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特許7174995通気層を有する密着型外断熱に用いられる火災対応型外壁構造、及び該火災対応型外壁構造に用いられる笠木
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  • 特許-通気層を有する密着型外断熱に用いられる火災対応型外壁構造、及び該火災対応型外壁構造に用いられる笠木 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】通気層を有する密着型外断熱に用いられる火災対応型外壁構造、及び該火災対応型外壁構造に用いられる笠木
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20221111BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20221111BHJP
   E04D 1/06 20060101ALI20221111BHJP
   E04F 13/04 20060101ALI20221111BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
E04B1/94 G
E04B1/76 500F
E04B1/94 L
E04B1/94 H
E04B1/94 M
E04D1/06 C
E04F13/04 109Z
E04F13/08 101W
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018197361
(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公開番号】P2020063633
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】396027108
【氏名又は名称】株式会社テスク
(74)【代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】特許業務法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】櫻庭 高光
(72)【発明者】
【氏名】澤井 文広
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-255194(JP,A)
【文献】特開2005-120786(JP,A)
【文献】特開2008-019635(JP,A)
【文献】登録実用新案第3153492(JP,U)
【文献】特開2011-246921(JP,A)
【文献】国際公開第95/000722(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62 - 1/99
E04D 1/06
E04F 13/04
E04F 13/08
E04B 2/56
E04B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気層を有する密着型外断熱に用いられる外壁構造であって、
コンクリート外壁と、
前記コンクリート外壁に接する断熱層と、
前記断熱層に対向して配置された複数の条溝を有し、それらの複数の条溝の間の部分が前記断熱層に接する、外装下地材と、
前記外装下地材に接する外装材と、
前記コンクリート外壁及び前記断熱層の上面に接し、先端が前記断熱層の表面と同一面上に位置する、防水層と、
窓枠及び該窓枠の内側に設けられた木製枠を有する、窓部と
を備え、
前記窓枠及び前記木製枠と前記断熱層及び前記コンクリート外壁との間の空間が、前記外装下地材の側から順にモルタルと発泡ウレタンとを用いて充填されている、
外壁構造。
【請求項2】
前記防水層の少なくとも一部の上面に接し、前記外装下地材及び前記外装材の上面を覆う笠木をさらに備え、
前記笠木が、
前記防水層の前記少なくとも一部の上面に接する基部と、
前記外装下地材の上方において前記外装下地材に接することなく前記基部から水平に延びる張出部と、
前記張出部の縁部から下方に延びる立下り部と、
前記張出部と前記外装下地材との間に配置された、張出部を支持する複数の支持部材と
を有する、
請求項1に記載の外壁構造。
【請求項3】
前記笠木と前記外装下地材との間の空間の広さが、前記複数の条溝の並び方向における前記空間の単位長さ当たりの断面積が前記並び方向における前記複数の条溝の単位長さあたりの断面積より大きくなるように構成された、
請求項2に記載の外壁構造。
【請求項4】
前記断熱層の前記防水層に近い部分が前記断熱層の他の部分より薄く形成されることによって、前記断熱層に切り欠き部が設けられており、
前記切り欠き部にはコンクリート材が充填され、
前記笠木は、前記基部が、充填された前記コンクリート材に固定されている
請求項2又は請求項3に記載の外壁構造。
【請求項5】
基礎に接する下部断熱層が他の断熱層より薄く形成され、前記下部断熱層には外装材が接しており、前記外装材の表面とその上方に位置する前記他の断熱層の表面とは同一面上にある、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の外壁構造。
【請求項6】
基礎に接する下部断熱層が他の断熱層と同じ厚さで形成され、前記下部断熱層には前記外装材が接しており、
前記外装材の上部に設けられた水切りと、該水切りの上部において前記断熱層に接して設けられた三角形の縦断面を持つシーリング材と
をさらに有する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の外壁構造。
【請求項7】
前記モルタルに接する断熱層は、スキン付きの断熱層である、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の外壁構造。
【請求項8】
前記断熱層の下面の前記外装下地材側に、下方に突出する突起が設けられており、前記外装下地材の下端と前記突起の下端とは同じ高さに位置する、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の外壁構造。
【請求項9】
前記スキン付きの断熱層の下面の前記外装下地材側に、下方に突出する突起が設けられており、前記外装下地材の下端と前記突起の下端とは同じ高さに位置する、請求項7に記載の外壁構造。
【請求項10】
少なくとも前記窓枠の上方の前記断熱層の下面全体に接するようにファイヤーストップが設けられた、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の外壁構造。
【請求項11】
少なくとも前記スキン付きの断熱層の下面全体に接するようにファイヤーストップが設けられた、請求項7に記載の外壁構造。
【請求項12】
前記窓部は、外部と前記複数の条溝とを連通する複数の空気孔を有する見切枠を前記窓枠の外側に備え、
前記複数の空気孔は、前記複数の条溝の並び方向における前記複数の空気孔の単位長さ当たり面積が、前記並び方向における前記複数の条溝の単位長さあたりの断面積より小さくなるように設けられている、
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の外壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート造の外断熱建築物に関し、より具体的には、火災時において断熱材への延焼を防止することが可能な密着通気層型の外断熱外壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート造の外断熱建築物は、コンクリート躯体の外側を断熱層で被覆するため、太陽の日射による熱ストレスを原因とするひび割れを抑制できること、コンクリート躯体が空気に接触しないため、コンクリートの中性化を抑制することができて、鉄筋棒鋼の腐蝕を防止することが可能であり、建物の耐久性が向上すること、さらに、建物内の温度環境を維持することができて、建物内の結露発生を抑制することが可能であるため、カビ、ダニの発生を抑制することができ、健康面でも優れていることなどの理由により、省エネルギーの高性能建物として評価されている。
【0003】
こうした外断熱建築物に用いられる主な外断熱工法として、以下の4つの工法を挙げることができる(非特許文献1)。
(1)乾式密着工法(図9(A))
外装下地材と断熱層とを一体化した断熱複合パネルを外壁(躯体)に張設する工法である。
(2)湿式密着工法(図9(B))
外壁(躯体)に断熱層を張設し、断熱層に薄い塗壁を塗布する工法である。
(3)通気層工法(図9(C))
外壁(躯体)に断熱層を張設し、その外側に空間を空けて外装下地材又は外装材を配置する工法である。断熱層と外装下地材又は外装材との間の空間が通気層となる。
(4)二重壁工法(図9(d))
躯体に断熱層を張設し、その外側に空間を空けて肉厚のレンガ、コンクリートブロック、コンクリート板などの外壁を配置する工法である。断熱層と外壁との間の空間が通気層となる。
【0004】
これらの工法の中で、外壁構造の内部結露を防止することができる工法として、特に(3)の通気層工法が優れると言われている。通気層工法は、断熱層と外装下地材又は外装材との間に通気層が設けられているため、室内からの水蒸気(湿気)が通気層を通って外部に排出されるとともに、外装下地材又は外装材の日射熱による温度上昇の室内への影響を抑制することができる。本出願の出願人は、通気層工法に用いることができる外断熱外壁構造として、例えば特許文献1に記載される構造を提案している。このような通気層工法においては、断熱材及び通気層を含めた厚い外壁構造に対応した特殊な笠木が求められるとともに、防火上の対策が必要である。
【0005】
本出願の出願人は、通気層工法において用いることができる笠木として、特許文献2に記載の笠木を提案している。この笠木においては、通気層から排出される空気が、笠木の傾斜片(特許文献2の図1において4Pと表示されている部分)の下部に溜まりやすい。溜まった空気は、火災時に温度が高くなると粘度が高まり、通気層からの空気の排出を阻害するおそれがある。その結果、通気層内の空気の温度が上昇し、断熱層の発火温度に達する可能性がある。
【0006】
ところで、近年、英国における高層住宅棟の火災をきっかけとして、外断熱外壁構造の耐火性の検討が行われている。英国の高層住宅棟の火災は、断熱材と外装材との間に設けられた通気層に炎が侵入して断熱材が急速に延焼した可能性が高いといわれている。本出願の出願人も、自社で開発した空気層を有する複合パネル構造において、火災時における断熱材への延焼に関して実験を行っている。
【0007】
実験の結果、火災時に断熱材に延焼する要因として、通気層における空気の流れの問題及び窓枠の構造の問題が挙げられることがわかった。
通気層の空気の流れに関して、本出願の出願人は、すでに特許文献1に開示される断熱パネルを開発している。このパネルは、内面に複数の区画通気層(条溝)を備えた成形セメント板と断熱層とを、区画通気層が断熱層に対向するとともに区画通気層の間の部分が断熱層と接する状態で層着させたものであり、外装材と断熱材とを一部において密着させながら通気層を設けた、いわゆる密着通気層型の断熱パネルである。このパネルは、すでに火災時に断熱材への延焼が生じにくい構造を有している。すなわち、このパネルでは、このパネル以前のパネルの通気層と比較して小幅の区画通気層が複数条設けられているため、火災の初期燃焼時にはそれぞれの区画通気層の内部が酸素欠乏状態となり、断熱材に引火したとしても炎が拡散しにくい。また、区画通気層の間の部分が断熱層と接しているため空気と断熱層とが接する面積が少なく、火災時に炎が区画通気層に入り込んでも断熱層に触れる炎が少ない。さらに、区画通気層が狭いため区画通気層内の空気の流速が早く、空気による冷却効果により、火災時に断熱層自身の発火温度まで達しにくい。
【0008】
一方、窓枠の構造に関して、従来は、窓枠周囲の断熱層を連続させて窓部における断熱性を維持するために、窓及び木製枠と複合パネル及びコンクリート壁との間に、外側から順に発泡ウレタンフォームとモルタルとを充填している(例えば、特許文献3)。この構造の窓枠は、断熱性の面では優れているが、屋外での火災時に外側の発泡ウレタンが燃焼した場合、その熱が断熱層に移り、断熱材が発火するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第4053561号公報
【文献】実用新案登録第3153492号公報
【文献】特許第3770494号公報
【非特許文献】
【0010】
【文献】北海道外断熱建築協会編、「外断熱工法ハンドブック」、2003年、P.30~39
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の背景技術における課題に鑑み、本発明は、火災時において断熱材への延焼を防止する機能を有する密着通気層型の断熱複合パネルと、こうした断熱複合パネルに用いることができる笠木とを備え、火災時における断熱材への延焼防止効果が従来の構造と比較してさらに高い、密着通気層型の外断熱外壁構造を提供することを課題とする。
また、本発明は、密着通気層型の外断熱外壁構造において用いることができる笠木を提供することを別の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様において、本発明は、通気層を有する密着型外断熱に用いられる火災対応型の外壁構造を提供する。外壁構造は、コンクリート外壁と、コンクリート外壁に接する断熱複合パネルとを備える。断熱複合パネルは、断熱層と、外装下地材と、外装材とを有する。断熱層は、コンクリート外壁に接して配置される。外装下地材は、断熱層に対向して配置された上下方向の複数の条溝を有し、それらの複数の条溝の間の部分が断熱層に接する。外装材は、外装下地材に接する。外壁構造は、さらに、コンクリート外壁及び断熱層の上面に接し、先端が断熱層の表面と同一面上に位置する防水層を備える。外壁構造は、さらに、防水層の少なくとも一部の上面に接し、外装下地材及び外装材の上面を覆うように配置される笠木を備える。
【0013】
笠木は、防水層の少なくとも一部の上面に接する基部と、外装下地材の上方において外装下地材に接することなく基部から水平に延びる張出部と、張出部の縁部から下方に延びる立下り部とを有し、さらに、張出部と外装下地材との間に配置された、張出部を支持する複数の支持部材を有する。
【0014】
一実施形態においては、笠木は、基部、張出部及び立下り部を各々が有する複数の笠木本体を有するものとすることができる。笠木と外装下地材との間の空間の広さは、複数の条溝の並び方向における当該空間の単位長さ当たりの断面積が、並び方向における複数の条溝の単位長さあたりの断面積より大きくなるように構成されることが好ましい。また、断熱層の防水層に近い部分が断熱層の他の部分より薄く形成されることによって、断熱層に切り欠き部が設けられ、この切り欠き部にはコンクリート材が充填されていることが好ましく、このように形成することによって、笠木の基部を、充填されたコンクリート材に固定することができる。
【0015】
一実施形態において、外壁構造は、基礎に接する下部断熱層が他の断熱層より薄く形成され、下部断熱層には外装材が接している。外装材の表面とその上方に位置する他の断熱層の表面とは同一面上にある。別の実施形態において、外壁構造は、基礎に接する下部断熱層が他の断熱層と同じ厚さで形成され、下部断熱層には外装材が接している。したがって、外装材の表面は、その上方に位置する他の断熱層の表面より突出している。外装材の上部には水切りが設けられ、水切りの上部には、断熱層に接して設けられた三角形の縦断面を持つシーリング材が設けられる。
【0016】
外壁構造はさらに窓部を備え、窓部は、窓枠と、窓枠の外側に設けられた見切枠と、窓枠の内側に設けられた木製枠とを有する。窓枠及び木製枠と、断熱層及びコンクリート外壁との間の空間は、窓枠側から順にモルタルと発泡ウレタンとを用いて充填されている。
【0017】
一実施形態においては、モルタルに接する断熱層は、スキン付きの断熱層であることが好ましい。また、断熱層又はスキン付きの断熱層の下面の外装下地材側には、下方に突出する突起が設けられていることが好ましい。この場合には、外装下地材の下端と突起の下端とは同じ高さに配置される。さらに、少なくとも窓枠の上方の断熱層又はスキン付きの断熱層の下面全体に、ファイヤーストップが設けられることが好ましい。
【0018】
見切枠は、外部と複数の条溝とを連通する複数の空気孔を有することが好ましい。複数の空気孔は、複数の条溝の並び方向における複数の空気孔の単位長さ当たり面積が、並び方向における複数の条溝の単位長さあたりの断面積より小さくなるように設けられていることが好ましい。
【0019】
別の態様において、本発明は、通気層を有する乾式密着型外断熱の外壁構造に用いられる笠木を提供する。笠木は、防水層の少なくとも一部の上面に接し、外装下地材及び外装材の上面を覆うように配置される。笠木は、防水層の少なくとも一部の上面に接する基部と、外装下地材の上方において外装下地材に接することなく基部から水平に延びる張出部と、張出部の縁部から下方に延びる立下り部とを有し、さらに、張出部と外装下地材との間に配置された、張出部を支持する複数の支持部材を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の外壁構造においては、断熱複合パネルの通気層を出た空気が、笠木の下面に留まることなく排出されるため、通気層から出た空気の流れが阻害されることがない。また、笠木の下面と断熱複合パネルの上端との間の空間のサイズは、断熱複合パネルの通気層のサイズを勘案して決められているため、通気層の内部を上昇する空気は、滞ることなくスムーズに流れ、流速も速い。さらに、窓においては、モルタル及び発泡ウレタンが、この順で充填されている。したがって、本発明に係る外壁構造は、火災時に通気層に炎が侵入した場合でも断熱層への延焼を生じにくく、この外壁構造を用いることにより、耐火性能の高い外断熱建築物を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による火災対応型外壁構造を示す断面斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による火災対応型外壁構造の一部を示す拡大縦断面図である。
図3】本発明の一実施形態による火災対応型外壁構造に用いられる断熱複合パネルを示し、(A)は横断面図、(B)は外装下地材の横断面図である。
図4】本発明の一実施形態による火災対応型外壁構造に用いられる笠木を示し、(A)は一部の斜視図、(B)は隣接する笠木本体の接続部に配置されるジョイント部材の斜視図、(C)は笠木の下の空間に配置される支持部材の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による火災対応型外壁構造における他の部分と笠木との関係を示す上面図であり、(A)は隣接する笠木本体の接続部分、(B)は笠木本体の中央部分である。
図6】本発明の一実施形態による火災対応型外壁構造の窓部周辺を示す縦断面図である。
図7】本発明の別の実施形態による火災対応型外壁構造における窓部周辺の例を示し、(A)は別の例の縦断面図、(B)はさらに別の例の縦断面図である。
図8】本発明のさらに別の実施形態による火災対応型外壁構造における複合断熱パネル下端と基礎との関係を示す縦断面図である。
図9】従来の外断熱外壁構造の縦断面図であり、(A)は乾式密着工法、(B)は湿式密着工法、(C)は通気層工法、(D)は二重壁工法である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(外壁構造の概要)
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による火災対応型外壁構造G(以下、構造Gという)を示す断面斜視図である。図2は、構造Gの一部を拡大して示す拡大縦断面図であり、窓部8は描かれていない。以下においては、外装材2の外面に沿って地面に平行な方向を幅方向、外装材2の外面に沿って幅方向と直交する方向を高さ方向、幅方向及び高さ方向と直交する方向を厚み方向という。
【0023】
構造Gは、躯体3のコンクリート外壁30と、その外側に配置される断熱複合パネル1とを備える。断熱複合パネル1は、断熱層15と、断熱層15に対して厚み方向に接する外装下地材11と、外装下地材11に対して厚み方向に接する外装材2とを有する。断熱複合パネル1は、コンクリート外壁30と断熱層15とが接するように配置される。
【0024】
構造Gは、さらに、コンクリート外壁30及び断熱層15の上面に接するように配置される防水層40を備える。防水層40の先端は、断熱層15の外面(外装下地材11と接する面)と概ね同一面上に配置されている。構造Gは、さらに、防水層40の少なくとも一部に接し、断熱複合パネル1の上面を覆うように配置される、笠木5を備える。構造Gは、窓部8をさらに備える。
【0025】
(断熱複合パネル)
構造Gにおいては、断熱複合パネル1として、例えば特許文献1に開示されるものと同じ構成のものを用いることができる。以下、特許文献1に開示される断熱複合パネル1を説明する。図3は、断熱複合パネル1の構造を示し、図3(A)は断熱複合パネル1の一部の横断面図であり、図3(B)は外装下地材11の一部の横断面図である。断熱複合パネル1は、断熱層15の外側に外装下地材11が接し、外装下地材11の外側に外装材2が接する構造を有する。断熱層15は、例えば厚さ75mm、幅500mm、高さ2700mmのサイズの1つの断熱材を、高さ方向及び幅方向に必要な枚数並べることによって形成することができる。断熱材の材質は、限定されるものではないが、典型的には、発泡プラスチック断熱材(JIS A9511)が用いられる。
【0026】
外装下地材11は、高さ方向に延びる複数の条溝14を有し、条溝14の間には厚肉部13が配置されており、条溝14の厚み方向には薄肉部12が配置される。すなわち、外装下地材11は、幅方向に、厚肉部13と、条溝14及び薄肉部12とが交互に並んだ構造を有する。断熱層15には、厚肉部13が接する。外装下地材11は、例えば厚さ26mm、幅490mm、高さ2700mmのサイズを有し、例えば深さ13mm、開口幅30mmの複数の条溝14を有する1つの押出成形セメント板が、高さ方向及び幅方向に必要な枚数並べられることによって、形成される。外装材2は、限定されるものではないが、典型的には外装用タイル、石材、塗装仕上げなどが用いられる。
【0027】
幅方向に隣接する外装下地材11及び外装材2の間には、縦目地42、421が設けられ、高さ方向に隣接する外装下地材11及び外装材2の間には、横目地41が設けられる。横目地41には、高さ方向に隣接する外装下地材11の各々の条溝14が連通するように、通気バッカー45が配置されることが好ましい。外装下地材11の下から上まで連通する条溝14は、図2に示されるように、空気流70が通る区画通気層7となる。縦目地42、421及び横目地41には、シーリング材43が充填される。
【0028】
躯体3の基礎31に対応する部分においては、図2に示されるように、構造Gは、他の断熱層15より薄く形成された下部断熱層311と、下部断熱層311に接して配置された外装材21とを有するものとすることができる。このように構成されることによって、外装材21の表面とその上方に位置する他の断熱層15の表面とが同一面上に位置することになる。したがって、区画通気層7の断面積が、区画通気層7の上端と下端とで均一になり、火災時の通気層からの排気がスムーズになる。すなわち、通気層の換気量は、通気層の最も狭い部分の断面積、通気層の高さ、空気の流動係数、重力加速度、外気温度、室温で決まり、他の条件が同じであれば通気層の最も狭い部分の断面積で決まることから、区画通気層7の上端から下端まで均一の断面積を確保することによって、火災時における区画通気層7の排気は滞ることがない。
【0029】
基礎31に対応する部分の別の実施形態を、図8に示す。この実施形態においては、構造Gは、上の断熱層15と同じ厚さで形成された下部断熱層311と、下部断熱層311に対して厚み方向に接して配置された外装材21とを有するものとすることができる。外装材21の上部には、水切り312が設けられ、水切り312の上部には、断熱層311に接して、三角形の縦断面を持つシーリング材313が配置される。三角形の縦断面を持つシーリング材313を用いることによって、区画通気層7への空気70の流入をスムーズにすることができる。また、水切り312の上部にシーリング材313が配置されることによって、火災時の水切りの融解熱を低減し、空気中に分散させることができるため、火災時に区画通気層7の内部が高温にならず、断熱層15の溶融を最小限に留めることができる。
【0030】
(笠木)
構造Gは、防水層40の少なくとも一部に接し、断熱複合パネル1の上面の上方を覆うように配置される笠木5を備える。笠木5は、図1に示されるように、幅方向に連続して配置される複数の笠木本体50によって構成される。
【0031】
図4は、笠木5の斜視図であり、図4(A)は笠木5の一部の斜視図、図4(B)は隣接する笠木本体50の接続部に配置されるジョイント部材55の斜視図、図4(C)は笠木5の下の空間に配置される支持部材6の斜視図を示す。また、図5は、コンクリート外壁30及び断熱複合パネル1の上端と、防水層40と、笠木5との関係を示す上面図であり、図5(A)は隣接する笠木本体50の端部(すなわち接続部分)、図5(B)は笠木本体50の中央部分である。なお、図5(A)において、2つの斜線で区切られた3図のうちの左図は防水層40及び断熱複合パネル1の位置関係を示し、中図は、防水層40、笠木5、ジョイント部材55及び支持部材6の位置関係を示し、右図はコンクリート外壁30及び断熱複合パネル1の位置関係を示す。図5(B)において、同じく左図は防水層40及び断熱複合パネル1の位置関係を示し、中図はコンクリート外壁30、断熱複合パネル1及び支持部材6の位置関係を示し、右図は防水層40、笠木5、支持部材6、及び断熱複合パネル1の位置関係を示す。
【0032】
各々の笠木本体50は、図2図4に示されるように、防水層40の少なくとも一部の上面に接して配置される基部5aと、基部5aに連続し、断熱複合パネル1の区画通気層7、外装下地材11及び外装材2の上方においてこれらに接することなく水平に延びる張出部5bと、張出部5bの縁部から下方に延びる立下り部5cとを有する。基部5a及び張出部5bを合わせて、水平板51ともいう。立下り部5cの下端縁には、外方に向かって斜めに形成された斜辺5dが設けられることが好ましい。笠木本体50の各々は、例えば、幅方向の長さ2000mm、厚み方向の長さ140mm、立下り部5cの高さ55mmとすることができる。笠木本体50の各々は、例えば鋼、アルミニウム、ステンレスなどを用いて作製することができ、耐火性の観点から考えれば鋼製が好ましく、耐腐食性も考慮すればアルミニウム製又はステンレス製であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0033】
笠木本体50は、さらに、笠木本体50を固定する固定具56が配置される部分に突起部54を有することが好ましい。突起部54を設けて、この下の空間にシーリング材(図示せず)を充填することによって、固定具56を挿入した部分からの雨水の浸入を防止することができる。図2に示されるように、笠木5の直下の断熱層15は、上端の一部に切欠16が設けられ、切欠16にコンクリート外壁30と同じコンクリート材30aが充填されており、固定具56が、このコンクリート材30aの部分に固定されることが好ましい。
【0034】
隣接する笠木本体50間には、図4(B)に示されるジョイント部材55が、図5(A)に示されるように2つの笠木本体50の端部間にわたって配置されることが好ましい。隣接する笠木本体50の接続部分の下方にジョイント部材55を配置することによって、隣接する笠木本体50の接続部からの雨水の浸入を防止し、仮に浸入した場合でもジョイント部材55で受けて屋上床部に排出することができる。ジョイント部材55は、笠木本体50と同形状であることが好ましく、例えば、幅方向の長さ50mmとすることができる。
【0035】
笠木5の張出部5bの下には、外装下地材11の上端との間に空間を設けるとともに張出部5を支持することができる支持部材6が配置される。支持部材6は、図5に示されるように、2つの笠木本体50が隣接する接続部分と、笠木本体50の幅方向中央部分とに配置されることが好ましいが、これらの場所に限定されるものではない。支持部材6は、図4(C)に示されるように、水平片61と、水平片61の両側から下方に延びる2つの立下り片62とを有し、水平片61の上面が張出部5b又はジョイント部材55の下面に接する。一方の立下り辺62は、断熱層15の外面と同じ面上に位置する防水層40の先端部に接するように配置される(図2図5を参照)。他方の立下り辺62の外面は、外装下地材11の外面と概ね同じ面上に位置する(図2及び図5を参照)。支持部材6は、例えば、水平片61の幅方向の長さ70mm、厚み方向の長さ28mm、立下り片の高さ10mmとすることができる。支持部材6は、例えば鋼、アルミニウム、ステンレスなどを用いて作製することができ、耐火性の観点から考えれば鋼製が好ましく、耐腐食性も考慮すればアルミニウム製又はステンレス製であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0036】
支持部材6は、固定具挿入孔64に挿入された例えばねじなどの固定具63によって、外装下地材11の厚肉部13に固定される。支持部材60は、固定具63で固定するのではなく、外装下地材11の厚肉部13に挿入される固定具57を用いて、笠木本体50とともに固定してもよい。支持部材60は、水平片61の上面をジョイント板55又は笠木本体50の下面に、例えば両面テープなどを用いて接着することによって仮固定してもよい。また、支持部材6を上下逆にして用い、水平片61の下面を外装下地材11の厚肉部13の上面に、例えば両面テープなどを用いて接着してもよい。
【0037】
(通気量について)
上述のように、笠木5は、断熱複合パネル1の上方において、外装下地材11の複数の条溝14との間に空間を保持した状態で取り付けられている。また、防水層40の先端は、断熱複合パネル1の断熱層15の外面と同一面上に位置する。そのため、複数の条溝14からなる区画通気層7の内部を上昇する空気70は、区画通気層7の上端から排出された後、笠木5と外装下地材11との間の空間を滞りなく通り、笠木5の立下り部5cと外装材2の外面との間を下降し、屋外に排出される。したがって、本発明に係る外壁構造においては、区画通気層7から排出された空気は、笠木5の下部に溜まることなく屋外に排出されるため、特許文献2に開示された笠木を用いた場合とは異なり、通気層からの空気の排出が溜まった空気によって阻害されるということがない。
【0038】
また、本発明に係る構造においては、外装下地材11の上端と笠木5との間の空気70の流れが、区画通気層7の空気70の流れを阻害しないように構成されている。すなわち、本発明において、笠木5と外装下地材11との間の空間の広さは、複数の条溝14の並び方向(すなわち、幅方向)における当該空間の単位長さ当たりの断面積が、複数の条溝14の並び方向における複数の条溝14の単位長さあたりの断面積より大きくなるように設定されている。一実施形態においては、笠木5と外装下地材11との間の空間の単位長さ当たりの断面積を約100m/mとすることができ、区画通気層7の単位長さあたりの断面積を約70m/mとすることができる。したがって、区画通気層7の下端から入り内部を上昇する空気70は、滞ることなくスムーズに流れ、そのため流速が速く、区画通気層7の内部の空気に直接接している断熱層15は、区画通気層7内の空気に冷却されて発火温度にまで至らない。
【0039】
(窓部)
次に、構造Gが備える窓部8について説明する。図6は、構造Gの窓部8及びその周辺部を示す縦断面図である。図6においては、中間部分(窓の開口部分)の一部が省略して示されている。窓部8は、窓枠80と、窓枠80の外側に設けられた見切枠81a、81bと、窓枠80の内側に設けられた木製枠82とを有するものとすることができる。窓枠80及び見切枠81a、81bは、耐火性の高いものであることが好ましく、典型的にはアルミニウムで作製される。窓枠80及び木製枠82と、断熱層15及びコンクリート外壁30との間の空間には、見切枠81の側から順に、モルタル801と発泡ウレタン802とが充填されている。この構造は、特許文献3の構造とは逆に、燃焼しづらいモルタル801が外側に配置され、燃焼しやすい発泡ウレタン802が内側に配置されているため、屋外での火災時に断熱層15に延焼する可能性を低減させることができる。
【0040】
なお、窓枠80は、支持棒鋼803を介してコンクリート外壁30と連結されているが、見切枠81の側にモルタル801が充填されているため、支持棒鋼803がモルタル801に埋設されており、したがって、支持棒鋼803の腐食を防止し、窓の耐久性を向上させることができる。
【0041】
窓部8を形成する際には、モルタル801の充填を確実に行うために、捨枠821(図7参照)を用いることが好ましい。通常、モルタル801及び発泡ウレタン802の充填は、窓枠80に木製枠82を取付けた後に行われる。しかし、特許文献3のように見切枠81の側から発泡ウレタン及びモルタルの順に充填される場合とは異なり、奥行きが長い木製枠82を取付けた後にモルタル801を充填する場合、モルタル801の充填が不十分でムラが発生する可能性がある。そこで、窓枠80に奥行きの短い捨枠821を取付け(図7)、モルタル801を充填し、モルタル801が固化した後に捨枠821を取り外して、木製枠82を取付けることが好ましい。
【0042】
断熱層15は、図6に示されるように、モルタル801に接する部分がスキン付きの断熱層151であることが好ましい。スキン付きの断熱層151は、断熱材15の表面に高密度で平滑性の高い層を設けたものである。スキン付きの断熱層151を用いることによって、見切枠81a、81bと断熱層151との間に充填されるシーリング材431と、断熱層151との接着性を向上させることができるため、区画通気層7の内部を降下する雨水が断熱層151とシーリング材431との間から侵入するのを効果的に防止することができる。
【0043】
別の実施形態においては、図7(A)に示されるように、断熱層15(又はスキン付きの断熱層151)の下面の外装下地材11側に、下方に突出する突起152が設けられるとともに、外装下地材11の下端が突起152の下端と同じ高さに位置することが好ましい。このように構成されることによって、シーリング材431の充填量を均一にして、断熱層15と見切枠81aとの接着不良を阻止し、防水性を高めることができる。
【0044】
さらに別の実施形態においては、図7(B)に示されるように、少なくとも窓枠80の上方の断熱層15(又はスキン付きの断熱層151)の下面全体に接するように、L字型ファイヤーストップ153が設けられることが好ましい。L字型ファイヤーストップ153は、融点温度が高い材料で作製されることが好ましく、例えば鋼製であることが好ましいが、これに限定されるものではない。L字型ファイヤーストップ153が設けられることによって、火災時に、見切枠81aに設けられた空気孔811a1から火炎が入った場合でも、断熱層15(又はスキン付きの断熱層151)の延焼又は溶融の可能性を低減させることができる。L字型ファイヤーストップ153は、L字の角の内側部分にバッカー442を有することが好ましい。バッカー442を有することによって、外装下地材11の下端とバッカー442の下端とが概ね同じ高さに配置されるため、シーリング材431の充填量を均一にすることができる。
【0045】
窓部8の見切枠81は、図6に示されるように、複数の空気孔811を有する。具体的には、上部の見切枠81aは、複数の条溝14と連通する複数の空気孔811a1を上部に有し、外部と連通する複数の空気孔811a2を下部に有する。外部の空気は、複数の空気孔811a2及び複数の空気孔811a1を通って複数の条溝14に入り、空気流70として上昇する。複数の空気孔811a1の総面積は、複数の空気孔811a2の総面積と同じであるか、又はそれより小さいことが好ましい。このように構成することによって、空気孔811a1を通って区画通気層7の内部に流れ込む空気量が、空気孔811a2によって阻害されないようにすることができる。
【0046】
下部の見切枠81bは、複数の条溝14と連通する複数の空気孔811b1と、外部と連通する複数の空気孔811b2とを、いずれも下部に有する。複数の条溝14の内部を上昇してきた空気流70は、複数の空気孔811b1及び複数の空気孔811b2を通って外部に排出される。複数の空気孔811b1の総面積は、複数の空気孔811b2の総面積と同じであるか、又はそれより小さいことが好ましい。このように構成することによって、空気孔811b1を通って区画通気層7から排出される空気量が、空気孔811b2によって阻害されないようにすることができる。
【0047】
複数の空気孔811a1は、複数の条溝14の並び方向(すなわち、幅方向)における複数の空気孔811a1の単位長さ当たり面積が、当該並び方向における複数の条溝14の単位長さあたりの断面積より小さくなるように設けられていることが好ましい。このように構成されることによって、火災時に空気孔811a1から入る空気量が、複数の条溝14の内部における燃焼に必要な空気量より少ないため、断熱層15の燃焼を発生しにくくすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 断熱複合パネル
11 外装下地材
12 薄肉部
13 厚肉部
14 条溝
15 断熱層
151 スキン付き断熱層
152 断熱層の突起
153 ファイヤーストップ
16 切り欠き部
2、21 外装材
3 躯体
30 コンクリート外壁
30a コンクリート材
31 基礎
311 下部断熱層
312 水切り
313 シーリング材
4 防水
40 防水層
5 笠木
5a 基部
5b 張出部
5c 立下り部
5d 斜片
50 笠木本体
51 水平板
54 突起部
55 ジョイント部材
56 固定具
6 支持部材
61 水平片
62 立下り片
63 固定具
64 固定具挿入孔
7 区画通気層
70 上昇空気流
8 窓部
80 窓枠
801 モルタル
802 発泡ウレタン
803 支持棒鋼
81a、81b 見切枠
811a、811b 空気孔
82 木製枠
821 捨材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9