(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】プロテインキナーゼ阻害剤としての1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン系化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20221111BHJP
C07D 487/10 20060101ALI20221111BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20221111BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20221111BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20221111BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221111BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20221111BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20221111BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221111BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20221111BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20221111BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20221111BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20221111BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20221111BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221111BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20221111BHJP
A61P 33/06 20060101ALI20221111BHJP
A61P 33/02 20060101ALI20221111BHJP
A61P 31/22 20060101ALI20221111BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20221111BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
C07D487/04 144
C07D487/10
A61K31/519
A61K31/55
A61K31/5377
A61P35/00
A61P9/00
A61P31/00
A61P29/00
A61P37/02
A61P35/02
A61P9/10
A61P13/12
A61P17/06
A61P43/00 111
A61P31/10
A61P33/06
A61P33/02 171
A61P31/22
A61P31/20
A61P31/14
(21)【出願番号】P 2020502756
(86)(22)【出願日】2018-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2018081273
(87)【国際公開番号】W WO2018177403
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2019-11-29
(31)【優先権主張番号】201710213777.X
(32)【優先日】2017-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519352975
【氏名又は名称】晟科薬業(江蘇)有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENGKE PHARMACEUTICALS (JIANGSU) LTD.
【住所又は居所原語表記】Level 5, Building 6, 88 Zhenbei Road, Tongan, Hi-tech District, Suzhou, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】程 航
(72)【発明者】
【氏名】劉 斌
(72)【発明者】
【氏名】張 成剛
(72)【発明者】
【氏名】チェンジー・ユー
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/037843(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/005438(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/101032(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/046448(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/129858(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】
但し、
A
1はCR
3またはNから選択され;
A
2はCR
3またはNから選択され;
A
3はCR
3またはNから選択され;
R
1は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(O)NR
bR
c、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
6、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル、-L’-C
6-10アリール、または-L’-5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6基で置換されていてもよく、
R
4は、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
6は、-NH
2、-NHC
1-6アルキル、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C
3-7シクロアルキル、-L-3~7員ヘテロシクリル、-L-C
6-10アリール、または-L-5~10員ヘテロアリールから選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
4は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、R’は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3、R
5、およびR
6は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、-OH、ハロゲン、-NO
2、-L-CN、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基は各々、-L-CN、-NO
2、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、および-L-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から独立して選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
bおよびR
cはそれらが結合しているN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、および-L-5~10員ヘテロアリール基からなる群から独立して選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
Lは、化学結合、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;および
mは0、1、または2である、
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項2】
A
1はNであり;
A
2はCR
3であり;
A
3はCR
3であり;
R
1は、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2は、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
R
4はイソプロピルであり;
R
5はHであり;
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項3】
該3~11員ヘテロシクリル基は以下の基から選択される:
【化2】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項2に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項4】
R
3は、H、C
1-6アルキル基またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から独立して選択されるか、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から独立して選択される:
【化3】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項2に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項5】
R
3は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択される、請求項2に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項6】
R
3は、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基から独立して選択されるか、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から独立して選択される:
【化4】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項2に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項7】
A
1はNであり;
A
2はCR
3であり;
A
3はCR
3であり;
R
1はHであり;
R
2はHであり;
R
3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
R
5はHであり;
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項8】
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基から独立して選択されるか、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から独立して選択される:
【化5】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項7に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項9】
R
3は、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から独立して選択されるか、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から独立して選択される:
【化6】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項7に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項10】
R
4はシクロペンチルである、請求項7~9のいずれか1項に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項11】
A
1はCHであり;
A
2はCR
3であり;
A
3はCR
3であり;
R
1はHであり;
R
2はHであり;
R
3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
R
4はイソプロピルであり;
R
5はHであり;
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項12】
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から独立して選択されるか、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から独立して選択される:
【化7】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項11に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項13】
A
1はCR
3であり;
A
2はCR
3であり;
A
3はCR
3であり;
R
1はHであり;
R
2はHであり;
R
3は、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-OR
a、-O-C
1-6アルキレン-R
6、または-L’-3~7員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は、それぞれ1または2個のR
6基で置換されていてもよく;
R
4はイソプロピルであり;
R
5はHであり;
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択される、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項14】
一般式(II-1):
【化8】
但し、
R
1は、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基であり;
R
2は、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基であり;
R
3は、1、2または3個のR
6基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項15】
R
3は、1、2または3個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される:
【化9】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項14に記載の一般式(II-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項16】
R
1はHまたはC
1-6アルキル基であり;
R
2はH、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基であり;
R
3は、以下の基から選択され;
【化10】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
請求項14に記載の一般式(II-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項17】
R
1はHまたはメチルであり;
R
2はH、Brまたはメチルであり;
R
3は、以下の基から選択され:
【化11】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはメチルから選択される、
請求項14に記載の一般式(II-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項18】
一般式(II-2):
【化12】
但し、
R
2は、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3は、1、2または3個のR
6基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
R
3’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、H、C
1-6アルキル基から選択される、
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項19】
R
3は、1、2または3個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される:
【化13】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項18に記載の一般式(II-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項20】
R
2は、H、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3’は、独立してH、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され;
【化14】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、HまたはC
1-6アルキルから選択される、
請求項18に記載の一般式(II-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項21】
R
2は、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3は、1、2または3個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
R
3’は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
請求項18に記載の一般式(II-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項22】
R
3は、1、2または3個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される:
【化15】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項21に記載の一般式(II-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項23】
R
2は、H、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
3は、以下の基から選択され;
【化16】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
請求項18に記載の一般式(II-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項24】
R
2は、H、Brまたはメチルから選択され;
R
3は、以下の基から選択され;
【化17】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはメチルから選択される、
請求項18に記載の一般式(II-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項25】
一般式(II-3):
【化18】
但し、
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
R
3’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、H、またはC
1-6アルキル基から選択される、
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項26】
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される:
【化19】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項25に記載の一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項27】
R
3は、以下の基から選択され;
【化20】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してH、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、H、C
1-6アルキル基から選択される、
請求項25に記載の一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項28】
一般式(II-3):
【化21】
但し、
R
3は、以下の基から選択され;
【化22】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してH、Fまたはメチルから選択される、
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項29】
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
R
3’は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
請求項25に記載の一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項30】
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される:
【化23】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項29に記載の一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項31】
R
3は、1、2または3個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化24】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
請求項25に記載の一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項32】
R
3は、以下の基から選択され;
【化25】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
請求項25に記載の一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項33】
R
3は、以下の基から選択され;
【化26】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはメチルから選択される、
請求項25に記載の一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項34】
一般式(II-4):
【化27】
但し、
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
R
3’は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項35】
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される:
【化28】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項34に記載の一般式(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項36】
R
3は、以下の基から選択され;
【化29】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
請求項34に記載の一般式(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項37】
R
3は、以下の基から選択され;
【化30】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはメチルから選択され;
R
4は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはエチルから選択される、
請求項34に記載の一般式(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項38】
一般式(II-5):
【化31】
但し、
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
R
3’は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項39】
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される:
【化32】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項38に記載の一般式(II-5)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項40】
R
3は、以下の基から選択され;
【化33】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよい;
請求項38に記載の一般式(II-5)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項41】
R
3は、以下の基から選択され;
【化34】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはメチルから選択される、
請求項38に記載の一般式(II-5)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項42】
一般式(III):
【化35】
但し、
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
R
3’は、独立してH、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択される、
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項43】
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される:
【化36】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
請求項42に記載の一般式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項44】
R
3は、以下の基から選択され;
【化37】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはハロゲンから選択され;
R
6は、独立してC
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
1-6アルキレン-OR
aから選択され;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項42に記載の一般式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項45】
R
3は、以下の基から選択され;
【化38】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してHまたはFから選択される、
請求項42に記載の一般式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項46】
一般式(III):
【化39】
但し、
R
3は、-O-C
1-6アルキレン-R
6または-L’-3~7員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は1または2個のR
6基で置換されていてもよく;
R
3’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6アルキル基、または-OR
aから選択され;
R
6は、独立して-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され
;或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択される、
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項47】
R
3は、以下の基から選択され;
【化40】
(ここで、*は、該基が該一般式の残部に結合する位置を示す)、
R
3’は、独立してH、F、メチル、またはOMeから選択される、
請求項46に記載の一般式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物。
【請求項48】
【化41】
【化42】
【化43】
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体。
【請求項49】
請求項1~48のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはラセミ体、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、さらに1またはそれ以上の他の治療剤を含んでもよい医薬組成物。
【請求項50】
請求項1~48のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはラセミ体を含む第1容器;
備えても良い、1またはそれ以上の他の治療剤を含む第2容器;および
備えても良い、前記化合物および/または他の治療剤を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3容器を含む、
キット。
【請求項51】
CDKによる疾患を治療及び/又は予防するための薬物の調製への、請求項1~48のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはラセミ体の使用。
【請求項52】
前記CDKによる疾患は、細胞増殖性疾患、心血管疾患、感染症、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、および他の細胞増殖性障害を含む、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
該細胞増殖性疾患は乳がん、神経芽細胞腫、悪性横紋筋肉腫、高分化型および脱分化型脂肪肉腫、神経膠腫、肺がん、結腸直腸がん、胃がん、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、前立腺腫瘍、肉腫、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、メラノーマ、甲状腺がん、胆管がん、子宮内膜がん、腎がん、中皮腫、リンパ腫、白血病、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、および多発性骨髄腫を含む、固形腫瘍および血液悪性腫瘍から選択される癌であり、
該心血管疾患は、再狭窄、アテローム性動脈硬化、バルーン血管形成術に続発する血管平滑筋増殖と内膜増殖、および異常な細胞増殖による血管障害から選択され、
該感染症は、真菌、原虫、ならびにDNAおよびRNAウイルスの感染から選択され、
該慢性炎症性疾患は、関節リウマチであり、
該他の細胞増殖性障害が、ケラチン生成細胞の過剰増殖を特徴とする乾癬、糸球体腎炎、およびループスから選択される、請求項
52に記載の使用。
【請求項54】
該感染症が、熱帯熱マラリア原虫の感染症、または単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症から選択される、請求項
52に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent kinase,CDK)阻害剤として、CDKに対して広いスペクトルおよび強力な阻害活性を有する1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン系化合物を提供する。本発明の化合物は、癌および炎症などの疾患の治療に有効である。
【背景技術】
【0002】
癌は、世界中で二番目に多い死因である。世界保健機関が発表した「World Cancer Report 2014」は、世界中のがん患者と死亡症例が増加していることを明らかにした。新しい癌の症例のほぼ半数はアジアで発生し、そのほとんどは中国で発生した。また、このレポートは、世界中の癌の症例が2012年の1400万人から2025年の1900万人まで増加して2035年には2400万人に達する急速な成長傾向を予測した。その中、中国は世界の21.9%を占める。データによると、過去30年間に、中国では、癌による死亡率が80%増加し、癌の年間発症者数は約260万人、死亡者数は約180万人であった。
【0003】
細胞周期は細胞の生命活動の重要な部分である。研究によると、多種の悪性腫瘍の発生や成長は、細胞周期調節機構の障害と密接に関連しているため、腫瘍も細胞周期の疾患と見なされている。1970年代から、米国と英国の3人の科学者は、相次いでサイクリン依存性キナーゼとサイクリン(cyclin)の細胞調節における重要な役割を発見したため、2001年のノーベル生理学/医学賞を受賞した。細胞周期調節機構に関する研究の継続的な進歩に伴い、特に細胞周期調節におけるCDKの中心的な重要性を明らかにすることにより、サイクリン依存性キナーゼは、現在の抗癌剤の研究のホットスポットとなった。
【0004】
サイクリン依存性キナーゼは、セリン(Ser)/スレオニン(Thr)キナーゼの一種である。細胞内の重要なシグナル伝達分子として、サイクリンとCDK-サイクリン複合体を形成し、細胞の成長、生殖、休止またはアポトーシスに関与する(Morgan D.O.,Annu.Rev.Cell.Dev.Biol.1997;13261-13291)。他のキナーゼとは異なり、CDKは、サイクリンと対応する二量体複合体を形成しなければ機能できない。サイクリンは、周期的に継続的に発現、分解され、サイクリンで一時的に活性化されたCDKにそれぞれ結合し、CDKの活性によって、異なる基質のリン酸化を触媒して、細胞周期の異なる段階の促進と変換を実現する。さらに、CDKは、CDK阻害因子に結合して細胞分裂を阻害することもできる。ヒトにおいて、13種のCDKメンバー(CDK1~13)、および対応する12種のサイクリン(A~L)が同定された。現在、CDK1、2、4、6および7が主に細胞周期への調節作用を発揮すると考えられる。
【0005】
サイクリン依存性キナーゼの活性の増加または活性化の一過性異常は、ヒト腫瘍の形成に繋がることが示された(Sherr C.J.,Science 1996;274:1672-1677)。実際に、ヒト腫瘍の形成は、一般にCDKタンパク自体またはそのモジュレーターの変化に関連する(Cordon-Cardo C.,Am.J.Pathol.1995;147,545-560;Karp J.E.and Broder S.,Nat.Med.1995;1:309-320;Hall.M.et al.,Adv.Cancer Res.1996;68:67-108)。例えば、p16やp27のような天然に存在するCDKタンパク質阻害剤は、肺がん細胞株の生体外での成長阻害につながる(Kamb A.,Curr.Top.Microbiol.Immunol.1998;227:139-148)。小分子CDK阻害剤は、例えば、再狭窄、アテローム性動脈硬化、異常な細胞増殖による他の血管障害などの心血管障害の治療にも使用できる。バルーン血管形成術に続発する血管平滑筋増殖と内膜増殖は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤p21タンパクの過剰発現によって阻害される(Chang M.W.et al.,J.Clin.Invest.,1995;96:2260;Yang Z-Y.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.1996;93:9905)。さらに、プリンCDK2阻害剤CVT-313(Ki=95nM)は、ラットの新生内膜の形成を80%以上阻害する(Brooks E.E.et al.,J.Biol.Chem.1997:29207-29211)。CDK阻害剤は、真菌、原虫の寄生虫(例えば、熱帯熱マラリア原虫など)、DNAウイルスおよびRNAウイルスを含む多種の感染因子による疾患の治療に使用できる。例えば、サイクリン依存性キナーゼは、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染に続発するウイルス複製に必要であり(Schang L.M.et al.,J.Virol.1998;72:5626)、また、CDKホモログは、酵母において重要な役割を果たすことが知られている。選択的CDK阻害剤は、さまざまな自己免疫障害の結果を改善するために使用できる。慢性炎症性疾患である関節リウマチは、滑膜組織の増殖を特徴とする。滑膜組織の増殖を阻害すると、炎症を最小限に抑え、関節の損傷を防止する。滑膜線維芽細胞におけるCDK阻害剤p16タンパクの発現は、成長阻害に繋がる(Taniguchi K.et al.,Nat.Med.1999;5:760-767)。同様に、関節炎のラットモデルでは、p16を発現するアデノウイルス処置により関節腫脹が実質的に抑制される。CDK阻害剤は、乾癬(ケラチン生成細胞の過剰増殖を特徴とする)、糸球体腎炎、ループスを含む他の細胞の増殖障害に対して有効である。一部のCDK阻害剤は、正常な非形質転換細胞の細胞周期の進行への阻害能力により、化学保護剤として使用される(Chen et al.,J.Nat.Cancer institute,2000;92:1999-2008)。細胞傷害性薬剤の使用前に、CDK阻害剤で癌患者を前処理することにより、一般的に化学療法に伴う副作用を減らすことができる。正常な増殖状態の組織は、選択的CDK阻害剤の作用により細胞毒性から保護される。サイクリン依存性キナーゼの小分子阻害剤に関するレビュー記事では、他の酵素を阻害することなくCDKタンパクを特異的に阻害する化合物の特定は困難であると指摘した。
【0006】
CDK4および/またはCDK6に対する選択性のある標的治療薬は、以下のメカニズムで役割を果たすことができる。(1)CDK4遺伝子の増幅またはタンパク質の高発現は、高度に分化および脱分化した脂肪肉腫、および他の一部の固形腫瘍や血液悪性腫瘍において頻繁に見られる;(2)サイクリンD1の増幅または高発現は、マントル細胞リンパ腫および多種の固形腫瘍においても見られる;(3)p16 INK4A遺伝子(CDKN2A)の損失も、多くの癌においてよく見られる。細胞において、p16 INK4Aタンパクは、CDK4の天然の阻害剤であり、p16の損失を有する癌は、一般にCDK4の阻害に敏感である。例えば、卵巣癌では、これらの癌細胞株は、p16タンパクのレベルが低く、Rbの発現が高く、CDK4の阻害剤に比較的に敏感である。CDK6タンパクとCDK4タンパクの類似性が高いため、現在のCDK4阻害剤は、CDK6プロテインキナーゼに対しても同様の阻害効果を有する。現在、パルボシクリブ(palbociclib、PD0332991)、LEE011およびLY2835219の3つのCDK4/CDK6阻害剤は、すでに臨床試験段階に入った。これらの阻害剤は、CDK4/6がサイクリンDと複合体を形成できず、G1期からS期への細胞周期を効果的に阻止することで、腫瘍細胞の増殖を阻害する目標を達成し、単独でまたは他の標的治療薬との併用で、乳がん、神経芽細胞腫、悪性横紋筋腫、リンパ腫、肉腫およびその他の腫瘍における抗腫瘍活性を示す。
【0007】
CDK4およびCDK6の選択的阻害剤に加えて、すべてのCDK1、CDK2、CDK5、CDK9およびCDK12に対する阻害活性を有するDinaciclib(SCH-727965、MK-7965)などの汎用CDK阻害剤も臨床試験段階に入り、固形腫瘍の標的療法における有望な抗癌活性を示す。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤として広いスペクトルおよび強力な阻害活性を有する1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン系化合物を提供する。本発明の化合物は、例えば、再狭窄、癌および炎症などの細胞増殖性障害の治療に有効である。既知の薬物と比較して、本発明の化合物は、既知の化合物に比べて、代謝安定性およびクリアランスを含む薬物動態特性をさらに改善する。さらに、本発明の化合物は、合成しやすく、様々な方法によって患者に投与される。
【0009】
本発明の一局面では、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物を提供する。
【化1】
但し、
A
1はCR
3またはNから選択され;
A
2はCR
3またはNから選択され;
A
3はCR
3またはNから選択され;
R
1は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(O)NR
bR
c、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
6、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル、-L’-C
6-10アリール、または-L’-5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6基で置換されていてもよく、
R
4は、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
6は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C
3-7シクロアルキル、-L-3~7員ヘテロシクリル、-L-C
6-10アリール、または-L-5~10員ヘテロアリールから選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
4は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、R’は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3、R
5、およびR
6は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル基、-L-CN、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基は、-L-CN、-NO
2、カルボニル基、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
bおよびR
cはN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
Lは、化学結合、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
mは0、1、または2である。
【0010】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物、および薬学的に許容される任意の賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0011】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供し、この医薬組成物は、さらに他の治療薬を含む。
【0012】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物、他の治療薬、および薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒介物を含むキットを提供する。
【0013】
また、別の局面では、本発明は、CDKによる疾患を治療及び/又は予防するための薬物の調製への、本発明の化合物の使用を提供する。
【0014】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物または本発明の組成物を被験者に投与することを含む、前記被験者におけるCDKによる疾患を治療および/または予防する方法を提供する。
【0015】
また、別の局面では、本発明は、CDKによる疾患の治療および/または予防のための本発明の化合物または本発明の組成物を提供する。
【0016】
具体的な実施形態において、前記疾患は、癌、心血管疾患、感染症、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、および他の細胞増殖性障害を含むが、これらに限定されない。より具体的には、前記癌として、例えば、乳がん、神経芽細胞腫、悪性横紋筋肉腫、高分化型および脱分化型脂肪肉腫、神経膠腫、肺がん、結腸直腸がん、胃がん、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、前立腺腫瘍、肉腫、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、メラノーマ、甲状腺がん、胆管がん、子宮内膜がん、腎がん、中皮腫、リンパ腫、白血病、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、および多発性骨髄腫などの固形腫瘍および血液悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。前記心血管疾患は、例えば、再狭窄、アテローム性動脈硬化、バルーン血管形成術に続発する血管平滑筋増殖と内膜増殖、および異常な細胞増殖による血管障害である。前記感染症として、真菌、原虫(例えば、熱帯熱マラリア原虫など)、ならびに単純ヘルペスウイルス(HSV)感染などのDNAおよびRNAウイルスの感染を含む。前記慢性炎症性疾患は、例えば関節リウマチである。前記他の細胞増殖性障害として、(ケラチン生成細胞の過剰増殖を特徴とする)乾癬、糸球体腎炎、ループスなどが挙げれれる。
【0017】
本発明の他の目的および利点は、以下の具体的な実施形態、実施例および特許請求の範囲から、当業者に明らかである。
【0018】
定義
化学定義
以下、具体的な官能基と化学用語の定義についてより詳細に説明する。
【0019】
数値範囲が挙げられる場合、その範囲内の各値および部分範囲を含む。例えば、「C1-6アルキル基」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、C5-6アルキル基を含む。
【0020】
本明細書中に記載される場合、以下に定義される部分のいずれかは、種々の置換基で置換されていてもよいこと、およびそれぞれの定義は、以下に記載されるようなそれらの範囲内の置換された部分を含むことが、理解されるべきである。特に記載されない限り、用語「置換」は、以下に記載されるように定義される。
【0021】
「C1-6アルキル基」とは、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和一価アルキル(炭化水素)基を指す。一部の実施形態では、C1-4アルキル基が好ましい。典型的なC1-6アルキル基として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、ペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシルなどが挙げられる。「C1-6アルキル基」という用語には、炭素原子がO、S、Nまたは置換窒素原子から選択される1~3個の原子で置換されたヘテロアルキル基も含まれる。アルキル基は、任意の利用可能な結合部位に、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換される。
【0022】
「C2-6アルケニル基」は、エテニル、3-ブテン-1-イル、2-エテニルブチル、3-ヘキセン-1-イルなどの、2~6個の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、C2-4アルケニル基が好ましい。「C2-6アルケニル基」という用語には、炭素原子がO、S、Nまたは置換窒素原子から選択される1~3個の原子で置換されていてもよいヘテロアルケニル基も含まれる。アルケニル基は、任意の利用可能な結合部位に、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換される。
【0023】
「C2-6アルキニル基」とは、2~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐炭化水素基を指す。このC2-6アルキニル基は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有し、また、任意で1つ以上の不飽和炭素-炭素二重結合を有しても良い。一部の実施形態では、C2-4アルキニル基が好ましい。典型的なアルキニル基として、エチニル、プロピニル、イソプロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルが挙げられる。「C2-6アルキニル基」という用語には、炭素原子がO、S、Nまたは置換窒素原子から選択される1~3個の原子で置換されていてもよいヘテロアルキニル基も含まれる。アルキニル基は、任意の利用可能な結合部位に、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換される。
【0024】
「-C1-6アルキレン-、-C2-6アルケニレン-、または-C2-6アルキニレン-」とは、以上定義された「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、またはC2-6アルキニル基」の二価の基を指す。
【0025】
「C1-6アルキレン」は、C1-6アルキル基から1つの水素を除去した二価のアルキレンを指し、置換または非置換のアルキレンであってもよい。一部の実施形態では、C1-4アルキレンが特に好ましい。非置換アルキレンとして、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)、ペンチレン(-CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘキシレン(-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な置換アルキレンとして、例えば、置換メチレン(-CH(CH3)-、-C(CH3)2-)、置換エチレン(-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH2C(CH3)2-)、置換プロピレン(-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2CH2-、-CH2CH2C(CH3)2-)などの1つ以上のアルキル(メチル)で置換されたアルキレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
「C2-6アルケニレン」は、C2-6アルケニレンから1つの水素を除去した二価のアルキレンを指し、置換または非置換のアルケニレンであってもよい。一部の実施形態では、C2-4アルケニレンが特に好ましい。例示的な非置換アルケニレン基として、エテニレン(-CH=CH-)およびプロペニレン(例えば、-CH=CHCH2-、-CH2-CH=CH-)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な置換アルケニレン基として、例えば、置換エテニレン(-C(CH3)=CH-、-CH=C(CH3)-)、置換プロペニレン(-C(CH3)=CHCH2-、-CH=C(CH3)CH2-、-CH=CHCH(CH3)-、-CH=CHC(CH3)2-、-CH(CH3)-CH=CH-、-C(CH3)2-CH=CH-、-CH2-C(CH3)=CH-、-CH2-CH=C(CH3)-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
「C2-6アルキニレン」は、C2-6アルキニレンから1つの水素を除去した二価のアルキニレンを指し、置換または非置換のアルキニレンであってもよい。一部の実施形態では、C2-4アルキニレンが特に好ましい。例示的なアルキニレン基として、エチニレン(-C≡C-)、置換または非置換プロピニレン(-C≡CCH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を意味する。
【0029】
「C1-6ハロゲン化アルキル基」とは、1つ以上のハロゲン基で置換された前記「C1-6アルキル基」を意味する。例として、モノハロゲン化、ジハロゲン化、およびパーハロゲン化が挙げられる。モノハロゲン置換基は、1つのヨウ素、臭素、塩素またはフッ素原子を有しても良い。ジハロゲン置換基およびポリハロゲン置換基は、2つ以上の同一のハロゲン原子または異なるハロゲンの組み合わせを有しても良い。好ましいハロゲン化アルキル基の例として、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが挙げられる。ハロゲン化アルキル基は、任意の利用可能な結合部位に、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換される。
【0030】
「C3-7シクロアルキル基」とは、3~7個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を持つ非芳香族環式炭化水素基を指す。一部の実施形態において、C3-6シクロアルキル基は特に好ましく、C5-6シクロアルキル基が更に好ましい。シクロアルキル基には、さらに、前記シクロアルキル環が1個以上のアリール基或はヘテロアリール基と縮合した環系を含み、ここで、連結点はシクロアルキル環に位置し、また、このような場合、炭素数は依然としてシクロアルキル系中の炭素数を示す。例示的な前記シクロアルキル基として、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)、シクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0031】
「3~11員ヘテロシクリル基」は、環炭素原子と1~5個の環ヘテロ原子を有する3~11員非芳香環系の基であり、ここで、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロシクリル基において、結合価が許容される限り、連結部位は炭素または窒素原子であってもよい。一部の実施形態では、環炭素原子および1~5個の環ヘテロ原子を有する3~9員の非芳香族環系である3~9員ヘテロシクリル基が好ましい。一部の実施形態では、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する3~7員の非芳香族環系である3~7員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する3~6員の非芳香族環系である3~6員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する4~6員の非芳香族環系である4~6員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する5~6員の非芳香族環系である5~6員ヘテロシクリル基がより好ましい。さらに、ヘテロシクリル基は、前記ヘテロシクリル基環と1つ以上のシクロアルキル基と縮合した環系を含み、ここで、連結点はシクロアルキル環上に位置する;或は、前記ヘテロシクリル環が一つ或は複数のアリール基或はヘテロアリール基と縮合した環系を含み、その中、連結点はヘテロシクリル環上に位置する。且つ、このような情況で、環員数は、依然としてヘテロシクリル基の環の員数を示す。1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリルの例として、アジリジニル、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)が挙げられるが、それらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリル基の例として、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基の例として、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンが挙げられるが、それに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルの例として、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、オキサゾリジン-2-オンが挙げられるが、これらには限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基の例として、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基の例として、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)が挙げられるが、それらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基の例として、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられるが、それらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルの例として、トリアジナニル(triazinanyl)が挙げられるが、それに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリル基の例として、アゼパニル、オキセパニル、チエパニルが挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合された例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書では、5,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)として、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合された例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書では、6,6-二環式ヘテロシクリル基とも称される)として、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0032】
さらに、3~11員のヘテロシクリル基には、スピロヘテロシクリル基、即ち、2つの環(例えば、ヘテロシクリルおよびカルボシクリル)が1つの炭素原子を共有する基を含み、ここで、少なくとも1つの環は上記で定義したヘテロシクリル基である。より具体的には、前記スピロヘテロシクリル基は、2つの4員環、2つの5員環、2つの6員環、1つの4員環と1つの5員環、1つの4員環と1つの6員環、または1つの5員環と1つの6員環によって形成されたスピロ環であり、ここで、少なくとも1つの環が上記で定義した4~6員ヘテロシクリル基、1個、2個または3個のヘテロ原子O、N又はSを含む4~6員ヘテロシクリル基が好ましく、1個のヘテロ原子Nを含む4~6員ヘテロシクリル基がより好ましい。具体的に、スピロヘテロシクリル基として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【化2】
【0033】
好ましいヘテロシクリル基として、ピロリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフリル、チアゾリジニル、ジヒドロチアゾリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキソール、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、1,2-ジヒドロイソキノリン、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-3-アザフルオレン、5,6,7-トリヒドロ-1,2,4-トリアゾロ[3,4-a]イソキノリル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、ベンゾ[1,4]ジオキソール、2,3-ジヒドロ-1H-lk’-ベンゾ[d]イソチアゾール-6-イル、2,3-ジベンゾ[1,4]ジオキシニル、ジヒドロベンゾフラン、2-オキソアジリジン-1-イル、2-オキソアゼチジン-1-イル、2-オキソピロリジン-1-イル、2-オキソピペリジン-1-イル、2-オキソアゼパン-1-イル、2-オキソアゾカン-1-イル、2-オキソアゾナン-1-イル、2-オキソアゼカン-1-イル、アジリジン、アゼチジン、ピロリジニル、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、アゾナン、アゼカン、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、ジアザスピロ[3.4]オクタン、ジアザスピロ[3.5]ノナン、ジアザスピロ[4.4]ノナン、ジアザスピロ[4.5]デカン、およびジアザスピロ[5.5]ウンデカンが挙げられる。
【0034】
「C6-10アリール基」は、6~10個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する単環式または多環式(例えば、二環式)の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有する6または10個のπ電子を有する)の基を指す。一部の実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例えば、フェニル基)。一部の実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチル、2-ナフチルなどのナフチル)。アリール基は、更に前記アリール環が1個以上のシクロアルキル基或はヘテロシクリル基と縮合した環系を含み、且つ、連結部位は前記アリール環に位置し、この場合、炭素原子数は依然として前記アリール環系内の炭素原子数を示す。
【0035】
「5~10員ヘテロアリール基」は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有された6または10個のπ電子を有する)を有する基であり、ここで、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素および硫黄から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合価が許容される限り、連結点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1個以上のヘテロ原子を含み得る。ヘテロアリール基は、さらに前記ヘテロアリール環が一つ或は複数のシクロアルキル基或はヘテロシクリル基と縮合した環システムを含み、且つ連結部位は前記ヘテロアリール環に位置し、その場合、炭素原子数は依然として前記ヘテロアリール環系中の炭素原子数を示す。一部の実施形態において、環炭素原子と1-4の環ヘテロ原子を有する5-6員単環式或は双環の4n+2芳香環系である5~6員ヘテロアリール基は特に好ましい。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、テトラゾリルが挙げられるが、これに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。3または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基として、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基として、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基として、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
好ましいヘテロアリール基の例として、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(4H-1,2,4-トリアゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、ピラニル、2-フリル、3-フラン、2-チエニル、3-チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル(1,2,4-オキサゾリル、1,3,4-オキサゾリル、1,2,5-オキサゾリル)、チアゾリル、チアジアゾリル(1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル)が挙げられる。
【0037】
「カルボニル」は、単独で使用される場合にも、または他の用語と組み合わせて使用される(例えば、アミノカルボニル)場合にも、-C(O)-で表される。
【0038】
「オキソ」は=Oを表す。
【0039】
「チオキソ」は=Sを表す。
【0040】
本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボシクリル基、ヘテロシクリル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、置換されていてもよいものである。一般に、「置換された」という用語は、「されていてもよい」という用語と組み合わせるかどうかにかかわらず、基(例えば、炭素または窒素原子)に存在する少なくとも1つの水素が許容される置換基で置換されることを意味する。ここで、この置換基は、例えば、置換されると、自発的に変換(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応など)しない化合物のような安定な化合物を生成するものである。特に明記しない限り、「置換された」基は、その基の1つ以上の置換可能な部位に置換基を有し、且つ任意の所定の構造の1つ以上の部位が置換された場合、それぞれの部位で置換基は同じであってもよく、または異なっても良い。「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容可能な置換基(安定化合物の形成をもたらす本明細書に記載のいずれかの置換基)による置換が含まれる。本発明について、窒素原子などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たし、且つ安定な部分を形成する、水素置換基および/または本明細書に記載の任意の適切な置換基を有しても良い。
【0041】
例示的な炭素原子置換基としては、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)3
+X-、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)2、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)2Raa、-OP(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、-P(=O)(NRbb)2、-OP(=O)(NRbb)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(NRbb)2、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
または、炭素原子上の2つのジェミナル水素は、=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbbもしくは=NORcc基で置換される;
各Raaは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rbbは、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rccは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rddは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3
+X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されるか、または2つのジェミナルRdd置換基が連結して=Oもしくは=Sを形成し得る;
各Reeは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、アリール、複素環基、およびヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換される;
各Rffは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が連結して、複素環基またはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換される;
各Rggは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1-6アルキル基、-ON(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)3
+X-、-NH(C1-6アルキル基)2
+X-、-NH2(C1-6アルキル基)+X-、-NH3
+X-、-N(OC1-6アルキル基)(C1-6アルキル基)、-N(OH)(C1-6アルキル基)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル基、-SS(C1-6アルキル基)、-C(=O)(C1-6アルキル基)、-CO2H、-CO2(C1-6アルキル基)、-OC(=O)(C1-6アルキル基)、-OCO2(C1-6アルキル基)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1-6アルキル基)2、-OC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)C(=O)(C1-6アルキル基)、-NHCO2(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル基)2、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)OC1-6アルキル基、-C(=NH)N(C1-6アルキル基)2、-C(=NH)NH(C1-6アルキル基)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1-6アルキル基)2、-OC(NH)NH(C1-6アルキル基)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1-6アルキル基)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1-6アルキル基)、-SO2N(C1-6アルキル基)2、-SO2NH(C1-6アルキル基)、-SO2NH2、-SO2C1-6アルキル基、-SO2OC1-6アルキル基、-OSO2C1-6アルキル基、-SOC1-6アルキル基、-Si(C1-6アルキル基)3、-OSi(C1-6アルキル基)3、-C(=S)N(C1-6アルキル基)2、C(=S)NH(C1-6アルキル基)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1-6アルキル基)、-C(=S)SC1-6アルキル基、-SC(=S)SC1-6アルキル基、-P(=O)2(C1-6アルキル基)、-P(=O)(C1-6アルキル基)2、-OP(=O)(C1-6アルキル基)2、-OP(=O)(OC1-6アルキル基)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、C3-C7炭素環基、C6-C10アリール基、C3-C7複素環基、C5-C10ヘテロアリール基であるか;または2つのジェミナルRgg置換基が連結して=Oもしくは=Sを形成してもよく;ここで、X-は、対イオンである。
【0042】
例示的な窒素原子上の置換基としては、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されないか、または窒素原子に結合した2つのRcc基は、連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上記の通りである。
【0043】
他の定義
「癌」という用語は、乳房、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、食道、胃、皮膚、肺、骨、結腸、膵臓、甲状腺、胆道、頬面窩洞および咽頭(口)、唇、舌、口、咽頭、小腸、結腸直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系の癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、角化棘細胞腫、類表皮癌、大細胞癌、腺癌、腺腫、濾胞状癌、未分化癌、乳頭癌、セミノーマ、メラノーマ、肉腫、膀胱癌、肝臓癌、腎臓癌、骨髄障害、リンパ障害、ホジキン病、有毛細胞癌、および白血病などの癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書で使用される「治療」という用語は、この用語が適用される障害または病状、或いはこのような障害または病状の1つ以上の症状の進行または予防の逆転、緩和、抑制に関する。本明細書で使用される名詞「治療」は、動詞である治療の行為に関連し、後者は前記定義の通りである。
【0045】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物のカルボン酸塩やアミノ酸付加塩は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、患者の組織と接触して使用することに適し、合理的な利益/リスク比に見合って、それらの所望の応用に有効であり、可能であれば、本発明の化合物の双性イオン型を含む。
【0046】
「塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機酸付加塩を意味する。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製段階にin situで調製され、或いは、遊離塩基形態の精製化合物を適切な有機または無機酸と別々に反応させて生成される塩を単離することにより調製される。本発明の化合物が塩基性化合物である限り、それらは様々な無機酸および有機酸と複数の異なる塩を形成することができる。このような塩は動物への投与に対して薬学的に許容される必要があるが、実際には、最初に反応混合物から塩基性化合物の薬学的に許容されない塩を単離した後、塩基性の試薬で処理して単純に遊離塩基化合物に変換し、続いて遊離塩基を薬学的に許容される酸付加塩に変換する。塩基性化合物の酸付加塩は、通常の方法で遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させて塩を形成することにより調製される。遊離塩基は、通常の方法で塩の形態を塩基と接触させ、さらに遊離塩基を単離することで、再生される。遊離塩基の形態は、例えば、極性溶媒への溶解度などの物理的特性がそれぞれの塩の形態によって多少異なるが、本発明の目的では、塩はそれぞれの遊離塩基と同等である。
【0047】
投与される「被験者」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児被験者(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験者(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人)の男性または女性)および/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコおよび/またはイヌ)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、被験者は、ヒトである。一部の実施形態において、被験者は、非ヒト動物である。用語「ヒト」、「患者」および「被験者」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0048】
「疾患」、「障害」および「病状」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0049】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される用語「治療」は、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患している間に行われ、その疾患、障害または病状の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または病状の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療性治療」)を想定し、そしてまた、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患し始める前に行われる行為(「予防性治療」)を想定する。
【0050】
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を引き起こすために充分な量のことを指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的目標、化合物の薬物動態学、治療される疾患、投与様式、ならびに被験者の年齢、健康状態、および病状などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療有効量および予防有効量を含む。
【0051】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される化合物の「治療有効量」とは、疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障害または病状に関連する1つまたは1つより多くの症状を遅延させるかまたは最小にするために充分な量である。化合物の治療有効量とは、その疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供する、単独でまたは他の治療法と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または病状の症状または原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効果を増強する量を含む。
【0052】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害もしくは病状、またはその疾患、障害もしくは病状に関連する1つもしくは1つより多くの症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または病状の予防において予防上の利点を提供する、単独でまたは他の薬剤と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効果を増強する量を含む。
【0053】
「組み合わせ」及び関連用語は、本発明の化合物と他の治療剤とを同時に又は順次投与することを意味する。例えば、本発明の化合物は、別々の単位製剤で他の治療剤と同時に又は順次に投与したり、単一の単位製剤で他の治療剤と同時に投与したりすることができる。
【0054】
発明を実施するための形態
本明細書で使用される「本発明の化合物」という用語は、以下の式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、またはそれらの混合物を指す。
【0055】
本明細書では、化合物は、一般に標準的な命名法で記載される。不斉中心を有する化合物については、特に明記しない限り、すべての光学異性体およびその混合物を含むことが理解されるべきである。さらに、本発明に含まれるすべての異性体化合物および炭素-炭素二重結合は、特に明記しない限り、ZおよびEの形で現れる可能性がある。異なる互変異性型で存在する化合物について、前記化合物は、特定の互変異性体に限定されず、すべての互変異性型を含むことを意図する。説明や変数を含む通常の式は、一部の化合物に使用される。特に指定のない限り、このような式の各変数は、他の変数、および各出現で式中の各変数を独立して定義した複数の変数とは独立して定義される。
【0056】
一実施形態において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物に関する。
【化3】
但し、
A
1はCR
3またはNから選択され;
A
2はCR
3またはNから選択され;
A
3はCR
3またはNから選択され;
R
1は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3~7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(O)NR
bR
c、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
6、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル、-L’-C
6-10アリール、または-L’-5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6基で置換されていてもよく、
R
4は、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
6は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C
3-7シクロアルキル、-L-3~7員ヘテロシクリル、-L-C
6-10アリール、または-L-5~10員ヘテロアリールから選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
4は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、R’は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3、R
5、およびR
6は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル基、-L-CN、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基は、-L-CN、-NO
2、カルボニル基、-L-OR
a、-L-SR
a、-L-NR
bR
c、-L-C(O)R
a、-L-C(S)R
a、-L-C(O)OR
a、-L-C(S)OR
a、-L-C(O)-NR
bR
c、-L-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)R
a、-L-O-C(S)R
a、-L-N(R
b)-C(O)-R
a、-L-N(R
b)-C(S)-R
a、-L-S(O)
mR
a、-L-S(O)
mOR
a、-L-S(O)
mNR
bR
c、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-L-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)OR
a、-L-N(R
b)-C(S)OR
a、-L-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-L-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-L-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-L-O-C(O)-NR
bR
c、-L-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
bおよびR
cはN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
Lは、化学結合、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
mは0、1、または2である。
【0057】
A1、A2およびA3
一実施形態において、A1はCR3であり;別の実施形態において、A1はCHであり;別の実施形態において、A1はNである。
【0058】
一実施形態において、A2はCR3であり;別の実施形態において、A2はCHであり;別の実施形態において、A2はNである。
【0059】
一実施形態において、A3はCR3であり;別の実施形態において、A3はCHであり;別の実施形態において、A3はNである。
【0060】
一実施形態において、A1はNであり、A2はCR3であり、且つA3はCR3であり;別の実施形態において、A1はCR3であり、A2はCR3であり、A3はCR3である。
【0061】
R1
一実施形態において、R1はHであり;別の実施形態において、R1はハロゲンであり;別の実施形態において、R1は-CNであり;別の実施形態において、R1は-ORaであり;別の実施形態において、R1は-SRaであり;別の実施形態において、R1は-NRbRcであり;別の実施形態において、R1は-C(O)Raであり;別の実施形態において、R1は-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R1は-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R1はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R1はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R1はC3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R1は3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R1はC6-10アリール基であり;別の実施形態において、R1は5~10員ヘテロアリール基である。
【0062】
R2
一実施形態において、R2はHであり;別の実施形態において、R2はハロゲンであり;別の実施形態において、R2は-CNであり;別の実施形態において、R2はアルキル基であり;別の実施形態において、R2はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R2はC3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R2は3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R2はC6-10アリール基であり;別の実施形態において、R2は5~10員ヘテロアリール基である。
【0063】
一実施形態において、R2はH、ハロゲン、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R2はH、ハロゲンまたはC1-6アルキル基である。
【0064】
R3
一実施形態において、R3はHであり;別の実施形態において、R3はハロゲンであり;別の実施形態において、R3は-CNであり;別の実施形態において、R3は-NO2であり;別の実施形態において、R3は-L-ORaであり;別の実施形態において、R3は-L-SRaであり;別の実施形態において、R3は-L-NRbRcであり;別の実施形態において、R3は-L-C(O)Raであり;別の実施形態において、R3は-L-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R3は-L-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R3は-L-S(O)mRaであり;別の実施形態において、R3は-L-S(O)mORaであり;別の実施形態において、R3は-L-S(O)mNRbRcであり;別の実施形態において、R3は-O-C1-6アルキレン-R6であり;別の実施形態において、R3はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R3はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R3は-L’-C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R3は-L’-3-11員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R3は-L’-3-9員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R3は-L’-C6-10アリール基であり;別の実施形態において、R3は-L’-5~10員ヘテロアリール基である。
【0065】
上記のR3の実施形態において、前記基は、1、2、3、4または5個のR6基で置換されていてもよい。一実施形態において、前記基は1個のR6基で置換されている。別の実施形態において、前記基は2つのR6基で置換されている。別の実施形態において、前記基は3つのR6基で置換されている。別の実施形態において、前記基は4つのR6基で置換されている。別の実施形態において、前記基は5個のR6基で置換されている。
【0066】
より具体的な実施形態において、R
3は-L’-3~11員ヘテロシクリル基から選択され、ここで、前記3~11員ヘテロシクリルは以下の基から選択される。
【化4】
【0067】
別の実施形態において、R3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR6基で置換されていてもよい-L’-3~11員ヘテロシクリル基(好ましくは、3-11員ヘテロシクリル基)から選択され;別の実施形態において、R3は、独立してH、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR6基で置換されていてもよい-L’-3~11員ヘテロシクリル基(好ましくは、3~11員ヘテロシクリル基)から選択され;別の実施形態において、R3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR6基で置換されていてもよい-L’-5~6員ヘテロシクリル基(好ましくは、5~6員ヘテロシクリル基)から選択され;別の実施形態において、R3は、独立してH、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR6基で置換されていてもよい-L’-5~6員ヘテロシクリル基(好ましくは、5-6員ヘテロシクリル基)から選択される。
【0068】
別の実施形態において、R
3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される。
【化5】
別の実施形態において、R
3は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される。
【化6】
別の実施形態において、R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される。
【化7】
別の実施形態において、R
3は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される。
【化8】
【0069】
別の実施形態において、R3は、独立して1、2、3または4個のR6基で置換されていてもよい-L’-3~11員ヘテロシクリル基(好ましくは、3~11員ヘテロシクリル基)から選択され;別の実施形態において、R3は、独立して1、2、3または4個のR6基で置換されていてもよい-L’-5~6員ヘテロシクリル基(好ましくは、5~6員ヘテロシクリル基)から選択される。
【0070】
別の実施形態において、R
3は、独立して1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される。
【化9】
別の実施形態において、R
3は、独立して1、2または3個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択される。
【化10】
別の実施形態において、R
3は、-O-C
1-6アルキレン-R
6、-L’-3~11員ヘテロシクリル基、または-C(O)NR
bR
cから選択され、これらの基は、1または2個のR
6基で置換されていてもよい。
【0071】
一実施形態において、A2またはA3がCR3である場合、R3はR3’である。別の実施形態において、R3’はH、ハロゲン、C1-6アルキル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され、R3は上記のとおりである。別の実施形態において、R3’はH、C1-6アルキル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され、R3は上記の通りである。
【0072】
R4
一実施形態において、R4は、-C(O)Raであり;別の実施形態において、R4は、-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R4は、-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R4は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R4は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R4は、C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R4は、3~7員ヘテロシクリル基である。
【0073】
別の実施形態において、R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;別の実施形態において、R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、またはC3-7シクロアルキル基から選択され;別の実施形態において、R4は、C1-6アルキル基、またはC3-7シクロアルキル基から選択され;別の実施形態において、R4は、イソプロピル基であり;別の実施形態において、R4は、シクロペンチル基であり;別の実施形態において、R4は、シクロプロピル基である。
【0074】
R5
一実施形態において、R5は、Hであり;別の実施形態において、R5は、ハロゲンであり;別の実施形態において、R5は、-CNであり;別の実施形態において、R5は、-ORaであり;別の実施形態において、R5は、-SRaであり;別の実施形態において、R5は、-NRbRcであり;別の実施形態において、R5は、-C(O)Raであり;別の実施形態において、R5は、-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R5は、-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R5は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R5は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R5は、C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R5は、3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R5は、C6-10アリール基であり;別の実施形態において、R5は、5~10員ヘテロアリール基である。
【0075】
R6
一実施形態において、R6は、Hであり;別の実施形態において、R6は、-NH2であり;別の実施形態において、R6は、-NHC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R6は、-N(C1-6アルキル基)2であり;別の実施形態において、R6は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R6は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R6は、-C1-6アルキレン-ORaであり;別の実施形態において、R6は、-L-C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R6は、-L-3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R6は、-L-C6-10アリール基であり;別の実施形態において、R6は、-L-5~10員ヘテロアリール基であり;別の実施形態において、同一の炭素原子上の2個のR6は一緒にオキソを形成する。別の実施形態において、同一の炭素原子上の2個のR6は一緒にチオキソを形成する。
【0076】
一実施形態において、R6は、独立してH、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル基)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、または-C0-6アルキレン-ORaから選択され;別の実施形態において、R6は、独立してH、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル基)2、C1-6アルキル基、または-C0-6アルキレン-ORaから選択され;別の実施形態において、R6は、独立してH、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル基)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;別の実施形態において、R6は、独立してH、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、または-C0-6アルキレン-ORaから選択され;別の実施形態において、R6は、独立してH、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択される。
【0077】
L
一実施形態において、Lは、化学結合であり;別の実施形態において、Lは、-C1-6アルキレン-であり;別の実施形態において、Lは、-C2-6アルケニレン-であり;別の実施形態において、Lは、-C2-6アルキニレン-である。
【0078】
L’
一実施形態において、L’は、化学結合であり;別の実施形態において、L’は、-O-であり;別の実施形態において、L’は、-NH-であり;別の実施形態において、L’は、-C(O)-であり;別の実施形態において、L’は、-C(O)NH-であり;別の実施形態において、L’は、-NHC(O)-であり;別の実施形態において、L’は、-C1-6アルキレン-であり;別の実施形態において、L’は、-C2-6アルケニレン-であり;別の実施形態において、L’は、-C2-6アルキニレン-である。
【0079】
m
一実施形態において、mは0であり;別の実施形態において、mは1であり;別の実施形態において、mは2である。
【0080】
上記のいずれの実施形態におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせは、他の実施形態におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせることができる。たとえば、A1におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせは、A2、A3、R1~R6、R’、R”、Ra、Rb、Rc、L、L’およびmにおけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせることができる。本発明は、これらの技術構成のすべての組み合わせを含むが、その詳細は一つ一つ列挙しない。
【0081】
一実施形態において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物に関する。
【化11】
但し、
A
1はCR
3またはNであり;好ましくは、A
1はCR
3であり;好ましくは、A
1はNであり;
A
2はCR
3であり;
A
3はCR
3であり;
R
1は、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
1は、HまたはC
1-6アルキル基から選択され;好ましくは、R
1はHであり;
R
2は、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
2は、H、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;好ましくは、R
2は、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;好ましくは、R
2はHであり;
R
3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3はたは4個のR
6基で置換されていてもよい-L’-3~11員ヘテロシクリル基(好ましくは、3~11員ヘテロシクリル基)から選択され;好ましくは、R
3は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3はたは4個のR
6基で置換されていてもよい-L’-3~11員ヘテロシクリル基(好ましくは、3~11員ヘテロシクリル基)から選択され;好ましくは、R
3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3はたは4個のR
6基で置換されていてもよい-L’-5~6員ヘテロシクリル基(好ましくは、5~6員ヘテロシクリル基)から選択され;好ましくは、R
3は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3はたは4個のR
6基で置換されていてもよい-L’-5~6員ヘテロシクリル基(好ましくは、5~6員ヘテロシクリル基)から選択され;好ましくは、R
3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3はたは4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化12】
好ましくは、R
3は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3はたは4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化13】
好ましくは、R
3は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3はたは4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化14】
好ましくは、R
3は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3はたは4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化15】
或いは、R
3は、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-OR
a、-O-C
1-6アルキレン-R
6または-L’-3~7員ヘテロシクリル基から選択され、前記基は1または2個のR
6基で置換されていてもよく;好ましくは、R
3は、-O-C
1-6アルキレン-R
6、-L’-3-11員ヘテロシクリル基、または-C(O)NR
bR
cから選択され、前記基は1または2個のR
6基で置換されていてもよく;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;好ましくは、R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;好ましくは、R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;好ましくは、R
4はイソプロピル基であり;好ましくは、R
4はシクロペンチル基であり;好ましくは、R
4はシクロプロピル基であり;
R
5はHであり;
R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立してHまたは3~7員ヘテロシクリル基から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択される。
【0082】
一実施形態において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物に関し、前記一般式(I)で表される化合物は以下の構造を有する。
【化16】
ここで、前記基は、上記の通りである。
【0083】
一実施形態において、本発明は、一般式(II)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物に関する。
【化17】
但し、
R
1は、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
1は、HまたはC
1-6アルキル基から選択され;好ましくは、R
1は、Hまたはメチル基から選択され;好ましくは、R
1はHであり;
R
2は、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
2は、H、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;好ましくは、R
2は、H、ハロゲンまたはメチル基から選択され;好ましくは、R
2は、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;好ましくは、R
2は、ハロゲンまたはメチル基から選択され;好ましくは、R
2はHであり;好ましくは、前記ハロゲンはBrであり;
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化18】
好ましくは、R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化19】
好ましくは、R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化20】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化21】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化22】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化23】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化24】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化25】
或いは、R
3は、-O-C
1-6アルキレン-R
6、-L’-3~11員ヘテロシクリル基、または-C(O)NR
bR
cから選択され、前記基は、1または2個のR
6基で置換されていてもよく;
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化26】
R
3’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
3’は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;好ましくは、R
3’は、独立してHまたはメチル基から選択され;好ましくは、R
3’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6アルキル基、または-OR
aから選択され;好ましくは、R
3’は、独立して-OR
aであり;好ましくは、R
3’は、独立して-OMeであり;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;好ましくは、R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;好ましくは、R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;好ましくは、R
4は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、エチル基、またはイソプロピル基から選択され;好ましくは、R
4は、シクロプロピル基、シクロペンチル基、またはイソプロピル基から選択され;好ましくは、R
4は、シクロペンチル基、またはイソプロピル基から選択され;
R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
6は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
bおよびR
cは、独立してHまたは3~7員ヘテロシクリル基から選択される。
【0084】
一実施形態において、本発明は、一般式(II)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物に関し、前記一般式(II)で表される化合物は以下の構造を有する。
【化27】
ここで、前記基は、上記の通りである。
【0085】
一実施形態において、本発明は、一般式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物に関する。
【化28】
但し、
R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;好ましくは、R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化29】
好ましくは、R
3は、1、2、3または4個のR
6基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
【化30】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化31】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化32】
或いは、R
3は、-O-C
1-6アルキレン-R
6または-L’-3-11員ヘテロシクリル基から選択され、前記基は、1または2個のR
6基で置換されていてもよく;
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され;
【化33】
R
3’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
3’は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
3’は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;好ましくは、R
3’は、独立してHまたはメチル基から選択され;好ましくは、R
3’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6アルキル基、または-OR
aから選択され;好ましくは、R
3’ は、独立して-OR
aであり;好ましくは、R
3’は、独立して-OMeであり;
R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル基)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル基)
2、C
1-6アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル基)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;好ましくは、R
6は、独立してH、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
6は、独立してHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
aは、HまたはC
1-6アルキル基から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択される。
【0086】
本明細書に記載される化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得るので、様々な異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーとして存在し得る。例えば、本明細書中に記載される化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)の形態であり得るか、または立体異性体の混合物(ラセミ体混合物、および1つ以上の立体異性体を多く含む混合物を含む)の形態であり得る。異性体は、当業者に公知の方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得るか;または好ましい異性体が、不斉合成によって調製され得る。
【0087】
本発明は、治療有効量の式(I)で表される化合物またはその治療上許容される塩、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬製剤も提供する。これらの形態はすべて本開示に属する。
【0088】
好ましい本発明の化合物として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【化34】
【化35】
【0089】
医薬組成物、製剤およびキット
他の様態では、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも呼ばれる)および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、有効量の本発明化合物を含む。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、治療有効量の本発明化合物を含む。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、予防有効量の本発明化合物を含む。
【0090】
本発明の薬学的に許容される賦形剤とは、配合される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性担体、アジュバントまたは媒体を指す。本発明の組成物で使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0091】
本発明は、更に、キット(例えば、医薬パック)を含む。提供されるキットは、本発明の化合物、他の治療剤、ならびに本発明の化合物、他の治療剤を含有する第1および第2容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散パッケージ、あるいは他の適切な容器)を含む。一部の実施形態において、提供されるキットは、また、本発明の化合物および/または他の治療薬を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3の容器も有しても良い。一部の実施形態において、第1容器および第2の容器内の本発明の化合物を他の治療薬と組み合わせて単位製剤を形成して提供する。
【0092】
投与
本発明によって提供される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸内投与、鼻腔投与、口腔投与、膣内投与、インプラントによる投与または他の投与方法などの様々な方式によって投与することができるが、これらに限定されない。例えば、本発明で用いた非経口投与には、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑膜腔内投与、胸骨内投与、脳脊髄膜内投与、病巣内投与、頭蓋内の注射や輸液技術が含まれる。
【0093】
通常、有効量で本発明によって提供する化合物を投与する。治療される病状、選択される投与方式、実際に投与される化合物、患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを含む状況に応じて、実際に投与される化合物の量は医師によって決定される。
【0094】
本明細書に記載した病状を予防するために使用される場合、本発明によって提供される化合物は、前記病状を発症するリスクのある被験者に投与され、典型的には、医師の推奨に基づいて上記の用量レベルで投与される。特定の病状を発症するリスクのある被験者には、典型的に、前記病状の家族の歴史を有する被験者、または遺伝子検査もしくはスクリーニングによって前記病状を発症しやすい被験者が含まれる。
【0095】
本発明によって提供される医薬組成物(「長期投与」)は長期的に投与することもできる。長期投与とは、例えば3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年などの長期間にわたって化合物またはその医薬組成物を投与できるか、または、例えば被験者の余生において無期限に連続的に投与できることを指す。たとえば、一部の実施形態において、長期投与は、例えば治療ウィンドウ内で、長期間にわたって血液中に一定レベルの前記化合物を提供することを意図している。
【0096】
本発明の医薬組成物は、様々な投与方式を用いてさらに送達することができる。例えば、一部の実施形態において、医薬組成物は、例えば、血液中の化合物の濃度を有効レベルまで増加させるために、ボーラス注射によって投与することができる。ボーラス用量の配置は、身体全体で望まれる活性成分の全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分をゆっくり放出することを可能にし、一方で、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV滴注による)をより速く送達することを可能にし、これにより、血液中の活性成分の濃度を有効レベルまで迅速に上昇させる。他の実施形態において、この薬学的組成物は、連続注入で、例えば、IV滴注によって投与されて、被験者の身体内での、活性成分の定常状態濃度の維持を提供し得る。
【0097】
経口投与用の組成物は、バルクの液体の溶液もしくは懸濁液またはバルクの粉末として使用され得る。しかしながら、一般的に、組成物を、精確な投薬量で投与できるために、単位投与量で提供される。用語「単位製剤」とは、ヒト被験者および他の哺乳動物に対する単位投与量として好適な物理的に不連続な単位のことを指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤とともに所望の治療効果をもたらすと計算される所定量の活性な材料を含む。典型的な単位製剤としては、液体組成物の予め測定され予め充填されたアンプルもしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。このような組成物では、化合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%または好ましくは約1~約40重量%)であり、残りは、所望の投薬形態を形成するのに役立つ様々な担体または賦形剤および加工助剤である。
【0098】
経口投与の場合、1日あたり1~5回、特に2~4回、典型的には3回の経口投与量が、代表的なレジメンである。これらの投薬パターンを使用するとき、各用量は、約0.01~約20mg/kgの本発明の化合物を提供し、好ましい用量は、それぞれ約0.1~約10mg/kg、特に、約1~約5mg/kgを提供する。
【0099】
経皮用量は一般に、注射用量を使用して達成されるレベルと類似であるかまたはより低い血液中レベルを提供するように選択され、一般に、約0.01重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約10重量%、そしてより好ましくは、約0.5重量%~約15重量%の範囲の量である。
【0100】
注射剤の用量レベルは、約0.1mg/kg/時間~少なくとも10mg/kg/時間の範囲であり、すべて約1~約120時間、特に、24~96時間にわたる。約0.1mg/kg~約10mg/kgまたはそれ以上の前負荷ボーラス(preloading bolus)も、適切な定常状態レベルを達成するために投与されてもよい。最大総用量は、40~80kgのヒト患者にとって約2g/日を超えない。
【0101】
経口投与に適した液体の形態は、緩衝剤、懸濁剤および予製剤(dispensing agents)、着色剤、香料などを含む好適な水性または非水性のビヒクルを含み得る。固体の形態は、例えば、結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース);崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプン);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);または香味料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバー)またはそれらと同様の性質の化合物のいずれかを含み得る。
【0102】
注射可能な組成物は、典型的には、注射可能な滅菌された食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水または当該分野で公知の他の注射可能な賦形剤に基づくものである。従来どおり、このような組成物における活性な化合物は、典型的には微量の成分であり、一般的には約0.05~10重量%であり、残りは、注射可能な賦形剤などである。
【0103】
経皮の組成物は、典型的には、活性成分(単数または複数)を含む局所用軟膏またはクリームとして製剤化される。軟膏として製剤化されるとき、活性成分は、典型的には、パラフィン軟膏基剤または水混合性軟膏基剤と混合される。あるいは、活性成分は、例えば、水中油型クリーム基剤を含む、クリームとして製剤化され得る。このような経皮的製剤は、当該分野で周知であり、一般に、活性成分または製剤の皮膚浸透力または安定性を高めるさらなる成分を含む。このような公知の経皮の製剤および成分のすべては、本発明に提供される範囲内に含まれる。
【0104】
本発明の化合物は、経皮的デバイスによっても投与され得る。従って、経皮的投与は、レザバータイプもしくは多孔質膜タイプまたは固体マトリックス種類のパッチを用いて達成され得る。
【0105】
経口的に投与可能、注射可能、または局所的に投与可能な組成物について以上に記載された構成要素は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,1985,Mack Publishing Company,Easton,PennsylvaniaのPart8(参照により本明細書中に援用される)に示されている。
【0106】
本発明の化合物は、更に、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
【0107】
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される製剤にも関する。一実施形態において、その製剤は、水を含む。別の実施形態において、その製剤は、シクロデキストリン誘導体を含む。最も一般的なシクロデキストリンは、連結される糖部分上に必要に応じて1つ以上の置換基(それらとしては、メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化およびスルホアルキルエーテル置換が挙げられるが、これらに限定されない)を含む、それぞれ6、7および8個のα-1,4-結合グルコース単位からなるα-、β-およびγ-シクロデキストリンである。ある実施形態において、シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルβ-シクロデキストリン、例えば、Captisolとしても知られるスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンである。例えば、米国特許第5,376,645号を参照する。一部の実施形態において、上記製剤は、ヘキサプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、水において10~50%)を含む。
【0108】
治療
本発明は、本発明の化合物またはその組成物を治療有効量で哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物(ヒトを含む)における以下の疾患や病症の治療方法を提供する。前記疾患や病症は、例えば、癌、アテローム性動脈硬化症に関連する血管平滑筋増殖、術後血管狭窄、再狭窄、子宮内膜症などの細胞増殖性障害;ヘルペスのようなDNAウイルスやHIVのようなRNAウイルスなどのウイルス感染、および真菌感染を含む感染;乾癬、関節リウマチにような炎症、ループス、I型糖尿病、糖尿病性腎症、多発性硬化症および糸球体腎炎などの自己免疫疾患;移植片対宿主病を含む臓器移植拒絶反応が挙げられる。
【0109】
また、本発明は、例えば癌などの異常な細胞増殖の治療に有用な本発明の化合物を提供する。さらに、本発明は、このような治療を必要とする被験者に、本発明の化合物またはその組成物を治療有効量で投与することを含む、例えば以下の癌から選択される癌などの異常な細胞増殖の治療方法を提供する。前記癌は、乳房、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、食道、胃、皮膚、肺、骨、結腸、膵臓、甲状腺、胆道、頬面窩洞および咽頭(口)、唇、舌、口、咽頭、小腸、結腸直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系の癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、角化棘細胞腫、類表皮癌、大細胞癌、腺癌、腺腫、濾胞状癌、未分化癌、乳頭癌、セミノーマ、メラノーマ、肉腫、膀胱癌、肝臓癌、腎臓癌、骨髄障害、リンパ障害、ホジキン病、有毛細胞癌、および白血病などの癌が含まれるが、これらに限定されない。
【0110】
さらに、本発明は、血管平滑筋細胞の増殖による疾患に罹患する患者を治療する方法に関する。本発明の化合物は、血管平滑筋細胞の増殖および移動を効果的に阻害する。この方法は、治療を必要とする被験者に、血管平滑筋の増殖および/または移動を阻害することに対して十分な量の本発明の化合物またはその組成物を投与することを含む。
【0111】
さらに、本発明は、治療を必要とする被験者に、本発明の化合物またはその組成物を、病症を治療することに十分な量で投与することを含む、痛風に罹患する被験者を治療する方法を提供する。
【0112】
さらに、本発明は、治療を必要とする対象に、本発明の化合物またはその組成物を、病症を治療することに十分な量で投与することを含む、例えば多嚢胞性腎疾患などの腎疾患に罹患する被験者を治療する方法を提供する。
【0113】
CDKおよび他のキナーゼに対するそれらの阻害活性によって、本発明の化合物は、これらのキナーゼの作用機序をインビトロおよびインビボで研究するための有用な研究ツールでもある。
【0114】
本発明の化合物は、癌(例えば、白血病、肺、乳房、前立腺およびメラノーマなどの皮膚の癌)および他の増殖性疾患(乾癬、HSV、HIV、再狭窄およびアテローム性動脈硬化を含むが、これらに限定されない)の治療に有用である。本発明の化合物で癌を治療するために、少なくとも1つの本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物を、治療有効量でこのような治療を必要とする患者、例えば癌または別の増殖性疾患に罹患する患者に投与する。
【0115】
本発明の化合物の有効量は、通常、1日あたり0.01mg~50mg化合物/kg患者の体重、好ましいは0.1mg~25mgの化合物/kg患者の体重で、1回または複数回投与する。通常、本発明の化合物は、この治療を必要とする患者に、患者1人当たり約1mg~約3500mgの範囲の1日投与量で、好ましいは10mg~1000mgの範囲の1日投与量で投与することができる。例えば、患者あたりの1日投与量は10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、500、600、700、800、900または1000mgであってもよい。毎日、毎週(または数日間隔)、または間歇スケジュールで、1回または複数回投与することができる。例えば、毎週(例えば毎週の月曜日)に加え、1日に1回または複数回、不定期に、または数週間、例えば、4~10週間連続的に前記化合物を投与することができる。或いは、数日間(例えば、2~10日間)毎日投与した後に、数日間(例えば、1~30日間)化合物を投与せず、そして、このサイクルを任意に繰り返すか、または所定の回数、例えば4~10回で繰り返す。例えば、本発明の化合物は、5日間毎日連続的に投与し、次いで9日間中断し、さらに5日間毎日連続的に投与し、次いで9日間中断するようなサイクルを不定期に、または計4~10回繰り返すことができる。
【実施例】
【0116】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することではなく、本発明を例示することを目的として本発明の請求項で保護する方法と化合物を実施、製造、評価する完全な開示および説明を当業者に提供するために、提供される。
【0117】
本発明の化合物の調製プロトコルは、スキーム1に示される。
反応式1
【化36】
【0118】
一般式Iで表される化合物は、上記の一般的な反応スキームに従って調製することができる。まず、置換された1,3-シクロヘキサンジオン(1)を四塩化チタンと反応させて、エノン中間体(2)を得た。次いで、中間体(2)を臭素化して、臭素化エノン中間体(3)を得た。中間体(3)を、置換されたホルムアミジンと反応させて、6,7-ジヒドロ-3H-ベンゾ[d]イミダゾール-4(5H)-オン(4)を得た。その後、中間体(4)をR4-IまたはR4B(OMe)2と反応させて、3-置換6,7-ジヒドロ-3H-ベンゾ[d]イミダゾール-4(5H)-オン(5)を得た。次いで、(5)をN、N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させて、中間体(6)を得た。中間体(6)をS-メチルイソチオ尿素塩酸塩と反応させて4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-h]キナゾリン(7)を得た後、(7)を芳香族化して1H-イミダゾ[4,5-h]キナゾリン(8)を得た。中間体(8)のメチルチオ基を酸化して、メチルスルフィニル中間体(9)を得た。化合物(9)をアミン(10)とカップリングさせて、式(I)で表される化合物を得た。
【0119】
実施例1
1-イソプロピル-N-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-h]キナゾリン-8-アミン塩酸塩(I-1)
【化37】
【0120】
1):3-メトキシシクロヘキサ-2-エノン(2a)
1,3-シクロヘキサンジオン1a(90g,804mmol)をメタノール(800mL)に溶解させ、氷水浴で四塩化チタン(2.6mL,24.2mmol,0.03equiv.)をゆっくり滴下した。滴下後、該温度で反応液をさらに1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(600mL)を加えて反応をクエンチした。反応液を濃縮した後、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)により直接精製し、淡黄色の油状物として表題化合物2a(86g,682mmol,84.9%)を得た。1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm)δ5.37(s,1H),3.68(s,3H),2.39(t,J=6.3Hz,2H),2.33(t,J=6.6Hz,2H),1.99-1.94(m,2H);LC-MS(ESI),C7H11O2[M+H]+:m/z=127.1。
【0121】
2):2-ブロモ-3-メトキシシクロヘキサ-2-エノン(3a)
【0122】
2a(84g,666.6mmol)をジクロロメタン/N,N-ジメチルホルムアミド(9:1,1000mL)に溶解させ、5~10℃でN-ブロモスクシンイミド(132.6g,700mmol,1.05equiv.)5回に分けて反応液に加えた。添加した後、さらに該温度で1時間反応させ、吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られたろ液をトルエン(1000mL)で希釈した後、速やかに氷水(200mL)で2回洗浄し、乾燥させ、ろ液を200mL程度に濃縮して、ろ液を氷水浴に移し、5分間撹拌した。吸引ろ過して、得られた残渣をオイルポンプで真空乾燥させ、淡黄色の粉末として表題化合物3aを得た。これをさらに精製することなく次のステップにそのまま使用した(110.2g,540mmol,81%)。LC-MS(ESI),C7H10BrO2[M+H]+:m/z=205.0,207.1。
【0123】
3):6,7-ジヒドロ-3H-ベンゾ[d]イミダゾール-4(5H)-オン(4a)
【0124】
3a(101g,500mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(800mL)に溶解させ、氷水浴で炭酸カリウム(206g,1.5mol,3equiv.)およびホルムアミジン塩酸塩(60.4g,750mmol,1.5equiv.)を添加した。得られた反応液を80℃まで加熱し、メカニカルスターラーで撹拌して16時間反応した。反応液を室温まで冷却し、ジクロロメタン(1000mL)を加え、希釈してろ過を行い、ろ液を濃縮した後、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)により精製し、灰色の固体として表題化合物(4a,24.6g,180mmol,36%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ7.89(s,1H),2.93(t,J=6.2Hz,2H),2.63-2.50(m,2H),2.27-2.14(m,2H);LC-MS(ESI),C7H9N2O[M+H]+:m/z=137.3。
【0125】
4):3-イソプロピル-6,7-ジヒドロ-3H-ベンゾ[d]イミダゾール-4(5H)-オン(5a)
【0126】
4a(24g,176.5mmol)、炭酸カリウム(73g,529.4mmol,3.0equiv.)、臭化テトラブチルアンモニウム(5.68g,17.65mmol,0.1equiv.)をアセトニトリル(400mL)に懸濁した。得られた反応液を室温で30分間撹拌した後、2-ヨードプロパン(43.4mL,441.2mmol,2.5equiv.)を加え、次いで50℃に加熱し、14時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、ろ過、濃縮し、得られたろ液をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1~0:1)により精製し、得られた褐色の油状物として表題化合物5a(8.16g,45.9mmol,26%)を得た。1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm)δ7.76(s,1H),5.12(p,J=6.7Hz,1H),2.87(t,J=6.2Hz,2H),2.52(t,J=6.4Hz,2H),2.13(p,J=6.3Hz,2H),1.48(d,J=6.7Hz,6H);LC-MS(ESI),C10H15N2O[M+H]+:m/z=179.1。
【0127】
5):(Z)-5-((ジメチルアミノ)メチレン)-3-イソプロピル-6,7-ジヒドロ-3H-ベンゾ[d]イミダゾール-4(5H)-オン(6a)
【0128】
5a(8.0g,44.94mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(59.6mL,449.4mmol,10equiv.)のN,N-ジメチルホルムアミド(60mL)溶液を、130℃で13時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮して、褐色油状物として表題化合物6a(8.6g,37.0mmol,82.3%)の粗製品を得た。これをさらに精製することなく次の反応にそのまま使用した。LC-MS(ESI),C13H20N3O[M+H]+:m/z=234.2。
【0129】
6):1-イソプロピル-8-メチルチオ-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-h]キナゾリン(7a)
【0130】
6a(8.3g,35.6mmol)およびS-メチルイソチオ尿素塩酸塩(13.46g,106.8mmol,3equiv.)をN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)に懸濁させた後、110℃に加熱し、16時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、約200mLの氷水を添加して希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウムで乾燥させしてろ過し、ろ液を濃縮した後、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1~0:1)により精製し、褐色固体として表題化合物(7a,4.54g,17.44mmol,49%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ8.31(s,1H),8.24(s,1H),3.08(t,J=8.2Hz,2H),2.99(t,J=7.4Hz,2H),2.55(s,3H),1.62(d,J=6.7Hz,6H);LC-MS(ESI),C13H17N4S[M+H]+:m/z=261.2。
【0131】
7):1-イソプロピル-8-メチルチオ-1H-イミダゾ[4,5-h]キナゾリン(8a)
【0132】
7a(4.2g,16.16mmol)をアセトニトリル(150mL)に溶解させ、2-ヨードキシ安息香酸(9.06g,32.4mmol,2eqiuv.)を添加し、75℃に加熱し、16時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、ろ過、濃縮した。得られたろ液をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色の固体として表題化合物を得た(8a,3.66g,14.22mmol,88%)。1H NMR(300MHz,メタノール-d4,ppm):δ9.29(s,1H),8.61(s,1H),7.88-7.80(m,2H),6.12-6.03(m,1H),2.73(s,3H),1.76(d,J=6.6Hz,6H);LC-MS(ESI),C13H15N4S[M+H]+:m/z=259.2。
【0133】
8):1-イソプロピル-8-メチルスルフィニル-1H-イミダゾ[4,5-h]キナゾリン(9a)
【0134】
8a(1.4g,5.43mmol)をクロロホルム(15mL)に溶解させ、2-フェニルスルホニル-3-フェニルオキサジリジン(1.7g,6.52mmol,1.2equiv.)を加え、室温下で18時間撹拌した。濃縮し、得られた粗生成物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/アセトン=1:1~0:1)により精製し、白色の固体として表題化合物(9a,1.34g,4.89mmol,90%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm):δ9.53(s,1H),8.36(s,1H),8.15(d,J=8.4Hz,1H),7.82(d,J=8.4Hz,1H),6.04-5.98(m,1H),3.05(s,3H),1.76(t,J=7.6Hz,6H);LC-MS(ESI),C13H15N4OS[M+H]+:m/z=275.3。
【0135】
9):tert-ブチル4-(6-(1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-h]キナゾリン-8-イルアミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(I-1a)
【0136】
9a(44.3mg,0.16mmol)およびtert-ブチル4-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(10a,89.9mg,0.32mmol)をキシレン(1.6mL)に懸濁させ、ゴム栓で密閉し、アルゴンガスで3回置換し、150℃に加熱し、24時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル(0.3mL)を添加し、さらに約2時間撹拌した。析出した固体をろ過した後、さらにカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色の粉末として表題化合物I-1a(17.2mg,21.8%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm):δ9.19(s,1H),8.40(s,1H),8.32(d,J=9.2Hz,1H),8.24(s,1H),8.08(d,J=2.4Hz,1H),7.75(d,J=8.4Hz,1H),7.56(d,J=8.4Hz,1H),7.35(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),6.13-6.03(m,1H),3.63(t,J=5.2Hz,4H),3.13(t,J=5.0Hz,4H),1.73(d,J=6.8Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0137】
10):1-イソプロピル-N-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-h]キナゾリン-8-アミン塩酸塩(I-1)
【0138】
I-1a(14.9mg,0.03mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液(4N,0.76mL)を加え、室温で2時間撹拌した後、吸引ろ過し、得られた残渣をオイルポンプで一定の重量まで真空乾燥させ、黄色の粉末として表題化合物I-1(13mg,99%)を得た。1H NMR(400MHz,水-d2,ppm):δ9.55(s,1H),9.39(s,1H),8.12-8.09(m,2H),7.85(d,J=8.8Hz,1H),7.81(s,1H),7.85(d,J=9.6Hz,1H),6.00-5.93(m,1H),3.56-3.51(m,8H),1.79(d,J=6.8Hz,6H)。
【0139】
実施例2:1-イソプロピル-N-(5-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン-8-アミン(I-2)の調製
【化38】
9a(30mg,0.11mmol)および10b(42.2mg,0.22mmol)をキシレン(0.3mL)に懸濁させ、アルゴンガスで3回置換し、150℃に加熱し、撹拌して一晩反応した。室温まで冷却した後、酢酸エチル(0.3mL)を加え、さらに約2時間撹拌し、ろ過して、酢酸エチルで残渣を洗浄し、黄色固体として表題化合物I-2を得た(13mg,32.5μmmol,29.5%)。
1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.17(s,1H),8.32(brs,1H),8.28(d,J=9.0Hz,1H),8.21(s,1H),8.09(d,J=3.0Hz,1H),7.73(d,J=8.6Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.33(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),6.07(p,J=6.8Hz,1H),3.22(t,J=5.0Hz,4H),2.63(t,J=4.9Hz,4H),2.38(s,3H),1.73(d,J=6.8Hz,6H).
表1 実施例I-3~I-41
【表1】
【0140】
実施例2におけるI-2の合成法を参照して、9a(30mg,0.11mmol)および10(0.22mmol,2equiv.)から化合物I-3(8.7mg,20.9μmmol,19%)、I-4(10.5mg,25.3μmmol,23%)、I-5(11.9mg,28.6μmmol,26%)、I-6(9.9mg,23.1μmmol,21%)、I-7(8.5mg,19.8μmmol,18%)、I-15(5.2mg,12.1μmmol,11%)、I-16(12.3mg,31.9μmmol,29%)、I-17(5.8mg,14.3μmmol,13%)、I-18(5.4mg,12.1μmmol,11%)、I-19(5.2mg,12.1μmmol,11%)、I-20(5.9mg,13.2μmmol,12%)、I-23(13.3mg,34.1μmmol,31%)、I-24(6.6mg,16.5μmmol,15%)、I-25(xxmg,27.5μmmol,25%)、I-26(12.0mg,29.7μmmol,27%)、I-27(19.7mg,31.9μmmol,29%)、I-33(9.0mg,11.1μmmol,10%)、I-34(3.3mg,7.7μmmol,7%)、I-36(3.7mg,8.8μmmol,8%)、I-37 (5.4mg,12.1μmmol,11%)、I-38(5.4mg,12.1μmmol,11%)、I-39(8.0mg,20.9μmmol,19%)、I-40(3.6mg,7.7μmmol,7%)、I-41(4.3mg,9.9μmmol,9%)を調製した。
【0141】
I-3 LC-MS(ESI)、C24H29N8[M+H]+:m/z=417.1.
【0142】
I-4 LC-MS(ESI)、C24H29N8[M+H]+:m/z=417.2.
【0143】
I-5 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.17(s,1H),8.28(d,J=9.0Hz,1H),8.25(s,1H),8.21(s,1H),8.09(d,J=2.9Hz,1H),7.74(d,J=8.6Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.34(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),6.07(p,J=6.8Hz,1H),3.24(t,J=5.0Hz,4H),2.68(t,J=5.0Hz,4H),2.52(q,J=7.2Hz,2H),2.51(s,3 H),1.73(d,J=6.8Hz,6H),1.16(t,J=7.2Hz,3H).
【0144】
I-6 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.19(s,1H),8.39(s,1H),8.21(d,J=9.2Hz,2H),8.11(s,1H),7.75(d,J=8.6Hz,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),6.10(dt,J=13.4,6.7Hz,1H),3.08(t,J=4.4Hz,4H),2.70(s,4H),2.57(q,J=7.2Hz,2H),2.41(s,3H),1.73(d,J=6.7Hz,6H),1.18(t,J=7.2Hz,3H).
【0145】
I-7 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.21(s,1H),8.35-8.09(m,3H),7.73(d,J=8.6Hz,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.42(d,J=8.7Hz,1H),6.07(dt,J=13.4,6.7Hz,1H),2.99(t,J=4.5Hz,4H),2.67(s,4H),2.59-2.44(m,5H),1.71(d,J=6.7Hz,6H),1.16(t,J=7.2Hz,3H).
【0146】
I-15 LC-MS(ESI),C23H29N8O[M+H]+:m/z=433.1.
【0147】
I-16 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.20(s,1H),8.62(s,1H),8.26(d,J=9.0Hz,1H),8.20(s,1H),8.16-8.05(m,1H),7.73(d,J=8.6Hz,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.34(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),6.08(dt,J=13.5,6.7Hz,1H),3.37-2.90(m,4H),1.76(m,4H),1.74(d,J=6.7Hz,6H),1.60(dt,J=11.2,5.8Hz,2H).
【0148】
I-17 LC-MS(ESI),C22H26N7O[M+H]+:m/z=404.2.
【0149】
I-18 LC-MS(ESI),C25H32N7O[M+H]+:m/z=446.3.
【0150】
I-19 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.23(s,1H),8.51(s,1H),8.05-7.89(m,2H),7.73-7.60(m,3H),5.93(p,J=6.8Hz,1H),3.83(d,J=12.5Hz,2H),3.39(t,J=12.2Hz,1H),2.92(s,6H),2.84(m,2H),2.26(d,J=12.2Hz,2H),1.89(qd,J=12.5,4.2Hz,2H),1.67(d,J=6.7Hz,6H).
【0151】
I-20 LC-MS(ESI),C24H30FN8[M+H]+:m/z=449.3.
【0152】
I-23 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.19(s,1H),8.42(s,1H),8.31(d,J=9.0Hz,1H),8.21(s,1H),8.09(d,J=2.9Hz,1H),7.74(d,J=8.6Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.32(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),6.07(p,J=6.8Hz,1H),3.98-3.81(m,4H),3.19-3.10(m,4H),1.73(d,J=6.7Hz,6H).
【0153】
I-24 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.17(s,1H),8.22(s,2H),8.04(s,2H),7.77(d,J=8.7Hz,1H),7.58(d,J=8.3Hz,1H),6.14-6.05(m,1H),3.95-3.78(m,4H),3.05-2.87(m,4H),2.43(s,3H),1.74(d,J=6.7Hz,6H).
【0154】
I-25 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.18(s,1H),8.31-8.14(m,2H),8.07(s,1H),7.75(d,J=8.7Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.40(d,J=8.7Hz,1H),6.08(dt,J=13.3,6.6Hz,1H),4.01-3.76(m,4H),3.04-2.83(m,4H),2.53(s,3H),1.74(d,J=6.7Hz,6H).
【0155】
I-26 LC-MS(ESI),C22H26N7O[M+H]+:m/z=404.2.
【0156】
I-27 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.23(s,1H),9.05(brs,1H),8.31(d,J=9.0Hz,1H),8.22(s,1H),8.11(d,J=2.9Hz,1H),7.73(d,J=8.6Hz,1H),7.55(d,J=8.5Hz,1H),7.31(dd,J=9.1,2.9Hz,1H),6.07(p,J=6.7Hz,1H),3.85(dqd,J=12.4,6.1,2.2Hz,2H),3.49-3.32(m,2H),2.47(dd,J=11.6,10.2Hz,2H),1.73(d,J=6.7Hz,6H),1.29(s,3H).1.28(s,3H).
【0157】
I-33 LC-MS(ESI),C25H29N8O[M+H]+:m/z=457.1.
【0158】
I-34 LC-MS(ESI),C24H30N7O[M+H]+:m/z=432.2.
【0159】
I-36 LC-MS(ESI),C23H29N6O2[M+H]+:m/z=421.1.
【0160】
I-37 LC-MS(ESI),C25H31N6O2[M+H]+:m/z=447.3.
【0161】
I-38 LC-MS(ESI),C26H33N6O[M+H]+:m/z=445.2.
【0162】
I-39 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.13(s,1H),8.22(s,1H),8.07(d,J=2.1Hz,1H),7.97-7.82(m,3H),7.74(d,J=8.6Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,2H),6.94(d,J=8.8Hz,1H),6.11(hept,J=7.1,6.5Hz,1H),4.09(s,3H),1.69(d,J=6.7Hz,6H).
【0163】
I-40 LC-MS(ESI),C26H32N7O2[M+H]+:m/z=474.3.
【0164】
I-41 LC-MS(ESI),C23H30N9[M+H]+:m/z=432.1.
【0165】
実施例2におけるI-1の合成法を参照して、9a(30mg,0.11mmol)および10(0.22mmol,2equiv.)から、化合物I-8(12.5mg,28.6μmmol,26%)、I-9(15.9mg,36.3μmmol,33%)、I-10(10.6mg,24.2μmmol,22%)、I-11(11.4mg,25.3μmmol,23%)、I-12(10.4mg,23.1μmmol,21%)、I-13(7.8mg,17.6μmmol,16%)、I-14(9.2mg,20.9μmmol,19%)、I-21(5.3mg,12.1μmmol,11%)、I-22(6.1mg,14.3μmmol,13%)、I-28(8.9mg,18.7μmmol,17%)、I-29(4.5mg,9.9μmmol,9%)、I-30(6.7mg,15.4μmmol,14%)、I-31(6.6mg,14.3μmmol,13%)、I-32(5.6mg,12.1μmmol,11%)、I-35(6.3mg,14.3μmmol,13%)を調製した。
【0166】
I-8 1H NMR(400MHz,水-d2,ppm)δ9.73(s,1H),9.68(s,1H),8.22(d,J=8.9Hz,1H),8.07(s,1H),7.88(d,J=8.9Hz,1H),7.52(s,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.24(m,4H),3.21-3.14(m,4H),2.52(s,3H),1.74(d,J=6.5Hz,6H).
【0167】
I-9a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.19(s,1H),8.21(s,1H),8.18(d,J=8.7Hz,1H),8.13(d,J=4.2Hz,1H),7.75(d,J=8.7Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),7.37(d,J=8.7Hz,1H),6.07(p,J=6.7Hz,1H),3.60(t,J=4.9Hz,4H),2.87(d,J=5.0Hz,4H),2.52(s,3H),1.73(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H).
【0168】
I-9 LC-MS(ESI),C22H27N8[M+H]+:m/z=403.1.
【0169】
I-10 LC-MS(ESI),C22H27N8[M+H]+:m/z=403.2.
【0170】
I-11 LC-MS(ESI),C23H29N8[M+H]+:m/z=417.3.
【0171】
I-12 1H NMR(400MHz,水-d2,ppm)δ9.56(s,1H),9.43(s,1H),8.12(t,J=9.3Hz,2H),7.89-7.77(m,2H),7.52(d,J=9.7Hz,1H),6.00(dt,J=13.2,6.7Hz,1H),3.89(d,J=11.5Hz,2H),3.58(d,J=6.7Hz,2H),2.98-2.84(m,2H),1.77(d,J=6.7Hz,6H),1.41(d,J=6.6Hz,6H).
【0172】
I-13 LC-MS(ESI),C21H24FN8[M+H]+:m/z=407.1.
【0173】
I-14a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.14(s,1H),8.26-8.13(m,2H),8.01(s,1H),7.90(s,1H),7.72(d,J=8.6Hz,1H),7.54(d,J=8.6Hz,1H),7.09(d,J=9.1Hz,1H),6.08(dt,J=13.3,6.7Hz,1H),3.60(d,J=12.5Hz,6H),3.37(s,1H),3.27(t,J=5.9Hz,1H),2.01(d,J=5.8Hz,2H),1.72(d,J=6.8Hz,6H),1.41(d,J=21.7Hz,9H).
【0174】
I-14 LC-MS(ESI),C22H27N8[M+H]+:m/z=403.3.
【0175】
I-21 LC-MS(ESI),C22H27N8[M+H]+:m/z=403.2.
【0176】
I-22 LC-MS(ESI),C21H25N8[M+H]+:m/z=389.2.
【0177】
I-28a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.16(s,1H),8.93(brs,1H),8.29(d,J=9.1Hz,1H),8.22(s,1H),7.73(d,J=8.5Hz,1H),7.62(d,J=2.9Hz,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.02(dd,J=9.2,2.8Hz,1H),6.08(p,J=6.7Hz,1H),3.57-3.34(m,8H),1.94(t,J=6.9Hz,2H),1.73(d,J=6.7Hz,4H),1.69-1.53(m,6H),1.47(s,9H).
【0178】
I-28 LC-MS(ESI),C25H31N8[M+H]+:m/z=443.2.
【0179】
I-29 LC-MS(ESI),C23H27N8[M+H]+:m/z=415.3.
【0180】
I-30a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.18(s,1H),8.96(brs,1H),8.41-8.24(m,2H),7.82-7.72(m,1H),7.64-7.50(m,2H),6.95(d,J=8.7Hz,1H),6.06(p,J=6.8Hz,1H),4.13(s,4H),4.03(s,4H),1.73(dd,J=6.8,1.7Hz,6H),1.45(s,9H).
【0181】
I-30 LC-MS(ESI),C22H25N8[M+H]+:m/z=401.1.
【0182】
I-31a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.15(s,1H),8.28(d,J=9.0Hz,1H),8.21(s,1H),8.04(d,J=2.8Hz,1H),7.94(s,1H),7.74(d,J=8.7Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.34(dd,J=9.1,2.9Hz,1H),6.07(p,J=6.8Hz,1H),3.71(s,4H),3.10(t,J=5.5Hz,4H),1.94(t,J=5.5Hz,4H),1.73(d,J=6.7Hz,6H),1.46(s,9H).
【0183】
I-31 LC-MS(ESI),C24H29N8[M+H]+:m/z=429.2.
【0184】
I-32a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.15(s,1H),8.20(t,J=4.4Hz,2H),8.11(s,1H),7.72(d,J=8.6Hz,1H),7.66(d,J=2.9Hz,1H),7.54(d,J=8.7Hz,1H),6.86(dd,J=8.8,2.9Hz,1H),6.07(p,J=6.7Hz,1H),3.69(s,4H),3.41(d,J=5.8Hz,4H),1.82(t,J=5.7Hz,8H),1.72(d,J=6.7Hz,6H),1.47(s,9H).
【0185】
I-32 LC-MS(ESI),C24H29N8[M+H]+:m/z=429.1.
【0186】
I-35a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.10(s,1H),8.18(s,1H),8.13(t,J=9.2Hz,1H),7.71(d,J=8.4Hz,1H),7.53(d,J=8.4Hz,1H),7.19(s,1H),6.74(m,2H),5.97(p,J=6.7Hz,1H),3.61(m,4H),3.13(m,4H),1.66(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H).
【0187】
I-35 LC-MS(ESI),C22H25FN7[M+H]+:m/z=406.2.
【0188】
重要な中間体である1-エチル-8-(メチルスルフィニル)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(9b)の調製
【化39】
1):実施例1における5aの合成法を参照して、化合物4a(11.0g,80.9mmol)から3-エチル-3,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-オン(5b,3.05g,18.6mmol,23%)を得た。LC-MS(ESI),C
9H
13N
2O[M+H]
+:m/z=165.3.
【0189】
2):実施例1における5a~9aを参照して、5b(3.0g,18.3mmol)から、4つの工程で表題化合物(9b,523mg,2.0mmol,4工程の收率11%)を調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.54(s,1H),8.21(s,1H),8.15(d,J=8.7Hz,1H),7.83(d,J=8.7Hz,1H),5.05-4.88(m,2H),3.06(s,3H),1.69(t,J=7.3Hz,3H).
表2 実施例I-42~I-46
【表2】
【0190】
実施例1におけるI-1の合成法を参照して、9b(30mg,0.115mmol)から表題化合物I-42(11.1mg,27.2μmmol,24%)を調製した。
【0191】
I-42a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.17(s,1H),8.36(d,J=9.0Hz,1H),8.17(s,1H),8.07(d,J=2.9Hz,1H),8.05(s,1H),7.74(d,J=8.6Hz,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.36(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),4.90(q,J=7.2Hz,2H),3.63(t,J=5.0Hz,4H),3.12(t,J=5.1Hz,4H),1.70-1.62(t,J=7.2Hz,3H),1.50(s,9H).
【0192】
I-42 LC-MS(ESI),C20H23N8[M+H]+:m/z=375.2。
【0193】
実施例2におけるI-2の合成法を参照して、9b(30mg,0.115mmol)から化合物I-43(13.4mg,34.5μmmol,30%)、I-44(11.6mg,28.7μmmol,25%)、I-45(13.0mg,34.5μmmol,33%)、I-46(10.3mg,26.5μmmol,23%)を調製した。
【0194】
I-43 1H NMR(400MHz,メタノール-d4,ppm)δ9.03(s,1H),8.19(d,J=9.0Hz,1H),7.99(s,1H),7.88(d,J=3.0Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),7.48(d,J=8.7Hz,1H),7.29(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),4.79(q,J=7.2Hz,2H),3.11(t,J=5.0Hz,4H),2.55(t,J=5.0Hz,4H),2.27(s,3H),1.53(t,J=7.2Hz,3H).
【0195】
I-44 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d:メタノール-d4=1:1,ppm)δ8.34(d,J=9.1Hz,1H),8.20(s,1H),8.10-8.02(m,2H),7.74(d,J=8.7Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),7.33(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),4.90(q,J=7.2Hz,2H),3.86(dtt,J=12.6,6.4,4.0Hz,2H),3.44-3.35(m,2H),2.47(t,J=10.9Hz,2H),1.72-1.60(t,J=7.2Hz,6H),1.29(d,J=6.2Hz,6H).
【0196】
I-45 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.17(s,1H),8.36(d,J=9.0Hz,1H),8.17(s,1H),8.07(d,J=2.9Hz,1H),8.05(s,1H),7.74(d,J=8.6Hz,1H),7.57(d,J=8.7Hz,1H),7.35(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),4.90(q,J=7.2Hz,2H),3.95-3.84(m,4H),3.21-3.12(m,4H),1.65(t,J=7.0Hz,3H).
【0197】
I-46 LC-MS(ESI),C21H24N7O[M+H]+:m/z=390.1。
【0198】
重要な中間体である1-シクロプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(9c)の調製
【化40】
1):実施例1における5aの合成法を参照して、化合物4a(9g,66.2mmol)から3-シクロプロピル-3,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-オン(5c,2.2g,12.6mmol,19%)を得た。
1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm)δ7.48(s,1H),3.53(dt,J=7.3,3.5Hz,1H),2.73(t,J=6.2Hz,2H),2.43(dd,J=7.2,5.8Hz,2H),2.07-1.96(m,2H),1.07-0.94(m,2H),0.88-0.77(m,2H).
【0199】
2):実施例1における5a~9aを参照して、5c(2.0g,11.4mmol)から、4つの工程で9c(490mg,1.8mmol,16%)を調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.54(d,J=1.1Hz,1H),8.20(s,1H),8.12(dd,J=8.7,1.1Hz,1H),7.83(dd,J=8.8,1.1Hz,1H),4.16(tt,J=7.5,4.0Hz,1H),3.06(d,J=1.1Hz,3H),1.48-1.36(m,2H),1.20(qd,J=10.5,3.9Hz,2H).
表3 実施例I-47~I-51
【表3】
【0200】
実施例1におけるI-1の合成法を参照して、9c(30mg,0.11mmol)から表題化合物I-47(9.7mg,23.1μmmol,21%)、I-48(11.5mg,28.6μmmol,26%)を調製した。
【0201】
I-47a 1H NMR(600MHz,メタノール-d4,ppm)δ9.19(s,1H),8.48(d,J=9.0Hz,1H),8.26(d,J=3.4Hz,1H),7.99(d,J=2.9Hz,1H),7.74(dt,J=6.9,2.2Hz,1H),7.68-7.59(m,2H),7.45(d,J=8.7Hz,1H),4.49(d,J=5.1Hz,1H),3.60(m,4H),3.13(t,J=5.1Hz,4H),1.48(s,9H),1.31-1.23(m,2H),1.22(d,J=4.3Hz,2H).
【0202】
I-47 LC-MS(ESI),C21H23N8[M+H]+:m/z=387.1。
【0203】
I-48a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.19(s,1H),8.49(s,1H),8.25(s,1H),8.06(s,1H),8.03(s,1H),7.74(d,J=8.6Hz,1H),7.58(d,J=8.6Hz,1H),4.28(tt,J=7.4,4.0Hz,1H),3.59(t,J=4.9Hz,4H),2.92(t,J=4.9Hz,4H),2.29(s,3H),1.33-1.26(m,2H),1.20(dt,J=5.1,2.2Hz,2H).
【0204】
I-48 LC-MS(ESI),C22H25N8[M+H]+:m/z=401.3。
【0205】
実施例2におけるI-2の合成法を参照して、9c(30mg,0.11mmol)からI-49(9.8mg,25.3μmmol,23%)、I-50(9.3mg,μmmol,21%)、I-51(12.8mg,31.9μmmol,29%)を調製した。
【0206】
I-49 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d/メタノール-d4=1:1,ppm)δ9.11(d,J=2.3Hz,1H),8.48(dd,J=9.1,2.7Hz,1H),8.04(s,1H),7.93(t,J=3.0Hz,1H),7.62(dd,J=8.6,3.4Hz,1H),7.54(dd,J=8.6,2.2Hz,1H),7.24(dt,J=9.1,2.2Hz,1H),4.17(dq,J=7.2,3.4Hz,1H),3.90-3.79(m,4H),3.10(t,J=3.4Hz,4H),1.36-1.21(m,2H),1.21-1.10(m,2H).
【0207】
I-50 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.19(s,1H),8.48(s,1H),8.11(s,1H),7.99(s,1H),7.77-7.67(m,1H),7.62(d,J=8.6Hz,1H),7.33(s,1H),4.29(tt,J=7.4,4.0Hz,1H),3.88(t,J=4.5Hz,4H),2.98(t,J=4.5Hz,4H),2.30(s,3H),1.31(d,J=7.0Hz,2H),1.28-1.17(m,2H).
【0208】
I-51 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d/メタノール-d4=1:1,ppm)δ9.14(s,1H),8.40(d,J=8.7Hz,1H),8.05(s,1H),7.67(d,J=8.6Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.32(d,J=8.7Hz,1H),4.22(dd,J=7.3,3.9Hz,1H),3.84(t,J=4.5Hz,4H),2.87(t,J=4.6Hz,4H),2.49(s,3H),1.30(d,J=6.9Hz,2H),1.18(tt,J=7.5,4.5Hz,2H).
【0209】
重要な中間体である1-シクロブチル-8-(メチルスルフィニル)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(9d)の調製
【化41】
1):実施例1における5aの合成法を参照して、化合物4a(8g,58.8mmol)から3-シクロブチル-3,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-オン(5d,1.56g,8.23mmol,14%)を得た。LC-MS(ESI) for C
11H
15N
2O[M+H]
+:m/z=191.3。
【0210】
2):実施例1における5a~9aの合成法を参照して、5d(1.5g,7.89mmol)から、4つの工程で9d(429mg,1.5mmol,19%)を調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.51(d,J=1.0Hz,1H),8.38(s,1H),8.14(d,J=8.7Hz,1H),7.82(d,J=8.7Hz,1H),5.88(p,J=8.5Hz,1H),3.05(d,J=1.0Hz,3H),2.96-2.85(m,2H),2.55(pd,J=9.9,4.1Hz,2H),2.19-1.97(m,2H).
表4 実施例I-52~I-56
【表4】
【0211】
実施例1におけるI-1の合成法を参照して、9d(30mg,0.105mmol)からI-52(11.5mg,26.3μmmol,25%)、I-53(10.9mg,24.2μmmol,23%)、I-54(13.7mg,30.5μmmol,29%)を調製した。
【0212】
I-52a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.16(s,1H),8.39(d,J=9.0Hz,1H),8.29(s,1H),8.12(s,1H),8.09(d,J=2.9Hz,1H),7.74(d,J=8.6Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),7.41(dd,J=9.0,2.9Hz,1H),6.16-6.04(m,1H),3.64(t,J=5.1Hz,4H),3.13(t,J=5.2Hz,4H),2.74(tdd,J=9.9,5.1,2.5Hz,2H),2.50(pd,J=9.4,2.8Hz,2H),2.08-1.90(m,2H),1.50(s,9H).
【0213】
I-52 LC-MS(ESI),C22H25N8[M+H]+:m/z=401.2。
【0214】
I-53a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.32(s,1H),8.76(s,1H),8.71(s,1H),8.01-7.94(m,1H),7.76(d,J=8.8Hz,1H),7.72(s,1H),6.18-5.96(m,1H),3.62(t,J=4.5Hz,4H),2.90(t,J=4.5Hz,4H),2.58(s,3H),2.54-2.40(m,2H),2.32(q,J=9.3Hz,1H),2.03(q,J=10.0Hz,1H),1.50(d,J=1.7Hz,9H).
【0215】
I-53 LC-MS(ESI),C23H27N8[M+H]+:m/z=415.3。
【0216】
I-54a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.17(s,1H),8.28(s,1H),8.26(d,J=8.6Hz,1H),8.06(s,1H),7.73(d,J=8.7Hz,1H),7.55(d,J=8.7Hz,1H),7.43(d,J=8.7Hz,1H),6.16-6.02(m,1H),3.61(t,J=4.9Hz,4H),2.87(t,J=4.9Hz,4H),2.74(qt,J=7.6,2.6Hz,2H),2.53(s,3H),2.51-2.44(m,2H),1.98(ddd,J=18.3,9.1,2.7Hz,2H),1.50(s,9H).
【0217】
I-54 LC-MS(ESI),C23H27N8[M+H]+:m/z=415.2。
【0218】
実施例2におけるI-2の合成法を参照して、9d(30mg,0.105mmol)からI-55(8.9mg,22.1μmmol,21%)、I-56(14.4mg,34.6μmmol,33%)を調製した。
【0219】
I-55 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.16(s,1H),8.39(d,J=9.0Hz,1H),8.28(s,1H),8.13(s,1H),8.08(d,J=3.0Hz,1H),7.73(d,J=8.6Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),7.39(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),6.11(dq,J=17.1,8.5,8.0Hz,1H),3.92(t,J=4.8Hz,4H),3.18(t,J=4.8Hz,4H),2.80-2.67(m,2H),2.50(pd,J=9.6,2.6Hz,2H),2.07-1.90(m,2H).
【0220】
I-56 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.18(s,1H),8.30(s,1H),8.25(s,1H),8.09(s,1H),8.06(s,1H),7.75(d,J=8.6Hz,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),6.08(p,J=8.5Hz,1H),3.88(t,J=4.5Hz,4H),3.00(t,J=4.5Hz,4H),2.85-2.73(m,2H),2.51(dd,J=9.6,2.8Hz,2H),2.48(s,3H),1.98(tt,J=11.0,8.6Hz,2H).
【0221】
重要な中間体である1-シクロペンチル-8-(メチルスルフィニル)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(9e)の調製
【化42】
1):実施例1における5aの合成法を参照して、化合物4a(10.0g,73.5mmol)から表題化合物3-シクロペンチル-3,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-オン(5e,3.6g,17.64mol,24%)を得た。LC-MS(ESI) for C
12H
17N
2O[M+H]
+:m/z=205.3。
【0222】
2):実施例1における5a~9aの合成法を参照して、5e(3.1g,15.2mmol)から、4つの工程で表題化合物9e(594mg,1.98mmol,13%)を調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.53(s,1H),8.32(s,1H),8.15(d,J=8.7Hz,1H),7.82(d,J=8.7Hz,1H),6.05(p,J=6.7Hz,1H),3.05(d,J=1.1Hz,3H),2.50(dq,J=13.3,6.6Hz,2H),2.09(td,J=13.8,6.8Hz,2H),1.95(d,J=8.1Hz,4H).
表5 実施例I-57~I-61
【表5】
【0223】
実施例1におけるI-1の合成法を参照して、9e(30mg,0.10mmol)から表題化合物I-57(11.3mg,25.0μmmol,25%)、I-58(12.1mg,26.0μmmol,26%)、I-59(12.5mg,27.0μmmol,27%)を調製した。
【0224】
I-57 1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ9.55(s,1H),9.05(s,1H),8.14(d,J=9.6Hz,1H),8.06-7.94(m,2H),7.85(d,J=8.8Hz,1H),7.71(d,J=9.5Hz,1H),6.23(p,J=7.1Hz,1H),3.55-3.48(m,4H),3.48-3.39(m,4H),2.51(dt,J=12.2,6.0Hz,2H),2.15-2.04(m,2H),1.99-1.86(m,4H).
【0225】
I-58a 1H NMR(600MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.17(s,1H),8.22(s,1H),8.17(s,1H),8.04(s,1H),8.01(s,1H),7.76(d,J=8.6Hz,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),6.18(ddd,J=12.9,7.3,5.5Hz,1H),3.59(t,J=4.8Hz,4H),2.93(t,J=5.0Hz,4H),2.43(m,2H),2.40(s,3H),2.08(dd,J=12.7,6.5Hz,2H),1.94(m,2H),1.86(m,2H),1.50(s,9H).
【0226】
I -58 LC-MS(ESI),C24H29N8[M+H]+:m/z=429.1。
【0227】
I -59a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.37(s,1H),8.89(s,1H),8.80(d,J=9.3Hz,1H),8.07(d,J=8.9Hz,1H),7.88(d,J=9.1Hz,2H),6.27-6.11(m,1H),3.62(d,J=5.0Hz,4H),2.90(d,J=5.0Hz,4H),2.78(s,3H),2.71-2.64(m,2H),2.07(d,J=18.9Hz,4H),1.95(m,2H).1.50(s,9H)
【0228】
I -59 LC-MS(ESI),C24H29N8[M+H]+:m/z=429.3。
【0229】
実施例2におけるI-2の合成法を参照して、9e(30mg,0.10mmol)から化合物I-60(7.9mg,19.0μmmol,19%)、I-61(1mg,31.0μmmol,31%)を調製した。
【0230】
I-60 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.17(s,1H),8.29(d,J=9.0Hz,1H),8.20(s,1H),8.18(s,1H),8.07(d,J=2.9Hz,1H),7.74(d,J=8.7Hz,1H),7.56(d,J=8.6Hz,1H),7.31(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),6.15(p,J=7.0Hz,1H),3.91(dd,J=5.8,3.7Hz,4H),3.16(dd,J=5.9,3.7Hz,4H),2.45(dt,J=13.8,7.3Hz,2H),2.09-1.94(m,4H),1.87(dq,J=9.9,3.9Hz,2H).
【0231】
I-61 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.18(s,1H),8.22(s,1H),8.17(s,1H),8.13(s,1H),8.05(s,1H),7.76(d,J=8.7Hz,1H),7.57(d,J=8.7Hz,1H),6.23-6.13(m,1H),3.92-3.83(m,4H),3.02-2.94(m,4H),2.41(m,2H),2.40(s,3H),2.14-2.05(m,2H),1.97-1.80(m,4H).
【0232】
重要な中間体である1-イソプロピル-5-メチル-8-(メチルスルフィニル)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(9f)の調製
【化43】
1):実施例1における5aの合成法を参照して、化合物1b(50g,397mmol)から、4つの工程で化合物3-イソプロピル-6-メチル-3,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-オン(5f,3.82g,19.9mmol,5%)を調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ7.67(s,1H),5.09(p,J=6.7Hz,1H),2.92(dd,J=16.3,4.4Hz,1H),2.56-2.45(m,2H),2.37(dtt,J=10.0,7.0,3.2Hz,1H),2.27(dd,J=15.7,11.5Hz,1H),1.46(d,J=6.7Hz,6H),1.13(d,J=6.3Hz,3H).
【0233】
2):実施例1における5a~9aの合成法を参照して、5f(3.8g,19.8mmol)から、4つの工程で表題化合物9f(400mg,1.39mmol,7%)を調製した。
【0234】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.66(d,J=1.7Hz,1H),8.28(d,J=1.6Hz,1H),7.91(d,J=1.2Hz,1H),5.95(pd,J=6.7,1.7Hz,1H),3.03(d,J=1.8Hz,3H),2.86(d,J=1.1Hz,3H),1.73(dd,J=8.9,6.8Hz,6H).
表6 実施例I-62~I-66
【表6】
【0235】
実施例1におけるI-1の合成法を参照して、9f(30mg,0.105mmol)から表題化合物I-62(11.0mg,25.2μmmol,24%)、I-63(8.1mg,17.9μmmol,17%)、I-64(10.9mg,24.2μmmol,23%)を調製した。
【0236】
I-62a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.88(s,1H),9.72(s,1H),8.32(dd,J=9.6,3.0Hz,1H),8.05(d,J=2.9Hz,1H),7.76(s,1H),7.72(d,J=9.6Hz,1H),6.27(p,J=6.7Hz,1H),3.58(dd,J=6.8,3.8Hz,4H),3.46(dd,J=6.8,3.7Hz,4H),2.96(s,3H),1.83(d,J=6.7Hz,6H).
【0237】
I-62 LC-MS(ESI),C22H27N8[M+H]+:m/z=403.1。
【0238】
I-63 LC-MS(ESI),C23H29N8[M+H]+:m/z=417.3。
【0239】
I-64 LC-MS(ESI),C23H29N8[M+H]+:m/z=417.5。
【0240】
実施例2におけるI-2の合成法を参照して、9e(30mg,0.105mmol)から化合物I-65(8.0mg,20.0μmmol,19%)、I-66(12.6mg,30.4μmmol,29%)を調製した。
【0241】
I-65 LC-MS(ESI),C22H26N7O[M+H]+:m/z=404.3。
【0242】
I-66 LC-MS(ESI),C23H28N7O[M+H]+:m/z=418.3。
【0243】
重要な中間体である4-ブロモ-1-イソプロピル-8-(メチルスルフィニル)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(12a)の調製
【化44】
1):4-ブロモ-1-イソプロピル-8-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(12a)
【0244】
8a(1.8g,6.98mmol)、N-ブロモスクシンイミド(2.48g,13.96mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(344mg,2.1mmol)を四塩化炭素(40mL)に懸濁させ、反応系をアルゴンガスで3回置換し、80℃に加熱し、18時間撹拌した。反応液を濃縮した後、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)により精製し、淡黄色の固体として4-ブロモ-1-イソプロピル-8-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(11a,961.0mg,2.86mmol,41%)を得た。LC-MS(ESI) for C13H14BrN4S[M+H]+:m/z=337.3,339.2。
【0245】
2):実施例1における8a~9aの合成法を参照して、11a(460mg,1.37mmol)から表題化合物12a(401mg,1.14mmol,83%)を調製した。LC-MS(ESI) for C
13H
14BrN
4OS[M+H]
+:m/z=353.1,355.3。
表7 実施例I-67~I-71
【表7】
【0246】
実施例1におけるI-1の合成法を参照して、12a(35mg,0.10mmol)から表題化合物I-67(11.5mg,23.0μmmol,23%)、I-68(7.2mg,14.0μmmol,14%)、I-69(12.9mg,25.0μmmol,25%)、I-71(6.0mg,11.0μmmol,11%)を調製した。
【0247】
I-67a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.10(s,1H),8.25(d,J=4.3Hz,2H),8.09-7.98(m,2H),7.80(s,1H),7.34(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),6.06(p,J=6.8Hz,1H),3.63(t,J=5.1Hz,4H),3.13(t,J=5.1Hz,4H),1.73(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H).
【0248】
I-67 LC-MS(ESI),C21H24BrN8[M+H]+:m/z=467.1,469.2。
【0249】
I-68 LC-MS(ESI),C22H26BrN8[M+H]+:m/z=481.1,483.3。
【0250】
I-69 LC-MS(ESI),C22H26BrN8[M+H]+:m/z=481.3,483.5。
【0251】
I-71a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.10(s,1H),8.31-8.19(m,2H),8.14(s,1H),8.06(d,J=2.8Hz,1H),7.79(s,1H),7.33(dd,J=9.0,2.9Hz,1H),6.06(dt,J=13.8,7.0Hz,1H),3.71(s,4H),3.19-3.03(m,4H),2.01-1.86(m,4H),1.73(d,J=6.8Hz,6H),1.46(s,8H).
【0252】
I-71 LC-MS(ESI),C24H28BrN8[M+H]+:m/z=507.3,509.3。
【0253】
実施例2におけるI-2の合成法を参照して、12a(35mg,0.10mmol)から化合物I-70(12.6mg,27.0μmmol,27%)を調製した。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.11(s,1H),8.26(d,J=6.9Hz,2H),8.07(d,J=17.4Hz,2H),7.80(s,1H),7.32(d,J=7.5Hz,1H),6.12-5.99(m,1H),4.04-3.81(m,4H),3.30-3.06(m,4H),1.73(d,J=6.6Hz,6H).
【0254】
重要な中間体である1-イソプロピル-4-メチル-8-(メチルスルフィニル)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(14a)の調製
【化45】
1):11a(500mg,1.49mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]二塩化パラジウム(110mg,0.15mmol)、炭酸カリウム(8.6g,62.3mmol)およびトリメチルボロキシン(3.5M in THF,1.7mL,6.0mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(8mL)と水(4mL)との混合溶媒に懸濁させ、アルゴンガスで反応系を3回置換し、130℃に加熱し、一晩撹拌した。酢酸エチル(100mL)および水(30mL)で反応液を希釈し、有機層を水(15mL)と飽和食塩水(15mL)でそれぞれ2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。得られたろ液をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)により精製し、淡黄色の固体として1-イソプロピル-4-メチル-8-(メチルチオ)-1H-イミダゾ[4,5-H]キナゾリン(13a,340mg,1.25mmol,84%)を得た。LC-MS(ESI) for C
14H
17N
4S[M+H]
+:m/z=273.1。
【0255】
2):実施例1における8a~9aの合成法を参照して、13a(330mg,1.21mmol)から表題化合物14a(317mg,1.10mmol,91%)を調製した。LC-MS(ESI) for C
14H
17N
4OS [M+H]
+:m/z=289.2。
表8 実施例I-72~I-76
【表8】
【0256】
実施例1におけるI-1の合成法を参照して、14a(50mg,0.174mmol)から化合物I-72(9.2mg,21μmmol,15%)、I-73(10.2mg,22.6μmmol,13%)、I-74(20.4mg,45.2μmmol,26%)を調製した。
【0257】
I-72a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.11(s,1H),8.31(d,J=9.0Hz,1H),8.20(s,1H),8.13(s,1H),8.06(d,J=3.0Hz,1H),7.35(brs,1H),7.33(d,J=3.0Hz,1H),6.07(p,J=6.7Hz,1H),3.63(t,J=5.1Hz,4H),3.12(t,J=5.2Hz,4H),2.75-2.71(m,3H),1.73(d,J=6.8Hz,6H),1.49(s,9H).
【0258】
I-73a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ9.12(s,1H),8.22(d,J=2.7Hz,2H),8.17(s,1H),8.02(s,1H),7.40-7.33(m,1H),6.10(dt,J=13.4,6.7Hz,1H),3.69-3.52(m,4H),3.01-2.85(m,4H),2.81-2.69(m,3H),2.42(s,3H),1.74(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H).
【0259】
I-74a 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.11(s,1H),8.19(d,J=10.5Hz,2H),8.06(s,1H),7.41-7.32(m,2H),6.07(dt,J=13.6,6.8Hz,1H),3.70-3.53(m,4H),2.94-2.80(m,4H),2.77-2.67(m,3H),2.52(s,3H),1.72(d,J=6.8Hz,6H),1.50(s,9H).
【0260】
実施例2におけるI-2の合成法を参照して、14a(50mg,0.174mmol)から化合物I-75(16.1mg,40.0μmmol,23%)、I-76(18.9mg,45.2μmmol,26%)を調製した。
【0261】
I-75 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.12(s,1H),8.39-8.25(m,2H),8.20(s,1H),8.07(d,J=2.7Hz,1H),7.42-7.28(m,2H),6.07(h,J=6.9Hz,1H),4.03-3.81(m,4H),3.28-3.04(m,4H),2.84-2.68(m,3H),1.73(d,J=6.8Hz,6H).
【0262】
I-76 1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm)δ9.15(s,1H),8.67(s,1H),8.21(d,J=3.3Hz,2H),8.12(s,1H),7.35(s,1H),6.09(dt,J=13.4,6.6Hz,1H),4.02-3.74(m,4H),3.12-2.91(m,4H),2.73(s,3H),2.42(s,3H),1.73(d,J=6.7Hz,6H).
【0263】
実施例77
生化学的キナーゼ阻害アッセイによる力価測定。キナーゼ活性アッセイおよびIC50測定。まず、10ngの組換えCDK4/サイクリンD1(Life Technologies PV4204)をキナーゼ緩衝液(20mM Tris pH7.5,10mM MgCl2,0.01% NP-40,2mM DTT)に希釈し、阻害剤の表示濃度に応じて室温で30分間インキュベートした。1μg(1.5μm)の組換え網膜芽細胞腫タンパク質、5μM ATPおよび10μ Ci γ-32P-ATPを添加することにより、キナーゼ反応を開始した。30℃で該反応を20分間インキュベートし、2×Laemmliサンプル緩衝液を加えて反応を停止し、95℃で3分間加熱し、12%アクリルアミドSDS-PAGEで溶解して、オートラジオグラフィーを行った。濃度計(Bio-Rad)を使用して、対応するリン酸化基質タンパク質バンドを定量した。得られた濃度値は、Prism 4 Graphpadソフトウェアで対数薬物濃度の関数としてプロットされ、可変勾配の非線形回帰曲線をプロットすることにより、IC50値を決定した。
【0264】
同様の方法で、CDK6/サイクリンD1、CDK2/サイクリンA、CDK5/サイクリンP25、CDK9/サイクリンT1、CDK7/サイクリンH、およびCDK19/サイクリンCに対する本発明の化合物の阻害活性を試験した。
【0265】
最も代表的な本発明の化合物の酵素阻害活性の結果を以下の表に示す。化合物は、IC50の10倍量である10μMの開始濃度から3倍連続希釈で試験された。対照化合物であるスタウロスポリンは、IC50の10倍量である20μMの開始濃度から4倍連続希釈で試験された。反応は、10μMのATPの条件下で行った。
【表9】
【0266】
上記の内容は、好ましい実施形態を参照して本発明に対する詳細な説明であるが、本発明は、以上の説明に限定されない。本発明の精神および範囲を離れることなく、様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
[請求項1]
一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物であって、
[化1]
但し、
A
1
はCR
3
またはNから選択され;
A
2
はCR
3
またはNから選択され;
A
3
はCR
3
またはNから選択され;
R
1
は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7
シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2
は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3~7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7
シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3
は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、-L-OR
a
、-L-SR
a
、-L-NR
b
R
c
、-L-C(O)R
a
、-L-C(O)OR
a
、-L-C(O)NR
b
R
c
、-L-S(O)
m
R
a
、-L-S(O)
m
OR
a
、-L-S(O)
m
NR
b
R
c
、-O-C
1-6
アルキレン-R
6
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-L’-C
3-7
シクロアルキル基、-L’-3~11員ヘテロシクリル、-L’-C
6-10
アリール、または-L’-5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
6
基で置換されていてもよく、
R
4
は、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリル基から選択され;
R
5
は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7
シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
6
は、H、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル、-N(C
1-6
アルキル)
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-L-C
3-7
シクロアルキル、-L-3~7員ヘテロシクリル、-L-C
6-10
アリール、または-L-5~10員ヘテロアリールから選択され;
或いは、同じ炭素原子上の2つのR
6
基は、一緒にオキソ基またはチオキソ基を形成していてもよく;
ここで、
R
4
は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、R’は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2
、-OR
a
、-SR
a
、-NR
b
R
c
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
3-7
シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10
アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
3
、R
5
、およびR
6
は、それぞれ1、2または3個のR”基で置換されていてもよく、R”基は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2
、カルボニル基、-L-CN、-L-OR
a
、-L-SR
a
、-L-NR
b
R
c
、-L-C(O)R
a
、-L-C(S)R
a
、-L-C(O)OR
a
、-L-C(S)OR
a
、-L-C(O)-NR
b
R
c
、-L-C(S)-NR
b
R
c
、-L-O-C(O)R
a
、-L-O-C(S)R
a
、-L-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-L-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-L-S(O)
m
R
a
、-L-S(O)
m
OR
a
、-L-S(O)
m
NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-S(O)
m
-R
a
、-L-N(R
b
)-S(O)
m
-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(O)OR
a
、-L-N(R
b
)-C(S)OR
a
、-L-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-L-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-L-O-C(O)-NR
b
R
c
、-L-O-C(S)-NR
b
R
c
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、-L-C
3-7
シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10
アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;ここで、前記C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、-L-C
3-7
シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10
アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基は、-L-CN、-NO
2
、カルボニル基、-L-OR
a
、-L-SR
a
、-L-NR
b
R
c
、-L-C(O)R
a
、-L-C(S)R
a
、-L-C(O)OR
a
、-L-C(S)OR
a
、-L-C(O)-NR
b
R
c
、-L-C(S)-NR
b
R
c
、-L-O-C(O)R
a
、-L-O-C(S)R
a
、-L-N(R
b
)-C(O)-R
a
、-L-N(R
b
)-C(S)-R
a
、-L-S(O)
m
R
a
、-L-S(O)
m
OR
a
、-L-S(O)
m
NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-S(O)
m
-R
a
、-L-N(R
b
)-S(O)
m
-R
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(O)OR
a
、-L-N(R
b
)-C(S)OR
a
、-L-O-C
1-6
アルキレン-OR
a
、-L-C(O)-C
1-6
アルキレン-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(O)-NR
b
R
c
、-L-N(R
b
)-C(S)-NR
b
R
c
、-L-O-C(O)-NR
b
R
c
、-L-O-C(S)-NR
b
R
c
からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
a
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7
シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10
アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;
R
b
およびR
c
は、独立して、H、C
1-6
アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7
シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10
アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基から選択され;または、R
b
およびR
c
はN原子と一緒に3~7員ヘテロシクリル基を形成し;
R
a
、R
b
およびR
c
はそれぞれ、C
1-6
アルキル基、C
2-6
アルケニル基、C
2-6
アルキニル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-L-C
3-7
シクロアルキル基、-L-3~7員ヘテロシクリル基、-L-C
6-10
アリール基、または-L-5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
Lは、化学結合、-C
1-6
アルキレン-、-C
2-6
アルケニレン-または-C
2-6
アルキニレン-から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6
アルキレン-、-C
2-6
アルケニレン-、または-C
2-6
アルキニレン-から選択され;
mは0、1、または2である、
一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物。
[請求項2]
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R
1
はHであり;
R
2
は、H、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3
は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化2]
好ましくは、R
3
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化3]
好ましくは、R
3
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され:
[化4]
R
4
はイソプロピルであり;
R
5
はHであり;
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル基)
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
R
a
は、HまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
或いは、
A
1
はNであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
はHであり;
R
3
は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化5]
好ましくは、R
3
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され:
[化6]
R
4
は、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、またはC
3-7
シクロアルキル基から選択され;好ましくは、R
4
はシクロペンチルであり;
R
5
はHであり;
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル)
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
R
a
は、HまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
或いは、
A
1
はCHであり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
はHであり;
R
3
は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、独立してH、ハロゲン、-CN、-NO
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、或いは1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され:
[化7]
R
4
はイソプロピルであり;
R
5
はHであり;
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル基)
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
R
a
は、HまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
或いは、
A
1
はCR
3
であり;
A
2
はCR
3
であり;
A
3
はCR
3
であり;
R
1
はHであり;
R
2
はHであり;
R
3
は、H、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、-OR
a
、-O-C
1-6
アルキレン-R
6
、または-L’-3~7員ヘテロシクリル基から選択され、前記基は、1または2個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
4
はイソプロピルであり;
R
5
はHであり;
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル基)
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
a
は、HまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、または-NHC(O)-から選択されることを特徴とする、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物。
[請求項3]
一般式(II-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物であって、
[化8]
但し、
R
1
は、H、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基であり;
R
2
は、H、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基であり;
R
3
は、1、2または3個のR
6
基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、1、2または3個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化9]
R
3
’は、独立してHまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
1
はHまたはC
1-6
アルキル基であり;
R
2
はH、ハロゲンまたはC
1-6
アルキル基であり;
R
3
は、以下の基から選択され;
[化10]
R
3
’は、独立してHまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
1
はHまたはメチルであり;
R
2
はH、Brまたはメチルであり;
R
3
は、以下の基から選択され:
[化11]
R
3
’は、独立してHまたはメチルから選択される、
一般式(II-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物。
[請求項4]
一般式(II-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物であって、
[化12]
但し、
R
2
は、H、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3
は、1、2または3個のR
6
基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、1、2または3個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化13]
R
3
’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル基)
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
R
a
は、H、C
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、ハロゲンまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3
’は、独立してH、ハロゲンまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され;
[化14]
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル基)
2
、C
1-6
アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3
は、独立して1、2または3個のR
6
基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、1、2または3個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化15]
R
3
’は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、ハロゲンまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
3
は、以下の基から選択され;
[化16]
R
3
’は、独立してHまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
2
は、H、Brまたはメチルから選択され;
R
3
は、以下の基から選択され;
[化17]
R
3
’は、独立してHまたはメチルから選択される、
一般式(II-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物。
[請求項5]
一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物であって、
[化18]
但し、
R
3
は、独立して1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい3~11員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化19]
R
3
’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル基)
2
、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
R
a
は、H、C
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化20]
R
3
’は、独立してH、ハロゲンまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル基)
2
、C
1-6
アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
R
a
は、H、C
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化21]
R
3
’は、独立してH、Fまたはメチルから選択され;
好ましくは、
R
3
は、独立して1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、独立して1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され:
[化22]
R
3
’は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、1、2または3個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化23]
R
3
’は、独立してHまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化24]
R
3
’は、独立してHまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化25]
R
3
’は、独立してHまたはメチルから選択される、
一般式(II-3)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物。
[請求項6]
一般式(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物であって、
[化26]
但し、
R
3
は、1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化27]
R
3
’は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、またはC
3-7
シクロアルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化28]
R
3
’は、独立してHまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
4
は、C
1-6
アルキル基、またはC
3-7
シクロアルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化29]
R
3
’は、独立してHまたはメチルから選択され;
R
4
は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはエチルから選択される、
一般式(II-4)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物。
[請求項7]
一般式(II-5)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物であって、
[化30]
但し、
R
3
は、1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化31]
R
3
’は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化32]
R
3
’は、独立してHまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化33]
R
3
’は、独立してHまたはメチルから選択される、
一般式(II-5)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物。
[請求項8]
一般式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物であって、
[化34]
但し、
R
3
は、1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリル基から選択され;
好ましくは、R
3
は、1、2、3または4個のR
6
基で置換されていてもよい以下の基から選択され;
[化35]
R
3
’は、独立してH、ハロゲンまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
R
a
は、HまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化36]
R
3
’は、独立してHまたはハロゲンから選択され;
R
6
は、独立してH、C
1-6
アルキル基、C
1-6
ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6
アルキレン-OR
a
から選択され;
R
a
は、HまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化37]
R
3
’は、独立してHまたはFから選択され;
或いは、
R
3
は、-O-C
1-6
アルキレン-R
6
または-L’-3~7員ヘテロシクリル基から選択され、これらの基は1または2個のR
6
基で置換されていてもよく;
R
3
’は、独立してH、ハロゲン、C
1-6
アルキル基、または-OR
a
から選択され;
R
6
は、独立してH、-NH
2
、-NHC
1-6
アルキル基、-N(C
1-6
アルキル基)
2
、C
1-6
アルキル基、またはC
1-6
ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
a
は、HまたはC
1-6
アルキル基から選択され;
L’は、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
好ましくは、
R
3
は、以下の基から選択され;
[化38]
R
3
’は、独立してH、F、メチル、またはOMeから選択される、
一般式(III)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、およびそれらの混合物。
[請求項9]
前記化合物は、
[化39]
[化40]
から選択されることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体。
[請求項10]
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であって、さらに他の治療剤を含んでもよい医薬組成物。
[請求項11]
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体を含む第1容器;
備えても良い、他の治療剤を含む第2容器;および
備えても良い、前記化合物および/または他の治療剤を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3容器を含む、
キット。
[請求項12]
CDKによる疾患を治療及び/又は予防するための薬物の調製への、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体の使用。
[請求項13]
被験者に、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、或いは請求項10に記載の医薬組成物を投与すること含む、被験者におけるCDKによる疾患を治療及び/又は予防する方法。
[請求項14]
CDKによる疾患を治療及び/又は予防するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、或いは請求項10に記載の医薬組成物。
[請求項15]
前記CDKによる疾患は、癌、心血管疾患、感染症、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、および他の細胞増殖性障害などの細胞増殖性疾患を含むが、これらに限定されなく、
より具体的には、前記癌として、例えば、乳がん、神経芽細胞腫、悪性横紋筋肉腫、高分化型および脱分化型脂肪肉腫、神経膠腫、肺がん、結腸直腸がん、胃がん、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞がん、前立腺腫瘍、肉腫、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、メラノーマ、甲状腺がん、胆管がん、子宮内膜がん、腎がん、中皮腫、リンパ腫、白血病、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、および多発性骨髄腫などの固形腫瘍および血液悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されなく、
より具体的には、前記心血管疾患は、例えば、再狭窄、アテローム性動脈硬化、バルーン血管形成術に続発する血管平滑筋増殖と内膜増殖、および異常な細胞増殖による血管障害であり、
より具体的には、前記感染症として、真菌、原虫(例えば、熱帯熱マラリア原虫)、ならびに単純ヘルペスウイルス(HSV)感染などのDNAおよびRNAウイルスの感染を含み、
より具体的には、前記慢性炎症性疾患は、例えば関節リウマチであり、
より具体的には、前記他の細胞増殖性障害として、(ケラチン生成細胞の過剰増殖を特徴とする)乾癬、糸球体腎炎、およびループスを含む、
請求項12に記載の使用、請求項13に記載の方法、または請求項14に記載の化合物または組成物の使用。