(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】太陽熱発電装置
(51)【国際特許分類】
F03G 6/00 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
F03G6/00 541
(21)【出願番号】P 2021552489
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2020004030
(87)【国際公開番号】W WO2020209525
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0040907
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521393890
【氏名又は名称】セオ ジェウォン
【氏名又は名称原語表記】SEO, Jae Won
【住所又は居所原語表記】1602dong 1104ho(Tanhyun Maeul, Tanhyun-dong), 10, Hyeonjung-ro Ilsanseo-gu Goyang-si Gyeonggi- do 10345 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】100131657
【氏名又は名称】奥田 律次
(72)【発明者】
【氏名】ホン インスーン
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-21469(JP,A)
【文献】特開平6-88565(JP,A)
【文献】特開昭61-85588(JP,A)
【文献】特開昭58-222984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03G 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体形状に形成されて外部から流入される空気が上昇することができるように形成される一方、上部に上昇される空気のボトルネック現象を誘導する加速流路(142)が形成された本体(100)と、前記加速流路(142)に設けられる発電ファン(200)を含み、
前記本体(100)は、上昇空間(102)が形成されるベース(120)と、前記加速流路(142)を備えてベース(120)の上端に被せられ、天井面がベース(120)の上端と所定間隔離隔されるキャップ(140)とを含んで形成され、
前記ベース(120)は、内部が空いた柱形状に形成される内部体(128)と、内部体(128)の外周面に沿って所定間隔隔てて立てられ、内部が空いて上昇する空気が通過することができる柱(122)と、前記柱(122)の間で外から内方へ上向きに傾斜され、高さの差を以て設置され、内側末端が前記内部体(128)の外周面と所定間隔隔てて形成される加熱板(124)とを含み、前記上昇空間(102)が加熱板(124)の内側末端と内部体(128)の外周面との間に形成され、
前記ベース(120)の下端に脚(130)が形成されてベース(120)が底から所定高さ離れるように設けられて、
前記本体(100)が太陽光によって加熱されると、ベース(120)の側面では加熱板(124)の間の隙間を通じて外部空気が流入され、一方、ベース(120)の下部からも外部空気が流入されて前記上昇空間(102)と柱(122)の内部に沿って上昇して上昇気流を誘導して前記上昇気流が前記発電ファン(200)を回転させて発電することができる太陽熱発電装置。
【請求項2】
前記柱(122)は同心円状に配置されてベース(120)が円筒状に形成される請求項1に記載の太陽熱発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電装置に関し、特に、太陽熱による上昇気流を利用してファンを回転させることにより発電する太陽熱発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料による発電は、基本的に燃料の枯渇が発生するしかないという問題とともに、環境的にもたくさんの問題を引き起こす。環境的問題としては、近来石炭発電によって粒子状物質の発生が急増することが代表的な例であり、日本で発生した原子力発電所の爆発による放射性物質の漏出がその例である。
【0003】
そこで、環境にやさしい電気を生産しようとする努力を尽くしてきた。化石燃料を代替することができる代替エネルギーがそれであり、風力や潮力などを利用した発電があり、太陽光パネルを通じて発電する太陽光発電機が代表的である。
【0004】
【文献】(文献1)大韓民国登録特許公報第10-1452412号(2014.10.23.公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は化石燃料の使用による問題点を解決するために案出されたもので、代表的な代替エネルギー源である太陽光を利用して環境にやさしい発電をすることができるようにする太陽熱発電装置を提案することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では太陽光によって加熱されて上昇気流を発生させ、このような上昇気流を通じてファンを回転させて発電することができるようにすることにより、環境にやさしい電気を生産することができる太陽熱発電装置を提案して上記目的を達成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、太陽光を利用して環境にやさしい電気を生産することができるので、化石燃料の使用による多様な問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明による太陽熱発電装置の例示図である。
【
図2】本発明による太陽熱発電装置の主要部分の分解図である。
【
図3】本発明による太陽熱発電装置の断面図である。
【
図4】本発明による太陽熱発電装置の設置状態例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では太陽光によって加熱されて上昇気流を発生させ、このような上昇気流を通じてファンを回転させて発電することができるようにすることにより、環境にやさしい電気を生産することができるようにするのために、
立体形状に形成されて外部から流入される空気が上昇することができるように形成され、上部に上昇される空気のボトルネック現象を誘導する加速流路が形成された本体と、前記加速流路に設けられる発電ファンとを含み、前記本体に流入される空気が太陽光によって加熱されて上昇しながら発電ファンを回転させて発電することができる太陽熱発電装置を提案する。
【0010】
以下、本発明を添付図面の
図1~
図4を参照にして詳しく説明する。
【0011】
図1は本発明による太陽熱発電装置の例示図であり、
図2は本発明による太陽熱発電装置の主要部分の分解図であり、
図3は本発明による太陽熱発電装置の断面図である。
【0012】
図示したように、本発明による太陽熱発電装置は、空気が上昇することができるように形成される本体100と、本体100の内部に設けられて上昇する空気によって回転して発電する発電ファン200とを含む。
【0013】
本体100は、立体形状に形成され、外部から本体100の内部に空気が流入されて上昇することができるように形成される。本体100の内部に流入された空気は太陽光によって加熱されて上昇するようになるが、本体100の上部には上昇される空気のボトルネック現象を誘導する加速流路142が形成されて上昇する空気が加速流路142を通過しながら速度が急激に上昇するようにする。その結果、発電ファン200が早く回転するようになる。
【0014】
本体100は、ベース120と、前記ベース120の上端に被せられるキャップ140と含んで形成されることができる。この構成で、ベース120には上昇空間102が形成されて、外部から流入される空気が上昇空間102を通じて上昇するようになり、キャップ140は上へ凸出した構造に形成されて、天井面がベース120の上端と所定間隔離隔される構造を成して中心部に加速流路142が形成されるようになる。従って、上昇空間102を通じて上昇される空気がキャップ140の中心部に誘導されて加速流路142を通じて上昇して本体100の外部に排出され、発電ファン200を回転させるようになる。キャップ140が上へ凸出した構造に形成されることによって、内部天井面も上へ凸出した構造に形成されて、上昇気流が加速流路142に円滑に案内される。
【0015】
ベース120は、所定の面積を占有するように所定の間隔で立てられる複数の柱122と、前記柱122の間で高さの差を以て設けられる加熱板124とを含む。
【0016】
柱122は同心円状に配置されて、ベース120が全体的に見掛けが筒状に形成されることができる。柱122の配置間隔は一定であるか必要によって互いに異なるように形成されることができる。これを通じてベース120の見掛けが大体多角形の筒または円筒状に形成される。
【0017】
柱122は所定の厚さで形成されてもよく、ベース120外方へ行くほど厚さが薄くなって平断面が尖った形状に形成されてもよい。それによって、外部空気が流入される面積として最大にすることができるだけでなく、流入される空気がベース120の内部に円滑に案内される。
【0018】
上記のように形成される柱122は、内部が空いて上昇する空気が通過することができるように形成されることができる。
【0019】
ベース120は内部が空いた円柱状に形成されて、内部に設けられる内部体128を含むことができる。この構成により、柱122は内部体128の外周面に接して固定されるように立てられることができ、加熱板124は内側末端が内部体128と所定間隔を有する規格に形成されることにより、加熱板124の内側末端と内部体128の外周面との間に上昇空間102が形成されるようになる。
【0020】
加熱板124は外から内方へ上向きに傾斜するように形成されることが好ましい。従って、外部空気が本体100の内部に流入される時に上昇する方向に流入されることができるようになって、上昇気流をより円滑に発生させるようになり、傾斜によって太陽光を効果的に受け入れて迅速に加熱されることができるようになる。
【0021】
加熱板124は黒色系列で形成されることができる。その結果、太陽光をより効果的に吸収して迅速に加熱されることにより、上昇気流をより効果的に発生させることができる。同じ理由により、内部体128も黒色系列で形成されて迅速に加熱され、熱を長時間保有することができるようにすることが好ましい。
【0022】
内部体128は上端がキャップ140に形成された加速流路142の入口と所定間隔離れる高さで形成される。そして、上端が塞がれた構造を有し、塞がれた上端中心に発電ファン200の軸が貫通するようになる。内部体128の内部には発電機220が設けられ、前記軸の下端が発電機220に連結される。一方、塞がれた内部体128が上端は上へ凸出した形態に形成されて、上昇気流が曲面に沿って発電板200に円滑に誘導されることができるようにすることが好ましい。
【0023】
キャップ140は一部または全部が透明材質で形成されることができる。このように形成されると、太陽光が透過されて本体100の内部に至るようになる。従って、本体100の内部に流入された空気と内部体128を迅速に加熱されることができるようになる。
【0024】
以下、本発明による太陽熱発電装置で発電が行われる過程を説明する。
日が昇った状態で、本発明による太陽熱発電装置は、太陽光によって本体100が加熱される。それによって、本体100の内部に流入されている空気が加熱されて上昇空間102に沿って上昇するようになる。同時に、外部空気が加熱板124の間及び本体100の下端を通じて本体100の内部に持続的に流入されることにより上昇気流が続く。この時、加熱板124の間に流入される空気は傾斜して形成される加熱板124によって自然に上昇する方向に誘導されて流入されることにより上昇気流が促進される。
【0025】
同様に、柱122が内部が空いた形状である場合、柱122の下端から空気が流入されながら上昇するようになり、柱122の上端で排出されながら上昇空間102を通じて上昇される空気と合わせられる。
【0026】
上記のように上昇される空気は本体100の上端部分に至って加速流路142を通じて本体100の外部に排出される。この過程で、発電ファン200を回転させ、それによって環境にやさしい電気が生産される。このように生産された電気は蓄電池(図示しない)に蓄電されて、実生活に必要な用途に用いられる。
【0027】
図4は本発明による太陽熱発電装置の設置状態例示図である。
【0028】
以上のような本発明による太陽熱発電装置は、本体100の下端に脚130が形成されて底から所定高さ離れるように設けられることができる。従って、外部空気が本体100の下端からも流入されることができる。このような脚130は、上述した複数の柱122の中の一部または全部が下へ延長されることにより形成されることができるが、それに限定されるのではなく、必要によって、別途に設けて本体100の下端につながるように設けられることができる。
【符号の説明】
【0029】
100:本体、102:上昇空間、120:ベース、122:柱、124:加熱板、128:内部体、130:脚、140:キャップ、142:加速流路、200:発電ファン、220:発電機