(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】3次元測定装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20221110BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G01B11/24 K
G01B11/00 H
(21)【出願番号】P 2020547739
(86)(22)【出願日】2018-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2018036029
(87)【国際公開番号】W WO2020065850
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】田端 伸章
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-180645(JP,A)
【文献】特開2018-146521(JP,A)
【文献】特開2012-053015(JP,A)
【文献】特開2004-144612(JP,A)
【文献】特開2017-142188(JP,A)
【文献】特開平01-173804(JP,A)
【文献】特開2009-097941(JP,A)
【文献】特開2012-141206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 - 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相シフト法により3次元情報を測定する第1測定部と、
光切断法により3次元情報を測定する第2測定部と、
前記第1測定部および前記第2測定部の両方の測定結果に基づいて、測定対象の3次元情報を取得する制御部と、を備え、
前記第1測定部は、前記測定対象の各位置にお
ける高さ情報を
複数測定するように構成されており、
前記制御部は、
前記測定対象の各位置ごとに、前記第1測定部の測定による複数の前記高さ情報と、前記第2測定部の測定による前記高さ情報と、に基づいて、1つの前記高さ情報を取得する、3次元測定装置。
【請求項2】
位相シフト法により3次元情報を測定する第1測定部と、
光切断法により3次元情報を測定する第2測定部と、
前記第1測定部および前記第2測定部の両方の測定結果に基づいて、測定対象の3次元情報を取得する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1測定部の測定に基づいて、各位置における高さを示す高さ情報、および、各位置における前記高さ情報の信頼度を示す信頼度情報を取得し、前記第2測定部の測定に基づいて、前記高さ情報および前記信頼度情報を取得するとともに、前記第1測定部の測定による前記高さ情報および前記信頼度情報と、前記第2測定部の測定による前記高さ情報および前記信頼度情報と、に基づいて、1つの前記高さ情報を取得するように構成されている、3次元測定装置。
【請求項3】
位相シフト法により3次元情報を測定する第1測定部と、
光切断法により3次元情報を測定する第2測定部と、
前記第1測定部および前記第2測定部の両方の測定結果に基づいて、測定対象の3次元情報を取得する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1測定部の測定結果による突起形状を、前記第2測定部の測定結果に基づいてノイズであるか構造物であるかを判断するように構成されている、3次元測定装置。
【請求項4】
前記第1測定部は、第1撮像部と、前記第1撮像部により撮像する第1測定パターンを投影する第1投影部とを含み、前記第1撮像部および前記第1投影部のうち一方は、基準面に対して垂直方向に光軸が配置され、前記第1撮像部および前記第1投影部のうち他方は、一方の光軸方向に対して傾斜した方向に光軸が配置されているとともに複数設けられており、
前記第2測定部は、前記基準面の垂直方向とは傾斜した方向に光軸が配置され、テレセントリック光学系を有する第2撮像部と、前記基準面に対して前記第2撮像部の光軸が正反射した方向の位置に配置され、前記第2撮像部により撮像するライン状の第2測定パターンを投影する第2投影部と、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の3次元測定装置。
【請求項5】
前記第1測定部は、複数の方向から第1測定パターンを投影して3次元情報を測定するように構成されており、
前記制御部は、前記第1測定部の測定に基づいて、複数の前記高さ情報および前記信頼度情報を取得するとともに、前記第1測定部の測定による複数の前記高さ情報および複数の前記信頼度情報と、前記第2測定部の測定による前記高さ情報および前記信頼度情報と、に基づいて、1つの前記高さ情報を取得するように構成されている、請求項2に記載の3次元測定装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2測定部により測定した前記信頼度情報の信頼度が低い前記高さ情報を、前記第1測定部により測定した前記高さ情報により補完するように構成されている、請求項5に記載の3次元測定装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1測定部の第1測定パターンを投影する方向が前記測定対象により影となると推定される場合、影となる方向からの測定結果を除外して、前記高さ情報を補完するように構成されている、請求項6に記載の3次元測定装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1測定部の複数の測定による輝度差に基づいて、各位置における前記信頼度情報を取得するように構成されている、請求項2、5、6または7に記載の3次元測定装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2測定部の測定による輝度値に基づいて、各位置における前記信頼度情報を取得するように構成されている、請求項2、5、6、7または8に記載の3次元測定装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1測定部による測定の前に、前記第2測定部により測定を行い、前記第2測定部の測定結果に基づいて、前記第1測定部の測定高さ位置を調整する制御を行うように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の3次元測定装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1測定部による測定の前に、前記第2測定部により測定を行い、前記第2測定部の測定結果に基づいて、前記測定対象の平面位置情報を取得し、前記第1測定部による測定の平面位置を調整する制御を行うように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の3次元測定装置。
【請求項12】
前記測定対象は、電子部品が実装された基板である、請求項1~11のいずれか1項に記載の3次元測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、3次元測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3次元測定装置が知られている。このような3次元測定装置は、たとえば、特開2000-193432号公報に開示されている。
【0003】
上記特開2000-193432号公報には、ライン状のレーザ光を基準面に対して斜め方向から投影して撮像を行う光切断法により3次元形状を測定する測定部を備える3次元測定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特開2000-193432号公報の3次元測定装置では、ライン状のレーザ光を基準面に対して斜め方向から投影しているため、レーザ光が測定対象の3次元形状により影となる領域ができてしまう。このため、影の影響により、測定対象の3次元形状を精度よく測定することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、測定対象の3次元情報を精度よく測定することが可能な3次元測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による3次元測定装置は、位相シフト法により3次元情報を測定する第1測定部と、光切断法により3次元情報を測定する第2測定部と、第1測定部および第2測定部の両方の測定結果に基づいて、測定対象の3次元情報を取得する制御部と、を備え、第1測定部は、測定対象の各位置における高さ情報を複数測定するように構成されており、制御部は、前記測定対象の各位置ごとに、第1測定部の測定による複数の高さ情報と、第2測定部の測定による高さ情報と、に基づいて、1つの高さ情報を取得する。なお、位相シフト法は、正弦波状の光強度分布を有する等間隔の格子状の明暗パターン(縞パターン光)を測定対象に投影し、この明暗パターンの位置(位相)をシフトさせた複数の画像を撮像して、撮像した複数の画像における同一部分の画素値の差異に基づいて、測定対象の立体形状(高さ)を算出する方法である。また、光切断法は、ライン状の光を測定対象に投影し、画像を撮像して、画像内のラインの変形(視差)に基づいて、測定対象の立体形状(高さ)を算出する方法である。
【0008】
この発明の第1の局面による3次元測定装置では、上記のように構成することによって、測定対象を光切断法および位相シフト法の両方により測定するので、光切断法による光の照射が影になる位置でも、位相シフト法の測定により高さ情報を補完することができる。また、光切断法および位相シフト法による複数の方法により3次元情報を取得することができるので、3次元情報の取得精度を高めることができる。これらにより、測定対象の3次元情報を精度よく測定することができる。
この発明の第2の局面による3次元測定装置は、位相シフト法により3次元情報を測定する第1測定部と、光切断法により3次元情報を測定する第2測定部と、第1測定部および第2測定部の両方の測定結果に基づいて、測定対象の3次元情報を取得する制御部と、を備え、制御部は、第1測定部の測定に基づいて、各位置における高さを示す高さ情報、および、各位置における高さ情報の信頼度を示す信頼度情報を取得し、第2測定部の測定に基づいて、高さ情報および信頼度情報を取得するとともに、第1測定部の測定による高さ情報および信頼度情報と、第2測定部の測定による高さ情報および信頼度情報と、に基づいて、1つの高さ情報を取得するように構成されている。
この発明の第3の局面による3次元測定装置は、位相シフト法により3次元情報を測定する第1測定部と、光切断法により3次元情報を測定する第2測定部と、第1測定部および第2測定部の両方の測定結果に基づいて、測定対象の3次元情報を取得する制御部と、を備え、制御部は、第1測定部の測定結果による突起形状を、第2測定部の測定結果に基づいてノイズであるか構造物であるかを判断するように構成されている。
【0009】
上記第1~第3の局面による3次元測定装置において、好ましくは、第1測定部は、第1撮像部と、第1撮像部により撮像する第1測定パターンを投影する第1投影部とを含み、第1撮像部および第1投影部のうち一方は、基準面に対して垂直方向に光軸が配置され、第1撮像部および第1投影部のうち他方は、一方の光軸方向に対して傾斜した方向に光軸が配置されているとともに複数設けられており、第2測定部は、基準面の垂直方向とは傾斜した方向に光軸が配置され、テレセントリック光学系を有する第2撮像部と、基準面に対して第2撮像部の光軸が正反射した方向の位置に配置され、第2撮像部により撮像するライン状の第2測定パターンを投影する第2投影部と、を含む。このように構成すれば、測定対象が鏡面やガラス面などの反射面であったとしても、第2投影部から投影された第2測定パターンを正反射した方向の位置に配置された第2撮像部により確実に撮像することができる。また、第2撮像部は、テレセントリック光学系を有するため、測定対象の反射面により反射された第2測定パターンを光学系により変形させることなく平行に撮像することができる。これにより、反射面を有する測定対象でも3次元情報を精度よく測定することができる。また、第1測定部に、第1投影部または第1撮像部を複数設けることにより、第1測定パターンを投影する方向または撮像する方向を複数にすることができる。これにより、ある位置において、一方の方向からの投影では影ができる場合でも、他方の方向からの投影では影ができるのを抑制することができる。これにより、ある位置における3次元情報を確実に測定することができる。
【0010】
上記第2の局面による3次元測定装置では、制御部は、第1測定部の測定に基づいて、各位置における高さを示す高さ情報、および、各位置における高さ情報の信頼度を示す信頼度情報を取得し、第2測定部の測定に基づいて、高さ情報および信頼度情報を取得するとともに、第1測定部の測定による高さ情報および信頼度情報と、第2測定部の測定による高さ情報および信頼度情報と、に基づいて、1つの高さ情報を取得するように構成されている。これにより、第1測定部の測定による高さ情報と、第2測定部の測定による高さ情報とが大きく異なる場合でも、各々の信頼度情報に基づいて、より信頼度が高い1つの高さ情報を取得することができる。
【0011】
上記第2の局面による3次元測定装置において、好ましくは、第1測定部は、複数の方向から第1測定パターンを投影して3次元情報を測定するように構成されており、制御部は、第1測定部の測定に基づいて、複数の高さ情報および信頼度情報を取得するとともに、第1測定部の測定による複数の高さ情報および複数の信頼度情報と、第2測定部の測定による高さ情報および信頼度情報と、に基づいて、1つの高さ情報を取得するように構成されている。このように構成すれば、位相シフト法を用いた第1測定部により、複数の高さ情報を取得するので、より信頼度が高い1つの高さ情報を取得することができる。
【0012】
上記第1測定部が複数の方向から第1測定パターンを投影して3次元情報を測定する構成において、好ましくは、制御部は、第2測定部により測定した信頼度情報の信頼度が低い高さ情報を、第1測定部により測定した高さ情報により補完するように構成されている。このように構成すれば、光切断法を用いた第2測定部による測定において、影などの影響により信頼度が低くなる場合でも、位相シフト法を用いた第1測定部による測定により高さ情報を補完することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、制御部は、第1測定部の第1測定パターンを投影する方向が測定対象により影となると推定される場合、影となる方向からの測定結果を除外して、高さ情報を補完するように構成されている。このように構成すれば、位相シフト法による複数の第1測定パターンの投影方向のうち、影の影響を受けて精度が低くなる投影方向による測定結果を除外することができるので、位相シフト法を用いた第1測定部により測定した複数の高さ情報から、光切断法を用いた第2測定部による高さ情報をより精度よく補完することができる。
【0014】
上記第2の局面による3次元測定装置において、好ましくは、制御部は、第1測定部の複数の測定による輝度差に基づいて、各位置における信頼度情報を取得するように構成されている。このように構成すれば、位相シフト法を用いた第1測定部による複数の測定による輝度差に基づいて信頼度情報を容易に取得することができる。
【0015】
上記第2の局面による3次元測定装置において、好ましくは、制御部は、第2測定部の測定による輝度値に基づいて、各位置における信頼度情報を取得するように構成されている。このように構成すれば、光切断法を用いた第2測定部による輝度値に基づいて信頼度情報を容易に取得することができる。
【0016】
上記第3の局面による3次元測定装置では、制御部は、第1測定部の測定結果による突起形状を、第2測定部の測定結果に基づいてノイズであるか構造物であるかを判断するように構成されている。これにより、第1測定部の位相シフト法の撮像により突起形状に現れる虚像を、第2測定部の光切断法によりノイズであると判断することができるので、ノイズを除去することにより、高さ情報をより精度よく取得することができる。
【0017】
上記第1~第3の局面による3次元測定装置において、好ましくは、制御部は、第1測定部による測定の前に、第2測定部により測定を行い、第2測定部の測定結果に基づいて、第1測定部の測定高さ位置を調整する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、光切断法を用いた第2測定部により測定した3次元情報に基づいて、測定対象の3次元形状に沿うように位相シフト法を用いた第1測定部による測定高さ位置を調整することができるので、画像のピントを合わせやすくすることができる。
【0018】
上記第1~第3の局面による3次元測定装置において、好ましくは、制御部は、第1測定部による測定の前に、第2測定部により測定を行い、第2測定部の測定結果に基づいて、測定対象の平面位置情報を取得し、第1測定部による測定の平面位置を調整する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、位相シフト法を用いた第1測定部により平面位置情報を取得する動作を省略することができるので、第1測定部において改めて平面位置情報を取得する場合に比べて、測定動作に要する時間が長くなるのを抑制することができる。
【0019】
上記第1~第3の局面による3次元測定装置において、好ましくは、測定対象は、電子部品が実装された基板である。このように構成すれば、電子部品が実装された基板の3次元情報を精度よく測定することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、測定対象の3次元情報を精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態による外観検査装置を示したブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による外観検査装置の第2測定部を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態による外観検査装置の第1測定部を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態による外観検査装置の高さ情報の取得を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施形態による外観検査装置の第2測定部による高さ測定を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態による外観検査装置の第2測定部による高さ測定の信頼度を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態による外観検査装置の第2測定部による高さ測定の信頼度の判定を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態による外観検査装置の高さ情報のノイズの除去を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態による外観検査装置の測定時の影領域を説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態による外観検査装置の測定時の影領域の判定を説明するための図である。
【
図11】本発明の一実施形態による外観検査装置の測定時の影領域の測定結果の除外を説明するための図である。
【
図12】本発明の一実施形態による外観検査装置の測定結果のグルーピングを説明するための図である。
【
図13】本発明の一実施形態による外観検査装置の光切断法による測定結果の信頼度が低い場合の測定結果の統合を説明するための図である。
【
図14】本発明の一実施形態による外観検査装置の光切断法による測定結果の信頼度が中くらいの場合の測定結果の統合を説明するための図である。
【
図15】本発明の一実施形態による外観検査装置の測定結果に外れ値がある場合の測定結果の統合を説明するための図である。
【
図16】本発明の一実施形態による外観検査装置の制御装置による3次元情報取得処理を説明するためのフローチャートである。
【
図17】本発明の一実施形態による外観検査装置の制御装置による視野毎高さ情報合成処理の第1例を説明するためのフローチャートである。
【
図18】本発明の一実施形態による外観検査装置の制御装置による視野毎高さ情報合成処理の第2例を説明するためのフローチャートである。
【
図19】本発明の一実施形態による外観検査装置の制御装置による画像の統合処理を説明するためのフローチャートである。
【
図20】本発明の一実施形態の第1変形例による外観検査装置の第2測定部を示した図である。
【
図21】本発明の一実施形態の第2変形例による外観検査装置の第2測定部を示した図である。
【
図22】本発明の一実施形態の第3変形例による外観検査装置の第1測定部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1~
図15を参照して、本発明の一実施形態による外観検査装置100の構成について説明する。なお、外観検査装置100は、請求の範囲の「3次元測定装置」の一例である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態による外観検査装置100は、基板製造プロセスにおける製造中または製造後のプリント基板(以下、「基板」という)110を検査対象として撮像し、基板110および基板110上の電子部品111(
図2参照)に対する各種検査を行う装置である。外観検査装置100は、電子部品111を基板110に実装して回路基板を製造するための基板製造ラインの一部を構成している。なお、基板110は、請求の範囲の「測定対象」の一例である。
【0025】
基板製造プロセスの概要としては、まず、配線パターンが形成された基板110上に、ハンダ印刷装置(図示せず)によって所定のパターンでハンダ(ハンダペースト)の印刷(塗布)が行われる(ハンダ印刷工程)。続いて、ハンダ印刷後の基板110に、表面実装機(図示せず)によって電子部品111が搭載(実装)される(実装工程)ことにより、電子部品111の端子部がハンダ上に配置される。その後、実装済み基板110がリフロー炉(図示せず)に搬送されてハンダの溶融および硬化(冷却)が行われる(リフロー工程)ことにより、電子部品111の端子部が基板110の配線に対して半田接合される。これにより、電子部品111が配線に対して電気的に接続された状態で基板110上に固定され、基板製造が完了する。
【0026】
外観検査装置100は、たとえば、ハンダ印刷工程後の基板110上のハンダの印刷状態の検査や、実装工程後における電子部品111の実装状態の検査、または、リフロー工程後における電子部品111の実装状態の検査などに用いられる。したがって、外観検査装置100は、基板製造ラインにおいて1または複数設けられる。ハンダの印刷状態としては、設計上の印刷位置に対する印刷位置ずれ、ハンダの形状、体積および高さ(塗布量)、ブリッジ(短絡)の有無などの検査が行われる。電子部品111の実装状態としては、電子部品111の種類および向き(極性)が適正か否か、電子部品111の設計上の実装位置に対する位置ずれの量が許容範囲内か、端子部の半田接合状態が正常か否かなどの検査が行われる。また、各工程間での共通の検査内容として、ゴミやその他の付着物などの異物の検出も行われる。
【0027】
図1に示すように、外観検査装置100は、基板110を搬送するための基板搬送コンベア10と、基板搬送コンベア10の上方をXY方向(水平方向)およびZ方向(上下方向)に移動可能なヘッド移動機構20と、ヘッド移動機構20によって保持された第1測定部30および第2測定部40と、外観検査装置100の制御を行う制御装置50とを備えている。なお、制御装置50は、請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0028】
基板搬送コンベア10は、基板110を水平方向に搬送するとともに、所定の検査位置で基板110を停止させて保持することが可能なように構成されている。また、基板搬送コンベア10は、検査が終了した基板110を所定の検査位置から水平方向に搬送して、外観検査装置100から基板110を搬出することが可能なように構成されている。
【0029】
ヘッド移動機構20は、基板搬送コンベア10の上方に設けられ、たとえばボールネジ軸とサーボモータとを用いた直交3軸(XYZ軸)ロボットにより構成されている。ヘッド移動機構20は、これらのX軸、Y軸およびZ軸の駆動を行うためのX軸モータ、Y軸モータおよびZ軸モータを備えている。これらのX軸モータ、Y軸モータおよびZ軸モータにより、ヘッド移動機構20は、第1測定部30および第2測定部40を、基板搬送コンベア10(基板110)の上方でXY方向(水平方向)およびZ方向(上下方向)に移動させることが可能なように構成されている。
【0030】
第1測定部30は、位相シフト法により3次元情報を測定するように構成されている。第1測定部30は、第1撮像部31と、第1投影部32とを備えている。この第1測定部30がヘッド移動機構20によって基板110の上方の所定位置に移動されるとともに、第1撮像部31や第1投影部32などを用いることによって、第1測定部30が基板110および基板110上の電子部品111などの外観検査のための撮像を行うように構成されている。
【0031】
第1撮像部31は、第1投影部32により縞パターン光が照射された基板110を撮像するように構成されている。第1撮像部31は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの撮像素子を有している。第1撮像部31は、略矩形形状の撮像領域において基板110を撮像可能なように構成されている。また、第1撮像部31は、水平方向の基準面に対して垂直方向に光軸311が配置されている。つまり、第1撮像部31は、基板110の上面の2次元画像を略垂直上方の位置から撮像するように構成されている。この第1撮像部31により、第1投影部32による照明光の下では、2次元画像が得られる。
【0032】
第1投影部32は、複数設けられている。また、複数の第1投影部32は、それぞれ、第1撮像部31の光軸311方向に対して傾斜した方向から第1撮像部31により撮像する第1測定パターンを投影するように構成されている。つまり、第1測定部30は、複数の方向から第1測定パターンを投影して3次元情報を測定するように構成されている。第1投影部32は、
図3に示すように、上方からみて、第1撮像部31の周囲を取り囲むように複数個(4個)配置されている。また、4個の第1投影部32は、撮像中心(第1撮像部31)から等距離の位置に、略等角度(略90度)間隔で配列されている。4個の第1投影部32は、A1方向、A2方向、A3方向、A4方向から、それぞれ、第1測定パターンを投影するように構成されている。また、第1投影部32は、
図1に示すように、それぞれ、第1撮像部31の光軸311に対して斜め方向からから第1測定パターンを投影するように構成されている。また、第1投影部32は、第1測定パターンとして、正弦波状の光強度分布を有する等間隔の格子状の明暗パターン(縞パターン光)を投影するように構成されている。また、第1投影部32は、この明暗パターンの位置(位相)をシフトさせて投影するように構成されている。
【0033】
第2測定部40は、光切断法により3次元情報を測定するように構成されている。第2測定部40は、第2撮像部41と、第2投影部42とを備えている。この第2測定部40がヘッド移動機構20によって基板110の上方の所定位置に移動されるとともに、第2撮像部41や第2投影部42などを用いることによって、第2測定部40が基板110および基板110上の電子部品111などの外観検査のための撮像を行うように構成されている。
【0034】
第2撮像部41は、第2投影部42によりライン状のパターン光が照射された基板110を撮像するように構成されている。第2撮像部41は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの撮像素子を有している。また、第2撮像部41は、水平方向の基準面の垂直方向とは傾斜した方向に光軸が配置されている。また、第2撮像部41は、
図2に示すように、テレセントリック光学系411を有している。テレセントリック光学系411は、光軸に平行な光を第2撮像部41に入射させるように構成されている。
【0035】
第2投影部42は、水平方向の基準面に対して第2撮像部41の光軸が正反射した方向の位置に配置されている。また、第2投影部42は、第2撮像部41により撮像するライン状の第2測定パターンを投影するように構成されている。また、第2投影部42は、レーザ光を照射するように構成されている。また、第2投影部42は、ライン上のレーザ光をテレセントリック(平行)に照射するように構成されている。第2投影部42および第2撮像部41は、ライン状のレーザ光を走査(移動)しながら、基板110を撮像するように構成されている。
図2に示すように、第2投影部42は、垂直方向に対して角度θだけ斜めに光軸が配置されている。また、第2撮像部41は、垂直方向に対して第2投影部42とは反対側に角度θだけ斜めに光軸が配置されている。これにより、電子部品111が鏡面で構成され、第2測定パターンが略全反射される場合でも、第2撮像部41により第2測定パターンを撮像することが可能である。
【0036】
図1に示すように、制御装置50は、外観検査装置100の各部を制御するように構成されている。制御装置50は、制御部51と、記憶部52と、画像処理部53と、撮像制御部54と、投影制御部55と、モータ制御部56とを含んでいる。
【0037】
制御部51は、論理演算を実行するCPU(中央処理装置)などのプロセッサ、CPUを制御するプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)および装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成されている。制御部51は、ROMに記憶されているプログラムや、記憶部52に格納されたソフトウェア(プログラム)に従って、画像処理部53、撮像制御部54、投影制御部55およびモータ制御部56を介して、外観検査装置100の各部を制御するように構成されている。そして、制御部51は、第1測定部30および第2測定部40を制御して、基板110に対する各種の外観検査を行う。
【0038】
記憶部52は、各種データの記憶および制御部51による読み出しが可能な不揮発性の記憶装置からなる。記憶部52には、第1撮像部31および第2撮像部41によって撮像された撮像画像データ、基板110に実装される電子部品111の設計上の位置情報を定めた基板データ、基板110に実装される電子部品111の形状を定めた部品形状データベース、第1投影部32および第2投影部42が生成する投影パターン(第1測定パターンおよび第2測定パターン)の情報などが記憶されている。制御部51は、第1測定部30および第2測定部40による3次元形状測定による3次元(立体形状)検査に基づいて、基板110上のハンダの検査や、基板110に実装された電子部品111の実装状態検査、および、完成状態の基板110の検査などを行う。
【0039】
画像処理部53は、第1撮像部31および第2撮像部41によって撮像された撮像画像(撮像信号)を画像処理して、基板110の電子部品111や半田接合部(ハンダ)を認識(画像認識)するのに適した画像データを生成するように構成されている。
【0040】
撮像制御部54は、制御部51から出力される制御信号に基づいて、第1撮像部31および第2撮像部41から所定のタイミングで撮像信号の読み出しを行うとともに、読み出した撮像信号を画像処理部53に出力するように構成されている。投影制御部55は、制御部51から出力される制御信号に基づいて、第1投影部32および第2投影部42による投影の制御を行うように構成されている。
【0041】
モータ制御部56は、制御部51から出力される制御信号に基づいて、外観検査装置100の各サーボモータ(ヘッド移動機構20のX軸モータ、Y軸モータおよびZ軸モータ、基板搬送コンベア10を駆動するためのモータ(図示せず)など)の駆動を制御するように構成されている。また、モータ制御部56は、各サーボモータのエンコーダ(図示せず)からの信号に基づいて、第1測定部30、第2測定部40および基板110などの位置を取得するように構成されている。
【0042】
ここで、本実施形態では、制御装置50は、第1測定部30および第2測定部40の両方の測定結果に基づいて、測定対象の3次元情報を取得するように構成されている。
【0043】
具体的には、制御装置50は、
図4に示すように、第1測定部30の測定に基づいて、各位置における高さを示す高さ情報、および、各位置における高さ情報の信頼度を示す信頼度情報を取得する。また、制御装置50は、第2測定部40の測定に基づいて、高さ情報および信頼度情報を取得する。そして、制御装置50は、第1測定部30の測定による高さ情報および信頼度情報と、第2測定部40の測定による高さ情報および信頼度情報と、に基づいて、1つの高さ情報を取得するように構成されている。
【0044】
まず、制御装置50は、第2測定部40の光切断法により、光切断高さ情報を取得する。第2測定部40は、所定のスキャン幅でレーザスキャンを行い、基板110全体の3次元情報を測定する。高さ情報は、各位置(画素に対応)毎に高さに関する数値情報を含んでいる。また、制御装置50は、光切断信頼度情報を取得する。信頼度情報は、各位置(画素に対応)毎にその位置における高さの信頼度に関する情報を含んでいる。たとえば、信頼度に関する情報は、高、中、低と3段階に分類されている。
【0045】
次に、制御装置50は、第1測定部30の位相シフト法により、位相シフト高さ情報を取得する。第1測定部30は、基板110上の必要な位置を順次撮像する。この場合、第1測定部30は、4つの第1投影部32により投影を行いながら第1撮像部31により撮像を行うため、1つの位置につき4つの高さ情報および信頼度情報が得られる。つまり、制御装置50は、第1測定部30の測定に基づいて、複数の高さ情報および信頼度情報を取得する。
【0046】
そして、制御装置50は、第1測定部30の測定による複数の高さ情報および複数の信頼度情報と、第2測定部40の測定による高さ情報および信頼度情報と、に基づいて、1つの高さ情報を取得するように構成されている。
【0047】
第1測定部30による位相シフト法では、正弦波状の光強度分布を有する等間隔の格子状の明暗パターン(縞パターン光)を測定対象に投影し、この明暗パターンの位置(位相)をシフトさせた複数の画像を撮像して、撮像した複数の画像における同一部分の画素値の差異に基づいて、測定対象の立体形状(高さ)を算出する。
【0048】
第1測定部30による位相シフト法では、制御装置50は、第1測定部30の複数の測定による輝度差に基づいて、各位置における信頼度情報を取得するように構成されている。つまり、制御装置50は、位相をシフトさせた複数の測定による輝度差に基づいて信頼度情報を取得するように構成されている。具体的には、位相をπ/2ずつシフトさせながら、4回撮像を行った場合、各輝度値をd0、d1、d2およびd3とする。位相シフト角αは、α=atan((d2-d0)/(d3-d1))と算出される。また、信頼度Rは、R=√((d2-d0)2+(d3-d1)2)と算出される。
【0049】
第2測定部40による光切断法では、ライン状の光を測定対象に投影し、画像を撮像して、画像内のラインの変形(視差)に基づいて、測定対象の立体形状(高さ)を算出する。たとえば、
図5に示すように、電子部品111の上面のパターンと、基板110の上面のパターンとでは、撮像面において視差Pだけずれる。この視差Pを用いて、電子部品111の高さhは、h=P/2sinθと算出される。
【0050】
第2測定部40による光切断法では、制御装置50は、第2測定部40の測定による輝度値に基づいて、各位置における信頼度情報を取得するように構成されている。具体的には、
図6に示すように、基板110上に鏡面を有する電子部品111が搭載されている場合、電子部品111上を反射したレーザ光は鏡面反射して第2撮像部41に到達する。この場合、
図7に示すように、同じライン上における輝度値のピークは大きくなる。そして、輝度値のピークが信頼度判定しきい値の「高」よりも大きい場合、制御装置50は、その位置における高さ情報の信頼度を「高」とする。
【0051】
また、
図6に示すように、基板110を反射したレーザ光は、拡散して第2撮像部41に到達する。この場合、
図7に示すように、同じライン上における輝度値のピークは中くらいになる。そして、輝度値のピークが信頼度判定しきい値の「高」より小さく「中」以上の場合、制御装置50は、その位置における高さ情報の信頼度を「中」とする。なお、信頼度が「中」となるのは、鏡面以外の部品の位置なども含まれる。
【0052】
また、
図6に示すように、電子部品111の影となる部分では、レーザ光は、第2撮像部41に到達しない。この場合、
図7に示すように、同じライン上における輝度値のピークは低くなる。そして、輝度値のピークが信頼度判定しきい値の「中」より小さい場合、制御装置50は、その位置における高さ情報の信頼度を「低」とする。なお、信頼度が「低」となるのは、電子部品111の影や穴、くぼみなどが含まれる。なお、第2投影部42のレーザ光の光量を変更してより大きくすることにより、基板110表面の反射光の輝度を信頼度が高となるようにすることもできる。しかし、その場合には鏡面の反射光の輝度が大きくなりすぎるため、第2撮像部41の受光状態が飽和してしまい正確な測定ができなくなる虞がある。したがって、レーザ光の光量を鏡面での反射光の輝度が測定に十分で第2撮像部41の受光状態が飽和しない信頼度が高となる適度なものとすることが好ましい。この場合には基板110表面や鏡面でない部品の上面では反射光の輝度が下がり、信頼度としては中のレベルとなり易い。場合によっては、鏡面の反射光も基板110表面等の反射光の両者とも信頼度が高となる輝度でありカメラの受光状態も飽和しないようにできることもあり得る。
【0053】
制御装置50は、
図8に示すように、第1測定部30の測定結果による突起形状を、第2測定部40の測定結果に基づいてノイズであるか構造物であるかを判断するように構成されている。つまり、
図8に示すように、位相シフト法では観測された突起形状が、光切断法により観測されない場合は、制御装置50は、ノイズと判断し、除去する。また、位相シフト法で観測され、かつ、光切断法でも観測された場合、制御装置50は、突起形状が構造物(電子部品111)であると判断し、ノイズ除去の対象外とする。たとえば、位相シフト法におけるノイズは、半田フィレットの曲面に周辺が写り込むことにより発生する。具体的には、部品接合部の半田フィレットは、半鏡面の曲面となる。そして、半田フィレットの部分に周辺の基板110面や部品が縞パターンと共に写り込む。このため、半田フィレット部に、周辺環境の位相縞が観測され、ノイズ要因となる。
【0054】
また、位相シフト法におけるノイズは、多重反射によっても発生する。たとえば、部品側面で反射された縞が、周囲の基板110面や部品上に投影される(2次反射縞)。この場合、当該領域では、1次縞に2次縞が重なり、ノイズの要因となる。上記のようなノイズの発生が、複数の異なる高さの測定値が測定される一因と考えられる。
【0055】
制御装置50は、
図9~
図11に示すように、第2測定部40により測定した信頼度情報の信頼度が低い高さ情報を、第1測定部30により測定した高さ情報により補完するように構成されている。具体的には、制御装置50は、第2投影部42によるレーザ光が影となるような信頼度が低い位置における高さ情報を、第1測定部30の位相シフト法により測定した高さ情報により補完する。
【0056】
また、制御装置50は、影領域の周辺の領域B1~B4の高さを比較して、どの方向による投影が影となるかを判断する。そして、制御装置50は、第1測定部30の第1測定パターンを投影する方向が測定対象により影となると推定される場合、影となる方向からの測定結果を除外して、高さ情報を補完するように構成されている。
【0057】
具体的には、
図10に示すように、制御装置50は、影領域の右の領域B2(B4)の高さが左の領域B1(B3)よりも高い場合は、右からの投影が影となると判断する。つまり、制御装置50は、
図11に示すように、A1方向の第1投影部32からの投影が影となると判断する。この場合、この影領域において、A1方向の第1投影部32からの投影を撮像した画像は、画像の補完(統合)に使用されない。
【0058】
また、制御装置50は、影領域の左の領域B1(B3)の高さが右の領域B2(B4)よりも高い場合は、左からの投影が影となると判断する。つまり、制御装置50は、A3方向の第1投影部32からの投影が影となると判断する。この場合、この影領域において、A3方向の第1投影部32からの投影を撮像した画像は、画像の補完(統合)に使用されない。
【0059】
また、制御装置50は、影領域の左の領域B1(B3)の高さと右の領域B2(B4)とが同じ高さの場合は、右からの投影および左からの投影が影となると判断する。つまり、制御装置50は、A1方向およびA3方向の第1投影部32からの投影が影となると判断する。この場合、この影領域において、A1方向およびA3方向の第1投影部32からの投影を撮像した画像は、画像の補完(統合)に使用されない。
【0060】
また、制御装置50は、第1測定部30による測定の前に、第2測定部40により測定する制御を行うように構成されている。また、制御装置50は、第2測定部40の測定結果に基づいて、第1測定部30の測定高さ位置を調整する制御を行うように構成されている。つまり、制御装置50は、第2測定部40により測定した基板110の高さ位置に基づいて、第1測定部30による撮像のピントが合いやすい位置に第1測定部30の高さ位置を調整する。
【0061】
また、制御装置50は、第1測定部30による測定の前に、第2測定部40により測定を行い、第2測定部40の測定結果に基づいて、測定対象の平面位置情報を取得するように構成されている。また、制御装置50は、第1測定部30による測定の平面位置を調整する制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置50は、第2測定部40による撮像に基づいて、基板110のフィデューシャルマークを認識する。そして、制御装置50は、認識したフィデューシャルマークに基づいて、第1測定部30による測定する水平方向の位置を調整する。
【0062】
また、制御装置50は、各位置(注目画素)において、第1測定部30により測定した複数の測定値(高さ情報)と、第2測定部40により測定した測定値(高さ情報)とを統合して1つの測定値(高さ情報)を取得するように構成されている。たとえば、
図12に示すように、制御装置50は、第1測定部30により測定した測定値(高さ情報)(P1、P2、P3およびP4)と、第2測定部40により測定した測定値(高さ情報)(L1)とをグルーピングしてから統合する。グルーピングでは、各測定値を中心に、データ間範囲しきい値内の測定値が同じグループとされる。測定値L1のグループは、測定値L1のみ(1データ)のグループとなる。測定値P1のグループは、測定値P1およびP2(2データ)のグループとなる。測定値P2のグループは、測定値P1、P2およびP3(3データ)のグループとなる。測定値P3のグループは、測定値P2およびP3(2データ)のグループとなる。測定値P4のグループは、測定値P4のみ(1データ)のグループとなる。
【0063】
測定値L1、P1~P4のグループのうち、データ数が多いのは、測定値P2のグループとなる。そこで、制御装置50は、データ数が最大グループ(測定値P2のグループ)の測定値の平均を高さ情報の統合した測定値とする。つまり、統合した測定値Hは、H=(P1+P2+P3)/3と算出される。
【0064】
また、制御装置50は、各位置(注目画素)において、第2測定部40により測定した測定値(高さ情報)の信頼度に基づいて、測定値(高さ情報)の統合を行うように構成されている。たとえば、
図13に示すように、第2測定部40により測定した測定値L1の信頼度が低い場合、制御装置50は、信頼度が低い第2測定部40による測定値L1を除外した上で、信頼度が有効範囲内の第1測定部30の測定値P1~P4の統合を行う。具体的には、制御装置50は、測定値P1~P4のうち、設定された公差により抽出された複数の測定値の平均を高さ情報の統合した測定値とする。
図13の例の場合、測定値P1およびP2の距離が公差の範囲内であるので、統合した測定値Hは、H=(P1+P2)/2と算出される。
【0065】
また、
図14に示すように、第2測定部40により測定した測定値L1の信頼度が中の場合、制御装置50は、測定値L1を中心として公差内の測定値の平均を高さ情報の統合した測定値とする。これは、光切断法を用いた第2測定部40による計測値が最も信頼できるということに基づいている。
図14の例の場合、測定値P3およびP4が測定値L1の公差の範囲内にあるので、統合した測定値Hは、H=(P3+P4+L1)/3と算出される。
【0066】
また、
図15に示すように、第2測定部40により測定した測定値L1の信頼度が中~高であっても、第1測定部30により測定した測定値P1~P4の集合状態を考慮して、制御装置50は、測定値L1を除外した上で、測定値の統合を行う。
図15の例の場合、測定値P1~P4のうち過半数の測定値P1~P3が公差の範囲内に集合している。これにより、測定値P1~P3との距離が公差以上の測定値L1は、外れ値とされる。また、同様に、測定値P1~P3との距離が公差以上の測定値P4は、外れ値とされる。そして、統合した測定値Hは、H=(P1+P2+P3)/3と算出される。
【0067】
(3次元情報取得処理の説明)
次に、
図16を参照して、制御装置50による3次元情報取得処理について説明する。
【0068】
図16のステップS1において、基板110が基板搬送コンベア10により搬入される。ステップS2において、第2測定部40により光切断法の撮像が行われる。この場合、基板110全体のスキャン(撮像)が行われる。
【0069】
ステップS3において、第1測定部30により撮像するための視野を移動する。ステップS4において、第1測定部30により移動された視野における位相シフト法の撮像が行われる。
【0070】
ステップS5において、撮像した視野の高さ情報が合成される。ステップS6において、第1測定部30により全視野の撮像が完了したか否かが判断される。全視野の撮像が完了していなければ、ステップS3に戻る。全視野の撮像が完了していれば、ステップS7に進む。
【0071】
ステップS7において、基板110が基板搬送コンベア10により搬出される。その後、3次元情報取得処理が終了される。
【0072】
(視野毎高さ情報合成処理(第1例)の説明)
図17を参照して、制御装置50による
図16のステップS5における視野毎高さ情報合成処理(第1例)について説明する。
【0073】
図17のステップS11において、方向別の位相シフト画像を統合した画像(高さ情報)が作成される。具体的には、4つの方向から撮像した位相シフト画像が統合された高さ情報が作成される。
【0074】
ステップS12において、位相シフト法の統合画像の注目画素の信頼度が判断される。注目画素の信頼度が低ければ、ステップS13に進み、注目画素の信頼度が高ければ、ステップS17に進む。
【0075】
ステップS13において、光切断法の画像の注目画素の信頼度が判断される。注目画素の信頼度が低ければ、ステップS14に進み、注目画素の信頼度が高ければ、ステップS15に進む。ステップS14において、注目画素の高さ情報が欠落(値なし)にされる。
【0076】
ステップS15において、注目画素の高さ情報が光切断法の画像の測定値に置換される。ステップS16において、視野内の全画素の高さ情報の合成(統合)が完了したか否かが判断される。完了すれば、視野毎高さ情報合成処理が終了される。完了していなければ、ステップS17に進む。
【0077】
ステップS17において、高さ情報の合成処理が次の画素に切り替えられる。その後、ステップS12に戻る。
【0078】
(視野毎高さ情報合成処理(第2例)の説明)
図18を参照して、制御装置50による
図16のステップS5における視野毎高さ情報合成処理(第2例)について説明する。
【0079】
図18のステップS21において、光切断法の画像の注目画素の信頼度が判断される。注目画素の信頼度が高ければ、ステップS22に進み、注目画素の信頼度が中であれば、ステップS23に進み、注目画素の信頼度が低ければ、ステップS24に進む。ステップS22において、注目画素の高さ情報が光切断法の画像の測定値にされる。その後、ステップS25に進む。
【0080】
ステップS23において、方向別の位相シフト法の画像の測定値と光切断法の画像の測定値とを合成(統合)した測定値が算出される。そして、算出された測定値が注目画素の高さ情報にされる。その後、ステップS25に進む。ステップS24において、方向別の位相シフト法の画像の測定値を合成(統合)した測定値が算出される。そして、算出された測定値が注目画素の高さ情報にされる。その後、ステップS25に進む。
【0081】
ステップS25において、視野内の全画素の情報の合成(統合)が完了したか否かが判断される。完了すれば、視野毎高さ情報合成処理が終了される。完了していなければ、ステップS26に進む。ステップS26において、高さ情報の合成処理が次の画素に切り替えられる。その後、ステップS21に戻る。
【0082】
(画像の統合処理の説明)
図19を参照して、制御装置50による画像の統合処理について説明する。この画像の統合処理では、測定した高さ情報(測定値)を各位置においてそれぞれ統合(合成)する処理が行われる。
【0083】
図19のステップS31において、信頼度の低い高さ情報のデータが統合の対象から除外される。ステップS32において、有効データの数が判断される。有効データの数が2以上の場合、ステップS33に進み、有効データの数が1の場合、ステップS39に進み、有効データの数が0の場合、ステップS40に進む。
【0084】
ステップS33において、
図12に示すように、有効データをデータ間範囲しきい値によりグルーピングする。つまり、ある有効データを中心にデータ間範囲しきい値内の有効データを1つのグループとする。グループは、最大で有効データの数だけ生成される。ステップS34において、複数あるか否かが判断される。データの数が最大のグループが複数なければ(1つであれば)、ステップS35に進み、データの数が最大のグループが複数あれば、ステップS36に進む。
【0085】
ステップS35において、データの数が最大のグループの測定値の平均値が統合した測定値とされる。その後、画像の統合処理が終了される。
【0086】
ステップS36において、光切断法による測定値を含むグループがあるか否かが判断される。光切断法による測定値を含むグループがない場合、ステップS37に進み、光切断法による測定値を含むグループがある場合、ステップS38に進む。ステップS37において、グループ内の複数のデータ間の距離の合計が最小のグループの測定値の平均値が統合した測定値とされる。その後、画像の統合処理が終了される。
【0087】
ステップS38において、光切断法による測定値を含むグループの測定値の平均値が統合した測定値とされる。その後、画像の統合処理が終了される。
【0088】
ステップS39において、除外されずに残った1つの有効データが統合した測定値とされる。その後、画像の統合処理が終了される。
【0089】
ステップS40において、注目画素の高さ情報が欠落(値なし)にされる。その後、画像の統合処理が終了される。
【0090】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0091】
本実施形態では、上記のように、測定対象を光切断法および位相シフト法の両方により測定するので、光切断法による光の照射が影になる位置でも、位相シフト法の測定により高さ情報を補完することができる。また、光切断法および位相シフト法による複数の方法により3次元情報を取得することができるので、3次元情報の取得精度を高めることができる。これらにより、測定対象の3次元情報を精度よく測定することができる。
【0092】
また、本実施形態では、上記のように、第1測定部30は、基準面に対して垂直方向に光軸が配置された第1撮像部31と、第1撮像部31の光軸方向に対して傾斜した方向から第1撮像部31により撮像する第1測定パターンを投影する複数の第1投影部32と、を含む。第2測定部40は、基準面の垂直方向とは傾斜した方向に光軸が配置され、テレセントリック光学系411を有する第2撮像部41と、基準面に対して第2撮像部41の光軸が正反射した方向の位置に配置され、第2撮像部41により撮像するライン状の第2測定パターンを投影する第2投影部42と、を含む。これにより、測定対象が鏡面やガラス面などの反射面であったとしても、第2投影部42から投影された第2測定パターンを正反射した方向の位置に配置された第2撮像部41により確実に撮像することができる。また、第2撮像部41は、テレセントリック光学系411を有するため、測定対象の反射面により反射された第2測定パターンを光学系により変形させることなく平行に撮像することができる。これにより、反射面を有する測定対象でも3次元情報を精度よく測定することができる。また、第1測定部30に、第1投影部32を複数設けることにより、第1測定パターンを投影する方向を複数にすることができる。これにより、ある位置において、一方の方向からの投影では影ができる場合でも、他方の方向からの投影では影ができるのを抑制することができる。これにより、ある位置における3次元情報を確実に測定することができる。
【0093】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第1測定部30の測定による高さ情報および信頼度情報と、第2測定部40の測定による高さ情報および信頼度情報と、に基づいて、1つの高さ情報を取得するように構成する。これにより、第1測定部30の測定による高さ情報と、第2測定部40の測定による高さ情報とが大きく異なる場合でも、各々の信頼度情報に基づいて、より信頼度が高い1つの高さ情報を取得することができる。
【0094】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第1測定部30の測定による複数の高さ情報および複数の信頼度情報と、第2測定部40の測定による高さ情報および信頼度情報と、に基づいて、1つの高さ情報を取得するように構成する。これにより、位相シフト法を用いた第1測定部30により、複数の高さ情報を取得するので、より信頼度が高い1つの高さ情報を取得することができる。
【0095】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第2測定部40により測定した信頼度情報の信頼度が低い高さ情報を、第1測定部30により測定した高さ情報により補完するように構成する。これにより、光切断法を用いた第2測定部40による測定において、影などの影響により信頼度が低くなる場合でも、位相シフト法を用いた第1測定部30による測定により高さ情報を補完することができる。
【0096】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第1測定部30の第1測定パターンを投影する方向が測定対象により影となると推定される場合、影となる方向からの測定結果を除外して、高さ情報を補完するように構成する。これにより、複数の第1測定パターンの投影方向のうち、影の影響を受けて精度が低くなる投影方向による測定結果を除外することができるので、位相シフト法を用いた第1測定部30により測定した複数の高さ情報から、光切断法を用いた第2測定部40による高さ情報をより精度よく補完することができる。
【0097】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第1測定部30の複数の測定による輝度差に基づいて、各位置における信頼度情報を取得するように構成する。これにより、位相シフト法を用いた第1測定部30による複数の測定による輝度差に基づいて信頼度情報を容易に取得することができる。
【0098】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第2測定部40の測定による輝度値に基づいて、各位置における信頼度情報を取得するように構成する。これにより、光切断法を用いた第2測定部40による輝度値に基づいて信頼度情報を容易に取得することができる。
【0099】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第1測定部30の測定結果による突起形状を、第2測定部40の測定結果に基づいてノイズであるか構造物であるかを判断するように構成する。これにより、第1測定部30の位相シフト法の撮像により突起形状に現れる虚像を、第2測定部40の光切断法によりノイズであると判断することができるので、ノイズを除去することにより、高さ情報をより精度よく取得することができる。
【0100】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第1測定部30による測定の前に、第2測定部40により測定を行い、第2測定部40の測定結果に基づいて、第1測定部30の測定高さ位置を調整する制御を行うように構成する。これにより、光切断法を用いた第2測定部40により測定した3次元情報に基づいて、測定対象の3次元形状に沿うように位相シフト法を用いた第1測定部30による測定高さ位置を調整することができるので、画像のピントを合わせやすくすることができる。
【0101】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置50を、第1測定部30による測定の前に、第2測定部40により測定を行い、第2測定部40の測定結果に基づいて、測定対象の平面位置情報を取得し、第1測定部30による測定の平面位置を調整する制御を行うように構成する。これにより、位相シフト法を用いた第1測定部30により平面位置情報を取得する動作を省略することができるので、第1測定部30において改めて平面位置情報を取得する場合に比べて、測定動作に要する時間が長くなるのを抑制することができる。
【0102】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0103】
たとえば、上記実施形態では、第2投影部が基準面に対して第2撮像部の光軸が正反射した方向の位置に配置されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図20に示す実施形態の第1変形例のように、第2撮像部41が基準面に対して垂直方向に光軸を有するように配置されており、第2投影部42が第2撮像部41の光軸に対して所定の角度傾斜する方向に配置されていてもよい。
【0104】
また、
図21に示す実施形態の第2変形例のように、第2撮像部41が基準面に対して垂直方向に光軸を有するように配置されており、複数の第2投影部42が第2撮像部41の光軸に対して所定の角度傾斜する方向に配置されていてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、第1測定部に、基準面に対して垂直方向に光軸が配置された第1撮像部と、第1撮像部の光軸方向に対して傾斜した方向に光軸が配置された複数の第1投影部とを設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図22に示す実施形態の第3変形例のように、第1測定部30に、基準面に対して垂直方向に光軸が配置された第1投影部32と、第1投影部32の光軸方向に対して傾斜した方向に光軸が配置された複数の第1撮像部31とを設けてもよい。この場合、第1投影部32にテレセントリック光学系321を設けてもよい。これにより、基準面に対して第1測定パターンが垂直に投影される。その結果、2次反射を抑制することができるので、2次縞が発生するのを抑制することが可能である。また、第1撮像部31は、上方からみて、第1投影部32の周囲を取り囲むように複数配置してもよい。また、複数の第1撮像部31は、投影中心(第1投影部32)から等距離の位置に、略等角度間隔で配列してもよい。これにより、複数の第1撮像部31により同時に撮像することによって、別個に撮像する場合に比べて、撮像時間を短縮することが可能である。つまり、撮像方向を増やしたとしても、撮像時間が増加するのを抑制することが可能である。
【0106】
また、上記実施形態では、本発明の3次元測定装置を、基板を検査する外観検査装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、異物検査装置、半田印刷検査装置および部品検査装置などのほかの3次元測定にも適用可能である。また、本発明は、基板を検査する以外の装置にも適用可能である。
【0107】
また、上記実施形態では、第1測定部に4つの第1投影部が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1測定部に4つ以外の単数または複数の第1投影部が設けられていてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、第2撮像部がテレセントリック光学系を有し、第2投影部が光をテレセントリックに投影する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2投影部からテレセントリックではない広がる光を投影してもよいし、第2撮像部がテレセントリック光学系を有していなくてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、第2測定部の信頼度情報を高、中、低の3段階に分類する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2測定部の信頼度情報を2段階または4段階以上に分類してもよい。また、第2測定部の信頼度情報を無段階の数値としてもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置(制御部)の制御処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0111】
30 第1測定部
31 第1撮像部
32 第1投影部
40 第2測定部
41 第2撮像部
42 第2投影部
50 制御装置(制御部)
100 外観検査装置(3次元測定装置)
110 基板(測定対象)
111 電子部品
411 テレセントリック光学系