IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼市正浩創新科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7174867共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法
<>
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図1
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図2a
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図2b
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図3
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図4
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図5
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図6
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図7
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図8
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図9
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図10
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図11
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図12
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図13
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図14
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図15
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図16
  • 特許-共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
H02M3/28 Q
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021565832
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 CN2021111125
(87)【国際公開番号】W WO2021254535
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202110291735.4
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518141882
【氏名又は名称】深▲せん▼市正浩創新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】EcoFlow Inc.
【住所又は居所原語表記】Plant A202,Founder Technology Industrial Park,Shiyan Sub-district,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 雷
(72)【発明者】
【氏名】童 文平
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-075913(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0124492(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0229201(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振コンバータの可変限界周波数の制御方法において、
前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、
前記第1関係における前記設定電圧を、前記設定電圧と前記共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、前記下限周波数と前記設定電圧及び前記実際電圧との第2関係を取得することと、
前記第2関係に基づいて、前記共振コンバータの下限周波数を制限することと、を含む共振コンバータの可変限界周波数の制御方法。
【請求項2】
前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することは、
前記共振コンバータを制御して設定電圧を出力し、前記共振コンバータのバス電圧を下げることと、
前記バス電圧を下げた後の前記下限周波数を取得することと、
複数の前記設定電圧と複数の対応する前記下限周波数とをカーブフィッティングして、前記下限周波数と前記設定電圧との関係カーブを取得することと、
前記関係カーブに従って前記下限周波数と前記設定電圧との前記第1関係を取得することと、を含む請求項1に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項3】
前記第1関係を満たすとは、前記下限周波数が60Mと動作サイクルとの商に等しく、前記動作サイクルが前記設定電圧の線形関数であることである請求項2に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項4】
前記第2関係を満たすとは、前記関連電圧が前記設定電圧と前記実際電圧との加重和に等しいことである請求項3に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項5】
前記関係カーブから少なくとも2組のデータを取得することであって、前記データは、前記関連電圧及び前記関連電圧に対応する前記下限周波数を含むことと、
前記関連電圧、前記下限周波数、及び前記実際電圧に基づいて前記設定電圧の重み及び前記実際電圧の重みを確定することと、をさらに含む請求項4に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項6】
前記設定電圧が電圧閾値未満であると、前記設定電圧を前記電圧閾値に更新することをさらに含む請求項4に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項7】
前記設定電圧の範囲は400~750Vであり、前記設定電圧の重み範囲は0.5603~0.5609であり、前記実際電圧の重み範囲は0.4391~0.4397である請求項5に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項8】
前記共振コンバータの出力電流設定値とk3の積を取得することと、
前記積が前記設定電圧以上であると、前記設定電圧を前記共振コンバータのソフトスタートプロセスの電流制限点とすることと、
前記積が前記設定電圧未満であると、前記積を前記共振コンバータのソフトスタートプロセスの電流制限点とすることと、をさらに含み、前記k3は1より大きい定数である請求項1に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項9】
前記共振コンバータを制御して設定電圧を出力し、前記共振コンバータのバス電圧を下げることは、
前記共振コンバータが設定電圧を出力し全負荷で動作するように、前記共振コンバータをデバッグモードに入るように設定し、前記共振コンバータが安定して負荷されなくなるまで前記バス電圧を継続的に下げることを含む請求項2に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項10】
前記バス電圧を下げた後の前記下限周波数を取得することは、
前記バス電圧を下げた後、前記共振コンバータが安定して負荷されない時の動作周波数を取得し、前記安定して負荷されない時の動作周波数を前記下限周波数とする請求項2に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項11】
複数の共振コンバータを用いて複数組のテストデータを取得し、1つの前記設定電圧が複数の下限周波数に対応し、複数の下限周波数の最大値を前記設定電圧に対応する下限周波数として選択する請求項2に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項12】
前記第1関係における前記下限周波数は、定電圧状態に基づいて、異なる設定電圧の下で前記共振コンバータが全負荷で動作して得られる動作周波数である請求項1に記載の可変限界周波数の制御方法。
【請求項13】
共振コンバータの可変限界周波数の制御方法において、
前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、
前記第1関係における前記設定電圧を、前記設定電圧と前記共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、前記下限周波数と前記設定電圧及び前記実際電圧との第2関係を取得することと、
前記第2関係に基づいて、前記共振コンバータの下限周波数を制限することと、
前記関連電圧が前記設定電圧と前記実際電圧との加重和に等しいという前記第2関係を満たすことと、
前記下限周波数が60Mと動作サイクルとの商に等しく、前記動作サイクルが前記設定電圧の線形関数であるという前記第1関係を満たすことと、を含む共振コンバータの可変限界周波数の制御方法。
【請求項14】
可変限界周波数の制御方法によって下限周波数の制御を行う共振コンバータであって、
前記可変限界周波数の制御方法は、
前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、
前記第1関係における前記設定電圧を、前記設定電圧と前記共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、前記下限周波数と前記設定電圧及び前記実際電圧との第2関係を取得することと、
前記第2関係に基づいて、前記共振コンバータの下限周波数を制限することと、を含む共振コンバータ。
【請求項15】
前記共振コンバータが前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得するステップは、
前記共振コンバータを制御して設定電圧を出力し、前記共振コンバータのバス電圧を下げることと、
前記バス電圧を下げた後の前記下限周波数を取得することと、
複数の前記設定電圧と複数の対応する前記下限周波数とをカーブフィッティングして、前記下限周波数と前記設定電圧との関係カーブを取得することと、
前記関係カーブに従って前記下限周波数と前記設定電圧との前記第1関係を取得することと、を含む請求項14に記載の共振コンバータ。
【請求項16】
前記下限周波数が60Mと動作サイクルとの商に等しく、前記動作サイクルが前記設定電圧の線形関数であるという前記第1関係を満たす請求項14に記載の共振コンバータ。
【請求項17】
前記関連電圧が前記設定電圧と前記実際電圧との加重和に等しいという前記第2関係を満たす請求項14に記載の共振コンバータ。
【請求項18】
前記共振コンバータは、さらに、
前記共振コンバータの出力電流設定値とk3の積を取得し、
前記積が前記設定電圧以上であると、前記設定電圧を前記共振コンバータのソフトスタートプロセスの電流制限点とし、
前記積が前記設定電圧未満であると、前記積を前記共振コンバータのソフトスタートプロセスの電流制限点とするために用いられ、前記k3は1より大きい定数である請求項14に記載の共振コンバータ。
【請求項19】
可変限界周波数の制御方法によって下限周波数の制御を行う共振コンバータであって、
前記可変限界周波数の制御方法は、
前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、
前記第1関係における前記設定電圧を、前記設定電圧と前記共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、前記下限周波数と前記設定電圧及び前記実際電圧との第2関係を取得することと、
前記第2関係に基づいて、前記共振コンバータの下限周波数を制限することと、
前記関連電圧が前記設定電圧と前記実際電圧との加重和に等しいという前記第2関係を満たすことと、
前記下限周波数が60Mと動作サイクルとの商に等しく、前記動作サイクルが前記設定電圧の線形関数であるという前記第1関係を満たすことと、を含む共振コンバータ。
【請求項20】
プログラム命令が記憶されているコンピュータ記憶媒体であって、
前記プログラム命令がプロセッサにより実行される時、
共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、
前記第1関係における前記設定電圧を、前記設定電圧と前記共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、前記下限周波数と前記設定電圧及び前記実際電圧との第2関係を取得することと、
前記第2関係に基づいて、前記共振コンバータの下限周波数を制限することと、を含む可変限界周波数の制御方法を実現するコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、中国特許庁において2021年03月18日に出願された中国特許出願番号が202110291735.4であり、発明の名称が「共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法」である中国特許出願を基礎として優先権を主張するものであり、その内容全体が参照されることにより、本出願に援用される。
【0002】
本出願は、コンバータの分野に関し、特に、共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ここでの記述は、本出願に関連する背景情報を提供するだけであり、必ずしも例示的な技術を構成するものではない。
【0004】
直流電力はチョッパー回路を介して交流方形波電圧又は電流に変換され、共振ネットワークの両端に印加されて高周波共振を発生し、共振電圧又は電流は整流及びフィルタリングされた後、直流電圧又は電流に変換されることによって、直流-直流変換(DC-DC)が実現される。共振コンバータには様々な分類方法があり、共振回路の素子の接続関係に応じて、共振コンバータは、直列共振コンバータ、並列共振コンバータ、及び直並列共振コンバータに分類できる。
【0005】
LLCは直並列共振コンバータに属するものである。その利点は次の通りである。一次側メインMOSスイッチのゼロ電圧ターンオン(Zero Voltage Switch、ZVS)と二次側同期整流ダイオードのゼロ電流ターンオフ(Zero Current Switch、ZCS)を実現し、ソフトスイッチング技術によって、スイッチング損失を低減することができ、共振コンバータの効率と電力密度を向上させる。
【0006】
本出願の発明者は、長期の研究開発において、共振コンバータの動作過程中、電流制限アンロードや電流制限始動等の動作状態である場合には、いずれもZCS領域(例えば、図1に示すように、実際の出力が過負荷であり、下限周波数の計算が理論値よりも低い)に入り、共振コンバータの過電流保護を引き起こしてシャットダウンされ、無効になることを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願の様々な実施例によれば、共振コンバータ及びその可変限界周波数の制御方法、コンピュータ記憶媒体が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
共振コンバータの可変限界周波数の制御方法において、
前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、
第1関係における設定電圧を、設定電圧と共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、下限周波数と設定電圧及び実際電圧との第2関係を取得することと、
第2関係に基づいて、共振コンバータの下限周波数を制限することと、を含む。
【0009】
共振コンバータの可変限界周波数の制御方法において、
前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、
前記第1関係における前記設定電圧を、前記設定電圧と前記共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、前記下限周波数と前記設定電圧及び前記実際電圧との第2関係を取得することと、
前記第2関係に基づいて、前記共振コンバータの下限周波数を制限することと、
前記関連電圧が前記設定電圧と前記実際電圧との加重和に等しいという前記第2関係を満たすことと、
前記下限周波数が60Mと動作サイクルとの商に等しく、前記動作サイクルが前記設定電圧の線形関数であるという前記第1関係を満たすことと、を含む。
【0010】
共振コンバータであって、上記の可変限界周波数の制御方法によって下限周波数の制御を行う。
【0011】
プログラム命令が記憶されているコンピュータ記憶媒体であって、
前記プログラム命令がプロセッサにより実行される時、
前記共振コンバータの下限周波数と前記共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、
前記第1関係における前記設定電圧を、前記設定電圧と前記共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、前記下限周波数と前記設定電圧及び前記実際電圧との第2関係を取得することと、
前記第2関係に基づいて、前記共振コンバータの下限周波数を制限することと、を含む可変限界周波数の制御方法を実現する。
【0012】
本出願の1つ又は複数の実施例の詳細は、以下の図面及び説明で提示される。本出願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、本出願の実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。当然ながら、下記の説明における図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な作業をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】従来の共振コンバータのアンロード動作状態での動的動作点の移動軌跡図である。
図2a】本出願による共振コンバータの単純な回路構成の模式図である。
図2b】本出願による共振コンバータの詳細な回路構成の模式図である。
図3】本出願による共振コンバータの可変限界周波数の制御方法の一実施例を示すフローチャートである。
図4図3の実施例による共振コンバータの可変限界周波数の制御方法におけるステップS301を示す特定のフローチャートである。
図5】本出願による共振コンバータの下限周波数と設定電圧との関係カーブを示す図である。
図6】本出願による共振コンバータの下限周波数と設定電圧との関係カーブを示す図である。
図7】本出願による共振コンバータの可変限界周波数の制御方法における設定電圧の重み及び実際電圧の重みを確定するフローチャートである。
図8】本出願による共振コンバータがZCS領域に入った時のDC MOSのIds波形を示す図である。
図9】本出願による共振コンバータの定電圧モード下(Voset=V)での下限周波数と実際電圧との関係カーブを示す図である。
図10】本出願による共振コンバータの電流制限モード下(V≦Voset、Voset=750V、600V、400V)での下限周波数と実際電圧との関係カーブを示す図である。
図11】本出願による共振コンバータの電流制限モード下(V≦Voset、Voset=600V、110%の電流制限)での下限周波数と実際電圧との関係カーブを示す図である。
図12】本出願による共振コンバータの電流制限モード下(V≦Voset、Voset=750V、110%の電流制限)での下限周波数と実際電圧との関係カーブを示す図である。
図13】本出願による共振コンバータの負荷有り始動から電流制限状態に至る時のバス電圧の過電圧保護領域の模式図である。
図14】本出願による共振コンバータの負荷有り始動から電流制限状態までの動的調節の軌跡図である。
図15】本出願による共振コンバータの始動策略のない始動動作点の軌跡図である。
図16】本出願による共振コンバータの始動策略を用いた後の始動動作点の軌跡図である。
図17】本出願によるコンピュータ記憶媒体の一実施例の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本出願の実施例における技術的解決手段を、本出願の実施例における図面に関連して明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。当業者が創造的な作業なしに本出願の実施例に基づいて得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に含まれるべきである。
【0015】
本出願は、最初に共振コンバータを提案しており、図2aは本出願による共振コンバータの単純な回路構成の模式図である。本実施例による共振コンバータは、スイッチングネットワーク(不図示)、共振ネットワーク(不図示)、センタータップトランスT、二次側同期整流ダイオードD1及びそのフィルタコンデンサC1、二次側同期整流ダイオードD2及びそのフィルタコンデンサC2、出力フィルタコンデンサCo、負荷R等を含む。ここで、スイッチングネットワークは、メインMOSスイッチ(Q1~Q4)及びその内部寄生ダイオード(不図示)、寄生容量(不図示)で構成され、共振ネットワークは、共振容量Cr、直列共振インダクタンスLr及び並列共振インダクタンスLmで構成される。図2aにおける同期整流ダイオード(D1、D2)は、二次側同期整流パワーチューブの寄生ダイオードであり、図2aでは、二次側同期整流パワーチューブを省略し、寄生ダイオード(D1、D2)及び寄生容量(C1、C2)のみが示されている。
【0016】
図2bは、本出願による共振コンバータの詳細な回路構成の模式図である。本実施例によって提供される共振コンバータは、スイッチングネットワーク(不図示)、共振ネットワーク(不図示)、センタータップトランスT、二次側同期整流パワーチューブQ5及びその内部寄生ダイオードD1及びその寄生容量C1、二次側同期整流パワーチューブQ6及びその内部寄生ダイオードD2及びその寄生容量C2、出力フィルタコンデンサCo、負荷R等を含む。ここで、スイッチングネットワークは、メインMOSスイッチ(Q1~Q4)及びその内部寄生ダイオード(不図示)、寄生容量(不図示)で構成され、共振ネットワークは、共振容量Cr、直列共振インダクタンスLr及び並列共振インダクタンスLmで構成される。
【0017】
他の実施例では、共振コンバータはハーフブリッジ共振コンバータ等であってもよい。
【0018】
本出願の共振コンバータは、以下の可変限界周波数の制御方法を採用して下限周波数の制御を実現することができる。
【0019】
本出願はさらに共振コンバータの可変限界周波数の制御方法を提案しており、図3は本出願による共振コンバータの可変限界周波数の制御方法の一実施例を示すフローチャートである。本実施例による共振コンバータの可変限界周波数の制御方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0020】
ステップS301:共振コンバータの下限周波数と共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得する。
【0021】
第1関係における下限周波数は、定電圧状態に基づいて、異なる設定電圧の下で共振コンバータが全負荷で動作して得られる動作周波数である。
【0022】
好ましくは、本出願は、図4に示すような方法によってステップS301を実現することができる。本実施例の方法は、ステップS401からステップS404を含む。
【0023】
ステップS401:共振コンバータを制御して設定電圧を出力し、共振コンバータのバス電圧を下げる。
【0024】
バックグラウンドは共振コンバータがデバッグモードに入るように設定し、共振コンバータが設定電圧を出力し全負荷で動作する。共振コンバータが安定して負荷されなくなるまでバス電圧を継続的に下げ、この動作状態の下で共振コンバータの動作周波数は電圧の下限周波数に対応する。
【0025】
ステップS402:バス電圧を下げた後の下限周波数を取得する。
【0026】
バス電圧を下げた後、共振コンバータが安定して負荷されない時の動作周波数を取得して下限周波数とする。1つのアプリケーションシナリオにおいて、共振コンバータの電圧パラメーター及び周波数パラメーターのテストデータは、以下の表1のとおりである。
【0027】
【表1】
【0028】
ここで、Fsnomは共振コンバータがバス電圧Vpfcを調整せず、全負荷で動作する場合の動作周波数であり、Fsminはバス電圧Vpfcを下げる場合、共振コンバータが安定して動作できる最低周波数であり、バス電圧Vpfcが800Vであり、出力される設定電圧Vosetが450Vである場合、共振コンバータが共振点で動作し、出力される設定電圧Vosetが350V以下である場合、共振コンバータの動作周波数fは共振周波数fより大きく、共振コンバータはZCS領域に入らないため、その下限周波数はテストしない。共振コンバータの動作の下限周波数の制限は、400V~750Vの範囲のバス電圧に対してのみ機能する。
【0029】
ここで、当該テストデータのテスト環境として、オシロスコープ:DSO3034A(Keysight);電流ガン:TCPA300/TCP305A;高電圧プローブ:P5100A(Tekronix);通常プローブ:N2843A(Keysight);負荷:800V直流負荷キャビネット;交流電源:30KVA AC Sourceである。共振コンバータの主要な材料情報として、PCBバージョン:R153B240U1(V5.0);R153B240U2(V5.2);PFC MOS=TK39N60W;PFC DIODE=APT30DQ120BG;DC MOS=FMW60N075S2FDHF;DC DIODE=APT30DQ100BG;PFCインダクタンス=R153B240L3(SPT);共振インダクタンス=R203G336L4(JQH 1839);DCメイントランス=R203G336T3(JQH 1839);プログラムバージョン:R203B240U111(PFC_2Fan)_V102.out;R203B336U211(DCDC)V100.outである。
【0030】
テストデータから、FsnomとFsminとの間には一定のマージンがあることがわかる。共振コンバータの大量生産の経験では、共振コンバータの通常の動作周波数で2kHzのマージンが残り、大量生産時の共振コンバータのフルパワー出力を確保することができる。
【0031】
なお、ソフトウェアの観点から、本出願による可変限界周波数の制御方法は下限周波数を制限しているため、制限された下限周波数が上記のマージンを持つことができる。
【0032】
ステップS403:複数の設定電圧と複数の対応する下限周波数とをカーブフィッティングして、下限周波数と設定電圧との関係カーブを取得する。
【0033】
テストデータの普遍性を確保するために、複数の共振コンバータを使用して複数組のテストデータを取得することができる。図5に示すように、上記表1のテストデータと他の4つの共振コンバータのテストデータとをフィッティングしている。ここで、複数の共振コンバータを用いて複数組のテストデータを取得し、1つの設定電圧が複数の下限周波数に対応し、複数の下限周波数の最大値を設定電圧に対応する下限周波数として選択することができる。もちろん、他の実施例では、他のフィッティング方法を使用して下限周波数と設定電圧との関係カーブを取得することもできる。
【0034】
さらに、図5における関係カーブを整理して、図6に示すような関係カーブを取得することができる。
【0035】
ステップS404:関係カーブに従って下限周波数と設定電圧との第1関係を取得する。
【0036】
【0037】
図6の関係カーブによれば、下限周波数と設定電圧との第1関係が得られる。ここで、本実施例の第1関係は、下限周波数が60Mと動作サイクルとの商に等しく、動作サイクルが設定電圧の線形関数であることを満たす。
【0038】
具体的には、Tsmax=a*Voset+b、Fsmin=60M/Tsmaxであり、ここで、Tsmaxは動作サイクルであり、aとbはゼロより大きい定数である。
【0039】
上記の分析から、図6に示すように、本実施例に係る第1関係及び第2関係は、共振コンバータの動作周波数fが共振周波数fより小さい場合のみにものであり、動作周波数fが共振周波数fよりも大きい場合、共振コンバータはZCS領域に入らないため、下限周波数を制限する必要はない。
【0040】
従って、上記のアプリケーションシナリオでは、上記のテストデータに基づいて下限周波数をフィッティング可能な制限策略は、Voset=400~750Vである場合、Tsmax=0.815*Voset+210、Fsmin=60M/Tsmaxであり、Voset=200~400Vである場合、Tsmax=536、Fsmin=112kHzである。(V<400Vである場合、f>fであり、ZCS領域に入らない)。
【0041】
他の実施例では、a及びbは、異なるVosetに従って適切に調整することができる。
【0042】
ステップS302:第1関係における設定電圧を、設定電圧と共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、下限周波数と設定電圧及び実際電圧との第2関係を取得する。
【0043】
第2関係は、関連電圧が設定電圧と実際電圧との加重和に等しいことを満たす。
【0044】
具体的には、V=k*Voset+k*Vであり、ここで、Vは関連電圧であり、k(設定電圧の重み)は0より大きい定数であり、前記k(実際電圧の重み)は0より大きい定数であり、且つ、k+k=1(定電圧状態で動作している時の下限周波数を変更しないため)であり、Vは出力される実際電圧である。
【0045】
本実施例では、図7に示すような方法を使用して、設定電圧の重みであるk及び実際電圧の重みであるkを決定することができる。本実施例の方法は、ステップS701及びステップS702を含む。
【0046】
ステップS701:関係カーブから少なくとも2組のデータを取得し、データは、関連電圧及び関連電圧に対応する下限周波数を含む。
【0047】
図8は本出願による共振コンバータがZCS領域に入る時のDC MOSのIds波形の模式図である。ここで、1/(Ts2max/2)はZCS領域に入る時の動作周波数であり、Ts+/2は正の半サイクルパルス幅の長さであり、Ts1max/2=Ts+/2-2DBは所望の動作サイクルであり、Fs1min=1/(Ts1max/2)は所望の下限周波数である。(Voset=750Vとする)共振コンバータが電流制限状態に入ってアンロードする時に、下限周波数をFs1minに合わせるために、図6における関係カーブでFs1minに対応するVosetをVとして求めることができる。
【0048】
ステップS702:関連電圧、下限周波数、及び実際電圧に基づいて設定電圧の重み及び実際電圧の重みを確定する。
【0049】
+k=1、且つ、k*750V+k*V=Vという方程式を解くことにより、kとkを取得する。
【0050】
osetを750Vとすると、電流制限110%のテストデータ及び計算結果は以下の表2のとおりである。
【0051】
【表2】
【0052】
下限周波数に対する様々な電流制限及びアンロード動作状態の要件をカバーするために、kの値は0.56として選択され、kの値は0.44として選択される。
【0053】
要約すると、改善された下限周波数の制限策略として、Voset=400~750Vである場合、Tsmax=0.815*V+210、Fsmin=60M/Tsmax、V=k1*Voset+k*V、k=0.56、k=0.44であり、Voset=200~400Vである場合、Tsmax=536、Fsmin=112kHzである。
【0054】
ステップS303:第2関係に基づいて、共振コンバータの下限周波数を制限する。
【0055】
上記の制限策略を使用して、共振コンバータの下限周波数を制限する。
【0056】
従来の技術との相違点として、本実施例では、共振コンバータの下限周波数とその出力した設定電圧との第1関係における設定電圧を、設定電圧と共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、下限周波数を計算するための出力電圧が設定電圧よりも遅くなり(小さい)、第2関係に従って取得される下限周波数がより小さくなり、下限周波数には一定のマージンがある。これによって、共振コンバータがZCS領域に入る問題を改善することができ、さらに、共振コンバータが無効になる問題を改善することができる。
【0057】
共振コンバータが始動動作状態にある時、出力される設定電圧はVoset=0であるため、計算された下限周波数が高すぎる可能性があり、ZCS領域に簡単に入る可能性がある。この問題を解決するために、始動動作状態の場合、設定電圧が電圧閾値未満であると、設定電圧を電圧閾値に更新する。
【0058】
電圧閾値の確定方法として、上記のk及びkの確定方法を参照すればよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0059】
共振コンバータが始動動作状態にある時(Vosetは750Vであり、電流制限は110%である)のテストデータは、以下の表3のとおりである。
【0060】
【表3】
【0061】
osetから690Vまで、ヘビーデューティーで動作し、周波数は73kHzの最低周波数に制限され、ZCS領域には入っていない。電力は削減するが、バス電圧は825Vに維持され、アクティブな調節スペースがない。パッシブに上げる調整しかできず、バスの過電圧保護がトリガーされる。
【0062】
osetから650Vまで、ヘビーデューティーで動作し、周波数は74kHzに制限され、ZCS領域には入らず、バスの過電圧保護がトリガーされる。
【0063】
osetから540Vまで、ヘビーデューティーで動作し、周波数は73.6kHzに制限され、わずかにZCS領域に入り、バスの過電圧保護がトリガーされる。
【0064】
osetから510Vまで、ヘビーデューティーで動作し、周波数は73.1kHzに制限され、ZCS領域に入り、OCPとバスの過電圧保護がトリガーされる。
【0065】
下限周波数に対する様々な始動電流制限の動作状態の要件をカバーし、一定のマージンを残すために、電圧閾値V=190Vとする。
【0066】
【0067】
【0068】
【表4】
【0069】
上記の表4において、Vpfcはバス電圧を表し、V/は出力電圧を表し、Iは出力電流を表す。
【0070】
共振コンバータの電流制限モード下(V≦Voset、Voset=750V、110%の電流制限)でのテスト結果は、以下の表5のとおりである。
【0071】
【表5】
【0072】
テスト結果から見ると、改善された下限周波数の制限策略を採用することで、共振コンバータは電流制限のアンロード動的過程中にZCS領域に入らない。
【0073】
始動電流制限の動作状態のテストにおいて、Voset=750Vとし、電流制限は110%である。
【0074】
(1)0→650V/30.6A:共振コンバータは正常に始動する。
【0075】
(2)0→600V/33.3A:出力電圧は690Vに達し、ヘビーデューティーで動作し、周波数は76kHzの最低周波数に制限され、ZCS領域には入らない。電力は削減するが、バスは825Vに維持され、アクティブな調節スペースがない。パッシブに上げる調整しかできず、940Vまで高くなるとバスの過電圧保護がトリガーされ、共振コンバータはシャットダウンと再起動を繰り返す。
【0076】
(3)0→550V/36.2A:出力電圧は636Vに達し、ヘビーデューティーで動作し、周波数は78kHz程度に制限され、ZCS領域には入らず、バス電圧は940Vと高くなり、バスの過電圧保護がトリガーされ、共振コンバータはシャットダウンと再起動を繰り返す。
【0077】
(4)0→500V/40A:出力電圧は565Vに達し、ヘビーデューティーで動作し、周波数は81kHz程度に制限され、ZCS領域には入らず、バス電圧は940Vと高くなり、バスの過電圧保護がトリガーされ、共振コンバータはシャットダウンと再起動を繰り返す。
【0078】
(5)0→450V/45A:出力電圧は500Vに達し、ヘビーデューティーで動作し、周波数は81kHz程度に制限され、ZCS領域には入らず、バス電圧は950Vと高くなり、バスの過電圧保護がトリガーされ、共振コンバータはシャットダウンと再起動を繰り返す。
【0079】
(6)0→420V/47A:共振コンバータは正常に始動できる。
【0080】
(7)0→400V/50A:共振コンバータは正常に始動できる。
【0081】
(8)0→220/30A:共振コンバータは正常に始動できる。
【0082】
テスト結果から見ると、共振コンバータは始動から電流制限状態までの動的調節過程中にZCS領域に入ることがない。しかし、図13に示すように、始動の電流制限が430V/46.5A~630V/31.7Aの間である場合、バス電圧の過電圧保護がトリガーされ、共振コンバータがシャットダウンして再起動する。
【0083】
共振コンバータが負荷して始動から電流制限状態500V/40Aまでの過程を例としてバス電圧の過電圧保護過程を分析する。共振コンバータは負荷のまま始動され、デフォルトの電流制限点は110%(50A)である。従って、始動過程中の動的調節過程の最初の動作点は、50Aの電流制限カーブと負荷VIカーブとの交差点であり、共振コンバータの出力電力は20kWを超えており、実際のテストでは、この時点で共振コンバータの出力電力は25kWである。そのため、出力電力を削減する必要があり、これはアンロード過程に相当する。図14に示すように、出力電圧が低下し、PFCのバス電圧がパッシブに上昇するため、バス電圧保護点がトリガーされることで共振コンバータがシャットダウンし再起動される。
【0084】
上記の分析から、改善された下限周波数の制限策略を採用し、起動過程における下限周波数制限の効果は次の通りであることがわかる。(1)共振コンバータは電流制限アンロードの動的調節過程中にいずれもZCS領域に入らないと共に、過電流保護(Over Current Protection)OCPをトリガーしない。(2)共振コンバータが始動し電流制限状態に入ると、ZCS領域に入らないが、始動の電流制限が430V/46.5A~630V/31.7Aの間である場合、バス電圧の過電圧保護がトリガーされ、共振コンバータがシャットダウンして再起動する。
【0085】
共振コンバータの始動から電流制限状態にある場合、バスの過電圧保護による共振コンバータの繰り返し再起動する問題を解決するために、本実施例は次のような始動制御策略を採用する。すなわち、共振コンバータの出力電流設定値とkの積を取得し、ここで、 kは1より大きい定数(例えば、kは1.05)であり、積が設定電圧以上であると、出力電流設定値を共振コンバータのソフトスタートプロセスの電流制限点とし、積が設定電圧未満であると、積を共振コンバータのソフトスタートプロセスの電流制限点とする。
【0086】
共振コンバータは、始動過程が完了した後、動的動作点であるA点まで実行されず、B点まで実行される。始動過程が完了した後、共振コンバータは電流制限点を50Aまで開放し、電力の計算と調整を実行する。共振コンバータの動的動作点もA点まで実行されるが、この過程によりバス電圧が低下し、共振コンバータが電力回復(アンロード過程に相当)を再開すると、バス電圧が上昇する。ただし、前の段階でのバス電圧降下の過程により後の段階でのバス電圧上昇の最大値が低減するため、共振コンバータのバス電圧が大き過ぎて過電圧保護がトリガーされることを防止する。
【0087】
図16に示すように、上記の始動制御策略を追加した後、共振コンバータはいずれも始動から異なる電流制限状態になることができ、バスの過電圧保護をトリガーすることがない。始動過程中のバス電圧の最大電圧ピークは920Vであり、始動制御策略を追加しない場合よりも30Vだけ低くなり、始動制御策略を追加しても、共振コンバータの負荷有り始動から750V/26.7Aの起動までの時間には影響せず、始動時間は約6sである。
【0088】
本出願は、さらにコンピュータ記憶媒体を提供する。図17は本出願によるコンピュータ記憶媒体の一実施例の構成模式図である。コンピュータ記憶媒体90にはプログラム命令91が記憶されており、プロセッサ(不図示)によってプログラム命令91が実行されると、上記の共振コンバータの可変限界周波数の制御方法が実現される。
【0089】
本実施例によるコンピュータ記憶媒体90は、Uディスク、SDカード、PD光学ドライブ、モバイルハードディスク、大容量フロッピードライブ、フラッシュメモリ、マルチメディアメモリカード、サーバー等であり得るが、これらに限定されない。
【0090】
従来の技術とは異なり、本出願による共振コンバータの可変限界周波数の制御方法は、共振コンバータの下限周波数と共振コンバータによって出力される設定電圧との第1関係を取得することと、第1関係における設定電圧を、設定電圧と共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、下限周波数と設定電圧及び実際電圧との第2関係を取得することと、第2関係に基づいて、共振コンバータの下限周波数を制限することと、を含む。このようにして、本出願では、共振コンバータの下限周波数とその出力した設定電圧との第1関係における設定電圧を、設定電圧と共振コンバータによって出力された実際電圧との関連電圧に更新して、下限周波数を計算するための出力電圧が設定電圧よりも遅くなり(小さい)、第2関係に従って取得される下限周波数がより小さくなり、下限周波数には一定のマージンがある。これによって、共振コンバータがZCS領域に入る問題を改善することができ、さらに、共振コンバータが無効になる問題を改善することができる。
【0091】
また、上記の機能をソフトウェア機能の形で実現し、独立した製品として販売又は使用する場合、モバイル端末で読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。即ち、本出願は、プログラムデータが記憶されている記憶装置も提供し、前記プログラムデータは、上記の実施例の方法が実現されるように実行されることができ、当該記憶装置は、Uディスクや、光ディスク、サーバー等であり得る。即ち、本出願は、インテリジェント端末に各実施例で説明した方法のステップの全部又は一部を実行させるための幾つかの命令を含むソフトウェア製品の形で具体化することができる。
【0092】
本出願の説明において、「一実施例」、「幾つかの実施例」、「例」、「特定の例」、又は「幾つかの例」等の参照用語の説明は、当該実施例又は例に合わせて説明する具体的特徴、構造、材料又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略的記述は同様な実施例又は例に対するものに限らない。さらに、説明された具体的特徴、構造、材料又は特性はいずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書で説明した異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を合わせるか組み合わせることができる。
【0093】
さらに、「第1」、「第2」という用語は、目的のみを説明するためであり、相対的重要性を示したり暗示したりするか、又は示された技術特徴の数を暗黙的に示すと理解されるべきではない。従って、「第1」、「第2」により限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示又は暗黙的に含むことができる。本出願の説明において、「複数」とは、別の明確で特定の限定がない限り、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどを意味する。
【0094】
フローチャート又はここで他の方式で説明されているいかなる過程又は方法の説明も、特定のロジック機能又は過程のステップを実現するための1つ又はより多くの実行可能命令のコードを含むモジュール、セグメント又は部分として理解することができ、本出願の好ましい実施形態の範囲として、示された又は検討した手順に従って機能を実行しなくてもよいことや、係る機能に基づいて基本的に同時の方式又は逆の手順で機能を実行すること等の別の実現を含むことは、本出願の実施例が属する技術分野の技術者によって理解されるべきである。
【0095】
フローチャートに示されているか、又はここで他の方式で説明されているロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能命令のシーケンスリストと見なすことができ、命令実行システム、装置や機器(パーソナルコンピュータ、サーバー、ネットワーク機器又は命令実行システム、装置や機器から命令を受け取って命令を実行することができる他のシステムであってもよい)によって使用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置や機器に組み合わせて使用されるように任意のコンピュータ可読媒体で具体化することができる。本明細書において、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、装置や機器、又はこれらの命令実行システム、装置や機器に組み合わせて使用するためのプログラムを含むか、記憶している、通信する、伝播する又は伝送することができる任意の装置であり得る。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)として、1つ又は複数の配線を備える電気接続部(電子デバイス)、ポータブルコンピュータディスクケース(磁気デバイス)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバーデバイス、及びポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CDROM)等が挙げられる。また、コンピュータ可読媒体は、さらに前記プログラムが印刷されている紙又は他の適切な媒体であってもよい。これは、例えば、紙又は他の媒体を光学的にスキャンし、次に編集や解釈するか、又は必要な場合に他の適切な方式で処理することによって前記プログラムを電子的に取得し、そして、それをコンピュータのメモリに記憶することができるためである。
【0096】
以上の説明は、本願に係る実施形態に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。本願の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フローの変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に実施することは、いずれも同じ理由により本願の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17