(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】通信方法、装置、電子機器及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/24 20090101AFI20221110BHJP
H04W 88/14 20090101ALI20221110BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
H04W28/24
H04W88/14
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2021540492
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(86)【国際出願番号】 CN2020076623
(87)【国際公開番号】W WO2020199792
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】201910261362.9
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514187420
【氏名又は名称】テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワン,タオ
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-513291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
H04M11/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアネットワークエンティティが実行する、通信方法であって、
ターゲットサービスに対するアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得するステップと、
前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するステップであって、前記伝送遅延指示メッセージは、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のサービス品質QoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含むステップと、
前記伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置することにより、前記アクセスネットワークエンティティが前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するステップを含
み、
前記ターゲットサービスに対するアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得するステップは、
アプリケーション機能エンティティから送信された通知メッセージを受信し、前記通知メッセージに基づいて前記トータル遅延耐性を取得するステップ、又は、
アプリケーション機能エンティティとの間の契約プロトコル情報に基づいて前記トータル遅延耐性を取得するステップ、又は、
アプリケーション機能エンティティに予め配置された前記トータル遅延耐性を取得するステップを含む、通信方法。
【請求項2】
前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するステップは、
前記トータル遅延耐性に応じて前記トータル遅延耐性を指示するための情報を生成し、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のそれぞれにQoSフロー指示情報を割り当てるステップと、
前記トータル遅延耐性を指示するための情報、及び前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のそれぞれに割り当てられたQoSフロー指示情報に基づいて、前記伝送遅延指示メッセージを生成するステップとを含む、
請求項
1に記載の通信方法。
【請求項3】
コアネットワークエンティティが実行する、通信方法であって、
ターゲットサービスに対するアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得するステップと、
前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するステップであって、前記伝送遅延指示メッセージは、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のサービス品質QoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含むステップと、
前記伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置することにより、前記アクセスネットワークエンティティが前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するステップを含み、
前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するステップは、
前記トータル遅延耐性に応じて、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を決定するステップと、
前記アップリンク遅延耐性に基づいて前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成し、前記ダウンリンク遅延耐性に基づいて前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成するステップとを含む
、通信方法。
【請求項4】
前記トータル遅延耐性に応じて、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を決定するステップは、
前記トータル遅延耐性を分割することにより、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を取得するステップ、又は、
アプリケーション機能エンティティから通知された前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性との間の分割状況を受信し、前記分割状況と前記トータル遅延耐性に応じて、前記アップリンク遅延耐性と前記ダウンリンク遅延耐性を決定するステップ、又は、
アプリケーション機能エンティティから通知された前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送の優先度を受信し、前記優先度と前記トータル遅延耐性に応じて、前記アップリンク遅延耐性と前記ダウンリンク遅延耐性を決定するステップ、を含む請求項
3に記載の通信方法。
【請求項5】
前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報は、
前記ターゲットサービスの全てのアップリンクデータに対応する、一つのQoSフロー指示情報、又は、
前記ターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、
前記異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報が異なる、
請求項1~
4の何れか一項に記載の通信方法。
【請求項6】
前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は、
前記ターゲットサービスの全てのダウンリンクデータに対応する、一つのQoSフロー指示情報、又は、
前記ターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、
前記異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報が異なる、
請求項1~
5のうちの何れか一項に記載の通信方法。
【請求項7】
前記ターゲットサービスに対するアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得するステップは、
ポリシー制御機能エンティティがアプリケーション機能エンティティから前記トータル遅延耐性を取得するステップ、又は、
ネットワーク公開機能エンティティがアプリケーション機能エンティティから前記トータル遅延耐性を取得して、ポリシー制御機能エンティティに転送するステップ、を含む、
請求項1~
6の何れか一項に記載の通信方法。
【請求項8】
コアネットワークエンティティが適用する通信方法であって、
コアネットワークエンティティに配置されたターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを取得するステップであって、前記伝送遅延指示メッセージは、前記コアネットワークエンティティが前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて生成されたものであり、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含むステップと、
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するステップとを含
み、
前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性は、アプリケーション機能エンティティから送信された通知メッセージ、又は、アプリケーション機能エンティティとの間の契約プロトコル情報、又は、アプリケーション機能エンティティに予め配置されたトータル遅延耐性に基づいて取得される、通信方法。
【請求項9】
コアネットワークエンティティが適用する通信方法であって、
コアネットワークエンティティに配置されたターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを取得するステップであって、前記伝送遅延指示メッセージは、前記コアネットワークエンティティが前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて生成されたものであり、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含み、前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記コアネットワークエンティティが前記トータル遅延耐性に応じて決定された前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性に基づいて生成されたものであり、前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記コアネットワークエンティティが前記トータル遅延耐性に応じて決定された前記ターゲットサービスのダウンリンク遅延耐性に基づいて生成されたものである、ステップと、
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するステップとを含む通信方法。
【請求項10】
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するステップは、
前記伝送遅延指示メッセージに前記トータル遅延耐性を指示するための情報がさらに含まれる場合、前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延を監視するステップと、
前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報にアップリンク遅延耐性が含まれる場合、前記アップリンク遅延耐性に基づいて前記ターゲットサービスのアップリンク伝送遅延を監視するステップと、
前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報にダウンリンク遅延耐性が含まれる場合、前記ダウンリンク遅延耐性に基づいて前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送遅延を監視するステップとを含む、
請求項
8又は9に記載の通信方法。
【請求項11】
前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記ターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応する、QoSフロー指示情報を含み、
前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記ターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応する、QoSフロー指示情報を含み、
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するステップは、
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて、前記ターゲットサービスの指定タイプのアップリンクデータの伝送遅延、及び前記ターゲットサービスの指定タイプのダウンリンクデータの伝送遅延を監視するステップを含み、
前記指定タイプのアップリンクデータと前記指定タイプのダウンリンクデータは、伝送される際、同一のプロトコルデータユニットPDUセッション、或いは異なるPDUセッションに位置する、
請求項
8~10のうちの何れか一項に記載の通信方法。
【請求項12】
前記ターゲットサービスは、クラウドゲームサービスを含み、
前記指定タイプのアップリンクデータはゲーム操作データを含み、前記指定タイプのダウンリンクデータはゲームシーンをレンダリングして得られたマルチメディアデータを含む、
請求項11に記載の通信方法。
【請求項13】
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するステップは、
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて、ユーザ装置とアクセスネットワークエンティティとの間の前記ターゲットサービスに対する伝送遅延を監視するステップ、及び/又は、
前記伝送遅延指示メッセージ、及びアクセスネットワークエンティティとユーザプレーン機能エンティティとの間の遅延情報に基づいて、ユーザ装置と前記ユーザプレーン機能エンティティとの間の前記ターゲットサービスに対する伝送遅延を監視するステップを含む
請求項
8~12のうちの何れか一項に記載の通信方法。
【請求項14】
通信装置であって、
ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得するための取得ユニットと、
前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するための生成ユニットであって、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のサービス品質QoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含む生成ユニットと、
前記伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置することにより、前記アクセスネットワークエンティティが前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するための配置ユニットと、
を含
み、
前記取得ユニットは、
アプリケーション機能エンティティから送信された通知メッセージを受信し、前記通知メッセージに基づいて前記トータル遅延耐性を取得する、又は、
アプリケーション機能エンティティとの間の契約プロトコル情報に基づいて前記トータル遅延耐性を取得する、又は、
アプリケーション機能エンティティに予め配置された前記トータル遅延耐性を取得する、通信装置。
【請求項15】
通信装置であって、
ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得するための取得ユニットと、
前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するための生成ユニットであって、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のサービス品質QoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含む生成ユニットと、
前記伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置することにより、前記アクセスネットワークエンティティが前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するための配置ユニットと、
を含み、
前記生成ユニットは、
前記トータル遅延耐性に応じて、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を決定し、
前記アップリンク遅延耐性に基づいて前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成し、前記ダウンリンク遅延耐性に基づいて前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成する、通信装置。
【請求項16】
通信装置であって、
コアネットワークエンティティに配置されたターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを取得するための取得ユニットであって、前記伝送遅延指示メッセージは前記コアネットワークエンティティが前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて生成されたものであり、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含む取得ユニットと、
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するための監視ユニットと、
を含
み、
前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性は、アプリケーション機能エンティティから送信された通知メッセージ、又は、アプリケーション機能エンティティとの間の契約プロトコル情報、又は、アプリケーション機能エンティティに予め配置されたトータル遅延耐性に基づいて取得される、通信装置。
【請求項17】
通信装置であって、
コアネットワークエンティティに配置されたターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを取得するための取得ユニットであって、前記伝送遅延指示メッセージは前記コアネットワークエンティティが前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて生成されたものであり、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含み、前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記コアネットワークエンティティが前記トータル遅延耐性に応じて決定された前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性に基づいて生成されたものであり、前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記コアネットワークエンティティが前記トータル遅延耐性に応じて決定された前記ターゲットサービスのダウンリンク遅延耐性に基づいて生成されたものである取得ユニットと、
前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するための監視ユニットと、
を含む通信装置。
【請求項18】
電子機器であって、
一つ或いは複数のプロセッサと、
一つ或いは複数のプログラムを記憶するための記憶装置であって、前記一つ或いは複数のプログラムが前記一つ或いは複数のプロセッサにより実行されることにより、前記一つ或いは複数のプロセッサに、請求項1~
7のうちの何れか一項に記載の通信方法、或いは、請求項
8~13のうちの何れか一項に記載の通信方法を実現させる記憶装置と、を含む電子機器。
【請求項19】
コマンドを含むコンピュータプログラムであって、
コンピュータ上で動作することにより、前記コンピュータに、請求項1~
7のうちの何れか一項に記載の通信方法、或いは、請求項
8~13のうちの何れか一項に記載の通信方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年04月02日に中国専利局に提出した、出願番号が201910261362.9であり、発明の名称が「通信方法、装置、コンピュータ可読媒体及び電子機器」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用により本出願に結合される。
【0002】
本出願はコンピュータ及び通信技術分野に関し、具体的には、データ通信プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
より高速な体験とより大きな帯域幅のアクセス能力、及びより低い遅延と高信頼性の情報インタラクションを実現するために、業界はサービス品質フロー(Quality of Service flow 、QoSフローと略称する)のネットワークアーキテクチャを提供し、QoSフローは一つのPDU(Protocol Data Unit、プロトコルデータユニット)セッションにおいてQoS区分を提供する最小粒度であり、QFI(QoS Flow ID、QoSフロー識別)は一つのQoSフローを識別するために用いられる。
【発明の概要】
【0004】
また、移動通信技術の発展につれて、様々な新型サービスが派生される。例えばクラウドゲームサービスがあり、これらのサービスは伝送遅延に対する要求が高く、アップリンク・ダウンリンク伝送のトータル遅延に対しても一定の要求があるが、現在のQoSメカニズムが制限され、サービス層のQoS要求を満たすことが困難である。
【0005】
本出願の実施例は通信方法、装置、コンピュータ読取可能な媒体及び電子機器を提供し、ひいては、少なくともターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延に対する監視をある程度実現し、サービス層のQoS要求を満たすことができる。
【0006】
本出願の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるか、または部分的に本出願の実施により分かるようになる。
【0007】
本出願の実施例の一態様によれば、ターゲットサービスに対するアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得し、前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成し、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のサービス品質QoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含み、前記伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置することにより、前記アクセスネットワークエンティティが前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視することを含む、通信方法が提供される。
【0008】
本出願の実施例の一態様によれば、コアネットワークエンティティに配置されたターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを取得し、前記伝送遅延指示メッセージは前記コアネットワークエンティティが前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて生成されたものであり、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含み、前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視することを含む、通信方法が提供される。
【0009】
本出願の実施例の一態様によれば、ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得するための取得ユニットと、前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するために用いられ、前記伝送遅延指示メッセージが前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のサービス品質QoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含む生成ユニットと、前記伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置ことにより、前記アクセスネットワークエンティティが前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するための配置ユニットと、を含む、通信装置が提供される。
【0010】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記取得ユニットは、アプリケーション機能エンティティから送信された通知メッセージを受信し、前記通知メッセージに基づいて前記トータル遅延耐性を取得し、或いは、アプリケーション機能エンティティとの間の契約プロトコル情報に基づいて前記トータル遅延耐性を取得し、或いは、アプリケーション機能エンティティに予め配置された前記トータル遅延耐性を取得するように配置される。
【0011】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記生成ユニットは、前記トータル遅延耐性に応じて前記トータル遅延耐性を指示するための情報を生成し、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のそれぞれにQoSフロー指示情報を割り当て、前記トータル遅延耐性を指示するための情報、及び前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のそれぞれに割り当てられたQoSフロー指示情報に基づいて、前記伝送遅延指示メッセージを生成するように配置される。
【0012】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記生成ユニットは、前記トータル遅延耐性に応じて、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を決定し、前記アップリンク遅延耐性に基づいて前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成し、前記ダウンリンク遅延耐性に基づいて前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成するように配置される。
【0013】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記生成ユニットは、前記トータル遅延耐性を分割することにより、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を取得し、或いは、アプリケーション機能エンティティから通知された前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性との間の分割状況を受信し、前記分割状況と前記トータル遅延耐性に応じて、前記アップリンク遅延耐性と前記ダウンリンク遅延耐性を決定し、或いは、アプリケーション機能エンティティから通知された前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送の優先度を受信し、前記優先度と前記トータル遅延耐性に応じて、前記アップリンク遅延耐性と前記ダウンリンク遅延耐性を決定するように配置される。
【0014】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記ターゲットサービスの全てのアップリンクデータに対応する一つのQoSフロー指示情報、または、前記ターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、なお、前記異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報が異なる。
【0015】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記ターゲットサービスの全てのダウンリンクデータに対応する一つのQoSフロー指示情報、又は、前記ターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、なお、前記異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報が異なる。
【0016】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記通信方法を実行するエンティティがコアネットワークエンティティである場合、前記取得ユニットは、ポリシー制御機能エンティティによりアプリケーション機能エンティティから前記トータル遅延耐性を取得し、或いは、ネットワーク公開機能エンティティによりアプリケーション機能エンティティから前記トータル遅延耐性を取得してポリシー制御機能エンティティに転送するように配置される。
【0017】
本出願の実施例の一態様によれば、コアネットワークエンティティに配置されたターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを取得するための取得ユニットであって、前記伝送遅延指示メッセージは前記コアネットワークエンティティが前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて生成されたものであり、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含む取得ユニットと、前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するための監視ユニットと、を含む通信装置が提供される。
【0018】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記監視ユニットは、前記伝送遅延指示メッセージに前記トータル遅延耐性を指示するための情報がさらに含まれると、前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延を監視し、前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報にアップリンク遅延耐性が含まれると、前記アップリンク遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスのアップリンク伝送遅延を監視し、前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報にダウンリンク遅延耐性が含まれると、前記ダウンリンク遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送遅延を監視するように配置される。
【0019】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報は前記ターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は前記ターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、前記監視ユニットは、前記伝送遅延指示メッセージに基づいて、前記ターゲットサービスの指定タイプのアップリンクデータの伝送遅延、及び前記ターゲットサービスの指定タイプのダウンリンクデータの伝送遅延を監視し、前記指定タイプのアップリンクデータと前記指定タイプのダウンリンクデータとが、伝送される際に同一のプロトコルデータユニットPDUセッションまたは異なるPDUセッションに位置するように配置される。
【0020】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記ターゲットサービスはクラウドゲームサービスを含み、前記指定タイプのアップリンクデータはゲーム操作データを含み、前記指定タイプのダウンリンクデータはゲームシーンをレンダリングして得られたマルチメディアデータを含む。
【0021】
本出願のいくつかの実施例において、前記の態様によれば、前記監視ユニットは、前記伝送遅延指示メッセージに基づいて、ユーザ装置とアクセスネットワークエンティティとの間の前記ターゲットサービスに対する伝送遅延を監視し、及び/或いは、前記伝送遅延指示メッセージ、及びアクセスネットワークエンティティとユーザプレーン機能エンティティとの間の遅延情報に基づいて、ユーザ装置と前記ユーザプレーン機能エンティティとの間の前記ターゲットサービスに対する伝送遅延を監視するように配置される。
【0022】
本出願の実施例の一態様によれば、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、前記の実施例に記載の通信方法を実現できる前記コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読取可能な媒体が提供される。
【0023】
本出願の実施例の一態様によれば、一つ或いは複数のプロセッサと、一つ或いは複数のプログラムを記憶するための記憶装置であって、前記一つ或いは複数のプログラムが前記一つ或いは複数のプロセッサにより実行ことにより、前記一つ或いは複数のプロセッサに、前記の実施例に記載の通信方法を実現させる記憶装置と、を含む電子機器が提供される。
【0024】
本出願の実施例の一態様によれば、コンピュータ上で動作することにより、前記コンピュータに、前記の実施例に記載の通信方法を実行させるコマンドを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0025】
本出願のいくつかの実施例にかかる技術的態様において、ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得することにより、該トータル遅延耐性に応じてターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成し、当該伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置し、サービスによってその対応するトータル遅延耐性を取得するようにすることができ、サービスに対するトータル遅延耐性の動的調整が実現される一方、アクセスネットワークエンティティが当該伝送遅延指示メッセージに基づいてターゲットサービスの伝送遅延を監視するようにすることができ、ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延に対する監視を実現することに有利であり、サービス層のQoS要求が満足された。
【0026】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は単なる例示的で説明に過ぎず、本出願を限定するものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本出願の実施例を示し、明細書と共に本出願の原理を説明するための役割を果たす。明らかに、以下の説明における図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。図面において、
【
図1】本出願の実施例の技術的態様を適用できる例示的なシステムアーキテクチャの模式図を示す。
【
図2】本出願の一実施例による通信方法のフローチャートを示す。
【
図3】本出願の一実施例によるトータル遅延耐性に応じてターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するフローチャートを示す。
【
図4】本出願の一実施例によるトータル遅延耐性に応じてターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するフローチャートを示す。
【
図5】本出願の一実施例による通信方法のフローチャートを示す。
【
図6】本出願の一実施例によるクラウドゲームサービスのシーンの概略図を示す。
【
図7】本出願の一実施例によるAF、CNエンティティとRANエンティティとの間のインタラクションプロセスの概略図を示す。
【
図8】本出願の一実施例によるAFとCNエンティティとの間のインタラクションプロセスの概略図を示す。
【
図9】本出願の一実施例によるAFとCNエンティティとの間の他のインタラクションプロセスの概略図を示す。
【
図10】本出願の一実施例によるAF、CNエンティティとRANエンティティ間の他のインタラクションプロセスの概略図を示す。
【
図11】本出願の一実施例によるAF、CNエンティティとRANエンティティ間の他のインタラクションプロセスの概略図を示す。
【
図12】本出願の他の実施例によるクラウドゲームサービスのシーンの概略図を示す。
【
図13】本出願の一実施例による通信装置のブロック図を示す。
【
図14】本出願の一実施例による通信装置のブロック図を示す。
【
図15】本出願の実施例の電子機器を実現するためのコンピュータシステムの構造の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面を参照して、例示的な実施形態をより全面的に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は様々な形態で実施することができ、本明細書に記載される例に限定されると理解すべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本出願がより全面で完全であり、例示的な実施形態の概念を当業者に全面的に伝えるように提供される。
【0029】
さらに、説明された特徴、構造、または特性は、任意の適切な方法で一つまたは複数の実施形態に組み込まれてもよい。以下の説明では、本出願の実施例の十分な理解のために、具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者にとって、本出願の技術的態様は特定の詳細のうちの一つ或いはそれ以上を用いずに実施することができ、或いは他の方法、セット、装置、ステップ等を用いることができる。他の場合には、本出願の態様を不明瞭にしないように、周知の方法、装置、実現、または動作については詳細に図示または説明しない。
【0030】
図面に示したブロック図は機能エンティティに過ぎず、必ずしも物理的に独立したエンティティに対応している必要はない。すなわち、ソフトウェアの形態でこれらの機能エンティティを実現し、或いは一つ或いは複数のハードウェアモジュール或いは集積回路においてこれらの機能エンティティを実現し、或いは異なるネットワーク及び/或いはプロセッサ装置及び/或いはマイクロコントローラ装置においてこれらの機能エンティティを実現する。
【0031】
図面に示されるフローチャートは、単なる例示であり、必ずしもすべての内容および動作/ステップを含む必要はなく、記載された順序で実行する必要もない。例えば、いくつかの動作/ステップは分解することもでき、いくつかの動作/ステップは統合または部分的に統合することができ、したがって、実際の実行の順序は実際の状況に応じて変化する可能性がある。
【0032】
図1は本出願の実施例の技術的態様を適用できる例示的なシステムアーキテクチャの模式図を示す。
【0033】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100はユーザ装置(User Equipment、UEと略称する)101(ユーザ装置101は
図1に示すスマートフォンであってもよく、さらにタブレットコンピュータ、携帯型コンピュータ、デスクトップコンピュータ等であってもよい)、基地局102、コアネットワークエンティティ103及びアプリケーション機能(Application Function、AFと略称する)エンティティ104を含んでもよい。
【0034】
図1に示したユーザ装置101、基地局102、コアネットワークエンティティ103及びアプリケーション機能エンティティ104の数は例示的なものである。実際のニーズに応じて、任意の数のユーザ装置、基地局、コアネットワークエンティティ及びアプリケーション機能エンティティを有することができる。
【0035】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティ103はアプリケーション機能エンティティ104に配置されたターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得することができ、例えばコアネットワークエンティティ103は、アプリケーション機能エンティティ104から送信された通知メッセージを受信することにより当該トータル遅延耐性を取得したり、アプリケーション機能エンティティ104との間の契約プロトコル情報に基づいて当該トータル遅延耐性を取得したり、アプリケーション機能エンティティ104に予め配置されたトータル遅延耐性を取得したりすることができる。
【0036】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティ103はターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得した後、当該トータル遅延耐性に応じてターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成することができ、当該伝送遅延指示メッセージはターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及びターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含み、ひいては、当該伝送遅延指示メッセージを基地局102に割り当てることにより、基地局102が当該伝送遅延指示メッセージに基づいてターゲットサービスの伝送遅延を監視するようになる。
【0037】
本出願の一実施例において、基地局102は当該伝送遅延指示メッセージに基づいてユーザ装置101と基地局102との間の当該ターゲットサービスに対する伝送遅延を監視したり、当該伝送遅延指示メッセージ、及び基地局102とユーザプレーン機能(User Plane Function、UPFと略称する)エンティティとの間の遅延情報に基づき、ユーザ装置101とユーザプレーン機能エンティティとの間のターゲットサービスに対する伝送遅延を監視したりすることができる。
【0038】
以下は本出願の実施例の技術的態様の実現詳細を詳しく説明する。
【0039】
図2は本出願の一実施例による通信方法のフローチャートを示し、当該通信方法は
図1に示すコアネットワークエンティティ103により実行されてもよい。
図2を参照すると、当該通信方法は少なくともS210からS230を含み、詳細には以下のとおりである。
【0040】
S210では、ターゲットサービスに対するアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得する。
【0041】
本出願の一実施例において、ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得することにより、異なるサービスに対して当該サービスに対応するトータル遅延耐性を取得することができ、サービスに対する遅延耐性の動的調整を実現することができる。ただし、ターゲットサービスはアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に要求のあるサービスであってもよく、例えばクラウドゲームサービス等であってもよい。クラウドゲームサービスはクラウドコンピューティング(cloud computing)をベースとするゲーム方式であり、クラウドゲームの実行モードでは、ユーザ装置はクラウド側にゲーム操作データ(例えばユーザ装置におけるセンサデータ、ユーザ装置が検出した動作データなど)を送信する必要があり、クラウド側はユーザ装置から送信されたゲーム操作データに基づいてレンダリング機能を実行し、そしてレンダリング済みマルチメディアデータ(ゲーム画面、音声データ等を含む)をネットワークを介してユーザ装置に伝送する。クラウドゲームのメリットは、ユーザ装置が複雑なレンダリング計算処理を実行する必要がないことにあり、ユーザ装置に対するハードウェアの要求を低下させる一方、クラウドゲームは、ネットワークシステムがアップリンクのゲーム操作データに高信頼性且つ低遅延の伝送を提供し、ダウンリンクのマルチメディアデータに広帯域幅且低遅延の伝送を提供することが要求されるとともに、アップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延が一定の閾値よりも低いことが要求される。
【0042】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティはアプリケーション機能エンティティから送信された通知メッセージを受信することにより、当該通知メッセージに基づいてターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得してもよい。
【0043】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティはアプリケーション機能エンティティとの間の契約プロトコル情報に基づいてアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得してもよい。契約プロトコル情報はSLA(Service-Level Agreement、サービスレベルプロトコル)であってもよい。
【0044】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティはアプリケーション機能エンティティに予め配置されたアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得してもよい。
【0045】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティはポリシー制御機能(Policy Control Function、PCFと略称する)エンティティを含んでも良く、ポリシー制御機能エンティティはアプリケーション機能エンティティからアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得してもよい。この場合は、ポリシー制御機能エンティティとアプリケーション機能エンティティとが、同一つのトラステッドドメインにあるシーンに適用される。
【0046】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティはポリシー制御機能エンティティ及びネットワーク公開機能(Network Exposure Function、NEFと略称する)エンティティを含んでもよい。ネットワーク公開機能エンティティはアプリケーション機能エンティティからアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を取得し、ポリシー制御機能エンティティに転送してもよい。この場合は、ポリシー制御機能エンティティとアプリケーション機能エンティティとが、異なるトラステッドドメインにあるシーンに適用される。
【0047】
引き続き、
図2を参照し、S220において、前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延の指示メッセージを生成し、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含む。
【0048】
本出願の一実施例において、QoSフロー指示情報は、QFIであってもよく、5Gシステムに適用される場合、5QI(5G QoS Identifier)であってもよい。
【0049】
本出願の一実施例において、ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報は、ターゲットサービスの全てのアップリンクデータに対応する一つのQoSフロー指示情報を含んでもよい。すなわち、当該実施例において、ターゲットサービスの全てのアップリンクデータは一つのQoSフロー指示情報に対応し、例えばクラウドゲームサービスのアップリンクデータは、ゲーム操作データ、及びクラウド側に送信されたマルチメディアデータの受信確認データ等を含む。このように当該ゲーム操作データと受信確認データとは、同一のQoSフロー指示情報に対応する。
【0050】
本出願の一実施例において、ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報はターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含んでもよい。なお、前記異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報が異なる。すなわち、当該実施例では、ターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータは異なるQoSフロー指示情報に対応し、例えばクラウドゲームサービスのアップリンクデータはゲーム操作データ、及びクラウド側に送信されたマルチメディアデータの受信確認データ等を含む。このように当該ゲーム操作データ及び受信確認データは異なるQoSフロー指示情報にそれぞれ対応する。
【0051】
本出願の一実施例において、ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報はターゲットサービスの全てのダウンリンクデータに対応する一つのQoSフロー指示情報を含んでもよい。すなわち、当該実施例では、ターゲットサービスの全てのダウンリンクデータは一つのQoSフロー指示情報に対応し、例えばクラウドゲームサービスのダウンリンクデータは、ユーザ装置に送信されたゲーム操作データの受信確認データ、及びレンダリング済みマルチメディアデータ等を含む。このように当該受信確認データ及びマルチメディアデータは同一のQoSフロー指示情報に対応する。
【0052】
本出願の一実施例において、ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は、ターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含んでもよい。前記異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報が異なる。すなわち、当該実施例では、ターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータは異なるQoSフロー指示情報に対応し、例えばクラウドゲームサービスのダウンリンクデータはユーザ装置に送信されたゲーム操作データの受信確認データ、及びレンダリング済みマルチメディアデータ等を含む。このように当該受信確認データ及びマルチメディアデータは異なるQoSフロー指示情報に対応する。
【0053】
本出願の一実施例において、
図3に示すように、トータル遅延耐性に応じてターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するプロセスは、以下のS310及びS320を含んでもよい。
【0054】
S310において、トータル遅延耐性に応じて前記トータル遅延耐性を指示するための情報を生成し、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のそれぞれにQoSフロー指示情報を割り当てる。
【0055】
本出願の一実施例において、トータル遅延耐性を指示するための情報を生成すると、ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のそれぞれに割り当てられたQoSフロー指示情報は、アップリンク・ダウンリンクに対してトータル遅延耐性を絶対的に分割することを要求しなくてもよく、すなわちターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のそれぞれに割り当てられたQoSフローはアップリンク伝送の遅延耐性とダウンリンク伝送の遅延耐性を明確に指示しなくてもよい。
【0056】
S320において、前記トータル遅延耐性を指示するための情報、及び前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のそれぞれに割り当てられたQoSフロー指示情報に基づいて、前記伝送遅延指示メッセージを生成する。
【0057】
本出願の一実施例において、アップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を指示するための情報を生成し、ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のそれぞれにQoSフロー指示情報を割り当てると、これらの情報に基づいて伝送遅延指示メッセージを生成することができ、ひいては当該伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに送信する。
【0058】
図3に示す実施例の技術的態様において、QoSフロー指示情報以外の指示情報によりアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を指示する。
【0059】
本出願の一実施例において、
図4に示すように、トータル遅延耐性に応じてターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するプロセスは以下のS410及びS420を含んでもよい。
【0060】
S410において、トータル遅延耐性に応じて、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を決定する。
【0061】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティ(例えばPCF)はアプリケーション機能エンティティから通知されたターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性との間の分割状況を受信してもよい。そして、当該分割状況及び当該トータル遅延耐性に応じてアップリンク遅延耐性及びダウンリンク遅延耐性を決定する。すなわち、当該実施例にかかる技術的態様において、アプリケーション機能エンティティはアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性との間の分割状況を直接通知することができ、ひいてはコアネットワークエンティティは当該分割状況に基づいてアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を直接決定することができる。
【0062】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティ(例えばPCF)はアプリケーション機能エンティティから通知されたターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送の優先度を受信してもよい。そして、当該優先度とトータル遅延耐性に応じてアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を決定する。すなわち、当該実施例の技術的態様では、アプリケーション機能エンティティはアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性との間の分割状況を明確に通知しないが、アップリンク伝送とダウンリンク伝送の優先度が通知され、ひいては、コアネットワークエンティティは当該優先度に応じてトータル遅延耐性を分割し、これにより、アップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を決定することができる。例えば、アップリンク伝送の優先度がダウンリンク伝送の優先度よりも高い場合、アップリンク遅延耐性がダウンリンク遅延耐性よりも小さくてもよく、ひいてはそれに基づいてトータル遅延耐性を分割することができる。
【0063】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティ(例えばPCF)はトータル遅延耐性を直接分割して、ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性及びダウンリンク遅延耐性を取得してもよい。すなわち、当該実施例では、コアネットワークエンティティはトータル遅延耐性に応じてアップリンク遅延耐性及びダウンリンク遅延耐性を自律的に決定してもよい。例えば、コアネットワークエンティティは履歴データに基づいてアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対する様々なサービスによる遅延要求を決定することができ、ひいては、これに基づいて、あるサービスに対するアップリンク遅延耐性及びダウンリンク遅延耐性の分割状況を自律的に決定することができる。
【0064】
S420において、アップリンク遅延耐性に応じて前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成し、前記ダウンリンク遅延耐性に応じて前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成する。
【0065】
図4に示す実施例にかかる技術的態様はQoSフロー指示情報によりアップリンク遅延耐性及びダウンリンク遅延耐性を直接指示してもよい。そのため、アップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を追加指示する必要がない。
【0066】
引き続き、
図2を参照し、S230において、前記伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置することにより、前記アクセスネットワークエンティティが前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視する。
【0067】
本出願の一実施例において、アクセスネットワークエンティティは基地局であってもよく、アクセスネットワークエンティティは伝送遅延指示メッセージに基づいてターゲットサービスの伝送遅延を監視する。すなわちターゲットサービスのアップリンク伝送遅延とダウンリンク伝送遅延を監視する。これにより、アップリンク伝送遅延とダウンリンク伝送遅延がトータル遅延耐性を超えないことが確保される。以下の実施例について、アクセスネットワークエンティティの観点から本出願の技術的態様を説明する。
【0068】
図5は本出願の一実施例による通信方法のフローチャートを示し、当該通信方法はアクセスネットワークエンティティにより実行されてもよく、当該アクセスネットワークエンティティは
図1に示す基地局102であってもよい。
図5を参照すると、当該通信方法は少なくともS510からS520を含み、詳細は以下のとおりである。
【0069】
S510において、コアネットワークエンティティに配置されたターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを取得し、前記伝送遅延指示メッセージは前記コアネットワークエンティティにより前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて生成されたものであり、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含む。
【0070】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティがターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて伝送遅延指示メッセージを生成するプロセスは上記実施例の技術的態様を参照してもよい。
【0071】
S520において、前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視する。
【0072】
本出願の一実施例において、伝送遅延指示メッセージはターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及びターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報に加えて、アップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延耐性を指示するための情報を含む場合、当該トータル遅延耐性に応じてターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延を監視してもよい。
【0073】
本出願の一実施例において、アップリンク伝送のQoSフロー指示情報にアップリンク遅延耐性が含まれると、アップリンク遅延耐性に応じてターゲットサービスのアップリンク伝送遅延を監視してもよい。
【0074】
本出願の一実施例において、ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報にダウンリンク遅延耐性が含まれると、ダウンリンク遅延耐性に応じてターゲットサービスのダウンリンク伝送遅延を監視してもよい。
【0075】
本出願の一実施例において、アクセスネットワークエンティティが、ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延がトータル遅延耐性を超えること、または、ターゲットサービスのアップリンク伝送遅延がアップリンク遅延耐性を超えること、又は、ターゲットサービスのダウンリンク伝送遅延がダウンリンク遅延耐性を超えることを監視により検出されると、コアネットワークエンティティまたはアプリケーション機能エンティティに通知メッセージを送信することにより、コアネットワークエンティティまたはアプリケーション機能エンティティが対応する対策を取るように寄与する。
【0076】
本出願の一実施例において、アクセスネットワークエンティティは伝送遅延指示メッセージに基づいてターゲットサービスの伝送遅延を監視することは、当該伝送遅延指示メッセージに基づいて、ユーザ装置とアクセスネットワークエンティティとの間のターゲットサービスに対する伝送遅延を監視することであってもよい。
【0077】
本出願の一実施例において、アクセスネットワークエンティティは伝送遅延指示メッセージに基づいてターゲットサービスの伝送遅延を監視することは、伝送遅延指示メッセージ、及びアクセスネットワークエンティティとユーザプレーン機能エンティティとの間の遅延情報に基づいて、ユーザ装置とユーザプレーン機能エンティティとの間のターゲットサービスに対する伝送遅延を監視することであってもよい。当該実施例では、アクセスネットワークエンティティとユーザプレーン機能エンティティとの間の遅延は基本的に一定であるため、アクセスネットワークエンティティはユーザ装置とアクセスネットワークエンティティとの間のターゲットサービスに対する伝送遅延、及びアクセスネットワークエンティティとユーザプレーン機能エンティティとの間の遅延に基づいてユーザ装置とユーザプレーン機能エンティティとの間のターゲットサービスに対する伝送遅延を監視してもよい。
【0078】
本出願の一実施例において、アップリンク伝送のQoSフロー指示情報はターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報はターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含むと、伝送遅延に基づいてメッセージを指示し、ターゲットサービスの指定タイプのアップリンクデータの伝送遅延及びターゲットサービスの指定タイプのダウンリンクデータの伝送遅延を監視してもよい。なお、当該指定タイプのアップリンクデータと当該指定タイプのダウンリンクデータは、伝送される際、同一のプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit、PDU)セッション或いは異なるPDUセッションに位置する。
【0079】
例えば、クラウドゲームサービスのアップリンクデータはゲーム操作データ及びクラウド側に送信されたマルチメディアデータの受信確認データ(区別しやすいために、第一受信確認データと呼ばれる)などを含み、ダウンリンクデータはユーザ装置に送信されたゲーム操作データの受信確認データ(区別しやすいために、第二受信確認データと呼ばれる)及びレンダリング済みマルチメディアデータなどを含む。このように当該ゲーム操作データ、第一受信確認データ、第二受信確認データ及びマルチメディアデータはそれぞれ異なるQoSフロー指示情報に対応する。この場合、クラウドゲームサービスにおいて確認データを受信することはあまり意味がないため、クラウドゲームサービスのゲーム操作データの伝送遅延及びマルチメディアデータの伝送遅延のみを監視すればよい。また、ゲーム操作データと第二受信確認データとは同一のPDUセッションにあってもよく、マルチメディアデータと第一受信確認データとは、別の同一PDUセッションにあってもよく、あるいは、ゲーム操作データ、第一受信確認データ、第二受信確認データおよびマルチメディアデータは、同一のPDUセッションにあってもよい。
【0080】
本出願の上記実施例の技術的態様はターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延に対する監視を実現することに有利であり、サービス層のQoS要求が満足される。
【0081】
以下に、ターゲットサービスがクラウドゲームサービスであることを例として、本出願の実施例の技術的態様の詳細を説明する。
【0082】
本出願の一つの実施例において、
図6に示すように、クラウドゲームサービスのシーンでは、ユーザ装置601にクラウドゲームapp(Application、アプリケーションプログラム)が動作し、アプリケーション機能エンティティ602はクラウドレンダリングサーバであってもよく、ユーザ装置601から送信されたゲーム操作データに基づいてレンダリングしてマルチメディアデータを得るために用いられる。ユーザ装置601から送信されたアップリンクデータはA1及びB2を含み、アプリケーション機能エンティティ602から送信されたダウンリンクデータはA2及びB1を含む。なお、A1はゲーム操作データを表し、例えばユーザ装置601におけるセンサデータやユーザ装置601が検出した動作データなどであり、B2はマルチメディアデータのack(すなわち、受信確認データ)を表し、A2はゲーム操作データのackを表し、B1はマルチメディアデータを表し、例えばゲーム画面、音声データなどである。
【0083】
図6に示す応用シーンはスプリットしない応用シーンであり、すなわち全てのアップリンクデータ(A1及びB2を含む)は一つのQoSフローに対応し、全てのダウンリンクデータ(A2及びB1を含む)は一つのQoSフローに対応する。
【0084】
図6に示す応用シーンでは、AF、CN(Core Network、コアネットワーク)エンティティとRAN(Radio Access Network、無線アクセスネットワーク)エンティティ(当該実施例では、RANエンティティが基地局であることを例として説明する)との間のインタラクションプロセスは
図7に示すように、以下のステップを含んでもよい。
【0085】
S701において、アプリケーション機能エンティティはコアネットワークエンティティにUL(UpLink、アップリンク)+DL(DownLink、ダウンリンク)のトータル遅延耐性及びUL+DLの動的分割を通知する。
【0086】
本出願の一実施例において、アプリケーション機能エンティティは、SLAインタラクションに基づいてコアネットワークエンティティにUL+DLのトータル遅延耐性及びUL+DLの動的分割を通知したり、都度に通知する必要がなく静的配置の方式によりコアネットワークエンティティに配置したりしてもよい。アプリケーション機能エンティティは、動的配置の方式によりコアネットワークエンティティに配置してもよいことは言うまでもない。
【0087】
本出願の一実施例において、
図8に示すように、アプリケーション機能エンティティとコアネットワークエンティティとの間のインタラクションプロセスはAFが直接にPCFとインタラクションし、そしてPCFが遅延耐性を決定してAMFに通知し、ひいてはAMFにより基地局に配置されてもよい。当該実施例的技術的態様はAFとPCFが同一のトラステッドドメインにある応用シーン(例えばネットワーク事業者自身がAFを配置するシーン)に適用することができる。
【0088】
本出願の一実施例において、
図9に示すように、アプリケーション機能エンティティとコアネットワークエンティティとの間のインタラクションプロセスは、AFがNEFを介してPCFとインタラクションし、そしてPCFが遅延耐性を決定してAMFに通知し、ひいてはAMFにより基地局に配置されてもよい。当該実施例の技術的態様はAFとPCFとが異なるトラステッドドメインにある応用シーン(例えば第三者がAFを配置するシーン)に適用することができる。
【0089】
本出願の一実施例において、アプリケーション機能エンティティはさらにネットワークシステム(例えば5Gシステム)が提供したQoS監視結果、ネットワーク予測状況及びネットワークリソース状況に基づいてユーザ装置に送信されたマルチメディアデータの符号化率を調整してもよい。よって、QoS監視結果が良く、ネットワーク予測状況が良く或いはネットワークリソース状態が十分である場合、ユーザ装置に送信されたマルチメディアデータの符号化率を増大させる。これにより、流暢性が保証される前提でユーザ装置に表示されたクラウドゲーム画面の鮮明度を向上させることができる。一方、QoS監視結果が悪く、ネットワーク予測状況が悪く或いはネットワークリソース状態が不十分である場合、ユーザ装置に送信されたマルチメディアデータの符号化率を低減させる。これによりユーザ装置に表示されたクラウドゲーム画面の流暢性を向上させることができる。
【0090】
S702において、コアネットワークエンティティはUL+DLのトータル遅延耐性及びUL+DLの動的分割に基づいてUL及びDLの遅延耐性を決定する。
【0091】
本出願の一実施例において、アプリケーション機能エンティティはUL+DLのトータル遅延耐性、及びUL+DLの動的分割を既に通知したため、コアネットワークエンティティはこれに基づいてUL及びDLの遅延耐性を決定し、そしてUL及びDLの遅延耐性に基づいてアップリンクデータ及びダウンリンクデータに対応する5QI値を割り当てることができる。この場合、アップリンクデータおよびダウンリンクデータのそれぞれに割り当てられたQoSフローは、アップリンク伝送の遅延耐性およびダウンリンク伝送の遅延耐性を既に指示することができる。
【0092】
S703において、コアネットワークエンティティは遅延耐性を基地局に配置することにより、基地局に動的遅延監視を実施させる。
【0093】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティはアップリンクデータとダウンリンクデータのそれぞれに割り当てられた5QI値を基地局に配置してもよい。基地局はアップリンクダウンリンクスケジューリングを行う時に、アップリンク伝送の遅延がアップリンク伝送の遅延耐性を超えるか否かを監視すると共に、ダウンリンク伝送の遅延がダウンリンク伝送の遅延耐性を超えるか否かを監視してもよい。アップリンク伝送の遅延はアップリンク伝送の遅延耐性を超え、或いはダウンリンク伝送の遅延はダウンリンク伝送の遅延耐性を超えると、基地局は、コアネットワークエンティティとアプリケーション機能エンティティに通知してもよい。
【0094】
図6に示す応用シーンでは、AF、CNエンティティとRANエンティティとの間の他のインタラクションプロセスは
図10に示すように、以下のステップを含んでもよい。
【0095】
S1001において、アプリケーション機能エンティティはコアネットワークエンティティにUL+DLのトータル遅延耐性、及びULとDLの伝送優先度を通知する。
【0096】
当該実施例におけるアプリケーション機能エンティティとコアネットワークエンティティとの間のインタラクション方式は前記実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0097】
S1002において、コアネットワークエンティティはUL+DLのトータル遅延耐性、及びULとDLの伝送優先度に基づいてULとDLの遅延耐性を決定する。
【0098】
本出願の一実施例において、アプリケーション機能エンティティはUL+DLのトータル遅延耐性、及びULとDLの伝送優先度を通知したため、コアネットワークエンティティはこれに基づいてULとDLの遅延耐性を決定することができ、例えば、アップリンク伝送の優先度がダウンリンク伝送の優先度よりも高ければ、アップリンク遅延耐性はダウンリンク遅延耐性より小さくなることができる。これに基づいてトータル遅延耐性を分割することができる。そして、コアネットワークエンティティはUL及びDLの遅延耐性に基づいてアップリンクデータ及びダウンリンクデータに対応する5QI値を割り当てることができる。この場合、アップリンクデータ及びダウンリンクデータのそれぞれに割り当てられたQoSフローは既にアップリンク伝送の遅延耐性及びダウンリンク伝送の遅延耐性を指示することができる。
【0099】
S1003において、コアネットワークエンティティは遅延耐性を基地局に配置することにより、基地局に動的遅延監視を実施させる。
【0100】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティはアップリンクデータとダウンリンクデータのそれぞれに割り当てられた5QI値を基地局に配置してもよい。基地局はアップリンクダウンリンクスケジューリングを行う時に、アップリンク伝送の遅延がアップリンク伝送の遅延耐性を超えるか否かを監視するとともに、ダウンリンク伝送の遅延がダウンリンク伝送の遅延耐性を超えるか否かを監視してもよい。アップリンク伝送の遅延はアップリンク伝送の遅延耐性を超え、或いはダウンリンク伝送の遅延はダウンリンク伝送の遅延耐性を超えると、基地局はコアネットワークエンティティとアプリケーション機能エンティティに通知してもよい
【0101】
図6に示す応用シーンでは、AF、CNエンティティとRANエンティティとの間の他のインタラクションプロセスは
図11に示すように、以下のステップを含んでもよい。
【0102】
S1101において、アプリケーション機能エンティティはコアネットワークエンティティにUL+DLのトータル遅延耐性を通知する。
【0103】
当該実施例におけるアプリケーション機能エンティティとコアネットワークエンティティとの間のインタラクション方式は前記実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0104】
S1102において、コアネットワークエンティティはUL+DLのトータル遅延耐性に応じてULとDLに5QI値を割り当てる。
【0105】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティはUL+DLのトータル遅延耐性に応じてULとDLに5QI値を割り当てる時に、まずULとDLの遅延耐性を確定してもよい。例えばコアネットワークエンティティは履歴データに基づいてアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するクラウドゲームサービスによる遅延要求を決定してもよい。それに基づいて自律的にクラウドゲームサービスに対するアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性の分割状況を決定し、さらにトータル遅延耐性を区分してULとDLの遅延耐性を得て、それに基づいてULとDLに5QI値を割り当て、この場合、アップリンクデータとダウンリンクデータのそれぞれに割り当てられたQoSフローはアップリンク伝送の遅延耐性とダウンリンク伝送の遅延耐性を既に指示することができる。
【0106】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティがUL+DLのトータル遅延耐性に応じてULとDLに割り当てた5QI値は、アップリンクダウンリンクに対して遅延耐性を絶対的に分割することを要求しなくてもよい。この場合、コアネットワークエンティティは新たな指示メッセージを導入して基地局にUL+DLのトータル遅延耐性を指示することができる。
【0107】
S1103において、コアネットワークエンティティは遅延耐性を基地局に配置することにより、基地局に動的遅延監視を実施させる。
【0108】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティがアップリンクデータ及びダウンリンクデータのそれぞれに割り当てられたQoSフローはアップリンク伝送の遅延耐性及びダウンリンク伝送の遅延耐性を既に指示することができれば、コアネットワークエンティティはアップリンクデータ及びダウンリンクデータにそれぞれ割り当てられた5QI値を基地局に配置してもよい。さらに、基地局はアップリンクダウンリンクスケジューリングを行う時に、アップリンク伝送の遅延がアップリンク伝送の遅延耐性を超えるか否かを監視すると共に、ダウンリンク伝送の遅延がダウンリンク伝送の遅延耐性を超えるか否かを監視してもよい。アップリンク伝送の遅延がアップリンク伝送の遅延耐性を超え、或いはダウンリンク伝送の遅延がダウンリンク伝送の遅延耐性を超えると、基地局はコアネットワークエンティティとアプリケーション機能エンティティに通知してもよい。
【0109】
本出願の一実施例において、コアネットワークエンティティがアップリンクデータとダウンリンクデータのそれぞれに割り当てられたQoSフローはアップリンクダウンリンクに対して遅延耐性を絶対的に分割することを要求せず、かつコアネットワークエンティティは新たな指示メッセージを導入して基地局にUL+DLのトータル遅延耐性を指示すると、基地局はアップリンクダウンリンクスケジューリングを行う時に、アップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延がトータル遅延耐性を超えるか否かを監視してもよい。アップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延がトータル遅延耐性を超えると、基地局はコアネットワークエンティティとアプリケーション機能エンティティに通知してもよい。
【0110】
本出願の他の実施例において、
図12に示すように、クラウドゲームサービスのシーンでは、ユーザ装置1201にクラウドゲームappが動作し、アプリケーション機能エンティティ1202はクラウドレンダリングサーバであってもよく、ユーザ装置1201から送信されたゲーム操作データに基づいてレンダリングしてマルチメディアデータを得るために用いられる。ユーザ装置1201から送信されたアップリンクデータはA1及びB2を含み、アプリケーション機能エンティティ1202から送信されたダウンリンクデータはA2及びB1を含む。なお、A1はゲーム操作データを表し、例えばユーザ装置1201におけるセンサデータ、ユーザ装置1201が検出した動作データなどであり、B2はマルチメディアデータのack(すなわち、受信確認データ)を表し、A2はゲーム操作データのackを表し、B1はマルチメディアデータを表し、例えばゲーム画面、音声データなどである。
【0111】
図12に示す応用シーンはスプリットの応用シーンであり、すなわちアップリンクデータA1及びB2はそれぞれ異なるQoSフローに対応し、ダウンリンクデータA2及びB1もそれぞれ異なるQoSフローに対応する。なお、A1とA2は同一のPDUセッションに位置し、B1とB2は同一のPDUセッションに位置してもよく、あるいは、A1、A2、B1及びB2は同一のPDUセッションに位置してもよい。
【0112】
図12に示した応用シーンでは、AF、CNエンティティとRANエンティティの間のインタラクションプロセスは、上記実施例における
図7~
図11に示した例と同様であり、具体的な相違点は以下の通りである。
【0113】
(1)コアネットワークエンティティはアップリンクデータ及びダウンリンクデータ のそれぞれにQoSフローを割り当てる時に、異なるアップリンクデータ(すなわち、A1及びB2)及び異なるダウンリンクデータ(すなわち、A2及びB1)に対してQoSフローをそれぞれ割り当てる必要がある。
【0114】
(2)基地局はアップリンクダウンリンクスケジューリングを行う時に、QoSフローにおいて既にアップリンク伝送の遅延耐性及びダウンリンク伝送の遅延耐性を指示することができれば、基地局はA1(すなわち、ゲーム操作データ)のアップリンク伝送遅延が対応するアップリンク伝送遅延耐性を超えるか否かのみを監視するとともに、B1(すなわち、マルチメディアデータ)のダウンリンク伝送遅延が対応するダウンリンク伝送遅延耐性を超えるか否かを監視してもよい。A1のアップリンク伝送遅延が対応するアップリンク伝送遅延耐性を超え、或いは、B1のダウンリンク伝送遅延が対応するダウンリンク伝送遅延耐性を超えると、基地局はコアネットワークエンティティ及びアプリケーション機能エンティティに通知してもよい。
【0115】
(3)基地局はアップリンクダウンリンクスケジューリングを行う時に、コアネットワークエンティティがアップリンクデータとダウンリンクデータのそれぞれに割り当てられたQoSフローはアップリンクダウンリンクに対して遅延耐性を絶対的に分割することを要求せず、コアネットワークエンティティは新たな指示メッセージを導入して基地局にUL+DLのトータル遅延耐性を指示すると,基地局はA1(すなわち、ゲーム操作データ)のアップリンク伝送遅延とB1(すなわち、マルチメディアデータ)のダウンリンク伝送遅延との総和がトータル遅延耐性を超えるか否かを監視してもよい。A1のアップリンク伝送遅延とB1のダウンリンク伝送遅延との総和がトータル遅延耐性を超えると、基地局はコアネットワークエンティティとアプリケーション機能エンティティに通知してもよい。
【0116】
以上から分かるように、
図12に示すスプリット応用シーンでは、本出願の実施例の技術的態様はアップリンク伝送における一部のデータストリームとダウンリンク伝送における一部のデータストリームのトータル遅延耐性を保証し、QoSフローメカニズムの柔軟性を効果的に向上させることができる。
【0117】
図6から
図12に示す実施例の技術的態様はクラウドゲームサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延に対する監視を実現することができるだけでなく、アップリンクダウンリンクの動的遅延耐性を実現することもでき、サービス層のQoS要求を効果的に満たす。なお、アップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延を保証する必要のある他のサービスに対しては、同様に本出願の上記実施例の技術的態様に適用する。
【0118】
以下は本出願の装置実施例を説明し、本出願の上記実施例における通信方法を実行するために用いることができる。本出願装置の実施例に開示されていない詳細については、本出願の上記通信方法の実施例を参照してもよい。
【0119】
図13は本出願の一実施例による通信装置のブロック図を示す。
【0120】
図13を参照すると、本出願の一実施例による通信装置1300は取得ユニット1302と、生成ユニット1304と、配置ユニット1306とを含む。
【0121】
なお、取得ユニット1302はターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送に対するトータル遅延耐性を取得するために用いられ、生成ユニット1304は前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを生成するために用いられ、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含み、配置ユニット1306は前記伝送遅延指示メッセージをアクセスネットワークエンティティに配置することにより、前記アクセスネットワークエンティティは前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視する。
【0122】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、取得ユニット1302は、アプリケーション機能エンティティから送信された通知メッセージを受信し、前記通知メッセージに基づいて前記トータル遅延耐性を取得し、或いは、アプリケーション機能エンティティとの間の契約プロトコル情報に基づいて前記トータル遅延耐性を取得し、或いは、アプリケーション機能エンティティに予め配置された前記トータル遅延耐性を取得するように配置される。
【0123】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、生成ユニット1304は、前記トータル遅延耐性に応じて前記トータル遅延耐性を指示するための情報を生成し、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送にそれぞれQoSフロー指示情報を割り当て、前記トータル遅延耐性を指示するための情報、及び前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のそれぞれに割り当てられたQoSフロー指示情報に基づき、前記伝送遅延指示メッセージを生成するように配置される。
【0124】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、生成ユニット1304は、前記トータル遅延耐性に応じて、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性を決定し、前記アップリンク遅延耐性に基づいて前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成し、前記ダウンリンク遅延耐性に基づいて前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を生成するように配置される。
【0125】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、生成ユニット1304は、前記トータル遅延耐性を分割し、前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性が得られ、或いは、アプリケーション機能エンティティから通知された前記ターゲットサービスのアップリンク遅延耐性とダウンリンク遅延耐性との間の分割状況を受信し、前記分割状況と前記トータル遅延耐性に応じて前記アップリンク遅延耐性と前記ダウンリンク遅延耐性を決定し、或いは、アプリケーション機能エンティティから通知された前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送の優先度を受信し、前記優先度と前記トータル遅延耐性に応じて前記アップリンク遅延耐性と前記ダウンリンク遅延耐性を決定するように配置される。
【0126】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記ターゲットサービスの全てのアップリンクデータに対応する一つのQoSフロー指示情報、或いは、前記ターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータにそれぞれ対応するQoSフロー指示情報を含み、前記異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報が異なる。
【0127】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は、前記ターゲットサービスの全てのダウンリンクデータに対応する一つのQoSフロー指示情報、或いは、前記ターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータにそれぞれ対応するQoSフロー指示情報を含み、前記異なるタイプのダウンリンクデータにそれぞれ対応するQoSフロー指示情報が異なる。
【0128】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態に基よれば、前記通信方法を実行するエンティティがコアネットワークエンティティである場合、取得ユニット1302は、ポリシー制御機能エンティティによりアプリケーション機能エンティティから前記トータル遅延耐性を取得し、或いは、ネットワーク公開機能エンティティによりアプリケーション機能エンティティから前記トータル遅延耐性を取得し、ポリシー制御機能エンティティに転送するように配置される。
【0129】
図14は本出願の一実施例による通信装置のブロック図を示す。
【0130】
図14を参照し、本出願の一実施例による通信装置1400は取得ユニット1402および監視ユニット1404を含む。
【0131】
なお、取得ユニット1402はコアネットワークエンティティに配置したターゲットサービスに対する伝送遅延指示メッセージを取得するために用いられ、前記伝送遅延指示メッセージは前記コアネットワークエンティティが前記ターゲットサービスのアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のトータル遅延耐性に応じて生成されたものであり、前記伝送遅延指示メッセージは前記ターゲットサービスのアップリンク伝送のQoSフロー指示情報及び前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報を含み、監視ユニット1404は前記伝送遅延指示メッセージに基づいて前記ターゲットサービスの伝送遅延を監視するために用いられる。
【0132】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、監視ユニット1404は、前記伝送遅延指示メッセージに前記トータル遅延耐性を指示するための情報がさらに含まれると、前記トータル遅延耐性に応じて前記ターゲットサービスのアップリンク伝送とダウンリンク伝送のトータル遅延を監視し、前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報にアップリンク遅延耐性が含まれると、前記アップリンク遅延耐性に基づいて前記ターゲットサービスのアップリンク伝送遅延を監視し、前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報にダウンリンク遅延耐性が含まれると、前記ダウンリンク遅延耐性に基づいて前記ターゲットサービスのダウンリンク伝送遅延を監視するように配置される。
【0133】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、前記アップリンク伝送のQoSフロー指示情報は前記ターゲットサービスの異なるタイプのアップリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、前記ダウンリンク伝送のQoSフロー指示情報は前記ターゲットサービスの異なるタイプのダウンリンクデータのそれぞれに対応するQoSフロー指示情報を含み、監視ユニット1404は、前記伝送遅延指示メッセージに基づいて、前記ターゲットサービスの指定タイプのアップリンクデータの伝送遅延、及び前記ターゲットサービスの指定タイプのダウンリンクデータの伝送遅延を監視し、前記指定タイプのアップリンクデータと前記指定タイプのダウンリンクデータは伝送される時に同一のプロトコルデータユニットPDUセッション或いは異なるPDUセッションに位置するように配置される。
【0134】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態に基づき、前記ターゲットサービスはクラウドゲームサービスを含み、前記指定タイプのアップリンクデータはゲーム操作データを含み、前記指定タイプのダウンリンクデータはゲームシーンをレンダリングして得られたマルチメディアデータを含む。
【0135】
本出願のいくつかの実施例において、前記の様態によれば、監視ユニット1404は、前記伝送遅延指示メッセージに基づいて、ユーザ装置とアクセスネットワークエンティティとの間の前記ターゲットサービスに対する伝送遅延を監視し、及び/或いは、前記伝送遅延指示メッセージ、及びアクセスネットワークエンティティとユーザプレーン機能エンティティとの間の遅延情報に基づいて、ユーザ装置と前記ユーザプレーン機能エンティティとの間の前記ターゲットサービスに対する伝送遅延を監視するように配置される。
【0136】
図15は本出願の実施例の電子機器を実現するためのコンピュータシステムの構造概略図を示す。
【0137】
なお、
図15に示す電子機器のコンピュータシステム1500は一例に過ぎず、本出願の実施例の機能及び使用範囲に何ら制限を与えるものではない。
【0138】
図15に示すように、コンピュータシステム1500は中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)1501を含み、当該中央処理ユニットは読取専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)1502に記憶されたプログラム或いは記憶部1508からランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)1503にロードされたプログラムに基づいて各種の適切な動作及び処理を実行ことができ、例えば上記実施例に記載の方法を実行することができる。RAM1503には、さらにシステムの動作に必要な各種プログラムやデータが記憶される。CPU1501とROM1502とRAM1503とは、バス1504によって相互に接続されている。バス1504には、(Input/Output、I/O)インターフェース1505も接続されている。
【0139】
I/Oインターフェース1505には、キーボード、マウスなどを含む入力部1506と、陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)、ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)など、及びスピーカなどを含む出力部1507と、ハードディスクなどを含む記憶部1508と、LAN(Local Area Network、ローカルエリアネットワーク)カードやモデムなどのネットワークインタフェースカードを含む通信部1509とが接続される。通信部1509は、インターネットなどのネットワークを介して通信処理を実行する。また、I/Oインターフェース1505には、必要に応じてドライブ1510が接続される。ドライブ1510には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブルメディア体1511が必要に応じてインストールされ、それにより、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部1508にインストールされる。
【0140】
特に、本出願の実施例によれば、フローチャートを参照して以下に説明される過程プロセスは、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。例えば、本出願の実施例は、フローチャートに示される方法を実行するためのプログラムコードを含み且つコンピュータ読取可能な媒体に担持されたコンピュータプログラムを具備するコンピュータプログラム製品を含む。このような実施例では、当該コンピュータプログラムは、通信部1509を介してネットワークからダウンロードされてインストールされてもよく、及び/或いは、リムーバブルメディア体1511からインストールされてもよい。当該コンピュータプログラムは、中央処理ユニット(CPU)1501により実行される時に、本出願のシステムにおいて規定される各種機能を実行する。
【0141】
なお、本出願の実施例に示すコンピュータ読取可能な媒体はコンピュータ読取可能な信号媒体或いはコンピュータ読取可能な記憶媒体或いは上記両者の任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、或いは半導体のシステム、装置或いはデバイス、或いはこれらの任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読取可能な記憶媒体のより具体的な例は、一つ或いは複数のリード線を有する電気接続、携帯式コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、光ファイバ、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイスまたはこれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。本出願では、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、コマンド実行システム、装置、またはデバイスによって使用され、またはそれらに関連して使用され得るプログラムを含むまたは記憶する任意の有形媒体であってもよい。本出願では、コンピュータ読取可能な信号媒体は、コンピュータ読取可能なプログラムコードが担持されるベースバンドにおけるデータ信号または搬送波の一部として伝搬されるデータ信号を含むことができる。このような伝播データ信号は、電磁信号、光信号、またはそれらの任意の適切な組み合わせなどの様々な形態をとることができるが、これらに限定されない。コンピュータ読取可能な信号媒体は、コンピュータ読取可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読取可能な媒体であってもよく、当該コンピュータ読取可能な媒体コマンド実行システム、装置、またはデバイスによって使用され、またはそれらに関連して使用されるためのプログラムを送信、伝搬、または伝送することができる。コンピュータ読取可能な媒体に含まれるプログラムコードは、任意の適切な媒体を用いて伝送されることができ、無線、有線など、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0142】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本出願の様々な実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能及び動作を示す。ただし、フローチャート或いはブロック図における各ブロックは一つのモジュール、プログラムセグメント、或いはコードの一部を代表することができ、上記モジュール、プログラムセグメント、或いはコードの一部は所定の論理機能を実現するための一つ或いは複数の実行可能なコマンドを含む。いくつかの代替的な実現例において、ブロックに付けられた機能は図面に付けられた順序と異なる順序で発生されることに留意すべきである。例えば、二つの連続的に表されたブロックは、実際には基本的に並列に実行されることができ、関する機能に応じて、逆の順序で実行されることもある。ブロック図或いはフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図或いはフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能或いは動作を実行する専用のハードウェアベースによるシステムで実現されてもよく、或いは専用のハードウェアとコンピュータコマンドとの組み合わせで実現されることに留意すべきである。
【0143】
本出願の実施例に係るユニットはソフトウェアの形態で実現されてもよく、ハードウェアの形態で実現されてもよく、説明されたユニットはプロセッサに設けられてもよい。ただし、これらのユニットの名称はある場合に当該ユニット自体の限定を構成しない。
【0144】
他の態様として、本出願はさらにコンピュータ読取可能な媒体を提供し、当該コンピュータ読取可能な媒体は上記実施例に記載の電子機器に含まれてもよく、この電子機器に組み込まれずに単独で存在してもよい。上記コンピュータ読取可能な媒体は一つ或いは複数のプログラムが担持され、上記一つ或いは複数のプログラムが一つの当該電子機器に実行される時に、当該電子機器に上記実施例に記載の方法を実現させる。
【0145】
他の態様として、本出願はさらにコマンドを含むコンピュータプログラム製品を提供し、それがサーバに実行される時に、サーバに上記実施例に記載される方法を実行させる。
【0146】
上記の詳細な説明では、動作を実行するためのデバイスのいくつかのモジュールまたはユニットについて言及しているが、このような区分が必須ではないことに留意すべきである。実際には、本出願の実施形態によれば、上述した二つ以上のモジュール或いはユニットの特徴及び機能は、一つのモジュール或いはユニットに具現化することができる。逆に、上述した一つのモジュール或いはユニットの特徴及び機能はさらに複数のモジュール或いはユニットに分けて具体化することができる。
【0147】
以上の実施形態の説明により、当業者であれば容易に理解できるように、ここで説明した例示的な実施形態はソフトウェアにより実現することができ、ソフトウェアによって必要なハードウェアを組み合わせる方式により実現することもできる。そのため、本出願の実施形態に基づく技術的態様はソフトウェア製品の形式で表すことができ、当該ソフトウェア製品は一つの不揮発性記憶媒体(CD-ROM、USBメモリ、移動ハードディスクなどであってもよい)或いはネットワークに記憶することができ、いくつかのコマンドを含んで一台の計算装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、タッチ端末であってもよく、或いはネットワーク装置等)に本出願の実施形態に係る方法を実行させる。
【0148】
本出願の他の実施形態について、当業者にとって、本明細書の考察および本明細書に開示される実施形態の実施から容易に明らかになるである。本出願は本出願のいかなる変形、用途或いは適応的変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途或いは適応的変化は本出願の一般的な原理に従い且つ本出願に開示されない本技術分野における公知常識或いは慣用技術手段を含む。
【0149】
本発明は以上に記載されたものかつ図面に示した構成に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形と変更が可能であることに理解すべきである。本出願の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。