(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】洗剤投入装置及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
(21)【出願番号】P 2020545539
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 CN2020072379
(87)【国際公開番号】W WO2020147770
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-04-12
(31)【優先権主張番号】201910048372.4
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910048371.X
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910047913.1
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910048396.X
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】黄涛
(72)【発明者】
【氏名】蒋玉亮
(72)【発明者】
【氏名】周炳衡
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-111276(JP,A)
【文献】特開2003-010595(JP,A)
【文献】中国実用新案第200988915(CN,Y)
【文献】特開2010-125133(JP,A)
【文献】国際公開第2018/078980(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103132281(CN,A)
【文献】特開平08-238396(JP,A)
【文献】特開2013-085566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク及びタンク内に装着されて洗剤が投入される貯液タンクを含み、タンクの内側壁に、タンクの内部に向かって突出し、且つタンクの軸方向に延伸するボスが設けられており、前記ボスの上面は支持面であり、貯液タンクがボスの支持面に載置されて支持面の延伸方向に沿って抜き出し移動する洗剤投入装置であって、
前記ボスには、支持面を貫通する
第1切欠きが設けられており、
前記ボスの延伸方向における2つの端部の間の支持面上の水を
前記第1切欠きからタンク内に向かって流動させ
、
前記タンクの一端には貯液タンクを抜き出すための開口が設けられており、前記タンクの底に吐水口が設けられており、前記吐水口は、前記タンクの前記開口と隣接しており、
前記タンクの前記開口と隣接した前記ボスの端部の支持面には、貫通した第2切欠きが前記タンクの底部に向かって設けられており、前記ボスの端面が前記第2切欠きの側壁を形成し、
前記タンクの開口箇所の底壁には、前記ボスの延伸方向に対し垂直な堰止リブが設けられており、前記堰止リブと前記ボスの端面の間に水路が形成されており、前記水路は、一端が前記第2切欠きの底部と連通しており、他端が前記吐水口と連通しており、前記水路はタンクの底壁に沿って傾斜して延伸していることを特徴とする洗剤投入装置。
【請求項2】
前記支持面は水平方向に延伸しており、
前記第1切欠きは、垂直方向にタンクの底部に向かって凹陥し、支持面を貫通する開口であることを特徴とする請求項1に記載の洗剤投入装置。
【請求項3】
前記第1切欠き及び前記第2切欠きから下方に流出した水流をタンクの内部に流れ込ませるよう、タンクの底壁は、ボスの底部からタンクの内部に向かって下方に傾斜して延伸することで斜面を形成していることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の洗剤投入装置。
【請求項4】
前記貯液タンクとタンクとのドッキング箇所には、洗剤をタンクの流路内に引き入れるよう開閉を制御する逆止弁が装着されており、前記逆止弁には互いに垂直な給液口と吐液口が設けられており、前記給液口は貯液タンクと連通し、前記吐液口には一方向逆止弁が装着されることを特徴とする
請求項1に記載の洗剤投入装置。
【請求項5】
前記一方向逆止弁は逆止弁に対し垂直にタンク内に縦向きに装着され、一方向逆止弁は、給液端が逆止弁の吐液口と連通し、吐液端が給水流路と連通し、前記一方向逆止弁は前記逆止弁に対し垂直に設けられ
ることを特徴とする請求項
4に記載の洗剤投入装置。
【請求項6】
前記逆止弁内には水平に延伸する流路が設けられており、流路の両端は、給液口と、流路に対し垂直な吐液口とにそれぞれ連通することを特徴とする請求項4に記載の洗剤投入装置。
【請求項7】
前記逆止弁は、ドッキング部に設けられて貯液タンクと連通する空間を含み、前記空間には水平方向に開口する出口が設けられており、前記出口は給液口と連通し、空間の内部には、移動することで出口を然るべく封止又は開放可能なバルブプラグが装着され、前記バルブプラグは閉止後に出口に密封状に接続され、好ましくは、前記空間内には戻しバネが設けられており、戻しバネはバルブプラグに覆設され、戻しバネの両端は、空間の内壁と、バルブプラグにおける出口を封止する端部にそれぞれ当接しており、引き出しがタンクから抜き出されると、バルブプラグは戻しバネの作用によって出口を密封することを特徴とする請求項
4~6のいずれか1項に記載の洗剤投入装置。
【請求項8】
前記貯液タンクは抜き出し移動可能な引き出しに設けられており、前記逆止弁は、タンクにおけるドッキング箇所に固定装着される押動ロッドを含み、前記押動ロッドは引き出しの抜き出し方向に延伸しており、バルブプラグと押動ロッドは対向して装着され、引き出しとタンクが接続及び固定されると、前記バルブプラグが押動ロッドに押動されて貯液タンクに対し変位可能となり、出口から離開することを特徴とする請求項4~7のいずれか1項に記載の洗剤投入装置。
【請求項9】
前記逆止弁は、抜き出し方向に後方へ延伸する第1弁体を含み、タンクには、第1弁体と一致する位置に装着される第2弁体が設けられており、第1弁体の内部は中空であって空間の開口に接続され、第2弁体は押動ロッドの外周に周設されており、前記第2弁体と押動ロッドの間には第1弁体を挿入するための隙間が設けられており、第1弁体と第2弁体は密封状に接合及び接続されることを特徴とする請求項
4~8のいずれか1項に記載の洗剤投入装置。
【請求項10】
前記押動ロッドの外周には、径方向に突出し且つ均一に分布する突出リブが設けられており、隣り合う突出リブの間及び第2弁体の内壁によって流路が形成され、第2弁体には、貫通して流路と連通する吐液口が設けられており、前記吐液口は流路の延伸方向に対し垂直であることを特徴とする請求項
8に記載の洗剤投入装置。
【請求項11】
タンクの上部がカバープレートから構成され、
前記カバープレートの内部の中空空間に給水流路が設けられており、給水流路には複数の吐水孔が設けられており、少なくとも1つの吐水孔の上部がその他の吐水孔よりも高くなっていることを特徴とする請求項1~
10のいずれか1項に記載の洗剤投入装置。
【請求項12】
前記カバープレートの内部には複数の給水流路が設けられており、給水流路の底部に複数の吐水孔が設けられ、前記吐水孔は第1吐水孔及び第2吐水孔を含み、前記第1吐水孔の上部が第2吐水孔の上部よりも高くなっていることを特徴とする請求項
11に記載の洗剤投入装置。
【請求項13】
洗濯機であって、
請求項1~
12のいずれか1項に記載の投入装置を含み、前記投入装置は、タンクと、タンクの内部に装着される貯液タンクを含み、前記貯液タンクには給水室が設けられており、カバープレートには貯液タンクに注水するための給水流路が設けられており、前記給水流路は前記給水室に対応して設けられ
ることを特徴とする洗濯機。
【請求項14】
請求項1~
12のいずれか1項に記載の投入装置を含む洗濯機であって、
外槽と、
外槽の内部に嵌装される内槽と、
給水を利用して洗剤を槽内に投入するための投入装置と、
外槽の開口と洗濯機のハウジングの間を接続し、外槽の開口側とハウジングとの隙間を外槽の開口から隔離する窓パッキン、を含む洗濯機であって、
前記投入装置の吐水口は接続管に接続され、接続管は窓パッキンに挿通され、接続管の挿通端には、洗剤及び/又は水を内槽内に噴射するために、内槽の内部に水を噴射するスプレー口が設けられ、好ましくは、前記窓パッキンは環状であり、窓パッキンの環状の壁には装着孔が設けられており、接続管は窓パッキンの装着孔に挿通され、接続管は投入装置の内部と内槽の内部を連通させることを特徴とする洗濯機。
【請求項15】
装着孔にはノズルが装着されており、ノズルは給水端と吐水端を含み、前記給水端は投入装置の吐水口と対向して設けられ、給水端は接続管の端部に嵌接され、ノズルの吐水端は窓パッキンを貫通して内槽に水を噴射し、
ノズルの吐水端には円弧状に延伸するエルボが設けられており、エルボには内槽に向かって洗剤及び/又は水を噴射するスプレー口が設けられており、前記スプレー口の開口方向とノズルの延伸方向は一定の夾角を有しており、前記スプレー口は内槽の内部に面していることを特徴とする請求項
14に記載の洗濯機。
【請求項16】
装着孔には、エルボと一致する湾曲部が内部に向かって設けられており、前記湾曲部には内槽の内部に面して開口が設けられており、スプレー口の開口方向は湾曲部の開口方向と同じであり、湾曲部は内槽の内部への延伸長がエルボの延伸長よりも大きいことを特徴とする請求項
15のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項17】
ノズルは装着孔内に挿接され、エルボとノズルの吐水端との接続箇所には、径方向に外側へ突出する第1位置規制リブが周設されており、湾曲部と装着孔との接続箇所には第2位置規制リブが設けられており、第1位置規制リブにおける給水端に面する側と、第2位置規制リブにおける内槽に面する側が位置規制するよう接触することを特徴とする請求項
15又は16に記載の洗濯機。
【請求項18】
ノズルの外周壁には、ノズルの径方向に沿って外側へ突出する突出部が周設されており、装着孔の側壁は上方へ突出するよう延伸しており、突出部のうち吐水端に面する側が装着孔における突出延伸端に位置規制するよう接触することを特徴とする請求項
15~17のいずれか1項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家電製品の分野に属し、具体的には洗剤投入装置に関し、特に洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機の洗剤投入装置は本体に装着される。洗剤投入装置には投入室又は貯液室が設けられており、ユーザが洗浄添加物を手動で投入室又は貯液室に添加したあと、添加された洗浄添加物は洗濯機の給水水流によって洗濯機の貯水槽に押し流される。一般的に、従来の洗浄添加物には2種類の形態が存在し、一つは固形粉末状の粉洗剤、もう一つは液体状の洗濯液、消毒液、柔軟剤等である。
【0003】
通常、粉末状の粉洗剤は室内に直接投入すればよく、洗濯の開始後は、給水によって粉洗剤をそのまま押し流せるようになっている。これに対し、液体状の洗濯添加剤の場合には、押し流す過程で流入水流により予め希釈してから、希釈後の洗浄添加物を押し流せるよう、投入のための密閉された空間が必要となる。
【0004】
現在のところ、洗剤投入装置は、異なる形態の洗浄添加物についてそれぞれ相応の投入を実現するために、一般的には、粉末状の粉洗剤と液体状の洗濯添加剤をそれぞれ異なる投入室から然るべく投入するという方式をとっている。そのため、対応する投入室にはそれ相応の構造が然るべく装着されている。
【0005】
そこで、同一の投入室で固形及び液体状の洗濯添加剤の投入を兼務できるよう、如何にして投入室の内部に調節構造を設けるかが研究開発の焦点となっている。且つ、調節構造を追加したあとに、投入室内の洗濯添加剤の残留を如何にして減少させるかもまた早急に解決を要する技術的課題となっている。
【0006】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消し、タンクの内側壁に、タンクの内部に向かって突出し、且つタンクの軸方向に延伸するボスが設けられており、前記ボスの上面を支持面とする洗剤投入装置を提供することである。当該洗剤投入装置は、支持面に飛散した水流が支持面に沿って流動しないよう阻止し、水流をタンク内へ案内することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0009】
洗剤投入装置であって、タンク及び貯液タンクを含む。タンクの内側壁には、タンクの内部に向かって突出し、且つタンクの軸方向に延伸するボスが設けられている。前記ボスの上面は支持面となっており、貯液タンクがボスの支持面に載置されて支持面の延伸方向に沿って抜き出し移動する。前記ボスには、支持面を貫通する少なくとも1つの切欠きが設けられており、支持面上の水を切欠きからタンク内に向かって流動させる。
【0010】
更に、ボスの端部の支持面には、貫通した切欠きがタンクの底部に向かって設けられており、ボスの端面が切欠きの側壁を形成している。これにより、水流を切欠きの側壁に沿ってタンク内に流動させる。
【0011】
更に、前記支持面は水平方向に延伸している。また、切欠きは、垂直方向にタンクの底部に向かって凹陥し、支持面を貫通する開口である。
【0012】
更に、切欠きから下方に流出した水流をタンクの内部に流れ込ませるよう、タンクの底壁は、ボスの底部からタンクの内部に向かって下方に傾斜して延伸することで斜面を形成している。
【0013】
更に、タンクの底壁には吐水口が設けられている。タンク内の水流を吐水口から流出させるよう、吐水口はタンクの底壁の最も低い位置に設けられている。
【0014】
更に、タンクの一端には貯液タンクを抜き出すための開口が設けられている。タンクの開口箇所の底壁には、ボスの延伸方向に対し垂直な堰止リブが設けられており、堰止リブとボスの端面の間に水路が形成されている。水路は、一端が切欠きの底部と連通しており、他端が前記吐水口と連通している。前記水路はタンクの底壁に沿って傾斜して延伸している。
【0015】
更に、前記支持面は、タンクの側壁からタンクの内部に向かって下方に傾斜している。支持面にはタンクの底部に向かって凹陥する切欠きが設けられており、前記切欠きと支持面の上方のタンクの側壁との間に一定の隙間が保持されている。
【0016】
更に、前記切欠きは、ボスの延伸方向と垂直な横断面が楔形となっている。
【0017】
更に、前記切欠きは、支持面の延伸方向における長さが、支持面からタンクの底部に向かうに従って徐々に狭くなっている。
【0018】
本発明は、更に、上記の洗剤投入装置が装着された洗濯機に関する。
【0019】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0020】
洗剤投入装置は、給水の過程において、水圧が大きいことから、水がボスの支持面に飛散する。水流は、支持面の延伸方向に沿って流動し、コントロールボードやユーザの住居の底板まで流れることで、安全上の潜在リスクを招来してしまう。これに対し、本発明では、ボスの支持面に貫通した切欠きを設け、ガイドレール上の水流をタンクの内部に案内することで、タンクの溢水及び漏水の問題を効果的に解決している。また、切欠きは貯液タンクの抜き出し移動に支障をきたさないため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0021】
また、本発明が解決しようとする別の技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消し、貯液タンクからの洗剤の漏出を防止することを目的とするほか、貯液タンクに対するタンク内の水の逆流を回避することを別の目的とする洗剤投入装置を提供することである。
【0022】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0023】
洗剤投入装置であって、タンクと、タンク内に装着されて洗剤が投入される貯液タンクを含む。前記貯液タンクとタンクとのドッキング箇所には、洗剤をタンクの流路内に引き入れるよう開閉を制御する逆止弁が装着されている。前記逆止弁には、互いに垂直な給液口と吐液口が設けられている。前記給液口は貯液タンクと連通し、前記吐液口には一方向逆止弁が装着される。
【0024】
更に、前記一方向逆止弁は逆止弁に対し垂直にタンク内に縦向きに装着される。一方向逆止弁は、給液端が逆止弁の吐液口と連通し、吐液端が給水流路と連通する。前記一方向逆止弁は、前記逆止弁に対し垂直に設けられる。
【0025】
更に、前記逆止弁内には水平に延伸する流路が設けられており、流路の両端は、給液口と、流路に対し垂直な吐液口とにそれぞれ連通する。
【0026】
更に、前記逆止弁は、ドッキング部に設けられて貯液タンクと連通する空間を含む。前記空間には水平方向に開口する出口が設けられており、前記出口が給液口と連通する。空間の内部には、移動することで出口を然るべく封止又は開放可能なバルブプラグが装着される。前記バルブプラグは、閉止後に出口に密封状に接続される。
【0027】
更に、前記貯液タンクは抜き出し移動可能な引き出しに設けられている。前記逆止弁は、タンクにおけるドッキング箇所に固定装着される押動ロッドを含む。前記押動ロッドは引き出しの抜き出し方向に延伸しており、バルブプラグと押動ロッドが対向して装着される。引き出しとタンクが接続及び固定されると、前記バルブプラグが押動ロッドに押動されて貯液タンクに対し変位可能となり、出口から離開する。
【0028】
更に、前記空間内には戻しバネが設けられている。戻しバネはバルブプラグに覆設される。戻しバネの両端は、空間の内壁と、バルブプラグにおける出口を封止する端部にそれぞれ当接している。引き出しがタンクから抜き出されると、バルブプラグは戻しバネの作用によって出口を密封する。
【0029】
更に、前記逆止弁は、抜き出し方向に後方へ延伸する第1弁体を含み、タンクには、第1弁体と一致する位置に装着される第2弁体が設けられている。第1弁体の内部は中空であって空間の開口に接続され、第2弁体は押動ロッドの外周に周設されている。前記第2弁体と押動ロッドの間には第1弁体を挿入するための隙間が設けられており、第1弁体と第2弁体は密封状に接合及び接続される。好ましくは、第1弁体の延伸端は引き出しの後壁を超えない。
【0030】
更に、前記押動ロッドの外周には、径方向に突出し且つ均一に分布する突出リブが設けられており、隣り合う突出リブの間及び第2弁体の内壁によって流路が形成される。第2弁体には、貫通して流路と連通する吐液口が設けられている。前記吐液口は流路の延伸方向に対し垂直である。
【0031】
更に、第2弁体の外周には複数のパッキンが周設されている。第2弁体の端部には径方向に沿って内側に凹陥する少なくとも1つの凹溝が設けられており、前記凹溝内に第1パッキンが装着される。前記第1パッキンは、挿入端から後方へ傾斜しつつ上方へ延伸している。
【0032】
更に、第2弁体の吐液口の両側には、径方向に沿って内側に凹陥する凹溝がそれぞれ周設されており、前記凹溝内に第2パッキンが装着される。
【0033】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0034】
1.本発明では、引き出しとタンクの間に逆止弁を装着している。引き出しが外側へ抜き出されると、貯液タンクのバルブプラグが後方へ移動して吐液口を自動的に封止することで、抜き出し時の貯液タンクからの液漏れを防止する。一方、引き出しがタンクに押し込まれると、タンク上の押動ロッドがバルブプラグを押動して吐液口を開放することで、貯液タンク内の液体を流出させる。
【0035】
2.本発明では、一方向逆止弁を更に装着している。また、逆止弁には互いに垂直な給液口と吐液口が設けられており、前記給液口が貯液タンクと連通する。これにより、給水流路内の水が逆向きに流路に進入し、貯液タンクに逆流するとの事態が防止される。また、一方向逆止弁は吐液口の上方に垂直に装着されるため、構造がコンパクトになる。
【0036】
また、本発明が解決しようとする別の技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消し、タンクと、タンクの上部に装着されるカバープレートを含む洗剤投入装置を提供することである。カバープレート内には給水流路が設けられている。給水流路には複数の吐水孔が設けられており、少なくとも1つの吐水孔の上部がその他の吐水孔よりも高くなっている。当該洗剤投入装置の目的は、カバープレート内部の水の残留を減少させることである。
【0037】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0038】
洗剤投入装置であって、タンクを含み、タンクの上部がカバープレートから構成される。前記カバープレートの内部の中空空間には給水流路が設けられている。給水流路には複数の吐水孔が設けられており、少なくとも1つの吐水孔の上部がその他の吐水孔よりも高くなっている。
【0039】
更に、前記カバープレートの内部には複数の給水流路が設けられており、給水流路の底部に複数の吐水孔が設けられる。前記吐水孔は第1吐水孔及び第2吐水孔を含み、前記第1吐水孔の上部が第2吐水孔の上部よりも高くなっている。
【0040】
更に、各給水流路の内部には第2吐水孔が少なくとも1つ設けられており、第2吐水孔に近接する位置に第1吐水孔が設けられている。
【0041】
更に、カバープレート内には複数の給水流路が設けられている。各給水流路は給水口において互いに連通しており、カバープレートの中空空間内には少なくとも1つの第1吐水孔が設けられる。
【0042】
更に、カバープレートは密封接続される上カバーと下カバーを含む。下カバーには、上カバーに向かって突出するよう延伸する複数の分水リブプレートが設けられており、隣り合う分水リブプレートの間に給水流路が形成される。また、第1吐水孔の上部は給水流路の中間部、上部よりも高くなっている。
【0043】
更に、下カバーには、上カバーの内部に向かって突出する突出部が設けられている。前記突出部の少なくとも一部は給水流路を貫いており、突出部のうち給水流路を貫く位置に貫通した第1吐水孔が設けられている。好ましくは、前記突出部の高さは分水リブプレートの高さよりも低くなっている。
【0044】
更に、前記吐水孔の一方の側には堰止リブが設けられている。前記堰止リブは、水流を吐水孔に集束するよう給水流路の給水方向と対向して設けられる。
【0045】
更に、前記吐水孔は円柱状の孔であるか、或いは、前記吐水孔は方形の孔であり、前記吐水孔は口が収縮するよう設けられる。
【0046】
更に、本発明は、上記の投入装置を含む洗濯機に関する。前記投入装置は、タンクと、タンクの内部に装着される貯液タンクを含む。前記貯液タンクには給水室が設けられており、カバープレートには貯液タンクに注水するための給水流路が設けられている。前記給水流路は前記給水室に対応して設けられる。
【0047】
更に、給水流路には第1吐水孔と第2吐水孔が設けられている。前記第1吐水孔と第2吐水孔は給水室に対応して設けられ、カバープレートは、第1吐水孔及び/又は第2吐水孔を通じて貯液タンクの給水室に注水する。
【0048】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0049】
1.カバープレートの内部の中空空間には第1吐水孔と第2吐水孔が設けられており、第1吐水孔の上部が第2吐水孔の高さよりも高くなっている。これにより、カバープレート内部の水を効果的に排出可能となるため、水流が長時間にわたってカバープレート内に残留することによる細菌の発生が防止され、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0050】
2.各吐水孔は口が収縮するように設けられている。よって、水が吐水孔から貯液タンクに向かって流出する際に水圧が大きくなり、貯液タンク内の洗剤や柔軟剤が効果的に溶解される。
【0051】
3.各吐水孔における給水流路の水流方向と対向する側には堰止リブが設けられている。堰止リブは水路内の水流を吐水孔に集束するため、水が排出されやすくなる。
【0052】
また、本発明が解決しようとする別の技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消し、投入装置を含み、投入装置の吐水口が窓パッキンを介して内槽と連通することで、洗剤の無駄を回避し、衣類と液体洗剤の接触面積を増加させ、衣類の洗浄比を向上させる洗濯機を提供することである。
【0053】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0054】
洗濯機であって、外槽と、外槽の内部に嵌装される内槽と、給水を利用して洗剤を槽内に投入するための投入装置と、外槽の開口と洗濯機のハウジングの間を接続し、外槽の開口側とハウジングとの隙間を外槽の開口から隔離する窓パッキン、を含む。前記投入装置の吐水口は接続管に接続され、接続管は窓パッキンに挿通される。接続管の挿通端には、洗剤及び/又は水を内槽内に噴射するために、内槽の内部に水を噴射するスプレー口が設けられている。
【0055】
更に、前記窓パッキンは環状であり、窓パッキンの環状の壁には装着孔が設けられている。接続管は窓パッキンの装着孔に挿通される。接続管は、投入装置の内部と内槽の内部を連通させる。
【0056】
更に、装着孔にはノズルが装着されている。ノズルは給水端と吐水端を含む。前記給水端は投入装置の吐水口と対向して設けられ、給水端は接続管の端部に嵌接される。また、ノズルの吐水端は窓パッキンを貫通して内槽に水を噴射する。
【0057】
更に、ノズルの吐水端には円弧状に延伸するエルボが設けられている。エルボには、内槽に向かって洗剤及び/又は水を噴射するスプレー口が設けられている。前記スプレー口の開口方向とノズルの延伸方向は一定の夾角を有しており、前記スプレー口は内槽の内部に面している。
【0058】
更に、前記ノズルは内部が中空の円柱体であり、装着孔はノズルの外周と一致する円柱状の孔である。円柱状の孔の直径は円柱体の外径よりも小さく、円柱体の外周は装着孔の側壁に密封状に接触する。
【0059】
更に、前記ノズルは内部が中空の円錐体であり、吐水端の外周の直径は給水端の外周の直径よりも小さくなっている。装着孔の側壁はテーパー状となっている。装着孔のうち窓パッキンの中心に面する一端の開口は、窓パッキンの外部に面する開口よりも小さくなっており、装着孔とノズルの外周壁とが互いに一致して密封状に装着される。
【0060】
更に、装着孔には、エルボと一致する湾曲部が内部に向かって設けられており、前記湾曲部には内槽の内部に面して開口が設けられている。スプレー口の開口方向は湾曲部の開口方向と同じである。また、湾曲部は、内槽の内部への延伸長がエルボの延伸長よりも大きい。
【0061】
更に、ノズルは装着孔内に挿接される。エルボとノズルの吐水端との接続箇所には、径方向に外側へ突出する第1位置規制リブが周設されている。また、湾曲部と装着孔との接続箇所には第2位置規制リブが設けられており、第1位置規制リブにおける給水端に面する側と、第2位置規制リブにおける内槽に面する側が位置規制するよう接触する。
【0062】
更に、ノズルの外周壁には、ノズルの径方向に沿って外側へ突出する突出部が周設されている。また、装着孔の側壁は上方へ突出するよう延伸しており、突出部のうち吐水端に面する側が装着孔における突出延伸端に位置規制するよう接触する。
【0063】
更に、投入装置の底壁は傾斜して装着され、底壁のうち窓パッキンに面する側が最も低い位置に配置される。吐水口は前記最も低い位置に設けられ、且つ、吐水口の開口と内槽の開口は方向が同じである。前記吐水口は装着孔と対向して設けられ、接続管の両端はそれぞれ吐水口とノズルの給水端に接続される。
【0064】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0065】
1.本発明では、投入装置の吐水口と内槽を連通させて、洗剤及び/又は水を吐水口から内槽内における洗濯待ちの衣類に直接噴射する。よって、洗剤の利用率が向上し、洗剤が槽底に堆積するとの事態が防止される。更には、衣類の洗浄比が向上し、ユーザエクスペリエンスが高まる。
【0066】
2.ノズルの吐水端にはエルボが設けられ、エルボには内槽に液体洗剤を噴射するスプレー口が設けられている。前記スプレー口は内槽に面して設けられ、一定の衝撃速度で内槽内に液体洗剤を噴射し、液体洗剤が内槽内の衣類に対し洗い流し及び洗浄を行う。これにより、衣類と液体洗剤の接触面積が増加するため、衣類の洗浄効率が向上する。
【0067】
3.投入装置と窓パッキンはホースを介して接続される。ホースによって液体洗剤を案内することで、流動過程における液体洗剤のエネルギー損失が減少し、流速が上昇する。
【0068】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0069】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】
図1は、本発明の実施例におけるタンクの構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例における貯液タンクの構造図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例におけるボスの側面図である。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施例におけるボスの側面図である。
【
図6】
図6は、
図3の別のガイドレールのA-A断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例における洗剤投入装置の構造を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例における引き出しを外部に抜き出した場合を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例におけるカバープレートの下カバーの構造図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例における投入装置の構造図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例における下カバーの平面図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例における吐水孔の原理図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例における投入装置と窓パッキンの側面図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施例における投入装置と窓パッキンの正面図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施例におけるノズルの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0072】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0073】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0074】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0075】
図1~
図6に示すように、本発明の実施例で記載する洗剤投入装置は、タンク1と、タンク1内に装着されて相対的に抜き出し移動可能な貯液タンク2を含む。タンク1の中央部には収容室が設けられている。収容室の両側の側壁には、タンク1の内部に向かって突出し、且つタンク1の軸方向に延伸するボス11が設けられている。前記ボス11の上面は支持面となっており、貯液タンク2には、支持面に沿って摺動するガイドリブ21が設けられている。貯液タンク2のガイドリブ21はボス11の支持面に載置され、支持面の延伸方向に沿って抜き出し移動する。前記貯液タンク2には給水室20が設けられている。また、タンク1の上部にはカバープレートが装着される。カバープレートの内部には水路系統が集積されており、前記カバープレートから貯液タンク2の給水室20内に水が供給される。給水室20の側壁とタンク1の側壁の間には隙間が保持されている。給水室20に水を供給する過程では、水沫が隙間に飛散する。そして、タンク1の側壁に沿ってボス11の支持面へと流れると、水流は支持面に沿って外部に向かって流動する。しかし、前記ボス11には、支持面を貫通する少なくとも1つの切欠き110が設けられているため、支持面上の水は切欠き110から下方に向かってタンク1内へと流れる。また、タンク1の底部には吐水口10が設けられており、水流はタンク1の底部の吐水口10を通じて洗濯機の内槽内に流れ込む。これにより、水流が支持面に沿って流出しないよう阻止されるため、タンク1からの溢水及び漏水の問題が効果的に解決される。また、切欠き110は貯液タンク2の正常な抜き出し移動に支障をきたさない。
【0076】
本発明の実施例において、前記ボス11は、タンク1の側壁に密着するプレート状構造をなしており、プレート状構造の上面が支持面を形成している。支持面には間隔を隔てて配置される複数の切欠き110が設けられている。また、前記支持面は水平方向に延伸している。切欠き110は、垂直方向に凹陥し、ボス11を貫通する開口である。前記切欠き110におけるプレート状構造の側面と交差する開口は、タンク1の底壁と一定の距離を隔てている。或いは、前記切欠き110は、支持面からタンク1の底壁に向かって凹陥しており、前記切欠き110におけるプレート状構造の側面と交差する開口がタンク1の底壁と重なり合っている。この場合、前記ボス11は、切欠き110によって複数の部分に分割される。
【0077】
本発明の実施例において、前記支持面は、タンク1の側壁からタンク1の内部に向かって下方に傾斜している。支持面には、タンク1の底部に向かって凹陥する切欠き110が設けられている。切欠き110には、ボス11の側壁に面する開口が設けられており、前記開口とタンク1の側壁の間に一定の隙間が保持されている。隙間部分の支持面は、貯液タンク2のガイドリブ21を支持可能であり、ガイドレールに沿う貯液タンク2の抜き出し移動に支障をきたさない。
【0078】
本発明の実施例において、
図5に示すように、前記切欠き110は、ボス11の延伸方向と垂直な横断面が直角となっている。或いは、
図6に示すように、前記切欠き110は、ボス11の延伸方向と垂直な横断面が楔形となっている。この場合、水流は楔形面に沿って下方に流動しやすくなるため、切欠き110内での水溜まりが防止され、水流が迅速に流れ落ちる。なお、図中の矢印方向が水流の方向である。
【0079】
本発明の実施例において、
図4に示すように、前記切欠き110は、支持面の延伸方向における長さが、支持面からタンク1の底部に向かうに従って徐々に狭くなっている。これにより、水流は迅速に切欠き110に沿って流れ出し、切欠き110の複数の面に沿って落下可能となる。
【0080】
図1に示すように、本実施例で記載するボス11の端部には、貫通した第2切欠き111が設けられており、ボス11の端面が切欠き110の側壁を形成している。第2切欠き111は、支持面からタンク1の底壁に向かって凹陥しており、第2切欠き111の底壁とタンク1の底壁が重なり合っている。水流は、支持面に沿ってタンク1の切欠き110まで流れると、そのままボス11の端面に沿ってタンク1の内部へと流れ込む。ボス11の端面は傾斜して設けられているため、第2切欠き111は垂直方向においてボス11の高さよりも低くなっている。或いは、支持面とボス11の端面との接続箇所に面取りが施されている。これにより、支持面上の水はボス11の端面に沿ってタンク1の内部へと流れ込みやすくなる。また、貯液タンク2の装着過程で貯液タンク2をタンク1の内部に挿入しやすくなる。
【0081】
本実施例では、タンク1の一端に、貯液タンク2を抜き出すための開口が設けられている。また、タンク1の開口箇所の底壁には、ボス11の延伸方向に対し垂直な堰止リブ12が設けられており、堰止リブ12とガイドレールの端面の間に水路13が形成されている。また、タンク1の底部には吐水口10が設けられており、吐水口10と洗濯機の内槽及び/又は外槽が連通している。水路13は、一端が切欠き110の底部と連通しており、他端が前記吐水口10と連通している。切欠き110から落下した水流はタンク1に向かって流れ、吐水口10を通じて洗濯機の内槽及び/又は外槽に送られる。
【0082】
本実施例において、前記タンクの底壁は、ボスの底部からタンクの内部に向かって下方に傾斜して延伸することで斜面14を形成している。これにより、切欠きから下方に流出した水流は、迅速にタンクの内部に流れ込む。また、タンクの底壁は、吐水口10がタンク1の最も低い位置に設けられるよう、全周が吐水口に向かって傾斜するよう下方に延伸している。よって、タンク1内の水は吐水口10を通じて外槽又は内槽内に向かって流れる。
【実施例2】
【0083】
本発明は、更に、上記実施例の洗剤投入装置が装着されており、洗濯機の漏水問題を解決してユーザエクスペリエンスを向上させる洗濯機を開示する。
【実施例3】
【0084】
図7~
図10に示すように、本発明の実施例で記載する洗剤投入装置は、タンク1と、タンク1の内部に装着される引き出しを含む。前記引き出しは、タンク1に対して抜き出し移動可能である。前記引き出しの前端は、ユーザが抜き出す際の持ち手となっており、引き出しの後端には洗剤を投入するための貯液タンク2が設けられている。貯液タンク2の洗剤は、水とともに洗濯機に流れ込む。タンク1には給水流路が設けられており、貯液タンク2は給水流路と連通する。また、貯液タンク2と給水流路には逆止弁15が装着されている。引き出しが外部に抜き出されると、逆止弁15は自動的に閉止して、貯液タンク2内の液体が流出しないよう防止する。一方、引き出しがタンク1に押し込まれると、逆止弁15は自動的に開放されて貯液タンク2と給水流路を連通させる。
【0085】
本実施例において、前記逆止弁15は、貯液タンク2と連通する給液口と、給水流路と連通する吐液口33を含んでいる。前記給液口と吐液口33は垂直に設けられる。逆止弁15の吐液口33と給水流路の間の流動経路上には一方向逆止弁6が設けられている。逆止弁15は水平に設置され、前記一方向逆止弁6はタンク1の後端に縦向きに固定される。前記一方向逆止弁6の給液端は逆止弁15の吐液口33と連通し、吐液端は給水流路と連通する。これにより、給水流路内の水が流路内に逆向きに進入し、貯液タンク2に逆流するとの事態が防止される。
【0086】
上記の設置によれば、逆止弁15と一方向逆止弁6によって液体洗剤の流動経路が構成され、貯液タンク2内の洗剤が給水流路に案内されて、洗濯機内に投入される。
【実施例4】
【0087】
図7~10に示すように、本発明の実施例で記載する逆止弁15は、ドッキング箇所に設けられて貯液タンク2と連通する空間25と、タンク1におけるドッキング箇所に固定装着される押動ロッド30を含む。前記空間25には出口が設けられており、前記出口が給液口と連通する。また、空間25の内部には、バネと、バネによって位置復帰するバルブプラグ22が装着及び嵌設されている。引き出しがタンク1に推し込まれて接続されると、押動ロッド30がバルブプラグ22を押し出して出口から離開させる。一方、引き出しがタンク1から抜き出されると、バルブプラグ22がバネの力の作用で出口位置に押し付けられ、出口を密封することで貯液タンク2からの液体の流出を防止する。
【0088】
本実施例において、前記逆止弁15は引き出しの後部に設けられている。逆止弁15は、抜き出し方向に後方へ延伸する第1弁体23を含んでいる。また、タンク1における第1弁体23と一致する位置には第2弁体32が装着されている。第1弁体23の内部は中空であり、空間25の開口に接続される。また、第2弁体32は押動ロッド30の外周に周設されている。前記第2弁体32と押動ロッド30の間には第1弁体23を挿入するための隙間が設けられており、第1弁体23と第2弁体32が密封接続される。前記第1弁体23は内部が中空の円柱体であり、前記第2弁体32も同様に内部が中空の円柱体である。第1弁体23は前記第2弁体32に然るべく挿接されて密封状に固定される。
【0089】
本実施例において、前記空間25には開口が設けられており、空間25の開口が第1弁体23の内部と連通する。前記空間25内には、引き出しの抜き出し方向において貯液タンク2に対し相対的に変位するバルブプラグ22が設けられている。前記バルブプラグ22は、空間25の出口を然るべく封止又は開放する。バルブプラグ22の端部の外周には、出口を密封するパッキンが覆設されている。また、バルブプラグ22には戻しバネ24が覆設されている。戻しバネ24はバルブプラグ22と同軸に設けられる。戻しバネ24の両端は、空間25の内壁と、バルブプラグ22における出口を封止する端部にそれぞれ当接している。
【0090】
本実施例において、第2弁体32の内部には、軸方向に延伸する押動ロッド30が設けられている。押動ロッド30のうち吐液口33に面する一端は第2弁体32の内壁に固定されており、他端は懸設されている。また、前記押動ロッド30と第2弁体32の間に一定の隙間を保持することで流路が形成される。押動ロッド30とバルブプラグ22は対向して設けられる。引き出しがタンク1に押し込まれると、第1弁体23と第2弁体32が然るべく挿接されて、流路が空間25の開口と吐液口33を連通させる。そして、押動ロッド30とバルブプラグ22が接触し、バルブプラグ22が押動ロッド30に押動されて貯液タンク2の前端に向かって移動することで開口が開放される。これにより、液体洗剤が空間25に進入して開口から流路に流れ込み、吐液口33から一方向逆止弁6に向かって流れ、給水流路内に進入する。一方、引き出しが外部に抜き出されると、押動ロッド30とバルブプラグ22が分離して、バルブプラグ22が戻しバネ24の作用によって開口を然るべく封止する。これにより、貯液タンク2内の液体洗剤の流出が防止される。
【0091】
本実施例において、前記押動ロッド30の外周には、径方向に突出し且つ均一に分布する突出リブが設けられており、隣り合う突出リブの間及び第2弁体32の内壁によって流路が形成される。
【0092】
本実施例において、第1弁体23は貯液タンク2の後部の下側に設けられている。また、第1弁体23の延伸端は引き出しの後壁を超えない。第1弁体23と貯液タンク2の外壁の間には、第2弁体32を挿入するための円柱状の挿接溝が形成されている。これにより、引き出しをタンク1に押し込んだあとに構造全体がコンパクトとなり、占有面積が小さくなる。第2弁体32の外周は、挿接溝における貯液タンク2に面する側の内壁に密封接続される。第2弁体32のうち挿接溝と対向する外周には少なくとも1つの凹溝34が周設されており、凹溝34内に第1パッキン4が嵌設される。前記第1パッキン4は、第2弁体32を挿接溝内に挿入しやすいよう、第2弁体32の挿入端から後方へ傾斜しつつ上方へ突出するよう延伸している。
【0093】
本実施例において、第2弁体32には、流路の延伸方向に対して垂直な吐液口33が設けられている。前記吐液口33は第2弁体32の外周壁を貫通している。第2弁体32の軸方向における吐液口33の両側には、それぞれ凹溝34が周設されており、凹溝34にパッキンが嵌設されている。前記パッキンの直径は凹溝34の深さよりも大きい。第2弁体32の吐液口33には一方向逆止弁6が装着される。前記一方向逆止弁6の給水端面は、第2弁体32の外周壁に密封接続される。
【0094】
本実施例において、第2弁体32の一端には固定ベース32が設けられている。前記固定ベース32は、ボルトで取り外し可能にタンク1の後壁に固定される。タンク1の後壁には貫通した装着孔が設けられており、前記第2弁体32がタンク1の外部から装着孔に挿通されるとともに、固定ベース32がタンク1の後壁の外部に位置規制される。
【実施例5】
【0095】
図11~
図14は、本発明の実施例で記載する投入装置の給水経路を示している。前記投入装置は、タンク1と、タンク1の上部に装着されるカバープレートと、タンク1の両側に沿って抜き出し可能な貯液タンク2を含んでいる。カバープレート内には貯液タンク2に注水するための給水流路72が設けられており、貯液タンク2の内部には、洗剤、又は粉末洗剤、又は柔軟剤を投入するための給水室が設けられている。給水流路72は給水室に対応して設けられる。給水流路72には間隔を隔てて配置される複数の吐水孔が設けられており、少なくとも1つの吐水孔の上部がその他の吐水孔よりも高くなっている。カバープレートは、各吐水孔を通じて貯液タンク2の内部に水流を送り、洗剤を溶解させる。
【0096】
本発明の実施例において、カバープレートは内部が中空の筐体であり、筐体の内部に複数の給水流路72が設けられている。給水流路72の一端には給水口73が設けられている。給水口73には電磁弁が接続され、電磁弁によって給水流路72内の水流が自動的に制御される。給水流路72の底部には複数の吐水孔が設けられており、少なくとも1つの吐水孔におけるカバープレートの内部に向かう突出高さが、少なくとも給水流路72の中間部や上部よりも高くなっている。
【0097】
本発明の実施例において、前記カバープレートは、然るべく密封接続される上カバー8と下カバー7を含む。下カバー7には、上カバー8に向かって突出する複数の分水リブプレート71が設けられており、隣り合う分水リブプレート71の間に水を通過させるための給水流路72が形成されている。給水流路72の底面には、順に間隔を隔てて配置される複数の吐水孔が設けられている。前記吐水孔は、第1吐水孔75及び第2吐水孔74を含み、前記第1吐水孔75の上部が第2吐水孔74の上部よりも高くなっている。各給水流路72の内部には第2吐水孔74が少なくとも1つ設けられており、第2吐水孔74に近接する位置に第1吐水孔75が設けられている。
【0098】
本発明の実施例において、下カバー7には、上カバー8に向かって突出する複数の分水リブプレート71が設けられており、隣り合う分水リブプレート71の間に水を通過させるための給水流路72が形成されている。各給水流路72の内部には少なくとも1つの第1吐水孔75が設けられる。各給水流路72は前記給水口73と連通する。また、下カバー7には少なくとも第1吐水孔75が1つ設けられている。
【0099】
本発明の実施例において、下カバー7には、上カバー8に向かって突出する突出部76が設けられている。前記突出部76の高さは分水リブプレート71の高さよりも低くなっている。前記突出部76の少なくとも一部は給水流路72を貫いており、突出部76のうち給水流路72を貫く位置に貫通した第1吐水孔75が設けられている。前記第1吐水孔75の直径は、第2吐水孔74の直径よりも大きい。電磁弁への電気供給が停止すると、給水流路72の内部の水量は減り続け、一定のレベルまで減少したあと、表面張力によって水は筐体の内部に保持される。しかし、第1吐水孔75の位置は高くなっており、且つ直径が大きいことから、このとき、第1吐水孔75内には水が存在しなくなる。一方で、第1吐水孔75は給水室と筐体の内部を連通させているため、気体は給水室から第1吐水孔75を通じて筐体の内部に進入する。よって、筐体内と貯液タンク2の給水室内の気圧は均衡する。また、第2吐水孔74部分の水は高さ方向において液位差が存在するため、水圧によって水が表面張力に抗し、第2吐水孔74から流出する。これにより、カバープレート内部の水たまりが解消される。
【0100】
上記の設置によれば、カバープレートから貯液タンク2の内部に注水する過程では、吸気孔と吐水孔の双方から吐水可能なため、水流の流動が加速される。また、電磁弁が閉止すると、貯液タンク2の空気は吸気孔を通じてカバープレート内に流動し、カバープレート内に残留した水は吐水孔を通じて流出する。よって、水が長時間にわたってカバープレート内に残留することで細菌が発生するとの事態が回避される。
【0101】
図11及び
図13に示すように、本実施例で記載する下カバー7には上カバー8に向かって突出する突出部76が設けられている。突出部76は少なくとも1つの給水流路72を貫いており、給水流路72の内部を貫く突出部76に第1吐水孔75が設けられている。突出部76におけるカバープレートの内部に向かう突出高さは分水リブプレート71の高さを超えないため、給水流路72の詰まりが防止される。また、突出部76の高さは分水リブプレート71の1/2よりも低くはしない。給水流路72の内部の第1吐水孔75と第2吐水孔74は、交差するよう配列される。
【0102】
本実施例において、突出部76は長方形である。突出部76は複数の給水流路72を貫いており、給水流路72の内部を貫く突出部76に少なくとも1つの第1吐水孔75が設けられている。
【0103】
本実施例において、突出部76は円柱状である。各水路の内部には少なくとも1つの円柱状の突出部76が設けられている。円柱状の突出部76の直径は給水流路72の幅よりも小さく、突出部76と分水リブプレート71の間に隙間が保持されている。
【実施例6】
【0104】
図11及び
図12に示すように、本実施例で記載する下カバー7には給水室に対応する給水流路72が設けられている。給水流路72には間隔を隔てて配置される複数の第1吐水孔75と第2吐水孔74が設けられている。第1吐水孔75の上部の高さは、前記第2吐水孔74の上部の高さよりも大きくなっている。また、前記第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74は口が収縮するように設けられている。即ち、第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74は、貯液タンク2に面する側の開口がカバープレートの内部に面する側の開口よりも小さくなっている。これにより、貯液タンク2の内部に向かう水流の流速が加速し、洗剤が迅速に溶解される。
【0105】
本実施例において、前記第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74は円柱状の孔である。或いは、前記第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74は方形の孔である。
【0106】
本実施例において、前記第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74の一方の側には堰止リブ77が設けられている。水流を第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74に集束するために、前記堰止リブ77は給水流路72の給水方向と対向するよう設けられている。堰止リブ77は、第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74の周縁に沿ってカバープレートの内部に向かって突出するよう延伸している。堰止リブ77は、第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74の周縁と形状が同じである。
【実施例7】
【0107】
図11~
図14に示すように、本実施例で記載する洗濯機には投入装置が装着されている。前記投入装置は、カバープレートと、カバープレートの底部に装着される貯液タンク2を含む。貯液タンク2には給水室が設けられており、前記カバープレートには間隔を隔てて配置される複数の第1吐水孔75と第2吐水孔74が設けられている。前記給水室は、カバープレート上の第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74に対応して設けられる。カバープレートは、第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74を通じて給水室内に水流を送る。
【0108】
本実施例において、前記カバープレートの内部は密閉された空間となっている。カバープレートには、給水口73と、給水口73と連通する複数の給水流路72が設けられている。各給水流路72は分水リブプレート71によって隔離されている。また、各給水流路72は給水口73において互いに連通している。空間内には少なくとも1つの第1吐水孔75が設けられている。また、カバープレートは、給水口73を通じて電磁弁に接続される。前記第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74は、貯液タンク2の給水室と連通する。
図2に示すカバープレートには3つの給水流路72が設けられている。貯液タンク2の給水室は、第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74を通じて各給水流路72とそれぞれ連通する液体洗剤室、粉末洗剤室及び柔軟剤室を含む。電磁弁は、カバープレート内部の水流の通過及び遮断を制御する。電磁弁がオンになると、水圧の作用によって、水は給水流路72沿いに流動し、第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74に到達したあと、第1吐水孔75及び/又は第2吐水孔74に沿って貯液タンク2の給水室の内部に進入する。一方、電磁弁がオフになると、カバープレートの給水口73は閉止される。このとき、
図3に示すように、気体が給水室から吸気孔を通じてカバープレートの内部に進入するため、カバープレート内と貯液タンク2の内部の気圧が均衡する。また、第2吐水孔74部分の水には高さ方向において液位差が存在するため、残った水が吐水孔から流出する。
【実施例8】
【0109】
本発明の実施例では、ドラム洗濯機を提供する。当該ドラム洗濯機は、外槽と、外槽の内部に嵌装される内槽を含む。外槽の開口と洗濯機のハウジングの間には窓パッキン900が装着されており、外槽の開口側とハウジングとの隙間を外槽の開口から隔離している。前記ドラム洗濯機は、更に、給水を利用して洗剤を槽内に投入する投入装置9を含む。投入装置9の底壁は下方に傾斜して装着され、投入装置9の最も低い位置に、内槽の開口方向に延伸する吐水口90が設けられている。投入装置9の吐水口90は、液体洗剤を内槽内に噴射するために、接続管901を介して窓パッキン900を貫通し、内槽の内部と連通している。前記投入装置9の吐水口90は接続管901に接続されており、接続管901が窓パッキン900に挿通されている。接続管901の挿通端には、洗剤及び/又は水を内槽内に噴射するために、内槽の内部に水を噴射するスプレー口930が設けられている。
【0110】
本発明の実施例において、窓パッキン900には装着孔が設けられている。前記投入装置9の吐水口90は装着孔と対向して設けられ、装着孔内にノズル902が装着される。ノズル902には、給水端931及び吐水端が設けられている。洗剤及び/又は水を洗濯機の内槽内に送るために、接続管901の両端は、それぞれ投入装置9の吐水口90及びノズル902の給水端931に接続されて、内槽の内部と投入装置9の内部を連通させている。また、装着孔と吐水口90の距離をできるだけ短くするために、前記装着孔は窓パッキン900における洗剤ケースの吐水口90に面する側に設けられている。これにより、流動過程における液体洗剤のエネルギー損失が減少し、流速が上昇するため、液体洗剤は一定の速度で内槽内に噴射される。
【0111】
上記の設置によれば、水流は、投入装置9を通じて内槽に直接進入するため、外槽に洗剤が過剰に残留することがなく、洗剤の利用率が向上する。また、内槽内に進入する水流は一定の速度を有して洗濯待ちの衣類を洗い流すことが可能なため、衣類の浸漬時間が短縮されるとともに、衣類の洗浄比が向上する。
【実施例9】
【0112】
図15~18に示すように、本実施例で記載するノズル902は窓パッキン900に装着される。前記窓パッキン900は環状である。窓パッキン900の環状の壁には貫通した装着孔が設けられており、ノズル902が装着孔内に装着される。ノズル902の対向する両端は、それぞれ給水端931及び吐水端となっている。前記給水端931は窓パッキン900の径方向に沿って外側に突出するよう延伸し、投入装置9の吐水口90と対向して設けられる。ノズル902の給水端931は、ホースの端部に嵌設及び接続される。また、前記吐水端は、窓パッキン900の環状の壁を貫通して内槽の内部と連通しており、洗剤及び/又は水を内槽内に直接送り込む。これにより、液体洗剤が外槽の内壁に付着するとの問題が解決され、大部分の液体洗剤が衣類に直接触れるため、衣類の洗浄比が向上する。
【0113】
本実施例において、ノズル902の吐水端には、円弧状に延伸するエルボ932が設けられている。エルボ932には、内槽に向かって洗剤及び/又は水を噴射するスプレー口930が備わっている。前記スプレー口930の開口方向とノズル902の延伸方向は一定の夾角を有しており、エルボ932の開口が内槽の内部に面している。スプレー口930は、内槽内に水流を噴射するために、内槽の開口とは逆方向を向いている。また、スプレー口930と給水口は一定の角度をなしている。好ましくは、スプレー口930の方向は給水端931の延伸方向に対し90°をなしている。これにより、投入装置9から流出した液体洗剤を内槽の洗濯待ち衣類に噴射して、衣類の洗い流し及び洗浄を行うことが可能となるため、衣類と液体洗剤との接触面積が増加し、洗剤の利用率及び衣類の洗浄比が向上する。
【0114】
本実施例において、前記ノズル902は内部が中空の円柱体であり、装着孔はノズル902の外周と一致する円柱状の孔である。円柱状の孔の直径は円柱体の外径よりも小さくなっており、円柱体の外周が装着孔の側壁に密封状に接触することで、液体洗剤がノズル902を通過する際の流速が変わらないように維持している。
【0115】
本実施例において、前記ノズル902は内部が中空の円錐体であり、吐水端の外周の直径が給水端931の外周の直径よりも小さくなっている。また、装着孔の側壁はテーパー状となっている。装着孔のうち窓パッキン900の中心に面する一端の開口は、窓パッキン900の外部に面する開口よりも小さくなっており、装着孔とノズル902の外周壁とが互いに一致して密封状に装着される。液体洗剤は、吐水端からスプレー状に噴射されるため、水流の速度を上昇させられる。これにより、衣類に対する液体洗剤の洗い流し力を向上させて、衣類の洗い流し及び洗浄を行う。
【0116】
本実施例において、ノズル902は、装着孔から直接差し込むことで装着される。装着孔には、エルボ932と一致する湾曲部922が内部に向かって設けられている。前記湾曲部922には内槽の内部に面して開口が設けられており、エルボ932のスプレー口930の方向は湾曲部922の開口方向と同じである。湾曲部922は、内槽の内部への延伸長がエルボ932の延伸長よりも大きい。湾曲部922は液体洗剤を案内することで、水流を洗濯待ちの衣類に直接衝突させる。一方、湾曲部922の延伸長を短くすれば、ノズル902の挿接及び装着が容易となる。ノズル902は装着孔内に挿接される。エルボ932とノズル902の吐水端との接続箇所には、径方向に外側へ突出する第1位置規制リブ934が周設されている。また、湾曲部922と装着孔との接続箇所には第2位置規制リブ923が設けられており、第1位置規制リブ934における給水端931に面する側と、第2位置規制リブ923における内槽に面する側が位置規制するよう接触する。ノズル902の外周壁には、ノズル902の径方向に沿って外側へ突出する突出部933が周設されている。また、装着孔の側壁は上方へ突出するよう延伸しており、突出部933のうち吐水端に面する側が装着孔における突出延伸端に位置規制するよう接触する。これにより、ノズル902全体が装着孔内に固定されるため、洗濯機の輸送や洗濯過程でノズル902が振動により抜け落ちるとの事態が回避される。
【実施例10】
【0117】
本実施例は、実施例2と以下の点において異なっている。即ち、本実施例では、窓パッキン900と投入装置9が直接接続される。前記窓パッキン900には、貫通した装着孔が設けられている。装着孔のうち投入装置9に面する側は、窓パッキン900の径方向に突出するよう延伸して延伸部921を形成している。また、装着孔のうち窓パッキン900の内部に面する側には湾曲部922が設けられており、湾曲部922には開口が設けられている。前記開口は内槽の内部に面しており、開口と装着孔が一定の角度をなしている。接続管901の両端は、それぞれ投入装置9の吐水口90と装着孔の延伸部921に接続される。これにより、投入装置9から流出した液体洗剤を内槽の洗濯待ち衣類に噴射して、衣類の洗い流し及び洗浄を行うことが可能となるため、衣類と液体洗剤との接触面積が増加し、洗剤の利用率及び衣類の洗浄比が向上する。
【0118】
本実施例において、装着孔の延伸部921と接続管901は取り外し可能に挿接及び固定される。接続管901のうち延伸部921に接続される一端は硬質材料からなる。装着孔の直径は接続管901の直径よりもやや小さく、接続管901を装着孔の内部に挿入すると、接続管901と装着孔の接続箇所が密封状に設置される。
【0119】
上記の設置によれば、部品が減少し、コストダウンとなる。また、窓パッキン900の装着孔と投入装置9が直接接続されるため、装着が容易となる。
【0120】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0121】
1 タンク
10 吐水口
11 ボス
110 切欠き
111 第2切欠き
12 堰止リブ
13 水路
14 斜面
2 貯液タンク
20 給水室
21 ガイドリブ
22 バルブプラグ
23 第1弁体
24 戻しバネ
25 空間
30 押動ロッド
31 第2弁体
32 固定ベース
33 吐液口
34 凹溝
4 第1パッキン
5 第2パッキン
6 一方向逆止弁
15 逆止弁
7 下カバー
8 上カバー
71 分水リブプレート
72 給水流路
73 給水口
74 第2吐水孔
75 第1吐水孔
76 突出部
77 堰止リブ
9 投入装置
90 吐水口
900 窓パッキン
921 延伸部
922 湾曲部
923 第2位置規制リブ
902 ノズル
931 給水端
932 エルボ
930 スプレー口
933 突出部
934 第1位置規制リブ
901 接続管