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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】タッチディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
G06F3/041 400
G06F3/041 422
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020194833
(22)【出願日】2020-11-25
(65)【公開番号】P2021103515
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0173972
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】張 在 亨
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲ミン▼ 朱
(72)【発明者】
【氏名】李 宰 源
(72)【発明者】
【氏名】朴 相 勳
(72)【発明者】
【氏名】元 ▲サン▼ 奕
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0151850(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0158894(US,A1)
【文献】特開2016-004682(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0182818(US,A1)
【文献】特開2019-061370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置される発光素子と、
前記発光素子上に配置される多数のタッチ電極と、
前記基板の縁部に形成されるテストパターンと、
前記発光素子と前記タッチ電極との間に配置される多数の絶縁膜の少なくとも一つと同じ素材からなり、前記テストパターン上に配置されるテストカバー層と
を備え
前記テストカバー層は、前記多数の絶縁膜の少なくとも一つから離隔されている、
タッチディスプレイ装置。
【請求項2】
前記多数の絶縁膜は前記発光素子と前記タッチ電極との間に配置される封止ユニットであり、
前記封止ユニットは、
前記発光素子上に配置される第1及び第2無機封止層と、
前記第1及び第2無機封止層の間に配置される有機封止層と
を含む、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項3】
前記テストカバー層は、
前記第1及び第2無機封止層と前記有機封止層の少なくとも一つと同じ素材からなる、
請求項2に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項4】
前記テストカバー層は前記第1及び第2無機封止層の少なくとも一つから延びる、請求項2に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項5】
前記テストカバー層は前記第1及び第2無機封止層と有機封止層の少なくとも一つから離隔される、請求項2に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項6】
前記テストパターンは、
前記テストカバー層と重畳する第1テストパターンと、
前記テストカバー層と重畳するか重畳しない第2テストパターンとを備える、
請求項2に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1テストパターンは前記発光素子のカソード電極と同じ素材からなり、
前記第2テストパターンは前記発光素子の発光スタックに含まれた少なくとも一つと同じ素材からなる、
請求項6に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項8】
前記有機封止層と境界を成すダムをさらに備え、
前記第1及び第2テストパターンは前記ダムと前記基板の末端との間に配置される、
請求項6に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項9】
前記テストカバー層は前記ダムより第1及び第2テストパターンの少なくとも一方に延びる、請求項8に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項10】
前記多数のタッチ電極と電気的に連結されるタッチパッドをさらに備える、請求項2に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項11】
前記封止ユニット上に配置されるタッチ絶縁膜をさらに備え、
前記タッチパッドは、
前記基板上に配置される第1タッチパッド電極と、
前記タッチ絶縁膜上に配置され、前記第1タッチパッド電極と連結される第2タッチパッド電極と
を含む、請求項10に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項12】
前記第1及び第2無機封止層の少なくとも一つの第1側面は前記有機封止層の第2側面より突出する、請求項2に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項13】
前記第1及び第2無機封止層は前記有機封止層より前記タッチパッド側に延びる、請求項10に記載のタッチディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチディスプレイ装置に関するもので、特にテストパターンの損傷を防止することができるタッチディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは、ディスプレイ装置などの画面に現れた指示内容を人の手又は物体で選択して使用者の命令を入力することができるようにした入力装置である。すなわち、タッチスクリーンは、人の手又は物体が直接接触した接触位置を電気的信号に変換し、接触位置で選択された指示内容が入力信号として受け入れられる。このようなタッチスクリーンはキーボード及びマウスのようにディスプレイ装置に連結されて動作する別途の入力装置を代替することができるから、その利用範囲が徐々に拡張している趨勢である。
【0003】
最近、タッチスクリーンが液晶ディスプレイパネル又は有機エレクトロルミネセンスディスプレイパネルのようなディスプレイパネル上に配置されるタッチディスプレイ装置に対する研究が活発に行われている。しかし、タッチスクリーンに含まれるタッチ電極などの製造工程の際、タッチ電極より先に形成されたテストパターンが損傷する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-215911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題点を解決するためのものであり、本発明はテストパターンの損傷を防止することができるタッチディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明によるタッチディスプレイ装置は、発光素子とタッチ電極との間に配置される多数の絶縁膜の少なくとも一つと同じ素材からなるテストカバー層が基板の縁部に形成されるテストパターン上に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるタッチディスプレイ装置は、発光素子に含まれた発光スタック及びカソード電極のそれぞれの特性をモニタリングするのに用いられるテストパターンを覆うように形成されるテストカバー層を備えることにより、タッチセンサーの製造工程の際にテストパターンが分離されることを防止することができる。
【0008】
特に、本発明によるタッチディスプレイ装置は、テストパターンの中でストリップ工程で除去することができないテストパターンをテストカバー層で保護することにより、テストパターンが分離される不良を防止することができ、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明によるタッチディスプレイ装置を示す斜視図である。
図2】本発明によるタッチディスプレイ装置を示す平面図である。
図3図2の線“I-I’”に沿って切断したタッチディスプレイ装置を示す断面図である。
図4図2に示したA1領域を拡大した平面図である。
図5a図2に示したA2領域のテストパターン及びテストカバー層の第1実施例を示す平面図である。
図5b図2に示したA2領域のテストパターン及びテストカバー層の第1実施例を示す断面図である。
図6a図2に示したA2領域のテストパターン及びテストカバー層の第2実施例を示す平面図である。
図6b図2に示したA2領域のテストパターン及びテストカバー層の第2実施例を示す断面図である。
図7a図2に示したA2領域のテストパターン及びテストカバー層の第3実施例を示す平面図である。
図7b図2に示したA2領域のテストパターン及びテストカバー層の第3実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明によるタッチディスプレイ装置を示す斜視図である。
【0012】
図1に示したタッチディスプレイ装置は、タッチ期間に図2に示したタッチ電極152e、154eを介して使用者のタッチによる相互キャパシタンス(mutual capacitance)(Cm;タッチセンサー)の変化量を感知してタッチ有無及びタッチ位置をセンシングする。そして、図1に示したタッチディスプレイ装置は、発光素子120を含む単位画素を介して映像を表示する。
【0013】
このために、タッチディスプレイ装置は、基板111上にマトリックス状に配列された多数のサブ画素SPからなる単位画素と、多数のサブ画素SP上に配置された封止ユニット140と、封止ユニット140上に配置されたタッチセンサーCmとを備える。
【0014】
単位画素は、一列に配置された赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のサブ画素SPから構成されるか、図1に示したように、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び白色(W)のサブ画素SPから構成される。
【0015】
多数のサブ画素SPのそれぞれは、画素駆動回路と、画素駆動回路と接続される発光素子120とを備える。
【0016】
画素駆動回路は、スイッチングトランジスタT1、駆動トランジスタT2及びストレージキャパシタCstを備える。一方、本発明では画素駆動回路が2個のトランジスタTと1個のキャパシタCとを備える構造を例として説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、3個以上のトランジスタTと1個以上のキャパシタCとを備える3T1C構造又は3T2C構造の画素駆動回路を用いることもできる。
【0017】
スイッチングトランジスタT1は、スキャンラインSLにスキャンパルスが供給されれば、ターンオンされ、データラインDLに供給されたデータ信号をストレージキャパシタCst及び駆動トランジスタT2のゲート電極に供給する。
【0018】
駆動トランジスタT2は、その駆動トランジスタT2のゲート電極に供給されるデータ信号に応じて、高電圧VDD供給ラインから発光素子120に供給される電流Iを制御することにより発光素子120の発光量を調節するようになる。そして、スイッチングトランジスタT1がターンオフされても、ストレージキャパシタCstに充電された電圧によって駆動トランジスタT2は次のフレームのデータ信号が供給されるまで一定の電流を供給して発光素子120が発光を維持するようにする。
【0019】
このような駆動トランジスタT2、130は、図3に示したように、バッファー層112上に配置される半導体層134と、ゲート絶縁膜102を挟んで半導体層134と重畳するゲート電極132と、層間絶縁膜114上に形成されて半導体層134と接触するソース及びドレイン電極136、138とを備える。ここで、半導体層134は、非晶質半導体物質、多結晶半導体物質及び酸化物半導体物質の少なくとも1種から形成される。
【0020】
発光素子120は、アノード電極122と、アノード電極122上に形成される発光スタック124と、発光スタック124上に形成されたカソード電極126とを備える。
【0021】
アノード電極122は画素平坦化層118を貫通する画素コンタクトホール116を通して露出された駆動トランジスタT2、130のドレイン電極138と電気的に接続される。
【0022】
少なくとも一つの発光スタック124はバンク128によって設けられた発光領域のアノード電極122上に形成される。少なくとも一つの発光スタック124は、アノード電極122上に正孔関連層、有機発光層、電子関連層の順に又は逆順に積層されて形成される。その他にも、発光スタック124は電荷生成層を挟んで対向する第1及び第2発光スタックを備えることもできる。この場合、第1及び第2発光スタックのいずれか一つの有機発光層は青色光を生成し、第1及び第2発光スタックの残りの一つの有機発光層は黄色-緑色光を生成することにより、第1及び第2発光スタックを介して白色光が生成される。この発光スタック124で生成された白色光は、発光スタック124の上部に位置するカラーフィルターに入射するので、カラー映像を具現することができる。その他にも、別途のカラーフィルターなしに各発光スタック124で各サブ画素に相応するカラー光を生成してカラー映像を具現することもできる。すなわち、赤色(R)サブ画素の発光スタック124は赤色光を、緑色(G)サブ画素の発光スタック124は緑色光を、青色(B)サブ画素の発光スタック124は青色光を生成することもできる。
【0023】
カソード電極126は発光スタック124を挟んでアノード電極122と対向するように形成される。このカソード電極126は低電圧VSS供給ラインと接続される。
【0024】
封止ユニット140は外部の水分や酸素に脆弱な発光素子120であり、外部の水分や酸素が浸透することを遮断する。このために、封止ユニット140は、多数の無機封止層142、146と、多数の無機封止層142、146の間に配置される有機封止層144とを備え、無機封止層146が最上層に配置されるようにする。ここで、封止ユニット140は少なくとも2層の無機封止層142、146と少なくとも1層の有機封止層144とを備える。本発明では、第1及び第2無機封止層142、146の間に有機封止層144が配置される封止ユニット140の構造を例として説明する。
【0025】
第1無機封止層142は、発光素子120に最も近接するようにカソード電極126が形成された基板111上に形成される。このような第1無機封止層142は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)又は酸化アルミニウム(Al)のような低温蒸着可能な無機絶縁素材から形成される。これにより、第1無機封止層142が低温雰囲気で蒸着されるので、第1無機封止層142の蒸着工程の際、高温雰囲気に脆弱な発光スタック124が損傷することを防止することができる。
【0026】
有機封止層144は有機発光ディスプレイ装置の撓みによる各層間の応力を緩和させる緩衝の役割を果たし、平坦化性能を強化する。この有機封止層144は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン又はシリコンオキシカーボン(SiOC)のような有機絶縁素材から形成される。
【0027】
このような有機封止層144がインクジェット方式で形成される場合、液状の有機封止層144が基板111の縁端に拡散することを防止するように、少なくとも一つのダム180が配置される。少なくとも一つのダム180により、基板111の最外殻に配置されるタッチパッド170及びディスプレイパッド178が配置されるパッド領域に有機封止層144が拡散することを防止することができる。このために、少なくとも一つのダム180は、図2に示したように、発光素子120が配置されるアクティブ領域を完全に取り囲むように形成されるか、アクティブ領域とパッド領域との間のみに形成されることもできる。タッチパッド170及びディスプレイパッド178が配置されるパッド領域が基板111の一側に配置される場合、少なくとも一つのダム180は基板111の一側のみに配置される。そして、タッチパッド170及びディスプレイパッド178が配置されるパッド領域が基板111の両側に配置される場合、少なくとも一つのダム180は基板111の両側に配置される。このような少なくとも一つのダム180は単層又は多層の構造を有するように形成される。少なくとも一つのダム180は画素平坦化層118、バンク128及びスペーサーの少なくとも一つと同じ素材から同時に形成される。
【0028】
第2無機封止層146は、有機封止層144が形成された基板111上に有機封止層144及び第1無機封止層142のそれぞれの上面及び側面を覆うように形成される。これにより、第2無機封止層146は外部の水分や酸素が第1無機封止層142及び有機封止層144に浸透することを最小化するか遮断する。このような第2無機封止層146は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)又は酸化アルミニウム(Al)のような無機絶縁素材から形成される。
【0029】
このような封止ユニット140上には、タッチ絶縁膜156、そのタッチ絶縁膜156を挟んで交差するように配置されるタッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152を含むタッチセンサーCmが配置される。このタッチセンサーはタッチ駆動ライン152に供給されるタッチ駆動パルスによって電荷を充電し、充電された電荷をタッチセンシングライン154に放電する。
【0030】
タッチ駆動ライン152は、多数の第1タッチ電極152eと、多数の第1タッチ電極152eの間を電気的に連結する第1ブリッジ152bとを備える。
【0031】
多数の第1タッチ電極152eはタッチ絶縁膜156上に第1方向であるX方向に一定の間隔で離隔される。このような多数の第1タッチ電極152eのそれぞれは第1ブリッジ152bを介して隣接した第1タッチ電極152eと電気的に連結される。
【0032】
第1ブリッジ152bはタッチ絶縁膜156を貫通するタッチコンタクトホール158を通して露出されて第1タッチ電極152eと電気的に接続される。
【0033】
タッチセンシングライン154は、多数の第2タッチ電極154eと、多数の第2タッチ電極154eの間を電気的に連結する第2ブリッジ154bとを備える。
【0034】
多数の第2タッチ電極154eはタッチ絶縁膜156上に第2方向であるY方向に一定の間隔で離隔される。このような多数の第2タッチ電極154eのそれぞれは第2ブリッジ154bを介して隣接した第2タッチ電極154eと電気的に連結される。
【0035】
第2ブリッジ154bは第2タッチ電極154eと同一平面であるタッチ絶縁膜156上に配置され、別途のコンタクトホールなしに第2タッチ電極154eと電気的に接続される。
【0036】
一方、タッチ駆動ライン152及びタッチセンシングライン154のそれぞれと封止ユニット140との間にはタッチバッファー膜(図示せず)が配置されることもできる。タッチバッファー膜によってタッチ駆動ライン152及びタッチセンシングライン154のそれぞれとカソード電極126との間の離隔距離が増加するので、タッチ駆動ライン152及びタッチセンシングライン154のそれぞれとカソード電極126との間の寄生キャパシタの容量値を減少させることができる。
【0037】
このような第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1及び第2ブリッジ152b、154bは、図4に示したように、各サブ画素SPの発光領域と重畳せずにバンク128と重畳するメッシュ状に形成される。これにより、第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1及び第2ブリッジ152b、154bによって開口率及び透過率が低下することを防止することができる。
【0038】
第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1及び第2ブリッジ152b、154bは透明導電膜より伝導性が良くて低抵抗電極に形成される。第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1及び第2ブリッジ152b、154bはルーティングライン160とともに、Ta、Ti、Cu、Moのような耐食性及び耐酸性に強くて伝導性の良いタッチ金属層を用いて単層又は多層の構造を有するように形成される。例えば、第1及び第2タッチ電極152e、154e、第1及び第2ブリッジ152b、154b及びルーティングライン160は、Ti/Al/Ti、MoTi/Cu/MoTi又はTi/Al/Moのように積層された3層構造を有するように形成される。これにより、第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1及び第2ブリッジ152b、154bとルーティングライン160のそれぞれの自体抵抗とキャパシタンスが減少し、RC遅延が減少してタッチ感度を向上させることができる。
【0039】
このような本発明のタッチ駆動ライン152及びタッチセンシングライン154のそれぞれはルーティングライン160及びタッチパッド170を介してタッチ駆動部(図示せず)と連結される。
【0040】
タッチパッド170はタッチ駆動部が実装された信号伝送フィルム(図示せず)と接続される。このようなタッチパッド170は第1及び第2タッチパッド電極172、174からなる。
【0041】
第1タッチパッド電極172は、封止ユニット140の下部に配置される基板111、バッファー層112及び層間絶縁膜114の少なくとも一つ上に配置される。このような第1タッチパッド電極172は、駆動薄膜トランジスタT2、130のゲート電極132、ソース及びドレイン電極136、138の少なくとも一つと同じ素材から同一平面上に単層又は多層の構造を有するように形成される。例えば、第1タッチパッド電極172はソース及びドレイン電極136、138と同じ素材から層間絶縁膜114上に配置されるので、ソース及びドレイン電極136、138と同じマスク工程によって形成される。
【0042】
第2タッチパッド電極174は、画素保護膜108及びタッチ絶縁膜156を貫通するパッドコンタクトホール176を通して露出された第1タッチパッド電極172と電気的に接続される。この第2タッチパッド電極174はルーティングライン160と同じマスク工程で形成されるので、ルーティングライン160と同じ素材から同一平面上に形成される。
【0043】
このような第2タッチパッド電極174はルーティングライン160から延設され、異方性導電フィルム(図示せず)を介してタッチ駆動部の実装された信号伝送フィルム(図示せず)と接続される。
【0044】
一方、タッチパッド170が配置されたノンアクティブ(ベゼル)領域にはディスプレイパッド178も一緒に配置される。例えば、図2に示したように、ディスプレイパッド178はタッチパッド170の間に配置されるか、タッチパッド170はディスプレイパッド178の間に配置されることもできる。その他にも、タッチパッド170はディスプレイパネルの一側に配置され、ディスプレイパッド178はディスプレイパネルの他側に配置されることもできる。一方、タッチパッド170及びディスプレイパッド178の配置は図2の構造に限定されず、ディスプレイ装置の設計事項によって多様に変更可能である。
【0045】
ディスプレイパッド178はタッチパッド170と違う積層構造を有するように形成されるか、図3に示したタッチパッド170と同じ積層構造を有するように形成される。
【0046】
ルーティングライン160は、タッチ駆動部で生成されたタッチ駆動パルスをタッチパッド170を介してタッチ駆動ライン152に伝送し、タッチセンシングライン154からのタッチ信号をタッチパッド170を介してタッチ駆動部に伝送する。これにより、ルーティングライン160は第1及び第2タッチ電極152e、154eのそれぞれとタッチパッド170との間に形成され、第1及び第2タッチ電極152e、154eのそれぞれとタッチパッド170を電気的に連結する。ここで、ルーティングライン160は、図2に示したように、第1タッチ電極152eからアクティブ領域の左側及び右側の少なくとも一側に延びてタッチパッド170と接続され、ルーティングライン160は第2タッチ電極154eからアクティブ領域の上側及び下側の少なくとも一側に延びてタッチパッド170と接続される。このようなルーティングライン160の配置はディスプレイ装置の設計事項によって多様に変更可能である。ルーティングライン160は、少なくとも一つのダム180の上部において、少なくとも一つのダム180と交差するように配置される。
【0047】
また、ルーティングライン160は第1及び第2ブリッジ152b、154bの少なくとも一つとともに形成され、単層又は多層の構造を有するように形成される。多層構造のルーティングライン160は互いに異なる層上に配置される上部ライン及び下部ラインを備え、上部ライン及び下部ラインはコンタクトホールを介して電気的に連結される。例えば、ルーティングライン160は、第1ブリッジ152bと同じ素材から同一平面上に配置される下部ラインと、第2ブリッジ154bと同じ素材から同一平面上に配置される上部ラインとを備え、上部ライン及び下部ラインはタッチ絶縁膜156を貫通するコンタクトホールを介して電気的に連結される。
【0048】
ダム180の外側と基板111の末端との間のベゼル領域には、図2に示したように、TEG(Test Element Group、以下“テストパターン190”という)が形成される。テストパターン190は基板111の上下左右又は角のベゼル領域に形成される。
【0049】
多数のテストパターン190は、タッチディスプレイ装置の製造工程のそれぞれの進行結果が正常に得られたかを確認するために、各工程の結果物の厚さ、抵抗、濃度、汚染の程度、臨界値及び素子の電気的特性などを測定するのに用いられる。すなわち、多数のテストパターン190は基板111上に形成された各薄膜層と同じ製造工程で一緒に形成された後、多数のテストパターン190のそれぞれを検査又はモニタリングして該当工程の信頼性、安全性及び工程マージンなどを評価する。
【0050】
多数のテストパターン190は、p型ドーパントがドーピングされた正孔輸送層(pHTL)、ドーパントがドーピングされなかった正孔輸送層(HTL)、電子輸送層(ETL)、正孔遮断層(HBL)、電子遮断層(EBL)など、発光スタック124に含まれる薄膜層、多層構造のキャッピング層(CPL)及び多層構造のカソード電極126のそれぞれと同じ製造工程でベゼル領域に形成される。
【0051】
このような多数のテストパターン190のうち、封止ユニット140上に配置されるタッチ導電層(例えば、タッチ電極152e、154e、ブリッジ152b、154b、ルーティングライン160、第2タッチパッド電極174)の製造工程の際に一部のテストパターン190が分離される。よって、本発明では、分離不良が発生し得るテストパターン190を、図5a~図7bに示したように、テストカバー層192で保護することにより、タッチ導電層の製造工程の際にテストパターン190が分離されて損傷することを防止することができる。
【0052】
具体的に、多数のテストパターン190は、図5a~図7bに示したように、第1及び第2テストパターン190a、190bに区分される。例えば、第1テストパターン190aはカソード電極126に含まれる多層の中で最上部に配置されるカソード導電層と同じ製造工程で形成される。第2テストパターン190bは、p型ドーパントがドーピングされた正孔輸送層(pHTL)、ドーパントがドーピングされなかった正孔輸送層(HTL)、電子輸送層(ETL)、正孔遮断層(HBL)、電子遮断層(EBL)、多層構造のキャッピング層の少なくとも一つと同じ製造工程で形成される。
【0053】
このうち、カソード電極126の厚さ、抵抗及び電気的特性などを測定するのに用いられる第1テストパターン190aは、その第1テストパターン190aの下部に配置される下部薄膜層との接着力が弱くてタッチ導電層の蒸着工程の際に分離される。しかし、第1テストパターン190aはストリップ工程で除去されないため、異物不良(例えば、ショート不良)が発生することになる。
【0054】
第2テストパターン190bのうち、下部キャッピング層、正孔遮断層(HBL)及び電子輸送層(ETL)のそれぞれの厚さ、抵抗及び電気的特性などを測定するのに用いられる第2テストパターン190bは、その第2テストパターン190bの下部に配置される下部薄膜層との接着力が弱くてタッチ導電層の蒸着工程の際に分離されるが、ストリップ工程で除去されるので、異物不良が発生しない。
【0055】
第2テストパターン190bのうち、上部キャッピング層、p型ドーパントがドーピングされた正孔輸送層(pHTL)、ドーパントがドーピングされなかった正孔輸送層(HTL)及び電子遮断層(EBL)のそれぞれの厚さ、抵抗及び電気的特性などを測定するのに用いられる第2テストパターン190bは、その第2テストパターン190bの下部に配置される下部薄膜層との接着力が強くてタッチ導電層の蒸着工程の際に分離不良が発生しない。
【0056】
テストカバー層192は、タッチ導電層の製造工程の際にテストパターン190が損傷することを防止することができるように、タッチ導電層の製造工程の前にテストパターン190を覆うように形成される。このために、テストカバー層192は、発光素子120及びタッチ導電層の間に配置される多数の絶縁膜の少なくとも一つと同じ素材から単層又は多層の構造を有するように形成される。テストカバー層192は、封止ユニット140に含まれた第1及び第2無機封止層142、146の少なくとも一つと同じ素材から一緒に形成されるか、有機封止層144と同じ素材から有機封止層144と一緒に形成されるか、第1及び第2無機封止層142、146と有機封止層144のそれぞれと同じ素材から一緒に形成される。例えば、テストカバー層192は、図5b、図6b及び図7bに示したように、第1及び第2無機封止層142、146のそれぞれと同じ素材から、第1及び第2無機封止層142、146のそれぞれとともに形成される第1及び第2テストカバー層192a、192bから形成される。
【0057】
このような本発明のテストカバー層192及びテストパターン190は、図5a及び図5bの実施例1、図6a及び図6bの実施例2、又は図7a及び図7bの実施例3の構造を有するように形成される。
【0058】
図5a及び図5bに示した第1テストパターン190aはダム180に隣接して配置される。このような第1テストパターン190aは、最外殻ダムの外側面上に形成される第1及び第2無機封止層142、146から延びたテストカバー層192によって保護される。ここで、第1及び第2無機封止層142、146とテストカバー層192a、192bは第1及び第2開口部を備える蒸着マスクを用いて一緒に形成される。第1開口部は第1及び第2無機封止層142、146の形成領域に対応し、第2開口部は第1開口部と連結され、テストカバー層192a、192bの形成領域に対応する。
【0059】
これにより、第1テストパターン190aはテストカバー層192と重畳することにより、タッチ導電層の製造工程の際に第1テストパターン190aが分離される不良を防止することができる。また、第2テストパターン190bはテストカバー層192と重畳しないが、その第2テストパターン190bの下部薄膜層との接着力が強いかストリップ工程で除去できるので、タッチ導電層の製造工程の際に分離不良を防止することができる。
【0060】
図6a及び図6bに示した第1テストパターン190aはダム180から遠く配置される。このような第1テストパターン190aは、最外殻ダムの外側面上に形成される第1及び第2無機封止層142、146から離隔したテストカバー層192によって保護される。ここで、第1及び第2無機封止層142、146とテストカバー層192a、192bは第1及び第2開口部を備える蒸着マスクを用いて一緒に形成される。第1開口部は第1及び第2無機封止層142、146の形成領域に対応し、第2開口部は第1開口部から離隔し、テストカバー層192a、192bの形成領域に対応する。
【0061】
これにより、第1テストパターン190aはテストカバー層192と重畳することにより、タッチ導電層の製造工程の際に第1テストパターン190aが分離される不良を防止することができる。また、第2テストパターン190bはテストカバー層192と重畳しないが、その第2テストパターン190bの下部薄膜層との接着力が強いかストリップ工程で除去できるので、タッチ導電層の製造工程の際に分離不良を防止することができる。
【0062】
図7a及び図7bに示した第1テストパターン190aはダム180に近く又は遠く配置される。このような第1テストパターン190a及び第2テストパターン190bはテストカバー層192によって保護される。ここで、テストカバー層192は基板111の末端であるトリミングライン(Trimming Line)に隣接して配置されるか、基板111の末端であるトリミングライン(Trimming Line)まで形成されることもできる。これにより、第1及び第2テストパターン190a、190bはテストカバー層192と重畳することにより、タッチ導電層の製造工程の際に第1及び第2テストパターン190a、190bが分離される不良を防止することができる。
【0063】
一方、本発明では発光素子と同じ工程で形成されるテストパターンを例として説明したが、その他にも薄膜トランジスタと同じ工程で形成されるテストパターンにも適用可能である。
【0064】
また、本発明では相互キャパシタンス(mutual capacitance)のタッチセンサー構造を例として説明したが、これに限定されるものではなく、自己容量(Self capacitance)のタッチセンサー構造にも適用可能である。すなわち、多数のタッチ電極のそれぞれはそのタッチ電極自体に形成された静電容量を含むので、使用者のタッチによる静電容量の変化を感知する自己容量(Self-Capacitance)方式のタッチセンサーとして用いられる。多数のタッチ電極のそれぞれはルーティングラインのそれぞれと一対一で接続される。多数のタッチ電極のそれぞれは多数のルーティングラインのいずれか一つと電気的に接続され、残りのルーティングラインとは接続されない。例えば、第m(ここで、mは自然数)タッチ電極は第mルーティングラインと接続され、第mルーティングラインを除いた残りのルーティングラインとは接続されない。第m+1タッチ電極は第m+1ルーティングラインと電気的に接続され、第m+1ルーティングラインを除いた残りのルーティングラインと接続されない。ここで、ルーティングラインは多数のタッチ電極を横切るように配置されるか、タッチ電極の間に配置されることもできる。ルーティングラインはタッチ絶縁膜を挟んでタッチ電極と違う層上に配置されるので、タッチ絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介してタッチ電極と電気的に接続される。その他にも、ルーティングラインはタッチ電極と同じ層上に配置され、別途のコンタクトホールなしにタッチ電極と直接接続されることもできる。
【0065】
本発明の多様な実施例によるタッチディスプレイ装置は次のように説明することができる。
【0066】
本発明によるタッチディスプレイ装置は、基板上に配置される発光素子と、前記発光素子上に配置される多数のタッチ電極と、前記基板の縁部に形成されるテストパターンと、前記発光素子と前記タッチ電極との間に配置される多数の絶縁膜の少なくとも一つと同じ素材からなり、前記テストパターン上に配置されるテストカバー層とを備える。
【0067】
本発明によるタッチディスプレイ装置の多数の絶縁膜は前記発光素子と前記タッチ電極との間に配置される封止ユニットであり、前記封止ユニットは、前記発光素子上に配置される第1及び第2無機封止層と、前記第1及び第2無機封止層の間に配置される有機封止層とを含む。
【0068】
本発明によるタッチディスプレイ装置のテストカバー層は、前記第1及び第2無機封止層と前記有機封止層の少なくとも一つと同じ素材からなる。
【0069】
本発明によるタッチディスプレイ装置の前記テストカバー層は前記第1及び第2無機封止層の少なくとも一つから延びるか、あるいは前記テストカバー層は前記第1及び第2無機封止層と有機封止層の少なくとも一つから離隔される。
【0070】
本発明によるタッチディスプレイ装置のテストパターンは、前記テストカバー層と重畳する第1テストパターンと、前記テストカバー層と重畳するか重畳しない第2テストパターンとを備える。ここで、第1テストパターンは前記発光素子のカソード電極と同じ素材からなり、前記第2テストパターンは前記発光素子の発光スタックに含まれた少なくとも一つと同じ素材からなる。
【0071】
本発明によるタッチディスプレイ装置は前記有機封止層と境界を成すダムをさらに備え、前記第1及び第2テストパターンは前記ダムと前記基板の末端との間に配置される。
【0072】
以上の説明は本発明を例示的に説明したものに過ぎなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な変形が可能であろう。したがって、本発明の明細書に開示された実施例は本発明を限定するものではない。本発明の範囲は下記の特許請求範囲によって解釈されなければならなく、それと均等な範囲内にある全ての技術も本発明の範囲に含まれるものに解釈さなければならないであろう。
【符号の説明】
【0073】
120 発光素子
140 封止ユニット
142、146 無機封止層
144 有機封止層
152 タッチ駆動ライン
154 タッチセンシングライン
160 ルーティングライン
170 タッチパッド
180 ダム
190 テストパターン
192 テストカバー層
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b