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特許7174708ブランケット・モジュールを核融合炉真空容器に固着させるための装置
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  • 特許-ブランケット・モジュールを核融合炉真空容器に固着させるための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ブランケット・モジュールを核融合炉真空容器に固着させるための装置
(51)【国際特許分類】
   G21B 1/13 20060101AFI20221110BHJP
   G21B 1/17 20060101ALI20221110BHJP
   G21B 1/11 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G21B1/13
G21B1/17 B
G21B1/11 F
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019547434
(86)(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 RU2018000128
(87)【国際公開番号】W WO2018160101
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2019-10-30
(31)【優先権主張番号】2017106987
(32)【優先日】2017-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】516219347
【氏名又は名称】ステート・アトミック・エナジー・コーポレーション・ロスアトム・オン・ビハーフ・オブ・ザ・ロシアン・フェデレーション
【氏名又は名称原語表記】STATE ATOMIC ENERGY CORPORATION ‘ROSATOM’ ON BEHALF OF THE RUSSIAN FEDERATION
【住所又は居所原語表記】B. Ordynka st., 24 Moscow, 119017 Russia
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】コルガノフ、ブラディミル・ユリエビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ポドゥブニー、イバン・イゴレビッチ
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-098391(JP,A)
【文献】G. K. Sysoev A.V. Razmerov,Design of a Versatile Attachment Unit for Iter Blanket Module,Plasma Devices and Operations,2010年10月27日,Vol. 10(4) ,p.291-299
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21B 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランケット・モジュール(4)熱核反応炉の真空容器(2)に固着させるための装置であって、該装置は、2つのフランジ、前記2つのフランジの間に設置された可撓性ロッド要素、及び弾性クランプスリーブ(3)を備えた支持体(1)を含み、
前記支持体(1)は、前記2つのフランジの一方によって前記ブランケット・モジュール(4)に接合されるように構成されているとともに、他方のフランジによって前記真空容器(2)のねじ込み取付座部に取り付けられるように構成されており、前記真空容器(2)に面する支持フランジ(1)の内面との接触を提供するように、前記支持体(1)上に取り付けられるように構成された前記弾性クランプスリーブ(3)を用いてねじ込み接合で前記真空容器(2)に結合されるように構成されている装置において
前記支持体(1)前記可撓性ロッド要素が前記2つのフランジの中央部に束状に配置され、前記真空容器(2)に面する前記支持フランジ(1)の直径は、取り付けの際、前記真空容器(2)に面する前記支持フランジ(1)と前記取付座部との間に径方向の遊隙が形成されるように選択されることを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱核融合の分野に関し、ブランケット・モジュールを核融合炉の真空容器に固着させるための装置において使用されうる。
【背景技術】
【0002】
複数のフランジ間に設置された複数の可撓性ロッド要素を有する支持体を備えた、ブランケット・モジュールを熱核反応炉の真空容器に固着させるための装置が知られており、該支持体は、フランジの一方によってブランケット・モジュールに接合され、もう一方のフランジによって真空容器内のねじ込み取付座部に取り付けられている(RF Patent No. 2491663, IPC G21B1/13, 08/27/2013公開)。
【0003】
この既知の装置において、可撓性ロッド要素(棒)がフランジの周囲(外周)に等間隔に置かれて内部空洞を形成しており、その内部に、頭部が真空容器に面するとともにねじ込み部がモジュールに接合された状態でボルトが位置付けられている。支持フランジには、雄ねじが設けられており、フランジの一方は、容器の取付座部とのねじ込み接合を形成し、もう一方のフランジは、ボルトおよびオフセット補償器を用いてモジュールとのねじ込み接合を形成する。
【0004】
ブランケット・モジュールを熱核反応炉の真空容器に固着させるための既知の装置の1つの欠点は、平面における2座標の組立誤差を補正することができないことに起因する、ブランケット・モジュールを真空容器に取り付けるための設置作業の複雑性およびその長さである。よって、製造された部品に逸脱があると、現場での各組立体の追加の機械加工の必要性が生じる。また、既知の装置のもう1つの欠点は、ねじ込み接合部にロッキング要素がないことに起因する、ブランケットの動作に特有の繰り返し荷重条件下での可撓性支持体のフランジと真空容器との間のねじ込み接合部の緩みである。ねじ込み接合の締め付け力を減少させることは、接合の繰り返し強度の急激な低下およびその損失につながる。
【0005】
本質的な特徴全体の観点から、請求項に記載された発明に最も近いものは、複数のフランジ間に設置された複数の可撓性ロッド要素を有する支持体を備えた、ブランケット・モジュールを熱核反応炉の真空容器に固着させるための装置であり、該支持体は、フランジの一方によってブランケット・モジュールに接合され、他方のフランジによって真空容器のねじ込み取付座部に取り付けられ、真空容器に面するとともに容器の取付座部とのねじ込み接合を形成する支持フランジの内面との接触を提供するように、支持体上に取り付けられた弾性クランプスリーブを用いてそれに結合されている(RF Patent No. 30023, IPC G21B1/00, 06/10/2003公開)。
【0006】
この既知の装置において、可撓性ロッド要素(棒)がフランジの周囲(外周)に等間隔に置かれて内部空洞を形成しており、その内部に、頭部が真空容器に面するとともにねじ込み部がモジュールに接合された状態でボルトが位置付けられている。容器に面している支持フランジには突出部が設けられており、これが真空容器の取付座部に隙間なく取り付けられている。取付座部の基部に面する弾性クランプスリーブの端部には、スリーブに弾性特性を付与するための複数の穴が設けられている。この既知の装置は、弾性クランプスリーブを用いて支持体の締め付け力を真空容器の取付座部に保持することによって、接合に要求される繰り返し強度を提供する。
【0007】
ブランケット・モジュールを熱核反応炉の真空容器に固着させるためのこの既知の装置の1つの欠点は、ブランケット・モジュールを真空容器に取り付けるための設置作業の複雑さおよび長さである。これは、支持フランジが真空容器の取付座部に隙間なく配置されており支持フランジが径方向の移動を行えないためだけでなく、真空容器の取付座部が制限された状態で取り付けられなければならないものである装置の(平面における)横方向寸法が増大するために、ブランケット・モジュールを真空容器に取り付ける際に平面における2座標の誤差を補正することができないことから、現場での各組立体の追加の機械加工が要求されることに起因するものである。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施は、真空容器の取付座部が制限された状態で熱核反応炉の真空容器上にモジュールを取り付けることの困難性から生じる技術的問題を解決することができ、設置作業を単純化かつ迅速化することができる。
【0009】
本発明の技術的結果は、装置の(平面における)横方向寸法を減少させ、支持フランジの取付座部への取り付けの際(締め付け前)の径方向の自由な移動を可能にすることによって、真空容器上の取付座部の配置から生じる制限条件下でブランケット・モジュールを真空容器に設置する際、平面における2座標の組立誤差の補正を提供することである。
【0010】
上記技術的成果は、2つのフランジの間に設置された可撓性ロッド要素を備える支持体を含む、熱核反応炉の真空容器にブランケット・モジュールを固着させるための既知の装置において、該支持体が、2つのフランジの一方によってブランケット・モジュールに接合され、他方のフランジによって真空容器のねじ込み取付座部に取り付けられ、真空容器に面する支持フランジの内面との接触を提供するように、支持体に取り付けられた弾性クランプスリーブを用いてねじ込み接合でそれに結合されており、請求項に記載された発明に従い、支持体の可撓性ロッド要素が2つのフランジの中央部に束状に配置され、取り付けの際、支持フランジと取付座部との間に径方向の遊隙が形成されるように、真空容器に面する支持フランジの直径と取付座部の直径とが選択されることによって達成される。
【0011】
既知のプロトタイプ装置と比較して、請求項に記載された本質的な特徴の組み合わせを実施する装置は、装置の(平面における)横方向寸法を減少させることによって、真空容器の取付座部のスペースを空けるだけでなく、設置の際(締め付け前)に真空容器の取付座部とフランジとの間の径方向の(環状)調整用隙間内を支持フランジが移動可能にすることによって、モジュールの支持体と固着点との必要な位置合わせを形成することで、ブランケット・モジュールを真空容器上に設置する際の平面における2座標の誤差補正を提供する。束状のフランジの中央部に支持体の可撓性ロッド要素を配置することは、弾性クランプスリーブを支持フランジの空き領域にコンパクトに配置することを可能にし、それによって、プロトタイプと比較して、装置の(平面における)横方向寸法を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の本質は、ブランケット・モジュールを熱核反応炉の真空容器に固着させるための装置を示す図面によって図示される(概略断面図)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ブランケット・モジュールを熱核反応炉の真空容器に固着させるための装置は、2つのフランジを有する支持体1を備え、支持体1は、一方のフランジによって真空容器2のねじ込み取付座部内に取り付けられている。真空容器2に面する支持フランジ1の直径および取付座部の直径は、取り付けの際、フランジと取付座部との間に径方向の遊隙が形成されるように選択される。径方向の遊隙の大きさは、既知の手順を使用した計算によって決定される。支持体1は、両フランジの間に設置されるとともに両フランジの中央部に束状に配置された複数の可撓性ロッド要素を備える。支持体1の上には、弾性クランプスリーブ3が取り付けられており、スリーブの外面の一部には、ねじ山が設けられている。取付座部の基部に面する弾性クランプスリーブ3の端部には、弾性クランプスリーブ3に弾性特性を付与するための穴が設けられている。弾性クランプスリーブ3は、支持体1のフランジの内面との接触を提供するように支持体1に取り付けられ、該フランジは、真空容器2に面するとともに、可撓性ロッド要素の束と真空容器2の取付座部の側面との間の環状空間内に位置付けられている。弾性クランプスリーブ3の外面の一部は、真空容器2の取付座部とのねじ込み接合を形成する。ブランケット・モジュール4に面するとともに雄ねじが設けられた他方のフランジによって、支持体1は、接合スリーブ5およびロッキングスリーブ6を用いてブランケット・モジュール4に接合される。
【産業上の利用可能性】
【0014】
ブランケット・モジュールは、以下のように熱核反応炉の真空容器上に取り付けられている。
【0015】
支持体1は、平面における座標に従い、要求される位置で真空容器2の取付座部に取り付けられる。支持体1は、要求される締め付け力の生成によって、弾性クランプスリーブ3とともに固定される。弾性クランプスリーブ3は、既知の方法(センターパンチング、ワイヤ、ねじ、タブワッシャー等)を使用してねじ緩みを防止するためにロッキングされる。ブランケット・モジュール4は、支持体1の軸とブランケット・モジュール4の取付穴とが位置合わせされたまま真空容器2に向かって移動される。接合スリーブ5は、取付条件によって要求されるブランケット・モジュール4の軸方向位置に達せられるまで、支持体1のねじ込み端部にねじ込まれる。該接合は、ロッキングスリーブ6とともに固定される。
【0016】
装置は以下のように動作する。
【0017】
熱核反応炉の運転中、プラズマ破壊によってもたらされる繰り返し動荷重がブランケット・モジュール4に作用する。支持体1は、ブランケット・モジュール4からの力が真空容器2に伝達される間、締め付け装置の位置で発生される外部荷重の圧縮成分および引張成分を吸収する。ブランケット・モジュール4からの力の圧縮成分は、ロッキングスリーブ6、接合スリーブ5、および支持体1を通して真空容器2に伝達され、そのフランジ端面は、真空容器2の取付座部の底部上に座る。ブランケット・モジュール4からの力の張力成分は、接合スリーブ5を通して支持体1に伝達され、この力の成分は次いで、弾性クランプスリーブ3を通して支持体1から真空容器2に伝達される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1]ブランケット・モジュールを、2つのフランジの間に設置された可撓性ロッド要素を備える支持体を含む熱核反応炉の真空容器に固着させるための装置であって、前記支持体は、前記2つのフランジの一方によって前記ブランケット・モジュールに接合され、他方のフランジによって前記真空容器のねじ込み取付座部に取り付けられ、前記真空容器に面する支持フランジの内面との接触を提供するように、前記支持体上に取り付けられた弾性クランプスリーブを用いてねじ込み接合でそれに結合されており、前記支持体の可撓性ロッド要素が前記2つのフランジの中央部に束状に配置され、前記真空容器に面する前記支持フランジの直径および前記取付座部の直径は、取り付けの際、前記支持フランジと前記取付座部との間に径方向の遊隙が形成されるように選択されることを特徴とする、装置。
図1