(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】CD39間質幹細胞の単離方法と使用
(51)【国際特許分類】
C12N 5/077 20100101AFI20221110BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20221110BHJP
【FI】
C12N5/077
C07K16/28
(21)【出願番号】P 2020523063
(86)(22)【出願日】2018-07-12
(86)【国際出願番号】 IB2018000939
(87)【国際公開番号】W WO2019012334
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-09
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520012460
【氏名又は名称】オーブセン セラピューティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】エリマン,スティーブン,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カヴァナー,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】クチュール,ラリー,エー.
(72)【発明者】
【氏名】オフリン,リサ
【審査官】北村 悠美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-509360(JP,A)
【文献】Cell Transplantation,2011年,Vol. 20, pp. 1221-1230
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 5/00-5/28
C12N 15/00-15/90
A61K 35/00-35/768
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物細胞の混合集団からSDC2+間質幹細胞の集団を単離する方法であって、前記方法は、
(a)哺乳動物細胞の混合集団をCD39結合剤に接触させる工程
、
(b)CD39結合剤に結合した細胞を単離する工程
、
及び(c)単離した細胞中のSDC2+細胞存在量を測定する工程であって、それによりSDC2+間質幹細胞の集団を単離する、工程を含む、方法。
【請求項2】
SDC2+間質幹細胞の集団は、ヒト、マウス、ラット、およびウマの細胞からなるリストから選択される細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
哺乳動物細胞の混合集団は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞に由来する細胞の少なくとも1つから選択されたソースから得られる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
CD39結合剤は抗体を含む、請求項1-3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも20%は、SDC2+である、請求項1-4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも40%は、SDC2+である、請求項1-5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも70%は、SDC2+である、請求項1-6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
単離細胞を培養する工程を含む、請求項1-7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも90%は、CD45-である、請求項1-8のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
本出願は、2017年7月14日に出願された米国仮出願第62/532,800号と、2017年7月19日に出願された米国仮出願第62/534,631号の利益を主張するものであり、当該文献はそれぞれ、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
<関連出願>
本出願は全体にわたって2017年1月13日に出願されたPCT出願第PCT/IB2017/000091を参照することにより組み込む。
【背景技術】
【0003】
間葉系幹細胞(例えば、間葉系の間質幹細胞および間質細胞)は、様々な疾患を処置する際に治療的な価値を持つことが示されてきた。これらの細胞は、インビボの小動脈、シヌソイド内皮、および高内皮小胞に関連することがわかっており、それらは内皮細胞活性化、および血管系から標的組織への免疫細胞の輸送を制御することができる。加えて、間葉系幹細胞は、同種異系拒絶を回避するなどの、ならびに、ナチュラルキラー細胞、好中球、樹状細胞、単球/マクロファージ、および、リンパ球などの阻害免疫細胞の免疫抑制および抗炎症性の特性を持つことが示されている。さらに、間葉系幹細胞は、肝細胞増殖因子(HGF)、IL-10、TGFβ1、シクロオキシゲナーゼ1および2、シンデカン-2、および、PGE-2などの免疫抑制サイトカインを産生することがわかっている。間葉系幹細胞の免疫抑制活性は、炎症性の刺激、具体的には、インターフェロンγの存在下で増加することが分かっている。こうした特性により、間葉系幹細胞およびその誘導体(例えば、間葉系間質幹細胞、間質細胞、および間葉系幹細胞によって産生されたエキソソーム)は、とりわけ、疾患を処置するその能力が興味深いものとなっている。
【発明の概要】
【0004】
哺乳動物細胞の混合集団からSDC2+間質幹細胞の集団を単離する方法が本明細書で提供される。方法は、(a)哺乳動物細胞の混合集団をCD39結合剤に接触させる工程;(b)CD39結合剤に結合した細胞を単離する工程;および、(c)単離細胞中のSDC2+細胞存在量を測定する工程であって、それにより、SDC2+間質幹細胞の集団を単離する、工程の1つ以上を含む。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマの細胞を含む。いくつかの例では、哺乳動物細胞の混合集団は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞に由来する細胞の少なくとも1つから選択されたソースから得られる。多くのCD39結合剤は本明細書の開示と一致している。しばしば、CD39結合剤は抗体を含む。場合によっては、抗体はCD39抗原に対して産生される。いくつかの例では、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。しばしば、抗体は、ヒト、マウス、ラット、およびウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。場合によっては、抗体がフルオロフォアに抱合する。ときどき、抗体はビーズに抱合する。しばしば、SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも20%は、SDC2+である。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも40%は、SDC2+である。しばしば、SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも70%は、SDC2+である。場合によっては、CD39結合剤に結合した細胞を単離することは、蛍光活性化細胞選別を含む。いくつかの例では、CD39結合剤に結合した細胞を単離することは、磁気活性化細胞選別を含む。しばしば、上記方法は単離細胞を培養する工程を含む。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の少なくとも90%は、CD45-である。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団は、CD25+FoxP3+制御性T細胞をさらに含む。場合によっては、上記方法は、アピラーゼを過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39L3を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD73を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。
【0005】
さらに、免疫調節組成物を調製する方法が本明細書で提供される。提供される方法は、SDC2+間質幹細胞の集団を含み、上記方法は、(a)哺乳動物細胞の混合集団をCD39結合剤に接触させる工程;(b)CD39結合剤に結合した細胞を単離する工程;および、(c)単離細胞中のSDC2+細胞存在量を測定する工程を含む。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマの細胞の集団である。しばしば、哺乳動物細胞の混合集団は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞に由来する細胞の少なくとも1つから選択されたソースから得られる。場合によっては、CD39結合剤は抗体を含む。しばしば、抗体はCD39抗原に対して産生される。いくつかの例では、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。場合によっては、抗体は、ヒト、マウス、ラット、およびウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。ときどき、抗体はフルオロフォアに抱合する。いくつかの例では、抗体はビーズに抱合する。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも20%は、SDC2+である。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも40%は、SDC2+である。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団の少なくとも70%は、SDC2+である。しばしば、CD39結合剤に結合した細胞を単離することは、蛍光活性化細胞選別を含む。場合によっては、CD39結合剤に結合した細胞は、磁気活性化細胞選別を含む。いくつかの例では、単離細胞を培養する。しばしば、SDC2+間質幹細胞の少なくとも90%は、CD45-である。場合によっては、組成物は緩衝剤をさらに含む。いくつかの例では、組成物は細胞外マトリックスをさらに含む。多くの場合、細胞外マトリックスはコラーゲンを含む。場合によっては、細胞外マトリックスはヒアルロン酸を含む。しばしば、組成物は、DMSOを含む凍結保存剤をさらに含む。いくつかの例では、組成物は、グリセロールを含む凍結保存剤をさらに含む。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団は、CD25+FoxP3+制御性T細胞をさらに含む。場合によっては、上記方法は、アピラーゼを過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39L3を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD73を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。
【0006】
さらに、免疫調節組成物を単離する方法が本明細書で提供される。いくつかのそのような方法は、以下の少なくとも1つを含む:(a)哺乳動物細胞の集団をCD39結合剤に接触させる工程;(b)CD39結合剤に結合した細胞を単離する工程;および、(c)単離した細胞からエキソソームを含有する上清を回収する工程を含む。場合によっては、上清からエキソソーム画分を得ること。しばしば、エキソソーム画分を得ることは上清を遠心分離機にかけることを含む。いくつかの例では、遠心分離は約100,000gで細胞を遠心分離機にかけることを含む。場合によっては、遠心分離は少なくとも1時間細胞を遠心分離機にかけることを含む。いくつかの例では、遠心分離は限外濾過を含む。場合によっては、遠心分離はサイズ排除液体クロマトグラフィーを含む。しばしば、エキソソーム画分を得ることは限外濾過を含む。場合によっては、エキソソーム画分を得ることは、サイズ排除液体クロマトグラフィーを含む。いくつかの例では、エキソソーム画分を得ることは、上清を抗体へ接触させることを含む。しばしば、抗体は、抗CD39の抗体および抗SDC2抗体の少なくとも1つから選択される。場合によっては、エキソソームはパラクリンシグナル伝達エキソソームである。しばしば、単離細胞はSDC2+である。いくつかの例では、単離細胞は間葉系幹細胞を含む。場合によっては、単離細胞の少なくとも90%は、CD45-である。いくつかの例では、上記方法は室温でエキソソーム画分を保存する工程を含む。しばしば、上記方法は低温保存なしでエキソソーム画分を保存する工程を含む。場合によっては、上記方法は免疫抑制薬を免疫調節組成物に加える工程を含む。しばしば、単離細胞はエキソソーム産生を誘発するために撹乱される。いくつかの例では、単離細胞は中空繊維バイオリアクターにおいて培養される。場合によっては、単離細胞はCD25+FoxP3+制御性T細胞を含む。場合によっては、上記方法は、アピラーゼを過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39L3を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD73を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。
【0007】
さらに、哺乳動物における炎症応答を調節する方法が本明細書で提供される。いくつかのそのような方法は、炎症応答の部位にSDC2+細胞を含む組成物を送達する工程を含み、ここで、SDC2+細胞は、CD39発現に基づいて細胞を単離することにより細胞の混合集団から精製される。いくつかの例では、細胞を単離することは、CD39結合剤に結合した細胞を採取する工程を含む。しばしば、細胞を単離することは、CD39結合剤に結合した細胞を培養することを含む。場合によっては、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物を注入することを含む。しばしば、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物を局所的に適用することを含む。場合によっては、組成物はヒドロゲルを含む。いくつかの例では、組成物はコラーゲンゲルを含む。場合によっては、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物を眼内投与することを含む。しばしば、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物の眼科適用を含む。場合によっては、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物の静脈内送達を含む。いくつかの例では、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物のリンパ節内注射を含む。場合によっては、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物の皮下送達を含む。しばしば、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物の腹腔内送達を含む。場合によっては、送達する工程は、SDC2+細胞を含む組成物の髄腔内送達を含む。いくつかの例では、SDC2+細胞であって、SDC2+細胞は、ヒト、マウス、ラット、およびウマの細胞の少なくとも1つから選択される。場合によっては、哺乳動物細胞の混合集団は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞に由来する細胞から選択されたソースから得られる。しばしば、CD39結合剤は抗体を含む。場合によっては、抗体はCD39抗原に対して産生される。いくつかの例では、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。場合によっては、抗体は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。場合によっては、抗体がフルオロフォアに抱合する。しばしば、抗体はビーズに抱合する。しばしば、SDC2+細胞の少なくとも20%は、SDC2+である。場合によっては、SDC2+細胞の少なくとも40%は、SDC2+である。いくつかの例では、SDC2+細胞の少なくとも70%は、SDC2+である。場合によっては、細胞を単離することは蛍光活性化細胞選別を含む。場合によっては、細胞を単離することは磁気活性化細胞選別を含む。しばしば、SDC2+細胞の少なくとも90%は、CD45-である。場合によっては、上記方法は少なくとも10∧3 SDC2+細胞を送達する工程を含む。場合によっては、上記方法は少なくとも10∧4 SDC2+細胞を送達する工程を含む。場合によっては、上記方法は少なくとも10∧5 SDC2+細胞を送達する工程を含む。場合によっては、上記方法は少なくとも10∧6 SDC2+細胞を送達する工程を含む。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団は、CD25+FoxP3+制御性T細胞をさらに含む。場合によっては、上記方法は、アピラーゼを過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39L3を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD73を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。しばしば、炎症反応は、1型糖尿病、2型糖尿病、敗血症、クローン病、炎症性腸症候群、関節リウマチ、移植片対宿主病、多発性硬化症、ALS、皮膚創傷、骨折、脳震盪創傷、熱傷、アテローム動脈硬化症、腎症、心筋症、神経障害、腎障害、腎不全、糖尿病潰瘍、下腿潰瘍、ARDS、敗血症、炎症性肝疾患、心筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、亜急性細菌性心内膜炎、抗糸球体基底膜腎炎、間質性膀胱炎、ループス腎炎(lupus enphritis)、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、抗シンテターゼ症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、無気肺、気管支炎、肺気腫(emphasema)、肺炎、肺水腫(pulmonary endema)、円形脱毛症、自己免疫血管浮腫、自己免疫プロゲステロン皮膚炎、自己免疫蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円板状紅斑性狼瘡、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、懐胎性類天疱瘡、化膿性汗腺炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、線形IgA疾患、斑状強皮症、尋常性天疱瘡、急性痘瘡状苔癬状ひこう疹、ムッハ・ハーベルマン病、乾癬、全身性強皮症、白斑、アジソン病、自己免疫多内分泌腺性症候群、2型自己免疫多内分泌腺性症候群、3型自己免疫多内分泌腺性症候群、自己免疫性膵炎、自己免疫性甲状腺炎、Ord甲状腺炎、グレーヴス病、生殖器障害、自己免疫性卵巣炎、子宮内膜症、自己免疫性精巣炎、シェーグレン症候群、自己免疫腸疾患、セリアック病、顕微鏡的大腸炎、潰瘍性大腸炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫溶血性貧血、自己免疫リンパ増殖性症候群、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、寒冷凝集素症、必須混合型クリオグロブリン血症、エバンス症候群、IgG4関連の全身性疾患、発作性夜間色素尿症、悪性貧血、赤芽球ろう、血小板減少症、有痛脂肪症、成人発症スチル病、強直性脊椎炎、クレスト症候群、薬剤誘発性ループス、腱靭帯付着部炎関連の関節炎、好酸球性筋膜炎、フェルティ症候群、若年性関節炎、ライム病(慢性)、混合結合組織病、回帰性リウマチ、パリー・ロンベルグ症候群、パーソナージュ・ターナー症候群、乾癬性関節炎、反応性関節炎、再発性多発性軟骨炎、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、全身性エリテマトーデス、未分化結合組織疾患、悪液質、サルコペニア(sarcophenia)、皮膚筋炎、線維筋痛症、封入体筋炎、筋炎、重症筋無力症、神経性筋緊張病、腫瘍随伴性小脳変性症、多発性筋炎、急性散在性脳脊髄膜炎、急性運動軸索神経障害、抗-N-メチル-D-アスパラギン酸塩受容体脳炎、バロー同心円性硬化症、ビッカースタッフ脳炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、橋本脳障害、特発性炎症性脱髄症、ランバート・イートン筋無力症候群、多発性硬化症、連鎖球菌に関連付けられる小児自己免疫神経精神障害、進行性炎症性神経障害、むずむず脚症候群、スティッフパーソン症候群、シデナム舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、横断脊髄炎、自己免疫網膜症、自己免疫ブドウ膜炎、コーガン症候群、グレーヴス眼症、中間部ブドウ膜炎、木質性結膜炎、モーレン潰瘍、視神経脊髄炎、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、強膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、トローザ・ハント症候群、自己免疫内耳疾患、メニエール病、抗好中球細胞質抗体関連の脈管炎、ベーチェット病、チャーグ・ストラウス症候群、巨細胞性動脈炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、川崎病、白血球破砕性血管炎、ループス血管炎、リウマチ性血管炎、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛、蕁麻疹様血管炎、および血管炎のうち少なくとも1つを含む。
【0008】
さらに、哺乳動物における炎症応答を調節する方法が本明細書で提供される。いくつかのそのような方法は、エキソソームを含有する組成物を炎症反応の部位に送達する工程を含み、ここで、エキソソームはSDC2+であり、およびエキソソームは、CD39発現に基づいて哺乳動物細胞の混合集団から単離されたSDC2+細胞に由来する。場合によっては、細胞を単離することは、CD39結合剤に結合した細胞を採取する工程を含む。しばしば、細胞を単離することは、CD39結合剤に結合した細胞を培養することを含む。しばしば、送達する工程は、エキソソームを含む組成物を注入することを含む。時々、送達する工程は、エキソソームを含む組成物を局所的に適用することを含む。場合によっては、組成物はヒドロゲルを含む。しばしば、組成物はコラーゲンゲルを含む。いくつかの例では、送達する工程は、エキソソームを含む組成物を眼内投与することを含む。場合によっては、送達する工程は、エキソソームを含む組成物の眼科適用を含む。時々、送達する工程は、エキソソームを含む組成物の静脈内送達を含む。場合によっては、送達する工程は、エキソソームを含む組成物のリンパ節内注射を含む。場合によっては、送達する工程は、エキソソームを含む組成物の皮下送達を含む。いくつかの例では、送達する工程は、エキソソームを含む組成物の腹腔内送達を含む。場合によっては、送達する工程は、エキソソームを含む組成物の髄腔内送達を含む。しばしば、エキソソームは、ヒト、マウス、ラット、およびウマの細胞の少なくとも1つであるSDC2+細胞から単離される。時々、哺乳動物細胞の混合集団は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞に由来する細胞から選択されたソースから得られる。場合によっては、CD39結合剤は抗体を含む。場合によっては、抗体はCD39抗原に対して産生される。いくつかの例では、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。しばしば、抗体は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。場合によっては、抗体がフルオロフォアに抱合する。ときどき、抗体はビーズに抱合する。場合によっては、エキソソームの少なくとも20%は、SDC2+である。場合によっては、エキソソームの少なくとも40%は、SDC2+である。場合によっては、エキソソームの少なくとも70%は、SDC2+である。しばしば、細胞を単離することは蛍光活性化細胞選別を含む。場合によっては、細胞を単離することは磁気活性化細胞選別を含む。いくつかの例では、上記方法は、CD39結合剤に結合した細胞を培養する工程をさらに含む。場合によっては、細胞はCD45-である。場合によっては、上記方法は少なくとも10∧6 エキソソームを送達する工程を含む。場合によっては、上記方法は少なくとも10∧7 エキソソームを送達する工程を含む。場合によっては、上記方法は少なくとも10∧8 エキソソームを送達する工程を含む。場合によっては、上記方法は少なくとも10∧9 エキソソームを送達する工程を含む。場合によっては、SDC2+間質幹細胞の集団は、CD25+FoxP3+制御性T細胞をさらに含む。場合によっては、上記方法は、アピラーゼを過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD39L3を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。場合によっては、上記方法は、CD73を過剰発現するように細胞を遺伝子改変する工程を含む。しばしば、炎症反応は、1型糖尿病、2型糖尿病、敗血症、クローン病、炎症性腸症候群、関節リウマチ、移植片対宿主病、多発性硬化症、ALS、皮膚創傷、骨折、脳震盪創傷、熱傷、アテローム動脈硬化症、腎症、心筋症、神経障害、腎障害、腎不全、糖尿病潰瘍、下腿潰瘍、ARDS、敗血症、炎症性肝疾患、心筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、亜急性細菌性心内膜炎、抗糸球体基底膜腎炎、間質性膀胱炎、ループス腎炎(lupus enphritis)、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、抗シンテターゼ症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、無気肺、気管支炎、肺気腫、肺炎、肺水腫、円形脱毛症、自己免疫血管浮腫、自己免疫プロゲステロン皮膚炎、自己免疫蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円板状紅斑性狼瘡、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、懐胎性類天疱瘡、化膿性汗腺炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、線形IgA疾患、斑状強皮症、尋常性天疱瘡、急性痘瘡状苔癬状ひこう疹、ムッハ・ハーベルマン病、乾癬、全身性強皮症、白斑、アジソン病、自己免疫多内分泌腺性症候群、2型自己免疫多内分泌腺性症候群、3型自己免疫多内分泌腺性症候群、自己免疫性膵炎、自己免疫性甲状腺炎、Ord甲状腺炎、グレーヴス病、生殖器障害、自己免疫性卵巣炎、子宮内膜症、自己免疫性精巣炎、シェーグレン症候群、自己免疫腸疾患、セリアック病、顕微鏡的大腸炎、潰瘍性大腸炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫溶血性貧血、自己免疫リンパ増殖性症候群、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、寒冷凝集素症、必須混合型クリオグロブリン血症、エバンス症候群、IgG4関連の全身性疾患、発作性夜間色素尿症、悪性貧血、赤芽球ろう、血小板減少症、有痛脂肪症、成人発症スチル病、強直性脊椎炎、クレスト症候群、薬剤誘発性ループス、腱靭帯付着部炎関連の関節炎、好酸球性筋膜炎、フェルティ症候群、若年性関節炎、ライム病(慢性)、混合結合組織病、回帰性リウマチ、パリー・ロンベルグ症候群、パーソナージュ・ターナー症候群、乾癬性関節炎、反応性関節炎、再発性多発性軟骨炎、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、全身性エリテマトーデス、未分化結合組織疾患、悪液質、サルコペニア、皮膚筋炎、線維筋痛症、封入体筋炎、筋炎、重症筋無力症、神経性筋緊張病、腫瘍随伴性小脳変性症、多発性筋炎、急性散在性脳脊髄膜炎、急性運動軸索神経障害、抗-N-メチル-D-アスパラギン酸塩受容体脳炎、バロー同心円性硬化症、ビッカースタッフ脳炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、橋本脳障害、特発性炎症性脱髄症、ランバート・イートン筋無力症候群、多発性硬化症、連鎖球菌に関連付けられる小児自己免疫神経精神障害、進行性炎症性神経障害、むずむず脚症候群、スティッフパーソン症候群、シデナム舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、横断脊髄炎、自己免疫網膜症、自己免疫ブドウ膜炎、コーガン症候群、グレーヴス眼症、中間部ブドウ膜炎、木質性結膜炎、モーレン潰瘍、視神経脊髄炎、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、強膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、トローザ・ハント症候群、自己免疫内耳疾患、メニエール病、抗好中球細胞質抗体関連の脈管炎、ベーチェット病、チャーグ・ストラウス症候群、巨細胞性動脈炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、川崎病、白血球破砕性血管炎、ループス血管炎、リウマチ性血管炎、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛、蕁麻疹様血管炎、および血管炎のうち少なくとも1つを含む。
【0009】
少なくとも20%のSDC2+である細胞の集団を含む組成物が本明細書でさらに提供され、前記細胞の集団はCD39結合剤に結合する。場合によっては、細胞の集団は少なくとも30%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも40%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも50%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも60%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも70%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも80%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも90%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも95%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも99%のSDC2+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも20%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも30%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも40%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも50%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも60%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも70%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも80%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも90%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも95%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団は少なくとも99%のCD39+である。場合によっては、細胞の集団の少なくとも90%は、CD45-である。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも10∧6 エキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも10∧7 エキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも10∧8 エキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも1μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも10μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも20μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも50μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも100μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも150μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも200μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも250μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも500μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも750μgのエキソソームをさらに含む。いくつかの例では、組成物は、CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも1000μgのエキソソームをさらに含む。場合によっては、CD39結合剤は抗体を含む。場合によっては、抗体はCD39抗原に対して産生される。いくつかの例では、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。しばしば、抗体は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。場合によっては、抗体がフルオロフォアに抱合する。ときどき、抗体はビーズに抱合する。いくつかの例では、組成物は緩衝剤をさらに含む。いくつかの例では、組成物は、DMSOを含む凍結保存剤をさらに含む。いくつかの例では、組成物は、グリセロールを含む凍結保存剤をさらに含む。場合によっては、組成物は少なくとも10∧3 細胞を含む。場合によっては、組成物は少なくとも10∧4 細胞を含む。場合によっては、組成物は少なくとも10∧5 細胞を含む。場合によっては、組成物は少なくとも10∧6 細胞を含む。場合によっては、組成物は少なくとも10∧7 細胞を含む。場合によっては、細胞の集団はCD25+FoxP3+制御性T細胞を含む。場合によっては、細胞の集団はアピラーゼを過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞の集団はCD39を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞の集団はCD39L3を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞の集団はCD39L3を過剰発現するように遺伝子改変される。
【0010】
エキソソームを含む組成物が本明細書でさらに提供され、エキソソームは少なくとも20%のSDC2+であり、エキソソームはCD39結合剤に結合される。場合によっては、エキソソームは少なくとも30%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも40%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも50%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも60%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも70%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも80%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも90%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも95%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも99%のSDC2+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも20%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも30%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも40%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも50%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも60%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも70%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも80%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも90%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも95%のCD39+である。場合によっては、エキソソームは少なくとも99%のCD39+である。場合によっては、集団はCD45-である。いくつかの例では、組成物は少なくとも10∧6 エキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は少なくとも10∧7 エキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は少なくとも10∧8 エキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも1μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも10μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも20μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも50μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも100μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも150μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも200μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも250μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも500μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも750μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は、少なくとも1000μgのエキソソームを含む。いくつかの例では、組成物は緩衝剤を含む。場合によっては、CD39結合剤は抗体を含む。場合によっては、抗体はCD39抗原に対して産生される。いくつかの例では、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。しばしば、抗体は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。場合によっては、抗体がフルオロフォアに抱合する。ときどき、抗体はビーズに抱合する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の新しい特徴は、とりわけ明細書と添付の特許請求の範囲内に明記される。本発明の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が用いられる実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【
図1A】臍帯から間質幹細胞を単離するための例示的なゲート戦略を示す。
【
図1B】試験された臍帯細胞集団におけるCD39とCD362(SDC2)発現の例示的な分析を示す。二重陽性細胞は太字のボックスと矢印で強調される。
【
図1C】CD362+対CD39+/CD362+細胞の相対的な集団割合を示す。
【
図1D】CD362+/CD39+細胞での例示的なコロニー形成アッセイを示す。
【
図1E】選別されていない(野生型)細胞での例示的なコロニー形成アッセイを示す。
【
図2A】骨髄からのCD39+/CD362+細胞の代表的なゲーティング制御と同定を示す(太字の四角形によって強調される)。
【
図2B】CD39+/CD362+細胞対CD39hi/CD362+細胞の相対的な集団割合を示す。
【
図2C】選別されていない細胞、CD39-/CD362+細胞、CD39+/CD362+細胞、CD39+/CD362-細胞、および二重陰性コロニー形成アッセイの表形式の結果を示す。
【
図3A】ヒト骨髄からのCD39+/CD362+細胞の同定のための代表的なMiltenyi MACSQuant Tyto選別ゲートおよび分析を示す(太字の四角形で強調された)。
【
図3B】ヒト骨髄からのMiltenyi MACSQuant TytoソートとBD FACSAria細胞選別機の両方を使用して、選別されていない細胞、CD39-/CD362+細胞、CD39+/CD362+細胞、CD39hi/CD362+、CD39+/CD362-細胞、および二重陰性細胞のコロニー形成アッセイの表形式の結果を示す。
【
図4】隣接する細胞によるエキソソームの合成、放出、および取り込みを例証する。
【
図5】透過型電子顕微鏡による、SDC2+間葉系間質細胞(MSC)に由来するエキソソームによるSDC2発現を示す。
【
図6】ウェスタンブロットによる、SDC2+間葉系間質細胞(MSC)に由来するエキソソームによるSDC2発現を示す。
【
図7】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの動脈FI 0.3を示す。
【
図8】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの動脈FI 1.0を示す。
【
図9】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、骨髄(BM)エキソソーム、あるいはヒト臍帯(HUC)エキソソームで処置されたラットの動脈FI 0.3を示す。
【
図10】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、骨髄(BM)エキソソーム、あるいはヒト臍帯(HUC)エキソソームで処置されたラットの動脈FI 1.0を示す。
【
図11】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)細菌負荷を示す。
【
図12】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)総細胞数を示す。
【
図13】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)好中球数を示す。
【
図14】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの静肺コンプライアンスを示す。
【
図15】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの肺の湿潤/乾燥比を示す。
【
図16】無血清培地またはエキソソームで48時間かけて処置されたA549細胞を用いるスクラッチアッセイからの結果を示す。
【
図17】A549細胞、プレート1を用いるスクラッチアッセイの結果を示す。
【
図18】無血清培地、または限外濾過により精製されたエキソソームで処置された細胞におけるIL1β刺激による、NFκBレポーター遺伝子活性化の棒グラフを示す。
【
図19】無血清培地、または限外濾過により精製されたエキソソームで処置された細胞におけるIL1β刺激による、NFκBレポーター遺伝子活性化の散布図を示す。
【
図20】無血清培地、または超遠心分離により精製されたエキソソームで処置された細胞におけるIL1β刺激による、NFκBレポーター遺伝子活性化の棒グラフを示す。
【
図21】無血清培地、または超遠心分離により精製されたエキソソームで処置された細胞におけるIL1β刺激による、NFκBレポーター遺伝子活性化の散布図を示す。
【
図22】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞(10mill/kg)、あるいはエキソソーム(200μg、IV)で処置されたラットの動脈 FI 0.3を示す。
【
図23】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞(10mill/kg)、あるいはエキソソーム(200μg、IV)で処置されたラットの動脈 FI 1.0を示す。
【
図24】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞(10mill/kg)、あるいはエキソソーム(200μg、IV)で処置されたラットの静肺コンプライアンスを示す。
【
図25】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞(10mill/kg)、あるいはエキソソーム(200μg、IV)で処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)細菌負荷を示す。
【
図26】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞(10mill/kg)、あるいはエキソソーム(200μg、IV)で処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)総細胞数を示す。
【
図27】ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞(10mill/kg)、あるいはエキソソーム(200μg、IV)で処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)好中球数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
間質幹細胞または間葉系間質幹細胞は、例えば、組織損傷へ移動する能力とインビトロの拡張の相対的な容易さにおいて、治療的な価値を示してきた。特に、SDC2+間質幹細胞は広範囲の疾患の処置で有効性を示している。SDC2+間質幹細胞を調製する代替的な方法が本明細書で開示され、ここで、SDC2+間質幹細胞の単離はCD39の発現に基づく。
【0013】
CD39とCD39L3はアピラーゼ酵素である。アピラーゼ酵素は、AMPとリン酸塩を生成するためにATPとADPからリン酸基を切断する。一般的に言えば、アピラーゼ酵素は細胞外ヌクレオシダーゼであり、これは、ATPとADPなどの細胞外ヌクレオチドの異化作用を媒介する。CD39とCD39L3の細胞表面発現は、しばしばSDC2+細胞表面発現と相関し、CD39またはCD39L3はSDC2+間質幹細胞の単離のためのマーカー細胞表面タンパク質として有効である。細胞外ヌクレオシダーゼは、場合によっては、細胞外ATPおよびADPのAMPへの異化作用を媒介し、これはアデノシンへとさらに分解される。CD73はしばしばAMPをアデノシンへと分解する。細胞外ヌクレオシダーゼのさらなる例としては、CD39L1、CD39L2、およびCD39L4が挙げられる。ATPとADPが細胞の分化と炎症を含む多くの応答を媒介するために細胞の外部の遊離アデノシンに拮抗的に作用することから、CD39、CD39ホモログ、および、構造的に多様機能的に類似した酵素でさえ、細胞外のATPシグナル伝達に対して共通の影響を及ぼすことがある。
【0014】
場合によっては、細胞外ヌクレオシダーゼなどのアピラーゼは膜貫通ドメインを介して細胞に結合する。場合によっては、細胞外ヌクレオシダーゼは細胞の外側の可溶性タンパク質である。アピラーゼ活性は、アデノシンまたは細胞外プリンの濃度に対してATPあるいはADPの濃度を一般に調節するために、完全長のタンパク質を介して、あるいは、代替的に、アピラーゼに対して構造的あるいは機能的に類似しているアピラーゼ細胞外ドメインまたは細胞外ドメイン共有配列を有するタンパク質を介して、達成される。
【0015】
SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞とSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームの組成物、ならびに、CD39発現に基づく単離の方法、および、炎症反応の調節におけるそのような細胞の使用が本明細書に開示される。場合によっては、これらの組成物はパラクリンシグナル伝達を媒介するか、あるいはパラクリンシグナル伝達成分を送達する。
【0016】
SDC2+およびSDC2+CD39間質幹細胞と、SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物のさらなる使用は、エキソソームを用いて製剤化された抗炎症性の治療薬を含む組成物を含んでいる。この特徴により、治療薬は処置を必要とする個体に送達されることになる。例えば、インフリキシマブなどの抗TNF抗体は、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞と、SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物で製剤化され得る。代替的に、あるいは、組み合わせて、パラクリンシグナル伝達成分などの天然のシグナル伝達成分は、いくつかのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞と、SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物に含有されている。
【0017】
加えて、本明細書に記載されるようなSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞と、SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、炎症性疾患または免疫疾患を処置する治療薬を作るために、CD4+CD25+FOXP3+制御性T細胞などの制御性T細胞とも組み合わされ得る。エキソソーム組成物は、この場合、制御性T細胞治療薬の活性、効能、および寿命を増強することになる。
【0018】
CD39結合剤を使用するSDC2+間質幹細胞の単離の方法
【0019】
本明細書に開示されるSDC2+間質幹細胞はCD39の発現に基づいて、単離または精製される。場合によっては、そのような方法はCD39結合剤を使用して、SDC2+間質幹細胞を単離する。単離または精製の方法は、哺乳動物細胞の集団から間質幹細胞を単離する工程を含む。場合によっては、SDC2+間質幹細胞組成物の単離あるいは精製の方法は、SDC2+間質幹細胞の単離のために哺乳動物細胞の集団を得る工程、哺乳動物細胞の集団をCD39結合剤に接触させる工程、CD39結合剤に結合した細胞を回収する工程、および、それによってSDC2+間質幹細胞を得る工程を含む。単離または精製の方法は、SDC2+細胞が富化された間質幹細胞組成物をもたらす。いくつかの上記のような細胞集団は、SDC2+間質幹細胞を含み、ここで、間質幹細胞の少なくとも20%は明白なSDC2+を含む。場合によっては、CD39結合剤は、抗体あるいは抗体フラグメントを含む。場合によっては、抗体はCD39抗原に対して産生される。いくつかの例では、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。しばしば、抗体は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。場合によっては、抗体がフルオロフォアに抱合する。ときどき、抗体はビーズに抱合する。
【0020】
SDC2+間質幹細胞の単離あるいは精製は、CD39結合剤の使用によって達成される。場合によっては、CD39結合剤は、CD39あるいはその断片に対する1つ以上の抗体を含む。単離または精製のいくつかの方法は、CD39結合剤で哺乳動物細胞の集団をインキュベートする工程と、CD39結合剤に結合した細胞のみを保持する工程を含む。本明細書に開示される方法に適しているCD39抗体などのCD39結合剤は、CD39に特異的に結合する特性を有する。CD39結合剤を用いる哺乳動物細胞の集団のインキュベーションは、CD39に対するCD39結合剤の特異的な結合を促す緩衝液において、および、抗体結合および細胞の生存率と安定性を促す温度で、行われる。場合によっては、インキュベーションは室温で行われる。場合によっては、インキュベーションは4°Cで行われる。インキュベーション緩衝液はしばしば、少なくとも1つあるいは1つの緩衝液、洗浄薬、および塩を含む。代替的に、あるいは、組み合わせて、CD39結合剤は、CD39受容体、あるいはCD39を結合するオリゴマーなどの抗体ではない結合剤を含む。単離あるいは精製されたSDC2+間質幹細胞はしばしば、保存、あるいはそれを必要としている個体への投与に適している緩衝液または賦形剤中で調製される。
【0021】
SDC2+間質幹細胞の単離あるいは精製の方法のための間質細胞は、場合によっては、CD39、CD39L3、あるいは他のアピラーゼタンパク質発現を増大させるように修飾される。そのような過剰発現が単離または精製の方法に起因する間質幹細胞の治療有効性を改善することが観察される。場合によっては、細胞はCD39を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞はCD39L3を過剰発現するように遺伝子改変される。あるいは、アピラーゼ、アピラーゼ機能的断片、アピラーゼ細胞外ドメイン、あるいは細胞外ドメイン機能的断片、または、アピラーゼ細胞外ドメイン活性を有するタンパク質の過剰発現は、改善された治療有効性を達成するのに十分である。
【0022】
間質細胞の遺伝子改変は、限定されないが、CD39またはCD39L3コード配列と、CMV、SV40、EF1a、あるいはCAGプロモーターなどのプロモーターとを含む1つ以上のプラスミドを用いる間質細胞のトランスフェクションを含む方法によって達成される。間質細胞の遺伝子改変は、場合によっては、CD39またはCD39L3コード配列とプロモーターとを含むウイルスを用いる間質細胞の感染によって達成される。
【0023】
CD39結合剤を使用するSDC2+間質幹細胞の単離あるいは精製の方法は、SDC2+間質幹細胞の特定の割合を含む組成物をもたらす。場合によっては、SDC2を含むCD39結合剤を使用して精製された組成物中の間質幹細胞の割合は、20%から99%の範囲内である。単離または精製のいくつかの方法は、間質幹細胞組成物をもたらし、ここで、SDC2を含む組成物中の間質幹細胞の割合は、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、あるいは99%よりも大きい。場合によっては、単離または精製の方法は、間質幹細胞組成物をもたらし、ここで、CD39を含む組成物中の間質幹細胞の割合は、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、あるいは99%よりも大きい。
【0024】
抗体またはCD39抱合体などのCD39結合剤を使用するSDC2+間質幹細胞の単離あるいは精製などの、CD39結合剤に結合する細胞の単離あるいは精製の方法は、場合によっては、SDC2+細胞とさらには制御性T細胞とを含む組成物をもたらす。場合によっては、制御性T細胞はCD25+である。場合によっては、制御性T細胞はFoxP3+である。場合によっては、制御性T細胞はCD25+とFoxP3+である。
【0025】
治療上有効な量のCD39結合剤に結合するSDC2+間質幹細胞の精製あるいは単離の方法が、本明細書に開示される。CD39結合剤を使用して精製されたSDC2+間質幹細胞の最小限の治療上有効な量は、場合によっては、10∧3-10∧8細胞の範囲であり、例えば、10∧3、10∧4、10∧5、10∧6、10∧7、10∧8、あるいは10∧8を超える細胞である。時々、実質的により少ない、あるいは実質的により多い細胞が治療量を構成する。CD39結合剤を介したSDC2+間質幹細胞の単離あるいは精製は、場合によっては、投与の前に、個体によって緩衝液または賦形剤中で希釈されるSDC2+間質幹細胞組成物を濃縮することを含む。場合によっては、CD39結合剤に結合するSDC2+間質幹細胞組成物の単離あるいは精製は、個体に投与される準備ができるようにするために緩衝液または賦形剤中でSDC2+間質幹細胞組成物を希釈する工程を含む。場合によっては、CD39結合剤に結合するSDC2+間質幹細胞組成物の単離あるいは精製の方法は、使い捨てのバイアルあるいはIVバッグをもたらす。場合によっては、CD39結合剤に結合するSDC2+間質幹細胞組成物の単離あるいは精製の方法は、複数回投与量をもたらし、単一の容器の中にある。
【0026】
抗CD39抗体などの結合剤を使用するSDC2+間質幹細胞の単離あるいは精製の方法は、哺乳動物細胞の集団からCD39抗体-SDC2+間質幹細胞複合体を単離する工程を含む。CD39抗体-SDC2+間質幹細胞複合体は、限定されないが、蛍光活性化細胞選別(FACS)、免疫沈降、プロテインAビーズを使用するカラム精製、プロテインGビーズを使用するカラム精製、ビオチン化ビーズとビオチン化二次抗体を使用するカラム精製、および、磁気ビーズに基づく分離方法を含む、任意の数の適切な方法によって精製される。SDC2+間質幹細胞はその後、抗体からSDC2+間質幹細胞を溶出するのに十分なストリンジェンシーを有する緩衝塩溶液を用いて、抗体から溶出される。緩衝塩溶液は遠心分離または希釈の処置を使用して、エキソソーム組成物から取り除かれる。結果として生じる単離された、精製されたSDC2+間質幹細胞はその後、生理学的に許容可能な緩衝液あるいは賦形剤で希釈され、冷凍され、あるいは、さもなければ、SDC2+間質幹細胞が効能と安定性を維持する温度で保存される。随意に、SDC2+間質幹細胞は、投与される細胞を調製する前に、細胞数を増やすために哺乳動物細胞の培養物緩衝液中で培養される。
【0027】
SDC2+エキソソームの単離の方法
【0028】
CD39結合剤を使用してSDC2+エキソソームを単離し、精製し、あるいは、富化する方法が本明細書で開示される。本明細書で開示されるパラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物が単離され、あるいは精製される。単離または精製の方法は、本明細書で提供される方法によって、CD39結合剤を使用して単離されたSDC2+間質細胞などの間質細胞の集団からエキソソームを単離する工程を含む。エキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法はしばしば、エキソソームの単離のためにCD39結合剤を使用して、哺乳動物細胞の混合集団から、SDC2+細胞が富化された細胞集団を得る工程、上記細胞集団から上清を回収する工程、および上清からエキソソーム画分を得る工程を含む。本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物は、場合によっては、SDC2を発現する。しばしば、本明細書のエキソソーム組成物はCD39を発現する。場合によっては、SDC2はエキソソームの内部で見られる。場合によっては、SDC2はエキソソームの外部で見られる。CD39は、代替的に、エキソソームの内部で、あるいは、エキソソームの外部で見られる。単離または精製の方法は、エキソソームを含むエキソソーム組成物をもたらし、エキソソームの少なくとも20%はSDC2を含む。
【0029】
パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法のための間質細胞は、場合によっては、単離或いは精製の方法に起因するエキソソーム組成物の収率を増大させるように改変される。場合によっては、細胞はSDC2を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞はCD39を過剰発現するように遺伝子改変される。間質細胞の遺伝子改変は、限定されないが、SDC2またはCD39コード配列と、CMV、SV40、EF1a、あるいはCAGプロモーターなどのプロモーターとを含む1つ以上のプラスミドを用いる間質細胞のトランスフェクションを含む方法によって達成される。間質細胞の遺伝子改変は、場合によっては、SDC2またはCD39コード配列とプロモーターとを含むウイルスを用いる間質細胞の感染によって達成される。
【0030】
パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などの、本明細書で提供されるCD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいはする精製の方法のための間質細胞は、細胞骨格の制御に関連するタンパク質を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞はコルタクチンを過剰発現するように遺伝子改変される。間質細胞の遺伝子改変は、限定されないが、コルタクチンコード配列と、CMV、SV40、EF1a、CAGプロモーターなどのプロモーターとを含む1つ以上のプラスミドを用いる間質細胞のトランスフェクションを含む方法によって達成される。間質細胞の遺伝子改変は、場合によっては、コルタクチンコード配列とプロモーターとを含むウイルスを用いる間質細胞の感染によって達成される。
【0031】
しばしば、パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのCD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法のための間質細胞は、精製方法の単離に起因するエキソソーム組成物の収率を増大させるために放射線を照射される。細胞の放射線照射としては、限定されないが、アルファ線源、ベータ線源、あるいはガンマ線源などの放射線源に間質細胞を晒すことが挙げられる。場合によっては、間質細胞はガンマ線照射を使用して放射線を照射される。
【0032】
代替的に、あるいは、組み合わせて、パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのCD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法のための間質細胞は、炎症性の刺激に晒される。炎症性の刺激は、限定されないが、TNF-α、インターフェロン-γ、インターフェロン-β、インターロイキン-1b、TLRアゴニスト、ポリI:C、および、LPSを含む。
【0033】
さらに、CD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法のための間質細胞は、成長停止にさらされる。成長停止とは、細胞の分裂を遅らせるか止めるものとして、当業者によって理解される。成長停止の方法としては、限定されないが、放射線照射、マイトマイシン-c、TGFb刺激、および、細胞をコンフルエンスまで成長させることが挙げられる。
【0034】
パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのCD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、SDC2を含む特定の割合の組成物を生成する。場合によっては、SDC2を含む組成物中のエキソソームの割合は、20%から99%の範囲内である。場合によっては、単離または精製の方法はエキソソーム組成物をもたらし、ここで、SDC2を含む組成物中のエキソソームの割合は、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいはそれよりも大きい。場合によっては、CD39を含む組成物中のエキソソームの割合は、20%から99%の範囲内である。場合によっては、単離または精製の方法はエキソソーム組成物をもたらし、ここで、CD39を含む組成物中のエキソソームの割合は、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいはそれよりも大きい。
【0035】
パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのCD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製のいくつかの方法は、中空繊維バイオリアクター技術などの連続生産技術を使用する。中空繊維バイオリアクター(HFBR)は、高密度で多くの細胞を支持する高い比表面積を持つ。例示的なHFBRとしては、限定されないが、FiberCell Systems、および、Terumo Quantum Cell Expansion Systemが挙げられる。この範囲外の細胞量が場合によっては使用されることもあるが、上記のようなシステムは約10∧7細胞~約10∧8細胞を裏付けることができる。HFBRの利点としては、限定されないが、5-20 kDaの分子量カットオフを有する繊維が挙げられ、これにより、栄養素や廃棄物は通過するが、エキソソームはリアクター内で維持され、最大100回濃縮される。細胞株が有意なアポトーシスなくコンフルエンス後まで増加し得るため、支持体に結合した細胞は分割を必要としない。場合によっては、エキソソームの採取は数ヶ月の連続生産にわたって維持される。これらの因子がすべて組み合わされると、エキソソームが大量に分泌され、かつカートリッジのキャピラリー外の空間の小さな容積内で著しく濃縮され得る。エキソソームはいずれか方向にも繊維を通過させることができないため、カートリッジのキャピラリー外の空間内の分泌されたエキソソームを汚染することなく、細胞培養血清を循環媒体中で使用することができる。
【0036】
パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのCD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、生細胞を含まないエキソソーム組成物をもたらし、言い換えれば、結果として生じるエキソソーム組成物は生細胞を含まない。エキソソーム組成物の単離あるいは精製は、非腫瘍形成性の組成物をもたらす。すなわち、本明細書で開示された単離または精製の方法によって得られたエキソソーム組成物は、処置されたか、あるいは、エキソソーム組成物の1回以上の投与が与えられた哺乳動物において、腫瘍または癌を進行させない。
【0037】
本明細書に開示されるCD39結合剤を使用する単離または精製の方法は、安定した組成物をもたらす。例えば、単離または精製の方法によって得られたパラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物は、室温(20~25°C)、寒い温度(3~5°C)、あるいは凍結温度(-150~0°C)で安定している。場合によっては、安定性は適切な緩衝液あるいは賦形剤の添加によって改善される。賦形剤の非限定的な例としては、スクロース、トレハロース、ポリエチレングリコール、多糖類、担体タンパク質、不活性タンパク質、デキストラン、ヒドロキシルエチルでんぷん(HETA)、PEG-4000、ゼラチン、PLGA、Eudragit RS 100ナノ粒子、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0038】
本明細書で開示されるCD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、凍結保護物質の使用なしで凍結されたか、あるいは、凍結保存された後に効能または活性を保持することができるエキソソーム組成物をもたらす。凍結保護物質はDMSO、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デキストラン、およびトレハロースを含む。エキソソーム組成物は、特別な凍結プロトコルを使用することなく冷凍された後も効能を維持する。特別な凍結プロトコルは、瞬間冷凍、プログラム可能なレートフリーザー、および、断熱コンテナでの凍結を含む。エキソソーム組成物は緩衝液または培養培地で凍結される。緩衝液は、リン酸塩緩衝液、ヒスチジン緩衝液、クエン酸塩緩衝液、酢酸緩衝液、および他の適切な緩衝液などの生理学的に許容可能な緩衝液を含む。場合によっては、本明細書で開示されるエキソソーム組成物が凍結乾燥される。
【0039】
本明細書で開示されるパラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのCD39結合剤を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、エキソソーム、例えば、インビトロのエキソソームを含む組成物と、SDC2+間葉系幹細胞(例えば、SDC2+間葉系間質幹細胞)を組み合わせる工程を含む。いくつかの例では、エキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、インビトロのエキソソームを含む組成物と制御性T細胞を組み合わせる工程を含む。制御性T細胞は、CD25+制御性T細胞、CD4+制御性T細胞、FoxP3+制御性T細胞、CD25+CD4+FoxP3+制御性T細胞、およびこれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、エキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、インビトロのエキソソームを含む組成物を、SDC2+間葉系幹細胞(例えば、SDC2+間葉系間質幹細胞)、および制御性T細胞と組み合わせる工程を含む。
【0040】
本明細書で開示される。治療上有効な量のパラクリンシグナル伝達エキソソームなどのCD39結合剤を使用するエキソソームを含む組成物の単離あるいは精製の方法が本明細書で開示される。エキソソームの治療上有効な量は、場合によっては、106-108のエキソソーム、例えば、組成物中の106、107、108、あるいはそれを超えるエキソソームに及ぶ。場合によっては、エキソソームの治療上有効な量は、1μgから700mgのエキソソーム、例えば、組成物中の1μg、10μg、20μg、50μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、750μg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、10mg、20mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、あるいはそれを超えるエキソソームに及ぶ。エキソソーム組成物の単離あるいは精製は、場合によっては、投与の前に個体によって希釈されるエキソソーム組成物を濃縮することを含む。場合によっては、エキソソーム組成物の単離あるいは精製は、エキソソーム組成物を希釈することを含み、個体によって投与される準備ができるようにする。場合によっては、エキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、使い捨てのバイアルあるいはシリンジをもたらす。場合によっては、エキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、複数回投与量をもたらし、単一の容器の中にある。
【0041】
CD39結合剤を使用するパラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物の単離あるいは精製は、場合によっては、SDC2に対する抗体の添加によって達成され、これは、エキソソームの収率を増大させ、かつ、SDC2を含む単離されたエキソソームの割合を増大させるという効果を有する。単離または精製の方法は、抗CD39抗体と抗SDC2抗体を用いてエキソソームを含む組成物をインキュベートする工程と、抗CD39抗体と抗SDC2抗体に結合したエキソソームのみを保持する工程を含む。本明細書の方法に適している抗SDC2抗体は、SDC2に特異的に結合するという特性を有する。抗SDC2抗体を用いるエキソソームを含む組成物のインキュベーションは、SDC2に対する抗SDC2抗体の特異的な結合に適している緩衝液において、および、抗体結合とエキソソーム安定性に適している温度で、行われる。場合によっては、インキュベーションは室温で行われる。場合によっては、インキュベーションは4°Cで行われる。インキュベーション緩衝液は、少なくとも1つあるいは1つの緩衝液、洗浄薬、および塩を含む。
【0042】
エキソソーム組成物がCD39結合剤を使用して単離あるいは精製されるもととなるパラクリンシグナル伝達エキソソームなどのエキソソームを含むいくつかの組成物は、場合によっては、細胞培養物を含む。細胞培養物としては、限定されないが、SDC2+細胞、間葉系幹細胞、SDC2+間葉系幹細胞、SDC2+間葉系間質幹細胞、CD39+細胞、CD39+間葉系幹細胞、CD39+間葉系間質幹細胞、CD39+/SDC2+細胞、および、これらの組み合わせが挙げられる。場合によっては、細胞培養物は、適切な方法によってSDC2を過剰発現するように遺伝子改変される。抗SDC2抗体を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、出発物質からSDC2抗体エキソソーム複合体を単離する方法を含む。SDC2抗体エキソソーム複合体は、限定されないが、蛍光活性化細胞選別(FACS)、免疫沈降、プロテインAビーズを使用するカラム精製、プロテインGビーズを使用するカラム精製、ビオチン化ビーズとビオチン化二次抗体を使用するカラム精製、および、磁気ビーズに基づく分離方法を含む方法によって精製される。その後、エキソソーム組成物は、抗体からエキソソーム組成物を溶出するのに十分なストリンジェンシーを有する緩衝塩溶液を使用して、抗体から溶出される。緩衝塩溶液は脱塩カラムまたは拡張処置を使用して、エキソソーム組成物から取り除かれる。結果として生じる単離された、精製されたエキソソーム組成物はその後、生理学的に許容可能な緩衝液あるいは賦形剤で希釈され、および、冷凍され、あるいは、さもなければ、エキソソーム組成物が効能と安定性を維持する温度で保存される。
【0043】
パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物の単離あるいは精製は、場合によっては、CD39に対する抗体の使用によって達成され、これは、エキソソームの収率を増大させ、かつ、SDC2を含む単離されたエキソソームの割合を増大させるという効果を有する。単離または精製の方法は、抗CD39抗体でエキソソームを含む組成物をインキュベートする工程と、抗CD39抗体に結合されたエキソソームのみを維持する工程を含む。抗CD39抗体はCD39に特異的に結合する特性を有する。抗CD39抗体を用いるエキソソームを含む組成物のインキュベーションは、CD39に対する抗CD39抗体の特異的な結合を促す緩衝液において、および、抗体結合とエキソソーム安定性に最適な温度で、行われる。場合によっては、インキュベーションは室温で行われる。場合によっては、インキュベーションは4°Cで行われる。インキュベーション緩衝液は、少なくとも1つあるいは1つの緩衝液、洗浄薬、および塩を含む。
【0044】
パラクリンシグナル伝達エキソソームなどのエキソソームを含む組成物であって、エキソソーム組成物がCD39に対する抗体を使用して単離あるいは精製されるもととなる組成物は、場合によっては、細胞培養物を含む。細胞培養物としては、限定されないが、SDC2+細胞、間葉系幹細胞、SDC2間葉系幹細胞、SDC2+間葉系間質幹細胞、CD39+細胞、CD39+/SDC2+細胞、および、これらの組み合わせが挙げられる。場合によっては、細胞培養物は、適切な方法によってCD39を過剰発現するように遺伝子改変される。抗CD39抗体を使用するエキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、出発物質からCD39抗体エキソソーム複合体を単離する方法を含む。CD39抗体エキソソーム複合体は、限定されないが、蛍光活性化細胞選別(FACS)、免疫沈降、プロテインAビーズを使用するカラム精製、プロテインGビーズを使用するカラム精製、ビオチン化ビーズとビオチン化二次抗体を使用するカラム精製、および、磁気ビーズに基づく分離方法を含む方法によって精製される。その後、エキソソーム組成物は、抗体からエキソソーム組成物を溶出するのに十分なストリンジェンシーを有する緩衝塩溶液を使用して、抗体から溶出される。緩衝塩溶液は脱塩カラムまたは拡張処置を使用して、エキソソーム組成物から取り除かれる。結果として生じる単離された、精製されたエキソソーム組成物はその後、生理学的に許容可能な緩衝液あるいは賦形剤で希釈され、および、冷凍され、あるいは、さもなければ、エキソソーム組成物が効能と安定性を維持する温度で保存される。
【0045】
パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物の単離あるいは精製は、場合によっては、分取超遠心分離などの超遠心分離方法を使用して達成される。エキソソーム組成物の単離あるいは精製の方法は、間質細胞、SDC2+細胞、間葉系幹細胞、SDC2+間葉系幹細胞、SDC2+間葉系間質幹細胞、CD39+細胞、CD39+/SDC2+細胞、およびこれらの組み合わせなどの細胞の集団を得る工程を含む。場合によっては、細胞はSDC2および/またはCD39を過剰発現するために遺伝子改変されている。細胞培養物の培地または上清は細胞培養物から単離されるか精製される。その後、培地または上清は、超遠心分離中の分離有効性を増強するために、適切な塩または緩衝液を用いて混合される。結果として生じる混合物は、混合物が1~24時間にわたって約100,000xg(あるいは100,000倍の重力)の高い遠心力に安全に耐えることを可能にする超遠心分離管に加えられる。エキソソーム組成物は一緒に濃縮されていることが分かり、上記管から取り除かれる。場合によっては、エキソソームは再撹拌されたペレットとして上記管から取り除かれる。場合によっては、エキソソームは結果として生じた密度勾配で視覚化され、針吸引あるいは他の方法によって除去される。結果として生じるエキソソーム組成物は、超遠心分離緩衝液から精製され、生理学的に許容可能な緩衝液あるいは賦形剤で希釈され、および、冷凍され、あるいは、さもなければ、エキソソーム組成物が効能と安定性を維持する温度で保存される。
【0046】
パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物の単離あるいは精製は、場合によっては、限外濾過を使用して達成される。いくつかの限外濾過法が適切であり、例えば、上記方法は、限定されないが、高分子量物質、例えば、エキソソームなどの水性の緩衝液の通過を許可する濃度カラムを含む。単離あるいは精製の方法の限外濾過のいくつかの例は、間質細胞、SDC2+細胞、間葉系幹細胞、SDC2+間葉系幹細胞、SDC2+間葉系間質幹細胞、CD39+細胞、CD39+/SDC2+細胞、およびこれらの組み合わせなどの細胞の集団を得る工程を含む。場合によっては、細胞は、SDC2および/またはCD39を過剰発現するように遺伝学的に改変されたか、あるいは、外因性のSDC2および/またはCD39、もしくは、SDC2および/またはCD39をコードするベクターが与えられた。細胞培養物の培地または上清は細胞培養物から単離されるか精製される。その後、培地あるいは上清は、100,000kDaのBiomaxポリエーテルスルホンのStirred Cell Model 8200、あるいは、10psiで窒素ガスを使用するUltracel再生セルロース膜を使用して、例えば、30倍などに濃縮され、例えば、150mlの出発培地あるいは上清は、10mlの濃縮されたエキソソームになる。濃縮されたエキソソームはその後、Amicon Ultra-15の100,000kDaデバイスなどの収集デバイスに移され、4°Cで4,000 x gで、例えば、Allegra X-15R遠心分離機で遠心分離されることで、さらに20倍エキソソームを濃縮して、例えば、10mlの濃縮されたエキソソームはさらに濃縮された0.5mlになる。代替的なカラムおよび遠心分離機は適切な場合に置き換えられる。
【0047】
場合によっては、パラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物の単離あるいは精製は、自動的な生産システムを使用して達成される。場合によっては、自動的な生産は、Terumo Quantum Cell Expansion Systemを使用することを含む。
【0048】
間質幹細胞組成物
【0049】
CD39結合剤に結合されたSDC2+間質幹細胞を含む組成物などの組成物が本明細書で提供される。いくつかのそのような組成物は、SDC2+CD39+間質幹細胞あるいはCD39+間質幹細胞を含む。場合によっては、組成物中の間質幹細胞の少なくとも20%はSDC2+である。場合によっては、間質幹細胞の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%以上が、SDC2+である。場合によっては、組成物中の間質幹細胞の少なくとも20%が、CD39+である。場合によっては、間質幹細胞の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%以上が、CD39+である。場合によっては、組成物中の間質幹細胞の少なくとも20%が、SDC2+CD39+である。場合によっては、間質幹細胞の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%以上が、SDC2+CD39+である。SDC2を含む組成物中の間質幹細胞の割合は、免疫蛍光検査法、例えば、フローサイトメトリー、磁気活性化細胞選別、蛍光顕微鏡検査法、あるいは他の適切な方法によって決定される。
【0050】
本明細書のCD39結合剤は、場合によっては、抗CD39抗体あるいはその断片などの抗体を含む。場合によっては、抗体はCD39抗原に対して産生される。場合によっては、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。場合によっては、抗体は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。場合によっては、抗体がフルオロフォアに抱合する。場合によっては、抗体はビーズに抱合する。
【0051】
SDC2は、シンデカン-2タンパク質(本明細書および当該技術分野では頻繁にSDC2とも呼ばれる)をコードする遺伝子を指す。シンデカン-2あるいは「SDC2タンパク質」あるいは単にSDC2は、膜貫通型のI型ヘパリン硫酸塩プロテオグリカンである。「SDC2タンパク質」あるいはSDC2とは別にシンデカン-2のさらなる同義語は、HSPG、CD362、HSPG1、およびSYND2を含む。通常、本明細書で使用されるように、SDC2とは、例えば、「SDC2遺伝子」、「SDC2転写産物」、「SDC2抗体」を記載することによって他の方法で示されない限り、タンパク質あるいはその認識し得る断片を指す。さらに、SDC2は、本明細書に付随する配列表中のそのポリペプチド配列によって同定される。
【0052】
本明細書の間質細胞組成物は、場合によっては、間質幹細胞組成物の治療有効性を高めるように修飾される。場合によっては、細胞は、本明細書に議論されるように、CD39あるいは代替的なアピラーゼなどのアピラーゼを過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞はCD39L3を過剰発現するように遺伝子改変される。間質細胞の遺伝子改変は、限定されないが、CD39またはCD39L3コード配列と、CMV、SV40、EF1a、あるいはCAGプロモーターなどのプロモーターとを含む1つ以上のプラスミドを用いる間質細胞のトランスフェクションを含む方法によって達成される。間質細胞の遺伝子改変は、場合によっては、CD39またはCD39L3コード配列とプロモーターとを含むウイルスを用いる間質細胞の感染によって達成される。
【0053】
SDC2は3つのドメイン:アミノ酸19-144の細胞外ドメイン、アミノ酸145-169の膜貫通ドメイン、およびアミノ酸170-201の細胞質ドメインを有する。SDC2は、細胞結合、細胞シグナル伝達、および細胞骨格構成の媒介に関与している。SDC2は、HIV-1 TATタンパク質の内在化に必要であることが実証されている。
【0054】
本明細書に開示される間質幹細胞組成物は、場合によっては、凍結保護物質あるいは凍結保存剤を含む。凍結保護物質は、DMSO、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デキストラン、トレハロース、および、Biolife SolutionsのCryoStor などの市販の製剤を含む。本明細書の間質幹細胞組成物は、特別な凍結プロトコルを使用して凍結された後も効能を維持する。特別な凍結プロトコルは、瞬間冷凍、プログラム可能なレートフリーザー、および、断熱コンテナでの凍結を含む。間質幹細胞組成物は、場合によっては、凍結保護物質の添加された緩衝液または培養培地で凍結される。緩衝液は、リン酸塩緩衝液、ヒスチジン緩衝液、クエン酸塩緩衝液、酢酸緩衝液、Biolife SolutionsのHypothermasol、および他の適切な緩衝液などの生理学的に許容可能な緩衝液を含む。
【0055】
本明細書で開示される間質幹細胞組成物は、生理学的に許容可能な緩衝液で製剤化され、場合によっては、少なくとも1つの賦形剤で補充される。賦形剤の非限定的な例としては、スクロース、トレハロース、ポリエチレングリコール、多糖類、担体タンパク質、不活性タンパク質、デキストラン、ヒドロキシルエチルでんぷん(HETA)、PEG-4000、ゼラチン、PLGA、Eudragit RS 100ナノ粒子、およびこれらの組み合わせが挙げられる。このような間質幹細胞組成物は、もっとも安定している(つまり、間質幹細胞組成物は最も高い効能を維持するか、あるいは、最長期間にわたって効能を維持するか、あるいはさもなければ所望の形質を最適化する)と判断された温度で保存される。場合によっては、少なくとも1つの賦形剤の添加は、他の方法で可能なよりも高い温度で保存されるときに、組成物がパラクリンシグナル伝達効能などの効能を維持することを可能にする。
【0056】
本明細書で開示されるCD39結合剤などのアピラーゼ細胞外結合ドメイン剤を用いて単離されたCD39+、SDC2+、あるいはSDC2+CD39+間質幹細胞組成物などのいくつかの間質幹細胞組成物は、場合によっては、SDC2+間質幹細胞および別の哺乳動物細胞を含む。SDC2+間質幹細胞と組み合わせた他の哺乳動物細胞は、場合によっては、CD25+制御性T細胞、CD4+制御性T細胞、FoxP3+制御性T細胞、CD25+CD4+FoxP3+制御性T細胞、あるいはこれらの組み合わせなどの制御性T細胞である。
【0057】
広範囲のCD39+、SDC2+、あるいはSDC2+CD39+間質幹細胞を含む組成物が本明細書に開示される。いくつかの組成物は、治療上有効な量のSDC2+間質幹細胞を含む。いくつかの組成物では、SDC2+間質幹細胞の量は、組成物中の10∧3-10∧8のSDC2+間質幹細胞、例えば、10∧3、10∧4、10∧5、10∧6、10∧7、あるいは、10∧8のSDC2+間質幹細胞、もしくは、それよりも多くのSDC2+間質幹細胞に及ぶ。SDC2+間質幹細胞組成物は、場合によっては、投与前に個体または医療従事者によって希釈されるために濃縮される。場合によっては、SDC2+間質幹細胞組成物は希釈され、個体または医療従事者によって投与される準備ができている。場合によっては、SDC2+間質幹細胞組成物は、使い捨てのバイアル、シリンジ、あるいはIVバッグに入れられる。場合によっては、複数回投与量が単一の容器の中にある。
【0058】
本明細書で開示された治療上活性なCD39+、SDC2+、あるいはSDC2+CD39+間質幹細胞組成物は、場合によっては、免疫抑制剤を含む。本明細書で企図された免疫抑制剤は、限定されないが、グルココルチコイド、細胞分裂阻害薬、抗体、イムノフィリン阻害剤、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムスおよびインターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤、代謝拮抗薬、葉酸、メトトレキセート、プリンアナログ、ピリミジンアナログ、タンパク合成阻害薬、ミコフェノール酸塩、細胞毒性抗生物質、ステロイド、抗TNF抗体、TNF阻害剤、およびNSAIDを含む。いくつかのSDC2+間質幹細胞組成物は、限定されないが、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、およびゴリムマブを含む抗TNF抗体を含んでいる。SDC2+間質幹細胞組成物は、限定されないが、エタネルセプト、キサンチン誘導体、およびブプロピオンを含むTNF阻害剤を含んでいる。場合によっては、SDC2+間質幹細胞組成物は、少なくとも1つのNSAIDを含む。場合によっては、SDC2+間質幹細胞組成物は、少なくとも1つのステロイドを含む。
【0059】
エキソソーム組成物
【0060】
CD39結合剤に結合されたエキソソーム、例えば、SDC2+エキソソームなどのインビトロのエキソソームを含む治療上活性な組成物などの組成物が本明細書で提供される。場合によっては、エキソソームは、パラクリンシグナル伝達を媒介するか、引き起こすか、あるいは阻害する成分を含む。場合によっては、組成物中のエキソソームの少なくとも20%がSDC2+であるか、SDC2を含む。場合によっては、エキソソームの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%以上が、SDC2を含む。場合によっては、エキソソームの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%以上が、CD39を含む。SDC2は、いくつかの例では、エキソソームの表面で見られる。いくつかの例では、SDC2はエキソソームの内部で見られる。SDC2を含む組成物中のエキソソームの割合は、免疫蛍光検査法、例えば、フローサイトメトリー、電子顕微鏡法、あるいは他の適切な方法によって決定される。
【0061】
本明細書のCD39結合剤は、場合によっては、抗CD39抗体などの抗体を含む。場合によっては、抗体はCD39抗原に対して産生される。場合によっては、抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む。場合によっては、抗体は、ヒト、マウス、ラット、あるいはウマのCD39タンパク質の少なくとも1つに特異的に結合する。場合によっては、抗体がフルオロフォアに抱合する。場合によっては、抗体はビーズに抱合する。
【0062】
SDC2は、シンデカン-2タンパク質(本明細書および当該技術分野では頻繁にSDC2とも呼ばれる)をコードする遺伝子を指す。シンデカン-2あるいは「SDC2タンパク質」あるいは単にSDC2は、膜貫通型のI型ヘパリン硫酸塩プロテオグリカンである。「SDC2タンパク質」あるいはSDC2とは別にシンデカン-2のさらなる同義語は、HSPG、CD362、HSPG1、およびSYND2を含む。通常、本明細書で使用されるように、SDC2とは、例えば、「SDC2遺伝子」、「SDC2転写産物」、「SDC2抗体」を記載することによって他の方法で示されない限り、タンパク質あるいはその認識し得る断片を指す。さらに、SDC2は、本明細書に付随する配列表中のそのポリペプチド配列によって同定される。
【0063】
SDC2は3つのドメイン:アミノ酸19-144の細胞外ドメイン、アミノ酸145-169の膜貫通ドメイン、およびアミノ酸170-201の細胞質ドメインを有する。SDC2は、細胞結合、細胞シグナル伝達、および細胞骨格構成の媒介に関与している。SDC2は、HIV-1 TATタンパク質の内在化に必要であることが実証されている。
【0064】
本明細書に記載されたエキソソーム組成物が、場合によっては、細胞に由来するが、エキソソーム組成物は必ずしも生細胞を含まない。したがって、無細胞のエキソソーム組成物は非腫瘍形成性であり、すなわち、腫瘍細胞に分化することができる細胞を含まないため、腫瘍または癌を発症させる被験体の感度を増大させない。代替的な組成物では、エキソソームは、細胞、例えば、組成物の抗炎症性活性あるいはパラクリンシグナル伝達活性に寄与する間葉系間質幹細胞などで補充される。
【0065】
本明細書で開示されるエキソソーム組成物は、しばしば凍結保護物質を使用することなく、凍結されるか凍結保存された後に、効能あるいはパラクリンシグナル伝達活性などの活性を維持する。凍結保護物質は、DMSO、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デキストラン、トレハロース、および、Biolife SolutionsのCryoStor などの市販の製剤を含む。エキソソーム組成物は、特別な凍結プロトコルを使用することなく冷凍された後も効能を維持する。特別な凍結プロトコルは、瞬間冷凍、プログラム可能なレートフリーザー、および、断熱コンテナでの凍結を含む。エキソソーム組成物の耐久性の利点は、それらがより容易に凍結され、凍結保護物質なく凍結され、結果として、より耐久性があり、より簡単により廉価に作られ、かつ、凍結プロトコルまたは組成物における欠陥による活性の喪失に起因するバッチ変動に苦しむことが少ない組成物が生成されるということである。エキソソーム組成物は、場合によっては、緩衝液または培養培地で凍結される。緩衝液は、リン酸塩緩衝液、ヒスチジン緩衝液、クエン酸塩緩衝液、酢酸緩衝液、Biolife SolutionsのHypothermasol、および他の適切な緩衝液などの生理学的に許容可能な緩衝液を含む。場合によっては、本明細書で開示されるエキソソーム組成物が凍結乾燥される。
【0066】
本明細書で開示されるエキソソーム組成物は、生理学的に許容可能な緩衝液で製剤化され、場合によっては、少なくとも1つの賦形剤によって補充される。賦形剤の非限定的な例としては、スクロース、トレハロース、ポリエチレングリコール、多糖類、担体タンパク質、不活性タンパク質、デキストラン、ヒドロキシルエチルでんぷん(HETA)、PEG-4000、ゼラチン、PLGA、Eudragit RS 100ナノ粒子、およびこれらの組み合わせが挙げられる。このようなエキソソーム組成物は、もっとも安定している(つまり、エキソソーム組成物が最も高い効能を維持するか、あるいは、最長期間にわたって効能を維持するか、あるいはさもなければ所望の形質を最適化する)と判断された温度で保存される。場合によっては、少なくとも1つの賦形剤の添加は、他の方法で可能なよりも高い温度で保存されるときに、組成物がパラクリンシグナル伝達効能などの効能を維持することを可能にする。
【0067】
本明細書で開示されるパラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのいくつかのエキソソーム組成物は、場合によっては、インビトロのエキソソーム、および、SDC2+間葉系幹細胞(例えば、CD39の発現に基づいて単離された間葉系間質幹細胞)を含む。インビトロエキソソームと組み合わされた細胞は、場合によっては、CD25+制御性T細胞、CD4+制御性T細胞、FoxP3+制御性T細胞、CD25+CD4+FoxP3+制御性T細胞、あるいはこれらの組み合わせなどの制御性T細胞である。いくつかの例では、エキソソーム組成物は、インビトロエキソソーム、SDC2+間葉系幹細胞(例えば、CD39の発現に基づいて単離されたSDC2+間葉系間質幹細胞)、および制御性T細胞(例えば、CD39の発現に基づいて単離された制御性T細胞)を含む。
【0068】
広範囲のエキソソームを含む組成物が本明細書で開示される。いくつかの組成物は、治療上有効な量のエキソソームを含む。いくつかの組成物では、エキソソームの量は、106-108のエキソソーム、例えば、組成物中の106、107、あるいは108以上のエキソソームに及ぶ。場合によっては、エキソソームの治療上有効な量は、1μgから700mgのエキソソーム、例えば、組成物中の1μg、10μg、20μg、50μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、750μg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、10mg、20mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、あるいはそれを超えるエキソソームに及ぶ。エキソソーム組成物は、場合によっては、投与の前に個体によって希釈されるために濃縮される。場合によっては、エキソソーム組成物は希釈され、個体によって投与される準備ができている。場合によっては、エキソソーム組成物は、使い捨てのバイアルあるいはシリンジに入れられる。場合によっては、複数回投与量が単一の容器の中にある。
【0069】
本明細書に開示されるいくつかのエキソソーム組成物は、追加のタンパク質、例えば、治療有効性に貢献するか、あるいは、治療有効性を達成するためにパラクリンシグナル伝達を媒介とするタンパク質を含む。タンパク質としては、限定されないが、場合によっては、IL-12、サイトカインシグナル伝達の抑制遺伝子(SOCS)、p53、PTEN、CD52、TSC1、FOXP3、溶解可能な免疫応答抑制遺伝子(SIRS)、TGFB、CD39L3、CD73、およびMaspinが挙げられる。場合によっては、エキソソームは、以下からなるリストから選択されたタンパク質の少なくとも1つを含む:UBA6、ESYT2、SSC5D、STMN1、STMN2、PRNP、VEGFA、ADD1、NBL1、MINOS1-NBL1、XIRP2、VPS37C、MARS、BST1、MAP1LC3B、MAP1LC3B2、RPSA、RPSAP58、BPNT1、ABI1、SEPT8、NUDT5、WBP2、SPTAN1、ATP1B1、DYNLT3、YIF1A、SEC61A2、SEC61A1、DOCK11、NDE1、NDEL1、UFD1L、SNX1、KIAA1217、CNIH4、CRYZL1、PRAMEF26、PRAMEF11、PRAMEF6、PRAMEF5、PRAMEF23、PRAMEF9、PRAMEF4、ANXA6、CD9、AMOT、PPP2R4、SELENBP1、PSMD4、PIP5K1A、PIPSL、MLLT4、GSK3A、RTN1、MPP1、DSCR3、SUMO2、SUMO3、SUMO4、PPP5C、AIMP2、TUBA4A、RPL23A、CASP3、FAM171A2、KIAA1324L、RAB34、C2orf74、DRG2、MBP、PTTG1IP、MBOAT7、CSNK1E、CSNK1D、EIF3L、EIF3D、UBE2I、CPNE1、APOC3、ARCN1、XRCC6、PSMD10、CROCC、NRD1、TSPAN2、MTOR、DYNLRB1、DYNLRB2、PEA15、POSTN、ARHGEF7、LPHN2、SEPT6、CD58、LGALS8、CD55、C1orf123、EPS15、MUC1、PSAP、GML、TXNRD1、HMGB1、HMGB1P1、RUVBL2、SLC29A1、EIF3S3、EIF3H、EIF3F、METRNL、CA12、PLTP、FNTA、SNRPN、SNRPB、HARS、AP1G1、CDIPT、CNN2、LARS、EIF2A、NAPG、CNN3、IDH2、ULK3、RPS6KA3、NPLOC4、CANX、EIF2B1、PIP4K2A、MYRF、TMEM165、EPN3、TARDBP、RAB5A、SNRPD3、SNX6、CS、LPAR1、AKR1C1、AKR1C2、AKR1C3、SACM1L、CARS、CHURC1-FNTB、FNTB、PCBP2、PCBP3、STAT2、NQO1、MAT2A、STRAP、IL6、SERPINB1、ABHD14A、ABHD14A-ACY1、ACY1、PTGES3、PGD、NPC2、HIST1H2BN、HIST1H2BL、HIST1H2BM、HIST1H2BH、HIST2H2BF、HIST1H2BC、HIST1H2BD、H2BFS、HIST1H2BK、HIST2H2BE、HIST1H2BB、HIST1H2BO、HIST1H2BJ、STK24、PLOD1、ELMO2、ZDHHC20、FAM98A、ANXA7、SLC2A5、PLSCR1、RASA1、DKFZp434N071、SLC9A1、MTAP、TMBIM1、SERINC3、AHSA1、QARS、ARL1、DNAJB1、NMT2、NMT1、FXR1、HNRNPC、RALYL、HNRNPCL1、TGFBR1、ME1、COPB2、TKT、RALB、DBF4B、LRCH3、PNPO、RBM4B、MST4、SERPING1、GALK1、PBXIP1、AQP1、SRSF3、FARSA、EML4、PPP1R7、STEAP2、GUCD1、PDIA6、SIRT2、QPCT、TSPAN9、RAN、EIF3C、EIF3CL、SEPT10、CAP2、NTM、HBS1L、RCN1、ATP6V1A、RNF14、SLC26A4、PTPRA、ATP6V0A1、MFSD8、TOM1L2、SGCE、CYTH3、TSPAN5、EXOC4、PPP6C、ALAD、PFKM、ISYNA1、PCYOX1、ATP6AP2、CAST、RPN1、INPP5K、SLC6A9、LPXN、AKT1、RRAS2、DECR1、SH3KBP1、NUBP2、PMM2、SCFD1、ACP2、PITPNB、GYS1、USP7、GPRC5B、RAB1A、EMB、EBF2、PCMT1、NAP1L1、SH3PXD2A、CCT4、GALK2、DLST、SH3GLB2、SCARB1、CCDC122、HSPE1、PPIL3、PTMA、TAX1BP1、EVA1A、FAM126A、TCEB2、IGLL5、DNPEP、DIAPH1、DISC1、TSNAX、DCUN1D1、PFN2、SRI、CNTLN、EEF1E1、EEF1E1-BLOC1S5、PTPN12、EIF4G1、TMEM248、TPST1、CPA4、MID1、CXCL8、RPL37A、KIAA0319L、IGF1R、TMEM98、PFN2、TNPO3、ATP6V1E1、RARRES2、ITGB6、APPL1、IFT57、TFPI、PSPH、QPRT、MEST、LTBP1、PRPSAP2、MTMR2、GPS1、CYCS、ITM2C、TYMP、APEH、OXSR1、PPM1B、TFG、ARVCF、STARD3NL、KIAA0195、MTPN、DGKA、MASP1、FARP1、FAM3C、DDX17、RPL24、UBA5、SEC14L2、SEC14L3、TIA1、TIAL1、BTN3A3、BTN3A2、BTN3A1、CD63、LEPROTL1、TENC1、ARMC9、EPHA5、EPHA3、TMEM106B、RPL35A、TMEM50B、ALB、EIF4G2、GNPDA1、GNPDA2、CAMK2D、CAMK2B、CAMK2A、GPM6A、ABCE1、CLDND1、MFSD10、RPL9、NECAP2、CTBP1、CTBP2、SPON2、SNF8、DCTD、RELL1、LMAN2、EIF4E、TTC37、IGJ、ALG13、RPS23、SRP72、CALCOCO2、PAIP1、RNASET2、SEPT11、SEC31A、MCC、CXCL6、CXCL5、HAPLN1、CD14、COL12A1、CLTB、ELOVL5、EIF3E、LYPLA1、PFDN1、TCEB1、SORBS3、ERLIN2、ERLIN1、ENY2、RPL30、PLAA、FABP4、TBCA、MAT2B、SKP1、COPS6、SQSTM1、AP3D1、BLMH、RAI14、MAP4K4、FES、FER、SEC24C、ABI2、RPL14、CD44、SEPT7、PTPRM、GLB1、SLC43A3、EIF4A2、PABPC1、PABPC4、PAPSS2、ATP2C1、TNS1、TNS3、THBS4、HEPH、PSEN1、XPO7、PLAU、ITGA2、STX3、PPP3CA、RPS24、PLOD2、MARK2、MARK1、MARK3、GPX8、BZW2、GDI2、CSNK2A1、CSNK2A3、DKK3、CDK14、CDK4、CDK3、CDK1、CDK16、CDK12、CDK15、CDK9、CDK18、CDK13、SF3A3、ASB2、CAPN5、CYFIP2、KLC1、MYO6、IQGAP2、ADAM23、HYI、TRIO、MGLL、DCTN1、NIF3L1、PI4K2A、NACA、GPR84、MGRN1、PACS2、RBBP7、RBBP4、NLN、COL6A3、HNRNPH1、MDH2、PTPRD、PTPRS、MYO1B、PHLDB2、SRP9、ATP11A、PPIE、DIP2A、EPB41、DTNB、TNS1、RND3、PPP2R5D、MANBA、AP2M1、APP、AAK1、C1QTNF3-AMACR、C1QTNF3、TSN、KIDINS220、DPM1、GSTM2、PLSCR4、EPB41L2、PRKCDBP、MUC15、PDE8A、THY1、TCP11L1、RPL27A、CRYAB、AAMDC、TMEM126B、EEF1D、SCYL1、PPP6R3、PRMT1、DCAF5、NUCB2、TSTA3、RPL8、HYOU1、RAB1B、NPEPPS、MDK、VKORC1、AASDHPPT、RNF141、TYK2、USP47、WLS、PSMC3、TSPAN4、STT3A、CD59、LRP8、RAE1、MVB12A、IFITM2、IFITM3、IFITM1、MAPK3、PFDN4、IFT46、EFEMP2、NSFL1C、FRYL、ARRDC1、PITPNA、CCT2、ADA、PCDH7、KRT17、SMAD5、TMED2、MPI、ITFG1、METAP1、RPTOR、HN1、GALNT1、COPS7A、KPNA6、KPNA5、KPNA1、OTUB1、ATP6V0D1、PXN、MACF1、SLC3A2、PPP3CB、GLTP、FERMT3、FBLN2、SEMA3C、CALD1、DCTN2、UACA、TENM2、MTHFD1、CBS、EIF3A、HMBS、SEC23A、PPP2R1A、TSG101、AP3S1、TMX3、VPS26A、VPS37B、SUGT1、SLC8A1、STK4、LSAMP、CDC42BPA、B2M、ATL3、TBC1D9B、FARSB、CDK17、VDAC3、CYB561、MFGE8、FZD6、BCAR1、TNIK、RPS10、RPS10-NUDT3、ST13、ST13P4、ST13P5、RBM38、PIP4K2C、CAD、PRKAG1、TMBIM6、DDX39B、DDX39A、DDX39、hCG_2005638、C12orf75、OCC1、C12orf10、CSRP2、COPZ1、SCYL2、PLXNA1、IGFL2、PTPRB、CHMP1A、RPL18、SLC25A3、SLC38A1、VPS29、PPP1CC、KIAA1033、KRT18、CTDSP2、FMNL3、PDE6H、MYL6、HNRNPA1、MYH10、RASA3、SDK1、BRE、GOLIM4、RANGAP1、RTN4、IGF2BP2、EXOC5、ABHD14B、PRKD2、PRKD1、PRKD3、TM4SF1、RNF149、ARPC4、ARPC4-TTLL3、CMTM7、DTNA、DTNB、PAM、TRAPPC2P1、TRAPPC2、ATP6V1H、DPP3、RPL21、TJP1、HBA2、GOLT1B、BAG5、PSMA6、UBE2V1、UBE2V2、MPP5、GNG2、FBN3、ACYP1、PTGER2、VPS33B、LTBP2、SRP54、GMFB、FRMD6、FBLN5、GNPNAT1、SHMT2、SLC7A7、SULF2、LAMB1、COMP、SBF1、TTC7A、PDIA3、COBLL1、XPNPEP1、DNM1L、GRK5、GRK6、GRK4、CDSN、MVB12B、ALDH1A3、HP、HPR、AMPD2、KCNMA1、FN1、IMPDH2、APMAP、CC2D1B、TBC1D8B、COL12A1、PTPRF、CALM2、CALM1、CALM3、HNRNPD、ATP10D、FST、COL14A1、VEGFA、CTSC、CTSF、MYCT1、CD40、RPS2、SCP2、CRIP2、C1R、REXO2、M6PR、LOC388849、IFT81、DHRS7、PPP2R5C、HECTD1、ETFA、WDR61、GMPR2、LDLR、RPS27L、RPS27、PSMA4、ANP32A、ANP32B、SPPL2A、PSME1、COMMD4、SPNS1、SLC9A3R2、RPS15A、CARHSP1、FUS、TAF15、HAGH、HNRNPUL2-BSCL2、HNRNPUL2
、GSPT1、UBFD1、LRRC57、DDX19A、DDX19B、HAPLN3、HAPLN4、BOLA2B、BOLA2、STXBP5、GCA、CHIA、ABCB6、COL5A1、WDR44、PDIA3、ZPR1、YIPF4、AP1S1、AP1S2、MMS19、CTDSP1、TSPAN15、MANF、POFUT2、PLOD3、MITD1、STRADB、PRDX4、SRPRB、MAGI1、ATP11B、MFSD1、IAH1、EFR3A、BRCC3、TXNDC17、NSF、PCYT2、CRK、MLKL、TFAP4、TOM1L1、EIF5A、EIF5AL1、EIF5A2、SRR、RPS15A、CCDC43、BAIAP2、SLC12A4、RPS13、MATN2、PI4KA、KIAA0368、ECM29、PSMD9、KIF5A、KIF5C、GPR176、PARVA、ITGA7、FHL2、MYO18A、LEKR1、GAS6、OLA1、TGOLN2、SYT1、STRA6、PSD3、PPP2R5E、IARS、NT5C、COPZ2、TANC2、RPL17、SRSF1、RPL38、FBXL20、RPL19、ARHGDIA、AKT2、SNRPD1、VWA1、ACE、ERBB2、CDKN2A、CDKN2B、MYL12A、MYL12B、YES1、RPL13、FNBP1L、TMEM8A、CUL4B、MYO1D、KATNAL2、SMAD4、RPS15、RPL22、TBCB、PKN1、SEPT9、SYNGR2、PRKCSH、RAD23A、EIF1、EIF1B、ACTG1、MRI1、PIN1、STAT3、UBXN6、DAZAP1、PDCD5、CARM1、CDC37、GPX4、PSENEN、RAB27B、COPE、ARHGEF1、NUMBL、HNRNPM、AP2S1、EMP3、RCN3、GGCT、JOSD2、CLEC11A、RPS5、MYO9B、AXL、PLAUR、RPL18A、SPATA22、EPS15L1、CHMP2A、KDELR1、KDELR2、RPS16、DPP9、TBC1D17、PAFAH1B3、ACOT7、MYO1C、SNAP23、STXBP3、AP3B1、TNFRSF10A、PSMD11、PSMD12、PGRMC1、CLIC1、QSOX1、IPO5、RTCA、AGRN、PSMD14、KPNA3、STK25、KRIT1、SDCBP、SDCBP、DDX3X、DDX3Y、CYR61、KPNA4、PDXK、CLDN4、CLDN9、CLDN6、CLDN3、PPAP2A、PPAP2B、ISLR、TXNDC9、HSPB6、ADAM10、ITGB1BP1、PRMT5、SLC9A3R1、TNFRSF10B、NRP1、MRAS、PSMA7、SCAMP3、TAX1BP3、GIPC1、CASK、HGS、PPP1R12A、PPP1R12B、XPO1、PLXNB2、NPC1、SCAMP1、SCAMP2、ARPC1B、ARPC2、ARPC3、PGRMC2、PFDN6、LAMA5、LEPROT、RER1、SURF4、INPPL1、NCAM2、STX7、SLC16A3、SLC31A1、ABCC3、ABCC4、P4HA2、YKT6、ARPC5、FLRT2、PLXNB1、PHGDH、ADAM12、GPR39、DYNC1LI2、PSMD3、PAPSS1、B4GALT5、TGFB1I1、TXNL1、TPD52L2、FIBP、AKR7A2、EPB41L2、ATP8B1、ATP8B4、DENR、XPOT、TSPAN6、ASNA1、ACTN4、KDELR3、SGTA、NARS、LANCL1、CALU、EDIL3、AHCYL1、AHCYL2、SPAG9、MAPK8IP3、PIP5K1C、DFNA5、NRP2、ACSL4、SNX3、ADCY9、SYNCRIP、HNRNPR、GREM1、EXOC3、PLIN3、SLC16A7、UGDH、CTNND1、SNX2、USO1、TOM1、PRAF2、EIF5B、DNAJA2、CUTA、SRGAP2、SRGAP2C、PLXNA2、WDR1、FZD7、SLIT3、ROCK2、CPNE3、DNAJC13、USP12、SEMA7A、PDCD6、ATP6V1G1、ATP6V1G2-DDX39B、ATP6V1G2、VPS4B、SH3BGRL、FLNB、SEC22B、ERLIN1、GPC4、CLDN11、TIPRL、RP2、SLC22A3、EIF3J、CBR3、IDH1、ATRN、STAM2、ARL6IP5、DCTN3、FLOT1、CPD、GLRX3、STC2、CIAO1、DDAH1、STK10、GFPT2、SLIT2、SEC24D、FARP2、DKK1、ABCA8、ENDOD1、AP2A2、PRSS23、S1PR2、UBL3、VAMP5、RTN3、VAPB、MPZL1、PGLS、ATG7、LYPLA2、IPO7、PGM3、APOM、FMNL1、ABCA1、SEC24A、SFT2D2、ACSL3、STAMBP、AP2A1、TMEM50A、BAG2、BAG3、CLDN1、CLIC3、TSPAN13、TSPAN31、DDAH2、ITGBL1、RECK、LDHA、ALDH1A1、GLUD1、GLUD2、CYB5R3、GSR、SOD1、F13A1、PNP、HPRT1、GOT2、EGFR、PGK1、AK1、C1R、F10、PLAT、ASS1、C3、TIMP1、CST3、CSTA、NRAS、HRAS、KRAS、TGFB1、PENK、NPY、IGF2、IL1B、IGHG1、IGHG3、HLA-A、COL1A1、COL3A1、COL4A1、LMNA、APOE、SLC4A1、FN1、FN1、FN1、RBP4、ORM2、ORM1、TFRC、FTL、FTH1、MT1X、MT1G、MT2A、MT1M、MT1E、MT1H、MT1A、ANG、VTN、CAT、ALDOA、CSTB、ANXA1、APOB、SOD2、OAT、KRT1、GAPDH、ASL、CAPNS1、HSPB1、RPN2、GNAI2、ATP1A1、ARG1、ITGB3、S100A8、SERPINB2、SERPINE1、ISG15、ALPL、EIF2S1、ICAM1、RPLP1、RPLP2、RPLP0、RPLP0P6、FABP3、ITGB1、PRKCB、MYL1、MYL3、COL5A2、UROD、INSR、FYN、GSN、GSN、S100A9、S100A6、ENO1、PYGL、GPI、NPM1、TPM3、ITGAV、LPL、SERPINE2、SERPINE2、EPHX1、DBI、LDHB、GPX1、P4HB、CTSD、ANXA2、ANXA2P2、CAPN1、TUBB、DCN、PFN1、BPGM、APRT、EPRS、CTSB、HSP90AA1、LYN、THBS1、HSPA1A、COL1A2、ANXA6、RHOC、PFKM、HSP90AB1、ASNS、MMP2、SOD3、MME、INHBA、MGP、ITGA2B、COL4A2、MFI2、ITGA5、VIM、RPS17L、RPS17、GNAI3、ANXA5、FGF2、ENO2、GSTP1、SNRPC、CXCL1、LGALS1、RBP1、SPARC、GSTM1、GSTM4、TPM1、TPM1、CLTA、ANXA4、CNP、PDGFRB、C1S、UCHL1、LTA4H、ALDOC、HIST1H2AJ、HIST1H2AH、H2AFJ、HIST2H2AC、HIST2H2AA3、HIST1H2AD、HIST1H2AG、HIST1H2AC、HIST3H2A、HIST1H2AB、RAP2A、SRGN、TROVE2、RRAS、HLA-A、BCL2、TXN、CTSA、PRKAR1A、ESD、HSPD1、CLU、HAPLN1、HSPA5、LAMC1、HSPA8、SLC2A1、SLC2A3、SLC2A14、UMPS、PYGB、RALA、SPTB、LAMP1、G6PD、DMD、IGF2R、ADH5、PRPS2、PCNA、COL11A1、COL6A1、COL6A2、COL6A3、PIP、ANXA3、ACTN1、SRC、PEPD、GP1BB、LAMP2、RNH1、BMP1、NCAM1、VCAN、VCAN、VCAN、ITGA4、EEF2、PDIA4、P4HA1、TPT1、F3、PLS3、PRKAR2A、MIF、CD99、HGF、FDPS、CPM、NID1、AKR1A1、PKM、PKM、PKM2、HSP90B1、IDE、DARS、JUP、AKR1B1、ANPEP、PVR、RAC2、MYOD1、B4GALT1、EZR、UCHL3、CD46、CD46、NME1、VEGFA、DSP、TIMP2、CBR1、HLA-A、PDGFRA、ATP2A2、FAH、HSPA6、RHOQ、GOT1、PRKCA、ITGA2、GJA1、PRKACB、PRKACA、KIN27、PRKACG、CAPN2、GAP43、HLA-G、CTPS1、ENG、PFKL、GM2A、LGALS3、IGFBP3、FLT1、TCP1、IGFBP2、ITGB5、ARF4、RPL7、VCL、PGAM1、SDC1、CDH2、GNAZ、VCAM1、NCL、GGT1、GGT3P、GGT2、SRM、CSNK2A2、ATP2B1、EIF2S2、RAB3A、RAB3B、RAB4A、RAB6A、RAB6B、NPR2、PSMB1、COL5A1、PTMS、GSTM3、ATP6V1B2、ATP6V1C1、CSRP1、FLNA、ACO1、IRP1、S1PR1、TNFAIP3、NT5E、TBXA2R、VDAC1、BGN、COMT、TGM2、OSBP、GART、PAICS、UBA1、NME1-NME2、NME2、NME1、ENPP1、HNRNPA2B1、IGFBP4、FBLN1、ITGA6、PPIB、WARS、RPS3、JAK1、PTPRG、AHCY、CFL1、ATP2B4、LAMA2、EEF1B2、IGFBP5、ACP1、TNC、MYL9、F2R、AZGP1、RPS12、FAS、DNAJB2、PSMA1、PSMA2、PSMA3、ITGA3、PTX3、MSN、DDX6、CTNNA2、S100A4、MGAT1、PTBP1、TARS、VARS、EEF1G、STOM、YWHAQ、MARK3、ATP6V0C、DPP4、RPL10、COL8A1、CD82、CALR、PSMB8、PSMA5、PSMB4、PSMB6、PSMB5、LOX、MAPK1、LAP3、TPP2、IMPA1、CTGF、EPHA2、EPHB2、SHC1、SHC2、CRABP2、MARCKS、GNA11、PRDX6、BLVRB、PRDX5、DDT、DDTL、PRDX3、RPL12、ECHS1、CMPK1、PEBP1、BDKRB2、HLA-A、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-C、ADSS、LRPAP1、ADSL、SLC7A1、LCN1、LCN1P1、CORO1A、GDI1、S100A7、SDC4、DNAJA1、ATIC、CASP14、YWHAB、YWHAB、SFN、STIP1、S100A11、PRDX2、CCKAR、GBP1、STX2、KIF5B、ABCC1、RNASE4、SDC2、CD68、HSPA4、GPC1、CTNNA1、CTNNB1、SERPINB6、NF2、RDX、SPR、PTGS2、THBS2、KRT9、FBN1、MYH9、BSG、BSG、TIMP3、GLRX、KRT2、PSMC2、SLC16A2、CHI3L1、GGT5、ARL2-SNX15、ARL2、ARL3、MAP2K2、MAP2K1、RPL4、PGM1、GNL1、SERPINF1、TGFBR2、HPCAL1、HPCA、TAGLN2、TALDO1、HSPA9、RPS19、RPL3、COL15A1、COL18A1、CAPG、IL6ST、CCT6A、NNMT、MDH1、EIF2S3、EIF2S3L、CD200、WNT5A、CSK、GARS、STAT1、ECE1、SLC1A3、SLC1A1、SLC1A4、PAFAH1B1、PTGIR、MCAM、RANBP1、NAMPT、NAMPTL、PSMC4、PPIC、
VDAC2、USP5、MAPK9、MAPK10、CRKL、GSTM5、BDKRB1、RPL5、RPS9、MAP1B、NEDD4、UTRN、IQGAP1、RABIF、CAPZA2、CAPZB、EIF1AX、EIF1AY、RPL29、XDH、SLC6A8、LIMS1、GLIPR1、CXCL12、PREP、TFPI2、GCLM、CD151、PSMD8、GSS、CCT5、CSNK1A1、CSNK1A1L、CD97、MARCKSL1、DNASE1L1、ALDH9A1、RPL34、LMAN1、FASN、CCT3、TUFM、ALDH7A1、AARS、SARS、PSMB3、PSMB2、THBS3、ACADVL、TMED10、HINT1、RGS19、GSK3B、NT5C2、GMPS、GNAQ、GNG10、MMP14、SLC26A2、SERPINB8、SERPINB9、SERPINH1、PDLIM4、VASP、DNM2、BCAM、CCT8、ANXA11、RAB5C、RAB7A、RAB13、RAB27A、PLCD1、DUSP3、BCAP31、TPMT、CAV2、PLXNA3、VAMP7、ADCY7、AKR1D1、LUM、RAP1GDS1、SLC7A2、SMS、EFNB2、STC1、THOP1、CAPZA1、BLVRA、ARFIP1、ACLY、PGGT1B、COPB1、COPA、SLC5A3、SLC16A1、IST1、SUB1、RARS、CACNA2D1、YARS、USP14、HSPA2、BCAT1、ATP12A、ATP1B3、RAD23B、EPHB4、GAS1、ALDH18A1、NAPA、MFAP2、EIF5、SLC12A2、CSE1L、VCP、ADK、LAMB2、CDH11、CDH13、SEC13、HNRNPH2、EIF3B、FCGRT、BID、ITGA1、EIF6、ANTXR2、CD81、TPI1、ACTB、EIF4A1、RPS20、PRPS1、S100A10、CDC42、DSTN、RAB8A、SPCS3、RAB2A、RAB5B、RAB10、UBE2D3、UBE2D2、UBE2M、UBE2N、RAB14、ACTR3、ACTR2、ACTR1A、COPS2、RAP1B、RAP2B、RPS3A、RPL15、RPL27、RHOA、VBP1、STXBP1、UFM1、NUTF2、HNRNPK、YWHAG、RPS7、PPP1CA、PPP1CB、NCS1、PSMC1、PSMC5、RPS8、YWHAE、RPS14、RPS18、RPS29、RPS11、SNRPE、LSM3、TMSB4XP4、TMSB4X、ARF6、PSMC6、RPL7A、ETF1、CNBP、RPS4X、RPS4Y1、RPS4Y2、PPP2CB、ACTA2、ACTG2、RHOB、RPS6、HIST1H4A、RPL23、RAP1A、RPS25、RPS26P11、RPS26、RPS28、GNB1、GNB2、RPL10A、RPL11、PPIA、FKBP1A、RPS27A、UBB、UBC、UBA52、UBBP4、GRB2、RAC1、AP2B1、GNAS、GNAS、GNAS、GNAI1、YWHAZ、PPP2R2A、PPP2R2D、DYNLL1、DYNLT1、GNG5、RPS21、GNB2L1、ACTG1、TMSB10、PPP2CA、YBX1、CSNK2B-LY6G5B-1181、CSNK2B、TPM4、ACTC1、ACTA1、ACTG2、UBE2L3、EEF1A1、EEF1A1P5、TUBA1B、KLK9、TUBB4B、PAFAH1B2、HBB、SIRPA、SIRPB1、PIP4K2B、CSNK1G2、GSTO1、ADAM17、SRPX、BASP1、DCD、SMAD3、ARF1、ARF3、ARF5、RHOG、MXRA7、TNFAIP6、DAB2、HSPG2、EFNB1、ATP8B2、HDLBP、CDK6、CDK5、CLTC、FKBP3、HNRNPU、SPTBN1、SET、FABP5、CAP1、CAP1、SLC7A5、PFKP、OCRL、PLCB3、ROR2、TAGLN、DSG1、MAP2K1、TEK、FKBP4、NUCB1、RPL6、AKAP12、GNA12、CAV1、TNFAIP2、PLAUR、GBE1、NOTCH2、GLO1、ACVR1、YWHAH、PLP2、PRKCD、PTPN11、GFPT1、FMOD、PRDX1、C1QBP、CKAP4、ENPEP、COL16A1、SPAG1、BAX、LRP1、ARHGAP1、TGM3、DHX9、CRYZ、LGALS3BP、LOXL1、MFGE8、MFGE8、DSC1、SPOCK1、VAC14、AHNAK、SMAGP、GALNT2、AP1B1、BST2、ST3GAL1、SCRN1、KIAA0196、TWF1、ASPH、EFEMP1、FSTL1、STX4、DPYD、FAP、AIMP1、ILF3、PTPRJ、DLG1、MYO1E、PTP4A2、ABR、ARHGAP5、STRN3、STRN4、FLII、COASY、SPP2、PRKAA1、PPFIA1、PPFIA3、PPFIA2、PPFIA4、PAK2、PSMD2、DNAJC3、PAPPA、PTK7、SGCG、SLC14A1、EIF3I、PLD1、DYNC1I2、BTN1A1、ILK、SNTB2、SLC39A6、PDAP1、ADAM9、ROCK1、TCIRG1、PICALM、TUBB3、CAMK2G、CAMK2B、NAE1、CUL1、CUL2、CUL3、CUL4A、RAB31、RAB32、TPBG、FHL1、FHL3、ALCAM、PKP1、BMPR2、TUBB2A、TUBB2B、IDI1、PRKG1、CKAP5、COTL1、SCARB2、NID2、DAG1、DSG2、SCRIB、TTLL12、DPYSL3、DYNC1H1、CTTN、FLOT2、FLNC、FZD2、GNA13、GAMT、GALE、LRRC32、FAT1、DSC3、INPP5A、TRIP12、GANAB、RFTN1、MVP、LASP1、PTGR1、RAB39A、KPNB1、NAA25、VEPH1、CHMP4A、PSMD6、Sep-02、SNX17、RAB3GAP1、SLC39A14、KARS、EIF4H、POSTN、PCOLCE、PLCB4、PLEC、PPA1、STK38、PTPRK、RASA2、RAB35、LLGL1、PCBP1、RHEB、RSU1、TGFBI、TRIP10、TRIP6、MAPRE1、MYLK、SLC1A5、SMAD1、STXBP2、ZNF14、VAMP3、VAMP2、ATP6AP1、RAB11B、RAB11A、ZYX、ADRM1、CCDC6、UAP1、IGFBP7、LAMA4、EXT1、PSMD5、PKN2、DDB1、DPYSL2、SYPL1、SGCB、ECM1、DBN1、PTGIS、FSCN1、ATP2B3、CA9、MEP1A、DDR2、UGP2、TMEM132A、INF2、KIF26B、QRICH1、LEPRE1、DAK、SERPINB12、TUBB8、PREPL、TBC1D10B、ANO6、SVEP1、TMEM119、FNDC1、RFTN2、TP53I3、PLEKHO1、ALF、STON1、CYBRD1、NAALADL2、HSP90AB4P、HSP90AB2P、HERC4、TMEM67、DPCD、VPS16、COLEC12、DNMBP、LDLRAP1、OTUD7B、OTUD7A、WASF1、TPRG1L、SH3BGRL3、SLC39A1、UBR4、C9orf64、KPRP、XP32、TM9SF3、OGFRL1、SPO11、STRIP1、STRIP2、FAM171A1、BROX、FAM208B、PEAR1、ARHGEF2、RRAGB、RRAGA、RAB18、CD276、STEAP3、HGSNAT、MBLAC2、ARHGAP17、NXN、VASN、PTRHD1、LAMTOR1、TWF2、RAB12、TENM4、PTRF、CC2D1A、FAHD2A、FAHD2B、CNNM4、FAM171B、TLDC1、RHBDF2、TRAF7、CSPG4、MOXD1、LRSAM1、HHIPL2、PI16、FAT4、PACS1、CD109、C1QTNF1、FAM65A、ANKRD13D、RASSF6、UBN2、LHFPL2、VPS13C、MOB3C、UBE2R2、TUBA1A、TUBA1C、TUBA3C、TUBA3E、TUBA8、CCDC80、BTN2A1、SND1、BZW1、EIF3M、CYFIP1、TAOK1、MOB1B、CHMP1B、ZC3HAV1、NEGR1、LIMS2、GOLGA7、PODN、SRGAP1、HUWE1、TMEM179B、AMIGO2、TMEM55B、TTC7B、PHLDB1、TXNDC5、SERINC5、VPS36、CAND1、TMEM200A、PPFIBP1、SBF2、SBF1、TICAM2、TMED7、TICAM2、XYLT1、STX12、AEBP1、PLD3、LIX1L、AHNAK2、CCDC50、SLITRK4、SLC44A2、SLC44A2、WDFY1、TEX2、FAM114A1、DCUN1D3、LRRC8A、SULF1、UBR1、UEVLD、CMIP、EXOC8、SLC6A16、ANKRD13A、UNC5B、SPG20、LRRC47、LYPD1、DOS、SLC35F6、C2orf18、ARHGAP18、ASCC3、EHBP1L1、PLCD3、SFRP1、MINK1、FAM26E、SLC15A4、ADAMTSL1、CCNYL1、ENAH、BMPER、DCBLD1、TDRD5、ATP11C、GOLM1、FAM63B、FAM63A、SERBP1、APOA1BP、CCNY、LRRN4CL、MAPK1IP1L、APPL2、GPRC5A、STXBP6、TSPAN14、SVIP、VANGL1、WDR48、NDNF、UBA3、TMEM167A、SPPL2B、HM13、CD99L2、PLEKHO2、NEK7、MICAL1、DTD1、IPO4、PPP4R1、UBASH3B、LRRC15、FRS2、RAB2B、PPP1R13L、CEMIP、PDCD6IP、UBTD2、FBLIM1、BRK1、SLC38A5、PHLDA1、SNX33、UBLCP1、APH1B、C1orf85、SLC44A1、PALLD、TTN、OVCA2、DDX1、PIEZO1、SLC7A6、GBF1、NCSTN、TM9SF4、NDRG1、HSPH1、GCN1L1、PXDN、SGCD、PVRL2、PVRL2、RABGGTA、HTRA1、ARPC1A、STAM、HAS2、GGH、NEO1、OSTF1、GLG1、UPF1、COPS5、RAB8B、RIT1、TNPO1、NINJ1、DVL3、USP9X、USP9Y、CUL5、LPP、PTP4A1、SCAMP4、IGSF8、ERGIC1、SYAP1、FERMT2、LRRC59、MRGPRF、AIDA、ARL8A、ARL8B、MOB3A、DOCK10、EFHD2、EFHD1、PPP1R14B、LIMK2、RHBDF1、CTHRC1、ISOC1、KCTD12、SHISA4、CMBL、RSPRY1、L3HYPDH、CNRIP1、DYNLL2、CPNE2、S100A16、PERP、CHMP6、PGM2、SCARF2、PDLIM5、ERO1L、GMPPA、ITCH、KIRREL、LRIG1、LOXL4、DCHS1、MEGF10、EXOC2、CNDP2、SNX27、IFT74、DOCK7、LRRC7、IPO9、DCBLD2、GPR124、FMNL2、TRNT1、TMEM237、GSDMA、SLC38A2、VPS35、PURB、PANX1、SNX18、NUDCD1、ERBB2IP、C16orf13、MYADM、FAM129B、PSMB7、PSMD1、PFDN5、PARK7、VAT1、S100A13、TTC1、DNAJC7、C12orf57、OSMR、CHP1、HSD17B10、NAP1L4、TM9SF2、CCT7、AGPAT1、PKP2、SH3GL1、GDF15、ARPC
5L、PDCD1LG2、TMEM47、CORO1B、CPPED1、VPS25、MXRA8、SDF4、MIEN1、PELO、ERP44、LXN、ESYT1、MARVELD1、CCM2、COPS4、DCTN5、LRRC1、TUBB6、PDCD10、BDH2、NTMT1、TMED9、ACAT2、JAM3、RAB11FIP5、TBC1D10A、NAA15、SLC12A9、AP1M1、ITPA、CADM1、FRMD8、ULBP3、ULBP2、FAM129A、ZDHHC5、TTYH3、TINAGL1、C20orf27、TOLLIP、ARL6、ITFG3、WNT5B、MESDC1、EHD4、C1orf21、TRIOBP、SLK、TAOK3、SLC12A5、SLC12A7、C11orf68、TXNIP、ACBD3、UNC45A、DNAJC5、CHMP4B、RNPEP、SMOC1、EPB41L1、GLIPR2、EHD1、CDCP1、CLMP、EPS8L2、ANTXR1、SH2D4A、DOCK5、ATP13A3、UBE2Z、FAM188A、MOB1A、GORASP2、C6orf211、LRRC40、SLC52A2、PPCS、UBTD1、SMURF2、GNB4、BCL2L12、CACYBP、RRAGC、RRAGD、PARVB、PROK2、GLOD4、ANKH、VAT1L、EPB41L5、EPB41L4B、CSNK1G1、CD248、S100A14、MYO10、NRXN3、VTA1、TNFRSF12A、IL1RAP、RIC8A、PLCB1、TIGAR、HINT3、NIT2、PVRL3、MYO5C、PDLIM7、SAR1A、NANS、MXRA5、SLC17A5、OLFML3、OSTC、CDC42SE1、HEBP1、VPS45、PHPT1、SERINC1、ARHGAP35、PLSCR3、TMEM256-PLSCR3、LANCL2、STARD5、ATG3、ECHDC1、LIN7C、FAM49B、NUDT15、EXOC1、TMEM30A、EVA1B、TMEM51、COMMD8、RAB20、CMTM6、ARL15、ACTR10、IGF2BP1、HSPBP1、MYOF、EHD3、EHD2、CD274、FLRT3、LMCD1、MPP6、CHMP5、VAPA、SH3BP4、VPS18、DIP2B、TENM3、PTGFRN、PCDH10、RRBP1、ANKIB1、ANKFY1、ATXN10、NCDN、MRC2、CRNN、GNG12、TNFRSF10D、SPAST、GULP1、GRHPR、CTSZ、CKLF、CTNNAL1、PEF1、DNAJB4、STK39、ADD3、ABCF2、SLC23A2、TES、SUSD2、LAMTOR3、NPC1L1、CHORDC1、TMEM2、PFDN2、SLCO3A1、LNPEP、NAGK、ANXA10、DBNL、DCTN4、VPS28、LSM7、PACSIN3、TRHDE、ANGPTL2、ITGA11、CDV3、RAB21、RAB22A、PSME2、RAB23、MCTS1、ZDHHC8、SLC39A10、ASAP1、HEG1、ANKRD50、TBC1D24、CORO1C、PYCARD、NOTCH3、ICAM5、UBQLN1、SNX12、VPS4A、PCDHGC3、STUB1、PACSIN2、STX8、PLA2G2D、PSMD13、PROCR、ABCG2、COPS3、TTF2、FZD1、SLC7A11、WASF3、SHOC2、PA2G4、CHMP2B、GNE、C14orf166、RUVBL1、NUDC、CFL2、ITM2B、SLC5A6、NCKAP1、EXOC6B、DIP2C、STK38L、EPB41L3、FAN1、LAMTOR2、TMA7、AP3M1、AP3M2、MEMO1、LSM2、SH3GLB1、CAB39、SBDS、PPIL1、UFC1、RTCB、FBXO7、RAP2C、TLN1、DAAM1、PLXND1、IRS2、LOXL2、RNF114、PPME1、PCDHGB7、PCDHGB6、PCDHGB5、PCDHA9、PHLDA3、GMPPB、TRPV2、CDC42BPB、IER3IP1、SNX9、SNX8、HEBP2、PSAT1、F11R、GPC6、NPTN、DKFZp566H1924、COPG1、LHFP、CLIC4、CFAP20、EMILIN1、DYNC1LI1、EPN1、CSNK1G3、SLC30A1、SLC4A7、ROBO1、SLC4A4、FCGBP、PCLO、CAPN7、WASF2、および、これらの組み合わせ。
【0070】
場合によっては、治療効果に寄与するタンパク質、あるいはパラクリンシグナル伝達を媒介して、CD39結合剤を使用して単離されたエキソソームの治療効果をもたらすタンパク質は、CD39、CD39L3、および/またはCD73、あるいはその構造的アナログまたは機能的アナログを含み、これらは、配列、長さ、あるいは配列と長さが異なるが、ATPまたはADPを遊離プリンアデノシンに還元する集合的能力を保持する。場合によっては、治療効果に寄与するタンパク質、あるいはパラクリンシグナル伝達を媒介して、治療効果をもたらすタンパク質はCD39を含む。場合によっては、治療効果に寄与するタンパク質、あるいはパラクリンシグナル伝達を媒介して、治療効果をもたらすタンパク質はCD39L3を含む。場合によっては、治療効果に寄与するタンパク質、あるいはパラクリンシグナル伝達を媒介して、治療効果をもたらすタンパク質はCD73を含む。場合によっては、本明細書に開示されるエキソソームは、炎症を軽減するために、上記のタンパク質の1つ以上を送達する。いくつかのエキソソームは、例えば、ATP濃度、ADP濃度、およびAMP濃度の少なくとも1つを減少させるように、ADP、AMP、あるいは遊離プリンへのATPの形質転換を触媒することによって、局所的なATP、ADP、および/またはAMP濃度に影響するタンパク質を送達する。代替的にあるいは組み合わせて、いくつかのエキソソームは、例えば、ATP、ADP、およびAMPの少なくとも1つを遊離プリンに変換することにより、遊離プリン濃度を増大させるタンパク質を送達する。場合によっては、遊離プリンへのATP、ADP、およびAMPの変換は、CD39およびCD73を含むタンパク質の組み合わせによって達成される。あるいは、場合によっては、単一の酵素活性は、ATP、ADP、およびAMPの少なくとも1つからの遊離プリンを放出する。いくつかのエキソソームは、ATPase、ADPase、AMPase、およびアデノシン脱プリンase(depurinase)活性の少なくとも1つを有する酵素を送達する。様々な実施形態において、エキソソームは、上記のリストからの2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、あるいは100を超えるタンパク質を含む。様々な実施形態において、エキソソームは、上記のリストからの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、あるいは100を超えるタンパク質を含む。様々な実施形態において、エキソソームは、上記のリストからのタンパク質の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは100%以上を含む。様々な実施形態において、エキソソームは、上記のリストからのタンパク質の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは100%未満を含む。様々な実施形態において、上記のリストのタンパク質の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは100%以下は、疾患の処置のために、例えば、エキソソーム組成物から精製される。様々な実施形態において、上記のリストのタンパク質の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいは100%以下は、疾患の処置のために、例えば、エキソソーム組成物から精製される。場合によっては、上記のリストからの精製されたタンパク質が、疾患の処置のために、例えば、エキソソームを送達機構として使用して、エキソソーム組成物と組み合わされる。
【0071】
本明細書に開示されるCD39結合剤を使用して単離された、いくつかのエキソソーム組成物は、治療効果に寄与するmiRNA、あるいはパラクリンシグナル伝達を媒介して治療効果をもたらすmiRNAなどの核酸を含む。いくつかの態様では、組成物はマイクロRNA(miRNA)を含む。miRNAは、限定されないが、let7b miRNAを含む。いくつかの態様では、制御性表現型を誘発するために、エキソソーム由来のmiRNAがリンパ球に送達される。いくつかの態様では、制御性Foxp3+表現型を誘発するために、miRNAがリンパ球に送達される。いくつかの態様では、制御性M2マクロファージ表現型を誘発するために、miRNAがマクロファージに送達される。いくつかの態様では、制御性M2マクロファージ表現型を誘発するために、miRNA let-7bはマクロファージに送達される。いくつかの態様では、組成物は、宿主免疫系から免疫刺激性、炎症促進性応答を生成する外因性RNA、タンパク質、抗原、およびmicroRNAなどの少なくとも1つのカテゴリーの分子を含む。いくつかの態様では、組成物は、液性腫瘍または固形の腫瘍中の内因性腫瘍浸潤リンパ球(TIL)から免疫刺激性、炎症促進性応答を生成する外因性の刺激性抗原を含む。いくつかの態様では、組成物は、リンパ球チェックポイント経路の阻害剤と連携して、液性腫瘍または固形の腫瘍中の内因性腫瘍浸潤リンパ球(TIL)から免疫刺激性、炎症促進性応答を生成する外因性の刺激性抗原を含む。いくつかの態様では、組成物は、CTLA4、PD1、PDL1、LAG3、PDL2、またはCD39の経路などのリンパ球チェックポイント経路の抗体、二重特異性抗体、あるいは化学抑制剤と連携して、液性腫瘍または固形腫瘍中の増強された共同刺激性、内因性の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)から炎症促進性応答を生成する外因性の刺激性抗原を含む。いくつかの態様では、組成物は、液性腫瘍または固形腫瘍に対して標的化された外因性改変Tリンパ球から、免疫刺激性、炎症促進性応答を生成する外因性の刺激性抗原を含む。いくつかの態様では、組成物は、特定の固形腫瘍抗原に対して標的化された外因性樹状細胞(DC)から、免疫刺激性、炎症促進性応答を生成する外因性の刺激性抗原を含む。いくつかの態様では、組成物は、固体腫瘍または液性腫瘍に対して標的化された外因性改変ナチュラルキラー(NK)細胞から、免疫刺激性、炎症促進性応答を生成する外因性の共同刺激性抗原を有する。
【0072】
場合によっては、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などの治療上活性なエキソソーム組成物は、免疫抑制剤を含む。本明細書で熟考される免疫抑制剤としては、限定されないが、グルココルチコイド、細胞分裂阻害薬、抗体、イムノフィリン阻害剤、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムスおよびインターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤、代謝拮抗剤、葉酸、メトトレキセート、プリンアナログ、ピリミジンアナログ、タンパク合成阻害剤、ミコフェノール酸塩、細胞毒性抗生物質、ステロイド、抗TNF抗体、TNF阻害剤、およびNSAIDが挙げられる。いくつかのエキソソーム組成物としては、限定されないが、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、およびゴリムマブを含む抗TNF抗体が挙げられる。エキソソーム組成物は、限定されないが、エタネルセプト、キサンチン誘導体、およびブプロピオンを含むTNF阻害剤を含む。場合によっては、エキソソーム組成物は少なくとも1つのNSAIDを含む。場合によっては、エキソソーム組成物は少なくとも1つのステロイドを含む。
【0073】
処置法
【0074】
場合によっては、本明細書に開示されるCD39の発現に基づいて単離されたSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、パラクリンシグナル伝達活性による疾患の処置における方法および使用のための治療用組成物を含む。いくつかのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞、ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、哺乳動物の炎症応答を調節する。したがって、少なくとも1つの精製されたSDC2+あるいはSDC2+CD39+間質幹細胞、およびSDC2+あるいはSDC2+CD39+エキソソーム組成物を炎症応答の部位に投与することによって、哺乳動物の炎症応答を調節する方法が本明細書に開示される。少なくとも1つの精製されたSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を炎症応答の部位に投与することによって、哺乳動物の炎症応答を調節する際に使用される、精製されたSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞、ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物が本明細書にさらに開示される。少なくとも1つの精製されたSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を炎症応答の部位に投与することによって、哺乳動物の炎症応答を調節するための薬物の調製に使用される、精製されたSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞、ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物が本明細書さらに開示される。
【0075】
方法および使用は炎症部位に到達するのに適している様々な投与経路を含み、それは、処置を必要とする炎症応答に応じて変わる。投与経路としては、限定されないが、非経口的(皮下、静脈内、動脈内、骨内、大脳内、脳室内、髄腔内、髄内、関節内、筋肉内、あるいは腹腔内注入を含む)、直腸、呼吸あるいは吸入、局所的、経皮的、および経口的(例えば、カプセル剤、懸濁液、または錠剤)が挙げられる。いくつかの適応症については、静脈内投与によって、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を投与することが望ましい。特に、静脈内投与はしばしば、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物、または、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームに由来する組成物を、ヒトの肺などの哺乳類の肺へと送達するために好まれる。
【0076】
いくつかの適応症については、吸入装置を使用して、呼吸または吸入経路経由で、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を投与することが望ましい。吸入装置は、患者の呼吸気道に治療用組成物を投与することができる。吸入装置は、定量噴霧吸入器、粉末吸入器、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、熱蒸発器、ソフトミスト吸入器、および高効率ネブライザーなどの従来の吸入装置を含む。ネブライザー、定量噴霧吸入器、およびソフトミスト吸入器は、容易に吸入することができる液滴サイズを含むエアロゾルを形成することによって、治療薬を送達する。吸入療法の範囲内の患者はエアロゾルを使用することができる。ネブライザーは、治療薬または薬物を、個体の肺に送達される細かいエアロゾルミストに変えることができる。
【0077】
ネブライザーは高効率噴霧器を含む。高効率ネブライザーは、微小穿孔処理された膜を含む吸入装置であり、それを介して、液体溶液が電気的あるいは機械的な手段によって、吸入に適したエアロゾル液滴に変換される。高効率ネブライザーは、充填された用量の大部分を患者に送達することができる。いくつかの実施形態では、高効率ネブライザーはさらに1つ以上の能動的または受動的に振動する微細穿孔処理された膜を利用する。いくつかの実施形態では、高効率ネブライザーは1つ以上の振動膜を含んでいる。いくつかの実施形態では、高効率ネブライザーは、多くの孔を備えた振動するメッシュまたはプレートと、随意にエアロゾル混合チャンバーを備えた振動発生器とを含んでいる。いくつかのこうした実施形態では、混合チャンバーはエアロゾル生成器からエアロゾルを集める(または段階分けする)ように機能する。いくつかの実施形態では、吸気弁は、吸気相の間には混合チャンバーへの大気の流入を可能にするために使用され、呼気相の間には混合チャンバーからのエアロゾルの漏れを防ぐために閉じられる。いくつかのこうした実施形態では、呼気弁はマウスピースに配置され、マウスピースは混合チャンバーに取り外し可能なように取り付けられ、これを介して患者は混合チャンバーからエアロゾルを吸入する。さらなるいくつかの実施形態では、高効率ネブライザーは拍動膜(pulsating membrane)を有する。いくつかの実施形態では、高効率ネブライザーは継続的に作動している。
【0078】
いくつかの適応症、疾患あるいは障害については、局所的な(例えば、処置されている個体の皮膚に直接適用される)パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を投与することが望ましい。場合によっては、局所投与が皮膚の疾患を処置するために使用される。局所投与は皮膚上の投与を含む。局所投与のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、特に、皮膚に投与するために製剤化される。そのような局所的なSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物としては、限定されないが、溶液、ローション剤、クリーム剤、軟膏、ゲル(ヒドロゲルまたはコラーゲンゲルを含む)、フォーム、経皮パッチ、粉体、ペースト剤、ならびにチンキ剤が挙げられる。場合によっては、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、ヒドロゲルあるいはコラーゲンゲルを含む。
【0079】
特定の適応症、疾患あるいは障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の眼(例えば、眼内または眼部)への投与から利益を得る。眼への投与のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、眼への投与に適した製剤(例えば、緩衝液または賦形剤)を含む。
【0080】
パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の被験体への注射は、特定の適応症、疾患、あるいは障害を処置するのに効果的である。SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+SDC2+CD39+エキソソーム組成物の注射による送達としては、限定されないが、リンパ節への注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、腹腔内注入、髄腔内注射、皮内注射、関節内注射、および本明細書に記載される方法に適した他の注射方法が挙げられる。注射のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、注射のための製剤あるいは生理学的に容認可能な緩衝液または賦形剤を含む。
【0081】
特定の適応症、疾患あるいは障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の心臓への直接の投与から利益を得る。パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+とSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の心臓への直接の適用は、限定されないが、心臓内、心膜内、冠動脈内注射を含む。
【0082】
場合によっては、哺乳動物における処置方法ならびに使用方法で使用されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、1つ以上の抗原を含む。SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物が1つ以上の抗原を含む処置の方法および使用では、抗原は個体の液性免疫系にさらされない。これらの場合、個体は、抗原への液性免疫反応を発生しない。
【0083】
哺乳動物における処置の方法および使用で使用されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、SDC2および/またはCD39を含むか、あるいは、SDC2+およびSDC2+CD39+である。間質幹細胞あるいはエキソソーム組成物が分析される場合、間質幹細胞あるいはエキソソームの少なくとも20%はSDC2を含み、間質幹細胞あるいはエキソソームの少なくとも20%はCD39を含む。場合によっては、処置の方法および使用で使用されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、間質幹細胞あるいはエキソソームの少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%以上はSDC2を含み、ならびに、間質幹細胞あるいはエキソソームの少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは99%以上はCD39を含む、組成物を含む。SDC2およびCD39を含む組成物の間質幹細胞あるいはエキソソームの割合は、免疫蛍光検査法(例えば、フローサイトメトリー、蛍光顕微鏡法、電子顕微鏡法、または他の適切な方法)によって決定される。
【0084】
本明細書に記載される処置法で使用される間質細胞の組成物は、場合によっては、間質幹細胞の組成物の治療効果を高めるように改変される。場合によっては、細胞は、CD39、CD39の構造的または機能的活性変異体、あるいはアピラーゼ活性を有する他のタンパク質などの、本明細書に開示されるアピラーゼを過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞はCD39L3を過剰発現するように遺伝子改変される。間質細胞の遺伝子改変は、限定されないが、CD39またはCD39L3のコード配列およびプロモーター、例えば、CMV、SV40、EF1a、あるいはCAGプロモーターなどを含む1つ以上プラスミドを用いた間質細胞のトランスフェクションを含む方法によって達成される。間質細胞の遺伝子改変は、場合によっては、CD39またはCD39L3コード配列、およびプロモーターを含むウイルスによる間質細胞の感染によって達成される。
【0085】
本明細書に記載されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などのSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、場合によっては、CD39の発現に基づいて単離された細胞に由来するが、エキソソーム組成物は生細胞を含まない。したがって、エキソソーム組成物は非腫瘍原性であり、すなわち、それらは、腫瘍または癌を発症する被験体の感受性を増加させない。
【0086】
本明細書に開示される処置の方法および使用は、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム、例えば、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム、あるいはインビトロのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム、ならびにSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームならびにSDC2+およびSDC2+CD39+間葉系幹細胞(例えば、SDC2+およびSDC2+CD39+間葉系間質幹細胞)の混合物を含む、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を、哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの例では、処置の方法および使用は、SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームあるいはインビトロのエキソソームおよび制御性T細胞を含む組成物を含むエキソソーム組成物を使用する。制御性T細胞は、CD25+制御性T細胞、CD4+制御性T細胞、FoxP3+制御性T細胞、CD25+CD4+FoxP3+制御性T細胞、およびそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、エキソソーム組成物を使用する処置の方法および使用は、インビトロのSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム、SDC2+およびSDC2+CD39+間葉系幹細胞、ならびに制御性T細胞を含む組成物を含む。
【0087】
本明細書に記載される処置の方法および使用は、凍結保護物質を使用せずに凍結または冷凍保存された後に効力あるいは活性を保持する、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用する。凍結保護物質は、DMSO、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デキストラン、およびトレハロースを含む。処置の方法および使用で使用されるエキソソーム組成物もまた、特別な凍結プロトコルを使用せずに冷凍された後に効力を保持する。特別な凍結プロトコルは、瞬間冷凍、プログラム可能なレートフリーザー、および断熱コンテナでの凍結を含む。処置の方法および使用で使用されるエキソソーム組成物は、緩衝液あるいは培地において凍結される。緩衝液は、リン酸塩緩衝液、ヒスチジン緩衝液、クエン酸緩衝液、緩衝酢酸溶液、および他の適切な緩衝液などの生理学的に許容可能な緩衝液を含む。場合によっては、本明細書に記載される処置の方法および使用は、凍結乾燥されるか、あるいは凍結乾燥されているエキソソーム組成物を使用する。
【0088】
本明細書に開示される処置の方法および使用は、凍結または冷凍保存された後に効力あるいは活性を保持するSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物を使用する。凍結保護物質は、DMSO、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デキストラン、およびトレハロースを含む。処置の方法および使用で使用されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物はまた、特別な凍結プロトコルを使用して凍結された後に効力を保持する。特別な凍結プロトコルは、瞬間冷凍、プログラム可能なレートフリーザー、および断熱コンテナでの凍結を含む。処置の方法および使用で使用されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物は、凍結保護物質と混合された緩衝液あるいは培地において凍結される。緩衝液は、リン酸塩緩衝液、ヒスチジン緩衝液、クエン酸緩衝液、緩衝酢酸溶液、および他の適切な緩衝液などの生理学的に許容可能な緩衝液を含む。
【0089】
本明細書に開示される処置の方法および使用は、治療上有効な量のCD39の発現に基づいて単離されたSDC2+間質幹細胞を含む組成物の投与を含む。治療上有効な量のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞は、場合によっては、10∧3~10∧8のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞、例えば、組成物の10∧3、10∧4、10∧5、10∧6、10∧7、10∧8、あるいはそれ以上のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞の投与を含む。処置の方法および使用は、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物の投与を含み、それは、場合によっては、投与前に個体または医療従事者によって希釈されるために濃縮される。場合によっては、処置の方法および使用は、希釈されて、個体または医療従事者によってすぐ投与される準備ができているSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物の投与を含む。場合によっては、処置の方法および使用は、使い捨てのバイアル、シリンジ、あるいはIVバッグに含有されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物の投与を含む。場合によっては、処置の方法および使用が、複数回投与量を含む、容器からの投与量の投与を含む。
【0090】
本明細書に開示される処置の方法および使用は、治療上有効な量のパラクリンシグナル伝達エキソソームなどのエキソソームを含む組成物の投与を含む。治療上有効な量のエキソソームの投与は、場合によっては、106-108のエキソソーム、例えば、組成物の106、107、108、あるいはそれ以上エキソソームの投与を含む。場合によっては、治療上有効な量のエキソソームの投与は、1μg~700mgのエキソソーム、例えば、組成物中の1μg、10μg、20μg、50μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、750μg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、10mg、20mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、あるいはそれ以上のエキソソームの投与を含む。処置の方法および使用は、場合によっては、投与前に個体によって希釈されるために濃縮されるエキソソーム組成物の投与を含む。場合によっては、処置の方法および使用は、希釈され、個体によってすぐに投与される準備ができているエキソソーム組成物の投与を含む。場合によっては、処置の方法および使用は、使い捨てのバイアルあるいはシリンジに含有されるエキソソーム組成物の投与を含む。場合によっては、処置の方法および使用が、複数回投与量を含む、容器からの投与量の投与を含む。
【0091】
本明細書に開示される処置の方法および使用は、治療効果を有するあるいは治療効果を有しないタンパク質を含む、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などのSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与を含む。タンパク質としては、限定されないが、IL-12、サイトカインシグナル伝達(SOCS)の抑制因子、p53、PTEN、CD52、TSC1、FOXP3、溶解性の免疫応答抑制因子(Soluble Immune Response Suppressor)(SIRS)、TGFB、CD39、CD39L3、CD73、およびマスピンが挙げられる。いくつかの方法および使用は、ATPase、ADPase、AMPase、あるいはアデノシン脱プリンase活性を有する酵素の投与を含む。
【0092】
場合によっては、本明細書に記載される処置の方法および使用は、免疫抑制剤を含むパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、治療上活性なSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与を含む。処置のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物において使用される免疫抑制剤の非限定的な例は、限定されないが、グルココルチコイド、細胞分裂阻害薬、抗体、イムノフィリン阻害剤、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムスおよびインターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤、代謝拮抗剤、葉酸、メトトレキセート、プリンアナログ、ピリミジンアナログ、タンパク合成阻害剤、ミコフェノール酸塩、細胞毒性抗生物質、ステロイド、抗TNFの抗体、TNF阻害剤、およびNSAIDを含む。処置の方法および使用のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、限定されないが、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、およびゴリムマブを含む抗TNF抗体を含む。処置の方法および使用は、限定されないが、エタネルセプト、キサンチン誘導体、およびブプロピオンを含むTNF阻害剤を含む、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与を含む。本明細書に記載される処置の方法および使用のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、場合によっては、NSAIDを含む。場合によっては、処置の方法および使用のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、1つ以上のステロイドを含む。
【0093】
免疫系の過剰な活性化あるいは不適切な活性化により、免疫系の炎症性疾患および障害が生じる。免疫系中の1つ以上の細胞型は、炎症性疾患および免疫疾患、例えば、CD4+ヘルパーT細胞、CD8+細胞傷害性T細胞、Th17細胞、樹状細胞、マクロファージ、マスト細胞、白血球、好中球、好酸球、好塩基性細胞、単球、およびそれらの組み合わせに寄与することがある。しばしば、これらの細胞は、酵素、サイトカイン、ケモカイン、および他の免疫メディエーターなどの細胞由来のメディエーターを介して、炎症反応に相乗作用して増幅させる。免疫メディエーターとしては、限定されないが、リソソーム顆粒、ヒスタミン、IFNγ、IL-8、ロイコトリエンB4、酸化窒素、プロスタグランジン、TNFα、IL-1、IL-1β、IL-17、IL-2、およびそれらの組み合わせが挙げられる。急性炎症は疾患に対する免疫応答の必要な構成要素である;しかし、慢性炎症は、通常、炎症性疾患を引き起こし、炎症細胞による組織破壊を結果としてもたらす。場合によっては、炎症部位での細胞外ATPの増加によって、炎症が少なくとも部分的に引き起こされる。場合によっては、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、細胞外ATPを減少させ、それにより、炎症を軽減する。場合によっては、炎症部位での細胞外ADPの増加によって、炎症が少なくとも部分的に引き起こされる。場合によっては、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、細胞外ADPを減少させ、それにより、炎症を軽減する。場合によっては、炎症部位での細胞外AMPの増加によって、炎症が少なくとも部分的に引き起こされる。場合によっては、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、細胞外AMPを減少させ、それにより、炎症を軽減する。場合によっては、炎症部位での細胞外アデノシンの増加によって、炎症が少なくとも部分的に引き起こされる。場合によっては、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、細胞外アデノシンを減少させ、それにより、炎症を軽減する。場合によっては、パラクリンシグナル伝達組成物などのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、ATPase、ADPase、AMPase、あるいはアデノシン脱プリンase活性を有する少なくとも1つの酵素の送達によって炎症を軽減する。場合によっては、パラクリンシグナル伝達組成物などのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、配列、長さ、あるいは配列および長さが異なるが、細胞外空間の遊離プリンアデノシンへとATPあるいはADPを還元する集合的能力を保持するCD39とCD73の酵素の少なくとも1つまたは両方、あるいはその構造的アナログまたは機能的アナログを送達することによって、炎症を軽減する。炎症性疾患は炎症により影響を受ける組織あるいは臓器に依存して様々な症状を呈するが、いくつかの共有する特徴としては、疼痛、熱、赤み、腫れ、および組織または臓器機能の喪失が挙げられる。場合によっては、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、上記の炎症応答のすべて、あるいは一部を防ぐか、または回復させる。
【0094】
SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用して、哺乳動物の炎症反応を調節する方法が本明細書に開示される。哺乳動物の炎症反応の調節に使用されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物がさらに開示される。哺乳動物の炎症応答を調節するための薬物の調製に使用されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物がさらに開示される。炎症応答は、場合によっては、免疫応答である。場合によっては、炎症反応は自己免疫反応である。免疫応答、炎症応答、および自己免疫反応は、しばしば、哺乳動物の処置を必要とする疾患あるいは疾病の発症に結びつく。免疫応答、炎症応答、あるいは自己免疫反応によって引き起こされた疾患および疾病は、身体のほぼすべての組織に影響し、哺乳動物の免疫系による過活動、またはそうでなければ不適切な応答によって通常特徴付けられる。場合によっては、免疫応答、炎症反応、あるいは自己免疫反応は適応免疫系からのものである。場合によっては、免疫応答、炎症反応、あるいは自己免疫反応は、自然免疫応答からのものである。場合によっては、免疫応答、炎症反応、あるいは自己免疫反応は、サイトカイン、細胞傷害性T細胞活性、抗体産生、T細胞増殖、腫脹、赤み、熱、浮腫、あるいは免疫系の細胞または組織による他の応答の過剰な分泌を結果として生じさせる。場合によっては、免疫反応は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0095】
SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与を含む炎症応答または免疫応答の処置の方法が本明細書に開示される。炎症応答または免疫応答の処置に使用するためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物が本明細書にさらに開示される。炎症応答または免疫応答を処置するための薬物の調製に使用されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物が本明細書にさらに開示される。上記応答は、限定されないが、敗血症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、クローン病、炎症性腸症候群、関節リウマチ、変形性関節症、移植片対宿主疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、運動ニューロン障害、シェーグレン症候群、非治癒皮膚創傷、骨折、震盪傷、やけど、悪液質、サルコペニア、皮膚筋炎、線維筋痛症、封入体筋炎、筋炎、重症筋無力症、神経性筋強直症、傍腫瘍性小脳変性症、多発性筋炎、およびその組み合わせを含む。場合によっては、炎症応答は炎症性肝疾患を含む。場合によっては、炎症応答は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0096】
本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+またSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、糖尿病合併症を含む。糖尿病合併症は、糖尿病を患う個体でしばしば見られる。場合によっては、糖尿病合併症は1型糖尿病を患う個体に生じる。場合によっては、糖尿病合併症は2型糖尿病を患う個体に生じる。糖尿病合併症としては、限定されないが、アテローム動脈硬化症、腎症、心筋症、神経障害、腎障害、腎不全、糖尿病潰瘍、下腿潰瘍、および糖尿病患者に発症する他の疾病が挙げられる。場合によっては、糖尿病合併症は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+CD39+SDC2+ならびにSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって媒介または軽減される。SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム投与により、糖尿病の疾病の症状が寛解され、場合によっては、一部の機能が回復される。しばしば、これらの利点は血糖レベルに影響を与えずに、糖尿病の個体で観察される。
【0097】
本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、ある場合には、非インスリン依存型糖尿病あるいは成人発症型糖尿病としても知られている2型糖尿病を処置または軽減するのに有用である。2型糖尿病は、2型糖尿病を患う患者のインシュリンに対する感度を減少させる、全身性炎症の増加に関連する。ある場合には、全身性の炎症が、肥満、心臓病、アテローム性動脈硬化、およびメタボリック症候群に関連する。2型糖尿病の症状としては、制限されないが、疲労、空腹、非治癒性の傷、心臓病、脳卒中、糖尿病性網膜症、失明、腎不全、血流の減少、高浸透圧高血糖症候群、およびそれらの組み合わせが挙げられる。抗炎症薬、または本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの組成物による炎症の減少は、1つ以上の症状を減少し、および、場合によっては、2型糖尿病を治癒する。ある場合には、特に、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2の+CD39+エキソソーム投与は、場合によっては、エキソソームレシピエントのブドウ糖レベルに影響を与えずに、糖尿病関連腎臓障害を寛解させる。
【0098】
ある場合には、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、心臓障害を含む。心臓障害としては、限定されないが、心筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、および亜急性細菌性心内膜炎が挙げられる。場合によっては、心臓障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0099】
場合によっては、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、腎障害を含む。腎障害としては、限定されないが、抗糸球体基底膜腎炎、間質性膀胱炎、およびループス腎炎が挙げられる。いくつかの腎障害は、1型糖尿病あるいは2型糖尿病などの糖尿病に起因するか、あるいは関連する。ある場合には、腎障害は、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって処置、媒介、または軽減される。腎障害を媒介するSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の一例は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物である。SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームの投与により、肝障害の疾病の症状が寛解され、場合によっては、一部の腎臓機能が回復される。しばしば、これらの利点が、血糖レベルに影響を与えずに糖尿病の個体で観察される。
【0100】
本明細書に記載のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とするいくつかの炎症応答は、肝障害を含む。肝障害としては、限定されないが、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、および原発性硬化性胆管炎が挙げられる。場合によっては、肝障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0101】
場合によっては、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、肺障害を含む。肺障害としては、限定されないが、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、抗シンセターゼ症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性繊維症、無気肺、気管支炎、気腫、肺炎、および肺水腫が挙げられる。場合によっては、肺障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0102】
場合によっては、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、皮膚障害を含む。皮膚障害としては、限定されないが、円形脱毛症、自己免疫性血管浮腫、月経疹、自己免疫性蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円板状紅斑性狼瘡、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、妊娠性天疱瘡、汗腺膿瘍、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA疾患、斑状強皮症、尋常性天疱瘡、急性痘瘡状苔癬状ひこう疹、ミュシャ・ハーベルマン病、乾癬、全身性強皮症、白斑、アジソン病、多腺性自己免疫症候群、多腺性自己免疫症候群2型、および多腺性自己免疫症候群3型が挙げられる。場合によっては、皮膚障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0103】
本明細書に記載のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とするいくつかの炎症応答は、膵臓障害を含む。膵臓障害としては、限定されないが、自己免疫性膵炎および1型糖尿病が挙げられる。場合によっては、膵臓障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0104】
本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、場合によっては、1型糖尿病(type 1 diabetes)としても知られている1型糖尿病(Diabetes mellitus type 1)を処置または軽減するのに有用である。1型糖尿病は、自己反応性T細胞によって、少なくとも一部の膵臓のインシュリン分泌β細胞を破壊することにより、引き起こされる。1型糖尿病の症状としては、限定されないが、血液および尿ブドウ糖レベルの上昇、多尿症(頻尿)、多渇症(渇きの増大)、多食症(空腹の増大)、減量、糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン性高浸透圧性昏睡、心臓病、脳卒中、腎不全、足潰瘍、眼障害、およびそれらの組み合わせが挙げられる。潜在的な自己免疫あるいは糖尿病の初期段階において、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの抗炎症薬または組成物による免疫反応の免疫抑制あるいは減少は、β細胞の破壊の増加を逆転し、遅らせ、ならびに予防し、このことは、1つ以上の症状の減少につながり、および場合によっては、1型糖尿病の治癒につながる。特に、場合によっては、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+SDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与は、1型糖尿病関連腎臓障害の症状を処置するか、媒介するか、あるいは寛解させる。場合によっては、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームの投与のこの有益な効果は、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームの投与のブドウ糖レベルへのいかなる影響にも依存しない。
【0105】
場合によっては、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、甲状腺障害を含む。甲状腺障害としては、限定されないが、自己免疫性甲状腺炎、オード甲状腺炎、およびグレーヴス病が挙げられる。場合によっては、甲状腺障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0106】
場合によっては、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、外分泌障害を含む。外分泌障害はとしては、限定されないが、生殖器障害、自己免疫性卵巣炎、子宮内膜症および自己免疫性精巣炎が挙げられる。場合によっては、外分泌障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0107】
場合によっては、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、消化器系障害を含む。消化器系障害としては、限定されないが、自己免疫性腸疾患、セリアック病、クローン病、顕微鏡的大腸炎、炎症性腸感染、および潰瘍性大腸炎が挙げられる。場合によっては、消化器系障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0108】
本明細書に記載のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とするいくつかの炎症応答は、血液障害を含む。血液障害は、抗リン脂質症候群、再生不良性貧血、自己免疫溶血性貧血、自己免疫のリンパ増殖性の症候群、自己免液性好中球減少症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、寒冷凝集素症、本態性混合型クリオグロブリン血症、エバンス症候群、IgG4関連の全身性疾患、発作性夜間色素尿症、悪性貧血、赤芽球ろう、および血小板減少症を含む。しばしば、血液障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0109】
しばしば、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、結合組織、多臓器、あるいは全身性の障害を含む。結合組織、多臓器、あるいは全身性の障害としては、限定されないが、有痛脂肪症、成人発症スチル病、強直性脊椎炎、クレスト症候群、薬剤誘発性ループス、腱付着部炎関連関節炎、好酸球性筋膜炎、フェルティ症候群、若年性関節炎、ライム病(慢性)、混合結合組織病、回帰性リウマチ、パリー・ロンベルグ症候群、パーソナージュ-ターナー症候群、乾癬性関節炎、反応性関節炎、再発性多発性軟骨炎、後腹膜線維症、リウマチ熱、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、全身性エリテマトーデス、および未分化結合組織病が挙げられる。場合によっては、結合組織、多臓器、あるいは全身性の障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0110】
場合によっては、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、神経系障害を含む。神経系障害としては、限定されないが、多発性筋炎、急性散在性脳脊髄膜炎、急性運動軸索神経障害、抗-N-メチル-D-アスパラギン酸塩受容体脳炎、バロー同心円性硬化症、ビッカースタフ脳炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、橋本脳障害、特発性炎症性脱髄症、ランバート・イートン筋無力症候群、多発性硬化症、連鎖球菌に関連付けられる小児自己免疫神経精神障害、進行性炎症性神経障害、むずむず脚症候群、スティッフパーソン症候群、シデナム舞踏病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、横断性脊髄炎が挙げられる。場合によっては、神経系障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。ある場合には、神経系異常は中枢神経系障害である。場合によっては、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、血液脳関門を通過するエキソソームまたは他の因子をもたらし、それにより脳の炎症を軽減する。
【0111】
本明細書に記載のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とするいくつかの炎症応答は、眼障害を含む。眼障害としては、限定されないが、自己免疫性網膜症、自己免疫性ブドウ膜炎、コーガン症候群、グレーヴス眼病、中間部ぶどう膜炎、木質性結膜炎、モーレン潰瘍、視神経脊髄炎、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、強膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、およびトローザ-ハント症候群が挙げられる。しばしば、眼障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0112】
本明細書に記載のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする追加の炎症応答は、耳障害を含む。耳障害としては、限定されないが、自己免疫性内耳疾病およびメニエール病が挙げられる。場合によっては、耳障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0113】
場合によっては、本明細書に開示されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用した処置を必要とする炎症応答は、場合によっては、血管系障害を含む。血管系障害としては、限定されないが、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、ベーチェット病、チャーグ-ストラウス症候群、巨細胞性動脈炎、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、川崎病、白血球破砕性血管炎、ループス血管炎、リウマトイド血管炎、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発生筋痛、蕁麻疹様血管炎、および脈管炎が挙げられる。場合によっては、血管系障害は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与によって、媒介または軽減される。
【0114】
本明細書に開示される処置方法あるいは使用方法は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与による処置のための患者または患者群の識別を含む。患者群の識別は、場合によっては、医師あるいは他の医療従事者によって行われる。医師あるいは他の医療従事者は、医療分野の人々に知られている基準を使用して、個体、患者、あるいは患者群が、炎症、免疫、あるいは自己免疫反応の処置の候補であるかどうかを判定する。
【0115】
送達の方法
【0116】
本明細書に記載される、CD39の発現に基づいて精製された、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、哺乳動物の細胞内空間に免疫調節シグナルを送達する方法で使用される。本明細書に記載される、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物はまた、哺乳動物の細胞内空間に免疫調節シグナルを送達する際に使用するためのものである。免疫調節シグナルは、哺乳動物の炎症性応答あるいは免疫応答を調節する組成物を含む。ある場合には、エキソソーム組成物が、間質細胞、SDC2+細胞、間葉系幹細胞、あるいはSDC2+間葉系幹細胞から単離あるいは精製され、ここで、細胞はCD39の発現に基づいて精製される。エキソソーム組成物は免疫調節シグナルを含み、それによって、哺乳動物への投与時に、哺乳動物の液性免疫系にエキソソーム組成物の内容物をさらすことなく、哺乳動物の細胞内空間に免疫調節シグナルを送達する。
【0117】
一旦投与されると、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の哺乳動物の細胞内空間への送達が、限定されないが、食作用、エンドサイトーシス、または融合を含むプロセスを介して起こる。SDC2+およびSDC2の+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、哺乳動物の必要性に適した、適切な投与経路によって免疫調節シグナルを必要とする哺乳動物に投与される。投与経路としては、限定されないが、非経口的(皮下、静脈内、動脈内、骨内、大脳内、脳室内、髄腔内、髄内、関節内、筋肉内、あるいは腹腔内注入を含む)、直腸、呼吸あるいは吸入、局所的、経皮的、または経口的(例えば、カプセル剤、懸濁液、または錠剤)が挙げられる。
【0118】
送達の方法および使用は、生理学的に許容可能な緩衝液および少なくとも1つの賦形剤において製剤化される、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用する。賦形剤の非限定的な例としては、スクロース、トレハロース、ポリエチレングリコール、多糖類、担体タンパク質、不活性タンパク質、デキストラン、ヒドロキシルエチルでんぷん(HETA)、PEG-4000、ゼラチン、PLGA、Eudragit RS 100ナノ粒子、およびこれらの組み合わせが挙げられる。そのようなSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、最も安定していると判断される温度で保存される(つまり、ここで、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、最も高い効力を保持する)。ある場合には、1つ以上の賦形剤の追加が、他の方法で可能なよりも高い温度で保存される場合、組成物が効力を保持することを可能にする。
【0119】
本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の送達の方法および使用は、SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム、ならびにSDC2+間葉系幹細胞(例えば、SDC2+間葉系間質幹細胞)の混合を含む組成物を含む。いくつかの例では、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、インビトロのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム、ならびに制御性T細胞を含んでいる。制御性T細胞は、CD25+制御性T細胞、CD4+制御性T細胞、FoxP3+制御性T細胞、CD25+CD4+FoxP3+制御性T細胞、およびそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、インビトロのエキソソーム、SDC2+間葉系幹細胞(例えば、SDC2+間葉系間質幹細胞)、ならびに調節性T細胞を含む組成物を含んでいる。
【0120】
本明細書に記載される送達方法のための間質細胞の組成物は、場合によっては、間質幹細胞の組成物の治療効果を高めるように改変される。場合によっては、細胞はCD39を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞はCD39L3を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞は、CD39、CD39の構造的または機能的活性変異体、あるいはアピラーゼ活性を有する他のタンパク質などの、本明細書に開示されるアピラーゼを過剰発現するように遺伝子改変される。間質細胞の遺伝子改変は、限定されないが、CD39またはCD39L3のコード配列およびプロモーター、例えば、CMV、SV40、EF1a、あるいはCAGプロモーターなどを含む1つ以上プラスミドを用いた間質細胞のトランスフェクションを含む方法によって達成される。間質細胞の遺伝子改変は、場合によっては、CD39またはCD39L3コード配列、およびプロモーターを含むウイルスによる間質細胞の感染によって達成される。
【0121】
送達の方法および使用は、治療上有効な量のCD39の発現に基づいて単離されたSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞を含む組成物の投与を含む。治療上有効な量のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞は、場合によっては、10∧3~10∧8のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞、例えば、組成物の10∧3、10∧4、10∧5、10∧6、10∧7、10∧8、あるいはそれ以上のSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞の投与を含む。送達の方法および使用は、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物の投与を含み、それは、場合によっては、投与前に個体または医療従事者によって希釈されるために濃縮される。場合によっては、送達の方法および使用は、希釈されて、個体または医療従事者によってすぐ投与される準備ができているSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物の投与を含む。場合によっては、送達の方法および使用は、使い捨てのバイアル、シリンジ、あるいはIVバッグに含有されるSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞組成物の投与を含む。場合によっては、送達の方法および使用が、複数回投与量を含む、容器からの投与量の投与を含む。
【0122】
送達の方法および使用は、治療上有効な量のパラクリンシグナル伝達エキソソーム組成物などのエキソソーム組成物の投与を含む。治療上有効な量のエキソソームは、場合によっては、106-108のエキソソーム、例えば、組成物中の106、107、108、あるいはそれ以上のエキソソームに及ぶ。場合によっては、治療上有効な量のエキソソームは、組成物中の1μg~700mgのエキソソーム、例えば、1μg、10μg、20μg、50μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、750μg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、10mg、20mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、あるいはそれ以上のエキソソームに及ぶ。エキソソーム組成物は、ある場合には、投与前に個体によって希釈されるために濃縮される。ある場合には、エキソソーム組成物は、希釈され、個体によってすぐ投与される準備ができている。ある場合には、エキソソーム組成物は、使い捨てのガラス瓶あるいは注射器に含有される。ある場合には、複数回の投与量が単一のコンテナ中にある。
【0123】
送達の方法および使用は、治療効果を有するあるいは治療効果を有しないタンパク質を含む、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などのSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を使用する。タンパク質は、限定されないが、IL-12、サイトカインシグナル伝達(SOCS)の抑制因子、p53、PTEN、CD52、TSC1、FOXP3、溶解性の免疫応答抑制因子(Soluble Immune Response Suppressor)(SIRS)、TGFB、CD39、CD39L3、CD73、およびマスピンを含む。
【0124】
細胞内空間への送達の方法および使用は、局所的な(例えば、処置されている個体の皮膚に直接適用される)パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を含む。場合によっては、局所投与が皮膚の疾患を処置するために使用される。局所投与は皮膚上の投与を含む。局所投与のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、特に、皮膚に投与するために製剤化される。そのような局所的なSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物としては、限定されないが、溶液、ローション剤、クリーム剤、軟膏、ゲル(ヒドロゲルまたはコラーゲンゲルを含む)、フォーム、経皮パッチ、粉体、ペースト剤、ならびにチンキ剤が挙げられる。場合によっては、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、ヒドロゲルあるいはコラーゲンゲルを含む。
【0125】
細胞内空間への送達の方法および使用は、眼(例えば、眼内または眼部)への、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の投与を含む。眼への投与のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、眼への投与に適した製剤(例えば、緩衝液または賦形剤)を含む。
【0126】
細胞内空間への送達の方法および使用は、注入による投与を含む。パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の被験体への注射は、特定の適応症、疾患、あるいは病気を処置するのに効果的である。SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+SDC2+CD39+エキソソーム組成物の注射による送達は、限定されないが、リンパ節への注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、腹腔内注入、髄腔内注射、皮内注射、関節内注射、および他の注射方法を含む。注射のためのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、注射のための製剤あるいは生理学的に容認可能な緩衝液または賦形剤を含む。
【0127】
細胞内空間への送達の方法および使用は、吸入装置を使用し、呼吸経路または吸入経路を介して、本明細書に開示されるパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を投与することを含む。吸入装置は、患者の呼吸気道に治療用組成物を投与することができる。吸入装置は、定量噴霧吸入器、粉末吸入器、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、熱蒸発器、ソフトミスト吸入器、および高効率ネブライザーなどの従来の吸入装置を含む。ネブライザー、定量噴霧吸入器、およびソフトミスト吸入器は、容易に吸入することができる液滴サイズを含むエアロゾルを形成することによって、治療薬を送達する。エアロゾルは、吸入療法の範囲内の患者によって使用される。ネブライザーは、治療薬または薬物を、個体の肺に送達される細かいエアロゾルミストに変えることができる。
【0128】
細胞内空間への送達の方法および使用は、免疫抑制剤を含むパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物の使用を含む。免疫抑制剤の非限定的な例としては、限定されないが、グルココルチコイド、細胞分裂阻害薬、抗体、イムノフィリン阻害剤、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムスおよびインターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤、代謝拮抗剤、葉酸、メトトレキセート、プリンアナログ、ピリミジンアナログ、タンパク合成阻害剤、ミコフェノール酸塩、細胞毒性抗生物質、ステロイド、抗TNF抗体、TNF阻害剤、およびNSAIDが挙げられる。SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、およびゴリムマブを含む抗TNF抗体を含む。SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、エタネルセプト、キサンチン誘導体、およびブプロピオンを含むTNF阻害剤を含む。場合によっては、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、1つ以上のNSAIDを含む。場合によっては、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物は、1つ以上のステロイドを含む。
【0129】
補足された幹細胞および間質幹細胞組成物
【0130】
補足された幹細胞および間質幹細胞組成物を含む、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物が本明細書に開示され、ここで、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞はCD39の発現に基づいて単離される。補足された幹細胞および間質幹細胞組成物は、本明細書に開示される培養された幹細胞あるいは間質幹細胞、少なくとも1つのSDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を含む。ある場合には、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物が、CD39の発現に基づいて培養された幹細胞あるいは間質幹細胞から単離され、その後、培養された幹細胞の治療効果を増強するために培養された幹細胞と組み合わせられる。
【0131】
補足された幹細胞および間質幹細胞組成物は、パラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を含み、ここで、SDC2+およびSDC2+CD39+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームがCD39の発現に基づいて単離される。いくつかの組成物では、組成物中の間質幹細胞あるいはエキソソームの少なくとも20%は、SDC2+またはSDC2を含む。ある場合には、間質幹細胞あるいはエキソソームの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上はSDC2を含む。いくつかの例では、SDC2は、間質幹細胞あるいはエキソソームの表面で見つけられるか、または、間質幹細胞あるいはエキソソームの表面で見つけられるポリペプチド部分を少なくとも含む。いくつかの例では、SDC2は間質幹細胞あるいはエキソソームの内部で見つけられる。SDC2を含む組成物中のSDC2+間質幹細胞あるいはSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソームの割合は、免疫蛍光検査法、例えば、FACS、顕微鏡法、または他の適切な方法によって決定される。
【0132】
本明細書に記載の補足された幹細胞組成物は、ある場合には、間質幹細胞組成物の治療効果を高めるために、改変された間質幹細胞を含む。場合によっては、細胞はCD39を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞はCD39L3を過剰発現するように遺伝子改変される。場合によっては、細胞は、CD39、CD39の構造的または機能的活性変異体、あるいはアピラーゼ活性を有する他のタンパク質などの、本明細書に開示されるアピラーゼを過剰発現するように遺伝子改変される。間質細胞の遺伝子改変は、限定されないが、CD39またはCD39L3のコード配列およびプロモーター、例えば、CMV、SV40、EF1a、あるいはCAGプロモーターなどを含む1つ以上プラスミドを用いた間質細胞のトランスフェクションを含む方法によって達成される。間質細胞の遺伝子改変は、場合によっては、CD39またはCD39L3コード配列、およびプロモーターを含むウイルスによる間質細胞の感染によって達成される。
【0133】
補足された幹細胞組成物は、ある場合にはSDC2+である、培養された幹細胞あるいは間質幹細胞を含む。培養された幹細胞あるいは間質幹細胞の少なくとも20%は、場合によってはSDC2+である。培養された幹細胞あるいは間質幹細胞組成物は、場合によっては、20%~90%のSDC2+細胞、例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%のSDC+細胞あるいは90%を超えるSDC2細胞、100%のSDC2陽性細胞の均一な集団を含む。
【0134】
補足された幹細胞および間質幹細胞組成物は、場合によっては、治療効果を有するかあるいは治療効果を有しないタンパク質を含むパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などのSDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を含む。タンパク質としては、限定されないが、IL-12、サイトカインシグナル伝達(SOCS)の抑制因子、p53、PTEN、CD52、TSC1、FOXP3、溶解性の免疫応答抑制因子(Soluble Immune Response Suppressor)(SIRS)、TGFB、CD39、CD39L3、CD73、およびマスピンが挙げられる。
【0135】
補足された幹細胞および間質幹細胞組成物は、場合によっては、免疫抑制剤を含むパラクリンシグナル伝達SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物などの、SDC2+およびSDC2+CD39+エキソソーム組成物を含む。免疫抑制剤の非限定的な例としては、限定されないが、グルココルチコイド、細胞分裂阻害薬、抗体、イムノフィリン阻害剤、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムスおよびインターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤、代謝拮抗剤、葉酸、メトトレキセート、プリンアナログ、ピリミジンアナログ、タンパク合成阻害剤、ミコフェノール酸塩、細胞毒性抗生物質、ステロイド、抗TNF抗体、TNF阻害剤、およびNSAIDが挙げられる。エキソソーム組成物としては、限定されないが、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、およびゴリムマブを含む抗TNF抗体が挙げられる。エキソソーム組成物は、限定されないが、エタネルセプト、キサンチン誘導体、およびブプロピオンを含むTNF阻害剤を含む。場合によっては、エキソソーム組成物は少なくとも1つのNSAIDを含む。場合によっては、エキソソーム組成物は少なくとも1つのステロイドを含む。
【0136】
エキソソーム組成物、単離の方法、および疾病を処置する際の方法および使用が、本明細書で提供される図面によって例証される。
図1A-1Eは、人間の臍帯からの新しいCD39+CD362+間質細胞集団の同定および単離を示す。
図1Aは代表的なゲーティング戦略を示す。
図1Bは、CD39+CD362+(太字の四角形のゲートおよび矢で強調された)間質細胞集団の同定を示す。
図1Cは、CD362+0.121±0.054、CD39+CD362+0.105±0.045(n=5%平均±SEM)を示す。
図1Dおよび
図1Eは、Miltenyi MACSQuant Tytoマイクロチップ型細胞選別機による、CD39+CD362+選別集団(
図1D)および野性型集団(
図1E、選別されないWT)から形成されるコロニーのCFU-f分析と例を示す、n=2。
【0137】
図2A-Cは、ヒト骨髄からの新規CD39+CD362+間質細胞集団の同定および単離を示す。
図2Aは、CD39+CD362+(太字の四角形のゲートで強調された)間質細胞集団の代表的なゲーティング制御(gating controls)および同定を示す。
図2Bは、CD362+0.4093±0.103、CD39+CD362+0.0147±0.002(n=3%平均±SEM)を示す。
図2Cは、BD FACSAria細胞選別機による、野性型(選別されないWT)、CD362+、CD39+CD362+、CD39+および二重陰性(-/-)集団から形成されるコロニーのCFUf分析を示す、n=3。
【0138】
図3A-Bは、クローズドマイクロチップ細胞選別機Miltenyi Tytoを使用する、ヒト骨髄からの新規CD271+CD362+間質細胞集団の同定および単離を示す。
図3Aは、代表的なMiltenyi MACSQuant Tytoソートゲート、およびCD39+CD362+(太字の四角形のゲートで強調された)間質細胞集団の同定のための選別後分析ゲーティング戦略を示す、n=1。
図3Bは、CFU-f分析、ならびにBD FACSAria細胞選別機(n=3)およびMiltenyi MACSQuant Tytoマイクロチップ型細胞選別機(n=1)によって単離された、CD39+CD362+集団から形成されるコロニーの例を示す。
【0139】
図4は、本明細書で熟考されるエキソソームの漫画描写を提供する。この図面では、ICAMおよびインテグリンなどの接着分子を含む、いくつかのエキソソームにとって重要な多くの構成要素が示される;CD63、CD9、およびCD81などのテトラスパニン;アクチン、チューブリンERM、およびミオシンなどの細胞骨格タンパク質;RABおよびアネキシンなどの膜輸送タンパク質;TSG101、ユビキチン、クラスリン、およびALIXなどのエンドソーム分子;ならびに、セラミド、コレステロール、およびホスファチジルセリンを含む脂質ラフト;mRNA分子、例えば、対象のタンパク質をコードするmRNA分子、多数のコード化する遺伝子座を抱えるDNA分子を含む様々な長さの分子をコードするDNA断片あるいは全DNA、免疫反応に含まれるタンパク質をコードする遺伝子または転写物の発現に影響を与えるmiRNAあるいはプレmiRNAなどの、核酸。これらの構成要素ならびに上記構成要素の1つ以上の変異体のありとあらゆる様々な順列あるいは組み合わせを含む上記構成要素は、本明細書で熟考されるいくつかの様々なSDC2+エキソソームにおいて、全く存在しないか、いずれかが存在するか、あるいはすべてが存在する。
【0140】
図5は、金で標識された抗SDC2抗体結合を検出するための透過型電子顕微鏡による、SDC2+間葉系間質細胞(MSC)に由来するエキソソームにおけるSDC2存在を示す。CD63、TSG101、およびアリックスの発現は、それぞれのタンパク質に対する金属標識抗体の透過型電子顕微鏡によって同様に示される。各顕微鏡写真中のスケールバーは100nmである。この図は、SDC2、CD63、TSG101、およびアリックスが、SDC2+間葉系幹細胞から単離されたエキソソームに存在することを示す。アイソタイプコントロールは、抗体が特異的に結合することを示す。ラットのIgG2B APC抱合アイソタイプコントロール抗体(R&D Systems社のCat #IC013A)によるエキソソーム標識化の欠如は、同等なラットのIgG2B APC抱合抗SDC2抗体により抗SDC2標識化の特異性を示す。
【0141】
図6は、タンパク質ゲル電気泳動による、SDC2+間葉系間質細胞(MSC)に由来するエキソソームにおけるSDC2発現を示す。この実験では、H36(骨髄由来のSDC2+MSC)、H37(ヒト骨髄由来のSDC2+MSC)、およびHUC12(ヒト臍帯由来のSDC2+MSC)細胞ならびにそれらの細胞から精製エキソソームは、溶解バッファー中で均質化され、精製されていない全体のサンプルタンパク質抽出物とともにSDS-PAGEゲル上で実行された。上記ゲルからのタンパク質は膜に移され、ラットのIgG2B抗ヒトSDC2抗体で染色された。各「exo」エキソソームタンパク質抽出物レーンにおいて、50kDa以下での強い濃縮が観察され、全体の細胞抽出物画分と比較して、エキソソーム画分の中にSDC2/CD362が不釣合に存在することを示す。
【0142】
SDC2+エキソソームは、それらの安全性および、炎症損傷の哺乳類のモデルの炎症関連損傷を減少させる効力について試験された。
【0143】
図7は、リン酸緩衝食塩水(「PBS」)ビヒクル、ヒト臍帯由来のSDC2+間質細胞、あるいは急性呼吸窮迫症候群(「ARDS」)のラットモデルのエキソソームで処置された、ラットの動脈のFI 0.3を示す。この実験では、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌の肺内投与を行い、ARDS肺損傷を誘発した。1時間後に、上記ラットを、90-100μg投与量のエキソソームあるいは400万のヒト間葉系幹細胞(hMSC)で処置した。24時間後に、肺損傷の程度を、FI0.3での動脈血酸素の測定により測定した。この実験は、わずか90-100μgのエキソソームで処置されたラットには、PBSビヒクルで処置されたラットと比較して、肺機能が改善されたことを示す。より高い用量で処置されたラットが、hMSC処置に匹敵するレベルなど、肺機能の改善の増大を示すことが予想される。
【0144】
図8は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト臍帯由来のSDC2+間質細胞、またはエキソソームで処置されたラットの動脈FI 1.0を示す。この実験では、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌の肺内投与を行い、ARDS肺損傷を誘発した。1時間後に、上記ラットを、90-100μgの投与量のエキソソームあるいは400万のヒト臍帯由来のSDC2+間質細胞で処置した。24時間後に、肺損傷の程度を、FI1.0での動脈血酸素の測定により測定した。この実験は、わずか90-100μgのエキソソームで処置されたラットには、PBSビヒクルで処置されたラットと比較して、肺機能の低下がなかったことを示す。この結果は、エキソソーム投与が動物の肺回復に有害ではないことを示す。
【0145】
図9は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、骨髄(BM)エキソソーム、あるいはヒト臍帯(HUC)エキソソームで処置されたラットの動脈FI 0.3を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、上記ラットを90-100μgの投与量の骨髄の間葉系幹細胞またはヒト臍帯の間葉系幹細胞から精製されたエキソソームで処置した。24時間後に、肺損傷の程度を、FI0.3での動脈血酸素の測定により測定した。この実験は、わずか90-100μgのエキソソームで処置されたラットには、PBSビヒクルで処置されたラットと比較して、肺機能の低下がなかったことを示す。より高い用量で処置されたラットが肺機能の改善の増大を示すことが予想される。
【0146】
図10は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、骨髄(BM)エキソソーム、あるいはヒト臍帯(HUC)エキソソームで処置されたラットの動脈FI 1.0を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、上記ラットを90-100μgの投与量の骨髄の間葉系幹細胞またはヒト臍帯の間葉系幹細胞から精製されたエキソソームで処置した。24時間後に、肺損傷の程度を、FI1.0での動脈血酸素の測定により測定した。この実験は、わずか90-100μgのエキソソームで処置されたラットには、PBSビヒクルで処置されたラットと比較して、肺機能の低下がなかったことを示す。より高い用量で処置されたラットが肺機能の改善の増大を示すことが予想される。
【0147】
図11は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、あるいはエキソソームで処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)細菌負荷を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、上記ラットを90-100μgの投与量のエキソソームあるいは400万のヒト間葉系幹細胞(hMSC)で処置した。24時間後に、肺損傷の程度を、BAL細菌負荷の測定により測定した。この実験は、たった90-100μgのエキソソームで処置されたラットでは、PBSのビヒクルで処置された場合よりもBAL細菌負荷が減少したことを示し、処置としてエキソソームを投与する有効性を実証する。より高い用量で処置されたラットが、肺機能の改善の増大を示すことが予想される。
【0148】
図12は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、あるいはエキソソームで処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)総細胞数を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、上記ラットを90-100μgの投与量のエキソソームまたは400万のヒト間葉系幹細胞(hMSC)で処置した。24時間後に、肺損傷の程度を、BAL総細胞数の測定により測定した。この実験は、たった90-100μgのエキソソームで処置されたラットでは、PBSのビヒクルで処置された場合と比較してBAL総細胞数が減少したことを示し、処置としてエキソソームを投与する有効性を実証する。より高い用量で処置されたラットが、肺機能のさらに優れた改善を示すことが予想される。
【0149】
図13は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームで処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)好中球数を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、上記ラットを90-100μgの投与量のエキソソームまたは400万のヒト間葉系幹細胞(hMSC)で処置した。24時間後に、肺損傷の程度を、BAL好中球数の測定により測定した。この実験は、たった90-100μgのエキソソームで処置されたラットでは、PBSのビヒクルで処置された場合と比べて肺における浸潤好中球が少ないこと示し、処置としてエキソソームを投与する有効性を実証する。
【0150】
図14は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの静肺コンプライアンスを示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを90-100μgの投与量のエキソソームまたは400万のヒト間葉系幹細胞(hMSC)により処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、静肺コンプライアンスの測定により測定した。この実験は、わずか90-100μgのエキソソームにより処置されたラットには、PBSビヒクルにより処置されたラットほどの肺機能の減少がなかったことを示す。この結果は、エキソソーム投与が動物の肺回復に有害ではないことを示す。
【0151】
図15は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの肺の湿潤/乾燥比を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを90-100μgの投与量のエキソソームまたは400万のヒト間葉系幹細胞(hMSC)により処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、肺の湿潤/乾燥比の測定により測定した。この実験は、わずか90-100μgのエキソソームにより処置されたラットには、PBSビヒクルにより処置されたラットほどの肺機能の減少がなかったことを示す。この結果は、エキソソーム投与が動物の肺回復に有害ではないことを示す。
【0152】
図16は、A549細胞が無血清培地またはエキソソームにより48時間かけて処置されたスクラッチアッセイからの結果を示す。スクラッチアッセイは、培養皿の中で成長する付着細胞に作成されるスクラッチへの細胞移動を測定する。このアッセイにおいて、300,000のA549細胞が24ウェルプレート中の単層において成長した。細胞をp200ピペット先端により直線でこすり、スクラッチを作成した。画像を、こすった時点(0h)、および、無血清培地または無血清培地中の2μgのエキソソームによる48時間のインキュベーション後に取得した。エキソソームは、スクラッチのサイズを小さくし、それによりA549の細胞移動を無血清培地対照に比べて増大させると示される。これらの結果は、エキソソームが上皮細胞移動を増大させることを示す。
【0153】
図17は、A549細胞、プレート1を用いるスクラッチアッセイの結果を示す。画像を、こすった時点(0h)、および、無血清培地または無血清培地中の2μgのエキソソームによる48時間のインキュベーション後に取得した。エキソソームは、スクラッチのサイズを小さくし、それによりA549の細胞移動を無血清培地対照に比べて増大させると示される。これらの結果は、エキソソームが上皮細胞移動を増大させることを示す。
【0154】
図18は、無血清培地、または限外濾過により精製したエキソソームにより処置された細胞におけるIL1β刺激による、NFκBレポーター遺伝子活性化の棒グラフを示す。このアッセイにおいて、NFκBルシフェラーゼレポーター遺伝子によりトランスフェクトされた30,000のA549細胞が、96ウェルの皿の中で成長した。細胞を、無血清培地、または無血清培地中の2μgのエキソソームにより数時間かけて処置し、その後、ヒトIL-1βにより数時間かけて刺激し、ルシフェラーゼ活性を測定した。減少は、エキソソームにより処置されたA549細胞におけるルシフェラーゼ活性において観察された。それ故、SDC2+エキソソームはNFκB活性化を減少させる。
【0155】
図19は、無血清培地、または限外濾過により精製したエキソソームにより処置された細胞におけるIL1β刺激による、NFκBレポーター遺伝子活性化の散布図を示す。このアッセイにおいて、NFκBルシフェラーゼレポーター遺伝子によりトランスフェクトされた30,000のA549細胞が、96ウェルの皿の中で成長した。細胞を、無血清培地、または無血清培地中の2μgのエキソソームにより処置し、その後、ヒトIL-1βにより数時間かけて刺激し、ルシフェラーゼ活性を測定した。減少は、エキソソームにより処置されたA549細胞におけるルシフェラーゼ活性において観察された。これらの結果は、エキソソーム投与がNFκB活性化を減少させることを示す。
【0156】
図20は、無血清培地、または超遠心分離により精製したエキソソームにより処置された細胞におけるIL1β刺激による、NFκBレポーター遺伝子活性化の棒グラフを示す。このアッセイにおいて、NFκBルシフェラーゼレポーター遺伝子によりトランスフェクトされた30,000のA549細胞が、96ウェルの皿の中で成長した。細胞を、無血清培地、または血清中の2μgのエキソソームにより数時間かけて処置し、その後、ヒトIL-1βにより数時間かけて刺激し、ルシフェラーゼ活性を測定した。減少は、エキソソームにより処置されたA549細胞におけるルシフェラーゼ活性において観察された。それ故、エキソソームはNFκB活性化を減少させる。
【0157】
図21は、無血清培地、または超遠心分離により精製したエキソソームにより処置された細胞におけるIL1β刺激による、NFκBレポーター遺伝子活性化の散布図を示す。このアッセイにおいて、NFκBルシフェラーゼレポーター遺伝子によりトランスフェクトされた30,000のA549細胞が、96ウェルの皿の中で成長した。細胞を、無血清培地、または血清中の2μgのエキソソームにより数時間かけて処置し、その後、ヒトIL-1βにより数時間かけて刺激し、ルシフェラーゼ活性を測定した。減少は、エキソソームにより処置されたA549細胞におけるルシフェラーゼ活性において観察された。これらの結果は、エキソソーム投与がNFκB活性化を減少させることを示す。
【0158】
図22は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、hMSC、またはエキソソームにより処置されたラットの動脈内FI0.3を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを200μgの投与量のエキソソームまたは1000万/kgのヒトMSCを用いて静脈内投与により処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、FI0.3での動脈血酸素の測定により測定した。この実験は、200μgのエキソソームまたは1000万/kgのヒトMSCにより処置されたラットが、肺機能をPBSのビヒクルにより処置されたラットに比べて大幅に改善したことを示す(一元配置分散分析p<0.0001)。この結果は、エキソソーム投与が動物の肺損傷の処置に有効であることを示し、且つ、エキソソーム処置がhMSC処置に匹敵することを示唆する。
【0159】
図23は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、hMSC、またはエキソソームにより処置されたラットの動脈内FI1.0を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを200μgの投与量のエキソソームまたは1000万/kgのヒトMSCを用いて静脈内投与により処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、FI0.3での動脈血酸素の測定により測定した。この実験は、200μgのエキソソームまたは1000万/kgのヒトMSCにより処置されたラットが、肺機能をPBSのビヒクルにより処置されたラットに比べて大幅に改善したことを示す(一元配置分散分析p<0.0001)。この結果は、エキソソーム投与が動物の肺損傷の処置に有効であることを示し、且つ、エキソソーム処置がhMSC処置に匹敵することを示唆する。
【0160】
図24は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの静肺コンプライアンスを示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを200μgの静脈内投与量のエキソソームまたは1000万/kgのヒト間葉系幹細胞(hMSC)により処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、静肺コンプライアンスの測定により測定した。この実験は、200μgのエキソソームまたは1000万/kgのヒトMSCにより処置されたラットが、肺機能をPBSのビヒクルにより処置されたラットに比べて大幅に改善したことを示す(一元配置分散分析p<0.01)。この結果は、エキソソーム投与が動物の肺損傷の処置に有効であることを示し、且つ、エキソソーム処置がhMSC処置に匹敵することを示唆する。
【0161】
図25は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)細菌負荷を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを200μgの投与量のエキソソームまたは1000万/kgのヒト間葉系幹細胞(hMSC)により静脈内で処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、BAL細菌負荷の測定により測定した。この実験は、エキソソームまたはhMSCにより処置されたラットにおいてBAL細菌負荷がPBSビヒクルにより処置したラットよりも大幅に減少したことを示し(一元配置分散分析p<0.01)、処置としてのエキソソームの投与の効果を実証し、エキソソーム処置がhMSC処置に匹敵することを示唆する。
【0162】
図26は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)総細胞数を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを200μgの投与量のエキソソームまたは1000万/kgのヒト間葉系幹細胞(hMSC)により静脈内で処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、BAL総細胞数の測定により測定した。この実験は、エキソソームまたはhMSCにより処置されたラットにおいてBAL総細胞数がPBSビヒクルにより処置したラットよりも大幅に減少したことを示し(一元配置分散分析p<0.01)、処置としてのエキソソームの投与の効果を実証し、エキソソーム処置がhMSC処置に匹敵することを示唆する。
【0163】
図27は、ARDSのラットモデルにおける、PBSビヒクル、ヒト間葉系幹細胞、またはエキソソームにより処置されたラットの気管支肺胞洗浄(BAL)好中球数を示す。この実験において、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを200μgの投与量のエキソソームまたは1000万/kgのヒト間葉系幹細胞(hMSC)により静脈内で処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、BAL好中球数の測定により測定した。この実験は、エキソソームまたはhMSCにより処置されたラットにおいて肺の中の湿潤性好中球(infiltrating neutrophils)がPBSビヒクルにより処置したラットよりも大幅に減少したことを示し、処置としてのエキソソームの投与の効果を実証し、エキソソーム処置がhMSC処置に匹敵することを示唆する。図全体にわたって、有意差はアスタリスク(
*)により示される。
【0164】
本開示は、以下の番号を付けた実施形態の部分的なリストを参照して更に明確にされる。1.哺乳動物細胞の混合種個体群からSDC2+間質性幹細胞の集団を単離する方法であって、該方法は、(a)哺乳動物細胞の混合種個体群をCD39結合剤に接触させる工程;(b)CD39結合剤に結合した細胞を単離する工程;および(c)単離した細胞中のSDC2+細胞存在量を測定する工程であって、それによりSDC2+間質性幹細胞の集団を単離する、工程を含む。2.SDC2+間質性幹細胞の集団はヒト、マウス、ラット、およびウマの細胞から成るリストから選択される細胞を含む、実施形態1に記載の方法。3.哺乳動物細胞の混合種個体群は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞由来の細胞のうち少なくとも1つから選択されるソースから得られる、実施形態1または2に記載の方法。4.CD39結合剤は抗体を含む、実施形態1乃至3の何れか1つに記載の方法。5.抗体はCD39抗原へと産生される、実施形態4に記載の方法。6.抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む、実施形態4に記載の方法。7.抗体は、ヒト、マウス、ラット、およびウマのCD39タンパク質のうち少なくとも1つに特異的に結合する、実施形態4に記載の方法。8.抗体はフルオロフォアに抱合される、実施形態4に記載の方法。9.抗体はビーズに抱合される、実施形態4に記載の方法。10.SDC2+間質性幹細胞の集団の少なくとも20%はSDC2+である、実施形態1乃至9の何れか1つに記載の方法。11.SDC2+間質性幹細胞の集団の少なくとも40%はSDC2+である、実施形態1乃至10の何れか1つに記載の方法。12.SDC2+間質性幹細胞の集団の少なくとも70%はSDC2+である、実施形態1乃至11の何れか1つに記載の方法。13.CD39に結合した細胞を単離する工程は蛍光活性化細胞分類を含む、実施形態1乃至12の何れか1つに記載の方法。14.CD39に結合した細胞を単離する工程は磁気活性化細胞分類を含む、実施形態1乃至12の何れか1つに記載の方法。15.単離した細胞を培養する工程を含む、実施形態1乃至14の何れか1つに記載の方法。16.SDC2+間質性幹細胞の少なくとも90%はCD45-である、実施形態1乃至15の何れか1つに記載の方法。17.CD39結着剤に結合した細胞は更にCD25+FoxP3+制御性T細胞を含む、実施形態1乃至16の何れか1つに記載の方法。18.アピラーゼを過剰発現するために細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態1乃至17の何れか1つに記載の方法。19.CD39細胞外ドメインを持つタンパク質を過剰発現するために細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態1乃至18の何れか1つに記載の方法。20.CD39を過剰発現するために細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態1乃至19の何れか1つに記載の方法。21.CD39L3を過剰発現するために細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態1乃至20の何れか1つに記載の方法。22.SDC2+間質性幹細胞の集団を含む免疫修飾物質組成物を調製する方法であって、該方法は、(a)哺乳動物細胞の混合種個体群をCD39結合剤に接触させる工程;(b)CD39結合剤に結合した細胞を単離する工程;および(c)単離した細胞中のSDC2+細胞存在量を測定する工程を含む。23.SDC2+間質性幹細胞の集団は、ヒト、マウス、ラット、またはウマの細胞の集団である、実施形態22に記載の方法。24.哺乳動物細胞の混合種個体群は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞由来の細胞のうち少なくとも1つから選択されるソースから得られる、実施形態22または23に記載の方法。25.CD39結合剤は抗体を含む、実施形態22乃至24の何れか1つに記載の方法。26.抗体はCD39抗原へと産生される、実施形態25に記載の方法。27.抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む、実施形態25に記載の方法。28.抗体は、ヒト、マウス、ラット、およびウマのCD39タンパク質のうち少なくとも1つに特異的に結合する、実施形態25に記載の方法。29.抗体はフルオロフォアに抱合される、実施形態25に記載の方法。30.抗体はビーズに抱合される、実施形態25に記載の方法。31.SDC2+間質性幹細胞の集団の少なくとも20%はSDC2+である、実施形態22乃至30の何れか1つに記載の方法。32.SDC2+間質性幹細胞の集団の少なくとも40%はSDC2+である、実施形態22乃至31の何れか1つに記載の方法。33.SDC2+間質性幹細胞の集団の少なくとも70%はSDC2+である、実施形態22乃至32の何れか1つに記載の方法。34.CD39に結合した細胞を単離する工程は蛍光活性化細胞分類を含む、実施形態22乃至33の何れか1つに記載の方法。35.CD39に結合した細胞を単離する工程は磁気活性化細胞分類を含む、実施形態22乃至33の何れか1つに記載の方法。36.単離した細胞を培養する工程を含む、実施形態22乃至35の何れか1つに記載の方法。37.SDC2+間質性幹細胞の少なくとも90%はCD45-である、実施形態22乃至36の何れか1つに記載の方法。38.組成物は更に緩衝液を含む、実施形態22乃至37の何れか1つに記載の方法。39.組成物は更に細胞外マトリックスを含む、実施形態22乃至38の何れか1つに記載の方法。40.細胞外マトリックスはコラーゲンを含む、実施形態39に記載の方法。41.細胞外マトリックスはヒアルロン酸を含む、実施形態39に記載の方法。42.組成物は更に、DMSOを含有する凍結保存剤を含む、実施形態22乃至41の何れか1つに記載の方法。43.組成物は更に、グリセロールを含有する凍結保存剤を含む、実施形態22乃至41の何れか1つに記載の方法。44.SDC2+間質性幹細胞の集団は更にCD25+FoxP3+制御性T細胞を含む、実施形態22乃至43の何れか1つに記載の方法。45.アピラーゼを過剰発現するために細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態22乃至44の何れか1つに記載の方法。46.CD39を過剰発現するために細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態22乃至45の何れか1つに記載の方法。47.CD39L3を過剰発現するために細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態22乃至46の何れか1つに記載の方法。48.エキソソームを含有する免疫調節性組成物を単離する方法であって、該方法は、(a)哺乳動物細胞の種個体群をCD39結合剤に接触させる工程;(b)CD39結合剤に結合した細胞を単離する工程;および(c)エキソソームを含有する上清を単離した細胞から回収する工程を含む。49.エキソソーム画分を上清から得る工程を含む、実施形態48に記載の方法。50.エキソソーム画分を得る工程は上清を遠心分離することを含む、実施形態49に記載の方法。51.遠心分離は細胞を約100,000gで遠心分離することを含む、実施形態50に記載の方法。52.遠心分離は細胞を少なくとも1時間かけて遠心分離することを含む、実施形態50または51に記載の方法。53.遠心分離は限外濾過を含む、実施形態50乃至52の何れか1つに記載の方法。54.遠心分離はサイズ排除液体クロマトグラフィーを含む、実施形態50乃至53の何れか1つに記載の方法。55.エキソソーム画分を得る工程は限外濾過を含む、実施形態49乃至54の何れか1つに記載の方法。56.エキソソーム画分を得る工程はサイズ排除液体クロマトグラフィーを含む、実施形態49乃至55の何れか1つに記載の方法。57.エキソソーム画分を得る工程は上清を抗体に接触させることを含む、実施形態49乃至56の何れか1つに記載の方法。58.抗体は、抗CD39の抗体および抗SDC2抗体のうち少なくとも1つから選択される、実施形態57に記載の方法。59.エキソソームはパラクリンシグナル伝達エキソソームである、実施形態48乃至58の何れか1つに記載の方法。60.単離した細胞はSDC2+である、実施形態48乃至59の何れか1つに記載の方法。61単離した細胞は間葉系幹細胞を含む、実施形態48乃至60の何れか1つに記載の方法。62.単離した細胞の少なくとも90%はCD45-である、実施形態48乃至61の何れか1つに記載の方法。63.前記方法はエキソソーム画分を室温で保管する工程を含む、実施形態48乃至62の何れか1つに記載の方法。64.前記方法はエキソソーム画分を凍結保存無しで保管する工程を含む、実施形態48乃至63の何れか1つに記載の方法。65.前記方法は免疫抑制剤を免疫調節性組成物に加える工程を含む、実施形態48乃至64の何れか1つに記載の方法。66.単離した細胞はエキソソーム産生を誘発するため撹乱される、実施形態48乃至65の何れか1つに記載の方法。67.単離した細胞は中空繊維バイオリアクターにおいて培養される、実施形態48乃至66の何れか1つに記載の方法。68.単離した細胞は更にCD25+FoxP3+制御性T細胞を含む、実施形態48乃至67の何れか1つに記載の方法。69.アピラーゼを過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態48乃至68の何れか1つに記載の方法。70.CD39を過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態48乃至69の何れか1つに記載の方法。71.CD39L3を過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態48乃至70の何れか1つに記載の方法。72.哺乳動物における炎症反応を調節する方法であって、該方法は、SDC2+細胞を含有する組成物を炎症反応の部位に送達する工程を含み、ここで、SDC2+細胞は、CD39発現に基づいて細胞を単離することにより細胞の混合種個体群から単離される。73.細胞を単離する工程は、CD39結合剤に結合した細胞を集めることを含む、実施形態72に記載の方法。74.細胞を単離する工程は、CD39結合剤に結合した細胞を培養することを含む、実施形態73に記載の方法。75.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物を注入することを含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。76.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物を局所的に適用することを含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。77.組成物はヒドロゲルを含む、実施形態76に記載の方法。78.組成物はコラーゲンゲルを含む、実施形態76に記載の方法。79.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物を眼内投与することを含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。80.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物を眼に適用することを含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。81.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物を静脈内送達することを含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。82.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物のリンパ節内注入を含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。83.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物の皮下送達を含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。84.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物の腹腔内送達を含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。85.送達する工程は、SDC2+細胞を含有する組成物の鞘内送達を含む、実施形態72乃至74の何れか1つに記載の方法。86.SDC2+細胞は、ヒト、マウス、ラット、およびウマの細胞のうち少なくとも1つから選択される、実施形態72乃至85の何れか1つに記載の方法。87.哺乳動物細胞の混合種個体群は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞由来の細胞から選択されるソースから得られる、実施形態72乃至86の何れか1つに記載の方法。88.CD39結合剤は抗体を含む
、実施形態72乃至87の何れか1つに記載の方法。89.抗体はCD39抗原へと産生される、実施形態88に記載の方法。90.抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む、実施形態88に記載の方法。91.抗体は、ヒト、マウス、ラット、およびウマのCD39タンパク質のうち少なくとも1つに特異的に結合する、実施形態88に記載の方法。92.抗体はフルオロフォアに抱合される、実施形態88に記載の方法。93.抗体はビーズに抱合される、実施形態88に記載の方法。94.SDC2+細胞の少なくとも20%はSDC2+である、実施形態72乃至93の何れか1つに記載の方法。95.SDC2+細胞の少なくとも40%はSDC2+である、実施形態72乃至94の何れか1つに記載の方法。96.SDC2+細胞の少なくとも70%はSDC2+である、実施形態72乃至95の何れか1つに記載の方法。97.細胞を単離する工程は蛍光活性化細胞分類を含む、実施形態72乃至96の何れか1つに記載の方法。98.細胞を単離する工程は磁気活性化細胞分類を含む、実施形態72乃至96の何れか1つに記載の方法。99.SDC2+細胞の少なくとも90%はCD45-である、実施形態72乃至98の何れか1つに記載の方法。100.前記方法は少なくとも10∧3のSDC2+細胞を送達する工程を含む、実施形態72乃至99の何れか1つに記載の方法。101.前記方法は少なくとも10∧4のSDC2+細胞を送達する工程を含む、実施形態72乃至100の何れか1つに記載の方法。102.前記方法は少なくとも10∧5のSDC2+細胞を送達する工程を含む、実施形態72乃至101の何れか1つに記載の方法。103.前記方法は少なくとも10∧6のSDC2+細胞を送達する工程を含む、実施形態72乃至102の何れか1つに記載の方法。104.単離した細胞はCD25+FoxP3+制御性T細胞を含む、実施形態72乃至103の何れか1つに記載の方法。105.アピラーゼを過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態72乃至104の何れか1つに記載の方法。106.CD39を過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態72乃至105の何れか1つに記載の方法。107.CD39L3を過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態72乃至106の何れか1つに記載の方法。108.炎症反応は、1型糖尿病、2型糖尿病、敗血症、クローン病、炎症性腸症候群、関節リウマチ、移植片対宿主病、多発性硬化症、ALS、皮膚創傷、骨折、震盪創傷、熱傷、アテローム動脈硬化症、腎症、心筋症、神経障害、腎障害、腎不全、糖尿病潰瘍、下腿潰瘍、ARDS、敗血症、炎症性肝疾患、心筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、亜急性細菌性心内膜炎、抗糸球体基底膜腎炎、間質性膀胱炎、ループス腎炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、抗シンテターゼ症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性繊維症、無気肺、気管支炎、肺気腫、肺炎、肺水腫、円形脱毛症、自己免疫性血管浮腫、自己免疫プロゲステロン皮膚炎、自己免疫蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円板状紅斑性狼瘡、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、妊娠性天疱瘡、汗腺膿瘍、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA疾患、斑状強皮症、尋常性天疱瘡、急性痘瘡状苔癬状ひこう疹、ムッハ・ハーベルマン病、乾癬、全身性強皮症、白斑、アジソン病、多腺性自己免疫症候群、2型多腺性自己免疫症候群、3型多腺性自己免疫症候群、自己免疫性膵炎、自己免疫性甲状腺炎、オード甲状腺炎、グレーヴス病、生殖器障害、自己免疫性卵巣炎、子宮内膜症、自己免疫性精巣炎、シェーグレン症候群、自己免疫腸疾患、セリアック病、顕微鏡的大腸炎、潰瘍性大腸炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫溶血性貧血、自己免疫性リンパ増殖症候群、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、寒冷凝集素症、本態性混合型クリオグロブリン血症、エバンス症候群、IgG4関連の全身性疾患、発作性夜間色素尿症、悪性貧血、赤芽球ろう、血小板減少症、有痛脂肪症、成人発症スチル病、強直性脊椎炎、クレスト症候群、薬剤誘発性ループス、腱付着部炎関連の関節炎、好酸球性筋膜炎、フェルティ症候群、若年性関節炎、ライム病(慢性)、混合結合組織病、回帰性リウマチ、パリー・ロンベルグ症候群、パーソナージュ・ターナー症候群、乾癬性関節炎、反応性関節炎、再発性多発性軟骨炎、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、全身性エリテマトーデス、未分化結合織病、悪液質、サルコペニア、皮膚筋炎、線維筋痛症、封入体筋炎、筋炎、重症筋無力症、神経性筋緊張病、傍腫瘍性小脳変性症、多発性筋炎、急性散在性脳脊髄膜炎、急性運動軸索神経障害、抗-N-メチル-D-アスパラギン酸塩受容体脳炎、バロー同心円性硬化症、ビッカースタフ脳炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、橋本脳障害、特発性炎症性脱髄症、ランバート・イートン筋無力症候群、多発性硬化症、連鎖球菌に関連付けられる小児自己免疫神経精神障害、進行性炎症性神経障害、むずむず脚症候群、スティッフパーソン症候群、シデナム舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、横断脊髄炎、自己免疫網膜症、自己免疫ブドウ膜炎、コーガン症候群、グレーヴス眼症、中間部ブドウ膜炎、木質性結膜炎、モーレン潰瘍、視神経脊髄炎、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、強膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、トローザ・ハント症候群、自己免疫内耳疾患、メニエール病、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、ベーチェット病、チャーグ・ストラウス症候群、巨細胞性動脈炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、川崎病、白血球破砕性血管炎、ループス血管炎、リウマトイド血管炎、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛、蕁麻疹様血管炎、および血管炎のうち少なくとも1つを含む、実施形態72乃至107に記載の方法。109.哺乳動物における炎症反応を調節する方法であって、該方法は、エキソソームを含有する組成物を炎症反応の部位に送達する工程を含み、ここで、エキソソームはSDC2+であり、およびエキソソームは、CD39発現に基づいて哺乳動物細胞の混合種個体群から単離されたSDC2+細胞に由来する。110.細胞を単離する工程は、CD39結合剤に結合した細胞を集めることを含む、実施形態109に記載の方法。111.細胞を単離する工程は、CD39結合剤に結合した細胞を培養することを含む、実施形態109または110に記載の方法。112.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物を注入することを含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。113.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物を局所的に適用することを含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。114.組成物はヒドロゲルを含む、実施形態113に記載の方法。115.組成物はコラーゲンゲルを含む、実施形態113に記載の方法。116.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物を眼内投与することを含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。117.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物を眼に適用することを含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。118.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物を静脈内送達することを含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。119.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物のリンパ節内注入を含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。120.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物の皮下送達を含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。121.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物の腹腔内送達を含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。122.送達する工程は、エキソソームを含有する組成物の鞘内送達を含む、実施形態109乃至111の何れか1つに記載の方法。123.エキソソームは、ヒト、マウス、ラット、およびウマの細胞の少なくとも1つであるSDC2+細胞から単離される、実施形態109乃至122の何れか1つに記載の方法。124.哺乳動物細胞の混合種個体群は、骨髄、脂肪組織、骨格筋、子宮内膜、胎座、臍帯、ホウォートンゼリー、および多能性細胞由来の細胞から選択されるソースから得られる、実施形態109乃至123の何れか1つに記載の方法。125.CD39結合剤は抗体を含む、実施形態109乃至124の何れか1つに記載の方法。126.抗体はCD39抗原へと産生される、実施形態125に記載の方法。127.抗体は、少なくとも1つの哺乳動物CD39タンパク質に特異的に結合する可変ドメインを含む、実施形態125に記載の方法。128.抗体は、ヒト、マウス、ラット、およびウマのCD39タンパク質のうち少なくとも1つに特異的に結合する、実施形態125に記載の方法。129.抗体はフルオロフォアに抱合される、実施形態125に記載の方法。130.抗体はビーズに抱合される、実施形態125に記載の方法。131.エキソソームの少なくとも20%はSDC2+である、実施形態109乃至130の何れか1つに記載の方法。132.エキソソームの少なくとも40%はSDC2+である、実施形態109乃至131の何れか1つに記載の方法。133.エキソソームの少なくとも70%はSDC2+である、実施形態109乃至132の何れか1つに記載の方法。134.細胞を単離する工程は蛍光活性化細胞分類を含む、実施形態109乃至133の何れか1つに記載の方法。135.細胞を単離する工程は磁気活性化細胞分類を含む、実施形態109乃至133の何れか1つに記載の方法。136.前記方法は更に、CD39結合剤に結合した細胞を培養する工程を含む、実施形態109乃至135の何れか1つに記載の方法。137.細胞はCD45-である、実施形態109乃至136の何れか1つに記載の方法。138.前記方法は少なくとも10∧6のエキソソームを送達する工程を含む、実施形態109乃至137の何れか1つに記載の方法。139.前記方法は少なくとも10∧7のエキソソームを送達する工程を含む、実施形態109乃至138の何れか1つに記載の方法。140.前記方法は少なくとも10∧8のエキソソームを送達する工程を含む、実施形態109乃至139の何れか1つに記載の方法。141.前記方法は少なくとも10∧9のエキソソームを送達する工程を含む、実施形態109乃至140の何れか1つに記載の方法。142.単離した細胞はCD25+FoxP3+制御性T細胞を含む、実施形態109乃至141の何れか1つに記載の方法。143.アピラーゼを過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態109乃至142の何れか1つに記載の方法。144.CD39を過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態109乃至143の何れか1つに記載の方法。145.CD39L3を過剰発現するために単離した細胞を遺伝子改変する工程を含む、実施形態109乃至144の何れか1つに記載の方法。146.炎症反応は、1型糖尿病、2型糖尿病、敗血症、クローン病、炎症性腸症候群、関節リウマチ、移植片対宿主病、多発性硬化症、ALS、皮膚創傷、骨折、震盪創傷、熱傷、アテローム動脈硬化症、腎症、心筋症、神経障害、腎障害、腎不全、糖尿病潰瘍、下腿潰瘍、ARDS、敗血症、炎症性肝疾患、心筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、亜急性細菌性心内膜炎、抗糸球体基底膜腎炎、間質性膀胱炎、ループス腎炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、抗シンテターゼ症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性繊維症、無気肺、気管支炎、肺気腫、肺炎、肺水腫、円形脱毛症、自己免
疫性血管浮腫、自己免疫プロゲステロン皮膚炎、自己免疫蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、円板状紅斑性狼瘡、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、妊娠性天疱瘡、汗腺膿瘍、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA疾患、斑状強皮症、尋常性天疱瘡、急性痘瘡状苔癬状ひこう疹、ムッハ・ハーベルマン病、乾癬、全身性強皮症、白斑、アジソン病、多腺性自己免疫症候群、2型多腺性自己免疫症候群、3型多腺性自己免疫症候群、自己免疫性膵炎、自己免疫性甲状腺炎、オード甲状腺炎、グレーヴス病、生殖器障害、自己免疫性卵巣炎、子宮内膜症、自己免疫性精巣炎、シェーグレン症候群、自己免疫腸疾患、セリアック病、顕微鏡的大腸炎、潰瘍性大腸炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫溶血性貧血、自己免疫性リンパ増殖症候群、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、寒冷凝集素症、本態性混合型クリオグロブリン血症、エバンス症候群、IgG4関連の全身性疾患、発作性夜間色素尿症、悪性貧血、赤芽球ろう、血小板減少症、有痛脂肪症、成人発症スチル病、強直性脊椎炎、クレスト症候群、薬剤誘発性ループス、腱付着部炎関連の関節炎、好酸球性筋膜炎、フェルティ症候群、若年性関節炎、ライム病(慢性)、混合結合組織病、回帰性リウマチ、パリー・ロンベルグ症候群、パーソナージュ・ターナー症候群、乾癬性関節炎、反応性関節炎、再発性多発性軟骨炎、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュニッツラー症候群、全身性エリテマトーデス、未分化結合織病、悪液質、サルコペニア、皮膚筋炎、線維筋痛症、封入体筋炎、筋炎、重症筋無力症、神経性筋緊張病、傍腫瘍性小脳変性症、多発性筋炎、急性散在性脳脊髄膜炎、急性運動軸索神経障害、抗-N-メチル-D-アスパラギン酸塩受容体脳炎、バロー同心円性硬化症、ビッカースタフ脳炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、橋本脳障害、特発性炎症性脱髄症、ランバート・イートン筋無力症候群、多発性硬化症、連鎖球菌に関連付けられる小児自己免疫神経精神障害、進行性炎症性神経障害、むずむず脚症候群、スティッフパーソン症候群、シデナム舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、横断脊髄炎、自己免疫網膜症、自己免疫ブドウ膜炎、コーガン症候群、グレーヴス眼症、中間部ブドウ膜炎、木質性結膜炎、モーレン潰瘍、視神経脊髄炎、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、強膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、トローザ・ハント症候群、自己免疫内耳疾患、メニエール病、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、ベーチェット病、チャーグ・ストラウス症候群、巨細胞性動脈炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、川崎病、白血球破砕性血管炎、ループス血管炎、リウマトイド血管炎、顕微鏡的多発血管炎、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛、蕁麻疹様血管炎、および血管炎のうち少なくとも1つを含む、実施形態109乃至145の何れか1つに記載の方法。147.少なくとも20%のSDC2+である細胞の集団を含む組成物であって、前記細胞の集団はCD39結合剤に結合する。148.細胞の集団は少なくとも30%のSDC2+である、実施形態147に記載の組成物。149.細胞の集団は少なくとも40%のSDC2+である、実施形態147または実施形態148に記載の組成物。150.細胞の集団は少なくとも50%のSDC2+である、実施形態147乃至149の何れか1つに記載の組成物。151.細胞の集団は少なくとも60%のSDC2+である、実施形態147乃至150の何れか1つに記載の組成物。152.細胞の集団は少なくとも70%のSDC2+である、実施形態147乃至151の何れか1つに記載の組成物。153.細胞の集団は少なくとも80%のSDC2+である、実施形態147乃至152の何れか1つに記載の組成物。154.細胞の集団は少なくとも90%のSDC2+である、実施形態147乃至153の何れか1つに記載の組成物。155.細胞の集団は少なくとも95%のSDC2+である、実施形態147乃至154の何れか1つに記載の組成物。156.細胞の集団は少なくとも99%のSDC2+である、実施形態147乃至155の何れか1つに記載の組成物。157.細胞の集団は少なくとも20%のCD39+である、実施形態147乃至156の何れか1つに記載の組成物。158.細胞の集団は少なくとも30%のCD39+である、実施形態147乃至157の何れか1つに記載の組成物。159.細胞の集団は少なくとも40%のCD39+である、実施形態147乃至158の何れか1つに記載の組成物。160.細胞の集団は少なくとも50%のCD39+である、実施形態147乃至159の何れか1つに記載の組成物。161.細胞の集団は少なくとも60%のCD39+である、実施形態147乃至160の何れか1つに記載の組成物。162.細胞の集団は少なくとも70%のCD39+である、実施形態147乃至161の何れか1つに記載の組成物。163.細胞の集団は少なくとも80%のCD39+である、実施形態147乃至162の何れか1つに記載の組成物。164.細胞の集団は少なくとも90%のCD39+である、実施形態147乃至163の何れか1つに記載の組成物。165.細胞の集団は少なくとも95%のCD39+である、実施形態147乃至164の何れか1つに記載の組成物。166.細胞の集団は少なくとも99%のCD39+である、実施形態147乃至165の何れか1つに記載の組成物。167.細胞の集団の少なくとも90%はCD45-である、実施形態147乃至166の何れか1つに記載の組成物。168.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも10∧6のエキソソームを更に含む、実施形態147乃至167の何れか1つに記載の組成物。169.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも10∧7のエキソソームを更に含む、実施形態147乃至168の何れか1つに記載の組成物。170.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも10∧8のエキソソームを更に含む、実施形態147乃至169の何れか1つに記載の組成物。171.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも1μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至170の何れか1つに記載の組成物。172.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも10μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至171の何れか1つに記載の組成物。173.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも20μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至172の何れか1つに記載の組成物。174.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも50μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至173の何れか1つに記載の組成物。175.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも100μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至174の何れか1つに記載の組成物。176.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも150μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至175の何れか1つに記載の組成物。177.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも200μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至176の何れか1つに記載の組成物。178.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも250μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至177の何れか1つに記載の組成物。179.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも500μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至178の何れか1つに記載の組成物。180.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも750μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至179の何れか1つに記載の組成物。181.CD39結合剤に結合した細胞の集団から単離された少なくとも1000μgのエキソソームを更に含む、実施形態147乃至180の何れか1つに記載の組成物。182.緩衝液を更に含む、実施形態147乃至181の何れか1つに記載の組成物。183.DMSOを含有する凍結保存剤を更に含む、実施形態147乃至182の何れか1つに記載の組成物。184.グリセロールを含有する凍結保存剤を更に含む、実施形態147乃至182の何れか1つに記載の組成物。185.少なくとも10∧3の細胞を含む、実施形態147乃至184の何れか1つに記載の組成物。186.少なくとも10∧4の細胞を含む、実施形態147乃至185の何れか1つに記載の組成物。187.少なくとも10∧5の細胞を含む、実施形態147乃至186の何れか1つに記載の組成物。188.少なくとも10∧6の細胞を含む、実施形態147乃至187の何れか1つに記載の組成物。189.少なくとも10∧7の細胞を含む、実施形態147乃至188の何れか1つに記載の組成物。190.細胞の集団はCD25+FoxP3+制御性T細胞を含む、実施形態147乃至189の何れか1つに記載の組成物。191.細胞の集団は、アピラーゼを過剰発現するために遺伝子改変される、実施形態147乃至190の何れか1つに記載の組成物。192.細胞の集団は、CD39を過剰発現するために遺伝子改変される、実施形態147乃至191の何れか1つに記載の組成物。193.細胞の集団は、CD39L3を過剰発現するために遺伝子改変される、実施形態147乃至192の何れか1つに記載の組成物。194.エキソソームを含む組成物であって、エキソソームは少なくとも20%のSDC2+である、エキソソームはCD39結合剤に結合される。195.エキソソームは少なくとも30%のSDC2+である、実施形態194に記載の組成物。196.エキソソームは少なくとも40%のSDC2+である、実施形態194または実施形態195に記載の組成物。197.エキソソームは少なくとも50%のSDC2+である、実施形態194乃至196の何れか1つに記載の組成物。198.エキソソームは少なくとも60%のSDC2+である、実施形態194乃至197の何れか1つに記載の組成物。199.エキソソームは少なくとも70%のSDC2+である、実施形態194乃至198の何れか1つに記載の組成物。200.エキソソームは少なくとも80%のSDC2+である、実施形態194乃至199の何れか1つに記載の組成物。201.エキソソームは少なくとも90%のSDC2+である、実施形態194乃至200の何れか1つに記載の組成物。202.エキソソームは少なくとも95%のSDC2+である、実施形態194乃至201の何れか1つに記載の組成物。203.エキソソームは少なくとも99%のSDC2+である、実施形態194乃至202の何れか1つに記載の組成物。204.エキソソームは少なくとも20%のCD39+である、実施形態194乃至203の何れか1つに記載の組成物。205.エキソソームは少なくとも30%のCD39+である、実施形態194乃至204の何れか1つに記載の組成物。206.エキソソームは少なくとも40%のCD39+である、実施形態194乃至205の何れか1つに記載の組成物。207.エキソソームは少なくとも50%のCD39+である、実施形態194乃至206の何れか1つに記載の組成物。208.エキソソームは少なくとも60%のCD39+である、実施形態194乃至207の何れか1つに記載の組成物。209.エキソソームは少なくとも70%のCD39+である、実施形態194乃至208の何れか1つに記載の組成物。210.エキソソームは少なくとも80%のCD39+である、実施形態194乃至209の何れか1つに記載の組成物。211.エキソソームは少なくとも90%のCD39+である、実施形態194乃至210の何れか1つに記載の組成物。212.エキソソーム
は少なくとも95%のCD39+である、実施形態194乃至211の何れか1つに記載の組成物。213.エキソソームは少なくとも99%のCD39+である、実施形態194乃至212の何れか1つに記載の組成物。214.集団はCD45-である、実施形態194乃至213の何れか1つに記載の組成物。215.少なくとも10∧6のエキソソームを含む、実施形態194乃至214の何れか1つに記載の組成物。216.少なくとも10∧7のエキソソームを含む、実施形態194乃至215の何れか1つに記載の組成物。217.少なくとも10∧8のエキソソームを含む、実施形態194乃至216の何れか1つに記載の組成物。218.少なくとも1μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至217の何れか1つに記載の組成物。219.少なくとも10μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至218の何れか1つに記載の組成物。220.少なくとも20μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至219の何れか1つに記載の組成物。221.少なくとも50μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至220の何れか1つに記載の組成物。222.少なくとも100μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至221の何れか1つに記載の組成物。223.少なくとも150μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至222の何れか1つに記載の組成物。224.少なくとも200μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至223の何れか1つに記載の組成物。225.少なくとも250μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至224の何れか1つに記載の組成物。226.少なくとも500μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至225の何れか1つに記載の組成物。227.少なくとも750μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至226の何れか1つに記載の組成物。228.少なくとも1000μgのエキソソームを含む、実施形態194乃至227の何れか1つに記載の組成物。229.緩衝液を含む、実施形態194乃至228の何れか1つに記載の組成物。
【0165】
定義
【0166】
場合によっては、本明細書で互換的に使用される「エキソソーム」または「微小小胞体」は細胞由来の小胞体を含み、これは細胞、例えば培養細胞または培養間質細胞により細胞外環境へと放出される。
【0167】
「SDC2」は、シンデカン-2、CD362、S2、またはフィブログリカンとしても知られており、本明細書では一般的に、配列リストにより特定されたSDC2ポリペプチド、またはSDC2遺伝子座によりコードされたポリペプチドを指す。シンデカン-2、または「SDC2タンパク質」、または単にSDC2は、膜貫通I型ヘパリン硫酸プロテオグリカンである。シンデカン-2の更なる同義語は、「SDC2タンパク質」またはSDC2を除いて、HSPG、CD362、HSPG1、およびSYND2が挙げられる。一般的に、本明細書で使用されるように、SDC2は、例えば「SDC2遺伝子」、「SDC2転写産物」、「SDC2抗体」の列挙により示されない限り、タンパク質またはその認識可能なフラグメントを指す。加えて、SDC2は、本明細書に付随する配列リストにおけるそのポリペプチド配列によって同定される。SDC2フラグメントは、SDC2ポリペプチド配列に一意的にまたは認識可能にマッピングされる、SDC2の連続する残基のあらゆるセットを指す。場合によっては、SDC2フラグメントは、SDC2タンパク質の一部または全ての活性を保持するか、或いは完全長のまたは天然のSDC2の阻害剤として作用する。SDC2はまた、時折、本明細書において非公式に、SDC2タンパク質をコードする遺伝子座または遺伝子を指す。当業者がSDC2基準を判別することができない場合、この用語は本明細書において、SDC2に対して産生されるまたはそれに結合する遺伝子、転写産物、または抗体ではなく、タンパク質またはポリペプチドに関して使用されることが推定される。哺乳動物にはシンデカンタンパク質のファミリーが存在する。SDC2は代替的に、具体的には哺乳動物のシンデカン-2またはヒトSDC2に関して使用される。当業者がSDC2基準を判別することができない場合、この用語は本明細書においてヒトタンパク質またはポリペプチドに関して使用されることが推定される。
【0168】
「細胞外のヌクレオチダーゼ」は、「アピラーゼ」、「E型ヌクレオチダーゼ」、および「NTPases」としても知られ、本明細書で使用されるように細胞外ヌクレオチドの異化作用の媒介物質である。細胞外ヌクレオチダーゼの例には、CD39、CD39L1、CD39L2、CD39L3、CD39L4、およびCD73が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中の細胞外ヌクレオチダーゼは、場合によっては、SDC2+間質性幹細胞の単離のための細胞表面タンパク質である。本明細書中の細胞外ヌクレオチダーゼは、場合によっては、アデノシンの細胞外ATPの異化作用を媒介する。
【0169】
「CD39」は、ENTPD1、ATPDase、NTPDase-1、SPG64、およびエクトヌクレオシド三リン酸ジホスホヒドロラーゼ1としても知られ、CD39遺伝子座によりコードされたポリペプチドを指す。一般的に、本明細書で使用されるように、CD39は、例えば「CD39遺伝子」、「CD39転写産物」、「CD39抗体」の列挙により示されない限り、タンパク質またはその認識可能なフラグメントを指す。CD39は、トリホスホヌクレオシドおよびジホスホヌクレオシドのγリン酸塩残基およびβリン酸塩残基の、モノホスホヌクレオシド誘導体への加水分解を触媒する酵素を有する、細胞表面タンパク質である。場合によっては、CD39は、細胞外アデノシンの細胞外ATPを加水分解する。
【0170】
「CD39L3」は、ENTPD3、HB6、NTPDase-3、またはエクトヌクレオシドトリホスファージジホスホヒドロラーゼ3としても知られ、CD39L3遺伝子座によりコードされたポリペプチドを指す。一般的に、本明細書で使用されるように、CD39L3は、例えば「CD39L3遺伝子」、「CD39L3転写産物」、「CD39L3抗体」の列挙により示されない限り、タンパク質またはその認識可能なフラグメントを指す。CD39L3は、トリホスホヌクレオシドおよびジホスホヌクレオシドのγリン酸塩残基およびβリン酸塩残基の、モノホスホヌクレオシド誘導体への加水分解を触媒する酵素を有する、細胞表面タンパク質である。場合によっては、CD39L3は、細胞外アデノシンの細胞外ATPを加水分解する。
【0171】
用語「レシピエント」、「個体」、「被験体」、「宿主」、および「患者」は本明細書では互換的に使用され、場合によっては、診断、処置、または治療が望まれる任意の哺乳動物被験体、特にヒト、を指す。処置目的の「哺乳動物」とは、哺乳動物として分類されるあらゆる動物を指し、ヒト、飼育動物や家畜、実験動物、動物園の動物、競技用動物、またはペット用動物、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サルなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0172】
本明細書で使用されるように、用語「処置(treatment)」、「処置すること(treating)」などは、場合によっては、効果を得る目的のための薬剤の投与または処置(procedure)の実行を指す。効果は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に予防するという観点では予防的であり、および/または、疾患および/またはその症状の部分的または完全な治癒を達成するという観点では治療的であり得る。「処置」は、本明細書で使用されるように、哺乳動物、特にヒト、における腫瘍の処置を含む場合があり、以下:(a)疾患またはその症状の再発を、疾患に罹患しやすいおそれがあるが依然として疾患に罹っていると診断されていない被験体において予防すること(例えば、原疾患に関連するまたはそれにより引き起こされ得る疾患を含む);(b)疾患を阻害すること、即ち、疾患の進行を抑えること;および(c)疾患を軽減すること、即ち、疾患の退行を引き起こすこと、を含む。処置することは、あらゆる客観的または主観的パラメータを含む、癌の処置または改善における成功のあらゆる徴候を指す場合があり、前記パラメータとしては、低減;寛解;症状を縮小することまたは疾患状態を患者が更に耐えられるようなものにすること;変性または下降の速度を遅くすること;または変性の最終ポイントをあまり弱体化させないようにすること、が挙げられる。症状の処置または改善は、客観的または主観的パラメータに基づく場合があり;医師による診察の結果が挙げられる。従って、用語「処置すること」は、本発明の化合物または薬剤の投与により、癌または他の疾患に関連する症状または状態の進行を予防または遅延させ、緩和させ、或いは阻止または阻害することを含む。用語「治療効果」は、被験体における疾患、疾患の症状、または疾患の副作用の減少、排除、或いは予防を指す。
【0173】
用語「薬学的に許容可能な」、「生理学的に容認できる」、およびそれらの文法的な変形は、組成物、担体、希釈剤、および試薬を指す場合には互換的に使用され、場合によっては、物質が組成物の投与を禁止する程度の望ましくない生理的効果をもたらすことなくヒトへ投与することが可能であることを表す。
【0174】
「治療上有効な量」は、場合によっては、疾患を処置するために被験体に投与されると、その疾患の処置を達成するのに十分な量を意味する。
【0175】
本明細書で使用されるように、用語「約」の付いた数は、その数の10%未満から10%超に及ぶ範囲を指し、且つその数自体などの範囲内に含まれる値を含む。
【0176】
本明細書で使用されるように、請求項の要素を「含む(comprising)」という用語は、それらの要素を指すが、追加の要素の包含を妨げるものではない。
【実施例】
【0177】
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を例証する目的で与えられ、あらゆる様式で本発明を制限することを意図していない。本明細書に記載される方法とともに、本実施例は、好ましい実施形態の代表例である且つ典型的なものであり、本発明の範囲を限定するものとして意図されない。請求項の範囲によって定義される本発明の精神内に包含されるその変化および他の使用が、当業者に想定される。
【0178】
実施例1:臍帯からのSDC2+間質性幹細胞の単離
【0179】
細胞をヒト臍帯から単離し、間質性幹細胞の精製を、FACSを用いて行い、生きた単細胞、CD39およびCD362(SDC2)のゲーティングを、Miltenyi MACSQuant Tytoマイクロチップ細胞選別機を用いて行った(
図1A、
図1B)。集団を分析し、その時点で、CD362+である集団のパーセンテージは、CD39+/CD362+である集団のパーセンテージ、0.10%、と同じであったことが分かった(
図1C)。コロニー形成率をCD39+/CD362+細胞上で測定すると、前記細胞が、ウェルごとに40k細胞にて蒔かれたときには1/2352の速度で、およびウェルごとに10k細胞にて蒔かれたときには1/1666の速度でコロニーを形成したことが分かった(
図1D)。これを、ウェルごとに200k細胞にて蒔かれたときには1/9090の速度、およびウェルごとに100k細胞にて蒔かれたときには1/9375の速度でコロニーを形成した未選別の細胞と比べる(
図1E)。それ故、マーカーとしてCD39を使用して単離された間質性幹細胞のパフォーマンスは、マーカーとしてCD362を使用して単離された間質性幹細胞と同様、またはそれよりも優れている。
【0180】
実施例2:骨髄からのSDC2+間質性幹細胞の単離
【0181】
細胞をヒト骨髄から単離し、間質性幹細胞の精製を、FACSを用いて行い、BD FACSAria細胞選別機によりCD39-/CD362+、CD39+/CD362+、およびCD39+/CD362-の画分を単離した(
図2A)。集団は分析すると、CD39+/CD362+細胞が集団の約0.4%を占めていた一方、CD39hi/CD362+細胞は集団の0.02%を占めていたことが分かった(
図2B)。それ故、大半のCD362+細胞はCD39+でもあることが分かった。選別された細胞を更にコロニー形成について分析すると(
図2C)、未選別の骨髄細胞(野生型)は1/18750~1/50000の速度でコロニーを形成し;CD39-/CD362+細胞は0~1/11の速度でコロニーを形成し;CD39+/CD362+細胞は1/46~1/4の速度でコロニーを形成し;およびCD39+/CD362-および二重陰性細胞は0の速度でコロニーを形成することが示された。
【0182】
代替的な方法において、細胞をヒト骨髄から単離し、間質性幹細胞の精製を、FACSを用いて行い、Miltenyi MACSQuant Tytoマイクロチップ細胞選別機によりCD39-/CD362+、CD39+/CD362+、およびCD39+/CD362-の画分を単離した(
図3A)。選別された細胞を更にコロニー形成について分析して、BD FACSAriaの結果をMiltenyi MACSQuant Tytoの結果と比較すると(
図3B)、未選別の骨髄細胞(野生型)は1/50000~1/18750(BD)対1/14285(Tyto)の速度でコロニーを形成し;CD39-/CD362+細胞は0~1/11(BD)の速度でコロニーを形成し;CD39+/CD362+細胞は1/46~1/4(BD)対1/16.6(Tyto)の速度でコロニーを形成し;CD39+/CD362-細胞は0(BD)の速度でコロニーを形成し;および二重陰性細胞は0(BD)対1/100000~1/16.6(Tyto)の速度でコロニーを形成することが示された。
【0183】
実施例3:糖尿病潰瘍の処置
【0184】
治療上活性なCD39+/SDC2+細胞の組成物を使用して、糖尿病潰瘍の処置を必要とする個体を処置する。医師は、糖尿病潰瘍への局所的使用のためにコラーゲン軟膏により製剤された治療上活性なCD39+/SDC2+細胞の組成物を適用する。糖尿病潰瘍への組成物の投与の1週間後、潰瘍の重症度は低下した。随意に、患者は、組成物をもう1回投与するために通院する(returns)。糖尿病潰瘍への組成物の投与の1ヶ月後の、潰瘍の大部分が治癒した。
【0185】
実施例4:炎症性肝疾患の処置。
【0186】
治療上活性なCD39+/SDC2+細胞の組成物を使用して、自己免疫性肝炎の処置を必要とする個体を処置する。医師は、静脈内投与用に製剤された治療上活性なインビトロのSDC2+細胞組成物を投与する。被験体への組成物の投与後、個体の肝機能は改善され、個体は肝臓移植を必要としない。
【0187】
実施例5:スクラッチ創傷(Scratch Wound)アッセイ。スクラッチ創傷アッセイをA549細胞上で実行して、細胞移動に対するCD39+/SDC2+細胞の効果を観察する。このアッセイにおいて、300,000のA549細胞が24ウェルプレート中の単層において成長する。細胞をp200ピペット先端により直線でこすり、スクラッチを作成する。画像を、こすった時点(0h)、および、無血清培地または無血清培地中の10∧6μgのCD39+/SDC2+細胞による48時間のインキュベーション後に取得する。細胞を用いたインキュベーションの結果、スクラッチの大きさが無血清培地に比べて減少した。
【0188】
この実施例は、CD39+/SDC2+細胞により処置された細胞における細胞移動が血清により処置された細胞に比べて増加したことを示す。
【0189】
実施例6:NFκBレポーターアッセイ。NFκBアッセイを、無血清培地または無血清培地中のCD39+/SDC2+細胞を用いて処置されたA549細胞上で実行する。このアッセイにおいて、NFκBルシフェラーゼレポーター遺伝子によりトランスフェクトされる30,000のA549細胞が、96ウェルの皿の中で成長する。細胞を、無血清培地、または無血清培地中の10∧5のCD39+/SDC2+細胞により24時間かけて処置し、その後、ヒトIL-1βにより数24時間かけて刺激し、ルシフェラーゼ活性を測定する。減少を、CD39+/SDC2+により処置されたA549細胞におけるルシフェラーゼ活性において観察する。
【0190】
この実施例は、CD39+/SDC2+細胞により処置された細胞における炎症反応が無血清培地により処置された細胞に比べて減少したことを示す。
【0191】
実施例7:ARDS肺損傷を処置するためのエキソソーム送達。CD39+/SDC2+細胞をARDSのラットモデルにおいて試験する。簡単に、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを静脈内投与量の200μgまたは10mill/kgのCD39+/SDC2+細胞により処置する。その後、肺損傷の程度を24時間後に、動脈酸素、BAL細菌負荷、BAL細胞浸潤、静的コンプライアンス、および肺の湿潤/乾燥比の測定によって測定する。動脈FI0.3における改善を、ビヒクルと比較してCD39+/SDC2+細胞による処置によって観察する(一元配置分散分析、p<0.0001)。改善はまた、ビヒクルと比較してCD39+/SDC2+細胞による処置によって観察された動脈FI1.0において観察される(一元配置分散分析、p<0.0001)。このことは、CD39+/SDC2+細胞がARDS肺損傷モデルにおける肺損傷を処置することができることを実証する。
【0192】
静肺コンプライアンスも、PBSのビヒクル対照と比較したCD39+/SDC2+細胞により処置されたラットにおいて測定する。この測定は、対照と比較してARDS肺損傷の処置において有効なCD39+/SDC2+細胞を示す(一元配置分散分析、p<0.01)。
【0193】
細菌負荷を気管支肺胞洗浄(BAL)において測定する。この測定において、有意な減少を、CD39+/SDC2+細胞により処置されたラットにおけるBAL細菌負荷において観察する(一元配置分散分析、p<0.01)。このアッセイにおいて、有意差を、ビヒクル対照と比較してCD39+/SDC2+細胞により処置されたラットにおけるBAL全細胞数およびBAL好中球数において観察する(一元配置分散分析、p<0.01)。
【0194】
この実施例は、CD39+/SDC2+細胞の投与において投与量を増大させ且つ静脈内投与の形態をとることでARDS肺損傷が処置されることを示す。
【0195】
実施例8:糖尿病関連の腎不全の処置
【0196】
治療上活性なCD39+/SDC2+細胞の組成物を使用して、糖尿病関連の腎不全に悩む個体を処置する。被験体への組成物の投与後、患者が経験する症状は減少する。10人の患者が組成物を静脈内注射されると、9人が腎臓機能の著しい増大を経験する。10人の患者が代替的な処置を施されると、腎臓機能は改善されない。血糖レベルに対する影響は、一部の個体において観察されない。
【0197】
実施例9:インビトロのエキソソーム。治療上活性な組成物を、インビトロのSDC2+エキソソームを含めて調製する。SDC2+エキソソーム組成物を調製して、該エキソソーム組成物内にインフリキシマブを含ませる。組成物を患者に投与すると、インフリキシマブは液性免疫系には暴露されず、患者はインフリキシマブに対する液性免疫反応を発達させない。組成物のサンプルを試験すると、エキソソームの少なくとも30%はSDC2を含むことが分かった。エキソソーム組成物を、DMSOなどの凍結防止剤を使用することなくリン酸塩緩衝液中で単独で冷凍保管する。組成物を解凍すると、炎症反応の阻害により測定されたほどの治療効果はあまりなかった。
【0198】
実施例10:インビトロのエキソソームおよび間葉系SDC2+間質性幹細胞。治療上活性な組成物を、インビトロのSDC2+エキソソームを含めて調製する。SDC2+エキソソーム組成物を調製して、該エキソソーム組成物内にインフリキシマブを含ませる。組成物を患者に投与すると、インフリキシマブは液性免疫系には暴露されず、患者はインフリキシマブに対する液性免疫反応を発達させない。組成物のサンプルを試験すると、エキソソームの少なくとも30%はSDC2を含むことが分かった。エキソソーム組成物をSDC2+間葉系間質性幹細胞と組み合わせて、CD39の発現に基づいて精製する。エキソソーム組成物の追加により、炎症反応の減少におけるSDC2+の間葉系間質性幹細胞の治療活性を向上させる。
【0199】
実施例11:インビトロのエキソソームおよび制御性T細胞。治療上活性な組成物を、CD39の発現に基づいて単離された細胞からのインビトロのSDC2+エキソソームを含めて調製する。SDC2+エキソソーム組成物を調製して、該エキソソーム組成物内にインフリキシマブを含ませる。組成物を患者に投与すると、インフリキシマブは液性免疫系には暴露されず、患者はインフリキシマブに対する液性免疫反応を発達させない。組成物のサンプルを試験すると、エキソソームの少なくとも30%はSDC2を含むことが分かった。エキソソーム組成物をCD25+CD4+Foxp3+制御性T細胞と組み合わせる。エキソソーム組成物の追加により、炎症反応の減少におけるCD25+CD4+Foxp3+制御性T細胞の治療活性を向上させる。
【0200】
実施例12:糖尿病潰瘍の処置。治療上活性なインビトロのSDC2+エキソソームの組成物を使用して、糖尿病潰瘍の処置を必要とする個体を処置する。医師は、局所的使用のためにコラーゲン軟膏により製剤された治療上活性なインビトロのSDC2+エキソソーム組成物を処方し、組成物を週に1-5回、糖尿病潰瘍に投与するように患者に命じる。1週間の糖尿病潰瘍への組成物の投与後、潰瘍の重症度は低下した。1ヶ月の糖尿病潰瘍への組成物の投与後、潰瘍の大部分が治癒した。
【0201】
実施例13:関節リウマチの処置。追加でインフリキシマブを含む治療上活性なインビトロのSDC2+エキソソーム組成物を使用して、関節リウマチの処置を必要とする個体を処置する。医師は、皮下投与のために製剤された治療上活性なインビトロのSDC2+エキソソーム組成物を処方し、皮下注射により組成物を毎週投与するよう患者に命じる。被験体への組成物の投与後、患者が経験する関節痛は少なくとも50%減少し、患者の関節の可動性は少なくとも60%増大する。更に、患者はインフリキシマブの液性免疫反応を経験しない。
【0202】
実施例14:筋萎縮性側索硬化症の処置。治療上活性なインビトロのSDC2+エキソソームの組成物を使用して、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の処置を必要とする個体を処置する。医師は、診療室における脊髄内投与のために製剤された治療上活性なインビトロのSDC2+エキソソーム組成物を処方し、毎週の髄腔内注射のために通院するように患者に命じる。被験体への組成物の投与後、患者が経験する症状は減少する。10人の患者に組成物を髄腔内注射すると、そのうち8人が運動ニューロン機能の減少の最小化および疾病の安定化を経験する。10人の患者に代替的な処置を施すと、そのうち3人が運動ニューロン機能の減少の最小化および疾病の安定化を経験する。
【0203】
実施例15:単離。免疫調節性組成物は、SDC2を発現するエキソソームの単離により得られる。組成物を、SDC2遺伝子を運ぶレンチウイルスにより形質転換されたSDC2+間質細胞から単離し、その結果、SDC2+間質細胞がSDC2を過剰発現する。SDC2の過剰発現にはSDC2+エキソソームの数を増大させる効果があり、結果として、エキソソームを単離する効率および細胞によりもたらされたエキソソームの効力を増大させる。
【0204】
単離されたエキソソームを分析すると、エキソソームの少なくとも20%がSDC2+であり且つ700mgのエキソソームが得られると判定される。エキソソームを、リン酸塩緩衝液を用いて希釈し、使用のために必要とされるまで使い捨てバイアルにおいてDMSOを用いることなく冷凍する。
【0205】
実施例16:抗体精製を使用する単離。免疫調節性組成物は、SDC2を発現するエキソソームの単離により得られる。組成物を、SDC2遺伝子を運ぶレンチウイルスまたはアデノウイルスにより形質転換されたSDC2+間質細胞から単離し、その結果、SDC2+間質細胞がSDC2を過剰発現する。SDC2の過剰発現にはSDC2+エキソソームの数を増大させる効果があり、結果として、エキソソームを単離する効率を増大させる。エキソソームを含む組成物を抗SDC2の抗体により、10-30分間、または一晩4℃でインキュベートする。SDC2+エキソソームを、選別またはカラムクロマトグラフィーに基づいてフローサイトメトリーを用いて溶液から単離して、SDC2+エキソソームをカラムから溶離させる。
【0206】
単離されたエキソソームを分析すると、エキソソームの少なくとも80%がSDC2+であり且つ700mgのエキソソームが得られると判定される。エキソソームを、リン酸塩緩衝液を用いて希釈し、使用のために必要とされるまで使い捨てバイアルにおいてDMSOを用いることなく冷凍する。
【0207】
実施例17:超遠心分離を使用する単離。免疫調節性組成物は、SDC2を発現するエキソソームの単離により得られる。組成物を、SDC2遺伝子を運ぶレンチウイルスまたはアデノウイルスにより形質転換されたSDC2+間質細胞から単離し、その結果、SDC2+間質細胞がSDC2を過剰発現する。SDC2の過剰発現にはSDC2+エキソソームの数を増大させる効果があり、結果として、エキソソームを単離する効率を増大させる。エキソソームを含むSDC2+細胞からの上清を、4℃で16時間の100,000xgの力における超遠心分離にさらす。エキソソーム画分を媒体溶液から単離する。一部の使用のために、続く液体クロマトグラフィーによる限外濾過(UF-LC)の工程を、結果として生じる生成物上で実行して、SDC2+エキソソームの更に純粋な調製物をもたらす。
【0208】
単離されたエキソソームを分析すると、エキソソームの少なくとも80%がSDC2+であり且つ700mgのエキソソームが得られると判定される。エキソソームを、リン酸塩緩衝液を用いて希釈し、使用のために必要とされるまで使い捨てバイアルにおいてDMSOを用いることなく冷凍する。
【0209】
実施例18:中空繊維バイオリアクター(HFBR)を使用する単離。ヒト間葉系幹細胞(MSC)、例えばSDC2+MSCなどを、C2011カートリッジ(FiberCell Systems)、または代替的にQuantum Cell Expansion Systemにおいて成長させ、1×107~1×108のMSCを蒔いた。これにより継続的に10週間にわたりエキソソームをもたらす。カートリッジのキャピラリー外空間からの典型的な採取は、400mlの量において1.1×1012のエキソソーム/mlである。全バイオリアクター収率またはエキソソームの数は、10倍高かった濃度ではおよそ10倍高い。採取を2週間毎実行し、各採取前に細胞の小標本を表現型の分析のために集める。これら10週間にわたり、培養物はグルコース取り込み速度に基づいて拡大せず、極めて一定のままであった。直交測定により、細胞の表現型は同様に一定のままである。エキソソームは、細胞の分割および/または二次培養を行うことなく継続的に採取される。
【0210】
実施例19:エキソソーム組成物の送達。免疫調節性シグナルを、SDC2+幹細胞から単離されたエキソソームを使用して、個体の細胞内空間に送達する。エキソソームを、インフリキシマブを含むように製剤する。エキソソームを個体の皮下に投与し、エキソソームの内容物を個体の細胞内空間に送達し、それにより免疫調節性シグナルを送達する。エキソソームの投与および免疫調節性シグナルの送達は、インフリキシマブに対する個体の液性免疫反応をもたらさず、従ってインフリキシマブの効力を増大させる。
【0211】
実施例20:補足された幹細胞組成物。治療上活性な組成物を、間葉系間質性幹細胞由来のインビトロのSDC2+エキソソームを含めて調製する。調製した組成物のサンプルを試験すると、エキソソームの少なくとも30%はSDC2を含むことが分かった。SDC2+エキソソームを間葉系間質性幹細胞と組み合わせて、結果として生じる混合物を、創傷治癒を必要性とする個体に投与する。この処置の結果、間葉系間質性幹細胞単独の投与に比べて創傷治癒が向上する。
【0212】
実施例21:ARDS肺損傷を処置するためのエキソソーム送達。エキソソームをARDSのラットモデルにおいて試験した。簡潔に、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを90-100μgの投与量のエキソソームまたは400万のヒト間葉系幹細胞(hMSC)により処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、動脈酸素、BAL細菌負荷、BAL細胞浸潤、静的コンプライアンス、および肺の湿潤/乾燥比の測定によって測定した。動脈FI0.3における改善を、ビヒクルと比較してエキソソームによる処置によって観察した(
図7)。このことは、エキソソームがARDS肺損傷モデルにおける肺損傷を処置することができることを実証する。エキソソーム処置は、動脈FI1.0の測定におけるPBSビヒクル処置として安全であることを示され、エキソソーム処置とPBSビヒクル対照との間での同様の測定を示した(
図8)。
【0213】
動脈酸素も、PBSビヒクル対照と比較した動脈FI0.3(
図9)および動脈FI1.0(
図10)による骨髄(BM)エキソソームおよびヒト臍帯(HUC)エキソソーム処置について測定した。
図9および
図10において、BMエキソソームおよびHUCエキソソームは、動脈FI0.3または動脈FI1.0上でPBSのビヒクル対照と同様に安全であることが示された。
【0214】
図11において、細菌負荷を気管支肺胞洗浄(BAL)において測定した。この測定において、測定可能な減少を、エキソソームおよびhMSCにより処置されたラットにおけるBAL細菌負荷において観察した。BAL全細胞数および好中球数を
図12および
図13に示す。このアッセイにおいて、測定可能な差異を、ビヒクル対照と比較してエキソソームおよびhMSCにより処置されたラットにおけるBAL全細胞数およびBAL好中球数において観察した。
【0215】
静肺コンプライアンスおよび肺の湿潤/乾燥比も、PBSビヒクル対照と比較されたエキソソームおよびhMSCにより処置されたラットにおいて測定した(
図14)。この測定は、エキソソームがPBSのビヒクル対照と同様に安全であったことを示した。
図15は、エキソソームまたはhMSCにより処置されたラットにおける湿潤/乾燥比の結果を示す。
図15はまた、エキソソームがPBSのビヒクル対照と同様に安全であったことも示した。
【0216】
この実施例は、PBSのビヒクル対照と比較したエキソソームの安全性および効果を示す。
【0217】
実施例22:スクラッチ創傷アッセイ。スクラッチ創傷アッセイをA549細胞上で実行して、細胞移動に対するエキソソームの効果を観察した。このアッセイにおいて、300,000のA549細胞が24ウェルプレート中の単層において成長した。細胞をp200ピペット先端により直線でこすり、スクラッチを作成した。画像を、こすった時点(0h)、および、無血清培地または無血清培地中の2μgのSDC2+エキソソームによる48時間のインキュベーション後に取得した。
図16および
図17に示されるように、エキソソームによるインキュベーションは結果として、無血清培地と比較したスクラッチの大きさの減少をもたらした。
【0218】
この実施例は、エキソソームにより処置された細胞における細胞移動が血清により処置された細胞に比べて増加したことを示す。
【0219】
実施例23:NFκBレポーターアッセイ。NFκBアッセイを、無血清培地または無血清培地中のエキソソームを用いて処置されたA549上で実行した。これらアッセイの結果を
図18-21に示す。このアッセイにおいて、NFκBルシフェラーゼレポーター遺伝子によりトランスフェクトされた30,000のA549細胞が、96ウェルの皿の中で成長した。細胞を、無血清培地、または無血清培地中の2μgのエキソソームにより24時間かけて処置し、その後、ヒトIL-1βにより24時間かけて刺激し、ルシフェラーゼ活性を測定した。減少を、限外濾過に次いで超遠心分離により得られるエキソソーム(
図18および
図10)の他、限外濾過無しで超遠心分離により得られるエキソソーム(
図20および
図21)により処置されたA549細胞のルシフェラーゼ活性において観察された。
【0220】
この実施例は、エキソソームにより処置された細胞における炎症反応が無血清培地により処置された細胞に比べて減少したことを示す。
【0221】
実施例24:ARDS肺損傷を処置するためのエキソソーム送達。エキソソームをARDSのラットモデルにおいて試験した。簡単に、300gのスプラーグドーリーラットに大腸菌を肺内投与してARDS肺損傷を誘発させ、1時間後、ラットを静脈内投与量の200μgまたは10mill/kgのヒト間葉系幹細胞(hMSC)により処置した。その後、肺損傷の程度を24時間後に、動脈酸素、BAL細菌負荷、BAL細胞浸潤、静的コンプライアンス、および肺の湿潤/乾燥比の測定によって測定した。動脈FI0.3における改善を、ビヒクルと比較してエキソソームによる処置によって観察した(一元配置分散分析、p<0.0001)(
図22)。改善は、ビヒクルと比較してエキソソームによる処置によって観察された動脈FI1.0にも観察された(一元配置分散分析、p<0.0001)(
図23)。このことは、エキソソームがARDS肺損傷モデルにおける肺損傷を処置することができることを実証する。
【0222】
静肺コンプライアンスおよびの湿潤/乾燥比も、PBSビヒクル対照と比較されたエキソソームまたはhMSCにより処置されたラットにおいて測定した(
図24)。この測定は、対照と比較してARDS肺損傷の処置において有効なエキソソームを示した(一元配置分散分析、p<0.01)。
【0223】
図25において、細菌負荷を気管支肺胞洗浄(BAL)において測定した。この測定において、有意な減少を、エキソソームおよびhMSCにより処置されたラットにおけるBAL細菌負荷において観察した(一元配置分散分析、p<0.01)。BAL全細胞数および好中球数を
図26および
図27に示す。このアッセイにおいて、有意差を、ビヒクル対照と比較してエキソソームおよびhMSCにより処置されたラットにおけるBAL全細胞数およびBAL好中球数において観察した(一元配置分散分析、p<0.01)。
【0224】
この実施例は、エキソソームの投与において投与量を増大させ且つ静脈内投与の形態をとることでARDS肺損傷が処置されることを示す。
【0225】
実施例25:糖尿病関連の腎不全の処置
【0226】
治療上活性なインビトロのSDC2+エキソソームの組成物を使用して、糖尿病関連の腎不全に悩む個体を処置する。被験体への組成物の投与後、患者が経験する症状は減少する。10人の患者が組成物を髄腔内注射されると、9人が腎臓機能の著しい増大を経験する。10人の患者が代替的な処置を施されると、腎臓機能は改善されない。血糖レベルに対する影響は、一部の個体において観察されない。
【0227】
実施例26:アルツハイマー病の処置
【0228】
治療上活性なインビトロのSDC2+エキソソーム組成物を使用して、アルツハイマー病に悩む個体を処置する。静脈内投与による被験体への組成物の投与後、組成物は血液脳関門を渡って脳を処置することができ、アルツハイマー病の症状が減少する。10人の患者が組成物を静脈内注射されると、9人が記憶の改善を経験する。
【0229】
実施例27:改善されたSDC2+間質性幹細胞
【0230】
SDC2+間質性幹細胞の組成物を、CD39抗体を使用してヒト臍帯から単離する。組成物は更にCD25+FoxP3+制御性T細胞を含有する。細胞の3分の1にレンチウイルスを形質導入させてCD39を過剰発現させ、細胞の別の3分の1にレンチウイルスを形質導入させてCD39L3を過剰発現させ、細胞の残りの3分の1にトランスジーンを持たないレンチウイルスを形質導入させる。CD39またはCD39L3を形質導入したSDC2+間質性幹細胞の組成物は、炎症反応の阻害において、NFκBレポーターアッセイにおいて測定されるように、トランスジーンを持たないレンチウイルスを形質導入したSDC2+間質性幹細胞の組成物よりも効果的である。この実施例は、SDC2+間質性幹細胞組成物がより高度の抗炎症性活性を、CD39またはCD39L3を形質導入したときに持つことを示す。
【0231】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され且つ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多数の変形、変更、および置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到されるものである。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法および構造は、それにより包含されることが、意図されている。