(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】内側及び外側リム構成要素を有するタイヤリムアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60C 7/00 20060101AFI20221110BHJP
B60B 23/00 20060101ALI20221110BHJP
B60B 9/04 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
B60C7/00 H
B60B23/00 Z
B60B9/04
(21)【出願番号】P 2021525692
(86)(22)【出願日】2019-10-23
(86)【国際出願番号】 US2019057515
(87)【国際公開番号】W WO2020101844
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-06-30
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アブダラ、ジュニア、デヴィット ジー.
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207106046(CN,U)
【文献】特開2018-094825(JP,A)
【文献】特表2010-522666(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188912(WO,A1)
【文献】特開2015-081005(JP,A)
【文献】特公昭48-029921(JP,B1)
【文献】特開2009-269413(JP,A)
【文献】国際公開第2015/012501(WO,A1)
【文献】特開2009-234361(JP,A)
【文献】実公昭16-019237(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2009/211677(US,A1)
【文献】特開昭60-236803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 7/00-7/28
B60B 9/00-9/28
B60B 23/00
B60B 25/00-25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気入りタイヤ及びリムアセンブリであって、
非空気入りタイヤであって、
回転軸を有する環状インナーリングであって、平滑な内面を有する環状インナーリングと、
環状アウターリングと、
前記環状インナーリングと前記環状アウターリングとの間に延在する支持構造と、を含む、非空気入りタイヤと、
リムアセンブリであって、
外側環状表面及び内側表面を有する外側リムであって、
前記外側リムの前記外側環状表面が平滑な表面であり、
前記外側リムの前記内側表面が、第1の複数の軸方向隆起部を画定する第1の複数の軸方向溝を有する、外側リムと、
外側表面を有する内側リムであって、
前記内側リムの前記外側表面が、第2の複数の軸方向隆起部を画定する第2の複数の軸方向溝を有する、内側リムと、を含む、リムアセンブリと、を備え、
前記第2の複数の軸方向溝が、前記第1の複数の軸方向隆起部の断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有し、
前記第2の複数の軸方向隆起部が、前記第1の複数の軸方向溝の断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有し、且つ
前記非空気入りタイヤと前記リムアセンブリは、前記リムアセンブリの前記外側リムが前記非空気入りタイヤの前記環状インナーリングの内側に挿入され、リムアセンブリの前記外側リムの平滑な前記外側環状表面と前記非空気入りタイヤの環状インナーリングの前記平滑な内面とが直接接触するように組み立てられる、
非空気入りタイヤ及びリムアセンブリ。
【請求項2】
前記外側リムの前記外側環状表面を前記非空気入りタイヤの前記環状インナーリングに接続する接着剤を更に備える、請求項1に記載の非空気入りタイヤ及びリムアセンブリ。
【請求項3】
前記非空気入りタイヤが、第1の弾性率を有する第1の材料で構成され、前記外側リムが、前記第1の弾性率よりも高い第2の弾性率を有する第2の材料で構成されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ及びリムアセンブリ。
【請求項4】
前記内側リムが、左環状構成要素及び右環状構成要素を含み、前記左環状構成要素が、前記外側リムの左側に接触する左フランジを有し、前記右環状構成要素が、前記外側リムの右側に接触する右フランジを有する、請求項1に記載の非空気入りタイヤ及びリムアセンブリ。
【請求項5】
前記非空気入りタイヤの前記環状インナーリングが、第1の直径を有する内側表面を有し、前記外側リムの前記外側環状表面が、第2の直径を有する、請求項1に記載の非空気入りタイヤ及びリムアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ用のリムアセンブリであって、複数の構成要素を有するリムアセンブリに関する。より具体的には、本開示は、非空気入りタイヤ用のリムアセンブリであって、内側リム構成要素及び外側リム構成要素を有するリムアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤが非膨張状態又は膨張不足状態で走行することを可能にする様々なタイヤの構造が開発されている。非空気圧入りタイヤは膨張を必要としないが、「ランフラットタイヤ」は、パンクし、加圧空気の完全又は部分的な喪失を経験した後で、長期間、比較的高速で動作し続けることができる。非空気入りタイヤは、複数のスポーク、ウェビング、又はインナーリングをアウターリングに接続する他の支持構造を含むことができる。
【0003】
現在の装着方法では、非空気入りタイヤは、リムに装着され、接着剤で固着されているため、リム又はタイヤに損傷を与えることなくリムをタイヤから取り外すことは困難である。リムがタイヤから取り外される場合、リムから残りの接着剤を除去することは困難である。したがって、タイヤがその寿命末期に達すると、リムを回復するためにリソース集約的又は高価であり得る。タイヤ及びタイヤの設計が大きくなるにつれて、再利用不能なリムのコストも増加する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、非空気入りタイヤ及びリムアセンブリは、回転軸を有する環状インナーリングと、環状アウターリングと、環状インナーリングと環状アウターリングとの間に延在する支持構造と、を備える非空気入りタイヤを含む。非空気入りタイヤ及びリムアセンブリはまた、外側環状表面及び内側表面を有する外側リムを備えるリムアセンブリを含む。外側リムの内側表面は、第1の複数の軸方向隆起部を画定する第1の複数の軸方向溝を有する。リムアセンブリはまた、外側表面を有する内側リムを有し、内側リムの外側表面は、第2の複数の軸方向隆起部を画定する第2の複数の軸方向溝を有する。第2の複数の軸方向溝は、第1の複数の軸方向隆起部の断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有し、第2の複数の軸方向隆起部は、第1の複数の軸方向溝の断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。
【0005】
別の実施形態では、タイヤ及びリムアセンブリを組み立てる方法は、外径を画定する環状外側タイヤ表面と、内径を画定する環状内側タイヤ表面とを有するタイヤを提供することを含む。本方法は、第1の外側環状リム表面と、第1の複数の軸方向隆起部及び第1の複数の軸方向溝によって画定される第1の内側リム表面と、を有する第1のリム構成要素を提供することを更に含む。本方法はまた、第2の複数の軸方向隆起部及び第2の複数の軸方向溝によって画定される第2の外側リム表面を有する第2のリム構成要素を提供することを含む。本方法は、第1のリム構成要素の第1の外側環状リム表面をタイヤの環状内側タイヤ表面に固着することを更に含む。本方法はまた、第2のリム構成要素の第2の複数の軸方向隆起部を第1のリム構成要素の第1の複数の軸方向溝と整列させることと、第2のリム構成要素を第1のリム構成要素に挿入することと、を含む。
【0006】
更に別の実施形態では、タイヤ用リムアセンブリは、外側環状表面及び内側表面を有する外側リムを含む。リムアセンブリはまた、外側表面を有する内側リムを有し、外側リムの内側表面は、第1の複数の軸方向隆起部を画定する第1の複数の軸方向溝を有する。内側リムの外側表面は、第2の複数の軸方向隆起部を画定する第2の複数の軸方向溝を有する。第2の複数の軸方向溝は、第1の複数の軸方向隆起部の断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有し、第2の複数の軸方向隆起部は、第1の複数の軸方向溝の断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面では、以下の詳細な説明とともに、特許請求される本発明の例示的実施形態を説明する構造が例解される。同様の要素は、同一の参照番号で特定される。単一の構成要素として示される要素は、多数の構成要素に置き換えられ得、多数の構成要素として示されている要素は、単一の構成要素に置き換えられ得ることが理解されるべきである。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率が例解のために誇張されている場合がある。
【0008】
【
図1】変形していない非空気圧入りタイヤの正面図である。
【0009】
【
図2】荷重を受けたときに変形されている
図1の非空気圧入りタイヤの正面図である。
【0010】
【
図3】リムアセンブリの一実施形態に装着された変形していない非空気入りタイヤの別の実施形態の断面図である。
【0011】
【
図4A】リムアセンブリの代替的実施形態の部分断面図である。
【0012】
【
図4B】リムアセンブリの別の代替的実施形態の部分断面図である。
【0013】
【
図4C】リムアセンブリのまた別の代替的実施形態の部分断面図である。
【0014】
【
図4D】リムアセンブリのまた別の代替的実施形態の部分断面図である。
【0015】
【
図5】
図3のリムアセンブリの構成要素の分解斜視図である。
【0016】
【
図6】リムアセンブリの代替的実施形態の構成要素の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び
図2は、非空気入りタイヤ10の一実施形態を例示する。非空気入りタイヤ10は、内側構成要素及び外側構成要素を有するリムアセンブリとともに使用され得るタイヤの例示的な図に過ぎない。これは、限定することを意図するものではない。
【0018】
例示される実施形態では、非空気入りタイヤ10は、タイヤ10が装着されるリム(図示しない)と係合する、概ね環状のインナーリング20を含む。概ね環状のインナーリング20は、内側表面23及び外側表面24を有し、架橋ポリマー又は非架橋ポリマーから形成され得る。本開示において、「ポリマー」という用語は、架橋ポリマー又は非架橋ポリマーを意味している。
【0019】
非空気入りタイヤ10は、概ね環状のインナーリング20に接続された支持構造である、相互接続されたウェブ40を取り囲む、概ね環状のアウターリング30を更に含む。代替的実施形態では、複数のスポーク又は他の支持構造が、インナーリングをアウターリングに接続する。アウターリング30は、接地面領域32(
図2参照)の周りの範囲48であって、その接地面領域を含んでいる範囲において変形するように構成することができ、この構成が、振動を低減し、乗り心地の良さを高めている。
【0020】
一実施形態では、概ね環状のインナーリング20及び概ね環状のアウターリング30は、相互連結されたウェブ40と同じ材料から形成されている。概ね環状のインナーリング20、概ね環状のアウターリング30、及び相互連結されたウェブ40は、射出成形若しくは圧縮成形、鋳造可能なポリマー、付加製造、又は先行技術において一般的に既知である任意の他の方法によって形成することができるとともに、同時に形成することが可能であって、それらの取り付けは、インナーリング20、アウターリング30、及び相互連結されたウェブ40を含む材料の冷却及び凝固によって形成される。
【0021】
図1に示されたように、概ね環状のアウターリング30は、トレッド担持層70が取り付けられる、半径方向外側表面34を有し得る。取り付けは、接着又は先行技術において通常利用可能な他の方法を用いて実施され得る。
【0022】
図示された実施形態では、相互連結されたウェブ40は、複数の概ね多角形状の開口部50を画定しているウェブ要素42の、少なくとも2つの半径方向に隣接する層56、58を有している。他の実施形態(図示せず)では、他のウェブ構成が採用されてもよい。別の実施形態(図示せず)では、スポーク又は他の支持構造がウェブの代わりに用いられてもよい。
【0023】
図3は、概ね環状のインナーリング110と、概ね環状のアウターリング120と、インナーリング110とアウターリング120との間に延在する可撓性の相互連結されたウェブの形態にある支持構造と、を有する、タイヤ100の別の実施形態の正面図を例示する。可撓性の相互連結されたウェブは、多角形状の開口部を画定する複数のウェブ要素130によって形成されている。この特定の実施形態では、ウェブ要素130は、複数の六角形及び実質的に台形の形状を形成し、これは、外側の一連の交互の六角形及び台形の開口部と、内側の一連の交互の六角形及び台形の開口部とを含む。
図1~
図3に示される幾何学的形状は単なる例示であり、任意の幾何学的形状が用いられてもよいことを理解されたい。同様に、スポーク又は他の支持構造が、ウェビングの代わりに用いられてもよい。
【0024】
図3は、リムアセンブリ200上に装着されたタイヤ100を更に示す。リムアセンブリ200は、外側環状表面220a及び内側表面230aを有する外側リム210aを含む。外側リムの内側表面230aは、第1の複数の軸方向隆起部250aを画定する第1の複数の軸方向溝240aを有する。
【0025】
リムアセンブリ200は、外側表面220b及び内側表面230bを有する内側リム210bを更に含む。内側リム210bの外側表面220bは、第2の複数の軸方向隆起部250bを画定する第2の複数の軸方向溝240bを有する。第2の複数の軸方向溝240bは、第1の複数の軸方向隆起部250aの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。同様に、第2の複数の軸方向隆起部250bは、第1の複数の軸方向溝240aの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。したがって、内側リム210bは、外側リム210aに軸方向に挿入され、外側リム210aから取り外されてもよい。
【0026】
例示した実施形態では、外側リム210aは、6つの軸方向溝240a及び6つの軸方向隆起部250aを有する。内側リム210bは同様に、6つの軸方向溝240b及び6つの軸方向隆起部250bを有する。しかしながら、この数のリブ及び溝は単に例示目的のために過ぎず、より多くの又はより少ないリブが用いられてもよいことを理解されたい。例えば、市販の実施形態では、各内側リム及び外側リムには、数十又は更には数百のリブ及び溝を有する場合がある。
【0027】
図3は、外側リム210aの内側表面230aと内側リム210bの外側表面220bとの間の間隙を示す。しかしながら、この間隙は、例示目的のために誇張されている。他の実施形態では、外側リムと内側リムとの間の公差は最小化されてもよく、外側リムの内側表面と内側リムの外側表面とが互いに接触してもよい。潤滑剤が、外側リム210aからの内側リム210bの軸方向の挿入及び除去を容易にするために用いられてもよい。
【0028】
非空気入りタイヤ100の環状インナーリング110は、第1の直径を有する平滑な内側表面を有し、外側リム210aの外側環状表面220aは、第2の直径を有する平滑な表面である。一実施形態では、第1の直径は第2の直径に等しい。代替的実施形態では、第2の直径は、タイヤの環状インナーリング110に外側リム210aを挿入するためのクリアランスを提供するために、第1の直径よりわずかに小さい。別の代替的実施形態では、第2の直径は第1の直径よりわずかに大きく、外側リム210aは、タイヤの環状インナーリング110に力嵌めされる。
【0029】
一実施形態では、外側リム210aの外側環状表面220aは、接着剤によって非空気入りタイヤ100の環状インナーリング110に固定的に取り付けられる。環状インナーリング110、外側リム210a、及び接着剤の材料は、高レベルのトルクが加えられたときに、変形せずに、環状インナーリング110が外側リム210aに取り付けられたままであるように、界面に強い結合が形成されるように選択することができる。例えば、インナーリング110及び外側リム210aは、両方ともポリマー材料で構成されてもよい。外側リム210aは、インナーリング110よりも高い弾性率を有してもよい。例えば、外側リムは硬質プラスチックであってもよい。代替的実施形態では、外側リム及びインナーリングは、同じ材料で構成される。例えば、外側リム及びインナーリングの両方は、同じポリマー材料で構成されてもよい。別の代替的実施形態では、外側リムは金属で構成される。
【0030】
代替的実施形態では、インナーリング110は、化学結合を介して外側リム210aに取り付けられる。例えば、インナーリング及び外側リムは、一緒に硬化されてもよい。
【0031】
一実施形態では、外側リム210aと内側リム210bとの間に接着剤は用いられず、任意の化学結合又は他の恒久的結合方法も用いられていない。その代わりに、内側リム210bは、外側リム210bに単に挿入される。内側リム210bは、力嵌めによってその位置に維持されてもよい。
【0032】
外側リム210aを内側リム210bに固着するために接着剤は使用されない。外側リム210aは、内側リム210bに恒久的に固着されていないため、外側リム210a及びタイヤ100は、検査、メンテナンス、又は交換のために、内側リム210bから取り外されてもよい。外側リム210a及びタイヤ100が内側リム210bから取り外された後、内側リム210b上に後に装着されてもよく、又は異なる外側リム又はタイヤ及び外側リムアセンブリが内側リム210b上に装着されてもよい。したがって、タイヤ100を外側リム210aから取り外すことができない場合でも、内側リム210bは再利用可能である。
【0033】
タイヤ100、外側リム210a、及び内側リム210bが完全に組み立てられると、内側リム210bは、車両の車軸によって、又は他の手段によって回転され得る。内側リム210bが回転すると、内側隆起部250bの側面は外側隆起部250aの側面と係合し、外側リム210aにトルクが加えられる。加えられたトルクは、外側リム210aを内側リム210aと同じ角速度で回転させる。タイヤ100は、外側リム210aに固定的に取り付けられているため、タイヤ100も同じ角速度で回転する。
【0034】
図3に示される実施形態では、第1及び第2の複数の軸方向隆起部250a、bの側面は、実質的に半径方向に延在する。したがって、軸方向隆起部250a、bのそれぞれは、実質的に同じサイズの実質的に矩形の断面を有する。しかしながら、隆起部は、様々なサイズ及び幾何学的形状を有することができることを理解されたい。いくつかの幾何学的形状の例を
図4A~Dに示す。
【0035】
図4Aは、リムアセンブリ300の代替的実施形態の部分断面図である。リムアセンブリ300は、以下に記載される相違点を除いて、上述のリムアセンブリ200と実質的に同じである。
【0036】
リムアセンブリ300は、外側環状表面320a及び内側表面330aを有する外側リム310aを含む。外側リムの内側表面330aは、第1の複数の軸方向隆起部350aを画定する第1の複数の軸方向溝340aを有する。リムアセンブリ300は、外側表面320b及び内側表面330bを有する内側リム310bを更に含む。内側リム310bの外側表面320bは、第2の複数の軸方向隆起部350bを画定する第2の複数の軸方向溝340bを有する。第2の複数の軸方向溝340bは、第1の複数の軸方向隆起部350aの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。同様に、第2の複数の軸方向隆起部350bは、第1の複数の軸方向溝340aの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。
【0037】
例示の実施形態では、軸方向隆起部350a、bの側面は、軸方向隆起部350a、bのそれぞれが、実質的に台形の形状を有する断面を有するように、非半径方向に延在する。より具体的には、軸方向隆起部350a、bは、それぞれの隆起部の頂部がその基部よりも広いように、実質的に反転された台形形状を有する断面を有する。
【0038】
図4Bは、リムアセンブリ400の別の代替的実施形態の部分断面図である。リムアセンブリ400は、以下に記載される相違点を除いて、上述のリムアセンブリ200、300と実質的に同じである。
【0039】
リムアセンブリ400は、外側環状表面420a及び内側表面430aを有する外側リム410aを含む。外側リムの内側表面430aは、第1の複数の軸方向隆起部450aを画定する第1の複数の軸方向溝440aを有する。リムアセンブリ400は、外側表面420b及び内側表面430bを有する内側リム410bを更に含む。内側リム410bの外側表面420bは、第2の複数の軸方向隆起部450bを画定する第2の複数の軸方向溝440bを有する。第2の複数の軸方向溝440bは、第1の複数の軸方向隆起部450aの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。同様に、第2の複数の軸方向隆起部450bは、第1の複数の軸方向溝440aの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。
【0040】
例示の実施形態では、軸方向隆起部450a、bの側面は、軸方向隆起部450a、bのそれぞれが実質的に台形の形状を有する断面を有するように、非半径方向に延在する。より具体的には、軸方向隆起部450a、bは、それぞれの隆起部の基部がその頂部よりも広いように、直立台形の形状を有する断面を有する。
【0041】
図4Cは、リムアセンブリ500のまた別の代替的実施形態の部分断面図である。リムアセンブリ500は、以下に記載される相違点を除いて、上述のリムアセンブリ200、300、400と実質的に同じである。
【0042】
リムアセンブリ500は、外側環状表面520a及び内側表面530aを有する外側リム510aを含む。外側リムの内側表面530aは、第1の複数の軸方向隆起部550aを画定する第1の複数の軸方向溝540aを有する。リムアセンブリ500は、外側表面520b及び内側表面530bを有する内側リム510bを更に含む。内側リム510bの外側表面520bは、第2の複数の軸方向隆起部550aを画定する第2の複数の軸方向溝540bを有する。同様に、第2の複数の軸方向隆起部550bは、第1の複数の軸方向溝540aの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。第2の複数の軸方向溝540bは、第1の複数の軸方向隆起部550bの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。例示の実施形態では、軸方向隆起部550a、bは、丸い断面幾何形状を有する。
【0043】
図4Dは、リムアセンブリ600のまた別の代替的実施形態の部分断面図である。リムアセンブリ600は、以下に記載される相違点を除いて、上述のリムアセンブリ200、300、400、500と実質的に同じである。
【0044】
リムアセンブリ600は、外側環状表面620a及び内側表面630aを有する外側リム610aを含む。外側リムの内側表面630aは、第1の複数の軸方向隆起部650aを画定する第1の複数の軸方向溝640aを有する。リムアセンブリ600は、外側表面620b及び内側表面630bを有する内側リム610bを更に含む。内側リム610bの外側表面620bは、第2の複数の軸方向隆起部650aを画定する第2の複数の軸方向溝640bを有する。同様に、第2の複数の軸方向隆起部650bは、第1の複数の軸方向溝640aの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。第2の複数の軸方向溝640bは、第1の複数の軸方向隆起部650bの断面幾何形状に対応する断面幾何形状を有する。例示した実施形態では、軸方向隆起部650a、bは、三角形の形状を有する。
【0045】
図4A~Dに示される例は、限定することを意図するものではない。軸方向隆起部は、任意の幾何学的形状の断面を有してもよいことを理解されたい。更に、軸方向隆起部は、同じリム構成要素上でサイズ又は形状が変化してもよい。例えば、交互の一連の台形及び三角形の隆起部が用いられてもよい。
【0046】
図5は、
図3のリムアセンブリ200の構成要素の分解斜視図である。この実施形態では、内側リム構成要素210bは、左環状構成要素210b
1及び右環状構成要素210b
2を有する分割リム構成要素である。左環状構成要素210b
1は、外側リム210aの左側に接触する左フランジ260
1を有する。同様に、右環状構成要素210b
2は、外側リム210aの右側に接触する右フランジ260
2を有する。
【0047】
左環状構成要素210b1は、様々な異なる方法で、右環状構成要素210b1に固定されてもよい。一実施形態では、左環状構成要素210b1の内側端部は、右環状構成要素210b1の内側端部にボルト止めされる。別の実施形態では、左フランジ2601は、外側リム210aの左側にボルト止めされ、右フランジ2602は、外側リム210aの右側にボルト止めされる。そのような一実施形態では、ボルトは、左フランジ2601が右フランジ2602にボルト止めされるように、外側リム210aを完全に貫通して延在する。
【0048】
リムアセンブリ200が組み立てられると、フランジ2601、2602は、外側リム構成要素210aが内側リム構成要素210bに対して軸方向に移動することを防止する。代替的実施形態(図示せず)では、内側リム構成要素はフランジを有さない。代わりに、ディスク又は他の固定要素が、内側リム構成要素及び外側リム構成要素の両方に固定される。
【0049】
図6は、外側リム構成要素710a及び内側リム構成要素710bを有するリムアセンブリ700の代替的実施形態の構成要素の分解斜視図である。この実施形態では、内側リム構成要素710bは、単一の構成要素である。アセンブリ700は、内側リム構成要素720bの左側及び外側リム710aの左側の両方に固定された左ディスク720を更に含む。同様に、右ディスク730が、内側リム構成要素720bの右側及び外側リム710aの右側の両方に固定される。
【0050】
リムアセンブリ700が組み立てられると、ディスク720、730は、外側リム構成要素710aが内側リム構成要素710bに対して軸方向に移動することを防止する。代替的実施形態(図示せず)では、内側リム構成要素710bの一端はフランジを有し、その反対側の端部に単一のディスクが用いられる。他の実施形態では、ディスク以外の固定要素が用いられる。
【0051】
図5及び6に示される実施形態では、内側及び外側リム構成要素上の隆起部及び溝の全ては、軸方向に延在する。代替的実施形態(図示せず)では、隆起部及び溝は、渦巻き状又は螺旋状の形状であってもよい。このような溝及び隆起部は、「施条」溝と呼ばれる場合がある。
【0052】
「含む(includes)」又は「含むこと(including)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、「含む(comprising)」という用語が特許請求項で移行句として採用される際の解釈と同様に包括的であることが意図される。更に、「又は(or)」という用語が採用される範囲において(例えば、A又はBなど)、「A又はB、又はAとBの両方とも」を意味することが意図されている。本出願人らが「A又はBの両方ではなく一方のみ」を示すことを意図する場合、「A又はBの両方ではなく一方のみ」という用語が採用されるであろう。したがって、本明細書における「又は」という用語の使用は、排他的ではなく、包含的である。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、「中(in)」又は「中へ(into)」という用語が、本明細書又は特許請求の範囲において使用される範囲において、「上(on)」又は「上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。更に、「接続する(connect)」という用語が本明細書又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、「と直接接続する(directly connected to)」ことだけではなく、別の構成要素を介して接続することなどのように「と間接的に接続する(indirectly connected to)」ことも意味することが意図される。
【0053】
本出願をその実施形態の記述によって例解し、またその実施形態をかなり詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制限するか、又はいかなる形でも限定することは、出願人の本意ではない。追加の利点及び改良が、当業者には容易に明らかとなるであろう。したがって、そのより広い態様における本出願は、図示及び説明される、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例解的な実施例に限定されない。このため、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱することなく、このような詳細からの逸脱がなされ得る。