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特許7175097作業機械の情報管理装置、情報管理方法及び情報管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】作業機械の情報管理装置、情報管理方法及び情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20221111BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20221111BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20221111BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20221111BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q50/02
E02F9/20 N
G06Q10/00 300
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018065885
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019175360
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 健一
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0101017(US,A1)
【文献】国際公開第02/008527(WO,A1)
【文献】特開2004-021286(JP,A)
【文献】特開2016-076854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の車両情報を収集する情報収集部と、
前記車両情報を解析して解析情報を生成する情報解析部と、
前記作業機械に搭載される第1情報送信部と、
前記作業機械に搭載される汎用処理機能部と
前記車両情報及び前記解析情報を前記汎用処理機能部に送信可能か否かを示す送信可否情報を規定する選択定義を記憶する選択定義記憶部と、
前記選択定義に基づいて、前記第1情報送信部と前記汎用処理機能部とのそれぞれに送信する情報を選択する情報選択部とを備え
前記選択定義は、前記車両情報及び前記解析情報の全てが前記第1情報送信部に送信され、前記車両情報及び前記解析情報の一部が前記汎用処理機能部に送信されるように、前記送信可否情報を規定する、
作業機械の情報管理装置。
【請求項2】
前記汎用処理機能部は、設定された接続方式又は通信方式によって前記車両情報及び前記解析情報うちの少なくとも一方を受信する汎用送信機能部、及び前記車両情報及び前記解析情報を予め定められる解析方法によって解析する汎用解析機能部うちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の作業機械の情報管理装置。
【請求項3】
前記選択定義は、前記汎用解析機能部により生成された前記車両情報の解析情報を送信先に送信可能か否かを示す送信可否情報と前記送信先との関係を含み、
前記情報選択部は、前記選択定義に基づいて、前記情報収集部に収集された前記車両情報、前記情報解析部により生成された前記解析情報、及び前記汎用解析機能部により生成された前記解析情報の中から、前記汎用送信機能部に送信する情報を選択する請求項2に記載の作業機械の情報管理装置。
【請求項4】
前記選択定義は、前記汎用送信機能部が通信する際に通信内容を傍受される危険度、又は前記車両情報及び前記解析情報を取得するユーザごとに予め付与される権限に従って、予め設定される請求項2に記載の作業機械の情報管理装置。
【請求項5】
前記選択定義は、前記車両情報又は前記解析情報が前記作業機械の不具合状態又は前記作業機械の特定稼働状態に対応する情報のいずれかを含むと判定された場合に対応する第1の選択定義と、前記車両情報又は前記解析情報が前記作業機械の不具合状態又は前記作業機械の特定稼働状態に対応する情報のいずれも含まないと判定された場合に対応する第2の選択定義を含み、
前記情報選択部は、
前記車両情報及び前記解析情報が前記作業機械の不具合状態又は前記作業機械の特定稼働状態に対応する情報のいずれかを含むと判定した場合、前記第1の選択定義に基づいて、前記作業機械の不具合状態又は前記作業機械の特定稼働状態に対応する情報を含む前記車両情報及び前記解析情報の選択を実行し、
前記車両情報及び前記解析情報が前記作業機械の不具合状態又は前記作業機械の特定稼働状態に対応する情報のいずれも含まないと判定した場合、前記第2の選択定義に基づいて前記車両情報及び前記解析情報の選択を実行する請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の作業機械の情報管理装置。
【請求項6】
作業機械の車両情報を収集することと、
前記車両情報を解析して解析情報を生成することと、
前記車両情報及び前記解析情報を、前記作業機械に搭載された第1情報送信部及び汎用処理機能部のそれぞれに送信可能か否かを示す送信可否情報を規定する選択定義に基づいて、情報管理装置に接続される前記汎用処理機能部に送信する情報を選択することとを含み、
前記選択定義は、前記車両情報及び前記解析情報の全てが前記第1情報送信部に送信され、前記車両情報及び前記解析情報の一部が前記汎用処理機能部に送信されるように、前記送信可否情報を規定する、
作業機械の情報管理方法。
【請求項7】
作業機械の車両情報を収集する情報収集部と、
前記車両情報を解析して解析情報を生成する情報解析部と、
前記作業機械に搭載される第1情報送信部と、
前記作業機械に搭載される汎用処理機能部と
前記車両情報及び前記解析情報を前記汎用処理機能部に送信可能か否かを示す送信可否情報を規定する選択定義を記憶する選択定義記憶部と、
前記選択定義に基づいて、前記第1情報送信部と前記汎用処理機能部とのそれぞれに送信する情報を選択する情報選択部とを備え
前記選択定義は、前記車両情報及び前記解析情報の全てが前記第1情報送信部に送信され、前記車両情報及び前記解析情報の一部が前記汎用処理機能部に送信されるように、前記送信可否情報を規定する、
作業機械の情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の情報管理装置、情報管理方法及び情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場や鉱山等で稼動する作業機械の効率的な運用、及び保守点検等を目的として、作業機械に情報管理装置が搭載されている。情報管理装置は、作業機械が備えるセンサや他の制御部等から収集した稼動情報、及び収集した稼動情報を解析し、加工を行った加工情報の記録を行い、情報管理装置が記録した稼動情報及び加工情報について作業機械の外部への送信を行う。また、情報管理装置が記録した稼動情報及び加工情報の作業機械の外部への送信について、記録した稼動情報及び加工情報の送信が中断しても中断箇所から送信を再開できる手法等、種々の送信手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-45282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報管理装置の車両情報及び解析情報の記録及び送信に対する要求の高まりに対し、情報管理装置に情報管理装置の管理者や、管理者以外のサービス提供者が提供する機能部又は外部の装置を新たに追加することで、情報管理装置の送信及び解析機能を追加できるようになる。
【0005】
しかしながら、新たな情報の送信及び解析が行えるようになった場合でも、情報管理装置が記録及び送信する車両情報及び解析情報は効率的な運用、及び保守点検等を行わなければならない。上記の事情より、情報管理装置の管理者は、管理者以外のサービス提供者の機能部、装置およびユーザに対し、車両情報や解析情報の提供を管理しなければならない。
【0006】
本発明は、作業機械に新たな機能や装置を新たに実装する際に情報管理装置の管理者の目的やネットワークの特性、情報を提供する装置のサービス利用者の位置付けに基づき情報の提供を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に従えば、作業機械の車両情報を収集する情報収集部と、前記車両情報を解析して解析情報を生成する情報解析部と、前記車両情報及び前記解析情報を汎用処理機能部に送信可能か否かを示す送信可否情報を規定する選択定義を記憶する選択定義記憶部と、前記選択定義に基づいて、前記汎用処理機能部に送信する情報を選択する情報選択部とを備える作業機械の情報管理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業機械に新たな機能や装置を新たに実装する際に情報管理装置の管理者の目的やネットワークの特性、情報を提供する装置のサービス利用者の位置付けに基づき情報の提供を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報管理システムの一例を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係るダンプトラックの構成例を示す模式図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る情報管理装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る選択定義記憶部に記憶される選択定義の構成例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る接続方式及び通信方式記憶部に記憶される接続方式及び通信方式の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る情報管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第2の実施形態に係る情報管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る選択定義記憶部に記憶される選択定義の構成例を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る接続方式及び通信方式記憶部に記憶される接続方式及び通信方式の一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る情報管理装置による処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、情報管理装置の機能構成のその他の例を示す図である。
図12図12は、第3の実施形態に係る情報管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図13図13は、第3の実施形態に係る車両情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図14図14は、第3の実施形態に係る解析情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図15図15は、第3の実施形態に係る例外処理実行条件記憶部122eに記憶される例外処理実行条件の一例を示す図である。
図16図16は、第3の実施形態に係る情報管理装置100による処理の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、他の実施形態に係るダンプトラックの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
<第1の実施形態>
<情報管理システム>
図1は、実施形態に係る情報管理システム1の一例を模式的に示す図である。以下に説明する実施形態では、作業機械としてダンプトラックを例示するが、ショベルカー、ブルドーザ、ホイールローダ、及びフォークリフトなどの他の作業機械などについても、以下の実施形態を同様に適用できる。
【0012】
情報管理システム1は、作業機械である複数のダンプトラック2の稼働状態に関する車両情報、及び車両情報が解析された解析情報を管理する。
【0013】
ダンプトラック2は積荷の運搬等を行う作業機械である。ダンプトラック2は、走行体と、走行体上部に取付けられる本体と、本体に取付けられるベッセル等の積載部とを含む。積載部は作業機に該当する。ダンプトラック2は、本体に搭載されるエンジン等の原動機を稼動し、走行体及びポンプを駆動する。ポンプから供給される作動油で油圧シリンダは、一方の端部と他方の端部が本体と積載部にそれぞれ取り付けられる。油圧シリンダを駆動することにより、油圧シリンダの動作で積載部の昇降が行われる。ダンプトラック2は、例えば、作業現場4で稼働できる。ダンプトラック2は、車両情報及び車両情報を解析して得られる解析情報を記録する情報管理装置100を搭載する。ダンプトラック2は、運転者により走行、停止、荷物の積み降ろしなどの操作が行われる有人の車両であってもよいし、遠隔操作及び自律走行により走行などが制御される無人のダンプトラックであってもよい。
【0014】
情報管理システム1は、サーバ10Aおよびサーバ10Bと、情報処理装置30Aおよび情報処理装置30Bと、情報管理装置100とを含む。サーバ10Aおよびサーバ10B、情報処理装置30Aおよび情報処理装置30B、並びに情報管理装置100は、それぞれ、通信ネットワーク3を介して相互に通信可能な状態で任意に接続できる。通信ネットワーク3として、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、インターネット(internet)、携帯電話通信網、及び衛星通信網の少なくとも一つが例示される。
【0015】
情報管理装置100はダンプトラック2に実装される。情報管理装置100は、ダンプトラック2の車両情報を収集し、収集した車両情報及び車両情報を解析して得られる解析情報を記録できる。情報管理装置100は、記録した車両情報及び解析情報を、必要に応じてサーバ10Aおよびサーバ10Bに送信できる。情報管理装置100は、例えば、ダンプトラック2の車両情報及び解析情報を管理するための車載コントローラにより実現できる。
【0016】
サーバ10Aおよびサーバ10Bは、情報管理装置100により記録された車両情報及び解析情報の少なくとも一部を記憶できる。サーバ10Aは、例えば、情報処理装置30Aからの要求に応じて、情報処理装置30Aに車両情報及び解析情報の少なくとも一部を提供できる。サーバ10Bは、例えば、情報処理装置30Bからの要求に応じて、情報処理装置30Bに車両情報及び解析情報の少なくとも一部を提供できる。サーバ10Aおよびサーバ10Bは、それぞれ、ストレージとしての情報記憶機能およびコンピュータシステムとしての情報処理機能を有する。好適な例として、サーバ10Aは、ダンプトラック2に含まれる情報管理装置100などの設定を行ったり、収集した情報をメンテナンスの必要性を判断するための情報としてサービスマンに提供したりする、例えば作業機械の製造、販売およびサービス提供等を行う情報管理装置100の管理者により管理される装置であり、サーバ10Bは、作業機械の製造、販売およびサービスの提供等を行う情報管理装置100の管理者以外のサービス提供者により管理される装置である場合が考えられる。
【0017】
情報処理装置30Aは、例えば、サーバ10Aから提供される車両情報及び解析情報の少なくとも一部を受信できる。情報処理装置30Bは、例えば、サーバ10Bから提供される車両情報及び解析情報の少なくとも一部を受信できる。情報処理装置30Aおよび30Bは、それぞれ、コンピュータシステムとしての情報処理機能を有する。好適な例として、情報処理装置30Aは、上述の情報管理装置100の管理者により使用される装置であり、情報処理装置30Bは、上述のサービス提供者により提供されるサービス利用者が使用する装置である場合が考えられる。
【0018】
<情報管理装置>
図2は、実施形態に係るダンプトラック2の構成例を示す模式図である。
【0019】
ダンプトラック2は、センサシステム21、制御システム23、通信装置25、位置検出装置27、及び情報管理装置100を備える。情報管理装置100は、通信線29Aを介して、センサシステム21、制御システム23、及び位置検出装置27とデータ通信できる。情報管理装置100は、通信線29Bを介して通信装置25とデータ通信できる。通信線29Aおよび通信線29Bは、イーサネット(登録商標)、ISO11898及びISO11519として標準化されたCAN(Controller Area Network)の他、LIN(Local Interconnect Network)、FlevRayなどの通信規格をサポートするように構築できる。
【0020】
センサシステム21は、ダンプトラック2に関する各種データである車両情報を検出する複数のセンサを有する。センサシステム21は、例えば、ダンプトラック2の走行速度を検出するセンサ、ダンプトラック2の加速度を検出するセンサ、ダンプトラック2のエンジン水温を検出するセンサ、及びダンプトラック2の燃料消費量を検出するセンサなどを含む。センサシステム21において検出された車両情報は、ダンプトラック2の走行速度、加速度、エンジンの水温、燃料消費量、ハンドル操作の情報、ダンプトラック2のベッセルを駆動する油圧シリンダの圧力などを含む。センサシステム21は、車両情報を、通信線29Aを介して情報管理装置100に送信できる。センサシステム21と情報管理装置100は、通信線29Aを介してデータ通信できる。
【0021】
制御システム23は、ダンプトラック2を制御する複数のコントローラを含む装置を有する。制御システム23は、ダンプトラック2のエンジンを制御するコントローラ、ダンプトラック2の走行状態を制御するコントローラ、ダンプトラック2の各所の油圧を制御するコントローラなどを含む。制御システム23においてダンプトラック2の制御に用いられた各種データである車両情報は、コントローラに搭載される計時機能によって計時された時間などを含む。制御システム23は、車両情報を、通信線29Aを介して情報管理装置100に送信できる。なお、制御システム23は、ダンプトラック2が有人の車両である場合、ダンプトラック2に乗車する作業員の個人情報に関するデータを情報管理装置100に送信してもよい。制御システム23と情報管理装置100は、通信線29Aを介してデータ通信できる。
【0022】
通信装置25は、通信線29Bを介して、情報管理装置100とデータ通信できる。通信装置25は、通信ネットワーク3を介して、情報管理装置100、サーバ10A及びサーバ10Bとデータ通信できる。
【0023】
位置検出装置27は、全地球航法衛星システム(GNSS:global navigation satellite system)により、グローバル座標系におけるダンプトラック2の位置を示す絶対位置を検出できる。位置検出装置27は、検出したダンプトラック2の位置に関する情報を、通信線29Aを介して制御システム23および情報管理装置100に送信できる。位置検出装置27により検出されるダンプトラック2の位置に関する情報は車両情報である。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)などの他の測位システムを含む。
【0024】
情報管理装置100は、入出力インタフェース装置101と、記憶装置102と、演算処理装置103とを含む。情報管理装置100は、必要に応じて、アナログ信号とデジタル値を相互に変換できるコンバータ、計時するクロックなどを含んでよい。
【0025】
入出力インタフェース装置101は、データの入出力を受け付けて、記憶装置102と演算処理装置103との間で実行されるデータ通信を制御できる。入出力インタフェース装置101は、通信線29Aを介して、センサシステム21、制御システム23、及び位置検出装置27と、情報管理装置100との間で実行されるデータ通信を制御できる。通信線29Aは、ダンプトラック2内部のデータ通信のみに利用され、通信ネットワーク3などの外部に構築される開かれた通信網から隔離される。入出力インタフェース装置101は、通信線29Bを介して、通信装置25と情報管理装置100との間で実行されるデータ通信を制御できる。通信線29Bは、通信装置25を介し通信ネットワーク3などの外部に構築される開かれた通信網に接続される。入出力インタフェース装置101が有する機能は、情報管理装置100の内部で実行されるデータ通信を制御する機能と、情報管理装置100の周辺機器であるセンサシステム21、制御システム23、通信装置25及び位置検出装置27と情報管理装置100との間で実行されるデータ通信を制御する機能とにそれぞれ分散されていてもよい。通信線29A及び通信線29Bは、ワイヤーハーネス及びコネクタなどにより構築できる。
【0026】
記憶装置102は、演算処理装置103により実行される演算処理を実現するコンピュータプログラム、及び演算処理に用いられるデータなどを記憶できる。記憶装置102は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、及びSDD(Solid State Drive)などの記憶装置、並びに非一過性(non-transitory)の記憶媒体を含んでよい。
【0027】
演算処理装置103は、記憶装置102に記憶されているコンピュータプログラムに従って各種演算処理を実行できる。記憶装置102に記憶されているコンピュータプログラムは、演算処理装置103が実行する各種演算処理を実現するための機能をそれぞれ提供できる。演算処理装置103は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む。
【0028】
図3は、第1の実施形態に係る情報管理装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【0029】
情報管理装置100は、車両情報記憶部102aと、解析情報記憶部102bと、選択定義記憶部102cと、接続方式及び通信方式記憶部102dと、情報収集部103aと、情報解析部103bと、情報選択部103cと、第1情報送信部103dと、第2情報送信部103eとを有する。
【0030】
車両情報記憶部102a、解析情報記憶部102b、選択定義記憶部102c、並びに接続方式及び通信方式記憶部102dは、例えば、記憶装置102の記憶領域に含まれる。情報収集部103a、情報解析部103b、情報選択部103c、第1情報送信部103d、及び第2情報送信部103eは、例えば、演算処理装置103により実行される各種演算処理に含まれる。
【0031】
車両情報記憶部102aは、センサシステム21、制御システム23及び位置検出装置27から取得された車両情報を、例えば、情報が取得された年月日及び時刻の情報などと対応付けて車両情報として記憶する。車両情報は、後述する情報収集部103aにより収集される。
【0032】
解析情報記憶部102bは車両情報の解析結果を解析情報として記憶する。解析情報は、後述する情報解析部103bにより生成される。
【0033】
選択定義記憶部102cは、車両情報及び解析情報を第2情報送信部103eに送信可能か否かを示す送信可否情報を規定する選択定義を記憶する。送信先は、第1の実施形態において、第1情報送信部103dまたは第2情報送信部103eを指す。すなわち、選択定義記憶部102cは、送信先として設定された第1情報送信部103dと、車両情報及び解析情報を第1情報送信部103dに対して送信可能か否かを示す送信可否情報との対応関係、及び送信先として設定された第2情報送信部103eと、車両情報及び解析情報を第2情報送信部103eに対して送信可能か否かを示す送信可否情報との対応関係を選択定義として記憶する。
【0034】
図4は、第1の実施形態に係る選択定義記憶部102cに記憶される選択定義の構成例を示す図である。図4に例示すように、選択定義記憶部102cは、例えば、送信先、車両情報種別ID(Identification)、車両情報の送信の可否、解析情報種別ID、及び解析情報の送信の可否の各項目を対応付けた選択定義を記憶する。
【0035】
送信先の項目には、情報選択部103cから送信される車両情報および解析情報の送信先が設定される。図4に示す例では、車両情報及び解析情報の送信先として、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eが設定される。
【0036】
車両情報種別IDの項目には、情報収集部103aにより収集される車両情報の各データが種別に従って分類される場合に、各データに対して固有に割り当てられる識別子が設定される。車両情報種別IDは、情報収集部103aにより割り当てが行われる。一例をあげれば、車両情報である水温データに対する固有の識別子として「D001」が情報収集部103aにより割り当てられ、車両情報であるエンジンの制御に関するデータに対する固有の識別子として「D012」が情報収集部103aにより割り当てられることがある。
【0037】
車両情報に対応する送信の可否の項目には、送信先ごとに、車両情報に含まれる各データについて送信可能か否かを示す値が設定される。図4に示す例では、送信できることを示す値として「送信可」が設定され、送信できないことを示す値として「送信不可」が設定される。
【0038】
解析情報種別IDの項目には、情報解析部103bにより生成される解析情報の各データが種別に従って分類される場合に、各データが属する区分に対して固有に割り当てられる識別子が設定される。解析情報種別IDは、情報解析部103bにより割り当てが行われる。一例をあげれば、解析情報である水温データに関する解析データが属する区分に対して、固有の識別子として「D101」が情報解析部103bにより割り当てられ、解析情報であるエンジンの制御に関する解析データが属する区分に対し、固有の識別子として「D112」が情報解析部103bにより割り当てられることがある。
【0039】
解析情報に対応する送信の可否の項目には、送信先ごとに、解析情報に含まれる各データについて送信可能か否かを示す値が設定される。図4に示す例では、送信できることを示す値として「送信可」が設定され、送信できないことを示す値として「送信不可」が設定される。
【0040】
図4に例示する選択定義によれば、情報選択部103cから第1情報送信部103dに対して、車両情報及び解析情報の全てが送信されることになる。一方、図4に例示する選択定義によれば、情報選択部103cから第2情報送信部103eに対して、車両情報の一部が送信されることになる。
【0041】
選択定義は、通信リスクレベル又はアクセス権限などに基づいて、情報管理装置100の管理者により予め作成される。管理者は、任意の方法により選択定義を作成できる。管理者は、例えば、ダンプトラック2の操作パネルなどを直接操作して選択定義を作成してもよいし、ダンプトラック2のシステムにケーブルなどの物理的なインタフェースを介して接続してダンプトラック2の外部で選定定義を作成してもよいし、通信ネットワーク3を介してダンプトラック2のシステムに接続してダンプトラック2から離れた場所で遠隔操作により選定定義を作成してもよい。管理者は、車両情報種別ID及び解析情報IDごとに送信の可否を設定して選択定義を作成する例に限らず、車両情報及び解析情報に含まれるデータ、すなわちデータに一意なIDのそれぞれに対して、送信の可否を設定して選択定義を作成してもよい。選択定義は、管理者によって手動で作成されるだけでなく、情報管理装置100が、情報管理装置100と通信可能に接続される通信ネットワーク3上に配置されるサーバなどから選択定義を作成するための作成ツールを取得し、取得した作成ツールに基づいて自動的に作成されてもよい。
【0042】
通信リスクレベルは、例えば、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eが、通信ネットワーク3を介して、情報管理装置100の外部と通信を行う際の危険度を示す。例えば、通信内容が暗号化されない機器を経由する通信など、通信内容を傍受される可能性が高いほど、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eが情報管理装置100の外部と通信を行う際の危険度が高いものと判断する。通信リスクレベルは、通信の危険度に従って上昇する。情報管理装置100の管理者は、通信リスクレベルに応じて、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eから外部に送信される車両情報及び解析情報の内容を設定できる。通信リスクレベルが高いほど、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eから外部に送信される車両情報及び解析情報の内容は限定されたものとなる。
【0043】
アクセス権限は、例えば、情報管理装置100から車両情報及び解析情報を取得する際にユーザ認証等が必要であるとき、認証手続きを行うユーザの職責などに応じて予め付与される。情報管理装置100の管理者は、情報管理装置100に接続するユーザのアクセス権限に応じて、情報管理装置100から取得可能な車両情報及び解析情報の内容を設定できる。情報管理装置100の管理者は、アクセス権限に対応付けて車両情報及び解析情報の内容を設定してもよいし、ユーザごとに車両情報及び解析情報の内容を設定してもよい。
【0044】
接続方式及び通信方式記憶部102dは、情報選択部103cと、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eとの間の接続方式及び通信方式を記憶する。図5は、第1の実施形態に係る接続方式及び通信方式記憶部102dに記憶される接続方式及び通信方式の一例を示す図である。
【0045】
接続方式及び通信方式記憶部102dは、情報選択部103cの接続先に対応付けて、接続方式および通信方式を記憶する。情報選択部103cは、接続方式及び通信方式記憶部102dに記憶される接続方式及び通信方式に基づいて、情報選択部103cと第1情報送信部103d、並びに情報選択部103cと汎用送信機能部として情報管理装置100に実装される第2情報送信部103eとの間の接続方式及び通信方式の違いを吸収して、車両情報及び解析情報を送信できる。例えば、情報選択部103cが、第1接続方式として共有メモリによる接続方式として設定し、第1通信方式として車内専用の通信方式として設定を行う。このとき第2情報送信部103eが、情報管理装置100に汎用送信機能部として新たに実装された場合、情報管理装置100の管理者により、第2情報送信部103eがサポートする接続方式および通信方式が、接続方式及び通信方式記憶部102dに手動で設定される。具体的には、情報選択部103cは、第2情報送信部103eがサポートする第2接続方式として第1接続方式と同じ接続方式の共有メモリによる接続方式を設定する。また、情報選択部103cは、第2情報送信部103eがサポートする第2通信方式として「J1939」を設定する。なお、第1情報送信部103dおよび第2情報送信部103eの通信方式は、「J1939」などの任意の通信方式を設定することができる。また、第1の実施形態における第1情報送信部103dおよび第2情報送信部103eは、同じ演算処理装置103にて実施されるため同じ接続方式として設定されるが、第1情報送信部103dおよび第2情報送信部103eを情報解析部103bとは別の演算処理装置として情報選択部103cに接続する方式としてもよい。この場合、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eを接続する接続方式が例えば「CAN」、あるいは「イーサネット」であれば、第1接続方式および第2接続方式としてそれぞれ対応する接続方式を設定すればよい。図5に例示する第1接続方式と第2接続方式は、それぞれ独立した接続方式として設定することや、それぞれに相関付けた通信方式として設定することなどが可能である。また、情報選択部103cにおける通信方式及び接続方式は、どちらか一方だけを設定することとしてもよい。また、情報収集部103aと第1情報送信部103dにおける通信方式および接続方式に対し、情報収集部103aと第2情報送信部103eにおける通信方式又は接続方式のどちらかが共通となる場合がある。この場合、通信方式又は接続方式のどちらかが共通となる項目について情報選択部103cにおける設定を不要とする。不要な項目について接続方式及び通信方式記憶部102dに記憶されず、情報選択部103cでは不要である項目の設定を行わず、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eへ送信を行う。
【0046】
情報収集部103aは車両情報を収集できる。情報収集部103aは、通信線29Aを介して、センサシステム21、制御システム23及び位置検出装置27から車両情報を収集し、収集した車両情報を車内専用の通信方式に変換し、車両情報記憶部102aに格納する。情報収集部103aは、収集した車両情報を情報解析部103b及び情報選択部103cに送信する。情報収集部103aは、解析情報記憶部102bから車両情報を取り込んで情報解析部103bによる解析処理が実行される場合、収集した車両情報を情報解析部103bに送信しなくてもよい。情報収集部103aは、収集した車両情報の各データを種別に従って分類し、分類した各データに対して固有の識別子を設定できる。例えば、情報収集部103aは、車両情報として収集した水温データに対する固有の識別子として「D001」を割り当てることができ、車両情報として収集したエンジンの制御に関する各データに対する固有の識別子として「D012」を割り当てることができる。
【0047】
情報解析部103bは、情報収集部103aにより収集された車両情報を解析することにより解析情報を生成できる。情報解析部103bにより生成される解析情報は、ダンプトラック2の積載状態、稼働時間、走行状態などの稼働情報を含む。情報解析部103bは、例えば、ダンプトラック2のベッセルを駆動する油圧シリンダの圧力に基づいて、ダンプトラック2が積荷を積んでいるか否かの状態を示す積載状態に関する情報を稼働情報として生成できる。情報解析部103bは、ダンプトラック2のコントローラに搭載される計時機能によって計時された時間に基づいて、ダンプトラック2の稼働時間に関する情報を稼働情報として生成できる。情報解析部10bは、ダンプトラックの走行速度に基づいて、ダンプトラック2の走行中であるか、或いは停車しているかを示す走行状態に関する情報を稼働情報として生成できる。情報解析部103bは、生成した解析情報を解析情報記憶部102bに格納する。情報解析部103bは、解析情報を情報選択部103cに送信する。情報解析部103bは、情報解析部103bは、車両情報記憶部102aから車両情報を読み込んで解析情報を生成してもよい。情報解析部103bは、生成した解析情報の各データを種別に従って分類し、分類した各データに対して固有の識別子を設定できる。例えば、情報解析部103bは、解析情報である積載状態に関する解析データに対する固有の識別子として「D101」を割り当てることができ、解析情報である稼働時間に関する解析データに対する固有の識別子として「D112」を割り当てることができる。
【0048】
情報選択部103cは、選択定義記憶部102cに記憶されている選択定義に基づいて、第1情報送信部103dおよび第2情報送信部103eのそれぞれに送信する情報を選択する処理を実行できる。第1情報送信部103dおよび第2情報送信部103eのそれぞれに送信する情報として情報選択部103cにより選択される情報は、車両情報及び解析情報の少なくとも1つを含む。
【0049】
すなわち、情報選択部103cは、車両情報又は解析情報を受信したかを判定する。情報選択部103cは、車両情報及び解析情報のうち、車内専用の通信方式で定義される車両情報を受信すると、選択定義記憶部102cから選択定義を取得する。そして、情報選択部103cは、第1情報送信部103d又は第2情報送信部103eを選択する。情報選択部103cは、第1情報送信部103dを選択した場合、受信した車両情報の中から、選択定義に基づいて第1情報送信部103dに送信する情報を選択する。情報選択部103cは、図4に示す車両情報に係る送信の可否において「送信可」が設定されている車両情報を第1情報送信部103dに送信する情報として選択する。例えば、情報選択部103cは、第1情報送信部103dに送信する情報として、図3に示す車両情報Dv1を選択できる。同様に、情報選択部103cは、第2情報送信部103eを選択した場合、第2情報送信部103eに送信する情報についても車両情報の中から選択定義に基づいて選択する。例えば、情報選択部103cは、第2情報送信部103eに送信する情報として、図3に示す車両情報dv2を選択できる。車両情報dv2は、例えば、車両情報Dv1に含まれる情報の一部である。
【0050】
また、情報選択部103cは、車両情報及び解析情報のうち、車内専用の通信方式で定義される解析情報を受信すると、車両情報を受信した場合と同様に、選択定義記憶部102cから選択定義を取得する。そして、情報選択部103cは、第1情報送信部103d又は第2情報送信部103eを選択する。情報選択部103cは、第1情報送信部103dを選択した場合、受信した解析情報の中から、第1情報送信部103dに送信する情報を選択定義に基づいて選択する。情報選択部103cは、図4に示す解析情報に係る送信の可否において「送信可」が設定されている解析情報を第1情報送信部103dに送信する情報として選択する。例えば、情報選択部103cは、第1情報送信部103dに送信する情報として、図3に示す解析情報Da1を選択できる。なお、情報選択部103cは、第2情報送信部103eを選択した場合、図4に例示する選択定義に従う結果、解析情報の中から第2情報送信部103eに送信する情報の選択を行わない。
【0051】
情報選択部103cは、接続方式及び通信方式記憶部102dに記憶されている通信方式に従って、車内専用の通信方式から第1情報送信部103dに対応する通信方式に変換を行い、選択定義に基づいて選択した情報を第1情報送信部103dに送信する。また、情報選択部103cは、接続方式及び通信方式記憶部102dに記憶されている通信方式に従って、車内専用の通信方式から第2情報送信部103eに対応する通信方式に変換を行い、選択定義に基づいて選択した情報を第2情報送信部103eに送信する。
【0052】
情報選択部103cは、図4に例示する選択定義に従うことにより、情報収集部103aから取得する車両情報および情報解析部103bから取得する解析情報の全てを、第1情報送信部103dに送信できる。一方、情報選択部103cは、図4に例示する選択定義に従うことにより、情報収集部103aから取得する車両情報の一部を、第2情報送信部103eに送信できる。このように、情報選択部103cは、情報の送信先に応じて送信する情報を変更できる。
【0053】
図4に例示する選択定義を変更することにより、情報選択部103cから第2情報送信部103eに対して解析情報を送信することもできる。例えば、解析情報のうち積載状態に関する情報を第2情報送信部103eに送信したい場合、積載状態に関する情報に割り当てられている固有の識別子を第2情報送信部103eに送信可能な情報として設定すればよい。
【0054】
第1情報送信部103dは、情報選択部103cから取得した情報を通信装置25に送信する。第2情報送信部103eは、情報選択部103cから取得した情報を通信装置25に送信する。
【0055】
第2情報送信部103eは、予め設定された接続方式及び通信方式によって車両情報及び解析情報を送信できる汎用送信機能部であり、情報管理装置100に対する追加機能として新たに実装される。第2情報送信部103eの接続方式及び送信方式は、第1情報送信部103dとは独立して任意に定義される。汎用送信機能部として、情報管理装置100に送信機能を提供するために情報管理装置100に組み込まれる汎用のソフトウェア、及び汎用の送信モジュールの少なくとも1つが例示される。情報管理装置100は、上述した接続方式及び通信方式記憶部102dに予め設定されるように、組み込まれる汎用のソフトウェアおよび送信モジュールとの間でデータをやり取りするための接続方式及び通信方式を予めサポートできる。情報管理装置100は、汎用送信機能部をソフトウェアで組み込む場合、情報管理装置100の処理を制御するために予め組み込まれている既存のプログラムのアドオン、プラグインのなどの各種拡張機能として実装することができる。情報管理装置100は、汎用送信機能部を取り込むことによって、情報提供の仕組みを容易に追加できる。図3に例示する第2情報送信部103eのように、情報管理装置100は汎用送信機能部を1つだけ有する例には限定されず、汎用送信機能部を複数有していてもよい。第2情報送信部103eは、汎用処理機能部の一例である。第2情報送信部103eは、任意の通信部が接続可能な通信ネットワーク3を介してデータを送信する。
【0056】
図6は、第1の実施形態に係る情報管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、例えば、情報管理装置100の稼働中、繰り返し実行されてよい。
【0057】
図6に示すように、情報選択部103cは、車両情報または解析情報を受信したかを判定する(ステップS101)。情報選択部103cは、判定の結果、車両情報または解析情報を受信していない場合(ステップS101,No)、ステップS101の判定を繰り返す。
【0058】
情報選択部103cは、判定の結果、車両情報または解析情報を受信した送信場合(ステップS101,Yes)、第1情報送信部103d又は第2情報送信部103eを選択する(ステップS102)。
【0059】
続いて、情報選択部103cは、選択定義記憶部102cから取得する選択定義に基づいて、ステップS102で選択した第1情報送信部103d又は第2情報送信部103eに送信する情報を選択する(ステップS103)。
【0060】
続いて、情報選択部103cは、ステップS102で選択した送信部、すなわち第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eに、ステップS103で選択した情報を送信する(ステップS104)。
【0061】
続いて、情報選択部103cは、全ての送信部、すなわち、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eを選択済みであるかを判定する(ステップS105)。
【0062】
情報選択部103cは、判定の結果、全ての送信部を選択済みである場合(ステップS105,Yes)、上記ステップS101の判定に戻る。
【0063】
情報選択部103cは、判定の結果、全ての送信部を選択済みではない場合(ステップS105,No)、上記ステップS102の手順に戻る。すなわち、情報選択部103cは、上記ステップS102に戻って、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eの中から、選択済みではない送信部を選択し、ステップS103以降の処理を実行する。
【0064】
上述してきたように、第1の実施形態によれば、情報管理装置100は、汎用送信機能部である第2情報送信部103eを取り込むことができる。このため、情報管理装置100は、例えば、サーバ10Aとは管理者が異なるサーバ10Bなどに対する情報提供の仕組みを容易に獲得できる。また、実施形態1によれば、選択定義によって汎用送信機能部である第2情報送信部103eに送信する情報を任意に変更できる。また、第1の実施形態によれば、情報管理装置100とサーバ10A及びサーバ10Bとの間に第2情報送信部103eを介在させるとともに、第2情報送信部103eに対する情報の送信を制御することにより、サーバ10Aとサーバ10Bとの間で、例えば、積載状態に関するデータなどの同一の車両情報を簡易に共有できる。
【0065】
また、第1の実施形態によれば、情報管理装置100は、選択定義に基づいて、車両情報及び解析情報の中から送信する情報を送信先に応じて変更できる。すなわち、情報管理装置100は、情報の送信先が、第1情報送信部103dであるか、又は第2情報送信部103eであるかに応じて、送信する情報の内容を簡易に変更できる。このため、情報管理装置100は、汎用送信機能部を新たに実装する場合であっても、汎用送信機能部に送信する情報を容易に管理できる。
【0066】
また、第1の実施形態によれば、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eが、通信ネットワーク3を介して、情報管理装置100の外部と通信を行う際の危険度(通信リスクレベル)に応じて選択定義を作成できる。或いは、第1の実施形態によれば、車両情報および解析情報を取得するユーザの職責などに応じて予め付与されるアクセス権限に基づいて選択定義を作成することもできる。このため、第1の実施形態によれば、車両情報及び解析情報の送信をより詳細に管理できる。すなわち、情報管理装置100は、情報管理装置100の管理者の要求に応じて汎用送信機能部への情報提供を管理できるようになる。例えば、情報管理装置100の管理者に、積載状態に関するデータなどの稼働情報の提供を管理したいという要求がある場合、情報管理装置100は、情報管理装置100の管理者の要求に従って、稼働情報の汎用送信機能部に対する送信を管理できる。
【0067】
<第2の実施形態>
図7は、第2の実施形態に係る情報管理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0068】
図7に例示する情報管理装置100は、車両情報記憶部112a、解析情報記憶部112b、選択定義記憶部112c、接続方式及び通信方式記憶部112d、情報収集部113a、第1情報解析部113b、情報選択部113c、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、及び第2情報解析部113fを有する。
【0069】
車両情報記憶部112a、解析情報記憶部112b、選択定義記憶部112c、並びに接続方式及び通信方式記憶部112dは、例えば、記憶装置102の記憶領域に含まれる。情報収集部113a、第1情報解析部113b、情報選択部113c、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、及び第2情報解析部113fは、例えば、演算処理装置103により実行される各種演算処理に含まれる。
【0070】
車両情報記憶部112aは、情報収集部113aにより収集された車両情報を記憶する。車両情報記憶部112aは、第1の実施形態で説明した車両情報記憶部102aに対応する。
【0071】
解析情報記憶部112bは、第1情報解析部113bにより生成された第1解析情報を記憶する。解析情報記憶部112bは、第1の実施形態で説明した解析情報記憶部102bに対応する。
【0072】
選択定義記憶部112cは、車両情報、第1解析情報、及び第2解析情報を第2情報送信部113e及び第2情報解析部113fに送信可能か否かを示す送信可否情報を規定する選択定義を記憶する。選択定義記憶部112cは、第1の実施形態で説明した選択定義記憶部102cに対応するが、第2解析情報に対する定義を有する点が第1の実施形態とは異なる。
【0073】
図8は、第2の実施形態に係る選択定義記憶部112cに記憶される選択定義の構成例を示す図である。図8に例示すように、選択定義記憶部112cは、例えば、送信先、車両情報種別ID、車両情報の送信の可否、第1解析情報種別ID、第1解析情報の送信の可否、第2解析情報種別ID、及び第2解析情報の送信の可否の各項目を対応付けた選択定義を記憶する。送信先は、第2の実施形態において、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、及び第2情報解析部113fのことを指す。
【0074】
送信先の項目には、情報選択部113cから送信される車両情報、第1解析情報及び第2解析情報の送信先が設定される。図8に示す例では、車両情報、第1解析情報及び第2解析情報の送信先として、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、及び第2情報解析部113fが設定される。
【0075】
車両情報種別IDの項目および車両情報の送信の可否の項目は、第1の実施形態で説明した選択定義記憶部102cの車両情報種別IDの項目および車両情報の送信の可否の項目と同様である。
【0076】
第1解析情報種別IDの項目および第1解析情報の送信の可否の項目は、第1の実施形態で説明した選択定義記憶部102cの解析情報種別IDの項目および解析情報の送信の可否の項目と同様である。
【0077】
第2解析情報種別IDの項目には、第2情報解析部113fにより生成される第2解析情報に含まれる各データが種別に従って区分けされる場合に、各データが属する区分に対して固有に割り当てられる識別子が設定される。第2解析情報種別IDは、第2情報解析部113fにより割り当てが行われる。一例をあげれば、解析情報である水温データに関する解析データに対する固有の識別子として「D201」が第2情報解析部113fにより割り当てられ、解析情報であるエンジンの制御に関する各データに対する固有の識別子として「D212」が第2情報解析部113fにより割り当てられることがある。
【0078】
第2解析情報の送信の可否の項目には、送信先ごとに、第2解析情報に含まれる各データについて送信可能か否かを示す値が設定される。図8に示す例では、送信できることを示す値として「送信可」が設定され、送信できないことを示す値として「送信不可」が設定される。なお、第2解析情報については、第2情報解析部113fが生成元であるので、送信可能か否かを示す値が設定されることはない。
【0079】
図8に例示する選択定義によれば、情報選択部113cから第1情報送信部113dに対して、車両情報、第1解析情報、及び第2解析情報の全てが送信されることが定義される。また、図8に例示する選択定義によれば、情報選択部113cから第2情報送信部113eに対して、第2解析情報のみが送信されることが定義される。また、図8に例示する選択定義によれば、情報選択部113cから第2情報解析部113fに対して、車両情報のみが送信されることが定義される。
【0080】
図9は、第2の実施形態に係る接続方式及び通信方式記憶部112dに記憶される接続方式及び通信方式の一例を示す図である。接続方式及び通信方式記憶部112dは、情報選択部113cと、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、及び第2情報解析部113fとの間の接続方式及び通信方式を記憶する。
【0081】
接続方式及び通信方式記憶部112dは、情報選択部113cの接続先に対応付けて、接続方式および通信方式を記憶する。情報選択部103cは、接続方式及び通信方式記憶部112dに記憶される接続方式及び通信方式に基づいて、情報選択部103cと汎用解析機能部として情報管理装置100に実装される第2情報解析部113fとの間の接続方式及び通信方式の違いを吸収して、車両情報及び解析情報を送信できる。例えば、第2情報解析部113fが、情報管理装置100に汎用解析機能部として新たに実装された場合、情報管理装置100の管理者により、第2情報解析部113fがサポートする接続方式および通信方式が、接続方式及び通信方式記憶部112dに手動で設定される。一例をあげれば、第2情報解析部113fがサポートする第3接続方式として共有メモリによる接続方式が設定され、第2情報解析部113fがサポートする第3通信方式として「J1939」が設定される場合が想定される。図9に例示する第1接続方式、第2接続方式及び第3接続方式は相互に独立した接続方式として設定可能であり、図9に例示する第1通信方式、第2通信方式及び第3通信方式は相互に独立した通信方式として設定可能である。
【0082】
情報収集部113aは、車両情報を収集できる。情報収集部113aは、第1の実施形態で説明した情報収集部103aと基本的には同様の機能を有する。情報収集部113aは、収集した車両情報を、種類別に取りまとめて指定するための固有の識別子を付与できる。例えば、情報収集部113aは、収集した車両情報の各データを種別に従って分類し、分類した各データに対して固有の識別子を設定できる。例えば、情報収集部113aは、車両情報である水温データに対する固有の識別子として「D001」を割り当てることができ、車両情報であるエンジンの制御に関する各データに対する固有の識別子として「D012」を割り当てることができる。
【0083】
第1情報解析部113bは、情報収集部113aにより収集された車両情報を解析することにより解析情報を生成できる。第1情報解析部113bは、第1の実施形態で説明した情報解析部103bと基本的には同様の機能を有する。第1情報解析部113bは、生成した解析情報の各データを種別に従って分類し、分類した各データに対して固有の識別子を設定できる。例えば、第1情報解析部113bは、解析情報である水温データに関する解析データに対する固有の識別子として「D101」を割り当てることができ、解析情報であるエンジンの制御に関する解析データに対する固有の識別子として「D112」を割り当てることができる。
【0084】
情報選択部113cは、第1の実施形態で説明した情報選択部103cと基本的には同様の機能を有する。すなわち、情報選択部113cは、選択定義記憶部112cに記憶されている選択定義に基づいて、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e及び第2情報解析部113fのそれぞれに送信する情報を選択する処理を実行できる。第1情報送信部113d、第2情報送信部113e及び第2情報解析部113fのそれぞれに送信する情報として情報選択部113cにより選択される情報は、車両情報、第1解析情報、及び第2解析情報の少なくとも1つを含む。
【0085】
情報選択部113cは、車両情報、第1解析情報又は第2解析情報を受信したかを判定する。情報選択部113cは、例えば、車両情報を受信すると、選択定義記憶部112cから選択定義を取得する。そして、情報選択部113cは、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fを選択する。情報選択部113cは、第1情報送信部113dを選択した場合、受信した車両情報の中から、選択定義に基づいて第1情報送信部113dに送信する情報を選択する。情報選択部113cは、図8に示す車両情報に係る送信の可否において「送信可」が設定されている車両情報を第1情報送信部113dに送信する情報として選択する。同様に、情報選択部113cは、第2情報解析部113fを選択した場合、受信した車両情報の中から、選択定義に基づいて第2情報解析部113fに送信する情報を選択する。例えば、情報選択部113cは、第1情報送信部113d及び第2情報解析部113fに送信する情報として、図7に示す車両情報Dv1を選択できる。なお、情報選択部113cは、第2情報送信部113eを選択した場合、選択定義に従う結果、車両情報の中から第2情報送信部113eに送信する情報の選択を行わない。
【0086】
また、情報選択部113cは、第1解析情報を受信すると、選択定義記憶部112cから選択定義を取得する。そして、情報選択部113cは、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fを選択する。情報選択部113cは、第1情報送信部113dを選択した場合、受信した第1解析情報の中から、選択定義に基づいて第1情報送信部113dに送信する情報を選択する。情報選択部113cは、図8に示す第1解析情報に係る送信の可否において「送信可」が設定されている第1解析情報を第1情報送信部113dに送信する情報として選択する。例えば、情報選択部113cは、第1情報送信部113dに送信する情報として、図7に示す第1解析情報Da1を選択できる。なお、情報選択部113cは、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fを選択した場合、選択定義に従う結果、第1解析情報の中から、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fに送信する情報の選択を行わない。
【0087】
また、情報選択部113cは、第2解析情報を受信すると、選択定義記憶部112cから選択定義を取得する。そして、情報選択部113cは、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fを選択する。情報選択部113cは、第1情報送信部113dを選択した場合、受信した第2解析情報の中から、選択定義に基づいて第1情報送信部113dに送信する情報を選択する。情報選択部113cは、図8に示す第2解析情報に係る送信の可否において「送信可」が設定されている第2解析情報を第1情報送信部113dに送信する情報として選択する。同様に、情報選択部113cは、第2情報送信部113eを選択した場合、第2情報送信部113eに送信する情報についても第2解析情報の中から選択定義に基づいて選択する。情報選択部113cは、図8に示す第2解析情報に係る送信の可否において「送信可」が設定されている第2解析情報を第2情報送信部113eに送信する情報として選択する。例えば、情報選択部113cは、第1情報送信部113d及び第2情報送信部113eに送信する情報として、図7に示す第2解析情報da3を選択できる。
【0088】
情報選択部113cは、接続方式及び通信方式記憶部112dに記憶されている通信方式に従って、車内専用の通信方式から第1情報送信部113dに対応する通信方式に変換を行い、選択定義に基づいて選択した情報を第1情報送信部113dに送信する。また、情報選択部113cは、接続方式及び通信方式記憶部112dに記憶されている通信方式に従って、車内専用の通信方式から第2情報送信部113eに対応する通信方式に変換を行い、選択定義に基づいて選択した情報を第2情報送信部113eに送信する。また、情報選択部113cは、接続方式及び通信方式記憶部112dに記憶されている通信方式に従って、車内専用の通信方式から第2情報解析部113fに対応する通信方式に変換を行い、選択定義に基づいて選択した情報を第2情報解析部113fに送信する。
【0089】
情報選択部113cは、図8に例示する選択定義に従うことにより、車両情報、第1解析情報、又は第2解析情報の全てを、第1情報送信部113dに送信できる。また、情報選択部113cは、図8に例示する選択定義に従うことにより、第2解析情報を、第2情報送信部113eに送信できる。また、情報選択部113cは、図8に例示する選択定義に従うことにより、車両情報を、第2情報解析部113fに送信できる。このように、情報選択部113cは、情報の送信先に応じて送信する情報を変更できる。
【0090】
図8に例示する選択定義を変更することにより、情報選択部113cから第2情報解析部113fに対して解析情報を送信することもできる。例えば、解析情報のうち積載状態に関する情報を第2情報解析部113fに送信したい場合、積載状態に関する情報に割り当てられている固有の識別子を第2情報解析部113fに送信可能な情報として設定すればよい。
【0091】
第1情報送信部113dは、第1の実施形態で説明した第1情報送信部103dと同様の機能を有し、情報選択部113cから取得した情報を通信装置25に送信する。第2情報送信部113eは、第1の実施形態で説明した第2情報送信部103eと同様の機能を有する汎用送信機能部であり、情報選択部113cから取得した情報を通信装置25に送信する。第2情報送信部113eは、汎用処理機能部の一例である。
【0092】
第2情報解析部113fは、情報選択部113cから取得した車両情報の解析を行うことにより第2解析情報を生成する。第2情報解析部113fは、生成した第2解析情報を情報選択部113cに送信できる。
【0093】
第2情報解析部113fは、例えば、車両情報及び解析情報の解析方法を予め規定される解析方法により解析できる汎用解析機能部であり、情報管理装置100に対する追加機能として新たに実装される。第2情報解析部113fの解析方法は、第1情報解析部113bとは独立して任意に定義される。汎用解析機能部として、情報管理装置100に解析機能を提供するために情報管理装置100に組み込まれる汎用のソフトウェア、及び汎用の解析モジュールの少なくとも1つが例示される。情報管理装置100は、上述した接続方式及び通信方式記憶部112dに予め設定されるように、組み込まれる汎用のソフトウェアおよび解析モジュールとの間でデータをやり取りするための接続方式及び通信方式を予めサポートできる。情報管理装置100は、汎用解析機能部をソフトウェアで組み込む場合、情報管理装置100の処理を制御するために予め組み込まれている既存のプログラムのアドオン、プラグインのなどの各種拡張機能として実装することができる。情報管理装置100は、汎用解析機能部を取り込むことによって、情報解析の仕組みを容易に獲得できる。図7に例示する第2情報解析部113fのように、情報管理装置100は汎用の情報解析機能部を1つだけ有する例には限定されず、汎用の情報解析機能部を複数有していてもよい。第2情報解析部113fは、汎用処理機能部の一例である。情報管理装置100は、汎用解析機能部である第2情報解析部113fを取り込むことにより、第2情報解析部113fによる解析結果を情報管理装置100の管理者により管理されるサーバ10Aに送ることができ、管理者により第2情報解析部113fによる解析結果が活用される。第2情報解析部113fは、汎用処理機能部の一例である。
【0094】
図10は、第2の実施形態に係る情報管理装置100による処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、例えば、情報管理装置100の稼働中、繰り返し実行されてよい。図10に示す処理は、第1の実施形態に係る情報管理装置100による処理と、ステップS201の判定が異なる。
【0095】
図10に示すように、情報選択部113cは、車両情報、第1解析情報、又は第2解析情報を受信したかを判定する(ステップS201)。情報選択部113cは、判定の結果、車両情報、第1解析情報、又は第2解析情報を受信していない場合(ステップS201,No)、ステップS201の判定を繰り返す。
【0096】
情報選択部113cは、判定の結果、車両情報、第1解析情報、又は第2解析情報を受信した場合(ステップS201,Yes)、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fを選択する(ステップS202)。
【0097】
続いて、情報選択部113cは、選択定義記憶部112cから取得する選択定義に基づいて、ステップS202で選択した第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fに送信する情報を選択する(ステップS203)。
【0098】
続いて、情報選択部113cは、ステップS202で選択した送信部、すなわち第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fに、ステップS203で選択した情報を送信する(ステップS204)。
【0099】
続いて、情報選択部113cは、全ての送信部及び解析部、すなわち第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、又は第2情報解析部113fを選択済みであるかを判定する(ステップS205)。
【0100】
情報選択部113cは、判定の結果、全ての送信部及び解析部を選択済みである場合(ステップS205,Yes)、上記ステップS201の判定に戻る。
【0101】
情報選択部113cは、判定の結果、全ての送信部及び解析部を選択済みではない場合(ステップS205,No)、上記ステップS202の手順に戻る。すなわち、情報選択部113cは、上記ステップS202に戻って、第1情報送信部113d、第2情報送信部113e、及び第2情報解析部113fの中から、選択済みではない送信部を選択し、ステップS203以降の処理を実行する。
【0102】
上述してきたように、第2の実施形態によれば、情報管理装置100は、汎用解析機能部である第2情報解析部113fを取り込むことができる。このため、情報管理装置100は、情報解析の仕組みを容易に獲得できる。また、情報管理装置100は、汎用の情報解析部を新たに実装する場合であっても、新たに実装される汎用の情報解析部に送信する情報を容易に管理できる。また、第2の実施形態によれば、選択定義によって汎用解析機能部である第2情報解析部113fに解析させたい情報を任意に変更できる。また、第2の実施形態によれば、情報管理装置100とサーバ10A及びサーバ10Bとの間に第2情報解析部113fを介在させるとともに、選択定義によって第2情報解析部113fに対する情報の送信を制御することにより、サーバ10A及びサーバ10Bにおいて、汎用解析機能部により生成される解析情報を容易に共有できる。
【0103】
図11は、情報管理装置100の機能構成のその他の例を示す図である。上述した第1の実施形態では、情報管理装置100が汎用処理機能部として第2情報送信部103eを有する例を説明し、上述した第2の実施形態では、情報管理装置100が汎用処理機能部として第2情報送信部113e及び第2情報解析部113fを有する例を説明したが、この例に限定されるものではない。図8に例示するように、情報管理装置100は、汎用処理機能部として、第2の実施形態で説明した第2情報解析部113fのみを備えてもよい。このようにすることで、情報管理装置100の管理者は、汎用処理機能部の中から汎用解析機能部を選択的に取り入れて、情報管理装置100の管理者により第2情報解析部113fによる解析結果の活用を図ることができる。
【0104】
<第3の実施形態>
上記第1の実施の形態において、情報管理装置100は、特定の状況等に応じた例外処理を実行してもよい。以下に説明する第3の実施の形態では、例外処理を実行する情報管理装置100について説明する。図12は、第3の実施形態に係る情報管理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0105】
図12に例示する情報管理装置100は、車両情報記憶部122a、解析情報記憶部122b、選択定義記憶部122c、接続方式及び通信方式記憶部122d、例外処理実行条件記憶部122e、情報収集部123a、情報解析部123b、情報選択部123c、第1情報送信部123d、及び第2情報送信部123eを有する。
【0106】
車両情報記憶部122a、解析情報記憶部122b、選択定義記憶部122c、接続方式及び通信方式記憶部122d、並びに例外処理実行条件記憶部122eは、例えば、記憶装置102の記憶領域に含まれる。情報収集部123a、情報解析部123b、情報選択部123c、第1情報送信部123d、及び第2情報送信部123eは、例えば、演算処理装置103により実行される各種演算処理に含まれる。
【0107】
図13は、第3の実施形態に係る車両情報記憶部122aに記憶される情報の一例を示す図である。車両情報記憶部122aは、例えば、第1の実施形態で説明した車両情報記憶部102aに対応する。そして、車両情報記憶部122aは、情報収集部123aにより収集された車両情報を記憶する点については第1の実施形態と同様であるが、図12に例示するように、車両情報に対応付けてエラー情報及び優先度の情報に代表されるフラグ情報を記憶する点が第1の実施形態とは相違する。
【0108】
車両情報に対応付けられる優先度の情報は、ダンプトラック2の特定稼働状態に応じて付与される。特定稼働状態は、ダンプトラック2の意図しない稼働状態のことをいう。例えば、ダンプトラック2の意図しない稼働状態は、ダンプトラック2が長時間同じ場所で待機するようなダンプトラック2の怠勤状態、ダンプトラック2のオペレータの急ハンドルなどの操作状態、ダンプトラック2が通常の走行コースからの離脱走行状態などを含む。車両情報に対応付けられるエラー情報は、ダンプトラック2に故障などの不具合状態がある場合に付与される。車両情報に対応付けられる優先度の情報及びエラー情報は、センサシステム21又は制御システム23により付与される。
【0109】
図14は、第3の実施形態に係る解析情報記憶部122bに記憶される情報の一例を示す図である。解析情報記憶部122bは、例えば、第1の実施形態で説明した解析情報記憶部102bに対応する。そして、解析情報記憶部122bは、情報解析部123bにより生成された解析情報を記憶する点については第1の実施形態と同様であるが、図14に例示するように、解析情報に対応付けてエラー情報及び優先度の情報を記憶する点が第1の実施形態とは相違する。
【0110】
解析情報に対応付けられる優先度の情報及びエラー情報は、情報解析部123bにより付与される。解析情報に対応付けられる優先度の情報は、車両情報を解析し、解析情報を生成した結果、ダンプトラック2の特定稼働状態を示す解析情報に対して情報解析部123bが付与する。特定稼働状態は、上述したように、ダンプトラック2の故障などの不具合状態ではなく、ダンプトラック2の意図しない稼働状態であるため、解析の結果、ダンプトラック2の不具合状態と判定される解析情報には、エラー情報が付与され、優先度の情報は付与されない。
【0111】
車両情報及び解析情報は、それぞれ、情報としての性質を有する。例えば、ダンプトラック2の保守点検という目的に照らして、水温データは提供すべき情報であるという性質を有するが、ダンプトラック2に乗車する作業員の個人情報は提供すべき情報であるという性質を有していない。このように、車両情報及び解析情報に設定される優先度は、ダンプトラック2の効率的な運用、及び保守点検などの目的に照らして、提供すべき情報であるか否かと密接に関連する。例えば、ダンプトラックの不具合状態を示すエラー情報は、ダンプトラック2の効率的な運用、及び保守点検などの目的に照らして、全ての情報を提供すべきという性質を有する。また、ダンプトラック2の意図しない稼働状態である特定稼働状態に対応する情報は、ダンプトラック2の効率的な運用、及び保守点検などの目的に照らして、全ての情報を提供すべきという性質を有する。
【0112】
選択定義記憶部122cは、第1の実施形態で説明した選択定義記憶部102cに対応する。すなわち、選択定義記憶部122cは、車両情報および解析情報を第1情報送信部123dまたは第2情報送信部123eに送信可能か否かを示す送信可否情報を規定する選択定義を記憶する。送信先は、第3の実施形態において、第1情報送信部123dまたは第2情報送信部123eを指す。また、選択定義記憶部122cは、例外処理に対応する選択定義を含む。例外処理に対応する選択定義には、エラー情報及び優先度の情報を含む車両情報及び解析情報の全てを選択するという定義が例示される。選択定義は、情報管理装置100の管理者が任意に定義できる。例外処理に対応する選択定義は、第1の選択定義として機能し、例外処理に対応しない選択定義は、第2の選択定義として機能する。
【0113】
接続方式及び通信方式記憶部122dは、第1の実施形態で説明した接続方式及び通信方式記憶部102dに対応する。すなわち、接続方式及び通信方式記憶部122dは、情報選択部123cと、第1情報送信部123d及び第2情報送信部123eとの間の接続方式及び通信方式を記憶する。
【0114】
例外処理実行条件記憶部122eは、エラー情報及び優先度の情報を含む車両情報及び解析情報を受信した場合に情報選択部123cにより実行される例外処理を実行するための例外処理実行条件を記憶する。図15は、第3の実施形態に係る例外処理実行条件記憶部122eに記憶される例外処理実行条件の一例を示す図である。図15に例示するように、例外処理実行条件記憶部122eは、「エラー情報又は優先度の情報を含む、車両情報又は解析情報を受信」という例外処理実行条件に対応付けて、「エラー情報又は優先度の情報を含む、車両情報又は解析情報を受信した場合の選択定義により選択を実行」という例外処理内容を記憶する。図15に示す例外処理実行条件及び例外処理内容は一例であり、図15に例示するものには限定されない。情報管理装置100の管理者が任意の例外処理実行条件及び例外処理内容を作成し、例外処理実行条件記憶部122eに設定できる。
【0115】
情報収集部123aは、第1の実施形態で説明した情報収集部103aと基本的には同様の機能を有する。情報収集部123aは車両情報を収集できる。そして、情報収集部123aにより収集される車両情報は、エラー情報及び優先度の情報を含む。
【0116】
情報解析部123bは、第1の実施形態で説明した情報解析部103bと基本的には同様の機能を有する。情報解析部123bは、情報収集部123aにより収集された車両情報を解析することにより解析情報を生成できる。そして、第1の実施形態とは異なり、情報解析部123bは、車両情報を解析し、生成した解析情報にダンプトラック2の特定稼働状態が認められる場合、生成した解析情報に対して優先度の情報を付与する。情報解析部123bは、車両情報を解析し、生成した解析情報がダンプトラック2の不具合状態が認められる場合、生成した解析情報に対してエラー情報を付与する。特定稼働状態は、上述したように、ダンプトラック2の故障などの不具合状態ではなく、ダンプトラック2の意図しない稼働状態であるため、ダンプトラック2の不具合状態に対応する解析情報には、エラー情報が付与され、優先度の情報は付与されない。なお、優先度の情報は、解析情報の重要度に応じた重みを持つこともできる。この場合、情報解析部123bは、生成した解析情報にダンプトラック2の特定稼働状態が認められる場合、特定稼働状態に対応する解析情報が持つ重要度の高低によって、解析情報に付与する優先度の情報を変更できる。図13に示す解析情報を例にあげれば、解析情報ID「D101」の解析情報が、特定稼働状態に対応する解析情報として重要度が高い場合、優先度の情報として「P1」を付与し、解析情報ID「D002」の解析情報が、特定稼働状態に対応する解析情報として重要度が中程度である場合、優先度の情報として「P2」を付与し、解析情報ID「D111」の解析情報が、特定稼働状態に対応する解析情報として重要度が低い場合、優先度の情報として「P3」を付与する方法が例示される。情報解析部123bにより特定稼働状態に対応する解析情報に対する優先度の情報の付与方法は、情報管理装置100の管理者が任意に設定できる。
【0117】
情報選択部123cは、第1の実施形態で説明した情報選択部103cと基本的には同様の機能を有する。すなわち、情報選択部123cは、選択定義記憶部122cに記憶されている選択定義に基づいて、第1情報送信部123dおよび第2情報送信部123eのそれぞれに送信する情報を選択する処理を実行できる。第1情報送信部123dおよび第2情報送信部123eのそれぞれに送信する情報として情報選択部123cにより選択される情報は、車両情報および解析情報の少なくとも1つを含む。
【0118】
一方、情報選択部123cは、例外処理実行条件記憶部122eに記憶される例外処理実行条件が満足される場合、例外処理に対応する選択定義に基づいて情報を選択する例外処理を実行する。
【0119】
具体的に説明すると、情報選択部123cは、車両情報又は解析情報を受信したかを判定する。情報選択部123cは、車両情報又は解析情報を受信すると、例外処理実行条件記憶部122eから例外処理実行条件を取得し、例外処理実行条件を満足するかどうかを判定する。情報選択部123cは、例えば、受信した車両情報又は解析情報に、エラー情報又は優先度の情報のいずれかが含まれる場合、例外処理実行条件を満足すると判定する。
【0120】
情報選択部123cは、例外処理実行条件を満足する場合、例外処理実行条件に対応付けられている例外処理を実行する。情報選択部123cは、例外処理に対応する選択定義に基づいて、例えば、エラー情報及び優先度の情報を含む車両情報及び解析情報の全てを選択する。
【0121】
そして、情報選択部123cは、接続方式及び通信方式記憶部122dに記憶されている通信方式に従って、第1情報送信部123dおよび第2情報送信部123eのそれぞれに対応する通信方式により、エラー情報及び優先度の情報を含む車両情報及び解析情報の全てを、第1情報送信部123dおよび第2情報送信部123eにそれぞれ送信する。
【0122】
一方、情報選択部123cは、例外処理実行条件を満足しない場合、第1の実施形態と同様に処理を実行する。すなわち、情報選択部123cは、選択定義記憶部122cに記憶されている選択定義の中から、例外処理に対応する選択定義とは異なる選択定義を取得する。そして、情報選択部123cは、第1情報送信部123d又は第2情報送信部123eを選択する。情報選択部103cは、選択定義に基づいて、第1情報送信部123dおよび第2情報送信部123eのそれぞれに送信する情報を選択する。情報選択部123cは、選択定義の送信の可否において「送信可」が設定されている車両情報および解析情報を第1情報送信部123dおよび第2情報送信部123eのそれぞれに送信する情報として選択する。そして、情報選択部123cは、接続方式及び通信方式記憶部122dに記憶されている通信方式に従って、車内専用の通信方式から第1情報送信部123dおよび第2情報送信部123eのそれぞれに対応する通信方式に変換を行い、第1情報送信部123dおよび第2情報送信部123eに対して、選択定義に基づいて選択した情報をそれぞれ送信する。
【0123】
第1情報送信部123dは、第1の実施形態で説明した第1情報送信部103dと同様の機能を有し、情報選択部123cから取得した情報を通信装置25に送信する。第2情報送信部123eは、第1の実施形態で説明した第2情報送信部103eと同様の機能を有し、情報選択部123cから取得した情報を通信装置25に送信する。
【0124】
図16は、第3の実施形態に係る情報管理装置100による処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す処理は、例えば、情報管理装置100の稼働中、繰り返し実行されてよい。図16に示す処理は、第1の実施形態に係る情報管理装置100による処理と、ステップS302の判定手順およびステップS307の処理手順が異なる。
【0125】
図16に示すように、情報選択部123cは、車両情報、又は解析情報を取得したかを判定する(ステップS301)。情報選択部123cは、判定の結果、車両情報、又は解析情報を取得していない場合(ステップS301,No)、ステップS301の判定を繰り返す。
【0126】
情報選択部123cは、判定の結果、車両情報、又は解析情報を受信した場合(ステップS301,Yes)、例外処理の実行条件を満足しているかを判定する(ステップS302)。すなわち、情報選択部123cは、ステップS301で受信した車両情報又は解析情報のいずれかにエラー情報又は優先度の情報が含まれるかを判定する。
【0127】
情報選択部123cは、判定の結果、例外処理の実行条件を満足していない場合(ステップS302,No)、第1情報送信部123d又は第2情報送信部123eを選択する(ステップS303)。
【0128】
続いて、情報選択部123cは、選択定義記憶部122cから取得する選択定義に基づいて、ステップS102で選択した第1情報送信部123d又は第2情報送信部123eに送信する情報を選択する(ステップS304)。
【0129】
続いて、情報選択部123cは、ステップS303で選択した送信部、すなわち第1情報送信部123d及び第2情報送信部123eに、ステップS304で選択した情報を送信する(ステップS305)。
【0130】
続いて、情報選択部123cは、全ての送信部、すなわち、第1情報送信部103d及び第2情報送信部103eを選択済みであるかを判定する(ステップS306)。
【0131】
情報選択部123cは、判定の結果、全ての送信部を選択済みである場合(ステップ306,Yes)、上記ステップS301の判定に戻る。
【0132】
情報選択部123cは、判定の結果、全ての送信部を選択済みではない場合(ステップS306,No)、上記ステップS303の手順に戻る。すなわち、情報選択部123cは、上記ステップS302に戻って、第1情報送信部123d及び第2情報送信部123eの中から、選択済みではない送信部を選択し、ステップS303以降の処理を実行する。
【0133】
上記ステップS302において、情報選択部123cは、判定の結果、例外処理の実行条件を満足している場合(ステップS302,Yes)、例外処理を実行して(ステップS307)、上記ステップS301の判定に戻る。すなわち、情報選択部123cは、選択定義記憶部122cから例外処理に対応する選択定義を取得し、取得した例外処理に対応する選択定義に基づいて、第1情報送信部123d及び第2情報送信部123eのそれぞれに送信する情報を選択する。例えば、情報選択部123cは、例外処理に対応する選択定義に従う結果、第1情報送信部123d及び第2情報送信部123eに対して、ステップS301で受信したエラー情報又は優先度の情報を含む車両情報又は解析情報の全てをそれぞれ送信する。
【0134】
上述してきたように、第3の実施形態によれば、情報管理装置100は、例外処理実行条件記憶部122eに記憶される例外処理実行条件が満足される場合、例外処理に対応する選択定義に基づいて、情報の選択を行う例外処理を実行できる。このため、情報管理装置100は、ダンプトラック2の稼働状況に応じた柔軟な情報提供を実現できる。また、車両情報または解析情報に対応付けられるフラグ情報は、エラー情報または優先度の情報に関わらず、任意に対応付ける態様としてもよい。
【0135】
第3の実施形態として説明した情報管理装置100による処理は、第2の実施形態についても同様に適用できる。
【0136】
<その他の実施形態>
(1)外部の装置
上記の実施形態では、第2情報送信部103e、113e、123e、或いは第2情報解析部113fなどの汎用処理機能部を有する情報管理装置100がダンプトラック2に搭載される例を説明したが、この例に限定されるものではない。第2情報送信部103e、113e、123e、或いは第2情報解析部113fなどの汎用処理機能部が情報管理装置100に実装されていなくてもよい。図17は、他の実施形態に係るダンプトラックの構成例を示す図である。
【0137】
図17に例示するように、ダンプトラック2は、第2情報送信部103e、113e、123eなどに対応する機能を有する情報送信部204a、及び第2情報解析部113fに対応する機能を有する情報解析部204bを内部に実装する外部の装置200を搭載してもよい。外部の装置200は、通信装置201、入出力インタフェース装置202、記憶装置203及び演算処理装置204を備える。外部の装置200は、通信ネットワーク3を介して、情報管理装置100、サーバ10Aおよびサーバ10Bなどとデータ通信できる。そして、外部の装置200は、通信ネットワーク3を介して、情報管理装置100から受信する車両情報および解析情報をサーバ10Aおよびサーバ10Bなどに送信できる。外部の装置200は、情報管理装置100から受信した車両情報を解析することにより解析情報を生成し、生成した解析情報を情報管理装置100に送信できる。
【0138】
外部の装置200は、情報管理装置100とデータ通信可能な状態に物理的に接続されてもよいし、無線などにより接続されてもよい。外部の装置200と情報管理装置100との間のデータ通信は、例えば、図5に例示する接続方式及び通信方式記憶部106dに設定される接続方式及び通信方式に基づいて実行される。情報管理装置100は、例えば、図5に例示する接続方式及び通信方式記憶部102dに記憶される接続方式及び通信方式に基づいて、外部接続によって実装される外部の装置200との間の接続方式及び通信方式の違いを吸収して、車両情報及び解析情報を送信できる。外部の装置200は、ダンプトラック2に脱着可能に構成されてもよい。なお、情報管理装置100についても、ダンプトラック2に脱着可能に構成されるものであってよい。
【0139】
(2)情報管理方法
上記の実施形態で説明した情報管理装置100により、以下のような情報管理方法が実現される。
【0140】
すなわち、情報管理装置100は、車両情報を収集するステップ(例えば、図3に示す情報収集部103aにより提供される機能)と、車両情報を解析して解析情報を生成するステップ(例えば、図3に示す情報解析部103bにより提供される機能)と、車両情報及び解析情報を汎用処理機能部に送信可能か否かを示す送信可否情報と送信先との関係を規定する選択定義を記憶するステップ(例えば、図3に示す選択定義記憶部102cにより提供される機能)と、選択定義に基づいて汎用処理機能部に送信する情報を選択するステップ(例えば、図3に示す情報選択部103cにより提供される機能)と含む情報管理方法が実現される。
【0141】
上記の実施形態で説明した情報管理装置100が有する各種機能に基づく処理は、情報管理装置100により提供される各種機能に基づく処理のそれぞれを実現するための複数の処理回路を連携させたワイヤードロジックにより実現されてもよい。例えば、上記の実施形態で説明した情報管理装置100が有する各種機能に基づく処理を実現するための処理回路には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)などの回路を適用できる。
【0142】
本出願の請求の範囲に記載する請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、請求の範囲に記載する請求項に係る技術は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本出願に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。
【符号の説明】
【0143】
1 情報管理システム
2 ダンプトラック
3 通信ネットワーク
4 作業現場
10A,10B サーバ
21 センサシステム
23 制御システム
25 通信装置
27 位置検出装置
30A,30B 情報処理装置
100 情報管理装置
101 入出力インタフェース装置
102 記憶装置
102a,112a,122a 車両情報記憶部
102b,112b,122b 解析情報記憶部
102c,112c,122c 選択定義記憶部
102d,112d,122d 接続方式及び通信方式記憶部
122e 例外処理実行条件記憶部
103 演算処理装置
103a,113a,123a 情報収集部
103b,113b,123b 情報解析部,第1情報解析部,情報解析部
103c,113c,123c 情報選択部
103d,113d,123d 第1情報送信部
103e,113e,123e 第2情報送信部
113f 第2情報解析部
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