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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】買物カゴ
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20221111BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/00 331C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022071092
(22)【出願日】2022-04-22
(62)【分割の表示】P 2021204407の分割
【原出願日】2021-12-16
【審査請求日】2022-04-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154438
【氏名又は名称】末次 功憲
(74)【代理人】
【識別番号】100178179
【弁理士】
【氏名又は名称】桐生 美津恵
(72)【発明者】
【氏名】末次 功憲
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-135277(JP,A)
【文献】再公表特許第2003/054822(JP,A1)
【文献】特開2017-228139(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103236006(CN,A)
【文献】米国特許第05418354(US,A)
【文献】特開平07-141569(JP,A)
【文献】特開2007-034789(JP,A)
【文献】特開2016-177725(JP,A)
【文献】特開2003-022478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗において購入する商品を入れる買物カゴであって、
上面に開口部が設けられたカゴ本体と、
前記開口部を開閉する蓋と、
前記蓋の開閉を制御する蓋開閉制御手段と、
商品を識別する商品識別コードを読み取る読取装置とを備え、
前記蓋開閉制御手段は、
前記開口部が閉じている状態で前記読取装置により商品識別コードが読み取られた場合、前記開口部を開き、
前記開口部が開いている状態で前記読取装置により商品識別コードが読み取られない状態が所定時間続いた場合に、前記開口部を閉じるように前記蓋を制御し、
前記開口部が開いている時に前記カゴ本体内に入れられた商品の重量の計測値と前記商品を識別する商品識別コードに対応付けられて予め登録されている前記商品の重量とが一致しない場合に、警告メッセージを出力する警告出力手段と、
前記開口部が開いている状態で前記読取装置により商品識別コードが読み取られない状態が継続している間に、前記カゴ本体内に入っている商品の重量の計測値が増加し続けた場合、警備を担当する組織又は個人が所持する通信端末に通報する通報手段とをさらに備えたことを特徴とする買物カゴ。
【請求項2】
外部からの入力操作により、前記所定時間を設定可能であることを特徴とする
請求項1に記載の買物カゴ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、買物カゴに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客がスーパー、衣料店、雑貨店等の小売店で顧客が買い物をするとき、購入したい商品を手で携えたり買物カゴに入れて、POS端末等が設置されているレジまで運ぶ。レジの担当者が商品のバーコードやQRコード(登録商標)等をまとめてスキャンすることで、POS端末等が商品の合計金額を算出し、顧客は当該金額の支払いを現金やクレジットカードで行う。この際に、レジの担当者が商品のバーコードをまとめてスキャンするのに時間がかかり、レジ前にて会計待ちの人の長蛇の列ができる場合がある。
【0003】
このような問題点を解決するために、例えば、特許文献1には、レジでまとめて商品をスキャンする代わりに、顧客がショッピングカートに商品を入れた時に当該ショッピングカート内に設置された重量センサーが重量変化を検知し、商品に取り付けられたRFIDタグをRFIDリーダで読み取る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2015-524947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、重量センサーの検知機能や、RFIDリーダによるスキャン機能に依存しており、これらの機能に不具合が発生した場合には、購入商品を正確に判別できず、商品購入代金の決済を迅速に行うことができない可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、商品購入代金の決済を短時間で正確に行うことが可能な買物カゴを提供することを目的とする。
また、不正を防ぎ、商品購入代金の決済を正確に行うことが可能な買物カゴを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の買物決済システムは、
店舗において買物カゴに入れられた商品の購入代金の決済を行う買物決済システムであって、
商品を識別する商品識別コードと、前記商品の価格と、前記商品の重量と、を対応付けて記憶する商品情報記憶手段と、
購入する商品を前記買物カゴに入れる際に読み取られた前記商品の商品識別コードを取得する商品識別コード取得手段と、
前記商品識別コード取得手段により取得された商品識別コードに対応付けられて前記商品情報記憶手段に予め記憶されている前記商品の重量を取得する登録重量取得手段と、
前記買物カゴの中に入っている商品の重量の計測値を取得する計測重量取得手段と、
前記登録重量取得手段により取得した商品の重量と、前記計測重量取得手段により取得した前記商品の計測値と、が一致する場合、前記商品の購入代金の決済処理を行う商品代金決済手段と、
前記登録重量取得手段により取得した商品の重量と、前記計測重量取得手段により取得した前記商品の計測値と、が一致しない場合、警告メッセージを出力する警告出力手段と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、購入する商品を買物カゴに入れる際に読み取られた前記商品の商品識別コードを取得するため、レジでまとめて商品の読み取り操作を行う必要がなく、短時間で決済を済ませることができる。
また、登録重量取得手段により取得した商品の重量と、計測重量取得手段により取得した商品の計測値と、が一致する場合、商品の購入代金の決済処理を行い、一致しない場合に警告メッセージを出力するため、決済処理を正確に行うことが可能である。
【0009】
上記発明において、
前記買物カゴ及び前記店舗のレジスター台には重量センサーが設けられており、
前記計測重量取得手段は、前記買物カゴ及び前記レジスター台に設けられた重量センサーそれぞれから前記買物カゴに入れられた商品の重量の計測値を取得し、該取得した重量の計測値同士が一致しない場合、前記警告出力手段は警告メッセージを出力することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、買物カゴ及びレジスターに設けられた重量センサーそれぞれから買物カゴに入れられた商品の重量を取得し、当該重量同士が一致していることをチェックするため、商品購入代金の決済を正確に行うことができる。
【0011】
また、本発明に係る買物カゴは、
店舗において購入する商品を入れる買物カゴであって、
上面に開口部が設けられたカゴ本体と、
前記開口部を開閉する蓋と、
前記蓋の開閉を制御する蓋開閉制御手段と、
商品を識別する商品識別コードを読み取る読取装置とを備え、
前記蓋開閉制御手段は、
前記開口部が閉じている状態で前記読取装置により商品識別コードが読み取られた場合、前記開口部を開くように前記蓋を制御することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、カゴ本体の開口部が閉じている状態の場合に、読取装置により商品識別コードが読み取られないと開口部が開かず、商品をカゴ本体に入れることができないため、不正を防ぎ、商品購入代金の決済を正確に行うことができる。
【0013】
上記発明において、
前記蓋開閉制御手段は、
前記読取装置により商品識別コードが読み取られないまま前記蓋が開いている状態が所定時間続いた場合に、前記開口部を閉じるように前記蓋を制御することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、開口部が開いている時間をなるべく短くすることができるため、商品識別コードが読み取られずに商品がカゴ本体に入れられる確率を低くすることができ、不正を防ぎ、商品購入代金の決済を正確に行うことができる。
上記発明において、外部からの入力操作により、前記所定時間を設定可能であることを特徴とする。
この発明によれば、外部からの入力操作により記所定時間を設定可能とすることで、開口部が開いている時間をなるべく短くすることができるため、商品がスキャンされずに買物カゴに入れられる確率を低くすることができ、不正を防ぎ、商品購入代金の決済を正確に行うことができる。
【0015】
上記発明において、
前記カゴ本体内に入れられた商品の重量の計測値と、前記商品を識別する商品識別コードに対応付けられて予め登録されている前記商品の重量とが一致しない場合に、警告メッセージを出力する警告出力手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、前記カゴ本体内に入れられた商品の重量の計測値と、前記商品を識別する商品識別コードに対応付けられて予め登録されている前記商品の重量とが一致しない場合に、警告メッセージを出力するため、不正を防いで、商品の購入代金の決済処理を正確に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る買物決済システムの全体構成図である。
図2】同実施形態に係る買物カゴの斜視図である。
図3】同実施形態に係る買物カゴの制御装置の機能構成図である。
図4】レジエリアに配置されているPOSシステムの説明図である。
図5】POSシステムが備えるPOS端末の機能構成図である。
図6】同実施形態に係る買物決済システムの決済手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る買物決済システム1の全体構成図である。買物決済システム1は、小売店、スーパー等の店舗で顧客が商品を入れるために使用される買物カゴ10と、店舗のレジに設置されている商品代金決済用のPOSシステム20と、これらを通信可能に接続する無線通信、インターネット、ブロックチェーンネットワーク等の通信ネットワーク30と、を含んで構成される。
なお、買物カゴ10は、手押し車に搭載されたカートであってもよい。
【0019】
図2は、買物カゴ10の斜視図である。買物カゴ10は、上面の一部に矩形状の開口部111が設けられたカゴ本体11を備えている。開口部111の一辺には蓋12がヒンジ等(不図示)で回動可能に取り付けられており、当該蓋12は開口部111を開閉する。
【0020】
開口部111のヒンジ等が設けられている辺と対向する辺には、QRコードを読み取る読取装置14が取り付けられている。本実施形態では、商品にQRコードが貼り付けられており、当該QRコードは、当該商品を識別する商品識別コード、当該商品の価格、当該商品の重量等を表している。
【0021】
なお、読取装置14により読み取られるものはQRコードに限定されることはなく、例えば、RFIDタグであっても、バーコードであってもよい。また、読取装置14は、QRコードの読取装置に限らず、RFIDリーダであっても、バーコードの読取装置であってもよい。
【0022】
買物カゴ10の底面には、当該買物カゴ10に入れられた商品の重量を計測するための重量センサー15が設けられており、買物カゴ10内の側面には、カゴ内を撮影するカメラ17が取り付けられている。
【0023】
また、買物カゴ10には、制御装置18が設けられている。当該制御装置18は、ハードウェアとして、CPU、メモリ、モータ、スピーカー、入出力インタ-フェース、無線通信インターフェース等を備えている。制御装置18のメモリには、買物カゴ10を制御するための各種データ及びプログラムが記憶されている。メモリに記憶されているプログラムとしては、蓋12の動作を制御するためのプログラムと、警告音を出力するためのプログラムと、読取装置14、重量センサー15、カメラ17、POSシステム20等と通信するためのプログラムと、が含まれる。
【0024】
CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、図3に示す機能が買物カゴ10の制御装置18に実現される。
蓋開閉制御部101は、開口部111が閉じている状態で読取装置14によりQRコードが読み取られた場合、開口部111を開くように蓋12を制御する。これにより、QRコードが読み取られる前の商品が買物カゴ10に入るのを防ぐことができるため、不正を防ぎ、商品購入代金の決済を正確に行うことができる。
【0025】
また、蓋開閉制御部101は、読取装置14によりQRコードが読み取られないまま蓋12が開いている状態が所定時間続いた場合に、開口部11を閉じるように蓋12を制御する。なお、「所定時間」は、例えば、制御装置18に設けられた操作ボタンを操作することで設定可能である。これにより、開口部111が開いている時間をなるべく短くすることができるため、商品がスキャンされずに買物カゴに入れられる確率を低くすることができ、不正を防ぎ、商品購入代金の決済を正確に行うことができる。
【0026】
商品識別コード取得部102は、購入する商品をカゴ10に入れる際に買物カゴ10の読取装置14により読み取られたQRコードを解析して、QRコードから商品の商品識別コードを取得する。
【0027】
登録重量取得部103は、商品識別コード取得部201により取得された商品識別コードで識別される商品について、予め登録されている商品の重量を取得する。本実施形態では、読取装置14により読み取られた商品のQRコードに商品の重量が含まれているため、登録重量取得部103はQRコードを解析して、QRコードから商品の重量を取得する。なお、QRコードに商品の重量が含まれていない場合には、登録重量取得部103は、後述する商品データベース40から商品の重量を取得してもよい。
【0028】
計測重量取得部104は、買物カゴ10の中に入っている商品の重量の計測値を、重量センサー15から取得する。
【0029】
警告出力部105は、買物カゴ10に入れられた商品の重量の計測値と、商品識別コードに対応付けられて予め登録されている当該商品の重量とが一致しない場合に、スピーカから警告メッセージを出力する。なお、一致するか否かは、ある程度の計測誤差や商品以外のパッケージ重量による誤差を加味して判定することができる。
【0030】
具体的には、ユーザが重量100グラムの豆腐を1つスキャンした上で買物カゴ10に入れたが、もう1つの豆腐をスキャンせずに買物カゴ10に入れた場合、買物カゴ10に入れられた豆腐の重量の計測値は200グラムであり、スキャンされた1つの豆腐について予めQRコードに登録されている重量は100グラムであって計測値と登録値が一致しないため、警告出力部105はスキャンしていない商品があると判断して、警告メッセージを出力してユーザに知らせる。ユーザの勘違いの場合は、スキャンしていないもう1つの豆腐をスキャンし直すことができる。
【0031】
なお、「警告メッセージ」は、スピーカからの警告音であってもよいし、警告マークや警告ランプ等であってもよい。
また、スキャンせず買物カゴ10に商品が入れ続けられ場合は、制御装置18は万引きの可能性もあると判断し、セキュリティ防犯情報として警備会社に通知してもよい。
【0032】
図4は、レジエリアに配置されているPOSシステム20の説明図である。同図に示すように、POSシステム20は、POS端末21と、買物カゴ10を置くためのレジスター台22と、を含んで構成される。レジスター台22の上面には、重量センサー23が設けられている。レジスター台22の周辺には、レジエリアを撮像し不正を監視するためのカメラ24が設置されている。
【0033】
POS端末21は、ハードウェアとして、CPUと、RAM、ROM等の記憶装置と、通信インターフェースと、ディスプレイと、決済カード読取装置と、を備えている。記憶装置には、各種データ、プログラム等のソフトウェアが記憶されている。POS端末21の記憶装置に記憶されているデータとしては、当該POS端末21が設置されている店舗における販売商品を管理する商品データベース40が存在する。
商品データベース40は、商品を識別する商品識別コードと、当該商品の価格と、当該商品の重量と、を対応付けて記憶する。なお、商品データベース40は、他のサーバで管理してもよい。
【0034】
POS端末21の記憶装置に記憶されているプログラムとしては、買物カゴ10の制御装置18から各種情報を取得するためのプログラム、買物カゴ10の中に入っている商品の重量の計測値を重量センサー23から取得するためのプログラム、商品の購入代金の決済処理を行うためのプログラム、警告メッセージを出力するためのプログラム等が存在する。
【0035】
POS端末21のCPUが記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、図5に示す機能がPOS端末21に実現される。
商品識別コード取得部201は、購入する商品をカゴ10に入れる際に買物カゴ10の読取装置14により読み取られた商品の商品識別コードを読取装置14から取得する。
【0036】
登録重量取得部202は、商品識別コード取得部201により取得された商品識別コードに対応付けられて商品データベース40に記憶されている重量を取得する。
計測重量取得部203は、レジスター台22の上に買物カゴ10が載せられた場合、レジスター台22に設けられた重量センサー23から買物カゴ10に入れられた商品の重量の計測値を取得する。
なお、計測重量取得部203は、買物カゴ10に入れられた商品の重量の計測値を、買物カゴ10の重量センサー15から取得してもよい。
【0037】
商品代金決済部204は、登録重量取得部202により取得した商品の重量と、計測重量取得部203により取得した商品の計測値と、が一致する場合、商品代金の決済処理を行う。
なお、計測重量取得部203が、レジスター台22の重量センサー23による重量計測値と、買物カゴ10の重量センサー15による重量計測値と、の両方を取得した場合、商品代金決済部204は、両方の計測値同士が一致した場合に、商品代金の決済処理を行う。
また、決済手段としては、現金、クレジットカード、電子マネー、暗号通貨等、何れの決済手段を利用してもよい。
【0038】
警告出力部205は、登録重量取得部202により取得した予め登録された商品の重量と、計測重量取得部203により取得した当該商品の計測値と、が一致しない場合、警告メッセージを出力する。
また、計測重量取得部203が、買物カゴ10の重量センサー15による計測値とレジスター台22の重量センサー23による計測値との両方を取得した場合、それぞれの計測値同士が一致しない場合、警告出力部205は、警告メッセージを出力する。
【0039】
次に、図6を参照して、上記構成の買物決済システム1において、ユーザが店舗において商品を買物カゴ10に入れて商品の購入代金の決済をする手順について説明する。
【0040】
まず、ユーザは、店舗において買物カゴ10を持って、所望の商品が陳列されている陳列棚まで行く。次に、ユーザは、陳列棚から商品を手に取り、買物カゴ10の読取装置14で商品のQRコードをスキャンする。これにより、読取装置14はQRコードを読み取る(ステップS101)。読み取りを検知した蓋開閉制御部101は、開口部111を開くように蓋12を制御する(ステップS102)。ユーザは、スキャンした商品を、開いた開口部111からカゴ本体11の中に入れる。
【0041】
買物カゴ10の登録重量取得部103は、読み取られたQRコードを解析して、QRコードから商品の重量を取得する。また、計測重量取得部104は、重量センサー15から重量の計測値を取得する。
また、買物カゴ10の制御装置18は、商品がカゴ本体11内に投入される毎に、登録重量取得部103により取得されたスキャンされた商品の重量と、計測重量取得部104により取得された当該商品の計測値と、が一致するか否かを判定する(ステップS103)。なお、今回投入された商品の重量計測値は、前回と今回の計測値の差で求めることができる。重量が一致しない場合には(ステップS104:No)、制御装置18は警告メッセージをスピーカから出力する(ステップS105)。警告メッセージが出力された場合、ユーザは商品識別コードの読み取り漏れや二重スキャン等をチェックし、読み取り操作をやり直す。
【0042】
一方、重量が一致した場合には(ステップS104:Yes)、ユーザが買物カゴ10をレジまで運んでレジスター台22の上に載せた際に、POS端末21は重量チェックを行う(ステップS106)。
【0043】
具体的には、POS端末21の計測重量取得部203は、レジスター台22の重量センサー23により計測された商品重量の計測値を取得する。登録重量取得部202は、当該買物カゴ10の読取装置14が今までに読み取った商品識別コードに対応付けられて予め登録されている商品の重量の合計値を取得する。ここで、予め登録されている商品の重量は、買物カゴの読取装置14が読み取ったQRコードの重量を用いてもよいし、商品データベース40に記憶されている重量を用いてもよい。そして、POS端末21は、登録重量取得部202により取得した商品の重量と、計測重量取得部203により取得した商品の計測値と、が一致するか否かを判定する。
【0044】
重量が一致しない場合には(ステップS107:No)、警告出力部205は警告メッセージを出力する(ステップS108)。一方、重量が一致する場合は(ステップS107:Yes)、商品代金決済部204は商品代金の決済を行う(ステップS109)。ユーザがレジを通過するときに、カメラ17、24により写真を撮影し、買物決済システム1は不正がないかを検証する。
【0045】
以上説明したように、商品を買物カゴ10に入れる際にQRコードがスキャンされて商品識別コードが読み取られるため、レジでまとめて大量の商品のQRコードのスキャンを行う必要がなく、ミスが少なくなり、レジでの待ち時間を短縮することができ、短時間で商品代金の決済を済ませることができる。
また、予め登録された商品の重量と当該商品の計測値とが一致する場合に、商品の購入代金の決済処理を行うため、商品購入代金の決済処理を正確に行うことができる。
【0046】
なお、上述した実施形態は一例に過ぎず、本発明は特許請求の範囲に記載の発明の要旨を変更しない範囲内で、種々変形して実施することができる。
例えば、買物カゴ10の蓋12は回動式に限らず、スライド式で開口部111を開閉してもよい。また、買物カゴ10の読取装置14に制御装置18の機能を持たせてもよいし、或いは、POS端末20に制御装置18の機能を持たせてもよい。
【0047】
また、買物決済システム1の通信方式は、P2P(ピアツーピア)やクライアント・サーバー通信であってもよいし、分散ストーレージ型ブロックチェーンを使用した通信であってもよいし、これらを組み合わせた通信方式であってもよい。
【0048】
なお、商品識別コードとしてRFIDタグを使用する場合には、レジにRFID読み取りゲートや読取機械を配置してダブルチェックしてもよい。QRコードをレジで再度読み取ってダブルチェックをしてもよいが、時間がかかるので行わない方が良い。
【0049】
また、店舗にてIOT機器を使用して情報収集をしてもよいし、当該収集した情報をコンピュータで管理しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、食品スーパー、衣料品店、雑貨店等のあらゆるリアル店舗において、ユーザが商品を購入する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 買物決済システム
10 買物カゴ
101 蓋開閉制御部
102 商品識別コード取得部
103 登録重量取得部
104 計測重量取得部
105 警告出力部
11 カゴ本体
111 開口部
12 蓋
14 読取装置
15 重量センサー
17 カメラ
18 制御装置
20 POSシステム
201 商品識別コード取得部
202 登録重量取得部
203 計測重量取得部
204 商品代金決済部
205 警告出力部
21 POS端末
22 レジスター台
23 重量センサー
24 カメラ
30 通信ネットワーク
【要約】
【課題】不正を防ぎ、商品購入代金の決済を正確に行うことが可能な買物カゴを提供する。
【解決手段】買物カゴ10は、上面に開口部111が設けられたカゴ本体11と、開口部111を開閉する蓋12と、蓋12の開閉を制御する蓋開閉制御部101と、商品を識別する商品識別コードを読み取る読取装置14とを備え、蓋開閉制御部101は、開口部111が閉じている状態で読取装置14により商品識別コードが読み取られた場合、開口部111を開くように蓋12を制御する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6