(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】内視鏡の手持ち端
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20221111BHJP
A61B 1/008 20060101ALI20221111BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
A61B1/00 711
A61B1/00 714
A61B1/008 512
G02B23/24 A
(21)【出願番号】P 2022502471
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2020089654
(87)【国際公開番号】W WO2021022858
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】201910725815.9
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519272972
【氏名又は名称】湖南省華芯医療器械有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】莫 文軍
(72)【発明者】
【氏名】賈 暁峰
(72)【発明者】
【氏名】周 冠華
(72)【発明者】
【氏名】唐 鵬
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107485360(CN,A)
【文献】国際公開第2015/098210(WO,A1)
【文献】特開2013-202214(JP,A)
【文献】特開平09-276210(JP,A)
【文献】特開2011-177383(JP,A)
【文献】特開昭62-164432(JP,A)
【文献】特開2012-065880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 - 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の手持ち端であって、挿入ポート(101)を備えるハウジング(100)と、挿入端位置決めアセンブリ(200)と、前記ハウジング(100)にヒンジ接続されるセルフロッキングアセンブリ(300)とを備え、
前記挿入端位置決めアセンブリ(200)は、前記挿入ポート(101)に挿入される位置決め部材(201)と、前記位置決め部材(201)内に固定される第1位置決めナット(202)と、ねじを介して第1位置決めナット(202)と係合されるねじ鋼管(203)とを備え
、ここで、前記ねじ鋼管(203)と挿入ポート(101)には、一端が前記ハウジング(100)に固定され、他端が前記内視鏡に接続され、前記内視鏡の挿入部の湾曲操作を行うためのワイヤが挿通されていること、
前記挿入端位置決めアセンブリ(200)は、貫通孔(204)と、前記貫通孔(204)と係合され、前記ねじ鋼管(203)を支持するための固定部材(205)とをさらに備え、
前記挿入端位置決めアセンブリ(200)はロック部材(206)をさらに備え、前記ロック部材(206)の内側底部に一字型係止溝(206a)が設けられ、かつその内壁に雌ねじが設けられ、
前記位置決め部材(201)の末端には、前記一字型係止溝(206a)と係合される一字型固定ブロック(201b)が設けられ、
前記ハウジング(100)は、前記挿入ポート(101)の外側に設けられ、前記挿入ポート(101)に固定接続される保護ケース(102)をさらに備え、前記保護ケース(102)に前記雌ねじと係合される雄ねじが設けられることを特徴とする内視鏡の手持ち端。
【請求項2】
前記位置決め部材(201)にストッパ溝(201a)が設けられ、
前記挿入端位置決めアセンブリ(200)は、前記ストッパ溝(201a)内に設けられる止めシート(207)をさらに備え、
前記止めシート(207)の直径は前記挿入ポート(101)の直径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の手持ち端。
【請求項3】
前記固定部材(205)は、前記貫通孔(204)に固定される第2ナット(205a)と、ねじを介して前記第2ナット(205a)と係合されるねじジャッキ(205b)とを備え
、前記ねじジャッキ(205b)の入り端の端部は、前記ワイヤを押し付けることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡の手持ち端。
【請求項4】
前記セルフロッキングアセンブリ(300)は、シフトブラケット(301)と、弾性ブラケット(302)と、前記シフトブラケット(301)に套設され、かつ前記シフトブラケット(301)の外側に沿って運動するシフトノブ(303)とを備え、前記シフトブラケット(301)の軸は前記ハウジング(100)に挿通され、他側には前記弾性ブラケット(302)に接続され、
前記シフトブラケット(301)の内側にシフトレバー(301a)及び摩擦シート(301b)が設けられ、前記シフトレバー(301a)の一端は前記シフトノブ(303)にヒンジ接続され、
前記シフトレバー(301a)の一端に係合バンプ(301a-1)が設けられ、前記摩擦シート(301b)の一端に嵌合バンプ(301b-1)が設けられ、前記係合バンプ(301a-1)が位置する表面は前記嵌合バンプ(301b-1)が位置する表面と対向し、両者は互いに係合すること、及び前記摩擦シート(301b)の一端は長軸(401)を介して前記弾性ブラケット(302)の他端に固定されていること、
前記シフトレバー(301a)の横断面はL字形を呈し、その中間湾曲箇所は前記シフトブラケット(301)に固定され、前記シフトレバー(301a)はピンボルトを介して前記シフトブラケット(301)にヒンジ接続されることを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の内視鏡の手持ち端。
【請求項5】
前記セルフロッキングアセンブリ(300)は、固定ディスク(304a)と嵌合ディスク(304b)を備えるストッパ部材(304)をさらに備え、前記固定ディスク(304a)は前記嵌合ディスク(304b)と係合され、長軸(401)に固定され、
前記嵌合ディスク(304b)にストッパブロック(304b-1)が設けられることを特徴とする請求項
4に記載の内視鏡の手持ち端。
【請求項6】
前記ハウジング(100)の内部に補強リブ(103)がさらに設けられ、前記補強リブ(103)の数は2であり、かつ2つの補強リブ(103)間に形成された可動空間は前記ストッパブロック(304b-1)と係合されることを特徴とする請求項
5に記載の内視鏡の手持ち端。
【請求項7】
前記シフトレバー(301a)はピンボルトを介して前記シフトノブ(303)にヒンジ接続され、かつ前記シフトレバー(301a)の接続端の孔は長楕円形孔であり、前記ピンボルトは前記長楕円形孔に挿通されて前記シフトブラケット(301)と係合されることを特徴とする請求項
4に記載の内視鏡の手持ち端。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の技術分野に関し、特に、内視鏡の手持ち端に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は現在の医療機器として広く用いられている。医療用内視鏡にとって、内視鏡システムは、体腔内を撮影するCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)イメージセンサ等の撮像部と、汎用コードの端部に設けられる第1コネクタとを備える内視鏡、及び、内視鏡の第1コネクタを着脱可能に装着する第2コネクタと、内視鏡から出力される画像データに対して画像処理等を行う制御部と、光源とを備える内視鏡用プロセッサ装置で構成される。内視鏡システムでは、電気接点を利用して内視鏡の第1コネクタと内視鏡用プロセッサ装置の第2コネクタとを接続することにより、内視鏡用プロセッサ装置から内視鏡への電力の供給、内視鏡用プロセッサ装置と内視鏡との間で画像信号及び制御信号の伝送を行う。
【0003】
内視鏡は現在の医療機器として広く用いられている。医療関係者がそれを使用する時にいくつかの問題がある。
(1)内視鏡の手持ち端とワイヤ挿入端の接続関係をどのように調整し、どのようにしてその位置決めをよりよく実現することができるか?
(2)医療関係者は、内視鏡の手持ち端を用いて実験や手術を行う際に、一般には、人体の内部の構造や組織を見るとともに、手を緩めて内視鏡に対して操作を停止することができないことに注意する必要があり、このため操作者の手が非常に疲れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この部分の目的は、本発明の実施例のいくつかの態様を概説し、いくつかのより好ましい実施例を簡単に説明することである。この部分、本願の明細書の要約及び発明の名称において、この部分、明細書の要約及び発明の名称の目的が曖昧にならないように、簡略化または省略される場合があるが、この簡略化または省略は、本発明の範囲を限定するために用いられない。
【0005】
上記及び/または従来の技術に存在する問題に鑑み、本発明を提案する。
【0006】
従って、本発明の1つの目的は内視鏡の手持ち端を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。内視鏡の手持ち端であって、挿入ポートを備えるハウジングと、挿入端位置決めアセンブリと、前記ハウジングにヒンジ接続されるセルフロッキングアセンブリとを備え、前記挿入端位置決めアセンブリは、前記挿入ポートに挿入される位置決め部材と、前記位置決め部材内に固定される第1位置決めナットと、ねじを介して第1位置決めナットと係合されるねじ鋼管とを備え、前記挿入端位置決めアセンブリは、貫通孔と、前記貫通孔と係合され、前記ねじ鋼管を支持するための固定部材とをさらに備える。
【0008】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記位置決め部材にストッパ溝が設けられ、前記挿入端位置決めアセンブリは、前記ストッパ溝内に設けられる止めシートをさらに備え、前記止めシートの直径は前記挿入ポートの直径より大きい。
【0009】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記固定部材は、前記貫通孔に固定される第2ナットと、ねじを介して前記第2ナットと係合されるねじジャッキとを備える。
【0010】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記挿入端位置決めアセンブリはロック部材をさらに備え、前記ロック部材の内側底部に一字型係止溝が設けられ、かつその内壁に雌ねじが設けられ、前記位置決め部材の末端には、前記一字型係止溝と係合される一字型固定ブロックが設けられ、前記ハウジングは、前記挿入ポートの外側に設けられ、前記挿入ポートに固定接続される保護ケースをさらに備え、前記保護ケースに前記雌ねじと係合される雄ねじが設けられる。
【0011】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記セルフロッキングアセンブリは、シフトブラケットと、弾性ブラケットと、前記シフトブラケットに套設され、かつ套設方向に沿って運動するシフトノブとを備え、前記シフトブラケットの軸は前記ハウジングに挿通され、他側には前記弾性ブラケットに接続され、前記シフトブラケットの内側にシフトレバー及び摩擦シートが設けられ、前記シフトレバーは一端が前記シフトノブにヒンジ接続され、他端が前記摩擦シートに接続されず、前記シフトレバーの横断面はL字形を呈し、その中間湾曲箇所は前記シフトブラケットに固定され、前記シフトレバーはピンボルトを介して前記シフトブラケットにヒンジ接続される。
【0012】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記セルフロッキングアセンブリは、固定ディスクと嵌合ディスクを備えるストッパ部材をさらに備え、前記固定ディスクは前記嵌合ディスクと係合され、長軸に固定され、前記嵌合ディスクにストッパブロックが設けられる。
【0013】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記ハウジングの内部に補強リブがさらに設けられ、前記補強リブの数は2であり、かつ2つの補強リブ間に形成された可動空間は前記ストッパブロックと係合される。
【0014】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記シフトレバーの一端に係合バンプが設けられ、前記摩擦シートの一端に嵌合バンプが設けられ、前記係合バンプが位置する表面は前記嵌合バンプが位置する表面と対向し、両者は互いに係合する。
【0015】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記シフトレバーはピンボルトを介して前記シフトノブにヒンジ接続され、かつ前記シフトレバーの接続端の孔は長楕円形孔であり、前記ピンボルトは前記長楕円形孔に挿通されて前記シフトブラケットと係合される。
【0016】
本発明に記載の内視鏡の手持ち端として、好ましくは、前記摩擦シートの一端は長軸を介して前記弾性ブラケットの他端に固定される。
【0017】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
(1)ねじ鋼管と位置決め部材との係合によって、位置決め部材の軸方向の位置を固定し、第2ナット及びねじジャッキにより位置決め部材の回転位置を固定し、一字型係止溝と一字型固定ブロックとの係合によって、挿入端の位置を固定する。
(2)シフトノブの移動により、シフトレバーがそれに伴って移動し、シフトレバーの末端が摩擦シートに接触し、摩擦シートの前後移動により、弾性ブラケットがハウジングに近づいたり離れたりするようにし、それにより摩擦シートとシフトレバーの末端の接触によりシフトノブのセルフロッキングを実現し、弾性ブラケットがハウジングに近づいたり離れたりすることにより、内視鏡のセルフロッキングを実現し、かつ構造が簡単で、製造コストが低いが、作業効率が高い。
【0018】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下、実施例の説明のために使用する図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力なしで、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例における内視鏡の手持ち端の部分構造の概略図である。
【
図2】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例における挿入端位置決めアセンブリの全体構造の概略図である。
【
図3】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例における前記挿入端位置決めアセンブリの全体構造の分解概略図である。
【
図4】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例におけるロック部材の全体構造の概略図である。
【
図5】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例におけるセルフロッキングアセンブリの部分構造の概略図である。
【
図6】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例におけるハウジングの部分構造を拡大した後の概略図である
【
図7】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例におけるセルフロッキングアセンブリの全体構造を拡大した後の概略図である。
【
図8】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例における
図7中の部分構造を拡大した後の概略図である。
【
図9】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例におけるシフトレバーの全体構造を拡大した後の概略図である。
【
図10】本発明の内視鏡の手持ち端に係る実施例における全体構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、明細書の図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。
【0021】
本発明を十分に理解するために、以下の説明において多くの具体的な詳細が記載されているが、本発明は、本明細書に記載されているものとは異なる他の態様を用いて実施されてもよく、当業者であれば、本発明の本質に反することなく、類似している構想を行うことができるので、本発明は、以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0022】
次に、ここでいう「一実施例」または「実施例」とは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得る特定の特徴、構造、または特性を意味する。本明細書において異なる部分に記載されている「一実施例では」は、同じ実施例を意味するものではなく、他の実施例とは別個のまたは選択的に排斥する実施例ではない。
【0023】
実施例1
図1~
図4及び
図10を参照して、本発明は、内視鏡の手持ち端を提供し、前記内視鏡の手持ち端は、ハウジング100、挿入端位置決めアセンブリ200、及びセルフロッキングアセンブリ300を備え、挿入端位置決めアセンブリ200は前記ハウジング100と係合され、挿入端の位置を固定し、前記セルフロッキングアセンブリ300は前記ハウジング100にヒンジ接続される。
【0024】
ここで、前記ハウジング100は挿入ポート101を備え、ハウジング100と挿入端位置決めアセンブリ200とが係合する時、挿入端位置決めアセンブリ200を挿入ポート101に挿入して係合する。
【0025】
前記挿入端位置決めアセンブリ200は、位置決め部材201、第1位置決めナット202、ねじ鋼管203、貫通孔204及び固定部材205を備える。前記位置決め部材201は前記挿入ポート101に挿入され、前記ねじ鋼管203はねじを介して前記第1位置決めナット202と係合され、前記第1位置決めナット202は前記位置決め部材201内に固定され、前記固定部材205は前記貫通孔204と係合され、前記ねじ鋼管203を支持するために用いられる。
【0026】
ここで、前記位置決め部材201にストッパ溝201aが設けられる。前記挿入端位置決めアセンブリ200は、前記ストッパ溝201a内に設けられる止めシート207をさらに備え、前記止めシート207の直径は前記挿入ポート101の直径より大きい。このようにして、位置決め部材201を挿入ポート101から入れた後、止めシート207を介して位置決め部材201は挿入ポート101に引っかかり、位置決め部材201を再び引っ張ると、位置決め部材201は挿入ポート101から離脱しない。
【0027】
上述した組立では、部品同士の係合によって、位置決め部材201は挿入ポート101の位置に係止されるため、単に位置決め部材201の軸方向の運動を制限するだけで、止めシート207によるストッパを実現する。しかしながら、位置決め部材201は依然として回転運動を生じる可能性があり、この問題を解決するために、本実施例では、固定部材205と前記貫通孔204との係合によって、前記ねじ鋼管203を支持し、位置決め部材201の回転方向の運動の可能性が制約される。
【0028】
なお、ねじ鋼管203内には、内視鏡に接続されるワイヤが配置され、該ワイヤは、一端がハウジング100の内部に固定され、他端がねじ鋼管203と挿入ポート101に挿通され、ワイヤの位置を固定できるように、本実施例では、前記固定部材205は、第2ナット205aとねじジャッキ205bを備え、前記第2ナット205aは前記貫通孔204に固定され、前記ねじジャッキ205bはねじを介して前記第2ナット205aと係合される。第2ナット205aは接着または溶接により貫通孔204に固定接続され、ねじジャッキ205bを回転させることにより、ねじジャッキ205bを第2ナット205aに対して相対運動させ、それによりねじジャッキ205bの入り端の端部は上記のワイヤを押し付けることができる。
【0029】
本実施例の動作原理は以下のとおりである。本実施例では、位置決め部材201を挿入ポート101から入れた後、止めシート207を介して位置決め部材201は挿入ポート101に引っかかり、位置決め部材201を再び引っ張ると、位置決め部材201は挿入ポート101から離脱しない。第2ナット205aは接着または溶接により貫通孔204に固定接続され、ねじジャッキ205bを回転させることにより、ねじジャッキ205bを第2ナット205aに対して相対運動させ、それによりねじジャッキ205bの入り端の端部は上記のワイヤを押し付けることができる。
【0030】
実施例2
図1~
図4及び
図10を参照して、本発明の内視鏡の手持ち端に係る第2実施例を説明する。本実施例は以下の点で実施例1とは異なる。本実施例では、前記挿入端位置決めアセンブリ200は、ロック部材206をさらに備え、前記ロック部材206の内側底部に一字型係止溝206aが設けられ、かつその内壁に雌ねじが設けられる。
【0031】
なお、本実施例では、前記位置決め部材201の末端には、前記一字型係止溝206aと係合される一字型固定ブロック201bが設けられる。
【0032】
具体的には、前記内視鏡の手持ち端は、ハウジング100、挿入端位置決めアセンブリ200及びセルフロッキングアセンブリ300を備え、挿入端位置決めアセンブリ200は前記ハウジング100と係合され、挿入端の位置を固定し、前記セルフロッキングアセンブリ300は前記ハウジング100にヒンジ接続される。
【0033】
ここで、前記ハウジング100は挿入ポート101を備え、ハウジング100と挿入端位置決めアセンブリ200とが係合する時、挿入端位置決めアセンブリ200を挿入ポート101に挿入して係合する。
【0034】
前記挿入端位置決めアセンブリ200は、位置決め部材201、第1位置決めナット202、ねじ鋼管203、貫通孔204、固定部材205及びロック部材206を備える。前記位置決め部材201は前記挿入ポート101に挿入され、かつ前記位置決め部材201の末端に一字型固定ブロック201bが設けられ、前記ねじ鋼管203はねじを介して前記第1位置決めナット202と係合され、前記第1位置決めナット202は前記位置決め部材201内に固定され、前記固定部材205は前記貫通孔204と係合され、前記ねじ鋼管203を支持するために用いられる。前記ロック部材206の内側底部に一字型係止溝206aが設けられ、かつその内壁に雌ねじが設けられ、前記一字型固定ブロック201bは前記一字型係止溝206aと係合される。
【0035】
ここで、前記位置決め部材201にストッパ溝201aが設けられる。前記挿入端位置決めアセンブリ200は、前記ストッパ溝201a内に設けられる止めシート207をさらに備え、前記止めシート207の直径は前記挿入ポート101の直径より大きい。このようにして、位置決め部材201を挿入ポート101から入れた後、止めシート207を介して位置決め部材201は挿入ポート101に引っかかり、位置決め部材201を再び引っ張ると、位置決め部材201は挿入ポート101から離脱しない。
【0036】
上述した組立では、部品同士の係合によって、位置決め部材201は挿入ポート101の位置に係止されるため、単に位置決め部材201の軸方向の運動を制限するだけで、止めシート207によるストッパを実現する。しかしながら、位置決め部材201は依然として回転運動を生じる可能性があり、この問題を解決するために、本実施例では、固定部材205と前記貫通孔204との係合によって、前記ねじ鋼管203を支持し、位置決め部材201の回転方向の運動の可能性が制約される。
【0037】
なお、ねじ鋼管203内に内視鏡に接続されるワイヤが配置され、該ワイヤは、一端がハウジング100の内部に固定され、他端がねじ鋼管203と挿入ポート101に挿通され、ワイヤの位置を固定できるように、本実施例では、前記固定部材205は、第2ナット205aとねじジャッキ205bを備え、前記第2ナット205aは前記貫通孔204に固定され、前記ねじジャッキ205bはねじを介して前記第2ナット205aと係合される。第2ナット205aは接着または溶接により貫通孔204に固定接続され、ねじジャッキ205bを回転させることにより、ねじジャッキ205bを第2ナット205aに対して相対運動させ、それによりねじジャッキ205bの入り端の端部は上記のワイヤを押し付けることができる。
【0038】
好適には、前記ハウジング100は保護ケース102をさらに備え、前記保護ケース102は前記挿入ポート101の外側に設けられ、かつ前記挿入ポート101に固定接続され、前記保護ケース102に雄ねじが設けられ、前記雄ねじは前記雌ねじと係合される。保護ケース102の雄ねじとロック部材206の雌ねじとの係合によって、ワイヤ挿入端の位置ロックを実現する。
【0039】
本実施例の動作原理は以下のとおりである。本実施例では、位置決め部材201を挿入ポート101から入れた後、止めシート207を介して位置決め部材201は挿入ポート101に引っかかり、位置決め部材201を再び引っ張ると、位置決め部材201は挿入ポート101から離脱しない。第2ナット205aは接着または溶接により貫通孔204に固定接続され、ねじジャッキ205bを回転させることにより、ねじジャッキ205bを第2ナット205aに対して相対運動させ、それによりねじジャッキ205bの入り端の端部は上記のワイヤを押し付けることができる。最後に、一字型係止溝206aと一字型固定ブロック201bとの係合によって、保護ケース102の雄ねじとロック部材206の雌ねじとの係合によって、ロック部材206の位置決めを実現するとともに、ワイヤ挿入端の位置をロックする。
【0040】
実施例3
図1~
図10を参照して、本発明の内視鏡の手持ち端に係る第3実施例を説明する。本実施例は以下の点で実施例2とは異なる。前記セルフロッキングアセンブリ300は、シフトブラケット301、弾性ブラケット302及びシフトノブ303を備え、前記シフトノブ303は前記シフトブラケット301に套設され、かつ套設方向に沿って運動し、前記シフトブラケット301の軸は前記ハウジング100に挿通され、他側には前記弾性ブラケット302に接続される。前記シフトブラケット301の内側にシフトレバー301a及び摩擦シート301bが設けられ、前記シフトレバー301aは、一端が前記シフトノブ303にヒンジ接続され、他端が前記摩擦シート301bに接続されず、前記シフトレバー301aの横断面はL字形を呈し、その中間湾曲箇所は前記シフトブラケット301に固定され、前記シフトレバー301aはピンボルトを介して前記シフトブラケット301にヒンジ接続される。
【0041】
具体的には、セルフロッキングアセンブリ300は、シフトブラケット301、弾性ブラケット302及びシフトノブ303を備え、前記シフトノブ303は前記シフトブラケット301に套設され、かつ套設方向に沿って運動し、前記シフトブラケット301の軸は前記ハウジング100に挿通され、他側には前記弾性ブラケット302に接続される。つまり、シフトノブ303は、シフトブラケット301に套設されるが、シフトブラケット301に沿って左右に移動可能である。
【0042】
ここで、前記シフトブラケット301の内側にシフトレバー301a及び摩擦シート301bが設けられ、シフトレバー301aの横断面はL字形を呈し、その中間湾曲箇所は前記シフトブラケット301に固定され、前記シフトレバー301aはピンボルトを介して前記シフトブラケット301にヒンジ接続され、前記シフトレバー301aが力を受けると、前記ピンボルトを中心として相対回転し、前記摩擦シート301bを駆動して運動させる。
【0043】
なお、前記シフトレバー301aはピンボルトを介して前記シフトノブ303にヒンジ接続され、かつ前記シフトレバー301aの接続端の孔は長楕円形孔であり、前記シフトノブ303は前記長楕円形孔に挿通されて前記シフトブラケット301と係合される。従って、シフトノブ303がシフトブラケット301上を移動する時、長楕円形孔が設けられるシフトレバー301aは、ピンボルトの周りに、上下左右に(ここでは左右というのはシフトブラケット301に垂直な方向を指す)移動可能である。
【0044】
本実施例では、摩擦シート301bと前記シフトレバー301aとの間に何の接続関係もない。
【0045】
好適には、前記シフトレバー301aの一端に係合バンプ301a‐1が設けられ、前記摩擦シート301bの一端に嵌合バンプ301b‐1が設けられ、前記係合バンプ301a‐1が位置する表面は前記嵌合バンプ301b‐1が位置する表面と対向し、両者は互いに係合する。
【0046】
好ましくは、前記係合バンプ301a‐1と前記嵌合バンプ301b‐1とはいずれも平滑な曲面である。例えば、係合バンプ301a‐1と前記嵌合バンプ301b‐1との横断面は半円形である。
【0047】
好適には、前記係合バンプ301a‐1と前記嵌合バンプ301b‐1との数は同じである。
【0048】
本発明の内視鏡の手持ち端セルフロッキング装置の動作原理は以下のとおりである。初期状態では、シフトノブ303がシフトブラケット301の左側に配置される場合、手動でシフトノブ303を動かし、シフトブラケット301の左側からシフトブラケット301の右側へ移動させ、シフトブラケット301の右側に移動させる。シフトノブ303がシフトブラケット301の左側からシフトブラケット301の右側へ移動する過程において、シフトレバー301aの長楕円形孔の一端とピンボルトとが相対的に運動した後、それによりシフトレバー301aはピンボルトの位置で回転する。初期位置が図示のような位置であり、即ち係合バンプ301a‐1が前記嵌合バンプ301b‐1の下方に配置される場合、シフトレバー301aがピンボルトの位置で回転した後、係合バンプ301a‐1は前記嵌合バンプ301b‐1の上方に配置される。
【0049】
なお、前記摩擦シート301bの一端は長軸401を介して前記弾性ブラケット302の他端に固定される。運動の全過程において、初期状態では、弾性ブラケット302とハウジング100とが接触すると、セルフロッキングアセンブリ300によってワイヤの末端を動かして運動させる抵抗が大きくなり、それによりワイヤの末端が外力の作用なしにセルフロッキング状態を実現し、セルフロッキングアセンブリ300を動かしにくくなる。係合バンプ301a‐1が前記嵌合バンプ301b‐1の下方から嵌合バンプ301b‐1の上方に運動した後、摩擦シート301bは長軸401を駆動し、それにより弾性ブラケット302とハウジング100とが接触せず、セルフロッキングアセンブリ300によってワイヤの末端を動かして運動させる抵抗が小さくなり、それによりワイヤの末端がセルフロッキングアセンブリ300によって自由に運動するようにして、セルフロッキングアセンブリは動かすたびにワイヤの末端が動く。
【0050】
好適には、セルフロッキングアセンブリ300が動かす時の幅を制御し、動かし幅が大きすぎることによってセルフロッキングアセンブリ300の内部のワイヤが切断されることを回避するために、本実施例では、前記セルフロッキングアセンブリ300はストッパ部材304をさらに備え、前記ストッパ部材304は固定ディスク304aと嵌合ディスク304bを備え、前記固定ディスク304aは前記嵌合ディスク304bと係合され、かつ前記固定ディスク304aは長軸401に固定され、前記嵌合ディスク304bにストッパブロック304b‐1が設けられる。
【0051】
なお、前記ハウジング100の内部に補強リブ103がさらに設けられ、前記補強リブ103の数は2であり、かつ2つの補強リブ103間に形成された可動空間は前記ストッパブロック304b‐1と係合され、それによりストッパブロック304b‐1の可動空間が制限され、セルフロッキングアセンブリ300の動かし幅が制御される。
【0052】
説明すべきように、上記実施例は本発明の技術的解決手段を限定するものではなく、単に説明するために用いられ、好適な実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の技術的解決手段の精神および範囲を逸脱せず、本発明の技術的解決手段に対して補正または同等置換を行ってもよく、それらはいずれも本発明の請求項の範囲に含まれることを理解すべきである。