(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ユーザインターフェースプログラムおよびゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20221110BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20221110BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20221110BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20221110BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20221110BHJP
【FI】
G06F3/0488
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/55
A63F13/533
(21)【出願番号】P 2021141601
(22)【出願日】2021-08-31
(62)【分割の表示】P 2020074464の分割
【原出願日】2015-02-20
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2014078244
(32)【優先日】2014-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】馬場 功淳
(72)【発明者】
【氏名】笠井 夏生
(72)【発明者】
【氏名】福田 大翼
(72)【発明者】
【氏名】田口 直樹
(72)【発明者】
【氏名】村松 厳
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/066591(WO,A1)
【文献】特開2006-181286(JP,A)
【文献】特開平07-200126(JP,A)
【文献】特開2012-133481(JP,A)
【文献】特開2010-067178(JP,A)
【文献】特開2012-033060(JP,A)
【文献】特開2009-240620(JP,A)
【文献】特開2013-059632(JP,A)
【文献】特開2011-141632(JP,A)
【文献】特開2013-127683(JP,A)
【文献】特開2006-314763(JP,A)
【文献】特開2000-037558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0488
A63F 13/2145
A63F 13/426
A63F 13/55
A63F 13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末が具備するタッチパネル上の任意の位置での接触操作である第1操作に応じて、第1ユーザインターフェース画像を表示して、キャラクタに第1動作を実行可能状態とする第1表示部と、
前記タッチパネル上の第2操作に応じて、第2ユーザインターフェース画像を表示して、前記キャラクタに第2動作を実行させる第2表示部と、
として前記携帯端末に機能させ、
前記タッチパネル上の接触状態が解除されることなく前記第1操作に続いて前記第2操作が行われるときに、前記第1ユーザインターフェース画像および前記第2ユーザインターフェース画像が共に前記タッチパネル上に表示される、ユーザインターフェースプログラム。
【請求項2】
前記第1動作の実行可能状態において前記第1ユーザインターフェース画像が選択された場合に前記キャラクタに前記第1動作を実行させる、請求項1記載のユーザインターフェースプログラム。
【請求項3】
前記第1操作が、ユーザによる前記タッチパネル上の長押し操作であり、
前記第2操作が、前記ユーザによる前記タッチパネル上のスライド操作である、
請求項1または2記載のユーザインターフェースプログラム。
【請求項4】
前記第1ユーザインターフェース画像の配置位置が前記タッチパネル上の長押し操作位置に関連付けられる、請求項3記載のユーザインターフェースプログラム。
【請求項5】
前記第1ユーザインターフェース画像が前記タッチパネル上の長押し操作位置に関し放射状に配置される、請求項4記載のユーザインターフェースプログラム。
【請求項6】
前記スライド操作により前記第1ユーザインターフェース画像が選択される場合に、前記キャラクタに前記第1動作を実行させる、請求項3から5の何れか一項記載のユーザインターフェースプログラム。
【請求項7】
前記スライド操作により前記第1ユーザインターフェース画像が選択されない場合には、前記キャラクタに前記第1動作を実行させない、請求項3から6の何れか一項記載のユーザインターフェースプログラム。
【請求項8】
前記第1操作に続いて前記第2操作が行われたときに実行される前記キャラクタの第2動作と、前記第1操作なしで前記第2操作が行われたときに実行される前記キャラクタの第2動作とでは、前記キャラクタの動作態様が異なる、請求項1から7の何れか一項記載のユーザインターフェースプログラム。
【請求項9】
前記第2動作が、前記キャラクタの移動動作であり、
前記動作態様が、前記キャラクタの移動速度である、請求項8記載のユーザインターフェースプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザインターフェースプログラムに関する。より詳細には、本発明は、スマートフォン上で実行されるゲームで使用されるユーザインターフェースプログラムであって、タッチパネル上で弾性オブジェクトの形状を変形して表示するユーザインターフェースプログラム、およびタッチパネル上の操作に応じて仮想空間内のキャラクタの動作を制御して表示するゲームで使用されるゲームプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン上で実行されるゲーム(以下、「スマートフォンゲーム」と称する。)に用いられるユーザインターフェースとして、例えば、特許文献1,2の従来技術が開示される。特許文献1に開示された技術は、スマートフォンのタッチパネルに操作ボタン(所謂、十字キー、ジョイスティック等)を表示するものである(特許文献1の〔要約〕参照)。ユーザは、当該操作ボタンを使用して、ゲームキャラの移動等を行うことができる。また、特許文献2に開示された技術は、ドラッグ処理に応じて、ドラッグの始点から終点へと伸び、始点側の一端部と終点側の他端部とで大きさ又は形状が異なるカーソルを表示するものである(特許文献2の〔要約〕参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-168931号公報
【文献】特開2012-33060号公報 特許文献1のようなユーザインターフェースとして、
図1に示されるようなバーチャルジョイスティックが知られており、今日リリースされている数多くのスマートフォンゲームにおいて採用されている。
図1に示されるユーザインターフェースは、大小2つの円を同心円状に配置して表示したものであり、ユーザによるスライド操作があると当該スライド操作がされた方向に小さい円がずれるように移動するものである。これにより、ユーザはゲームキャラの移動方向を確認することができる。バーチャルジョイスティックは、物理的な操作キーを疑似的に表現することにより、スマートフォン上で従来の家庭用ゲーム機(任天堂株式会社のファミリーコンピュータ(登録商標)等)のようなゲーム体験を提供することを実現しているものの、その限りでしかない。しかも、触感が無い分、ユーザの操作感には不満の残るものとなる。
【0004】
また、特許文献2のようなユーザインターフェースでは、
図2に示されるカーソルが採用されている。
図2に示されるユーザインターフェースは、大小2つの円を始点側の一端部と終点側の他端部に配置して表示したものであり、当該2つの円を線で繋ぎ合せることにより、1つのカーソルとして形成する(特許文献2の段落〔0071〕~〔0076〕および
図5も参照)。また、
図2のように、カーソルが長くなるほど、カーソルの面積が一定となるようにカーソル面積を細くするように構成される(特許文献2の段落〔0018〕も参照)。特許文献2に開示される技術により、ユーザは、ドラッグ操作の始点および終点の位置、始点から終点までの距離、始点から終点への方向を認識させながらドラッグ操作を実施することができる(特許文献2の段落〔0006〕も参照)。しかしながら、特許文献2のカーソルでは、大小2つの円を単に繋ぎ合わせることしか開示されておらず、どのような態様で繋げるかについての具体的なる原理や実施方法については何ら開示されていない。この点、特許文献2のカーソルは、ユーザに対し十分な美感性を有する(例えば滑らかな曲線美を有する)ユーザインターフェースを実現しているとは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このようなバーチャルジョイスティックに対する不満を解消するとともに、触感をも疑似的に体感させるような新たなゲーム体験を提供することができるユーザインターフェースに関する技術を提供することを目的とする。加えて、円形状を伸張するようにして、非常に滑らかな曲線として形成される弾性オブジェクトとして、弾性変形可能に挙動させるユーザインターフェースに関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的とするユーザインターフェースは、以下のユーザインターフェースプログラムおよびゲームプログラムによって実現される。即ち、本発明によれば、第1ユーザインターフェースプログラムは、携帯端末のタッチパネル上で弾性オブジェクトの形状を変形して表示する。そして、タッチパネル上の第1接触点の周囲に円形状を有する第1弾性オブジェクトを形成して表示する第1形成部と、タッチパネル上で物体によるスライド操作が行われたかを判定する第1判定部と、第1判定部において第1接触点から第2接触点までのスライド操作が判定された場合に、円形状を第2接触点に向けて伸張させることにより、変形した第2弾性オブジェクトを形成して表示する第2形成部であって、第1弾性オブジェクトが、複数のメッシュから成るメッシュ領域内に収容され、スライド操作の方向に沿って、複数のメッシュの各々を、第2接触点に近いメッシュほど累進的に長く伸張することにより、第1弾性オブジェクトの円形状を変形させる、第2形成部と、として上記携帯端末に機能させる。
【0007】
また、本発明によれば、第2ユーザインターフェースプログラムは、上記第2形成部において、タッチパネル上において第1接触点から延びるスライド操作方向の線上に基準点が設定され、スライド操作の距離と、第1弾性オブジェクトを収容する複数のメッシュの基準点からの距離とに基づいて、第2弾性オブジェクトを収容する上記伸張された複数のメッシュを形成することにより、第1弾性オブジェクトの円形状を変形させる。
【0008】
更に、本発明によれば、第3のユーザインターフェースプログラムは、上記第1判定部において第2接触点から第3接触点までのスライド操作が更に判定された場合に、第2弾性オブジェクトの形状を更に変形した第3の弾性オブジェクトを形成して表示する第3形成部であって、第1接触点に対する、第2接触点と第3接触点の間の角度だけ第2弾性オブジェクトを回転し、該回転された第2弾性オブジェクトの形状を第3接触点に向けて伸張して第3弾性オブジェクトを形成して表示する第3形成部として携帯端末に機能させる。
【0009】
更に、本発明によれば、第4のユーザインターフェースプログラムは、物体が第2接触点でタッチパネルから離れたかを判定する第2判定部と、第2判定部において第2接触点でタッチパネルから離れたと判定された場合に、変形した第2弾性オブジェクトを、第1接触点に向けて段階的に萎縮させることにより、第1弾性オブジェクトを復元して表示する第4形成部と、として携帯端末に機能させる。
【0010】
更に、本発明によれば、第5のユーザインターフェースプログラムは、携帯端末のタッチパネル上で弾性オブジェクトの形状を変形して表示する。そして、タッチパネル上の第1接触点の周囲に円形状を有する第1弾性オブジェクトを形成して表示する第1形成部と、タッチパネル上でスライド操作が行われたかを判定する第1判定部と、第1判定部において第1接触点から第2接触点までのスライド操作が判定された場合に、円形状を第2接触点に向けて伸張させることにより、変形した第2弾性オブジェクトを形成して表示する第2形成部であって、第1弾性オブジェクトが、複数のメッシュから成るメッシュ領域内に収容され、第1弾性オブジェクトを、メッシュ領域に基づいて第1部分と第2部分に分割し、スライド操作の距離に応じて、第1接触点の周囲で第1部分を拡大し、第2部分を第2接触点の周囲に移動し、上記拡大した第1部分と上記移動した第2部分とを曲線で連結することにより、曲線形状から成る、変形した第2弾性オブジェクトを形成する、第2形成部と、として携帯端末に機能させる。
【0011】
加えて、本発明によれば、第1ゲームプログラムは、携帯端末のタッチパネル上の操作に応じて仮想空間内のキャラクタの動作を制御して表示するゲームで使用される。そして、タッチパネル上の第1接触点の周囲に円形状を有する第1弾性オブジェクトを形成して表示する第1形成部とタッチパネル上でスライド操作が行われたかを判定する第1判定部と、第1判定部において第1接触点から第2接触点までのスライド操作が判定された場合に、円形状を第2接触点に向けて伸張させることにより、変形した第2弾性オブジェクトを形成して表示する第2形成部であって、第1弾性オブジェクトが、複数のメッシュから成るメッシュ領域内に収容され、スライド操作の方向に沿って、複数のメッシュの各々を、第2接触点に近いメッシュほど累進的に長く伸張することにより、第1弾性オブジェクトの円形状を変形させる、第2形成部と、スライド操作に応じて、スライド操作方向に基づく第1キャラクタ動作を実行し、該キャラクタ動作を、形成された第2弾性オブジェクトと共に表示する、キャラクタ制御部として携帯端末に機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザによるタッチパネルの操作時に弾性体として挙動するオブジェクトを表示し、操作に応じて当該オブジェクトを弾性変形させる。これにより、硬い筐体を有するスマートフォンがあたかも弾性を有しているかのような疑似体験をすることができ、新たなユーザインターフェースを提供することができる。
【0013】
また、このようなユーザインターフェースを、仮想空間内のキャラクタのアクション動作(例えば対戦型RPGゲームにおけるキャラクタの移動や攻撃等)に関連付け、ユーザがキャラクタの動作を制御可能させる。これにより、操作スピードが要求されるスマートフォンゲームの進行におけるユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、従来技術のユーザインターフェースの一例を示す。
【
図2】
図2は、従来技術のユーザインターフェースの一例を示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態によるユーザインターフェースプログラムを実行するための携帯端末の模式図である。
【
図4】
図4は、
図3の携帯端末の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図5】
図5は、
図3の携帯端末における入出力の概要を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、スライド操作の接触開始点に表示されるユーザインターフェースの模式図である。
【
図7】
図7は、スライド操作の接触終了点に表示されるユーザインターフェースの模式図である。
【
図8】
図8は、スライド操作終了後に表示されるユーザインターフェースの模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態によるユーザインターフェースプログラムを用いて実装される機能ブロック図である。
【
図10】
図10は、スライド操作の接触開始点に表示される弾性オブジェクトのユーザインターフェース画像である。
【
図12】
図12は、
図11の弾性オブジェクトの一部を弾性変形させたときのポリゴンの変化に関して示す模式図である。
【
図13】
図13は、第1実施例の弾性オブジェクト変形処理に関する模式図である。
【
図14】
図14は、弾性オブジェクト変形に際して実施されるポリゴン方向調整処理に関する模式図である。
【
図15】
図15は、第1実施例の弾性オブジェクト変形処理に関して経時的に示した模式図である。
【
図16】
図16は、第1実施例の弾性オブジェクト変形処理に関し、更なるスライド操作が行われた場合について示す模式図である。
【
図17】
図17は、第2実施例の弾性オブジェクト変形処理に関する模式図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施の形態による、弾性オブジェクト変形処理に関する概略の処理フローチャートである。
【
図19】
図19は、第2実施例の弾性オブジェクト変形処理に関する詳細な処理フローチャートである。
【
図20】
図20は、第3実施例の弾性オブジェクト変形処理に関する模式図である。
【
図21】
図21は、第3実施例の弾性オブジェクト変形処理に関する詳細な処理フローチャートである。
【
図22】
図22は、第3実施例の弾性オブジェクト変形処理に関して経時的に示した模式図である。
【
図23】
図23は、第4実施例の弾性オブジェクト変形処理に関する模式図である。
【
図24】
図24は、第1実施例または第2実施例により実施されたユーザインターフェースのゲーム適用例を示す画面図である。
【
図25】
図25は、第1実施例または第2実施例により実施されたユーザインターフェースのゲーム適用例を示す画面図である。
【
図26】
図26は、第1実施例または第2実施例により実施されたユーザインターフェースのゲーム適用例を示す画面図である。
【
図27】
図27は、第4実施例により実施されたユーザインターフェースのゲーム適用例を示す画面図である。
【
図28】
図28は、本発明の実施の形態によるユーザインターフェースプログラムを実行して形成されるユーザインターフェースの他のゲーム適用例を示す模式図である。
【
図30】
図30は、
図28に示すユーザインターフェースに基づく溜め移動処理に関する模式図である。
【
図31】
図31は、
図28に示すユーザインターフェースに基づく溜め移動処理に関する処理フローチャートである。
【
図32】
図32は、
図30に対応するユーザインターフェースのゲーム適用例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
これより
図3以降を参照して、本発明の実施形態による、携帯端末のタッチパネル上で弾性オブジェクトの形状を変形して表示するためのユーザインターフェースプログラム、および、当該弾性オブジェクトを用いた、携帯端末のタッチパネル上の操作に応じて仮想空間内のキャラクタの動作を制御して表示するゲームで使用されるゲームプログラムについて説明する。図中、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
【0016】
本発明の実施の形態によるユーザインターフェースプログラムは、主に、スマートフォンゲームとしてのゲームプログラムの一部を構成する。より詳しくは、ユーザインターフェースプログラムは、ゲームプログラムの一部として、仮想空間内においてゲームキャラクタ(ゲームオブジェクト)の動作を制御するために用いられるものである。
【0017】
図3に示すように、スマートフォン1は、タッチパネル2を備えており、ユーザは当該タッチパネル2上でのユーザ操作を介してゲームキャラクタの動作を制御することができる。なお、本実施の形態によるユーザインターフェースプログラムを実行する携帯端末は、スマートフォン1に限定さられず、例えば、PDA、タブレット型コンピュータのデバイスなど、タッチパネルを備える端末であれば如何なるデバイスともすることができる。
【0018】
図4に示すように、スマートフォン1は、互いにバス接続されたCPU3、主記憶4、補助記憶5、送受信部6、表示部7および入力部8を備える。このうち主記憶4は例えばDRAMなどで構成され、補助記憶5は例えばHDDなどで構成されている。補助記憶5には、本実施の形態によるユーザインターフェースプログラムおよびゲームプログラムを記録可能な記録媒体である。補助記憶4に格納されたユーザインターフェースプログラムは、主記憶4上に展開されてCPU3によって実行される。なお、主記記憶4上には、CPU3がユーザインターフェースプログラムおよびゲームプログラムに従って動作している間に生成したデータやCPU3によって利用されるデータも一時的に格納される。送受信部6はCPU3の制御によりスマートフォン1とネットワークとの間の接続(無線接続および/または有線接続)を確立して各種情報の送受信を行う。表示部7は、CPUでの制御の下でユーザに提示することになる各種情報を表示する。入力部8は、ユーザのタッチパル2に対する入力操作(主に、タッチ操作、スライド(スワイプ)操作およびタップ操作等の物理的接触操作)を検知する。
【0019】
表示部7及び入力部8は、上述したタッチパネル2に相当する。
図5に示すように、タッチパネル2は、入力部8に相当するタッチセンシング部301と表示部7に相当する液晶表示部302とを有している。タッチパネル2は、CPU3による制御の下で、画像を表示して、プレイヤによるインタラクティブなタッチ操作(タッチパネル2における物理的接触操作等)を受け付け、制御部303の制御に基づいてそれに対応するグラフィックを液晶表示部302に表示する。
【0020】
具体的には、上記タッチセンシング部301は、ユーザによるタッチ操作に応じた操作信号を制御部303に出力する。タッチ操作は、何れの物体によるものとすることができ、例えば、ユーザの指によりなされてもよいし、スタイラス等でもよい。タッチセンシング部301は、例えば、静電容量タイプのものを採用することができるが、これに限定されない。制御部303は、タッチセンシング部301からの操作信号を検出すると、ユーザのキャラクタへの操作指示として判断し、当該指示操作に応じたグラフィック(図示せず)を液晶表示部へ表示信号として送信する処理を行う。液晶表示部302は、表示信号に応じたグラフィックを表示する。
(1)ユーザインターフェースの基本構成
以下、
図6から
図8を参照して本実施の形態によるユーザインターフェースの基本構成について説明する。
図6に示すように、本実施の形態による操作オブジェクト400は、固定円410、および当該固定円410の内部に位置する弾性オブジェクト420を備えている。操作オブジェクト400は、ユーザの指がタッチパネル2に接触したことが検知されるとタッチパネル2に表示される。弾性オブジェクト420は、図示のように、指接触時の初期形状として、タッチパネル2上の接触点の周囲に円形状を有するように形成される。なお、
図6では、接触点を中心に円形状を形成しているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、一定距離だけ上部または下部にずらして形成してもよい。一定距離だけずらすことにより、円形状を表示する際に、ユーザの指で隠れてしまうのを防止することができる。
【0021】
図7に示すように、本実施の形態による弾性オブジェクトは、タッチパネル上における
ユーザの操作に応じて、弾性体の如く挙動するものである。具体的には、ユーザがタッチパネル2上でスライド操作(タッチパネル2上において接触点を接触開始点から接触終了点に移動させる操作)を行うと、弾性オブジェクト420は、ユーザの指に引っ張られるような弾性変形を伴う。図示のように、弾性オブジェクト420は、スライド操作の接触開始点に位置しその位置が固定されている基部430と、スライド操作の接触終了点(注:指は接触した状態である。)付近に位置する先端部450と、基部430と先端部450との間を接続する接続部440とを含むように構成される。(なお以下において、基部430、接続部440および先端部450を総称して弾性オブジェクト420と記載することもある。)
このように、弾性オブジェクトは、スライド操作がされた方向に弾性的に延ばすように形成する。即ち、初期円形状を接触終了点に向けて伸張させることにより、弾性的に変形した弾性オブジェクト420’を形成して表示する。なお、
図7では、基部430を先端部450よりも大きくするように弾性オブジェクト420を形成しているが、これに限定されず、逆に、先端部450を基部430よりも大きく形成してもよい。また、ユーザが接触終了点を接触状態に維持しつつタッチパネル上において更に移動させた場合、先端部450もそれに追従して更に移動し弾性オブジェクト420の延びる向きも変化する。
【0022】
次いで、
図8に示すように、ユーザによるスライド操作が終了した際に(即ち、タッチパネル2上において接触終了点からユーザの指が離れた際に)、弾性変形した弾性オブジェクトが、その復元力に従って、接触開始点に向けて段階的に萎縮することにより、
図6に示した初期形状に復元するように表示される。この際、図示のように、復元力の反動により弾性オブジェクト420の伸張方向とは逆の萎縮方向において固定円410からはみ出すように表示され、その後に初期形状に復元する。なお、図示した弾性オブジェクト420は復元に伴って変形しているが、これに限定されない。例えば、このような変形を行わずに初期形状に復元させ、弾性オブジェクトの位置を伸張方向とは逆の萎縮方向に震わせるようにずらすこととしてもよい。
(2)プログラム主要機能
図9を参照して、本実施の形態によるユーザインターフェースプログラムおよびゲームプログラムで実装される主要な機能のセットについて説明する。当該機能セットを通じて、操作信号としての入力を処理して、表示信号としての出力を生成することになる。機能セットは、タッチパネルを通じたユーザ入力操作に関連するユーザ操作部800、および、タッチパネル上の操作に応じてゲームの仮想空間内のキャラクタの動作を制御してキャラクタを操作するためのキャラクタ操作部900を含む。ユーザ操作部800では、接触判定部810、スライド操作判定部830、および非接触判定部860の各々によりユーザ入力操作の判定処理を行い、判定の結果に従って、対応する初期形状オブジェクト形成部820、ポリゴン方向調整部840および変形オブジェクト形成部850、並びに復元オブジェクト形成部870において各種オブジェクト形成処理を実行する。
【0023】
接触判定部810では、タッチパネル上で物体による接触があるかを判定する。接触判定部810で物体による接触が判定されると、初期形状オブジェクト形成部820では、タッチパネル上の接触点の周囲に円形状を有する弾性オブジェクトを形成して表示する。スライド操作判定部830では、タッチパネル上で物体によるスライド操作が行われたかを判定する。スライド操作判定部830で接触開始点から接触終了点まで物体によるスライド操作が判定されると、ポリゴン方向調整部840では、ポリゴンの方向が物体の移動方向となるように、ポリゴンの回転による調整処理を実施する。引き続き、変形オブジェクト形成部850では、初期の円形状を接触終了点に向けて伸張させることにより、変形した弾性オブジェクトを形成して表示する。
【0024】
そのままスライド操作が継続されると、更に、ポリゴン方向調整部840でのポリゴン方向調整処理を再度実施し、変形オブジェクト形成部850において、更なる接触終了点
に向けて上記変形した弾性オブジェクトを更に伸張させる。非接触判定部860では、スライド操作において、物体が接触終了点でタッチパネルから離れたかを判定する。非接触判定部860で物体が離れたことが判定されると、復元オブジェクト形成部870では、変形オブジェクト形成部850により変形した弾性オブジェクトを、接触開始点に向けて段階的に萎縮させることにより、初期形状オブジェクト形成部820で形成した初期の円形状を有する弾性オブジェクトを復元して表示する。
【0025】
一方、キャラクタ制御部900では、ユーザ操作部800を通じたタッチパネル上の操作に応じて仮想空間内のキャラクタの動作を制御する。キャラクタ制御部910では、スライド操作判定部830で判定されたスライド操作に応じて、スライド操作の移動量(移動距離)および移動方向に基づくキャラクタ動作を実行し、変形オブジェクト形成部850によって形成された変形した弾性オブジェクトと共に、当該キャラクタ動作を表示する。キャラクタ制御部で制御されるキャラクタ動作として数多くのアクションが想定され、その各々に何らかのユーザ操作および/またはアイコン画像が関連付けられている。
【0026】
アイコン画像形成部920では、初期形状オブジェクト形成部820で初期円形状の弾性オブジェクトが形成された場合に、更に、当該弾性オブジェクトの周囲に少なくとも1つのアイコン画像を生成して表示する。アイコン選択判定部930では、タッチパネル上での接触点がアイコン画像の配置位置に対応するかを判定する。スライド操作判定部830でスライド操作が判定され、またアイコン選択判定部930で接触終了点がアイコン画像の配置位置に対応すると判定される場合に、キャラクタ制御部910は、アイコン画像に関連付けられたキャラクタ動作(アクション)を実行する。
(3)弾性オブジェクトの変形処理
続いて、
図10から
図23を参照して、上記に基本構成を説明した本実施の形態による弾性オブジェクトの変形に関する処理について、幾らかの例示によりその詳細を説明する。
(3-a)弾性オブジェクト変形処理の基本原理
図10は、タッチパネル2への指の接触時に形成される、円形状を有する弾性オブジェクトのユーザインターフェース画像を模式的に示したものである。
図10(a)に示すように、本実施の形態による弾性オブジェクトは、表示される際、略正方形状のユーザインターフェース画像750として画像生成がされ、ゲーム画像の一部として重畳される。ユーザインターフェース画像750は、半透明領域760および透明領域770から成り、半透明領域760が弾性オブジェクトの基本表示領域として画面表示される。
【0027】
より詳細には、
図10(b)に示すように、本実施の形態による弾性オブジェクトは、略正方形のメッシュ領域に収容され、複数のメッシュ710に分割されたポリゴンとして形成される。
図10(b)では、一例として、ユーザインターフェース画像750を4×4=16メッシュに分割して、弾性オブジェクトを収容しているものの、メッシュに分割する数は限定的でないことが当業者に理解される。そして、本実施の形態による弾性オブジェクトの変形は、ユーザインターフェース画像750をゴムシートの如く伸張する処理、特に、メッシュ毎に伸張する物理演算処理を仮想的に実施することにより実現される(処理の詳細は後述)。
【0028】
次に
図11および
図12を参照して、上記のメッシュ毎に伸張する物理演算処理について説明する。
図11および
図12は、弾性オブジェクトの一部を一例として模式的に示したものである。本実施の形態による弾性オブジェクトは、複数のメッシュ710に分割された板状のポリゴン700の各頂点720の座標を動かすことによって弾性変形を表現する。各頂点720はメッシュ状に配置されており、任意の頂点720Aの座標がスライド操作によって移動された場合、その他の頂点720も頂点720Aに関する移動ベクトル(例えば、移動方向および移動距離)に応じて座標が変更される。例えば、頂点720A
以外の頂点720の移動距離は、頂点720Aからの距離によって重み付けをしてもよい。即ち、
図12に表すように、頂点720Aからの距離が大きくなるにつれて(頂点720Aから離れるにつれて)座標の変化量が小さくなるようにしてもよい。なお、
図12における白丸は、移動前の(即ち、
図11の)頂点の位置を表している。
【0029】
そこで、
図13以降を更に参照して上記基本原理に基づくオブジェクト変形処理の各種実施例について説明する。
(3-b)実施例1
図13は、実施例1に基づいて変形される弾性オブジェクト420aの一例を模式的に示したものである。本実施例では、変形オブジェクト形成部850において、スライド操作の方向に沿って初期形状オブジェクト形成部820で生成した初期円形状を終了点に向けて伸張させることにより、変形した弾性オブジェクト420a’を形成する。特に、
図13の例では、分割された複数のメッシュの各頂点の座標を移動させる際に、当該複数のメッシュの各々は、列(#1~#4)ごとに同一の長方形状を維持したまま(例えばメッシュ#1A~#1Dは全て同一の長方形状を有している。)、接触終了点に近い列(#1)のメッシュほど、遠い列(#4)のメッシュと比べて累進的に長く伸張させる。一例として、スライド操作による移動距離Lに応じて、各列の伸張率を加重配分するように構成してもよい。
【0030】
図13の例では、各列について、#4が10%、#3が15%、#2が30%、#1が45%となるように配分している(合計で100%)。更に例えば移動距離を2Lとした場合には、#4が1%、#3が4%、#2が35%、#1が60%といった具合に#1を更に大きくするように加重配分してもよい。
【0031】
本実施例では、最初に、
図14に模式的に示すように、ポリゴン方向調整部840においてポリゴンの方向が物体の移動方向となるように、ポリゴンの回転による調整処理(ポリゴン方向調整処理)を実施する。当該ポリゴン方向調整処理を実施することにより、変形された弾性オブジェクトは、
図15に模式的に示すように、スライドの移動距離に拘わらず、スライド操作方向に対して常に一定の幅W(
図10に示される円形状の半透明領域760の直径)を有して変形可能となる。当業者にとって、
図2に示した従来技術と比較しても理解されるように、本実施例により変形される弾性オブジェクトは、常に一定の幅Wを有するように構成可能な点、および初期円形状を接触終了点に向けて伸張して弾性オブジェクトを変形することにより、非常に滑らかな曲線形状を有することが可能となる点において、従来技術と異なるものとすることができる。
【0032】
なお、本実施例においては、上述した
図15の幅Wは、円の直径と固定することに限定されず、例えば、スライド操作に応じて幅Wを徐々に大きくするように構成してもよい。即ち、
図15(a)、
図15(b)及び
図15(c)と移動距離が増えるにしたがって、徐々に幅Wを大きくしていくよう拡大率を構成してもよい。これにより、スライド操作の量が弾性体オブジェクトの大きさとして更にユーザに視認しやすくなる。
【0033】
上記のポリゴン方向調整処理に関連して、
図16に模式的に示すように、ユーザが接触終了点1(
図16(a))から指を離すことなく、更に他の接触終了点2(
図16(b))まで指をスライド操作させた場合には、継続して弾性オブジェクトを変形させる。即ち、スライド操作における接触開始点に対する、接触終了点1と接触終了点2の間の角度だけポリゴンの方向を回転させて、変形した弾性オブジェクト420a’を回転し、次いで、当該回転した弾性オブジェクトの形状を引き続き終了点2まで伸張して、更に変形した弾性オブジェクト420a’’を形成する。
(3-c)実施例2
図17は、実施例2に基づいて変形される弾性オブジェクト420bの一例を模式的に
示したものである。実施例2によれば、上記実施例1よりも更により滑らかな曲線形状を有するように弾性オブジェクトを形成可能である。なお、上記実施例1と同様に、本処理例でも、最初に上記ポリゴン方向調整処理を実施する。本実施例は、上記実施例1とは異なり、各列の長方形状を維持して各メッシュを伸張する(
図15)ことに限定されない。即ち、本実施例では、まず、タッチパネル上においてスライド操作の接触開始点から延びるスライド操作方向の線上のメッシュ点の1つを基準点O(0,Ystd)として設定する。
【0034】
次いで、スライド操作の移動距離L、および、複数のメッシュの基準点Oからの距離(特に、複数のメッシュの各頂点の基準点Oからの距離R)に基づいて、変形される弾性オブジェクトを収容するための複数のメッシュの頂点を決定することで足りる。本実施例では、頂点毎に異なる距離Rを用いて座標計算することを考慮すれば、各列の長方形状が維持されないことが当業者に理解される。そこで、以下に本実施例の処理の詳細を
図18および
図19のフローチャートを参照して説明する。
【0035】
図18のとおり、本実施例は、ステップS101で開始し、ステップS102で、接触判定部810によりタッチパネルへの接触判定がなされる。物体(指)による接触があると判定されると、ステップS103に進み、初期形状オブジェクト形成部820により、接触開始点の周囲に初期円形状の弾性オブジェクトを形成する(
図10も参照)。引き続き、ステップS104に進み、スライド操作判定部830により、タッチパネル上で物体によるスライド操作が行われたかを判定する。スライド操作が為されたと判定されると、ステップS105に進み、ポリゴン方向調整部840および変形オブジェクト形成部850により、上記初期円形状を接触終了点に向けて伸張させることにより、変形した弾性オブジェクトを形成する。
【0036】
ここで、当該ステップS105での変形した弾性オブジェクトの形成処理について、
図19のフローチャートを参照してより詳細に説明する。上記ステップS104でスライド操作が為されたと判定されると、まず、ステップS201において、ポリゴン方向調整部840により、上記実施例1で説明したポリゴン方向調整処理を実施する(
図14も参照)。この点、本処理例においても、弾性オブジェクト420bは、スライド操作方向に対して常に一定の幅Wを有して変形可能である。同時にステップS202では、弾性オブジェクト420bの変形のためにタッチパネル上のXY座標を規定する。当該XY座標系は、接触開始点を原点とし、且つ、スライド操作方向がY方向となるように規定するものである。
【0037】
次いでステップS203では、タッチパネル上において接触開始点から延びるスライド操作方向(Y方向)の線上に基準点(0,Ystd)を設定する。当該基準点は、
図17に示すように、Y方向のポリゴン外周上の頂点を設定するのがよい。
【0038】
そして、ステップS204では、変更オブジェクト形成部850において、弾性オブジェクトの変形時に、初期円形状の弾性オブジェクトを収容する複数のメッシュの各頂点P(x0,y0)が移される。即ち、複数のメッシュの各対応頂点P’(x1,y1)を決定する。ここでは、Lを移動距離、Rを各点(x0,y0)の上記基準点(0,Ystd)からの距離とした場合、各頂点P(x0,y0)に対応する、各対応頂点P’(x1,y1)は、
x1=x0,
y1=y0+L/R
によって計算される。
【0039】
上記数式によれば、各点(x0,y0)の上記基準点(0,Ystd)からの距離Rが
大きくなる頂点ほど、y方向の移動が少なく計算され、頂点があまり移動しないことが当業者に理解される。上記ステップS204は、複数のメッシュの全頂点に対して実施することにより、伸張されたメッシュの全対応頂点を決定し、その結果、変形した弾性オブジェクトを形成する。変形オブジェクト形成部850によって形成される弾性オブジェクトは、実施例1のように長方形状を維持することは必要無く、このため、より滑らかな曲線形状を形成可能である。
【0040】
図18に戻り、本処理はステップS106で終了する。図示はしていないが、
図18のステップS106の後、ユーザが引き続き指をスライド動作させた場合には、実施例1でも説明したように、引き続き弾性オブジェクトを更に変形させるように構成される。即ち、ポリゴン方向調整部840によって、スライド操作における接触開始点に対する、接触終了点1と接触終了点2の間の角度だけポリゴンの方向を回転させることにより、変形した弾性オブジェクトを回転させる。次いで、変形オブジェクト形成部850により、当該回転した弾性オブジェクトの形状を終了点2まで伸張して、更に変形した弾性オブジェクトを形成する。
【0041】
他方、ステップS106の後、非接触判定部860によってユーザがタッチパネルから指を離したと判定される場合には、
図8に関連して上記に説明したように、復元オブジェクト形成部870によって、弾性変形した弾性オブジェクトが、その復元力に従って、開始点に向けて段階的に萎縮される。最終的には
図6に示した初期形状に復元するように構成される。当該萎縮処理は、段階ごとに、上記基準点(0,Ystd)を適宜選択し直して、移動距離および各点(x0,y0)の選択された基準点(0,Ystd)からの距離を用いて、上記数式に基づく計算を実施することにより実現可能であることが当業者に理解される。
(3-d)実施例3
図20は、実施例3に基づいて変形される弾性オブジェクト420cの一例を模式的に示したものである。実施例3によれば、実施例1,2と比べて、更に、物体のスライド操作に連動してよりダイナミックな曲線形状を有するように弾性オブジェクト420c’を形成可能である。実施例1,2と同様、本実施例でも、最初にポリゴン方向調整処理を実施する。本実施例での変形処理の全体概要については、実施例2で説明した
図18のフローチャートと概ね同様である。
【0042】
他方、本実施例では、実施例2とは異なり、変形オブジェクト形成部850において、スライド操作の方向に沿って、複数のメッシュの各々を伸張することはしない。その代わり、本実施例では、変形オブジェクト形成部850において、初期円形状の弾性オブジェクトを、メッシュ領域に基づいて2つの部分に分割し、一方のメッシュ領域部分を拡大し、他方のメッシュ領域を接触終了点の周囲に移動させる。そして、これらを連結することにより、変形した弾性オブジェクトを形成する。
【0043】
本実施例の詳細(特に
図18のステップS105の詳細)を
図21のフローチャートを参照して説明する。
図18の上記ステップS104においてスライド操作判定部830によりスライド操作が為されたと判定されると、まず、ステップS301において、上記実施例1でも説明したポリゴン方向調整部840によるポリゴン方向調整処理を実施する。同時に、ステップS302で、弾性オブジェクト420cの変形のためにタッチパネル上のXY座標を規定するのがよい。当該XY座標系は、
図20(a)に示したように、接触開始点を原点とし、且つ、スライド操作方向がY方向となるように規定する。
【0044】
次いで、ステップS303では、変形オブジェクト形成部850により、初期円形状の弾性オブジェクトを、複数のメッシュの領域に基づいて上部分と下部分の2つのメッシュ領域に分割する。ここでは、スライド操作方向(Y方向)の直角方向(X方向)に初期円
形状を半円分割することにより形成される。なお、上部分と下部分の2つのメッシュ領域は、その一部を重複させてもよく、
図20(b)の例では、一列分の重複列を有している。
【0045】
そして、ステップS304では、変形オブジェクト形成部850により、まず下部分について、スライド操作の移動距離Lに応じた拡大率で、接触開始点の周囲でメッシュ領域を拡大する。これは、当業者にとって、
図20(b)および(c)の下部分のメッシュ領域の大きさを比較しても理解されるように、スライド操作距離Lが長いほど、接触開始点の周囲でメッシュ領域の大きさを大きくする。即ち、スライド操作方向(Y方向)および/または該スライド操作方向の直角方向(X方向)に対して、半円周を大きく拡大するように形成するのがよい。次いで、ステップS305では、変形オブジェクト形成部850により、今度は上部分について、接触終了点の周囲にメッシュ領域をY方向に移動させる。
【0046】
図20(b)および
図20(c)では、当該上部分のメッシュ領域の大きさを同一のものとしている。即ち、ここでは、上部分のメッシュ領域の大きさはスライド操作距離Lに従っていない。しかしながら、上記下部分と同様に、上部分のメッシュ領域の大きさについても、スライド操作距離Lに従って拡大するように形成してもよい。この場合は、当該上部分の拡大率は、ステップS304での下部分の拡大率に関連付けて決定するのがよい。具体的には、本実施例の弾性オブジェクト420c’は、スライド操作の方向に対して先端が先細るような形状とするために、上部分の拡大率は、ステップS304での下部分の拡大率よりも小さくするのがよい。
【0047】
最後に、ステップS306では、変形オブジェクト形成部850により、ステップS304で拡大した下部分、およびステップS305で移動した上部分のメッシュ領域における各半円周部分を連結して、変形した弾性オブジェクトを形成する。例えば
図20(b)に示した重複列上の円周部分を相互に連結する。連結態様としては、
図20(b)および
図20(c)のように直線で連結してもいいが、これ以外にも、より滑らかな曲線形状から成るようにするために、連結線をX方向に伸張させるような任意のエフェクト処理を実施するのがよい。
【0048】
図22は、より滑らかな曲線形状として形成された一連の弾性オブジェクト420cを模式的に示したものである。
図22(a)では一連の弾性オブジェクト420cの変化の様子を時系列で示し、
図22(b)では各弾性オブジェクトを重ねて示す。図示のように、初期円形状の下部分がスライド操作距離に従ってより大きく拡大されるため、弾性オブジェクト420cは、スライド操作距離が大きくなればなるほど、その幅も大きくなることが当業者に理解される。本実施例は、当該形状の点において、幅を一定のものとする実施例1,2とは異なる。本実施例では、弾性オブジェクト420cの幅を大きくすることにより、物体のスライド操作に連動してよりダイナミックな曲線形状を有するように弾性オブジェクト420c’を形成可能である。
【0049】
図示はしていないが、
図18のステップS106の後、タッチパネルにおいてユーザが引き続き指をスライド操作させた場合には、実施例1,2でも説明したように、弾性オブジェクトを更に変形させるように構成される。即ち、ポリゴン方向調整部840によって、スライド操作での接触開始点に対する、接触終了点1と接触終了点2の間の角度だけポリゴンの方向を回転させることにより、変形した弾性オブジェクトを回転させる。次いで、変形オブジェクト形成部850により、当該回転した弾性オブジェクトの形状を終了点2まで伸張して、更に変形した弾性オブジェクトを形成する。
【0050】
他方、ステップS106の後、非接触判定部860によってユーザがタッチパネルから
指を離したと判定される場合には、
図8に関連して上記に説明したように、復元オブジェクト形成部870によって、弾性変形した弾性オブジェクトが、その復元力に従って、開始点に向けて段階的に萎縮させることにより、
図6に示される初期形状に復元するように構成される。当該萎縮処理は、段階ごとに、上記ステップS304でのスライド操作距離に従う拡大率を適宜決定して、ステップS302からS306までの各処理を実施することにより実現可能であることが当業者に理解される。
(3-e)実施例4
図23は、実施例4に基づいて変形される弾性オブジェクトの一例を模式的に示したものである。
図23に示すように、本実施の形態による変形例として、タップ操作(タッチパネル2にタッチ(瞬間的な接触操作)がされる操作)がされると、弾性オブジェクト900が押しつぶされたように弾性変形した状態で当該タップ操作点に表示される。弾性オブジェクト420dの外周は下記の一般式で表される正弦曲線により構成されている。本実施の形態において、A、ω及びTの値は所定の制限範囲内でランダムに定められる。これにより、弾性オブジェクトの形状をランダムに変形させることができ、現実に弾性体を押しつぶした時に現れる外周の形状に近づけることができる。
【0051】
y=Asin(ωt+T)
なお、
図23に示される弾性オブジェクト420dの形状は、ゲーム内で使用されるパラメータに従って変化させることとしてもよい。例えば、対戦型RPGゲームにおいて敵キャラクタに与えたダメージの大きさや、ゲームキャラクタが使用する武器の種類等、更には連続コンボ(連続的に敵キャラクタに攻撃を加えること)が発生する等によって星の大きさや形状を変えることとしてもよい。
(4)ユーザインターフェースプログラムの適用例
図24から
図32を参照して、上記の本実施の形態による、弾性オブジェクトのユーザインターフェースに関するゲームへの適用例について説明する。
図24から
図27は、本実施の形態によるユーザインターフェースプログラム、および当該ユーザインターフェースプログラムを備えたゲームプログラムが実行された際の画面例である。スマートフォンゲームとして、ゲーム内の仮想空間に配置され、タッチパネルに表示されたゲームオブジェクト(例えばゲームキャラクタ)をユーザの指等の物体で操作を行う対戦型RPGゲームを想定する。当該ゲームプログラムは、上記の各種実施例の何れかに従って実装されたものである。ユーザのスライド操作に応じて、スライド操作の移動方向および移動距離に基づくキャラクタ動作を実行し、該キャラクタ動作が、上記変形された弾性オブジェクトと共に表示される。
(4-a)ゲーム適用例1
図24、
図25および
図26は、上記の実施例1または実施例2に従って実装されたユーザインターフェースプログラムを備えたゲームプログラムが実行された場合のゲーム画面例である。ユーザのスライド操作に応じて、キャラクタ制御部910によってスライド操作の移動距離および移動方向に基づくキャラクタ移動動作を実行し、該キャラクタ移動動作を、上記変形した弾性オブジェクトと共に表示する。
【0052】
図24に示すように、ユーザがタッチパネル2上を左方向にスライド操作すると、弾性オブジェクト420が左方向に弾性変形するように表示される。当該操作に伴い、ゲームキャラクタ460に、左方向に移動させる動作をする。一方、
図25に示すように、ユーザがタッチパネル2上を(右)上方向にスライド操作すると、弾性オブジェクト420が(右)上方向に弾性変形するように表示される。当該操作に伴い、ゲームキャラクタ460に、(右)上方向にジャンプさせる動作をする。
【0053】
図24および
図25が2次元仮想空間でのゲーム画面例であるのに対し、
図26のゲーム画面は3次元仮想空間でのゲーム画面例である。3次元仮想空間でも同様であり、
図26のように、ユーザがタッチパネル2上を右上方向にスライド操作すると、弾性オブジェクト420が右上方向に弾性変形するように表示される。当該操作に伴い、ゲームキャラクタ460は、右上方向に3次元移動をする。また、
図27は、上記実施例4に従って実装されたユーザインターフェースプログラムを備えたゲームプログラムが実行された場合の画面例である。本画面例は、ユーザの操作に応じてキャラクタによる攻撃動作を実行して表示する例である。ユーザがタッチパネル2上をタップ操作すると、上記第4実施例に基づいて実装される弾性オブジェクト420dが表示される。当該操作に伴い、ゲームキャラクタ460は、攻撃の動作を実行する。
(4-b)ゲーム適用例2
図28は、本発明の実施の態様により、上記実施例1から実施例3の何れかに従って実装されたユーザインターフェースプログラムを少なくとも実行する場合のユーザインターフェース画像例である。当該ユーザインターフェース画像例は、ユーザがタッチパネルを接触した所定の場合に表示される。図示のように、上記の初期円形状の弾性オブジェクト420に加えて、弾性オブジェクト420から離れて配置された「SKILL」と記されたアイコン画像510,520、およびアイコン画像510,520を包含して形成される略楕円形形状の弾性オブジェクト610,620のセットがユーザインターフェース画像として重畳される。
【0054】
当該ユーザインターフェース画像は、例えば、ユーザによる指の接触状態が一定時間継続された(即ち、ユーザがタッチパネルを長押しした)場合に出現するよう、アイコン画像形成部920によって動作される。ユーザインターフェース画像表示状態では、ユーザの指によるスライド操作が行われると、ゲーム適用例1のように弾性オブジェクト420を変形させながら、スライド操作に応じてキャラクタを移動させる動作を実行可能とする。
【0055】
次いで、アイコン選択判定部930により、アイコン画像510,520を選択するためのスライド操作があったと判定された場合に、キャラクタ制御部910では、上記キャラクタの移動動作を中断し、選択された「SKILL」アイコンを実行する。具体的には、タッチパネル上でのスライド接触終了点がアイコン画像の配置位置にあるかを判定し、配置位置にある場合に、その「SKILL」アイコンに関連付けられたキャラクタ動作を実行する。なお、ここでの「SKILL」とは、アイコン画像510,520に関連付けられたキャラクタ動作(アクション)であり、例えば、ゲーム内のゲームキャラクタによる攻撃動作の1つであり得る。スライド操作によるキャラクタの移動動作中は、タッチパネルとの接触状態が解除されない限り、アイコン画像510,520が表示され続ける。
【0056】
即ち、常に「SKILL」を実施できる状態を維持しつつキャラクタを仮想空間内において移動動作させることができる(以下、当該移動を「溜め移動」と称する。具体的な処理については後述)とするものである。なお、
図28での本適用例による「SKILL」アイコンは、弾性オブジェクト420の周辺の離れた左上および右上の位置に2つ(510,520)が放射状に配置されている。しかしながら、これらの位置および個数には限定されないことが理解されるべきである。例えば、左上および右上の位置だけでなく、左下や右下にも配置して4種類の「SKILL」に対応させてもよい。
【0057】
弾性オブジェクト610,620は、
図29に示すように弾性変形可能なる物体として、略楕円形状を形成するように挙動する。具体的には、ユーザの指がタッチパネルに接触し、一定時間接触が維持されると、弾性オブジェクト610は、点線で示した形状610-1、形状610-2および形状610-3を段階的な弾性変形を経て、最終的に実線で示した610の形状となる。このようなポップアップ感を出す表示を行うことにより、操作の特別感を演出可能とする。なお、弾性体オブジェクト610,620の形成は、アイコン画像形成部920において、やはり上記の各種実施例と同様にして、初期形状をアイコン画像に向けて徐々に伸張させることで形成可能である。また、
図29では、簡単のため弾性オブジェクト610のみ示しているが、弾性オブジェクト620についても同様である
以下に、上記の溜め移動処理について
図30の模式図および
図31のフローチャートを参照して説明する。
図30は、ゲームキャラクタの溜め移動について示した模式図である。ここでは、ユーザがタッチパネルを接触開始点で長押しして、その後、接触終了点1までスライド操作をさせ(スライド操作1)、更に接触終了点2までスライド操作しようとするシナリオを想定する。図示のように、ユーザインターフェース画像として、弾性オブジェクト420、および「SKILL」アイコン画像510,520の両方が表示されている。スライド操作1の後であっても、ユーザは指を離すことなく、「SKILL2」アイコン520まで更なるスライド操作2を実施することにより、「SKILL2」アクションが可能となる。
【0058】
本適用例を実施することにより、常に「SKILL」を実施できる状態を維持しつつ、キャラクタに仮想空間内において移動させる動作を実行することを可能にする。特に、操作スピードが要求されるスマートフォンゲームにおいて、連続スライド操作で2つの動作を実行可能とすることは、そのユーザビリティを向上させることに繋がる。
【0059】
図31のフローチャートを参照して、溜め移動処理の詳細を説明する。
図31では、簡単のため、上記弾性オブジェクト610,620の表示処理については考慮しない。溜め移動処理は、ステップS401で開始し、ステップS402で接触判定部810によりタッチパネルへの接触判定がなされる。物体(指)による接触があると判定されると、ステップS403に進み、初期形状オブジェクト形成部820により、接触開始点の周囲に初期円形状の弾性オブジェクトを形成する(
図10も参照)。これに併せて、例えば接触状態が一定時間続いたような(長押しされた)場合は更に、ステップS404に進み、アイコン画像形成部920により、ステップS403で形成された初期円形状の弾性オブジェクトの周囲に少なくとも1つのアイコン画像(「SKILL」アイコン)を放射状に生成して表示する。
【0060】
次いで、ステップS405では、スライド操作判定部830により、タッチパネル上で物体によるスライド操作が行われたかを判定する。スライド操作が為されたと判定されると、ステップS406に進み、ポリゴン方向調整部840および変形オブジェクト形成部850によって、上記初期円形状を接触終了点1に向けて伸張させることにより、変形した弾性オブジェクトを形成する。当該ステップS406は、スライド操作の間継続して実施される。スライド操作が終了すると(接触終了点2)、引き続きステップS407に進み、アイコン選択判定部930により、スライド操作の接触終了点2がアイコン画像の配置位置に対応するかを判定する。接触終了点1から接触終了点2へのスライド操作が判定された(ステップS405)場合であって、且つ接触終了点2がアイコン画像の配置位置に対応すると判定される(ステップS407)場合に、ステップS408に進み、キャラクタ制御部910により、アイコン画像に関連付けられたキャラクタ動作「SKILL」を実行する。最後にステップS409に進んで当該溜め移動処理を終了する。
【0061】
図32に、当該溜め移動処理を実装したユーザインターフェースプログラムを備えたゲームプログラムが実行された場合のゲーム画面例を示す。
図32は
図30のユーザインターフェースをゲーム画面に重畳させている。
図30の「SKILL」アイコン部には、剣のアイコン画像が表示され、これを選択すると特定の武器による強力な攻撃を可能とする。本画面例では、溜め移動として、アイコン画像を表示したまま弾性オブジェクトによるゲームキャラクタの移動を可能とする。この点、操作するユーザのユーザビリティを考慮すると、アイコン画像を一緒に表示しているモードでは、そうでない場合と比べて、ゲームキャラクタの移動速度を幾分遅くするように設定するのがよい。
【0062】
本発明のユーザインターフェースプログラムによって表示される弾性オブジェクトは、ユーザによるスライド操作の量(即ち、タッチパネル上における指の移動距離)と、ゲームキャラの移動距離とを関連付けることとしている。従って、弾性オブジェクトが表示されることにより、ゲームキャラへの移動指示の大きさ(移動距離)が体感的により認識しやすくなる。また、従来のバーチャルジョイスティックのように指で隠れて(
図1参照)しまいがちなコントローラーを認識しやすくなる。更に、弾性オブジェクトをアイコン画像と併せて表示させることにより、操作スピードが要求されるスマートフォンゲームにおいてユーザビリティを向上させることができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態による、携帯端末のタッチパネル上で弾性オブジェクトの形状を変形して表示するためのユーザインターフェースプログラム、および、携帯端末のタッチパネル上の操作に応じて仮想空間内のキャラクタの動作を制御して表示するゲームで使用されるゲームプログラムについて、各種実施例およびゲーム適用例と共に説明した。上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0064】
1 スマートフォン
2 タッチパネル
3 CPU
4 主記憶
5 補助記憶
6 送受信部
7 表示部
8 入力部
301 タッチセンシング部
302 液晶表示部
303 制御部
400 操作オブジェクト
410 固定円
420,420a,420b,420c
弾性オブジェクト
430 基部
440 接続部
450 先端部
460 ゲームキャラクタ
510,520 アイコン画像
610,620 弾性オブジェクト
750 ユーザインターフェース画像
800 ユーザ操作部
810 接触判定部
820 初期形状オブジェクト形成部
830 スライド操作判定部
840 ポリゴン方向調整部
850 変形オブジェクト形成部
860 非接触判定部
870 復元オブジェクト形成部
900 キャラクタ操作部
910 キャラクタ制御部
920 アイコン画像形成部
930 アイコン選択判定部