(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の調製方法
(51)【国際特許分類】
C07C 213/00 20060101AFI20221110BHJP
C07C 215/44 20060101ALI20221110BHJP
C07D 261/20 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
C07C213/00
C07C215/44
C07D261/20
(21)【出願番号】P 2021527275
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2019097921
(87)【国際公開番号】W WO2020042841
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】201810991670.2
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521039921
【氏名又は名称】重慶博騰制薬科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】林文清
(72)【発明者】
【氏名】鄭宏傑
(72)【発明者】
【氏名】朱剣平
(72)【発明者】
【氏名】張勇
(72)【発明者】
【氏名】王建沖
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102633657(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103923055(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106279095(CN,A)
【文献】国際公開第2018/005328(WO,A1)
【文献】JUST, G et al.,Canadian Journal of Chemistry,Vol.54, No. 6,1976年,p.867-870
【文献】JI, C et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry,Vol. 20, No. 11,2012年,p.3422-3428
【文献】RANGANATHAN, S et al.,Tetrahedron,Vol. 53, No. 9,1997年,p.3347-3362
【文献】実験化学講座 16 有機化合物の合成IV-カルボン酸・アミノ酸・ペプチド-,第5版,2007年,p.270-271
【文献】SHIREMAN, B T et al.,Tetrahedron Letters,Vol.41, No. 49,2000年,p.9537-9540
【文献】KIM, K et al.,Tetrahedron Letters,Vol. 44, No. 24,2003年,p.4571-4573
【文献】RITTER, A R et al.,The Journal of Organic Chemistry,Vol.59, No.16,1994年,p.4602-4611
【文献】MEMEO, M G et al.,Tetrahedron Letters,Vol.56, No. 15,2015年,p.1986-1990
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の手順を含む(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの調製方法:
キラルN-アシルヒドロキシルアミン化合物を原材料にしてシクロペンタジエンと非対称環状付加反応を発生させて中間体Iを取得し、
前記中間体Iに対する水素化還元を行って中間体IIを取得し、
前記中間体IIのアミドボンドに対する加水分解、アミノリシス、ヒドラジン分解又はアルコール分解を行って中間体IIIを取得し、
前記中間体IIIに対する水素化還元を行って (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールを取得し、
その中、前記キラルN-アシルヒドロキシルアミン化合物は構造式が
、前記中間体Iは構造式が
、前記中間体IIは構造式が
、前記中間体IIIは構造式が
、前記(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールは構造式が
であり、
式中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【請求項2】
RはC2~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものであることを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項3】
Rはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル及び
tert-ブチルからなるグループからのものであり、望ましくは、Rはエチル、N-プロピル、イソプロピル及び
tert-ブチルからなるグループからのもの、望ましくは、Rは
tert-ブチルであることを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項4】
Rはフェニル及び置換フェニルからのもの、望ましくは、Rはフェニルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の調製方法。
【請求項5】
前記N-アシルヒドロキシルアミン化合物と前記シクロペンタジエンとの反応は酸化剤が必要であり、前記酸化剤は少なくとも過ヨウ素酸塩、酸素ガス、過酸化水素及びNBSの1種を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の調製方法。
【請求項6】
水素雰囲気で炭素上のパラジウム又はラニーニッケルを触媒にして前記中間体Iに対する水素化還元を行い、
望ましくは、炭素上のパラジウムを触媒にし、水素ガスの圧力が0.05~0.1MPa、温度が-10~15℃にある場合に前記中間体Iに対する水素化還元を行い、
又は望ましくは、ラニーニッケルを触媒にし、水素ガスの圧力が0.1~2MPa、温度が-10~15℃にある場合に前記中間体Iに対する水素化還元を行う
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の調製方法。
【請求項7】
酸又はアルカリの触媒作用により前記中間体IIのアミドボンドに対するアミノリシス又はアルコール分解を行なうことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の調製方法。
【請求項8】
前記酸は少なくとも塩酸、臭化水素、硫酸、p-トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸のいずれかを含むことを特徴とする請求項7に記載の調製方法。
【請求項9】
前記アルカリは少なくともアンモニアガス、ヒドラジンハイドレート、ヒドロキシルアミン水溶液、メトキシドナトリウム及びエトキシドナトリウムのいずれかを含むことを特徴とする請求項7に記載の調製方法。
【請求項10】
前記アルカリの触媒作用及び-10~40℃の反応温度で前記中間体IIのアミドボンドに対するアミノリシス又はアルコール分解を行なうことを特徴とする請求項9に記載の調製方法。
【請求項11】
水素雰囲気で炭素上のパラジウム又はラニーニッケルを触媒にして前記中間体IIIに対する水素化還元を行ない、
望ましくは、炭素上のパラジウムを触媒にし、水素ガスの圧力0.1~1MPa及び温度20~50℃で前記中間体IIIに対する水素化還元を行ない、
又は望ましくは、ラニーニッケルを触媒にし、水素ガスの圧力0.1~2MPa及び温度20~50℃で前記中間体IIIに対する水素化還元を行なう
ことを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の調製方法。
【請求項12】
(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール塩の下記の手順を含む調製方法:
キラルN-アシルヒドロキシルアミン化合物を原材料にしてシクロペンタジエンと非対称環状付加反応を発生させて中間体Iを取得し、
前記中間体Iに対する水素化還元を行って中間体IIを取得し、
酸の触媒作用で前記中間体IIのアミドボンドに対するアルコール分解を行って中間体IIIの塩を取得し、
前記中間体IIIの塩に対する水素化還元を行って (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの塩を取得し、
その中、前記キラルN-アシルヒドロキシルアミン化合物は構造式が
、前記中間体Iは構造式が
、前記中間体IIは構造式が
、前記中間体IIIの塩は構造式が
、前記(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの塩は構造式が
であり、
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリール、HAがHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかからのものである。
【請求項13】
前記酸の触媒作用及び0~60℃にある反応温度で前記中間体IIのアミドボンドに対するアルコール分解を行なうことを特徴とする請求項12に記載の調製方法。
【請求項14】
前記酸は少なくともHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかを含むことを特徴とする請求項13に記載の調製方法。
【請求項15】
水素雰囲気で炭素上のパラジウム又はラニーニッケルを触媒にして前記中間体IIIの塩に対する水素化還元を行ない、
望ましくは、炭素上のパラジウムを触媒にし、水素ガスの圧力0.1~1MPa及び温度20~50℃で前記中間体IIIの塩に対する水素化還元を行ない、
又は望ましくは、ラニーニッケルを触媒にし、水素ガスの圧力0.1~2MPa及び温度20~50℃で前記中間体IIIの塩に対する水素化還元を行なう
ことを特徴とする請求項12~14のいずれかに記載の調製方法
。
【請求項16】
(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のための
アミド中間体であって、構造式が次のとおりであり、
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである
アミド中間体。
【請求項17】
RはC2~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものであることを特徴とする請求項16に記載の
アミド中間体。
【請求項18】
Rはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル及び
tert-ブチルからなるグループからのものであり、望ましくは、Rはエチル、N-プロピル、イソプロピル及び
tert-ブチルからなるグループからのもの、望ましくは、Rは
tert-ブチルであることを特徴とする請求項16に記載の
アミド中間体
。
【請求項19】
Rはフェニル及び置換フェニルからのもの、望ましくは、Rはフェニルであることを特徴とする請求項16又は17に記載の
アミド中間体。
【請求項20】
(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のためのアミン塩中間体であって、構造式が次のとおりであり
、
式の中、HAがHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかからのものである
アミン塩中間体。
【請求項21】
HAがHClからのものであることを特徴とする請求項20に記載のアミン塩中間体。
【請求項22】
中間体として(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のための下式の化合物であって、
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリール、望ましくはRはC2~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである
化合物。
【請求項23】
中間体として(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のための下式の化合
物の塩であって
、
、HAがHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかからのものである
化合物の塩。
【発明の詳細な説明】
【関係出願の相互参照】
【0001】
本出願要件は2018年08月28日に中国特許局に提出した出願番号が201810991670.2、名称が「(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の調製方法」である中国特許出願の優先権の内容の全部を引用により本出願に結び合わせる。
【技術分野】
【0002】
本発明は有機合成分野、具体的に、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の調製方法に関わる。
【背景技術】
【0003】
AIDSは感染AIDSウイルス(HIVウイルス)に引き起こされる非常に有害な感染症である。ビクテグラビル(Bictegravir)はギリアド(Gilead)社により開発されたHIVを治療するための薬であり、ビクテグラビル(Bictegravir)(50mg)、エムトリシタビン(Emtricitabine)(200mg)及びテノホビル アラフェナミド(Tenofovir alafenamide)(25mg)から構成した薬のBiktarvyが2018年2月8日にFDAに認められて米国で発売されてきた。その中、ビクテグラビル(Bictegravir)は構造式が次のとおりである。
【0004】
(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールはビクテグラビル(Bictegravir)の合成のための重要な中間体であり、キラルセンターの2つを含み、従来の合成スキームでは主にキラルスプリット及びキラル源から合成される。その中、キラルスプリットは酵素による酵素スプリット及びキラル酸でスプリットを実施する化学的スプリットを含む。但し、キラルスプリットは理論上の収量が50%、実績収量が30~45%に過ぎないので、原材料の無駄遣いが多い。キラル源の合成、即ち固有のキラル性を備えた原材料で合成を行う場合、原材料の利用率が大幅に向上するが、キラル原材料が合成され難く、高価であるので、コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、本発明の目的は、原材料が簡単に取得しやすい上、利用率が高く、生産コストが安く、その取り扱いやすく、条件が温和であり、製品の光学純度が高く、品質が安定であるので、量産に適する(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の調製方法を提供することを含む。
【0006】
例えば、本発明の目的は、簡単に調製でき、取得しやすく、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の量産に適する(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の合成のための中間体を提供することを含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの調製方法は下記の手順を含む。
【0008】
N-アシルヒドロキシルアミン化合物を原材料にしてシクロペンタジエンと非対称環状付加反応を発生させて中間体Iを取得する。
【0009】
中間体Iの水素化還元により中間体IIを取得する。
【0010】
中間体IIのアミドボンドの断裂により中間体IIIを取得する。
【0011】
中間体IIIの水素化還元により (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールを取得する。
その中、N-アシルヒドロキシルアミン化合物は構造式が
、中間体Iは構造式が
、中間体IIは構造式が
、中間体IIIは構造式が
、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールは構造式が
である。
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【0012】
本発明による(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール塩は調製方法が下記の手順を含む。
【0013】
キラルN-アシルヒドロキシルアミン化合物を原材料にしてシクロペンタジエンと非対称環状付加反応を発生させて中間体Iを取得する。
【0014】
中間体Iの水素化還元により中間体IIを取得する。
【0015】
酸の触媒作用における中間体IIのアミドボンドのアルコール分解により中間体IIIの塩を取得する。
【0016】
中間体IIIの塩の水素化還元により(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの塩を取得する。
その中、キラルN-アシルヒドロキシルアミン化合物は構造式が
、中間体Iは構造式が
、中間体IIは構造式が
、中間体IIIの塩は構造式が
、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの塩は構造式が
である。
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリール、HAはHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかからのものである。
【0017】
本発明による (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のための
アミド中間体は構造式が
である。
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【0018】
本発明による (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のためのアミン塩中間体は構造式
が
である。
式の中、HAはHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかからのものである。
【0019】
本発明による下式の化合物は中間体として(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のためのものである。
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【0020】
本発明による下式の化合物
の塩は中間体として(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のためのものである
。
その中、前記化合物の塩は
、
HAがHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかからのものである。
【0021】
1種又は複数の実施形態で、RはC2~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【0022】
1種又は複数の実施形態で、Rはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルからなるグループからのものである。例えば、Rはtert-ブチルである。
【0023】
1種又は複数の実施形態で、Rはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルを含むグループからのものである。
【0024】
1種又は複数の実施形態で、Rはtert-ブチルである。
【0025】
1種又は複数の実施形態で、Rはフェニル及び置換フェニルからのもの、望ましくは、Rはフェニルである。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例は下記の有利な効果を少なくとも含む。
【0027】
本発明の実施例はN-アシルヒドロキシルアミン化合物の中のキラルセンターをキラル誘導にし、シクロペンタジエンとの非対称環状付加反応により対象産出物のキラルセンターの2つを構成する(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の調製方法を提供する。N-アシルヒドロキシルアミン化合物はヒドロキシルアミンの1手順の派生により取得できるので、コストが安く、原材料のコストダウンに役立つ。この調製方法はルートが適切であり、取り扱いやすく、反応条件が温和であるので、原子経済性が高い。なお、この調製方法は立体選択性がよく、調製した製品の光学純度が高く、品質が安定であるので、大規模な工業生産に適する。
【0028】
本発明の実施例は簡単に調製でき、取得しやすく、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の量産に適する(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の合成のための中間体も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施例の目的、技術的な解決策及び長所が更に明確になるように、次に本発明の実施例の技術的な解決策について、完全に説明する。実施例中の条件について具体的に説明しなかった場合、通常の条件又はメーカに推奨された条件に従う。所用試薬又はゲージにメーカの表示がない場合、通常の市販品を利用できる。
【0030】
本書に別途に定義がある他に、本発明で用いられた科学・技術用語は本分野の普通の技術者が通常に理解する意味がある。次に例示的な方法及び材料について説明するが、本文に記載のものと類似し、又は同じ方法及び材料も本発明に用いられることができる。
【0031】
次に本発明の実施例の(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの調製方法について詳細に説明する。
【0032】
本発明の実施例による(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールは調製方法が下記の手順を含む。
【0033】
N-アシルヒドロキシルアミン化合物を原材料にしてシクロペンタジエンと非対称環状付加反応を発生させて中間体Iを取得する。
【0034】
中間体Iの水素化還元により中間体IIを取得する。
【0035】
中間体IIのアミドボンドの断裂により中間体IIIを取得する。
【0036】
中間体IIIの水素化還元により (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールを取得する。
その中、N-アシルヒドロキシルアミン化合物は構造式が
、中間体Iは構造式が
、中間体IIは構造式が
、中間体IIIは構造式が
、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールは構造式が
である。
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【0037】
その中、C1~C4アルキルはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチルなどを含むがそれに限るものではない。C6~C10アリールはフェニル、ナフチル及び置換フェニルを含むがそれに限るものではない。置換フェニルは隣接位置、介在及びカウンターポイントの少なくとも1つの軌跡がアルキル、ハロゲン、ニトロ、アルコキシなどに代替されたフェニルを含む。1種又は複数の実施形態で、Rはフェニルである。
【0038】
1種又は複数の実施形態で、RはC2~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【0039】
1種又は複数の実施形態で、Rはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルからなるグループからのものである。例えば、Rはtert-ブチルである。
【0040】
1種又は複数の実施形態で、Rはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルを含むグループからのものである。
【0041】
1種又は複数の実施形態で、Rはtert-ブチルである。
【0042】
1種又は複数の実施形態で、N-アシルヒドロキシルアミン化合物とシクロペンタジエンとの反応は酸化剤が必要である。酸化剤の作用下、N-アシルヒドロキシルアミン化合物とシクロペンタジエンとに非対称環状付加反応を発生させて中間体Iを取得する。その中、酸化剤は少なくとも過ヨウ素酸塩、酸素ガス、過酸化水素及びNBSのいずれかを含む。
【0043】
1種又は複数の実施形態で、水素雰囲気で炭素上のパラジウム又はラニーニッケルを触媒にして中間体Iに対する水素化還元を行なう。
【0044】
1種又は複数の実施形態で、よりアクティブな炭素上のパラジウムを触媒にし、水素ガスの圧力を0.05~0.1MPa、温度を-10~15℃に制御して中間体Iに対する水素化還元を行なう。
【0045】
1種又は複数の実施形態で、あまりアクティブではないラニーニッケルを触媒にし、水素ガスの圧力を0.1~2MPa、温度を-10~15℃に制御して中間体Iに対する水素化還元を行なう。
【0046】
1種又は複数の実施形態で、酸又はアルカリの触媒作用で中間体IIのアミドボンドに対する加水分解を行なう。その中、酸は少なくとも塩酸、臭化水素、硫酸、p-トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸のいずれか、アルカリはアンモニアガス、ヒドラジンハイドレート、ヒドロキシルアミン水溶液、メトキシドナトリウム及びエトキシドナトリウムのいずれかを含む。
【0047】
1種又は複数の実施形態で、アルカリの触媒作用及び-10~40℃の反応温度で中間体IIのアミドボンドに対する加水分解を行なう。反応が完了してから反応液に対する酸化により水相を収集し、アルカリ化抽出を行って中間体IIIを取得する。
【0048】
1種又は複数の実施形態で、酸の触媒作用及び0~60℃の反応温度で中間体IIのアミドボンドに対する加水分解を行なう。反応が完了してから直接に濃縮で溶剤を除去して中間体IIIの塩を取得できる。注意に値するのは、中間体IIIの塩を取得しても、酸の触媒作用とアルカリの触媒作用は実際にあまり違っていない。中間体IIIの塩を取得すると、直接に水素化反応を行うことができる。
【0049】
1種又は複数の実施形態で、水素雰囲気で、炭素上のパラジウムを触媒にして中間体III又はその塩に対する水素化還元を行なう。中間体Iの水素化還元と比べてみると、中間体IIIは水素化の条件がより厳しく、よりアクティブな炭素上のパラジウムを触媒にし、水素ガスの0.1~1MPaにある圧力及び20~50℃にある温度が必要である。
【0050】
本発明の実施例は調製方法が下記の手順を含む(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール塩も提供する。
【0051】
キラルN-アシルヒドロキシルアミン化合物を原材料にしてシクロペンタジエンと非対称環状付加反応を発生させて中間体Iを取得する。
【0052】
中間体Iの水素化還元により中間体IIを取得する。
【0053】
酸の触媒作用における中間体IIのアミドボンドのアルコール分解により中間体IIIの塩を取得する。
【0054】
中間体IIIの塩の水素化還元により (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの塩を取得する。
その中、キラルN-アシルヒドロキシルアミン化合物は構造式が
、中間体Iは構造式が
、中間体IIは構造式が
、中間体IIIの塩は構造式が
、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの塩は構造式が
である。
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリール、HAがHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかからのものである。
【0055】
1種又は複数の実施形態で、酸の触媒作用及び0~60℃にある反応温度で中間体IIのアミドボンドに対するアルコール分解を行なう。酸は少なくともHCl、HBr、H2SO4、HOTs及びHOMsのいずれかを含む。
【0056】
1種又は複数の実施形態で、水素雰囲気で炭素上のパラジウム又はラニーニッケルを触媒にして中間体IIIの塩に対する水素化還元を行う。
【0057】
1種又は複数の実施形態で、炭素上のパラジウムを触媒にし、水素ガスの0.1~1MPaにある圧力及び20~50℃にある温度で中間体IIIの塩に対する水素化還元を行う。
【0058】
1種又は複数の実施形態で、ラニーニッケルを触媒にし、水素ガスの0.1~2MPaにある圧力及び20~50℃にある温度で中間体IIIの塩に対する水素化還元を行う。
【0059】
本発明の実施例は構造式が次のとおりであり、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のための
アミド中間体も提供する。
式の中、RはC1~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【0060】
1種又は複数の実施形態で、Rはフェニル及び置換フェニルからのものである。例えば、Rはフェニルである。
【0061】
1種又は複数の実施形態で、RはC2~C4アルキル又はC6~C10アリールからのものである。
【0062】
1種又は複数の実施形態で、Rはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルからなるグループからのものである。望ましくは、Rはエチル、N-プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルからなるグループからのものである。例えば、Rはtert-ブチルである。
【0063】
1種又は複数の実施形態で、Rはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル及びtert-ブチルを含むグループからのものである。
【0064】
1種又は複数の実施形態で、Rはtert-ブチルである。
【0065】
本発明の実施例は構造式が次のとおりであり、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの合成のためのアミン塩中間体も提供する。
又は
式の中、HAがHCl、HBr、H
2SO
4、HOTs及びHOMsのいずれかからのものである。
【0066】
1種又は複数の実施形態で、HAがHClからのものである。
【0067】
次に実施例と結び合わせて本発明の特徴及び性能について更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0068】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体Iの調製方法を提供する。
【0069】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0070】
反応フラスコにN-アシルヒドロキシルアミン化合物((R)-N,2-ジヒドロキシ-2-フェニルアセトアミド)83.5g及びメタノール300mLを入れ、完全に溶解するまでかき混ぜ、-10℃程度に冷却させてからシクロペンタジエンを入れ、過ヨウ素酸ナトリウムの水溶液を滴加する。反応が完全になってからろ液を濾過、収集し、ろ液に飽和亜硫酸水素ナトリウムを入れてクエンチング反応を実施し、減圧濃縮でメタノールを蒸し除き、水相に酢酸エチルを入れて2回に抽出し、抽出液を併合し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、濾過し、濃縮により中間体I(99.7g、収量:86.3%、dr=3.5/1、再結晶の後にde>95%)を取得する。
【実施例2】
【0071】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体Iの調製方法を提供する。
【0072】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0073】
反応フラスコにN-アシルヒドロキシルアミン化合物((R)-N,2-ジヒドロキシ-2-フェニルアセトアミド)25g、テトラヒドロフラン200mL、塩化第一銅触媒1mol%及びピリジンを入れてから蒸留したてのシクロペンタジエンを入れ、よくかき混ぜる。反応が完全になるまで反応フラスコに持続して酸素ガスを入れる。反応液に5%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)溶液を入れ、よくかき混ぜてから放置し、濾過し、ろ液を濃縮してテトラヒドロフランを蒸し除き、酢酸エチルで水相を3回に抽出し、抽出液を併合し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、濾過し、濃縮してから中間体I(22.4g、収量:64.8%、dr=1.5/1)を取得する。
【実施例3】
【0074】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体Iの調製方法を提供する。
【0075】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0076】
反応フラスコにN-アシルヒドロキシルアミン化合物((R)-N,2-ジヒドロキシ-2-フェニルアセトアミド)50g、テトラヒドロフラン250mL、[Ir(COD)Cl]触媒0.05g及びシクロペンタジエンを入れ、反応液を0℃程度に冷却させ、30%過酸化水素溶液を滴加する。反応が完了してからメチルターシャリーエーテルを入れて抽出を行い、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させ、濾過し、濃縮してから中間体I(63g、収量:91.1%、dr=3/1)を取得する。
【実施例4】
【0077】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体Iの調製方法を提供する。
【0078】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0079】
反応フラスコにN-アシルヒドロキシルアミン化合物((R)-N,2-ジヒドロキシ-2-ブチルアセトアミド)100g、ジクロロメタン300mL、ピリジン及びシクロペンタジエンを入れ、反応液を-20℃程度に冷却させ、反応フラスコにN-ブロモスクシンイミド(NBS)を入れ、反応が完了してから水を入れてクエンチング反応を実施し、放置して層別化させ、ジクロロメタンで水相を抽出し、有機相を併合する。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させ、濾過し、濃縮してから中間体I(85g、収量:59.2%、dr=4.5/1)を取得する。
【実施例5】
【0080】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIの調製方法を提供する。
【0081】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0082】
水素化ケトルに中間体I12.0g、メタノール100m及び10% Pd/Cを0.6g入れ、ケトルの蓋を閉め、窒素ガスでケトルにある空気を入れ替えてから水素ガスでケトルにある窒素ガスを入れ替え、水素ガスを0.1MPaまでに充てんし、温度を-5℃程度に制御して反応させる。反応が完了してからケトルに残ったガスを排出させ、窒素ガスを入れ替えてからケトルの蓋を開け、ケトルにある反応液を取り出して濾過し、濃縮してから製品を取得し、再結晶の後に中間体II(白色固体、7.6g、収量:62.8%)を取得する。
【0083】
本実施例による中間体IIは表現が次のとおりである。
【0084】
1H-NMR(CDCl3、400MHz): δ ppm 7.21-7.41(m、5H)、5.23 (d、1H、J=6.4Hz)、4.84(s、1H)、4.66(s、1H)、4.25(d、1H、J= 6.8Hz)、1.95-2.10(m、1H)、1.69-1.75(m、1H)、1.53-1.65(m、2H)、1.39-1.52(m、1H)、0.92-1.05(m、1H)
【0085】
13C-NMR (CDCl3、100MHz): δ ppm 169.52、145.53、139.01、128.23、128.04、127.42、80.54、71.12、57.38、38.31、28.07、27.84
【0086】
HRMS: 検出値234.1169、理論値234.1125(C13H16NO3
+により算出する)
【実施例6】
【0087】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIの調製方法を提供する。
【0088】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0089】
水素化ケトルに中間体Iを41.2g、メタノール100mL、ラニーニッケル11gを入れ、ケトルの蓋を閉め、窒素ガスでケトルにある空気を入れ替えてから水素ガスでケトルにある窒素ガスを入れ替え、水素ガスを0.1MPaまでに充てんし、15℃まで加熱して反応させ、反応が完了してからケトルに残ったガスを排出させ、窒素ガスを入れ替えてからケトルの蓋を開け、ケトルにある反応液を取り出して濾過し、濃縮により中間体II(38.5g、収量:92.6%。)を取得する
【実施例7】
【0090】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIの調製方法を提供する。
【0091】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0092】
水素化ケトルに中間体Iを12.0g、テトラヒドロフラン50mL及びラニーニッケル2.2gを入れ、ケトルの蓋を閉め、窒素ガスでケトルにある空気を入れ替えてから水素ガスでケトルにある窒素ガスを入れ替え、水素ガスを2.0MPaまでに充てんし、-5℃に保温させて反応させる。反応が完了してからケトルに残ったガスを排出させ、窒素ガスを入れ替えてからケトルの蓋を開け、ケトルにある反応液を取り出して濾過し、濃縮してから中間体II(9.73g、収量:80.3%)を取得する。
【実施例8】
【0093】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIの調製方法を提供する。
【0094】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0095】
ステンレス製オートクレーブに中間体IIを5g及び25%アンモニア/メタノール溶液を25mL入れ、オートクレーブの蓋を閉め、40℃程度に昇温させて反応させる。反応が完了してから残ったガスを排出し、反応液を取り出し、減圧、濃縮を行い、濃縮による残留物にメチルtert-ブチルエーテル及び2M塩酸水溶液を入れ、層別化を行い、2M水酸化ナトリウムで水層のアルカリ化を行い、メチルターシャリーエーテルで抽出を行い、抽出液を併合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮により中間体III(1.2g、収量:56.7%)を取得する。
【実施例9】
【0096】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIの調製方法を提供する。
【0097】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0098】
反応フラスコに中間体IIを10g、メタノール30mL、80%のヒドラジンハイドレート溶液を入れ、25℃に保温させて反応させる。反応が完了してから2M塩酸溶液を入れて酸化を行い、ジクロロメタンで抽出を行い、2M水酸化ナトリウムで水相のアルカリ化を行い、再びジクロロメタンで抽出を行い、抽出液を併合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮してから中間体III(2.6g、収量:61.3%)を取得する。
【実施例10】
【0099】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIの調製方法を提供する。
【0100】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0101】
反応フラスコに中間体IIを10g、メタノール30mL及び50%ヒドロキシルアミン水溶液を入れ、50℃までに昇温させて反応させる。反応が完了してから2M塩酸溶液を入れて酸化を行い、メタノールを蒸し除き、ジクロロメタンで水相を抽出し、再び2M水酸化ナトリウムで水相のアルカリ化を行い、ジクロロメタンで水相を抽出し、抽出液を併合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮してから中間体III(3.2g、収量:75.4%)を取得する。
【実施例11】
【0102】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIの調製方法を提供する。
【0103】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0104】
反応フラスコに中間体IIを17.50g及び20%のメトキシドナトリウムメタノール溶液を入れ、温度を-10℃までに下げて反応させる。反応が完了してから2M塩酸で反応液の酸化を行い、蒸留で酸化液にあるメタノールを除去し、ジクロロメタンで水相を抽出し、2M水酸化ナトリウムでアルカリ化を行い、再びジクロロメタンで抽出を行い、抽出液を併合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮してから中間体III(製品の6.1g、収量82.1%)を取得する。
【実施例12】
【0105】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIの調製方法を提供する。
【0106】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0107】
反応フラスコに中間体IIを17.50g及び無水エタノール20mLを入れ、温度を10℃に下げ、エトキシドナトリウムを入れ、反応が完了するまで10℃を保つ。反応が完了してから2M塩酸溶液で酸化を行い、蒸留により酸化液にあるエタノールを除去し、ジクロロメタンで水相を抽出し、2M水酸化ナトリウムでアルカリ化を行い、再びジクロロメタンで抽出を行い、抽出液を併合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮してから中間体III(製品の6.0g、収量80.7%)。を取得する
【実施例13】
【0108】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIの塩酸塩の調製方法を提供する。
【0109】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0110】
反応フラスコに中間体IIを5g入れてから4Mの塩化水素/メタノール溶液30mLを入れ、原材料がなくなるまで0℃で反応させる。反応液を濃縮してから白色固体を取得し、アセトンを入れてスラリー洗浄を行い、濾過し、乾燥してから中間体IIIの塩酸塩(1.9g、収量:65.2%)を取得する。
【0111】
本実施例による中間体IIIは表現が次のとおりである。
【0112】
1H-NMR(D2O、400MHz): δ ppm 5.02-5.04(m、1H)、4.51-4.54(m、1H)、2.14-2.21(m、2H)、1.92-1.99(m、2H)、1.87-1.92(m、2H)
【0113】
13C-NMR (D2O、100MHz): δ ppm 82.37、60.04、37.70、28.09、23.86
【0114】
HRMS: 検出値100.0814、理論値100.0757.(C5H10NO+で算出する)
【実施例14】
【0115】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIの臭化水素酸塩の調製方法を提供する。
【0116】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0117】
反応フラスコに中間体IIを5g入れてから2Mの臭化水素/エタノール溶液30mLを入れ、原材料がなくなるまで10℃で反応させる。反応液を濃縮してから白色固体を取得し、メチルtert-ブチルエーテルを入れてスラリー洗浄を行い、濾過し、乾燥してから中間体IIIの臭化水素酸塩(白色固体、2.1g、収量:54.4%)を取得する。
【実施例15】
【0118】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIの硫酸塩の調製方法を提供する。
【0119】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0120】
反応フラスコに中間体IIを8.5gを入れてから濃硫酸3mL及びメタノール溶液30mLを入れ、原材料がなくなるまで25℃で反応させ、濃縮してから白色固体を取得し、酢酸エチルを入れてスラリー洗浄を行い、濾過し、乾燥してから中間体IIIの硫酸塩(白色固体、3.3g、収量46.6%)を取得する。
【実施例16】
【0121】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIのp-トルエンスルホン酸塩の調製方法を提供する。
【0122】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0123】
反応フラスコに中間体IIを3.5g入れてからp-トルエンスルホン酸2.85g及びメタノール35mLを入れ、反応が完全になるまで60℃までに昇温させて反応させ、減圧、濃縮を行い、アセトンで残留物のスラリー洗浄を行い、濾過し、乾燥してから中間体IIIのp-トルエンスルホン酸塩(白色固体、2.2g、収量54.0%)を取得する。
【実施例17】
【0124】
本実施例は反応式が次のとおりである中間体IIIのメタンスルホン酸塩の調製方法を提供する。
【0125】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0126】
反応フラスコに中間体IIを3g、メタンスルホン酸を1.6g及びメタノール30mLを入れ、原材料がなくなるまで40℃で反応させ、減圧、濃縮を行い、中間体IIIのメタンスルホン酸塩(油状の液体)を取得する。
【実施例18】
【0127】
本実施例は反応式が次のとおりである (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールの調製方法を提供する。
【0128】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0129】
反応フラスコに中間体IIIを3.2g、メタノール20mL及び10%炭素上のパラジウムを0.3g入れ、水素ガスを0.1MPaまでに充てんし、30℃で24時間に反応させ、濾過し、濃縮してから初製品を取得し、アセトンでスラリー洗浄を行い、濾過し、乾燥してから (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール(白色固体、2.6g、収量:81.0%、光学純度>99.5%)を取得する。
【0130】
本実施例による(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノールは表現が次のとおりである。
【0131】
1H-NMR (D2O、400MHz): δ ppm 4.28-4.32(m、1H)、3.61-3.67 (m、1H)、2.13-2.21(m、1H)、2.02-2.11(m、1H)、1.70-1.86(m、3H)、1.60-1.66(m、1H)
【実施例19】
【0132】
本実施例は反応式が次のとおりである(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール塩酸塩の調製方法を提供する。
【0133】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0134】
反応フラスコに中間体IIIを12g、メチルtert-ブチルエーテル60mL及び10%炭素上のパラジウムを1.0gを入れ、水素ガスを1.0MPaまでに充てんし、20℃で24時間に反応させ、濾過して触媒を除去し、ろ液に乾燥したHClガスを入れ、反応が完全になってから濾過し、乾燥してから (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール塩酸塩(白色固体、9.7g、収量:58.2%、光学純度>99.5%)を取得する。
【実施例20】
【0135】
本実施例は反応式が次のとおりである (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール塩酸塩の調製方法を提供する。
【0136】
具体的な調製方法は下記の手順を含む。
【0137】
イソプロパノール200mLで中間体IIIの塩酸塩12.7gを溶解し、取得した溶液をステンレス製リアクターに移し、炭素上のパラジウムの2.3gを入れ、リアクターにあるガスを入れ替えてから水素ガスを1.0MPaまでに充てんし、50℃までに昇温させて反応させ、反応が完了してから反応液を取り出し、濾過して触媒を除去し、濃縮し、残留物に無水アセトニトリル分散液60mLを入れ、濾過し、乾燥してから (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール塩酸塩(白色固体、5.76g、収量:45.3%、光学純度>99.5%)を取得する。
【0138】
まとめて言うと、本発明の実施例はN-アシルヒドロキシルアミン化合物の中のキラルセンターをキラル誘導にし、シクロペンタジエンとの非対称環状付加反応により対象産出物のキラルセンターの2つを構成する(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の調製方法を提供する。N-アシルヒドロキシルアミン化合物はヒドロキシルアミンの1手順の派生により取得できるので、コストが安く、原材料のコストダウンに役に立つ。この調製方法はルートが適切であり、取り扱いやすく、反応条件が温和であるので、原子経済性が高い。なお、この調製方法は立体選択性がよく、調製した製品の光学純度が高く、品質が安定であるので、大規模な工業生産に適する。
【0139】
本発明の実施例は簡単に調製でき、取得しやすく、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の量産に適する(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の合成のための中間体も提供する。
【0140】
前記は本発明の実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本分野の技術者にとって、本発明は様々な更改や変化があるが、本発明の実質及び原則に逸脱することなく行ったすべての更改、同等の入替えまたは改善などが本発明の保護範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明の実施例はN-アシルヒドロキシルアミン化合物の中のキラルセンターをキラル誘導にし、シクロペンタジエンとの非対称環状付加反応により対象産出物のキラルセンターの2つを構成する (1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の調製方法を提供する。N-アシルヒドロキシルアミン化合物はヒドロキシルアミンの1手順の派生により取得できるので、コストが安く、原材料のコストダウンに役に立つ。この調製方法はルートが適切であり、取り扱いやすく、反応条件が温和であるので、原子経済性が高い。なお、この調製方法は立体選択性がよく、調製した製品の光学純度が高く、品質が安定であるので、大規模な工業生産に適する。
【0142】
本発明の実施例は簡単に調製でき、取得しやすく、(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の量産に適する(1R,3S)-3-アミノ-1-シクロペンタノール及びその塩の合成のための中間体も提供する。