(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】吸気ダクト及び吸気ダクトの製造方法
(51)【国際特許分類】
F02M 35/10 20060101AFI20221111BHJP
B29C 49/04 20060101ALI20221111BHJP
B29C 49/48 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
F02M35/10 301D
F02M35/10 101N
F02M35/10 101E
B29C49/04
B29C49/48
(21)【出願番号】P 2018227985
(22)【出願日】2018-12-05
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 礼宗
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-234614(JP,A)
【文献】特開2014-058957(JP,A)
【文献】特開2004-183514(JP,A)
【文献】特開2012-246933(JP,A)
【文献】米国特許第05651339(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/10
B29C 49/04
B29C 49/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流路が形成された本体部と、
前記本体部の内面から立設して前記流路に沿って延在する第一整流リブと、
前記第一整流リブと対向するように前記本体部の内面から立設して前記流路に沿って延在する第二整流リブと、
を備え、
前記本体部に形成された吸気口に取り付けられ、前記第一整流リブ及び前記第二整流リブにより区切られた前記流路を更に区切る第三整流リブが形成されたカバーを備える、ことを特徴とする吸気ダクト。
【請求項2】
前記第一整流リブの先端と前記第二整流リブの先端とは接続され、
前記第三整流リブは、前記第一整流リブ及び前記第二整流リブの側方側に複数配置される、
ことを特徴とする請求項
1に記載の吸気ダクト。
【請求項3】
前記第一整流リブ及び前記第二整流リブは前記流路に沿って湾曲する湾曲部を有し、
前記湾曲部の出隅側に配置される前記第三整流リブは、前記湾曲部の入隅側に配置される前記第三整流リブよりも長く形成される、
ことを特徴とする請求項
2に記載の吸気ダクト。
【請求項4】
前記第一整流リブの先端と前記第二整流リブの先端との間には間隙が形成され、
前記第三整流リブは、前記間隙内を含む複数の前記流路に亘って配置される、
ことを特徴とする請求項
1に記載の吸気ダクト。
【請求項5】
前記第一整流リブは、中実の成形樹脂体であり、
前記第二整流リブは、中空の成形樹脂体である、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項
4の何れかに記載の吸気ダクト。
【請求項6】
請求項
1乃至請求項
4の何れかに記載の吸気ダクトの製造方法であって、
板状に延在する第一突起が形成された第一分割金型と、前記第一突起と対向して第二突起が形成された第二分割金型とにより成形樹脂体を形成するブロー成形工程と、
前記第一分割金型及び前記第二分割金型で成形した前記成形樹脂体に前記吸気口を設ける工程と、
前記第一突起により形成した前記第一整流リブ及び前記第二突起により形成した前記第二整流リブに対して交差する方向の前記第三整流リブを有する前記カバーを、前記吸気口に取り付ける工程と、
を含むことを特徴とする吸気ダクトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気ダクト及び吸気ダクトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の外気をエンジンに取り入れる吸気ダクトが提案されている。例えば特許文献1には、ブロー成形により形成されたダクト本体と、該ダクト本体のブロー成形時に内包されてダクト本体内を複数の流路に区画する内部仕切り部品とにより構成された吸気ダクトが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の吸気ダクトは、予め作製した内部仕切り部品を固定支柱により固定し、成形機ヘッドから射出された筒状の溶融樹脂にその内部仕切り部品を被包させ、溶融樹脂を外側から金型で挟み込みブロー成形することで作製される。そのため、内部仕切り部品を別途成形する金型及び工程を要するとともに、吸気ダクトの成形時に内部仕切り部品を固定する固定支柱を設けるなど、製造コストが掛かる。
【0005】
本発明は、簡易に形成可能な吸気ダクト及び吸気ダクトの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の吸気ダクトは、内部に流路が形成された本体部と、前記本体部の内面から立設して前記流路に沿って延在する第一整流リブと、前記第一整流リブと対向するように前記本体部の内面から立設して前記流路に沿って延在する第二整流リブと、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の吸気ダクトの製造方法は、吸気ダクトの製造方法であって、板状に延在する第一突起が形成された第一分割金型と、前記第一突起と対向して第二突起が形成された第二分割金型とにより成形樹脂体を形成するブロー成形工程と、前記第一分割金型及び前記第二分割金型で成形した前記成形樹脂体に前記吸気口を設ける工程と、前記第一突起により形成した前記第一整流リブ及び前記第二突起により形成した前記第二整流リブに対して交差する方向の前記第三整流リブを有する前記カバーを、前記吸気口に取り付ける工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易に形成可能な吸気ダクト及び吸気ダクトの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係る吸気ダクトの使用例を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る吸気ダクトの本体部の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る吸気ダクトのカバーの斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係る吸気ダクトを示す図であり、(a)は平面図を示し、(b)は
図4(a)の吸気ダクトのIVb-IVb断面図を示す。
【
図5】本発明の実施形態1に係る本体部の製造工程を示す模式図であり、(a)は分割金型間にパリソンを配置させた様子を示し、(b)は分割金型を閉じた様子を示している。
【
図6】本発明の実施形態1に係る本体部の製造工程を示す模式図であり、パリソンに空気を供給して吸気ダクトの本体部を成形した様子を示している。
【
図7】本発明の実施形態2に係る吸気ダクトの本体部の斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態2に係る吸気ダクトを示す図であり、(a)は平面図を示し、(b)は
図8(a)の吸気ダクトのVIIIb-VIIIb断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
次に、図に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1は、吸気ダクト2の使用例を示す模式図である。本実施形態の吸気ダクト2は、トレーラ等の車両1のキャブ11の右側上方に配置される。キャブ11の右側背面には、筒状の供給ダクト12が上下に亘って取り付けられている。供給ダクト12は、車両1のエンジン等に空気を供給する通風路である。供給ダクト12の上端側には前方へ開口する吸気口12aが形成されている。供給ダクト12の吸気口12aは、吸気ダクト2と接続される。
【0011】
吸気ダクト2は、供給ダクト12と接続される本体部3と、本体部3の吸気口32(
図2等参照)に取り付けられるカバー4とを有する。車両1の外気は、カバー4に形成されたグリル42を介して本体部3内に取り込まれ、供給ダクト12側へ供給される。以下、吸気ダクト2の説明において、車両1に取り付けた状態の前側を前、その反対側を後とし、車両1の上側を吸気ダクト2の上、その反対側を下とする。また、吸気ダクト2の後方から前方を見た右側を右、その反対側を左とする。
【0012】
図2は、吸気ダクト2の本体部3の斜視図である。本体部3は、後方から前方へ向かって窄まるように形成され、内部に空気の流路Pを有する。本体部3の上方に形成される上壁311は、本体部3の後端側から前方へ向かって略平坦状に傾斜し、前壁312と連続している。前壁312は後方から前端側へ向かって上壁311よりも急峻な傾斜角度で凸湾曲状に傾斜している。上壁311の上面311aは、滑らかに形成されて、車両1の走行の際、本体部3が受ける空気抵抗や汚れの付着を低減したり、水溜りの発生を防止することができる。
【0013】
本体部3の右側には吸気口32が形成され、後方には排気口33が形成される。吸気口32と排気口33の開口方向は、略直交する向きに配置される(
図4(a)も参照)。本体部3の右方に形成される吸気口32の周縁部32aは環状に形成される。吸気口32の周縁部32aには、ウレタン等により環状に形成されたパッキン37が設けられる。本体部3は、排気口33の周縁に設けられた取付孔にリベット等を挿入して供給ダクト12の吸気口12a側と接続することができる。
【0014】
本体部3は、上壁311の内面から下方へ向かって立設した第一整流リブ35(35a~35c)と、下壁313の内面から上方へ向かって第一整流リブ35と対向するように立設した第二整流リブ36(36a~36c)と、を有する。第一整流リブ35と第二整流リブ36とは、吸気口32から排気口33へ向かう流路Pに沿って湾曲しながら延在した略板状に形成される。第二整流リブ36は断面視における先端がやや窄まるようにテーパ状に形成される。第一整流リブ35の先端と第二整流リブ36の先端とは溶着されて接続される。したがって、本体部3内には、複数の第一整流リブ35及び第二整流リブ36によって区切られた複数の分割流路P1~P4が形成される。
【0015】
図3は、カバー4の斜視図である。カバー4は、略台形板状に形成されており、本体部3に取り付けた際の前方側に位置する傾斜縁411と、後側に位置する傾斜縁412とを有する。カバー4の上縁413は、上縁413と下縁414の上下幅が前方へ向かってやや窄まるように傾斜している。カバー4は、前方側が吸気口32を覆うように取り付けられて後方側の一部が供給ダクト12の一部を右方から覆うように取り付けられる(
図4(a)も参照)。カバー4は、本体部3に設けたクリップナットC1等に螺子固定することができる。
【0016】
カバー4の内側にはグリル42が形成される。グリル42は斜めに傾斜した格子状の複数の通気孔を有している。また、カバー4は、本体部3と対向する内面4aから立設した複数の平板状の第三整流リブ43a~43d(43)を有する。第三整流リブ43は、カバー4を本体部3に取り付けた際に流路Pの断面視において第一整流リブ35及び第二整流リブ36に対して交差する方向となるように形成される(
図4(b)も参照)。本実施形態の第三整流リブ43の板面は、カバー4を本体部3に取り付けた際に略上下方向を向くように形成される。各第三整流リブ43a~43dは、カバー4の後側から前側へ向かって徐々に長くなるように形成される。また、各第三整流リブ43a~43dの先端縁431a~431dは、前方側(
図3の左方側)が凸円弧状となるように湾曲して形成される。先端縁431a~431dは、カバー4を本体部3対して取り付けた際に分割流路P1~P4を区画する第一整流リブ35、第二整流リブ36及び左壁314の凹湾曲面に沿って配置することができる(
図4(a)も参照)。第三整流リブ43を含むカバー4は、射出成形により一体に成形することができる。
【0017】
次に、カバー4を本体部3に取り付けた状態について説明する。
図4(a)は吸気ダクト2の平面図であり、
図4(b)は
図4(a)の吸気ダクト2のIVb-IVb断面図である。
図4(a)に示すように、カバー4を吸気口32側から本体部3に取り付けると、各第三整流リブ43a~43dが分割流路P1~P4に配置される。第三整流リブ43a~43dは、第一整流リブ35a~35c及び第二整流リブ36a~36cの先端側の側方に配置される(
図4(b)も参照)。後方側に配置される三つの第三整流リブ43a~43cの先端縁431a~431cは、第一整流リブ35a~35c及び第二整流リブ36a~36cの各先端付近の側面に近接又は当接するように配置させることができる。また、前方側の第三整流リブ43dの先端縁431dは、本体部3の左壁314側の内面314bと近接又は当接するように配置される。
【0018】
また、第一整流リブ35及び第二整流リブ36の湾曲部C2の出隅側に配置される第三整流リブ43は、湾曲部C2の入隅側に配置される第三整流リブ43よりも長く形成される。そのため、前方側の分割流路(例えば分割流路P13,P23)は、後方側の分割流路(例えば分割流路P12,P22)よりも、上下に区切られる区間を長く形成することができる。
【0019】
第三整流リブ43a~43dは、
図4(b)に示すように、第一整流リブ35a~35c及び第二整流リブ36a~36cと略直交する向きに配置される。したがって、吸気ダクト2の吸気口32側には、略格子状に配置された複数の分割流路P11~P14,P21~P24が形成される。
【0020】
図5及び
図6は、本体部3の製造方法を示す模式図である。本実施形態の本体部3は、ブロー成形により一体成形することができる。
図5(a)に示す一対の分割金型51,52のうち、一方の分割金型51(第一分割金型)には、分割金型52方向の内外へスライドして出没可能な第一突起511a~511cが設けられる。第一突起511a~511cは、それぞれ分割金型51の開口部512a~512c内に配置される。第一突起511a~511cは、
図5(a)の奥側へ向かって下方へ湾曲した板状に形成される。また、第一突起511a~511cを収容する開口部512a~512cも湾曲したスリット溝状に形成される。
【0021】
他方の分割金型52(第二分割金型)には、第二突起521a~521cが形成される。各第二突起521a~521cは、分割金型52の内面522から分割金型51側へ立設しており、第一突起511a~511cの先端と対向するように湾曲板状に形成される。
【0022】
まず、
図5(a)に示すように、型開きした分割金型51,52間に、溶融樹脂であるパリソン6を押し出して配置させる。続いて、
図5(b)に示すように、第一突起511a~511cを分割金型51の内面512から突出させて、分割金型51,52を閉じる。パリソン6の側面には、第一突起511a~511c及び第二突起521a~521cにより押圧されて突出部61a~61c,62a~62cが形成され、パリソン6の対向する内面6a同士が接して溶着される。
【0023】
その後、パリソン6内に空気を導入しながら、第一突起511a~511cを開口部512a~512c内に収容させると、
図6に示すように、パリソン6は分割金型51,52の内面512,522の形状に沿って膨らむ。
【0024】
分割金型51側において、第一突起511a~511cにより形成された突出部61a~61cは、パリソン6の対向する外面6b(
図6参照)が互いに溶着して、中実の成形樹脂体である第一整流リブ35a~35cを形成する。第一突起511a~511cを収容した開口部512a~512cに隣接するパリソン6の外面6bは、ブロー圧により分割金型51の内面512に略沿った形状となり、本体部3の滑らかな上面311aを形成することができる。
【0025】
また、突出部61a~61cと対向する突出部62a~62cは、ブロー圧により第二突起521a~521cに沿った形状となり、中空の成形樹脂体である第二整流リブ36a~36cを形成する。第二整流リブ36a~36cの基端部に対応する本体部3の下面313aには、スリット状の溝313bが形成される(
図4(b)も参照)。分割金型51,52を型開きして取り出した成形樹脂体は、バリ部の除去や吸気口32及び排気口33を切削等により設けられて、
図2等に示した本体部3に加工することができる。その後、吸気口32に対してカバー4を取り付けて複数の分割流路P11~P14,P21~P24を有する吸気ダクト2が形成される。
【0026】
以上示した実施形態1によると、第一整流リブ35は第一突起511a~511cにより成形しており、本体部3の上面311aを滑らかに形成することができる。また、第二整流リブ36a~36cは分割金型52に予め設けた第二突起521a~521cにより成形したため、分割金型52の構成を簡易にすることができる。
【0027】
また、本体部3は、内部に複数の分割流路P1~P4を設けて一体部品により簡易に形成することができる。本体部3の吸気口32にカバー4を取り付けることにより、簡易な構成で第一整流リブ35及び第二整流リブ36により区切られた分割流路P1~P4を更に複数の分割流路P11~P14,P21~P24に容易に区切ることができる。
【0028】
(実施形態2)
次に実施形態2について説明する。本実施形態では、実施形態1で説明した本体部3の第一整流リブ35及び第二整流リブ36、並びにカバー4の第三整流リブ43の構成が異なる吸気ダクト2Aについて示す。なお、以下の吸気ダクト2Aの説明において、実施形態1の吸気ダクト2と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0029】
図7は、吸気ダクト2Aの本体部3Aの斜視図である。本体部3Aの第一整流リブ35a~35cと、第二整流リブ36a~36cとは対向するように配置される。また、第一整流リブ35a~35cの先端と、第二整流リブ36a~36cの先端との間には間隙Sが形成される。間隙Sは、吸気口32側から排気口33側に亘って略同幅に形成される。
【0030】
本体部3Aは、
図5及び
図6に示した実施形態1の本体部3と略同様の工程により成形することができるが、分割金型51には、スライド可能な第一突起511a~511cの代わりに、第二突起521a~521cと同様の固定された突起が第一突起として形成される。また、パリソン6を配置させて分割金型51,52を閉じた際に、分割金型51側の固定された第一突起と、分割金型52側の第二突起521a~521cとの間隙をパリソン6の内面6a同士が溶着しないように開けて、突出部61a~61c,62a~62cを形成する。
【0031】
その後、パリソン6内に空気が導入されると、パリソン6は分割金型51,52の内面512,522に沿って膨らむ。これにより、分割金型51側の固定の第一突起により中空の成形樹脂体である第一整流リブ35a~35cが形成されるとともに、第二突起521a~521cにより中空の成形樹脂体である第二整流リブ36a~36cを形成することができる。第一整流リブ35a~35cと第二整流リブ36a~36cとの間には間隙Sが形成される(
図7参照)。第一整流リブ35a~35cの基端部に対応する本体部3の上面311aには、スリット状の溝311bが形成される。また、第二整流リブ36a~36cの基端部に対応する本体部3の下面313aにも、スリット状の溝313bが形成される(
図8(b)も参照)。
【0032】
図8(a)は吸気ダクト2Aの平面図であり、
図8(b)は
図8(a)の吸気ダクト2AのVIIIb-VIIIb断面図である。カバー4Aは、二点鎖線で示す第三整流リブ44を有する。第三整流リブ44は、実施形態1の第三整流リブ43と異なり、分割流路P1から分割流路P4に亘って形成された略矩形の平板状に形成される。第三整流リブ44を含むカバー4Aは、射出成形により一体に成形することができる。
【0033】
図8(a)に示すように、カバー4Aを吸気口32側から本体部3Aに取り付けると、第三整流リブ44が第一整流リブ35a~35cと第二整流リブ36a~36cとの間隙S間に挿入されて(
図8(b)も参照)、複数の分割流路P1~P4に亘って配置される。第三整流リブ44の先端縁441は、本体部3の左壁314側の内面314bと近接又は当接するように配置される。
【0034】
第三整流リブ44は、
図8(b)に示すように、第一整流リブ35a~35c及び第二整流リブ36a~36cと略直交する向きに配置される。したがって、第三整流リブ44の板面は略上下方向を向くように配置され、吸気ダクト2Aの吸気口32側には、略格子状に配置された複数の分割流路P11~P14,P21~P24が形成される。
【0035】
以上、実施形態2によれば、本体部3A内の各分割流路P11~P14,P21~P24を簡易な構成で形成しながら、吸気口32付近から排気口33付近までの長い区間に亘って延設させることができる。そのため整流効果を向上させることができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は各実施形態により限定されることは無く、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、
図5及び
図6に示した分割金型52の第二突起521a~521cの代わりに、分割金型51と同様にスライドする突起を使用して、成形時に第二整流リブを形成してもよい。スライドする突起を使用することで第二整流リブ36の基端部側に対応する本体部3の下面313aを滑らかに形成することができる。
【0037】
或いは、分割金型51の第一突起511a~511cの代わりに、分割金型52と同様に内面512に予め設けた固定の突起部を形成して、分割金型51の構成を簡易にしてもよい。これにより分割金型51の金型コストを低減させることができる。
【0038】
また、第一整流リブ35及び第二整流リブ36は、
図2等に示した右方から後方へ向かって湾曲する形状に限らず、本体部3に形成された吸気口32と排気口33の配置に応じて流路Pに沿って延在させることができる。
【0039】
また、カバー4,4Aに設けた第三整流リブ43,44を複数の列設けて、本体部3,3Aの分割流路P1~P4のそれぞれを三分割以上させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 車両 2,2A 吸気ダクト
3 本体部 3A 本体部
4,4A カバー 4a 内面
6 パリソン 6a 内面
6b 外面 11 キャブ
12 供給ダクト 12a 吸気口
32 吸気口 32a 周縁部
33 排気口 35 第一整流リブ
35a~35c 第一整流リブ 36 第二整流リブ
36a~36c 第二整流リブ 37 パッキン
42 グリル 43 第三整流リブ
43a~43d 第三整流リブ 44 第三整流リブ
51 分割金型 52 分割金型
61a~61c 突出部 62a~62c 突出部
311 上壁 311a 上面
311b 溝 312 前壁
313 下壁 313a 下面
313b 溝 314 左壁
314b 内面 411 傾斜縁
412 傾斜縁 413 上縁
414 下縁 431a~431d 先端縁
441 先端縁
511a~511c 第一突起 512 内面
512a~512c 開口部 521a~521c 第二突起
522 内面 C1 クリップナット
C2 湾曲部 P 流路
P1~P4 分割流路 P11~P14 分割流路
P21~P24 分割流路 S 間隙