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特許7174723流体収集ユニットならびに関連のデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】流体収集ユニットならびに関連のデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/12 20060101AFI20221110BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20221110BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20221110BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G01N1/12 B
G01N1/10 V
G01N33/48 S
G01N33/50 G
【請求項の数】 43
(21)【出願番号】P 2019571118
(86)(22)【出願日】2018-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 IB2018051532
(87)【国際公開番号】W WO2018163109
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/469,343
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/584,314
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519325223
【氏名又は名称】ナウダイアグノスティック、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シー、チンウェイ
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-182136(JP,A)
【文献】特表2003-532076(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0019301(US,A1)
【文献】国際公開第2004/038382(WO,A1)
【文献】特開2002-181812(JP,A)
【文献】特開2000-199761(JP,A)
【文献】特表平11-505608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/10、1/12
G01N 33/48-33/52
G01N 33/58-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体収集ユニットであって、前記流体収集ユニットは、
流体サンプルを受動的に収集するための受容部と、
ベントを含み、前記受容部と流体連通している流体流路であって、前記ベントは、前記受容部の開口部よりも1.5倍から2.5倍幅広い開口部を含み、前記流体流路は、前記流体サンプルを前記ユニットの近位端部における前記受容部から前記ユニットの反対側の遠位端部へ方向付けるために、前記ユニットを通過しており、前記受容部は、垂直方向のチャネルを含み、前記垂直方向のチャネルは、前記流体流路と流体連通している開放した側壁部を含む、流体流路と
流体を前記受容部に向けて方向付けるための凹面の領域であって、前記凹面の領域は、前記ユニットの壁部の中に形成されており、前記凹面の領域は、前記流体流路と実質的に平行になっており、前記流体流路の上方にある、凹面の領域と
を含み、
前記凹面の領域は、前記流体流路と流体連通している開放した底部壁部を含み、
前記開放した底部壁部は、大きい気泡または固体材料が前記流体流路に進入することを阻止され得るようにサイズ決めされており、
前記ユニットは、単一のステップで、前記受容部の中の開口部から、前記開放した側壁部を通して、前記ユニットの前記近位端部の中への、および、前記遠位端部への、および、前記ユニットと流体連通しているラテラル・フロー・メンブレンの中への、前記流体の収集およびフローを可能にし、
前記流体は、口腔液である、流体収集ユニット。
【請求項2】
前記ベントは、前記流体流路の底部壁部の中にある、請求項に記載の収集ユニット。
【請求項3】
前記ベントは、前記流体流路の近位端部にある、請求項またはに記載の収集ユニット。
【請求項4】
前記受容部は、前記流体収集ユニットの中の窪みを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項5】
前記窪みは、実質的に円筒形状になっている、請求項に記載の収集ユニット。
【請求項6】
前記窪みは、前記流体流路と流体連通している開放した側壁部を含む、請求項またはに記載の収集ユニット。
【請求項7】
前記受容部は、傾斜した突出部の中に形成されている、請求項に記載の収集ユニット。
【請求項8】
前記受容部は、前記流体サンプルを前記受容部へ方向付けるために、フランジによって取り囲まれている、請求項1からのいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項9】
前記開放した底部壁部は、十分な表面圧力を可能にするようにサイズ決めされており、使用時に、流体が、流体の最前部が前記流体流路を通過しながら前記開放した底部壁部に到達するまで、前記開放した底部壁部を通って前記流体流路に進入することとならないようになっている、請求項1から8のいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項10】
前記流体流路は、近位絞り部を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項11】
前記流体流路は、10μlから200μlの流体を保持する、請求項1から10のいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項12】
前記流体流路は、25μlから50μlの流体を保持する、請求項11に記載の収集ユニット。
【請求項13】
前記流体流路は、40μlの流体を保持する、請求項12に記載の収集ユニット。
【請求項14】
前記流体流路は、ラテラル・フロー・メンブレンと連通している、請求項1から13のいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項15】
前記流体流路は、前記ユニットの上部側半分と前記ユニットの底部側半分とを嵌合させることによって形成されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項16】
前記ユニットは、単一のステップで、前記ユニットの前記近位端部から前記遠位端部への、および、前記ユニットと流体連通しているラテラル・フロー・メンブレンの中への、前記流体の収集およびフローを可能にする、請求項1から15のいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項17】
カバーをさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項18】
前記カバーは、完全に除去可能になっている、請求項17に記載の収集ユニット。
【請求項19】
前記カバーは、前記ユニットが使用中のときに前記ユニットに取り付けられたままになるようにヒンジ接続されている、請求項18に記載の収集ユニット。
【請求項20】
前記収集ユニットは、前記流体を収集するための吸収材パッドまたはスポンジを含まない、請求項1から19のいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項21】
前記収集ユニットは、前記流体流路を通る前記流体のフローを実現するために、緩衝液または希釈剤の追加を必要としない、請求項1から20のいずれか一項に記載の収集ユニット。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載の流体収集ユニットを含むラテラル・フロー・デバイス。
【請求項23】
前記流体収集ユニットは、前記ラテラル・フロー・デバイスから取り外し可能である、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記デバイスは、ウィンドウを含み、テスト結果が、前記ウィンドウを通して見られ得る、請求項22または23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスは、透明になっている、請求項22から24のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項26】
前記デバイスは、ハンドルを含む、請求項22から25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記ハンドルは、親指またはその他の指を支持するために凹まされた円形になっている、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記ハンドルは、前記デバイスから取り外し可能である、請求項26または27に記載のデバイス。
【請求項29】
ラテラル・フロー・メンブレンを含む、請求項22から28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
請求項1から21のいずれか一項に記載の流体収集ユニットと係合するように構成されているリーダー本体部。
【請求項31】
前記リーダー本体部は、前記流体収集ユニットの前記流体流路と流体連通している流体流路を含み、前記流体サンプルが前記流体収集ユニットの前記近位端部から前記流体収集ユニットの前記遠位端部を通って前記リーダー本体部の中へ流れることができるようになっている、請求項30に記載のリーダー本体部。
【請求項32】
前記流体収集ユニットの前記流体流路と重なるための少なくとも1つの突出部を含む、請求項31に記載のリーダー本体部。
【請求項33】
前記リーダー本体部は、ウィンドウを含み、テスト結果が、前記ウィンドウを通して見られ得る、請求項30から22のいずれか一項に記載のリーダー本体部。
【請求項34】
前記リーダー本体部は、透明になっている、請求項30から33のいずれか一項に記載のリーダー本体部。
【請求項35】
前記リーダー本体部は、ホルダーと係合するように構成されている、請求項30から34のいずれか一項に記載のリーダー本体部。
【請求項36】
前記流体収集ユニットの前記流体流路は、前記ホルダーの近位端部と前記流体収集ユニットとを嵌合させることによって形成されている、請求項35に記載のリーダー本体部。
【請求項37】
前記ホルダーは、ハンドルを含む、請求項35または36に記載のリーダー本体部。
【請求項38】
前記ハンドルは、親指またはその他の指を支持するために凹まされた円形になっている、請求項37に記載のリーダー本体部。
【請求項39】
ラテラル・フロー・メンブレンを含む、請求項30から38のいずれか一項に記載のリーダー本体部。
【請求項40】
サンプルを収集するワン・ステップ方法であって、前記方法は、請求項1から21のいずれか一項に記載の収集ユニットを、単独で、または、請求項30から39のいずれか一項に記載のリーダー本体部と係合された状態で、サンプルの中またはサンプルの近くに挿入するか、または、請求項22から29のいずれか一項に記載のデバイスをサンプルの中またはサンプルの近くに挿入するステップと、前記サンプルが前記流体流路の中へ引き込まれることを可能にするステップとを含む、方法。
【請求項41】
前記サンプルは、唾液であり、前記方法は、口の中に、たとえば、舌の下にまたは頬袋の中などに、前記収集ユニットを挿入するステップを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
取得された前記サンプルは、実質的に泡がない、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
流体収集ユニットであって、前記流体収集ユニットは、
流体サンプルを収集するための開口部を含む受容部と、
前記受容部と流体連通している流体流路であって、前記流体流路は、前記流体サンプルを前記ユニットの近位端部における前記受容部から前記ユニットの反対側の遠位端部へ方向付けるために、前記ユニットを通過しており、前記受容部は、垂直方向のチャネルを含み、前記垂直方向のチャネルは、前記流体流路と流体連通している開放した側壁部を含む、流体流路と、
前記流体流路の底部壁部の中にあるベントと
を含み、
前記ベントは、前記受容部の開口部よりも1.5倍から2.5倍幅広い開口部を含み、
前記ユニットは、単一のステップで、前記受容部から、前記開放した側壁部を通して、前記ユニットの前記近位端部の中への、および、前記遠位端部への、および、前記ユニットと流体連通しているラテラル・フロー・メンブレンの中への、前記流体の収集およびフローを可能にし、
前記流体は、口腔液である、流体収集ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体サンプルの収集に関する。より具体的には、本発明は、複数の態様において、流体収集ユニット、ならびに、それを含む関連の方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
唾液テスト・デバイスが知られており、従来では、被検者が小さいチューブの中へ唾液を吐き出すことを要求し、それは、困難であるとともに快適ではない。加えて、これは、典型的に、多くの泡を含有するサンプルを結果として生じさせる。他の従来のデバイスは、スポンジまたはパッドを必要とし、それは、口の中の唾液を収集するために使用される。これらは、大きい体積の唾液を必要とし、さらに一般的に、使用の前に唾液がスポンジまたはパッドから絞り出されることを必要とする。
【0003】
たとえば、米国特許第6,248,598号明細書は、吸収材材料を必要とするデバイスを代表するデバイスを説明している。この特許に説明されているデバイスは、唾液サンプリング・デバイスであり、唾液サンプリング・デバイスは、圧搾カップ(expresser cup)、流体試料を吸収することができる吸収性フォーム・スワブと、フォーム・スワブに付着された可撓性のテザーとを含む。フォーム・スワブは、唾液などのような流体試料のサンプルを収集するために使用され、テザーは、ユーザーがたっぷり浸み込んだフォーム・スワブを圧搾カップの中へ衛生的に引き込むことを可能にするように適合されており、圧搾カップの中で、フォーム・スワブは圧縮され、吸収された流体が、滴下の方式によって、そこから液滴で圧搾される。また、デバイスは、プラットフォームを含むことが可能であり、プラットフォームは、テスト結果を明らかにするために、圧搾された流体を吸収するための試薬ストリップを有している。また、デバイスは、その検査の前に、圧搾された流体を2つ以上のアリコートに分離するためのディバイダーを含むことが可能であり、アリコートのうちの1つが、流体の確認または後の検査のために使用され得るようになっている。1つの実施形態では、圧搾カップは、フォーム・スワブを徐々に圧縮することを実現するために円錐形状の断面を含む。
【0004】
米国特許出願公開第2005/0096563号明細書は、検査のために吐き出された口腔液試料を収集するためのデバイスを説明しており、そのデバイスは、試料貯蔵スペースおよびヘッドスペースを有する収集チャンバーと、ベントと、口腔液ドナーの口から収集チャンバーの試料貯蔵スペースへ口腔液を導くことができる中空のチューブとを含む。ヘッドスペースは、口腔液フォームを貯蔵するためのものであり、ベントは、口腔液が収集チャンバーの中へ収集されているときに、空気がチャンバーから逃げるためのものである。チューブおよび収集チャンバーは、恒久的に接続されているか、または、2つの接続を可能にする接続メカニズムを有するデバイスによって、別々になっているかのいずれかである。デバイスは、口腔液試料の検体を検出するためのアッセイ試薬コンポーネントをさらに含むことが可能である。デバイスは、口腔液収集および検査のための簡単な手段を提供し、特に、口腔液試料のポイント・オブ・コレクション検査において有用である。
【0005】
先行技術の欠点のうちの少なくともいくつかを克服するかもしくは緩和するための、または、有用な代替例を提供するための、代替的な構成に対する必要性が存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある態様によれば、流体収集ユニットであって、流体収集ユニットは、
流体サンプルを受動的に収集するための受容部と、
受容部と流体連通している流体流路であって、流体流路は、流体サンプルを受容部からユニットの反対側端部へ方向付けるために、ユニットを通過している、流体流路と
を含む、流体収集ユニットが提供される。
【0007】
ある態様では、受容部は、流体収集ユニットの中の窪みを含む。
【0008】
ある態様では、窪みは、実質的に円筒形状になっている。
【0009】
ある態様では、窪みは、流体流路と流体連通している開放した側壁部を含む。
【0010】
ある態様では、収集ユニットは、流体を受容部に向けて方向付けるための凹面の領域をさらに含む。
【0011】
ある態様では、凹面の領域は、ユニットの壁部の中に形成されている。
【0012】
ある態様では、凹面の領域は、流体流路と実質的に平行になっており、流体流路の上方にある。
【0013】
ある態様では、凹面の領域は、流体流路と流体連通している開放した底部壁部を含む。
【0014】
ある態様では、開放した底部壁部は、十分な表面圧力を可能にするようにサイズ決めされており、使用時に、流体が、流体の最前部が流体流路を通過しながら開放した底部に到達するまで、開放した底部を通って流体流路に進入することとならないようになっている。
【0015】
ある態様では、開放した底部壁部は、大きい気泡または固体材料が流体流路に進入することを阻止され得るようにサイズ決めされている。
【0016】
ある態様では、流体流路は、近位絞り部を含む。
【0017】
ある態様では、流体流路は、約10μlから約200μlの流体を保持する。
【0018】
ある態様では、流体流路は、約25μlから約50μlの流体を保持する。
【0019】
ある態様では、流体流路は、約40μlの流体を保持する。
【0020】
ある態様では、流体流路は、ラテラル・フロー・メンブレンと連通している。
【0021】
ある態様では、流体流路は、ユニットの上部側半分とユニットの底部側半分とを嵌合させることによって形成されている。
【0022】
ある態様では、ユニットは、単一のステップで、ユニットの近位端部から遠位端部への、および、ユニットと流体連通しているラテラル・フロー・メンブレンの中への、流体の収集およびフローを可能にする。
【0023】
ある態様では、流体は、口腔液である。
【0024】
ある態様では、収集ユニットは、カバーをさらに含む。
【0025】
ある態様では、カバーは、完全に除去可能になっている。
【0026】
ある態様では、カバーは、ユニットが使用中のときにユニットに取り付けられたままになるようにヒンジ接続されている。
【0027】
ある態様では、収集ユニットは、流体を収集するための吸収材パッドまたはスポンジを含まない。
【0028】
ある態様では、収集ユニットは、流体流路を通る流体のフローを実現するために、緩衝液または希釈剤の追加を必要としない。
【0029】
ある態様によれば、本明細書で説明されている流体収集ユニットを含むラテラル・フロー・デバイスが提供される。
【0030】
ある態様では、流体収集ユニットは、ラテラル・フロー・デバイスから取り外し可能である。
【0031】
ある態様では、デバイスは、ウィンドウを含み、テスト結果が、ウィンドウを通して見られ得る。
【0032】
ある態様では、デバイスは、透明になっている。
【0033】
ある態様では、デバイスは、ハンドルを含む。
【0034】
ある態様では、ハンドルは、親指またはその他の指を支持するために凹まされた円形になっている。
【0035】
ある態様では、ハンドルは、デバイスから取り外し可能である。
【0036】
ある態様では、デバイスは、ラテラル・フロー・メンブレンを含む。
【0037】
ある態様によれば、サンプルを収集するワン・ステップ方法であって、方法は、本明細書で説明されている収集ユニットをサンプルの中またはサンプルの近くに挿入するステップと、サンプルが流体流路の中へ引き込まれることを可能にするステップとを含む、方法が提供される。
【0038】
ある態様では、サンプルは、唾液であり、方法は、口の中に、たとえば、舌の下にまたは頬袋の中などに、収集ユニットを挿入するステップを含む。
【0039】
ある態様では、取得されたサンプルは、実質的に泡がない。
【0040】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになることとなる。しかし、詳細な説明および特定の例は、本発明の実施形態を示しているが、単なる図示としてのみ与えられているということが理解されるべきである。その理由は、本発明の精神および範囲の中のさまざまな変形および修正が、前記詳細な説明から当業者に明らかになることとなるからである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明は、図を参照して以下の説明からさらに理解されることとなる。
【0042】
図1】本明細書で説明されているラテラル・フロー・デバイスの第1の実施形態の斜視図である。
図2図1のラテラル・フロー・デバイスの上面図である。
図3図1のラテラル・フロー・デバイスの底面図である。
図4図1のラテラル・フロー・デバイスの側面図である。
図5図1のラテラル・フロー・デバイスの正面図である。
図6図1のラテラル・フロー・デバイスの背面図である。
図7】ラテラル・フロー・メンブレンおよびデバイス・カバーを追加した図1のラテラル・フロー・デバイスの上部分解斜視図である。
図8】ラテラル・フロー・メンブレンおよびデバイス・カバーを追加した図1のラテラル・フロー・デバイスの底部分解斜視図である。
図9図1のラテラル・フロー・デバイスの線9-9に沿った断面図である。
図10】本明細書で説明されているラテラル・フロー・デバイスの第2の実施形態の上面図である。
図11図10のラテラル・フロー・デバイスの底面図である。
図12図10のラテラル・フロー・デバイスの側面図である。
図13図10のラテラル・フロー・デバイスの正面図である。
図14図10のラテラル・フロー・デバイスの背面図である。
図15図10のラテラル・フロー・デバイスの上部および底部の分解斜視図である。
図16】ラテラル・フロー・メンブレンおよびデバイス・カバーが存在するときの図10のラテラル・フロー・デバイスの上部分解斜視図である。
図17】本明細書で説明されているラテラル・フロー・デバイスの第3の実施形態の上部分解斜視図である。
図18図17のラテラル・フロー・デバイスの線18-18に沿った流体収集ユニットの断面図である。
図19】デバイス・カバーがないときの図17のラテラル・フロー・デバイスの上面図である。
図20】デバイス・カバーがないときの図17のラテラル・フロー・デバイスの底面図である。
図21】デバイス・カバーがないときの図17のラテラル・フロー・デバイスの側面図である。
図22】デバイス・カバーがないときの図17のラテラル・フロー・デバイスの正面図である。
図23図17のラテラル・フロー・デバイスの背面図である。
図24図17のラテラル・フロー・デバイスのリーダー本体部部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
複数の態様において、流体サンプルを取得するための流体収集ユニットが、本明細書で説明されている。流体収集ユニットは、有利には、ラテラル・フロー・デバイスの一部として含まれ得る。本明細書で説明されている流体収集ユニットは、唾液サンプルを収集するのにとりわけ有利であるが、それらは、任意のタイプの流体サンプルを収集する際の使用を見出すことも可能である。特定の態様では、流体収集ユニットは、サンプル、たとえば、唾液を受動的に収集し、唾液の吐き出しが必要とされないようになっている。デバイスは、簡単に所定の場所において口の中に設置され得り、ユーザーが上部における流体収集開口部に唾液を快適に押すことができるようになっている。特定の態様では、流体収集ユニットは、舌の下にまたは頬袋の中に設置され得る。毛細管作用および重力の組み合わせを通して、十分であるが小さい体積の唾液が、ユニットの中に収集されることとなる。
【0044】
このように、本明細書で説明されている収集ユニットは、唾液の中の泡および/または大きい粒子の収集(それは、正確な体積制御および流体フローに影響を与え、その後のアッセイの失敗につながる可能性がある)を回避することが可能であり、また、唾液がスポンジまたはパッドによって収集される(その後にスポンジまたはパッドから唾液を絞り出すことを必要とする)ときに必要とされる複数のステップを回避することも可能である。そのより高い流体回収および関連の流体浪費の低減に起因して、本明細書で説明されている流体収集ユニットは、より容易な流体収集を可能にする。
【0045】
複数の態様において、本明細書で説明されている収集ユニットおよびラテラル・フロー・デバイスは、ワン・ステップ動作を実現することが可能であり、ワン・ステップ動作では、デバイスが口の中に設置され、唾液が収集され、そして、スポンジまたはパッドからサンプルを排出する余分なステップを必要とすることなく、または、緩衝溶液を適用すること、より多くのサンプルが収集されることを待つこと、もしくは、泡が流体サンプルの外に定着するのを待つことなく、テスト結果が取得される。
【0046】
定義
本明細書で使用されているような「近位」という用語は、受容部を含む端部に近い方の収集ユニットまたはデバイスの部分を表しており、一方、本明細書で使用されているような「遠位」という用語は、ハンドルを含む端部に近い方の収集ユニットまたはデバイスの部分を表している。「上流」および「下流」という用語は、近位端部(上流)から遠位端部(下流)への流体のフローを表している。
【0047】
「検体」という用語は、定量的にまたは定性的に測定される任意の化学的な物質または生物学的な物質を包含することが意図されている。典型的な態様では、検体は、唾液サンプルの中に見出されることとなるものである。検体は、小分子、タンパク質、抗体、DNA、RNA、核酸、炭水化物、脂質、有機の同化産物または代謝産物、ウィルス成分または完全なままのウィルス、バクテリア成分または完全なままのバクテリア、細胞成分または完全なままの細胞、ならびに、それらの複合体および派生体を含むことが可能である。人間の唾液腺は、生物学的な化学物質、電解質、タンパク質、遺伝物質、ポリサッカリド、および他の分子の豊富な混合物を分泌する。それぞれの唾液成分のレベルは、個人の健康状態、および、疾患(口腔疾患または全身性疾患)の存在または薬物の存在に応じて、かなり変化する。唾液の中のこれらの成分を測定することによって、それに限定されないが、感染症、アレルギー、ホルモンバランスの乱れ、新生物、薬物使用を含む、さまざまなものスクリーニング検査することが可能であり、また、その後にテストするための遺伝物質を取得することが可能である。
【0048】
たとえば、本明細書で説明されている収集ユニットは、過剰投与を識別するために、ポイント・オブ・ケア・デバイスにおいて特定の使用を見出し、または、アルコールもしくは大麻の影響下にあるドライバーを識別するために、沿道検査デバイスにおいて特定の使用を見出す。本明細書で説明されている収集ユニットを使用してテストされ得る薬物は、それに限定されないが、幻覚剤、精神刺激薬、鎮静剤、抑制薬、乱用された吸入物質、催眠薬、およびアルコールを含む。特定の実施形態によれば、検出されることとなる1つまたは複数の検体は、アルコール、アヘン剤、コカイン、カンナビノイド、たとえば、テトラヒドロカンナビノール(THC)、アンフェタミン、メタアンフェタミン、モルフィン、ベンゾジアゼピン、1-(1’-フェニルシクロヘキシル)ピペリジン(PCP)、バルビツレート、メサドン、およびヘロインなど、または、モルヒネ様作用を有する他のオピオイド、たとえば、それに限定されないが、コデイン、パパベリン、ノスカピン、ヒドロコドン、またはフェンタニルなどの群から選択される1つまたは複数の薬物である。また、これらの薬物の派生体または代謝産物も検出され得る。
【0049】
テストされることとなる検体は、乱用薬物であることが可能であり、そのうちのいくつかは上記に列挙されており、または、テストされることとなる検体は、誤って過剰投与されることの多い薬物、たとえば、アセトアミノフェンなどであることが可能である。さらに、検体は、疾患マーカー、たとえば、トロポニンまたはC反応性タンパク質などであることが可能である。そのようなマーカーの多数の例が存在しており、当業者に周知であることとなる。
【0050】
他の態様では、テストされることとなる検体は、遺伝子サンプル、たとえば、23andMe(商標)または他のDNA検査会社によって使用されるものなどであることが可能である。そのような会社は、典型的に、唾液サンプルがエンド・ユーザーによって収集されること、および、検査のために会社に戻されることを要求する。これらの会社によって使用される唾液収集チューブは、典型的に、ユーザーがその中へ唾液を吐き出さなければならないタイプであり、それは、ユーザーにとって快適な経験とは言えない可能性がある。
【0051】
唾液サンプルを収集することに関して「受動的な」または「受動的に」という用語は、収集ユニットの中へ唾液を吐き出すかまたは吐きかけるためのエンド・ユーザーによる能動的な努力を除外することを意図している。むしろ、受動的な収集は、収集ユニットが、口の中に、典型的に、舌の下にまたは頬袋の中に設置されること、および、単に収集ユニットが分泌液に近接して設置されているということに起因して、唾液分泌液が収集されるということを意味している。いくらかの口の動きが、使用の間に予期されることとなり、そのような動きは、収集ユニットの中へ能動的に吐きかける行為でないという条件で、「受動的な」という用語によって包含される。
【0052】
本出願の範囲を理解する際に、「a」、「an」、「the」、および「前記」という前置詞は、エレメントのうちの1つまたは複数が存在しているということを意味することを意図している。追加的に、「含む(comprising)」という用語およびその派生形は、本明細書で使用されているように、開放型の用語であることを意図しており、開放型の用語は、述べられている特徴、エレメント、コンポーネント、グループ、整数、および/またはステップの存在を特定しているが、他の述べられていない特徴、エレメント、コンポーネント、グループ、整数、および/またはステップの存在を除外していない。また、先述のものは、同様の意味を有する語句、たとえば、「含む(including)」、「有する(having)」などのような用語、および、それらの派生体にも適用される。
【0053】
特定のコンポーネントを「含む(comprising)」ものとして説明されている任意の態様は、また、「からなる(consist of)」または「本質的に~からなる(consist essentially of)」ことが可能であり(または、その逆も同様)、ここで、「からなる」は、閉鎖型の意味または制限的な意味を有しており、「本質的に~からなる」は、特定されているコンポーネントを含むが、不純物として存在する材料、コンポーネントを提供するために使用されるプロセスの結果として存在する不可避材料、および、本発明の技術的効果を実現する以外の目的のために追加されるコンポーネントを除いて、他のコンポーネントを除外するということを意味するということが理解されることとなる。
【0054】
含まれるものとして本明細書で定義されている任意のコンポーネントは、本明細書で暗示的に定義されているかまたは明示的に定義されているかにかかわらず、但し書きの限定または否定的限定によって、特許請求されている発明から明示的に除外され得るということが理解されることとなる。たとえば、ある態様では、デバイスは、本明細書では、検査方法の中の初期のステップとして、唾液を吸収するためのスポンジまたは収集パッドを使用しない。
【0055】
加えて、本明細書で与えられているすべての範囲は、明示的に述べられているかどうかにかかわらず、その範囲の端部を含み、また、任意の中間範囲のポイントを含む。
【0056】
最後に、本明細書で使用されているような程度の用語、たとえば、「実質的に」、「約」、および「おおよそ」などは、修飾される用語の合理的な量の偏差を意味しており、最終的な結果はあまり変化されないようになっている。これらの程度の用語は、修飾される用語の少なくとも±5%の偏差を含むものとして解釈されるべきである(この偏差が、それが修飾する語句の意味を否定することとならない場合)。
【0057】
ラテラル・フロー・デバイス
図1から図9は、第1のラテラル・フロー・デバイス10を示している。示されているように、デバイス10は、流体収集ユニット12および本体部14を含む。本体部14は、ハンドル16およびウィンドウ18を含有しており、アッセイの結果は、ウィンドウ18を通して、視覚的にまたはマシンによって読み取られ得る。デバイス10は、典型的に透明になっているが、しかし、テストが依然として読み取られ得るという条件で、任意の所望のカラーおよび不透明性のもの、ならびに、それらの組み合わせのものであることが可能である。完全に透明なデバイス10では、ウィンドウ18は随意的なものであるということが理解されることとなる。
【0058】
流体収集ユニット12は、典型的に、凹面20の領域および受容部22を含む細長い本体部を含む。凹面20の領域および受容部22は、両方とも流体流路24につながっており、それは、図8において最良に見られる。流体流路24は、受容部22から収集ユニット12の反対側端部におけるラテラル・フロー・メンブレン26へ流体サンプルを方向付けるように機能する。
【0059】
特定の態様では、流体流路24によって保持される体積は、ラテラル・フロー・メンブレン26の正確な機能に必要とされる体積以上になるように合理的に選択される。このように、テストが始まるためには流体最前部がラテラル・フロー・メンブレン26に到達しなければならないので、十分な量のサンプルが収集ユニット12の中に存在するまで、テストは開始しないこととなる。複数の態様において、流体流路24は、約10μlから約200μlの体積、たとえば、約10μlから約100μlなどの体積、たとえば、約25μlから約50μlなどの体積、たとえば、約40μlなどの体積を有している。
【0060】
受容部22は、典型的に、収集ユニット12の中に一体的に形成された円筒形状の窪みである。受容部22は、開放した側壁部28を有しており、受容部22の中の流体は、開放した側壁部28を通って流体流路24に進入することが可能である。凹面20の領域は、受容部22に向けて追加的な流体を方向付けることを支援する。
【0061】
示されているように、凹面20の領域は、流体流路24の上方の壁部の中に形成されており、3つの傾斜した壁部30を含み、3つの傾斜した壁部30は、開放した底部壁部32において一緒に収束しており、開放した底部壁部32は、流体流路24と切れ目なく続いている。示されているように、傾斜した側壁部30のうちの2つは、部分的に受容部22を形成するように協働している。
【0062】
凹面20の領域の開放した底部壁部32は、表面圧力が流体フローを止めることを可能にするようにサイズ決めされており、使用時に、受容部22からの流体の最前部が流体流路24を通過しながら開放した底部壁部32に到達するまで、流体が、開放した底部壁部32を通って流体流路24に進入することとならないようになっている。これは、泡が流体流路24に進入する可能性を低減させながら、凹面20の領域から流体を引き込むこと、または、流体流路24の中の流体を空気によって中断させることの両方を支援する。
【0063】
図8および図9に示されているように、流体流路24は、受容部22の近くに絞り部34を含む。絞り部34は、単に、流体流路24が狭くなっているものであり、それによって、その断面積を局所的に低減させる。そうする際に、絞り部34は、流体流路24の中の流体サンプルの前縁部における流体表面の毛細管力を、流体サンプルの残りの表面に対して増加させる。絞り部34の上流の受容部22の中に存在する流体が少な過ぎる場合には、流体流路24の中の流体は流れることとはならず、十分なサンプルが存在しない状態でテストが開始することとならないことを保証する。しかし、十分な流体が受容部22の中にプールされると、絞り部34における流体表面の破壊は、フローが流体流路24に沿って継続することを可能にすることとなる。絞り部34のサイズは、泡が流体流路24に進入する可能性を低減させるように選択される。
【0064】
収集ユニット12は、デバイス10と一体になっていてもよく、または、それは、デバイス10の残りの部分から分離可能であってもよい。特定の態様では、収集ユニット12は、デバイス10の中に壊れやすく連結されており、使用後に、廃棄のために、および/または、テスト結果を測定するためのリーダーの中へデバイス10の少なくとも一部分を挿入するために、収集ユニット12が容易にポキンと折られ得るようになっている。その理由は、そのようなリーダーが、本体部14に取り付けられているときに収集ユニット12にフィットするようにサイズ決めされていない可能性があるからである。
【0065】
収集ユニット12は、典型的に、図7および図8に示されているように、カバー36を設けられている。カバー36は、収集ユニット12が使用され得るように除去可能である。次いで、カバー36は、衛生的な理由および/または保護的な理由のために、収集ユニット12の上に戻して設置され得る。カバー36は、完全に除去可能であってもよく、または、それは、複数の態様において、デバイス10および/または収集ユニット12に部分的に取り付けられたままであってもよく、カバー36が間違って設置されるかまたはその他の方法で汚染される可能性を低減させることが可能である。
【0066】
デバイス10は、典型的に、ハンドル16を含み、ハンドル16は、収集ユニット12と同様に、デバイス10の中に壊れやすく連結され得り、ハンドル16がデバイス10の残りの部分から離れるようにポキンと折られ得るようになっており、また、従来のリーダーがデバイス10の残りの部分とともに使用され得るようになっている。ハンドル16は、典型的に、親指またはその他の指によるハンドリングを促進させるようにサイズ決めされた凹みを備えて、丸みを付けられている。
【0067】
デバイス10は、典型的に、製造および所望のラテラル・フロー・メンブレン26の挿入を容易にするために、図7および図8に示されているように、嵌合させられる上側部分38および下側部分40によって形成されている。また、デバイス10は、単一のユニットとして形成され得る。示されているように、嵌合させられる摩擦フィット・コンポーネント42が存在しており、摩擦フィット・コンポーネント42は、上側部分38および下側部分40を一緒に保持する。また、上側部分38および下側部分40は、ガイド44を含有しており、ガイド44は、ラテラル・フロー・メンブレン26を適切な位置にしっかりと保持し、それが流体流路24に流体連通した状態になるようになっている。
【0068】
図7および図8において見ることができるように、受容部22、凹面20の領域、および流体流路24は、すべて、デバイス10の上側部分38の中に形成されている。これらの特徴のうちの1つまたは複数は、部分的にまたは全体的に、デバイス10の底部部分40によって形成され得るということが理解されることとなる。
【0069】
図10から図16は、第2のラテラル・フロー・デバイス110を示しており、第2のラテラル・フロー・デバイス110は、第1のラテラル・フロー・デバイス10とはいくらか異なって構築されているが、同様の原理の下で動作する。示されているように、デバイス110は、流体収集ユニット112および本体部114を含む。本体部114は、ハンドル116およびウィンドウ118を含有しており、アッセイの結果は、ウィンドウ118を通して、視覚的にまたはマシンによって読み取られ得る。デバイス110は、典型的に透明になっているが、しかし、テストが依然として読み取られ得るという条件で、任意の所望のカラーおよび不透明性のもの、ならびに、それらの組み合わせのものであることが可能である。完全に透明なデバイス110では、ウィンドウ118は随意的なものであるということが理解されることとなる。
【0070】
流体収集ユニット112は、典型的に、凹面120の領域および受容部122を含む細長い本体部を含む。この態様では、受容部122は、図1図9に関連して上記に説明されている受容部22よりもはるかに小さくなっている。受容部122は、単に、流体流路124につながる小さいチャネルまたは開口部である。この設計は、流体収集ユニット112の中のデッド・ボリュームを効果的に低減させる。また、凹面120の領域は、上記に説明されているように、流体流路124につながっている。流体流路124は、受容部122から収集ユニット112の反対側端部におけるラテラル・フロー・メンブレン126へ流体サンプルを方向付けるように機能する。図10および図16に示されているように、受容部122は、フランジ156によって取り囲まれており、フランジ156は、流体サンプルを収集すること、および、流体サンプルを受容部122に向けて方向付けることを支援する。
【0071】
特定の態様では、流体流路124によって保持される体積は、ラテラル・フロー・メンブレン126の正確な機能に必要とされる体積以上になるように合理的に選択される。このように、テストが始まるためには流体最前部がラテラル・フロー・メンブレン126に到達しなければならないので、十分な量のサンプルが収集ユニット112の中に存在するまで、テストは開始しないこととなる。複数の態様において、流体流路124は、約10μlから約200μlの体積、たとえば、約10μlから約100μlなどの体積、たとえば、約25μlから約50μlなどの体積、たとえば、約40μlなどの体積を有している。
【0072】
受容部122は、典型的に、収集ユニット112の中に一体的に形成された小さい垂直方向のチャネルある。受容部122は、開放した側壁部128を有しており、受容部122の中の流体は、開放した側壁部128を通って流体流路124に進入することが可能である。凹面120の領域は、受容部122に向けて追加的な流体を方向付けることを支援する。
【0073】
示されているように、凹面120の領域は、流体流路124の上方の壁部の中に形成されており、3つの傾斜した壁部130を含み、3つの傾斜した壁部130は、開放した底部壁部132において一緒に収束しており、開放した底部壁部132は、流体流路124と切れ目なく続いている。示されているように、傾斜した側壁部130のうちの2つは、部分的に受容部122を形成するように協働しており、受容部122は、また、傾斜した突出部108によって部分的に形成されている。
【0074】
凹面120の領域の開放した底部壁部132は、気泡および大きい粒子が流体流路124に進入することを効果的に阻止するようにサイズ決めされている。また、それは、表面圧力が初期の流体フローを止めることを可能にしており、使用時に、受容部122からの流体の最前部が流体流路124を通過しながら開放した底部壁部132に到達するまで、流体が、開放した底部壁部132を通って流体流路124に進入することとならないようになっている。これは、泡が流体流路124に進入する可能性を低減させながら、凹面120の領域から流体を引き込むこと、または、流体流路124の中の流体を空気によって中断させることの両方を支援する。
【0075】
図11図15、および図16に示されているように、流体流路124は、受容部122の近くのベント135を含み、それは、流体流路の底部壁部の中に位置付けされている。典型的に、ベント135開口部は、受容部122の開口部および開放した底部壁部132の開口部よりも著しく幅広くなっており、表面圧力が低減されることを可能にする。たとえば、ベント135は、典型的に、受容部122の開口部、および/または、開放した底部壁部132の開口部よりも約1.5倍から約2.5倍幅広くなっており、たとえば、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、または約2.5倍幅広くなっている。特定の態様では、ベント135は、is典型的に、約0.8mmから約1.0mmの幅になっており、一方、受容部122の開口部、および/または、開放した底部壁部132の開口部は、約0.3mmから約0.5mmの幅になっている。
【0076】
流体流路124の上方に流体が存在しない場合には、流体流路124が完全にまたは部分的に充填されると、受容部122の開口部および開放した底部壁部132の開口部に形成された流体表面は、表面張力によって受容部122の開口部および開放した底部壁部132の開口部に発生させられる反対側の表面圧力に起因して、流体流路124の中の流体が下流に流れることを止めることが可能である。しかし、空気が、ベント135を通って流体流路124の中へ侵入することが可能であり、それによって、流体流路124の中の継続した下流への流体フローを促進させる。
【0077】
換言すれば、流体は、通常、流体流路124の上方に流体がそれ以上存在しなくなるまで、受容部122または開放した底部壁部132のいずれかにおいて、流体流路124に進入する。この瞬間において、受容部122の開口部および開放した底部壁部132の開口部に形成された新しい表面が、流体流路124の中の流体フローを止めることとなる。その理由は、流体流路124が、受容部122の開口部および開放した底部壁部132の開口部よりもはるかに幅広いからである。したがって、下流方向に向けて発生させられる毛細管力は、受容部122の開口部および開放した底部壁部132の開口部において表面によって発生させられる反対側の毛細管力よりも小さい。また、流体は、ベント135における毛細管力に打ち勝つことができない。その理由は、流体流路124およびベント135が、同様のサイズを有しているからである。しかし、流体がラテラル・フロー・メンブレン126に到達した場合には(ラテラル・フロー・メンブレン126は、より強力な毛細管力を有している)、流体は、受容部122の開口部および開放した底部壁部132の開口部における反対側の毛細管力に依然として打ち勝つことができない可能性があるとしても、ベント135における毛細管力に打ち勝つことができることとなり、それは、ラテラル・フロー・メンブレン126への継続的な流体フローにつながる。
【0078】
収集ユニット112は、デバイス110と一体になっていてもよく、または、それは、デバイス110の残りの部分から分離可能であってもよい。特定の態様では、収集ユニット112は、デバイス10の中に壊れやすく連結されており、使用後に、廃棄のために、および/または、テスト結果を測定するためのリーダーの中へデバイス110の残りの部分を挿入するために、収集ユニット112が容易にポキンと折られ得るようになっている。その理由は、そのようなリーダーが、本体部114に取り付けられているときに収集ユニット112にフィットするようにサイズ決めめされていない可能性があるからである。
【0079】
収集ユニット112は、典型的に、図16に示されているように、カバー136を設けられている。カバー136は、収集ユニット112が使用され得るように除去可能である。次いで、カバー136は、衛生的な理由および/または保護的な理由のために、収集ユニット112の上に戻して設置され得る。カバー136は、完全に除去可能であってもよく、または、それは、複数の態様において、デバイス110および/または収集ユニット112に部分的に取り付けられたままであってもよく、カバー136が間違って設置されるかまたはその他の方法で汚染される可能性を低減させることが可能である。
【0080】
デバイス110は、典型的に、ハンドル116を含み、ハンドル116は、収集ユニット112と同様に、デバイス110の中に壊れやすく連結され得り、ハンドル116がデバイス110の残りの部分から離れるようにポキンと折られ得るようになっており、また、従来のリーダーがデバイス110の残りの部分とともに使用され得るようになっている。ハンドル116は、典型的に、親指またはその他の指によるハンドリングを促進させるようにサイズ決めされた凹みを備えて、丸みを付けられている。
【0081】
デバイス110は、典型的に、製造および所望のラテラル・フロー・メンブレン126の挿入を容易にするために、図15および図16に示されているように、嵌合させられる上側部分138および下側部分140によって形成されている。また、デバイス110は、単一のユニットとして形成され得る。示されているように、嵌合させられる摩擦フィット・コンポーネント142が存在しており、摩擦フィット・コンポーネント142は、上側部分138および下側部分140を一緒に保持する。また、上側部分138および下側部分140は、ガイド144を含有しており、ガイド144は、ラテラル・フロー・メンブレン126を適切な位置にしっかりと保持し、それが流体流路124に流体連通した状態になるようになっている。
【0082】
図15および図16において見ることができるように、凹面120の領域および流体流路124は、デバイス110の上側部分138の中に形成されている。受容部122は、デバイス110の下側部分140の中に形成されている。これらの特徴のうちの1つまたは複数は、部分的にまたは全体的に、デバイス110のいずれかの部分138、140によって形成され得るということが理解されることとなる。
【0083】
図17図24は、第3のラテラル・フロー・デバイス210を示しており、第3のラテラル・フロー・デバイス210は、第2のラテラル・フロー・デバイス110と同様であるが、いくつかのピースで作り出されており、デバイス210の一部が、従来のリーダー・デバイスの中へフィットすることができるように除去可能であるようになっている。示されているように、デバイス210は、ホルダー202と、上側部分238および下側部分240から構成されるリーダー本体部204と、リーダー本体部204のためのカバー236とを含む。組み立てられると、デバイス210は、上記に説明されているデバイス10、110とほとんど同じように、流体収集ユニット212および本体部214を含む。本体部214は、ハンドル216と、リーダー本体部204を保持するためのキャビティーとを含有しており、リーダー本体部204は、ウィンドウ218を有しており、アッセイの結果は、ウィンドウ218を通して、視覚的にまたはマシンによって読み取られ得る。デバイス210は、典型的に透明になっているが、しかし、テストが依然として読み取られ得るという条件で、任意の所望のカラーおよび不透明性のもの、ならびに、それらの組み合わせのものであることが可能である。完全に透明なデバイス210では、ウィンドウ218は随意的なものであるということが理解されることとなる。
【0084】
上記のように、流体収集ユニット212は、典型的に、凹面220の領域および受容部222を含む細長い本体部を含む。受容部222は、単に、流体流路224につながる小さいチャネルまたは開口部である。また、凹面220の領域は、上記に説明されているように、流体流路224につながっている。流体流路224は、受容部222から収集ユニット212の反対側端部におけるラテラル・フロー・メンブレン226へ流体サンプルを方向付けるように機能する。図17図20に示されているように、受容部222は、フランジ256によって取り囲まれており、フランジ256は、流体サンプルを収集すること、および、流体サンプルを受容部222に向けて方向付けることを支援する。
【0085】
図17および図18において見ることができるように、流体流路224は、流体収集部分206をホルダー202の近位端部と嵌合させることによって、および、リーダー本体部204の上部部分238および底部部分240を嵌合させることによって形成される。リーダー本体部204の上部部分238および底部部分240は、流体流路224の表面と重なる突出部246を含む。この重なりは、ギャップが流体流路224の近位端部(流体収集部分206をホルダー202の近位端部と嵌合させることによって形成される)と流体流路の遠位端部(リーダー本体部204の上部部分238および底部部分240を嵌合させることによって形成される)との間に形成することを防止する。
【0086】
特定の態様では、流体流路224によって保持される体積は、ラテラル・フロー・メンブレン226の正確な機能に必要とされる体積以上になるように合理的に選択される。このように、テストが始まるためには流体最前部がラテラル・フロー・メンブレン226に到達しなければならないので、十分な量のサンプルが収集ユニット212の中に存在するまで、テストは開始しないこととなる。複数の態様において、流体流路224は、約10μlから約200μlの体積、たとえば、約10μlから約100μlなどの体積、たとえば、約25μlから約50μlなどの体積、たとえば、約40μlなどの体積を有している。
【0087】
受容部222は、典型的に、収集ユニット212の中に一体的に形成された小さい垂直方向のチャネルある。受容部222は、開放した側壁部228を有しており、受容部222の中の流体は、開放した側壁部228を通って流体流路224に進入することが可能である。凹面220の領域は、受容部222に向けて追加的な流体を方向付けることを支援する。
【0088】
示されているように、凹面220の領域は、流体流路224の上方の壁部の中に形成されており、3つの傾斜した壁部230を含み、3つの傾斜した壁部230は、開放した底部壁部232において一緒に収束しており、開放した底部壁部232は、流体流路224と切れ目なく続いている。示されているように、傾斜した側壁部230のうちの2つは、部分的に受容部222を形成するように協働しており、受容部222は、また、傾斜した突出部208によって部分的に形成されている。
【0089】
凹面220の領域の開放した底部壁部232は、表面圧力が流体フローを止めることを可能にするようにサイズ決めされており、使用時に、受容部222からの流体の最前部が流体流路224を通過しながら開放した底部壁部232に到達するまで、流体が、開放した底部壁部232を通って流体流路224に進入することとならないようになっている。これは、泡が流体流路224に進入する可能性を低減させながら、凹面220の領域から流体を引き込むこと、または、流体流路224の中の流体を空気によって中断させることの両方を支援する。
【0090】
図18および図20に示されているように、流体流路224は、受容部222の近くのベント235を含み、それは、流体流路の底部壁部の中に位置付けされている。典型的に、ベント235開口部は、受容部222の開口部および開放した底部壁部232の開口部よりも著しく幅広くなっており、表面圧力が低減されることを可能にする。流体流路224の上方に流体が存在しない場合には、流体流路224が完全にまたは部分的に充填されると、受容部222の開口部および開放した底部壁部232の開口部に形成された流体表面は、表面張力によって受容部222の開口部および開放した底部壁部232の開口部に発生させられる反対側の表面圧力に起因して、流体流路224の中の流体が下流に流れることを止めることが可能である。しかし、空気が、ベント235を通って流体流路224の中へ侵入することが可能であり、それによって、流体流路224の中の継続した下流への流体フローを促進させる。換言すれば、流体は、通常、流体流路224の上方に流体がそれ以上存在しなくなるまで、受容部222または開放した底部壁部232のいずれかにおいて、流体流路224に進入する。この瞬間において、受容部222の開口部および開放した底部壁部232の開口部に形成された新しい表面が、流体流路224の中の流体フローを止めることとなる。その理由は、流体流路224が、受容部222の開口部および開放した底部壁部232の開口部よりもはるかに幅広いからである。したがって、下流方向に向けて発生させられる毛細管力は、受容部222の開口部および開放した底部壁部232の開口部において表面によって発生させられる反対側の毛細管力よりも小さい。また、流体は、ベント235における毛細管力に打ち勝つことができない。その理由は、流体流路224およびベント235が、同様のサイズを有しているからである。しかし、流体がラテラル・フロー・メンブレン226に到達した場合には(ラテラル・フロー・メンブレン126は、より強力な毛細管力を有している)、流体は、受容部222の開口部および開放した底部壁部232の開口部における反対側の毛細管力に依然として打ち勝つことができない可能性があるとしても、ベント235における毛細管力に打ち勝つことができることとなり、それは、ラテラル・フロー・メンブレン226への継続的な流体フローにつながる。流体がラテラル・フロー・メンブレン226に到達しておらず、それ以上のサンプルが流体流路224の上方に残されていない場合には、フローは、さらに多くのサンプルが追加されるまで停止することとなる。このように、デバイスの構成は、デバイスの中に十分なサンプルが存在しているときだけテストが開始されることを保証する。
【0091】
この態様では、リーダー本体部204は、従来のリーダー・デバイスにフィットするように形状決めおよびサイズ決めされており、リーダー・デバイスの中への挿入のためにホルダー202から除去可能である。テストが完了すると、リーダー本体部204は、デバイス210から除去され、随意的なカバー236が、リーダー本体部204の上に設置され、リーダー・デバイスの汚染を防止し、リーダー本体部204が、テスト結果を測定するためにリーダーの中へ挿入される。カバー236と一緒になったリーダー本体部204は、図24では、デバイス210から分離されて示されている。
【0092】
したがって、リーダー本体部204は、使い捨てのものであることが可能であり、一方、ホルダー202は、再使用可能であり、随意的に殺菌可能であり得るということが理解されることとなる。このように、検査の繰り返しを必要とする単一の患者は、ホルダーを複数回再使用することが可能であり、または、ホルダーは、診療所または病院の環境において異なる患者同士の間で使用するために殺菌され得る。ホルダー202、リーダー本体部204、およびカバー236は、同じ材料または異なる材料から作製され得り、また、独立して、透明であるか、半透明であるか、もしくは不透明であるか、または、それらの組み合わせであることが可能である。
【0093】
図17および図20に示されているように、ホルダー202は、開放した領域248を含み、開放した領域248は、ホルダー202からのリーダー本体部204の除去を促進させる。たとえば、ユーザーは、ホルダー202からリーダー本体部204を排出するために、開放した領域248を通して押すことが可能である。複数の態様において、ホルダー202は、また、突出部250を含み、突出部250は、ホルダー202の中にリーダー本体部204を適正に整合させることを支援し、随意的に、摩擦フィット嵌合を提供し、摩擦フィット嵌合は、リーダー本体部204が力によって除去されることが望まれるまで、リーダー本体部204をホルダー202の中にきつく維持することを支援する。
【0094】
上記に述べられているように、リーダー本体部204は、典型的に、図17および図24に示されているように、カバー236を設けられている。カバー236は、リーダー本体部204がホルダー202の中へ挿入されて使用され得るように除去可能である。次いで、衛生的な理由および/または保護的な理由のために、および/または、リーダー・デバイスの中への適正なフィットのために、リーダー本体部204がホルダー202から除去されるときに、カバー236は、リーダー本体部204の上に戻して設置され得る。カバー236は、完全に除去可能であってもよく、または、それは、複数の態様において、デバイス210および/またはリーダー本体部204に部分的に取り付けられたままであってもよく、カバー236が間違って設置されるかまたはその他の方法で汚染される可能性を低減させることが可能である。
【0095】
ホルダー202は、典型的に、ハンドル216を含み、ハンドル216は、典型的に、親指またはその他の指によるハンドリングを促進させるようにサイズ決めされた凹みを備えて、丸みを付けられている。
【0096】
リーダー本体部204は、典型的に、製造および所望のラテラル・フロー・メンブレン126の挿入を容易にするために、図17および図24に示されているように、嵌合させられる上側部分238および下側部分240によって形成されている。また、リーダー本体部204は、単一のユニットとして形成され得る。示されているように、嵌合させられる摩擦フィット・コンポーネント242が存在しており、摩擦フィット・コンポーネント242は、上側部分238および下側部分240を一緒に保持する。また、上側部分238および下側部分240は、ガイド(図示せず)を含有しており、ガイドは、ラテラル・フロー・メンブレン226を適切な位置にしっかりと保持し、それが流体流路224に流体連通した状態になるようになっている。
【0097】
ホルダー202は、同様に、図17および図18に示されているように、嵌合させられる上側部分252および下側部分254から形成されている。下側部分254は、ハンドル216、本体部214、および、流体流路224の近位端部の底部側半分を含有している。上側部分252は、上部部分254よりもはるかに小さくなっており、凹面220の領域および開放した底部壁部232を含有している。これらの上側部分252および下側部分254は、流体流路224の近位端部を形成するために、摩擦によって一緒に嵌合する。
【0098】
図17および図18において見ることができるように、凹面220の領域および流体流路224は、ホルダー202の上側部分252の中に形成されている。受容部222は、ホルダー202の下側部分254の中に形成されている。これらの特徴のうちの1つまたは複数は、部分的にまたは全体的に、ホルダー202のいずれかの部分252、254によって形成され得るということが理解されることとなる。
【0099】
任意のラテラル・フロー・メンブレンが、本明細書で説明されているデバイスの中で使用され得り、および/または、本明細書で説明されている収集ユニットとともに使用され得るということが理解されることとなる。特定の態様では、ラテラル・フロー・メンブレンは、米国特許第7,785,865号明細書、米国特許第8,119,393号明細書、もしくは米国特許第7,238,538号明細書、または、国際特許出願の国際公開第2009/143601号もしくは国際公開第2013/155617号に説明されているようなものである。
【0100】
本明細書で説明されている収集ユニットは、とりわけ、唾液サンプルを収集する際に使用するのに適しているが、それらは、任意の流体、たとえば、血清、血液、血漿、細胞懸濁液、細胞培養上清、唾液、口腔液、脳脊髄液、羊水、母乳、初乳、乳腺分泌液、リンパ液、尿、汗、涙液、胃液、滑液、粘液など、または、それらの組み合わせを収集する際の使用を見出す可能性があるということが理解されることとなる。
【0101】
さらに、本明細書で説明されている収集ユニットは、一般的に小さい体積のサンプルが必要とされるラテラル・フロー・アッセイと組み合わせて使用するように説明されてきた。しかし、これらの収集ユニットは、任意の目的のために唾液を収集するために使用され得り、また、任意の所望の体積の唾液を収集するために適当にサイズ決めされ得り、それは、所望の最終使用に応じて変化し得るということが理解されることとなる。たとえば、唾液がDNAシーケンシング最終使用のために収集されている場合には、最大で約5mlまでの唾液が収集され得り、たとえば、約0.5mlから約5mlなど、たとえば、約1mlから約3mlなど、たとえば、約2mlなどの唾液が収集され得る。
【0102】
上記に述べられているように、絞り部34は、典型的に、流体流路24の断面積を低減させることによって形成されており、たとえば、流体流路24の上部壁部の厚さを増加させることなどによって形成されている。絞り部34は、流体流路の上部壁部および/または底部壁部の厚さを増加させることによって形成され得り、絞り部34は、任意の所望の形状のものであることが可能であり、たとえば、上流方向にまたは下流方向に流路を徐々にまたは突然に狭くするものなどであることが可能であるということが理解されることとなる。
【0103】
使用の方法
使用時に、本明細書で説明されている流体収集ユニット12、112、212が、流体サンプルの近くに、または、流体サンプルの中に設置される。流体サンプルが唾液であるときには、流体収集ユニット12、112、212は、口の中に設置され、たとえば、舌の下にまたは頬エリアの中などに設置される。次いで、収集ユニット12、112、212は、受動的に、唾液が口の中に作り出されるときに、唾液を吐き出す必要なしに、または、そうでなければ綿球で採取する必要なしに、唾液を収集する。
【0104】
流体が受容部22、122、222の中に収集すると、流体は、毛細管作用によって流体流路24、124、224の中へ引き込まれる。絞り部34は(存在するときには)、十分な液体が利用可能でないときには、流体フロー方向の反対側に毛細管力を増加させ、それによって、流体流路24、124、224に進入する泡の可能性を低減させる。唾液の最前部が流体流路24、124、224に沿って流れるときに、それは、その時点まで凹面20、120、220の領域の中の流体が流体流路24、124、224に進入することを防止していた、開放した底部壁部32、132、232における流体表面張力の破壊に起因して、凹面20、120、220の領域に進入した流体を収集することとなる。
【0105】
流体流路24、124、224が流体によって充填されていない場合には、または、流体流路24、124、224の中の流体の最前部が開放した底部壁部32、132、232において流体に接触し、それによって、流体流路24、124、224の中へ流体を引き込むまで、表面圧力が開放した底部壁部32、132、232を介した流体流路24、124、224の中へ流体フローを止めるのに十分になるように、凹面20、120、220の領域の底部における開放した底部壁部32、132、232のサイズは設計されている。これは、流体サンプルの中に存在している固体材料(たとえば、細胞およびバクテリアなど)によって受容部が遮断され得るリスクを低減させるだけでなく、泡が流体流路24、124、224に進入する可能性も低減させる。したがって、流体の最前部が毛細管作用によって流体流路24、124、224に沿って引き込まれるときに、開放した底部壁部32、132、232における液体表面は除去されており、表面圧力によって開放した底部壁部32、132、232において保持されている流体が、流体流路の中へ引き込まれ得るようになっている。これは、収集ユニット12、112、212の効率を増加させる。その理由は、それが、受容部22、122、222の中に存在する流体に加えて、凹面20、120、220の領域から流体を収集することができるからである。
【0106】
流体が流体流路24、124、224の端部に到達するときには、流体がラテラル・フロー・メンブレン26、126、226に進入することが可能であり、ラテラル・フロー・メンブレン26、126、226において、アッセイが実施されることとなり、テスト結果が観察され得る。流体は、代替的に、他の方式で使用され得るか、または、流体は、将来の使用のために収集および貯蔵され得る。
【0107】
上記の開示は、全体的に、本発明を説明している。状況が好都合であることを示唆するかまたは示す可能性があるときには、形態の変化および均等物の置換が企図される。特定の用語が本明細書で用いられてきたが、そのような用語は、記述的な意味であることが意図されており、限定の目的のためであることは意図されていない。
【0108】
上記に引用されているすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的におよび個別に、その全体が参照により組み込まれることが示されている場合と同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0109】
本発明の好適な実施形態が、本明細書で詳細に説明されてきたが、本発明の要旨または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それに対する変形例が作製され得るということが当業者によって理解されることとなる。
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