(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】折りたたみ式自転車
(51)【国際特許分類】
B62K 15/00 20060101AFI20221111BHJP
【FI】
B62K15/00
(21)【出願番号】P 2019537649
(86)(22)【出願日】2018-08-22
(86)【国際出願番号】 JP2018030942
(87)【国際公開番号】W WO2019039500
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2017161391
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】508365805
【氏名又は名称】株式会社イルカ
(74)【代理人】
【識別番号】100176256
【氏名又は名称】相田 隆敬
(72)【発明者】
【氏名】小林 正樹
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-137092(JP,A)
【文献】特開平11-005582(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104648576(CN,A)
【文献】特表2015-509885(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0288857(US,A1)
【文献】国際公開第2016/162707(WO,A1)
【文献】英国特許出願公開第02400086(GB,A)
【文献】欧州特許出願公開第02769905(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行姿勢において前後方向に並ぶ前輪と後輪の間に配置されるフレームと、
一端が前記フレームに接続され、他端が前記前輪の第1面側から前記前輪を回転可能に支持する前輪側支持部材と、
を備えた折りたたみ式自転車であって、
前記前輪側支持部材は、筒状部材と、前記筒状部材内に挿入される棒状部材と、を備えており、
前記筒状部材と前記棒状部材の一方が前記フレームに接続され、他方が前記第1面側から前記前輪を回転可能に支持し、
前記筒状部材及び前記棒状部材のいずれか一方には、前記棒状部材が前記筒状部材から所定以上引き抜かれたときに折り曲げ可能となる折り曲げ部が設けられており、前記折り曲げ部を折り曲げることにより、前記前輪側支持部材が前記前輪と前記フレームの間に位置するように、前記前輪が後方へ折りたたまれることを特徴とする折りたたみ式自転車。
【請求項2】
一端が前記フレームに接続され、他端が前記後輪を回転可能に支持する後輪側支持部材を更に備え、
前記後輪側支持部材の一端は、前記走行姿勢において左右方向に延びる回転軸を中心として回転可能に前記フレームに接続されており、前記後輪は、前記後輪側支持部材の前記回転軸を中心とした回転に伴い前方へ移動し、
前記フレームには、前記前方へ移動した後輪を収容可能な収容貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ式自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い剛性を維持しながらも、よりコンパクトに折りたたむことのできる折りたたみ式自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、前輪と後輪の間に配置されたフレームを折り曲げることにより折りたたまれる折りたたみ式自転車が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、フレームを折り曲げる構成となっているため、フレームの剛性が低下してしまう。また、上記技術のように折りたたんだ場合、自転車全体の横幅が大幅に増加しまうため、少しでも横幅を小さくすることも望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、高い剛性を維持しながらも、よりコンパクトに折りたたむことのできる折りたたみ式自転車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、走行姿勢において前後方向に並ぶ前輪と後輪の間に配置されるフレームと、一端が前記フレームに接続され、他端が前記前輪の第1面側から前記前輪を回転可能に支持する前輪側支持部材と、を備えた折りたたみ式自転車であって、前記前輪側支持部材には折り曲げ可能な折り曲げ部が設けられており、前記折り曲げ部を折り曲げることにより、前記前輪側支持部材が前記前輪と前記フレームの間に位置するように、前記前輪が後方へ折りたたまれることを特徴とする折りたたみ式自転車を提供している。
【0007】
このような構成によれば、前輪を折りたたむための折りたたみヒンジをフレームに形成する必要がなくなるため、高剛性を必要とするフレームの剛性が低下することが防止される。また、前輪側支持部材が前輪とフレームの間に位置することとなるため、前輪を片持ち支持する構成の場合、前輪側支持部材が前輪の外側に突出することがなくなる。そのため、折りたたみ式自転車を折りたたんだ際の横幅を小さくすることができると共に、すっきりとした“折りたたみ姿勢”に変形することが可能となる。
【0008】
また、一端が前記フレームに接続され、他端が前記後輪を回転可能に支持する後輪側支持部材を更に備え、前記後輪側支持部材の一端は、前記走行姿勢において左右方向に延びる回転軸を中心として回転可能に前記フレームに接続されており、前記後輪は、前記後輪側支持部材の前記回転軸を中心とした回転に伴い前方へ移動することが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、後輪を折りたたむための折りたたみヒンジもフレームに形成する必要がなくなるため、高剛性を必要とするフレームの剛性が低下することが更に防止される。
【0010】
また、前記フレームには、前記前方へ移動した後輪を収容可能な収容貫通孔が形成されていることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、折りたたんだ際の折りたたみ式自転車の車高を低くすることができるので、よりコンパクトな形状に折りたたみ式自転車を折りたたむことが可能となる。また、後輪を折りたたんだ際に横幅が増加しないので、この点においても、よりコンパクトな形状に折りたたむことが可能となる。更に、前方へ移動した後輪がフレームと干渉することを回避するための複雑な機構も不要となる。
【0012】
また、前記前輪側支持部材は、筒状部材と、前記筒状部材内に挿入される棒状部材と、を備えており、前記筒状部材と前記棒状部材の一方が前記フレームに接続され、他方が前記第1面側から前記前輪を回転可能に支持し、前記筒状部材及び前記棒状部材のいずれか一方には、前記棒状部材が前記筒状部材から所定以上引き抜かれたときに折り曲げ可能となる折り曲げ部が設けられていることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、走行時に折り曲げ部に大きな負荷がかかり、折り曲げ部が意図せずに折り曲がってしまうことが防止される。特に、前輪側支持部材により前輪を片持ち支持する場合に、このような構成はより効果的である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の折りたたみ式自転車によれば、高い剛性を維持しながらも、よりコンパクトに折りたたむことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態による折りたたみ式自転車の左側面図
【
図2】本発明の実施の形態による折りたたみ式自転車の右側面図
【
図5】本発明の実施の形態による折りたたみ式自転車の正面図
【
図6】本発明の実施の形態によるシートステー部の略上面図
【
図7】本発明の実施の形態による前輪の折りたたみ動作についての説明図
【
図8】本発明の実施の形態による“折りたたみ姿勢”の折りたたみ式自転車の略正面図
【
図9】本発明の実施の形態による後輪の折りたたみ動作についての説明図
【
図10】本発明の実施の形態による“折りたたみ姿勢”の折りたたみ式自転車の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態による折りたたみ式自転車1について、
図1-
図10を参照して説明する。
【0017】
折りたたみ式自転車1は、“走行姿勢”と“折りたたみ姿勢”の間で変形可能であるが、まずは、“走行姿勢”を示した
図1-
図6を参照して、各部の構成について説明する。以下の説明においては、特に説明のない場合、“前後方向”、“上下方向”、“左右方向”は、“走行姿勢”の折りたたみ式自転車に乗車した運転手から見た方向を示すものとする。
【0018】
図1及び
図2に示すように、折りたたみ式自転車1は、フレーム2と、ハンドル部3と、前輪側支持部材4と、前輪5と、サドル部6と、後輪側支持部材7と、後輪8と、を備えている。
【0019】
フレーム2は、それぞれスチール、アルミ、カーボン、チタン等の素材により筒状に形成されたトップチューブ21と、ダウンチューブ22と、ヘッドチューブ23と、シートチューブ24と、を備えている。
【0020】
トップチューブ21は、略前後方向に延びるように配置されており、略中央部分には、
図3及び
図4に示すように、後輪8を収容可能な収容貫通孔21aが上下方向に形成されている。
【0021】
ダウンチューブ22は、トップチューブ21の略中央部分から後方かつ下方へ向けて延びている。詳細には、
図4に示すように、トップチューブ21の収容貫通孔21aが形成されている部分の両側面からそれぞれ下方かつ後方へ向けて延び、後方部分で一体となる構造を有している。従って、ダウンチューブ22が一体となる前の部分には、収容貫通孔22aが上下方向に形成されていることとなる。この収容貫通孔22aには、後輪8が収容可能である。
【0022】
ヘッドチューブ23は、トップチューブ21の前端付近に略上下方向に延びるように接続されている。ヘッドチューブ23の上方部分にはハンドル折りたたみ部23aが形成されている。
【0023】
シートチューブ24は、
図4に示すように、トップチューブ21及びダウンチューブ22の収容貫通孔21a及び収容貫通孔22aよりも後方部分に略上下方向に延びるように接続されている。
【0024】
ハンドル部3は、ハンドルステム31と、ハンドル32と、を備えている。
【0025】
ハンドルステム31は、ヘッドチューブ23の上端に略上下方向に延びるように接続されている。
【0026】
ハンドル32は、ハンドルステム31の上端付近に固定されている。
【0027】
前輪側支持部材4は、いわゆるフロントフォークに相当し、
図5に示すように、前輪5の第1面51側(本実施の形態では左面。
図5では右側)から前輪5を回転可能に片持ち支持する。なお、本実施の形態においては、前輪5の前輪側支持部材4に支持されていない面を第2面52と称す。
【0028】
詳細には、前輪側支持部材4は、筒状部材41と、棒状部材42と、を備えている。
【0029】
筒状部材41は、ヘッドチューブ23の下部の左側面に接続され、下方へ延びている。また、筒状部材41の上下方向における略中間部分には、折り曲げ可能な折り曲げ部41aが形成されている。本実施の形態では、
図1に示すように、筒状部材41の左側面に形成され後方から前方かつ上方へ延びるヒンジを、折り曲げ部41aとして採用する。
【0030】
棒状部材42は、筒状部材41の内径よりも僅かに小さな外径を有しており、上方部分が筒状部材41内に挿入され、下方部分が前輪5の第1面51側から前輪5の回転軸を支持する。
【0031】
上記した折り曲げ部41aは、棒状部材42が筒状部材41から所定以上引き抜かれたときに折り曲げ可能となる位置に設けられている。また、筒状部材41には、折り曲げ部41aが意図せずに折り曲がることを防止するための前輪側ロック部材(図示せず)が設けられている。
【0032】
なお、筒状部材41の上端は閉塞されているため、棒状部材42は筒状部材41の上端を越えて挿入されることはできない。また、棒状部材42が筒状部材41から完全に抜けてしまうことのないよう、筒状部材41及び棒状部材42には、それぞれ抜け防止部材(図示せず)が形成されている。
【0033】
サドル部6は、シートポスト61と、サドル62と、を備えている。
【0034】
シートポスト61は、シートチューブ24の上部に略上下方向に延びるように接続され、サドル62は、シートポスト61の上端付近に固定されている。
【0035】
後輪側支持部材7は、いわゆるシートステー及びチェーンステーに相当し、後輪8を回転可能に支持する。
【0036】
詳細には、後輪側支持部材7は、
図1、
図2及び
図6に示すように、一対のシートステー71と、一対の回転支持部72と、後輪側ロック部材73と、を備えている。
【0037】
一対のシートステー71は、
図6に示すように、前端部分が互いに接続されており、後端部分が後輪8の回転軸をそれぞれ左右から回転可能に支持する。
【0038】
一対のシートステー71は、その前端部分がトップチューブ21の後端に当接した状態で、トップチューブ21に略連続するように後方かつ下方へ延びている。但し、一対のシートステー71の前端部分はトップチューブ21の後端に固定されてはいない。
【0039】
一対の回転支持部72は、
図1に示すように、一対のシートステー71のそれぞれからダウンチューブ22に向けて延び、左右方向に延びる回転軸72aを中心として回転可能にダウンチューブ22に接続されている。
【0040】
ここで、一対のシートステー71の前端部分は、トップチューブ21の後端に固定されていないため、一対の回転支持部72の回転軸72aを中心とした回転に伴い、トップチューブ21の後端から離間することとなる。
【0041】
但し、一対のシートステー71の前端部分付近に設けられた後輪側ロック部材73により、トップチューブ21の後端と一対のシートステー71の前端部分との当接状態を保持することが可能である。
【0042】
また、折りたたみ式自転車1は、チェーンホイール、リアディレイラ―、チェーン、ペダル等の後輪8を回転させるための駆動系も備えているが、ここではその説明を省略する。
【0043】
続いて、折りたたみ式自転車1の折りたたみ動作について説明する。
【0044】
(1)前輪5の折りたたみ動作
【0045】
前輪5を折りたたむ際には、まず、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、前輪側支持部材4の棒状部材42の上端が、筒状部材41に形成された折り曲げ部41aよりも下方に位置するまで、棒状部材42を筒状部材41から引き抜く。これにより、筒状部材41が折り曲げ可能な状態となるので、
図7(c)に示すように、筒状部材41を折り曲げ部41aを軸として折り曲げることにより、前輪5が後方へ折りたたまれる。すなわち、前輪5は、
図8に示すように、前輪側支持部材4が前輪5とフレーム2の間に位置するように、後方へ回転移動することとなる。
【0046】
(2)後輪8の折りたたみ動作
【0047】
後輪8を折りたたむ際には、まず、
図9(a)に示す後輪側ロック部材73を操作して、一対のシートステー71の前端部分とトップチューブ21の後端との当接状態を解除する。これにより、後輪側支持部材7が回転軸72aを中心として回転可能な状態となるので、
図9(b)に示すように、回転軸72aを中心として後輪側支持部材7を回転可能させることにより後輪8を前方へ回転移動させ、
図9(c)及び
図10に示すように、トップチューブ21及びダウンチューブ22に形成された収容貫通孔21a及び収容貫通孔22aに収容させる。
【0048】
そして、
図8及び
図10に示すように、前輪5及び後輪8の折りたたみに加え、ヘッドチューブ23のハンドル折りたたみ部23aを折りたたみ、シートポスト61(サドル62)を下げることで、“折りたたみ姿勢”への変形が完了する。
【0049】
なお、本実施の形態では、前輪5及び後輪8は同一のサイズを有しており、“折りたたみ姿勢”において前輪5及び後輪8が同軸上に並ぶように各パーツの寸法が定められている。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態による折りたたみ式自転車1では、前輪側支持部材4(筒状部材41)に形成された折り曲げ部41aを折り曲げることにより、前輪側支持部材4が前輪5とフレーム2の間に位置するように、前輪5が後方へ折りたたまれる。
【0051】
このような構成によれば、前輪5を折りたたむための折りたたみヒンジをフレーム2に形成する必要がなくなるため、高剛性を必要とするフレーム2の剛性が低下することが防止される。また、前輪側支持部材4が前輪5とフレーム2の間に位置することとなるため、本実施の形態のように前輪5を片持ち支持する構成の場合、前輪側支持部材4が前輪の外側に突出することがなくなる。そのため、折りたたみ式自転車1を折りたたんだ際の横幅を小さくすることができると共に、すっきりとした“折りたたみ姿勢”に変形することが可能となる。
【0052】
また、本実施の形態による折りたたみ式自転車1では、後輪8は、後輪側支持部材7の回転軸72aを中心とした回転に伴い前方へ回転移することにより、折りたたまれる。
【0053】
このような構成によれば、後輪8を折りたたむための折りたたみヒンジもフレーム2に形成する必要がなくなるため、高剛性を必要とするフレーム2の剛性が低下することが更に防止される。
【0054】
また、フレーム2(トップチューブ21及びダウンチューブ22)には、前方へ移動した後輪8を収容可能な収容貫通孔21a及び22aが形成されている。
【0055】
このような構成によれば、折りたたんだ際の折りたたみ式自転車1の車高を低くすることができるので、よりコンパクトな形状に折りたたみ式自転車1を折りたたむことが可能となる。また、後輪8を折りたたんだ際に横幅が増加しないので、この点においても、よりコンパクトな形状に折りたたむことが可能となる。更に、前方へ移動した後輪8がフレーム2と干渉することを回避するための複雑な構造も不要となる。
【0056】
また、前輪側支持部材4の筒状部材41には、棒状部材42が筒状部材41から所定以上引き抜かれたときに折り曲げ可能となる折り曲げ部41aが設けられている。
【0057】
このような構成によれば、走行時に折り曲げ部41aに大きな負荷がかかり、折り曲げ部41aが意図せずに折り曲がってしまうことが防止される。特に、本実施の形態のように前輪側支持部材4により前輪5を片持ち支持する場合に、このような構成はより効果的である。
【0058】
尚、本発明の折りたたみ式自転車は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
(1)前輪側支持部材4
【0059】
上記実施の形態では、棒状部材42が筒状部材41から所定以上引き抜かれたときに折り曲げ部41aが折り曲げ可能としたが、前輪側支持部材4が前輪5とフレーム2の間に位置するように前輪5が折りたたまれるのであれば、必ずしもこのような構成でなくてもよい。例えば、通常のフロントフォークに折り曲げ部41aを設けるだけの構成であってもよい。但し、折り曲げ部41aが意図せずに折り曲がってしまうことを防止するためには、棒状部材42と筒状部材41による構成であることが好ましい。
【0060】
また、上記実施の形態では、前輪側支持部材4により前輪5の第1面51を片持ち支持したが、前輪5の第2面52に対しても前輪側支持部材4を設けてもよい。この場合、一方の前輪側支持部材4と前輪5との接続を解除した上で、他方の前輪側支持部材4を折り曲げればよい。また、例えば、前輪5の第1面51は前輪側支持部材4で、第2面52は通常のフロントフォークで支持する構成も考えられる。この場合も、フロントフォークと前輪5との接続を解除した上で、前輪側支持部材4を折り曲げればよい。但し、折りたたみ式自転車1を折りたたんだ際の横幅を小さくするためには、前輪5を片持ち支持する構成の方が好ましい。
【0061】
更に、上記実施の形態の前輪側支持部材4では、筒状部材41がフレーム2(ヘッドチューブ23)に接続され、棒状部材42が前輪5の回転軸を支持し、筒状部材41に折り曲げ部41aが設けられていたが、筒状部材と棒状部材の一方がフレームに接続され、他方が前輪5を回転可能に支持し、筒状部材及び棒状部材のいずれか一方に折り曲げ部が設けられていれば、その他の構成であってもよい。
【0062】
例えば、(a)筒状部材がフレームに接続され、棒状部材が前輪5の回転軸を支持し、棒状部材に折り曲げ部が設けられた構成、(b)棒状部材がフレームに接続され、筒状部材が前輪5の回転軸を支持し、筒状部材に折り曲げ部が設けられた構成、(c)棒状部材がフレームに接続され、筒状部材が前輪5の回転軸を支持し、棒状部材に折り曲げ部が設けられた構成も、本発明に含まれる。
(2)後輪側支持部材7
【0063】
上記実施の形態では、一対の回転支持部72の回転軸72aは、ダウンチューブ22との接続部に設けられたが、シートチューブ24等の他のフレームとの接続部に設けられてもよい。
(3)フレーム2
【0064】
上記実施の形態では、トップチューブ21とダウンチューブ22に収容貫通孔21a及び22aがそれぞれ形成されていたが、後輪8のサイズによっては、ダウンチューブ22にのみ形成されていてもよい。また、折りたたみ式自転車がトップチューブ21とダウンチューブ22の一方しか備えていない場合には、備えている方のチューブに収容貫通孔が形成されていればよい。
【符号の説明】
【0065】
1 折りたたみ式自転車
2 フレーム
3 ハンドル部
4 前輪側支持部材
5 前輪
6 サドル部
7 後輪側支持部材
8 後輪
21 トップチューブ
21a 収容貫通孔
22 ダウンチューブ
22a 収容貫通孔
23 ヘッドチューブ
23a ハンドル折りたたみ部
24 シートチューブ
31 ハンドルステム
32 ハンドル
41 筒状部材
41a 折り曲げ部
42 棒状部材
43 前輪側ロック部材
51 第1面
52 第2面
61 シートポスト
62 サドル
71 シートステー
72 一対の回転支持部
72a 回転軸
73 後輪側ロック部材