(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】嗅覚センサアセンブリおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/12 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
G01N27/12 D
(21)【出願番号】P 2021512384
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(86)【国際出願番号】 KR2020000916
(87)【国際公開番号】W WO2020204321
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0038172
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】平木 克良
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 治
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-171424(JP,A)
【文献】特開2017-215312(JP,A)
【文献】特開2006-308603(JP,A)
【文献】国際公開第2017/122338(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/031080(WO,A1)
【文献】特開2003-315298(JP,A)
【文献】国際公開第2010/125717(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-27/49
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のにおいを感知する感応部と、
前記感応部による感知タイミングを制御する制御部と、
前記感応部で感知された反応を検出し、前記制御部に伝達する検出部と、
を含み、
前記感応部には、
前記制御部と連結される複数の走査線と、
前記検出部と連結され、前記複数の走査線と交差して延長される少なくとも1つの検出線と、
前記複数の走査線および前記少なくとも1つの検出線が交差する部分にそれぞれ配置される複数の嗅覚センサと、
におい成分に応じて抵抗値が変化するように、前記複数の嗅覚センサにそれぞれ備えられる複数の感知材料と、
を含み、
前記複数の感知材料は、異なる種類のにおい成分を感知する感知材料で構成される、嗅覚センサアセンブリ。
【請求項2】
前記複数の嗅覚センサは、
前記複数の感知材料と前記少なくとも1つの検出線の接続をスイッチングするトランジスタを含む、請求項1に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の走査線のいずれか1つに制御信号を伝達し、
前記トランジスタは、前記制御信号に応じて前記感知材料と前記検出線を接続させる、請求項2に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項4】
前記トランジスタは、薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))である、請求項2に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の走査線は、第1方向に延長し、第2方向に相互離隔して配置され、
前記少なくとも1つの検出線は、前記第2方向に延長し、
前記複数の嗅覚センサは、前記第1方向および前記第2方向に整列されて配置される、請求項1に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項6】
前記検出線は、前記第1方向に相互離隔して配置される複数個を備え、
前記複数の嗅覚センサは、前記複数の走査線および複数の検出線の交差構造によってマトリックス形態に配置される、請求項5に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項7】
1つの走査線には、異なる検出線と連結された複数の嗅覚センサが配置され、
前記1つの走査線に配置された複数の嗅覚センサは、同じ種類のにおい成分を感知する感知材料をそれぞれ含む、請求項6に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項8】
前記複数の走査線は、第1走査線ないし第n(nは1より大きい自然数)走査線を含み、
前記少なくとも1つの検出線は、第1検出線ないし第m(mは1以上の自然数)検出線を含み、
前記複数の嗅覚センサは、前記第1走査線および前記第1検出線に連結される[1、1]嗅覚センサないし前記第n走査線および前記第m検出線に連結される[n、m]嗅覚センサを含む、請求項1に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1走査線ないし前記第n走査線に順に制御信号を伝送して、前記第1検出線ないし前記第m検出線に順に検出値が導出され、
前記[1、1]嗅覚センサないし前記[n、m]嗅覚センサの検出値が前記検出部から前記制御部に伝達される、請求項8に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項10】
前記検出部は、前記第1検出線ないし前記第m検出線にそれぞれ連結される第1検出回路ないし第m検出回路を含む、請求項8に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項11】
1つの嗅覚センサは、1つの感知材料を含む、請求項1に記載の嗅覚センサアセンブリ。
【請求項12】
n(nは1より大きい自然数)個の走査線およびm(mは1以上の自然数)個の検出線が交差する部分にそれぞれ配置される[1、1]嗅覚センサないし[n、m]嗅覚センサが含まれる嗅覚センサアセンブリの制御方法において、
Aが1と設定され、
第A走査線に制御信号が伝送され、
前記第A走査線に連結された[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサにそれぞれ含まれた[A、1]感知材料ないし[A、m]感知材料がにおい成分に応じて抵抗値が変化するように反応し、
前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサにそれぞれ連結された第1検出線ないし第m検出線に反応値が伝達され、
A+1がAと設定され、
Aがnより大きくなる時まで、前記第A走査線に制御信号を伝送して、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサの反応値を得、
前記[1、1]嗅覚センサないし[n、m]嗅覚センサにそれぞれ含まれた[1、1]感知材料ないし[n、m]感知材料は、異なる種類のにおい成分を感知する感知材料を備え、
前記異なる種類のにおい成分を感知する感知材料による出力値を通じて所定のにおいを分析する、嗅覚センサアセンブリの制御方法。
【請求項13】
第1走査線ないし第n走査線に順に制御信号を伝送して第1検出線ないし第m検出線に順に反応値が伝達されることにより、前記[1、1]嗅覚センサないし[n、m]嗅覚センサの反応値が得られる、請求項
12に記載の嗅覚センサアセンブリの制御方法。
【請求項14】
前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサにそれぞれ連結された第1検出線ないし第m検出線に反応値が伝達されると、前記第A走査線への制御信号の伝送を中止し、A+1がAと設定される、請求項
12に記載の嗅覚センサアセンブリの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嗅覚センサアセンブリおよびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、人間の五感に対する研究が活発に行われており、これを技術的に具現しようとする開発が進められている。特に、人間の嗅覚を模倣する技術に対する開発が行われている。具体的に、においの化学的成分を探知して分析する装置が開発されている。
【0003】
以下、このような装置を嗅覚センサアセンブリという。
【0004】
前記嗅覚センサアセンブリは、においを構成する物質に対する情報を収集し、当該情報を通じてにおいの種類、濃度、特徴等を識別することができる。即ち、前記嗅覚センサアセンブリは、人間のようににおいを識別することができる。それを通じて、人体に有害な物質や食物の腐敗の有無等を判断することができる。
【0005】
また、人間は、特定のにおいに長く露出される場合、そのにおいに慣れて他のにおいをよく嗅げなくなる。よって、前記嗅覚センサアセンブリは、疲労しやすい人間の嗅覚を代替することができる。さらに、前記嗅覚センサアセンブリは、人間が識別し難い極少量のにおい物質までも正確に探知することができる。
【0006】
このような嗅覚センサアセンブリに関して、以下のような先行文献が公開されている。
【0007】
日本公開特許:JP2003‐315298(公開日:2003年11月6日)
発明の名称:におい測定装置
【0008】
上記先行文献は、未知試料のにおいを分析して人間の嗅覚に近い測定を可能とするにおい測定装置に関するものである。特に、分析されたにおいと標準においを比較して、前記未知試料のにおいがどのにおいに該当するのかを判断する技術に関するものである。
【0009】
前記におい測定装置には、異なる応答特性を有する複数個(m個)の嗅覚センサが備えられる。そして、m個の嗅覚センサによる検出出力によって形成されるm次元空間内で、標準においに関する標準ベクトルと未知試料に関するベクトルを比較する。結果的に、前記未知試料のにおいがどの標準においに近いものであるのかを客観的な数値で提示することができる。
【0010】
このとき、上記先行文献は、異なる応答特性を有する複数の嗅覚センサ、即ち、異なる種類の嗅覚センサを利用してにおいを分析する。また、各嗅覚センサは、それぞれの入力部および出力部を有し、異なる検出回路を必要とする。それによって、全体的な装置の体積が増大し、コストが増加する問題点がある。
【0011】
さらに、上記先行文献では、一種類の嗅覚センサが1つずつしか配置されない。前記嗅覚センサは、設置位置および設置環境によって、同じ種類であっても異なる結果が出てくる。即ち、1つの嗅覚センサでは、正確な結果値を得難い問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するために提案されたものとして、1つの基板に配置される複数の嗅覚センサが含まれた、嗅覚センサアセンブリおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
特に、複数の走査線および少なくとも1つの検出線によってマトリックス形態に配列される複数の嗅覚センサが含まれた、嗅覚センサアセンブリおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、同じ種類のにおい成分を感知する感知材料または異なる種類のにおい成分を感知する感知材料を備える嗅覚センサが含まれた、嗅覚センサアセンブリおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の思想による嗅覚センサアセンブリは、複数の嗅覚センサが整列して配置されて1つの装置として構成される。
【0016】
特に、前記複数の嗅覚センサは、複数の走査線および少なくとも1つの検出線が交差する部分にそれぞれ配置される。即ち、前記複数の嗅覚センサは、マトリックス形態に配置されてもよい。
【0017】
具体的に、本発明の思想による嗅覚センサアセンブリには、所定のにおいを感知する感応部、前記感応部による感知タイミングを制御する制御部および前記感応部で感知された反応を検出し、前記制御部に伝達する検出部が含まれる。
【0018】
また、前記感応部には、前記制御部と連結される複数の走査線、前記検出部と連結され、前記複数の走査線と交差して延長される少なくとも1つの検出線および前記複数の走査線および前記少なくとも1つの検出線が交差する部分にそれぞれ配置される複数の嗅覚センサが含まれる。
【0019】
このとき、前記複数の嗅覚センサには、におい成分に応じて抵抗値が変化する複数の感知材料がそれぞれ備えられる。
【0020】
また、前記複数の感知材料は、異なる種類のにおい成分を感知する感知材料で構成されてもよい。
【0021】
また、前記複数の感知材料は、同じ種類のにおい成分を感知する感知材料で構成されてもよい。
【0022】
一方、本発明の思想による嗅覚センサアセンブリの制御方法により、複数の嗅覚センサの反応値をより容易に得ることができる。
【0023】
具体的に、本発明の思想による嗅覚センサアセンブリの制御方法には、n(nは1より大きい自然数)個の走査線およびm(mは1以上の自然数)個の検出線が交差する部分にそれぞれ配置される[1、1]嗅覚センサないし[n、m]嗅覚センサが含まれる。
【0024】
まず、Aが1と設定され、第A走査線に制御信号が伝送され、前記第A走査線に連結された[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサにそれぞれ含まれた[A、1]感知材料ないし[A、m]感知材料がにおい成分に応じて抵抗値が変化するように反応する。
【0025】
そして、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサにそれぞれ連結された第1検出線ないし第m検出線に反応値が伝達される。
【0026】
次に、A+1がAと設定され、Aがnより大きくなる時まで、前記第A走査線に制御信号を伝送して、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサの反応値を得る。
【0027】
このような過程を通じて、前記[1、1]嗅覚センサないし[n、m]嗅覚センサの反応値を全部得ることができる。
【発明の効果】
【0028】
上記した解決手段による本発明によれば、複数の嗅覚センサを1つの嗅覚センサアセンブリで制御および管理できる長所がある。
【0029】
また、前記複数の嗅覚センサが複数の走査線および少なくとも1つの検出線が交差する部分にそれぞれ配置されることで、比較的容易に制御して検出値を得ることができる長所がある。
【0030】
また、前記複数の嗅覚センサには、におい成分に応じて抵抗値が変化する複数の感知材料がそれぞれ備えられ、多数の感知材料を1つの嗅覚センサアセンブリで制御および管理できる長所がある。
【0031】
また、前記複数の感知材料は、異なる種類のにおい成分を感知する感知材料で構成され、その感知値を通じてにおいの分析精度を向上させることができる長所がある。
【0032】
また、前記複数の感知材料は、同じ種類のにおい成分を感知する感知材料で構成され、その感知値を平均化して出力することで、当該におい成分の測定精度を向上させることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリが設置された冷蔵庫を示した図面である。
【
図2】本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリの主な構成を概略的に示した図面である。
【
図3】本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリの最小単位を示した図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリを示した図面である。
【
図5】本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリを示した図面である。
【
図6】本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリの制御の流れを示した図面である。
【
図7】本発明の第1実施例に係る嗅覚センサアセンブリのセンサ配置を示した図面である。
【
図8】本発明の第2実施例に係る嗅覚センサアセンブリのセンサ配置を示した図面である。
【
図9】本発明の第3実施例に係る嗅覚センサアセンブリのセンサ配置を示した図面である。
【
図10】本発明の第4実施例に係る嗅覚センサアセンブリのセンサ配置を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の一部実施例を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面において、同じ構成要素に対しては同じ符号を付する。また、本発明の実施例の説明において、係る公知構成または機能に対する具体的な説明が、本発明の実施例の理解を妨害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0035】
また、本発明の実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質または順序等が限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結または接続される場合と、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」される場合を全て含む。
【0036】
図1は、本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリが設置された冷蔵庫を示した図面である。
【0037】
図1に示されたように、本発明の思想による嗅覚センサアセンブリ10は、冷蔵庫1に設置することができる。
【0038】
<設置例:冷蔵庫>
前記冷蔵庫1には、外形をなすキャビネット2および前記キャビネット2に移動可能に連結される冷蔵庫ドア3、4が含まれる。
【0039】
前記キャビネット2の内部には、食物が保管される貯蔵室が形成される。前記貯蔵室には、冷蔵室5および前記冷蔵室5の下方に位置される冷凍室が含まれる。一般的に、前記冷凍室は、前記冷蔵室5より低い温度で維持される。
【0040】
即ち、
図1に示された冷蔵庫1は、冷蔵室が冷凍室の上部に配置されるボトムフリーザー型(Bottom freezer type)冷蔵庫に該当する。これは、例示的なものとして、前記冷蔵庫1は、冷凍室が冷蔵室の上部に配置されたトップマウント型(Top Mount Type)および冷凍室と冷蔵室が隔壁によって左側と右側とに区切られたサイドバイサイド型(Side By Side Type)等であってもよい。
【0041】
前記冷蔵庫ドアには、前記冷蔵室5を開閉する冷蔵室ドア3および前記冷凍室を開閉する冷凍室ドア4が含まれる。前記冷蔵室ドア3および前記冷凍室ドア4には、左右に配置される複数のドアが含まれてもよい。
【0042】
また、前記冷蔵室ドア3および前記冷凍室ドア4は、回転可能に前記キャビネット2に結合される。これは、例示的なものとして、前記冷蔵室ドア3および前記冷凍室ドア4は、多様な形態および個数で前記キャビネット2に結合されてもよい。
【0043】
このとき、前記嗅覚センサアセンブリ10は、前記冷蔵室5の一側に配置されてもよい。具体的に、前記冷蔵室5を形成する内壁に前記嗅覚センサアセンブリ10が設置されてもよい。それによって、前記嗅覚センサアセンブリ10は、前記冷蔵室5の内部で発生するにおいを判断することができる。
【0044】
例えば、前記嗅覚センサアセンブリ10は、腐敗した食物のにおいを判断することができる。即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10は、前記冷蔵室5の内部に保管された食物が腐敗したことを感知することができる。このような情報を通じて、ユーザはより容易に食物を保管および管理できる。
【0045】
図1のような嗅覚センサアセンブリ10の配置は、例示的なものに過ぎない。即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10は、あらゆる場所に設置されて所定のにおいを感知することができる。他の例として、前記嗅覚センサアセンブリ10は、車両に設置されて運転者の飲酒の有無を感知することができる。また、前記嗅覚センサアセンブリ10は、ボイラー室等に設置されてガス漏れの有無を感知することができる。
【0046】
以下、前記嗅覚センサアセンブリ10の構成に対して詳しく説明する。
【0047】
図2は、本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリの主な構成を概略的に示した図面である。
【0048】
図2に示されたように、前記嗅覚センサアセンブリ10には、感応部11、制御部20および検出部30が含まれる。
【0049】
前記感応部11は、所定のにおいを感知する構成である。具体的に、前記感応部11は、所定のにおい成分に応じて抵抗値が変化する感知材料が配置される構成である。
【0050】
前記制御部20は、前記感応部11の動作を制御することができる。特に、前記感応部11のうち少なくとも一部動作を制御するように備えられる。よって、前記制御部20は、前記感応部11による感知タイミングを決定することができる。
【0051】
また、前記制御部20は、所定の電源部60と連結される。前記電源部60は、前記感応部11による感知タイミングを前記制御部20に伝達することができる。例えば、前記電源部60は、ユーザによって操作される装置であってもよい。よって、ユーザの要請に応じて、前記制御部20は、前記感応部11の動作を制御することができる。
【0052】
前記検出部30は、前記感応部11で感知されたにおいに対する情報を検出する構成である。具体的に、前記検出部30は、前記感応部11から伝達された抵抗値の変化を測定する回路であってもよい。そして、前記検出部30は、検出された情報を前記制御部20に伝達することができる。
【0053】
また、前記制御部20は、前記検出部30から伝達された情報を直接または間接的に分析することができる。例えば、前記制御部20は、通信部50を通じて前記検出部30から伝達された情報を外部装置に送信することができる。このとき、前記外部装置は、ユーザが使用するモバイル機器やホームネットワークであってもよい。
【0054】
即ち、前記感応部11は、前記制御部20によって動作し、前記検出部30は、前記感応部11から所定の情報を検出する。そして、前記制御部20は、前記検出部30から所定の情報が伝達される。
【0055】
このような嗅覚センサアセンブリ10の構成は、例示的なものとして、一部構成が省略または追加されてもよい。特に、本発明の思想による嗅覚センサアセンブリ10における必須的な構成は、前記感応部11、前記制御部20および前記検出部30である。
【0056】
以下、前記感応部11の構成および前記感応部11と前記制御部20および前記検出部30の連結関係に対して詳しく説明する。
【0057】
図3は、本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリの最小単位を示した図面である。
【0058】
図3に示されたように、前記感応部11には、複数の嗅覚センサ100が含まれる。
【0059】
前記嗅覚センサ100には、感知材料500が含まれる。前記感知材料500は、におい成分に応じて抵抗値が変化する構成であると理解してもよい。例えば、前記感知材料500は、酸化物半導体(metal oxide semiconductor)の一種であってもよい。前記感知材料500には、多様な種類の酸化物半導体が全部含まれる。
【0060】
そして、1つの嗅覚センサ100には、1つの感知材料500が含まれる。即ち、前記感応部11には、前記嗅覚センサ100の個数と対応する複数の感知材料500が含まれる。
図3を参照すると、2つの嗅覚センサ100および前記嗅覚センサ100にそれぞれ含まれた2つの感知材料500が図示されている。
【0061】
また、前記嗅覚センサ100には、前記感知材料500に電力を供給する感知材料電源(VDD(Voltage Drain Drain)502が含まれる。
【0062】
また、前記感応部11には、前記制御部20と連結される走査線(gate line)200が含まれる。また、前記感応部11には、前記検出部30と連結される検出線300が含まれる。前記嗅覚センサ100は、前記走査線200および前記検出線300と連結される。
【0063】
このとき、前記嗅覚センサ100には、トランジスタ600が含まれる。前記トランジスタ600は、前記感知材料500と前記検出線300の接続をスイッチングする構成に該当する。特に、前記トランジスタ600は、薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))であってもよい。
【0064】
そして、前記トランジスタ600は、前記制御部20によって制御される。具体的に、前記制御部20は、前記走査線200を通じて前記トランジスタ600に所定の制御信号を伝達する。そして、前記トランジスタ600は、当該制御信号に応じて前記検出線300と前記感知材料500を連結する。
【0065】
このとき、前記制御部20には、前記走査線200に順次制御信号を伝達するシフトレジスタ(図示されない)が含まれる。即ち、前記制御部20は、複数で備えられた走査線200に順次制御信号を伝達することができる。このとき、前記制御部20が順次制御信号を伝達する走査線200の個数および順序は予め決定されてもよい。
【0066】
即ち、前記感応部11には、前記嗅覚センサ100、前記走査線200および前記検出線300が含まれる。また、前記嗅覚センサ100は、前記走査線200および前記検出線300と全部連結されるように、前記走査線200と前記検出線300が交差する部分に設置される。
【0067】
また、先述したように、前記感応部11には、複数の嗅覚センサ100が備えられる。それによって、前記走査線200および前記検出線300のうち少なくともいずれか1つは複数備えられてもよい。
【0068】
図3を参照すると、前記嗅覚センサ100が2つ設置されるためには、前記走査線200と前記検出線300が交差する部分が2つ以上設けられる必要がある。それによって、前記走査線200が2つ設けられ、2つの嗅覚センサ100が設置される。
【0069】
そして、前記嗅覚センサアセンブリ10には、前記制御部20と前記検出部30を連結する伝達線400が含まれる。前記伝達線400を通じて前記検出部30で検出されたデータが伝送される。
【0070】
図3では、前記感応部11が最小単位に設計された形態を示した。即ち、
図3は、前記感応部11の一例に過ぎず、これに制限されるものではない。以下、前記感応部11の形態に対して詳しく説明する。
【0071】
図4および
図5は、本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリを示した図面である。
図4および
図5は、理解の便宜上、概略的に示した図面であり、実際とは異なるものである。
【0072】
具体的に、
図4は、一般的な嗅覚センサアセンブリの形態を
図3に対応する回路の形態で図示した。そして、
図5は、
図4で嗅覚センサおよび感知材料を簡略に示した。
【0073】
図4に示されたように、前記感応部11には、n個の走査線200およびm個の検出線300が含まれる。このとき、nは1より大きい自然数であり、mは1以上の自然数である。
図4および
図5では、nおよびmが3以上である場合を図示したが、これは、説明の便宜上図示したものであり、これに制限されるものではない。
【0074】
以下、n個の走査線200を第1走査線210、第2走査線220ないし第n走査線290と表現する。このとき、前記第1走査線210は、前記制御部20から一番最初に信号を受ける走査線であると理解してもよい。また、前記第2走査線220は、前記第1走査線210の次に信号を受ける走査線であると理解してもよい。
【0075】
即ち、前記第1走査線210、前記第2走査線220ないし前記第n走査線290は、前記制御部20から信号を受ける順序であると理解してもよい。また、理解の便宜上、前記第1走査線210、前記第2走査線220ないし前記第n走査線290を順に整列して図示した。
【0076】
また、m個の検出線300を第1検出線310、第2検出線320ないし第m検出線390と表現する。そして、前記第1検出線310、前記第2検出線320ないし前記第m検出線390は、前記検出部30とそれぞれ連結される。
【0077】
前記検出部30には、複数の検出回路が含まれる。前記検出回路は、前記感知材料500の抵抗値に応じて変化する値を検出する回路であると理解することができる。
【0078】
具体的に、前記検出回路には、検出抵抗および変換部(ADC(A/D Converter))が備えられてもよい。前記感知材料500の抵抗値に応じて電圧値(Vadc)が変化し、前記変換部によってこのような変化値が検出される。即ち、前記感知材料500で感知されるにおい粒子の濃度に応じたデータが出力される。
【0079】
このとき、前記検出部30には、前記検出線300の個数と対応する個数の検出回路が含まれる。即ち、1つの検出線300に1つの検出回路が設置される。即ち、前記検出部30には、m個の検出線300に対応するm個の検出回路が含まれる。
【0080】
よって、前記複数の検出回路は、第1検出回路31、第2検出回路32ないし第m検出回路39に区分することができる。そして、
図4に示されたように、各検出線300と各検出回路が対応して連結される。即ち、前記第1検出線310は、前記第1検出回路31と連結され、前記第2検出線320は、前記第2検出回路32と連結される。
【0081】
そして、前記第1検出回路31、前記第2検出回路32ないし前記第m検出回路39は、前記伝達線400と連結される。即ち、前記第1検出回路31、前記第2検出回路32ないし前記第m検出回路39で検出されたデータが前記制御部20に伝達される。
【0082】
先述したように、前記嗅覚センサ100は、前記走査線200および前記検出線300と連結される。即ち、前記嗅覚センサ100は、前記走査線200と前記検出線300が交差する箇所に配置される。
【0083】
図4に示されたように、n個の走査線200は、第1方向(横方向)に延長され、第2方向(縦方向)に相互離隔して配置される。そして、m個の検出線300は、第2方向(縦方向)に延長され、横方向に相互離隔して配置される。結果的に前記走査線200が行を形成し、前記検出線300が列を形成して、一種の行列構造(マトリックス)が形成される。
【0084】
具体的に、前記第1走査線210に、前記第1検出線310ないし前記第m検出線390が前記第1方向(横方向)に順に配列される。そして、前記第1検出線310ないし前記第m検出線390と交差するように、前記第2走査線220ないし第n走査線290が前記第2方向(縦方向)に順に配列される。
【0085】
そして、
図4および
図5に示されたように、前記嗅覚センサ100は、前記第1走査線210ないし第n走査線290と前記第1検出線310ないし前記第m検出線390が交差する箇所に配置される。結果的に、前記嗅覚センサ100は、前記第1方向(横方向)および前記第2方向(縦方向)に整列して配置される。
【0086】
即ち、前記嗅覚センサ100は、前記走査線200および前記検出線300の交差構造によってマトリックス形態に配置される。
【0087】
それによって、前記感応部11には、n*m個の嗅覚センサ100が設置される。このとき、各嗅覚センサを、結合される走査線および検出線の番号に応じて称する。例えば、前記第1走査線210および前記第1検出線310に結合される嗅覚センサは、[1、1]嗅覚センサ111という。また、第n走査線290および前記第m検出線390に結合される嗅覚センサは、[n、m]嗅覚センサ199という。
【0088】
よって、前記第1走査線210には、前記[1、1]嗅覚センサ111および[1、2]嗅覚センサ112ないし[1、m]嗅覚センサ119が順に配置されると理解することができる。また、前記第1検出線310には、前記[1、1]嗅覚センサ111および[2、1]嗅覚センサ121ないし[n、1]嗅覚センサ191が順に配置されると理解することができる。
【0089】
ただし、前記嗅覚センサの配置によって、前記感応部11には、n*m個より多い数の嗅覚センサが設置される。例えば、異なる走査線に連結された一対の嗅覚センサが1つの検出線に連結されて配置される。それによって、前記感応部11には、n*m*2個の嗅覚センサが設置される。
【0090】
以下では、説明の便宜上、前記嗅覚センサが前記走査線の個数および前記検出線の個数と対応する個数で設けられた場合に対して説明する。即ち、n個の走査線、m個の検出線およびn*m個の嗅覚センサが備えられた場合に対して説明する。
【0091】
そして、先述したように、1つの嗅覚センサ100には、1つの感知材料500が含まれる。即ち、前記感応部11には、同じ個数の嗅覚センサ100および感知材料500が
【0092】
このとき、前記感知材料は、各嗅覚センサと対応するように称する。例えば、前記[1、1]嗅覚センサ111に備えられる感知材料は、[1、1]感知材料511という。また、前記[n、m]嗅覚センサ199に備えられる感知材料は、[n、m]感知材料599という。
【0093】
以下、前記嗅覚センサアセンブリ10の作動を説明する。
【0094】
図6は、本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリの制御の流れを示した図面である。
図4および
図5に示された嗅覚センサアセンブリ10を通じて
図6に示された作動に対して説明する。
【0095】
図6に示されたように、前記嗅覚センサアセンブリ10が動作を開始すると、Aは1と設定される(S10)。このとき、Aは、走査線200の区別のための任意の数であると理解することができる。先述したように、前記走査線200はn個設けられるので、Aは1ないしnのうちの1つの自然数である。
【0096】
そして、第A走査線がONされる(S20)。このとき、前記第A走査線がONされるということは、前記第A走査線に位置された嗅覚センサが作動すると理解することができる。
【0097】
具体的に、前記制御部20が前記第A走査線を通じて制御信号を伝達する。即ち、前記第A走査線に位置された嗅覚センサに制御信号が伝達される。このとき、前記第A走査線に位置された嗅覚センサは、[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサに該当することが分かる。
【0098】
そして、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサに備えられたトランジスタ600が作動する。即ち、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサに備えられた感知材料500が反応して所定の出力値が発生する。
【0099】
前記嗅覚センサアセンブリ10が動作を開始すると、Aは1と設定されるので、前記第1走査線210がONされると理解することができる。
【0100】
それによって、前記制御部20が前記第1走査線210を通じて制御信号を伝達する。そして、前記第1走査線210に位置された前記[1、1]嗅覚センサ111、前記[1、2]嗅覚センサ112ないし[1、m]嗅覚センサ119に制御信号が伝達される。
【0101】
そして、前記[1、1]嗅覚センサ111ないし[1、m]嗅覚センサ119に備えられた感知材料500が反応値を得ることができる。このとき、[1、1]感知材料511、[1、2]感知材料512ないし[1、m]感知材料519は、におい粒子によって反応し、制御信号によって反応値が出力される。
【0102】
そして、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサの出力を検出する(S30)。
【0103】
具体的に、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサで発生した出力値は、第1検出線310ないし第m検出線390を通じて1検出回路31ないし第m検出回路39に伝送される。そして、前記第1検出回路31ないし第m検出回路39は、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサで発生した出力値をそれぞれ検出することができる。
【0104】
よって、前記[1、1]嗅覚センサ111ないし[1、m]嗅覚センサ119で発生した出力値は、第1検出線310ないし第m検出線390を通じて1検出回路31ないし第m検出回路39に伝送される。そして、前記第1検出回路31ないし第m検出回路39は、前記[1、1]嗅覚センサ111ないし[1、m]嗅覚センサ119で発生した出力値をそれぞれ検出することができる。
【0105】
そして、前記第A走査線がOFFされる(S40)。このとき、前記第A走査線がOFFされるということは、前記第A走査線にこれ以上制御信号を伝送しないと理解することができる。即ち、前記[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサで発生した出力値が前記第1検出線310ないし第m検出線390に伝達されない。
【0106】
よって、前記第1走査線210がOFFされる。それによって、前記[1、1]嗅覚センサ111ないし[1、m]嗅覚センサ119の作動が中止される。即ち、前記[1、1]嗅覚センサ111ないし[1、m]嗅覚センサ119の出力値が前記第1検出線310ないし第m検出線390に伝達されない。
【0107】
そして、A+1がAと設定される(S50)。即ち、1つの走査線の出力値を得た後、次の走査線の出力値を得るためにAが変更される。
【0108】
そして、Aがnより大きいのかを判断する(S60)。先述したようにAは、1ないしnのうちの1つの値に該当するので、Aがnより大きい場合は存在しない。即ち、第n走査線まで存在するので、Aがnより大きい場合は、これ以上該当する走査線が存在しない。
【0109】
よって、1と設定されたAが1+1値である2と設定される。そして、nは1より大きい自然数に該当するので、2はnより大きい数にはなれない。よって、
図6に示されたように、前記第2走査線220がONされる。
【0110】
それによって、前記制御部20が前記第2走査線220を通じて制御信号を伝達する。そして、前記第2走査線220に位置された前記[2、1]嗅覚センサ121、前記[2、2]嗅覚センサ122ないし[2、m]嗅覚センサ129に制御信号が伝達される。そして、[2、1]感知材料521、[2、2]感知材料522ないし[2、m]感知材料529が反応する。
【0111】
それによって、前記[2、1]嗅覚センサ121ないし[2、m]嗅覚センサ129で発生した出力値は、第1検出線310ないし第m検出線390を通じて1検出回路31ないし第m検出回路39に伝送される。そして、前記第1検出回路31ないし第m検出回路39は、前記[2、1]嗅覚センサ121ないし[2、m]嗅覚センサ129で発生した出力値をそれぞれ検出することができる。
【0112】
そして、前記第2走査線220がOFFされる。それによって、前記[2、1]嗅覚センサ121ないし[2、m]嗅覚センサ129の作動が中止される。
【0113】
そして、再びA+1がAと設定され、Aがnより大きいのかを判断する。よって、2と設定されたAが2+1値である3と設定される。このとき、nが2である場合は、前記走査線200が2つ設けられたケースに該当する。即ち、前記第1走査線210および前記第2走査線220のみが存在し、前記第1走査線210および前記第2走査線220はON/OFFを完了した。
【0114】
よって、これ以上ON/OFFできる走査線が存在しない。
【0115】
即ち、Aがnより大きい値となる場合、全ての走査線200のON/OFFが完了したと判断する。このとき、ON/OFFが完了したことは、当該走査線200に位置された嗅覚センサ100の出力値が検出されたことを意味する。
【0116】
即ち、前記第1走査線210がON/OFFされ、前記[1、1]嗅覚センサ111ないし[1、m]嗅覚センサ119の出力値が検出される。そして、前記第2走査線220がON/OFFされ、前記[2、1]嗅覚センサ121ないし[2、m]嗅覚センサ129の出力値が検出される。
【0117】
このように、順に前記第1走査線210において前記第n走査線290がON/OFFされ、前記[1、1]嗅覚センサ111で[n、m]嗅覚センサ199の出力値が検出される。
【0118】
よって、Aがnより大きい値となる場合、全ての走査線200に位置された嗅覚センサ100の出力値が検出されたことを意味する。即ち、Aがnより大きい値となる場合、全ての嗅覚センサ100の出力値が検出されたことを意味する。
【0119】
そして、前記制御部20にデータを伝送する(S70)。具体的に、前記検出部30で検出されたデータを前記伝達線400を通じて前記制御部20に伝送する。
【0120】
このとき、このようなデータの伝送は、1つの走査線の検出が完了した後直ちに実行される。即ち、前記第1走査線210がOFFされると同時に、前記[1、1]嗅覚センサ111ないし前記[1、m]嗅覚センサ119の検出値が前記制御部20に伝送される。
【0121】
それによって、前記制御部20は、前記感応部11に配置された全ての嗅覚センサ100の検出値を受信することができる。そして、このような検出値を通じてにおいを分析することができる。
【0122】
以下、前記嗅覚センサ100に備えられた前記感知材料500の種類および配置に対して、多様な例を挙げて説明する。また、前記感知材料500の種類および配置によって検出された値を通じた分析方法に対して説明する。
【0123】
図7ないし
図10は、本発明の一実施例に係る嗅覚センサアセンブリのセンサ配置を示した図面である。
【0124】
図7ないし
図10では、16個の嗅覚センサおよび各嗅覚センサに備えられる16個の感知材料を示した。これは、説明の便宜上、例示的に設定した数字に当該して、発明はこれに制限されるものではない。
【0125】
<第1実施例:同じ種類の感知材料を複数個備える>
図7に示されたように、嗅覚センサアセンブリ10aには、複数の嗅覚センサが含まれ、前記複数の嗅覚センサには全て同じ種類の感知材料が備えられる。このとき、同じ種類の感知材料は同じにおい粒子を感知する構成であると理解してもよい。
【0126】
具体的に、前記嗅覚センサアセンブリ10aには、[1、1]嗅覚センサ711ないし[4、4]嗅覚センサ744が含まれる。そして、前記[1、1]嗅覚センサ711ないし[4、4]嗅覚センサ744には、全て同じ種類の感知材料700が備えられる。
【0127】
即ち、前記[1、1]嗅覚センサ711ないし[4、4]嗅覚センサ744に備えられる[1、1]感知材料ないし[4、4]感知材料は、全て同じ感知材料700に該当する。記載の便宜上、全ての感知材料に図面番号を記載していないが、全て同じ感知材料700に該当する。
【0128】
図6を参照すると、まず、[1、1]嗅覚センサ711、[1、2]嗅覚センサ712、[1、3]嗅覚センサ713および[1、4]嗅覚センサ714の出力値が検出される。そして、[2、1]嗅覚センサ721、[2、2]嗅覚センサ722、[2、3]嗅覚センサ723および[2、4]嗅覚センサ724の出力値が検出される。そして、前記[3、1]嗅覚センサ731、[3、2]嗅覚センサ732、[3、3]嗅覚センサ733および[3、4]嗅覚センサ734の出力値が検出される。
【0129】
最後に、[4、1]嗅覚センサ741、[4、2]嗅覚センサ742、[4、3]嗅覚センサ743および[4、4]嗅覚センサ744の出力値が検出される。そして、前記[1、1]嗅覚センサ711ないし[4、4]嗅覚センサ744の出力値に該当するデータが前記制御部20に伝送される。
【0130】
前記制御部20は、同じ種類の感知材料による出力値を平均化することができる。即ち、前記制御部20は、前記[1、1]嗅覚センサ711ないし[4、4]嗅覚センサ744の出力値に該当する16個の値を通じて平均値を計算することができる。このとき、他の値と予め決定された範囲を外れる値は除外することができる。
【0131】
それによって、前記嗅覚センサアセンブリ10aは、前記感知材料700が感知するにおい粒子に対してより正確な結果値を得ることができる。即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10aは、当該におい粒子に対して測定精度が高い装置に該当する。
【0132】
よって、前記嗅覚センサアセンブリ10aは、所定のにおい粒子に対して比較的正確な結果値を必要とする場合に用いることができる。
【0133】
<第2実施例:異なる種類の感知材料を備える>
図8に示されたように、嗅覚センサアセンブリ10bには、複数の嗅覚センサが含まれ、前記複数の嗅覚センサには全て異なる種類の感知材料が備えられる。このとき、異なる種類の感知材料は、異なるにおい粒子を感知する構成であると理解することができる。
【0134】
具体的に、前記嗅覚センサアセンブリ10bには、[1、1]嗅覚センサ811ないし[4、4]嗅覚センサ844が含まれる。そして、前記[1、1]嗅覚センサ811ないし[4、4]嗅覚センサ844には全て異なる種類の感知材料が備えられる。
【0135】
即ち、前記[1、1]嗅覚センサ811ないし[4、4]嗅覚センサ844に備えられる[1、1]感知材料800ないし[4、4]感知材料809は、全て異なる種類の感知材料であってもよい。記載の便宜上、全ての感知材料に図面番号を記載していないが、全部異なる種類の感知材料に該当する。
【0136】
図6を参照すると、まず、[1、1]嗅覚センサ811、[1、2]嗅覚センサ812、[1、3]嗅覚センサ813および[1、4]嗅覚センサ814の出力値が検出される。即ち、[1、1]感知材料800、[1、2]感知材料801、[1、3]感知材料802および[1、4]感知材料803の出力値が検出される。
【0137】
そして、[2、1]嗅覚センサ821、[2、2]嗅覚センサ822、[2、3]嗅覚センサ823および[2、4]嗅覚センサ824の出力値が検出される。そして、前記[3、1]嗅覚センサ831、[3、2]嗅覚センサ832、[3、3]嗅覚センサ833および[3、4]嗅覚センサ834の出力値が検出される。最後に、[4、1]嗅覚センサ841、[4、2]嗅覚センサ842、[4、3]嗅覚センサ843および[4、4]嗅覚センサ844の出力値が検出される。
【0138】
そして、前記[1、1]嗅覚センサ811ないし[4、4]嗅覚センサ844の出力値に該当するデータが前記制御部20に伝送される。
【0139】
前記制御部20は、異なる種類の感知材料による出力値を通じて所定のにおいを分析することができる。即ち、前記制御部20は、前記[1、1]嗅覚センサ811ないし[4、4]嗅覚センサ844の出力値に該当する16個の値を通じて、においを判別または推定することができる。
【0140】
それによって、前記嗅覚センサアセンブリ10bは、多様な種類の感知材料が感知するにおい粒子を通じてより正確な結果値を判別または推定することができる。即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10bは、所定においに対する分析精度が高い装置に該当する。
【0141】
よって、前記嗅覚センサアセンブリ10bは、未知のにおいを判別するための場合に用いることができる。
【0142】
<第3実施例:異なる種類の感知材料を複数個備える>
図9に示されたように、嗅覚センサアセンブリ10cには、複数の嗅覚センサが含まれ、前記複数の嗅覚センサには、異なる種類の感知材料が備えられる。このとき、前記複数の嗅覚センサのうち少なくとも一部は、同じ種類の感知材料が備えられる。
【0143】
即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10cには、同じ種類の感知材料が備えられた複数の嗅覚センサが含まれる。即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10cは、異なる種類の感知材料が複数個備えられる。
【0144】
前記嗅覚センサアセンブリ10cには、[1、1]嗅覚センサ911ないし[4、4]嗅覚センサ944が含まれる。このとき、前記[1、1]嗅覚センサ911、[1、2]嗅覚センサ912には、同じ感知材料900が備えられる。即ち、[1、1]感知材料と[1、2]感知材料は、同じ種類の感知材料900に該当する。
【0145】
また、前記[1、1]嗅覚センサ911と前記[4、4]嗅覚センサ944は、異なる種類の感知材料が備えられる。即ち、[1、1]感知材料900と[4、4]感知材料904は、異なる種類の感知材料に該当する。
【0146】
図9を参照すると、前記[1、1]嗅覚センサ911、前記[1、2]嗅覚センサ912、[2、1]嗅覚センサ921および[2、2]嗅覚センサ922には、同じ種類の感知材料900が備えられる。即ち、前記[1、1]感知材料、前記[1、2]感知材料、[2、1]感知材料および[2、2]感知材料は、同じ種類の感知材料900に該当する。記載の便宜上、全ての感知材料に図面番号を記載していないが、全て同じ種類の感知材料900に該当する。
【0147】
また、[1、3]嗅覚センサ913、[1、4]嗅覚センサ914、[2、3]嗅覚センサ923および[2、4]嗅覚センサ924には、同じ種類の感知材料901が備えられる。そして、[3、1]嗅覚センサ931、[3、2]嗅覚センサ932、[4、1]嗅覚センサ941および[4、2]嗅覚センサ942には、同じ種類の感知材料903が備えられる。そして、[3、3]嗅覚センサ933、[3、4]嗅覚センサ934、[4、3]嗅覚センサ943および[4、4]嗅覚センサ944には、同じ種類の感知材料904が備えられる。
【0148】
即ち、
図9に示された前記嗅覚センサアセンブリ10cには、4種類の感知材料が備えられる。そして、各感知材料が4個ずつ備えられる。よって、同じ種類の感知材料が備えられた嗅覚センサは4個であると理解してもよい。ただし、これは、例示的なものであり、これに制限されるものではない。例えば、ある種類の感知材料は1個のみ備えられてもよい。
【0149】
図6を参照すると、まず、前記[1、1]嗅覚センサ911、[1、2]嗅覚センサ912、[1、3]嗅覚センサ913および[1、4]嗅覚センサ914の出力値が検出される。即ち、前記[1、1]感知材料900、[1、2]感知材料900、[1、3]感知材料901および[1、4]感知材料901の出力値が検出される。
【0150】
そして、前記[2、1]嗅覚センサ921、[2、2]嗅覚センサ922、[2、3]嗅覚センサ923および[2、4]嗅覚センサ924の出力値が検出される。そして、前記[3、1]嗅覚センサ931、[3、2]嗅覚センサ932、[3、3]嗅覚センサ933および[3、4]嗅覚センサ934の出力値が検出される。最後に、前記[4、1]嗅覚センサ941、[4、2]嗅覚センサ942、[4、3]嗅覚センサ943および[4、4]嗅覚センサ944の出力値が検出される。
【0151】
そして、前記[1、1]嗅覚センサ911ないし[4、4]嗅覚センサ944の出力値に該当するデータが前記制御部20に伝送される。
【0152】
前記制御部20は、同じ種類の感知材料による出力値を平均化することができる。また、前記制御部20は、異なる種類の感知材料による出力値を通じて所定のにおいを分析することができる。
【0153】
即ち、前記制御部20は、同じ種類の感知材料900を有する前記[1、1]感知材料、前記[1、2]感知材料、[2、1]感知材料および[2、2]感知材料の出力値を通じて平均値を計算することができる。それによって、前記制御部20は、異なる種類の感知材料に対する4個の値を得ることができ、それを通じてにおいを判別または推定することができる。
【0154】
即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10cは、
図7および
図8で説明した嗅覚センサアセンブリ10a、10bを複合的に備えた装置に該当する。即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10cは、当該におい粒子に対して測定精度が高く、所定のにおいに対する分析精度が高い装置に該当する。
【0155】
また、同じ種類の感知材料の個数を増加させて、当該におい粒子に対する精度を高めることができる。また、異なる種類の感知材料の個数を増加させて、所定のにおいに対する分析精度を高めることができる。よって、前記嗅覚センサアセンブリ10cは、必要に応じて多様に構成することができる。
【0156】
<第4実施例:1つの走査線に同じ種類の感知材料を備える>
図10に示されたように、嗅覚センサアセンブリ10dには、同じ種類の感知材料が備えられた複数の嗅覚センサが含まれる。即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10dは、
図9で説明した嗅覚センサアセンブリ10cの一例に該当する。
【0157】
このとき、前記嗅覚センサアセンブリ10dには、1つの走査線に同じ種類の感知材料を有する嗅覚センサが配列される。即ち、第A走査線に配列される[A、1]嗅覚センサないし[A、m]嗅覚センサは、同じ種類の感知材料が備えられる。即ち、[A、1]感知材料ないし[A、m]感知材料は、同じ種類に該当する。
【0158】
前記嗅覚センサアセンブリ10dには、[1、1]嗅覚センサ1011ないし[4、4]嗅覚センサ1044が含まれる。このとき、前記[1、1]嗅覚センサ1011、[1、2]嗅覚センサ1012には、同じ感知材料1000が備えられる。また、前記[1、1]嗅覚センサ1011と前記[4、4]嗅覚センサ1044には、異なる種類の感知材料が備えられる。
【0159】
図10を参照すると、前記[1、1]嗅覚センサ1011、前記[1、2]嗅覚センサ1012、[1、3]嗅覚センサ1013および[1、4]嗅覚センサ1014には、同じ種類の感知材料1000が備えられる。即ち、前記[1、1]感知材料、前記[1、2]感知材料、[1、3]感知材料および[1、4]感知材料は、同じ種類の感知材料1000に該当する。記載の便宜上、全ての感知材料に図面番号を記載していないが、全て同じ種類の感知材料1000に該当する。
【0160】
また、[2、1]嗅覚センサ1021、[2、2]嗅覚センサ1022、[2、3]嗅覚センサ1023および[2、4]嗅覚センサ1024には、同じ種類の感知材料1002が備えられる。そして、[3、1]嗅覚センサ1031、[3、2]嗅覚センサ1032、[3、3]嗅覚センサ1033および[3、4]嗅覚センサ1034には、同じ種類の感知材料1003が備えられる。そして、[4、1]嗅覚センサ1041、[4、2]嗅覚センサ1042、[4、3]嗅覚センサ1043および[4、4]嗅覚センサ1044には、同じ種類の感知材料1004が備えられる。
【0161】
図6を参照すると、まず、前記[1、1]嗅覚センサ1011、[1、2]嗅覚センサ1012、[1、3]嗅覚センサ1013および[1、4]嗅覚センサ1014の出力値が検出される。このとき、前記[1、1]嗅覚センサ1011、[1、2]嗅覚センサ1012、[1、3]嗅覚センサ1013および[1、4]嗅覚センサ1014は、全て同じ種類の感知材料1000を備える。
【0162】
前記制御部20で行われる一回のON/OFF制御によって、同じ種類の感知材料に対する出力値のみが検出される。先述したように、同じ種類の感知材料に対する出力値は、その平均値を計算する。結果的に、一回のON/OFF制御によって、1つの平均値を得ることができる。
【0163】
即ち、前記嗅覚センサアセンブリ10dは、より簡単な過程を通じて結果値が導出される。よって、前記嗅覚センサアセンブリ10dは、必要に応じて多様な配列に構成することができる。