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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】仮設足場用朝顔装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/00 20060101AFI20221111BHJP
【FI】
E04G5/00 301C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022132933
(22)【出願日】2022-08-24
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】518078728
【氏名又は名称】三栄工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】古田 亘
(72)【発明者】
【氏名】梶野 勝秀
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特許第7136521(JP,B1)
【文献】特開2021-21258(JP,A)
【文献】特開2015-48670(JP,A)
【文献】実開昭63-96151(JP,U)
【文献】特開2019-94713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/00
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の直線部分を有するとともに隣り合う直線部分どうしが一定の角度をなして連なっており、直線部分の張り出し側端部に、複数の支柱が当該直線部分の長手方向に間隔をおいて立設されて支柱列を構成しており、互いに一定の角度をなして連なった2つの直線部分の前記支柱列が1つのコーナー支柱を共有している仮設足場において、前記支柱を利用して着脱自在に取り付けられる仮設足場用朝顔装置であって、
仮設足場の直線部分に張り出し状に配置される直線朝顔ユニットと、仮設足場の隣り合う直線部分間のコーナー部分において2つの直線朝顔ユニット間の隙間を埋めるように配置されるコーナー朝顔ユニットとを備えており、
直線朝顔ユニットが、仮設足場の直線部分の前記支柱列の各支柱に張り出し状に取り付けられた複数の直線部支持部材と、隣り合う直線部支持部材間に配置された複数の第1パネルと、直線朝顔ユニットにおけるコーナー朝顔ユニット側の端部の直線部支持部材の外側に配置された複数の第2パネルとを備えており、
コーナー朝顔ユニットが、コーナー支柱からコーナー朝顔ユニットを挟む2つの直線朝顔ユニットの張り出し方向に延びるようにコーナー支柱に直接取り付けられて、コーナー支柱の中心軸線の周りに互いに一定の角度をなす2つのコーナー部第1支持部材と、両コーナー部第1支持部材間において、固定部材によりコーナー支柱に固定されたコーナー支柱と平行な取付バーを介してコーナー支柱に取り付けられるとともに、両コーナー部第1支持部材間の角度を分ける直線上に配置されているコーナー部第2支持部材と、両コーナー部第1支持部材とコーナー部第2支持部材との間に配置された複数のコーナーパネルとを備えており、
直線朝顔ユニットの直線部支持部材、ならびにコーナー朝顔ユニットのコーナー部第1支持部材およびコーナー部第2支持部材が、仮設足場から張り出す方向に向かって上方に傾斜した棒状の主材および主材を傾斜状態で保持する棒状の副材からなり、
直線部支持部材の主材が、一端部において仮設足場の直線部分の各支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部において主材の一端部が取り付けられた支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部が主材の他端部寄りの部分に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられており、
コーナー部第1支持部材の主材が、一端部においてコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部においてコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部が主材の他端部寄りの部分に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられており、
コーナー部第2支持部材の主材が、一端部において取付バーに水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部において取付バーに水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部が主材の他端部寄りの部分に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられている仮設足場用朝顔装置。
【請求項2】
取付バーをコーナー支柱に固定する固定部材が、コーナー支柱をクランプする第1クランプ金具、取付バーをクランプする第2クランプ金具および両クランプ金具に固定されて両クランプ金具を連結する連結具からなる請求項1記載の仮設足場用朝顔装置。
【請求項3】
取付バーをコーナー支柱に固定する固定部材が、コーナー支柱をクランプする第1クランプ金具および第1クランプ金具に固定されかつ取付バーをクランプする第2クランプ金具からなる請求項1記載の仮設足場用朝顔装置。
【請求項4】
取付バーが、仮設足場の支柱を構成する支柱構成部材と同一横断面形状を有している請求項1記載の仮設足場用朝顔装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、仮設足場に張り出し状に設置して、仮設足場からの資材や工具等の落下による事故を防止するために用いられる仮設足場用朝顔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮設足場用朝顔装置として、たとえば、下記の特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1記載の仮設足場用朝顔装置は、複数の直線部分を有するとともに隣り合う直線部分どうしが一定の角度をなして連なっており、直線部分の張り出し側端部に、複数の支柱が当該直線部分の長手方向に間隔をおいて立設されて支柱列を構成しており、互いに一定の角度をなして連なった2つの直線部分の前記支柱列が1つのコーナー支柱を共有している仮設足場において、前記支柱を利用して着脱自在に取り付けられる仮設足場用朝顔装置であって、仮設足場の直線部分に配置される直線朝顔ユニットおよび仮設足場の隣り合う直線部分間のコーナー部分に配置されるコーナー朝顔ユニットを備えており、直線朝顔ユニットが、仮設足場の直線部分の前記支柱列の各支柱に取り付けられた複数の第1支持部材と、隣り合う第1支持部材間に仮設足場の張り出し方向に並んで配置された複数の第1パネルとを備えており、コーナー朝顔ユニットが、コーナー支柱にコーナー支柱の中心軸線から放射状に延びるように取り付けられた1つの第2支持部材と、コーナー部を挟む直線朝顔ユニットのコーナー部側の端部に配置された2つの第1支持部材と第2支持部材との間に配置された2枚の三角形パネルとを備えており、直線朝顔ユニットの第1支持部材が、第1パネルの1辺を保持する主材と、一端部が主材に枢着されて主材の長手方向と直交する水平軸線の周りに回転自在である副材とよりなり、第1支持部材の主材の一端部が仮設足場の直線部分の各支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように支持部材接続部を介して取り付けられて他端部に向かって仮設足場から張り出す方向方向に向かって上方に傾斜しており、同じく副材の主材への連結端部とは反対側の端部が、主材の一端部が取り付けられた支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように支持部材接続部を介して取り付けられて主材を傾斜状態に保持しており、コーナー朝顔ユニットの第2支持部材が、2つの三角形パネルの近接した1つの辺を連結する主材と、一端部が主材に枢着されて主材の長手方向と直交する水平軸線の周りに回転自在である副材とよりなり、第2支持部材の主材の一端部が三方支持部材接続部を介してコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように着脱自在に取り付けられて他端部に向かって斜め上方に傾斜しており、同じく副材の主材への連結端部とは反対側の端部が三方支持部材接続部を介してコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように着脱自在に取り付けられて主材を傾斜状態に保持しており、三方支持部材接続部が、上下方向に間隔をおいて配置された2つのL形当接板と、両当接板に溶接されかつコーナー支柱の中心軸線から放射状に延びる3枚のプレートと、一方の当接板とともにコーナー支柱を挟着する挟着プレートとからなり、3枚のプレートのうち両側の2枚のプレートは互いに90度隔てて配置されるとともに中央のプレートが両側のプレートからそれぞれ45度隔てて配置されており、主材をコーナー支柱に連結する三方支持部材接続部の両側のプレートに直線朝顔ユニットのコーナー部側の端部に配置された2つの第1支持部材の主材がボルトとナットとにより取り付けられ、同じく中央のプレートに第2支持部材の主材に設けられてプレートを挟む1対の挟着片がボルトとナットとにより取り付けられ、副材をコーナー支柱に連結する三方支持部材接続部の両側のプレートに直線朝顔ユニットのコーナー部側の端部に配置された2つの第1支持部材の副材がボルトとナットとにより取り付けられ、同じく中央のプレートに第2支持部材の副材に設けられてプレートを挟む1対の挟着片がボルトとナットとにより取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-92158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の仮設足場用朝顔装置によれば、コーナー朝顔ユニットの第2支持部材の構成を直線朝顔ユニットの第1支持部材とは変える必要があり、部品の種類が増加するという問題があった。また、三方支持部材接続部の構成が比較的複雑になるという問題があった。さらに、三方支持部材接続部への第1支持部材の主材および副材、ならびに第2支持部材の主材および副材の取付作業が比較的煩雑になり、その結果仮設足場用朝顔装置の組み立て作業が比較的煩雑になるという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、上記問題を解決し、用いる部品の種類を減少させることができるとともに用いる部品の構成が比較的簡単になり、さらに組み立て作業が容易になる仮設足場用朝顔装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0007】
1)複数の直線部分を有するとともに隣り合う直線部分どうしが一定の角度をなして連なっており、直線部分の張り出し側端部に、複数の支柱が当該直線部分の長手方向に間隔をおいて立設されて支柱列を構成しており、互いに一定の角度をなして連なった2つの直線部分の前記支柱列が1つのコーナー支柱を共有している仮設足場において、前記支柱を利用して着脱自在に取り付けられる仮設足場用朝顔装置であって、
仮設足場の直線部分に張り出し状に配置される直線朝顔ユニットと、仮設足場の隣り合う直線部分間のコーナー部分において2つの直線朝顔ユニット間の隙間を埋めるように配置されるコーナー朝顔ユニットとを備えており、
直線朝顔ユニットが、仮設足場の直線部分の前記支柱列の各支柱に張り出し状に取り付けられた複数の直線部支持部材と、隣り合う直線部支持部材間に配置された複数の第1パネルと、直線朝顔ユニットにおけるコーナー朝顔ユニット側の端部の直線部支持部材の外側に配置された複数の第2パネルとを備えており、
コーナー朝顔ユニットが、コーナー支柱からコーナー朝顔ユニットを挟む2つの直線朝顔ユニットの張り出し方向に延びるようにコーナー支柱に直接取り付けられて、コーナー支柱の中心軸線の周りに互いに一定の角度をなす2つのコーナー部第1支持部材と、両コーナー部第1支持部材間において、固定部材によりコーナー支柱に固定されたコーナー支柱と平行な取付バーを介してコーナー支柱に取り付けられるとともに、両コーナー部第1支持部材間の角度を分ける直線上に配置されているコーナー部第2支持部材と、両コーナー部第1支持部材とコーナー部第2支持部材との間に配置された複数のコーナーパネルとを備えており、
直線朝顔ユニットの直線部支持部材、ならびにコーナー朝顔ユニットのコーナー部第1支持部材およびコーナー部第2支持部材が、仮設足場から張り出す方向に向かって上方に傾斜した棒状の主材および主材を傾斜状態で保持する棒状の副材からなり、
直線部支持部材の主材が、一端部において仮設足場の直線部分の各支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部において主材の一端部が取り付けられた支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部が主材の他端部寄りの部分に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられており、
コーナー部第1支持部材の主材が、一端部においてコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部においてコーナー支柱に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部が主材の他端部寄りの部分に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられており、
コーナー部第2支持部材の主材が、一端部において取付バーに水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜しており、同じく副材が、一端部において取付バーに水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられるとともに、他端部が主材の他端部寄りの部分に水平回転軸線の周りに回転自在となるように取り付けられている仮設足場用朝顔装置。
【0008】
2)取付バーをコーナー支柱に固定する固定部材が、コーナー支柱をクランプする第1クランプ金具、取付バーをクランプする第2クランプ金具および両クランプ金具に固定されて両クランプ金具を連結する連結具からなる上記1)記載の仮設足場用朝顔装置。
【0009】
3)取付バーをコーナー支柱に固定する固定部材が、コーナー支柱をクランプする第1クランプ金具および第1クランプ金具に固定されかつ取付バーをクランプする第2クランプ金具からなる上記1)記載の仮設足場用朝顔装置。
【0010】
4)取付バーが、仮設足場の支柱を構成する支柱構成部材と同一横断面形状を有している上記1)記載の仮設足場用朝顔装置。
【発明の効果】
【0011】
上記1)~4)の仮設足場用朝顔装置によれば、直線朝顔ユニットの直線部支持部材とコーナー朝顔ユニットのコーナー部第1支持部材およびコーナー部第2支持部材とを同一構成にすることが可能になり、使用する部品の種類を減少させることができる。
【0012】
また、直線朝顔ユニットの直線部支持部材の主材および副材と、コーナー朝顔ユニットのコーナー部第1支持部材の主材および副材とがコーナー支柱に直接取り付けられ、コーナー部第2支持部材の主材および副材の一端部が、1つの取付バーを介してコーナー支柱に取り付けられているので、コーナー朝顔ユニットを設置するのに必要な部品点数を少なくすることができる。
【0013】
さらに、取付バーが、コーナー支柱と平行な棒材からなるので、たとえば仮設足場の支柱を構成する支柱構成部材と同一形状の棒材を取付バーとして利用することができ、コスト削減を図ることができる。しかも、仮設足場の支柱を構成する支柱構成部材と同一形状の棒材を取付バーとして利用すると、直線朝顔ユニットの直線部支持部材の支柱への取り付けと、コーナー朝顔ユニットのコーナー部第1支持部材のコーナー支柱への取り付けと、コーナー朝顔ユニットのコーナー部第2支持部材の取付バーへの取り付けとを、同一の取付具を用いて同一手順で行うことが可能になり、ひいては仮設足場用朝顔装置の組み立て作業が比較的簡単になる。
【0014】
上記2)および3)の仮設足場用朝顔装置によれば、取付バーをコーナー支柱に固定する固定部材の構造が簡単になってコスト削減を図ることができるとともに、取付バーのコーナー支柱への取り付けが容易になって仮設足場用朝顔装置のコーナー朝顔ユニットの設置作業が容易になる。。
【0015】
上記4)の仮設足場用朝顔装置によれば、仮設足場の支柱を構成する支柱構成部材と同一形状の棒材を取付バーとして利用することにより、コスト削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の仮設足場用朝顔装置の一部分を示す平面図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4図1の仮設足場用朝顔装置を示し、直線朝顔ユニットの第2パネルおよびコーナー朝顔ユニットのコーナーパネルを省略した下方から見た斜視図である。
図5】直線朝顔ユニットの直線部支持部材を示す側面図である。
図6】コーナー朝顔ユニットのコーナー部第2支持部材を示す側面図である。
図7】この発明の仮設足場用朝顔装置の直線朝顔ユニットおよびコーナー朝顔ユニットの変形例を示す図2相当の図である。
図8図7の要部拡大図である。
図9図7の仮設足場用朝顔装置を示し、直線朝顔ユニットの第2パネルおよびコーナー朝顔ユニットのコーナーパネルを省略した下方から見た斜視図である。
図10図7の仮設足場用朝顔装置のコーナー朝顔ユニットのコーナー部第2支持部材を示す図6相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1はこの発明による仮設足場用朝顔装置の直線朝顔ユニットの一部とコーナー朝顔ユニットとを示し、図2および図3図1の要部の構成を示す。また、図4図1の仮設足場用朝顔装置を、直線朝顔ユニットの第2パネルおよびコーナー朝顔ユニットのコーナーパネルを省略して示し、図5は直線朝顔ユニットの直線部支持部材を示し、図6はコーナー朝顔ユニットのコーナー部第2支持部材を示す。なお、コーナー朝顔ユニットのコーナー部第1支持部材は、主材および副材がコーナー支柱に取り付けられることを除いては、主材および副材が支柱に取り付けられる直線朝顔ユニットの直線部支持部材と同一構成であるから、図5の括弧内にコーナー支柱およびコーナー部第1支持部材の各部の符号を付して示す。
【0019】
図1図4において、仮設足場用朝顔装置(1)は、仮設足場(S)に張り出し状に着脱自在に設置されるものである。仮設足場(S)は、複数の直線部分(S1)を有するとともに隣り合う直線部分(S1)どうしが一定の角度、この実施形態では直角をなして連なったものであり、直線部分(S1)の建物側端部および張り出し側端部に、それぞれ複数の支柱(S2)が直線部分(S1)の長手方向に間隔をおいて立設されて建物側支柱列(S3)および張り出し側支柱列(S4)が構成され、2つの直線部分(S1)の張り出し側支柱列(S4)が1つのコーナー支柱(S21)を共有している。
【0020】
仮設足場(S)の建物側支柱列(S3)と張り出し側支柱列(S4)との間には、複数の踏板(S5)が長手方向を両支柱列(S3)(S4)の支柱(S2)(S21)の並び方向に向けて配置されており、踏板(S5)の長手方向両端部に設けられたフック(図示略)が、建物側支柱列(S3)の支柱(S2)と張り出し側支柱列(S4)の支柱(S2)(S21)との間に渡し止められた横桟(S6)に係合させられている。
【0021】
仮設足場用朝顔装置(1)は、張り出し側支柱列(S4)の支柱(S2)(S21)を利用して、仮設足場(S)に着脱自在に張り出し状に設置されている。仮設足場用朝顔装置(1)は、仮設足場(S)の直線部分(S1)に張り出し状に配置される直線朝顔ユニット(2)と、仮設足場(S)の隣り合う直線部分(S1)間のコーナー部分において隣り合う2つの直線朝顔ユニット間の隙間を埋めるように配置されるコーナー朝顔ユニット(3)とを備えている。
【0022】
直線朝顔ユニット(2)は、仮設足場(S)の直線部分(S1)の張り出し側支柱列(S4)の各支柱(S2)に張り出し状に直接取り付けられた複数の直線部支持部材(4)と、長手方向を張り出し側支柱列(S4)の支柱(S2)の並び方向に向けた状態で隣り合う直線部支持部材(4)間に仮設足場(S)の張り出し方向に並んで配置された複数の第1パネル(5)と、直線朝顔ユニット(2)におけるコーナー朝顔ユニット(3)側の端部の直線部支持部材(4)の外側に仮設足場(S)の張り出し方向に並んで配置された複数の第2パネル(6)とを備えている。
【0023】
図4および図5を参照すると、直線部支持部材(4)は下支持型であって、一端部が仮設足場(S)の直線部分(S1)の張り出し側支柱列(S4)の支柱(S2)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(41)と、一端部が主材(41)が取り付けられた支柱(S2)に取り付けられるとともに、他端部が主材(41)の他端部近傍に枢着されて主材(41)を傾斜状態に保持する棒状の金属製副材(42)とよりなる。主材(41)および副材(42)の一端部は、支柱(S2)に対して張り出し側支柱列(S4)における支柱(S2)の並び方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(42)の他端部は、主材(41)に対して張り出し側支柱列(S4)における支柱(S2)の並び方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在である。
【0024】
図2および図5を参照すると、直線部支持部材(4)の主材(41)の一端部、すなわち傾斜方向下端部には主材用クランプ金具(411)が取り付けられている。主材用クランプ金具(411)は短円筒状部材(412)の一端部に固定されており、短円筒状部材(412)の他端部が主材(41)の傾斜下端部に固定されたコ字形金具(413)内に配置されてボルトおよびナットにより主材(41)の長手方向と直角をなす方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在に支持されている。副材(42)の傾斜方向下端部には副材用クランプ金具(421)が取り付けられている。副材用クランプ金具(421)にはコ字形金具(422)が固定されており、副材(42)の傾斜下端部がコ字形金具(422)内に配置されてピン(図示略)により主材(41)の回転中心軸線と平行に延びる水平回転軸線の周りに回転自在に支持されている。
【0025】
第1パネル(5)は、長手方向両端部に設けられたフック(図示略)が直線部支持部材(4)の主材(41)に係合させられることにより、主材(41)に取り付けられている。第2パネル(6)は、直線部支持部材(4)側の端部に設けられたフック(61)が直線部支持部材(4)の主材(41)に係合させられ、コーナー朝顔ユニット(3)側の端部に設けられたフック(61)が後述するコーナー部第1支持部材(7)の主材(71)に係合させられることにより、両主材(41)(71)に取り付けられている。
【0026】
図1図4図を参照すると、コーナー朝顔ユニット(3)は、コーナー支柱(S21)からコーナー朝顔ユニット(3)を挟む2つの直線朝顔ユニット(2)の張り出し方向に延びるようにコーナー支柱(S21)に直接取り付けられて、コーナー支柱(S21)の中心軸線の周りに互いに一定の角度、この実施形態では90度の角度をなす2つのコーナー部第1支持部材(7)と、両コーナー部第1支持部材(7)間において、固定部材(9)によりコーナー支柱(S21)に固定されたコーナー支柱(S21)と平行な取付バー(10)を介してコーナー支柱(S21)に取り付けられるとともに、両コーナー部第1支持部材(7)間の角度を分ける直線上に配置されている1つのコーナー部第2支持部材(8)と、両コーナー部第1支持部材(7)とコーナー部第2支持部材(8)との間に配置された複数のコーナーパネル(11)とを備えている。
【0027】
コーナー部第1支持部材(7)およびコーナー部第2支持部材(8)はそれぞれ下支持型であって、直線朝顔ユニット(2)の直線部支持部材(4)と同一構成である。
【0028】
図4および図5を参照すると、コーナー部第1支持部材(7)は、一端部がコーナー支柱(S21)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(71)と、一端部がコーナー支柱(S21)における主材(71)の取付位置よりも下方の高さ位置に取り付けられるとともに、他端部が主材(71)の他端部近傍に枢着されて主材(71)を傾斜状態に保持する棒状の金属製副材(72)とよりなる。コーナー部第1支持部材(7)の主材(71)および副材(72)の一端部は、コーナー支柱(S21)に対してコーナー支柱(S21)、主材(71)および副材(72)の長手方向に垂直な水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(82)の他端部は、前記水平回転軸線と平行な水平回転軸線の周りに回転自在である。
【0029】
図4および図6を参照すると、コーナー部第2支持部材(8)は、一端部が取付バー(10)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(81)と、一端部が取付バー(10)における主材(81)の取付位置よりも下方の高さ位置に取り付けられるとともに、他端部が主材(81)の他端部近傍に枢着されて主材(81)を傾斜状態に保持する棒状の金属製副材(82)とよりなる。コーナー部第2支持部材(8)の主材(81)および副材(82)の一端部は、取付バー(10)に対して取付バー(10)、主材(81)および副材(82)の長手方向に垂直な水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(82)の他端部は、前記水平回転軸線と平行な水平回転軸線の周りに回転自在である。
【0030】
図3図5および図6を参照すると、コーナー部第1支持部材(7)およびコーナー部第2支持部材(8)の主材(71)(81)は、直線部支持部材(4)の主材(41)と同一構成であり、主材(71)(81)の一端部、すなわち傾斜方向下端部に主材用クランプ金具(711)(811)が取り付けられており、主材用クランプ金具(711)(811)は短円筒状部材(712)(812)の一端部に固定されており、短円筒状部材(712)(812)の他端部が主材(71)(81)の傾斜下端部に固定されたコ字形金具(713)(813)内に配置されてボルト(714)(814)およびナット(715)(815)により主材(71)(81)の長手方向と直角をなす方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在に支持されている。コーナー部第1支持部材(7)およびコーナー部第2支持部材(8)の副材(72)(82)は、直線部支持部材(4)の副材(42)と同一構成であり、副材(72)(82)の傾斜方向下端部には副材用クランプ金具(721)(821)が取り付けられ、副材用クランプ金具(721)(821)にはコ字形金具(722)(822)が固定されており、副材(72)(82)の傾斜下端部がコ字形金具(722)(822)内に配置されてピン(図示略)により主材(71)(81)の回転中心軸線と平行に延びる水平回転軸線の周りに回転自在に支持されている。
【0031】
コーナー部第1支持部材(7)の主材(71)の一端部は、主材用クランプ金具(711)によりコーナー支柱(S21)をクランプすることによってコーナー支柱(S21)に着脱自在に取り付けられ、副材(72)の一端部は、副材用クランプ金具(721)によりコーナー支柱(S21)をクランプすることによってコーナー支柱(S21)に着脱自在に取り付けられている。
【0032】
コーナー部第2支持部材(8)の主材(81)の一端部は、主材用クランプ金具(811)により取付バー(10)をクランプすることによって取付バー(10)に着脱自在に取り付けられ、副材(82)の一端部は、副材用クランプ金具(811)により取付バー(10)をクランプすることによって取付バー(10)に着脱自在に取り付けられている。
【0033】
取付バー(10)をコーナー支柱(S21)に固定する固定部材(9)は、コーナー支柱(S21)をクランプする第1クランプ金具(91)、取付バー(10)をクランプする第2クランプ金具(92)および両クランプ金具(91)(92)に溶接により固定されて両クランプ金具(91)(92)を連結する連結具(93)からなる。
【0034】
図1および図2を参照すると、コーナーパネル(11)は平面から見て等脚台形状であり、互いに平行な1対の辺のうち短辺がコーナー支柱(S21)側に位置するとともに長辺がこれと反対側に位置するように、コーナー部第1支持部材(7)の主材(71)とコーナー部第2支持部材(8)の主材(81)との間に配置されており、他の2つの辺に設けられたフック(101)が主材(71)(81)に係合させられている。
【0035】
図7図10は仮設足場用朝顔装置の直線朝顔ユニットユニットおよびコーナー朝顔ユニットの変形例を示す。
【0036】
図7図10に示す仮設足場用朝顔装置(100)において、直線朝顔ユニット(200)の直線部支持部材(400)は上吊持型であって、一端部が支柱(S2)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(401)と、一端部が支柱(S2)における主材(401)の取付位置よりも上方の高さ位置に取り付けられるとともに、他端部が主材(401)の他端部近傍に枢着されて主材(401)を傾斜状態に吊持する棒状の金属製副材(402)とよりなる。主材(401)および副材(402)の一端部は、支柱(S2)に対して張り出し側支柱列(S4)における支柱(S2)の並び方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(42)の他端部は、主材(41)に対して張り出し側支柱列(S4)における支柱(S2)の並び方向に延びる水平回転軸線の周りに回転自在である。主材(401)および副材(402)の一端部には、それぞれインサート金具が前記水平回転軸線の周りに回転自在に取り付けられており、これらのインサート金具が支柱(S2)のソケット金具に挿入されることによって、主材(401)および副材(402)の一端部が支柱(S2)に着脱自在に取り付けられている。
【0037】
コーナー朝顔ユニット(300)のコーナー部第1支持部材(700)は上吊持型であって、直線部支持部材(400)と同一構成であり、一端部がコーナー支柱(S21)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(701)と、一端部がコーナー支柱(S21)における主材(701)の取付位置よりも上方の高さ位置に取り付けられるとともに、他端部が主材(701)の他端部近傍に枢着されて主材(701)を傾斜状態に吊持する棒状の金属製副材(702)とよりなる。主材(701)および副材(702)の一端部は、コーナー支柱(S21)に対してコーナー支柱(S21)と主材(701)および副材(702)の長手方向に垂直な水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(702)の他端部は、前記水平回転軸線と平行な水平回転軸線の周りに回転自在である。主材(701)および副材(702)の一端部には、それぞれインサート金具が前記水平回転軸線の周りに回転自在に取り付けられており、これらのインサート金具がコーナー支柱(S21)に設けられたソケット金具に挿入されることによって、主材(701)および副材(702)の一端部がコーナー支柱(S21)に着脱自在に取り付けられている。
【0038】
なお、直線部支持部材(400)およびコーナー部第1支持部材(700)のインサート金具および当該インサート金具を挿入するソケット金具については、図面中には符号は付されていない。
【0039】
コーナー朝顔ユニット(300)のコーナー部第2支持部材(800)は上吊持型であって、直線部支持部材(400)と同一構成であり、固定部材(900)を介してコーナー支柱(S21)に固定されたコーナー支柱(S21)と平行な取付バー(10)を介してコーナー支柱(S21)に取り付けられている。コーナー部第2支持部材(800)は、一端部が取付バー(10)に取り付けられるとともに、他端部に向かって上方に傾斜した棒状の金属製主材(801)と、一端部が取付バー(10)における主材(801)の取付位置よりも上方の高さ位置に取り付けられるとともに、他端部が主材(801)の他端部近傍に枢着されて主材(801)を傾斜状態に吊持する棒状の金属製副材(802)とよりなる。主材(801)および副材(802)の一端部は、取付バー(10)に対して取付バー(10)、主材(801)および副材(802)の長手方向に垂直な水平回転軸線の周りに回転自在であり、副材(802)の他端部は、前記水平回転軸線と平行な水平回転軸線の周りに回転自在である。主材(801)および副材(802)の一端部には、それぞれインサート金具(803)(804)が前記水平回転軸線の周りに回転自在に取り付けられており、これらのインサート金具(803)(804)が取付バー(10)に設けられたソケット金具(701)に挿入されることによって、主材(801)および副材(802)の一端部が取付バー(10)に着脱自在に取り付けられている。
【0040】
取付バー(10)をコーナー支柱(S21)に固定する固定部材(900)は、コーナー支柱(S21)をクランプする第1クランプ金具(901)および第1クランプ金具(902)に固定されかつ取付バー(10)をクランプするコーナー部第2クランプ金具(903)からなる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
この発明による仮設足場用朝顔装置は、仮設足場に張り出し状に設置して、仮設足場からの資材や工具等の落下による事故を防止する朝顔装置として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0042】
(1):仮設足場用朝顔装置、(2)(200):直線朝顔ユニット、(3)(300):コーナー朝顔ユニット、(4)(400):直線部支持部材、(41)(401):主材、(42)(402):副材、(5):第1パネル、(6):第2パネル、(7)(700):コーナー部第1支持部材、(71)(701):主材、(72)(702):副材、(8)(800):コーナー部第2支持部材、(81)(801):主材、(82)(802):副材、(9)(900):固定部材、(91)(901):第1クランプ金具、(92)(902):第2クランプ金具、(93):連結具、(10):取付バー、(11):コーナーパネル、(S):仮設足場、(S1):直線部分、(S2):支柱、(S21):コーナー支柱、(S4):張り出し側支柱列。
【要約】
【課題】部品の種類を減少させるとともに部品の構成を比較的簡単にし、さらに組み立て作業が容易になる仮設足場用朝顔装置を提供する。
【解決手段】仮設用朝顔装置の直線朝顔ユニット2の直線部支持部材4、ならびにコーナー朝顔ユニット3のコーナー部第1および第2支持部材7,8が、仮設足場から張り出す方向に向かって上方に傾斜した棒状の主材41,71,81および主材41,71,81を傾斜状態で保持する棒状の副材42,72,82からなる。コーナー朝顔ユニット3のコーナー部第1支持部材7の主材71および副材72がコーナー支柱S21に直接取り付けられ、コーナー部第2支持部材8の主材81および副材82が固定部材9によりコーナー支柱S21に固定されたコーナー支柱S21と平行な取付バー10を介してコーナー支柱S21に取り付けられている。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10