために操作可能であってもよい、1以上のセンサ(図示省略)を通してかのいずれかで、任意の適切な手段によって生じさせてよい。その後、動作の第1モードに戻る手動又は自動スイッチングが行われると、例えば、キャリッジ18を第2ガイド22に対して直線変位させることで、同時に、駆動力がこれ以上キャリッジ18を通ってアウターシャフト14に伝達されないように、第1及び第2のタブ42、44が非係合となる間、キャリッジ18及びそれに従ってサポートSが第2インデックス位置にインデックスされる。アウターシャフト14は、こうして、インナーシャフト12は駆動力をヘッドHへ伝達するために独立的に回転する間、再度、不動で、所定又はインデックス配向にある状態となる。
【0032】
そのため、本発明の駆動システム10は、同期的に又は独立的に駆動されてもよい一対の同心シャフトの、少なくとも第1インデックス位置に、好適には一対のインデックス位置にインデックスすることを生じさせる手段を提供することが理解されるであろう。
【0033】
本発明は、本明細書中に説明されている実施形態に限らず、本発明の適用範囲から逸脱することなく修正又は変更できる。