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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】サンプリング装置及びボイラプラント
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/22 20060101AFI20221110BHJP
   F22B 37/38 20060101ALI20221110BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G01N1/22 Q
F22B37/38 C
G01N1/10 N
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021119776
(22)【出願日】2021-07-20
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】516047175
【氏名又は名称】三菱重工パワーインダストリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田澤 直行
(72)【発明者】
【氏名】村中 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】立川 裕喜
【審査官】奥野 尭也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201436578(CN,U)
【文献】特開2002-202228(JP,A)
【文献】実開平07-002958(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第110044666(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112304117(CN,A)
【文献】特開平10-169406(JP,A)
【文献】特開平10-066978(JP,A)
【文献】特開2007-093128(JP,A)
【文献】特開2007-255838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラに供給される給水又は前記ボイラで発生する蒸気をサンプリングするためのサンプリング装置であって、
前記ボイラに供給される給水又は前記ボイラで発生する蒸気からサンプル水を抽出するように構成されたサンプル水抽出ラインと、
冷却水が流れる冷却水流路と、前記冷却水流路内に配置され、前記サンプル水抽出ラインによって抽出された前記サンプル水が流れる第1伝熱管と、を含むサンプル水クーラーと、
前記サンプル水抽出ラインにおける前記サンプル水クーラーよりも上流側に設けられたプレクーラーであって、冷熱媒体が流れる冷熱媒体流路と、前記冷熱媒体流路内に配置され、前記サンプル水抽出ラインによって抽出された前記サンプル水が流れる第2伝熱管と、を含むプレクーラーと、
を備え
前記サンプル水クーラーにおける前記第1伝熱管の体積をVss、前記サンプル水クーラーにおける前記冷却水流路の容積をVsc、前記プレクーラーにおける前記第2伝熱管の体積をVps、前記プレクーラーにおける前記冷熱媒体流路の容積をVpcとすると、前記サンプル水クーラーと前記プレクーラーとは、Vps/Vpc<Vss/Vscを満たすように構成された、
サンプリング装置。
【請求項2】
前記冷熱媒体は前記冷却水である、請求項に記載のサンプリング装置。
【請求項3】
前記冷却水は、炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムの少なくとも一方を含有する、請求項1又は2に記載のサンプリング装置。
【請求項4】
前記サンプル水抽出ラインにおける前記プレクーラーの入口の温度は、300度以上である、請求項に記載のサンプリング装置。
【請求項5】
前記サンプル水クーラーの前記第1伝熱管は、螺旋状の伝熱管部を含み、前記プレクーラーの前記第2伝熱管は、U字状又は直線状の伝熱管部を含む、請求項1乃至の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項6】
ボイラと、請求項1乃至の何れか1項に記載のサンプリング装置と、を備えるボイラプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サンプリング装置及びボイラプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば火力発電所等において、主蒸気を含む蒸気やボイラ缶水を含む各種給水が適切なTDS(Total Dissolved Solides)を有しているか否かを判断するために、サンプリング装置が設けられる場合がある。このようなサンプリング装置は、比較的高温のサンプル水を安全にサンプリングするために、サンプル水を冷却するためのサンプル水冷却用クーラー(サンプル水クーラー)を有する場合がある。例えば特許文献1には、ボイラプラント用のサンプリング装置におけるサンプル水クーラーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-347383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばボイラプラントの冷却塔の循環水をサンプル水クーラーで使用する冷却水として用いる場合、冷却水の各成分が濃縮されてスケールとして析出し、サンプル水クーラーにおける伝熱管の表面にスケールが付着することがある。伝熱管の表面に付着するスケールの量が増大すると、サンプル水クーラーにおける冷却水の流路が狭隘化して冷却水の流れの滞留部が形成され、伝熱管の腐食を促進する成分が濃縮し、伝熱管に応力腐食割れが発生する可能性がある。また、伝熱管の表面に付着するスケールの量が多い箇所では熱交換量が低下してヒートスポットが発生することにより、伝熱管に破孔が発生する可能性がある。このように、サンプル水クーラーにおける伝熱管の表面におけるスケールの付着が進行すると、伝熱管に損傷が生じてサンプル水が伝熱管からリークする恐れがある。
【0005】
この点に関して、特許文献1には、サンプル水クーラーの伝熱管の表面にスケールが析出するという課題及びその解決策に関する知見は開示されていない。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、サンプル水クーラーの伝熱管の表面におけるスケールの析出を抑制することができるサンプリング装置及びボイラプラントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係るサンプリング装置は、
ボイラに供給する給水又は前記ボイラで発生する蒸気をサンプリングするためのサンプリング装置であって、
前記ボイラに供給する給水及び前記ボイラで発生する蒸気のうち一方からサンプル水を抽出するサンプル水抽出ラインと、
冷却水が流れる冷却水流路と、前記冷却水流路内に配置され、前記サンプル水抽出ラインによって抽出された前記サンプル水が流れる第1伝熱管と、を含むサンプル水クーラーと、
前記サンプル水抽出ラインにおける前記サンプル水クーラーよりも上流側に設けられたプレクーラーであって、冷熱媒体が流れる冷熱媒体流路と、前記冷熱媒体流路内に配置され、前記サンプル水抽出ラインによって抽出された前記サンプル水が流れる第2伝熱管と、を含むプレクーラーと、
を備える。
【0008】
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラプラントは、
ボイラと、上記サンプリング装置と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、サンプル水クーラーの伝熱管の表面におけるスケールの析出を抑制することができるサンプリング装置及びボイラプラントが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るボイラプラント2の給水系統及び蒸気系統を示す概略図(ボイラタービン系統図)である。
図2図1に示したボイラプラント2の冷却水系統を示す概略図である。
図3】サンプリング装置46の構成の一例を示す概略図である。
図4】サンプル水クーラー50の構成の一例を示す概略断面図である。
図5】プレクーラー52の構成の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0012】
図1は、一実施形態に係るボイラプラント2の給水系統及び蒸気系統を示す概略図(ボイラタービン系統図)である。
図1に示すボイラプラント2は、ボイラ3と、蒸気タービン4と、ボイラ3に水(給水)を供給する給水ライン5と、ボイラ3で発生する蒸気が流れる蒸気ライン6とを備える。また、給水ライン5には、上流側から順に、復水器8、復水ポンプ10、低圧給水加熱器12、脱気器14、ボイラ給水ポンプ16、高圧給水加熱器18及び節炭器20が設けられている。また、蒸気ライン6には、ボイラ3の蒸気ドラム22と蒸気タービン4の高圧段4aとの間に過熱器24が設けられており、蒸気タービン4の高圧段4aと低圧段4bとの間に再熱器26が設けられている。なお、ボイラプラント2は、蒸気タービン4によって駆動される発電機(不図示)を含む火力発電プラントであってもよい。
【0013】
復水器8を出た給水(復水)は、復水ポンプ10で昇圧され、低圧給水加熱器12で加熱された後に、脱気器14で非凝縮性ガス(溶存酸素等)を除去される。脱気器14を出た給水は、ボイラ給水ポンプ16で更に昇圧され、高圧給水加熱器18で加熱された後に、節炭器20でボイラ3の燃焼ガスを用いて加熱され、ボイラ3の蒸気ドラム22に供給される。ボイラ3の蒸気ドラム22で発生した蒸気は、過熱器24で過熱されて過熱蒸気となり、蒸気タービン4の高圧段4aに供給される。蒸気タービン4の高圧段4aで仕事をした蒸気は、再熱器26へ供給されて再び過熱され、蒸気タービン4の低圧段4bに供給される。蒸気タービン4の低圧段4bで仕事をした蒸気は、復水器8で冷却されて凝縮し、再び給水としてボイラ3に供給される。
【0014】
図2は、図1に示したボイラプラント2の冷却水系統を示す概略図である。
図2に示すように、ボイラプラント2は、ボイラプラント2が備える複数の機器30で用いる冷却水を冷却するための冷却塔32と、冷却塔32で冷却された冷却水を複数の機器30に供給する冷却水供給ライン34と、複数の機器30で使用した冷却水を回収して冷却塔32に戻す冷却水回収ライン36と、冷却水回収ライン36から分岐して冷却水をブロー水として排出するブロー水ライン38と、冷却塔32に補給水(冷却水)を供給するための補給水ライン40と、冷却塔32からオーバーフローした水を排出するためのオーバーフローライン42と、を備える。冷却水供給ライン34には冷却水ポンプ44が設けられており、冷却水ポンプ44によって昇圧された冷却水が複数の機器30に供給される。複数の機器30は、上記ボイラ3に供給する上述の給水又は上記ボイラ3で発生する蒸気をサンプル水としてサンプリングするためのサンプリング装置46を含む。
【0015】
図3は、上記サンプリング装置46の構成の一例を示す概略図である。サンプリング装置46は、例えば図1におけるサンプリングポイントS1~S7の各々に設けられてもよく、サンプリングポイントS1~S7のうち任意の1又は複数の箇所に設けられてもよい。
【0016】
なお、図1に示す例では、サンプリングポイントS1は、蒸気ライン6における過熱器24と蒸気タービン4の高圧段4aとの間の位置である。サンプリングポイントS2は、蒸気ライン6における再熱器26と蒸気タービン4の低圧段4bとの間の位置である。サンプリングポイントS3は、蒸気ライン6における蒸気ドラム22と過熱器24との間の位置である。サンプリングポイントS4は、蒸気ドラム22である。サンプリングポイントS5は、給水ライン5における高圧給水加熱器18と節炭器20との間の位置である。サンプリングポイントS6は、給水ライン5における脱気器14とボイラ給水ポンプ16との間の位置である。サンプリングポイントS7は、給水ライン5における低圧給水加熱器12と脱気器14との間の位置である。
【0017】
図3に示すように、サンプリング装置46は、サンプル水抽出ライン48と、サンプル水クーラー50と、プレクーラー52と、水質監視計器53とを含む。
【0018】
サンプル水抽出ライン48は、例えばサンプリングポイントS1~S7の何れかからサンプル水を抽出するように構成されている。すなわち、サンプル水抽出ライン48は、ボイラ3に供給される給水又はボイラ3で発生する蒸気からサンプル水を抽出するように構成されている。サンプル水抽出ライン48は、例えばサンプリングポイントS1~S3の何れかからサンプル水を抽出する場合には、ボイラ3で発生した蒸気を蒸気ライン6からサンプル水として抽出する。サンプル水抽出ライン48は、例えばサンプリングポイントS4~S7の何れかからサンプル水を抽出する場合には、ボイラ3に供給される給水を給水ライン5又は蒸気ドラム22からサンプル水として抽出する。
【0019】
サンプル水クーラー50は、冷却水が流れる冷却水流路54と、冷却水流路54内に配置され、サンプル水抽出ライン48によって抽出されたサンプル水が流れる第1伝熱管56と、を含む。図示する構成では、第1伝熱管56は螺旋状(コイル状)の伝熱管部56aを含む。サンプル水クーラー50では、第1伝熱管56は、冷却水流路54を流れる冷却水に浸漬されており、第1伝熱管56を流れるサンプル水と、冷却水流路54を流れる冷却水とが第1伝熱管56を介して熱交換を行うことにより、サンプル水が冷却水によって冷却される。サンプル水クーラー50は、浸漬式の熱交換器であり、冷却水の入口62と冷却水の出口64とが形成された容器66を含む。容器66の内部には、入口62と出口64とを繋ぐように上記冷却水流路54が形成されている。
【0020】
サンプル水クーラー50で使用する冷却水は、図2を用いて説明した冷却塔32から冷却水供給ライン34を介してサンプル水クーラー50に供給される。この冷却水は、炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムを含有している。
【0021】
プレクーラー52は、サンプル水抽出ライン48におけるサンプル水クーラー50よりも上流側に設けられている。プレクーラー52は、冷却水(冷熱媒体)が流れる冷却水流路58(冷熱媒体流路)と、冷却水流路58内に配置され、サンプル水抽出ライン48によって抽出されたサンプル水が流れる第2伝熱管60と、を含む。図示する構成では、第2伝熱管60はU字状の伝熱管部60aを含み、第2伝熱管60全体がU字状に構成されている。プレクーラー52では、第2伝熱管60は、冷却水流路58を流れる冷却水に浸漬されており、第2伝熱管60を流れるサンプル水と、冷却水流路58を流れる冷却水とが第2伝熱管60を介して熱交換を行うことにより、サンプル水が冷却水によって冷却される。プレクーラー52は、浸漬式の熱交換器であり、冷却水の入口70と冷却水の出口72とが形成された容器74を含む。容器74の内部には、入口70と出口72とを繋ぐように上記冷却水流路58が形成されている。サンプル水抽出ライン48におけるプレクーラー52の入口70でのサンプル水の温度は、例えば300℃以上であってもよい。
【0022】
ここで、サンプル水クーラー50における第1伝熱管56の体積をVss、サンプル水クーラー50における冷却水流路54の容積をVsc、プレクーラー52における第2伝熱管60の体積をVps、プレクーラー52における冷却水流路58の容積をVpcとすると、サンプル水クーラー50とプレクーラー52とは、Vps/Vpc<Vss/Vscを満たすように構成されている。すなわち、プレクーラー52における冷却水流路58の容積に占める第2伝熱管60の体積の割合Vps/Vpcが、サンプル水クーラー50における冷却水流路54の容積に占める第1伝熱管56の体積の割合Vss/Vscよりも小さくなっており、プレクーラー52はサンプル水クーラー50よりも冷却水の偏流が発生しにくくスケールが析出しにくい構造を有している。
【0023】
なお、サンプル水クーラー50における第1伝熱管56の体積Vssとは、サンプル水クーラー50における第1伝熱管56の肉厚部分の体積と、第1伝熱管56の内部空間の体積との合計を意味する。また、サンプル水クーラー50における冷却水流路54の容積Vscとは、サンプル水クーラー50における冷却水が通過する空間(容器66の内部空間である冷却水流路54のうち、第1伝熱管56の外側の空間)の体積を意味する。また、プレクーラー52における第2伝熱管60の体積Vpsとは、プレクーラー52における第2伝熱管60の肉厚部分の体積と、第2伝熱管60の内部空間の体積との合計を意味する。また、プレクーラー52における冷却水流路58の容積Vpcとは、プレクーラー52における冷却水が通過する空間(容器74の内部空間である冷却水流路58のうち、第2伝熱管60の外側の空間)の体積を意味する。
【0024】
水質監視計器53は、サンプル水抽出ライン48におけるサンプル水クーラー50の下流側に設けられており、プレクーラー52及びサンプル水クーラー50を順に通過して冷却されたサンプル水の水質を計測するように構成されている。水質監視計器53は、例えばサンプル水のpHを計測するpH計、サンプル水のTDSを計測するTDS計若しくはその他の計測機器又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0025】
上記サンプリング装置46によれば、サンプル水抽出ライン48におけるサンプル水クーラー50の上流側に設けたプレクーラー52でサンプル水を冷却することにより、サンプル水クーラー50の入口88におけるサンプル水の温度を低下させることができる。冷却水には、温度が下がるほど水への溶解度が高くなる成分(例えば炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウム等)が含有されているため、プレクーラー52を設けてサンプル水クーラー50の入口88におけるサンプル水の温度を低下させることにより、サンプル水クーラー50の第1伝熱管56の表面におけるスケールの析出を抑制することができる。これにより、第1伝熱管56の表面におけるスケールの付着速度を下げてスケールの付着量の増大を抑制することができる。したがって、スケールに起因する第1伝熱管56の破損を抑制し、第1伝熱管56からのサンプル水のリークを抑制することができる。また、スケールを除去する清掃作業の負荷を軽減することができる。
【0026】
また、上記サンプリング装置46では、プレクーラー52における冷却水流路58の容積に占める第2伝熱管60の体積の割合Vps/Vpcが、サンプル水クーラー50における冷却水流路54の容積に占める第1伝熱管56の体積の割合Vss/Vscよりも小さくなっているため、プレクーラー52の冷却水流路58は、サンプル水クーラー50の冷却水流路54よりも冷却水の滞留が生じにくくなっている。このため、第2伝熱管60の表面に局所的な高温部が形成されることを抑制することができ、サンプル水を比較的均一に冷却することができるため、第2伝熱管60の表面におけるスケールの析出を抑制することができる。
【0027】
このように、サンプル水抽出ライン48におけるサンプル水の温度がスケールの析出しやすい高温条件となる上流側のプレクーラー52には、サンプル水クーラー50よりもスケールが析出しにくい構造(Vps/Vpc<Vss/Vscを満たす構造)を採用し、プレクーラー52によって温度がある程度下がったサンプル水が流入する下流側のサンプル水クーラー50には、大きな熱交換量を得やすい構造(Vps/Vpc<Vss/Vscを満たす構造)を採用することにより、サンプル水クーラー50の第1伝熱管56の表面におけるスケールの析出だけでなくプレクーラー52の第2伝熱管60の表面におけるスケールの析出も抑制しつつ、サンプル水クーラー50とプレクーラー52によってサンプル水の温度を大幅に低下させてサンプル水を安全にサンプリングすることができる。
【0028】
また、図3に示す例では、プレクーラー52の第2伝熱管60はU字状の簡素な構造の伝熱管部60aにより構成されているため、螺旋状の複雑な構造の伝熱管部56aを有するサンプル水クーラー50と比較して、プレクーラー52の冷却水流路58における冷却水の流れの偏り(偏流)が生じにくい。このため、プレクーラー52の第2伝熱管60の表面全体に冷却水を比較的均一に流すことができ、上記のように第2伝熱管60の表面に局所的な高音部が形成されにくいため、第2伝熱管60の表面におけるスケールの析出を効果的に抑制することができる。また、プレクーラー52は偏流発生が少ない単純な構造であるため、清掃が容易であり、清掃作業の負荷を低減することができる。
【0029】
また、本願発明者の知見によれば、冷却水が炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムの少なくとも一方を含む場合、サンプル水クーラーの入口におけるサンプル水の温度が300℃を超えると、第1伝熱管56の表面におけるスケールの析出速度の上昇にともなって第1伝熱管56の表面におけるスケールの付着量が顕著に増大しやすい。
【0030】
この点、上記サンプリング装置46では、サンプル水抽出ライン48におけるプレクーラー52の入口70ではサンプル水の温度は300℃以上であり、プレクーラー52を設けることで、プレクーラー52の出口72におけるサンプル水の温度(すなわちサンプル水クーラー50の入口62におけるサンプル水の温度)を300℃以下に低下させている。これにより、冷却水が含有する炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムに起因するスケールが第1伝熱管56の表面に析出することを効果的に抑制することができる。
【0031】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0032】
例えば図3に示すサンプリング装置46に適用するサンプル水クーラー50として、図4に示すような浸漬二重巻き式のサンプル水クーラー50を用いてもよい。図4に示すサンプル水クーラー50の各構成において、図3を用いて説明したサンプル水クーラー50の各構成と同一の機能を有するものについては同一の符号を付して共通の説明を省略する。
【0033】
図4に示すサンプル水クーラー50の第1伝熱管56は、第1の螺旋半径を有する螺旋状の内周側伝熱管部56iと、内周側伝熱管部56iの外周側に配置され、第1の螺旋半径よりも大きい第2の螺旋半径を有する螺旋状の外周側伝熱管部56oとを含む2重巻きの螺旋構造を有している。
【0034】
図4に示す例では、サンプル水クーラー50は、容器66の長手方向における一端側に挿通された冷却水導入管80と、冷却水導入管80の外周側に冷却水導入管80と同軸に設けられた筒状の内筒壁82とを含み、容器66と冷却水導入管80と内筒壁82とによって冷却水流路54が画定されている。冷却水導入管80の軸方向と内筒壁82の軸方向とは、容器66の長手方向に一致している。内周側伝熱管部56iは冷却水導入管80の外周面と内筒壁82の内周面との間に配置され、外周側伝熱管部56oは内筒壁82の外周面と容器66の内面との間に配置される。
【0035】
容器66の内面と冷却水導入管80の先端との間には隙間84が設けられており、冷却水導入管80を容器66の長手方向に沿って流れた冷却水は隙間84で流れの向きを反転させ、冷却水導入管80と内筒壁82との間を容器66の長手方向に沿って流れる。
内筒壁82は容器66の長手方向における他端から上記一端に向けて延在しており、容器66の内面と内筒壁82の先端との間には隙間86が設けられている。冷却水導入管80と内筒壁82との間を容器66の長手方向に沿って流れた冷却水は、隙間86で流れの向きを反転させ、内筒壁82の外周面と容器66の内面との間を容器66の長手方向に沿って流れた後、容器66の長手方向における上記他端側に設けられた出口64から排出される。
【0036】
図4に示す例では、サンプル水クーラー50におけるサンプル水の入口88及び出口90は、容器66の長手方向における他端側に設けられている。サンプル水抽出ライン48によって抽出されたサンプル水は、サンプル水クーラー50の入口88を通って、外周側伝熱管部56oの一端に流入し、外周側伝熱管部56oの他端へ流れる。外周側伝熱管部56oの他端と内周側伝熱管部56iの一端とは接続しており、外周側伝熱管部56oの他端へ流れたサンプル水は、内周側伝熱管部56iの一端から内周側伝熱管部56iの他端へ流れて、サンプル水クーラー50の出口90から排出される。
【0037】
幾つかの実施形態では、図3に示すサンプリング装置46におけるプレクーラー52に代えて、図5に例示するような第2伝熱管60を備えるプレクーラー52を用いてもよい。図5に示すプレクーラー52の各構成において、図3を用いて説明したプレクーラー52の各構成と同一の機能を有するものについては同一の符号を付して共通の説明を省略する。
【0038】
図5に例示するプレクーラー52では、第2伝熱管60は、入口側ヘッダ92と、出口側ヘッダ94と、入口側ヘッダ92と出口側ヘッダ94とを接続する複数の伝熱管部60sとを含む。複数の伝熱管部60sの各々は、容器74の長手方向に沿って直線状に延在している。
【0039】
図示する例では、サンプル水クーラー50におけるサンプル水の入口76(第2伝熱管60の入口)は容器74の長手方向における一端側に形成され、サンプル水クーラー50におけるサンプル水の出口78(第2伝熱管60の出口)は容器74の長手方向における他端側に形成されている。また、冷却水流路58の入口70は容器74の長手方向における上記他端側に形成され、冷却水流路58出口72は容器74の長手方向における上記一端側に形成されている。
【0040】
なお、サンプル水クーラー及びプレクーラーの具体的構成は、上述した幾つかの例に限らない。サンプル水クーラー及びプレクーラーの具体的構成によらず、プレクーラーにおける冷却水流路の容積に占める第2伝熱管の体積の割合Vps/Vpcを、サンプル水クーラーにおける冷却水流路の容積に占める第1伝熱管の体積の割合Vss/Vscよりも小さくすることにより、第1伝熱管56の表面におけるスケールの析出を抑制しつつ、第1伝熱管56よりも高温のサンプル水が流れる第2伝熱管60の表面におけるスケールの析出も抑制することができる。
【0041】
なお、上述した幾つかの実施形態では、プレクーラー52は、冷却水が流れる冷却水流路58と、冷却水流路58内に配置され、サンプル水抽出ライン48によって抽出されたサンプル水が流れる第2伝熱管60とを備えていた。しかしながら、プレクーラーは、冷却水以外の冷熱媒体(例えば冷却用空気等)を用いてサンプル水を冷却するように構成されていてもよい。すなわち、プレクーラーは、冷熱媒体が流れる冷熱媒体流路と、冷熱媒体流路内に配置され、サンプル水抽出ラインによって抽出されたサンプル水が流れる第2伝熱管と、を含んでいればよい。
【0042】
また、サンプル水クーラーで使用する冷却水は、スケールの原因となる難溶性物質である炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムの両方を含んでいてもよいし、炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムのうち一方のみを含有してもよい。すなわち、炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムのうち少なくとも一方を含有していてもよい。また、炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムに限らず、水温が高くなるにつれて水に対する溶解度が小さくなる難溶性物質を冷却水が含んでいる場合に、上記サンプリング装置を好適に使用することができる。
【0043】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0044】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るサンプリング装置(例えば上述のサンプリング装置46)は、
ボイラ(例えば上述のボイラ3)に供給される給水又は前記ボイラで発生する蒸気をサンプリングするためのサンプリング装置であって、
前記ボイラに供給される給水又は前記ボイラで発生する蒸気からサンプル水を抽出するように構成されたサンプル水抽出ライン(例えば上述のサンプル水抽出ライン48)と、
冷却水が流れる冷却水流路と、前記冷却水流路内に配置され、前記サンプル水抽出ラインによって抽出された前記サンプル水が流れる第1伝熱管と、を含むサンプル水クーラーと、
前記サンプル水抽出ラインにおける前記サンプル水クーラーよりも上流側に設けられたプレクーラーであって、冷熱媒体が流れる冷熱媒体流路と、前記冷熱媒体流路内に配置され、前記サンプル水抽出ラインによって抽出された前記サンプル水が流れる第2伝熱管と、を含むプレクーラーと、
を備える。
【0045】
上記(1)に記載のサンプリング装置によれば、サンプル水抽出ラインにおけるサンプル水クーラーの上流側に設けたプレクーラーでサンプル水を冷却することにより、サンプル水クーラーの入口におけるサンプル水の温度を低下させることができる。冷却水には、温度が下がるほど水への溶解度が高くなる成分(例えば炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウム等)が存在するため、プレクーラーを設けてサンプル水クーラーの入口におけるサンプル水の温度を低下させることにより、サンプル水クーラーの第1伝熱管の表面におけるスケールの析出を抑制することができる。これにより、第1伝熱管の表面におけるスケールの付着速度を下げてスケールの付着量の増大を抑制することができる。したがって、スケールに起因する第1伝熱管の破損を抑制することができ、第1伝熱管からのサンプル水のリークを抑制することができる。
【0046】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載のサンプリング装置において、
前記サンプル水クーラーにおける前記第1伝熱管の体積をVss、前記サンプル水クーラーにおける前記冷却水流路の容積をVsc、前記プレクーラーにおける前記第2伝熱管の体積をVps、前記プレクーラーにおける前記冷熱媒体流路の容積をVpcとすると、前記サンプル水クーラーと前記プレクーラーとは、Vps/Vpc<Vss/Vscを満たすように構成される。
【0047】
上記(2)に記載のサンプリング装置では、プレクーラーにおける冷却媒体流路の容積に占める第2伝熱管の体積の割合Vps/Vpcが、サンプル水クーラーにおける冷却水流路の容積に占める第1伝熱管の体積の割合Vss/Vscよりも小さくなっており、これにより、プレクーラーの冷却媒体流路は、サンプル水クーラーの冷却水流路よりも冷却水の滞留が生じにくくなっている。このため、第2伝熱管の表面に局所的な高温部が形成されることを抑制することができ、サンプル水を比較的均一に冷却することができるため、第2伝熱管の表面におけるスケールの析出を抑制することができる。
このように、サンプル水抽出ラインにおけるサンプル水の温度がスケールの析出しやすい高温条件となる上流側のプレクーラーには、サンプル水クーラーよりもスケールが析出しにくい構造(Vps/Vpc<Vss/Vscを満たす構造)を採用し、プレクーラーによって温度がある程度下がったサンプル水が流入する下流側のサンプル水クーラーには、大きな熱交換量を得やすい構造(Vps/Vpc<Vss/Vscを満たす構造)を採用することにより、サンプル水クーラーの伝熱管の表面におけるスケールの析出だけでなくプレクーラーの表面におけるスケールの析出も抑制しつつ、サンプル水クーラーとプレクーラーによってサンプル水の温度を大幅に低下させることができる。
【0048】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載のサンプリング装置において、
前記冷熱媒体は前記冷却水である。
【0049】
上記(3)に記載のサンプリング装置によれば、プレクーラーで使用する冷却媒体とサンプル水クーラーで使用する冷却水とを共通化することができる。
【0050】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかに記載のサンプリング装置において、
前記冷却水は、炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムの少なくとも一方を含有する。
【0051】
炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムは水温が下がるほど水への溶解度が高くなる傾向を有している。このため、上記(4)に記載のサンプリング装置によれば、プレクーラーによってサンプル水クーラーの入口の温度を下げることにより、炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムのうち少なくとも一方に起因するスケールがサンプル水クーラーの第1伝熱管の表面に析出することを抑制することができる。
【0052】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載のサンプリング装置において、
前記サンプル水抽出ラインにおける前記プレクーラーの入口の温度は、300度以上である。
【0053】
冷却水が炭酸カルシウム及びケイ酸マグネシウムの少なくとも一方を含む場合、サンプル水クーラーの入口におけるサンプル水の温度が300℃を超えると、第1伝熱管の表面におけるスケールの析出速度の上昇にともなって第1伝熱管の表面におけるスケールの付着量が顕著に増大しやすい。
このため、上記(5)に記載のように300℃以上のサンプル水をサンプル水クーラーに入れる前にプレクーラーで冷却させることにより、サンプル水クーラーの第1伝熱管の表面におけるスケールの析出を効果的に抑制することができる。
【0054】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかに記載のサンプリング装置において、
前記サンプル水クーラーの前記第1伝熱管は、螺旋状の伝熱管部(例えば上述の伝熱管部56a,56i,56o)を含み、前記プレクーラーの前記第2伝熱管は、U字状又は直線状の伝熱管部(例えば上述の伝熱管部60a,60s)を含む。
【0055】
上記(6)に記載のサンプリング装置によれば、サンプル水抽出ラインにおけるサンプル水の温度がスケールが析出しやすい高温条件となる上流側のプレクーラには、サンプル水クーラーよりもスケールが析出しにくいシンプルな構造(U字状又は直線状の伝熱管部を含む構造)を採用し、プレクーラーによって温度をある程度下げられたサンプル水が流入する下流側のサンプル水クーラーには、大きな熱交換量を得やすい構造(螺旋状の伝熱管部を含む構造)を採用することにより、サンプル水クーラーの伝熱管の表面におけるスケールの析出だけでなくプレクーラーの表面におけるスケールの析出も抑制しつつ、サンプル水クーラーとプレクーラーによってサンプル水の温度を大幅に低下させてサンプル水を安全にサンプリングすることができる。
【0056】
(7)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラプラント(例えば上述のボイラプラント2)は、
ボイラ(例えば上述のボイラ3)と、上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載のサンプリング装置(例えば上述のサンプリング装置46)と、を備える。
【0057】
上記(7)に記載のボイラプラントによれば、上記(1)乃至(6)の何れかに記載のサンプリング装置を備えるため、サンプル水クーラーの第1伝熱管の表面におけるスケールの析出を抑制することができる。これにより、スケールに起因する第1伝熱管の破損を抑制することができ、第1伝熱管からのサンプル水のリークを抑制することができる。
【符号の説明】
【0058】
2 ボイラプラント
3 ボイラ
4 蒸気タービン
4a 高圧段
4b 低圧段
5 給水ライン
6 蒸気ライン
8 復水器
10 復水ポンプ
12 低圧給水加熱器
14 脱気器
16 ボイラ給水ポンプ
18 高圧給水加熱器
20 節炭器
22 蒸気ドラム
24 過熱器
26 再熱器
30 機器
32 冷却塔
34 冷却水供給ライン
36 冷却水回収ライン
38 ブロー水ライン
40 補給水ライン
42 オーバーフローライン
44 冷却水ポンプ
46 サンプリング装置
48 サンプル水抽出ライン
50 サンプル水クーラー
52 プレクーラー
53 水質監視計器
54,58 冷却水流路
56 第1伝熱管
56 伝熱管部
56i 内周側伝熱管部
56o 外周側伝熱管部
60 第2伝熱管
60a 伝熱管部
62,70,76,88 入口
64,72,78,90 出口
66,74 容器
80 冷却水導入管
82 内筒壁
84,86 隙間
92 入口側ヘッダ
94 出口側ヘッダ
【要約】
【課題】サンプル水クーラーの伝熱管の表面におけるスケールの析出を抑制することができるサンプリング装置を提供する。
【解決手段】ボイラに供給される給水又はボイラで発生する蒸気をサンプリングするためのサンプリング装置であって、ボイラに供給する給水又はボイラで発生する蒸気からサンプル水を抽出するサンプル水抽出ラインと、冷却水が流れる冷却水流路と、冷却水流路内に配置され、サンプル水抽出ラインによって抽出されたサンプル水が流れる第1伝熱管と、を含むサンプル水クーラーと、サンプル水抽出ラインにおけるサンプル水クーラーよりも上流側に設けられたプレクーラーであって、冷熱媒体が流れる冷熱媒体流路と、冷熱媒体流路内に配置され、サンプル水抽出ラインによって抽出されたサンプル水が流れる第2伝熱管と、を含むプレクーラーと、を備える。
【選択図】 図3
図1
図2
図3
図4
図5