(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報入出力機器
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20221111BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20221111BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20221111BHJP
【FI】
H04Q9/00 301B
F24F11/64
F24H1/00
(21)【出願番号】P 2019046281
(22)【出願日】2019-03-13
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】青木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼溝 将輝
(72)【発明者】
【氏名】奥備 景介
(72)【発明者】
【氏名】中島 幸祐
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-190626(JP,A)
【文献】特開平11-127261(JP,A)
【文献】特開2017-123564(JP,A)
【文献】特開2003-202152(JP,A)
【文献】特開2002-130712(JP,A)
【文献】特開2018-087872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
F24F 11/64
F24H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置される動作機器との間で情報通信を行うと共に、利用者に対して前記動作機器の動作に関する情報の出力を行う出力部と、前記動作機器の動作に関する利用者による操作入力を受け付ける複数のスイッチを有する入力受付部とを備える情報入出力機器を備え、
前記情報入出力機器は、サーバ装置との間で情報通信網を介して情報通信可能に構成され、
前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記動作機器の動作に関して予め搭載されている基本機能が有り、
前記情報入出力機器が前記基本機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、当該基本機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で予め設定されており、
前記スイッチ操作は、複数の前記スイッチのうちの何れかの操作対象スイッチと、当該操作対象スイッチに対する操作入力手法との組み合わせで規定されている情報処理システムであって、
前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記情報入出力機器に追加設定可能な拡張機能が有り、
前記情報入出力機器に前記拡張機能が追加設定されると、前記情報入出力機器が前記拡張機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有の前記スイッチ操作と、当該拡張機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で追加設定され、前記サーバ装置では、前記情報入出力機器に当該拡張機能が追加設定されたことが記憶され、
前記情報入出力機器は、前記入力受付部が利用者から所定の前記拡張機能に対応する前記スイッチ操作を受け付けた場合、当該拡張機能の実行が指令されたと判定して、当該拡張機能に関する情報を前記サーバ装置に送信し、
前記情報入出力機器から受信した特定の前記拡張機能に関する情報を前記サーバ装置にて処理させるように構成され、
前記サーバ装置は、所定の参照情報に基づいて、前記情報入出力機器で既に追加設定されている前記拡張機能が実行されることが好ましいか否かを決定し、実行されることが好ましいと決定した前記拡張機能の実行を促す提案情報を前記情報入出力機器に送信する提案情報送信処理を行い、
前記情報入出力機器は、前記サーバ装置から受信した前記提案情報を利用者に対して出力する提案情報出力処理を行う情報処理システム。
【請求項2】
前記拡張機能の一つとして、前記施設での冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行うことができる温調用の動作機器に対して、前記サーバ装置から動作開始及び動作停止の切替指令を送信する機器制御機能があり、
前記サーバ装置は、前記提案情報送信処理において、収集済みの前記施設の環境に関するデータを前記参照情報として解析し、前記温調用の動作機器を動作開始又は動作停止すれば前記施設の環境が好ましい環境に近付くと予測される場合に、前記機器制御機能が実行されることが好ましいと決定し、実行されることが好ましいと決定した前記機器制御機能の実行を促す前記提案情報を前記情報入出力機器に送信する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記拡張機能の一つとして、前記施設に設置された監視対象の動作機器のためのメンテナンス作業を依頼する作業依頼機能があり、
前記サーバ装置は、前記提案情報送信処理において、収集済みの前記監視対象の動作機器の状態に関するデータを前記参照情報として解析し、前記監視対象の動作機器のメンテナンス作業を依頼することが好ましいと判定される場合に、前記作業依頼機能が実行されることが好ましいと決定し、実行されることが好ましいと決定した前記作業依頼機能の実行を促す前記提案情報を前記情報入出力機器に送信する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
施設に設置される動作機器との間で情報通信を行うと共に、利用者に対して前記動作機器の動作に関する情報の出力を行う出力部と、前記動作機器の動作に関する利用者による操作入力を受け付ける複数のスイッチを有する入力受付部とを備える情報入出力機器を備え、
前記情報入出力機器は、サーバ装置との間で情報通信網を介して情報通信可能に構成され、
前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記動作機器の動作に関して予め搭載されている基本機能が有り、
前記情報入出力機器が前記基本機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、当該基本機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で予め設定されており、
前記スイッチ操作は、複数の前記スイッチのうちの何れかの操作対象スイッチと、当該操作対象スイッチに対する操作入力手法との組み合わせで規定されている情報処理システムであって、
前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記情報入出力機器に追加設定可能な拡張機能が有り、
前記情報入出力機器に前記拡張機能が追加設定されると、前記情報入出力機器が前記拡張機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有の前記スイッチ操作と、当該拡張機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で追加設定され、
前記情報入出力機器は、前記入力受付部が利用者から所定の前記拡張機能に対応する前記スイッチ操作を受け付けた場合、当該拡張機能の実行が指令されたと判定して、当該拡張機能に関する情報を前記サーバ装置に送信し、
前記情報入出力機器から受信した特定の前記拡張機能に関する情報を前記サーバ装置にて処理させるように構成され、
前記サーバ装置は、収集済みの前記動作機器の状態に関するデータ又は収集済みの前記施設の環境に関するデータを用いて、前記拡張機能に関する情報を処理する情報処理システム。
【請求項5】
前記拡張機能の一つとして、前記施設に設置された特定の前記動作機器の状態を検証するための機器状態検証機能があり、
前記サーバ装置は、前記拡張機能の一つとして設定されている前記機器状態検証機能に関する情報を処理する場合、収集済みの特定の前記動作機器の状態に関するデータを解析し、特定の前記動作機器の状態の検証結果が前記情報入出力機器において利用者に対して出力されるように前記情報入出力機器へ送信する請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記拡張機能の一つとして、前記施設に設置された特定の前記動作機器の状態を検証するための機器状態検証機能があり、
前記サーバ装置は、前記拡張機能の一つとして設定されている前記機器状態検証機能に関する情報を処理する場合、収集済みの特定の前記動作機器の状態に関するデータを解析した結果が特定の前記動作機器で問題が発生しているという内容になる場合、特定の前記動作機器で発生している問題への対処方法についての情報を、前記情報入出力機器において利用者に対して出力されるように前記情報入出力機器へ送信するという処理を実行する請求項4又は5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記拡張機能の一つとして、前記施設に設置された特定の前記動作機器の状態を検証するための機器状態検証機能があり、
前記サーバ装置は、前記拡張機能の一つとして設定されている前記機器状態検証機能に関する情報を処理する場合、収集済みの特定の前記動作機器の状態に関するデータを解析した結果が特定の前記動作機器で問題が発生しているという内容になる場合、特定の前記動作機器で発生している問題への対処を行うという処理を実行する請求項4又は5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記情報入出力機器は、特定の前記拡張機能に関する情報を前記サーバ装置に送信すると共に、前記施設に設置された特定の前記動作機器の状態に関するデータを前記サーバ装置に送信する請求項5~7の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記拡張機能の一つとして、前記施設での冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行うことができる温調用の動作機器に対して、前記サーバ装置から動作制御指令を送信する温調機能があり、
前記サーバ装置は、前記拡張機能の一つとして設定されている前記温調機能に関する情報を処理する場合、収集済みの前記施設の環境に関するデータを解析し、前記施設の環境を好ましい環境に近付けるための前記温調用の動作機器の運転条件を決定して、前記運転条件に従った運転を前記温調用の動作機器で行わせるための動作制御指令を前記温調用の動作機器へ送信する請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記情報入出力機器は、前記拡張機能に関する情報を前記サーバ装置に送信すると共に、前記施設の環境に関するデータを前記サーバ装置に送信する請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の情報処理システムで用いられる前記情報入出力機器としての機能を備える情報入出力機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に設置される動作機器との間で情報通信を行うと共に、利用者に対して前記動作機器の動作に関する情報の出力を行う出力部と、前記動作機器の動作に関する利用者による操作入力を受け付ける複数のスイッチを有する入力受付部とを備える情報入出力機器を備え、前記情報入出力機器は、サーバ装置との間で情報通信網を介して情報通信可能に構成され、前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記動作機器の動作に関して予め搭載されている基本機能が有り、前記情報入出力機器が前記基本機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、当該基本機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で予め設定されており、前記スイッチ操作は、複数の前記スイッチのうちの何れかの操作対象スイッチと、当該操作対象スイッチに対する操作入力手法との組み合わせで規定されている情報処理システム、及び、その情報処理システムで用いられる情報入出力機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2004-219000号公報)には、施設に設置される動作機器(熱源機1a)との間で情報通信を行う情報入出力機器(リモコン2)を備え、その情報入出力機器は、サーバ装置(サーバー3)との間で情報通信網を介して情報通信可能であるシステムが記載されている。
【0003】
情報入出力機器で実行可能な機能には、動作機器の動作に関して予め搭載されている基本機能が有る。例えば、動作機器10が給湯器であり、情報入出力機器20が給湯器に付随して設けられるリモコンの場合、給湯実行機能、風呂湯張り機能、風呂追焚き機能などの基本機能がある。そして、リモコンには、給湯実行機能の実行・停止を切り替えるための「運転入/切」スイッチ、風呂湯張りの開始を指令するための「ふろ自動」スイッチ、風呂追焚きの開始を指令するための「追いだき」スイッチなどの操作対象スイッチが設けられ、各操作対象スイッチに対して所定の操作入力(例えば、1回の短時間押し操作など)が行われると、リモコンは、各機能に対する実行が指令されたと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報入出力機器に、上記基本機能とは別の拡張機能を追加できれば好ましい。但し、予め搭載されていない拡張機能を情報入出力機器に追加する場合、利用者がその拡張機能の実行を指令するための操作対象スイッチも必要になる。
更に、情報入出力機器が、外部のサーバ装置と連動してその拡張機能を実行するようなシステムを構築できれば、サーバ装置が備える高い性能を利用できる点で好ましい。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、予め搭載されている基本機能とは別の拡張機能を情報入出力機器に追加でき、情報入出力機器が外部のサーバ装置と連動して拡張機能を実行できる情報処理システム、及び、その情報処理システムで用いられる情報入出力機器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理システムの特徴構成は、施設に設置される動作機器との間で情報通信を行うと共に、利用者に対して前記動作機器の動作に関する情報の出力を行う出力部と、前記動作機器の動作に関する利用者による操作入力を受け付ける複数のスイッチを有する入力受付部とを備える情報入出力機器を備え、
前記情報入出力機器は、サーバ装置との間で情報通信網を介して情報通信可能に構成され、
前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記動作機器の動作に関して予め搭載されている基本機能が有り、
前記情報入出力機器が前記基本機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、当該基本機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で予め設定されており、
前記スイッチ操作は、複数の前記スイッチのうちの何れかの操作対象スイッチと、当該操作対象スイッチに対する操作入力手法との組み合わせで規定されている情報処理システムであって、
前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記情報入出力機器に追加設定可能な拡張機能が有り、
前記情報入出力機器に前記拡張機能が追加設定されると、前記情報入出力機器が前記拡張機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有の前記スイッチ操作と、当該拡張機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で追加設定され、前記サーバ装置では、前記情報入出力機器に当該拡張機能が追加設定されたことが記憶され、
前記情報入出力機器は、前記入力受付部が利用者から所定の前記拡張機能に対応する前記スイッチ操作を受け付けた場合、当該拡張機能の実行が指令されたと判定して、当該拡張機能に関する情報を前記サーバ装置に送信し、
前記情報入出力機器から受信した特定の前記拡張機能に関する情報を前記サーバ装置にて処理させるように構成され、
前記サーバ装置は、所定の参照情報に基づいて、前記情報入出力機器で既に追加設定されている前記拡張機能が実行されることが好ましいか否かを決定し、実行されることが好ましいと決定した前記拡張機能の実行を促す提案情報を前記情報入出力機器に送信する提案情報送信処理を行い、
前記情報入出力機器は、前記サーバ装置から受信した前記提案情報を利用者に対して出力する提案情報出力処理を行う点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、情報入出力機器に搭載されている基本機能とは別の拡張機能を情報入出力機器に追加で搭載することができる。そして、情報入出力機器に拡張機能が追加設定されると、情報入出力機器が拡張機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、その拡張機能に関して情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で追加設定される。その結果、情報入出力機器は、入力受付部が利用者から所定の拡張機能に対応するスイッチ操作を受け付けた場合、基本機能と混同することなく拡張機能の実行が指令されたと判定できる。
加えて、情報入出力機器は、入力受付部が利用者から所定の拡張機能に対応するスイッチ操作を受け付けた場合、その拡張機能の実行が指令されたと判定して、その拡張機能に関する情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置にて、情報入出力機器から受信した特定の拡張機能に関する処理を行わせる。従って、予め搭載されている基本機能とは別の拡張機能を情報入出力機器に追加でき、情報入出力機器が、外部のサーバ装置と連動してその拡張機能を実行できる情報処理システムを提供できる。
【0009】
更に、サーバ装置は、情報入出力機器で既に追加設定されている拡張機能の実行が指令されていなくても、所定の参照情報に基づいて、その拡張機能が利用者によって実行されることが好ましいか否かを決定し、実行されることが好ましいと決定した拡張機能の実行を促す提案情報を情報入出力機器に送信する提案情報送信処理を行う。つまり、利用者は、情報入出力機器で既に追加設定している拡張機能が実行されるのに好ましいタイミングでその実行を促して貰えるという利点がある。そして、利用者は、その拡張機能の実行を希望するのであれば、その拡張機能に対応するスイッチ操作を行えばよい。
【0010】
本発明に係る情報処理システムの別の特徴構成は、前記拡張機能の一つとして、前記施設での冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行うことができる温調用の動作機器に対して、前記サーバ装置から動作開始及び動作停止の切替指令を送信する機器制御機能があり、
前記サーバ装置は、前記提案情報送信処理において、収集済みの前記施設の環境に関するデータを前記参照情報として解析し、前記温調用の動作機器を動作開始又は動作停止すれば前記施設の環境が好ましい環境に近付くと予測される場合に、前記機器制御機能が実行されることが好ましいと決定し、実行されることが好ましいと決定した前記機器制御機能の実行を促す前記提案情報を前記情報入出力機器に送信する点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、拡張機能の一つとして、施設での冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行うことができる温調用の動作機器に対して、サーバ装置から動作開始及び動作停止の切替指令を送信する機器制御機能が用意されている。利用者は、情報入出力機器においてこの機器制御機能に対応するスイッチ操作を行うことで、温調用の動作機器を制御するための専用のリモコン等を操作しなくても、温調用の動作機器の動作開始及び動作停止を実行できる。
更に、サーバ装置は、提案情報送信処理において、収集済みの施設の環境に関するデータを参照情報として解析し、温調用の動作機器を動作開始又は動作停止すれば施設の環境が好ましい環境に近付くと予測される場合に、機器制御機能が実行されることが好ましいと決定する。つまり、利用者は、温調用の動作機器を動作開始及び動作停止することが好ましいタイミングでその実行を促して貰える。そして、利用者は、機器制御機能の実行を希望するのであれば、機器制御機能に対応するスイッチ操作を行えばよい。
【0012】
本発明に係る情報処理システムの更に別の特徴構成は、前記拡張機能の一つとして、前記施設に設置された監視対象の動作機器のためのメンテナンス作業を依頼する作業依頼機能があり、
前記サーバ装置は、前記提案情報送信処理において、収集済みの前記監視対象の動作機器の状態に関するデータを前記参照情報として解析し、前記監視対象の動作機器のメンテナンス作業を依頼することが好ましいと判定される場合に、前記作業依頼機能が実行されることが好ましいと決定し、実行されることが好ましいと決定した前記作業依頼機能の実行を促す前記提案情報を前記情報入出力機器に送信する点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、拡張機能の一つとして、施設に設置された監視対象の動作機器のためのメンテナンス作業を依頼する作業依頼機能が用意されている。利用者は、情報入出力機器においてこの作業依頼機能に対応するスイッチ操作を行うことで、監視対象の動作機器の販売業者やメンテナンス業者へ電話連絡などを自分自身が行わなくても、その監視対象の動作機器のためのメンテナンス作業を依頼できる。
更に、サーバ装置は、提案情報送信処理において、収集済みの監視対象の動作機器の状態に関するデータを参照情報として解析し、監視対象の動作機器のメンテナンス作業を依頼することが好ましいと判定される場合に、作業依頼機能が実行されることが好ましいと決定する。つまり、利用者は、自身が監視対象の動作機器の状態に懸念を抱いていなくても、作業依頼機能が実行されることが好ましいタイミングで、その実行を促して貰える。そして、利用者は、作業依頼機能の実行を希望するのであれば、作業依頼機能に対応するスイッチ操作を行えばよい。
【0014】
本発明に係る情報処理システムの更に別の特徴構成は、施設に設置される動作機器との間で情報通信を行うと共に、利用者に対して前記動作機器の動作に関する情報の出力を行う出力部と、前記動作機器の動作に関する利用者による操作入力を受け付ける複数のスイッチを有する入力受付部とを備える情報入出力機器を備え、
前記情報入出力機器は、サーバ装置との間で情報通信網を介して情報通信可能に構成され、
前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記動作機器の動作に関して予め搭載されている基本機能が有り、
前記情報入出力機器が前記基本機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、当該基本機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で予め設定されており、
前記スイッチ操作は、複数の前記スイッチのうちの何れかの操作対象スイッチと、当該操作対象スイッチに対する操作入力手法との組み合わせで規定されている情報処理システムであって、
前記情報入出力機器で実行可能な機能には、前記情報入出力機器に追加設定可能な拡張機能が有り、
前記情報入出力機器に前記拡張機能が追加設定されると、前記情報入出力機器が前記拡張機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有の前記スイッチ操作と、当該拡張機能に関して前記情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で追加設定され、
前記情報入出力機器は、前記入力受付部が利用者から所定の前記拡張機能に対応する前記スイッチ操作を受け付けた場合、当該拡張機能の実行が指令されたと判定して、当該拡張機能に関する情報を前記サーバ装置に送信し、
前記情報入出力機器から受信した特定の前記拡張機能に関する情報を前記サーバ装置にて処理させるように構成され、
前記サーバ装置は、収集済みの前記動作機器の状態に関するデータ又は収集済みの前記施設の環境に関するデータを用いて、前記拡張機能に関する情報を処理する点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、情報入出力機器に搭載されている基本機能とは別の拡張機能を情報入出力機器に追加で搭載することができる。そして、情報入出力機器に拡張機能が追加設定されると、情報入出力機器が拡張機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、その拡張機能に関して情報入出力機器で行われる処理とが関連付けられた状態で追加設定される。その結果、情報入出力機器は、入力受付部が利用者から所定の拡張機能に対応するスイッチ操作を受け付けた場合、基本機能と混同することなく拡張機能の実行が指令されたと判定できる。
加えて、情報入出力機器は、入力受付部が利用者から所定の拡張機能に対応するスイッチ操作を受け付けた場合、その拡張機能の実行が指令されたと判定して、その拡張機能に関する情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置にて、情報入出力機器から受信した特定の拡張機能に関する処理を行わせる。従って、予め搭載されている基本機能とは別の拡張機能を情報入出力機器に追加でき、情報入出力機器が、外部のサーバ装置と連動してその拡張機能を実行できる情報処理システムを提供できる。
【0016】
更に、サーバ装置は、収集済みの動作機器の状態に関するデータ又は収集済みの施設の環境に関するデータを用いて、拡張機能に関する情報を処理する。つまり、サーバ装置は、利用者が使用する動作機器の最新の状態、又は、利用者が活動する施設の最新の環境を考慮して、拡張機能に関する情報を適切に処理できる。
【0017】
本発明に係る情報処理システムの更に別の特徴構成は、前記拡張機能の一つとして、前記施設に設置された特定の前記動作機器の状態を検証するための機器状態検証機能があり、
前記サーバ装置は、前記拡張機能の一つとして設定されている前記機器状態検証機能に関する情報を処理する場合、収集済みの特定の前記動作機器の状態に関するデータを解析し、特定の前記動作機器の状態の検証結果が前記情報入出力機器において利用者に対して出力されるように前記情報入出力機器へ送信する点にある。
ここで、前記情報入出力機器は、特定の前記拡張機能に関する情報を前記サーバ装置に送信すると共に、前記施設に設置された特定の前記動作機器の状態に関するデータを前記サーバ装置に送信してもよい。
【0018】
上記特徴構成によれば、拡張機能の一つとして、施設に設置された特定の動作機器の状態を検証するための機器状態検証機能が用意されている。利用者がこの機器状態検証機能の実行を指令すると、サーバ装置は、収集済みの特定の動作機器の状態に関するデータを解析し、特定の動作機器の状態の検証結果が情報入出力機器において利用者に対して出力されるように情報入出力機器へ送信する。つまり、利用者は、例えば特定の動作機器の状態に懸念がある場合にこの機器状態検証機能に対応するスイッチ操作を行うことで、その特定の動作機器の最新の状態に基づく検証結果を得ることができる。
【0019】
本発明に係る情報処理システムの更に別の特徴構成は、前記拡張機能の一つとして、前記施設に設置された特定の前記動作機器の状態を検証するための機器状態検証機能があり、
前記サーバ装置は、前記拡張機能の一つとして設定されている前記機器状態検証機能に関する情報を処理する場合、収集済みの特定の前記動作機器の状態に関するデータを解析した結果が特定の前記動作機器で問題が発生しているという内容になる場合、特定の前記動作機器で発生している問題への対処方法についての情報を、前記情報入出力機器において利用者に対して出力されるように前記情報入出力機器へ送信するという処理を実行する点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、問題が発生している動作機器の利用者は、情報入出力機器において、サーバ装置からその問題への対処方法についての情報の伝達を受けることができる。その結果、利用者がその対処を実行することで、問題が発生している動作機器の状態が改善することが期待できる。
【0021】
本発明に係る情報処理システムの更に別の特徴構成は、前記拡張機能の一つとして、前記施設に設置された特定の前記動作機器の状態を検証するための機器状態検証機能があり、
前記サーバ装置は、前記拡張機能の一つとして設定されている前記機器状態検証機能に関する情報を処理する場合、収集済みの特定の前記動作機器の状態に関するデータを解析した結果が特定の前記動作機器で問題が発生しているという内容になる場合、特定の前記動作機器で発生している問題への対処を行うという処理を実行する点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、サーバ装置がその対処を実行することで、問題が発生している動作機器の状態が改善することが期待できる。
【0023】
本発明に係る情報処理システムの更に別の特徴構成は、前記拡張機能の一つとして、前記施設での冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行うことができる温調用の動作機器に対して、前記サーバ装置から動作制御指令を送信する温調機能があり、
前記サーバ装置は、前記拡張機能の一つとして設定されている前記温調機能に関する情報を処理する場合、
収集済みの前記施設の環境に関するデータを解析し、前記施設の環境を好ましい環境に近付けるための前記温調用の動作機器の運転条件を決定して、前記運転条件に従った運転を前記温調用の動作機器で行わせるための動作制御指令を前記温調用の動作機器へ送信する点にある。
ここで、前記情報入出力機器は、前記拡張機能に関する情報を前記サーバ装置に送信すると共に、前記施設の環境に関するデータを前記サーバ装置に送信してもよい。
【0024】
上記特徴構成によれば、拡張機能の一つとして、施設での冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行うことができる温調用の動作機器に対して、サーバ装置から動作制御指令を送信する温調機能が用意されている。利用者がこの温調機能の実行を指令すると、サーバ装置は、収集済みの施設の環境に関するデータを解析し、施設の環境を好ましい環境に近付けるための温調用の動作機器の運転条件を決定して、運転条件に従った運転を温調用の動作機器で行わせるための動作制御指令を温調用の動作機器へ送信する。つまり、利用者は、この温調機能に対応するスイッチ操作を行うことで、温調用の動作機器を制御するための専用のリモコン等を操作しなくても、サーバ装置から送信される施設の最新の環境に基づく動作制御指令に従って温調用の動作機器を自動で動作させ、施設の環境を好ましい環境に近付けることができる。
【0025】
上記目的を達成するための本発明に係る情報入出力機器の特徴構成は、上述の情報処理システムにおいて用いられる情報入出力機器の機能を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図3】情報入出力機器及びサーバ装置で記憶されている情報の例を説明する図である。
【
図5】情報入出力機器で行われる情報処理を説明するフローチャートである。
【
図6】情報入出力機器及びサーバ装置の間で行われる情報処理を説明する図である。
【
図8】情報入出力機器及びサーバ装置の間で行われる情報処理を説明する図である。
【
図9】情報入出力機器及びサーバ装置の間で行われる情報処理を説明する図である。
【
図10】別構成の情報入出力機器の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に図面を参照して本発明の実施形態に係る情報処理システム及び情報入出力機器について説明する。
図1は情報処理システムの構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理システムは情報入出力機器20を備え、情報入出力機器20は、サーバ装置1との間で情報通信網5を介して情報通信可能に構成される。図示するように、サーバ装置1は、複数の施設6との間で情報通信網5を介して通信可能に接続されている。施設6には、動作機器10,31と、台所リモコンなどの情報入出力機器20と、ルーター7とが設けられている。動作機器10と情報入出力機器20とは、施設6の内部の有線又は無線の通信回線8を介して情報通信可能になっている。また、情報入出力機器20とルーター7とは通信回線8を介して情報通信可能になっている。加えて、施設6には、浴室リモコンなどの情報入出力機器30や、スマートフォンやコンピュータ装置などの端末機器9も、通信回線8を介してルーター7に接続されて設けられている。
図1では、スマートフォンなどの端末機器9がルーター7を介してサーバ装置1に接続される例を示しているが、スマートフォンなどの端末機器9がルーター7を介さず、移動体通信網を介してサーバ装置1に接続されてもよい。
以下の説明では、台所リモコンとしての情報入出力機器20の構成について説明するが、浴室リモコンとしての情報入出力機器30が、情報入出力機器20と同様の機能を果たすように構成してもよい。
【0028】
情報入出力機器20は、施設6に設置される動作機器10との間で情報通信を行うと共に、利用者に対して動作機器10の動作に関する情報の出力を行う出力部21と、動作機器10の動作に関する利用者による操作入力を受け付ける複数のスイッチを有する入力受付部22とを備える。出力部21による情報の出力方法には、音声情報の出力や、文字情報の出力などがある。加えて、情報入出力機器20は、制御部23と、記憶部24と、通信部25とを備える。通信部25は、有線又は無線で動作機器10と通信し、ルーター7を介してサーバ装置1と通信するための装置である。制御部23は、情報入出力機器20の動作を制御するための装置である。記憶部24は、情報入出力機器20で取り扱う情報を記憶する装置である。情報入出力機器20は、情報通信網5に対して接続される装置であるので、その情報通信網5において一意な識別情報を有している。例えば、情報入出力機器20に付与される識別情報は、情報通信網5において一意なMACアドレスなどであり、製造時や出荷時などに記憶部24に記憶されている。
【0029】
サーバ装置1は、施設6に設置された情報入出力機器20との間で情報通信網5を介して情報通信可能である。サーバ装置1は、情報処理を行うサーバ側制御部2と、情報を記憶するサーバ側記憶部3と、情報入出力機器20や端末機器9などと通信を行うサーバ側通信部4とを備える。
【0030】
動作機器10,31は、施設6の利用者によって利用される装置である。例えば、動作機器10は、風呂湯張りや給湯などに湯を供給するために用いられる給湯器、燃料電池などの発電装置である。本実施形態の動作機器10は、動作部11と、機器制御部12と、機器記憶部13と、機器通信部14とを有する。動作部11は、上述した給湯器の場合には例えば加熱用ヒーター、発電装置の場合には例えば燃料電池などの装置である。機器制御部12は、動作部11の制御や、機器運転情報の収集を行う装置である。機器記憶部13は、動作機器10で取り扱われる情報を記憶する装置である。機器通信部14は、有線又は無線で情報入出力機器20と通信するための装置である。
動作機器31は、施設6の温度を調整できる空調装置及び床暖房装置等の温調用の動作機器や、施設6に設けられる照明機器などである。
【0031】
また、施設6に設けられる各種センサ32の測定結果が情報入出力機器20に送信される。各種センサ32は、例えば屋内温度や屋外温度を測定する温度センサ、上述した動作機器10,31の動作状態を示す情報を取得するセンサなどである。
【0032】
図2は、情報入出力機器20の具体例を示す図である。
図2(a)及び
図2(b)は出力部21と入力受付部22とが各別に設けられている場合の例であり、
図2(c)は出力部21と入力受付部22とがタッチパネル式の表示装置を用いて一体で設けられている場合の例である。
【0033】
情報入出力機器20で実行可能な機能には、動作機器10の動作に関して予め搭載されている基本機能が有る。例えば、動作機器10が給湯器であり、情報入出力機器20が給湯器に付随して設けられるリモコンの場合、給湯実行機能、風呂湯張り機能、風呂追焚き機能などの基本機能がある。
【0034】
給湯実行機能は、所定の流水量が検知された場合に水の加熱を行う機能である。この場合、情報入出力機器20に設けられた、給湯実行機能の実行・停止を切り替えるための「運転入/切」スイッチ22aが用いられる。情報入出力機器20は、給湯の運転切状態で「運転入/切」スイッチ22aが1回押されると(操作入力)、動作機器10としての給湯器に対して、給湯運転の「入」を伝達する。その結果、給湯器では、所定の流水量が検知された場合に加熱を行う給湯許可状態になる。それに対して、情報入出力機器20は、給湯の運転入状態で「運転入/切」スイッチ22aが1回押されると(操作入力)、動作機器10としての給湯器に対して、給湯運転の「切」を伝達する。その結果、給湯器では、所定の流水量が検知されても加熱を行わない給湯不許可状態になる。
【0035】
風呂湯張り機能は、浴槽に湯を貯める機能である。この場合、情報入出力機器20に設けられている、風呂湯張りの開始を指令するための「ふろ自動」スイッチ22bが用いられる。情報入出力機器20は、自動切状態で「ふろ自動」スイッチ22bが1回押されると(操作入力)、浴槽に設定温度の湯を設定水位まで貯める湯張り運転の実行を給湯器に指令する。
【0036】
風呂追焚き機能は、浴槽に貯えられている湯を設定温度まで加熱する機能である。情報入出力機器20に設けられている、風呂追焚きの開始を指令するための「追いだき」スイッチ22cが用いられる。情報入出力機器20は、追焚き切状態で「追いだき」スイッチ22cが1回押されると(操作入力)、浴槽に貯えられている湯を設定温度まで加熱する追焚き運転の実行を給湯器に指令する。
【0037】
このように、情報入出力機器20が基本機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、その基本機能に関して情報入出力機器20で行われる処理とが関連付けられた状態で予め設定されている。また、スイッチ操作は、複数のスイッチのうちの何れかの操作対象スイッチと、その操作対象スイッチに対する操作入力手法との組み合わせで規定されている。
【0038】
情報入出力機器20の出力部21には、情報入出力機器20がルーター7と情報通信を行うことができる状態であるか否かを示す情報を利用者に出力する通信可否表示領域21aが設けられている。そして、利用者は、通信可否表示領域21aに示される画像を見て、情報入出力機器20がルーター7及びサーバ装置1と情報通信を行うことができる状態であるか否かを認識できる。
【0039】
情報入出力機器20で実行可能な機能には、上述した基本機能の他に、情報入出力機器20に追加設定可能な拡張機能もある。
情報入出力機器20の入力受付部22は、上述した「運転入/切」スイッチ22a及び「ふろ自動」スイッチ22b及び「追いだき」スイッチ22cに加えて、「拡張機能No.1」スイッチ22d及び「拡張機能No.2」スイッチ22eも有する。「拡張機能No.1」スイッチ22d及び「拡張機能No.2」スイッチ22eは、情報入出力機器20で実行可能な機能のうち、情報入出力機器20に追加設定可能な拡張機能の実行を指令する場合に利用者が操作するスイッチである。
【0040】
以下の表1は、情報入出力機器20で実行可能な機能と、動作機器10の動作と、利用者に対して要求される固有のスイッチ操作(操作対象スイッチ及び操作入力手法)と、情報入出力機器20で行われる処理との関係を示したものである。
【0041】
【0042】
表1に示すように、情報入出力機器20に拡張機能が追加設定されると、情報入出力機器20が拡張機能を実行する場合に利用者に対して要求される固有のスイッチ操作と、その拡張機能に関して情報入出力機器20で行われる処理とが関連付けられた状態で追加設定される。
【0043】
本実施形態では、2つの拡張機能が情報入出力機器20に追加設定可能に構成されている。そして、情報入出力機器20は、入力受付部22が利用者から所定の拡張機能に対応するスイッチ操作を受け付けた場合、その拡張機能の実行が指令されたと判定して、その拡張機能に関する情報をサーバ装置1に送信する。具体例を挙げると、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」スイッチ22dが1回押されると、「拡張機能No.1」の実行が指令されたことをサーバ装置1に伝達する。また、情報入出力機器20は、「拡張機能No.2」スイッチ22eが1回押されると、「拡張機能No.2」の実行が指令されたことをサーバ装置1に伝達する。
【0044】
次に、
図3及び
図4を参照して、拡張機能を情報入出力機器20に追加設定する場合の手順について説明する。
図3は、情報入出力機器20及びサーバ装置1で記憶されている情報の例を説明する図である。
図4は、端末機器9の表示画面例を示す図である。
図3に示すように、情報入出力機器20の記憶部24には、基本機能情報と拡張機能情報とが記憶されている。基本機能情報は、上述した給湯実行機能についての情報及び風呂湯張り機能についての情報及び風呂追焚き機能についての情報である。拡張機能情報は、情報入出力機器20で追加設定されている拡張機能についての情報である。
図3に示す例の場合、「拡張機能No.1」には何らかの拡張機能が設定済みであり、「拡張機能No.2」には拡張機能が未設定であることが情報入出力機器20の記憶部24に記憶されている。この場合、情報入出力機器20の制御部23は、拡張機能の設定が既に行われている「拡張機能No.1」スイッチ22dが1回押されると、「拡張機能No.1」の実行が指令されたことをサーバ装置1に伝達するが、拡張機能が未設定である「拡張機能No.2」スイッチ22eが1回押されたとしても何らかの処理を行わない。つまり、「拡張機能No.2」スイッチ22eは無効になっている。
【0045】
サーバ装置1のサーバ側記憶部3には、利用者情報(利用者に関する情報)、型番別の機器情報、拡張機能候補情報などが記憶されている。利用者情報(利用者に関する情報)は、利用者の名前、住所、電話番号、顧客番号(利用者ID)、ログインパスワード、情報入出力機器20としてのリモコンの型番、リモコンID(例えばMACアドレスなど)、設定済みの拡張機能(拡張機能用のスイッチ番号と拡張機能との関係)、通知先アドレス情報、遠隔制御対象の動作機器(例えば、
図1の動作機器31等)の情報などを含む。
【0046】
加えて、サーバ装置1のサーバ側記憶部3には、様々なリモコンの型番別の機器情報が、リモコン型番と装置情報(スイッチ配置)とを特定可能な様式で記憶されている。例えば、サーバ側記憶部3には、リモコン型番が「001-A001型」であれば、
図2(a)のように出力部21と入力受付部22とが各別に設けられており、「運転入/切」スイッチ22a及び「ふろ自動」スイッチ22b及び「追いだき」スイッチ22c及び「拡張機能No.1」スイッチ22d及び「拡張機能No.2」スイッチ22eという5つのスイッチが設けられていることが記憶されている。
【0047】
そして、サーバ装置1のサーバ側記憶部3には、情報入出力機器20に追加可能な拡張機能の候補についての情報が記憶されている。
図3に示す例では、拡張機能候補として、通知機能(「ただいま」機能)、機器制御機能、作業依頼機能、機器状態検証機能、温調機能などがある。尚、情報入出力機器20に追加可能な拡張機能は本実施形態で例示したものに限定されない。
【0048】
次に、利用者が、自身の情報入出力機器20の拡張機能用のスイッチ(入力受付部22)に拡張機能を追加設定する場合の手法例について説明する。
図4は、利用者のコンピュータ装置などの端末機器9の表示画面例である。利用者が、端末機器9を用いて、拡張機能の設定を行うことができる所定のURLにアクセスし、利用者ID及びログインパスワードの入力を経てサーバ装置1での利用者の認証が行われた後、
図4に示すような画面が利用者の端末機器9に表示される。この表示画面では、利用者の名前と、利用者が使用している情報入出力機器20(リモコン)の型番とが利用者情報表示領域40に表示されている。
【0049】
設定済み機能表示領域42には、利用者の情報入出力機器20で既に設定されている機能のリストが表示される。この場合、基本機能として、給湯実行機能と風呂湯張り機能と風呂追焚き機能とが設定されていることが示されている。未設定機能表示領域43には、利用者の情報入出力機器20に追加設定可能な機能のリストが表示される。
【0050】
例えば、利用者が未設定機能表示領域43の「作業依頼機能」を選択した状態で追加ボタン44を選択操作すると、「拡張機能No.2」スイッチ22eに「作業依頼機能」が追加設定される。それに対して、設定済み機能表示領域42の「拡張機能No.1」を選択した状態で削除ボタン45を選択操作すると、「拡張機能No.1」スイッチ22dに設定されていた「機器制御機能」が設定解除される。このようにして、利用者は、情報入出力機器20に拡張機能の追加及び削除を行うことができる。
【0051】
利用者は
図4に示す表示画面で登録情報変更ボタン41を選択操作することで、自身の利用者情報を変更することができる。例えば、利用者は、住所、電話番号、ログインパスワードなどの変更を行うことができる。また、後述する通知機能で利用される通知先(電子メールアドレス)のアドレスの追加や削除を行うことができ、機器制御機能や温調機能で利用される遠隔制御対象の動作機器31の追加や削除を行うことができる。
【0052】
次に図面を参照して情報入出力機器20で行われる情報処理の具体例について説明する。
図5は、情報入出力機器20で行われる情報処理を説明するフローチャートである。
図5の工程#10において情報入出力機器20の制御部23は、拡張機能に対応するスイッチ操作を受け付けたか否かを判定する。そのスイッチ操作を受け付けていない場合にはこのフローチャートの最初に戻り、スイッチ操作を受け付けた場合には工程#11に移行する。例えば、「拡張機能No.1」スイッチ22dに何らかの拡張機能が設定されている場合、「拡張機能No.1」スイッチ22dを操作対象スイッチとして、所定の操作入力手法に則った操作が行われると、情報入出力機器20の制御部23は、「拡張機能No.1」スイッチ22dに設定された拡張機能に対応するスイッチ操作を受け付けたと判定する。
【0053】
その後、情報入出力機器20の制御部23は、工程#11においてスイッチ操作の検証処理を行い、工程#12において通信状況の検証処理を行い、工程#13において上述したようなサーバ装置1への送信処理を行う。工程#11では、情報入出力機器20の制御部23は、例えば、利用者がスイッチ操作を誤った場合を想定して、拡張機能の実行を行うか否かを確認するための問い合わせを音声情報や文字情報などで利用者へ行う。工程#12では、情報入出力機器20の制御部23は、例えば、ルーター7との間で情報通信を行うことができるか否か、即ち、サーバ装置1との間で情報通信を行うことができるか否かを検証する。そして、情報入出力機器20の制御部23は、サーバ装置1との間で情報通信を行うことができない場合、入力受付部22が利用者から所定の拡張機能に対応するスイッチ操作を受け付けた後、サーバ装置1との間で情報通信を行うことができない旨の情報を出力部21から利用者に対して通知する。
【0054】
次に、情報入出力機器20に追加設定可能な拡張機能の具体例を説明する。
【0055】
〔通知機能(「ただいま」機能)〕
通知機能(「ただいま」機能)は、サーバ装置1から、サーバ装置1のサーバ側記憶部3に記憶してある利用者に関連する通知先アドレス(利用者に関する情報)に所定の通知を送信する機能であり、具体的には、利用者が拡張機能用のスイッチを押すと、スイッチが押されたことが登録済み端末機器9に通知される機能である。例えば、子供が帰宅したときに拡張機能用のスイッチを押すと、その子供の親が使用するスマートフォンなどの端末機器9に通知が送信される。
【0056】
具体的な手順を説明すると、「拡張機能No.1」スイッチ22dに通知機能(「ただいま」機能)が設定されている場合、子供が帰宅して「拡張機能No.1」スイッチ22dに対して1回短時間押し操作を行うと、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に設定されている拡張機能の実行が指令されたと判定して、「拡張機能No.1」の実行が指令された旨の情報と、利用者を特定するための固有の識別情報(リモコンID(例えばMACアドレスなど))とをサーバ装置1に送信する。そうすると、サーバ装置1は、サーバ側記憶部3に記憶されている利用者情報を参照して利用者を特定し、その利用者が設定している通知先アドレス(電子メールアドレス)に対して、帰宅者がいる旨のメッセージを送信する。尚、サーバ装置1のサーバ側記憶部3に複数の通知先アドレスが記憶されている場合、利用者は、自身の情報入出力機器20の拡張機能用のスイッチ(入力受付部22)に通知機能(「ただいま」機能)を追加設定すると共に、どの通知先アドレスに通知を送信するのかを設定すればよい。
【0057】
〔機器制御機能〕
機器制御機能は、利用者が拡張機能用のスイッチを押すと、登録された機器に対して遠隔操作、例えば、施設6での冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行うことができる空調装置や床暖房装置等の温調用の動作機器(動作機器31)に対して、サーバ装置1から動作開始及び動作停止の切替指令の送信が行われる機能である。他にも、利用者が拡張機能用のスイッチを押すと、登録された照明機器(動作機器31)に対して、サーバ装置1から動作開始及び動作停止の切替指令の送信が行われるような機器制御機能であってもよい。
【0058】
具体的な手順を説明すると、「拡張機能No.1」スイッチ22dに機器制御機能が設定されている場合、利用者が「拡張機能No.1」スイッチ22dに対して1回短時間押し操作を行うと、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に設定されている拡張機能の実行が指令されたと判定して、「拡張機能No.1」の実行が指令された旨の情報と、利用者を特定するための固有の識別情報(リモコンID(例えばMACアドレスなど))とをサーバ装置1に送信する。そうすると、サーバ装置1は、サーバ側記憶部3に記憶されている利用者情報を参照して利用者を特定し、機器制御機能の実行が指令されたと判定する。そして、サーバ装置1は、サーバ側記憶部3に記憶している遠隔制御対象の動作機器(例えば、温調用の動作機器や照明機器などの動作機器31)を特定し、その動作機器31に対してON指令やOFF指令などを送信する処理を行う。
【0059】
このような機器制御機能が情報入出力機器20に追加設定されている場合、サーバ装置1は、必要に応じて、その機器制御機能の実行を促す提案情報を情報入出力機器20に送信する提案情報送信処理を以下のような手順で行ってもよい。
【0060】
図6は、情報入出力機器20及びサーバ装置1の間で行われる情報処理を説明する図である。この例では、サーバ装置1は、情報入出力機器20に追加設定された拡張機能をサーバ側記憶部3に記憶しており、所定の参照情報に基づいて、情報入出力機器20で既に追加設定されている拡張機能が実行されることが好ましいか否かを決定し、実行されることが好ましいと決定した拡張機能の実行を促す提案情報を情報入出力機器20に送信する提案情報送信処理を行い、情報入出力機器20は、サーバ装置1から受信した提案情報を利用者に対して出力する提案情報出力処理を行う。
【0061】
具体的に説明すると、情報入出力機器20では、エアコン(温調用の動作機器31の一例)を制御対象の動作機器として、機器制御機能が「拡張機能No.1」スイッチ22dに設定されている。また、サーバ装置1は、情報入出力機器20において、エアコン(温調用の動作機器31)を制御対象とする機器制御機能が追加設定されていることをサーバ側記憶部3に記憶している。この場合、
図6に示すように、情報入出力機器20は、上記参照情報として、各種センサ32から収集したデータ(例えば施設6の室内温度や室外温度など)を所定のタイミングでサーバ装置1に送信し(工程#20、工程#23)、そのデータはサーバ装置1で収集される(工程#21、工程#24)。或いは、サーバ装置1が、気象情報提供者などの外部装置から、施設6での(即ち、利用者の住所での)室外温度等のデータを収集してもよい。
【0062】
そして、サーバ装置1は、収集済みの施設6の環境に関するデータ(例えば施設6の室内温度や室外温度など)を参照情報として解析し、温調用の動作機器31を動作開始又は動作停止すれば施設6の環境が好ましい環境に近付くと予測される場合に、機器制御機能が実行されることが好ましいと決定し、実行されることが好ましいと決定した機器制御機能の実行を促す提案情報を情報入出力機器20に送信する。
例えば、施設6での室内温度が所定の低温側基準温度未満(例えば8℃未満)の場合、或いは、施設6での室内温度が室外温度と同程度に低い(例えば8℃未満)場合、サーバ装置1は、エアコン(温調用の動作機器31)を動作開始すれば室温が上昇して施設6の環境が好ましい環境に近付くと予測する(工程#25の「提案あり」)。それに対して、施設6での室内温度が高温側基準温度以上(例えば18℃以上)の場合、或いは、施設6での室内温度が室外温度よりも大幅に(例えば温度差10℃以上)高い場合、サーバ装置1は、既に施設6は好ましい環境のため、エアコン(温調用の動作機器31)を動作開始する必要はないと判定する(工程#22の「提案なし」)。
【0063】
そして、サーバ装置1は、工程#25で「提案あり」と判定した場合、実行されることが好ましいと決定した機器制御機能の実行を促す提案情報を情報入出力機器20に送信する(工程#26)。
図7は、情報入出力機器20の具体例を示す図であり、情報入出力機器20で、サーバ装置1から受信した提案情報を利用者に対して出力する提案情報出力処理が行われた状態を示す図である(
図6の工程#27、工程#28)。具体的に説明すると、
図7(a)では、「室温が下がっていますが、エアコンを運転開始しますか? 運転開始する場合は拡張機能No.1スイッチを押してください。」という提案情報が出力部21から音声出力される。
図7(b)及び
図7(c)では、「室温が下がっていますが、エアコンを運転開始しますか? 運転開始する場合は拡張機能No.1スイッチを押してください。」という提案情報が出力部21から文字出力される。
【0064】
このように、利用者は、温調用の動作機器31を動作開始及び動作停止することが好ましいタイミングでその実行を促して貰える。そして、利用者は、機器制御機能の実行を希望するのであれば、機器制御機能に対応するスイッチ操作を行えばよい。
その後、このような提案情報の提供を受けた利用者が、上述したような機器制御機能が追加設定された拡張機能No.1スイッチを押すと、上記手順で機器制御機能が実行されることで、利用者のエアコン(温調用の動作機器31)の運転が開始される。
【0065】
〔作業依頼機能〕
作業依頼機能は、利用者が拡張機能用のスイッチを押すと、施設6に設置された監視対象の動作機器10,31のためのメンテナンス作業の依頼が行われる機能である。
具体的な手順を説明すると、「拡張機能No.1」スイッチ22dに作業依頼機能が設定されている場合、例えば、給湯器から温水が供給されない等の不具合が発生した場合に利用者が「拡張機能No.1」スイッチ22dに対して1回短時間押し操作を行うと、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に設定されている拡張機能の実行が指令されたと判定して、「拡張機能No.1」の実行が指令された旨の情報と、利用者を特定するための固有の識別情報(リモコンID(例えばMACアドレスなど))とをサーバ装置1に送信する。そうすると、サーバ装置1は、サーバ側記憶部3に記憶されている利用者情報を参照して利用者を特定し、給湯器のメンテナンス作業担当者に対してその利用者の住所や給湯器型式などの情報(利用者に関する情報)を知らせて、メンテナンス作業の依頼を行う。
【0066】
上述した機器制御機能の場合と同様に、このような作業依頼機能が情報入出力機器20に追加設定されている場合、サーバ装置1は、必要に応じて、その作業依頼機能の実行を促す提案情報を情報入出力機器20に送信する提案情報送信処理を以下のような手順で行ってもよい。
【0067】
具体的に説明すると、情報入出力機器20では、給湯器(動作機器10)を監視対象の動作機器として、作業依頼機能が「拡張機能No.1」スイッチ22dに設定されている。また、サーバ装置1は、情報入出力機器20において、給湯器(動作機器10)を監視対象とする作業依頼機能が追加設定されていることをサーバ側記憶部3に記憶している。この場合、
図6に示すように、情報入出力機器20は、上記参照情報として、各種センサ32から収集したデータ(例えば動作機器10としての給湯器の燃焼器の動作状態など)を所定のタイミングでサーバ装置1に送信し(工程#20、工程#23)、そのデータはサーバ装置1で収集される(工程#21、工程#24)。
【0068】
そして、サーバ装置1は、収集済みの給湯器(監視対象の動作機器10)の状態に関するデータを参照情報として解析し、監視対象の動作機器10のメンテナンス作業を依頼することが好ましいと判定される場合に、作業依頼機能が実行されることが好ましいと決定し、実行されることが好ましいと決定した作業依頼機能の実行を促す提案情報を情報入出力機器20に送信する。例えば給湯器(監視対象の動作機器10)の燃焼器(動作部11)で点火不良が発生している場合、サーバ装置1は、給湯器のメンテナンス作業を依頼することが好ましいと判定する((工程#25の「提案あり」))。それに対して、給湯器(監視対象の動作機器10)に動作不良が発生していない場合、サーバ装置1は、給湯器のメンテナンス作業を依頼する必要はないと判定する(工程#22の「提案なし」)。
【0069】
そして、サーバ装置1は、工程#25で「提案あり」と判定した場合、実行されることが好ましいと決定した作業依頼機能の実行を促す提案情報を情報入出力機器20に送信する(工程#26)。例えば、「給湯器に不具合の可能性があります。メンテナンス作業を依頼する場合は拡張機能No.1スイッチを押してください。」という提案情報が、情報入出力機器20で受信され、音声出力又は文字出力される(工程#27、工程#28)。
【0070】
このように、利用者は、自身が監視対象の動作機器10の状態に懸念を抱いていなくても、作業依頼機能が実行されることが好ましいタイミングで、その実行を促して貰える。そして、利用者は、作業依頼機能の実行を希望するのであれば、作業依頼機能に対応するスイッチ操作を行えばよい。
その後、このような提案情報の提供を受けた利用者が、上述したような作業依頼機能が追加設定された例えば拡張機能No.1スイッチを押すと、上述したような手順で作業依頼機能が実行されることで、サーバ装置1は、サーバ側記憶部3に記憶されている利用者情報を参照して利用者を特定し、給湯器のメンテナンス作業担当者に対してその利用者の住所や給湯器型式などの情報(利用者に関する情報)を知らせて、メンテナンス作業の依頼を行う。
【0071】
〔機器状態検証機能〕
機器状態検証機能は、利用者が拡張機能用のスイッチを押すと、施設6に設置された特定の動作機器10,31の状態の検証が行われる機能である。サーバ装置1は、拡張機能の一つとして設定されている機器状態検証機能に関する情報を処理する場合、収集済みの特定の動作機器10,31の状態に関するデータを解析し、特定の動作機器10,31の状態の検証結果が情報入出力機器20において利用者に対して出力されるように情報入出力機器20へ送信する。つまり、利用者は、例えば特定の動作機器10,31の状態に懸念がある場合にこの機器状態検証機能に対応するスイッチ操作を行うことで、その特定の動作機器10,31の最新の状態に基づく検証結果を得ることができる。
【0072】
具体的に説明すると、情報入出力機器20では、給湯器(特定の動作機器10)を監視対象の動作機器として、機器状態検証機能が「拡張機能No.1」スイッチ22dに設定されている。また、サーバ装置1は、情報入出力機器20において、給湯器(特定の動作機器10)を監視対象とする機器状態検証機能が追加設定されていることをサーバ側記憶部3に記憶している。
図8に示すように、例えば、給湯器(動作機器10)の動作音が通常と異なる場合に利用者が「拡張機能No.1」スイッチ22dに対して1回短時間押し操作を行うと(工程#30)、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に設定されている拡張機能の実行が指令されたと判定する(工程#31)。加えて、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に関連付けられているデータ(給湯器(特定の動作機器10)の状態に関するデータ)を収集する(工程#32)。この場合、給湯器(特定の動作機器10)の状態に関するデータは、各種センサ32から収集される、給湯器(動作機器10)の状態に関するデータである。その後、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」の実行が指令された旨の情報と、利用者を特定するための固有の識別情報(リモコンID(例えばMACアドレスなど))と、収集したデータとをサーバ装置1に送信する(工程#33)。尚、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に関連付けられているデータ(給湯器(特定の動作機器10)の状態に関するデータ)を、サーバ装置1から要求された場合に送信するような改変も可能である。
【0073】
その後、工程#34においてそれら情報を受信したサーバ装置1は、サーバ側記憶部3に記憶されている利用者情報を参照して利用者を特定し、収集済みの給湯器(特定の動作機器10)の状態に関するデータを解析して、給湯器の動作が正常であるか否かといった給湯器の状態の検証結果を作成する(工程#35)。そして、サーバ装置1は、その検証結果を情報入出力機器20に送信する(工程#36)。その結果、検証結果が情報入出力機器20において受信され(工程#37)、利用者に対して出力される(工程#38)。
【0074】
また、サーバ装置1は、上記検証結果が、特定の動作機器10で問題が発生しているという内容になる場合、その検証結果を情報入出力機器20に送信するという処理に代えて、或いは、その処理に加えて、その問題への対処方法についての情報を利用者に伝えるという処理や、その問題への対処をサーバ装置1自身で行うといった処理を実行してもよい。
【0075】
サーバ装置1が、問題への対処方法についての情報を利用者に伝えるという処理を実行する場合の例としては以下のようなものがある。例えば、サーバ装置1は、動作機器10で発生している特定の問題と、その特定の問題への、利用者が実行可能な対処方法とをサーバ側記憶部3に予め記憶しておく。そして、サーバ装置1は、収集済みの特定の動作機器10の状態に関するデータを解析した結果が特定の動作機器10で問題が発生しているという内容になる場合、検証結果を情報入出力機器20に送信するという処理に代えて、或いは、その処理に加えて、特定の動作機器10で発生している問題への対処方法についての情報を、情報入出力機器20において利用者に対して出力されるように情報入出力機器20へ送信するという処理を実行する。その結果、問題が発生している動作機器10の利用者は、情報入出力機器20において、サーバ装置1からその問題への対処方法についての情報の伝達を受けることができる。その結果、利用者がその対処を実行することで、問題が発生している動作機器10の状態が改善することが期待できる。
【0076】
サーバ装置1が、問題への対処をサーバ装置1自身で行うという処理を実行する場合の例としては以下のようなものがある。例えば、サーバ装置1は、動作機器10で発生している特定の問題と、その特定の問題への、サーバ装置1側で実行可能な対処方法とをサーバ側記憶部3に予め記憶しておく。そして、サーバ装置1は、収集済みの特定の動作機器10の状態に関するデータを解析した結果が特定の動作機器10で問題が発生しているという内容になる場合、検証結果を情報入出力機器20に送信するという処理に代えて、或いは、その処理に加えて、特定の動作機器10で発生している問題への対処を行うという処理を実行する。例えば、サーバ装置1は、サーバ側記憶部3に記憶されている利用者情報を参照して利用者を特定し、動作機器10のメンテナンス作業担当者に対して、動作機器10で発生している問題の内容と利用者の住所や電話番号とを知らせると共にその利用者の施設6への出動や電話連絡を行うように依頼する。この場合、サーバ装置1は、上記検証結果として、動作機器10で問題が発生していること、及び、メンテナンス作業担当者に対して出動や電話連絡の依頼を行ったことなどを含む情報を情報入出力機器20に送信してもよい。
他には、サーバ装置1は、情報入出力機器20で動作しているソフトウェアのバージョン情報をサーバ側記憶部3で予め記憶しておき、特定の動作機器10で発生している問題が、情報入出力機器20で動作しているソフトウェアのバージョンが適切なバージョンでない(即ち、新しいバージョンでない)ことに原因があるならば、サーバ装置1から情報入出力機器20に適切なバージョンのソフトウェアを送信して、情報入出力機器20で動作しているソフトウェアを書き換えさせるという対処を実行する。この場合、サーバ装置1は、上記検証結果として、動作機器10で問題が発生していること、及び、情報入出力機器20で動作しているソフトウェアを書き換えたことなどを含む情報を情報入出力機器20に送信してもよい。尚、サーバ装置1が、特定の動作機器10で発生している問題への対処のために実行する処理の内容は、上述した例に限定されず適宜設定できる。
【0077】
〔温調機能〕
温調機能は、利用者が拡張機能用のスイッチを押すと、施設6での冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行うことができる温調用の動作機器(動作機器31)に対して、サーバ装置1から動作制御指令が送信される機能である。サーバ装置1は、拡張機能の一つとして設定されている温調機能に関する情報を処理する場合、収集済みの施設6の環境に関するデータを解析し、施設6の環境を好ましい環境に近付けるための温調用の動作機器31の運転条件を決定して、運転条件に従った運転を温調用の動作機器31で行わせるための動作制御指令を温調用の動作機器31へ送信する。つまり、利用者は、この温調機能に対応するスイッチ操作を行うことで、温調用の動作機器31を制御するための専用のリモコン等を操作しなくても、サーバ装置1から送信される施設6の最新の環境に基づく動作制御指令に従って温調用の動作機器31を自動で動作させ、施設6の環境を好ましい環境に近付けることができる。
【0078】
具体的に説明すると、情報入出力機器20では、温調用の動作機器(動作機器31)を用いて行われる温調機能が「拡張機能No.1」スイッチ22dに設定されている。また、サーバ装置1は、情報入出力機器20において温調用の動作機器31を用いて行われる温調機能、即ち、温調用の動作機器31を制御対象とする温調機能が追加設定されていることをサーバ側記憶部3に記憶している。
図9に示すように、例えば、利用者が帰宅して、施設6内の温度を調整することを目的とした場合、利用者が「拡張機能No.1」スイッチ22dに対して1回短時間押し操作を行うと(工程#40)、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に設定されている拡張機能の実行が指令されたと判定する(工程#41)。加えて、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に関連付けられているデータ(施設6の環境に関するデータ)を収集する(工程#42)。この場合、施設6の環境に関するデータは、各種センサ32から収集される、施設6の室内温度などである。その後、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」の実行が指令された旨の情報と、利用者を特定するための固有の識別情報(リモコンID(例えばMACアドレスなど))と、収集したデータとをサーバ装置1に送信する(工程#43)。尚、情報入出力機器20は、「拡張機能No.1」に関連付けられているデータ(施設6の環境に関するデータ)、サーバ装置1から要求された場合に送信するような改変も可能である。
【0079】
その後、工程#44においてそれら情報を受信したサーバ装置1は、サーバ側記憶部3に記憶されている利用者情報を参照して利用者を特定し、収集済みの施設6の環境に関するデータを解析して、施設6の環境を好ましい環境に近付けるための温調用の動作機器31の運転条件を作成する(工程#45)。例えば、サーバ装置1は、エアコン(温調用の動作機器31)を設定温度25℃で冷房運転させるという運転条件を作成する。そして、サーバ装置1は、その運転条件に従った運転を温調用の動作機器31で行わせるための動作制御指令を施設6の温調用の動作機器31に送信する(工程#46)。加えて、サーバ装置1は、利用者の端末機器9に対して、温調用の動作機器31で行わせるための動作制御指令の内容(指令結果)を送信する(工程#47)。その結果、施設6では、エアコン(温調用の動作機器31)が設定温度25℃で冷房運転され、そのことを利用者も認識できる。
【0080】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、本発明の情報処理システムについて具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、情報入出力機器20、動作機器10、サーバ装置1などの構成や、それらで記憶されている情報などについて具体例を挙げて説明したが、それらは例示目的で記載したものであり、それらの内容は適宜変更可能である。
【0081】
<2>
上記実施形態では、拡張機能の実行を指令する場合に利用者が操作する専用の「拡張機能No.1」スイッチ22d及び「拡張機能No.2」スイッチ22eが情報入出力機器20に設けられている場合の例を説明したが、そのような専用の「拡張機能No.1」スイッチ22d及び「拡張機能No.2」スイッチ22eを設けなくてもよい。
【0082】
図10は、別構成の情報入出力機器20の具体例を示す図である。
図10に示すように、この情報入出力機器20の入力受付部22は、上記実施形態と同様に「運転入/切」スイッチ22a及び「ふろ自動」スイッチ22b及び「追いだき」スイッチ22cを有するが、「拡張機能No.1」スイッチ22d及び「拡張機能No.2」スイッチ22eを有していない。
【0083】
以下の表2は、
図10に示した構成の情報入出力機器20で実行可能な機能と、動作機器10の動作と、利用者に対して要求される固有のスイッチ操作(操作対象スイッチ及び操作入力手法)と、情報入出力機器20で行われる処理との関係を示したものである。
【0084】
【0085】
表2に示すように、2つの拡張機能が情報入出力機器20に追加設定可能に構成されている。例えば、利用者が参照できる取扱説明書などに、「追いだき」スイッチ22cに対する1回の長押し操作が「拡張機能No.1」の実行指令に対応すること、「ふろ自動」スイッチ22bに対する1回の長押し操作が「拡張機能No.2」の実行指令に対応することが記載されている。そして、情報入出力機器20の制御部23は、「追いだき」スイッチ22cに対して1回の長押し操作が行われると、「拡張機能No.1」の実行が指令されたことをサーバ装置1に伝達する。また、情報入出力機器20の制御部23は、「ふろ自動」スイッチ22bに対して1回の長押し操作が行われると、「拡張機能No.2」の実行が指令されたことをサーバ装置1に伝達する。
【0086】
<3>
上記実施形態では、利用者が、端末機器9を用いて、自身の情報入出力機器20の拡張機能用のスイッチ(入力受付部22)に拡張機能を追加設定する例を説明したが、他の装置を用いてもよい。例えば、利用者は、自身の情報入出力機器20を用いて、その拡張機能用のスイッチに拡張機能を追加設定するように構成してもよい。
【0087】
<4>
上記実施形態において、スイッチ操作は、利用者の物理的な動作を受け付けて行われるものだけでなく、利用者の音声を受け付けて行われるものや、利用者のジェスチャーを受け付けて行われるものなども含む。そして、入力受付部22が有するスイッチは、利用者の物理的な動作を受け付けて状態が切り替わるスイッチである場合だけでなく、利用者の音声やジェスチャーなどの入力を受け付けて状態が切り替わる仮想的なスイッチである場合も含む。スイッチ操作が利用者の音声を受け付けて行われるものの場合、情報入出力機器20が備える入力受付部22としてのマイクロフォンが認識した音声が例えば「拡張機能No.1」の実行を指令する音声であれば、情報入出力機器20は「拡張機能No.1」の実行指令が行われた(スイッチ操作が行われた)と判定する。或いは、スイッチ操作がジェスチャーによって行われるものである場合、情報入出力機器20が備える入力受付部22としてのカメラが認識した人のジェスチャーが例えば「拡張機能No.1」の実行を指令するジェスチャーであれば、情報入出力機器20は「拡張機能No.1」の実行指令が行われた(スイッチ操作が行われた)と判定する。また、情報入出力機器20が、入力受付部22を用いた音声認識や顔認識で個人を特定できる場合、「拡張機能No.1」の実行を指令できる利用者を予め設定された人物のみに制限してもよい。
【0088】
<5>
上記実施形態では、サーバ装置1のサーバ側記憶部3に記憶されているリモコン型番と装置情報(スイッチ配置)とに基づいて、利用者の情報入出力機器20の入力受付部22に割り当て可能な拡張機能の数を特定する例を説明したが、例えば、情報入出力機器20からサーバ装置1へその入力受付部22に割り当て可能な拡張機能の数を予め送信しておくような構成を採用してもよい。
【0089】
<6>
上記実施形態では、情報入出力機器20に追加可能な拡張機能の内容について、具体例を挙げて説明したが、各拡張機能の内容は適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、拡張機能の一つである機器制御機能が、温調用の動作機器31に対して、サーバ装置1から動作開始及び動作停止の切替指令を送信する機能である場合を例示したが、サーバ装置1が、温調用の動作機器31の動作開始の指令だけでなく、具体的な運転条件を含む指令を送信してもよい。例えば、サーバ装置1は、エアコン(温調用の動作機器31)を設定温度25℃で冷房運転させるという運転条件を含む動作開始の指令を送信してもよい。
【0090】
<7>
上記実施形態では、所定の参照情報、動作機器の状態に関するデータ、施設の環境に関するデータなどについて、具体例を挙げて説明したが、それらの内容は適宜設定可能である。例えば、参照情報には、人感センサによる利用者の存在又は不在の検知結果や施設6での電力消費量などの情報を含めてもよい。動作機器の状態に関するデータには、その動作機器のエラー情報や累積の稼働時間・稼働回数などの情報を含めてもよい。施設の環境に関するデータには、施設6に供給される水道水等の水温などの情報を含めてもよい。
【0091】
<8>
上記実施形態(別実施形態を含む)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、予め搭載されている基本機能とは別の拡張機能を情報入出力機器に追加でき、情報入出力機器が外部のサーバ装置と連動して拡張機能を実行でき、情報入出力機器の利用者の行動確認を行うことができる情報処理システム、及び、その情報処理システムで用いられる情報入出力機器に利用できる。
【符号の説明】
【0093】
1 サーバ装置
5 情報通信網
6 施設
10 動作機器(給湯器)
20 情報入出力機器(台所リモコン)
21 出力部
22 入力受付部
22b 「ふろ自動」スイッチ
22c 「追いだき」スイッチ
22d 「拡張機能No.1」スイッチ
22e 「拡張機能No.2」スイッチ
30 情報入出力機器(浴室リモコン)
31 動作機器
32 各種センサ